令和4(ネ)1762 建物引渡・契約上の地位確認等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和5年4月27日 大阪高等裁判所 棄却
ファイル
hanrei-pdf-92134.txt

判決文本文28,043 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を次のとおり変更する。 2 控訴人が、被控訴人と控訴人との間の平成24年1月5日付け加盟店基本契約上の当事者の地位にあることを確認する。 3 被控訴人は、控訴人に対し、前記加盟店基本契約に基づく、営業利益の支払、オープンアカウントの提供若しくはその他の役務の提供又は商品の引渡しを拒 絶してはならない。 4 被控訴人は、控訴人に対し、97万1921円及びこれに対する令和2年2月11日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。 5 被控訴人の第1事件請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要 1 事案の骨子⑴ 控訴人(原審第1事件被告・第2事件原告)は、被控訴人(原審第1事件原告・第2事件被告)との間で、コンビニエンスストアの加盟店基本契約及び加盟店付属契約(いわゆるフランチャイズ契約)を締結し、原判決別紙1物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)において、セブン-イレブ ンA店(大阪府東大阪市a番b号所在。以下「本件店舗」という。)を経営していた。 ⑵ 本件の第1事件は、被控訴人が、控訴人に対し、第1次請求として、控訴人の異常な顧客対応及びツイッターにおける被控訴人に対する誹謗中傷行為を理由としてフランチャイズ契約を催告解除したとして、①所有権に基づく本 件建物の引渡し、②契約解除に伴う約定の損害賠償金1450万8024円 及び遅延損害金(催告解除日である令和元年12月31日から支払済みまで旧商事法定利率(平成29年法律第45号4条3項 件建物の引渡し、②契約解除に伴う約定の損害賠償金1450万8024円 及び遅延損害金(催告解除日である令和元年12月31日から支払済みまで旧商事法定利率(平成29年法律第45号4条3項によりなお従前の例によることとされる場合における同法による改正前の商法514条所定の利率をいう。以下同じ。)年6%の割合)の支払、③本件建物の所有権侵害の不法行為に基づく令和元年12月31日から本件建物引渡済みまで1日当たり11 万0321円の損害賠償金の支払を求め、これと選択的に第2次請求として、前記同様の理由による信頼関係破壊によりフランチャイズ契約を無催告解除したとして、前記①と同旨の引渡し及び前記②③と同旨の支払(②の遅延損害金及び③の損害賠償金の始期はいずれも無催告解除日である令和2年8月14日)を求める事案である。 本件の第2事件は、控訴人が、被控訴人に対し、㋐被控訴人によるフランチャイズ契約の解除は解除事由がなく無効であるとして、控訴人が加盟店基本契約上の当事者の地位にあることの確認、㋑被控訴人によるフランチャイズ契約の解除が優越的地位の濫用に当たるとして、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律をいう。以下同じ。)24条に基づく侵害停 止請求権又は侵害予防請求権に基づき、被控訴人による取引拒絶の禁止、㋒被控訴人による取引拒絶がフランチャイズ契約の債務不履行に当たるとして、債務不履行に基づく損害賠償金97万1921円(令和2年1月分の逸失利益)及び遅延損害金(約定支払期限の翌日である令和2年2月11日から支払済みまで旧商事法定利率年6%の割合)の支払を求める事案である。 ⑶ 原審は、被控訴人によるフランチャイズ契約の催告解除は有効であると判断して、被控訴人の第1事件第1次請求①~③を から支払済みまで旧商事法定利率年6%の割合)の支払を求める事案である。 ⑶ 原審は、被控訴人によるフランチャイズ契約の催告解除は有効であると判断して、被控訴人の第1事件第1次請求①~③をいずれも認容(ただし請求②の遅延損害金の始期は令和2年2月4日とした。)し、控訴人の第2事件請求をいずれも棄却した。 これに対し、控訴人が、控訴人の第2事件請求を全部認容し、被控訴人の第 1事件請求を全部棄却することを求めて、控訴した。 2 前提事実前提事実は、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」第2の2(原判決4頁3行目から14頁14行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。なお、引用文を含む文中の「別紙」はいずれも原判決添付のものを指す(以下同じ。)。 ⑴ 9頁19行目の「5条」を「5条、23条」と改める。 ⑵ 12頁21・22行目の「本件基本契約を解除」を「本件基本契約46条2項に基づき本件基本契約を解除」と改める。 ⑶ 13頁17・18行目の「解除する旨を通知した」を「解除する旨の意思表示をした」と、22行目の「本件基本契約を解除する旨の意思表示」を「同月 30日の経過をもって本件基本契約が解除された旨の通知」と、それぞれ改める。 ⑷ 13頁26行目、14頁1行目及び4行目の「当庁」をいずれも「大阪地方裁判所」と、12行目の「第1回口頭弁論期日」を「原審第1回口頭弁論期日」と、それぞれ改める。 3 争点及び争点に関する当事者の主張争点及び争点に関する当事者の主張は、後記4のとおり、当審における控訴人の補充主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」第2の3及び4(原判決14頁15行目から22頁22行目まで)記載のとおりであるから、これを引 する当事者の主張は、後記4のとおり、当審における控訴人の補充主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」第2の3及び4(原判決14頁15行目から22頁22行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。 4 当審における控訴人の補充主張(なお、人証は、いずれも原審におけるものである(以下同じ。))。 ⑴ 不意打ち的認定について原審において「異常な顧客対応」を裏付ける具体的な事実として審理の対象とされたのは、原判決別紙3に記載された57件(以下「別紙57件」という。) である。しかし、原判決が異常な顧客対応として認定した39件の事実のうち 別紙57件に含まれているのは12件(別紙57件に含まれないが、陳述書等で言及されていた7件を加えても19件)にすぎない。また、原判決が本件催告解除の有効性を判断する際に基礎とした32件のうち、別紙57件に含まれていたのは11件にすぎない。被控訴人が争点として主張せず、控訴人が認否反論していなかった事実を、原判決が異常な顧客対応を基礎づける事実と して認定したことは、不意打ちにほかならない。 ⑵ 異常な顧客対応に関する判断についてア内部連絡票(甲123、127)は、苦情窓口担当者が聞き取った内容をそのまま記載したにすぎない。利用客から苦情があっても、利用客が謝罪等の対応を求めない場合や、対応を求めても自然消滅するケースが全体の7 割程度あるから(証人”G”9~11頁)、すべて利用客に事実確認した結果が記載されているわけではない。したがって、苦情の内容が正しいとは限らないから、内部連絡票の記載に基づいて、そのとおりの事実があったことや、現実に控訴人が乱暴な言動や侮辱的な話し方をした事実を認定することはできないというべきである。 正しいとは限らないから、内部連絡票の記載に基づいて、そのとおりの事実があったことや、現実に控訴人が乱暴な言動や侮辱的な話し方をした事実を認定することはできないというべきである。 イ非常識な利用客に対し、毅然として注意するなどすれば、必然的に苦情件数は増えるのであるから、苦情件数が増えたからといって、解除事由に該当すると評価するのは誤りである。原判決は、内部連絡票に基づいて苦情件数を認定しているが、そのうち相当数のものについては内部連絡票に対応結果の報告がなく、苦情内容しか記載されていない。対応結果が記載されてい るものも「一部事実だがほとんど違う」と評価されているものもあり、内部連絡票の記載のみに基づいて苦情件数を認定するのは誤りである。 ウ内部連絡票に記載された苦情があったというだけでは、控訴人が現実に乱暴な言動や客を侮辱するような話し方をしたことを認定することはできない。また、内部連絡票によれば、別の従業員の接客態度が苦情の対象であ り、かつ、顧客の方に問題があるとされていたもの、顧客が暴力犯であった と考えられるもの、顧客が非常識な物言いをしていたり、マナーに違反していたため、控訴人が「買っていただかなくても結構です。」等と述べたりしたものなどがある。これらは、いずれも解除の原因とすることができるような事実にはならない。 ⑶ 信頼関係の破壊について 控訴人は、平成24年2月の本件店舗の開店から、時短営業に踏み切った平成31年2月1日までの約7年間において、被控訴人から、控訴人の顧客対応が「基本四原則の徹底による被控訴人の全国的なブランドイメージを確保するという本件基本契約の根本部分を損なうものである」ことを前提とした是正指導を受けたことはなく、被控訴人は、控訴人の接客方 客対応が「基本四原則の徹底による被控訴人の全国的なブランドイメージを確保するという本件基本契約の根本部分を損なうものである」ことを前提とした是正指導を受けたことはなく、被控訴人は、控訴人の接客方法を黙認し続けてい た。同月7日の”C”ZMとの面談でも、”C”ZMは控訴人の接客方法に理解を示していた。令和元年8月の面談でU取締役が約束した控訴人の顧客対応についての事実の調査・確認についても回答はなかった。控訴人が、自己の顧客対応について本件基本契約の解除事由になるほどの問題があると告げられたのは、同年12月20日付けの本件催告書が初めてであった。控訴人は、 本件催告書を受領した後は、迅速に改善の意思を示し、行動に移している。このような経緯を無視して、控訴人の対応が信頼関係を破壊するものであると評価するのは誤りである。また、被控訴人がカスタマーハラスメントに対する基本方針や基本姿勢を示してこなかったことは、信頼関係破壊の有無の判断において考慮すべきである。 ⑷ 本件催告解除の真の目的について本件催告解除は、時短営業により注目を集めたオーナーである控訴人が、日曜休業や元日休業についても問題を提起し、再び加盟店契約の在り方について世間の注目が集まり、元日くらい休業が認められるべきではないかとの共感が広がりをみせる中で、被控訴人の優越的地位による搾取の構造が露わに なることを回避するため、行われたものである(控訴人は、本件催告解除が時 短営業に対する意趣返しであるなどとは主張していない。)。通常、加盟店契約の解除という重大な影響を与える法律行為であれば、慎重に相当な催告期間を設けるはずである。また催告を受けた控訴人は、改善の申出をし、誓約書を提出している。それにもかかわらず、被控訴人が10日 店契約の解除という重大な影響を与える法律行為であれば、慎重に相当な催告期間を設けるはずである。また催告を受けた控訴人は、改善の申出をし、誓約書を提出している。それにもかかわらず、被控訴人が10日間という短い催告期間で、元日直前に解除を強行したのは、本件催告解除の真の目的が、発言するオ ーナーを排除し、その影響力を失わせることであったからである。本件のように、被控訴人が元日休業問題についてオーナーらと誠実に協議しようとせず、別の理由を付けて控訴人を排除し、他のオーナーにも声を上げさせないようにした場合には、権利濫用等を理由に契約解除が制限されるべきである。 ⑸ 控訴人の接客態度の解除事由該当性について 迷惑行為等をする顧客に対し毅然とした態度をとることは、被控訴人の接客方法に関するブランドイメージを低下させるものではないし、控訴人独自の基準による接客対応でもない。原判決は、接客方法に関する被控訴人のブランドイメージ等を明らかにしないまま、迷惑な客であっても「毅然かつ穏当に対応」すべきであったとしている。しかし、迷惑行為を行う顧客等に対し、「毅 然かつ穏当」な対応をすることは極めて難しいのであり、例えば、駐車料金を踏み倒して車で逃げようとする顧客(令和元年10月22日の事例)に対し、控訴人が足を出すなどして車の進行を止めようとしたことは、毅然とした態度であり、経営者として相当な対応というべきである。控訴人は、店内でマナー違反をしている客等に対し、丁寧な声掛けをし、顧客の側が反発し、攻撃的 な態度をとってきた場合に店舗環境を守るために毅然とした態度をとり、退店を促すなどしていたのであり、控訴人の顧客対応は、「即時かつ攻撃的」などと評価されるべきものではない。カスタマーハラスメントが社会問題化し、迷惑 場合に店舗環境を守るために毅然とした態度をとり、退店を促すなどしていたのであり、控訴人の顧客対応は、「即時かつ攻撃的」などと評価されるべきものではない。カスタマーハラスメントが社会問題化し、迷惑行為等に対し毅然とした態度を取ることが推奨されている我が国の情勢に照らせば、毅然とした態度をとろうとしていた控訴人の顧客対応を解除事 由と判断した原判決は、我が国の情勢に真っ向から反するものである。 ⑹ ツイッター投稿について控訴人の表現の自由や本部経営陣に対する批判の自由について触れることなく、本件各投稿の文言(一般的な批判に用いられている表現を用いたものにすぎない。)のみをもって、誹謗中傷に当たると判断することはできない。また、本件各投稿は、セブン-イレブン・イメージの信用を低下させる行為とは 直接結びつくものでもない。個人が公益を図る目的で行った批判や論評行為は、名誉毀損や侮辱行為等に該当するとしても、直ちに違法となるものではなく、表現内容の必要性、表現に至る経過等を踏まえ、社会的に相当な範囲であるといえる場合には、正当な批判、論評行為として違法性が阻却されるべきである。原判決のように誹謗中傷に該当するというだけでは、違法性の有無を判 断したことにはならない。なお、本件各投稿は、具体的な事実の摘示ではなく、控訴人の考えを示しただけであるが、仮に具体的事実を摘示したものであるとしても、違法性阻却事由が認められるというべきである。 そもそも本件各投稿の内容は、控訴人が今後も加盟店の経営を続けることを前提に被控訴人の体制の改善を求める目的で行われた正当な批判論評であ って、控訴人と被控訴人との間の信頼関係を破壊するようなものではない。また、被控訴人は、本件催告をした令和元年12月20日まで控訴人 控訴人の体制の改善を求める目的で行われた正当な批判論評であ って、控訴人と被控訴人との間の信頼関係を破壊するようなものではない。また、被控訴人は、本件催告をした令和元年12月20日まで控訴人の本件各投稿が契約解除事由に当たると指摘したことは一度もなかった。控訴人は、催告後は、直ちに本件各投稿を削除している。これらの点に照らすと、本件各投稿は、信頼関係破壊の根拠となる事情とすべきではないし、解除の理由にもなら ない。 ⑺ 控訴人が本件催告に応じたことについて本件基本契約45条2項は、催告期間内に「違反を改め」なかった場合に契約を解除することができる旨を規定しているだけで、それ以外に具体的な要件は定めていない。催告期間が10日間にすぎず、契約の終了という重大な効 果が発生することに照らすと、原判決のように、同項の催告に応じたと評価さ れるための要件として、従前の接客対応に対する問題点を被控訴人と共有することや、適切な接客対応のための具体的改善方法を提示する措置等を求めることは、要件を加重するもので誤りである。 被控訴人は、控訴人が個別具体的な接客方法の問題点の指摘を求め続けていた(甲34の2、37)にもかかわらず、これを拒絶していたから、控訴人 が被控訴人と問題点を共有することができなくても責められるべきではない。 控訴人が令和元年12月20日の被控訴人との面談直後に報道陣に対し被控訴人が元日休業を理由に本件基本契約を解除しようとしている旨述べたのは、控訴人が元日休業について問題提起して再び世間の注目を集め、被控訴人が元日休業を回避しようとしていたという状況等を踏まえた控訴人の意見にす ぎず、事実に反する説明をしたということはできない。被控訴人から個別具体的な接客対応の問題事例が示され を集め、被控訴人が元日休業を回避しようとしていたという状況等を踏まえた控訴人の意見にす ぎず、事実に反する説明をしたということはできない。被控訴人から個別具体的な接客対応の問題事例が示されなかった等という経過に照らせば、控訴人が同年12月24日付書面において異常な接客対応について身に覚えがないと述べたり、同年12月27日の記者会見で「内容を言われていないので改善のしようがない」と発言したりしたとしても、不相当なものではない。他方で、 控訴人は、被控訴人に対し、円満解決したいので、改善しているところを見て欲しいとも伝えており(甲89)、本件催告後、弁護士に依頼し、接客方法等を改善する意向を示し、ツイッターもすべて辞めることを明らかにするなど、迅速に信頼関係を回復するために対応している。これに加え、控訴人が基本四原則のうち接客方法以外の原則は十分に守っており、十分な売上を確保して いたこと等を踏まえるならば、控訴人は催告に応じたものと評価されるべきである。 第3 当裁判所の判断 1 判断の骨子当裁判所も、被控訴人の第1事件第1 次請求をいずれも認容し、控訴人の第2 事件請求をいずれも棄却すべきであると判断する。その理由は、以下のとおりで ある。 2 認定事実当審における当事者の主張を踏まえ、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」第3の1(原判決22頁24行目から80頁26行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 30頁10行目の「スローガンを掲げ」の次に「ていた一方、後記のとおり迷惑な顧客にはきちんと注意するという方針で」を加え、16行目及び189行目の「送呈」をいずれも「交付」に改める。 ⑵ 30頁22行目冒頭から31頁2行目末尾までを次のとおり改 一方、後記のとおり迷惑な顧客にはきちんと注意するという方針で」を加え、16行目及び189行目の「送呈」をいずれも「交付」に改める。 ⑵ 30頁22行目冒頭から31頁2行目末尾までを次のとおり改める。 「 本件店舗の敷地は、北側と西側が道路に面していて両側から出入り可能で ある。店舗建物は敷地の南東側にあり、店舗建物の北側に店舗建物への出入口がある。店舗建物の北側と西側の敷地には駐車場(以下「本件駐車場」という。)があり、計13台の自動車が駐車可能であった。本件店舗の開店当時、店舗建物の西側壁面に「お客様専用P お客様へのお願い 20分以上の駐車はご遠慮願います 20分以上お車から離れて駐車されている場合、無断駐車と みなし、金1万円を申し受けます。」と記載された看板(乙36①)が掲示されていた。しかし、長時間駐車やトラブルがしばしば生じていたことから、平成30年4月1日以降、本件駐車場に有料パーキングシステムが導入された。 被控訴人は、Y株式会社(以下「Y社」という。)との間で駐車場運営業務委託契約(被控訴人が業務委託費をY社に支払い、Y社が駐車場管理業務(設備 (クイックパークシステム)の設置管理、駐車料金の集金、告知強化、不正出庫の常習者への督促等を行うこと)を主内容とするもの)を締結し、本件店舗の利用者の20分以内の駐車は無料で、20分超の駐車等は有料となった。これに伴い、本件駐車場の北西側(道路側)には「(当店)ご利用のお客様0分無料」「最大料金24時間毎900円、当店で700円以上お買上の方7 00円」「基本料金平日60分200円」などと記載された看板(甲6、1 55)が設置され、店舗建物の西側壁面に掲示されていた看板も「(当店の)駐車場は、お客様の安心・安全を考えロック板をなくし 」「基本料金平日60分200円」などと記載された看板(甲6、1 55)が設置され、店舗建物の西側壁面に掲示されていた看板も「(当店の)駐車場は、お客様の安心・安全を考えロック板をなくした駐車場です。カメラにより車両ナンバーを管理しております。」と記載された看板(甲6の5、44)に付け替えられた。(甲6、20、43の2~4、44、155、乙36~39、控訴人本人)」 ⑶ 32頁18行目の「なお」から33頁2行目末尾までを次のとおり改める。 「 被控訴人のお客様相談室には、本件店舗に関して、平成24年4月から令和元年10月までの間に、利用者から、別紙3記載のものを含めて、合計326件の申立てが寄せられた。それらの申立ての中には、同一案件について複数回の苦情申立てがされているものや、単なる問合せにすぎないもの、実際は本件 店舗に関するものではないものなども含まれていたところ、これらを除いた本件店舗に関する苦情申立て件数としてみても、200数十件に及んでいた。 お客様相談室への苦情申立てはなかったが、OFCやDMが把握した問題案件(別紙3の番号49、50等)もあった。(甲24、弁論の全趣旨)これらの案件について、被控訴人は、顧客を顧客とも思わないような異常な 顧客対応である旨主張するのに対し、控訴人は、事実関係が異なるものがある旨や利用者からの理不尽な要求や迷惑行為等のカスタマーハラスメントに対して毅然と対応したものである旨を主張し、控訴人本人(甲88を含む。)も、これに沿う供述をしている。また、控訴人の子であり一時期本件店舗の店長をしていた証人N(甲87を含む。)も、迷惑な言っても聞かない人にはがつん と言っていた旨や、口論になると顧客側の口調に合わせて言っていた旨などを供述している。そこで、 り一時期本件店舗の店長をしていた証人N(甲87を含む。)も、迷惑な言っても聞かない人にはがつん と言っていた旨や、口論になると顧客側の口調に合わせて言っていた旨などを供述している。そこで、以下において、内部連絡票が導入された後の平成28年以降における本件店舗の顧客対応に関する苦情の内容や、苦情に関する控訴人と被控訴人のやりとり等の事実関係であって判断に重要と考えられるものについてみておくこととする。」 ⑷ 33頁5行目の「ア」を「ア甲24の№77」と、15行目の「イ」を「イ 甲24の№79」と、25行目の「ウ」を「ウ別紙3の14番・甲24の№86」と、34頁10行目の「エ」を「エ別紙3の57番」と、それぞれ改める。 ⑸ 36頁2行目の「ア」を「ア甲24の№135」と、14行目の「イ」を「イ甲24の№138」と、同行目の「1月23日」を「1月30日」と、 37頁2行目の「ウ」を「ウ甲24の№151」と、12行目の「エ」を「エ甲24の№157」と、18行目の「電話」を「お客様相談室に電話」と、24行目の「オ」を「オ甲24の№158」と、38頁7行目の「カ」を「カ甲24の№160」と、18行目の「キ」を「キ別紙3の16番、甲24の№165」と、39頁6行目の「ク」を「ク甲24の№167」と、40頁 14行目の「コ」を「コ甲24の№169」と、18行目の「サ」を「サ甲24の№196」と、それぞれ改める。 ⑹ 41頁11行目の「平成30年」の次に「(ただし、アの本件駐車場における出来事については、平成30年以前のものも含む。)」を加え、12行目の「ア」を「ア別紙3の16~20・23・57番、甲24の№97・101・ 151・165・173・175・176・179・181 については、平成30年以前のものも含む。)」を加え、12行目の「ア」を「ア別紙3の16~20・23・57番、甲24の№97・101・ 151・165・173・175・176・179・181・196・201・202・211等」と、同行目の「3月まで、利用客が本件駐車場に長時間駐車すると」を「上記⑹ウ及びエ並びに上記⑺ウ、キ、ケ及びサ等のとおり、3月まで本件駐車場の車内で本件店舗で買った物を食べたり、長時間駐車したりしていると、アイドリングストップを求めたり、早く退出するよう求めたり していたほか、車を離れたまま長時間駐車していると」と、24行目の「イ」を「イ別紙3の25番、甲24の№218」と、42頁5行目の「ウ」を「ウ別紙3の26番、甲24の№232」と、18行目の「エ」を「エ別紙3の28番、甲24の№238」と、24行目の「オ」を「オ甲24の№246」と、43頁12行目の「カ」を「カ甲24の№254」と、それぞれ改める。 ⑺ 46頁1行目の「ア」を「ア別紙3の31番、甲24の№260」と、1 5行目の「イ」を「イ別紙3の32番、甲24の№261・262」と、それぞれ改め、19行目の「その代わり」から20行目の「払ってくれ」までを削る。 ⑻ 51頁26行目の「イ」を「イ甲24の№267」と、53頁7行目の「オ」を「オ甲24の№270」と、15行目の「甲123の51」を「甲123 の52」と、16行目の「カ」を「カ甲24の272」と、同行目の「26日」を「25日」と、それぞれ改める。 ⑼ 55頁6行目の「ア」を「ア甲24の№283」と改め、22行目末尾に「同従業員は、中国からの留学生であり、本件店舗を辞めたきっかけは、腹痛でトイレを使用したところ、控訴人から、トイ る。 ⑼ 55頁6行目の「ア」を「ア甲24の№283」と改め、22行目末尾に「同従業員は、中国からの留学生であり、本件店舗を辞めたきっかけは、腹痛でトイレを使用したところ、控訴人から、トイレ使用時間も賃金を支払わなけ ればならないという理由で「早く出なさい!」とトイレの扉を叩かれたためであった。」を加え、26行目の「甲120の3」を「甲120の2、120の3」と、56頁1行目の「ウ」を「ウ甲24の№299・302」と、26行目の「エ」を「エ甲24の№300・301」と、57頁23行目の「オ」を「オ別紙3の49番」と、58頁16行目の「P」を「普段の(普通の) セブン-イレブンはそうじゃないやんなどと言うP」と、59頁2行目の「カ」を「カ別紙3の50番」と、同行目の「協議」を「協議(控訴人本人は、有料なので注意はできないと言われたが、お客様が来れなくなるので使わないようお願いした旨や、買物しないで行かれた場合はいくら料金を払っても困るし、買物しても3時間4時間も停められると困るので、頼みに行った旨を述 べている(控訴人本人40・90頁)。)」と、4行目の「周知してもらう」から5行目末尾までを「周知してもらうよう申し入れた(ただし、J大(J高・J中)側がこれを了承したことや、実際に保護者らに周知したことを認めるに足りる証拠はない。)。控訴人は、店舗建物の西側壁面に、手書きでJ大関係者の駐車お断りと記載した用紙を貼っていたが、前記のとおり、本件駐車場の北 西側(道路側)には、本件駐車場の運営管理者であるY社が設置した提携時間 貸駐車場(すなわち店舗利用の有無に関係なく駐車可能)である旨を記載した正規の看板(甲6、155)が設置されていた。」と、6行目冒頭から23行目末尾までを「7月20日、 設置した提携時間 貸駐車場(すなわち店舗利用の有無に関係なく駐車可能)である旨を記載した正規の看板(甲6、155)が設置されていた。」と、6行目冒頭から23行目末尾までを「7月20日、J高生の保護者甲が本件駐車場の北側(店舗出入口側。西側壁面の前記張り紙は見えない位置である。)に駐車していたところ、控訴人は、J高生の保護者であることを理由に駐車を拒否した。そして、控訴 人は、学校から有料でも駐車しないように周知されているはずだと言ったところ、保護者甲が聞いてない旨を述べたのに対し、「クラス教えて。お金払ったらええっていうもんちゃうねん。そういう奴がおるから」と言い、保護者甲が警察を呼ぶと言うと、「呼べや、呼んでくれ。逆に俺、言うたるわ。名前何」、「クラスを言いなさい」などと言い、保護者甲が子の所属する学年とクラスを 回答した上、再び聞いてない旨を述べたところ、「聞いてるとか、聞いてないとか関係ないねん」「もう停めんといてくれ。もう二度と来んでええ」「はよ出て行け、はよ。はよ行け」などと言い、本件駐車場から速やかに退去するよう求めた。そして、上記車の隣に駐車していた別のJ高生の保護者乙に対し、先程の保護者甲のことを「こんなんが、こういうのが困るねんJ高は」などと言 い、駐車を拒否した。先程の保護者甲は、車を発進させる際に「だからあんたのところ、誰もけえへんねん、バイトがおらへんねん」「あんた病気やで、ちょっと」と言った。控訴人は、その別の保護者乙に対しても「学校から停めるなと言われてませんか。」「何年何組か言いなさい。はよ」と言ったのに対し、その保護者乙が「やめてください。警察言いますよ」「知らなかったんです」 などと述べたところ、控訴人は、「なら何組か言うて。担任の先生の名前言って。」「だから。担任 。はよ」と言ったのに対し、その保護者乙が「やめてください。警察言いますよ」「知らなかったんです」 などと述べたところ、控訴人は、「なら何組か言うて。担任の先生の名前言って。」「だから。担任の先生の名前を言えばええやん」「親がこんなんやから、子供もこんなんになるねん」などと言った。なお、この過程で、控訴人において、前記保護者らが本件店舗で買い物をしたのかどうかや3~4時間も停めていたのかどうかを確認していた形跡はない。(甲26の2・3)」と、24・ 25行目の「本部長(以下「Q本部長」という。)」を「社員(以下「Q社員」 という。)」と、60頁10行目の「ケ」を「ケ別紙3の38番、甲24の№314」と、同行目及び14行目の「Q本部長」をいずれも「Q社員」と、24行目の「甲55」を「甲55、123の69」と、それぞれ改める。 ⑽ 62頁12行目の「一室から本件店舗」を「一室を使用するなどして本件店舗(本件駐車場)」と、25・26行目の「契約変更をする意向がない旨」を 「前記契約変更約定書を締結する意向がない旨」と、65頁24行目の「カ」を「カ甲24の№319・321」と、それぞれ改める。 ⑾ 66頁23行目の「ア」を「ア別紙3の42番、甲24の№322」と、67頁3行目の「小走りでVらの方に駆け寄り」を「早足でVらの方に近寄り」と、68頁9行目の「小走りでVらに駆け寄り」を「早足でVらに近寄り」と、 16・17行目の「相対する」から18行目の「(13:42:10)」までを「Vが車内の方へ1回のけぞり、もう1回、今度は控訴人も一緒に車内に倒れ込んだこと(13:42:8~11)」と、72頁12行目の「確認できないし」を「確認することはできないし(ただし、Vは控訴人と一緒に車内に倒れ込んでおり、 、もう1回、今度は控訴人も一緒に車内に倒れ込んだこと(13:42:8~11)」と、72頁12行目の「確認できないし」を「確認することはできないし(ただし、Vは控訴人と一緒に車内に倒れ込んでおり、控訴人から頭突きをされて押し込まれた際に控訴人の胸倉をつ かんだために一緒に倒れ込んだということは、十分あり得る。)」と、17行目の「イ」を「イ別紙3の43番、甲24の№324」と、73頁17行目の「もみ合う」を「もみ合う(控訴人の方が運転手を体ごと押し込む。)」と、26行目の「ウ」を「ウ別紙3の44番、甲24の№326」と、それぞれ改める。 ⑿ 76頁12行目の「述べた」の次に「(甲34の2の24頁)」を加える。 3 争点に対する判断争点に対する判断は、当審における控訴人の補充主張を踏まえ、次のとおり補正し、後記4のとおり補足説明を付加するほかは、原判決「事実及び理由」第3の2から8まで(原判決81頁1行目から95頁22行目まで)記載のとおりで あるから、これを引用する。 ⑴ 83頁4行目の「認められる。」の次に「なお、控訴人は、乙76及び乙77の担当OFCとのラインのやり取りによれば、被控訴人から控訴人に対し連絡のあった苦情件数は、平成29年10月5日から平成30年10月までの約1年間では7件、同年9月20日から令和2年2月24日までの約1年5か月間で1件にすぎないとも主張しているが、担当OFCから控訴人に対 する顧客の苦情の連絡がラインのやり取りに限られないことは、乙77(46頁)で”H”OFCが「展示会中のため電話連絡が難しいため、ラインにて失礼します」等と述べて、客からの苦情をラインで連絡していることや、証人”D”DMが緊急性の高い案件については直接来店するか又は即時に連絡が ”OFCが「展示会中のため電話連絡が難しいため、ラインにて失礼します」等と述べて、客からの苦情をラインで連絡していることや、証人”D”DMが緊急性の高い案件については直接来店するか又は即時に連絡がとれる電話などで連絡する旨述べていること(証人”D”DM32頁)からも明 らかであり、同主張及び乙76及び乙77は、本件店舗の苦情件数に関する認定を左右するに足りるものではない。」を加える。 ⑵ 84頁23行目の「J中があるなど」を「J中があり、通勤や通学等のための人や車の往来があると考えられることなど」と改め、25行目末尾に「また、確かに、本件店舗の利用者数や売上高は減少していないが、内部連絡票の年間 作成件数は、平成28年で16件(認定事実⑹オ)、平成29年で24件(認定事実⑺シ)、平成30年で15件(認定事実⑻ク)程度であり、内部連絡票が作成されていない苦情申立てがあることを考慮しても、利用者数全体(年間35万人~40万人。認定事実⑷ア)に対する割合はわずかであるから、苦情を申立てた顧客が利用しなくなったとしても、本件店舗の利用者数及び売 上高に直ちに影響が出るとはいえない。したがって、利用者数及び売上高が維持されていたことは、控訴人の接客対応に問題がなかったことを示すものであるということはできない。」を加える。 ⑶ 85頁2行目の「送呈」及び4行目の「送付」をいずれも「交付」と改める。 ⑷ 86頁15・16行目の「人格攻撃をするものである」の次に「(被控訴人 の経営陣を無能呼ばわりして誹謗中傷することは、そのような経営陣によっ て経営されている被控訴人の社会的評価ないしブランドイメージをも低下させるものといえる。)」を、87頁5行目末尾に「控訴人は、仮に本件各投稿が名誉毀損行為又は侮辱行為に うな経営陣によっ て経営されている被控訴人の社会的評価ないしブランドイメージをも低下させるものといえる。)」を、87頁5行目末尾に「控訴人は、仮に本件各投稿が名誉毀損行為又は侮辱行為に該当するとしても違法性阻却事由が認められるべきであるとも主張するが、控訴人が摘示した「セブン本部と国が金の力で繋がっている」「腐敗しきった経営陣」等の事実について真実性の立証はなく、 真実と信じるに足りる相当な理由があったとも認められないから、同主張は採用することはできない。そもそも、控訴人と被控訴人とは継続的契約関係にあり、控訴人が被控訴人の体制の改善を求めるのであれば、SNS上で攻撃的言動をすること以外の方法もあったはずである。したがって、本件各投稿は、それが不法行為を構成するか否かにかかわらず、契約当事者間における信頼 関係を破壊するか否かを判断するための要素になるというべきである。」を、それぞれ加える。 ⑸ 92頁2行目の「(認定事実⒃カ)」の次に「、⑤ 控訴人は、同月29日にも、被控訴人に誓約書を差し入れた一方で、被控訴人の指摘する異常な接客対応の事実が存在するのか不明であり、仮に存在するとしても利用客からの一 方的な申告であり、被控訴人も問題視していなかったなどと、自身の顧客対応の問題や従前からの指摘を全く理解していない言動をしたこと(認定事実⒃キ)」を加える。 ⑹ 95頁21行目の「上記3」を「上記2~5」と改める。 4 補足説明 ⑴ 不意打ち的認定について控訴人は、原判決が別紙57件に含まれる12件以外の事実を異常な顧客対応に係る事実として認定したことは、不意打ち的認定である旨主張する。しかしながら、一件記録によれば、被控訴人は、原審第1 回口頭弁論期日において、被控訴人が約定解 れる12件以外の事実を異常な顧客対応に係る事実として認定したことは、不意打ち的認定である旨主張する。しかしながら、一件記録によれば、被控訴人は、原審第1 回口頭弁論期日において、被控訴人が約定解除事由(本件基本契約5条3号(セブン-イレブン・イ メージの信用を低下させる行為の禁止)違反)として主張する控訴人の異常な 顧客対応に関し、苦情一覧表(甲24)に記載された事実及び原審第1 事件原告第1準備書面別紙の「⑴「異常な顧客対応」実例一部抜粋一覧表」(以下「抜粋一覧表」という。)に記載された事実(甲24の苦情一覧表から抽出した事実及び他の証拠から認められる事実からなるもの。)が存することを主張していたこと(同準備書面14頁)、これに対し、控訴人は、原審第3回口頭弁論 期日において陳述した準備書面4(「異常な顧客対応」に関する認否反論))において、甲24の苦情一覧表には、単なる問い合わせが含まれていたり、控訴人には問題がなく顧客の対応の方が異常であったりするものがあるとして、その内容の真実性を争い、さらに、抜粋一覧表に記載された事実について個別に認否反論したこと、原判決別紙3は、抜粋一覧表に係る双方の主張を整理し たものであること、前記補正の上引用した原判決が認定した出来事のうち別紙57件に含まれていないものは、すべて甲24の苦情一覧表に記載されていたものであったことが認められる。仮に原審において本件催告解除の主要事実が別紙57件の事実であると主張整理されたものと解した場合でも、甲24の苦情一覧表の記載に基づき認定することができる事実は当該主要事実 の存在を推認させる間接事実となり得るものであるから、これらの事実の存否がおよそ攻撃防御の対象ではなかったなどと解することはできない。したがって、原審が、控訴 ことができる事実は当該主要事実 の存在を推認させる間接事実となり得るものであるから、これらの事実の存否がおよそ攻撃防御の対象ではなかったなどと解することはできない。したがって、原審が、控訴人の顧客対応に関し別紙57件以外の事実を認定したことは、実質的にみて不意打ちであるということはできない。また、別紙57件の事実は、そのすべてが認定されなければ、セブン-イレブン・イメージの信 用を低下させる行為にならないという性質のものではないから、別紙57件のうち10数件の事実が認められる場合において、裁判所が約定解除事由の要件を充足したと判断したとき、その余の事実を認定することなく解除の有効性を認めることは何ら妨げられないというべきである。 ⑵ 異常な顧客対応に関する判断について ア控訴人は、内部連絡票に記載された苦情の内容が正しいとは限らず、苦情 があったからといって、現実に控訴人が乱暴な言動や侮辱的な話し方をした事実を認定することはできない旨主張する。そして、控訴人本人は、控訴人(本件店舗)のルールに従わない人には注意し、丁寧に3回言っても聞いてもらえない場合や反論されると言葉が悪くなることがあるだけで、ルールに従わない者や注意に反論する者が悪い旨供述している。 確かに、顧客の態度に全く何も問題がないのに、控訴人との間でトラブルになるとは考えにくいから、苦情申立てがあった事例は、通常、顧客の態度にも問題があったり、控訴人の定めたルールに違反していたりした等の事情があったケースであると考えられる。しかし、顧客側に問題があったからといって、内部連絡票に記載された控訴人の言動が虚偽のものであるとい うことにはならない。控訴人の主観的認識は別として、顧客からみて、適切でないと思われるような控訴人 顧客側に問題があったからといって、内部連絡票に記載された控訴人の言動が虚偽のものであるとい うことにはならない。控訴人の主観的認識は別として、顧客からみて、適切でないと思われるような控訴人の設定したルール及びこれに基づく言動があり、そのことにより顧客の感情が害されたからこそ、苦情申立てがあったものと考えられるからである。内部連絡票は、リアルタイムで作成された当時の記録として信用性が認められ、内部連絡票に記載された内容は、特段の 事情がない限り、顧客からみた控訴人の実際の言動を認定するための証拠になるというべきである。 イ控訴人は、迷惑行為に対し「毅然として注意」すれば必然的に苦情申立てが増えるから、苦情の多いことを解除事由として考慮すべきではないとも主張するが、「毅然として注意」するのであれば、どんな言動をしてもよいと いうわけではない。本件店舗は被控訴人のフランチャイズ・チェーンの店舗であり、本件店舗への来店客は、潜在的には被控訴人のすべての店舗の顧客なのであるから、注意する際にも、常識に照らし、被控訴人の接客イメージを傷つけないような言動(苦情申立ての対象にされないような言動)が求められるはずである。したがって、控訴人が「毅然として注意」した結果、苦 情申立てが増加したのだとしても、苦情申立ての件数が多いことは、控訴人 の顧客対応に問題があったことを推認させるものというべきである。 ウ被控訴人が主張するように控訴人が異常な顧客対応を行っていたと認められることは、前記補正の上引用した原判決の認定説示のとおりであるが、以下、補足する。 まず、顧客から苦情申立てがされたり、被控訴人が把握したりした問題 案件には、別紙3記載のもののほか、原判決が認定したものなどがあり、重複等を のとおりであるが、以下、補足する。 まず、顧客から苦情申立てがされたり、被控訴人が把握したりした問題 案件には、別紙3記載のもののほか、原判決が認定したものなどがあり、重複等を除いても合計200数十件に及ぶことは、前記補正の上引用した原判決の認定説示のとおりである。 そして、それらの苦情申立てないし問題案件の内容は、例えば、本件店舗内での出来事に関しては、レジ対応等を巡って口論になり、もう来な くていいとか帰れなどと酷い言い方で言われた、レジ待ちの並び方を巡って口論になり、今までよく生きて来られましたねとか出て行けなどと侮辱的ないし喧嘩腰で言われた、レジ待ちで前の人が終わりそうだったからレジ前に出ると呼ぶ前に出たからもう一度列の後ろに並ぶようにとか、誰も並んでいない状態で前の人が終わりそうだったのでその後ろで 待っていたら並び始めた客もいるから後ろに並ぶようになどと言われて口論になった、本件店舗で昨日買った商品や他のセブン-イレブン店で買った商品のゴミを捨てると、持ち帰れと強要された、二度と来るななどと暴言や威圧的な言動をされた、などといった類のものである。また、本件駐車場での出来事に関しては、平成30年3月までは、店舗建物の西側 壁面20分以上の無断駐車で(罰金)1万円との看板が掲示されていたところ、長時間駐車していたらチェーンでタイヤロックされて1万円払わないと外さないと威迫的に言われた、謝っても払うまで許してくれなかった、本件店舗で買ったものを車内で食べているとすぐに出ていけと言われた、(夏場に)アイドリング停止を理不尽に要求された、平成30年 4月の有料化(提携時間貸駐車場化されたものであり、法的客観的には本 件店舗利用者でなくても料金を支払えば駐車可能で れた、(夏場に)アイドリング停止を理不尽に要求された、平成30年 4月の有料化(提携時間貸駐車場化されたものであり、法的客観的には本 件店舗利用者でなくても料金を支払えば駐車可能であるし、その管理運営主体はY社である。)以降も、タイヤロック等がみられなくなったほかは同様であり、J大関係者というだけで駐車を拒否され喧嘩腰で怒鳴られた、喧嘩腰で威圧的に言われた、警察沙汰になった、などといった類のものである。 控訴人の言動を記載した内部連絡票には信用性が認められるべきことは前記のとおりであり、このような苦情申立て等の内容は、いずれも控訴人自身が自認している自店のルールに従わない者には注意するという方針や、反論されると言葉が悪くなるという対応とも整合するものである。 したがって、控訴人は、別紙3を含む苦情申立ての対象となった言動を実 際に行っていたものと推認することができるというべきである。 控訴人は、これらの出来事について、ルールに従わない迷惑な利用者側に問題がある旨主張する。しかるところ、ルール自体の内容の合理性はさておき、仮に顧客側に何らかのルール違反があったとしても、本件で問題となるのは、顧客に注意する場合の控訴人の言動が常識的にみて被控訴 人のブランド名で営業している店舗の来店者に対する接遇として適切であったかどうかである。本件店舗に関する苦情申立てが突出して多いことや、警察沙汰(110番通報)になることもしばしばあり、暴力ないし有形力行使に発展した案件も複数あることは、前記補正の上引用した原判決の認定説示のとおりである。前記のとおり、本件店舗に関する苦情申 立てが突出して多かったことは、「ルールを守らない」者に対して注意する場合を含む控訴人の顧客対応が他のセブン-イ 引用した原判決の認定説示のとおりである。前記のとおり、本件店舗に関する苦情申 立てが突出して多かったことは、「ルールを守らない」者に対して注意する場合を含む控訴人の顧客対応が他のセブン-イレブン店とは異なるものであったことを示すものであると考えられる。 この点、本件店舗の歴代の担当者(OFC)らはいずれも、控訴人の言葉遣い・暴言や対応に問題があった旨を述べている(甲95~100、1 18、119、121、138、145、147、証人”C”ZM、同” D”DM、同”F”OFC、同”G”OFC、同”H”OFC)。本件建物の敷地所有者や近隣住民等も、例外はある(乙91、92)ものの、多くは、控訴人に怒鳴られた、酷い扱いを受けた、失礼な物言いをされた、よく警察沙汰になっていた、胸を突き押された、喧嘩腰で言われたなどと非難している(甲30、51~53、61~63、77)。本件店舗の従 業員も、一部を除き(乙86)、多くは、控訴人の言動は酷く行き過ぎだし従業員にも厳しいなどと批判している(甲28、29、113、114、120、153)。控訴人が、従業員に対する賃金を支払わず労基署から是正勧告を受けたことがあることも前記認定事実⑿イのとおりである。 これらの点は、いずれも控訴人には、自己の認識や主張が正しいと思えば、 均衡を失した過剰な対応をする傾向があり、その顧客対応に問題があったことを裏付けるものということができる。 そもそも、控訴人が「毅然として注意する」場合の前提としていた控訴人の方針やこれに基づく対応には、一般的にはあるいは他の店舗であれば通常注意されないようなこともルール違反として注意することも含まれ ている(例えば、前日に本件店舗で購入したコーヒーカップ等のゴミや他のセブン-イレブン店で 一般的にはあるいは他の店舗であれば通常注意されないようなこともルール違反として注意することも含まれ ている(例えば、前日に本件店舗で購入したコーヒーカップ等のゴミや他のセブン-イレブン店で購入した同様のゴミも捨てることを認めないとか、J大関係者の駐車は認めない等)。また、長時間駐車をした者から罰金1万円を取立てること(そのようなことは30回以上あったものと認められる(甲24、28、113)が、本来、「罰金1万円」の表示は警告・ 抑止策にすぎず、無断駐車により1万円の損害が当然に発生するわけではない上、控訴人は駐車場の敷地所有者でも賃借権者でもなく、本件基本契約に基づき本件店舗で営業することが認められていただけであるから、1万円を取得することができる法的権利を有していたわけではない。)は、チェーンでタイヤロックするという他人の財産権に対する侵害行為を行 った上、利用者に支払を強要するというもので、不法行為に問われてもお かしくないものである。無断駐車がよくないことは事実であるが、これに対抗するため控訴人のとった行動は違法な自力救済に類するものであって均衡を欠くものであったといわざるを得ない。顧客の側からすれば、一般的にはあるいは他の店舗ではルール違反とまではされず特に問題視されないことで、予想外に注意されたり、自身に非があることでも、過剰な いし不合理な要求に従うことを強要されたりすれば、反発することも当然生じてしまうと考えられる。しかも、控訴人は、最初からいきなり命令口調で横柄な言い方をすることがしばしばあったことが明らかであり(証拠(甲26の1~3、77~82、証人V)によれば、控訴人は、いきなり命令口調ないし詰問調で横柄な言動をしたり、大声で怒鳴ったりしており、 これらの証拠に係る出来事 ったことが明らかであり(証拠(甲26の1~3、77~82、証人V)によれば、控訴人は、いきなり命令口調ないし詰問調で横柄な言動をしたり、大声で怒鳴ったりしており、 これらの証拠に係る出来事の発生時期が、いずれも控訴人が2月10日付け通知書により接客態度に問題がある旨の警告を受けた後であることを考慮すると、控訴人が主張する3回は丁寧に言うというのが常態であったなどとはおよそ考えられない。)、本件店舗でこのような対応を受けた顧客が反発したであろうことは容易に推認することができる。しかも、控訴人 は、反発する顧客に対しては、それを宥めるのではなく、乱暴な言い方で罵り返し、トラブルをエスカレートさせた上、当該顧客は二度と本件店舗に来なくてもかまわないという態度をとっていたことが認められる(控訴人のように顧客とつかみ合いになっても、暴力は止めましょうなどと諫めるのではなく、どつき合いしましょうか・一発ずつ殴って終わりにしまし ょうかなどと喧嘩腰で対応するとか、明らかに自分に非があるにもかかわらず、先方が謝罪をするなら、自分も謝罪するという態度をとるなどというのは、セブン-イレブン・イメージの保持云々以前の問題である。)。このような他の店舗ではみられないような過剰な対応や横柄な言動をしていれば、必然的に苦情申立ては多くなるし、警察沙汰になることもあると 考えられる。したがって、このような控訴人の異常というべき顧客対応の 結果が、本件店舗に関する苦情申立てや警察沙汰の多さに表れているものと認められるというべきである。 エ以上のとおり、別紙3の多数の苦情申立てないし問題案件の原因の大半は、他のセブン-イレブン店と異なる控訴人(本件店舗)独自の対応によるものであり、当該対応は、顧客が反発し口論等に発展する エ以上のとおり、別紙3の多数の苦情申立てないし問題案件の原因の大半は、他のセブン-イレブン店と異なる控訴人(本件店舗)独自の対応によるものであり、当該対応は、顧客が反発し口論等に発展することがあるのも当 然というべき控訴人の言動であって、被控訴人のフランチャイズ店に要請される統一的なフレンドリーサービスから逸脱しているものであったということができる。これに反する控訴人の主張は、採用することができない。 ⑶ 信頼関係の破壊について控訴人は、平成24年2月24日に開店してから、令和元年12月20日付 けの本件催告書を交付されるまでの間、被控訴人から、控訴人の接客方法が本件基本契約の根本部分を損なうものであるという明確な判断を示して改善等を求められたことはなく、被控訴人が控訴人の接客方法を黙認していたという経緯があるから、控訴人の顧客対応により被控訴人との信頼関係が破壊されたなどということはできない旨主張する。 しかし、控訴人本人も、従前から言葉遣いが悪いと注意されていたことは認めている(これまで認定説示してきたところからすれば、控訴人の言葉遣いや言い方の悪さがトラブル・苦情を招く大きな要因であったことは明らかである。)。また、平成30年4月に本件駐車場が被控訴人の近畿圏の一般店舗(セブン-イレブン店)で初めて有料提携駐車場化されたのも、本件店舗において 長時間駐車に対して罰金支払いを強要するとか、トラブルになって暴力事件とか警察沙汰になるといった出来事が多発して止まなかったためであり、控訴人が担当OFCらから言動について注意されていたにもかかわらず過剰な対応を改めなかったからにほかならない。確かに、有料提携駐車場化された平成30年4月の時点では、被控訴人は、今後、本件店舗に対するクレーム 当OFCらから言動について注意されていたにもかかわらず過剰な対応を改めなかったからにほかならない。確かに、有料提携駐車場化された平成30年4月の時点では、被控訴人は、今後、本件店舗に対するクレームがど うなるのかを注視するというスタンスであり、当時、被控訴人において、接客 態度不良を理由に直ちに本件基本契約を解除することまで考えていたとまでは認められない(証人”C”ZM5、8頁、証人”D”DM21、22頁)。 しかし、担当OFCらは、控訴人がトラブルを起こすたびに控訴人の注意の仕方に問題がある等と指導してきた(甲121の2の2等)のであり、黙認していたわけではない(控訴人は、控訴人の対応について被控訴人の担当者らが理 解を示していたというが、担当者らが一定の理解を示していたのは、「迷惑行為に対応する必要があった」という控訴人の言い分についてであって、「迷惑行為」に対応する場合における控訴人の「注意の仕方や方法」についてまで理解を示していたわけではない。)。そして、被控訴人が作成・交付した2月1日付け通知書(甲25)には、接客方法もセブン-イレブン店の信用を支えるセ ブン-イレブン・イメージの構成要素であり、本件基本契約は、加盟店がその信用を低下させる行為を禁止していること、具体的な接客等の方法は、システムマニュアルやパートタイマートレーニングガイドブックに記載されていること、控訴人の接客方法は、本件基本契約4条2項4号及び5条3号に違反するものであり、違反状態の是正及び二度と行わない旨の誓約をしない場合に は、本件基本契約を解除することが明記されていたから、控訴人は、遅くとも、平成31年2月1日以降は、接客方法の改善が、本件基本契約の解除に至るほど重要な問題であることを認識することができたはずである。し 本件基本契約を解除することが明記されていたから、控訴人は、遅くとも、平成31年2月1日以降は、接客方法の改善が、本件基本契約の解除に至るほど重要な問題であることを認識することができたはずである。したがって、本件催告書を受け取って初めて顧客対応が本件基本契約の解除事由になるほどの問題であると知った旨の控訴人の主張は、到底採用することができない。控 訴人は、2月1日付け通知書を受領した以降も、接客方法を改善しようとせず、令和元年8月27日のU取締役との面談においても、顧客対応に問題があることを否定し、改善しようとする姿勢をみせなかったことが認められる。控訴人は、それまで何度も担当OFCらから注意の仕方や言葉遣い等について問題があるとの指摘を受けていたから、U取締役による調査確認がなければ、何 が問題とされており、どのような改善が求められているのかを認識すること ができなかったとは考えられない。控訴人は、2月1日け通知書を受け取り、自らの接客態度を見直す機会が与えられたにもかかわらず、平成31年2月以降も、前記認定事実⑾以下のとおり、問題のある顧客対応を繰り返した上、被控訴人が撮影していた動画(甲26、79、82。前記認定事実⑿オ・カ、⒂ア・イ)においても、控訴人の顧客対応が過剰ないし異常な問題のあるもの であることが確認されたのであるから、このような控訴人の顧客対応に対する姿勢が、被控訴人との間の信頼関係を破壊したものと評価されてもやむを得ないというべきである。控訴人は、被控訴人がカスタマーハラスメントに対する基本方針や基本姿勢を示してこなかったことを考慮すべきであると主張するが、被控訴人は、控訴人に対し、他の店舗と同様、顧客に対する一般的な 社会常識の範囲の対応をすることを求めていたにすぎないから、同主 や基本姿勢を示してこなかったことを考慮すべきであると主張するが、被控訴人は、控訴人に対し、他の店舗と同様、顧客に対する一般的な 社会常識の範囲の対応をすることを求めていたにすぎないから、同主張は採用することができない。 ⑷ 本件催告解除の真の目的について控訴人は、本件催告解除は、元日休業等について再び世間の注目を集めていた物言うオーナーである控訴人を排除する目的でされたものであり、誠実に 交渉しようともしなかった被控訴人による解除は制限されるべきであるなどと主張する。確かに、本件催告解除は、控訴人が元日休業しようとしていた直前である令和元年12月31日にされたものである。 しかしながら、前記したとおり、被控訴人は、遅くとも2月1日付け通知書を交付した平成31年2月1日時点で、控訴人に対し、控訴人の接客態度に改 善がみられないときは本件基本契約を解除する可能性があることを明らかにしている。同日から本件催告解除の前提となる本件催告がされた令和元年12月20日までの約10か月間、控訴人は、自らの接客態度を見直す十分な機会が与えられていたということができる(控訴人は、被控訴人の担当者らは「言葉遣いの助言」をしていたにとどまり、本件基本契約の根本部分を損なう という強い指導はしてこなかったと主張するが、「言葉遣い」は接客において 極めて大切なことであり、基本四原則のフレンドリーサービス(心のこもった感じの良い応対)を構成する重要な要素であることは明らかである。)。それにもかかわらず、認定事実⑾以下のとおり、控訴人は、従前と同様の顧客対応を繰り返しため、本件催告解除に至ったのであり、このような経緯に照らすと、本件催告解除が「物言うオーナーを排除する目的」で行われたものである旨の 控訴人の前記主張は 訴人は、従前と同様の顧客対応を繰り返しため、本件催告解除に至ったのであり、このような経緯に照らすと、本件催告解除が「物言うオーナーを排除する目的」で行われたものである旨の 控訴人の前記主張は採用することができない。したがって、同主張を前提に本件催告解除の効力を制限すべきである旨の控訴人の主張も理由がない。 ⑸ 控訴人の接客態度の解除事由該当性について控訴人は迷惑行為等をする顧客に対し毅然とした態度をとることは、被控訴人の接客方法に関するブランドイメージを低下させるものではない等と主 張する。しかし、「毅然とした態度」をとるということと、顧客の感情を傷つけるような暴言を吐いたり、有形力を行使したりするなどして、二度と被控訴人のフランチャイズ店舗に来させないようにすることとは同義ではない。そもそも、控訴人のいう「迷惑行為」も、控訴人が定めた独自のルールに反する行為をしたというだけで、いわゆるカスタマーハラスメントをしている顧客 などとは同視することができないものがある(例えば、常識的に考えて、他のセブン-イレブン店舗で購入したコーヒーカップを本件店舗のゴミ箱に捨てることや、J大関係者であるというだけで有料化されている本件駐車場に駐車することが「迷惑行為」になるなどとはいえないはずである。)から、「カスタマーハラスメントに対し毅然とした態度をとることが推奨されている」と いった一般論を当てはめて、控訴人の言動を正当化することはできない。また、駐車料金を踏み倒そうとした顧客に注意することは正当なことであるとしても、相手の車を蹴りつけることは正当な行為であるとは言うことはできない(控訴人は足を出すなどして車の進行を止めようとしただけである旨主張するが、証拠(甲52、82、83及び123の71)に照らし、同主張を を蹴りつけることは正当な行為であるとは言うことはできない(控訴人は足を出すなどして車の進行を止めようとしただけである旨主張するが、証拠(甲52、82、83及び123の71)に照らし、同主張を 採用することができないことは、前記補正の上引用した原判決の説示すると おりである。)。 控訴人は、接客方法に関する被控訴人のブランドイメージ等が明らかにされていない旨主張するが、被控訴人のシステムマニュアル(甲21の1及び2)やレジトレーニングテキスト(甲22の1及び2)には、「フレンドリーサービス」について「お客様は本来“来ていただけないもの”、「また来たい」 と思っていただくには、自分がお店に行ったときにして欲しいことを、誠意を尽くして実行することです。」と記載されており、フランチャイズ・チェーンを運営する被控訴人にとって本件店舗を含むすべての店舗においてこれが実践されることを通じて、グループ全体として同一の接客水準を確保し、各店舗の売上向上に繋げることが重要であることは、社会人として相応の経験もあ った控訴人において理解することが困難であったとは思われない。控訴人は、最初は丁寧な声掛けをしていたと主張しているが、証拠に照らし同主張を採用することができないことは前記したとおりである。したがって、控訴人が主張する点は、いずれも本件において控訴人の接客態度が約定解除事由に該当する旨の前記判断を左右するに足りるものではない。 ⑹ ツイッター投稿について控訴人は、本件各投稿がセブン-イレブン・イメージの信用を低下させる行為と直接結びつくものではなく、正当な批判又は論評行為として違法性が阻却されるべきである旨主張する。 しかしながら、本件各投稿には、経営陣の経営判断を論難するにとどまら ず、被控訴人を誹 行為と直接結びつくものではなく、正当な批判又は論評行為として違法性が阻却されるべきである旨主張する。 しかしながら、本件各投稿には、経営陣の経営判断を論難するにとどまら ず、被控訴人を誹謗中傷する内容を含み、正当な論評の域を超えていると認められる内容のもの、事実摘示による名誉毀損行為であり違法性阻却事由も認められない内容のもの、経営陣の人格攻撃にわたる内容のものが含まれていることは、前記補正の上引用した原判決のとおりである。また、不法行為の成否にかかわらず、継続的契約関係にある当事者である控訴人と被控訴人と の間において、本件各投稿の内容を信頼関係破壊の有無の判断に当たり考慮 することができると解すべきことも前記のとおりである。したがって、控訴人の前記主張は採用することができない。 ⑺ 控訴人が本件催告に応じたことについて控訴人は、催告期間が10日間しかなく、被控訴人が個別具体的な接客方法の問題点を明らかにしようとしなかった等と主張するが、控訴人が、平成31 年以前から異常な顧客対応の是正を求められていたこと、2月1日付け通知書には、接客方法がセブン-イレブン・イメージの構成要素であり、控訴人の接客方法は本件基本契約4条2項4号及び5条3号に違反する旨の指摘がされていたこと、これまで担当OFCらから何度も言葉遣い等について注意を受けていた控訴人において何が問題とされていたのかを認識することができ なかったとは考えられないことは、前記のとおりである。したがって、信頼関係を回復するため、控訴人に対し、10日間の催告期間内に従前の接客対応に対する問題点を被控訴人と共有し、適切な接客対応のための具体的改善方法を提示する措置等を求めることが、約定解除事由の要件を加重するものということはできない。 間の催告期間内に従前の接客対応に対する問題点を被控訴人と共有し、適切な接客対応のための具体的改善方法を提示する措置等を求めることが、約定解除事由の要件を加重するものということはできない。 控訴人は、令和元年12月20日の面談直後に報道陣に対し行った発言は、控訴人の意見にすぎず、事実に反する説明をしたとはいえない旨主張するが、本件催告書(甲32)及び当日の面談の内容(甲34)をみても、被控訴人が解除事由として指摘していたのは控訴人の接客態度と本件各投稿による誹謗中傷であって、元日休業問題ではない。それにもかかわらず控訴人が面談直後 に報道陣に対し「聞こえてましたか。一応ね。あのね、正月1日にやっぱり休んでもらうとまずいということで」(甲34の2の44頁)等と発言したことは、控訴人において、被控訴人との信頼関係を修復する意思がなかったと評価されてもやむを得ない。控訴人は、同月24日の被控訴人代表者宛書簡(甲36)においても、「身に覚えのないこと」などと述べた上、カスタマートラブ ルの増加が社会問題になっている等として自己の言動を正当化しており、被 控訴人の指摘を踏まえて従前の態度を反省し、接客を改善しようとする意思を何ら示していない。同月25日、”D”DMらが本件店舗を訪れ、平成31年以降の本件店舗に関する苦情約50件を読み上げた(甲129の19)後も、控訴人は、同月27日の記者会見では「被控訴人と円満解決したい」と述べる一方、「クレームが殺到しているとだけ言われても、内容などを言われていな いから改善のしようがない」と述べるなど、明らかに被控訴人が実際に行った説明と異なる事実を告げている(甲89)。控訴人は、同月29日に顧客からクレームが出ない接客態度をとること及び本件アカウントを削除することを誓 うがない」と述べるなど、明らかに被控訴人が実際に行った説明と異なる事実を告げている(甲89)。控訴人は、同月29日に顧客からクレームが出ない接客態度をとること及び本件アカウントを削除することを誓約する旨の誓約書(甲38)を差し入れ、本件アカウントは実際に削除したものの、同日の面談においても、その直前までの控訴人の言動について、控訴 人が謝罪したことはなく、控訴人は、被控訴人が指摘する顧客からのクレームが本当のものかどうか分からない等と発言していたことが認められる(甲47の1の3、6頁)。すなわち、控訴人は、2月1日付け通知書を受領した後も、接客態度を改めなかったのみならず、本件催告後においても、前記のような言動を繰り返していたのであるから、控訴人が主張するその他の事情を考 慮したとしても、控訴人が本件催告に係る10日間の催告期間中に信頼関係を回復するための措置をとったと評価することはできないというべきである。 したがって、控訴人の前記主張は採用することができない。 第4 結論以上によれば、被控訴人によるフランチャイズ契約の催告解除は有効であり、 被控訴人の第1事件第1次請求①~③は、いずれも理由がある(ただし、請求②の遅延損害金の始期は令和2年2月4日の限度で理由がある。)から認容し、控訴人の第2事件請求は、いずれも理由がないから棄却すべきである。 よって、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第2民事部 裁判長裁判官 清水響 裁判長裁判官 清水響 裁判官 田中俊行 裁判官 佐々木愛彦

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る