平成6(行ウ)17 違法支出差止請求

裁判年月日・裁判所
平成14年3月13日 岡山地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-8084.txt

判決文本文39,164 文字)

主文 原告らの主位的及び予備的請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告らの負担とする。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 原告ら(1)主位的請求ア被告は,チボリ・ジャパン株式会社(以下「チボリ・ジャパン」という)に。 対し,別紙1無利子貸付A一覧表記載の「期間」欄に記載した各期間において,この期間に対応する「貸付金額」欄記載の各金員を貸し付けてはならない。 イ被告は,チボリ・ジャパンに対し,別紙2低利貸付B一覧表記載の「期間」欄に記載した各期間において,この各期間に対応する「貸付金額」欄記載の各金員を貸し付けてはならない。 ウ被告は,チボリ・ジャパンに対し,別紙3低利貸付C一覧表記載の「期間」欄に記載した各期間において,この各期間に対応する「貸付金額」欄記載の各金員を貸し付けてはならない。 (2)予備的請求被告は,チボリ・ジャパンに対し,別紙4貸付一覧表記載の「貸付期間」欄に記載した各期間において,この各期間に対応する「貸付金額」欄記載の各金員を貸し付けてはならない。 (3)訴訟費用は,被告の負担とする。 被告(1)本案前の答弁ア原告らの主位的及び予備的請求にかかる訴えをいずれも却下する。 イ訴訟費用は,原告らの負担とする。 (2)本案に対する答弁主文同旨第2事案の概要本件は,倉敷市が,地方自治法(平成11年7月16日法律第87号による改正。 「」。),,,前のもの以下法という2条3項13項242条の2などに違反してチボリ・ジャパンに対する貸付を決定し,別紙1から3のとおり又は別紙4のとおりの貸付(以下「本件貸付」という)を行おうとしていることが,法232条の。 2の「公益上必要がある場合」にも当たらず,違法な公金支出であるとして,倉敷市の住民である原告らが,倉 り又は別紙4のとおりの貸付(以下「本件貸付」という)を行おうとしていることが,法232条の。 2の「公益上必要がある場合」にも当たらず,違法な公金支出であるとして,倉敷市の住民である原告らが,倉敷市長である被告に対し,本件貸付の差止を請求した事案である。 争いのない事実(1)原告らは,いずれも倉敷市の住民である。 (2)被告は,倉敷市の長たる執行機関である。 (3)チボリ・ジャパンは,甲公園の管理運営に当たるため,平成2年2月20日に設立されたいわゆる第三セクター方式の株式会社であるところ,倉敷市は,チボリ・ジャパンに対し,平成8年度から平成12年度まで別紙5貸付表のとおり貸付を行った。 倉敷市は,平成14年度以降もチボリ・ジャパンに対して単年度貸付(各年度において,各年度を超えない期間を貸付期間とする貸付のこと)の方法で,各年度。 における貸付金総額を逓減させて平成23年度まで単年度貸付を行う方針である。 ただし,今後の単年度貸付については,現在,市議会において債務負担行為として議決を経ているものではなく,各年度の予算に計上して市議会の議決を経て実行することになる。 (4)原告らは,平成6年4月21日,倉敷市監査委員に対し,被告の本件貸付に,,,つき事前に差止を求めるため監査請求を行い倉敷市監査委員は同年6月16日同監査請求につき理由がないとして棄却の判断をし,その旨を原告らに通知し,原告らは,同月17日ないしその数日後に,それぞれ同通知を受け取った。 (5)原告らは,同月29日に,本件訴えを提起した。 主たる争点(1)本案前の要件ア当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合か否か。 被告の主張倉敷市が,平成8年度から実施しているチボリ・ジャパンに対する85億円の貸付は,各年度を超えない期間 本案前の要件ア当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合か否か。 被告の主張倉敷市が,平成8年度から実施しているチボリ・ジャパンに対する85億円の貸付は,各年度を超えない期間を貸付期間とする貸付を毎年度行い,平成12年度からは,各年度における単年度貸付金総額を順次減らして平成23年度まで行う予定のものである。しかし,各年度の貸付は,チボリ・ジャパンの今後の経営実績等を勘案して,具体的に貸付の可否,金額,利息等を検討した上で,各年度の倉敷市の予算に計上して,市議会の議決を経て実行することになるものであり,今後の貸付は,相当の確実さをもって予測されるものではない。 イ回復の困難な損害を生じるおそれ(法242条の2第1項ただし書)があるか否か。 (ア)原告らの主張法242条の2第1項1号の差止請求は「普通地方公共団体に回復の困難な損害」,,を生ずるおそれがある場合に限るものと規定されているがチボリ・ジャパンは資本金を費消し,甲公園の開園時まで何らの収益が期待されない会社であるし,被告提出の資料にある経常利益黒字転換及び累積損失一掃の見込み年度は,その前提としている入園者数の見通しが甘く根拠がない。したがって,チボリ・ジャパンの経営には採算性がなく,チボリ・ジャパンに対する100億円もの多額の出資及び貸付をすることは,倉敷市に回復困難な損害を生ずるおそれがあることは明白であるから,原告らの被告に対する本件差止請求は許される。 (イ)被告の主張本件貸付によって倉敷市に回復の困難な損害を生ずるおそれはなく,原告らの被告に対する差止請求の訴えは不適法である。 すなわち,本件貸付は,各年度を超えない期間を貸付期間とする単年度貸付として行われるものであり,チボリ・ジャパンの事業計画は,これらの単年度貸付金の返済を考慮し 対する差止請求の訴えは不適法である。 すなわち,本件貸付は,各年度を超えない期間を貸付期間とする単年度貸付として行われるものであり,チボリ・ジャパンの事業計画は,これらの単年度貸付金の返済を考慮して計画されているものであり,平成8年度分として貸付をした50億円については,返済がなされていて,今後の単年度貸付金の返済は十分に可能である。 また,チボリ・ジャパンは,甲公園の一部の施設の整備及び管理運営を目的とす,,,る会社である以上同公園の開園まで何らの収益があがらないことは当然でありそれ自体に問題はない。 さらに,甲公園の開業以来の実績によれば,収支計画を大きく上回る好業績となっており,収支計画は,確実かつ妥当なものであり,貸付金の返済は十分に可能である。 (2)本件貸付は法232条の2に照らして違法か。 ア本件貸付に法232条の2の適用があるか。 (ア)原告らの主張甲公園事業には採算性がないから,本件貸付により倉敷市がチボリ・ジャパンに対して取得した債権は,価値のないものであること,本件貸付は,無利子ないし低利のものである上に償還に長期間かかるものであること,倉敷市の意図がチボリ・ジャパンに対する資金援助であることから,本件貸付は法232条の2の「寄附又は補助」に当たる。 したがって,本件貸付は公益上必要がある場合にのみ許される。 法2条3項は,公園の設置・管理等は地方公共団体の事務に該当すると定め,この事務を処理するために必要な経費については法232条に定めがある。 ,,,しかし上記法にいう公園とは自然公園と都市公園のことをいうものであるが自然公園は,すぐれた自然の風景地であって,都道府県が指定するものであり,甲公園は,これに該当しないし,都市公園法に定められた設置基準や管理基準を考慮していないから都市公園にも該当しない のであるが自然公園は,すぐれた自然の風景地であって,都道府県が指定するものであり,甲公園は,これに該当しないし,都市公園法に定められた設置基準や管理基準を考慮していないから都市公園にも該当しない。 また,法2条3項の文言及び憲法で地方自治が保障され,住民の日常生活に密接な関連をもつ公共事務は,その地方の住民の手で,その住民の団体が主体となって処理することが保障されていることに照らすと,公共事務は,事業については当該地方公共団体が自ら行い,施設については当該地方公共団体が主体となって設置・管理するものをいうと解すべきであるところ,甲公園は倉敷市が直接に設置するものではないし,甲公園事業も,倉敷市が自ら行うものではなく,チボリ・ジャパンに対して出資及び貸付をして参画するにすぎないから,本件貸付は公共事務を処理するために必要な経費には該当しない。 (イ)被告の主張a本件貸付は単年度貸付の形をとって貸付金の財源として市税収入等の一般財源,,を確保する必要がないように配慮している上貸付金は返還されるものであるから法232条の2の「寄附又は補助」に該当しない。 ,「」,,,,bまた法2条3項にいう公園とは住民の屋外における休息観賞遊戯運動,その他レクリエーション利用に供するために設けられた施設を指すものであり,自然公園法及び都市公園法に基づく公園に限定されるものではない。確かに,甲公園は,チボリ・ジャパンが管理運営するものであり,地方公共団体が直接に管理運営するものではないので,都市公園法に基づく公園とはいえないが,上記のような公園としての機能を備えているから,法2条3項にいう公園に該当する。したがって,甲公園のために支出された本件貸付は倉敷市の公共の事務を処理する経費に当たり,法232条1項の規制を受けるもの のような公園としての機能を備えているから,法2条3項にいう公園に該当する。したがって,甲公園のために支出された本件貸付は倉敷市の公共の事務を処理する経費に当たり,法232条1項の規制を受けるものであって,法232条の2の適用は受けない。 たとえ甲公園が法2条3項の「公園」に当たらないとしても,同条項各号の事務は例示にすぎないから,公共事務はこれに限定されるものではない。そして,甲公園は,高齢化,高福祉,余暇増大社会に対応する社会資本として,公園,緑地,博物館,美術館,物品陳列所,劇場,音楽堂,その他の学術,文化に関する施設を設置管理すると同等のものであり,また,観光資源にもなり,さらに,壬駅北地区開,,,,発の起爆剤となる等倉敷市にとって公共性公益性の高い事業であることから本件貸付は,倉敷市の公共の事務を処理する経費に当たり,法232条の2の適用は受けない。 イ本件貸付に公益上の必要があるか(法232条の2。 )(ア)原告らの主張a公益上の必要があるか否かは,一応,当該地方公共団体の長及び議会が個々の事例に則して認定するが,これは全くの自由裁量行為ではないから,客観的に公益上必要であると認められなければならない。そして,地方公共団体が行う公金の支出には,すべからく公共性が必要であるところ,法が特に232条の2において公益上の必要性という要件を設けていることからすると,法は寄附又は補助について一段高い公共性の絞りをかけたものと解すべきである。 そうであるならば,法232条の2の「公益上必要がある場合」といえるためには,以下の7つの要件を具備することが必要である。 (a)当該地方公共団体に財政上の余裕があること。 (b)支出目的・趣旨が公益性を有すること。 (c)当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民 の7つの要件を具備することが必要である。 (a)当該地方公共団体に財政上の余裕があること。 (b)支出目的・趣旨が公益性を有すること。 (c)当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民の大部分の利益につながること。 (d)支出の方法・支出額が相当であること。 (e)補助対象者として,適正な性格を有すること。 (f)支出により,公正さ,公平さ等他の行政目的を阻害し,行政全体の均衡を損なうおそれのないこと。 (g)支出手続が適法になされ,事後的な検査体制が整備されていること。 bところが,本件貸付は,これらの7つの要件が具備されていない。 (a)財政上の余裕について平成3年度から,倉敷市の歳出は年々増大した。一方,一般歳入は,平成元年度から平成5年度間で,17パーセントしか増加していないため,大幅な歳出増に対応するために,起債が多用された。また,倉敷市は,平成9年度からは,財源不足となり,地方交付税不交付団体から,交付団体になり,75パーセント以下が望ましいとされる経常収支比率が,平成4年度以降,75パーセントを超えている。これに対し,基金残高は急激に減少している。 そのため,教育需用費が削られ,上下水道料金が値上げされる等,倉敷市民の生活が圧迫されている。 以上の事実から,倉敷市の財政には余裕がない。 (b)支出目的・趣旨が公益性を有するか否かについて甲公園は,アミューズメント系レジャー施設であり,公園には当たらないことは前記のとおりである。また,被告が,教養文化施設に当たるとする,乙,丙及び別紙11劇場施設一覧表記載の各施設は,単なるイベント施設であって,教養文化施設とされる美術館,博物館,図書館等とは異なる。そして,多くのアトラクションに年齢制限等の利用制限が課せられている以上,高齢化社会への対策にはならないし, は,単なるイベント施設であって,教養文化施設とされる美術館,博物館,図書館等とは異なる。そして,多くのアトラクションに年齢制限等の利用制限が課せられている以上,高齢化社会への対策にはならないし,多様なライフスタイルの人々が,甲公園において,自己のライフスタイルに応じた自己実現を図り得るものでもない。また,入園料が2000円と高額であるために,市民の憩いと交流の場にもなり得ない。 ,,,さらに被告の主張する甲公園事業がもたらす経済効果は希望的観測にすぎず仮に何らかの経済効果があるにしても,その見込みは極めて不確定かつ不明確なものである上に,その効果は多分に間接的である。 以上を総合考慮すると,本件貸付の目的にも趣旨にも公益性は認められない。 (c)当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民の大部分の利益につながるか否かについて①入園料について甲公園の入園料は2000円と高額である上に,各種遊戯施設を利用するために別途利用券が必要であり,被告の主張によれば,入園者の消費単価は1人5300円と見込まれているのであるから,誰もが気軽に利用することはできない。終身無料入園パスを取得できる個人会員制度も,1口5万円と高額であり,住民の誰もが簡単に利用できる制度ではなく,これらのことから,甲公園は,住民に等しく開かれた公共施設とは到底言い難い。 ②県民の利用割合について利用者中,開業1年目の岡山県内客の割合は26.7パーセント,岡山県外客が73.3パーセントであり,甲公園は,県外客を頼りにした施設であり,このような施設のために多額の支出をすること自体,住民の利益を無視している。 ③地域の活性化,地方経済への波及効果について被告は,甲公園の設置により,地域の活性化を促し,地方経済への波及効果が期待されると主張するが,その効果に 出をすること自体,住民の利益を無視している。 ③地域の活性化,地方経済への波及効果について被告は,甲公園の設置により,地域の活性化を促し,地方経済への波及効果が期待されると主張するが,その効果について具体的な主張がない一方,現在では多くのリゾート開発やテーマパークで,そのような期待に反する結果が出ている。 また,甲公園の開業後1年間のデータを見ても,甲公園による経済効果は,JRとホテル,旅館で客数が30から40パーセント増えたといわれていること及び駅周辺の飲食店の売り上げが若干伸びている程度である。一方,丁地区や駅南商店街では,人通りは増えているが,甲公園の土産物袋を持った人が多く,土産物などが売れないとの声があがっている。雇用面で見ても,甲公園の従業員数は,正社員,契約社員が200人,アルバイト・パート社員が460人にすぎない。そして,繁忙期には,登録されているパート主婦らをかり出して対応しており,常用労働者の雇用に結びつかないとの見解が出ており,建設時期の経済効果についても,工事の中心はゼネコンないし大手建設業者であり,それにジョイントする一部の地元業者だけが,限られた経済効果にあずかるだけであった。 一方,岡山県内の同業種の事業である,戊遊園が甲公園に押されて行き詰まり,閉園となったり,己(a町)も,甲公園の開園で入園者が4万人減の2万5000人に,庚(b町)も,1万人減の6万3000人となった。また,辛は,甲公園が開園された平成9年夏には,例年50から60パーセントを占める県内入場者が,30パーセントになり,団体客も減少し,昨年実績をかなり下回ったとのことである。 ④甲公園の設置によって生じる負の影響について甲公園が設置されることにより,ゴールデンウィークなどの混雑時には,倉敷市に,1日に最高1万台を超える自動車が集中するこ なり下回ったとのことである。 ④甲公園の設置によって生じる負の影響について甲公園が設置されることにより,ゴールデンウィークなどの混雑時には,倉敷市に,1日に最高1万台を超える自動車が集中することになり,同公園には,2か所に,合計1700台の駐車能力がある駐車場があるのみであるから,車の渋滞による排ガス,騒音,交通渋滞等が生じる。 また,ゴールデンウィークや夏休み,土日祝日等には,甲公園は午前9時から午後10時まで営業し,夜間の照明を大きな特徴としていること,ジェットコースターや水流ライドなどのいわゆる絶叫マシーンがあることから,これらの光と騒音によって,周辺住民の平穏な生活が侵害される。 さらに,甲公園が排出するごみは,1日14トンであり,ごみの最終処理は倉敷市が行うことになるが,平成8年時点の倉敷市のごみ総排出量は,年間16万9529トンであり,1日平均464トンであるから,倉敷市は,甲公園のために,3パーセント増加した量のごみの処理を負担しなければならなくなる。 その上,甲公園の用水は日量2700立方メートルであり,その多くは,地下水を利用し,上水道からは飲用として,日量900立方メートルの供給が予定されて,,,いるところ倉敷市は水不足が問題となっておりこれだけの水を供給することは倉敷市にとってかなりの負担となる。 以上から,甲公園は,倉敷市の住民の利益につながるものではなく,むしろ,甲公園によって多大な悪影響が出る。 (d)支出の方法・支出額が相当であることについて寄附又は補助の支出財源は,その大部分が地方公共団体の住民の税金によりまかなわれるのであるから,支出の方法としては,より地方公共団体の負担が軽い方法が選択されるべきであり,貸付であれば,無利子貸付よりは低利貸付が優先されるべきで,同じ金額であれば,無償である狭義 りまかなわれるのであるから,支出の方法としては,より地方公共団体の負担が軽い方法が選択されるべきであり,貸付であれば,無利子貸付よりは低利貸付が優先されるべきで,同じ金額であれば,無償である狭義の補助金支出よりも,出資の方法によることを優先して考慮すべきである。 また,低利貸付や出資の形をとったとしても,寄附又は補助により,補助対象者とそれ以外の者との間に不平等な状況が作出されるところ,このような不平等な状況を生じてもなお,当該補助対象者に補助をすることが,公益上必要であるといえるような場合,すなわち,補助対象者の事業内容が,自由競争社会における平等を犠牲にしても余りあるような公益性を有し,貸付や出資の元本が回収できるような健全な経営がなされ,採算性がある場合にのみ貸付や出資が許されると解すべきである。 本件についてこれを見るに,本件貸付は,15億円の無利子貸付と70億円の年利1パーセントの低利貸付に分けられるところ,甲公園が,アミューズメント系レジャー施設であって,それ自体に公共性がないことは前記のとおりである。また,甲公園の事業から,阪急電鉄が撤退したこと,NTT無利子貸付の適用を受けられなかったこと,岡山県知事が積極的に推進しているにもかかわらず,市中銀行が貸付を一切拒否したこと,入場者数の推計値が不合理であることから,甲公園事業には採算性がないことが明らかである。また,15億円につき,無利子貸付にしたことの具体的理由が明らかでないし,70億円の低利貸付についても,通常の金利ではなく低利で貸付する必要性の具体的理由が明らかでない。 ,,,以上より本件貸付は採算性に大きな問題があること及び額が大きいことから相当性を有しない支出である。 (e)補助対象者の性格が検討されるべきことについてチボリ・ジャパンの事業目的は,遊園地の ,,以上より本件貸付は採算性に大きな問題があること及び額が大きいことから相当性を有しない支出である。 (e)補助対象者の性格が検討されるべきことについてチボリ・ジャパンの事業目的は,遊園地の経営や管理のほか,運送業,ホテル経営,広告代理業,物品販売及び輸出入業等極めて広範囲の営利事業を目的としている。 また,資本構成は,岡山県が12.507パーセント,倉敷市が6.253パーセント,その余が民間であり,岡山県からの派遣職員は,常勤及び非常勤の役員28名中,4名が名誉職的な役職に就任しているにすぎない。 さらに,甲公園の基盤部分及び教養文化施設は,岡山県が,直接整備したものであるが,岡山県が建設の一部を負担したからといって,チボリ・ジャパンの事業の目的や営利法人としての性格に変わるところはないし,岡山県の整備する施設と甲公園の他の娯楽施設とは,園内で混在しており,これらが一体となってはじめて甲公園としての効用が発揮され,修景施設や教養文化施設だけを独立して利用することは不可能であるから,甲公園は,一体として娯楽施設である。 その上,法244条の2第3項の条文構成からすると,同項にある公の施設の管理を委託することのできる「普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの」とは,公共的性格を有するものでなければならず,政令で定める要件を満たす法人は,一応,公共的性格を有しているものと推定されるにすぎないと解すべきであるところ,岡山県は,チボリ・ジャパンに対してその出資の4分の1に当たる出資をしたことも,取締役の2分の1に当たる人数の派遣をしたこともないのであり,地方自治法施行規則17条の要件を満たさないので,チボリ・ジャパンは公共的性格を有する法人とは推定されない。また,実質的にも公共的性格を有しないことは,前記のとおりである。 した ともないのであり,地方自治法施行規則17条の要件を満たさないので,チボリ・ジャパンは公共的性格を有する法人とは推定されない。また,実質的にも公共的性格を有しないことは,前記のとおりである。 したがって,チボリ・ジャパンは,商法上の株式会社であり,民間の営利企業と異なるものではない。 (f)支出により,公正さ,公平さ等他の行政目的を阻害し,行政全体の均衡を損なうおそれのないこと平成4年に行われた岡山県知事選挙,平成7年及び平成8年に行われた倉敷市長選挙では,いずれも,甲公園事業の推進派が,自民党をはじめとする様々な党の推薦や支持を受けていたにもかかわらず,辛勝するという結果になっており,岡山県民や倉敷市民のチボリ批判の大きさがわかる。しかし,甲公園事業は,このような住民の声を一顧だにせず,一民間企業にすぎないチボリ・ジャパンに対してのみ,莫大な補助金を投入しており,公正さを欠くものである。 また,チボリ・ジャパンは,上述のように,鷲羽観光開発株式会社等と同じく民間企業の営利企業であるのに,同じ倉敷市内にあって,採算維持のために四苦八苦している辛があるなかで,チボリ・ジャパンに対してのみ100億円という高額の補助金を支出することは不平等の極みである。 (g)支出手続が適法になされ,事後的な検査体制が整備されていること本件貸付は補助金としての支出手続を履践せずに支出されている。 仮に,本件貸付が倉敷市補助金等交付規則に則り,議会の議決を経ているとしても,そもそも地方公共団体において,条例ではなく規則に基づいて補助金を支出すること自体に疑義がある上,倉敷市補助金等交付規則の内容は極めて抽象的かつ概括的であり,その補助金交付手続に対する規制の仕方及び統制方法は極めて不十分。 ,,であるまたチボリ・ジャパンが総合レジャー産業を目的とする営利 ,倉敷市補助金等交付規則の内容は極めて抽象的かつ概括的であり,その補助金交付手続に対する規制の仕方及び統制方法は極めて不十分。 ,,であるまたチボリ・ジャパンが総合レジャー産業を目的とする営利企業であり地方公共団体の出資比率が低いことや,第三セクターには地方公共団体による民主的統制が及ばない等の問題点があることから,補助金交付の手続要件は厳格に解されるべきである。そうすると,本件貸付の当否について,事前に直接,市民の意思を問うための何らかの方策を採用実行すること,本件貸付の目的,支出額,支出対象事業の限定等の重要事項について明確な基準を設定した個別の条例を制定し,チボリ・ジャパンの設立・運営・廃止等について明確な統制基準を条例によって作成することが手続要件として最低限必要である。しかし,本件貸付について,このような手続要件は設定されていない。 (イ)被告の主張a法232条の2に規定されている「公益上必要がある場合」か否かの判断は,全くの自由裁量ではなく,客観的に公益上の必要性が認められなければならないものではあるが,当該地方公共団体による公益上の必要性についての判断は,地方自治の原則から尊重されなければならない。したがって,当該地方公共団体の判断が著しく不合理で,裁量権を逸脱又は濫用していると認められる場合にのみ違法となるにすぎないところ,本件貸付は,公益上の必要性を有するものであって,裁量権の逸脱ないし濫用はない。 b原告らが公益上の必要性が認められるために必要であると主張する7つの要件に関する規定は地方自治法にはなく,これらの要件を具備しなければ違法な支出となるものではない。 仮に,公益上の必要性が認められるためには原告らの主張する7つの要件が必要であるとしても,以下の事情からすると,本件貸付は,これらの要件を備えるもの 件を具備しなければ違法な支出となるものではない。 仮に,公益上の必要性が認められるためには原告らの主張する7つの要件が必要であるとしても,以下の事情からすると,本件貸付は,これらの要件を備えるものであるから,適法な支出である。 (a)財政上の余裕について起債残高と公債費比率が増大しているのは,倉敷市に特有な傾向ではなく,岡山市,姫路市,福山市などの近隣都市も同様の傾向にあり,これは,バブル経済崩壊後の法人市民税を中心とする税収の伸びの著しい鈍化や,国が消費税率引き上げに先駆けて,住民税減税を実施し,この減税分を市債で補填することとしたことや,景気低迷を打開するために,市債を財源として,公共事業の拡大を図るよう国から要請があったことなど,景気の動向や国の経済対策といったことに起因するものである。基金残高が減少傾向にあることも同様の原因による。 財政力指数の点も岡山市,姫路市及び福山市と比較して倉敷市の財政力が強いことは明白であるし,公債費比率もこれら三都市と比較して,健全な起債状況であることがわかる。 倉敷市が平成4年1月及び平成6年3月にした中期財政試算において,歳入見通しが大幅に下方修正されたことは事実であるが,これは,近時の厳しい経済情勢下における一般的傾向である。また,このような経済情勢にあるために,市税収入等の一般財源の確保が容易でないので,各部局に対して経費節減を求めたことは事実であるが,これは,チボリ・ジャパンに対する本件貸付とは関係ない。 (b)支出目的・趣旨が公益性を有することについて甲公園事業は,高齢化,高福祉,余暇増大社会に対応する社会資本であり,倉敷の丁地区や瀬戸大橋とも調和する新たな観光資源となって,丁地区や瀬戸大橋と連携した周遊型,滞在型観光により多くの観光客が訪れ,宿泊するようになり,地域経済に大きな波 会に対応する社会資本であり,倉敷の丁地区や瀬戸大橋とも調和する新たな観光資源となって,丁地区や瀬戸大橋と連携した周遊型,滞在型観光により多くの観光客が訪れ,宿泊するようになり,地域経済に大きな波及効果を及ぼすものである。 甲公園は,デンマークの甲公園の理念に基づき,花と緑と水辺にあふれた環境の中に,劇場や音楽堂の教養文化施設を中心として,飲食・物販・アミューズメント施設等をも配置した文化性の高い都市型公園であり,屋外における休息,鑑賞,その他のレクリエーション利用に供するために設けられた公園施設に遊戯施設を付加したものである。甲公園は,庭園の美しさで知られるデンマーク甲公園のイメージを表現するとともに,倉敷市指定の楠の巨木をはじめとする既存の樹木を活かし,併せて,園内に5万本の樹木を植栽し,通年60万株の花が植えられ,その種類は他の公園では類を見ない250種類にも及んでおり,来園者の植物への理解度を深め,四季折々の自然を学ぶ教育の場を提供している。緑被率は45パーセントに達しており,一面に芝生が植えられたピクニック広場で子供達や家族連れが寝ころんだり,読書をしたりしてくつろぐことができ,遠足等で入園した児童や学童が弁当を食べることができたり,こどもの遊び場で小さい子供達がいろいろな遊具で遊ぶことができるのであって,甲公園は,公園としての実質を有する。したがって,その付加された遊戯施設の存在にのみ着目し,甲公園の本質を無視して,これを単なる遊園地,レジャーランドと目するのは誤りであるし,都市公園法においても,公園施設の1つとして遊戯施設を設けることができるとされており,遊戯施設があることによって,公園としての実質が失われるものでもない。 また,仮に甲公園が遊園地であるとしても,遊園地であれば,直ちに公益性がな。 ,,いとすることもで ことができるとされており,遊戯施設があることによって,公園としての実質が失われるものでもない。 また,仮に甲公園が遊園地であるとしても,遊園地であれば,直ちに公益性がな。 ,,いとすることもできない価値観が多様化している現代社会にあっては遊園地も市民に余暇を過ごす場として提供する施設の1つの選択肢として認められ,遊園地を提供することは,市民福祉の増進に資するものである。そして,甲公園には,遊戯施設のみならず,多数の施設が設けられているから,多様なライフスタイルの人々が,甲公園に来園し,各自のライフスタイルに応じた各種の施設を選択して利用できる。 そして,本件貸付は,単年度の一時貸付であり,市税収入等の一般財源を必要としないので,直ちに他の公共事業に影響を及ぼすものではないし,平成23年度までの貸付期間中,貸付金額は逓減されることとなっており,倉敷市の財政に影響を及ぼさないよう配慮されている。 (c)当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民の大部分の利益につながることについて①入園料について甲公園の入園料は2000円であるが,これは,類似施設と比較しても高額ではない。また,個人会員制度,年間会員制度についても多くの人々がこれらの制度を利用している。さらに,甲公園では,高齢者と介護者に対する優遇制度を設け,倉敷市内の小,中学生の学校行事を対象とした優遇制度も設けており,市民に等しく開かれた,気軽に利用できる施設となっている。 ②県民の利用割合について倉敷市は,甲公園の正式開園前に,市民開放デーとして,平成9年7月3日から同月13日までの間,倉敷市民に甲公園を無料開放したが,その申込者数は約26万人余りであり,これは,倉敷市民の6割以上の数である。 また,開園1年目の入園者数約390万人のうち,26.7パーセントが県内 月13日までの間,倉敷市民に甲公園を無料開放したが,その申込者数は約26万人余りであり,これは,倉敷市民の6割以上の数である。 また,開園1年目の入園者数約390万人のうち,26.7パーセントが県内客であったのであり,甲公園は,多数の市民,県民の利用に供され,その利益につながっている。 ③地域の活性化,地方経済への波及効果についてまず,甲公園建設時の経済効果については,建築部門,土木部門,一般部門の各部門に効果があり,投資総額のうち,県内生産額は615億円と推計されている。 これにより直接生じた生産活動により産業全体に波及する第1次生産波及効果は,876億円,第1次生産波及効果により,企業所得が増大し,新たに消費を生み出す第2次生産波及効果は,312億円と推計されている。そして,これらの生産を生み出すために,甲公園建設中に雇用効果も生じた。これらのうち,倉敷市に現れる効果は,直接生産効果が533億円,第1次生産波及効果は675億円,第2次生産波及効果は77億円であり,雇用効果は約4300人となる。 次に,甲公園開園後の経済効果については,入園客による観光消費や入園客を見込んで行われた店舗新設等の民間随伴投資,チボリ・ジャパンの追加投資があり,これによる第1次生産波及効果は969億円,第2次生産波及効果は347億円である。また,さらなる雇用効果も生じる。そして,倉敷市における効果としては,直接生産効果は429億円,第1次生産波及効果は556億円,第2次生産波及効果は86億円であり,雇用誘発効果は約3400人である。 倉敷市によるアンケート調査の結果によっても,甲公園と丁地区との間に,新たな人の流れが生まれていること,岡山県下の平成9年の個人消費動向が,百貨店売上高,スーパー売上高,家電販売売上高が前年より減っている中,宿泊業は,売上高が増 によっても,甲公園と丁地区との間に,新たな人の流れが生まれていること,岡山県下の平成9年の個人消費動向が,百貨店売上高,スーパー売上高,家電販売売上高が前年より減っている中,宿泊業は,売上高が増加した業者が90パーセント以上を占め,宿泊客が30から40パーセント増加していること,全体の30パーセント以上の業種の業者の売上が増加していること,特に,壬駅周辺の宿泊施設は,同年8月にはほぼ満室状態であり,飲食業者についても,壬駅周辺の飲食業者の売上が大幅に増加していることが明らかとなっている。 このほかに,数量的には把握不可能な地域経済,社会に及ぼした効果として,岡山県や倉敷市のイメージアップや,通過型観光から宿泊型観光への変化,コンベンション都市としての倉敷市の魅力向上による,コンベンション開催件数の倍増などがある。 また,甲公園のために,壬駅北口の開発が進み,周辺道路や壬駅北口への進入路となる市道,これに接続する幹線道路や周辺駐車場の整備もされた。その他,甲公園の開園に合わせて,大規模ショッピングセンターが開店したり,壬駅周辺の南北の交通遮断解消のため,山陽本線及び伯備線の壬駅付近の連続立体交差事業が開始されている。これにあわせて,甲公園周辺の倉敷市による土地区画整理事業も具体化することになった。 さらに,現在の経済情勢のもとでは,預金利息は0.50パーセント程度であるが,本件貸付の低利貸付部分は,1パーセントの貸付利息であり,無利子貸付部分と併せても,全体で0.82パーセント程度の運用となり,これらの貸付金は償還されるものである。 そして,甲公園の設置,運営には400億円余りの投資が必要であるが,倉敷市はその一部である出資金15億円と85億円の本件貸付をすることによって同公園を倉敷市内に誘致することができたのであり,さらに,甲公園事業 公園の設置,運営には400億円余りの投資が必要であるが,倉敷市はその一部である出資金15億円と85億円の本件貸付をすることによって同公園を倉敷市内に誘致することができたのであり,さらに,甲公園事業に附帯して県道の拡幅整備等の事業がなされ,各種マスコミにより,甲公園の報道,宣伝がされて倉敷市の知名度向上等が図られたのであり,本件貸付は,倉敷市にとって,極めて経済効率性の高い支出であった。 その上,チボリ・ジャパンからは,固定資産税,事業所得税,法人市民税が倉敷市に納付される。 また,同業種事業に与える影響については,現在の劣悪な経済情勢等の他の要因も十分に考慮されなければならず,これらを看過して,入場者数の減少を全て甲公園の影響とすることはできない。 ④甲公園の設置によって生じる負の影響について駐車場施設は,駅北地区に,壬駅北駐車場をはじめとする5施設(自家用車2181台,バス70台収用)があり,混雑時には5か所に臨時駐車場(自家用車3000台,バス40台収用)を設けており,案内看板の設置,誘導員の配置,公共交通機関の利用の呼びかけなどを行うことによって,幹線道路の渋滞や,生活道路への車輌の進入等による交通混雑は生じていない。 また,光や騒音について,周辺の住民から苦情はないに等しいし,ごみ処理や給水についても,何ら問題は発生していない。 (d)支出の方法・支出額が相当であることについて経常利益黒字転換は開業7年目,累積損失一掃は開業18年目とされているところ,この収支計画は,年間入込客数を200万人と予測して算定されたものであるが,甲公園の客数は,開園1年目は,約390万人であったし,平成10年度は,12月時点で250万人に達している。また,甲公園開園後のチボリ・ジャパンの実際の収支についても,平成9年度及び平成10年度の収入は,収 客数は,開園1年目は,約390万人であったし,平成10年度は,12月時点で250万人に達している。また,甲公園開園後のチボリ・ジャパンの実際の収支についても,平成9年度及び平成10年度の収入は,収支計画を大きく上回り,損失は,収支計画を大きく下回った。したがって,この収支計画は確実性を有するものであり,甲公園事業の採算性に問題はない。したがって,本件貸付によって倉敷市が実質的に負担する金額は,通常金利との差額程度であるから,支出額は相当である。また,甲公園は,前述のように,公益性のある施設であるし,本件貸付は,低利貸付,無利子貸付と分けてなされ,貸付に当たっては,貸付金の使途について限定をしているなど,支出の方法としても相当である。さらに,貸付については,単年度の一時貸付とし,貸付金の財源として市税収入等の一般財源を確保する必要がないように配慮している。 (e)補助対象者として,適正な性格を有することについてチボリ・ジャパンの定款に記されている事業目的は,原告らが主張するように多,,,岐にわたるが同社は甲公園の管理運営を目的として設立された株式会社でありこの目的達成のために必要とされる関連事業が定款上記されているにすぎないのであって,本来の目的である甲公園の管理運営を離れて,これと何ら関係のない他の事業を営むことは,現在行っておらず,また,今後もその予定はない。 甲公園事業は,岡山県が行政施策として推進してきたものであるが,岡山県において,事業費の全額を負担することは困難であり,その一部の負担を民間に求めるとともに,管理運営についても民間企業の有する経営ノウハウを導入し,活用するために,第三セクター方式を採用したのであり,チボリ・ジャパンは,このような,,,趣旨で設立された会社であるから形式的には商法に規定する株式会社であ 間企業の有する経営ノウハウを導入し,活用するために,第三セクター方式を採用したのであり,チボリ・ジャパンは,このような,,,趣旨で設立された会社であるから形式的には商法に規定する株式会社であるがその形式のみにとらわれて,一般の民間企業と同一視し,純営利法人と目することは誤りである。甲公園の入園料収入及び園内の収益施設からの収入は,同公園の運営管理費用をまかなうために費消されるものであり,営利を目的として徴収されるものではない。さらに,倉敷市は,平成9年6月23日に「甲公園の管理及び運,営に関する覚書」をチボリ・ジャパンとの間で締結しており,この覚書及びこの覚書に基づいて開催される甲公園運営協議会により,制度的にも,チボリ・ジャパンは,地方公共団体が行う事業にふさわしい高い公益性を持つように,甲公園を管理運営していかなければならないようになっている。 チボリ・ジャパンは,法244条の2第3項に基づく政令に要件を充たす法人には該当しないが,この規定に該当しないからといって,甲公園事業の公共性,公益性が否定されるわけではない。 (f)支出により,公正さ,公平さ等他の行政目的を阻害し,行政全体の均衡を損なうおそれのないことについて岡山県知事選挙及び倉敷市長選挙は,甲公園事業の可否又は賛否のみを直接に問うものではなく,地方公共団体の首長を選出する選挙であるから,その選挙結果をもって,直ちに甲公園事業の可否又は賛否についての住民の意思を判断することはできない。また,仮に,選挙結果から甲公園事業に反対する住民の存在が認められるとしても,そのことから,公正,公平さを阻害することにはならない。 甲公園は,文化性の高い都市型公園であり,遊戯施設が付加されているからといって,純然たる遊び主体のレジャーランドと評価することは誤りであり,既存のレジャ ら,公正,公平さを阻害することにはならない。 甲公園は,文化性の高い都市型公園であり,遊戯施設が付加されているからといって,純然たる遊び主体のレジャーランドと評価することは誤りであり,既存のレジャーランドと真っ向から競争関係に入るものではない。そして,本件貸付は,甲公園が前述のような公益性を有するために,倉敷市が事業の主体の一員となり,チボリ・ジャパンが事業を実施する上で必要とされる資金の一部を貸付するものであり,平等原則に違反するものではない。 (g)支出手続が適法になされ,事後的な検査体制が整備されていることについて本件貸付が,仮に広義の寄附や補助にあたるとしても,倉敷市補助金等交付規則は,補助金,利子補給金,保証料補給金を対象としているのみであり,ここにいう補助金は,無償の金銭的給付を指すから,本件貸付は同規則の適用を受けないし,本件貸付に際しては倉敷市議会の審議,議決を得て支出している。 また,チボリ・ジャパンの業務執行については,倉敷市からは倉敷市長,倉敷市議会議長,市議会特別委員会委員長及び助役の4名がチボリ・ジャパンの取締役に就任しており,同社の取締役会において,業務執行決定等に直接関与しているみならず,倉敷市は,平成9年6月23日に,同社と「甲公園の管理及び運営に関する覚書」を締結し,制度的にも,チボリ・ジャパンは,甲公園が,地方公共団体が行う事業にふさわしい高い公益性を持つように,管理運営しなければならないものとなっている。 したがって,本件貸付は適法になされ,しかも,事後的な検査体制が整備されている。 第3当裁判所の判断 主たる争点(1)ア(本案前の要件-相当の確実さをもって予測される場合か否か)について(1)前記第2,1の争いのない事実,証拠(甲60,61,65,78,79,乙6,9,14の1,15の1, 主たる争点(1)ア(本案前の要件-相当の確実さをもって予測される場合か否か)について(1)前記第2,1の争いのない事実,証拠(甲60,61,65,78,79,乙6,9,14の1,15の1,3ないし6,16,17,18の1,3ないし6,19の1,3ないし6,49,50の1,2,4ないし7,63,64の1,2,4ないし7,乙71の1ないし6,乙72の1,2,4ないし7)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア平成6年2月に岡山県知事から倉敷市に対し,チボリ・ジャパンに対する合計15億円の出資及び85億円の貸付の協力依頼がなされた。 イ倉敷市は,平成9年3月26日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成9年3月26日から同月31日まで,遅延損害金を年14.5パーセントとして,15億円を無利子で,35億円を年1.0パーセントの利率で貸し付けた。 ウ平成9年度分倉敷市は,平成9年4月1日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成9年4月1日から平成10年3月31日まで,遅延損害金を年14.5パーセントとして,15億円を無利子で,35億円を年1.0パーセントの利率で貸し付けた。 さらに倉敷市は,平成9年4月25日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成9年4月25日から平成10年3月31日まで,遅延損害金を年14.5パーセントと定めて,年1.0パーセントの利率で35億円を貸し付けた。 チボリ・ジャパンは,平成10年3月31日,倉敷市に対し,85億6769万8630円を返済した。 エ平成10年度分倉敷市は,平成10年4月1日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成10年4,. ,月1日から平成11年3月31日まで遅延損害金を年146パーセントとして15億円を利息を付さずに,70億円を年1.0パーセントの利率で貸し付けた。 チボリ・ジャパン し,期間を平成10年4,. ,月1日から平成11年3月31日まで遅延損害金を年146パーセントとして15億円を利息を付さずに,70億円を年1.0パーセントの利率で貸し付けた。 チボリ・ジャパンは,平成11年3月31日,倉敷市に対し,85億7000万円を返済した。 オ平成11年度分倉敷市は,平成11年4月1日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成11年4,. ,月1日から平成12年3月31日まで遅延損害金を年146パーセントとして15億円を利息を付さずに,70億円を年1.0パーセントの利率で,それぞれ貸し付け,15億円のうち1億2500万円及び70億円のうち2億9170万円を平成12年3月26日までに,これらの金額を控除した残金を平成12年3月31日までにそれぞれ返済するとの合意をした。 チボリ・ジャパンは,平成12年3月27日,倉敷市に対し,1億2500万円及び2億9170万円を返済し,同月31日,倉敷市に対し,70億円の残金67億0830円,15億円の残金13億7500万円及び6996万8032円を返済した。 カ平成12年度分倉敷市は,平成12年4月3日,チボリ・ジャパンに対し,期間を平成12年4,. ,月3日から平成13年3月30日まで遅延損害金を年146パーセントとして13億7500万円を利息を付さずに,67億0830万円を年1.0パーセントの利率で貸し付け,13億7500万円のうち1億2500万円及び67億0830万円のうち2億9170万円を平成13年3月26日までに,67億0830万円のうち2億9170万円を平成12年4月25日までに,これらの金額を控除した残金を平成13年3月30日までにそれぞれ返済するとの合意をした。 キ以上の各貸付についての金銭消費貸借契約書には,倉敷市がチボリ・ジャパンに対して期間15 4月25日までに,これらの金額を控除した残金を平成13年3月30日までにそれぞれ返済するとの合意をした。 キ以上の各貸付についての金銭消費貸借契約書には,倉敷市がチボリ・ジャパンに対して期間15年(うち3年据え置き)で無利子融資15億円,低利融資70億円を行う旨の記載のされた別記がいずれにも添付されている。 ク平成13年度分倉敷市は,平成13年4月にも,チボリ・ジャパンに対し,期間を貸付日から1年として12億5000万円を利息を付さずに,61億2490万円を年1.0パーセントの利率で貸し付けたとうかがわれる。 ,,ケ平成14年度以降も倉敷市がチボリ・ジャパンに対して貸付を行う場合には平成13年度までと同様の約定による貸付が予定されている。ただ,平成14年度以降の貸付については,各年度の予算に貸付金として計上し,市議会の議決を経なければ,これを執行することはできないものであり,貸付が確定しているわけではない。 コ甲公園特別委員会の資料には,倉敷市から無利子融資15億円及び低利子融資70億円を15年の期間(うち3年据え置き)で借入れる旨の資金調達計画が記載されている。 (2)以上のように,倉敷市は,平成9年度から毎年度チボリ・ジャパンに対して貸付を行っており,平成12年度からは前年貸付金額から,無利子貸付分については1億2500万円を,低利貸付分については2億9170万円を,それぞれ控除した金額を貸し付けていることからすると,これら貸付は,形式的には単年度貸付の形をとっているものの,実質的には貸付初年度から3年間は据え置きとし,4年目から一部弁済をする旨の合意がなされた期間15年の消費貸借契約であると同一視するとができる。したがって,倉敷市の財産の管理処分権者である被告が,チボリ・ジャパンに対して,前年度の貸付金額から弁済額 から一部弁済をする旨の合意がなされた期間15年の消費貸借契約であると同一視するとができる。したがって,倉敷市の財産の管理処分権者である被告が,チボリ・ジャパンに対して,前年度の貸付金額から弁済額を控除した額の金員を無利子及び年1.0パーセントの利率で平成23年度,,まで毎年度貸し付けることはこれが倉敷市の予算にいまだ計上されておらず各年度の予算について市議会の議決を経ていないとしても,単にその可能性が漠然と存在するというにとどまるものではなく,公金の支出自体については相,。 ,,当程度の客観性具体的可能性があるものと認められるよって本件貸付は法242条1項にいう「当該行為がなされることが相当の確実さをもって予,測される場合」に当たるというべきである。 主たる争点(1)イ(本案前の要件-回復困難な損害を生じるおそれの有無)について前記1のとおり,倉敷市は,平成14年度以降も,毎年度,無利子貸付については1億2500万円を,低利貸付については2億9170万円をそれぞれ前年度貸付額から減じた額をチボリ・ジャパンに対して貸し付ける予定であり,平成23年度まで,年々貸付金額は減少することになる。しかし,最も貸付の金額が低い平成23年度でさえ,貸付金額は2億9130万円に上り,最も貸付金額が高い平成14年度の貸付金額は66億6650万円と巨額であって,本件貸付が違法とされる場合,本件貸付による将来の倉敷市の財産的負担を損害賠償等の事後的手段により回復することは困難である。 したがって,原告らの各請求は,法242条の2第1項所定の当該行為により回復の困難な損害を生じるおそれがある場合に該当するものというべきである。 主たる争点(2)ア(本件貸付の違法性──本件貸付に法232条の2の適用があるか)について(1)原告らの 該行為により回復の困難な損害を生じるおそれがある場合に該当するものというべきである。 主たる争点(2)ア(本件貸付の違法性──本件貸付に法232条の2の適用があるか)について(1)原告らの主位的請求と予備的請求とは,貸付期間及び貸付金額が異なるものの,いずれも,倉敷市が,毎年度貸付金額を減らしつつ,平成23年度まで行,,うチボリ・ジャパンに対する貸付であり貸付期間と貸付金額が似通っており倉敷市がチボリ・ジャパンに対して,平成23年度までにわたって,このような高額な金員の消費貸借契約を本件貸付以外の方法で行うとは認められない。 したがって,原告らの主位的請求と予備的請求とは,同一の貸付を意味し,一個の訴訟物であると認められ,互いに排斥し合うものではないと解される。 そして,倉敷市とチボリ・ジャパンとの間に締結された各金銭消費貸借契約は前記1(1)のとおりであるから,以下,この消費貸借契約について判断する。 (2)「寄附又は補助」とは,地方公共団体が反対給付を求めずに公益上の必要性に基いて一方的に行う財政的援助を意味すると解される。一方,貸付は返還を前提として交付される現金給付であるが,有利な条件による貸付金の支出は,「寄附又は補助」に含まれると解すべきである。本件貸付は,前記1で認定したように,倉敷市のチボリ・ジャパンに対する貸付のうち当初貸付予定の15億円については無利子貸付,70億円については年1.0パーセントの利息による低利貸付であるから,これらの貸付は法232条の2にいう「寄附又は補助」に当たる。 被告は,本件貸付は貸付であり,しかも単年度の貸付であるから,寄附又は補助には当たらないと主張するが,本件貸付は,無利子ないし低利による貸付であり,地方公共団体が本来取得することができる利息を当該貸付対象者に対してのみ免除し ,しかも単年度の貸付であるから,寄附又は補助には当たらないと主張するが,本件貸付は,無利子ないし低利による貸付であり,地方公共団体が本来取得することができる利息を当該貸付対象者に対してのみ免除していることや通常の貸付においては無利子ないし年1.0パーセントの低利によって貸付をうけることができないことに鑑みれば,本件貸付が地方公共団体の財政を犠牲にしてチボリ・ジャパンを優遇するものであることは明らかである。そして,このことは,本件貸付が単年度の一時貸付であって,予算上,歳出に貸付金を計上するとともに,歳入にも貸付金元利収入を充当するものであっても,これら事情は何ら変わるものではない。 また,被告は,甲公園が法2条3項にいう「公園」に該当するなどとして,本件に関しては,法232条の2の適用はないと主張する。 しかし,甲公園は,チボリ・ジャパンが管理運営するものであって,倉敷市が直接管理運営するものではないから,上記「公園」が自然公園法及び都市公園法に基づく公園に限定されないとしても,また,これが例示にすぎないとしても,チボリ・ジャパンに対する本件貸付が倉敷市の公共の事務を処理する経費ということはできない。したがって,被告の上記主張は失当である。 主たる争点(2)イ(本件貸付の違法性──公益上の必要性の有無)について(1)法232条の2は「普通地方公共団体は,その公益上必要がある場合にお,いては,寄附又は補助をすることができる」と規定しているところ,地方公。 共団体の長は,地方自治の本旨の理念に沿って,住民の福祉の増進を図るために地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う地方公共団体の執行機関として,住民の多様な意見及び利益を勘案し,補助の要否についての決定を行うものである。したがって,その決定は,事柄の性質上,諸般の事情 行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う地方公共団体の執行機関として,住民の多様な意見及び利益を勘案し,補助の要否についての決定を行うものである。したがって,その決定は,事柄の性質上,諸般の事情を総合的に考慮した上での政策的判断を要するものであるから,公益上の必要性に関する判断に当たっては,補助の要否を決定する地方公共団体の長に一定の裁量権があるものと解される。 他方で,法232条の2が地方公共団体による補助金等の交付について公益上の必要性という要件を課した趣旨は,恣意的な補助金の交付によって当該地方公共団体の財政秩序を乱すことを防止することにあると解される以上,地方公共団体の長の裁量権の範囲には一定の客観的限界があり,当該地方公共団体の長による公益上の必要性に関する判断に裁量権の逸脱又は濫用があったと認められる場合には,当該補助金の交付は違法と評価されることになるものと解するのが相当である。そして,地方公共団体の長が特定の事業について補助金を交付する際に行った公益上の必要性に関する判断に裁量権の逸脱又は濫用があったか否かは,当該補助金交付の目的,趣旨,効用及び経緯,補助の対象となる事業の目的,性質及び状況,当該地方公共団体の財政の規模及び状況,議会の対応,地方財政に係る諸規範等の諸般の事情を総合的に考慮した上で検討することが必要であると解される。 ところで,原告らは,公益上の必要性があるかどうかの判断基準として7つの要件を主張しているが,これらの要件によって判断することが必須であるかどうかはともかくとしても,本件貸付の公益上の必要性の判断に当たって,考慮すべき事項ではある。 (2)そこで,本件貸付の事実経過について検討するに,前記第2,1の争いのな,(,,,,,,,い事実 証拠 甲53 に当たって,考慮すべき事項ではある。 (2)そこで,本件貸付の事実経過について検討するに,前記第2,1の争いのな,(,,,,,,,い事実 証拠 甲53 108ないし111116,117,148,乙4,5,12,22ないし45,47,48,52ないし60の1の1ないし12の2,62,65ないし67,70)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア甲公園事業の経緯(ア)昭和62年10月31日,岡山市が岡山市政100周年記念事業として甲公園誘致を公表し,昭和63年7月19日に,甲公園誘致のための会社として,資本金を5000万円としてセンチュリー・パーク・チボリ社が第三セクター方式で設立された。この出資金のうち1000万円を岡山県が,1500万円を岡山市が,1500万円を岡山商工会議所が,1000万円をランドシステムが出資した。 同年9月26日には,センチュリー・パーク・チボリ社とデンマークの甲公園を管理運営するチボリ・インターナショナル社との間で基本契約が締結され,平成元年3月20日に,センチュリー・パーク・チボリ社が作成した甲公園のマスタープラン案が発表された。 (イ)平成2年2月20日,岡山県,岡山商工会議所,地元民間企業19社からの出資を得て,資本金48億円で甲公園の管理運営会社たるチボリ・ジャパンが設立され,取締役に岡山県知事その他民間企業取締役らが就任した。また,同年3月31日には,甲公園の建設主体となる公益法人チボリパークが設立された。 (ウ)平成3年7月19日に岡山市は甲公園事業から撤退する旨を表明し,同月29日には,岡山市長が岡山県知事に甲公園事業から撤退する旨の通告をした。 これを受けて,岡山県知事は,同年8月13日に県議会特別委員会で,岡山県主導で甲公 市は甲公園事業から撤退する旨を表明し,同月29日には,岡山市長が岡山県知事に甲公園事業から撤退する旨の通告をした。 これを受けて,岡山県知事は,同年8月13日に県議会特別委員会で,岡山県主導で甲公園事業を進めることを表明し,同年9月2日に,甲公園候補地として新たにJR山陽本線壬駅北側に隣接する倉敷市c町の倉敷紡績株式会社(以下「クラボウ」という)倉敷工場跡地を選定し,倉敷市に協力依頼をした。 。 (エ)同年11月18日,センチュリー・パーク・チボリ社からチボリ・ジャパンへ営業譲渡がされた。 (オ)平成4年9月18日,倉敷市議会において,甲公園実現の請願が可決され,クラボウ倉敷工場跡地12ヘクタールに甲公園を模範とした公園を建設することとなり,岡山県,倉敷市,岡山県財界が協力して同建設計画を甲公園事業と称して推進した。そして,平成5年2月17日,クラボウがクラボウ倉敷工場跡地を賃貸することに合意した。 (カ)平成5年2月19日に,県議会特別委員会にて,チボリ・ジャパンに対して102億円の増資が必要であり,うち30億円を県が負担し,残余は民間から募ること,県が年利1パーセントで70億円の貸付を行うこと,県が損失補償をしてチボリ・ジャパンがNTT資金50億円,民間からの協賛金100億円を借入れること,チボリ・ジャパンのクラボウに対する地代を県が損失補償するとの内容の計画が了承された。 (キ)同年3月,倉敷市は,クラボウ倉敷工場の事業転換及び甲公園の誘致を契機として,JR山陽本線によって交通や土地の利用が南北に分断され,都市基盤の整備や都市機能の集積が後れている駅北地区の整備及び駅周辺の一体的発展を図るための将来の土地利用や都市基盤等の総合的な整備計画を策定した。 (ク)同月26日,クラボウ倉敷工場跡地につき,クラボウと岡山県知事との間で 集積が後れている駅北地区の整備及び駅周辺の一体的発展を図るための将来の土地利用や都市基盤等の総合的な整備計画を策定した。 (ク)同月26日,クラボウ倉敷工場跡地につき,クラボウと岡山県知事との間で賃貸借基本協定が締結された。 (ケ)同年9月ころ,阪急電鉄をチボリ・ジャパンの中核団体とするとの案が提出され,阪急電鉄が,甲公園をよりレジャー性の強いものとする等の条件を提示したものの,結局同社は甲公園事業に参画しないこととなった。 (コ)平成6年2月25日,県議会チボリ特別委員会で当初は民間が施設を設置して運営する構想であった甲公園事業につき,採算性と文化性や市民公園の要素,(,,,との兼ね合いを検討考慮した結果岡山県が公園の基盤部分樹木花壇湖噴水,散策路,ベンチ,イルミネーション等)及び教養文化施設(癸,甲2,乙,丙,乙2,丙2)を整備し,レストラン,物品販売,遊具施設をチボリ・ジャパンが整備する旨発表され,以後,この枠組みに基づいて事業展開を図ることとなり,その資金調達として行政側が35億円の出資と120億円の貸付を行うこととなった。これに伴い,倉敷市に新たに15億円の出資,15億円の無利子貸付及び70億円の低利貸付を求めることが発表され,同日,岡山県知事は,倉敷市に対し,甲公園の周辺整備の財政負担の他,前記出資及び貸付をするよう要請がなされた。 (サ)倉敷市は,同年2月25日から同年3月18日までに開かれた2月定例市議会及び全員協議会,同月23日に開かれた全員協議会で甲公園事業への倉敷市の参画について審議し,同年4月6日に開かれた,倉敷市臨時市議会で,甲公園事業への平成6年度分の5億円及び平成7,8年度分の各5億円の債務負担行為その他関係諸経費の補正予算が可決された。 倉敷市は,甲公園事業に参画するにあたって,以 に開かれた,倉敷市臨時市議会で,甲公園事業への平成6年度分の5億円及び平成7,8年度分の各5億円の債務負担行為その他関係諸経費の補正予算が可決された。 倉敷市は,甲公園事業に参画するにあたって,以下のような意図を有していた。 a都市施策駅北地区の活性化を通じて,丁地区との一体化による新しい町づくりの契機とする。 b余暇施策週休二日制となり,長期休暇制度が普及するに伴って自由時間が増大する中で,観光やレクリエーション活動,趣味,スポーツ活動,文化活動,生涯学習活動等が盛んになるところ,こうした需要,要請に応えることができる拠点施設を整備する必要がある。 c高齢化施策21世紀の高齢化社会に向けて,高齢者が楽しむことができるレクリエーション施設の設置が必要である。 d文化施策甲公園内にある教養文化施設で,欧州の音楽,芸能などの文化活動が展開されたり,幅広い人々の間の交流等の文化活動が行われ,倉敷市を文化都市,観光都市及び国際都市として大きく飛躍させることができる。 (シ)同月20日にチボリ・ジャパンの役員構成が,別紙6役員名簿のとおり定められた。 (ス)同年5月に,チボリ・ジャパンがチボリ・インターナショナル社と今後の甲公園事業の進め方について協議をし,マスタープラン,マスターデザインについて双方専門家による協議を早急に再開することとし,7月から8月にこれら協議が行われた後に,マスタープランにつき基本合意が成立し,同年9月11日に,チボリ・ジャパンとチボリ・インターナショナル社との間でマスタープランについての合意調印がなされた。 (セ)岡山県内で遊園地を営業する鷲羽観光開発株式会社は,同月13日付けで岡山県知事及び岡山県議会議長に要望書を提出し,同書の中で,レジャー性の高い計画案どおりの公園が実現すると,鷲羽観光開発株式会 セ)岡山県内で遊園地を営業する鷲羽観光開発株式会社は,同月13日付けで岡山県知事及び岡山県議会議長に要望書を提出し,同書の中で,レジャー性の高い計画案どおりの公園が実現すると,鷲羽観光開発株式会社の運営する既存の遊園地と競合することとなるため,地元遊園地にも十分な配慮をした上で,今後,計画の最終案を確定するよう申入れをした。 (ソ)倉敷市議会は,平成8年3月15日,前記1(1)イの貸付について可決し,続いて同月19日に前記1(1)ウの貸付について可決した。 (タ)平成9年6月23日,倉敷市長とチボリ・ジャパンとの間で「甲公園の管,理及び運営に関する覚書」が交わされた。この覚書には,甲公園は,県民,市民の福祉の増進及び地域の経済,文化等の発展に寄与することを目的とする旨及び甲公園の性格につき公共性及び文化性を保持する公園とする旨の定めがあり(同覚書1条,チボリ・ジャパンは,①県民,市民の福祉の増進及び地域)の経済,文化等の発展を目的とした管理運営を行うこと,②地域の伝統文化と調和し,環境保全に十分配慮した管理運営を行うこと,③高齢者,身体障害者等が利用しやすい管理運営を行うこと,④甲公園の年間の企画には,芸術及び文化の発展に寄与する企画,教育活動に寄与する企画,幼児及び高齢者向けの企画,並に国際交流の促進に寄与する企画を盛込むものとすることが定められている(同覚書2条。また,チボリ・ジャパンは,あらかじめ甲公園内で実)施する企画等を含む事業計画案を倉敷市に提出しなければならず,倉敷市は,この計画案について意見を述べることができることの外,必要に応じてチボリ・ジャパンに事業計画の実施状況の報告を求め,それについて意見を述べることができること,倉敷市から意見が出された場合には,チボリ・ジャパンは倉敷市の意見を最大限尊重しなければ 外,必要に応じてチボリ・ジャパンに事業計画の実施状況の報告を求め,それについて意見を述べることができること,倉敷市から意見が出された場合には,チボリ・ジャパンは倉敷市の意見を最大限尊重しなければならないことが定められている(同覚書3条1項ないし3項。そして,チボリ・ジャパンは,営業年度終了後3か月以)内に事業計画にかかわる実績報告書を倉敷市に提出することとなっている(同覚書3条4項。さらに,倉敷市は,甲公園の運営に関し,同市の意見を反映)させるため,岡山県とチボリ・ジャパンが協議して設置する甲公園運営協議会に参画するものとすると定められている(同覚書4条。同協議会は,岡山県)知事とチボリ・ジャパンとの間で交わされた「甲公園の管理及び運営に関する基本協定書」の6条で甲公園の管理運営に関し,岡山県の意見を反映させるための常設機関として,岡山県,チボリ・ジャパン,学識経験者並びに岡山県とチボリ・ジャパンとが協議して依頼した者から構成されるとされている。 (チ)甲公園は,同年7月18日に開園した。 (ツ)倉敷市議会は,平成10年3月20日,平成11年3月19日及び平成12年3月16日にそれぞれチボリ・ジャパンに対する前記1(1)エ,オ,カの各貸付を可決した。 イチボリ・ジャパンの性格(ア)設立チボリ・ジャパンは,甲公園の建設,管理運営を主たる業務として,岡山県,岡山商工会議所,地元民間企業19社の共同出資(岡山市は追加出資の予定であったが撤退し,後に倉敷市が追加出資)により,平成2年2月20日に第三セクター方式による株式会社として設立された。 チボリ・ジャパンの設立当初の資本金は48億円であり,そのうち5億円を岡山県が出資し,その他は岡山商工会議所,地元民間企業が出資した。その後,チボリ・ジャパンは数回にわたって増資を行い,平 された。 チボリ・ジャパンの設立当初の資本金は48億円であり,そのうち5億円を岡山県が出資し,その他は岡山商工会議所,地元民間企業が出資した。その後,チボリ・ジャパンは数回にわたって増資を行い,平成6年7月の増資の際には岡山県の出資の割合は約24パーセントにのぼったが,その後はその出資の割合は次第に低下していった。そして,チボリ・ジャパンの資本金は平成9年1月に160億9000万円となって現在に至っているが,うち20億円(約12.43パーセント)を岡山県,15億円(約9.32パーセント)を倉敷市,その他を民間企業が出資している。 (イ)経営体制平成6年4月20日付けでチボリ・ジャパンの体制整備が行われ,丁2岡山県副知事が代表取締役社長に就任し,当時岡山県企画部参与の地位にあった戊2が常務取締役に就任する等,別紙6役員名簿のとおり経営体制が整備された。 (ウ)チボリ・ジャパンの商業登記簿には,目的として,①遊園地の経営及び設計並びに運営のコンサルティング,②スポーツ施設,遊技場,興行場等レジャー施設の運営管理,③宿泊施設,飲食店の経営,④土産品店,遊園地内での売店の経営,⑤診療所の経営,⑥芸能,スポーツその他の催事の企画に関する事業,⑦美術館,博物館,図書館,展示場,多目的ホールの経営,⑧外国語,芸能,美術,服装,音楽等の講座の主催及び運営,⑨陸上運送事業及び湖沼水運業,⑩索道による旅客輸送,⑪不動産の賃貸借,斡旋及び管理,損害保険代理業,⑫旅行斡旋業,広告代理業,両替業,⑬酒,煙草,切手,収入印紙,医薬品,塩,米穀類,古美術品,衣料品,食料品及び日用品雑貨等の販売並びに輸出入業,⑭前各号に附帯関連する一切の事業と記載されているが,これらは甲公園の設置及び管理運営に必要な範囲で行われる。 (エ)チボリ・ジャパンの活動内容,, 料品及び日用品雑貨等の販売並びに輸出入業,⑭前各号に附帯関連する一切の事業と記載されているが,これらは甲公園の設置及び管理運営に必要な範囲で行われる。 (エ)チボリ・ジャパンの活動内容,,甲公園開園前のチボリ・ジャパンの活動は甲公園の各施設のデザインについてチボリ・インターナショナル社との合意をとりまとめること,着工前の環境アセスメントにつき,岡山県と合同での環境影響評価調書の作成や,関係住民への説明会の開催,評価書の縦覧の実施,住民から提出された意見をとりまとめた上での環境管理計画の策定を行うこと,各種許認可の手続,チボリ・ジャパンで整備する建物等の建設,人員の確保等であった。また,事業の計画や進捗状況については,その節目ごとに県議会の甲公園特別委員会に対して県から報告され,同委員会がチボリ・ジャパンからの説明が必要であると判断し,これを要請した場合には,チボリ・ジャパンが同委員会に出席して説明を行った。 甲公園開園後のチボリ・ジャパンの活動は,公園内の樹木や施設の管理運営であり,樹木や花壇等の緑地の適正な管理,催事の内容の決定と開催,提供するサービスの内容と質,それらに要する人員の確保等がある。 ウ甲公園の概要等(ア)開園時間とチケット料金甲公園の開園時間は,通常期が午前10時から午後8時まで,ゴールデンウィークや夏休みなどの繁忙期は午前9時から午後10時までとなっている。同公園の入園料は大人(18歳から64歳)が2000円,中人(12歳から17歳)が1700円,小人(6歳から11歳)及び高齢者(65歳以上)が1000円と設定され,午後5時以降の入園券であるイブニングチケットは大人1000円,中人800円,小人及び高齢者500円と設定されている。この他に,各種アトラクションを利用するためのS券,A券,B券がそれぞれ1枚 れ,午後5時以降の入園券であるイブニングチケットは大人1000円,中人800円,小人及び高齢者500円と設定されている。この他に,各種アトラクションを利用するためのS券,A券,B券がそれぞれ1枚740円,530円,320円で販売されており,アトラクション券が5枚綴りになっているアトラクション回数券(2100円,いずれのアトラクションも乗り放題となるフリーアトラクショ)ン券(園外購入時大人及び中人2520円,小人2210円,高齢者2100円,園内購入時大人及び中人2730円,小人2420円,高齢者2310円)が販売されている。障害者(身体・知的・精神)は,入園料が半額に,フリーアトラクション券は割引になり,介護者1名が入園無料となり,介護者が付き添いをしてアトラクションを利用する場合,介護者のアトラクション代も無料となる。 また,己2との名称で年間入園券が,大人6000円,中人5000円,小人及び高齢者3000円の料金で発行されている。 (イ)施設甲公園には約5万本の樹木が植樹され,年間約60万株の花が植えられており,その緑被率は約45パーセントとなっている。甲公園のガイドマップには,園内の花暦が記され,開花時期がわかるようになっている。 その他,別紙7アトラクション施設一覧表,8ショッピング施設一覧表,9フード&レストラン施設一覧表,10カルチャー施設一覧表,11劇場施設一覧表のようにアトラクション施設,ショッピング施設,フード・レストラン施設,カルチャー施設,劇場施設が設置されている。このうち,ショッピング施設の中の12施設及びフード・レストラン施設の中の6施設は,デンマークの甲公園が建設された当初の19世紀のデンマークの街並みを再現した庚2の中にある。また,園内には噴水が15箇所にあり,彫刻が6箇所にある。 以上の他,総合情報 レストラン施設の中の6施設は,デンマークの甲公園が建設された当初の19世紀のデンマークの街並みを再現した庚2の中にある。また,園内には噴水が15箇所にあり,彫刻が6箇所にある。 以上の他,総合情報窓口にあたる「ゲストサービスセンター」や救護室,ベビーセンター等の施設が設置されている。 (ウ)催事甲公園では次のような催しがされている。 aデンマークの古城を模した乙の内部でデンマークの自然文化を紹介bデンマークの演奏家を含む内外の演奏家の招聘及び演奏会の開催,備中神楽の上演cデンマークの物産の展示販売等d公園内の劇場でのアンデルセン童話の紹介e岡山県民参加の音楽発表会,小中学校の児童生徒参加の写生会,高校及び一般の吹奏楽団参加の吹奏楽祭エ甲公園の経営状況平成9年度の入園者数は当初予想150万人であったが,実際には298万人であった。また,平成10年度の入園者数は250万人の目標に対して294万人であった。 ,,,入園客数の予測はテーマパークや遊園地の入園客数が広域交通網の整備状況人口集積,近隣観光地などの立地条件と設備の規模や内容,広告宣伝による施設イメージが相まって決定されることを考慮して,時間距離モデル法(テーマパークの距離別集客率より類推した距離モデルから予測する手法で,主たる商圏からの集客数を,距離別商圏人口に距離別集客率〔他のテーマパークの距離別集客率から類推した率〕を乗じて算出し,これに150キロメートルより遠い広域からの集客数。 を加えて,年間入場者予測数を算出する手法)により行われている。距離別集客。 率を定めるに当たっては,辛2,壬2,癸2,甲3及び乙3の距離別集客率が参考とされた。 平成9年度及び平成10年度について見ると,収支計画では,平成9年度については,税引後当期利益はマイナス17億96 を定めるに当たっては,辛2,壬2,癸2,甲3及び乙3の距離別集客率が参考とされた。 平成9年度及び平成10年度について見ると,収支計画では,平成9年度については,税引後当期利益はマイナス17億9600万円,累積損益はマイナス28億8000万円,平成10年度については,税引後当期利益はマイナス11億6500万円,累積損益はマイナス40億4500万円とされていたが,実際の税引後当期利益は平成9年度についてはマイナス1億6000万円,累積損益はマイナス10億6800万円ほどとなり,平成10年度については,実際の税引後当期利益は,。 マイナス3億8100万円累積損益はマイナス14億4900万円ほどとなった当初,経常利益の黒字転換は開業10年目以前,累積損失の一掃は開業23年目以前と見込まれていたが,甲公園開園初年度及び次年度の上記実績から,経常利益の黒字転換は開業7年目以前,累積損失の一掃は開業18年目と修正された。 オ波及効果(ア)甲公園建設時の経済効果については,開園後1年経過時点で行われた調査によると,官民双方により甲公園に関連して行われた投資額は合計707億円である。この実績値を部門別に推計すると,建築部門が293億円,土木部門が,。 152億円遊戯器械などをはじめとしたその他一般部門が262億円となるそして,これらの各部門に生じた生産活動により産業相互間の投入関係を通じて産業全体に波及する第1次生産波及効果は876億円と推計され,第1次生産波及効果により,企業所得が増大し,新たに消費を生み出す,第2次生産波及効果は,312億円と推計されている。そして,これらの生産を生み出すための労働投入による雇用効果は,勤務時間の延長やパートタイマーの雇傭などを含めて,約7300人と推計されている。これらのうち,倉敷市にあらわれる効果は, されている。そして,これらの生産を生み出すための労働投入による雇用効果は,勤務時間の延長やパートタイマーの雇傭などを含めて,約7300人と推計されている。これらのうち,倉敷市にあらわれる効果は,初期生産発生額が533億円,第1次生産波及効果は675億円,第2次生産波及効果は77億円,雇用効果は約4300人と推計されている。 甲公園開園後の経済効果については,開園1年目の入園者は約390万人であるところ,これらの入園客の観光総消費額(宿泊費,交通費,土産代,食事代など)は,合計766億円と推定され,このうち716億円が県内生産の増加に結びついたと推計されている。さらに,入園客を見込んで行われた店舗新設等の民間随伴投資が17億円あると推定されており,チボリ・ジャパンも平成9年度中に3億円の追加投資を行っている。以上より,甲公園の開園後1年間に岡山県内に生じた最終需要は,観光総消費額746億円,民間随伴投資額17億円,チボリ・ジャパンの追加投資額3億円の合計766億円と推定されている。このうち,県内各部門の生産につながった生産額は,716億円,これによる第1次生産波及効果は969億円,第2次生産波及効果は347億円と推計されている。また,これらから生じる雇用効果は年間6700人と推計されている。そして,倉敷市における効果としては,直接生産効果は429億,,,円第1次生産波及効果は556億円第2次生産波及効果は86億円であり雇用誘発効果は約3400人と推定されている。 ,,(イ)また平成9年8月に倉敷市により行われたアンケート調査の結果によれば,,甲公園と丁地区との間に新たな人の流れが生まれていると言われていること宿泊業は,売上高が増加した業者が90パーセント以上あること,宿泊客が30から40パーセント増加していること,全体の れば,,甲公園と丁地区との間に新たな人の流れが生まれていると言われていること宿泊業は,売上高が増加した業者が90パーセント以上あること,宿泊客が30から40パーセント増加していること,全体の30パーセント以上の業種の業者の売上が増加していること,特に,壬駅周辺の宿泊施設は,同年8月にはほぼ満室状態であり,飲食業者についても,壬駅周辺の飲食業者の売上が大幅に増加していることが認められる。 一方,甲公園の相乗効果による人出増や土産物売上が期待された丁地区では期待通りの効果が上がらず,売上も例年並みであると認められる。 (ウ)その他の波及効果としては,壬駅北交通広場が整備され,ターミナル機能が充実したことや,金光船穗倉敷線等の幹線道路が整備され,甲公園及び壬駅北口周辺道路の整備がされたこと,周辺道路の整備事業計画が立てられたことが認められる。 カ倉敷市の財政状況倉敷市の全起債残高は,昭和61年度は888億9000万円であったが,平成元年度には1037億1000万円となり,以後上昇を続け,平成8年度には2755億8000万円となった。 ,. ,. ,. ,公債費比率は平成3年度が8 平成4年度が8 平成5年度が8 平成6年度が9.4,平成7年度が10.2となっているが,岡山市,姫路市及び福山市などの近隣の市の公債費比率は,12から16の間で推移しており,平成8年度について見ると,岡山市が16.2,姫路市が15.4,福山市が15.6であるところ,倉敷市は11.2であるから,同市が他市と比べて公債費比率において問題があるというわけではない。 基金残高は,平成3年度がピークで合計293億5156万8000円であり,平成6年度には249億2715万6000円,平成7年度見込みは206億4236万3000円,平成8年度見込み わけではない。 基金残高は,平成3年度がピークで合計293億5156万8000円であり,平成6年度には249億2715万6000円,平成7年度見込みは206億4236万3000円,平成8年度見込みは120億8235万9000円とされている。また,その中でも財政調整基金は,平成3年度が138億5593万2000円,平成4年度がピークで149億5752万6000円であり,平成6年度には143億8355万5000円となり,平成7年度見込みは121億4988万2000円,平成8年度見込みは42億2526万7000円とされている。 ,. ,. ,. 財政力指数は平成3年度が1 平成4年度が1 平成5年度が109,平成6年度が1.08,平成7年度が1.08,平成8年度が1.057,平成9年度が1.022である。平成8年度及び平成9年度を岡山市,姫路市,福山市と比較すると,平成8年度は岡山市が0.813,姫路市が1.019,福山市が0.987であり,平成9年度は岡山市が0.805,姫路市が1.008,福山市が0.973であり,倉敷市が他市と比べて財政力指数から見て問題があるとは認められない。 ,,,,,,倉敷市は平成6年4月27日付けで各局に対し普通旅費消耗品燃料費食料費,印刷製本費及び光熱水費について5パーセントの,備品購入費について10パーセントの経費節減目標を定めた旨の通知を行った。 キ排ガス問題等甲公園の周囲には別紙12甲公園周辺常設・臨時駐車場と収容台数のとおりの駐車場が設置されている。 ゴールデンウィーク等の繁忙期には甲公園の周囲の道路では交通渋滞が生じることがうかがわれるが,同公園に来園する自動車の台数及びこれら自動車にのみ起因する交通渋滞の程度や排ガスの量及び騒音の大きさについては証拠がない。 等の繁忙期には甲公園の周囲の道路では交通渋滞が生じることがうかがわれるが,同公園に来園する自動車の台数及びこれら自動車にのみ起因する交通渋滞の程度や排ガスの量及び騒音の大きさについては証拠がない。 また,甲公園自体からの光及び音による光害や騒音公害,ごみ及び用水問題についての具体的な証拠はない。 ,。 (3)これらの事実に基づいて本件貸付が公益性を有するものか否かを検討するア前記認定事実によれば,倉敷市は,甲公園事業に参画するにあたって,都市施,,,。 策余暇施策高齢化施策文化施策などの意図を有していたことが認められるまた,甲公園事業は,もともとは岡山市政100周年記念事業であったものであるが,倉敷市の都市基盤整備等の計画の意図と合致したことから,岡山市に代わって倉敷市が参加することとなったものであり,甲公園事業の目的は,倉敷市のそれと同じである。 しかし,甲公園の入園料は,大人2000円,中人1700円,小人1000円という決して安くはない設定がされており,年間入園券も大人6000円,中人5000円,小人3000円という値段であるから,住民が余暇に通常の公園を訪れるのと同じような感覚で,気軽に甲公園を訪れてベンチや芝生で憩うということは考えにくい。また,高齢者の入園料は1000円であり,年間入園券も3000円と優遇されているものの,通常の公園と同様の利用ができるほど安価ではない。さらに,入込客数の予測手法からも明らかなように,甲公園は県内の住民のみならず県外からの多数の入園者を期待している施設であることが認められる。これらのことから甲公園事業の余暇施策,高齢化施策及び文化施策としての一面が全く否定されるものではないものの,これら施策への効果は薄いといわざるをえない。 イその反面,都市施策としての効果は大きく,甲公 のことから甲公園事業の余暇施策,高齢化施策及び文化施策としての一面が全く否定されるものではないものの,これら施策への効果は薄いといわざるをえない。 イその反面,都市施策としての効果は大きく,甲公園事業が推進されたことによって,実際にも,壬駅北ターミナルや,甲公園周辺道路及び幹線道路が整備されたことが認められる。 また,甲公園の建設にあたり,官民双方から投資が行われたことによる産業への直接の効果は前記(2)オのとおりである。そして,これから波及する第1次生産波及効果及び第2次生産波及効果の実際の金額は不明であるものの,推計で示されているとおり,相当の高額になることがうかがわれ,これら生産増大による雇用効果も,甲公園の建設に直接携わる人員の雇用があることは当然,その他の第1次生産波及効果及び第2次生産波及効果を生み出すための人員の雇用が相当数あることもうかがわれる。さらに,甲公園開園後になされたチボリ・ジャパンの3億円の追加投資によっても同様の経済効果が発生していると認められる。そして,甲公園は全国的にも名が知られるに至った施設であり,県の内外から観光客が訪れ,平成9年度及び10年度の入園者数は,それぞれ298万人と250万人であるところ,これらの観光客が費消した実際の観光総消費額は明らかでなく,推計として766億円という額が算出されているにすぎないが,これに類似する相当高額な観光消費がなされたことは想像に難くなく,現に,宿泊業は売上高が増加した業者が90パーセント以上あり,宿泊客が30から40パーセント増加していること,壬駅周辺の飲食店業の売上が増加したことが認められる。 以上のことから,甲公園は,県民及び県外の観光客を対象とした大型観光資源としての意味を持ち,その経済効果による地域振興,倉敷市,特に壬駅北地区の都市開発の起爆剤として 上が増加したことが認められる。 以上のことから,甲公園は,県民及び県外の観光客を対象とした大型観光資源としての意味を持ち,その経済効果による地域振興,倉敷市,特に壬駅北地区の都市開発の起爆剤としての効果などを有していると認められる。 原告らは,多くのリゾート開発やテーマパークで地域の活性化促進や経済波及効果の期待に反する結果が出ていると主張するが,上述のように甲公園による経済波及効果が認められ,これを覆すに足る証拠はない。 また,甲公園は,全国的に名が知られるに至っており,倉敷市の知名度やイメージの向上にも貢献していることがうかがわれる。 ウもっとも,本件貸付の相手方であるチボリ・ジャパンは,法的には営利を目的,,,とする株式会社であるがその目的は専ら甲公園の設置及び管理運営であって商業登記簿に記載されている諸々の目的もこれを達成するために必要な事項として記載されていると認められること倉敷市とチボリ・ジャパンとの間に前記(2),ア(タ)のような取決めが存すること等,第三セクター方式によらずに設立されている他の営利企業とは異なる性質を有している。 ,,また営利企業への寄附又は補助によって新たな事業を展開しようとする場合当該寄附又は補助は特定の者の利益を図るという一面を有し,これによって当該補助対象企業と既存企業との競合が発生することの他,公害等の発生も考えられるところであるが,通常,当該補助対象企業が新事業を展開することによって,当該地方公共団体の住民に税収の増加や地域住民の所得及び雇用の増大等の利益をもたらすことが予測されるのであるから,これら諸要素の中から当該地方公共団体においていかなる利益を獲得し,いかなる利益の喪失を甘受するかの政策的な価値判断は,基本的には当該地方公共団体の住民の選挙で選出された議会や長に委ねられると ら,これら諸要素の中から当該地方公共団体においていかなる利益を獲得し,いかなる利益の喪失を甘受するかの政策的な価値判断は,基本的には当該地方公共団体の住民の選挙で選出された議会や長に委ねられると考えるべきである。したがって,寄附又は補助の対象が営利企業であるとの理由のみから公益上の必要性が否定されることはないと解すべきであり,チボリ・ジャパンについても,法的に営利企業であるからといって,同社に対する本件貸付が公益上の必要性を有しないとはいえない。 なお,原告らは,甲公園によって自動車が集中し,交通渋滞や自動車による騒音の発生,甲公園自体の光害や騒音の発生並びにごみ及び用水問題の発生について主張するが,これらの発生を認めるに足る証拠はない。 エ支出の方法,額について見れば,本件貸付は,元本が返還される貸付の形をとっており,甲公園事業の採算性の有無の判断は,前記(2)エのとおり入園客数の予測手法に基いて出された収支計画に基いてなされているところ,同予測手法には一応の合理性があり,収支計画を信頼して貸付金の返還が可能であると判断す,,ることが合理性を欠くとはいえないこと貸付額は当初85億円と高額であるが年利1.0パーセントによる貸付額を70億円,無利子の貸付額を15億円と設定していることなどを考慮すると,支出方法が不当であるとはいえない。 また,倉敷市の財政状況についてみれば,全起債残高は増加し,基金残高は減少しているが,公債費比率や財政力指数から見ても,同市の財政状況が他の市と比べて悪いと認めるに足る証拠はなく,支出方法が貸付の形をとっていることをも併せ考えると,本件貸付金額が,倉敷市の財政規模や財務状況からみて,明らかに過大なものであったとはいえない。 オさらに,前記(2)ア(タ)のとおり,倉敷市とチボリ・ジャパンとの間では,甲公 とをも併せ考えると,本件貸付金額が,倉敷市の財政規模や財務状況からみて,明らかに過大なものであったとはいえない。 オさらに,前記(2)ア(タ)のとおり,倉敷市とチボリ・ジャパンとの間では,甲公園を公共性及び文化性を保持する公園とする旨の取決めがあり,その管理運営のしかたについて倉敷市が意見を述べることができるような制度的保障がなされていること及びチボリ・ジャパンはこれを最大限に尊重しなければならないと定められていることから,倉敷市は,チボリ・ジャパンに対して事後的なコントロールを及ぼし得るものと認められる。 また,原告らは本件貸付をなすにあたって最低限必要な手続要件が充足されていないと主張するが,原告らの主張するような厳格な手続要件が必要とされる根拠は明らかでないし,本件貸付は平成14年度から平成23年度までの間に単年度貸付の形でなされるものであると認められることは前記のとおりであって,各貸付に当たっては今後各年度ごとに支出のための手続が行われることになるものであり,将来いかなる手続がとられるかは不明であり,現段階でこれらの手続要件を充足しているか否かを判断することはできないから,原告らのこの点についての主張は失当である。 カ原告らは,甲公園がアミューズメント系レジャー施設であることを本件貸付が違法となる根拠として主張する。 前記(2)ウ甲公園の概要等によれば,甲公園には樹木や草花が多く植えられ,園内を散策することや,乙内で紹介されているデンマークの様子を見聞したり,,,各種音楽会を鑑賞すること辛3で19世紀のコペンハーゲンの様子に触れたり園内の物販店でデンマークの飲食物や名産品を入手することによっていわゆるアトラクション施設を利用しなくても同公園内での時間を楽しむことができ,教養文化施設としての一面を有しないわけではない。 たり園内の物販店でデンマークの飲食物や名産品を入手することによっていわゆるアトラクション施設を利用しなくても同公園内での時間を楽しむことができ,教養文化施設としての一面を有しないわけではない。 確かに,甲公園には,別紙7のようなアトラクション施設が設置され,これら施設は一般的に遊園地等に設置されている遊戯施設と何ら変わらない。これらアトラクション施設の中には,丙3,丁3,戊3などのようにデンマークの文化を彷彿させるものもないではないが,これらの施設もその性質上,搭乗して楽しむことに主たる目的があると認められる。また,別紙9のレストラン等施設も,デンマークの代表的料理であるオープンサンドを食べることができる己3のような店や,世界的に有名なデンマークの陶磁器であるロイヤルコペンハーゲンの食器を使った喫茶店である庚3などもあるが,このような店は23ある飲食店のうちのほんのわずかであって,飲食店の殆どは他のレジャー施設等にもある飲食店と異なるところはない。したがって,甲公園は,都市公園や自然公園とは明らかに異なり,テーマパークないしアミューズメントパークとしての性格を強く有するものであると認められる。 しかし,行政に対する住民の需要が多様化している現在においては,そのことのみをもって公益性を欠くということはできないし,また,原告らは,採算性がないことも公益上の必要性の判断要素として強調するが,公益上必要な事業はたとえ採算性がなくても実施しなければならないことからすると,寄附又は補助の対象となる事業が採算性を有するか否かをその事業が公益性を有するか否かを判断する場面で過度に重視するのは相当ではない。 キ以上から,甲公園事業は,都市施策の一翼を担い,地域経済や倉敷市の知名度,,及びイメージの向上などに貢献しておりその支出の方法や額も不当とは を判断する場面で過度に重視するのは相当ではない。 キ以上から,甲公園事業は,都市施策の一翼を担い,地域経済や倉敷市の知名度,,及びイメージの向上などに貢献しておりその支出の方法や額も不当とはいえず公益性を有すると認められる。そして,甲公園がテーマパークないしアミューズメントパークとしての性格が強く,甲公園事業の余暇施策,高齢化施策及び文化施策としての効果が薄いというだけでは,本件貸付をした倉敷市長の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったと認めることはできず,その他,原告らが主張している理由も,本件貸付について公益上の必要性がなかった根拠とするには十分でない。 よって,原告らの倉敷市長に対する本件請求は理由がない。 以上の次第であるから,原告らの請求は,いずれも理由がないから棄却し,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 岡山地方裁判所第2民事部裁判長裁判官小野木等裁判官政岡克俊裁判官内山真理子

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る