平成16年9月2日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成15年(行ウ)第67号行政文書不開示処分取消請求事件口頭弁論終結日平成16年6月21日判決 主文 1 被告が原告に対し,平成14年3月1日付けでした「空港近接部埋立造成事業に係る収支計画の積算内訳」の一式(「空港近接部埋立造成事業事業費積算内訳」及び「平成13年10月収支計画積算資料」)を開示しない旨の決定(ただし,愛知県知事による平成15年9月22日付け審査裁決によって開示されることとなった別紙開示情報目録記載の部分を除く。)のうち,別紙資料目録記載②の「年次別収支計画表」の収入欄の「その他」,同支出欄の年次別「事務費」及び「その他」,同目録記載⑥の「交通施設用地処分先内訳」の「面積」並びに同目録記載⑯の「事務費積算の内訳」の年次別の「人件費」,「起債額」,「償還元金」及び「利息」の各部分をそれぞれ取り消す。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,これを10分し,その1を被告の,その余を原告の各負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求被告が原告に対し平成14年3月1日付けでした「空港近接部埋立造成事業に係る収支計画の積算内訳」の一式(「空港近接部埋立造成事業事業費積算内訳」及び「平成13年10月収支計画積算資料」)を開示しない旨の決定(ただし,愛知県知事による平成15年9月22日付け審査裁決によって開示されることとなった別紙開示情報目録記載の部分を除く。)を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,愛知県情報公開条例(平成14年愛知県条例第23号による改正前の平成12年愛知県条例第19号。以下「本件条例」という。)に基づき,「空 載の部分を除く。)を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,愛知県情報公開条例(平成14年愛知県条例第23号による改正前の平成12年愛知県条例第19号。以下「本件条例」という。)に基づき,「空港近接部埋立造成事業に係る収支計画の積算内訳」の一式(「空港近接部埋立造成事業事業費積算内訳」及び「平成13年10月収支計画積算資料」から成る。以下,前者を「積算内訳」,後者を「積算資料」といい,併せて「本件各文書」という。)の開示を求めたところ,その実施機関である被告が不開示決定をした(以下「本件処分」という。)ため,その後の愛知県知事による審査裁決(以下「本件裁決」という。)によって開示されることとなった別紙開示情報目録記載の情報(積算内訳の全部と積算資料の一部。以下「本件開示情報」という。)を除くその余の不開示情報(以下「本件不開示情報」という。)に関する部分の取消しを求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認定できる事実等)(1) 原告による本件各文書の開示請求原告は,平成14年2月15日,被告に対し,本件条例6条1項に基づき,本件各文書の開示を請求した(以下「本件請求」という。乙2)。 (2) 本件各文書の存在と被告の立場ア愛知県企業庁(以下「県企業庁」という。)は,地方公営企業法に基づいて設置された愛知県が経営する公営企業であるところ,被告は,同法7条及び愛知県公営企業の設置等に関する条例4条に基づき,県企業庁に置かれた管理者である。 イ県企業庁は,中部国際空港の関連事業としての「空港島地域開発用地及び常滑市街地に隣接した空港対岸部地域開発用地を埋立造成する事業」(以下「本件事業」という。)を実施するに当たり,平成13年3月14日,収支計画を策定したが,その後,賃貸方式の導入検討や土砂調達計 び常滑市街地に隣接した空港対岸部地域開発用地を埋立造成する事業」(以下「本件事業」という。)を実施するに当たり,平成13年3月14日,収支計画を策定したが,その後,賃貸方式の導入検討や土砂調達計画の変更を受けて,平成13年10月,本件事業に関する収支計画の見直しを行い,「空港近接部埋立造成事業に係る収支計画」(以下「本件収支計画」といい,その文書を「本件収支計画書」という。)をまとめ,同月2日,県議会及び報道機関等に対して公表した(乙1,6)。 ウ本件各文書は,県企業庁において,本件収支計画を策定するための根拠となる資料として,又はその内容を説明するための資料として作成されたものであって,積算内訳と積算資料の2つの文書から成り,さらに,積算資料は,別紙資料目録記載の目次及び①ないし⑱の各資料から構成されている(乙3,4,6,7)。 エ被告は,その職員が組織的に用いるものとして本件各文書を管理している本件条例上の実施機関である(本件条例2条1項)。 (3) 関連事件ア原告は,他の者と共同で,平成12年11月30日,本件事業は採算性が見込めず,その実施によって自然環境が破壊されるなどと主張して,被告に対し,本件事業に関する費用の支出差止めを求める住民訴訟(当庁平成12年(行ウ)第62号。以下「別件事件」という。)を当庁に提起したところ,同事件については,平成14年11月11日,弁論が終結され,平成15年3月24日,原告らの請求を棄却する旨の判決が言い渡されたが,原告らの控訴により,現在,名古屋高等裁判所に係属している(同庁平成15年(行コ)第25号。乙6)。 イ被告は,別件事件において,本件事業が採算性を有することを立証するため,本件収支計画書を証拠として提出したところ,原告らは,平成14年2月15日,その積算の根拠となる本 コ)第25号。乙6)。 イ被告は,別件事件において,本件事業が採算性を有することを立証するため,本件収支計画書を証拠として提出したところ,原告らは,平成14年2月15日,その積算の根拠となる本件各文書について,送付嘱託の申立てをした。 そのため,被告は,裁判所から,同年3月8日までに,本件文書を証拠として提出できるか否かを検討するように求められた。 (4) 本件処分原告は,前記送付嘱託の申立てをした平成14年2月15日,被告に対し,本件請求をしたところ,被告は,同年3月1日,以下の理由で本件各文書を開示しない旨の本件処分を行い,そのころ,原告に対して通知した(甲1)。 ア本件条例7条5号に該当県の機関内部の検討に関する情報であって,公にすることにより意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるためイ本件条例7条6号に該当現在継続(係属)中の訴訟において,相手方から提出を求められており,その対応について(平成14年)3月8日を期限に検討している情報であって,その判断以前に公にすることにより県の当事者としての争訟上の地位を不当に害するおそれがあること及び地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれがあるため(5) その後の経緯ア被告は,平成14年3月8日,別件事件の受訴裁判所である当裁判所に対し,積算内訳を証拠として提出し,さらに同年6月21日,別件の行政文書開示請求に対応して,積算資料のうち,積算内訳と共通する情報を開示した。 イ他方,原告は,平成14年3月12日,愛知県知事に対し,本件処分を不服として,審査請求を申し立てた。 ウ愛知県知事は,平成14年3月29日,上記審査請求について,愛知県情報公開審査会に諮問したところ(諮問第365号。甲2,乙6),同審査会は,本件条例21条 を不服として,審査請求を申し立てた。 ウ愛知県知事は,平成14年3月29日,上記審査請求について,愛知県情報公開審査会に諮問したところ(諮問第365号。甲2,乙6),同審査会は,本件条例21条1項に基づいて,本件各文書の提示を受け,被告職員及び原告からの意見を聴取した上で,平成15年9月11日付けをもって,本件開示情報については既に公開されているか又は公開された情報とほぼ同じ内容であり,本件条例7条5号,6号に該当しないから開示すべきであるが,本件不開示情報は同条6号に該当する旨の答申をした(答申第236号。甲2,乙6,9)。 エ愛知県知事は,平成15年9月22日,前記審査請求に対し,前記答申を踏まえて,本件処分のうち本件開示情報に関する部分を取り消して開示し,その余の部分は棄却する旨の本件裁決をした(甲2)。 (6) 本件条例(抜粋)前文情報の公開は,地方自治の本旨にのっとり,公正で民主的な県政を推進していく上での基礎となるものである。 また,県の保有する情報を広く県民に公開していくことは,県がその諸活動を県民に説明する責務を全うするとともに,県政に対する県民の理解を深め,県民と県との信頼関係を増進していく上で不可欠なものである。 このような認識の下に,県民の知る権利を尊重して,県の保有する行政文書の開示を請求する権利を明らかにするとともに,情報の提供に関する施策の充実を図ることにより,透明性の高い,開かれた県政を実現するために,ここにこの条例を制定する。 (目的)1条この条例は,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,実施機関の管理する情報の一層の公開を図り,もって県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに,県民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な県政 つき定めること等により,実施機関の管理する情報の一層の公開を図り,もって県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに,県民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な県政の推進に資することを目的とする。 (解釈及び運用の基本)3条実施機関は,この条例の解釈及び運用に当たっては,行政文書の開示を請求する権利を十分に尊重するものとする。この場合において,実施機関は,個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。 (行政文書の開示義務)7条実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求をしたものに対し,当該行政文書を開示しなければならない。 一ないし四略五県の機関並びに国及び他の地方公共団体の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの六県の機関又は国若しくは他の地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ略ロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国又は地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれハ,ニ略ホ国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ 2 本件の争点本件不開示情報は,本件条例7条(5号,6号ロ,ホ)の定める不 害するおそれハ,ニ略ホ国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ 2 本件の争点本件不開示情報は,本件条例7条(5号,6号ロ,ホ)の定める不開示情報に当たるか。 3 争点についての当事者の主張の要旨(1) 被告の主張ア県企業庁と本件事業の性格地方公営企業法3条は,地方公営企業の経営の基本原則として「地方公営企業は,常に企業の経済性を発揮するとともに,その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」と定めているところ,ここにいう「企業の経済性」とは,企業一般に通ずる経営原則としての合理性と能率性とを主として指すものである(「地方公営企業法及び同法施行に関する命令の実施についての依命通達」(昭和27年9月29日自乙発第245号))。 そして,地方公営企業は,確かに,利潤の追求を目的とするものではないが,このことは,民間企業のような利潤の極大化が目的ではないというにとどまり,その運営に当たって必要かつ適正な利益の獲得をも否定する趣旨ではない。これは,「地方公営企業法の一部を改正する法律等の施行について(昭和41年7月5日自治事務次官通達)」中の第四の三において,「地方公営企業が健全な経営を確保する上に必要な資金を内部に留保するため,料金には,適正な率の事業報酬を含ませることが適当であること。」とされていることからも裏付けられる。 本件事業は,その財源として一般会計や国庫補助金等の公的補助を受けず,金融機関等から資金を借り入れて,これを土地分譲等による事業収入により返済することが予定されているから,採算性が求められ,しかも,土地を分譲等して企業誘致する際には,官民を問わず,他の土地造成事業者と競合する関係にある。したがって,県企業庁は,民間企業と同様に, より返済することが予定されているから,採算性が求められ,しかも,土地を分譲等して企業誘致する際には,官民を問わず,他の土地造成事業者と競合する関係にある。したがって,県企業庁は,民間企業と同様に,適正な利益を見込んだ上で,分譲予定価格や賃貸予定価格を設定し,これらに基づく収支計画を作成するのであり,本件収支計画におけるこれらの価格設定や販売計画は,企業経営上の極秘事項である。 イ本件条例7条5号の該当性本件条例7条5号は,県の機関等の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報が公にされると,外部からの圧力や干渉等の影響を受けることなどにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が損なわれる場合があり,また,未成熟な情報が公にされ又は情報が尚早な時期に公にされると,県民の間に混乱を生じさせ,又は投機を助長するなどして特定の者に利益を与え若しくは不利益を及ぼす場合があるため,上記の情報について,検討途中の段階の情報を開示することの公益性を考慮してもなお,県等の意思決定に対する支障が看過し得ない程度のものである場合には,上記の情報が記録されている行政文書を不開示とすることを定めたものである。 しかるところ,本件不開示情報には,平成13年10月時点における県企業庁の経営判断や販売計画などの企業戦略に関する情報が含まれているが,これらの情報は,本件事業の販売計画などを適切かつ慎重に検討したもので,今後も社会経済情勢に応じて,さらなる検討を行わなければならないことから,これらを公にすれば,意思決定の中立性又は適切性が損なわれるおそれがある。 ウ本件条例7条6号の該当性本件条例7条6号は,県の機関等が行う事務事業は,公益に適合するよう適正に遂行されるものであるが,これらの事務事業に関する情報の中には,当該事務事業の性質上,公にす 。 ウ本件条例7条6号の該当性本件条例7条6号は,県の機関等が行う事務事業は,公益に適合するよう適正に遂行されるものであるが,これらの事務事業に関する情報の中には,当該事務事業の性質上,公にすることにより,その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものが含まれるため,これらの情報が記録された行政文書を不開示とすることを定めたものである。 しかるところ,本件不開示情報には,平成13年10月時点における県企業庁の経営判断がうかがえる情報や販売計画につながる情報などの企業戦略に関する情報が含まれているところ,これらは,県企業庁の事業運営に関する考え方やノウハウなどの企業秘密であって,これらを公にすることにより,県企業庁の経営する事業における経営上の正当な利益を害するおそれがある。 なお,原告は,県企業庁が土地の分譲価格や賃貸価格を決定する際,市場原理を無視し,投資の回収のみを目的としているかのように主張するが,県企業庁は,土地の用途や効用ごとに地域の実勢価格などを参照しながら,それぞれに格差を付けて,回収するべき原価を割り付け,不動産鑑定評価や市場性も十分に考慮した上で決定しているのであって,原告の上記主張は誤りである。 エ本件不開示情報の個別的検討① 収支計画総括表(冒頭の番号は,別紙資料目録記載のそれに対応している。以下,同じ。)この資料における不開示部分は,a総収入額の内訳中の「賃貸収入」の備考欄とb面積に関する部分の中の「賃貸」に関する内訳の部分である。 aには,本件収支計画策定時において県企業庁が考えた1平方メートル当たりの賃貸予定単価が記載されているところ,これが開示されれば,開発用地に進出を希望する企業等が,県企業庁との交渉を優位に進めることができることになり,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害するおそれがある。 b 単価が記載されているところ,これが開示されれば,開発用地に進出を希望する企業等が,県企業庁との交渉を優位に進めることができることになり,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害するおそれがある。 bには,上記時点において県企業庁が賃貸を予定した面積(36万4971平方メートル)の中の,普通借地として考えた部分と定期借地として考えた部分のそれぞれの面積と,どの部分を普通借地とし,どの部分を定期借地とするかという情報が記載されているところ,県企業庁がどの用途区分において,どの程度の面積で普通借地契約ないし定期借地契約を導入するかは,企業誘致の戦略上重要な情報であり,これが開示されれば,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害するおそれがある。 ② 年次別収支計画表この資料における不開示部分は,収入の欄については年次別の「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」及び「その他」の欄,支出の欄については年次別の「造成費」,「事務費」及び「その他」の欄,さらに,年次別の収入支出の「差引」欄及び「累計」欄である。 このうち,「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」は,後記の「分譲収入年次別内訳表」及び「賃貸収入年次別内訳表」の数値が転記されたものであり,「造成費」は後記の「工事関連費の内訳」の数値が転記されたものであって,これらは,後記のとおり不開示情報に当たる。また,「差引」欄や「累計」欄も,計算することによって上記の数値が分かってしまうため,不開示情報に当たる。 さらに,これらの販売戦略に基づく数値や整備計画の予定等の,この時点における企業経営上の判断は,経済情勢の変化などに応じて変更されていくものであって,今後の状況変化に応じた経営判断の自律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するためには,開示することができない。 ③ 土地分譲価格設定の などに応じて変更されていくものであって,今後の状況変化に応じた経営判断の自律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するためには,開示することができない。 ③ 土地分譲価格設定の考え方この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域をそれぞれ「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地」とに4区分し,さらにその内訳に細区分し,それぞれについて分譲時期ごとの分譲予定価格及びその価格設定の考え方が記載されている。しかも,この資料に記載された分譲予定価格は,県企業庁の事業の採算点を探り,検討した結果であり,要するに,上記資料には,県企業庁の分譲に関する企業戦略のすべてが盛り込まれている。 県企業庁が土地を分譲する際には,進出する企業等の希望を聴取した上で,区画を分割するなどした後,不動産鑑定評価等を行い,最終的な分譲価格を決定するところ,進出希望企業等が,この採算点の数値をあらかじめ知ることができれば,県企業庁との交渉を優位に進めることができる。 また,本件事業と競合する土地造成業者も,この採算点を知ることができれば,土地価格の設定等において県企業庁より優位に立つことができる。 したがって,この情報を開示することは,企業経営上の正当な利益を害することになる。 また,価格設定の考え方の部分には,土地の用途や位置関係による価格差の付け方,分譲時期による価格差の発生など,県企業庁が本件事業の採算性の判断に当たって考慮した内容が記載されており,県企業庁の経営上の判断が記されているから,今後の状況変化に応じた経営判断の自律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するために,この情報を開示することができない。 ④ 分譲収入総括表この資料は,③の「土地分譲価格設定の考え方」と関連して,土地の段階的 律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するために,この情報を開示することができない。 ④ 分譲収入総括表この資料は,③の「土地分譲価格設定の考え方」と関連して,土地の段階的整備と賃貸制度とを組み合わせて,空港島及び空港対岸部のどの用途の土地から,どの時期にどれだけの分譲収入を見込むかを本件収支計画策定時点で検討し,まとめたものであり,段階的整備の時期,分譲予定面積,単価,金額等の県企業庁の検討結果が記載されているから,③と同様に不開示情報に当たる。 ⑤ 区画別土地分譲収入内訳この資料には,上記③,④よりも更に細分化された,区画ごとの「分譲単価」,これに面積を乗じた「分譲金額」及び「分譲時期」が記載されており,また賃貸の対象とする区画には印が付されている。つまり,県企業庁の採算点の数値が区画ごとにすべて網羅されていることに加え,段階的な整備との関わりも含めて,どの土地をいつ分譲(又は賃貸)するかという販売計画に関する情報が,すべての区画に関して記載されている。 したがって,③,④と同様に,不開示情報に当たる。 ⑥ 交通施設用地処分先内訳この資料は,鉄道及び道路の用地について,その譲渡予定価格及び面積を設定し,交通施設の用地から生じる収入金額を本件収支計画策定時点において県企業庁が積算したものである。そして,この用地は,公有水面埋立免許により交通施設の敷地として利用されることが定められており,この点で企業誘致の対象となる他の開発用地とは価格設定の根拠等も異なるが,交通施設用地についても,実際の譲渡価格は,造成に要した費用を基に相手方との交渉によって最終的に決定されるものであるから,これらの情報が開示されれば,交渉の際に相手方が有利となり,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害することになる。 ⑦ 分譲収入年次別内訳 を基に相手方との交渉によって最終的に決定されるものであるから,これらの情報が開示されれば,交渉の際に相手方が有利となり,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害することになる。 ⑦ 分譲収入年次別内訳表この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域を,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」,「交通施設用地」の用途ごとに4区分した上,それぞれの年次別の分譲収入額が記載されている。 これには,分譲予定単価は記載されていないものの,分譲収入年次別内訳表の数値と,すでに公開されている本件収支計画や本件開示情報を用いて加減乗除すれば,主要な部分について,土地の用途ごとの分譲予定単価やその近似値を導き出すことができるから,これを開示すれば,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害することになる。 また,この資料からは,経年における処分見込みを,県企業庁がどのように考えているかという経営判断をうかがうことができ,開示により,その経営判断の自律性を損なうおそれがある。 ⑧ 土地賃貸条件設定の考え方この資料には,空港島及び空港対岸部の各開発地域を,それぞれ用途別に4区分し,それぞれについて本件収支計画策定時に県企業庁が想定した,各用途別区分ごとの「賃貸面積」,「賃貸方法(普通借地か定期借地かの別)」,「(土地の)初期価格」,「貸付基礎価格」,「月額賃貸料」,「年間賃貸料」,普通借地における「権利金」の額及び賃貸方法ごとの借地条件が記載されている。 すなわち,この資料には,県企業庁の賃貸に関する企業戦略のすべてが記載されているから,進出希望企業が,これを知れば,県企業庁との交渉を優位に進めることができ,その企業経営上の正当な利益を害することになる。 また,借地条件の部分には,誘導すべき土地利用に応じた賃貸方式の条件など,県企業庁が採算性確保のために ば,県企業庁との交渉を優位に進めることができ,その企業経営上の正当な利益を害することになる。 また,借地条件の部分には,誘導すべき土地利用に応じた賃貸方式の条件など,県企業庁が採算性確保のために考慮した内容が示されており,県企業庁の経営上の判断が分かるから,今後の状況変化に応じた自律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するためには開示することができない。 ⑨ 土地賃貸収入内訳この資料には,賃貸が予定されている区画別に,「面積」,借地方式の「区分」,「年賃料単価」,「期間」,「賃貸総収入」等が記載されており,⑧と同様に不開示情報に当たる。 ⑩ 賃貸収入年次別内訳表この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」,「交通施設用地」の各用途別の年次別賃貸収入額が記載されている。 これには賃貸予定単価は記載されていないものの,本件収支計画や本件開示資料を組み合わせ,加減乗除することにより,主要な部分について,土地の用途ごとの賃貸予定単価やその近似値を導き出すことができるから,⑧と同様に不開示情報に当たる。 ⑪ 空港対岸部土地処分計画図この資料は,空港対岸部の区画図であり,区画ごとに県企業庁が想定した分譲予定単価又は賃貸予定単価及び面積が記載されている。 仮に予定単価の部分を除いたとしても,この資料によって計算上予定価格を導くことができ,③「土地分譲価格設定の考え方」,⑤「区画別分譲収入内訳」,⑧「土地賃貸条件設定の考え方」,⑨「土地賃貸収入内訳」等に示された各区画が,空港対岸部のどの部分に該当するかも一覧することができる。 したがって,これらの情報は,③,⑧と同様に不開示情報に当たる。 ⑬ 工事関連費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,「調査 港対岸部のどの部分に該当するかも一覧することができる。 したがって,これらの情報は,③,⑧と同様に不開示情報に当たる。 ⑬ 工事関連費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,「調査費」,「造成工事費」,「工事負担金」,「優先整備事業」について,さらに詳細な内訳ごとに年次別の金額が記載されている。 本件事業で開発される土地の造成原価は,漁業補償費,工事費,調査費,建設利息,事務費等の合計額となるところ,上記のとおり,この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,実費が具体的に示されているから,土地の単位面積当たりの直接費そのものを導き出すことが可能であって,これに上記の造成原価の構成要素を考慮すれば,空港島と空港対岸部の各開発地域別に単位面積当たりの造成原価を構成する費用をより詳細に算出することが可能となる。したがって,これを開示すれば,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害することになる。 ⑭ 工事負担金の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,道路,水道等の工事負担金の年次別の金額が具体的に記載されているところ,本件事業においては,上下水道の敷設などの地方公共団体による基盤整備事業等が行われることがあるが,その場合には,地方公共団体と県企業庁が整備の規模や時期,負担の割合などを協議した上,県企業庁が財源の一部を工事負担金として支出することがある。このような金額は,県企業庁にとっても未確定な想定,いわば腹づもりであって,開示することはできない。 ⑮ 優先整備事業費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,優先整備事業の「整備内容」,「金額」等が具体的に記載されているところ,これらの優先整備事業は,県企業庁自身が直接整備し,管理運営主体に引き渡すものとして,工事内容ごと年度ごとに想定し 発地域別に,優先整備事業の「整備内容」,「金額」等が具体的に記載されているところ,これらの優先整備事業は,県企業庁自身が直接整備し,管理運営主体に引き渡すものとして,工事内容ごと年度ごとに想定して記載しているものであり,具体的な施設規模や整備時期は,県企業庁と管理運営主体との協議によって決定されるものであるから,このような情報は,県企業庁自身の未確定な想定によるもの,いわば腹づもりであって,不開示情報に当たる。 ⑯ 事務費積算の内訳この資料は,事務費を構成する各項目の年度別の金額及びその積算方法,具体的には,既に開示されている積算資料中の別紙資料目録記載⑰の情報のほか,「人件費」,「委託料」及び「企業債取扱諸費」の3項目の年次別の合計額が記載された表と,その欄外の,表中の数値を導く積算根拠によって構成されている。 人件費は,年次別に,造成工事の事務量の推移に合わせた増減や,販売計画に合わせた増減を,県企業庁が想定して設定した人員数に,県企業庁が想定した人件費単価を乗じて算出しているものであって,県企業庁の経営上の判断を示す情報である。 起債に関する事務手数料とは,企業債の発行及び償還に際して取扱金融機関に県企業庁が支払う手数料のことであるが,この手数料は,企業債の発行及び償還の額によって一義的に定まるものではなく,その発行の際に,これを取り扱う金融機関との交渉によって,その額が決定されるものであり,本件収支計画作成時点で想定した,県企業庁にとっても未確定な想定上の情報である。 以上のとおり,この資料は,本件事業の終了時まで将来の事務費をどのように見込むかという県企業庁の経営判断をうかがうことができる情報であり,販売計画につながる情報でもあるため,開示することができない。 ⑱ 投資台帳この資料には,本件事業に係る平成12年度までの投 ように見込むかという県企業庁の経営判断をうかがうことができる情報であり,販売計画につながる情報でもあるため,開示することができない。 ⑱ 投資台帳この資料には,本件事業に係る平成12年度までの投資実績が項目ごとに記載されているが,これらは全体が造成原価に関する情報であって,近似値が公表されている平成12年度までの「計」欄の金額を除き,投資済み額の内訳を示す内部管理情報であるから開示することができない。 (2) 原告の主張ア不開示情報の判断本件条例の前文及び1条は,行政の説明責任を定めているほか,県民の情報公開請求権が憲法21条の保障する知る権利を根拠として具体化されたものである旨を宣言している。そうだとすると,この請求権の制約は必要最小限度でなければならず,不開示を正当化するためには,開示されることによって生ずる具体的かつ差し迫った支障が行政庁によって明らかにされる必要がある。 したがって,本件条例7条5号及び6号の規定する「おそれがある」場合とは,一般的又は抽象的に支障が生ずるおそれがあるだけでは足りず,具体的な支障が生ずる蓋然性が存する場合を指すと解すべきところ,被告は,本件処分において,本件各情報を開示することにより,上記のような支障が生ずる蓋然性が存することを一切明らかにしていないし,そもそも,上記各号所定の支障が生ずるおそれなど存しない。 イ県企業庁の性格県企業庁は,地方公営企業法に基づく地方公営企業であるところ,この法人は,独立採算制を原則とするが(地方財政法6条,地方公営企業法17条,17条の2,21条),地方公共団体から独立した法人ではなく,その一機関であるため,財政破綻の責任は最終的に当該地方公共団体が負うことになる。 そもそも,地方公営企業は,水道,公共交通機関,病院など,公共性の高い部門について設けられ から独立した法人ではなく,その一機関であるため,財政破綻の責任は最終的に当該地方公共団体が負うことになる。 そもそも,地方公営企業は,水道,公共交通機関,病院など,公共性の高い部門について設けられるもので,それを民間企業に任せていては良質で公平なサービスを受けられない弊害が生ずる危険性があり,また,このような部門は事業の開始やその維持に多大な投資を必要とするため,法は,特別に地方公共団体の一部に独立性の高い部門を設けることを認めたのである。地方公営企業が企業の経済性を発揮するとともに,その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない旨を定めた地方公営企業法3条はこのような趣旨であり,したがって,地方公営企業と民間企業とを同列に扱うことは誤りである。 また,地方公営企業が独立性を持つのは,年度ごとに拘束される一般会計では長期的な投資が困難である上,住民にとって不可欠なサービスを提供するため,政治的な影響が直接現れないようにする必要があるからであって,このように,地方公営企業は,公共部門を担う行政の一部門として議会によって監視され,住民監査請求の対象ともなり得るものであるが,その活動による社会的影響は極めて大きいことに照らせば,その活動は不断に住民の監視にさらされるべきであるし,住民に対して事業の内容を説明する義務を負っているといえる。この意味でも,地方公営企業は,一般の私企業と全く同じ経済活動の自由を有するとはいえない。 しかも,地方公営企業における経済性とは,営利を目的とすることなく,投資した資金の回収に力点が置かれるのであるから,その会計原則は,民間企業とは全く異なり,原則として,取得するに際して要した費用をもって資産を評価する原価主義を採用している。そのため,地方公営企業は,個別事業ごとに,その見通しを立て であるから,その会計原則は,民間企業とは全く異なり,原則として,取得するに際して要した費用をもって資産を評価する原価主義を採用している。そのため,地方公営企業は,個別事業ごとに,その見通しを立てて確実に資金を回収すべく財政計画を作成するが,仮に,時勢が変化し財政計画が予定どおりに進行しない場合についても,財政計画を組み直して帳尻が合うようにし,それでも売却できないときは,一般会計から資金投入されることになる。しかし,そのような場合でも市場価格から土地の価格が決められるのではなく,あくまで造成原価などを基準に価格を決めていくのである。 こうした特徴から,地方公営企業における企業の経済性は,民間企業とは異なる。民間企業であれば,市場による淘汰によって経済性が担保されるが,地方公営企業の場合は,このような市場原理は働かないから,その意思決定過程が民主主義的統制によって担保される必要があり,そのためには,地方公営企業の意思決定過程のあらゆる情報が議会や行政に開示され,経済性が発揮できないとなれば批判され,是正されなければならない。 ウ本件事業の性格本件事業は,土地造成を目的とするが,このような土地造成が地方公営企業の事業として認められたのは,広大な敷地を低額に提供することによって企業を誘致し,地方経済の活性化を図るという趣旨によるものである。すなわち,地方公営企業は,営利を目的とせず,公益の実現を目的としているから,取得原価が回収されればよく,必要以上に利潤を追求することは許されないから,埋立てなどによって造成された土地の価格は,誘致にふさわしい低額であることが求められる。 このような①利潤を追求しない,②原価主義に基づいて価格を決定していくという経営方式は,民間企業のそれとは全く異なり,地方公営企業の公益的性格とそれが求められる経済 い低額であることが求められる。 このような①利潤を追求しない,②原価主義に基づいて価格を決定していくという経営方式は,民間企業のそれとは全く異なり,地方公営企業の公益的性格とそれが求められる経済性から考案されたものである。かかる経営方式は,そもそも民間との競争を予定していない。つまり,同一市場において民間と競合するということは,利潤が上がれば土地価格を上げ,土地の価格が下がればそれに合わせて販売価格を下げるという市場の原理によって販売価格を決めていくことを意味するが,地方公営企業の場合は,そのような市場原理は働かない。それにもかかわらず,地方公営企業の経営が維持され,経済性が発揮されるのは,原価主義に基づく価格決定方式が通常の土地の市場価格に比べて格段に低廉だからである。すなわち,通常であれば,土地の価格は,取得原価に加えて造成価格,さらに大規模造成による都市機能の向上等による付加価値が加わって決定されるが,原価主義によって土地価格を決定する場合には,付加価値を度外視することになる。 本件事業は,大規模な土地造成によって企業誘致が成功するか否かについて大きなリスクを伴うものであるから,民間企業では実現できず,そのため地方公営企業である県企業庁に任されたのである。仮に,民間企業と競合するような事業であれば民間企業に任されるべきであるし,さらに市場が競合するような場面で行政が地方公営企業を設立して不動産売買に介入することは自由競争を侵害することになる。被告は,こうした県企業庁の性格を無視して,あたかも民間土地造成業者と競合する市場を持ち,同じように利益を上げることを目的としていると錯覚させるような主張を行っており,失当である。 この点について,被告は,県企業庁が民間事業者と競合する旨主張するが,本件事業のような巨大なテーマパークを含めた うに利益を上げることを目的としていると錯覚させるような主張を行っており,失当である。 この点について,被告は,県企業庁が民間事業者と競合する旨主張するが,本件事業のような巨大なテーマパークを含めた臨空都市の実現を目的とする大規模造成事業において,民間事業者と競合することはない。被告は,競合することについて具体的に主張立証していないのであるから,県企業庁に企業経営上の正当な利益を認めることはできない。 また,被告は,地方公営企業法上の経済性発揮義務を根拠として,経営判断がうかがえる情報,販売計画につながる情報,企業経営上秘匿性の高い内部管理情報を不開示とすることができるかのように主張するが,前記のとおり,開示を制限するには,開示によって生じる具体的で差し迫った支障が被告から明らかにされる必要があるところ,被告は,抽象的に論ずるのみで具体的に明らかにしない。 エ本件不開示情報の個別的検討① 収支計画総括表この資料の不開示部分は,a総収入額の内訳中の「賃貸収入」の備考欄とb面積に関する部分の中の「賃貸」に関する内訳の部分である。 aについて,被告は,本件収支計画策定時において県企業庁が考えた賃貸予定単価が記載されており,これが開示されれば,県企業庁との交渉を優位に進めることができることになる旨主張するが,県企業庁の場合,賃貸予定単価は原価主義に基づいて定められるものであるから,交渉によって単価が左右されることはなく,そもそも「交渉を優位に進める」ことの意味内容が不明である。また,賃貸予定単価は交渉に当たって公表されるものであるから,これを秘匿することが「企業経営上の正当な利益」になることもない。むしろ,県企業庁の価格設定が開示されなければ,開発に要した金額を回収できるか否か判断できないから,住民にとってすべての情報が公表される必要が することが「企業経営上の正当な利益」になることもない。むしろ,県企業庁の価格設定が開示されなければ,開発に要した金額を回収できるか否か判断できないから,住民にとってすべての情報が公表される必要がある。 bについて,被告は,普通借地と定期借地の区分が企業誘致戦略において重要な企業秘密であると主張するが,県企業庁は,多様な商品を用意して企業にとって魅力ある分譲にしようとしているのであるから,これを公表することは企業庁の販売戦略に沿うものといえ,上記区分を秘密にする必要はないはずである。むしろ,県企業庁が借地権を販売する方式を採用したのは,原価主義によるのでは売却の見込みがなく,販売を先送りするためであるから,県企業庁の活動を民主的に統制するにはこれらの情報の開示が必要である。 ② 年次別収支計画表この資料における不開示部分は,収支の項目ごとの年次別の金額であるところ,被告は,販売戦略に基づく数値や整備計画の予定等の,この時点における企業経営上の判断は,経済情勢の変化などに応じて変更していくものであって,今後の状況変化に応じた経営判断の自律性を維持し,未確定な情報の流出が招く憶測による弊害を回避するためには,開示することができない旨主張する。 しかしながら,少なくとも過去の部分については上記の弊害があるとは思われないし,計画自体は確定した内容であるため,未確定ではありえず,計画は計画として検討するのであるから,これを未確定と扱うことは誤りである。そもそも,住民が計画に関する情報を入手して検討することを「憶測」と評価するのは大きな誤りである。むしろ,年次別収支計画表は県企業庁が経済性を発揮して自立した経営を維持できるか否かを判断するための重要な情報であるから,県民の検討にさらされるべきである。 ③ 土地分譲価格設定の考え方この資料には しろ,年次別収支計画表は県企業庁が経済性を発揮して自立した経営を維持できるか否かを判断するための重要な情報であるから,県民の検討にさらされるべきである。 ③ 土地分譲価格設定の考え方この資料には,分譲用地について収入及び用途別に分譲予定単価及びその価格設定の考え方が記載されているところ,被告は,採算点の数値は企業戦略そのものであり,これを秘密にすることは県企業庁の正当な利益である旨主張するが,その主張は,採算点の数値と実際の分譲価格との間に乖離があることを前提としている。 しかしながら,県企業庁の採算点は,利潤を上げることを考慮せず,投下資本を回収できるかを唯一の基準として判断されるため,進出企業の意向や周辺土地価格(本件事業は大規模造成であるため,類似した土地が存在せず,客観的鑑定になじまない面がある。)の状況などと無関係に決定されるのであるから,採算点を決定した過程自体を秘密にする必要はない。むしろ,こうした情報は県企業庁が健全に経営されているか否かを県民が判断する重要な情報であるため,公開の必要性は高い。 また,被告は,土地分譲の際には,進出希望企業の希望を聴取した上で,区画を分割し,不動産鑑定評価を実施して,最終的な分譲価格を決定する旨主張するが,実際には,分譲に当たって進出希望企業の意向が考慮されることはないし,鑑定評価も不動産鑑定士の簡単な意見書が作成されているのみであって,被告のいう採算点は現時点における分譲予定価格そのものであるから,あたかも経営戦略上の仮のものであるかのような紛らわしい主張は妥当でない。 そもそも,県企業庁が土地を分譲する際には,あらかじめ価格を決定した上で販売を開始し,進出希望企業との個別的交渉によって価格が変動することはないし,この資料には,各区域の区画ごとの分譲予定単価が記載されているにすぎ が土地を分譲する際には,あらかじめ価格を決定した上で販売を開始し,進出希望企業との個別的交渉によって価格が変動することはないし,この資料には,各区域の区画ごとの分譲予定単価が記載されているにすぎず,分譲予定価格自体が実際に記載されているわけでないから,区画の平均的な価格が公表されることで具体的な価格が判明することはない。したがって,これらを公表することによって,県企業庁の経営上の正当な利益が害されることはあり得ない。 ④ 分譲収入総括表この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,用途ごとの分譲予定面積,単価,金額等が記載されているところ,被告は,これらによって分譲予定単価を導くことができる旨主張する。 しかしながら,空港島開発用地では「臨空生産ゾーン」,「港湾交流ゾーン」,「総合物流ゾーン」に用途が分けられ,空港対岸部開発用地では「港湾ゾーン」,「中央ゾーン」,「生活文化ゾーン」,「研究生産ゾーン」に分かれており,いずれも大きな区分けに過ぎず,この区分けの単価が分かったところで,個々の街区ごとの分譲価格が判明するわけではないから,これらが開示されることにより県企業庁の経営に実際に不利益をもたらすとは考えられない。むしろ,県企業庁が適正に運営されているかを判断するためには,これらの資料の公開が必要である。 仮に,分譲予定価格が判明したとしても,積極的に開示すべきであることは,③と同様である。 ⑤ 区画別土地分譲収入内訳被告によれば,この資料には,全地区について,区画別に「面積」,「分譲単価」,「分譲金額」及び「分譲時期」が記載されているところ,これらを開示することによって区画ごとの採算点や販売計画に関する情報が明らかになると主張するが,このような情報が記載されているという証拠はない。 仮に,被告の主張する情報が記載されているとし ところ,これらを開示することによって区画ごとの採算点や販売計画に関する情報が明らかになると主張するが,このような情報が記載されているという証拠はない。 仮に,被告の主張する情報が記載されているとしても,a区画の面積が明らかになることで県企業庁の経営上の正当な利益が害されることはないし,b被告が採算点と称するものは,現時点における分譲予定価格そのものであるから,③で述べたとおり,これを公表したところで企業経営上の正当な利益を害することにならないし,c販売計画の概要は,平成14年9月に愛知県が発表した中部臨空都市推進計画の中で示されており,土地処分についての方針や,埋立事業費の回収時期まで明らかにされているから,さらに具体的な内容を示すことが経営上の正当な利益を害するというのであれば,抽象的ではなく,不都合な理由を具体的に説明すべきである。 ⑥ 交通施設用地処分先内訳この資料には,交通施設用地について,処分先,面積,分譲単価,分譲金額等が記載されているところ,公共用地についても,その価格は,基本的には造成に要した費用を基に決められるものであるから,上記の情報が公表されることによって県企業庁に不利益が生ずることはない。そもそも,公共事業用地の処分予定先には愛知県道路公社が含まれており,造成価格が当然に明らかになるから,このような処分予定先を相手に有利に交渉を進めなければならない理由はない。 ⑦ 分譲収入年次別内訳表この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」,「交通施設用地」の用途ごとの年次別収入額が記載されているが,分譲予定単価などは記載されておらず,その近似値を導くこともできない。仮に各用途ごとの分譲予定単価が導き出されたとしても,それは区画の平均的な価格が明らかになるに過ぎ 次別収入額が記載されているが,分譲予定単価などは記載されておらず,その近似値を導くこともできない。仮に各用途ごとの分譲予定単価が導き出されたとしても,それは区画の平均的な価格が明らかになるに過ぎず,特定の土地の価格が判明するものではない。 したがって,このような資料を公表することで県企業庁の正当な利益を害することはない。むしろ,どのような価格を予定しているかを知ることは,県企業庁が健全に経営されているかを知る上で重要な情報であるから,開示すべきものである。 ⑧ 土地賃貸条件設定の考え方この資料には,賃貸用地について用途別に賃貸予定単価及びその価格決定の考え方が記載されているところ,③と同様,これらは不開示情報に当たらない。 ⑨ 土地賃貸収入内訳この資料には,賃貸が予定されている区画別に,「面積」,借地の「区分」,「年賃料単価」,「期間」,「賃貸総収入」等が記載されているところ,⑤と同様,これらは不開示情報に当たらない。 ⑩ 賃貸収入年次別内訳表この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」,「交通施設用地」の用途ごとの年次別賃貸収入額が記載されているところ,⑦と同様,これらは不開示情報に当たらない。 ⑪ 空港対岸部土地処分計画図この資料は,空港対岸部開発用地の区画図であって,各区画ごとに分譲予定単価又は賃貸予定単価及び面積が記載されているところ,このような各区画ごとの平均的な単価を公表することでどのような不利益があるのか,全く不明である。 ⑬ 工事関連費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,「調査費」,「造成工事費」,「工事負担金」,「優先整備事業」について,さらに詳細な内訳ごとに年次別の金額が記載されているところ,造成原価がいくらであるかは既に公表さ と空港対岸部の各開発地域別に,「調査費」,「造成工事費」,「工事負担金」,「優先整備事業」について,さらに詳細な内訳ごとに年次別の金額が記載されているところ,造成原価がいくらであるかは既に公表されており,それより細かい直接費が知られることによる具体的な問題点を被告は主張していない。したがって,これらは不開示情報に当たらない。 ⑭ 工事負担金の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,道路,水道等の工事負担金の年次別の金額が記載されているところ,社会基盤の整備などは本来公表されるべきであり,これらが不開示情報に当たる旨の被告の主張は理解できない。被告の主張する「腹づもり」を秘密にすることが,何故に企業の経営上の正当な利益になるのか不明である。 ⑮ 優先整備事業費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部の各開発地域別に,優先整備事業の「整備内容」,「金額」等が記載されているところ,これらが不開示情報に当たらないことは⑭と同様である。 ⑯ 事務費積算の内訳この資料には,人件費などの事務費の年次別内訳が記載されているところ,事務費が判明したとしても,販売価格が明らかになるものではない。さらに,被告は,人件費についての情報を開示することが経営上の不利益に当たる旨主張するが,具体的にどのような不利益があるかを明らかにしない。事務手数料についても県企業庁の「腹づもり」が判明することで特別に秘匿すべき経営判断プロセスが明らかになるというものではない。したがって,これらは不開示情報に当たらない。 ⑱ 投資台帳この資料には,本件事業に係る平成12年度までの投資実績が項目ごとに記載されているところ,過去に投資された事実を公表することは説明責任を負担する被告の義務であり,これを開示することによって県企業庁の企業経営上の正当な利益を害すること 年度までの投資実績が項目ごとに記載されているところ,過去に投資された事実を公表することは説明責任を負担する被告の義務であり,これを開示することによって県企業庁の企業経営上の正当な利益を害することはない。 第3 当裁判所の判断 1 不開示情報該当性の判断について憲法21条は,表現の自由を保障しているところ,知る権利も,それから派生し,それを実質的に支えるものとして尊重されるべきは当然であるが,同条は,情報公開請求権を具体的権利として国民に付与するものとはいえない。そうすると,情報公開請求権は,当該地方公共団体等がその具体的範囲,行使方法等について定めた条例等を制定することにより,初めて実定法上の根拠が与えられたものというべきである。したがって,具体的な情報公開請求権の有無,範囲の判断は,当該条例の趣旨,目的を踏まえながら,各条項の文言に即して,合理的かつ客観的な見地から行われるべきものである。 しかるところ,本件条例は,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,実施機関の管理する情報の一層の公開を図り,もって県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに,県民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な県政の推進に資することを目的とするものであり(1条),実施機関は,この条例の解釈及び運用に当たっては,行政文書の開示を請求する権利を十分に尊重すべきであり(3条第1文),開示請求があったときは,不開示情報が記録されている場合を除き,原則として開示しなければならない(7条本文)と定めている。 そして,本件条例7条各号において,不開示情報が定められているところ,同条6号は,県の機関等の事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすお 各号において,不開示情報が定められているところ,同条6号は,県の機関等の事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示情報と定めた上,かかる「おそれ」の例示として,「契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国又は地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ」(同号ロ)や,「国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ」(同号ホ)を掲げている。すなわち,行政機関等といえども,その所管する事務又は事業の実施主体として,それらが適正に遂行されることについて独立の利益を有するものであるから,同号は,このような利益が不当に害されることがないように配慮した規定と考えられる。他方,行政機関が行うすべての事務及び事業は,法律に基づき,公益に適合するように行われなければならず,県民等は,このような法規や公益への適合性の有無を確認する利益を有するから,同号は,行政機関に開示不開示を決定するについて広範な裁量権を与えたものとはいえない。 また,本件条例7条5号は,行政機関の内部又は相互間における審議等に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等があるものを不開示情報と定めているところ,その趣旨は,このような情報には,行政機関としての最終的な意思決定前の事項に関する情報が少なからず含まれるため,これらの情報があらかじめ開示される場合には,率直な意見交換が困難となり,あるいは審議に不当な影響を受けることなどが予想されるため,これらを不開示とすることによって,意思決定の適正さを確保することにあると考えられるが,この点についても,行政機関 直な意見交換が困難となり,あるいは審議に不当な影響を受けることなどが予想されるため,これらを不開示とすることによって,意思決定の適正さを確保することにあると考えられるが,この点についても,行政機関の意思決定が適正でなければならないことは当然であり,事柄によっては,意思決定前の情報をすべて不開示とすることは,行政機関がその諸活動を説明する責務を全うするとの観点からは適当でなく,かえって独善的な意思決定を招くことも考えられないではないから,開示することによって行政機関の適正な意思決定に支障を及ぼすおそれの有無及び程度を具体的に判断して,不開示とされる情報の範囲を画する必要があると解される。 そうすると,上記「財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ」(6号ロ),「企業経営上の正当な利益を害するおそれ」(6号ホ),「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」,「不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれ」又は「特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれ」(以上,5号)は,それが現実的なものであることまでは要しないものの,主観的なものでは足りず,客観的なものでなければならないと解するのが相当である(最高裁判所平成13年11月27日第三小法廷判決・集民203号783頁参照)。 2 県企業庁と本件事業の性格についてところで,被告は,県企業庁は民間の土地造成事業者と競合する関係にあり,本件事業についても,適正な利益を見込んだ上で分譲予定価格や賃貸予定価格を設定するなどの採算性が求められる旨主張するのに対し,原告は,地方公営企業は公益の実現を目的としているから,取得原価の回収以上に利潤を追求することは予定されておらず,民間企業との競争も存在しない旨主張するので,本件各情報の不開示情報該当性の有無を判断す は,地方公営企業は公益の実現を目的としているから,取得原価の回収以上に利潤を追求することは予定されておらず,民間企業との競争も存在しない旨主張するので,本件各情報の不開示情報該当性の有無を判断する前提として,県企業庁や本件事業の性格について検討する。 (1) 地方公営企業は,常に企業としての経済性を発揮するとともに,その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない(地方公営企業法3条)。そのため,地方公営企業は,一般の行政機関と異なり,以下のような法的規制を受けている。 ア地方公営企業の管理者は,その経営について識見を有する者の中から地方公共団体の長によって任命され(地方公営企業法7条の2第1項),一定の事由があるときは罷免され,あるいは懲戒処分を受ける(同条7,8項)ものであるが,原則として,その業務を執行し,当該業務の執行に関し,当該地方公共団体を代表する(同法8条)。また,管理者は,業務に関し管理規程を制定することができる(同法10条)。 他方,地方公共団体の長は,住民の福祉に重大な影響がある地方公営企業の業務の執行に関しその福祉を確保するため必要があるとき,又は当該管理者以外の地方公共団体の機関の権限に属する事務の執行と当該地方公営企業の業務の執行との間の調整を図るため必要があるときは,当該管理者に対し,当該地方公営企業の業務の執行について必要な指示をすることができる(同法16条)。 なお,地方公営企業を経営する地方公共団体は,管理者の権限に属する事務を処理させるため,条例で必要な組織を設けることとされているが(同法14条),管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員は,管理者が任免する(同法15条)。 イ地方公営企業の経理は,事業ごとに特別会計を設けて行うものとされ(同法17条),その経費は,原 (同法14条),管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員は,管理者が任免する(同法15条)。 イ地方公営企業の経理は,事業ごとに特別会計を設けて行うものとされ(同法17条),その経費は,原則として当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てなければならず,地方公共団体の一般会計等による経費負担(同法17条の2)や補助(同法17条の3)は例外として位置づけられる。また,管理者が作成した予算の原案に基づき,地方公共団体の長は,その予算を調製し,議会の議決を経ることを要する(同法24条)。 そして,計理の方法については,一般会計における現金主義に対し,企業会計と同様の発生主義を採用して,経営成績及び財政状態を明らかにすることが求められ(同法20条),かつ,正規の企業会計原則に準拠して,資産の評価や減価償却を行うこととされ(同法施行令9条),たな卸資産の評価についても,企業会計原則と同様に取得原価主義を採用している(同法施行規則4条)。 なお,地方公営企業は,利潤の追求を目的とする私企業と異なり,公共の福祉の増進を目的とするものであるが,社会経済事情の変化によって事業計画どおりの経営成績を収めることができず,欠損を生ずることもあり得ることを考慮すると,毎年多少の利益を確保することは,経営の健全性を確保するとの観点からはむしろ望ましいことと考えられ(同法21条,32条,32条の2などは,そのことを前提とした規定と考えられる。),少なくとも地方公共団体の一般会計等からの経費負担や補助が例外的な位置づけをされていることは上記のとおりである。 ウ地方公営企業は,事業を健全かつ経済的に運営するため,毎事業年度終了後2か月以内に事業報告書並びに決算書類及びその付属書類を調製し,当該地方公共団体の長に提出しなければならない(同法30条1項)。そして 公営企業は,事業を健全かつ経済的に運営するため,毎事業年度終了後2か月以内に事業報告書並びに決算書類及びその付属書類を調製し,当該地方公共団体の長に提出しなければならない(同法30条1項)。そして,地方公共団体の長は,これらの書類を監査委員の審査に付した上(同条2項),監査委員の意見を付して,決算を議会の認定に付すことが定められており(同条4項),決算の要領は公報によって住民に公表することが求められている(地方自治法233条6項)。さらに,地方公共団体の長が,地方公営企業の年度中の財政状況・経営状況を把握するために,地方公営企業の管理者は,毎月試算表その他計理状況を明らかにするために必要な書類を作成して,地方公共団体の長に提出しなければならない(地方公営企業法31条)。 (2) これらの規定によれば,地方公営企業は,その管理者が地方公共団体の長によって任免され,あるいはその業務の執行について必要な指示を受けるなど,その存立基盤は基本的に当該地方公共団体に求められるものであり,財務上も,予算の承認や決算の認定については,地方公共団体の長を経て,議会の議決を得ることを要するなど,全体として地方公共団体の監督下に置かれていることが明らかである。 もっとも,これらの監督,統制は,いわば節目ごとに発動されるものであって,地方公営企業の日常的な業務については,企業の経済性を発揮しつつ公共の福祉の増進を図るという基本原則の下,具体的な販売計画や経営戦略については,当該地方公営企業の自主的な判断に委ねられており(概括的な内容の事業報告書を提出させるにとどまる。),財務上も,独立採算の原則が適用され,計理の方法も,一般企業と同様の会計原則に従っているなど,その自主性,独立性がかなりの程度に尊重されていることも明らかである。 そうすると,地方公営企業に る。),財務上も,独立採算の原則が適用され,計理の方法も,一般企業と同様の会計原則に従っているなど,その自主性,独立性がかなりの程度に尊重されていることも明らかである。 そうすると,地方公営企業については,それが行政機関としての側面を有することはもちろんであるが,他方で,企業としての自主性,独立性を有することも否定できないので,その策定した営業戦略,企業戦略は,後者の性格に照らし,できる限り尊重されるべきものであって,県企業庁もこの例外ではないというべきである。したがって,県企業庁の意思決定過程のあらゆる情報が民主主義的統制に服するべきである旨の原告の主張は,採用できない。 (3) また,証拠(乙1)及び弁論の全趣旨によれば,本件事業は,事業の財源として一般会計や国庫補助金等の公的補助を受けておらず,7年ないし10年間の企業債を発行するなどして事業費を調達し,造成した土地を分譲又は賃貸することによる事業収入により企業債の利息及び償還金に充てることを予定していることが認められ,これによれば,本件事業は,採算性が強く求められる事業であることが明らかである。 そして,本件事業において分譲又は賃貸が予定されている土地は,その総面積が大きいという点では,通常の民間企業が行うことが困難であるとはいえるが,個別の分譲用地の区画の大きさは,他の民間の土地造成事業者又は開発業者とさして異なることはないと考えられるから,分譲又は賃貸が順調に進むか否かは,その価格設定が市場の状況に適合しているか,そのための販売戦略が優れているかにかかることは,民間の企業と異なるところはないというべきであり,この意味において,本件事業は,民間の同種の事業と競合する関係にあるといい得る。 この点について,原告は,本件事業においては,取得原価で分譲することが予定されており,進 ころはないというべきであり,この意味において,本件事業は,民間の同種の事業と競合する関係にあるといい得る。 この点について,原告は,本件事業においては,取得原価で分譲することが予定されており,進出企業等との個別的交渉が入り込む余地はないこと,したがって,民間企業と競合する関係にもない旨主張するが,前記のとおり,地方公営企業はその健全性を確保するために多少の利益を上乗せすることが認められており,しかも,取得原価等の経費をどのように割り付けて回収するかは,県企業庁の判断に委ねられているというべきであるし,企業等が県企業庁の開発した土地に進出(購入ないし賃借)するか否かを決断するに当たり,民間の事業者による同種の事業を想定して,それが有利なものか不利なものかを判断することは大いにあり得ると考えられる。 したがって,前記のとおり,企業としての自主的,独立的性格を有する県企業庁が,本件事業を企画,推進するに当たって策定した土地販売(賃貸)戦略等については,できる限り尊重されるべきもので,少なくとも当該戦略の実現を困難ならしめる事態の招来は,県企業庁の利益や地位を害するものといわざるを得ない。 3 本件収支計画書及び本件各文書の内容等について証拠(後掲)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 本件収支計画(甲2,乙1,6)県企業庁は,平成13年3月14日に幡豆地区土砂採取事業を中止した後,総事業費約2640億円とする本件事業の収支計画を策定したが,その後,賃貸方式の導入や土砂調達計画が具体化したことを受けて,その見直しを実施し,同年10月,本件収支計画(空港近接部埋立造成事業に係る収支計画)を作成した。本件収支計画は,下記のとおり,「基本的な考え方」,「収支計画総括表」,「収支の見通し」,「年度別事業費と財源」の4部分から構 10月,本件収支計画(空港近接部埋立造成事業に係る収支計画)を作成した。本件収支計画は,下記のとおり,「基本的な考え方」,「収支計画総括表」,「収支の見通し」,「年度別事業費と財源」の4部分から構成されているが,平成14年2月には,分譲代金の長期分納方式が導入され,その後も,専門機関による検証を加えながら,区画別の土地処分価格等の決定による収入額の変動や工事の進捗による見直しが予定されている。 ア基本的な考え方(ア) 事業期間平成10年度から平成24年度(収支計算期間は平成40年度まで)(イ) 埋立面積約230ヘクタール(空港島約107ヘクタール,空港対岸部約123ヘクタール)(ウ) 造成スケジュール等平成16年度末までに全体の埋立造成を完了するが,優先的に整備する区域については,平成14年度から順次,部分竣功していく。また,道路等の基盤整備は,土地処分計画に合わせて段階的な整備を行う。 (エ) 土地処分スケジュール平成15年度から平成24年度まで10年間。なお,平成19年度までに全体処分面積の3分の2相当の処分を目指す。 (オ) 土地処分方式等分譲を基本としつつ,区域を限定した賃貸方式を導入する。分譲価格については,常滑市街地や周辺地域との均衡に配慮しながら,優位性のある価格を設定する。賃貸導入区域は,全体処分面積の概ね2割程度とする。借地方式については,事業用借地権を基本とし,概ね土地価格の年2ないし3パーセントの利回りで賃貸料を設定する。 イ収支計画総括表総収入額2450億円(うち分譲収入額2160億円,賃貸収入額290億円)に対し,総事業費2430億円(うち漁業補償費190億円,工事費1560億円,調査費90億円,建設利息330億円,事務費140億円,予備費120億円)であり,差引20億円の剰余金が予定され 0億円)に対し,総事業費2430億円(うち漁業補償費190億円,工事費1560億円,調査費90億円,建設利息330億円,事務費140億円,予備費120億円)であり,差引20億円の剰余金が予定されている。そして,分譲収入の備考欄には,分譲予定面積約157ヘクタール,平均分譲予定単価約13万8000円の,賃貸収入のそれには,賃貸予定面積約36ヘクタール,予定賃貸料は土地価格の年利2ないし3パーセントの各記載がある。 なお,注記として,上記収支計画は,今後の状況変化に対応して,適宜適切な見直しを行っていく旨の記載もある。 ウ収入の見通し(ア) 分譲収入の表には,商業・業務用地,流通施設用地,製造業用地,交通施設用地の別に,空港島及び空港対岸部ごとに分譲予定面積,これらを合算した総分譲予定面積,分譲収入並びに平均分譲予定単価がそれぞれ記載されている。 (イ) 賃貸収入の表には,商業・業務用地,流通施設用地の別に,空港島及び空港対岸部ごとの賃貸予定面積,これらを合算した総賃貸予定面積,賃貸収入並びに参考の借地期間がそれぞれ記載されている。 上記の各数値は,当然のことながら,イの対応する数値と一致している。 エ年度別事業費と財源年度別事業費と財源の表のうち,総事業費の部分については,イの各事業費の別に,平成12年度までから平成17年度以降までの各年度に必要な金額が記載され,財源の部分については,企業債,土地処分収入,内部留保資金の別に,上記各年度額に必要な金額が記載されている。 (2) 積算内訳(乙3)積算内訳は,本件収支計画に掲げられた各事業費の内訳を記載したもので,以下のとおり,6項目からなっている。 ア漁業補償費約190億円の内訳には,愛知県及び三重県の各漁連との契約日,契約金額及びそのうち県企業庁負担分がそれぞれ記載されている。 内訳を記載したもので,以下のとおり,6項目からなっている。 ア漁業補償費約190億円の内訳には,愛知県及び三重県の各漁連との契約日,契約金額及びそのうち県企業庁負担分がそれぞれ記載されている。 イ工事関連費約1560億円の内訳には,平成12年度までから平成17年度以降までの各年度ごとに,準備工事(汚濁防止工事,周辺整備工事,中仕切堤築造,航行安全対策など),護岸工事,埋立工事,基盤整備(道路,緑地,運河整備など),工事負担金(上下水道,道路,鉄道等)の別に,必要な金額がそれぞれ記載されている。 ウ調査費約90億円の内訳には,平成12年度までから平成17年度以降までの各年度ごとに,設計調査費等(開発基本調査,地質調査,設計調査など)と環境調査等(環境影響調査,環境モニタリングなど)の別に,必要な金額が記載されている。 エ建設利息約330億円の内訳には,建設費充当起債分(起債額約1710億円)と,建設元金充当起債分(償還元金約290億円を2回借換え)について試算した金額が記載されている。 オ事務費約140億円の内訳には,平成12年度までから平成17年度以降までの各年度ごとに,人件費及び需用費,企業債取扱諸費(引受手数料,登録手数料,割引料,元利金支払手数料)の別に,必要な金額が記載されている。 カ予備費約120億円の内訳には,漁業補償費,工事費,調査費,建設利得,事務費の合計額2311億7200万円の約5パーセントが予備費に充てられていることが記載されている。 (3) 積算資料(甲2,乙1,6,7,9)。 積算資料の内容は,目次(開示済み)のほかは以下のとおりである。 ① 収支計画総括表この資料のうち,「総収入額(内訳を含む。)」,「総事業費(前同)」,「差引収支」並びに「面積」のうちの「処分面積全体」及び「うち賃貸面積」の各情報 )のほかは以下のとおりである。 ① 収支計画総括表この資料のうち,「総収入額(内訳を含む。)」,「総事業費(前同)」,「差引収支」並びに「面積」のうちの「処分面積全体」及び「うち賃貸面積」の各情報は開示されており,不開示部分は,a総収入額の内訳中の「賃貸収入」の備考欄とb面積に関する部分の中の「賃貸」の内訳欄であるところ,aには,本件収支計画策定時に想定された1平方メートル当たりの月額予定賃料が記載され,bには,同様に定期借地制度を導入する土地と普通借地制度を導入する土地のそれぞれの面積と,その土地の用途区分が記載されている。 ② 年次別収支計画表この資料には,「収入」(「起債」,「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」,「その他」及び「計」から成る。),同「支出」(「土地買収補償費」,「造成費」,「事務費」,「公債費」,「その他」及び「計」から成る。),収入と支出の「差引」,並びにその「累計」について,平成9年から平成40年以降の年度別の額と合計の額が記載されているところ,「起債」,「土地買収補償費」及び「公債費」については各年度別及び合計の額が,「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」,「造成費」,「事務費」,「差引」及び「累計」については合計の額が開示されている。 したがって,不開示部分は,「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」,「造成費」,「事務費」,「差引」及び「累計」の各年度別の額並びに各「その他」及び各「計」の年度別の額と合計の額である。 このうち,「土地分譲収入」及び「土地賃貸収入」は,⑦,⑩の数値がそれぞれ転記されたものであり,「造成費」は,⑬の数値が転記されたものである。 ③ 土地分譲価格設定の考え方この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地」 ⑬の数値が転記されたものである。 ③ 土地分譲価格設定の考え方この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地」の4区分をさらに用途によって細区分した土地について,分譲時期ごとの分譲単価とその価格設定の考え方が記載されている。 ④ 分譲収入総括表この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地等」の4区分をさらに用途によって細区分した土地について,分譲時期ごとの分譲単価,分譲面積及び分譲金額(分譲単価と分譲面積を乗じた額)が記載され,さらに上記の両地域を合わせた空港近接部について,上記の4区分ごとに,上記と同様の情報が記載されている。 ⑤ 区画別土地分譲収入内訳この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地」の4区分を用途によって細区分し,さらにこれを分割した1区画ごとに,詳細な分譲単価,分譲面積,分譲金額(分譲単価と分譲面積を乗じた額)及び分譲時期が記載され,さらに上記の両地域を合わせた空港近接部について,上記の4区分ごとに,上記と同様の情報が記載されている。 また,この資料には,賃貸の対象となる区画が1区画ごとに判明するように記載されている。 ⑥ 交通施設用地処分先内訳この資料には,開発用地の交通施設用地を道路と鉄道に大別し,前者についてはさらに細分化して,「路線名」,「処分先」,「面積」,「分譲単価」及び「分譲金額」が,後者については「処分先」,「面積」,「分譲単価」及び「分譲金額」が,それぞれ記載されている。 ⑦ 分譲収入年次別内訳表この資料には,空港対岸部と空港島のそれぞ 」,「分譲単価」及び「分譲金額」が,後者については「処分先」,「面積」,「分譲単価」及び「分譲金額」が,それぞれ記載されている。 ⑦ 分譲収入年次別内訳表この資料には,空港対岸部と空港島のそれぞれの開発用地について,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地等」の4区分ごとに,年次別の「分譲収入額」と用途別の「合計額」が記載されている。 ⑧ 土地賃貸条件設定の考え方この資料には,空港対岸部と空港島のそれぞれの開発用地の「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の区分をさらに用途によって細区分した土地について,賃貸制度が導入される「面積」,「賃貸方法」,「初期価格」,「貸付基礎価格」,「月額賃貸料」及び「年間賃貸料」が記載され,さらに導入される賃貸制度についての説明(普通借地に適用される5項目の条件と定期借地に適用される5項目の条件を含む。)が記載されている。 ⑨ 土地賃貸収入内訳この資料には,空港対岸部と空港島のそれぞれの開発用地の「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の区分を用途によって細区分し,さらにこれを分割した1区画ごとに,賃貸「面積」,「賃貸方法」,「年賃料単価」,賃貸「期間」及び「賃貸総収入」が記載され,さらに上記の両地域を合わせた空港近接部について,空港対岸部と空港島のそれぞれの開発用地ごとに,面積及び収入額の合計が記載されている。 ⑩ 賃貸収入年次別内訳表この資料には,空港対岸部と空港島のそれぞれの開発用地の「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地等」の4区分ごとに,平成15年度から平成40年度以降まで年次別の賃貸収入額及び用途別の合計額が記載されている。 ⑪ 空港対岸部土地処分計画図この資料は,⑤の区画を図示した空港対岸部用地の区画図であり,すべての細分化さ 成15年度から平成40年度以降まで年次別の賃貸収入額及び用途別の合計額が記載されている。 ⑪ 空港対岸部土地処分計画図この資料は,⑤の区画を図示した空港対岸部用地の区画図であり,すべての細分化された区画ごとに,分譲予定単価又は月額賃貸単価及び面積が詳細に記載されている。 ⑫ 漁業補償費この資料には,各漁協ないし支部ごとに,契約日,契約金額,そのうち県企業庁分及び備考が記載されているが,全て開示済みである。 ⑬ 工事関連費の内訳この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの埋立造成事業について,「調査費」,「造成工事費」,「工事負担金」及び「優先整備事業」の各項目を更に細分化した項目ごとに詳細な内訳の金額が平成9年度から平成19年度以降まで年次別に記載されている。 ⑭ 工事負担金の内訳この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地ごとに,道路築造,水道整備等について,10項目の工事負担金を区分し,年次別の金額が記載されている。 ⑮ 優先整備事業の内訳この資料には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地の別に,5項目の優先整備事業ごとに,詳細な整備内容及び金額等が記載されている。 ⑯ 事務費積算の内訳この資料には,「人件費」,「委託料」及び「企業債取扱諸費」の3項目と「企業債取扱諸費」の細目について,平成9年度から平成40年度以降まで年次別の経費が記載され,その積算根拠も欄外に記載されている。 また,企業債取扱諸費を計算するための資料として年次の「起債額」,「償還元金」及び「利息」の数値が記載されている。 ⑰ 元利償還金の内訳この資料には,「1建設利息」と「2償還金」の金額が,起債年度ごとに記載されているが,全て開示済みである。 ⑱ 投資台帳この資料には,本件事業に係る平成9年度までから平成12年度まで年次別の投資実績とその合 ,「1建設利息」と「2償還金」の金額が,起債年度ごとに記載されているが,全て開示済みである。 ⑱ 投資台帳この資料には,本件事業に係る平成9年度までから平成12年度まで年次別の投資実績とその合計額が項目ごとに記載されているが,合計額については開示済みである。 4 本件不開示情報の不開示情報該当性の有無前記認定事実に基づいて,本件不開示情報の不開示情報該当性の有無について判断する。 (1) 本件条例7条6号の該当性ア前記3(3)の①収支計画総括表の不開示部分には,a1平方メートル当たりの月額予定賃料(賃貸予定単価)と,b定期借地制度を導入する土地と普通借地制度を導入する土地のそれぞれの面積及びその土地の用途区分が記載されている。 前者の賃貸予定単価が開示されれば,例えば平均賃貸単価よりも高額な賃貸単価が付された優良区画を賃借しようと考えている相手方から値下げ要求を受けるなど,賃貸条件を巡る交渉に支障を来すことがあり得るから,上記情報の開示により,契約に係る事務に関し,県企業庁の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると認められる。したがって,同情報は本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 後者の異なった借地方式を導入する土地の面積及びその用途区分については,これが開示されたとしても,賃貸予定単価に関する情報が開示されなければ,賃料額を予想することは困難である。もっとも,上記の情報は,賃貸条件の一要素を構成し,県企業庁の立案する具体的な賃貸計画に関わるものといえるから,これが開示された場合,県企業庁がどのような形態で(賃貸)収入を上げようとしているかを推測され,ひいては手の内を知る相手方との交渉が円滑に進まないことがあり得るから,上記と同様に,同情報は本件条例7条6号の不開示情報に当たるという のような形態で(賃貸)収入を上げようとしているかを推測され,ひいては手の内を知る相手方との交渉が円滑に進まないことがあり得るから,上記と同様に,同情報は本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 この点について,原告は,賃貸予定単価は原価主義によって定められるものであるから,相手方との交渉によって左右されることはなく,また,企業にとって魅力ある分譲(賃借)にするためには,異なった賃貸方式の情報を開示すべきである旨主張するが,原価主義といえども弾力的な価格設定を一切許さないものでないことは前記のとおりであり,実際の需給事情によっては,賃貸予定単価等の契約条件を変更することは十分に考えられるから,上記主張は採用できない。 イ前記3(3)の②年次別収支計画表の不開示部分には,平成9年から平成40年以降までの「土地分譲収入」,「土地賃貸収入」及び「その他」の年次別の各収入と,「造成費」,「事務費」,及び「その他」の年次別の各支出と,収入・支出の各年次別合「計」,収入と支出の年次別「差引」,その年次別「累計」が記載されている。 これらの情報は,全体として本件事業における資金の推移と毎年の残高の予測を示すものであり,特に,収入・支出の各年次別合「計」,収入と支出の年次別「差引」,その年次別「累計」が開示されれば,本件事業の進行過程において,県企業庁が,どの年度にどの程度の収入と支出を予定し,その結果,特定年度における経常収支と事業開始以来の累積収支の各状況がどのようなものであるかという具体的な経営戦略が判明するところ,例えば,県企業庁が多額の収入を予定している年度において,手の内を知る進出希望企業が値下げ要求を出すなど,県企業庁による交渉が円滑に進まない可能性が考えられるから,これらは本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべ 額の収入を予定している年度において,手の内を知る進出希望企業が値下げ要求を出すなど,県企業庁による交渉が円滑に進まない可能性が考えられるから,これらは本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 また,年次別の「土地分譲収入」額については,個別の土地の分譲予定単価が記載されているものではないが,開示済みの本件収支計画書に記載された平均分譲予定単価,各用途地区ごとの分譲予定面積,分譲収入,同じく開示済みの積算内訳に記載された事業費の詳細,元利償還金の内訳などの資料を用いて計算すれば,各用途地区ごとの年次別の平均分譲予定単価の近似値を導くことが可能であり,さらに進出を希望する区画の位置や形状等から,その土地について県企業庁が予定している個別的な同単価を推測することも不可能ではない。そうすると,上記の情報は,その開示によって,契約に係る事務に関し,県企業庁の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると認められるから,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 次に,年次別の「土地賃貸収入」についても,個別の土地の賃貸予定単価が記載されているものではないが,開示済みの本件収支計画書に記載された空港島と空港対岸部のそれぞれの商業・業務用地と流通施設用地ごとの賃貸予定面積,予定賃貸料(土地価格の年利2ないし3パーセント)などの資料を用いて計算すれば,県企業庁の予想している賃貸予定単価の近似値を推測することが可能であり,さらに進出を希望する区画の位置や形状等から,その土地について県企業庁が予定している個別的な賃料単価を推測することも不可能ではない。したがって,上記情報も,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 さらに,年次別の「造成費」については,開示済みの積算内訳において,平成16年度ま 価を推測することも不可能ではない。したがって,上記情報も,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 さらに,年次別の「造成費」については,開示済みの積算内訳において,平成16年度までは,年次別の工事関連費内訳が示されているものの,それ以降の年度に係る造成費については,本件処分時においては,未確定な造成工事請負契約に基づく支出予定額に関わる情報であるから,これが開示されれば,上記契約の相手方は,県企業庁のいわば手の内を知ることとなって,交渉を優位に進めることが可能となると考えられる。したがって,上記情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 他方,年次別の「事務費」については,これが開示されたとしても,直ちに県企業庁による交渉等の支障となるものとは考え難く,上記のとおり,平成17年度以降の年次別支出予定総額が開示されなければ,これを基に年次別の「造成費」を推測することも困難であるから,これは,本件条例7条6号の不開示情報に当たるとは認め難い。また,「その他」欄も,どのような情報が記載されているか明らかでなく,これを開示することによってどのような支障を生ずるおそれがあるかについて被告は具体的に主張しないから,本件条例7条6号所定の不開示情報に当たると認めることはできない。 なお,原告は,少なくとも過去の部分を開示しても弊害は考えられず,計画自体は確定しているから,未確定な情報として扱うことは誤りである旨主張するが,例えば,過去において支出が収入を大きく上回っておれば,その後は大きな収入を予定していることが推測されるなど,県企業庁の経営戦略の概要を知る手掛りを与えることになるし,計画と具体的な実績が一致しなければならないものではないので,上記主張は採用できない。 ウ上記3(3)の③ないし⑤は,「商業・業務 るなど,県企業庁の経営戦略の概要を知る手掛りを与えることになるし,計画と具体的な実績が一致しなければならないものではないので,上記主張は採用できない。 ウ上記3(3)の③ないし⑤は,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地等」の4区分をさらに用途によって細区分(⑤についてはさらに区画に分割)した土地の分譲予定単価(③及び④にはさらに分譲時期ごとの分譲予定単価,④及び⑤にはさらに分譲時期ごとの分譲面積,分譲金額)が記載されているところ,これらを開示すれば,1区画ごとの分譲予定単価等が判明し(⑤),又はそこまで判明しなくとも,細区分された用途地区の平均分譲予定単価を基に,個別の土地のその区画の中での位置や形状等から,その土地の分譲予定単価を推測することも困難ではないと考えられる(③,④)し,また県企業庁がどの時期にどの程度の規模の土地を分譲しようとしているかという販売戦略も判明する(③,④)から,いわば手の内を知る進出希望企業等の相手方は,県企業庁との交渉を優位に進めることができると考えられる。したがって,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 この点についても,原告は,県企業庁の採算点は原価主義に基づいて決定され,交渉によって定まるものでないから,分譲予定単価を開示することによって県企業庁の利益を害するおそれは考えられないなどと主張するが,アで判断したとおり,価格は原価主義に基づいて画一的に定まるものとはいえないから,上記主張は採用できない。 エ上記3(3)の⑥には,鉄道と道路(道路についてはさらに細分化した路線)の用地について,「処分先」,「面積」,「分譲単価」及び「分譲金額」が記載されている。 上記の交通施設用地処分先内訳の施設用地については,造成原価で売却することが 路についてはさらに細分化した路線)の用地について,「処分先」,「面積」,「分譲単価」及び「分譲金額」が記載されている。 上記の交通施設用地処分先内訳の施設用地については,造成原価で売却することが予定されており,平均分譲予定単価は明示されていないものの,開示済みの本件収支計画によって,分譲収入(320億円)と分譲予定面積(23ヘクタール)が明らかにされているため,簡単な計算によってその概数を知ることが可能である。そうすると,上記の交通施設用地については,それ以外の用地よりも価格決定における裁量の範囲は小さいと考えられるものの,上記の情報が開示されると,平均分譲予定単価よりも高額な同施設用地の処分先候補から値下げ要求を受ける可能性があり,また,複数の処分先が予定されている場合には,それぞれとの交渉を経て造成原価を各用地に具体的にどのように割り当てるかが決定されると考えられるから,他の分譲予定地と同様に,上記情報は,開示によって,契約に係る事務に関し,県企業庁の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると認められる。 この点について,原告は,公共用地の価格は基本的に造成価格に基づいて決定されるから県企業庁に不利益をもたらすことはないし,そもそも公共事業用地売却の相手方には愛知県道路公社が含まれ,造成価格が当然に明らかになると主張する。しかしながら,売却交渉の際に造成費用を示す必要があるわけではなく,交通施設用地全体としては,造成原価で売却することが予定されているとしても,個々の契約の相手方の条件によっては,造成原価で画一的に処分されるとは限らないこと,契約の相手は愛知県道路公社に限らないことなどに照らせば,原告の上記主張は採用できない。 もっとも,上記情報のうち,「面積」については,これだけを開示したとしても,分譲予定 分されるとは限らないこと,契約の相手は愛知県道路公社に限らないことなどに照らせば,原告の上記主張は採用できない。 もっとも,上記情報のうち,「面積」については,これだけを開示したとしても,分譲予定単価や分譲予定金額を推測することは困難であり,また「面積」が交渉によって決定されるものとは考えられないから,これを開示することにより,県企業庁の企業経営上の正当な利益を害すると認めることはできない。 したがって,上記情報のうち,「面積」については本件条例7条6号の不開示情報に該当するとはいえないが,その余は不開示情報に当たるというべきである。 オ上記3(3)の⑦には,「商業・業務用地」,「流通施設用地」,「製造業用地」及び「交通施設用地等」の4区分ごとに,年次別の「分譲収入額」と用途別の「合計額」が記載されているところ,本件収支計画には,上記の用地別に分譲予定面積,分譲収入額が開示されており,これに,年次別の用地別の分譲収入額が開示されれば,各用地ごとの分譲収入総額が各年度にどのように割り当てられるかが判明し,これに,企業債の償還計画を参考に保有期間に応じた経費などが上乗せされていることを前提に計算すれば,各年度ごとの用地別の分譲予定単価の近似値を推測することが可能となる。そうすると,上記の情報は,これを開示することにより,契約に係る事務に関し,県企業庁の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると認められるから,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 カ上記3(3)の⑧,⑨には,空港島と空港対岸部のそれぞれの開発用地の「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の2区分をさらに細区分した土地(⑨はさらにこれを分割した区画)ごとの賃貸予定の「面積」,「賃貸方式」(さらに,⑧には「初期価格」,「貸付基礎価格」,「 用地の「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の2区分をさらに細区分した土地(⑨はさらにこれを分割した区画)ごとの賃貸予定の「面積」,「賃貸方式」(さらに,⑧には「初期価格」,「貸付基礎価格」,「月額賃貸料」及び「年間賃貸料」が,⑨には「年賃料単価」,賃貸「期間」及び「賃貸総収入」並びに上記の開発用地ごとの「面積」及び「収入額」の合計)が記載されているところ,これらを開示すれば,1区画ごとの賃貸予定単価が判明し(⑨),又はそこまで判明しなくとも,細区分された用途地区の平均賃貸予定単価を基に,個別の土地のその区画の中での位置や形状等から,その土地の賃貸予定単価を推測することは困難ではない(⑧)し,また県企業庁がどの時期にどの程度の規模の土地を賃貸しようとしているかという賃貸戦略も判明する(⑧,⑨)から,いわば手の内を知る進出希望企業等の相手方は,県企業庁との交渉を優位に進めることができると考えられる。 したがって,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 キ上記3(3)の⑩には,空港島と空港対岸部の各開発用地について,「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の2区分ごとに年次別の賃貸収入額が記載されているところ,開示済みの本件収支計画によって,空港島と空港対岸部ごとに「商業・業務用地」及び「流通施設用地」の2区分について賃貸予定面積,賃貸収入及び借地期間(10年ないし20年を基本とするが,ホテル,オフィス用地については30年の長期を導入予定)が示されていることから,上記情報が開示されれば,用途ごとの賃貸予定単価やその近似値を推測することができ,ひいては,県企業庁と進出希望企業との交渉が円滑に進まない可能性が考えられる。 したがって,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 ク上 近似値を推測することができ,ひいては,県企業庁と進出希望企業との交渉が円滑に進まない可能性が考えられる。 したがって,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 ク上記3(3)の⑪は,空港対岸部の区画図であり,各区画ごとに分譲予定単価又は賃貸予定単価及びそれらの面積が記載されているところ,区画ごとの分譲予定単価又は賃貸予定単価が本件条例7条6号の不開示情報に当たることは既述のとおりである。また,その余の情報も,これを開示すれば県企業庁が空港対岸部のどの区画をどの程度の面積で分譲ないし賃貸しようとしているかが具体的に判明するから,いわば手の内を知る進出希望企業との交渉が円滑に進まない可能性が考えられ,したがって,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 ケ上記3(3)の⑬には,空港島と空港対岸部の各埋立造成事業について,その「調査費」,「造成工事費」,「工事負担金」及び「優先整備事業」の各項目と更に細分化した項目ごとの金額が年次別に記載されている。これらの情報は,事業費の大部分を占める造成原価の構成を示すものであり,開示済みの造成面積で除せば,空港島と空港対岸部の各開発用地ごとに単位面積当たりの造成原価の概略が判明するから,これを基礎として決定される分譲予定単価や賃貸予定単価も容易に推測することが可能である。したがって,上記情報は,その開示により,進出希望企業等との価格交渉が円滑に進まない可能性が考えられるから,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 コ上記3(3)の⑭,⑮には,空港島と空港対岸部の各開発用地ごとの年次別工事負担金(⑭)又は優先整備事業ごとの整備内容及び金額(⑮)が記載されているところ,これらの具体的な整備内容や金額は,本件処分時においては未だ確定したもの 港島と空港対岸部の各開発用地ごとの年次別工事負担金(⑭)又は優先整備事業ごとの整備内容及び金額(⑮)が記載されているところ,これらの具体的な整備内容や金額は,本件処分時においては未だ確定したものではなく,相手方との今後の協議によって決定される性質のものであるにもかかわらず,これらが開示されると,県企業庁による協議の内容に事実上の制約を受ける可能性があるから,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 サ上記3(3)の⑯には,事務費を構成する「人件費」,「委託料」及び「企業債取扱諸費」の3項目の年次別合計額と,その積算根拠が記載されているところ,このうち,「委託料」及び「企業債取扱費」及びそれらの積算根拠に関しては,これらが開示されれば,いわば手の内を知る金融機関等との交渉が円滑に進まない可能性が考えられるから,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 これに対し,「人件費」には,県企業庁が想定した人員数に人件費単価を乗じて算出した金額が記載されているところ,これが開示されたとしても,県企業庁が本件事業を推進するに際してどのような支障を生ずるおそれがあるか明らかでない(この情報を入手した労働者や進出希望企業が,県企業庁と雇用契約ないし分譲・賃貸契約の交渉を優位に進めることができるとは考え難い。)。したがって,⑯の「人件費」は,本件条例7条6号の不開示情報に当たらないというべきである。また,「起債額」,「償還元金」,「利息」についても,同様に,情報を入手した進出希望企業が交渉を優位に進めることができるとはいえず,年次別収支計画書で開示済み(乙7,9)でもあるから,本件条例7条6号の不開示情報に当たらない。 シ上記3(3)の⑱の投資台帳には,本件事業に係る平成12年度までの投資実績 とができるとはいえず,年次別収支計画書で開示済み(乙7,9)でもあるから,本件条例7条6号の不開示情報に当たらない。 シ上記3(3)の⑱の投資台帳には,本件事業に係る平成12年度までの投資実績が項目ごとに記載されているところ,これが開示されれば,造成原価を構成する各項目ごとの支出額が判明するから,造成原価に基づいて分譲代金,賃貸料が決定される契約について,進出希望企業等の相手方との交渉が円滑に進まない可能性が考えられる。したがって,上記各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるというべきである。 (2) 本件条例7条5号の該当性(1)で判断したとおり,上記②の年次別「事務費」及び「その他」,⑥の「面積」並びに⑯の「人件費」,「起債額」,「償還元金」,「利息」の各情報は,本件条例7条6号の不開示情報に当たるとは認められないので,次に同条5号の不開示情報の該当性を検討する。 この点について,被告は,本件不開示情報は本件収支計画策定時における県企業庁の企業戦略に関するものが含まれており,今後も情勢の変化に対応してさらなる検討を加える必要が生じ得るから,これらの開示によって意思決定の中立性又は適切性が損なわれるおそれがある旨主張する。 しかしながら,②や⑯の上記各情報は,その内容に照らすと,本件支出計画の基幹部分を構成するものとは考えられず,社会経済情勢の変化に応じて適宜再検討されることは当然に予定されているというべきであり,また,⑥の情報については,すでに公有水面埋立免許の段階で決定済みの事柄であるから,これらの開示によって県企業庁の意思決定における中立性又は適切性が損なわれるおそれがあるとか,その企業戦略にそごを来す可能性があるとは認め難い。 よって,上記各情報は,本件条例7条5号所定の不開示情報に当たらないと判断するのが相当であ 定における中立性又は適切性が損なわれるおそれがあるとか,その企業戦略にそごを来す可能性があるとは認め難い。 よって,上記各情報は,本件条例7条5号所定の不開示情報に当たらないと判断するのが相当である。 5 結論以上の次第で,原告の本訴請求は,本件処分のうち,別紙資料目録記載②の「年次別収支計画表」の収入欄の「その他」,同支出欄の年次別「事務費」及び「その他」,同目録記載⑥の「交通施設用地処分先内訳」の「面積」並びに同目録記載⑯の「事務費積算の内訳」の年次別の「人件費」,「起債額」,「償還元金」及び「利息」の各部分の取消しを求める部分は理由があるから認容することとし,その余は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法61条,64条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官尾河吉久別紙資料目録(「平成13年10月収支計画積算資料」を構成する各資料)目次(全部開示済み)全般 ① 収支計画総括表(一部開示済み)② 年次別収支計画表(一部開示済み)収入関係 ③ 土地分譲価格設定の考え方④ 分譲収入総括表⑤ 区画別土地分譲収入内訳⑥ 交通施設用地処分先内訳⑦ 分譲収入年次別内訳表⑧ 土地賃貸条件設定の考え方⑨ 土地賃貸収入内訳⑩ 賃貸収 訳⑥ 交通施設用地処分先内訳⑦ 分譲収入年次別内訳表⑧ 土地賃貸条件設定の考え方⑨ 土地賃貸収入内訳⑩ 賃貸収入年次別内訳表⑪ 空港対岸部土地処分計画図事業費関係 ⑫ 漁業補償費(全部開示済み)⑬ 工事関連費の内訳⑭ 工事負担金の内訳⑮ 優先整備事業の内訳⑯ 事務費積算の内訳⑰ 元利償還金の内訳(全部開示済み)⑱ 投資台帳(一部開示済み)
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