平成29年12月13日判決言渡平成27年(行ウ)第37号行政財産使用不許可決定取消等請求事件 主文 1 本件各訴えのうち,別紙物件目録記載1から5までの各不動産につき地方自治法238条の4第7項に基づく使用を許可する旨の処分の義務付けを求める 部分を却下する。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 高槻市長が別紙物件目録記載1から5までの各不動産につき平成26年10月31日付けで原告に対してした地方自治法238条の4第7項に基づく使用を許可しない旨の処分(高産農第690号)を取り消す。 2 高槻市長は,原告に対し,別紙物件目録記載1から5までの各不動産について地方自治法238条の4第7項に基づき平成26年12月1日から平成27 年11月30日まで使用を許可するとの処分をせよ。 3 高槻市長が別紙物件目録記載1から5までの各不動産につき平成27年11月11日付けで原告に対してした地方自治法238条の4第7項に基づく使用を許可しない旨の処分(高産農第723号)を取り消す。 4 高槻市長は,原告に対し,別紙物件目録記載1から5までの各不動産につい て地方自治法238条の4第7項に基づき平成27年12月1日から平成28年11月30日まで使用を許可するとの処分をせよ。 5 高槻市長が別紙物件目録記載1から5までの各不動産につき平成28年10月27日付けで原告に対してした地方自治法238条の4第7項に基づく使用を許可しない旨の処分(高産農第796号-2)を取り消す。 6 高槻市長は,原告に対し,別紙物件目録記載1から5までの各不動産につい て地方自治法238条の4第7項に基づき平成28年12月1 ない旨の処分(高産農第796号-2)を取り消す。 6 高槻市長は,原告に対し,別紙物件目録記載1から5までの各不動産につい て地方自治法238条の4第7項に基づき平成28年12月1日から平成29年11月30日まで使用を許可するとの処分をせよ。 第2 事案の概要原告は,高槻市長に対し,別紙物件目録記載1の土地(以下「本件土地」という。)及び同土地上の同目録記載2から5までの各建物(以下「本件各建物」 といい,本件土地と併せて「本件各不動産」という。)について,平成26年10月8日付けで地方自治法(以下「法」という。)238条の4第7項(平成18年法律第53号による改正前の法238条の4第4項。以下同じ。)に基づく使用許可の申請をしたところ,同月31日付けで使用を許可しない旨の処分(以下「平成26年不許可処分」という。)を受け,平成27年10月13日付けで 法238条の4第7項に基づく使用許可の申請をしたところ,同年11月11日付けで使用を許可しない旨の処分(以下「平成27年不許可処分」という。)を受け,平成28年10月6日付けで同項に基づく使用許可の申請をしたところ,同月27日付けで使用を許可しない旨の処分(以下「平成28年不許可処分」といい,平成26年不許可処分,平成27年不許可処分及び平成28年不 許可処分を併せて「本件各不許可処分」という。)を受けた。 本件は,原告が被告に対し本件各不許可処分の取消し及び上記各申請に基づいて同項に基づき本件各不動産の使用を許可するとの処分の義務付けを求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨 により容易に認められる事実)⑴ 当事者等原告は,植木等の共同販売等を目的として昭和50年3月11日に ある。 1 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨 により容易に認められる事実)⑴ 当事者等原告は,植木等の共同販売等を目的として昭和50年3月11日に設立された事業協同組合(中小企業等協同組合法3条1号)であり,設立当時の名称は「A」であったが,平成12年に現在の名称に改称された。(甲1) ⑵ 本件各不許可処分に至る経緯 ア被告は,同和対策事業の一環として大阪府高槻市α(以下「α」という。)における植木産業の振興を図る目的で高槻市(住所省略)所在の土地を取得するとともに同土地上に建物を建築し,それらを「B」との名称で行政財産とした上,原告の設立以降,原告に対して,法238条の4第7項並びに高槻市公有財産規則16条6号及び17条に基づき,使用期間を1年, 使用目的を植木圃場として使用を許可する旨の処分を継続的に行ってきた。 その間,被告は,新たに取得した土地及び新築した建物を行政財産としてBとし,これらも原告に対する使用許可処分の対象としたが,その後,原告による使用許可申請の対象が縮小され,原告に対する使用許可処分の対象は本件各不動産となった(以下,行政財産としてBに含まれる土地建物 を総称して「B」ということがある。)。(甲3~6,乙5,6)イ平成25年度においても,被告は,原告に対し,使用期限を平成25年4月1日から平成26年3月31日まで,使用目的を植木圃場として法238条の4第7項に基づいて本件各不動産の使用を許可していた。ところが,被告は,平成25年11月29日付けで,原告に対し,①原告に対す る同項に基づく使用許可は平成25年度をもって終了すること,②植木という特異性に鑑みて,原告が希望する場合には平成26年11月末までを代替地移転 11月29日付けで,原告に対し,①原告に対す る同項に基づく使用許可は平成25年度をもって終了すること,②植木という特異性に鑑みて,原告が希望する場合には平成26年11月末までを代替地移転のための猶予期間として条件付きで同項に基づく使用許可の申請を受け付けることなどを通知した(以下「本件通知」という。)。(甲7)ウ原告は,平成26年3月24日付けで,被告に対し,本件各不動産の使 用許可の申請をし,同月28日付けで使用期間を同年4月1日から同年11月30日まで,使用目的を植木圃場として法238条の4第7項に基づく本件各不動産の使用許可を受けた。(甲8,12)エ原告は,平成26年10月8日付けで,被告に対し,使用期間を同年12月1日から平成27年11月30日まで,使用目的を植木圃場として本 件各不動産の使用許可の申請をしたが,平成26年10月31日付けで同 申請を不許可とする旨の処分(平成26年不許可処分)を受けた。 (甲18,20)オ原告は,平成26年11月25日付けで,平成26年不許可処分について異議申立て(平成26年法律第68号による全部改正前の行政不服審査法によるもの。以下同じ)をしたが,同年12月26日付けで,異議申立 てを棄却する旨の決定を受けた。(甲23,25)カ原告は,平成27年2月6日,平成26年不許可処分の取消し及び法238条の4第7項に基づく本件各不動産の使用許可処分の義務付けを求める本件訴訟を提起した。 キ原告は,平成27年10月13日付けで,使用期間を同年12月1日か ら平成28年11月30日まで,使用目的を植木圃場として本件各不動産の使用許可の申請をしたが,平成27年11月11日付けで同申請を不許可とする旨の処分(平成27年不許可処分)を受けた。(乙 ら平成28年11月30日まで,使用目的を植木圃場として本件各不動産の使用許可の申請をしたが,平成27年11月11日付けで同申請を不許可とする旨の処分(平成27年不許可処分)を受けた。(乙46,47)ク原告は,平成28年2月17日,平成27年不許可処分の取消し及び法238条の4第7項に基づく本件各不動産の使用許可処分の義務付けを求 める訴えを追加する旨の訴えの追加的変更をした。 ケ原告は,平成28年10月6日付けで,使用期間を同年12月1日から平成29年11月30日まで,使用目的を植木圃場として本件各不動産の使用許可の申請をしたが,平成28年10月27日付けで同申請を不許可とする旨の処分(平成28年不許可処分)を受けた。(甲89) コ原告は,平成29年2月6日,平成28年不許可処分の取消し及び法238条の4第7項に基づく本件各不動産の使用許可処分の義務付けを求める訴えを追加する旨の訴えの追加的変更をした。 2 争点⑴ 本件訴え提起の適法性(争点1) ⑵ 本件各不許可処分の適法性1(本件各不許可処分における高槻市長の判断 の裁量権の逸脱濫用の有無。争点2)⑶ 本件各不許可処分の適法性2(本件各不許可処分における適正手続違反の有無。争点3)⑷ 義務付けの訴えの訴訟要件及び本案要件の具備の有無(争点4) 3 当事者の主張 ⑴ 争点1(本件訴え提起の適法性)(被告の主張)原告の理事長として本件訴えを提起したとされているCは,本件訴えの提起後である平成27年2月9日に原告から脱退しているから,本件訴えはCの自由意思に基づくものとは認められず,本件訴えの提起は無効である。 また,原告の定款では,理事の定数は13人以上18人以内とされ,原告 27年2月9日に原告から脱退しているから,本件訴えはCの自由意思に基づくものとは認められず,本件訴えの提起は無効である。 また,原告の定款では,理事の定数は13人以上18人以内とされ,原告の業務執行は理事会が決することとされており,理事会の議事は,理事の過半数が出席し,その過半数で決することとされている。そうであるところ,平成26年10月6日時点で理事の地位にあった者は13名であり,本件訴え提起までの間に前記13名のうち11名が原告から脱退する旨の意思表示 をし,又は理事を退任している。そうすると,本件訴えの提起につき理事会の決議が存在するとは認められず,本件訴えの提起は無効である。 (原告の主張)平成26年9月13日に理事会が開催され,本件訴えの提起が決議された。 前記理事会には15名の理事のうち8名が出席し,全員一致で本件訴えの提 起が決議され,この理事会決議に基づいて当時の理事長であるCが,原告代理人に本件訴えの提起を委任したのである。したがって,本件訴えの提起は有効である。 仮に,本件訴えの提起に関する原告の意思決定に瑕疵があったとしても,原告の総会決議において組合員全員が本件訴えの提起及び従前の訴訟追行を 追認する旨の決議がされ,本件訴えの提起後に選任された理事長により本件 訴えの提起及び従前の訴訟追行が追認されたから,本件訴えの提起は適法である。 ⑵ 争点2(本件各不許可処分の適法性1〔本件各不許可処分における高槻市長の判断の裁量権の逸脱濫用の有無〕)(原告の主張) ア本件各不許可処分の適否の判断枠組み最高裁平成15年(受)第2001号同18年2月7日第三小法廷判決・民集60巻2号401頁(以下「平成18年最高裁判決」という。)は,行政財産の目的外使用を許 本件各不許可処分の適否の判断枠組み最高裁平成15年(受)第2001号同18年2月7日第三小法廷判決・民集60巻2号401頁(以下「平成18年最高裁判決」という。)は,行政財産の目的外使用を許可するか否かに関しては,原則として施設管理者の裁量に委ねられているとした上で,その裁量権の行使は,重要な事実の 基礎を欠くか,又は著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って裁量権の逸脱濫用として違法となる旨判示しているところ,このように行政財産の目的外使用の許可について施設管理者に広い裁量が認められるのは,当該行政財産に本来の用途又は使用目的があり,それ以外の目的に使用することが基本的に制限されているからである。 しかしながら,本件各不動産は,αにおける植木産業の振興に供することを目的として取得又は建築されたものであり,原告に本件各不動産を植木圃場として使用させることは目的外使用とはいえないのであるから,本件各不動産の使用許可には平成18年最高裁判決は妥当せず,原告に対して本件各不動産の使用を許可するか否かについての高槻市長の裁量は相当 に狭いものというべきである。そして,高槻市長の裁量権の行使が逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においても,被告による本件各不動産の使用の必要性の程度,原告が本件各不動産の使用を必要とする程度,原告に対する使用を許可しなかった場合における原告及び原告の組合員(以下「組合員」という。)が被る不利益の内容及び程度,使用不許可処分に至る判断 過程等の諸事情を総合的に考慮し,社会通念に照らして妥当性を欠くと認 められる場合には,裁量権を逸脱濫用したものとして違法となるというべきである。 イ原告及び組合員が本件土地を使用する必要性等以下のとおり,原告及び組合員が植木圃場と 妥当性を欠くと認 められる場合には,裁量権を逸脱濫用したものとして違法となるというべきである。 イ原告及び組合員が本件土地を使用する必要性等以下のとおり,原告及び組合員が植木圃場として本件土地を使用する必要性が存在するというべきである。 (ア) 植木業は高槻市の伝統的産業であるから,平成14年3月をもって地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(以下「地対財特法」という。)が失効した後も,高槻市において植木業を存続させる必要があった。 (イ) 本件通知当時,原告の組合員数は設立当時の半数に近い53名であ り,原告及び組合員が本件土地を植木圃場として使用する必要があったといえる。 確かに,本件通知がされた後に組合員の多くが原告を脱退しているが,これは,被告が,組合員に対して原告を脱退して本件各不動産の明渡しに応じなければ莫大な損害賠償を請求する旨を告げた結果によるもので あり,本件通知がされた後の組合員数の激減は,本件各不動産の使用を許可しない根拠となるものではない。 (ウ) 被告が本件各不動産を取得又は建築したのは,αにおける植木業者の自立自営化を促進し経営向上を図るという行政目的を達成するためであるところ,原告及び組合員の植木事業の収入等が激減しているのは, 主として不況や集合住宅の増加といった外的要因によるものであり,このような外的要因により零細な植木業者の経営環境が厳しいものとなったという状況の下では,前記の行政目的を達成するため原告に植木圃場として本件土地の使用を許可する必要が高いというべきである。 (エ) 組合員が植木業や造園業を営むためには植木圃場や植木以外の商品 の置場としての土地が必要であり,他方,原告及び組合員が本件土地以 外に植木圃場 る必要が高いというべきである。 (エ) 組合員が植木業や造園業を営むためには植木圃場や植木以外の商品 の置場としての土地が必要であり,他方,原告及び組合員が本件土地以 外に植木圃場を確保することは困難であって,原告及び組合員が植木圃場として本件土地を使用する必要性は高いというべきである。 確かに,本件通知がされた後に原告を脱退した組合員は高槻市内に土地を借りて本件土地にあった樹木を移設しているが,これらの者が借りた土地は根巻きした植木を一時的に置く土地(以下「仮置場」という。) にすぎない。これに対して,本件土地は植木圃場であり,一時的に植木を植栽して維持する土地(以下「仮植場」という。)であって,仮置場とは異なるものである。そして,植木業や造園業を営む場合には,顧客に見せるための植木や売れ残った植木を維持するために仮植場が必要なのである。そうすると,本件通知がされた後に原告を脱退した組合員が仮 置場を借りて樹木を移設したからといって,組合員が本件土地以外に植木圃場を確保することができるとはいえない。 (オ) 原告及び組合員は,本件土地で長年にわたって植木業を営んできたことにより地元住民や近隣市町村の住民から信頼を得て植木業を営むことができたのである。ところが,原告及び組合員が本件土地を植木圃場 として利用することができなくなると,前記の信頼を失い,植木業や造園業を営むことが困難となる。したがって,原告及び組合員が植木圃場として本件土地を使用する必要性は高いといえる。 (カ) 原告及び組合員が本件土地で植木業を営むことにより,若い組合員が先輩の組合員から技能や知識を受け継ぎ,地場産業である植木業や造 園業を維持することができていたのであり,原告が本件土地を植木圃場として使用することがで で植木業を営むことにより,若い組合員が先輩の組合員から技能や知識を受け継ぎ,地場産業である植木業や造 園業を維持することができていたのであり,原告が本件土地を植木圃場として使用することができなくなれば技術や知識の伝承が途絶え,地場産業としての植木業や造園業が衰退してしまう。したがって,原告及び組合員が植木圃場として本件土地を使用する必要性は高いといえる。 (キ) 原告には高槻市民からの植木剪定等の依頼が頻繁に寄せられており, 原告及び組合員が本件土地で植木業を営むことについての高槻市民のニ ーズも存在しており,原告及び組合員が植木圃場として本件土地を使用する必要性は高い。 (ク) 被告は,雇用の維持,税収の確保等の観点から高槻市における産業振興のための様々な施策を行っているところ,原告には本件通知当時53名の組合員がおり,これらの組合員は植木業を営んで生活を維持して いる上,原告も組合員の営業活動を支援するとともに原告独自の営業活動を行っているのであるから,被告としては原告を存続発展させるための施策を採るべきである。 (ケ) 被告は,DのためにE駅北側にある約9000㎡の土地を約28億円で取得し無償で貸与しているのであり,これとの比較においても,原 告に本件各不動産の使用を許可しないことは著しく公平を欠くというべきである。 ウ被告が本件土地を利用する合理的必要性の不存在(ア) 被告は,本件土地を公用又は公共用に供する必要性について,①ゲリラ豪雨時等の浸水被害対策を目的とした雨水貯留施設の建設用地とし て利用すること,②本件土地に隣接するF水路を流れる雨水が降水時に溢水等することからその流水の一部を広域雨水幹線にバイパスさせるための取水口の設置用地として利用すること,③本件土地に隣接する て利用すること,②本件土地に隣接するF水路を流れる雨水が降水時に溢水等することからその流水の一部を広域雨水幹線にバイパスさせるための取水口の設置用地として利用すること,③本件土地に隣接するG公園を再整備して約2万㎡の面積を有する公園として整備するための用地として利用すること,④災害対策の拠点を強化するため,高槻市P消防 署β分署並びに大規模災害時の消防救護拠点及び平時の消防団訓練場(以下,これらを併せて「β分署等」という。)を設置するための用地として利用することなどを本件土地の利用計画としていると主張している。 (イ) しかしながら,被告が原告に対し今後本件各不動産の使用を許可しない旨を通知した本件通知時点(平成25年11月29日)では,本件 土地の利用計画は何も決まっておらず,被告の主張する本件土地の利用 計画は,原告に本件各不動産を使用させないことを決定した後に決められたものである。しかも,前記利用計画は,設置する施設の規模,工事方法,設置場所等についての具体的な検討も経ておらず,抽象的なものにすぎない。 (ウ) また,β分署等を設置するための用地として本件土地を利用する計 画については,①本件土地は水路に囲まれており,本件土地の周囲の道路は南側にある市道γ線以外は大型車の通行に適しないため,大型の消防車が本件土地に出入りするときは市道γ線から水路に架かった橋を通ってしか行うことができず,大規模災害により橋が使用できなくなった場合には消防車の出入りに支障が生ずるおそれがあること,②本件土地 には大量降雨時の浸水被害又は南海トラフ地震時の液状化及び津波被害が生ずる危険があること,③本件土地の近くには総合防災拠点であるHが存在していること,④本件土地には関西電力株式会社の鉄塔が建てられて は大量降雨時の浸水被害又は南海トラフ地震時の液状化及び津波被害が生ずる危険があること,③本件土地の近くには総合防災拠点であるHが存在していること,④本件土地には関西電力株式会社の鉄塔が建てられているため大規模災害の時には鉄塔が倒壊するなどのおそれがあることからすればβ分署等を設置する用地として本件土地を利用することは 明らかに不適切である。 (エ) さらに,雨水貯留施設の建設用地として利用する計画については,①本件土地に設置される雨水貯留施設の集水対象面積を高槻市全域の10分の1とすると,この面積に1時間当たり110mmの雨が降ったとした場合には総降水量は115万8190㎥となり,本件土地に設置さ れる雨水貯留施設の容量は最大でも5万㎥であるから降水量の4.3%しか貯留することができないことになること,②本件土地に設置される雨水貯留施設は本件土地の北側地域の浸水被害軽減を目的としたものであるが,本件土地付近は北から南に下る地形となっており,北側の高い土地が浸水した後に南側の低い土地に流れてきた水を貯留することによ り北側の浸水被害が軽減されるとは考え難いこと,③本件土地に設置さ れる雨水貯留施設の建築費用は極めて高額なものとなると考えられることなどからすると,雨水貯留施設の費用対効果は低いものであって,本件土地に雨水貯留施設を設置することは非現実的である。 (オ) しかも,取水口の設置用地として利用する計画については,その設置予定場所が本件土地ではないから本件土地を利用する必要性を基礎付 けるものではない上,取水口はF水路の水を汲み上げてIに流入させるものであり,F水路の水は下流に流下しているのであるからこれをわざわざ汲み上げる必要はなく,その設置の必要性には疑問がある。 (カ) 以上のとおり, 上,取水口はF水路の水を汲み上げてIに流入させるものであり,F水路の水は下流に流下しているのであるからこれをわざわざ汲み上げる必要はなく,その設置の必要性には疑問がある。 (カ) 以上のとおり,被告の主張する本件土地の利用計画は全く合理性がなく,特に消防関連施設の設置が非現実的で不適切なものであることは 明らかであって,本件土地を利用する合理的必要性は存在していないのである。 エ本件各不許可処分により原告及び組合員が受ける不利益原告が本件土地を使用することができなくなることにより,原告及び組合員は,以下のような不利益を受けることになる。 (ア) 原告が本件土地を使用することができなくなると組合員は,それまで商品である植木を仮植えしていた圃場を失うことになるから植木業を継続することが不可能となる。そして,原告に対して植栽等の注文があってもその処理に当たる組合員の仕事場である本件土地がなくなれば,組合が植栽等を受注することもできなくなり原告の存続も不可能となる。 (イ) 原告は40年にわたって本件各不動産で植木業を継続し,これにより地域住民からの信用を得てきたのであり,原告が本件各不動産を使用することができなくなると原告及び組合員に対する地域住民の信用が失われ植木業の継続が困難となる。 (ウ) 原告が本件各不動産を使用することができなくなると,組合員が本 件土地で植木業を営むことができなくなり,組合員間の知識や技術の伝 承が不可能となる。 オ被告が考慮すべき事情を十分に検討していないこと被告は,①特命チームの結成から本件通知までのわずか1箇月の間に,本件土地の具体的な利用方法を検討しないまま,原告に対して本件各不動産の使用を許可しない旨を決定し本件通知を 分に検討していないこと被告は,①特命チームの結成から本件通知までのわずか1箇月の間に,本件土地の具体的な利用方法を検討しないまま,原告に対して本件各不動産の使用を許可しない旨を決定し本件通知を発していること,②本件通知 までの間に原告との協議等を一切行わず,本件通知後に行われた原告との協議においても本件各不動産を原告に使用させないことを前提とする態度に終始していたこと,③本件土地の植木圃場を本件土地の一部分に集約することにより原告及び組合員に本件土地を植木圃場として使用させることも一切検討していないことからすれば,高槻市長は,本件各不許可処 分に当たり,本件土地を利用する具体的な必要性及び本件各不動産の使用を許可しないことによる原告及び組合員の不利益を十分に考慮しないまま,本件各不許可処分を行ったというべきである。 カ本件各不許可処分の違法性(ア) 高槻市長は,本件各不許可処分に当たり,原告に本件各不動産を使 用させる必要性が失われたことのみを考慮していたと認められるところ,原告に本件各不動産を使用する必要性があることは前記イのとおりであるから,本件各不許可処分をした高槻市長の判断には裁量権の逸脱濫用があるというべきである。 (イ) 高槻市長が,本件各不許可処分に当たり,原告に本件各不動産を使 用させる必要性が失われたことのほか,本件土地を公用又は公共用に供する必要性があること及び原告及び組合員の不利益に配慮しているとしても,原告に本件各不動産を使用する必要性がある一方,被告において本件土地を使用する具体的な必要性はなく,本件土地を原告が使用できない場合に原告及び組合員が著しい不利益を被ることは前記イからエま でのとおりであるから,本件各不許可処分をした高槻市長の判断には裁 を使用する具体的な必要性はなく,本件土地を原告が使用できない場合に原告及び組合員が著しい不利益を被ることは前記イからエま でのとおりであるから,本件各不許可処分をした高槻市長の判断には裁 量権の逸脱濫用があるというべきである。 (ウ) 高槻市長が,本件各不許可処分に当たり,考慮すべき事情を十分に検討していないことは前記オのとおりであるから,この点においても,本件各不許可処分をした高槻市長の判断には裁量権の逸脱濫用があるというべきである。 (被告の主張)ア本件各不許可処分の適否の判断枠組み平成18年最高裁判決によれば,高槻市長が行政財産である本件各不動産の使用を許可するか否かに関しては,高槻市長にはその用途又は目的を妨げるか否か,あるいは,公用若しくは公共用に供するための必要がある か否かの判断について広範な裁量が認められることは明らかであり,本件各不許可処分が違法となるのは高槻市長が上記のような裁量権を逸脱濫用した場合に限られる。そして,その裁量権の行使が逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においては,その判断が裁量権の行使としてされたことを前提とした上で,その判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くところが ないかを検討し,その判断が,重要な事実の基礎を欠くか,又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って,裁量権の逸脱又は濫用として違法となると解するのが相当である。 イ原告に植木圃場として本件各不動産の使用を許可する必要性がなく,他方で,本件土地を公用又は公共用に供する必要があること (ア) 現在,社会的に植木業が衰退していく中,原告においても,近年,組合員数の激減,組合収入の激減,組合員の植木等の売上高の激減,原告が組合員から徴収する賦課金や共同 る必要があること (ア) 現在,社会的に植木業が衰退していく中,原告においても,近年,組合員数の激減,組合収入の激減,組合員の植木等の売上高の激減,原告が組合員から徴収する賦課金や共同施設使用料の徴収率の激減,組合員・圃場使用者の激減を隠蔽する目的での虚偽の組合員・圃場使用者の被告への申告等がみられ,その活動実態は著しく低迷形骸化し,本件各 不動産も本来の目的である植木事業のために使用されていない。 (イ) 他方,被告においては,公共施設の老朽化が進み,また,β分署は庁舎が狭く迅速な出動に支障が生じている状態にあり,公共施設の建替えや移転のための代替用地の確保が必要な状況にあった。また,平成24年8月14日の大雨による浸水被害の発生をきっかけに,平成25年2月には「高槻市総合雨水対策基本方針」が定められ,計画降雨(1時 間当たり48mm)を超える降雨時のピーク流水量を抑える対策として雨水貯留施設の設置を検討するものとされた。さらに,被告においては,今後予想される大地震災害への備えとして防災力の強化が求められていたが,本件土地が所在する高槻市南部には消防救済拠点が未整備であった。加えて,高槻市には消防団員の各種訓練のための訓練場が存在して いなかった。また,被告においては,「第5次高槻市総合計画」において,市民1人当たりの都市公園面積増加を目標とし,「高槻市みどりの基本計画」において,公園・緑地の防災機能を高めるために防災施設の整備を進めることなどを定めていた。さらに,地方公共団体の財産は,常に良好の状態においてこれを管理し,その所有の目的に応じて最も効率的に これを運用しなければならないとされており(地方財政法8条),高槻市の公有財産は,常に良好な状態において管理し,適正かつ効率 好の状態においてこれを管理し,その所有の目的に応じて最も効率的に これを運用しなければならないとされており(地方財政法8条),高槻市の公有財産は,常に良好な状態において管理し,適正かつ効率的に運用しなければならないとされているところ(高槻市公有財産規則12条),本件土地が高槻市内の市街地内にある広大な土地であって,その財産的価値も極めて高いものであるから,活動実態が著しく低迷形骸化してい る原告に本件各不動産を低廉な使用料で使用させることは適当でなく,他に有効利用すべき必要があった。 (ウ) 被告は,以上のような事情を総合的に考慮し,本件各不動産をαの植木業者の自立自営化を促進し経営向上を図るための施設として存続させることは適当ではなく,平成25年度をもってαの植木産業に関連す る施策を終了させた上で,今後発生が予想される巨大地震を想定した防 災機能の充実や,ゲリラ豪雨などによる浸水被害に対応するなどの喫緊の課題解決のための用地として本件土地の有効活用を図っていくこととした。そして,被告は,本件土地及びこれに隣接するG公園の跡地利用案として,①ゲリラ豪雨時等の浸水被害対策を目的とした雨水貯留施設の建設用地として利用すること,②本件土地に隣接するF水路を流れる 雨水が降水時に溢水等することからその流水の一部を広域雨水幹線にバイパスさせるための取水口の設置用地として利用すること,③本件土地に隣接するG公園を再整備して約2万㎡の面積を有する公園として整備するための用地として利用すること,④災害対策の拠点を強化するため,β分署等を設置するための用地として利用することを決定したのである。 ウ本件各不許可処分による原告及び組合員の不利益は僅少である上,被告はそれらの不利益に配慮していること( するため,β分署等を設置するための用地として利用することを決定したのである。 ウ本件各不許可処分による原告及び組合員の不利益は僅少である上,被告はそれらの不利益に配慮していること(ア) 本件土地を購入し本件各建物を新築して行政財産であるBとすることは,元々同和対策事業の一環として行われたものであったが,被告は,同和対策事業の根拠法令である地対財特法が失効した平成14年以 降も激変緩和措置を講じつつ原告に対して本件各不動産を植木圃場として使用させてきたのであり,植木産業の振興と原告の自主自立につなげていく取組みを十分に行ってきた。そして,被告は,平成25年11月29日,原告に対し,猶予期間を確保するため,同日付で,平成25年度末をもって使用許可を終了させるとした上で,植木という特異性に鑑 みて原告が希望する場合には平成26年11月30日までを代替地移転のための猶予期間として使用許可の申請を受け付けることを通知しており,実際,原告の申請に基づき,本件各不動産につき同年4月1日から同年11月30日までの使用許可処分をした。 (イ) 本件土地は,植木の仮植場として活用されてきたのであって植木の 移転作業は容易であり,仮に,本件土地の代替地を確保することができ なくても,庭園管理業をしながら顧客からの要望があった都度,植木を仕入れて顧客に販売することも可能である。 (ウ) 前記イのとおり原告の活動実態は著しく低迷形骸化しており,本件各不動産を使用することができなくなることによる原告の不利益は僅少なものである。 (エ) 以上のとおり,原告に対して本件各不動産の使用を許可しないことによる原告及び組合員に対する不利益は僅少であり,これらの不利益への配慮も行われているということができる。 る。 (エ) 以上のとおり,原告に対して本件各不動産の使用を許可しないことによる原告及び組合員に対する不利益は僅少であり,これらの不利益への配慮も行われているということができる。 エまとめ以上のとおりであるから,本件各不許可処分における高槻市長の判断が 重要な事実の基礎を欠くとも,社会通念に照らし著しく妥当性を欠くということもできない。したがって,高槻市長の上記判断に裁量権の逸脱濫用はなく,本件各不許可処分はいずれも適法である。 ⑶ 争点3(本件各不許可処分の適法性2〔本件各不許可処分における適正手続違反の有無〕) (原告の主張)ア原告は,約40年間にわたって本件各不動産の使用許可を受けてきたから原告には本件各不動産の継続使用についての合理的な期待が存在し,かつ,本件各不許可処分は原告及び組合員に著しい不利益を与えるものであることからすれば,憲法31条の準用により,高槻市長は,本件各不許可 処分に当たり,原告に対して告知聴聞の機会を与えるべきであった。 イ原告は,使用期間を平成25年4月1日から平成26年3月31日までとして本件各不動産の使用許可を得ていたにもかかわらず,高槻市長は,上記使用期間の途中において平成25年度をもって原告に対する本件各不動産の使用許可を終了することを決定し,本件各不許可処分をしたので ある。このような経緯からすれば,本件各不許可処分は実質的には「許認 可等を取り消す不利益処分」(行政手続法13条1項1号イ)と同視することができるから,高槻市長は,本件各不許可処分をするに当たり,原告に告知聴聞の機会を与えることを要するというべきである。 ウ以上のとおり,高槻市長は,本件各不許可処分をするに当たり,原告に告知聴聞の機会を から,高槻市長は,本件各不許可処分をするに当たり,原告に告知聴聞の機会を与えることを要するというべきである。 ウ以上のとおり,高槻市長は,本件各不許可処分をするに当たり,原告に告知聴聞の機会を与えるべきであったが,そのような措置を執らないまま, 本件各不許可処分を行っている。したがって,本件各不許可処分は,憲法31条及び行政手続法13条に反して違法である。 (被告の主張)原告の主張は争う。 ⑷ 争点4(義務付けの訴えの訴訟要件及び本案要件の具備の有無) (原告の主張)前記⑵及び⑶の原告の主張のとおり,本件各不許可処分は違法であり,取り消されるべきものであって,高槻市長が原告に対して法238条の4第7項に基づき植木圃場として本件各不動産の使用を許可しないことは高槻市長の裁量権の逸脱濫用に当たる。したがって,本件各義務付けの訴えは適法で あり,かつ,理由があるというべきである。 (被告の主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前記前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ⑴ 原告の設立の経緯等ア昭和44年,同和地区に関する社会的及び経済的諸問題を解決するための特別な措置を定めた同和対策特別措置法が成立し,同和地区の生活環境 の改善等を図るための特別な措置として様々な同和対策事業が全国的に実 施されることとなった。そして,同法が失効した昭和57年には同法の枠組みを基本的に引き継いだ地域改善対策特別措置法が,さらに,同法が失効した昭和62年には地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)がそれぞれ制定され,これらの法律により同和地区の生活環境の だ地域改善対策特別措置法が,さらに,同法が失効した昭和62年には地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)がそれぞれ制定され,これらの法律により同和地区の生活環境の改善等を図るための特別な措置として同和対策事業が 継続的に実施されることとなった。 イ被告は,前記アの状況を受け,昭和45年10月21日,高槻市同和対策長期総合10箇年計画を策定した。当時,αの同和地区では,古くから営まれてきた植木産業が地場産業として定着していたものの,部落差別のために事業資金の調達や栽培耕地の取得が困難であったために植木産業に 従事する者の多くが零細な行商を行っていた。そこで,被告は,同計画において,αにおける植木産業の自立自営化を促進するための特別施策として,植木栽培用地の取得,倉庫事務所等の設置,植木業者による企業組合の設立指導等を実施することとした。この方針に基づき,被告は,αにおける植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進することを目的と して,昭和48年以降,高槻市(住所省略)所在の土地を取得するとともに同土地上に建物を建築した。また,昭和50年3月11日には,財団法人大阪府同和事業促進協議会の指導の下,植木の共同販売等を事業内容とする事業協同組合として原告が設立された。そして,高槻市長は,前記の土地建物を「B」との名称の行政財産(B)とした上,原告に対し,法2 38条の4第7項並びに高槻市公有財産規則16条6号及び17条に基づき,使用期間を1年,使用目的を植木圃場,使用料を無償とするBの使用許可を継続的に行った。その間,被告は,新たに取得した土地や新築した建物を行政財産たるBとし,これらも原告に対する使用許可処分の対象としたが,その後,原告による使用許可の申請対象が縮小され Bの使用許可を継続的に行った。その間,被告は,新たに取得した土地や新築した建物を行政財産たるBとし,これらも原告に対する使用許可処分の対象としたが,その後,原告による使用許可の申請対象が縮小され,原告に対す る法238条の4第7項及び高槻市公有財産規則16条6号に基づく使用 許可処分の対象は本件各不動産となった。(甲3~6,乙5,6,9)ウ本件土地は,高槻市の住宅地に所在する土地であり,東側及び西側は住宅が建ち並び,東南においてG公園に隣接している。また,本件土地の北側には小学校が,南側には集合住宅及びコンビニエンスストアがあり,それらの南側に市道γ線が通っている。もっとも,本件土地の北側から東側 の途中までに沿った形でF水路が存在しており,西側及び南側にも水路が存在するため,本件土地に入るためには水路に設置された橋を通らなければならない。(甲90の1~19,91,92)エ本件土地の近隣雑種地の固定資産評価額は1㎡当たり10万3000円(平成26年1月現在)であり,これを基準に本件土地の固定資産評価額 相当額を算定すると約26億9780万円となる。(乙29)⑵ 原告の活動内容等ア原告は中小企業等協同組合法に基づいて設立された事業協同組合であり,部落解放運動の一環として,組合員の相互扶助の精神に基づき,組合員のために必要な共同事業を行い,もって組合員の自主的な経済活動を促進し, かつ,その経済的地位の向上を図ることを目的としている。原告は,高槻市内の事業場において植木の販売等を行う小規模事業者を組合員とし,その目的を達成するための事業として,①植木等の常設展示即売場の設置並びに植木展示即売会及び年2回の園芸フェアの開催,②庭園管理業務等の受注,③園芸資材等の共同購入 を行う小規模事業者を組合員とし,その目的を達成するための事業として,①植木等の常設展示即売場の設置並びに植木展示即売会及び年2回の園芸フェアの開催,②庭園管理業務等の受注,③園芸資材等の共同購入,④組合員等の資質向上のための造園技能 講習会の開催等を行っていた。また,原告は,前記の目的を達成するため,被告から植木圃場として使用することを目的としてBの使用許可を受けた上,資材保管庫等の建物(別紙物件目録記載3から5までの建物)を組合員に使用させるとともに,本件土地を複数の区画に分割して主として植木圃場として組合員に使用させていた。この植木圃場は仮植場であって, 基本的には直ちに販売先に植え替えができるよう根巻き(移植する木の根 を菰や藁で包んで保護すること)をした植木を一時的に植えておく場所として利用されるものであった。(甲2,3,92,乙11,12,14,61)イ被告は,同和対策事業として原告の活動を支援し,原告に対し,①Bの使用を無償で許可するほか,②運営補助金の交付,③植木剪定等廃棄物の 処理手数料の免除,④原告が主催する園芸フェアにつき,被告が実行委員会に参画し,補助金を交付する等の支援策を講じてきた。(乙14,55)⑶ 被告による原告に対する施策の転換ア被告は,平成14年,特別な措置として同和対策事業を実施する根拠となる地対財特法が同年3月末に失効することから,特別施策として実施す る同和対策事業は同日をもって終了することとし,同年度以降は,同和地区の施策ニーズに対しては一般施策の中で対応することとした。被告において前記の方針の下で原告に対する支援の在り方を見直したところ,同和対策事業により組合員の経営の安定及びαにおける植木産業の発展が図られた一方で,補助金交付等を 策の中で対応することとした。被告において前記の方針の下で原告に対する支援の在り方を見直したところ,同和対策事業により組合員の経営の安定及びαにおける植木産業の発展が図られた一方で,補助金交付等を通じて被告が原告の運営を積極的に支援して きたことにより,原告には,行政に対する依存度が高く,自主的で自立的な経営が行われているとはいえない状況が生じていた。そこで,被告は,平成14年度以降,これまで特別施策として行ってきた原告に対する支援につき激変緩和措置を講じながら縮小廃止し,これまでの支援による成果を生かして植木産業の振興を図りつつ自主的で自立的な経営が可能となる ような取組みを一般施策の中で行うこととした。(乙10,11)イ被告は,上記アの方針の下,平成14年度以降,原告に対する支援を段階的に縮小廃止していき,原告に対する支援の内容は,概要,次のとおりとなった。(乙10,55,60)(ア) Bの使用料については,平成13年度までは使用料が無償であった のに対し,平成14年度からは使用料を徴収することとなった。もっと も,使用料の算定に当たっては,広大なBの大部分を占める植木圃場を生産緑地扱いとすることにより評価額を抑え,Bの立地及び規模に比して極めて低廉な使用料を徴収するにとどめた。その結果,本件土地が高槻市の住宅地に所在する約2万6000㎡の土地であり,その固定資産評価額相当額は約27億円であるにもかかわらず,平成25年度の時点 での使用料は年額144万1416円にとどまった。 (イ) 原告に対する運営補助金は,平成14年度以降漸次減額され,平成17年度には廃止された。 (ウ) 原告が主催する園芸フェアに対する支援については,平成20年度に補助金が廃止されたほか,平成25年度には被告が園芸 運営補助金は,平成14年度以降漸次減額され,平成17年度には廃止された。 (ウ) 原告が主催する園芸フェアに対する支援については,平成20年度に補助金が廃止されたほか,平成25年度には被告が園芸フェアの実行 委員会に参画することが取り止めとなった。 (エ) 植木剪定等廃棄物の処理手数料は,平成13年度までは全額免除されていたのに対し,平成14年度以降は減額率を下げながら徴収することとされ,平成26年度には減額措置が廃止された。 ウこのように被告の原告に対する支援は段階的に縮小廃止されたものの, 原告のBの使用許可は平成14年度以降も継続的に行われていたことから,平成19年及び平成20年に高槻市議会においてBの存続を問題視する趣旨の指摘がされ,その後も同議会においてBの存続の適否が度々議論となっており,被告においてもこの点についての検討が行われていた。 (乙12,55,60) ⑷ 本件通知当時の原告の活動状況等原告の組合員数は,設立当初は114名であったが,本件通知当時には,約50名にまで減少し,本件土地のうち植木圃場として使用されていない区画が相当数存在しており,植木圃場として使用されていない区画の中には,手入れがされずに荒れたままになっている区画,仮設事務所が置かれている 区画,土木資材が置かれている区画,駐車場として使用されている区画,ゴ ミ捨て場になっているような区画等が存在していた。また,共同使用施設である資材保管庫にはゴミ,バイク,家具等が置かれている状況であった。(乙14,40,55,60)⑸ 本件各不許可処分に至る経緯等ア被告は,平成25年度にBに関する施策を見直すこととし,平成25年 11月1日,そのための特命チームを設置し,Bに関する施策の見直しを 55,60)⑸ 本件各不許可処分に至る経緯等ア被告は,平成25年度にBに関する施策を見直すこととし,平成25年 11月1日,そのための特命チームを設置し,Bに関する施策の見直しを進めた。その結果,被告は,①被告が原告の事業に対して支援を行ってきたことにより植木業の振興に一定の成果があったと認められること,②本件土地は市街化区域内の広大な土地であり,このような土地につき法238条の4第7項及び高槻市公有財産規則16条6号に基づく使用許可を 受けているのは原告のみであること,③原告の組合員数が設立当時と比べて大きく減少し,それに伴い本件各不動産の使用状況にも変化が生じていること,④被告においては,公共施設の老朽化が進む中で今後発生すると予想されている巨大地震に対する対策も含め,公共施設を建て替えるための代替用地の確保が必要な状況にあり,本件土地を被告が公共目的で使用 し得る状況に復することが行政財産を最大限に有効活用するという被告の責務にかなうと考えられることなどから,平成25年度をもって原告に対し植木圃場等として本件各不動産の使用を許可することを終了することなどを決定した。そして,被告は,同月29日付けで,原告に対し,その旨を通知し,併せて,原告が希望する場合には,平成26年11月末ま でを代替地移転の猶予期間として条件付きで本件各不動産の使用許可の申請を受け付けることなどを通知した。(本件通知。甲7,乙30,60)イ本件通知を受けた原告は,平成26年1月9日,高槻市担当職員との間で本件各不動産の使用に関する協議を行った。原告は,Bの新たな使用目的に具体性がないこと,組合員は未だ自立できておらず,Bがなくなると 生活に困ることなどを述べた。これに対して,高槻市担当職員は,本件通 関する協議を行った。原告は,Bの新たな使用目的に具体性がないこと,組合員は未だ自立できておらず,Bがなくなると 生活に困ることなどを述べた。これに対して,高槻市担当職員は,本件通 知は,行政財産を最大限有効活用するという高槻市の責務と高槻市内の一部の営利事業者で構成された原告に広大な行政財産の使用を許可しているという状況を踏まえての施策の見直しであるなどと述べた。 ウ原告は,平成26年3月24日付けで,高槻市長に対し,使用期間を同年4月1日から同年11月30日までとして本件各不動産の使用許可の 申請をし,同年3月28日,高槻市長から,使用期間を前記期間,使用目的を植木圃場,使用料を96万0944円として本件各不動産の使用許可を受けた。(甲12,13)エ原告は,平成26年3月4日,高槻市担当職員との間で,本件各不動産の使用に関する協議を行った。原告は,長期の使用許可が期待される中で 仕入れた植木や庭石等について被告はどのように考えるのかなどと述べて,今後の継続協議を希望した。これに対して,高槻市担当職員は,協議は継続するがそのための具体的な提案を示すよう求めた。 オ原告は,平成26年8月12日,高槻市担当職員との間で協議し,今後の具体的方針及び事業計画を示して被告への要望を行う意向を伝え,その 際,被告に対する提案を文書で提出する旨回答した。しかし,原告は,被告に対する提案をすることなく,同年10月8日付けで,高槻市長に対し,使用期間を同年12月1日から平成27年11月30日までとする本件各不動産の使用許可を申請するとともに,平成26年10月20日には外部の団体と共に高槻市役所前で抗議活動を行うようになった。そのため, 被告は,同月31日,原告との協議を打ち切り,高槻市長において,同日 使用許可を申請するとともに,平成26年10月20日には外部の団体と共に高槻市役所前で抗議活動を行うようになった。そのため, 被告は,同月31日,原告との協議を打ち切り,高槻市長において,同日付けで,原告に対し,原告やBを取り巻く環境が原告の設立当時とは大きく異なっており,被告としては,Bの廃止を決定し,今後発生が予想される巨大地震を想定した防災機能の充実等の喫緊の課題解決のための用地としてBを有効利用する方針であるなどとして,原告の申請する本件各不 動産の使用を許可しない旨の処分をした上,本件各不動産を被告に返還す るよう求めた。(甲21,乙55,60)カ他方,前記オの本件通知後の原告との協議にもかかわらず,被告は,平成26年10月上旬頃,組合員から,同年11月30日以降も本件各不動産の使用が可能であるか否かについての問合せを受けた。このことから,高槻市長は,原告と被告との協議内容が組合員に伝わっていないと判断し, 平成26年10月31日付けで,原告から提出された地割表(本件土地に設けられた区画がどの組合員に割り当てられているかを記載した表)等により本件土地を使用する組合員であるとされている者に対し,①原告に対する本件各不動産の使用許可は同年11月30日をもって期間満了となり,本件各不動産の返還を原告に求めていること,②仮に,原告が本件各 不動産を返還しない場合には本件各不動産を実際に使用している組合員に対しても法的手続による対応を採る予定であること,③実際の使用の事実がない場合や,自主的に退去する意思がある場合は担当者まで問い合せてほしいことなどを通知した。この通知を受けた者の多くは速やかに明け渡す旨の意思を表明したが,その中には組合員になったことがないという 者や本件土地を使用してい がある場合は担当者まで問い合せてほしいことなどを通知した。この通知を受けた者の多くは速やかに明け渡す旨の意思を表明したが,その中には組合員になったことがないという 者や本件土地を使用していないという者もあったため,被告は,これらの者に本件土地の使用の有無等を確認し,確認した内容等を記載した書面の提出を受けた。上記の者のうち34名は同日までに原告を脱退し,2名は平成27年1月に,1名が同年2月にそれぞれ脱退した(同月に脱退したのは原告の理事長のCである。)。(甲22,31~59,乙17,19~2 4〔枝番号を含む。〕)キ前記カの経過により,本件通知後,原告及び11名の組合員以外の者は,本件土地を明け渡したが,その中には他の土地に植木等を移設して植木業等を営んでいる者もあった。(乙53~55)ク高槻市長は,原告が平成26年11月30日を経過しても本件各不動産 の占有を継続しており,前記オの返還請求にもかかわらず本件各不動産を 返還しないことから,同年12月1日付けで,原告に対し,本件各不動産の明渡しを求める旨を通知した。(甲24)⑹ Bの土地の利用可能性の検討経過等ア本件通知当時の被告における土地利用の必要性(ア) 被告は,2011年(平成23年)から2020年(平成32年) までの間における市政に関する総合計画を策定しているところ,同計画において,市民が余暇を楽しめる基盤を形成することを基本目標の1つとし,平成20年度には4.63㎡であった市民1人当たりの都市公園面積を平成27年度には6.3㎡に,平成32年度には11.5㎡に引き上げることを目標としている。そして,被告は,平成24年3月,「高 槻市みどりの基本計画」を策定し,公園・緑地の整備及び保全を進める 成27年度には6.3㎡に,平成32年度には11.5㎡に引き上げることを目標としている。そして,被告は,平成24年3月,「高 槻市みどりの基本計画」を策定し,公園・緑地の整備及び保全を進めることとしている。(乙27,28)(イ) 昭和39年に策定されて平成24年に修正された被告の地域防災計画は,防災活動の総合的かつ効果的な実施を図ることを目的とするものであり,同計画では,被告は,公園が避難地,延焼遮断空間としての 機能を有することなどから計画的な都市公園等の整備に努めるとともに,応援部隊の受入れ及び活動拠点,備蓄拠点及び物資輸送拠点として活用することができる場所を確保するものとされている。(乙39)(ウ) 平成19年の高槻市議会では,議員から,高槻市ではいつ地震が発生してもおかしくなく,地震が発生した場合には火災による被害が大き くなるとのデータもあることから,消防団の訓練場等が必要である旨が述べられ,これに対して,当時の高槻市長は,地震等の災害被害を減災するための備えとして,消防団員の教育訓練施設の整備は重要な課題であると考えている旨を述べた。(乙38)(エ) 被告は,平成24年8月に最大で1時間当たりの降雨量110㎜と いう集中豪雨があり,床上浸水247件,床下浸水597件という甚大 な浸水被害が発生したことなどから,同年11月に高槻市総合雨水対策推進本部を設置し,平成25年2月,降雨を下水道や水路によって排水しきれないことによる浸水(内水氾濫)を中心とした枠組みの方向性を示す基本方針として,高槻市総合雨水対策基本方針を策定したが,この基本方針では,計画降雨(1時間当たり48㎜)を超える降雨時のピー ク流出量を抑える対策として,雨水貯留施設の設置等を行うものとされている。(乙31, 槻市総合雨水対策基本方針を策定したが,この基本方針では,計画降雨(1時間当たり48㎜)を超える降雨時のピー ク流出量を抑える対策として,雨水貯留施設の設置等を行うものとされている。(乙31,36)イ本件通知以後の本件土地の利用可能性の検討状況(ア) 前記⑸アのとおり,被告は,Bを被告が公共目的で使用し得る状況に復することが行政財産を最大限に有効活用するという被告の責務にか なうことなどから平成25年度をもってBの使用許可を終了することとし,平成25年11月29日付けで原告にその旨を通知したが(本件通知),本件通知当時において本件各不動産(B)の具体的な利用計画を有していたわけではなかった。(乙60)(イ) 被告の産業環境部長は,平成26年1月27日付けで,高槻市公共 用地跡地等検討委員会に対してBの土地の活用の検討を依頼し,同委員会は,本件土地の利用について被告の関係部署に照会を行った。そうしたところ,被告の関係部署から,①浸水被害軽減を目的として本件土地の北側に雨水貯留施設を設置する案,②浸水被害軽減を目的として本件土地が隣接するF水路の雨水をIに流入させるための取水口を本件土地 の南側に設置する案,③Bに隣接するG公園を拡大して公園として整備する案,④β分署等を本件土地の南側に設置する案が提出された。同委員会は,これらの利用計画案(以下「本件各利用計画案」という。)を検討し,同年11月12日付けで,被告の産業環境部長に対し,本件各利用計画案が本件土地の利用計画案として妥当である旨を報告し,被告は, 同報告を受けて,平成26年11月19日,本件各利用計画案の施設を 設置することにより本件土地の利用を図る旨を決定した。もっとも,本件各利用計画案は,本件土地の利用の方向性を定め 同報告を受けて,平成26年11月19日,本件各利用計画案の施設を 設置することにより本件土地の利用を図る旨を決定した。もっとも,本件各利用計画案は,本件土地の利用の方向性を定める概括的なものであって,設置される施設の具体的な配置,仕様,設置スケジュール等は確定しておらず,本件各利用計画案においては,取水口以外の施設の実施設計等は配置等の検討状況に応じて随時決定していくものとされ,本件 各利用計画案を進めるに当たっては,他の公共施設や市民のニーズなどの状況に応じた施設設置も随時盛り込むことを含むものとされていた。 (乙30,42,60)(ウ) 被告は,前記(イ)の方針決定を受けて,平成26年11月30日をもって,本件各不動産の用途廃止を行い,本件土地を「事業予定地」と の名称の行政財産とし,本件各建物を「旧B」との名称の普通財産とした。(乙5,6,30) 2 争点1(本件訴え提起の適法性)について⑴ 被告は,本件訴えの提起が当時の原告の理事会の決議及び当時の理事長であったCの意思に基づくものではないから,本件訴えの提起は無効であると 主張するので検討すると,一件記録によれば,次の事実が認められる。 ア平成27年3月1日現在の原告の総組合員数は9名であったところ,本件訴え提起後に理事長であったCが同年2月9日に原告を脱退したことから,同年3月1日,8名が出席した臨時総会が開催され,①理事の定数を13人以上18人以内とする定款24条の規定を改正して理事の定数を5 人又は6人とする旨の議案,②原告の理事として,J,K,L,M,N及びOの6名を選任する旨の議案等の議案が可決された。そして,理事に選任された者は直ちに理事に就任することを承諾し,同日,理事会が開催された。同理事会においてJが理事 理事として,J,K,L,M,N及びOの6名を選任する旨の議案等の議案が可決された。そして,理事に選任された者は直ちに理事に就任することを承諾し,同日,理事会が開催された。同理事会においてJが理事長に選任され,同人は理事長に就任することを承諾した。 イ平成27年8月18日,理事長であるJの招集により原告の理事会が開 催され,本件訴えの提起が組合員の意思に合致しているか及び本件訴え提起後の訴訟追行を追認するかを審議するため同年9月5日に臨時総会を開催することが決議された。 ウ理事長であるJは,前記イの理事会決議を経て,平成27年9月5日に原告の臨時総会を招集し,同臨時総会において,組合員8名の出席の下, 本件訴えの提起行為及びその後の訴訟追行をすべて追認する旨の決議がされた。 エ原告訴訟代理人及び理事長であるJは,平成27年9月25日の第3回口頭弁論期日において,前記ウの総会決議により本件訴えの提起及び訴訟追行が追認された旨主張した。 ⑵ 以上の認定事実によれば,仮に,被告の主張するとおり,本件訴えの提起が原告の理事会の決議及び当時の理事長であったCの意思に基づくものでなかったとしても,本件訴えの提起は理事長であるJによって追認されたといえるから,本件訴えの提起は適法である。 3 本件各不許可処分の取消しの訴えの利益について ⑴ 本件各不許可処分に対応する使用許可の申請は,いずれも使用期間を1年間とするものであり,その期間が既に経過している以上,本件各不許可処分が取り消されても前記申請に対して改めて使用許可処分をする余地はなく,本件各不許可処分の取消しの訴えの利益がないとも考えられることから,双方当事者間において争点とはなっていないものの,以下,念のため検討する。 ⑵ 前 て改めて使用許可処分をする余地はなく,本件各不許可処分の取消しの訴えの利益がないとも考えられることから,双方当事者間において争点とはなっていないものの,以下,念のため検討する。 ⑵ 前記認定事実⑴イによれば,被告の原告に対する法238条の4第7項及び高槻市公有財産規則16条6号に基づくBの使用許可は,同規則17条により使用期間を1年とするものであるが,前記の使用許可は,αにおける植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進するという行政目的を達成するという観点から行われたものであって,長期にわたるBの使用を前提と するものである。そうすると,前記の使用許可は,原告によるBの使用が相 当程度長期に及ぶものであり,その間多数回にわたり使用許可がされることを前提とするものというべきであって,前記の使用許可における使用期間は,期間の更新がされることを前提として,一定の期間経過後に使用条件を改定したり,使用を継続することに支障がないかを確認したりする機会を確保する趣旨で設けられたものと解するのが相当である。そうすると,使用期間満 了時にされる使用許可申請は,実質的には当初の使用許可の更新を求めるものであり,本件各不許可処分は,更新申請に対して更新を拒絶する処分というべきである。 したがって,本件各不許可処分が取り消されれば更新申請に対する拒否処分が存在しないことになるから,原告は,なお当初の使用許可に基づいて本 件各不動産を使用する権限を有する状態を回復し得ることになる。 ⑶ もっとも,本件各不許可処分に対応する使用許可申請には1年間の使用期間が付されており(前記前提事実⑵エ,キ及びケ),これらの使用期間の趣旨はその満了時には再度更新申請をして許否の判断を仰ぐ趣旨と解されるから,原告は,前記申請に係る る使用許可申請には1年間の使用期間が付されており(前記前提事実⑵エ,キ及びケ),これらの使用期間の趣旨はその満了時には再度更新申請をして許否の判断を仰ぐ趣旨と解されるから,原告は,前記申請に係る使用期間満了時までに使用許可申請をしなければ, 当初の使用許可の効力が消滅することになる。これを本件についてみると,平成26年不許可処分及び平成27年不許可処分については,これらに対応する申請に係る使用期間満了時までに使用許可申請がされている。これに対して,平成28年不許可処分については,これに対応する申請に係る使用期間満了(平成29年11月30日)前に使用許可申請がされたことを認める に足りる証拠はないものの,平成28年不許可処分の取消しの訴えに係る口頭弁論終結(平成29年8月3日)後に当該申請をすることは通常期待し得ないことに照らせば,当該申請がされていなかったとしても,当初の使用許可の効力が消滅することにはならないと解すべきである(最高裁昭和39年(行ツ)第44号同40年8月2日第二小法廷判決・民集19巻6号139 3頁参照)。 ⑷ 以上によれば,原告は,本件各不許可処分を取り消すことにより当初の使用許可処分に基づく使用する権限を有している状態を回復し得ることになるから,本件各不許可処分の取消しの訴えの利益が認められるというべきである。 4 争点2(本件各不許可処分の適法性1〔本件各不許可処分における高槻市長 の判断の裁量権の逸脱濫用の有無〕)⑴ア法238条の4は,行政財産は,本来,地方公共団体自身によりその行政執行の物的手段として行政目的達成のために利用されるものであり,地方公共団体以外の者に対する行政財産の貸付け,交換,売払い等を認めることは,行政執行の物的手段としての行政財産の効用を減 よりその行政執行の物的手段として行政目的達成のために利用されるものであり,地方公共団体以外の者に対する行政財産の貸付け,交換,売払い等を認めることは,行政執行の物的手段としての行政財産の効用を減少し,ひいては 行政目的を達成し難くなるおそれがあることから,第1項において,地方公共団体以外の者に対する行政財産の貸付け,交換,売払い等を原則として禁止しつつ,他方で,行政財産によっては,地方公共団体以外の者に対してこれを使用させても,本来の用途又は目的を妨げないばかりか,場合によっては積極的に当該行政財産により達成しようとした目的に合致する こともあり,また,行政財産の本来の用途又は目的が阻害されない限り,行政財産の効率的利用の見地からみて,地方公共団体以外の者に対してその使用を認めることが適当な場合もあることから,第7項において,例外的に,行政財産の用途又は目的を妨げない限度において地方公共団体以外の者に対してその使用を許可することができるものとしている。このよう な同項の趣旨に鑑みれば,地方公共団体以外の者に対して行政財産の使用を許可するか否かは,地方公共団体における地域的・社会的・財政的諸事情を総合的に勘案して判断すべきものであるということができ,このような判断は,地方公共団体を統括し,その財産管理を担任する地方公共団体の長(法147条,149条6号)が最もよくなし得るところである。ま た,前記のとおり,行政財産は,本来,地方公共団体自身によりその行政 目的達成のために利用されるものであって,地方公共団体以外の者に対する行政財産の使用許可は,例外的に認められるものにすぎないことに加えて,法238条の4第7項も,使用許可についての具体的な要件を定めることなく,行政財産の使用を「許可することができる 以外の者に対する行政財産の使用許可は,例外的に認められるものにすぎないことに加えて,法238条の4第7項も,使用許可についての具体的な要件を定めることなく,行政財産の使用を「許可することができる。」と規定している。 イ以上の諸点を総合すると,法238条の4第7項に基づいて行政財産で ある本件各不動産の使用を原告に対して許可するか否かは,原則として,高槻市長の裁量に委ねられているものと解するのが相当である。すなわち,行政財産の用途又は目的を妨げる場合には,その使用を許可することができないことは明らかであるが,そのような事情がないからといって当然にその使用を許可しなければならないものではなく,合理的な裁量判断によ り使用許可をしないこともできるというべきである。そうすると,本件においては,本件各不動産の使用を原告に対して許可しなかった高槻市長の判断が,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものかが問題となるところ,高槻市長の当該裁量判断は,①申請者に本件各不動産の使用を許可することがBにより達成しようとした目的に合致するか否か及びそ の合致する程度,②被告において本件各不動産を他の用途・目的に利用する必要性の有無及び程度,③代替施設の確保の困難性など当該行政財産の使用が許可されないことによって申請者側が被る不利益の内容及び程度等の諸般の事情を総合考慮してされるものであり,その裁量権の行使が逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においては,その判断が裁量権の行使とし てされたことを前提とした上で,その判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くことがないかを検討し,その判断が,重要な事実の基礎を欠くか,又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って,裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとすべきもの 過程に合理性を欠くことがないかを検討し,その判断が,重要な事実の基礎を欠くか,又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って,裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとすべきものと解するのが相当である(平成18年最高裁判決参照)。 ウこれに対して,原告は,Bはαにおける植木産業の振興に供することを 目的として取得又は新築されたものであり,本件各不動産を原告に植木圃場として使用させることは行政財産の目的外使用ということはできないから原告に対して本件各不動産の使用を許可するか否かついては平成18年最高裁判決は妥当せず,高槻市長の裁量は相当に狭い旨主張する。 しかしながら,前記アで説示したとおり,行政財産は,本来,地方公共 団体自身により行政執行の物的手段として行政目的達成のために利用されるものであるところ,法238条の4第7項は,行政財産を地方公共団体以外の者に使用させることが当該行政財産により達成しようとした目的に合致する場合もあり,また,行政財産の効率的利用の観点からみて適当な場合もあることから,例外的に,地方公共団体の長による裁量的判断によ り地方公共団体以外の者による行政財産の使用を認めることとしたものと解されるところ,このような同項の趣旨等に鑑みれば,当該判断は,地域的・社会的・財政的諸事情を総合的に勘案してされるべきものというべきであることに照らすと,行政財産たるBが取得又は新築された目的が,αにおける植木産業の振興に供することにあったとしても,このことのみを もって,本件各不許可処分が裁量権の逸脱又は濫用として違法となるということはできず,地方公共団体以外の者(原告)に対して同項に基づく行政財産(本件各不動産)の使用許可をするか否かに関する地方公共団体の長(高槻 各不許可処分が裁量権の逸脱又は濫用として違法となるということはできず,地方公共団体以外の者(原告)に対して同項に基づく行政財産(本件各不動産)の使用許可をするか否かに関する地方公共団体の長(高槻市長)の判断に裁量権の逸脱濫用があるかについては,前記イに説示したところにより判断すべきものと考えられる(なお,仮に,申請者 に行政財産の使用を許可することが当該行政財産により達成しようとした目的に合致するならば,この事情は,当該行政財産の使用の許否に係る地方公共団体の長の裁量判断において,当該申請者に有利な事情として考慮されるべきものと解される。)。 以上のとおりであるから,原告の上記主張は採用することができない。 ⑵ そして,前記認定事実⑸アによれば,①被告は,平成25年度をもって原 告に対し植木圃場として本件各不動産の使用を許可することを終了することとし,平成25年11月29日付けで原告に対してその旨を通知し,併せて平成26年11月末までを代替地移転の猶予期間として本件各不動産の使用許可の申請を受け付ける旨を原告に通知したところ(本件通知),原告から本件各不動産の使用許可の申請がされたことから,原告に対し使用期間を同年 4月1日から同年11月30日までとする本件各不動産の使用許可をしたこと,②原告は,同年10月8日付けで本件各不動産の使用許可を申請したが,平成26年不許可処分を受け,その後は平成27年及び平成28年にそれぞれ本件各不動産の使用許可の申請をしたものの,平成27年不許可処分及び平成28年不許可処分を受けたことが認められる。このような本件各不許可 処分に至る経緯等に照らせば,本件各不許可処分は,本件通知時における高槻市長の判断に基づいて行われたものというべきであるから,本件各不許可 分を受けたことが認められる。このような本件各不許可 処分に至る経緯等に照らせば,本件各不許可処分は,本件通知時における高槻市長の判断に基づいて行われたものというべきであるから,本件各不許可処分の適否の判断においては本件通知当時の事情も考慮して行うことが相当である。 ⑶ア以上のような観点から,本件各不許可処分について高槻市長の判断に裁 量権の逸脱濫用があると認められるか否かについて検討すると,前記認定事実⑴イ及び⑵アによれば,Bの行政目的はα における植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進することにあり,原告は,植木業を営む組合員の自主的な経済活動を促進し,かつ,その経済的地位の向上を図ることを目的として結成された事業協同組合であるから,一定時期までは, 原告にBの使用を許可することは前記の行政目的(Bにより達成しようとした目的)に合致するものであったといえる。 イしかしながら,前記認定事実⑴ア及びイ並びに⑶ア及びイによれば,①被告は,昭和50年以降,α における植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進することを目的として,本件通知時まで約38年間にわた り,原告に対するBの使用許可を継続的に行ってきたこと,②その間のB の使用許可を含めた被告の原告に対する支援により,平成14年には組合員の経営の安定及びαにおける植木産業の発展が図られたといえる状況となり,その後は,原告の自主的で自立的な経営を促進するという観点から,激変緩和措置を講じつつ,本件各不動産の使用の有償化,運営補助金の廃止,植木剪定等廃棄物の処理手数料の徴収等の措置を実施してきたことが 認められる。そうすると,本件通知当時,被告は,前記の行政目的を達成するために十分な期間にわたり原告に対するBの使用許可を継続的に 植木剪定等廃棄物の処理手数料の徴収等の措置を実施してきたことが 認められる。そうすると,本件通知当時,被告は,前記の行政目的を達成するために十分な期間にわたり原告に対するBの使用許可を継続的に行うととともに前記の行政目的を達成するための必要かつ合理的な措置を実施してきたといえるのであって,本件通知当時においてBの廃止を検討することにも相応の合理性があったということができる。 また,前記認定事実⑷によれば,本件通知当時,①原告の組合員数は,設立当時の約半数である約50名にまで減少しており,本件土地のうち植木圃場として使用されていない区画が相当数存在していたこと,②そのような区画の中には,手入れがされず荒れたままになっている区画,ゴミ捨て場になっているような区画等もあった上,共同使用施設である資材保管 庫にはゴミ,バイク,家具等が置かれている状況であったことが認められ,このような原告及び組合員による本件土地の利用状況等に照らせば,本件通知当時,本件各不動産は前記の行政目的を達成するために有効適切に使用されているとはいい難い状況にあったといえる。そうすると,前記の行政目的を達成するという観点からみた場合,本件通知当時,原告に植木圃 場等として本件各不動産を使用させる必要性は,相当程度小さいものとなっていたということができ,原告に本件各不動産の使用を許可することが前記の行政目的(Bにより達成しようとした目的)に合致しないと評価されてもやむを得ないといえる。 ウそして,前記認定事実⑴及び⑶によれば,被告は,平成14年度までは 同和対策事業の一環として特別施策として原告に対する支援を実施してい たが,同年度以降は原告に対する支援を一般施策の中で行うこととし,原告の自主的で自立的な経営の促進という観点 は 同和対策事業の一環として特別施策として原告に対する支援を実施してい たが,同年度以降は原告に対する支援を一般施策の中で行うこととし,原告の自主的で自立的な経営の促進という観点から,従前特別施策として実施していた原告に対する支援を段階的に縮小廃止していったことが認められる。このような被告の原告に対する支援の位置付けの変化等に照らせば,平成14年度以降の原告に対する支援は,他の施策目標や行政需要との関 係で縮小廃止されるものとなったというべきであり,地方公共団体における施策目標や行政需要は地域的・社会的・財政的な要請によって変動し得るものであるから,原告としては本件各不許可処分がされることにより本件各不動産(B)を使用することができなくなることは十分想定し得るものということができる。 また,前記認定事実⑸アによれば,被告は,平成25年度をもって本件各不動産の使用を許可することを終了する旨を通知する際に代替地移転の猶予期間として平成26年11月末までは本件各不動産の使用許可の申請を受け付ける旨を併せて通知し(本件通知),原告からの申請に応じて,同日まで本件各不動産の使用を許可していることが認められる。そうであ るところ,前記認定事実⑵,⑸カ及びキ並びに証拠(乙55,60)によれば,①本件土地の植木圃場は仮植場であり,基本的には直ちに販売先に植え替えができるよう根巻き(移植する木の根を菰や藁で包んで保護すること)をした植木を一時的に植えておく場所として利用されるものであること,②本件通知後に本件土地を明け渡した組合員の中には,平成26年 11月末までの間に本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営む者がいることが認められ,これらの事実からすれば,組合員は本件通知後の1年間の猶予期間で本 した組合員の中には,平成26年 11月末までの間に本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営む者がいることが認められ,これらの事実からすれば,組合員は本件通知後の1年間の猶予期間で本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営むことが可能であったというべきであり,そうすることにより,組合員は本件各不動産(B)を使用することができなくなることによる不 利益を回避することが可能であったということができる。 以上のように本件各不許可処分による組合員の不利益は,十分想定し得るものである上,実際上もそのうちの一定程度のもの(植木業等を営むことができなくなること自体)は回避することが可能なものであったということができる。 そして,本件各不動産の使用許可の名宛人が原告であることから本件各 不許可処分による原告の不利益についてもみてみると,本件各不動産の使用が許可されなくなることにより原告も本件各不動産を使用することができなくなるものの,原告は中小企業等協同組合法上の事業協同組合(3条1号)であり,事業協同組合は,組合員の相互扶助を目的とするものであって(5条1項1号,定款〔甲2〕第1条),原告は,その目的を達成す るため,①植木等の共同販売,②植木,肥料等の共同仕入,③共同施設の管理,④造園工事の受注あっせん等の事業を行うものとされているから(定款〔甲2〕7条),原告による本件各不動産の利用は,前記の各事業を行うためのものであると解される。そうであるところ,原告が本件各不動産を使用することができなくなったとしても,前記の各事業の性質上,共 同施設の管理以外の事業は他の場所で行うことが可能であると認められる(なお,仮に,原告が組合員のために仕入れた植木の仮植場として植木圃場を使用する必要があ としても,前記の各事業の性質上,共 同施設の管理以外の事業は他の場所で行うことが可能であると認められる(なお,仮に,原告が組合員のために仕入れた植木の仮植場として植木圃場を使用する必要があるとしても,前記のとおり,組合員が本件通知後の1年間の猶予期間で本件土地以外の土地に植木等を移設することが可能であったのであるから,原告においても同様の措置を執ることは可能で あるというべきである。)。 そうすると,本件各不許可処分により原告及び組合員が受ける不利益のうちの一定程度のもの(植木業等を営むことができなくなること自体)は回避することが可能なものであったということができる。 エ他方,前記認定事実⑹によれば,①本件通知当時,被告においては,公 園・緑地の整備及び保全,消防団員の教育訓練施設の整備,防災活動の活 動拠点等として活用することができる場所の確保,雨水貯留施設の設置等が行政上の課題として存在していたこと,②本件通知後,高槻市公共用地跡地等検討委員会において本件土地の活用方法が検討され,被告の関係部署から提出された本件各利用計画案が本件土地の利用計画案として妥当であるとの結論に至っていることが認められる。これらの事実によれば,本 件通知当時,被告においては,その解消に相当規模の土地を必要とする行政上の課題が存在しており,本件土地を適切に活用することでこれらの課題が解消される可能性があったといえるとともに,被告が本件各不動産の返還を受けた場合には,本件土地を合理的に利用することが可能であったということができる。 ⑷ 以上検討したところによれば,本件通知当時,原告に対する本件各不動産(B)の使用許可は,Bを行政財産とした目的であるα における植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進する る。 ⑷ 以上検討したところによれば,本件通知当時,原告に対する本件各不動産(B)の使用許可は,Bを行政財産とした目的であるα における植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進するために十分な期間継続され,その間,前記行政目的を達成するための必要かつ合理的な施策は実施されてきたが,本件通知時においては,①高槻市長が,原告に対して本件各不動産(B) の使用を許可することが,前記の行政目的(Bにより達成しようとした目的)に合致するとはいえないと判断しても不合理とはいえない状況となっており,②被告が本件各不動産の返還を受けた場合には,本件土地を他の用途・目的に利用することにより被告の抱える行政上の課題を解消することができる可能性があったということができ,他方で,③本件各不許可処分により原告及 び組合員が受ける不利益のうちの一定程度のもの(植木業等を営むことができなくなること自体)は回避することが可能なものであったということができる。このような事情の下では,高槻市の財産を管理する権限を有し地方公共団体の財産をその所有の目的に応じて最も効率的にこれを運用する責務を負う高槻市長(法149条6号,地方財政法8条)において,本件各不動産 の用途を廃止し本件土地を他の行政目的に利用することとして原告に対する 本件各不動産の使用を許可しないと判断することも不合理であるということはできず,他に,当該判断が,重要な事実の基礎を欠くか,又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認めるに足る客観的かつ的確な証拠はない。 以上のことからすれば,本件各不許可処分に高槻市長の裁量権を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるということはできないというべきである。 ⑸ア以上に対し,原告は,原告及び組合員が本件土地を使用す 上のことからすれば,本件各不許可処分に高槻市長の裁量権を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるということはできないというべきである。 ⑸ア以上に対し,原告は,原告及び組合員が本件土地を使用する必要性等に関する事情として,①高槻市の伝統的産業である植木業を存続させる必要があったこと,②本件通知時において組合員数は設立当時の半数に近い53名であったこと,③不況や集合住宅の増加といった外的要因により零細な植木業者の経営環境が厳しい状況の下では,植木業者の自立自営化を促 進するという行政目的を達成するため本件土地の使用を許可する必要性が高いこと,④植木業や造園業を営むためには植木圃場等として利用できる土地が必要であるが原告及び組合員が本件土地以外に植木圃場を確保することは困難であること,⑤原告及び組合員が本件各不動産を使用することができなくなると原告及び組合員がこれまで植木業を営んできたことによ り獲得した地元住民等からの信頼が失われること,⑥原告及び組合員が本件各不動産を使用することができなくなると技術や知識の伝承が途絶え,植木業や造園業が衰退してしまうこと,⑦原告及び組合員が本件各不動産で植木業を営むことについての高槻市民のニーズが存在していること,⑧被告は,産業振興のために様々な施策を行っているのであるから,原告に ついてもその営業活動を発展させるための施策を採るべきであること,⑨被告は,DのためにE駅北側の土地を無償で貸与しているのであるから本件各不動産についても使用を許可すべきであることを主張する。 イしかしながら,以下のとおり,原告の上記主張はいずれも採用することができない。 (ア) ①,③,⑧及び⑨については,地方公共団体がいかなる産業につい て支援策又は振興策を実施するか ながら,以下のとおり,原告の上記主張はいずれも採用することができない。 (ア) ①,③,⑧及び⑨については,地方公共団体がいかなる産業につい て支援策又は振興策を実施するかは当該地方公共団体の地域的・社会的・財政的諸事情を総合的に勘案して行われる政策判断であるから,植木業が高槻市の伝統的産業であること(①),外的要因により植木業者の経営環境が厳しい状況にあること(③),被告が他の産業につき産業振興のために様々な施策を実施していること(⑧)及びDのために土地を無償で 貸与していること(⑨)をもって,直ちに被告において植木業の存続又は振興のため原告に本件各不動産(B)の使用を許可しなければならないということはできない。 (イ) ②については,本件通知当時,原告には約50名の組合員が存在していたことは認められるものの(前記認定事実⑷),これは,原告の設立 時の組合員数の約半数にすぎない上,本件通知当時の本件各不動産の利用状況がBにより達成しようとした目的に合致するとはいえないと判断されても不合理とはいえない状況となっていたことは既に説示したとおりである。そうすると,前記目的を達成するという観点からみた場合,本件通知当時,原告に約50名の組合員が存在したことをもって原告及 び組合員に対して植木圃場等として本件各不動産を使用させる必要性が大きかったということはできない。 (ウ) ④については,組合員の中には本件通知後に本件土地にあった植木等を他の土地に移設して植木業等を営んでいる者が存在していること(前記認定事実⑸キ)からすれば,本件土地を植木圃場等として利用し なければ原告及び組合員が植木業等を営むことができないとはいえない。 原告は,本件通知後に植木等を他の土地に移設した組合員が植 (前記認定事実⑸キ)からすれば,本件土地を植木圃場等として利用し なければ原告及び組合員が植木業等を営むことができないとはいえない。 原告は,本件通知後に植木等を他の土地に移設した組合員が植木等を移設した土地は仮置場にすぎず,そのような組合員が存在するからといって本件土地以外に仮植場が確保できることにはならないと主張する。 しかしながら,原告の主張は,仮植場が確保できなければ植木業を営む ことができないことを前提とするものであるところ,前記のとおり,本 件土地にあった植木等を他の土地に移設して植木業等を営んでいる組合員がいることが認められ,原告の主張によれば当該組合員が植木等を移設した土地は仮植場ではなく仮置場であるというのであるから,仮植場が確保できなければ植木業を営むことができないということはできない。 (エ) ⑤については,仮に,原告及び組合員が本件土地で植木業を営んで きたことにより地元住民等の信頼を得てきたことが認められるとしても,組合員は本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営むことが可能であることは既に説示したとおりであり,本件土地を使用することができなくなったことから植木業等を営むことが困難となるということはできない。 (オ) ⑥については,組合員は本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営むことが可能であることは既に説示したとおりであり,本件土地を植木圃場として利用することができなくなったからといって必ずしも組合員相互間の交流が途絶えるわけでもないから,本件土地を植木圃場として利用できなければ植木業の技術や知識の伝承ができなくなる とはいえない。 (カ) ⑦については,証拠(甲82,甲92〔p12〕)によれば,原告が高槻市民等から剪定等を依頼されることがある して利用できなければ植木業の技術や知識の伝承ができなくなる とはいえない。 (カ) ⑦については,証拠(甲82,甲92〔p12〕)によれば,原告が高槻市民等から剪定等を依頼されることがあることは認められるものの,当該依頼に係る作業が本件土地を植木圃場として利用する植木業者でなければ行えないものであるとは考え難く,前記証拠をもって原告及び組 合員が本件各不動産で植木業を営むことについて高槻市民のニーズがあるとは認められず,他にこれを認めるに足りる証拠もない。 ⑹アまた,原告は,被告が本件土地を利用する必要性がないとして,①本件各利用計画案は本件通知後に決められたものである上,本件各利用計画案は設置予定の施設の規模等についても具体性を欠くものであること,② (a)本件土地は水路に囲まれており,本件土地の周囲の道路は南側にある 市道γ線以外は大型車の通行に適しないため,大型の消防車が本件土地に出入りするときは市道γ線から水路に架かった橋を通ってしか出入りすることができず,大規模災害により橋が使用できなくなった場合には消防車の出入りに支障が生ずるおそれがあること,(b)本件土地には大量降雨時の浸水被害が生ずる危険性があること,(c)本件土地には南海トラフ地 震時の液状化及び津波被害が生ずる危険性があること,(d)本件土地には関西電力株式会社の鉄塔が建てられているため大規模災害の時には鉄塔が倒壊するなどのおそれがあること,(e)高槻市南部には本件土地の近くに総合防災拠点であるHが存在していることからすれば本件土地にβ分署等を設置することは明らかに不適切であること,③本件各利用計画案に おいて設置予定の雨水貯留施設の貯留量(最大で5万㎥)は当該施設の集水対象地域の降水量(1052万9000㎥)に対して β分署等を設置することは明らかに不適切であること,③本件各利用計画案に おいて設置予定の雨水貯留施設の貯留量(最大で5万㎥)は当該施設の集水対象地域の降水量(1052万9000㎥)に対して僅少である上,北側から南側に下る地形となっている本件土地に北側地域の浸水被害軽減を目的として雨水貯留施設を設置しても効果は疑わしく,このような効果の乏しい施設を高額な費用を投じて設置することは著しく不合理である ことを主張している。 イしかしながら,以下のとおり,原告の上記主張はいずれも採用することができない。 (ア) ①については,前記⑴のとおり,原告に本件各不動産の使用を許可するか否かの高槻市長の裁量判断は諸般の事情を総合考慮してされるも のであるところ,前記⑶イ及びウに説示した事情の下においては,被告が本件土地を利用する具体的な必要性及び利用計画が存在しない限り本件各不動産の使用を許可しなければならないということはできないというべきである。 (イ) ②については,証拠(甲67,72,78,79の1・2,乙42) 及び弁論の全趣旨によれば,(a)本件各利用計画案ではβ分署等への出入 りは市道γ線から行うこととなっていること,(b)高槻市洪水・土砂ハザードマップ(甲67)では本件土地は100年又は200年に1度起こる可能性のある大雨が降った場合に2m以上5m未満の浸水が予想される地域に含まれていること,(c)本件土地は南海トラフ地震が発生した場合に液状化の可能性のある地域に含まれていること,(d)本件各利用計画 案においてβ分署等が設置される部分の北側には関西電力株式会社が設置した鉄塔が存在すること,(e)本件土地の近くに総合防災拠点としてHが存在していることが認められる。 しかしながら,前記認定 案においてβ分署等が設置される部分の北側には関西電力株式会社が設置した鉄塔が存在すること,(e)本件土地の近くに総合防災拠点としてHが存在していることが認められる。 しかしながら,前記認定事実⑹イによれば,本件各利用計画案では設置予定の施設の具体的な配置や仕様等が未確定であり,実施設計等は当 該施設の配置等の検討状況に応じて決定していくことが予定されていることが認められるところ,β分署等は消防活動又は大規模災害時の消防救援活動の拠点となる施設であるから(なお,平時の消防団訓練場も大規模災害時には応援受入施設として使用することが予定されている。乙30,42),その設置計画が具体化していく中で,地震や洪水等の大規 模災害が生じた場合にも消防活動又は消防救援活動の拠点として機能するために必要な措置を講ずることが予定されていると認められる。そうすると,本件各利用計画案のβ分署等の設置について原告の主張する(a)から(d)までの点も今後の設置計画の具体化の中で解消されるものといえる。また,原告の主張する(e)の点についても総合防災拠点は,災害時 に広域避難地としての機能及び救援物資等の受入れ・供給を行う総合的な物流の機能を備えるとともに救援ヘリコプターの災害時用臨時ヘリポート等を有する拠点であるのに対し,本件各利用計画案で設置が予定されているのは大規模災害時に救援消防救援隊等を受け入れる拠点であり,その役割及び機能を異にするものであるから,本件土地の近くに総合防 災拠点としてHが存在しているからといって本件土地にβ分署等を設置 することが不適切であるということはできない。 (ウ) ③については,証拠(乙31)によれば,被告においては,1時間当たり48mm の降雨に対する雨水対策として下水道の雨水排水 等を設置 することが不適切であるということはできない。 (ウ) ③については,証拠(乙31)によれば,被告においては,1時間当たり48mm の降雨に対する雨水対策として下水道の雨水排水施設を整備し,これによって一定量の雨水が排水されることを前提として,前記の降雨量を超える降雨に対する雨水対策として雨水貯留施設を設置す ることとしていることが認められる。そうすると,高槻市の一定範囲の地域の降雨量全部を基準に本件各利用計画案における雨水貯留施設の整備規模が僅少であるとする原告の主張はその前提を誤るものというほかなく,かえって,証拠(乙31)によれば,本件土地は,被告が重点的に雨水対策を行う地域に含まれているところ,同地域において必要とな る雨水貯留施設の貯留量は12万2000㎥であり,これに対する本件各利用計画案における雨水貯留施設の貯留量(最大で5万㎥)が僅少であるということはできない。また,証拠(乙31)によれば,被告におけるシミュレーションでは,現時点において1時間当たり110mm の降雨により本件土地の北側に20㎝以上の浸水する地域が存在しており, 本件土地に雨水貯留施設等を整備することにより本件土地の北側の浸水被害が軽減するとの結果が出ていることが認められるのであるから,本件土地が北側から南側に下る地形となっているとしても,本件土地の北側の浸水軽減を目的として本件土地に雨水貯留施設を設置する必要性がないということはできず,かえって,本件土地に雨水貯留施設を設置す ることが本件土地の北側の浸水被害の軽減に一定の効果を有することがうかがわれる。そして,このように本件土地に雨水貯留施設を設置することには一定の合理性があるといえるのであるから,高額の費用を投じて当該施設を設置することが著しく不合理 減に一定の効果を有することがうかがわれる。そして,このように本件土地に雨水貯留施設を設置することには一定の合理性があるといえるのであるから,高額の費用を投じて当該施設を設置することが著しく不合理であるということはできない(なお,当該施設の設置費用がその効用に比して不当に高額であること を認めるに足りる証拠はない。)。 ⑺アさらに,原告は,被告は,①本件土地の具体的な利用方法を検討しないまま,特命チームの結成からわずか1箇月以内の間に原告に本件各不動産の使用を許可しない旨決定し,本件通知を発していること,②本件通知までの間に原告との協議等を一切行わず,本件通知後に行われた原告との協議においても本件各不動産を原告に使用させないことを前提とする態度 に終始していたこと,③本件土地の植木圃場を本件土地の一部分に集約することにより原告及び組合員に本件土地を植木圃場として使用させることも一切検討していないことからすれば,高槻市長は,本件各不許可処分に当たり,(a)本件土地を利用する具体的な必要性及び(b)本件各不動産の使用を許可しないことによる原告及び組合員の不利益を十分に考慮しな いまま,本件各不許可処分を行ったと主張する。 イしかしながら,以下のとおり,原告の上記主張はいずれも採用することができない。 (ア) ①については,判断に至るまでの検討期間の長短が直ちに当該判断の判断過程の適否に結び付くものとはいえないし,この点を措いても, 前記認定事実⑶ウによれば,被告においては,平成19年及び平成20年に高槻市議会でBの存続を問題視する趣旨の指摘がされ,その後も同議会において度々Bの存続の適否が議論されており,被告においても平成25年以前からBの存続の適否について検討が進められてきたことが認めら 高槻市議会でBの存続を問題視する趣旨の指摘がされ,その後も同議会において度々Bの存続の適否が議論されており,被告においても平成25年以前からBの存続の適否について検討が進められてきたことが認められるから,1箇月未満の短期間でBを廃止し原告に対して本件各 不動産の使用を許可しないことが決定されたということはできない。また,原告に対して本件各不動産の使用を許可するか否かの判断において本件土地を利用する具体的な必要性が存在しなければならないものではないことは前に説示したとおりであり,本件通知時において本件土地を利用する具体的な必要性が検討されていないことから本件各不許可処分 の判断過程が合理性を欠くものであったということはできない。 (イ) ②については,被告は,本件各不許可処分に先立って1年間の猶予期間を設けており,組合員が1年間で本件土地以外の土地に植木等を移設して植木業等を営むことが可能であったことは前に説示したとおりである。そうすると,本件各不許可処分は,本件各不動産を使用することができなくなることによる組合員の不利益を一定程度考慮して行われた ものというべきであり,被告が本件通知前に組合員と協議を行わなかったことや本件通知後の組合員との協議において本件各不動産の使用を許可しないことを前提としていたことをもって被告が本件各不許可処分に当たり原告及び組合員の不利益を考慮しないまま本件各不許可処分をしたということはできない。 (ウ) ③については,前記⑶イ及びウに説示したところによれば,(a)本件通知当時,被告は,αにおける植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進するという行政目的を達成するために十分な期間にわたり原告に対するBの使用許可を継続するとともに前記行政目的を達成す )本件通知当時,被告は,αにおける植木産業の振興を図り植木業者の自立自営化を促進するという行政目的を達成するために十分な期間にわたり原告に対するBの使用許可を継続するとともに前記行政目的を達成するための必要かつ合理的な措置を実施してきたこと,(b)本件各不許可処分に よる不利益は組合員において十分想定し得たものであり,実際上もそのうちの一定程度のもの(植木業等を営むことができなくなること自体)は回避することが可能であったことが認められ,これらの事情は組合員全員に当てはまるものといえる。また,前記⑶エに説示したところによれば,本件通知当時,本件土地を適切に活用することにより被告の抱え る行政上の課題が解消する可能性があったことが認められるところ,前記認定事実⑹イ及び証拠(乙43)によれば,本件各利用計画案では,本件土地の北側の地下に雨水貯留施設を設置するとともに北側半分程度を公園として整備し,南側にβ分署等を設置することが計画されていることが認められる。そうすると,被告が本件土地の返還を受けた場合に は本件土地全体を合理的に利用することが可能であったということがで きる。これらの事情を総合すると,被告が本件各不動産全体につき原告の使用を許可しないとすることにも一定の合理性があるといえるのであり,本件各不許可処分に当たり,本件土地の植木圃場を本件土地の一部分に集約して原告及び組合員に本件土地を植木圃場として使用させることを考慮しなかったことが合理性を欠くとまでいうことはできない。 5 争点3(本件不許可処分の適法性2〔本件各不許可処分における適正手続違反の有無〕)⑴ 原告は,約40年間にわたって本件各不動産の使用許可を受けてきたから,原告には本件各不動産の継続使用についての合理的な期待が存在し の適法性2〔本件各不許可処分における適正手続違反の有無〕)⑴ 原告は,約40年間にわたって本件各不動産の使用許可を受けてきたから,原告には本件各不動産の継続使用についての合理的な期待が存在し,かつ,本件各不許可処分は原告及び組合員に著しい不利益を与えるものであること からすれば,憲法31条の準用により,高槻市長は,本件各不許可処分に当たり,原告に対して告知聴聞の機会を与えるべきであって,これらの機会を与えずにされた本件各不許可処分は憲法31条に反すると主張する。 そこで検討すると,憲法31条の定める法定手続の保障は,直接には刑事手続に関するものではあるが,行政手続については,それが刑事手続ではな いとの理由のみで,そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当でない。しかしながら,同条による保障が及ぶと解すべき場合であっても,一般に,行政手続は,刑事手続とその性質においておのずから差異があり,また,行政目的に応じて多種多様であるから,常に必ず行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えることを必要とするも のではないと解するのが相当である(最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁参照)。 そして,本件各不許可処分は,原告からの申請に基づいて行われたものであり,原告は必要な準備をした上で申請を行い,高槻市長の処分は当該申請があった場合にのみその応答として行われるものであることからすると,本 件各不許可処分が原告にとって不意打ちとなることはない。また,前記認定 事実⑸イ,エ及びオによれば,被告は,平成26年不許可処分に先立ち,本件通知により,原告に対し,平成25年度で本件各不動産の使用許可を終了する旨を通知した上,原告との い。また,前記認定 事実⑸イ,エ及びオによれば,被告は,平成26年不許可処分に先立ち,本件通知により,原告に対し,平成25年度で本件各不動産の使用許可を終了する旨を通知した上,原告との間で本件各不動産の使用に関する協議を行い,原告から,被告に対する提案を文書で提出する旨の意向が示されたものの,その後,原告からの提案はなく,かえって,原告が抗議活動を行うようにな ったことから原告との協議を打ち切ったことが認められるのであり,実質的には,本件各不許可処分について原告に対する告知聴聞の機会が与えられたものということができる。 以上のことからすれば,本件各不許可処分が憲法31条に反するとする原告の主張は理由がないというべきである。 ⑵ 原告は,使用期間を平成25年4月1日から平成26年3月31日までとして本件各不動産の使用許可を得ていたにもかかわらず,高槻市長は,上記使用期間の途中に平成25年度をもって原告に対する本件各不動産の使用許可を終了することを決定して本件通知を発し,この判断に基づいて本件各不許可処分をしたから,本件各不許可処分は,実質的には「許認可等を取り消 す不利益処分」(行政手続法13条1項1号イ)と同視することができるとして,高槻市長が本件各不許可処分をするに当たり告知聴聞の機会を与えなかったことは行政手続法に違反する旨主張する。 しかしながら,前記認定事実⑸によれば,被告が平成26年不許可処分に先立って原告の使用許可期間途中に本件通知を発したのは,原告及び組合員 に平成25年度をもって原告に本件各不動産の使用許可を終了する旨を事前に告知し,代替地に移転するための猶予期間を確保する機会を与えるためであって,原告が受けていた使用許可を取り消す趣旨を含むものではないと認められる。 て原告に本件各不動産の使用許可を終了する旨を事前に告知し,代替地に移転するための猶予期間を確保する機会を与えるためであって,原告が受けていた使用許可を取り消す趣旨を含むものではないと認められる。そうすると,本件各不許可処分に先立って平成25年度をもって原告に対する本件各不動産の使用許可を終了する旨を決定し本件通知が発せ られたことから,本件各不許可処分が実質的に「許認可等を取り消す不利益 処分」(行政手続法13条1項1号イ)と同視することができるとはいえない。 したがって,本件各不許可処分が行政手続法に反するという原告の主張は理由がないというべきである。 6 争点4(義務付けの訴えの訴訟要件及び本案要件の具備の有無)本件各訴えのうち,本件各不動産の使用を許可する旨の処分の義務付けを求 める部分は,行政事件訴訟法3条6項2号所定のいわゆる申請型の義務付けの訴えであると解されるところ,同訴えは,法令に基づく申請を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において,当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり,又は無効若しくは不存在であるときに限り,提起することができるとされている(同法37条の3第1項2号)。しかるに,前記のとおり, 本件各不許可処分はいずれも適法であるから,本件各訴えのうち,本件各不動産の使用を許可する旨の処分をすることの義務付けを求める部分は,同号の要件を欠き,不適法である。 7 結論以上のとおりであるから,その余の点について判断するまでもなく,本件各 訴えのうち,本件各不動産につき法238条の4第7項に基づく使用を許可する旨の処分の義務付けを求める部分はいずれも不適法であるから却下し,原告のその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき民 につき法238条の4第7項に基づく使用を許可する旨の処分の義務付けを求める部分はいずれも不適法であるから却下し,原告のその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官三輪方大 裁判官角谷昌毅 裁判官稲岡奈桜は,差し支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官三輪方大(別紙省略)
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