【DRY-RUN】右の者に対する道路交通法違反被告事件について、昭和六一年二月二七日岩国簡 易裁判所がした略式命令に対し、検事総長伊藤栄樹から非常上告の申立があつたの で、当裁判所は、次のとおり判決する。 原
右の者に対する道路交通法違反被告事件について、昭和六一年二月二七日岩国簡 易裁判所がした略式命令に対し、検事総長伊藤栄樹から非常上告の申立があつたの で、当裁判所は、次のとおり判決する。 原略式命令を破棄する。 本件公訴を棄却する。 理 由 記録によると、岩国簡易裁判所は、昭和六一年二月二七日公訴を提起されたA に 対する道路交通法違反被告事件について、同日、「被告人は、昭和五九年二月五日 午前八時二九分ころ、兵庫県神戸市中央区a 町b 丁目c のcB 団地前付近道路にお いて、普通乗用自動車(静岡八八ろ五〇三三)を運転するに際し、同車両の屋上に は法令で禁じられた灯火の色が赤色で、かつ、その光度が増減する灯火装置が備え 付けてあり、これを点灯して走行すれば緊急自動車と紛らわしく、他人に迷惑を及 ぼすおそれがあつたのであるから、走行前右灯火装置が点灯していないことを確認 して運転すべき注意義務があるのに、これを怠つたため、右灯火装置が点灯状態に なつているのに気付かないで右車両を運転し、もつて過失により同装置が道路運送 車両の保安基準の定めるところに適合しないため他人に迷惑を及ぼすおそれがある 右車両を運転したものである。」との事実を認定したうえ、道路交通法六二条、一 一九条一項五号、二項、道路運送車両法四一条一三号、道路運送車両の保安基準四 二条一項、五項、刑法一八条、罰金等臨時措置法二条、刑訴法三四八条を適用して、 「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。これを完納することができないときは、金 二、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。端数は一日に換算 する。第一項の金額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令をし、右略式命 令は、昭和六一年四月二日確定したこと、ところが、被告人は、これより先の昭和 六〇年 告人を労役場に留置する。端数は一日に換算 する。第一項の金額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令をし、右略式命 令は、昭和六一年四月二日確定したこと、ところが、被告人は、これより先の昭和 六〇年一〇月一八日に右と同一の事実に基づき交通反則通告書(告知書番号第四八 〇四九五)により反則金五〇〇〇円を納付すべき旨の通告を受け、その納付期限内 である同月二八日に右反則金を納付していることが認められる。 そうすると、右道路交通法違反の事実については同法一二八条二項により公訴提 起が許されないのであるから、公訴提起を受けた岩国簡易裁判所としては、刑訴法 四六三条一項に従い、事件を通常の手続に移したうえ、同法三三八条四号により公 訴棄却の判決をすべきであつたにもかかわらず、右事実につき有罪を認定して略式 命令をしたものであつて、右略式命令が法令に違反し、かつ、被告人のために不利 益であることは明らかである。 よつて、本件非常上告は理由があるから、刑訴法四五八条一号但書により右略式 命令を破棄し、同法三三八条四号により本件公訴を棄却することとし、裁判官全員 一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官秋田清夫 出席 昭和六二年三月二三日 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 牧 圭 次 裁判官 島 谷 六 郎 裁判官 藤 島 昭 裁判官 香 川 保 一 裁判官 林 藤 之 輔 官 林 藤 之 輔
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