⚖️ 判例マッチング
ホーム判例一覧裁判所裁判官解析 / 仮想裁判
🏠ホーム📋判例一覧📄解析⚖️仮想裁判
ホーム›裁判情報一覧›昭和39(ネ)202 所有権移転登記手続請求事件

昭和39(ネ)202 所有権移転登記手続請求事件

裁判所

昭和40年5月31日 札幌高等裁判所

👤裁判官プロフィール機能は近日公開予定
全文PDFダウンロード

2,852 文字

主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決を取り消す。被控訴会社は控訴人に対し、原判決別紙第一目録の不動産につき旭川地方法務局昭和三九年一月二四日受付第二〇七三号を以てした同三七年一二月三日付競落を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。被控訴人Aは控訴人に対し、同第二目録の不動産につき同局昭和三九年一月二四日受付第二〇七二号を以てした同三七年一二月三日付競落を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。被控訴金庫は控訴人に対し、同第二目録の不動産につき同局昭和三九年二月二四日受付第五四〇七号を以てした同月一七日付根抵当権設定契約を原因とする根抵当権設定登記の抹消登記手続をせよ。訴訟費用は、第一・二審を通じ、被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人らは、控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上・法律上の主張および証拠関係は、控訴代理人において別紙準備書面記載のとおり主張し、立証として、甲第四ないし第一〇号証を提出し、被控訴人らにおいて、「右甲号諸証中、甲第五号証の成立は不知、その余は成立を認める。」と述べたほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。理由 当裁判所は、控訴人の本件請求を失当と判断するものであつて、その理由は、左に附加するほかは、原審の判示と全く同様であるから、原判決理由の記載をそのまま引用する。(抵当権実行の手続中における予約完結権の行使について)<要旨>債権者が債権保全の手段として、代物弁済の予約完結権の行使および(根)抵当権の実行という二つの手段</要旨>の中、任意の一手段を「選択」しうる地位にある場合、前者を選べば後者の可能性が消滅することは当然 者が債権保全の手段として、代物弁済の予約完結権の行使および(根)抵当権の実行という二つの手段</要旨>の中、任意の一手段を「選択」しうる地位にある場合、前者を選べば後者の可能性が消滅することは当然であるが、後者を選んだからといつて前者の手段に訴える余地が以後全然消失してしまうわけではなく、少なくとも抵当権実行による競売手続が取下ないし取消によつて終了した場合には、改めて予約完結権を行使することができると解すべきものである。 代物弁済の予約完結権の行使および(根)抵当権の実行という二つの手段</要旨>の中、任意の一手段を「選択」しうる地位にある場合、前者を選べば後者の可能性が消滅することは当然であるが、後者を選んだからといつて前者の手段に訴える余地が以後全然消失してしまうわけではなく、少なくとも抵当権実行による競売手続が取下ないし取消によつて終了した場合には、改めて予約完結権を行使することができると解すべきものである。すなわち、競売手続中にも、予約完結権自体は消滅せずに残るのであつて、この意味では、控訴人の論ずるように、両者は「併存」していると言える。問題は、競売手続が終了しない間に有効に予約完結権を行使しうるか否かであつて、控訴人は、進んで競落許可決定の確定をまつて初めて右の行使が不可能になると解すべきである、と論じるのである。しかしながら、いやしくも一方の方途を選びながら、その結果を見ないうちに、重ねて他方の方途をも選びうるとすることは、事実上両者を同時に採用しうることに帰し、そもそも「選択」の趣旨に反するものがあるとせねばならない。もとより、予約完結権がその行使によつて即時に債権を消滅せしめるのに対し、抵当権の実行はその完結までに一定の時的継続を手続上必要とするから、一旦抵当権実行の方途を選んでも、時間の経過に伴つて選択当初の事情が変化し、むしろ予約完結権の行使の方を有利とするに至る場合はありえよう。しかし、その場合には、債権者はその競売申立を取り下げればよいのである。なるほど、最高価競売申込人が生じて以後は、取下にはその同意が必要であるし、競落期日以後は利害関係人全員の同意が必要ではあるが、これは、反面、最高価競売申込人が手続上生じるに至るまでの相当期間中は、債権者が予約完結権行使の方途を改めて採るにつき、任意になし 必要であるし、競落期日以後は利害関係人全員の同意が必要ではあるが、これは、反面、最高価競売申込人が手続上生じるに至るまでの相当期間中は、債権者が予約完結権行使の方途を改めて採るにつき、任意になしうる競売申立の取下の一事以外には何の障害も存在しないことを示すものであるし、逆に言えば、既に競売申立の取下につき利害関係人の同意を必要とする段階に達したということは、一旦選ばれた抵当権実行の方途において今や端的に無視することのできない過渡的な権利形成状態が生じたことを意味するのであるから、それが予約完結権の行使に対する障害となつても当然であるというべきであり、その場合ですら、利害関係人が同意すれば、申立を取り下げて、予約完結の方途に進みうるのである。 とを示すものであるし、逆に言えば、既に競売申立の取下につき利害関係人の同意を必要とする段階に達したということは、一旦選ばれた抵当権実行の方途において今や端的に無視することのできない過渡的な権利形成状態が生じたことを意味するのであるから、それが予約完結権の行使に対する障害となつても当然であるというべきであり、その場合ですら、利害関係人が同意すれば、申立を取り下げて、予約完結の方途に進みうるのである。(そして、正に、本件においては、成立に争いない甲第四および第八号証によつて明らかなように、債権者は、競売申立を取り下げようとしたが、利害関係人の同意がなかつたため、その取下が有効とならなかつた、という事情が存することを考え合せるべきである。)従つて、競売手続中は有効に予約完結権の行使をなしえないと解すべきものであつて、控訴人の所論は採用しえない。(代物弁済の効力発生について)控訴人は、代物弁済として不動産譲渡がなされる場合、移転登記を要せず、引渡のみで足りると主張し、その理由として、移転登記につき後順位権利者の同意を要する場合あることをあげている。(控訴人の引用する法律中には所論の趣旨の規定は見出されないが、所論は、不動産登記法第一〇五条に規定する場合のことをいうものと善解できる。)しかし、前判示のように、代物弁済の予約完結権行使の効果自体が発生しない以上、代物弁済の効果につき、登記を要するか引渡で足りるかを論じても無益といわなければならない。よつて、本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の うに、代物弁済の予約完結権行使の効果自体が発生しない以上、代物弁済の効果につき、登記を要するか引渡で足りるかを論じても無益といわなければならない。よつて、本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担については民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官伊藤淳吉裁判官臼居直道裁判官倉田卓次)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る