平成3(行コ)21 福岡中央労基署長療養補償不支給処分取消

裁判年月日・裁判所
平成5年9月14日 福岡高等裁判所
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判決文本文2,073 文字)

主文 一本件控訴を棄却する。 二控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 第一当事者の求める裁判一控訴人原判決を取り消す。 被控訴人の請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 二被控訴人主文と同旨第二当事者の主張関係は、原判決の事実摘示のとおり(原判決二枚目表四行目から五枚目裏九行目まで)であるから、これを引用する。 第三証拠関係(省略) 理由 一当裁判所もまた、原審と同様に、被控訴人の腰痛は労働基準法施行規則三五条別表第一の二第三号2の「腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛」に該当し、労働者災害補償保険法一二条の八第一項一号、二項による療養補償給付の対象となると認めるものであり、したがって、被控訴人の腰痛を業務上の事由によるものとは認められないとして被控訴人に療養補償給付を支給しないものとした控訴人の本件処分は違法であり、取消しを免れないと判断するものであるが、その理由は、次のとおり改め、加えるほかは、原判決がその理由中において説示するとおりであるから、これ(原判決五枚目裏一三行目から二三枚目表一二行目まで)を引用する。 1 原判決六枚目表末行の「自宅療養し、」から同裏一行目の「腰痛をきたした」までを「自宅で療養していたが、軽快したため、四月から再び出勤したものの、作業に従事すると又もや腰痛を来して就労することができなくなった」と改める。 2 原判決九枚目表八行目の次に改行して、「これに、通常、米約一〇キログラム、醤油約二〇キログラム、缶詰約二〇キログラム、油二〇キログラムの運搬等が加わる。」と加える。 3 原判決一八枚目表一一行目の「業務上」を「業務上外」と改める。 4 原判決二〇枚目裏二行目の「一時的に腰痛が治り、」を、「軽快したので、同年四月から」と キログラムの運搬等が加わる。」と加える。 3 原判決一八枚目表一一行目の「業務上」を「業務上外」と改める。 4 原判決二〇枚目裏二行目の「一時的に腰痛が治り、」を、「軽快したので、同年四月から」と改める。 5 原判決二一枚目裏一〇行目の「指摘され、」の次に、「その改善策として、同労働基準監督署から、①腰痛体操の実施、②手作業運搬物の軽量化又は二人制運搬、③運搬設備の充足による人力作業の軽減、④その他『重量物取扱作業における腰痛予防対策指針(昭和四五年七月一〇日付基発第五〇三号)』に基づく作業管理、健康管理の実施という口頭指導がなされ、」を加える。 同二一枚目裏一一行目の「台車の数を増加させる」の次に、「(有田支所については、L型運搬車(大)三一台、L型運搬車(小)五台、駕籠型運搬車九台を配置し、必要に応じて補充することとされた。)」を加える。 6 原判決二三枚目表一二行目の次に改行のうえ、次のとおり加える。 「なお、当審において、証人aは、被控訴人の腰痛は、先天的素因も影響しているとした上で、腰椎の前弯の増強があることや椎間関節に硬化像があることから不良姿勢も原因であるとして、被控訴人の給食調理業務と被控訴人の腰痛との因果関係を否定するかのような証言をするので(同証人作成の乙六五号証の意見書も同趣旨)、この点について検討するのに、原審証人bの証言によると、a証人が指摘する被控訴人の腰椎の前弯の増強は正常値の範囲内のものと認められ、また、a証人自身が認めるように椎間関節の硬化像は軽度のものであって、これが腰痛の原因となっているかどうか必ずしも明らかではなく、総合的な判断が必要であること、原審証人cの証言及び前記認定事実によると、被控訴人には特に問題となるような遺伝的素因や既往の怪我などもないこと、被控訴人の給食調理業務をみると、大量の調 かではなく、総合的な判断が必要であること、原審証人cの証言及び前記認定事実によると、被控訴人には特に問題となるような遺伝的素因や既往の怪我などもないこと、被控訴人の給食調理業務をみると、大量の調理材料の運搬、大型器材による調理、配缶、洗浄、格納作業など中腰、前かがみ、しゃがむ姿勢など腰部に負担のかかるような困難な作業をしかも制約された時間の中で繰り返し行う業務であること、被控訴人は、公社に入社する前は腰痛の発症するような業務についたことがなく、公社に入社して約五年後の昭和五三年ころから腰痛を訴えるようになったこと、被控訴人の腰痛が悪化した昭和五五年を中心にして、昭和五四年から昭和五六年にかけて公社の従業員に腰痛症が多発していること、労働基準監督署もこれを重視して、前記のように、公社に対して改善措置をとるよう指導していること、右の改善措置後、従業員の腰痛が減少していることなどを考え併せると、被控訴人の腰痛は、被控訴人の業務に起因するものと認められるから、被控訴人の腰痛と給食調理業務との因果関係を否定するかのようなa証言は採用できない。」二よって、原判決は相当であるから、本件控訴を棄却することとし、主文のとおり判決する。 (裁判官鎌田泰輝西理徳嶺弦良)

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