【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 本件控訴の趣意は弁護人高橋喜一提出の控訴趣意書に記載されたとおりであるか ら、ここにこれを引用し、これに対し次のように判
主文 本件控訴を棄却する。 理由 本件控訴の趣意は弁護人高橋喜一提出の控訴趣意書に記載されたとおりであるから、ここにこれを引用し、これに対し次のように判断する。 原判決中被告人Aに関する判示事実(第六の一、二、三)は、これに対応する原判決挙示の証拠を総合すれば充分にこれを認定することができ、記録を精査検討しても、原判決の事実認定に過誤はない。しかして、たばこ専売法によるたばこ専売制度が結局において国家財政上の収入をその根本目的とし、同法が右根本目的の下に、その企業独占の実を具体的に確保し、且つ該企業の堅実な運営及びその信用の保持等を期するため、たばこの耕作、製造たばこの製造、輸入、販売、輸出等の各段階において諸種の規制をなし、特に販売の段階に<要旨>おいては、製造たばこの販売機関を日本専売公社及びその指定小売人に限定していること(同法第二十九条)に</要旨>かんがみれば、同法第六十六条第一項にいう「譲り渡し、又は譲り受け」とは、売渡又は買受の如く、当該当事者間において目的物の所有権の移転及び代金の支払を目的とする授受の場合に限られるものではなく、売渡人が目的物の売渡斡旋方を依頼してこれを中間に介在する第三者に引き渡し、右第三者が目的物の売渡斡旋方を委託されてこれを売渡人から受け取る場合の如く、いやしくも国のたばこ専売権確保のために存する叙上の監督統制を紊し、延いてはその根本目的を阻害することとなるべき目的物の授受は、授受の当事者間における目的物の所有権の移転の有無及び代金の支払の如何に拘らず、これまた同条同項にいう「譲り渡し、又は譲り受け」に該当するものと解するのを相当とするから、たとえ所論の如く、被告人A自らか本件製造たばこの買受人本人ではなく、同被告人は、かねがね本件製造たばこの売渡斡 た同条同項にいう「譲り渡し、又は譲り受け」に該当するものと解するのを相当とするから、たとえ所論の如く、被告人A自らか本件製造たばこの買受人本人ではなく、同被告人は、かねがね本件製造たばこの売渡斡旋方を被告人に依頼していた原審相被告人Bとその買受希望者C某との間を斡旋して右両名間にこれが売買を成立させ、右Bから同人がCに売り渡すべき右たばこを受け取つてこれをCに引き渡したに過ぎないとしても、右被告人の所為を前記法条にいう「譲り受け」と解し、これに対し同法第七十一条第一号所定の罰則を適用して処断した原判決はまことに相当であり、所論指摘の如き暇疵はない。論旨は理由がない。 よつて、刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却すべきものとし、主文のとおり判決する。 (裁判長判事坂間孝司判事栗田正判事有路不二男)
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