平成17(ワ)4050 保険金請求

裁判年月日・裁判所
平成18年12月18日 名古屋地方裁判所 棄却
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判決文本文8,906 文字)

主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求被告は,原告に対し,1048万8681円及びこれに対する平成16年10月21日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が被告に対し,大雨により自動車に浸水被害が発生したとして,保険契約に基づき,保険金及びこれに対する被害発生の翌日からの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提事実(1)被告は,損害保険を業とする株式会社である。 (2)原告と被告は,平成16年7月15日,以下の保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結した。 ア保険者被告イ保険契約者原告ウ保険の種類個人総合自動車保険エ車両保険の被保険者(争いがある)オ保険期間平成16年7月15日から平成17年7月15日カ被保険自動車(以下「本件自動車」という。)登録番号a車名メルセデスベンツ車体番号bキ車両保険金額1950万円ク約款(4章車両条項) 1条(当会社の支払責任)1項当会社(被告)は,衝突,接触,墜落,転覆,物の飛来,物の落下,火災,爆発,台風,こう水,高潮その他偶然な事故によって保険証券記載の自動車(以下「被保険自動車」といいます。)に生じた損害及び被保険自動車の盗難によって生じた損害(以下これらの損害を総称して「損害」といいます。)に対して,この車両条項および一般条項に従い,次条に定める被保険者に保険金(損害保険金および費用をいいます。以下同様とします。)を支払います。 2項前項の被保険自動車には,付属品を含みます。 2条(被保険者)この車両条項において被保険者とは,被保険自動車の所有者をいいます。 (3)原告は,本件自動車につき平成1 ます。)を支払います。 2項前項の被保険自動車には,付属品を含みます。 2条(被保険者)この車両条項において被保険者とは,被保険自動車の所有者をいいます。 (3)原告は,本件自動車につき平成16年10月20日,浸水被害が発生したとして(以下「本件保険事故」という。),そのころ,被告に対し,保険金の請求をしたところ,被告は,同年11月15日,同保険金の支払を拒絶する旨の通知をした。 争点 本件の争点は,①原告は本件自動車の被保険者といえるか,②本件保険事故の発生の有無,同事故によって本件自動車に生じた損害の額である。 第3争点に関する当事者の主張 争点①について(原告の主張)(1)原告は,本件自動車の実質的な所有者である。 ただし,自動車検査証上は,担保の為,ローン会社である株式会社Aが所有者,原告が使用者として登録されている。 なお,原告の本件自動車の購入にかかる株式会社Aに対するローンの残高 は,平成18年6月10日当時,976万9655円である。 (2)約款4章2条の「所有者」とは,「被保険自動車の被保険利益が帰属する者」を意味すると考えるべきところ,所有権留保付き割賦販売契約は,実質的には,未払いの売買代金を担保する目的でなされるものであり,売買の目的物につき保険事故が発生した場合に最終的に経済上の損害を受ける立場にあるのは,同契約の買主である。 (3)所有権留保特約付き割賦販売契約の買主は,保険事故が発生しても,同売主に対する未払売買代金の支払義務を免れることができないから,訴訟手続において,自己の勝訴を確保するために主体的な活動を必死に行うことになる。かかる買主に当事者としての地位を認めることこそが,自己責任を前提として,当事者に主体的地位を与え,その判決の結果に拘束力を持たせている現行民事訴訟法の基 ために主体的な活動を必死に行うことになる。かかる買主に当事者としての地位を認めることこそが,自己責任を前提として,当事者に主体的地位を与え,その判決の結果に拘束力を持たせている現行民事訴訟法の基本構造に合致する。 (4)原告としては,車両保険も含めて被保険者は原告自身であると考えて,被告との間で本件保険契約を締結し,保険料を被告に対して支払ってきたものであり,株式会社Aのために保険契約を締結して保険料を支払ってきたものではない。 そもそも,他人のためにする保険契約は,契約当事者以外の者がその契約上の権利を取得するという例外的な契約内容である以上,保険契約当事者間に,他人のためにする保険契約とすることについて明確な合意が必要であり,かかる合意の存在が明確でない場合には,保険契約者の自己のためにする保険契約と推定するべきである。 本件においては,本件保険契約締結時,被保険者を株式会社Aとするという話は全く出ていなかったばかりか,契約申込書(乙4の1)の筆跡から明らかなとおり,原告が記載を求められたのは,申込人欄のみである。原告が,保険証券の「車両所有者(車両被保険者)」欄に「株式会社A様」との記載の存在に気付いたのは,本件訴訟係属後に被告から指摘を受けた際のことで ある。 したがって,原告と被告との間において,車両保険の被保険者を株式会社Aとする旨の合意の存在が明確でない本件においては,原告は,車両保険についても,原告自身のために保険契約を締結したと推定すべきである。 (5)株式会社Aは,原告の平成18年8月22日付け訴訟告知に対して,「株式会社Aは,契約に全く関与しておらず,原告の独自の判断と負担でなされたものでありますので,今回の事故による保険金の請求をどのようにするかについても株式会社A側でサジェスチョンできる立場にはありませ 式会社Aは,契約に全く関与しておらず,原告の独自の判断と負担でなされたものでありますので,今回の事故による保険金の請求をどのようにするかについても株式会社A側でサジェスチョンできる立場にはありません。」という回答をしており,これは,株式会社Aが,実質的には,被保険利益を放棄したものということができる。 したがって,仮に,本件保険契約締結時において,車両保険に関する被保険者を株式会社Aとする合意が原告と被告との間で成立していたとしても,株式会社Aが,被保険利益を実質的に放棄している以上,原告が被保険者であるというべきである。 (被告の主張)(1)本件自動車の所有者は,株式会社Aであり,株式会社Aが本件保険契約における車両被保険者である。 (2)原告は,本件保険契約の申込書(乙4の1)に,車両被保険者を株式会社Aと明記して,株式会社Aのために本件保険契約を締結している。原告は,同申込書に基づいて作成された保険証券(甲1)の送付を受けた後,被告に対し,同保険証券の内容が違っていると異議を申し述べたことがない。 保険者(被告)と保険契約者(原告)との間の本件保険契約において,車両被保険者は株式会社Aと明確に約定されているから,保険者(被告)も車両被保険者(株式会社A)も困ることはない。ただし,被保険自動車に保険事故が発生したことに関して疑義がある場合,車両被保険者が被保険自動車に保険事故の発生したことを立証することができなければ,保険者は車両被 保険者に対し,保険金を支払わないだけのことである。 保険証券(甲1)の明文に反する合意が,原告と被告との間に成立したものと推定すべきである旨の原告の主張は暴論である。 争点②について(原告の主張)(1)原告は,平成16年10月20日午後6時ころ,愛知県一宮市内の県道c号線を南西方向に走行 の間に成立したものと推定すべきである旨の原告の主張は暴論である。 争点②について(原告の主張)(1)原告は,平成16年10月20日午後6時ころ,愛知県一宮市内の県道c号線を南西方向に走行していた。当日の天候は,台風23号が東海地方を通過し,気象庁の一宮観測所で午後6時台に21ミリ,午後7時台に28ミリの雨量を記録しており,国道d号線は,冠水により一部が通行不能となる程で,原告が,通行した道路も,全般にわたり,側溝から雨水が溢れ出し,道路上には少なくとも数十ミリの雨水が滞留しており,原告は雨水をかき分けるような状態で走行していた。また,対向車とすれ違う度に大量の雨水を被ってしまうことも多々あった。特に,県道c号線が,e神社の東側付近で,別紙写真(甲10の1)のとおり,国道d号線を潜り抜けるように立体交差(以下「本件立体交差部分」という。)している部分では,一番深いところで少なくとも20センチメートル程度の雨水が滞留していた。 原告は,前方を走行していた車両も同所を通過していたことから,本件自動車も走行できるものと考え,念のため,エアサスペンションにより車体を最高位まで上昇させた上で,同所を徐行にて走行した。 ところが,原告が,同所を通過した後,同県道は大渋滞しており,全くと言っていいほど前に進まない状態が続いていたことから,原告は,Uターンの上,再度,同所を通過し,国道d号線を南下して名古屋方面に向かった。 原告が,国道d号線を走行する際も,低速のまま,滞留していた雨水をかき分けるような状態で走行し,午後8時前ころに,名古屋駅に到着した。 原告が,翌日の昼ころ,本件自動車のエンジンをかけたら異音がし,ギアが正常に作動しなかった。 原告が修理を依頼した有限会社Bでは,本件自動車の修理ができないということで,同社が株式会社Cf支店 原告が,翌日の昼ころ,本件自動車のエンジンをかけたら異音がし,ギアが正常に作動しなかった。 原告が修理を依頼した有限会社Bでは,本件自動車の修理ができないということで,同社が株式会社Cf支店に修理を依頼した。 (2)浸水状況としては,ドア付近からの浸水ではなく,本件自動車の下の部分から自動車内に雨水が浸入し,その際に,本件自動車のトランスミッションやコンピュータのランシステムに雨水が浸水したと考えられる。 その結果,トランスミッション関係の異常が発生し,また,コンピューターのランシステム(データー・バスCANライン)がショートし,その電気抵抗値に異常が生じているため,現時点においても,エンジンを正常にコントロールすることができず,エンジンの回転数が乱れたり,トランスミッションの変速ができなかったりという不具合が発生している。同じ様な損傷状況は,過去のいわゆる東海豪雨においても,多々見受けられている。 (3)株式会社Cによる修理見積金額は,1048万8681円である。 (4)被告の主張に対する反論道路運送車両法62条による継続検査は,同条2項に「保安基準に適合すると認められるときは」と規定されていることからも明らかなように,当該車両が保安基準に適合するか否かを検査するものにすぎない。 本件保険事故により,本件自動車に発生した不具合の主な症状としては,各種故障インジケーターの点灯やオートマチックトランスミッションの変速の異常等が断続的に発生するといったものであるが,これらの異常は保安基準とは関係なく,かつ,継続検査の検査項目にも含まれていない。 また,上記不具合は,本件自動車の走行を完全に不可能ならしめるものではない。原告としては,何とか走行させることが可能であったことから,折角購入した自動車であることや本件訴訟の結果が出るまで放置 い。 また,上記不具合は,本件自動車の走行を完全に不可能ならしめるものではない。原告としては,何とか走行させることが可能であったことから,折角購入した自動車であることや本件訴訟の結果が出るまで放置していてはかえって傷んでしまうおそれがあることなどから,本件自動車の使用を継続してきたにすぎない。 (被告の主張) (1)原告が,本件自動車を運転して,平成16年10月20日午後6時すぎころ,本件立体交差部分を往復して通過したという点は強く争う。 (2)ア原告は,平成16年10月27日,本件自動車を株式会社Cf支店サービス課工場に搬入しているところ,同時点における本件自動車の走行距離は1万7557キロメートルであった。 そして,原告は,平成18年2月6日,有限会社Bで道路運送車両法62条に定める継続検査を受けている。同時点における本件自動車の走行距離は,2万4800キロメートルないし2万4849キロメートルである。 さらに,DVD(甲18)が撮影された同年7月2日の時点における本件自動車の走行距離は,3万0565キロメートルである。 その後も,原告は,現在まで,本件自動車を全然修理していない。 イ原告は,上記期間中である平成17年2月25日までに,本来,道路運送車両法48条により,本件自動車の一年定期点検整備を受けるべき義務があるのに,これをしていない。 そうすると,本件自動車には,平成17年2月25日ころまで,一年定期点検を受けなければならない程の不具合が発生していなかったことが推測できる。 ウまた,本件自動車は,平成18年2月6日に行われた前記継続検査において,別紙「分解整備記録簿」(甲14)のとおり,ほとんどの項目に点検良好の「」が付されている。 Öエ上記各事実を総合すると,本件自動車は,原告の主張する浸水による損傷を全く受 記継続検査において,別紙「分解整備記録簿」(甲14)のとおり,ほとんどの項目に点検良好の「」が付されている。 Öエ上記各事実を総合すると,本件自動車は,原告の主張する浸水による損傷を全く受けていなかったものというべきである。 第4当裁判所の判断 証拠(甲1,4,9,15,21,乙4の1・4)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1)原告は,平成16年6月22日,株式会社Aのローンにより,有限会社 Bから,本件自動車を代金1650万円(車両代金及び諸費用)で購入した。 原告と株式会社Aとの間では,原告が本件自動車を担保として株式会社Aから上記購入代金を借り入れて,ローンが完済された時点で本件自動車の名義を移転することが合意された。したがって,自動車検査証には,株式会社Aが所有者,原告が使用者として登録されている。 (2)原告は,同月15日,被告との間で,本件保険契約を締結した。同保険の申込書(乙4の1。同書面の不動文字は判読しにくいところ,同種の書面として提出されたのが乙4の4である。)の車両所有者欄には「株式会社A」と手書きで記載されている。 また,本件保険契約の保険証券(甲1)の車両所有者(車両被保険者)欄には「株式会社A様」と記載されている。 (3)原告の本件自動車の購入にかかる株式会社Aに対するローンの残高は,平成18年6月10日の時点で,976万9655円である。 (4)株式会社Aは,平成18年9月14日,原告に対し,本件保険契約に基づく保険金請求権を譲渡する旨の申し出をしたが,同年10月12日ころ,同申し出を撤回した。 所有権留保特約付き割賦販売契約において,ローン会社は,売買代金債権担保の目的を達するのに必要な範囲内においてのみ当該自動車の所有権を有しているに過ぎず,他方,買主は被担保債 申し出を撤回した。 所有権留保特約付き割賦販売契約において,ローン会社は,売買代金債権担保の目的を達するのに必要な範囲内においてのみ当該自動車の所有権を有しているに過ぎず,他方,買主は被担保債権を弁済して当該自動車の完全な所有権を取得することができる。上記のような所有権留保の趣旨及び効力に鑑みると,ローン会社及び買主は共に所有権留保の自動車につき保険事故が発生することによる損害を受けるべき関係にあり,したがって,共に当該自動車について被保険利益を有するというべきである。 そうすると,所有権留保の対象である本件自動車の買主である原告が,本件保険契約のうち車両保険にかかる部分について,自己のために契約を締結した場合には,本件保険契約の約款4章2条にいう被保険者すなわち本件自動車の 所有者といって差し支えない。 そこで,原告が,自己のために本件保険契約のうち車両保険にかかる部分を締結したといえるかにつき検討するに,前記1(2)の事実からすれば,原告は,株式会社Aのためにこれを締結したものと解さざるをえず,自己のために締結したと認めることはできない。 以下,原告の主張について検討する。 (1)原告は,自己の勝訴を確保するために主体的な活動を必死に行うことになる原告に当事者としての地位を与えるべきである旨主張する。 なるほど,ローンや所有権留保売買が一般化しているにもかかわらず,車両保険の現実の引受けが実際の使用者を主体としてなされている現状や,本件のように債権者側の保険金取得に積極的でない事例もないではないことに照らすと,少なくとも分損の場合には,留保買主である原告に被保険利益を認める方が公平と思われないでもない。 しかしながら,全損や盗難の場合には,留保売主においても,車両保険の取得に強い関心を有するのが通常であって,約款の規定や当 には,留保買主である原告に被保険利益を認める方が公平と思われないでもない。 しかしながら,全損や盗難の場合には,留保売主においても,車両保険の取得に強い関心を有するのが通常であって,約款の規定や当事者間の格別の合意がないにもかかわらず,分損の場合と全損の場合とで取扱いを異にするのは困難というほかない。 思うに,被保険利益を有するかどうかは,形式的に判断するのではなく,実質的に判断すべきであるから,当事者間で,車両保険の被保険者について明確な合意をせず,単に約款に「この車両条項において被保険者とは,被保険自動車の所有者をいいます。」旨の規定があるに過ぎない事案では,留保買主も被保険利益を有するものとして,同規定の所有者に当たると解すべきであるが,本件のように,約款の規定に加え,当事者間で,車両保険を原告以外の第三者とする合意が書面上でなされている場合には,原告の指摘する諸事情を考慮しても,同合意に反する解釈をする余地はないというべきである。 (2)次に,原告は,他人のためにする保険契約は例外的であり,その点につき明確な合意が必要である旨主張するが,他人のためにする保険契約も商法647条,648条等に規定があるのであって,例外的との主張は失当である。例えば,本件のような所有権留保売買における買主の場合以外にも,建設・土木現場において,建設・土木業者が,第三者から重機のリースを受けた場合に,同重機について,第三者のために損害保険契約を締結する場合がある(ただし,建設・土木業者は,被保険利益を有しないので,自己のために損害保険契約を締結することができない点で,所有権留保売買における買主と異なる)。 また,原告は,「原告と被告との間において,車両保険の被保険者を株式会社Aとする旨の合意の存在が明確でない本件においては,原告は,車両保 ことができない点で,所有権留保売買における買主と異なる)。 また,原告は,「原告と被告との間において,車両保険の被保険者を株式会社Aとする旨の合意の存在が明確でない本件においては,原告は,車両保険についても,原告自身のために保険契約を締結したと推定すべきである。」旨主張するが,車両保険の被保険者を株式会社Aとする旨の合意は,申込書及び保険証券という書面上でなされた明確なものであり,原告の主張は採用できない。 (3)さらに,原告は,「仮に,本件保険契約締結時において,車両保険に関する被保険者を株式会社Aとする合意が原告と被告との間で成立していたとしても,株式会社Aが,被保険利益を実質的に放棄している以上,原告が被保険者である。」旨主張する。 そこで検討するに,第三者である被保険者(株式会社A)は,商法648条後段(同条は,民法537条2項の特則をなすと解される。)により,当然に保険契約の利益を享受し,保険事故が発生し,保険給付の要件が備わったときは,保険者に対して直接保険給付を請求することができる地位にあるところ(民法537条1項),同請求権を行使するかしないか,第三者に譲渡するかしないかなども,被保険者の自由である。 したがって,原告が被告に対し,本件保険金請求権を行使するためには, 株式会社Aから同請求権の譲渡を受ける必要があるのであって,単に,株式会社Aが,保険金請求権を行使しないことを表明することでは足りない。 本件において,株式会社Aは,一旦,原告に対し,本件保険契約に基づく保険金請求権を譲渡する旨の申し出をしたが,後日,同申し出を撤回している(前記1(4))。 したがって,原告の上記主張は採用できない。 (4)その他,原告は,被告が訴訟係属前に原告に対し,甲6号証の書面をもって,保険金支払を拒絶する際,訴訟を提起するこ を撤回している(前記1(4))。 したがって,原告の上記主張は採用できない。 (4)その他,原告は,被告が訴訟係属前に原告に対し,甲6号証の書面をもって,保険金支払を拒絶する際,訴訟を提起することを差し向けておきながら,訴訟に至って,原告が被保険者であることを争っていることをもって,「禁反言の原則にも悖る不当なものである」旨主張するが(原告の平成18年5月2日付け準備書面(2)),被告は,同書面において,原告が本件自動車の被保険者であることを認めている訳でもなく,結局のところ,保険金の支払を拒絶しているのであるから,かかる原告の主張は失当である。 結論 よって,争点②について判断をするまでもなく,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第6部裁判官安田大二郎(別紙写真及び別紙「分解整備記録簿」省略)

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