昭和33(オ)1094 宅地買収計画取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和37年2月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決中第一審判決添付物件表記載2および3の土地に関する部分を破 棄し、右部分につき本件を大阪高等裁判所に差戻す。          理    由  上告代理人中井彌六の上告理

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判決文本文2,091 文字)

主文原判決中第一審判決添付物件表記載2および3の土地に関する部分を破棄し、右部分につき本件を大阪高等裁判所に差戻す。 理由上告代理人中井彌六の上告理由について。 所論は、原判決およびその是認した第一審判決が、DおよびEの買收申請にかかる第一審判決添付物件表記載の2、3の各宅地に対する本件買收計画を違法であるとしたことにつき、甲第六号および第七号証に基づき昭和二三年度の事業税のみによつて、右両名がそれぞれ営む農業とその他の事業とのいずれが主であるか副であるかを決めてしまうことは、不当であり、乙第八号および第九号証の各一によれば、右両名の農業所得がその他の事業から生ずる所得より多額であることを知り得るにかかわらず、原審が特段の事情を説示することなく、右乙第八号および第九号証の各一にあらわれた事実を否定して、同人らの主たる事業が農業以外のものであるとした第一審判決の事実認定を是認したことは、採証法則違反、理由不備ないし理由そごの違法があるというのである。 よつて按ずるに、自作農創設特別措置法(昭和二四年六月二〇日法律第二一五号、同日施行による改正後のもの)、一五条二項一号は、附帯買收の申請人の主たる所得が農業以外の職業から得られている場合は附帯買收を許さない旨を定めており、この規定は前記昭和二四年法律第二一五号によつて改正されたものではあるが、改正前の買收についても同様に解すべきことは当裁判所の判例の趣旨とするところである(昭和二六年(オ)第五五九号、同二八年七月七日第三小法廷判決、民集七巻七号八二六頁、同二六年(オ)第一二四号、同二八年一二月一八日第二小法廷判決、民集七巻一二号一四五六頁参照)。そして、前記規定中の、主たる所得が農業以外の職業から得られている場合というのは、特定の年において 六頁、同二六年(オ)第一二四号、同二八年一二月一八日第二小法廷判決、民集七巻一二号一四五六頁参照)。そして、前記規定中の、主たる所得が農業以外の職業から得られている場合というのは、特定の年において、たまたま農業以外の- 1 -職業の所得が多かつたということを指すものではなく、継続的にみて、常態として農業以外の職業から得られる所得が主たるものと認め得る場合を指すものと解するを相当とするところ(本件は昭和二四年の買收計画に基づくものであるから、いずれが主たる所得であるかの判定は、買收計画樹立時である同年当時の状況を基準とすべきではあるが、その状況は、右に述べたように、継続的にみて常態として認め得るものであることが必要であるといわなければならない。)、乙第八号および第九号証の各一によれば、昭和二三年および同二四年の所得の状況は、前記両名ともその農業所得が農業以外の事業所得より上回つていることは明らかであるから、たとえDが精米業を、Eが運送業を、それぞれかなりの程度に営んでいたとしても、特段の事情の認められない限り、その主たる職業は両名ともなお農業であつたとするのが相当と認められる。のみならず、原判決の是認した第一審判決挙示の甲第六号および第七号証は昭和二三年度の事業税の納税証明書であるが、事業税は、個人については前年の所得を課税標準として賦課されるものであることは、右事業税賦課に適用された昭和二三年法律第一一〇号旧地方税法六五条一項の規定するところであつて、右証明書は、昭和二二年の所得の状況に関するものである。 しかるに、原判決は、右乙第八号および第九号証の各一にあらわれた事実を否定して、これと相反する事実を認定するにつき、是認し得べき特段の事情を説示することなく、前記両名ともその農業以外の事業所得が農業所得よりも大であると認定した第一 び第九号証の各一にあらわれた事実を否定して、これと相反する事実を認定するにつき、是認し得べき特段の事情を説示することなく、前記両名ともその農業以外の事業所得が農業所得よりも大であると認定した第一審判決を維持し、「成立に争のない乙第八ないし第一〇号証の各一によると、買收申請人D、E……の昭和二三年度及び昭和二四年度の所得が、第一審被告主張のとおりであることを認めることができるが、右事実及び乙第八ないし第一〇号証の各二、当審(原審)証人Fの証言によつても、原審(第一審)のした事実認定にして当裁判所(原審)も同様に認定するところをくつがえすことができない。」と判示したことは、審理不尽、理由不備の違法あるを免れず、右の違法は原判決の- 2 -結果に影響を及ぼすこと明らかであるから、論旨は結局理由あるに帰し、原判決中、右DおよびEの買收申請にかかる第一審判決添付物件表記載の2、3の各宅地に対する本件買收計画を取消した第一審判決に対する上告人の控訴を棄却した部分を破棄し、さらに審理を尽すため、右部分につき本件を原審に差戻すべきものとする。 よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官斎藤悠輔裁判官下飯坂潤夫裁判官高木常七- 3 -

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