平成19(行コ)234 建物所有権移転登記申請却下処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成18年(行ウ)第267号)

裁判年月日・裁判所
平成20年3月27日 東京高等裁判所 その他
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判決文本文9,056 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 東京法務局城北出張所登記官が,控訴人に対し,平成17年8月1日付けでした不動産登記法第25条第8号の規定に基づく却下処分を取り消す。 東京法務局城北出張所登記官は,原判決別紙物件目録記載の不動産に関し,控訴人が平成17年7月13日に申請した同日受付第××号所有権移転登記申請を受理せよ。 第2事案の概要 本件は,控訴人が,原判決別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という)について,登記義務者をA,登記権利者を控訴人とする申請情。 報に併せて,その所有権がAから株式会社Bに移転し,Bから控訴人に移転したこと並びにA,B及び控訴人は,登記権利者を控訴人,登記義務者をA,登記原因を平成17年7月13日売買として登記することに異議なく同意した旨の登記原因証明情報を提供して,所有権移転登記を申請したところ,登記官が,申請情報の内容と登記原因証明情報の内容とが合致せず,不動産登記法第25条第8号の却下事由に該当するとして却下したことから,控訴人が,その処分の取消し及び当該登記申請を受理すべきことを求めた事案である。 原判決は,控訴人の訴えのうち,所有権移転登記申請の受理の義務付けを求める請求に係る部分は,行政事件訴訟法第37条の3第1項第2号の訴訟要件を欠くとしてこれを却下し,その余の請求は理由がないとしてこ- 2 -れを棄却した。そこで,控訴人は,これを不服として本件控訴を申し立てた。 法令の定め((,)1)不動産登記法平成16年法律第123号平成17年3月7日施行ア第5条第2項他人のために登記を申請する義務を負う第三者は,その登記がないことを主張することがで 法令の定め((,)1)不動産登記法平成16年法律第123号平成17年3月7日施行ア第5条第2項他人のために登記を申請する義務を負う第三者は,その登記がないことを主張することができない。ただし,その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ)が自己の登記の。 登記原因の後に生じたときは,この限りでない。 イ第18条(申請の方法)登記の申請は,次に掲げる方法のいずれかにより,不動産を識別するために必要な事項,申請人の氏名又は名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という)を登記所に提供してしなければならない。 。 ウ第25条(申請の却下)登記官は,次に掲げる場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならない。ただし,当該申請の不備が補正することができるものである場合において,登記官が定めた相当の期間内に,申請人がこれを補正したときは,この限りでない。 1ないし7省略 申請情報の内容が第61条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき9ないし13省略エ第59条(権利に関する登記の登記事項)権利に関する登記の登記事項は,次のとおりとする。 登記の目的- 3 - 申請の受付の年月日及び受付番号 登記原因及びその日付 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分5ないし8省略オ第60条(共同申請)権利に関する登記の申請は,法令に別段の定めがある場合を除き,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 カ第61条(登記原因証明情報の提供)権利に関する登記を申請する場合には,申請人は,法令に別段の定めがある場合を除き,そ がある場合を除き,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 カ第61条(登記原因証明情報の提供)権利に関する登記を申請する場合には,申請人は,法令に別段の定めがある場合を除き,その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 ( )平成16年法律第123号による改正前の不動産登記法 ア第35条第1項登記ヲ申請スルニハ左ノ書面ヲ提出スルコトヲ要ス 省略 登記原因ヲ証スル書面3ないし5省略イ第40条登記原因ヲ証スル書面カ初ヨリ存在セス又ハ之ヲ提出スルコト能ハサルトキハ申請書ノ副本ヲ提出スルコトヲ要スウ第49条登記官ハ左ノ場合ニ限リ理由ヲ附シタル決定ヲ以テ申請ヲ却下スルコトヲ要ス但申請ノ欠缺カ補正スルコトヲ得ヘキモノナル場合ニ於テ申請人カ即日ニ之ヲ補正シタルトキハ此限ニ在ラス1ないし6省略- 4 - 申請書ニ掲ケタル事項カ登記原因ヲ証スル書面ト符合セサルトキ8ないし11省略( )不動産登記令(平成16年12月1日政令第379号) 第3条(申請情報)登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第18条の申請情報の内容は,次に掲げる事項とする。 1ないし5省略 登記原因及びその日付(所有権の保存の登記を申請する場合にあっては,法第74条第2項の規定により敷地権付き区分建物について申請するときに限る)。 7ないし13省略 争いのない事実等,争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決6頁17行目の「( )争点2(義務付け請求の当否)について」を「( )争 点2(義務付けの訴えの適否)について」に改めるほかは,原判決の「事案及び理由」欄の「第2事案の概要」の2ないし4に記載するとおりであるから,これを引用する。 第3当裁判所の判断 争 点2(義務付けの訴えの適否)について」に改めるほかは,原判決の「事案及び理由」欄の「第2事案の概要」の2ないし4に記載するとおりであるから,これを引用する。 第3当裁判所の判断 争点1(本件処分の適法性)について控訴人は,本件の申請情報は,登記権利者である控訴人が,平成17年7月13日売買により本件建物の所有権を取得したことを理由として登記義務者であるAから所有権の移転登記を求めるという内容であり,他方,本件の登記原因証明情報は,本件建物の所有権がAからB,Bから控訴人にそれぞれ売買により移転し,Aから控訴人に移転登記をすることをBが承諾したことにより,控訴人が適法な登記権利者,Aが登記義務者に当たることを示す内容のものであること,これによれば,本件の申請情報と登記原因証明情報は合致しており,不動産登記法第25条第8号所定の登記- 5 -の申請の却下事由は存在しないというべきであること,以上のとおり主張し,これを理由に,本件処分は違法である旨主張しているので,以下にはこの点について検討をする。 ところで,不動産登記法第18条は「登記の申請は,次に掲げる方法,のいずれかにより,不動産を識別するために必要な事項,申請人の氏名又は名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という)を登記所に提供しなければならない」。 。 と規定し,不動産登記令は,申請情報として,第3条第6号で「登記原因及びその日付」を掲げている。同法第59条第3号は,権利に関する登記の登記事項として登記原因及びその日付を掲げ同法第60条は権,「」,,「利に関する登記の申請は,法令に別段の定めがある場合を除き,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない」と規定している。そ。 して,同 その日付を掲げ同法第60条は権,「」,,「利に関する登記の申請は,法令に別段の定めがある場合を除き,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない」と規定している。そ。 して,同法第5条第2項ただし書は,登記原因について「登記の原因と,。」。 ,,なる事実又は法律行為をいうと定義しているまた同法第61条は「権利に関する登記を申請する場合には,申請人は,法令に別段の定めがある場合を除き,その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない」と規定し,同法第25条において「登記官は,次に掲。 げる場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならない」として,第8号は「申請情報の内容が第61条に規定する登記原因。 ,を証する情報の内容と合致しないとき」と規定している。不動産登記法。 及び不動産登記令の上記の各規定の文言及び趣旨にかんがみれば,上記法令は,権利に関する登記については,申請情報に係る登記義務者と登記権利者の間の「登記原因及びその日付」を登記事項とし,もって,当該申請に係る権利に関する登記に係る登記義務者と登記権利者の間の登記原因及びその日付を公示することとし,他方,権利に関する登記を申請する場合には,申請人は,法令に別段の定めがある場合を除き,その申請情報と併- 6 -せて登記原因を証する情報を提供しなければならないこととして,申請人に対し,当該申請に係る権利に関する登記に係る登記義務者と登記権利者の間の登記原因及びその日付を証する情報を提供することを義務付け,これにより,権利に関する登記の登記事項である登記原因及びその日付が客観的な裏付けのあるものであることを確保し,もって,不動産の物権変動を公示するため権利の変動に逐一対応する登記をすることとし,申請情報と登記原 利に関する登記の登記事項である登記原因及びその日付が客観的な裏付けのあるものであることを確保し,もって,不動産の物権変動を公示するため権利の変動に逐一対応する登記をすることとし,申請情報と登記原因証明情報とを合致させて登記内容に物権変動の過程を正確に反映させようとすることを制度の趣旨とするものであると解するのが相当である。 これを本件についてみるに,本件申請において,控訴人が登記所に提供した不動産登記法第61条所定の登記原因証明情報の内容は,前記のとおり,本件建物については,AからBに対し,平成17年7月12日に売却され,本件建物の所有権がAからBに移転したこと,次いで,Bから控訴人に対し,同月13日に売却され,本件建物の所有権がBから控訴人に移転したというものである。これに対して,控訴人が登記所に提供した同法第18条所定の申請情報は,平成17年7月13日に本件建物をAから控。 ,訴人が買い受けてその所有権を取得したというものである以上によれば本件申請における不動産登記法第18条所定の申請情報は,本件建物の所有権が平成17年7月13日にAから控訴人に売買により移転したというものであり,同法第61条所定の登記原因証明情報は,本件建物の所有権が平成17年7月12日AからBに移転し,次いで同月13日Bから控訴人に移転したというものである。したがって,本件においては,申請情報と登記原因証明情報が合致しないことは明らかであるから,不動産登記法第25条第8号所定の登記の申請を却下するべき事由があることは明らかといわざるを得ない。控訴人は,本件の登記原因証明情報には,上記の他に,A,B及び控訴人は,登記権利者を控訴人,登記義務者をA,登記原- 7 -因を平成17年7月13日売買として登記することに異議なく同意した旨の記載があること,したが 原因証明情報には,上記の他に,A,B及び控訴人は,登記権利者を控訴人,登記義務者をA,登記原- 7 -因を平成17年7月13日売買として登記することに異議なく同意した旨の記載があること,したがって,上記の登記原因証明情報は,控訴人が適法な登記権利者,Aが適法な登記義務者であることを明らかにするものであって,結局本件における申請情報と登記原因証明情報は合致している旨主張するが,本件の事実関係に照らすと,確かに,本件建物の所有権は,AからBに,次いでBから控訴人に順次移転しているから,本件建物所有権の移転について,控訴人が結果として適法な登記権利者となり,また,Aが登記義務者となることは否めないが,そのことから,本件建物所有権が,順次AからBに,また,Bから控訴人に移転したという事実が変容を受けて,本件建物所有権がAから控訴人に直接移転したことになるはずのものではないし,また,本件の登記原因証明情報に控訴人の指摘する上記のA,B及び控訴人は,登記権利者を控訴人,登記義務者をA,登記原因を平成17年7月13日売買として登記することに異議なく同意した旨の記載があるとしても,そのことから,真実は,上記のとおり,本件建物所有権がAからB,Bから控訴人へと順次移転したのに,これがAから控訴人に直接移転したことになるはずもないのであって,控訴人の主張するような理由で,仮に,前者と後者,すなわち,本件建物所有権がAからB,Bから控訴人へと順次移転したこととこれがAから控訴人に直接移転したこととを同一視するならば,本件における申請情報が真実を示している登記原因証明情報と異なることを是認することとなるのであって,このことは,不動産登記法第25条第8号が申請情報と登記原因証明情報が合致しないときは申請を却下するべきであるとして,不動産の物権変動を公示 記原因証明情報と異なることを是認することとなるのであって,このことは,不動産登記法第25条第8号が申請情報と登記原因証明情報が合致しないときは申請を却下するべきであるとして,不動産の物権変動を公示するため権利の変動に逐一対応する登記をすることとし,申請情報と登記原因証明情報とを合致させて,登記内容に物権変動の過程を正確に反映させようとする不動産登記法及び不動産登記令の前記の趣旨に反することになることは明らかである。 - 8 -なお,控訴人は,平成17年法律第29号による改正前の不動産登記法(以下「旧法」という)においては,控訴人の主張するような登記は,中。 間省略登記として登記実務上認められていたかのように主張することろ,登記を申請するには,旧法においても,第35条第1項第2号で「登記原因ヲ証スル書面」を提出する必要があるとされ,第49条は「登記官ハ,,左ノ場合ニ限リ理由ヲ附シタル決定ヲ以テ申請ヲ却下スルコトヲ要ス」として,第7号は「申請書ニ掲ケタル事項カ登記原因ヲ証スル書面ト符合セ,サルトキ」と規定していたから,旧法下においても,本件と同内容の登記申請がされ,登記原因を証する書面として本件における登記原因証明情報と同内容の書面が登記所に提出された場合には,上記第49条第7号に該当するものとして登記申請が却下されるべきであったのであり,このことは現行の不動産登記法の上記規定の場合と同様であって,不動産登記法が現行法に改正される前と後とで,登記原因と異なる登記申請は却下するという基本的な考え方は何ら変更がないことは,上記の旧法及び現行法の不動産登記法の上記各規定の内容に照らして,明らかである。確かに旧法においては,その第40条で「登記原因ヲ証スル書面カ初ヨリ存在セス又ハ之ヲ提出スルコト能ハサルトキハ申請書ノ副本ヲ提出スルコトヲ の不動産登記法の上記各規定の内容に照らして,明らかである。確かに旧法においては,その第40条で「登記原因ヲ証スル書面カ初ヨリ存在セス又ハ之ヲ提出スルコト能ハサルトキハ申請書ノ副本ヲ提出スルコトヲ要ス」と規定していたことから,旧法第35条第1項第2号所定の登記原因を証する書面に代えて登記申請書の副本を提出した場合には,形式的審査権しかない登記官としては,登記申請に掲げられた事項と真実の登記原因が合致しないことを知ることができないまま,提出された登記申請書の副本に基づいて登記申請を受理する結果となり得ることがあったことはうかがわれるものの,それは結局登記原因が事実と異なるにもかかわらず,旧法第40条が登記原因を証する書面に代えて登記申請書の副本の提出を認めていたことにより,虚偽の内容の申請を結果的に排除できなかったというに過ぎないものであって,このことから,旧法下でも,控訴人の主張するよう- 9 -な中間省略登記が登記所において正当なものとして受理されていたことにはならないことは明らかである。 また,控訴人は,最高裁昭和39年(オ)第985号同40年9月21日第三小法廷判決民集19巻6号1560頁を引用して,判例は,大審院以来本件におけるような中間省略登記を認めており,登記官が本件登記申請を却下したのは,上記判例に違反する旨主張しているところ,確かに,上記第三小法廷判決は「実体的な権利変動の過程と異なる移転登記を請求す,る権利は,当然には発生しないと解すべきであるから,甲乙丙と順次に所有権が移転したのに登記名義は依然として甲にあるような場合に,現に所有権を有する丙は,甲に対し直接自己に移転登記すべき旨を請求することは許されないというべきである」とした上「ただし,中間省略登記をす。 ,るについて登記名義人および中間者の同意ある場 合に,現に所有権を有する丙は,甲に対し直接自己に移転登記すべき旨を請求することは許されないというべきである」とした上「ただし,中間省略登記をす。 ,るについて登記名義人および中間者の同意ある場合は別である」と判示し。 ているが,上記第三小法廷判決は,具体的事案については,登記名義人の同意について主張,立証がないことを理由に中間省略登記の請求を認めなかったのであるから,上記第三小法廷判決は,そもそも正確には,登記名義人および中間者の同意がある場合に中間省略登記請求を認めた判例とはいえないものである。したがって,既にこの点において,控訴人の引用する上記第三小法廷判決は,本件とは事案を異にしており適切ではないといわざるを得ない。もっとも,判例は,旧法下において,大審院以来,一定の要件の下に本件におけるような中間省略登記を認めていると理解されてきたことは否めない(大審院大正9年(オ)第481号同10年4月12日判決民録27輯703頁,大審院大正10年(オ)第954号同11年3月25日判決民集1巻3号130頁,大審院昭和7年(オ)第774号同8年3月15日判決民集12巻4号366頁,最高裁昭和30年(オ)第981号同35年4月21日第一小法廷判決民集14巻6号946頁,上記第三小法廷判決,最高裁昭和43年(行ツ)第68号同46年11月- 10 -,()30日第三小法廷判決民集25巻8号1422頁最高裁昭和42年オ第205号同44年5月2日第二小法廷判決民集23巻6号951頁参照。しかしながら,上記のように理解されることとなった判例の説示は,)旧法が登記原因を証する書面に代えて登記申請書の副本の提出を認めていたことに起因するものであるのみならず,甲乙丙と順次に所有権が移転したのに登記名義は依然として甲にあり,中間省略登記をす 示は,)旧法が登記原因を証する書面に代えて登記申請書の副本の提出を認めていたことに起因するものであるのみならず,甲乙丙と順次に所有権が移転したのに登記名義は依然として甲にあり,中間省略登記をするについて登記名義人及び中間者の同意がある場合において,上記の同意をした登記名義人ないし中間者が丙が提起した訴訟の当事者とされるときには,上記同意の法的効果として丙の登記請求に協力するべき債務を負担するという当然のことを前提とするものであって,登記所に上記のような中間省略登記の申請があった場合に,上記同意があることを理由に,登記官に中間省略登記の申請どおりの登記をする義務を負担させる趣旨のものでないことは明らかである。すなわち,登記所において,本件のような中間省略登記の申請がされた場合に,登記官としては,現行法においては,新不動産登記法第25条第8号の趣旨に従い,申請情報と登記原因証明情報が合致しないとして当該申請を却下するべきであるし,旧法においても,第49条第7号の趣旨に従い「申請書ニ掲ケタル事項カ登記原因ヲ証スル書面ト符合セ,サルトキ」に当たるものとして,上記の登記申請を却下するべきであったものといわざるを得ないのであって,控訴人の引用する上記判例が,このような場合にまで申請どおりの中間省略登記を登記官に義務付けるものでないことは,前記のとおりである。そして,旧法が全部改正され,登記原因を証する書面に代えて登記申請書の副本の提出を認めていた旧法第40条が放逐された以上,控訴人の上記主張を採用する余地はないというべきである。 なお,控訴人は,登記官が控訴人の申請に係る中間省略登記を認めないのは,行政庁である登記官の裁量を逸脱するものであって違法無効である- 11 -旨縷々主張しているが,登記官が控訴人による本件申請を却下したが適法 ,登記官が控訴人の申請に係る中間省略登記を認めないのは,行政庁である登記官の裁量を逸脱するものであって違法無効である- 11 -旨縷々主張しているが,登記官が控訴人による本件申請を却下したが適法であることは前記のとおりであって,控訴人の上記主張は採用することができない。 争点2(義務付けの訴えの適否)について行政事件訴訟法第3条第6項第2号の義務付けの訴えは,法令に基づく申請等を却下し又は棄却する旨の処分等がされた場合において,当該処分等が取り消されるべきものであり又は無効若しくは不存在であること同,(),,法37条の3第1項第2号を訴訟要件としているところ前記のとおり(),,控訴人による本件登記申請を却下した処分本件処分は適法であって,,取り消されるべきものとはいえないし無効又は不存在ともいえないから本件訴えのうち,本件申請の受理の義務付けを求める部分は,上記の訴訟要件を欠き不適法なものといわざるを得ない。 結論 以上によれば,控訴人の訴えのうち,登記官において上記所有権移転登記申請を受理すべき旨を求める部分は不適法であるから却下し,その余は理由がないから棄却すべきである。 第4 結論 ,,,よって原判決は結論において相当であり本件控訴は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第21民事部裁判長裁判官濱野惺- 12 -裁判官高世三郎裁判官西口元

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