昭和24(れ)1841 賍物収受、恐喝等

裁判年月日・裁判所
昭和24年12月26日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  弁護人鍜治利一の上告趣意第一点について。  原判決は、被告人等及び証人等の供述の外に原審共同被告人Aの原審公判廷にお

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判決文本文2,203 文字)

主文 本件各上告を棄却する。 理由 弁護人鍜治利一の上告趣意第一点について。 原判決は、被告人等及び証人等の供述の外に原審共同被告人Aの原審公判廷における供述をも証拠として判示の犯罪事実を認定したものである。しかし相被告人の供述を被告人の自白の補強証拠としても、憲法第三八条第三項の規定に違反するものでないことは、既に当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一六七号同二三年七月一九日大法廷判決)とするところであつて、今なおこれを改める必要を認めない。 それ故に原判決を以て憲法の右条項に違反するものであるとする論旨は採用できない。 論旨は又、このような場合の共同被告人は実質上は証人であるから、反対訊問の機会を与えない限りその供述を他の被告人の有罪を認定する証拠とすることは、憲法第三七条第二項に違反するものであると主張する。しかし憲法第三七条を根拠として、第三者の供述を証拠とするにはその者を公判において証人として訊問すべきものであると断定し得ないことは、既に当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一六七号同年七月一九日大法廷判決)に示されている通りである。況して原判決が証拠として採用したのは、共同被告人Aの原審公判における供述そのものであつて、Aは公判期日に上告人と共に在廷していたのであるから、上告人は欲するときには自から直接にAを訊問することができた筈である(昭和二二年(れ)第二〇八号同二三年二月九日第一小法廷判決及び昭和二二年(れ)第一六号同二三年二月二一日第二小法廷判決参照)。それ故に論旨は理由がない。 同第二点について。 しかし被告人Bが同Aと共謀してCから金員を喝取したという判示第一の(イ)- 1 -の事実は、原判決が証拠として挙示している原審公判廷におけるAの供述その他の証拠によつて十分に立 二点について。 しかし被告人Bが同Aと共謀してCから金員を喝取したという判示第一の(イ)- 1 -の事実は、原判決が証拠として挙示している原審公判廷におけるAの供述その他の証拠によつて十分に立証できることである。従つて原判決が被告人Bを恐喝罪の共同正犯に該当するものとしたことには何等の違法もない。既に恐喝罪の共同正犯である以上、その刑の量定は原審の自由裁量に属することであつて、原判決が、Aに対してだけ執行猶予の言渡をし、Bに対してその言渡をしなかつたからとて、所論のように実験則に反するものとも云えないし、審理不尽の違法あるものとも云うことはできない。よつて論旨は採用することができない。 同第三点及び第四点について。 なるほど被告人Dの、「Cは何度も取調を受けたら、困ると思つて金を出したのだと思います。」という供述だけでは、必ずしもDが「Cは脅迫を受けて金を出したのだと思つた。」という証拠にはならないこと所論の通りであるが、しかしさればとて右の供述は、所論のように、「その金はAが脅迫して取つたものではないと思う。」と云つたことにもならない。何度も取調を受けたら困ると思つて金を出すには、脅迫なくしてそのように思い金を出すこともあろう、脅迫が加わつてそのようにすることもあろう(原判決が証拠として挙示している第一審第三回公判調書中の記載には、証人Cの供述として、脅迫があつた旨の記載がある)。そこで裁判長が更らに「被告人はAが恐喝して来た金だと知り乍ら受け取つた訳になるがどうか」と問うたのに対して、同人は「左様であります」と答えたのである。これらの供述を綜合して考えれば、被告人は恐喝の情を知つていたことを認めたものと推断できる。原判決引用の「脅かして金をとつて来たものだと感じた」という供述は、その言葉通りの語句では、第一審第一回公判調書中 供述を綜合して考えれば、被告人は恐喝の情を知つていたことを認めたものと推断できる。原判決引用の「脅かして金をとつて来たものだと感じた」という供述は、その言葉通りの語句では、第一審第一回公判調書中のEの供述の中に見当らないこと所論の通りであるが、その趣旨から見て上記の供述を指すものと認められる。かようにして原判決は、右の供述を証拠として贓物収受の事実を認定したのであるから、所論のように証拠によらずして事実を確定した違法(第三点)もなく、又採証の法- 2 -則に違反した点(第四点)もない。よつて論旨は何れの点も理由がない同第五点について。 しかし原判決摘示第二の事実は挙示の証拠によつて十分立証できることであるから、原判決が被告人B及び同Eを恐喝未遂罪の共同正犯として処断したことは当然である。そうである以上右両名に如何なる刑を科するかは、原審の自由裁量に属することであつて、相被告人Aにのみ執行猶予を言渡し、右の両名には実刑を科したからとて何等の違法もない。これを以て社会通念に反し、審理不尽の裁判であると主張する論旨は採用することができない。 弁護人大道寺和雄は上告趣意書を提出しないから、これに対する判断を示すことができない。 以上の理由により旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官田中巳代治関与昭和二四年一二月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 3 - 登裁判官 河村又介裁判官 穂積重遠

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