- 1 - 主文 1 被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dは,原告Fに対し,連帯して999万4056円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dは,原告Gに対し,連帯して490万3540円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dは,原告Hに対し,連帯して31万5105円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dは,原告Iに対し,連帯して1万2445円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告らの被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dに対するその余の請求並びに被告B2,被告B3,被告C2,被告C3,被告E1及び被告E2に対する請求を,いずれも棄却する。 6 訴訟費用はこれを60分し,その29を被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dの連帯負担とし,その15を原告F,その1を原告G,その5を原告H,その10を原告Iの負担とする。 7 この判決は,1項ないし4項に限り仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 被告らは,原告Fに対し,連帯して1965万8968円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告Gに対し,連帯して547万9640円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 - 2 - 3 被告らは,原告Hに対し, 。 2 被告らは,原告Gに対し,連帯して547万9640円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 - 2 - 3 被告らは,原告Hに対し,連帯して301万3349円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告Iに対し,連帯して605万7950円及びこれに対する平成24年4月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 訴訟物等⑴ 被告A1(当時●●歳)が,平成24年4月23日午前7時58分頃,京都府亀岡市において,被告B1(当時●●歳)所有名義の普通乗用自動車(以下「本件自動車」という。)に,被告C1(当時●●歳)及び被告D(当時●●歳)を同乗させて無免許運転中,集団登校をしていた小学生である原告F(当時10歳)及び原告G(当時8歳)らの列に本件自動車を衝突させ,両名らに傷害を負わせる事故(以下「本件事故」という。)が発生した。 ⑵ 本件は,原告F,原告G,両名の父である原告H及び母である原告Iが,被告A1に対しては,民法709条又は自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条に基づき,被告B1に対しては,民法719条2項,709条又は自賠法3条に基づき,被告C1及び被告Dに対しては,民法719条2項,709条に基づき,被告A1の当時同居の父である被告A2,被告C1の同居の父母である被告C2及び被告C3並びに被告Dの同居の父母である被告Eらに対しては,民法709条に基づき,被告B1の同居の父母である被告B2及び被告B3に対しては,民法709条又は自賠法3条に基づき,本件事故による損害賠償金(原告F:1965万8968円,原告G:547万9640円(ただし,平成28年7月25 同居の父母である被告B2及び被告B3に対しては,民法709条又は自賠法3条に基づき,本件事故による損害賠償金(原告F:1965万8968円,原告G:547万9640円(ただし,平成28年7月25日の通院までの損害に限る一部請求),原告H:301万3349円,原告I:605万7950円(ただし,休業損害は同日支給分の給与までの損害に限る一部請求))及びこれに対する不法行為日(本件事故の日)である平成24年4月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた - 3 - 事案である。 2 前提事実(証拠の掲記のない事実は当事者間に争いがない)⑴ 本件事故の概要(甲1,2,3)ア発生日時平成24年4月23日午前7時58分頃イ発生場所京都府亀岡市a町bc番地先の府道d線(幅員約3.8mで中央線がない。以下「本件現場」という。)ウ本件自動車普通乗用自動車(京都********)運転者:被告A1,所有者:被告B1エ事故態様本件現場付近で緩やかに左に湾曲した府道d線を,東から西に向かって遅くとも時速50kmで走行中の本件自動車が,右前方に逸走し,本件現場の右側(北東側)路側帯の内側を東から西に歩行していた引率者1人と原告F及び原告Gら小学生9人に,その背後から衝突した。 ⑵ 原告F及び原告Gの傷害原告Fは,本件事故により,頚椎骨折,右鎖骨骨折及び右腸骨骨折等の傷害を負った(甲21)。 原告Gは,本件事故により,頭部打撲傷,左顔面打撲擦過傷及び右下腿打撲擦過傷の傷害を負った(甲24)。また,PTSD(心的外傷後ストレス障害)及び抑うつ状態と診断された(甲25。同傷害の発症・程度・因果関係については当事者間に争いがある。)。 原告F及び原告 打撲擦過傷の傷害を負った(甲24)。また,PTSD(心的外傷後ストレス障害)及び抑うつ状態と診断された(甲25。同傷害の発症・程度・因果関係については当事者間に争いがある。)。 原告F及び原告G以外にも,本件事故により引率者及び小学生2人が死亡し,小学生5人が傷害を負った。 ⑶ 刑事事件及び少年保護事件の結果 - 4 - 被告A1は,大阪高等裁判所において,本件事故等に関する道路交通法(無免許運転の禁止)違反及び自動車運転過失致死傷罪の犯罪事実により,5年以上9年以下の懲役に処する旨の判決の宣告を受け,同判決は確定した(甲2,3)。 被告B1は,京都地方裁判所において,平成24年4月22日,知人に対し,本件自動車の無免許運転を教唆し,同日,京都市e区において,同知人に本件自動車の無免許運転をさせたことを犯罪事実とする道路交通法(無免許運転の禁止)違反教唆の罪により,罰金25万円に処する旨の判決の宣告を受け,同判決は確定した(甲90)。 被告C1は,京都地方裁判所において,本件事故に関する被告A1の道路交通法(無免許運転禁止)違反幇助の犯罪事実により,懲役6月,執行猶予3年の判決の宣告を受け,同判決は確定した(甲99)。 被告Dは,京都家庭裁判所において本件事故に関する被告A1の道路交通法(無免許運転禁止)違反幇助の非行事実により,保護観察に付する旨の決定を受け,同決定は確定した(甲105)。 ⑷ 被告A1の責任原因本件事故は,被告A1が,連日の夜遊びによる寝不足等により強い眠気を催し,前方注視が困難な状態になった際,直ちに運転を中止すべきであったのに,本件自動車の運転を継続した過失により,仮睡状態に陥り,本件自動車を右前方に逸走させたことにより発生した。 被告A1は,本件事故による原告 な状態になった際,直ちに運転を中止すべきであったのに,本件自動車の運転を継続した過失により,仮睡状態に陥り,本件自動車を右前方に逸走させたことにより発生した。 被告A1は,本件事故による原告F及び原告Gの傷害に関し,民法709条又は自賠法3条に基づき責任を負う。 (被告Aら以外の被告らとの間の関係では,甲2,3及び弁論の全趣旨)⑸ 保険金の支払原告Fは,被告A2が契約する保険会社からは本件事故の治療費の填補を受けた以外に損害の填補として計100万円を受領し(弁論の全趣旨),自 - 5 - 賠責保険からは後遺障害の損害の填補として331万円を受領した(甲29)。 原告Gは,保険会社から治療費の填補を受けた(弁論の全趣旨)。 3 主たる争点⑴ 被告B1の責任ア自賠法3条に基づく運行供用者責任イ民法719条2項に基づく責任⑵ 被告C1の民法719条2項に基づく責任⑶ 被告Dの民法719条2項に基づく責任⑷ 被告A2の民法709条に基づく監督責任被告B2及び被告B3の責任ア自賠法3条に基づく運行供用者責任イ民法709条に基づく監督責任⑹ 被告C2及び被告C3の民法709条に基づく監督責任⑺ 被告Eらの民法709条に基づく監督責任⑻ 原告らの損害額 4 主たる争点に関する当事者の主張⑴ 被告B1の責任ア自賠法3条に基づく運行供用者責任原告らの主張a 以下の事情によれば,本件事故時,被告B1は本件自動車の運行を支配していた。 被告B1は,被告A1らと一緒に行動し,被告A1が本件自動車を運転するのを現認していた上,被告A1に本件自動車を運転させて被告B1の自宅まで送ってもらい,被告A1が本件自動車を運転していくのを異議なく見送った。 被告B1は 行動し,被告A1が本件自動車を運転するのを現認していた上,被告A1に本件自動車を運転させて被告B1の自宅まで送ってもらい,被告A1が本件自動車を運転していくのを異議なく見送った。 被告B1は,Jが本件自動車を返却する予定の平成24年4月2 - 6 - 2日の夕方に本件自動車が返却されなかったにもかかわらず,一度被告C1に電話しただけで,それ以上Jや被告C1に連絡して返却を求める行動をとらなかった。 b 被告B1は,被告A1,被告C1及びJらとの遊び仲間という人的関係を通じて本件自動車を被告A1らに貸与したから,本件事故当時も被告B1に本件自動車の運行利益が帰属している。 被告Bらの主張a 以下の事情によれば,本件事故時,被告B1は本件自動車の運行支配を失っていた。 被告B1は,Jに対して仕事で使用する目的のために平成24年4月22日の夕方までに限定して本件自動車を貸したにすぎないから,その後に被告A1が本件自動車を運転したことは預り知らない事柄である。被告B1が被告A1に本件自動車を運転させていたとしても,前記貸与の相手・目的に照らし,一時的なものにとどまり,被告A1による運転の継続を予定していたとはいえない。 ⒝ 被告B1がJから連絡先を聞こうとしていないのは,日常的に暴行を受けて畏怖しているKらの仲間であるJと車両の返却について連絡を取るのが心理的に不可能であったためである。被告B1は,平成24年4月22日の午後7時頃に被告C1に対して返却を要請しており,約束を反故にされた被告B1に本件自動車の運行を指示・制御することはできなかった。 b 被告B1と被告A1及びJとは,平成24年4月21日がほぼ初対面であり,友人関係にはなかったから,被告A1の本件自動車の運転に関し,被告B1に運行利益は存在しない。 御することはできなかった。 b 被告B1と被告A1及びJとは,平成24年4月21日がほぼ初対面であり,友人関係にはなかったから,被告A1の本件自動車の運転に関し,被告B1に運行利益は存在しない。 イ民法719条2項に基づく責任原告らの主張 - 7 - 被告B1は,被告A1らと一晩同行しており,被告A1が睡眠不足であること及び無免許である可能性があることを容易に認識できたのであるから,貸与の際に被告A1の体調や免許の有無を確認したり,自動車の返却を求めたりする注意義務があったにもかかわらず,被告A1に本件自動車を貸与して返却を求めず利用させ,本件事故の発生を容易にさせたため,教唆ないし幇助に該当し,民法719条2項,709条による責任を負う。 被告Bらの主張被告B1は,被告A1が無免許であること及び被告A1が本件自動車を使用することを知らなかった上,被告B1が被告A1らと別れてから本件事故が発生するまでに1日以上もの時間が経過しているから,本件事故時に被告A1が睡眠不足の状態を続け居眠り運転をすることを被告B1が予見できるはずはない。 ⑵ 被告C1の民法719条2項に基づく責任ア原告らの主張被告C1は,被告A1と行動を共にし,被告A1が不眠不休の状態であり,眠気を催していたことを知っていたから,仮眠状態に陥って居眠り運転による事故が発生することを容易に予見できた。被告C1は,被告A1が居眠り運転による事故を起こさないように運転を中止させる義務を負っていたが,被告A1の運転を中止させなかったばかりか,被告A1が寝ないように話しかけて運転を継続させるよう働きかけ,被告A1の不法行為に積極的に加功したといえ,民法719条2項,709条(教唆又は幇助)に基づく責任を負う。 イ被告Cらの主 りか,被告A1が寝ないように話しかけて運転を継続させるよう働きかけ,被告A1の不法行為に積極的に加功したといえ,民法719条2項,709条(教唆又は幇助)に基づく責任を負う。 イ被告Cらの主張十分な睡眠を取っていないからといって直ちに運転中に仮睡状態に陥る危険があるとはいえないから,仮睡状態に陥ることを予見できたといえる - 8 - には,睡眠不足の認識では足りず,通常の運転と異なる危険を感じさせる事情が必要である。 被告A1は,被告C1が起きている間は長距離を問題なく運転しており,帰路の方向が分からなくなったからといって眠気や疲労が理由とは限らず,その認識ができたとはいえず,通常の運転と異なる危険を感じさせる事情はなかった。したがって,被告C1に本件事故への予見可能性はない。 幇助とは,他人の不法行為の実行を容易にする行為がすべて含まれるものではなく,不法行為を実際に行った他人と同様の不法行為責任を負わせることが公平の観点から是認されるような行為でなければならない。被告C1が被告A1に対して話しかけた時は,被告A1は問題なく本件自動車を運転しており,仮睡状態に陥るよりかなり前であったから,被告C1の行為が被告A1の仮睡状態下での運転を容易にしたとはいえず,本件事故との間に因果関係はない。 ⑶ 被告Dの民法719条2項に基づく責任ア原告らの主張被告Dは,被告A1と行動を共にし,被告A1が不眠不休の状態であり,眠気を催したことを知っていたから,仮眠状態に陥って居眠り運転による事故が発生することを容易に予見できた。被告Dは,被告A1が居眠り運転による事故を起こさないように運転を中止させる義務を負っていたが,被告A1の運転を中止させなかったばかりか,被告A1が寝ないように話しかけて運転を継続させる 見できた。被告Dは,被告A1が居眠り運転による事故を起こさないように運転を中止させる義務を負っていたが,被告A1の運転を中止させなかったばかりか,被告A1が寝ないように話しかけて運転を継続させるよう働きかけ,被告A1の不法行為に積極的に加功したといえ,民法719条2項,709条(教唆又は幇助)に基づく責任を負う。 イ被告Dの主張被告A1の居眠り運転は,運転者に運転していること自体の意識がない無意識の過失行為であるところ,かかる行為に対する幇助はそもそも観念 - 9 - することが困難である。また,不作為による幇助の成立を認めることにもなるから,不法行為責任の成立範囲を無限定にするものであり,認められない。 ウ被告D及び被告Eらの主張被告Dが被告A1と合流したのは本件事故の前日の午後6時からであるから,被告Dは,被告A1が睡眠不足であることを認識していなかった。 本件自動車内で被告A1と話していたのも,被告A1が眠らないようにするためではない。 被告A1は,被告Dが同乗している際,眠気を原因とする危険な運転をしたことはなく,睡眠不足を訴えて運転中止を求めたこともなかった。 被告A1が帰路の方向がわからなかったのは,睡眠不足が原因とは限らない。 したがって,被告Dに予見可能性はない。 また,眠いと述べている者に同乗者が話しかける行為が交通事故の幇助になるとすれば,責任の範囲が無限定に拡がり相当ではない。 ⑷ 被告A2の民法709条に基づく監督責任の有無ア原告らの主張被告A1は,●●●●●にLのメンバーと●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●Lのメンバーとの交友を続け,勤務先を辞めて昼夜遊び,平成24年2月頃から外泊を繰り返していた。被告A2は,自動車 ンバーと●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●Lのメンバーとの交友を続け,勤務先を辞めて昼夜遊び,平成24年2月頃から外泊を繰り返していた。被告A2は,自動車やバイクに興味があり規範意識の低い被告A1が自動車を無免許で運転することや長時間の遊興による疲労・睡眠不足から居眠り運転をすることを予見可能であった。被告A2は,被告A1と同居し扶養する親権者としてその夜遊びや交友関係を制限して就労させ,無免許や無謀な自動車の運転をしないよう指導すべき義務があった。 - 10 - しかるに,被告A2は被告A1の朝帰りの遊興中の行動及び移動手段等について確認せず,行動を注意せず,被告A1の自動車運転を防止する措置を何ら講じていない。 したがって,被告A2は,民法709条に基づく監督義務責任を負う。 イ被告A2の主張被告A2に監督義務者としての責任が肯定されるためには,運転中に強い眠気を催したため運転を中止すべき義務があるにもかかわらず運転を継続したという被告A1の加害行為を予見可能である必要があり,これは無免許運転の予見可能性とは別個のものである。 そして,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●上,被告A1は●●●●以降,被告A2の自動車を運転することはなく,被告A2が把握できる範囲で無免許運転を行うこともなかったから,被告A2が被告A1の四輪車の無免許運転を予見することは不可能であった。また,昼夜を問わず遊興しているからといって睡眠不足になって眠るとは限らず,運転の際に居眠りをすることまでは予見できない。 原告らが主張する結果回避義務は抽象的であり,仮睡状態下での運転による本件事故発生という結果と関連性がない。 被告A2は,父 眠るとは限らず,運転の際に居眠りをすることまでは予見できない。 原告らが主張する結果回避義務は抽象的であり,仮睡状態下での運転による本件事故発生という結果と関連性がない。 被告A2は,父子家庭において子ども2人を養うべく日夜働いていたから,被告A1を四六時中監視することは不可能であった一方,仕事を探すことを促したり,メ-ルで帰宅を促すなど,親権者としての一般的・包括的な義務を尽くしてきた。 また,被告A2が被告A1の夜遊びや交友関係を制限したとしても,必ずしも本件事故の発生を回避できたとはいえない。 ⑸ 被告B2及び被告B3の責任ア自賠法3条に基づく運行供用者責任 - 11 - 原告らの主張月収約15万円の被告B1が本件自動車を購入し,維持することができたのは,被告B2及び被告B3と同居して扶養され,本件自動車のローンに被告B2及び被告B3が親権者として同意し被告B2が連帯保証したためであった。また,本件自動車の駐車場は,被告B2及び被告B3との居所と同視しうる親族の所有地であった。 したがって,被告B2及び被告B3は,本件自動車の運行を事実上支配管理することが可能であり,かつ管理すべき立場にあったといえるから,自賠法3条の運行供用者責任を負う。 被告B2及び被告B3の主張被告B1は両親と同居していたが,社会人として収入を得て生活費を家に納め,本件自動車の購入,維持管理に関して被告B2及び被告B3が出捐することはなく,その費用は被告B1が支払っていた。本件自動車は,被告B1が取得手続を行い,専ら使用し,被告B2及び被告B3が使用することはなく,駐車場も同被告らの所有地ではなかった。 したがって,被告B2及び被告B3が本件自動車を事実上支配管理していたとはいえず,自賠法3条 行い,専ら使用し,被告B2及び被告B3が使用することはなく,駐車場も同被告らの所有地ではなかった。 したがって,被告B2及び被告B3が本件自動車を事実上支配管理していたとはいえず,自賠法3条の運行供用者責任を負わない。 イ民法709条に基づく監督責任原告らの主張被告B2及び被告B3は,被告B1と同居する親権者であるところ,被告B1が●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●のに,素行不良者であるKらと交友を続け,本件自動車を用いて深夜まで外出していたことを認識していたのであるから,被告B1が素行不良者に自動車を貸与し,さらに本件自動車の貸与を受けた素行不良者が交通事故を起こす可能性も予見可能であった。被告B2及び被告B3としては,被告B1の交友関係や行動範囲を把握し指導する義務があったにも - 12 - かかわらず,被告B1の交友関係や夜間外出,自動車の使用状況等に関して注意を払わなかったから,監督義務を懈怠していたといえ,民法709条に基づく監督責任を負う。 被告B2及び被告B3の主張本件においては子である被告B1の加害行為が存在しないから,被告B2及びB3に監督責任が発生する余地はない。 また,被告B2及び被告B3の監督義務違反を認めるためには,本件事故の発生についての予見可能性を要するところ,本件事故当時,同被告らは,被告B1が素行不良者との交友を続けていることは知らず,被告B1が本件自動車を貸与している認識もなく,被告A1が本件自動車で危険な運転をすることは予見できなかったから,本件事故を予見できたとはいえず,監督責任を負わない。 ⑹ 被告C2及び被告C3の民法709条に基づく監督責任ア原告らの主張被告C1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 本件事故を予見できたとはいえず,監督責任を負わない。 ⑹ 被告C2及び被告C3の民法709条に基づく監督責任ア原告らの主張被告C1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●ところ,被告C2及び被告C3は,被告C1が高校卒業後に連日夜間の外出・外泊をしていることを認識していたから,被告C1が素行不良者と自動車を用いた夜遊びを行い,知人の自動車に乗り,過労等運転の禁止の遵守を妨げ,居眠り運転を幇助する可能性があることを予見することが可能であった。 被告C2及び被告C3は,被告C1と同居する親権者としてその交友関係及び行動範囲を把握し,注意指導をする義務があったにもかかわらずこれらを怠り,その結果,被告C1は被告A1の居眠り運転に加功した。 したがって,被告C2及び被告C3は,民法709条に基づく監督責任を負う。 イ被告C2及び被告C3の主張 - 13 - 被告C1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●,特段の問題行動もなく●●●●●●●し,大学に進学して自動車教習所にも通って交通ル-ルを学んでいた。被告C2及び被告C3は,●●●●●●●や被告C1からの報告により交友関係や外出先を確認したが,被告C1による居眠り運転への関与を予見できる事情はなかった。 また,被告C1は,被告C2及び被告C3と同居していたとはいえ,成人に近い年であり,大学に進学して自立した生活をしていたから,被告C2及び被告C3の監督によって被告C1による加害行為の発生が防止され得たとはいえず,相当因果関係もない。 ⑺ 被告Eらの民法709条に基づく監督責任ア原告らの主張被告Eらは,被告Dが夜通し遊ぶことがあることや,自宅に原動機付自転車を保有していないのに原動機付自転車の運転 因果関係もない。 ⑺ 被告Eらの民法709条に基づく監督責任ア原告らの主張被告Eらは,被告Dが夜通し遊ぶことがあることや,自宅に原動機付自転車を保有していないのに原動機付自転車の運転免許を取得したことを認識していたから,被告Dが夜中に他人の運転する自動車に乗せてもらい,その際に過労等運転の禁止の遵守を妨げ,居眠り運転を幇助することは予見可能であった。 被告E1及び被告E2は,被告Dと同居している親権者として,その交友関係及び行動範囲を把握し,注意指導をする義務があったにもかかわらずこれらを怠り,その結果,被告C1は被告A1の居眠り運転に加功した。 したがって,被告Eらは,民法709条に基づく監督者責任を負う。 イ被告Eらの主張前記⑶ウのとおり,被告Dには不法行為責任は認められないのであるから,被告Eらの監督責任も認められない。 被告DがLの元メンバーと交友を始めたのはLが解散した後であり,交友の内容はフットサルなど適法なものに限られていた。また,原動機付自転車はアルバイト先での就労中に運転していたから,何ら違法性はない。 - 14 - 仮に,被告Eらが被告Dを問いただして交友の相手が判明したとしても,本件事故の発生を具体的に予見することは不可能であった。 したがって,被告Eらには予見義務違反も回避義務違反もない。 ⑻ 原告らの損害ア原告らの主張原告Fの損害原告Fは前記第2の2⑵の傷害の治療のため,別紙2のとおり京都第一赤十字病院(以下「第一日赤」という。)に27日間入院し,9回通院した。原告Fの傷害は平成26年4月4日に症状固定し,後遺障害等級11級7号に該当する脊柱変形が残った。 a 入院雑費 4万0500円 入院し,9回通院した。原告Fの傷害は平成26年4月4日に症状固定し,後遺障害等級11級7号に該当する脊柱変形が残った。 a 入院雑費 4万0500円1,500 円×27 日=40,500 円b 入院付添費 17万5500円原告Fは,本件事故当時10歳であったため,原告Iが,入院期間中終日付き添う必要があった。 6,500 円×27 日=175,500 円c 入院見舞交通費 1万9550円原告Iの付添いに加え,原告Hは,原告F及び原告Gの入院期間中,勤務場所から第一日赤まで,自家用車で計17回見舞いに行き,そのガソリン代及び駐車場代金は前記金額となる。 d 通院付添費 2万9700円原告Iが通院に付き添う必要があった。 3,300×9 回=29,700 円e 通院交通費 1万6000円原告Fは,原告Iの運転する自家用車で第一日赤まで通院したところ,そのガソリン代及び駐車場代金は前記金額となる。 - 15 - f 自宅付添費 17万4000円原告Fは,本件事故により頚椎を骨折したことにより,第一日赤を平成24年5月19日に退院してから,同年7月20日までの61日間(請求日数は58日間),頚椎カラ-を装着して安静にしていなければならず,その間,原告Iが会社を休業して付き添う必要があった。 付添費は前記金額となる。 3,000 円×58 日=174,000 円g 逸失利益 1271万5318円原告Fの傷害は平成26年4月4日に症状固定し 。 付添費は前記金額となる。 3,000 円×58 日=174,000 円g 逸失利益 1271万5318円原告Fの傷害は平成26年4月4日に症状固定し,後遺障害等級11級7号に該当するとして脊柱変形が残った。脊柱の変形は,脊柱の支持機能・運動機能に影響を与えるものであり,将来的な運動障害が生じる可能性も否定されず,原告Fは現に頭痛や右肩の重み等を感じている。したがって,労働能力を20%喪失している。 基礎収入は,平成25年男女学歴計全年齢平均賃金を用いるべきである。 4,689,300 円×0.2×(18.6335-5.0757)=12,715,318 円h 慰謝料 900万0000円原告Fの傷害,入通院及び後遺障害の内容に加え,右腸骨部に20×55㎜の醜状痕が残存していること,原告Fが本件事故の被害者が血を流して倒れている状況を目の当たりにしてしまったことなどを考慮すれば,慰謝料は前記金額を下らない。 i 既払金 ▲431万0000円j 弁護士費用 180万0000円k 合計 1965万8968円原告Gの損害原告Gは,前記第2の2⑵の傷害の治療のため,別紙3のとおり第一 - 16 - 日赤,京都府教育センター(以下「教育センター」という。),葵橋ファミリ-クリニック(以下「葵橋クリニック」という。)及び京都大学医学部附属病院(以下「京大病院」という。)に通院した(計88日)。 原告Gは現在も本件事故によるPTSDの治療のため通院しており,本件事故による人的損害のうち平成28年7月25日までの損害は次のとおりである。 院(以下「京大病院」という。)に通院した(計88日)。 原告Gは現在も本件事故によるPTSDの治療のため通院しており,本件事故による人的損害のうち平成28年7月25日までの損害は次のとおりである。 a 入院雑費 4500円1,500 円×3 日=4,500 円b 入院付添費 1万9500円原告Gは本件事故当時8歳であったため,原告Iが入院期間中終日付き添う必要があった。 6,500 円×3 日=19,500 円c 通院付添費 29万0400円原告Iは全通院に付き添った。 3,300 円×88 日=29,400 円d 通院交通費 9万1240円原告Gは,原告Iの運転する自家用車で通院したところ,そのガソリン代及び駐車場代金は前記金額となる。 e 通学付添費 107万4000円原告Gは,本件事故によるPTSD症状により,外出に際しては原告Iが付き添う必要がある。原告Iが原告Gの通学のために付き添った日数は,平成24年度から平成28年7月までの通学については358日であった。 3,000 円×358 日=1,074,000 円f 慰謝料 350万0000円本件事故によって原告Gが負った傷害,ことにPTSDに苦しみ治 - 17 - 療を継続していることや本件事故の状況を目撃したことによる精神的負担を考慮すれば,原告Gの慰謝料は前記金額を下らない。 g 弁護士費用 50万0000円h 合計 547万9 ことによる精神的負担を考慮すれば,原告Gの慰謝料は前記金額を下らない。 g 弁護士費用 50万0000円h 合計 547万9640円原告Hの損害a 休業損害 38万9499円原告Hは,原告F及び原告Gの入院見舞い,捜査機関の取調べ,刑事裁判への出頭の必要が生じ,仕事を休んだため,収入が前年度より前記の額減少した。 b 住宅ロ-ン元金返済据置に関する損害 32万3850円本件事故により原告H及び原告Iの収入が減少したため,原告らが居住する住宅のロ-ンの元金の返済を1年間据え置いたところ,利息支払額が増加し,契約変更のための手数料を要した。 c 慰謝料 200万0000円本件事故により原告F及び原告Gが生命を失う可能性もあったことに鑑みれば,原告Hは,本件事故により原告F及び原告Gの生命侵害の場合にも等しい精神上の苦痛を受けており,その慰謝料は前記金額を下らない。 d 弁護士費用 30万0000円e 合計 301万3349円原告Iの損害a 休業損害 355万7950円本件事故により,原告Iは原告F及び原告Gの入通院・通学に付添うことが必要となったため,収入が減少した。本件事故前と本件事故後の原告Iの収入の差額は別紙4のとおりであり,その合計は前記金額となる。 - 18 - b 慰謝料 200万0000円原告H同様,本件事故による原告Iの慰謝料は200万円を下らない。 c 弁護士費用 る。 - 18 - b 慰謝料 200万0000円原告H同様,本件事故による原告Iの慰謝料は200万円を下らない。 c 弁護士費用 50万0000円d 合計 605万7950円イ被告Aらの主張原告Fの損害について原告Fが前記第2の2⑵の傷害を負ったこと及び入通院は認める。 a 入院雑費,既払金額は認める。 b 入院付添費は,終日付き添う必要性,付添いの事実及び金額について争う。原告Gの入院付添日と重複している日については,重複を考慮すべきである。 c 入院見舞交通費は,見舞いの回数は不知,交通費,駐車料利用料及び因果関係について争う。 d 通院付添費は,不知ないし争う。原告Gとの重複を考慮すべきである。 e 通院交通費は,不知ないし争う。原告Gとの重複を考慮すべきである。 f 自宅付添費は,争う。頚椎カラ-を装着している際に付添いが必要な理由が不明である上,原告Fは頚椎カラ-装着中も登校できているから,日常生活について付添いの必要はない。 g 逸失利益は,脊柱変形による労働能力喪失について争う。一般的に,脊柱変形では,労働能力の実質的喪失はほとんどないに等しい。原告Fにおいても,治療経過,骨癒合とも問題なく推移しており,痛みや可動域制限もないから,日常生活に影響なく,労働能力にも影響せず,将来においても特に問題は生じない。 - 19 - なお,基礎収入は,女性学歴計全年齢平均賃金で計算すべきである。 h 入通院慰謝料は,通院実日数を基準に算定すべきであり,77万円を超えない。 後遺障害慰謝料は,420万円を超えない。腸骨部醜状痕は,日常露出する部分ではなく,等級認 で計算すべきである。 h 入通院慰謝料は,通院実日数を基準に算定すべきであり,77万円を超えない。 後遺障害慰謝料は,420万円を超えない。腸骨部醜状痕は,日常露出する部分ではなく,等級認定もされていないから,後遺障害慰謝料算定において考慮すべきではない。 i 弁護士費用は争う。 原告Gの損害前記第2の2⑵の傷害のうち,PTSDの発症は不知。 また,教育センタ-及び葵橋クリニックへの通院は,医師の指導によるものか不明であり,通院の事実及び必要性が確認できない。 その余の傷害及び入通院は認める。 a 入院雑費は,認める。 b 入院付添費は,終日付き添う必要性,付添いの事実及び金額について争う。原告Fの入院付添日と重複している日については,重複を考慮すべきである。 c 通院付添費は,争う。 d 通院交通費は,不知ないし争う。 e 通学付添費は,通学付添いの事実及び出席日数は不知。通学付添いの必要性及び金額は争う。 f 慰謝料は,争う。 g 弁護士費用は,争う。 原告Hの損害a 休業損害は,不知ないし争う。入院付添日については,入院付添費に包含される。刑事裁判に関連する休業は,因果関係がない。 b 住宅ロ-ン元金返済据置による損害は,事故当事者本人のロ-ンで - 20 - はなく,当事者の父親の休業によるものであるから,事故との関連性が薄く,因果関係を有しない。 c 慰謝料は,争う。原告F及び原告Gに重度の後遺障害は残存しておらず,原告Hが死にも比肩する精神的苦痛を受けたとはいえない。 d 弁護士費用は,争う。 原告Iの損害a 休業損害は,争う。登校の付添いの事実は認められず,原告F及び原告Gの損害項目における請求と重複する。また,付添いと収入減少との因果関係も明らかではない。 護士費用は,争う。 原告Iの損害a 休業損害は,争う。登校の付添いの事実は認められず,原告F及び原告Gの損害項目における請求と重複する。また,付添いと収入減少との因果関係も明らかではない。 b 慰謝料及び弁護士費用は,争う。 ウ被告Bら,被告Cら,被告D及び被告Eらの主張争う。 第3 当裁判所の判断 1 責任の有無に関する前提となる事実関係⑴ 本件事故に至る経緯及び本件事故の状況等前記第2の2の前提事実,証拠(甲78,98,99),後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる(なお,本項の日付はいずれも平成24年4月であり,時刻の表示は24時間制である。)。 ア 21日(土曜日)9時頃~15時30分頃(被告A1の行動)被告A1は,21日9時頃,自宅(被告A2方)で起床し,21日10時頃から15時頃まで,京都府亀岡市内のパチンコ店で過ごした。(甲12,70)イ 21日15時30分頃~22日0時頃被告A1及び被告Dの行動被告A1は,21日15時30分頃,亀岡市内のコンビニエンスストアにおいて,J及び被告Dほか数名と落ち合った。 - 21 - そこに,M及びNが合流した上で,被告A1及び被告Dらは,21日19時頃から亀岡市内のボーリング場に行き,23時30分頃には前記コンビニエンスストアに戻った。 被告Dは,22日0時頃,帰宅した。(甲70,86)被告B1及び被告C1の行動被告C1及びKは,Kが保有する普通乗用自動車(以下「S自動車」という。)で移動して,21日夜,京都府南丹市内の体育館において被告B1と合流した。被告B1は,勤務先の上司との約束があったため,被告C1及びKからの誘いをいったん断ったが,強く誘われて応じたものであった。被告B1は本件 1日夜,京都府南丹市内の体育館において被告B1と合流した。被告B1は,勤務先の上司との約束があったため,被告C1及びKからの誘いをいったん断ったが,強く誘われて応じたものであった。被告B1は本件自動車を運転して,Kが運転するS自動車に追随し,22日0時頃,前記コンビニエンスストアに行き,被告A1らと合流した。(甲13,49,70,86)ウ 22日(日曜日)0時頃~8時頃(被告A1,被告B1及び被告C1の行動)被告A1,J及びKは,K運転のS自動車で,被告B1,被告C1,N及びMは,被告B1運転の本件自動車で,京都市の繁華街であるf町に向かった。 交際中の女性から別れ話をされて落ち込んでいた被告B1は,飲酒して気晴らしをしようと考え,同乗していたMに運転を交代するよう頼み,Mに本件自動車を運転させた。被告B1は,その際,Mが運転免許を受けていないことを知っていた。Mは,本件自動車に被告B1らを同乗させて,22日1時07分頃,京都市e区において無免許運転をした。 (甲13,70,86,89,90,106,107,乙B1)S自動車及び本件自動車は,22日2時頃,京都市g区の駐車場に到着し,被告A1及び被告B1を除く者らは,京都市e区のクラブに行った。本件自動車に残った被告A1は仮眠し,被告B1は缶ビ-ルを飲ん - 22 - だ。(甲12,13,15,49,70,86,87)22日2時30分頃,クラブへ行った者らが戻り,M及びKはK運転のS自動車で,被告A1,被告B1,被告C1,N及びJは,J運転の本件自動車で,京都市h区のラウンドワン(ボ-リング,ゲ-ム等の設備を備えた施設)に向かった。Kの知人女性2名も同行した。 この移動の間,本件自動車内で,Jは,被告B1に対し,22日の1日間本件自動車を借り 京都市h区のラウンドワン(ボ-リング,ゲ-ム等の設備を備えた施設)に向かった。Kの知人女性2名も同行した。 この移動の間,本件自動車内で,Jは,被告B1に対し,22日の1日間本件自動車を借り受けたいと頼んだ。被告B1は,同日に本件自動車を使用する予定があったため,「昼からだったらいい。」等とこれをいったん断った。しかし,Jから再度「朝から貸してくれへんか。」等と依頼され,Jに本件自動車を貸すことを了承した。このとき,Jは被告B1に対し,「使い終わったら返す。」等と述べたが,被告B1はJに連絡先を問うことはしなかった。 この間,被告A1は,寝たり起きたりしていた。 (甲12,13,15,70,73,74,87,89,107)22日4時頃,ラウンドワンに着くと,被告A1及び被告B1を除く者らは同施設に入った。 被告B1が再びビ-ルを買いに出た後,Mに頼まれ,被告A1は本件自動車を運転してコンビニエンスストア2か所を回り,22日5時頃ラウンドワンに戻った。被告B1は,戻ってきた本件自動車に乗り込み,再度ビ-ルを飲んだ。この際,被告B1は,被告A1及びMが勝手に本件自動車を使用したことを責めることはなかった。その後,被告A1,被告B1及びMは,そのまま本件自動車内で仮眠を取った。 (甲12,14,15,73,74,87,94)22日6時30分頃,ラウンドワンに入った者らが出てきて,被告A1,被告B1,被告C1,M及びNは,被告A1が運転する本件自動車で亀岡方面へ,K,J及び女性2名は,Kが運転するS自動車でi方面 - 23 - に向かった。 この際,被告B1は,被告A1が「俺運転するわ。」等と言ったこと,自分がビ-ルを飲んでおり運転できる状態ではなかったことから,被告A1に本件自動車の運転を任せ - 23 - に向かった。 この際,被告B1は,被告A1が「俺運転するわ。」等と言ったこと,自分がビ-ルを飲んでおり運転できる状態ではなかったことから,被告A1に本件自動車の運転を任せたが,被告A1が運転免許を受けているかは確認しなかった。 (甲13,14,15,73,87)被告B1が被告A1に「俺も家まで送って。」等と言ったため,被告A1は,本件自動車を運転して,亀岡市内のNの自宅付近でNを下車させた後,22日8時前頃,被告B1の自宅付近まで被告B1を送り,被告B1は下車した。(甲14,15,73,87,94)エ 22日8時頃~18時頃(被告A1及び被告C1の行動)被告A1,被告C1及びMは,被告A1が運転する本件自動車で移動して京都府南丹市内のコンビニエンスストアに着いた。被告C1は,帰宅して着替えた後本件自動車に戻った。 被告A1,被告C1及びMにJも加わり,Mが運転する本件自動車で移動して,22日9時頃,被告A1の自宅に着いた。 被告A1は,帰宅して着替えると20分程仮眠した。 (甲14,73,94)被告C1及びJは,Mを自宅に送った後,22日10時30分頃,被告A1の自宅に戻って再び被告A1を本件自動車に乗車させた。 被告A1,被告C1及びJは,Jが運転する本件自動車で移動して,亀岡市j町の河原に駐車した本件自動車においてDVDを鑑賞し,その後,22日12時頃から15時頃まで仮眠した。 (甲14,73,94)被告A1,被告C1及びJは,被告A1が運転する本件自動車で移動してJの自宅に立ち寄った後,J運転の本件自動車で移動して亀岡市内 - 24 - のコンビニエンスストア等に行った。そして,Nの自宅付近でNを乗せ,22日18時頃,亀岡市のk駅において,被告D, Jの自宅に立ち寄った後,J運転の本件自動車で移動して亀岡市内 - 24 - のコンビニエンスストア等に行った。そして,Nの自宅付近でNを乗せ,22日18時頃,亀岡市のk駅において,被告D,O及びPと合流した。 (甲10,14,73,94,104)オ 22日18時頃~23日(月曜日)7時58分頃(被告A1,被告C1及び被告Dの行動)被告A1,被告C1,被告D,J,N,O及びPは,本件自動車で移動して,22日18時30分頃,亀岡市内のバッティングセンタ-に行き,その後,亀岡市l町の駅前等で過ごした。 被告C1は,同日夜,被告B1に電話し,本件自動車の返却が遅れる旨伝えたところ,被告B1は,できる限り早い返却を求めた。 (甲10,14,15,73,87,94,104,107)被告A1,被告C1,被告D,J及びNは,同日21時頃,O及びPを自宅に送った後,本件自動車に給油したり,遊んだり,途中で合流した友人を自宅に送ったりして,23日0時頃,Jの自宅付近に着いた。 被告A1及びNは,被告A1運転の本件自動車で,京都市i区に女性の友人2名を迎えに行き,23日3時頃,亀岡市のJの自宅に戻った。 被告C1及び被告Dらは,この間,Jの自宅で被告A1らを待っていた。 (甲10,14,94,97,104,107)被告A1,被告C1,被告D,J,N及び女性2名は,Jが運転する本件自動車で移動して,亀岡市内のレンタルビデオ店,道の駅,ファ-ストフ-ド店等に行った。 23日5時30分頃,被告A1が運転する本件自動車に上記の全員が乗車し,J,N及びQ(途中で合流)を同人らの自宅付近まで送った後,京都市i区へ女性2名を送った。 被告C1は,京都市i区に向かう途中,被告A1が眠たいのではないかと思い,被告A1に対し, が乗車し,J,N及びQ(途中で合流)を同人らの自宅付近まで送った後,京都市i区へ女性2名を送った。 被告C1は,京都市i区に向かう途中,被告A1が眠たいのではないかと思い,被告A1に対し,眠気を覚ますために,喫煙を勧めたり,ガ - 25 - ムを渡したり,話しかけたりした。 (甲10,16,17,18,76,92,94,95,97,104,107)被告A1,被告C1及び被告Dは,被告A1運転の本件自動車で,京都市i区のコンビニエンスストアに立ち寄った後,23日7時頃,亀岡市に向かって出発した。被告A1が運転し,被告C1は助手席,被告Dは後部(右側)座席に座っていた。 被告A1は,前記コンビニエンスストアから出発する際,亀岡市の方向が分からなくなって周囲に尋ね,被告Dはこれを眠気のためと考えた。 被告C1は,自身も眠気を感じ,被告A1も眠気があると被告C1に話したため,被告A1が居眠り運転しないように本件自動車を運転中の被告A1に話しかけた。被告Dも,被告C1と共に被告A1に話しかけた。 話の中で,23日は被告A1及び被告Dが被告C1の大学に遊びに行くこと,まず,被告D宅に立ち寄ることが決まった。 被告C1は,眠気が強くなって我慢できなくなったことから,京都市m区n町付近で「トンネルの手前で起こしてくれ。」等と言って寝入ってしまった。被告Dも,亀岡市a町付近で寝入ってしまった。 なお,前記京都市i区のコンビニエンスストアから本件事故現場までの経路上には,本件自動車を一時停止させることが可能な場所が,複数存在した。 (甲10,17,18,47,71,77,92,94,95,100,101,102,117)カ本件事故の状況被告A1は,亀岡市a町付近で寝入った被告Dを見て,自 が,複数存在した。 (甲10,17,18,47,71,77,92,94,95,100,101,102,117)カ本件事故の状況被告A1は,亀岡市a町付近で寝入った被告Dを見て,自身も強い眠気を感じ,亀岡市a町op番地先国道9号q交差点付近において一瞬仮睡状 - 26 - 態となり,路面の衝撃音で目覚め,自分が眠っていたことを自覚したが,あと少しで被告Dの自宅に到着するとの思いから,時速40~50kmの速度での本件自動車の運転を継続し,本件現場の約42.6m手前付近において仮睡状態に陥った。 仮睡状態の被告A1は,本件自動車を制御することができないため,23日7時58分頃,緩やかに左にカ-ブした本件現場において,本件自動車を遅くとも時速50kmの速度で右前方に逸走させ,集団登校のため列を作って本件現場の右側(北東側)路側帯(幅員約1m)の内側を東から西に向かって歩行していた引率者1人及び原告F,原告Gら小学生9人に対しその背後から次々と本件自動車を衝突させてはね飛ばし,うち数名の身体を轢過する等した。 (甲1,2,3,17,19,20,71,77,117,118)キ本件事故後の被告A1,被告C1及び被告Dの行動本件事故の衝撃により被告A1,被告C1及び被告Dは目覚め,停止した本件自動車から出て被害者らの姿を目の当たりにした。その際,被告A1は,被告C1に対して「車,俺らがぱくったことにしよう。」等と提案した。 被告A1は,一番近くに倒れていた小学生に「大丈夫か。」などと声を掛け,意識のない者に毛布をかけたが,他の被害者には応対できず,本件自動車に戻って被告A2に電話して事故発生を伝え,それ以降は救助活動を行うことはなかった。被告C1及び被告Dは,倒れている小学生に声を掛け,タオルを に毛布をかけたが,他の被害者には応対できず,本件自動車に戻って被告A2に電話して事故発生を伝え,それ以降は救助活動を行うことはなかった。被告C1及び被告Dは,倒れている小学生に声を掛け,タオルをかけた後,知人に電話して事故発生を伝える等していた。 (甲17,18,19,72,80,94,109,110,112,113)⑵ 本件事故以前の被告らの生活状況等ア被告A1及び被告A2について - 27 - 前記第2の2の前提事実,証拠(甲2,5の1・2,9,11,48,69,75,79,80,85,93,115,乙A10(枝番含む。以下同じ。))及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告A1の本件事故前の生活状況a 被告A1は,本件事故当時,●●歳(男性)であり,父親である被告A2及び兄と同居していた。被告A2は,平成12年に妻と離婚し,以後,被告A1及びその兄を1人で養育していた。 b 被告A1は,中学2年生の頃,原動機付自転車の無免許運転を始め,中学3年生の頃,被告A2の保有する普通乗用自動車を無断で借用して運転し,普通乗用自動車の無免許運転を始めた。 被告A1は,平成21年3月に中学校を卒業し,同年4月に定時制高校に入学したが,同年6月に退学した。被告A1は,中学校を卒業してから,Lと称する20~30人のグル-プに入り,そのメンバ-と暴走行為を繰り返すようになった。Lのメンバ-には,被告C1,M,J及びNらがいた。被告A1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。これを契機に,Lは解散したが,被告A1を含め,Lのメンバ-同士の交流は継続していた。 c 被 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。これを契機に,Lは解散したが,被告A1を含め,Lのメンバ-同士の交流は継続していた。 c 被告A1は,定時制高校を退学後は,短期間のアルバイトを転々とした後,●●●●●●●の平成23年2月には,被告A2及び●●●等への相談もせずに仕事を辞め,以後,ハロ-ワ-クでの職探しを2回したのみで定職につくことはなかった。 被告A1は,仕事を辞めた平成23年2月以降,パチンコ等で小遣い稼ぎをしては,昼夜を問わずLの元メンバ-らと遊びたいときに遊ぶという不規則な生活を送った。しかし,●●●に対しては仕事を辞 - 28 - めたことや自分の生活状況について報告していなかったため,平成24年2月に●●●●は終了した。被告A1は,平成24年2月頃からは,外泊の頻度が増加し,週2回程度は外泊し,二日以上帰宅しないこともあった。また,同月ころからは,頻繁に自動車を運転するようになり,夜間を含めて20回以上自動車の無免許運転を行っていた。 被告A2による監督状況等a 被告A2は,被告A1の●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●であることを認識していた。 また,被告A2は,●●●●●●時,被告A1の前記非行の内容から,被告A1に自動車への興味があること,Lのメンバ-らと前記非行を行っていたこと,Lのメンバ-との交友を控える必要があることを認識していた。 b 被告A2は,平成22年夏頃から,知人に被告A1を雇用するよう依頼した の興味があること,Lのメンバ-らと前記非行を行っていたこと,Lのメンバ-との交友を控える必要があることを認識していた。 b 被告A2は,平成22年夏頃から,知人に被告A1を雇用するよう依頼したり,被告A1にハロ-ワ-ク等で就労先を探すよう指導した 被告A2は,メ-ル又は電話によって,被告A1の所在や行動の確認をするようにしていたものの,返事がないこともあり,返事があっても,被告A1は正確な所在や行動を告げることなく,外泊や2日以上帰宅しない間の行動について,「コンビニにいた。」とか「(Lの元メンバ-であった)Rの家にいた。」等と抽象的な申告をするのみであった。そして,被告A2も,被告A1の抽象的な申告を鵜呑みにするだけで,外泊先とされたRの自宅に確認することもなく,被告A - 29 - 1に対してさらに問い詰めることもなかった。また,前記Lのメンバ-との交流を知っても,その交友を控えるよう注意するのみであった。 さらに,被告A1の生活状況について●●●に相談することもなく,かえって,●●●●●の離職の事実を●●●に隠していた。 一方で,被告A2が本件事故の1箇月ほど前に被告A1をきつく叱ったところ,被告A1が被告A2に対して,仕事を探してこれからは頑張る旨のメ-ルを送信するとともに,親戚に対して農作業の仕事がないか尋ねたこともあった。 なお,被告A2は,被告A1に対し,無免許運転をしていないか何度も問い質してきた旨供述するが(甲48p24),刑事公判期日においてはこれを否定する供述をしていたこと(甲85p15)に照らし,上記供述は採用できない。 イ被告Bらについて前記第2の2の前提事実,証拠(甲6,11,49ないし51,86,88,89,91,乙B2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認め らし,上記供述は採用できない。 イ被告Bらについて前記第2の2の前提事実,証拠(甲6,11,49ないし51,86,88,89,91,乙B2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告B1の生活状況等a 被告B1は,本件事故当時,●●歳(男性)であり両親である被告B2,被告B3らと同居していた。 被告B1は,平成22年夏頃,通信制高校に転入し,平成24年3月卒業した。被告B1は,平成22年夏頃から就労し,手取りで月15万円程度の収入を得ており,被告B2及び被告B3に月3万円ずつ渡していた。 b 被告B1は,被告C1と小学校及び中学校の同級生であり交友が続いており,本件自動車を運転させたこともあった。 被告B1は,同級生のKから暴力を振るわれることがあり,●●● - 30 - ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●,Kとの交友を続けていた。 ただし,被告B1は,平成24年4月22日まで被告A1,M及びJらとは面識がなかった。 本件自動車の購入a 被告B1は,平成23年8月に普通自動車運転免許を取得し,通勤及びレジャ-目的で,平成24年3月に本件自動車を購入した。 b 本件自動車の価格は122万4369円であり,うち10万円は被告B1が祖父母から贈与された高校卒業祝金で支払い,残金(手数料を含めて124万0440円)は月2万5800円の分割払の割賦販売契約を締結した。被告B1の債務につき,被告B2が連帯保証した。 被告B1は,本件事故まで前記分割金を自分で支出していた(ただし,本件事故までの支払回数は2回であり,本件事故により本件自動車が全損となった後,残額を被告B1の祖父母が支払った。)。 被告B1は,本件自動車について,運転者 割金を自分で支出していた(ただし,本件事故までの支払回数は2回であり,本件事故により本件自動車が全損となった後,残額を被告B1の祖父母が支払った。)。 被告B1は,本件自動車について,運転者を被告B1とする対人賠償責任保険契約を締結して保険料を支出した。本件自動車は,被告B1が無償で借りた,被告B1の親族が所有するマンションの敷地に駐車されていた。 被告B2及び被告B3が本件自動車を使用することはなかった。 ウ被告Cらについて前記第2の2の前提事実,証拠(甲7,11,52,53,93,96,98)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告C1の生活状況等a 被告C1は,本件事故当時,●●歳(男性)で,父母である被告C2及び被告C3と同居していた。 b 被告C1は,平成21年4月,高校に入学した。 - 31 - 被告C1は,平成21年10月頃から,Lのメンバ-として,被告A1,M,Jらと暴走行為を繰り返した。そして,被告C1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 被告C1は,平成24年3月に高校を卒業し,同年4月には大学に入学した。●●●●●は,外泊はせず一般的な高校生活を送っていた。 高校を卒業した同年3月末から,普通自動車運転免許を取得するため,自動車教習所に通い始めた。 c 被告C1は,平成24年春頃から,週末の夜,Lの元メンバ-と頻繁に交流するようになった。その頃,被告C1とLの元メンバ-が集まって遊ぶのは,金曜日,土曜日ないし日曜日の午後8時頃からであり,同年3月の夜間には,被告A1も含めた元メンバ-らと,被告B1から本件自動車を借りて遊んだこと その頃,被告C1とLの元メンバ-が集まって遊ぶのは,金曜日,土曜日ないし日曜日の午後8時頃からであり,同年3月の夜間には,被告A1も含めた元メンバ-らと,被告B1から本件自動車を借りて遊んだことがあり,また,同年4月には,午後11時頃から翌日午前6時頃まで,被告A1,被告D,J及びMらと南丹市,亀岡市及び京都市等を自動車等で移動しながら遊んだことがあった。 また,同月ころ,被告C1は,被告A1が運転免許を受けていないことを知りながら,同人が運転している自動車に乗車して移動したことが数回あった。また,JやMが運転免許を受けていないことを知りながら,その運転する自動車に同乗することも数回あった。 被告C2及び被告C3による監督状況等被告C2及び被告C3は,自宅で自営業を営んでいた。 被告C2及び被告C3は,●●●●●●●●●において,●●●●●●に関与した者の名前を聞いたものの,それを記憶していなかった。被告C2及び被告C3は,被告C1が前記のとおり平成24年春ころに夜 - 32 - 間の外出をするようになった際,被告C1から「大学の友人」「地元の友人」と一緒にいた等の説明を受けたが,それ以上詳しく誰とどこで何をしているか聴き取っていなかった。本件事故の前日の4月22日の朝,被告C1がいったん帰宅した際,被告C2は,被告C1から大学の友人とカラオケに行く旨説明を受け,外出を了解したが,翌日学校があるので短時間で帰宅するように注意した。 エ被告D及び被告Eらについて前記第2の2の前提事実,証拠(甲8,10,54,55,103)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告Dの生活状況等a 被告Dは,本件事故当時,●●歳(男性)で,両親である被告E1及び被告E2と同居していた。 b 54,55,103)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告Dの生活状況等a 被告Dは,本件事故当時,●●歳(男性)で,両親である被告E1及び被告E2と同居していた。 b 被告Dは,平成21年4月に高校に入学し,平成24年3月に高校を卒業し,同年4月に専門学校に入学した。 被告Dは,被告A1とは平成23年春頃,被告C1とは同年夏頃から交流するようになった。被告Dは,被告A1及び被告C1がLのメンバ-であり暴走行為をしていたこと,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●,平成24年4月以降にならないと運転免許が取得できないこと,及び,被告A1は運転免許を受けないで普通自動車の運転を繰り返していることを知っていた。 被告Dには,本件事故まで非行歴はなかった。 被告Dは,平成23年9月,高校で禁止されていた原動機付自転車の運転免許を取得し,アルバイト先の配達のために運転したことがあった。 c 被告Dは,平成24年4月ころ,専門学校の授業のない土曜日の夜から日曜日にかけて,第2日曜日の夜から月曜日にかけて,第4日曜 - 33 - 日の夜から月曜日にかけて友達と遊ぶことがあった。 被告E1及び被告E2による監督状況等被告E1は,被告Dの監督を専ら母親である被告E2に任せ,被告Dの帰宅時刻を注意したり,交友の内容等を問い質したりすることはなかった。また,被告Dの原動機付自転車の免許取得も,取得後に知った。 被告E2は,被告Dが外泊したり,帰りが深夜になる際には,メ-ル等で帰宅時間等を確認していたが,どこで誰と何をしているか把握していなかった。また,被告Dの原動機付自転車の免許取得が校則に反することを知っていたが,制止はしなかった。 2 被告A1の責任の内容前記第2の2⑴⑵ ていたが,どこで誰と何をしているか把握していなかった。また,被告Dの原動機付自転車の免許取得が校則に反することを知っていたが,制止はしなかった。 2 被告A1の責任の内容前記第2の2⑴⑵⑷の事実及び前記1⑴の認定事実によれば,被告A1は,本件現場に到る直前,連日の夜遊びによる睡眠不足や疲労により強い眠気を催し,いったん仮睡状態に陥る等,前方注視が困難な状態になったのであるから,直ちに運転を中止すべき義務があるのにこれを怠り,時速40~50kmの速度で本件自動車の運転を継続した過失により,仮睡状態に陥り,本件自動車を右前方に逸走させて原告F,原告Gほか9名に衝突させ,原告F及び原告Gに傷害を負わせたことが認められる。 運転者は過労その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転してはならないところ(道路交通法66条),上記はこれに違反する行為であり,被告A1は,原告F及び原告Gの傷害によって生じた損害について,民法709条に基づく不法行為責任を負う。 3 被告B1の責任(争点⑴)⑴ 自賠法3条に基づく運行供用者責任についてア前記1⑴,⑵イによれば,被告B1は,本件自動車の所有者であり,本件自動車に対する運行支配・運行利益を有していたところ,本件事故の前日である平成24年4月22日未明,Jから本件自動車の貸与を申し込ま - 34 - れて承諾し,同日午前8時頃,本件自動車を運転して被告B1宅付近まで被告B1を送った被告A1が,そのまま本件自動車を運転して行くことを了承して,本件自動車を引き渡したことが認められる。加えて,前記1⑴のとおり,本件事故の前夜に被告C1から本件自動車の返却が遅れる旨連絡を受けたが,できる限り早く返却するよう求めたのみで,被告C1らに本件自動車の使用を禁じたり, ことが認められる。加えて,前記1⑴のとおり,本件事故の前夜に被告C1から本件自動車の返却が遅れる旨連絡を受けたが,できる限り早く返却するよう求めたのみで,被告C1らに本件自動車の使用を禁じたり,返却を求めたりする行動をとらなかったことからすれば,被告A1が本件事故時(平成24年4月23日午前7時58分頃)に本件自動車を運転することは,被告B1の容認の範囲内の運行であったと認められる。 そうすると,被告B1は本件事故時に本件自動車の運行支配・運行利益を有していたと認められる。 イ被告B1は,本件事故時,本件自動車の運行支配及び運行利益を失っていたとし,その根拠として,本件自動車を貸したのはJが仕事で使うためであり,貸した期間も貸した当日の夕方までのみであるから,被告A1の運転については一時的に許容していたに過ぎないこと,Jの連絡先を聞いていないのは,日常的に暴行を受けてきたKの仲間であるJと連絡を取るのが困難であったからで,本件事故の前日の4月22日の夜に被告C1に返却を求めていること,被告B1は,被告A1とほぼ初対面であり,友人関係になかったことを主張する。 しかし,前記1⑴のとおり,被告B1は,平成24年4月22日午前0時頃から同日午前8時頃までLのメンバ-である被告A1,被告C1,M及びJらと行動を共にして遊興していたから,この者らが夜通し遊興することがあること,自動車を利用して亀岡市から京都市内の遊興施設に行ったり仲間を送迎したりすること,自動車の運転は複数の者が交替で行っていることを認識していたといえる。その上で,被告B1は,夜通し遊興した朝方に被告A1に本件自動車を運転させて自宅付近まで送らせ,下車後, - 35 - 本件自動車を被告A1に引き渡して引き続き運転させているのであるから,被告A1に対 告B1は,夜通し遊興した朝方に被告A1に本件自動車を運転させて自宅付近まで送らせ,下車後, - 35 - 本件自動車を被告A1に引き渡して引き続き運転させているのであるから,被告A1に対する運転の許容が一時的なものであったとは認められない。 同日夜に被告C1から返却が遅れる旨の連絡を受けた際も,できる限り早い返却を求めたのみであったから,被告A1の運転を容認していたといえる。被告B1が被告A1と友人関係になかったとしても,飲酒して夜通し遊興した朝方,被告A1に本件自動車を運転させて自宅付近まで送らせていること,前記て交流していたことからすれば,被告A1に本件自動車を運転させることについて被告B1に利益がなかったとはいえない。 ウしたがって,被告B1は運行供用者責任を負う。 ⑵ 民法719条2項に基づく共同不法行為責任(幇助)についてア前記1⑴で認定した事実によれば,被告B1は,平成24年4月22日午前0時頃から同日午前8時頃までLのメンバ-である被告A1,被告C1,M及びJらと行動を共にして遊興しており,この者らが夜通し遊興することがあること,自動車を利用して亀岡市から京都市内の遊興施設に行ったり仲間を送迎したりすること,自動車の運転は複数の者が交替で行っていることを認識していたことが認められる。 さらに,自動車の運転を行っていた者の中には,無免許の者(M)もいることを認識していたこと,被告A1(被告B1にとって,被告A1の免許の有無は不明)が本件自動車を運転することも容認していたこと,被告C1からの本件自動車の返却が遅くなる旨の連絡に対し即時返却を求めなかったことからすれば,被告B1は,本件事故発生時に被告A1が本件自動車を運転することまでは予見可能であったといえる。 イしかし,平成24年4月22日午前8 遅くなる旨の連絡に対し即時返却を求めなかったことからすれば,被告B1は,本件事故発生時に被告A1が本件自動車を運転することまでは予見可能であったといえる。 イしかし,平成24年4月22日午前8時頃に被告B1と別れた被告A1が,引き続いてその後の約24時間ろくに睡眠をとることなく過ごすこと,前記の約24時間後,被告A1が睡眠不足等により前方注視が困難な状態 - 36 - になったのに,本件自動車の運転を中止せず運転を継続する危険性があることまで予見できたとは認められない。 したがって,被告B1は民法719条2項に基づく責任を負わない。 4 被告C1の民法719条2項に基づく責任(争点⑵)⑴ 前記1⑴の認定事実によれば,被告C1は,平成24年4月22日午前0時頃に被告A1らと合流してから本件事故発生までの約32時間,ほとんど被告A1と行動を共にしており,その間に被告A1が短時間かつ不規則な睡眠しかとっていなかったことを認識していたこと,本件事故直前に京都市i区のコンビニエンスストアで本件自動車に乗車した際,被告A1と互いに眠気がある旨の会話をしていたことからすれば,被告A1が,同月23日午前7時頃にi区のコンビニエンスストアを出発する時点では,被告A1が正常な運転ができないほどの強い睡眠不足及び疲労の状態にあることを認識していたことが認められる。 そして,そのような状態で本件自動車の運転を継続すれば,運転中に強い眠気を催し前方注視が困難な状態になること及び運転中に仮睡状態になり本件自動車を逸走させて人身事故を起こす危険性があることを,具体的に予見できたというべきである。 前記1⑴の認定事実によれば,被告C1は,被告A1の運転行為を中止させずに本件自動車に同乗し,かえって,被告A1の眠気を覚ます目的で話しかける あることを,具体的に予見できたというべきである。 前記1⑴の認定事実によれば,被告C1は,被告A1の運転行為を中止させずに本件自動車に同乗し,かえって,被告A1の眠気を覚ます目的で話しかける等して運転継続を働きかけたことが認められるから,被告C1は被告A1の過労等運転の禁止の義務違反を容易にしたといえ,被告A1の不法行為を幇助したというべきである。 したがって,被告C1は,共同不法行為責任(幇助)を負う。 ⑵ 被告Cらは,被告A1は,被告C1が起きている間は長時間何ら問題なく運転しており,通常の運転と異なる危険を感じさせる事情はなかったから,被告C1には,本件事故直前に被告A1が極度の睡眠不足状態であるとの認 - 37 - 識可能性はなかった旨主張する。 しかし,被告C1は本件事故までの約32時間ほとんど被告A1と行動を共にしており,この間,被告A1が短時間かつ不規則な睡眠しかとっていなかったことを認識していた。さらに,本件事故直前に京都市i区のコンビニエンスストアで本件自動車に乗車した際,被告A1とお互いに眠い旨の会話をしており,そのときの被告C1の眠気は,本件現場に至る前,我慢できない眠気により,周囲に「トンネルの手前で起こしてくれ。」等と言って本件自動車内で寝入ってしまったほどであった。 したがって,被告C1は,自分と同様の行動をとっていた被告A1が強い睡眠不足状態にあることを本件事故前に認識していたと認められるから,被告Cらの主張は採用できない。 ⑶ なお,幇助行為は,加害者の不法行為の実行を容易ならしめる行為であり,その行為が結果発生を容易ならしめたという因果関係を有することで幇助行為は成立するから,被告C1が起きていた時や話しかけた時には被告A1が問題なく運転していたとしても,その直後に被告 る行為であり,その行為が結果発生を容易ならしめたという因果関係を有することで幇助行為は成立するから,被告C1が起きていた時や話しかけた時には被告A1が問題なく運転していたとしても,その直後に被告A1が仮睡状態に陥ったことからすれば,被告C1の前記⑴の行為には幇助行為が成立する。 5 被告Dの民法719条2項に基づく責任(争点⑶)⑴ 前記1⑴の認定事実によれば,被告Dは,平成24年4月22日午後6時頃に被告A1らと合流してから本件事故発生までの約14時間,被告A1と行動を共にしており,その間に被告A1が睡眠をとっていなかったことを認識していたこと,本件事故直前に京都市i区のコンビニエンスストアで本件自動車に乗車した際,被告A1が,駐車場で亀岡市の方向が分からなくなって周囲に尋ねているのを見たこと,自分が合流する前から被告A1と行動を共にしていた被告C1が眠気を我慢できず本件自動車内で寝入ったのを見たことからすれば,本件事故直前,被告A1が正常な運転ができないほどの強い睡眠不足及び疲労の状態にあることを認識していたものと認められる。 - 38 - そして,そのような状態で本件自動車の運転を継続すれば,運転中に強い眠気を催し前方注視が困難な状態になること,運転中に仮睡状態になり本件自動車を逸走させて人身事故を起こす危険性があることを具体的に予見できたというべきである。 前記1⑴の認定事実によれば,被告Dは,被告A1の運転行為を中止させることなく,本件自動車に同乗したまま,被告A1と会話する等して運転継続を働きかけたことが認められるから,被告Dは被告A1の過労等運転の禁止の義務違反を容易にしたといえ,被告A1の不法行為を幇助したというべきである。 したがって,被告Dは,共同不法行為責任(幇助)を負う。 ⑵ア被告D れるから,被告Dは被告A1の過労等運転の禁止の義務違反を容易にしたといえ,被告A1の不法行為を幇助したというべきである。 したがって,被告Dは,共同不法行為責任(幇助)を負う。 ⑵ア被告Dは,無意識の過失行為に対する幇助は成立せず,また,本件で幇助を認めることは不作為による幇助を認めることになり,不法行為の成立範囲を無限定とするものとして認められない旨主張する。しかし,被告A1の過失は運転中止義務違反であり無意識の過失行為とはいえない上,民法上の不法行為は損害の公平な分担を目的とするものであり,過失行為について不作為でこれを容易にした場合であっても幇助が成立するというべきであるから,いずれの主張も採用できない。 イ被告D及び被告Eらは,「被告Dが同乗している際,被告A1が眠気を原因とする危険な運転をしたことはないし,帰路の方向が分からなかったのは睡眠不足が原因とは限らないから,被告Dには,被告A1が睡眠不足により運転中仮睡状態となることの予見可能性はなかった。」旨主張する。 しかし,被告Dは約14時間被告A1と行動を共にし,その間被告A1が睡眠をとっていないことを知っていたこと,自分が合流する前から被告A1と行動を共にしていた被告C1が眠気を我慢できず本件自動車内で寝入ってしまったのを見たこと,自分も眠気から寝入ってしまったことからすれば,その時点で被告A1が強い睡眠不足及び疲労の状態にあること - 39 - を認識し得たと認められる。前記被告D及び被告Eらの主張は採用できない。 6 被告A2の民法709条に基づく監督責任(争点⑷)⑴ 未成年者が責任能力を有する場合であっても,監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるときは,監督義務者について民法709 く監督責任(争点⑷)⑴ 未成年者が責任能力を有する場合であっても,監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるときは,監督義務者について民法709条に基づく不法行為が成立する(最高裁判所昭和49年3月22日判決民集28巻2号347頁参照)。 ⑵ア被告A2の監督義務違反被告A1は,●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●,平成23年2月に勤務先を辞めてから本件事故までの1年2箇月の間,定職につくことはなく,昼夜問わず遊興に耽っていた。また,●●●に対して仕事を辞めたことや上記生活状況を正しく報告しておらず,平成24年2月に●●●●が終了してからは,遊興のため週2回程度外泊し,2日以上帰宅しないこともあるといった生活態度であった。 そのような状況において,被告A2は,上記被告A1の不良な生活態度及び●●●への虚偽報告について認識していたにもかかわらず,●●●に対し,被告A1の不良な生活態度について相談することなく,かえって●●●●●の離職の事実を●●●に隠していた。そして,被告A1の外泊ないし2日以上帰宅しない間の行動について,被告A1の抽象的な返答を鵜呑みにするだけで,外泊先とされたLのメンバ-の友人宅に確認することなく,被告A1を問い詰めることもしていなかった。 イ被告A2の予見可能性,回避可能性前記1⑵アによれば,被告A2は,本件事故当時,被告A1が自動車の無免許運転を繰り返し行っていたことは認識していなかったと認められる。 しかし,被告A2は,被告A1に自動車への興味があることを認識して - 40 - いた上,原動機付自転車による無免許運転及びLのメンバ-らとの●●●●●●という被告A1の 認められる。 しかし,被告A2は,被告A1に自動車への興味があることを認識して - 40 - いた上,原動機付自転車による無免許運転及びLのメンバ-らとの●●●●●●という被告A1の非行事実からは,被告A1の無免許運転についての規範意識が低いこと,Lのメンバ-も同様であることを認識できたと認められる。そして,平成24年3月以降,被告A1は外泊中の行動についてLのメンバ-宅にいた等と虚偽の事実を述べていたところ,この申告内容からしても,被告A1が外泊中にLのメンバ-と交流していることは認識可能であったし,前記メンバ-宅に確認等をすれば,被告A1が前記メンバ-宅にいたわけではないこと,外泊中はLのメンバ-らと昼夜問わず遊興していたこと,被告A1が遊興中に運転免許を受けないで自動車運転を繰り返していたことを知ることができたと認められる。 そして,運転免許を受けないで自動車を運転する行為は,その運転技能が未熟であるだけでなく,「自動車は人に対して凶器となり得るものであるから過労等により正常な運転ができない状態において自動車の運転をしてはならない」という運転者としての基本的な教育を受けないまま自動車を運転する行為であって,これにより他人の身体を傷つける結果が生じることも容易に予見し得る。 そして,被告A2が,被告A1と同居し,無職・無収入の被告A1の生活を支えていたことに照らせば,被告A1が●●歳という年齢であったとしても,被告A2は,被告A1に注意指導を徹底したり,被告A1の●●●であった者や警察に相談したり等の措置をとれば,被告A1の自動車の無免許運転を止めさせることが可能であった。 ウ小括以上からすれば,被告A2は,被告A1が,自動車を運転し,睡眠不足等で正常な運転ができない状態において運転を中止しな ,被告A1の自動車の無免許運転を止めさせることが可能であった。 ウ小括以上からすれば,被告A2は,被告A1が,自動車を運転し,睡眠不足等で正常な運転ができない状態において運転を中止しなかった過失により,仮睡状態に陥り自動車を他人に衝突させて傷害を負わせることについて予見可能性及び回避可能性があったといえる。 - 41 - したがって,被告A2の前記アの監督義務違反と被告A1による前記2の不法行為の結果である本件事故との間には相当因果関係がある。 ⑶ よって,被告A2は被告A1の不法行為責任について民法709条に基づき監督責任を負う。 7 被告B2及び被告B3の責任(争点⑸)⑴ 民法709条に基づく監督責任について未成年の子に対する親の監督責任は,子の行為に不法行為が成立することを前提として生じるものであるところ,前記3⑵のとおり,被告B1は民法719条2項に基づく不法行為責任を負わないから,被告B2及び被告B3は,監督責任を負わない。 ⑵ 自賠法3条に基づく運行供用者責任について前記1⑵イの認定事実によれば,本件自動車は,被告B1が高校卒業祝の贈与金及び割賦販売契約により買い受けたものであること,被告B1は契約の約1年6箇月前から就労して収入を得ており,前記契約の割賦金を負担する能力があり2回の割賦金も自己負担し,被告B2及び被告B3は負担していなかったこと,被告B1を被保険者とする対人賠償責任保険契約を締結し,被告B2及び被告B3が本件自動車を使用することはなかったことが認められるから,本件自動車の運行支配及び運行利益が被告B2及び被告B3にあったと認めることはできず,同被告らが運行供用者であるとは認められない。 本件自動車代金の10%未満を祖父母からの贈与金で支払ったこと,代金 動車の運行支配及び運行利益が被告B2及び被告B3にあったと認めることはできず,同被告らが運行供用者であるとは認められない。 本件自動車代金の10%未満を祖父母からの贈与金で支払ったこと,代金残の分割払債務を被告B2が連帯保証したこと,本件自動車の保管場所が親族から無償で提供されていたことは,前記認定を左右する事情とはいえない。 したがって,被告B2及び被告B3は運行供用者責任を負わない。 8 被告C2及び被告C3の民法709条に基づく監督責任(争点⑹)⑴ 前記4⑶のとおり,被告C1には,正常な運転ができないほど強い睡眠不足及び疲労の状態で被告A1が本件自動車の運転を続けることを容易ならし - 42 - めた過労等運転の禁止義務違反の幇助の不法行為が認められるところ,前記6⑴のとおり,親が責任能力を有する未成年の子の不法行為につき責任を負うためには,当該子の不法行為に対する予見可能性を有することが必要である。 ⑵ 前記1⑵ウの認定事実によれば,被告C1は,高校2年時における●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を有していることから,その両親である被告C2及び被告C3としては,被告C1が交通犯罪についての規範意識が低いこと,自動車の運転に強い関心があったことを認識できたと認められる。また,被告C1は,平成24年3月以降,外出が深夜に及ぶようになっていたところ,深夜外出中の被告C1の行動について被告C2及び被告C3の聴取や確認は十分とはいえず,被告C1が交通犯罪についての規範意識が低いLのメンバ-と遊興していることを把握していなかった。 他方,被告C1は,●●●●●●●は一般的な高校生活を送り,平成24年3月に高校を卒業したこと,高校卒業までに●●●●は終了し,同年4月に大学に進学したこと,同月自動車免許取 していなかった。 他方,被告C1は,●●●●●●●は一般的な高校生活を送り,平成24年3月に高校を卒業したこと,高校卒業までに●●●●は終了し,同年4月に大学に進学したこと,同月自動車免許取得のために自動車教習所に通い始めたことからすれば,被告C1が,深夜外出中に,無免許の者が運転する自動車にそのことを知りつつ同乗した上,運転者が正常な運転ができないほど強い睡眠不足及び疲労の状態で自動車の運転を続けることを容易にする行為をすることまで,予見できたとは認められない。 したがって,被告C2及び被告C3は監督責任を負わない。 9 被告Eらの民法709条に基づく監督責任(争点⑺)⑴ 前記5⑴のとおり,被告Dには,正常な運転ができないほど強い睡眠不足及び疲労の状態で被告A1が本件自動車の運転を続けることを容易にした過労等運転の禁止義務違反の幇助の不法行為が認められるところ,被告Eらに,被告Dのこの不法行為に対する予見可能性があるといえるか問題となる。 ⑵ 前記1⑵エの認定事実によれば,被告Dは,平成24年4月,専門学校の - 43 - 授業のない日等の夜間から未明にかけて外出し友人と遊ぶようになっており,その際に,被告Eらは,外泊中の被告Dの行動を把握しておらず,Lのメンバ-と交流していたこと等を把握していなかった。 他方,被告Dに非行歴はなかったこと,被告Dは,原動機付自転車を運転するについては運転免許を取得して運転していたこと,平成24年3月に高校を卒業し,同年4月に専門学校に入学したこと,同入学後に外泊するようになったが,それまで外泊は見られなかったことからすれば,被告Dが,外泊中,無免許の者が運転する自動車にそのことを知りつつ同乗した上,運転者が正常な運転ができないほど強い睡眠不足及び疲労の状態で自動車の運転 が,それまで外泊は見られなかったことからすれば,被告Dが,外泊中,無免許の者が運転する自動車にそのことを知りつつ同乗した上,運転者が正常な運転ができないほど強い睡眠不足及び疲労の状態で自動車の運転を続けることを容易にする行為をすることまで予見できたとは認められない。 したがって,被告Eらは監督責任を負わない。 10 原告らの損害額(争点⑻)⑴ 原告Fの治療経過等原告Fの受傷及び治療経過等について,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。 ア原告F(当時10歳。小学5年生。女性)は,平成24年4月23日の本件事故の際,登校班の班長として集団登校する小学生の列の先頭を歩いていた(原告H本人)。原告Fは,立位で右向きに後方を振り返ったとき,本件自動車の前面部中央付近が両足・右腰部等に衝突し,頭部が前屈,上半身がボンネットに衝突し,衝突地点から約24m跳ね飛ばされて,道路上に仰臥位で転倒・滑走し,臀部を強打し,路面上を滑走移動中に人体凸部が打撲・擦過した(甲20)。 イ原告Fは,本件事故直後,いったん洛西シミズ病院に搬送された後(乙A1),第一日赤に搬送された。同日,同病院では,意識障害はなく,頚部痛を訴え,CT,MRI検査等の結果,左側頭部から頭頂部にかけて皮下血腫,頚椎のC2及びC6に骨折,C6椎体に圧迫骨折による変形及び - 44 - C5/6に配列不整があり,右鎖骨・左肩甲骨折,右腸骨背側の軟部腫脹,右腸骨骨折が認められ,入院した(乙A7の1p1~5)。明らかな臓器損傷はなく,骨折した頚椎及び鎖骨は固定による保存的治療が選択された(乙A7の1p5)。同月24日,頚椎骨折の治療のため,頚椎カラ-が装着された(乙A3の1p2,乙A7の1p11)。 原告Fは,医師との面談中に表情が硬く,入 鎖骨は固定による保存的治療が選択された(乙A7の1p5)。同月24日,頚椎骨折の治療のため,頚椎カラ-が装着された(乙A3の1p2,乙A7の1p11)。 原告Fは,医師との面談中に表情が硬く,入院初日の入眠中にうなされたことから,PTSDの可能性が指摘され,同月25日心療内科を受診した(乙A7の1p10)。入院2日目の夜は,原告Gとともに「怖い,痛い。」とうなされ,2人とも「お母さん,お母さん」と言って原告Iから離れようとしない姿が見られた(乙A7の2p1)。入院中,不安のため,シャワー浴を拒んで原告Iに清拭してもらったり(乙A7の3p10,21),原告Iの介助により離床・自立が進む様子が見られた(同p18)。 ウ入院中,頚椎及び鎖骨はともに骨癒合が進み,同年5月19日,第一日赤を退院した(乙A7の3p32)。入院中の同月17日,同病院担当医師からは,「2学期からは体育参加も可能である。将来中高年になった頃に頚椎の脊椎症性変化に影響するかもしないが,現時点では骨癒合が得られれば特に問題なく成長していけると考える。鎖骨も変形して癒合するが,徐々に形は矯正されていく。」旨の説明がされた(乙A7の3p30)。 原告Fの入院中,原告Iは,自宅に戻らず泊りがけで付き添い,後記⑵のとおり原告Gが3日間入院していたときはその病室にも交互に足を運んで付添いをしていた(原告I本人)。 エ退院後,原告Fは,別紙2のとおり第一日赤に9回通院した(乙A7の3)。同年7月20日,頚椎のカラ-が除去され,担当医師は,「体育は,できそうなものから,していただいて構わない。」旨説明した(乙A7の3p36)。また,同月の1学期の終わり頃から登校もできるようになった(甲67)。 - 45 - 原告Fは,同年6月15日,右腸骨部の瘢痕に関 だいて構わない。」旨説明した(乙A7の3p36)。また,同月の1学期の終わり頃から登校もできるようになった(甲67)。 - 45 - 原告Fは,同年6月15日,右腸骨部の瘢痕に関して形成外科を受診し,担当医師は「瘢痕形成術をした方がきれいになるが,現在は精神的負担のため手術は受け入れられないようである。」旨の診断をし,平成25年3月の治療終了時点で「以後は,本人の希望次第。」旨の見解を示した(乙A7の4p1~3)。 オ平成26年4月17日に後遺障害診断書が作成された。同書は,症状固定日を同月4日として,傷病名を「頚椎骨折,右鎖骨骨折,右腸骨裂離骨折,頭部打撲擦後,右腰部及び左膝肥厚性瘢痕」,自覚症状は「気温が低い日には頭痛が起こったり,右肩が重いと感じる。」,他覚症状等は「四肢筋力MMTは全てにおいて5(良好)レベル。明らかなしびれは自覚なし。深部腱反射は異常なし。病的反射はなし。レントゲンで右鎖骨骨折の骨癒合良好。頚椎CTでC2,C6骨折骨癒合良好。頚椎MRIでC5/6レベルで硬膜菅の圧排は軽度あるが,明らかな脊髄内輝度変化なし。頚椎の生理的前弯が喪失し,C6椎体の圧潰がわずかに残存しているが,椎体内の輝度変化改善しており,骨折の治癒経過は特に問題なし」,脊柱の障害は「第6頚椎」,頚椎部の可動域は「前屈45度,後屈50度,右屈40度,左屈40度,右回旋60度,左回旋60度」,醜状痕として「右腸骨部に20㎜×55㎜,1㎜×20㎜,1㎜×28㎜の瘢痕,左膝に10㎜×20㎜の瘢痕」,骨の変形として「右鎖骨の変形癒合」があり,「右鎖骨については今後変形矯正は見込める。」旨の診断をするものであった(甲22)。 原告Fは,前記診断書等に基づき,自賠責保険の後遺障害認定において,第6頚椎圧迫骨折につき「脊柱に変 あり,「右鎖骨については今後変形矯正は見込める。」旨の診断をするものであった(甲22)。 原告Fは,前記診断書等に基づき,自賠責保険の後遺障害認定において,第6頚椎圧迫骨折につき「脊柱に変形を残すもの」として自賠法施行令別表第二の第11級7号に該当すると認定された(甲23)。 ⑵ 原告Gの治療経過等原告Gの受傷・治療経過等について,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれ - 46 - ば,以下の各事実が認められる。 ア原告G(当時8歳。小学3年生。女性)は,平成24年4月23日の本件事故の際,立位時に本件自動車の車体前部の右側が背面に衝突し,前方に跳ね飛ばされて道路上に俯せで転倒し,路面で頭部等を強打した。そして,本件自動車は,俯せ位の状態にある原告Gの足底から頭頂方向に向けて通過し,車底部で原告Gを路面に押し付けながら移動した。本件自動車は右前後輪タイヤを花壇上に乗り上げて走行し,原告Gの転倒位置が道路上の縁石間際であったため,車底部の空間が上下方向に比較的広くなり圧迫が軽減された。(甲20)原告Gは,本件事故により亡くなったTと親しくしており,本件事故に遭った際,登校班の列の中ほどで,同人の隣を歩いていた(原告H本人)。 イ原告Gは,本件事故直後,第一日赤にドクタ-ヘリで搬送され,検査を受けたところ,明らかな骨傷,臓器損傷等はなく,頭部打撲傷,左顔面打撲擦過傷及び右下腿打撲擦過傷と診断され,経過観察目的で入院し,同日から同月25日まで3日間入院した(乙A8の2,乙A4の2)。 ウ入院中であった平成24年4月25日,心療内科では,夜うなされるが睡眠はとれており,麻痺・回避・悪夢(再体験)が認められるが,携帯の音やドアの音に驚く様子はなく,過覚醒は明らかではなく,正常ストレス反応であるが,引き続き経過観 5日,心療内科では,夜うなされるが睡眠はとれており,麻痺・回避・悪夢(再体験)が認められるが,携帯の音やドアの音に驚く様子はなく,過覚醒は明らかではなく,正常ストレス反応であるが,引き続き経過観察が必要であるとされた(乙A8の1p2・3)。 退院後,前記⑴のとおり,母の原告Iが,入院中の原告Fに泊まりがけで付き添っていたため,同年5月19日頃まで祖父母の家に預けられた(甲66,67,原告I本人)。原告Gの外傷は軽く,外傷治療のための通院は不要であった(甲66,67)。 原告Gは,同月18日,第一日赤の心療内科を受診し,「学校に行きたがらない。外にも出たがらない。学校の先生が来ても出て行かない。本件 - 47 - 事故のことは聞けば答える。物音にびっくりしたりフラッシュバックがあったり等はない。ボーとしている。」旨の症状が相談された(乙A8の1p3・4)。原告Gには,本件事故以前はそのような症状は見られなかった(原告I本人)。 エ原告Gは,同年6月22日,第一日赤の心療内科を受診し,「30分~1時間登校したが,友達と話せない,人混みが怖いなどの対人恐怖の症状が継続している。」旨の症状が相談され,麻痺・再体験・過覚醒はなくPTSDではない旨診断された(同p5・6)。原告Gは,前記症状の治療のため,別紙3のとおり,第一日赤の心療内科に33日通院し治療を受けた(甲A5の2ないし6)。同年7月3日,担当医師は,「いわゆるPTSDとは異なる。」「もともと本人の持っていた問題が,事故というストレス負荷がかかったことで顕在化したと考えられる。」旨説明した(乙A8の1p6)。 原告Gの登校・外出を嫌がる状態は変わらず,原告Iが自宅から小学校まで付き添って登校させたが,登校を渋ったり,すぐに帰宅したり,登校しても友人と話せない られる。」旨説明した(乙A8の1p6)。 原告Gの登校・外出を嫌がる状態は変わらず,原告Iが自宅から小学校まで付き添って登校させたが,登校を渋ったり,すぐに帰宅したり,登校しても友人と話せない,応答をほとんどしない,攻撃的な態度をとるといった症状が続いていた(乙A8の1)。学校カウンセラーのカウンセリングを受けたり,第一日赤の心療内科に勧められてプレイセラピーを行うため葵橋クリニック(精神科)に別紙3のとおり2日通院したりしたが,効果は見られなかった(甲31,乙A8の1)。第一日赤の心療内科は,平成25年5月20日,「原告Gは内面を表現することを恐れており内面をセラピストと考える形のセラピーは困難である。改善があったわけではないが終了。」旨判断し,治療を終了した(乙8の1p28・29)。 オ原告Iは,原告Gの前記エの症状の改善を求めて,原告Gを不登校児の相談を受ける教育センタ-に別紙3のとおり19日間通わせたが改善はなかった(甲30,67)。 - 48 - カ原告Gは,京大病院の精神神経科に平成26年2月14日から通院を開始し,平成28年7月31日までの間に別紙3のとおり34日通院した(甲56,57,59)。 同科の臨床心理士は,検査及び本人・母からの聴取に基づき,「食欲減衰・睡眠障害など生理的現象及びアパシー(無関心・意欲減退)が見られ,回避・麻痺症状の強いPTSD症状を有している。回避・麻痺が強いため事故場面の想起は侵入的に起こらないが,安全感が確保できないため外出等ができず,一人でいることへの不安感も強く,著しい日常生活への障害が見られる。」との所見を示し,これに対する治療として,神経学的心理療法及び薬物療法が実施された(甲56)。平成26年5月ないし7月頃までの治療の過程では,原告Gに事故場面の想起を促 常生活への障害が見られる。」との所見を示し,これに対する治療として,神経学的心理療法及び薬物療法が実施された(甲56)。平成26年5月ないし7月頃までの治療の過程では,原告Gに事故場面の想起を促すと,すぐに救急車及びドクターヘリの音が聞こえ,プロペラの風を感じるといった強度のフラッシュバックが何度も起こり,その都度,涙を流し,原告Iの手を握って耐える状態であった(甲56)。同月頃までに徐々にフラッシュバックは緩和したが不安感は払しょくされない状態であった(甲56)。 京大病院の精神神経科の担当医師は,平成27年4月2日,前記症状等に基づき,「集団登校中に遭遇した交通事故災害とそれに続く緊急状況の中での混乱(救急救命の場面等で生じる緊張,興奮,不安等)及び同事故での姉の負傷により両親と離れて過ごした恐怖等のトラウマ(心的外傷)を原因とするPTSDの状態であり,PTSDの二次障害として不登校や選択制緘黙等を併発する状態にある。」旨診断した(甲25)。また,「原告Gは,一般・通常の範囲を離れた性格・性質を有しているとは認められない。」旨診断した(甲63)。 原告Gは,外出や登校への不安感がやや緩和され,小学校の修学旅行にも参加したが,平成28年4月に中学校に進学してから基本的には不登校の状態が続いており,同年8月以降,本件訴訟の口頭弁論終結時において - 49 - も京大病院精神神経科での治療が必要な状態が続いている(甲54,64,67,原告I本人)。 原告Gは,本件事故後中学1年1学期終了時までの間,総授業日数857日に対し,平成24年度は111日,平成25年度は91日,平成26年度は43日,平成27年度は97日,平成28年度の7月までは16日(合計358日)登校した 年1学期終了時までの間,総授業日数857日に対し,平成24年度は111日,平成25年度は91日,平成26年度は43日,平成27年度は97日,平成28年度の7月までは16日(合計358日)登校した(甲60)。原告Iはすべての登校日に付き添っていた(甲61,原告I本人)。 ⑶ 原告Fの損害額前記⑴によれば,原告Fは本件事故により,頚椎骨折,鎖骨骨折等の傷害を負い,別紙2の入通院を余儀なくされ,第6頚椎圧迫骨折による脊柱変形(11級7号)に該当する後遺障害を負ったことが認められる。 損害額は以下のとおりであり,これをまとめると,別紙損害一覧表①のとおりとなる。 ア入院雑費1,500 円×27 日間=40,500 円イ入院付添費原告Fは,本件事故当時,小学5年生の児童(10歳)であり,集団登校中,振り返った姿勢で本件自動車から衝突され約24m跳ね飛ばされたこと,第一日赤への入院中,夜うなされたり,原告Iから離れようとしない姿が見られ,PTSDの可能性も考えられたこと,不安からシャワー浴を拒否したり,原告Iの介助により離床・自立が進む姿が見られたことからすれば,母親である原告Iによる毎日の終日の付添いが必要であったと認められる。 日額は6500円が相当であり,次のとおり17万5500円となる。 6,500 円×27 日=175,500 円ウ入院見舞交通費 - 50 - 原告Hは,原告Fが第一日赤へ入院中,原告Fの着替えや日用品を届けるため,最初の1週間は毎日,その後は2日に1回の合計17日間見舞いに訪れた(甲66,原告H本人)。前記イの通り,原告Iは,原告Fの入院中,毎日終日の付添いを へ入院中,原告Fの着替えや日用品を届けるため,最初の1週間は毎日,その後は2日に1回の合計17日間見舞いに訪れた(甲66,原告H本人)。前記イの通り,原告Iは,原告Fの入院中,毎日終日の付添いをする必要があったから,原告Fの着替えや日用品などを自宅から病院に運ぶための原告Hの見舞いは必要であったと認められる。 原告Hの職場と第一日赤との距離は片道5kmであった(甲26)。また,駐車場代は1回当たり1000円(甲27)である。 したがって,次の1万9550円が損害として認められる。 5km×15 円/km×2 往復×17 日+1,000 円×17 日=19,550 円エ通院付添費原告Fの年齢に照らし,原告Fの通院には原告Iが付き添う必要があったと認められる。通院付添費の日額は3300円が相当である。 3,300 円×9 日=29,700 円オ通院交通費自宅からまでの距離は20km,駐車場代は1回1000円(甲27)であった20km×15 円/km×2 往復×9 日+1,000 円×9=14,400 円カ自宅付添費前記⑴のとおり,原告Fは退院した平成24年5月20日から同年7月20日までの61日間,頚椎カラ-を装着していた。頚椎カラ-を装着した状態では生活に一定の支障があること,前記⑴のとおり原告Fが入院中PTSDを懸念され,自立支援に原告Iの介助が必要であったことからすれば,少なくとも頚椎カラーを装着していた期間については,原告Iの自宅での付添いが必要であったと認められる。通院日4日を除く57日について日額3000円の付添費を損害として認める。 - 51 - も頚椎カラーを装着していた期間については,原告Iの自宅での付添いが必要であったと認められる。通院日4日を除く57日について日額3000円の付添費を損害として認める。 - 51 - 3,000 円×(61-4)日=171,000 円キ後遺障害逸失利益原告Fは,症状固定時(12歳)において,第6頚椎圧迫骨折について「脊柱変形」の後遺障害を負ったところ,脊柱変形が労働に支障を来たすのは,傍脊柱筋の緊張や,椎間板の変性が起きやすく,これにより背部に疼痛が生じることがあるからである(乙A9参照)。原告Fは,受傷から約1箇月後に「2学期からは体育参加も可能である。将来中高年になった頃に頚椎の脊椎症性変化に影響するかもしれないが,骨癒合が見られれば特に問題なく成長していけると考える。」旨診断され,受傷から約3箇月後には体育はできそうなものから参加可能と診断され,症状固定時には,頚椎は良好に骨癒合が得られており,自覚症状として,気温が低い日に頭痛があり,右肩が重い感じがするとの症状にとどまり,神経学的検査でも,可動性でも異常は見受けられなかった。 そうすると,頚椎の生理的前弯が喪失し,C6椎体の圧潰がわずかに残存していること,前記頭痛や右肩の重い感じが残ったことを考慮しても,傍脊柱筋の緊張は明らかではなく,椎間板の変性も顕在化しておらず,労働能力制限は限定的と考えられるから,就労が想定される年齢である18歳から勤労可能年齢である67歳までの間10%喪失したに止まると認めるのが相当である。 就労可能となる18歳から症状固定時である平成26年の全労働者の全学歴・全年齢の平均賃金である479万6800円を得られるものと認め,これを基礎収入とするのが相当である。 原告Fの後遺障害 就労可能となる18歳から症状固定時である平成26年の全労働者の全学歴・全年齢の平均賃金である479万6800円を得られるものと認め,これを基礎収入とするのが相当である。 原告Fの後遺障害による逸失利益は,ライプニッツ係数を用いて中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 4,796,800 円×10%×(18.6335-5.0757)=6,503,406 円ク傷害慰謝料 - 52 - 入院期間(27日),通院期間(23箇月。実日数9日),退院後も61日間頚椎カラーを装着していた。 これに加え,本件事故が,路側帯内を徒歩で進行していた小学生の集団登校の列に自動車が後方から衝突するという危険な態様であり,原告Fは振り向いたところを本件自動車に跳ねられ約24m飛ばされるという被害にあったこと,その原因は,夜通し遊興に耽り,そのため睡眠不足となった無免許運転者による居眠り運転にあったこと,原告Fは何らの落ち度もないにもかかわらず,前記被害に遭い傷害を負わされたこと,被告A1らの規範意識の欠如は著しく,本件事故後に実質的な救護措置も行っていないことを斟酌すると,原告Fの入通院慰謝料は205万円と認めるのが相当である。 ケ後遺障害慰謝料原告Fは11級7号の脊柱変形に該当する後遺障害を受けた。 また,原告Fは,前記⑴オのとおり右腸骨部に醜状痕があるところ,露出面ではなく,大きさも10cm²程度であるものの,水着を着用すると露出する部分であることからすれば,この点も後遺症慰謝料の算定において考慮すべきである。 よって,原告Fの後遺障害慰謝料としては440万円が相当である。 コ弁護士費用本件事案の れば,この点も後遺症慰謝料の算定において考慮すべきである。 よって,原告Fの後遺障害慰謝料としては440万円が相当である。 コ弁護士費用本件事案の難易,審理経過及び認容額等に鑑みれば,本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用は90万円と認めるのが相当である。 ⑷ 原告Gの損害前記⑵によれば,原告Gは本件事故により,頭部打撲傷,左顔面打撲擦過傷,左下腿打撲擦過傷及びPTSDの傷害を負い,本件事故から平成28年7月31日までの期間において,別紙3の入通院及び通所が必要であったと認められる。 - 53 - 同日までの損害額は以下のとおりであり,これをまとめると,別紙損害一覧表②のとおりとなるア入院雑費1,500 円×3 日=4,500 円イ入院付添費原告Gの年齢や症状に鑑みれば,原告Gの入院中,母親である原告Iの付添いが必要であったと認められるが,その費用は,原告Fの入院付添の費用と重複するため,前記⑶の原告Fの損害及び後記⑸の原告Iの損害として考慮すれば足り,原告Gには損害は生じていないと判断する。 ウ通院付添費原告Gの年齢,症状を考慮すると,原告Iが全通院に付き添う必要があったと認められる。よって,原告Fの第一日赤の通院と重複する2日間分を除き,日額3300円の付添費を損害として認める。 3,300 円×(33+19+2+34-2)日=283,800 円エ通院交通費原告Gは自動車で通院しており,自宅から第一日赤までの距離は20km,教育セ 00 円×(33+19+2+34-2)日=283,800 円エ通院交通費原告Gは自動車で通院しており,自宅から第一日赤までの距離は20km,教育センタ-までは24km(甲32),葵橋クリニックまでは19km(甲33),京大病院までは21km(甲34)であり,駐車場代は第一日赤については1回1000円,京大病院は600円(甲35)であったと認められるため,原告Fの通院と重複する部分を除き,次のとおり,9万1240円が本件事故と因果関係を有する損害であると認められる。 第一日赤:20km×15 円/km×2 往復×31 日+1,000 円×31=49,600 円教育センタ-:24km×15 円/km×2 往復×19 日=13,680 円葵橋クリニック:19km×15 円/km×2 往復×2 日=1,140 円京大病院:21km×15 円/km×2 往復×34 日+600 円×9 日=26,820 円合計:49,600 円+13,680 円+1,140 円+26,820 円=91,240 円 - 54 - オ通学付添費本件事故後から中学1年の1学期終了時までの間,原告Gが学校に登校する際,原告Iが付き添ったところ,前記⑵カのとおり,原告Gが本件事故から2年を経過しても事故の想起により強度のフラッシュバックを起こす状態で,安全感が持てないために外出し難い状態であったことからすれば,原告Iが登校に付き添うことが必要であったと認められる。登校の付添費用は日額3000円と認める。 3,000 円×(111+91+43+97+16)日=1,074,000 円カ 告Iが登校に付き添うことが必要であったと認められる。登校の付添費用は日額3000円と認める。 3,000 円×(111+91+43+97+16)日=1,074,000 円カ傷害慰謝料入院が3日,通院期間は平成28年7月までの4年4箇月(通院通所実日数88日)である。 そして,前記⑶クで指摘した事故態様,事故原因,加害者らの救護の状況と原告Gが不安感により外出が困難で,その二次被害として不登校の傾向が4年4箇月続き,日常生活に著しい支障が生じたことを考慮すると,平成28年7月までの入通院等にかかる傷害慰謝料は300万円と認めるのが相当である。 キ弁護士費用本件事案の難易,審理経過及び認容額等に鑑みれば,本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用は45万円と認めるのが相当である。 ⑸ 原告Hの損害ア休業損害原告Hは,原告F及び原告Gの入院中の見舞い,本件事故に関する捜査機関の取調べ並びに刑事裁判への出頭のため,別紙5のとおり29日間休業した(原告H本人)。取調べに応じることは国民の義務であり,刑事裁判への出席は,子が被害に遭った事故の真相を知り,加害者の処罰への意見を述べるために必要であるから,これらの休業は本件事故と相当因果関 - 55 - 係を有するといえる。 また,原告Hは引越業の会社に勤務し給与は歩合制であるため(原告H本人),休業により収入は減少するといえる。一方,原告Hは前記休業のうち一部は公休を当て,休業による減収が生じない日も存在した(原告H本人)。 原告Hは,事故前年に比して平成24年の収入が35万6381円減少した 収入は減少するといえる。一方,原告Hは前記休業のうち一部は公休を当て,休業による減収が生じない日も存在した(原告H本人)。 原告Hは,事故前年に比して平成24年の収入が35万6381円減少したところ(甲36の1・2。4,902,361 円-4,545,980 円=356,381 円),公休以外の稼働日に何日休業したか,その休業による減収額は必ずしも明らかではなく,減収が休業によるものか,引越業の仕事の減少による出来高低下のためかが明らかではない。 他方,事故前年収入の490万2361円を365日で除した金額の29日分は,減収額の35万6381円を優に上回ることからすれば,減収額の少なくとも8割について,本件事故による休業によると認めるのが相当である。 356,381 円×0.8=285,105 円イ住宅ロ-ン元金返済据置原告Hは,本件事故後,住宅ロ-ンの元金の返済を1年間据え置くように住宅ロ-ン契約を変更し,これに伴い,当該期間の利息分の支払義務が31万8600円増加した(甲37,38)。また,この変更契約の手数料として5250円を要した(甲39)。 交通事故により被害者の両親に減収が生じるとしても,そのために被害者の親がローンの元金返済を据置くよう契約変更することが通常予想されるとまではいえないから,前記支出は本件事故と相当因果関係があるとはいえない。 ウ慰謝料近親者の固有の慰謝料は,子が死亡した場合に比肩すべき精神的苦痛が - 56 - 生じた場合に認めるべきところ,前記⑴⑵の経過に照らし,子が死亡した場合に比肩すべき苦痛があるとまでは認められない。原告Hに固有の慰謝料は認められない。 エ弁護士費用本件 6 - 生じた場合に認めるべきところ,前記⑴⑵の経過に照らし,子が死亡した場合に比肩すべき苦痛があるとまでは認められない。原告Hに固有の慰謝料は認められない。 エ弁護士費用本件事案の難易,審理経過及び認容額等に鑑みれば,本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用は3万円と認めるのが相当である。 オ小括以上をまとめると,別紙損害一覧表③のとおりとなる。 ⑹ 原告Iの損害ア休業損害前記⑴⑵のとおり,原告Iは,原告Fの入通院・自宅静養並びに原告Gの入通院及び通学に付き添った。そして,近親者が被害者に付添う際に提供した労働は金銭的に評価することができ,被害者は身分関係上その出捐を免れているに過ぎないから,被害者自身が,近親者の付添介護料相当額の損害を被ったものとして加害者に対し賠償を請求することができる(最高裁判所昭和46年6月29日第三小法廷判決参照)。他方で,付添いをした近親者以外に付添いをすることができなかった場合,当該近親者が付添いのために休業したため生じた減収が,被害者が加害者に対して請求した付添費を上回るときは,当該近親者はその差額を休業損害として加害者に対して請求することができるとするのが相当である。 そして,本件においては,前記⑴⑵の原告F及び原告Gの入通院及び自宅静養,通学時の状態からして,付添いには祖父母等の親族を含め原告I以外の者が代替することはできなかった(原告I本人)。そうすると,付添いのため休業したことによって原告Iに生じた減収は,本件事故と相当因果関係があるといえる。 原告Iは,社会福祉法人Uにおいて勤務し,事故前の3箇月は月平均1 - 57 - 2万8115円を得ていた(甲40)。本件事故後の平成24年5月から 故と相当因果関係があるといえる。 原告Iは,社会福祉法人Uにおいて勤務し,事故前の3箇月は月平均1 - 57 - 2万8115円を得ていた(甲40)。本件事故後の平成24年5月から7月まで完全に休業し,収入を得ることができなかったところ,これは原告Fの入通院(平成24年4月23日から同年5月19日までの入院並びに同年6月8日,同月15日,同月22日及び同年7月20日の通院)及び自宅付添い(本件事故日から同年7月20日まで)及びその後の原告Gの通院付添い(同年6月22日,同年7月3日,同月9日,同月23日及び30日)のためであったと認められる。したがって,前記3箇月間の休業によって生じた減収(128,115 円×3 月=384,345 円)と同月末までの付添費(175,500 円+171,000 円+4 日×3,300 円+(5-1)日×3,300 円=372,900 円)との差額は休業損害として認めるのが相当である。その額は1万1445円である。 他方,平成24年8月から平成28年7月までの期間については,減収が付添いによる休業と関連していることは窺えるものの,付添いのためどのように休業したことによって減収となったか明確ではなく,すべてが付添いによる休業による減収といえるか明らかではない。したがって,平成24年8月以降の減収については,付添費において考慮した以上の損害が生じているとは認め難い。 イ慰謝料近親者固有の慰謝料は,子が死亡した場合に比肩すべきときに生じると考えられるところ,そこまでの精神的苦痛が生じたとは認められないから,原告I固有の慰謝料は認められない。 ウ弁護士費用本 生じると考えられるところ,そこまでの精神的苦痛が生じたとは認められないから,原告I固有の慰謝料は認められない。 ウ弁護士費用本件事案の難易,審理経過及び認容額等に鑑みれば,本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用は1000円と認めるのが相当である。 エ小括以上をまとめると,別紙損害一覧表④のとおりとなる。 - 58 - 11 結論以上によれば,被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dに対する関係で,原告Fの請求は,損害賠償金999万4056円及びこれに対する不法行為日である平成24年4月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める限度で,原告Gの請求は,損害賠償金490万3540円及びこれに対する同日支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める限度で,原告Hの請求は,損害賠償金31万5105円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める限度で,原告Iの請求は,損害賠償金1万2445円及びこれに対する不法行為日である平成24年4月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める限度で理由がある。 被告A1,被告A2,被告B1,被告C1及び被告Dに対するその余の請求並びに被告B2,被告B3,被告C2,被告C3,被告E1及び被告E2に対する請求は理由がないからいずれも棄却することとする。なお,仮執行免脱宣言は相当でないから,これを付さない。 よって,主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第4民事部 裁判長裁判官伊 藤 由紀子 裁判官大野祐輔 裁判官 主文 よって,主文のとおり判決する。 理由 京都地方裁判所第4民事部 裁判長裁判官伊藤由紀子 裁判官大野祐輔 裁判官伊藤祐貴
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