令和6(行ク)30 仮の差止め申立て事件

裁判年月日・裁判所
令和6年2月27日 東京地方裁判所
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判決文本文9,465 文字)

- 1 -令和6年(行ク)第30号仮の差止め申立て事件(本案:令和6年(行ウ)第57号医師国家試験予備試験受験資格認定処分取消差止め等請求事件)主文 1 相手方は、本案の第1審判決言渡しまで、申立人に対し、医師 国家試験予備試験の受験資格の認定処分の取消しをしてはならない。 2 申立人のその余の申立てを却下する。 3 申立費用は、これを2分し、それぞれを各自の負担とする。 理由 第1 申立ての趣旨 1 主文1項と同旨。 2 相手方は、本案の第1審判決言渡しまで、申立人又は実地修練受入病院に対する働き掛けその他の方法により、申立人が、医師国家試験予備試験に合格した者として医師法11条2号に基づいて上記受入病院において診療及び公衆衛 生に関する実地修練を行うことを妨害してはならない。 第2 事案の概要本件は、申立人が、厚生労働大臣から、令和3年9月1日付けで、医師国家試験予備試験の受験資格の認定処分(以下「本件認定処分」という。)を受けたところ、厚生労働大臣から、本件認定処分の取消し(以下「本件取消し」と いう。)を受けようとしているため、本案として、行政事件訴訟法3条7項の差止めの訴えとして、①本件取消し及び②申立人が医師法11条2号に基づく実地修練(以下、単に「実地修練」ということがある。)を行うことに対する妨害(以下「本件妨害」という。)の差止めを求める訴えを提起した上で、これらの仮の差止めを申し立てる事案である。 1 医師法の定め - 2 -本件に関係する医師法の定めは、別紙2医師法の定めのとおりである。 2 前提事実一件記録によれば、次の事実が一応認められる。 ⑴ 申立人ア申立人は、中華人民共和国(以下「中国」という。)の国籍を有する外 国 めは、別紙2医師法の定めのとおりである。 2 前提事実一件記録によれば、次の事実が一応認められる。 ⑴ 申立人ア申立人は、中華人民共和国(以下「中国」という。)の国籍を有する外 国人である。 イ申立人は、平成22年9月から平成27年6月まで、中国の医学校であるA大学において、中医学(いわゆる東洋医学の一つで、漢方など中国の伝統医学を基本とする医学のことをいう。)専攻(5年制)本科に在籍し、同科を修了して卒業した(疎甲6の1の1・2、疎乙3)。 ウ中国の医師免許は、西洋医学(臨床医学)と東洋医学(中医学)に分かれているところ(疎乙2)、申立人は、中国において、中医学に係る国家医師資格試験に合格し、平成28年12月2日、中医師(中医学の医師)の資格を取得した(疎甲6の2の1・2)。 ⑵ 本件の経緯 ア申立人は、日本で医師となるため、医師国家試験の受験資格認定及び医師国家試験予備試験の受験資格認定の各申請をしたところ、厚生労働大臣から、令和3年5月14日付けで、上記各申請いずれについても不認定処分を受けた(疎甲6の3、疎乙6)。 イ申立人は、再度、医師国家試験の受験資格認定及び医師国家試験予備試 験の受験資格認定の各申請をしたところ、令和3年9月1日付けで、医師国家試験の受験資格認定の申請については、不認定処分を受けたが、医師国家試験予備試験の受験資格認定の申請については、認定処分(本件認定処分)を受けた(疎甲2、6の4の1・2、疎乙7)。 ウ申立人は、令和5年11月27日、医師国家試験予備試験に合格(以下 「本件合格」という。)した(疎甲6の5の3)。 - 3 -エ申立人は、令和6年3月上旬頃までには、B病院において、実地修練を開始する予定であるが、同年1月26日、厚 に合格(以下 「本件合格」という。)した(疎甲6の5の3)。 - 3 -エ申立人は、令和6年3月上旬頃までには、B病院において、実地修練を開始する予定であるが、同年1月26日、厚生労働省医政局医事課試験免許室長及び試験専門官と面談した際、同人らから、本件認定処分について誤りがあったため取消し(本件取消し)をする予定である旨を伝えられた(疎甲4、6の6・7、疎乙8)。 3 争点及びこれに関する当事者の主張本件の争点は、次のとおりであり、争点に関する申立人の主張は、別紙3-1ないし3-3のとおりであり、相手方の主張は、別紙4のとおりである。 ⑴ 本件妨害に係る仮の差止めの申立て適法な差止めの訴えが提起されたか否か(行政事件訴訟法37条の5第2 項)―本件妨害の処分性の有無(同法3条7項)⑵ 本件取消しに係る仮の差止めの申立てア適法な差止めの訴えが提起されたか否か(行政事件訴訟法37条の5第2項)―重大な損害を生ずるおそれの有無(同法37条の4第1項)イ償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるか否か(同法3 7条の5第2項)ウ本案について理由があるとみえるときに当たるか否か(本件取消しの違法性。同項)エ公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるか否か(同条3項)第3 当裁判所の判断 1 争点⑴(本件妨害に係る仮の差止めの申立てにつき、適法な差止めの訴えが提起されたか否か―本件妨害の処分性の有無)について行政事件訴訟法3条7項に規定する差止めの訴えの対象となる処分すなわち行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為は、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、 又はその範囲を確定することが法律上認 分すなわち行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為は、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、 又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁昭和 - 4 -39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 申立人が本案において差止めを求める本件妨害は、要するに、申立人の実地修練に関するB病院の問い合わせを意図的に無視する行為などを指すものと解されるところ、これらは法律に根拠のない事実上の行為にすぎず、これらにより直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認めら れるものとはいえない。 そうすると、本件妨害に係る差止めの訴えは、差止めの訴えの対象とならないものを対象とするものであるというほかなく、不適法であるから、本件妨害に係る仮の差止めの申立てについて適法な差止めの訴えが提起されていないこととなる。 したがって、本件妨害に係る仮の差止めの申立ては不適法である。 2 争点⑵ア(本件取消しに係る仮の差止めの申立てにつき、適法な差止めの訴えが提起されたか否か―重大な損害を生ずるおそれの有無)について後記3に説示するところに照らせば、本件取消しがされることにより重大な損害が生ずるおそれがあると一応認めることができ、本件取消しに係る仮の差 止めの申立てについては、適法な差止めの訴えが提起されたものと一応認めることができる。 3 争点⑵イ(本件取消しに係る仮の差止めの申立てにつき、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるか否か)について⑴ 行政事件訴訟法37条の5第2項は、処分の仮の差止めの要件として、処 分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必 害を避けるため緊急の必要があるか否か)について⑴ 行政事件訴訟法37条の5第2項は、処分の仮の差止めの要件として、処 分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があることを要する旨を規定し、本案訴訟である差止めの訴えの「重大な損害を生ずるおそれがある場合」(同法37条の4第1項)よりも厳格な要件を規定している。 同法37条の5第2項が上記のような要件を規定した趣旨は、処分の仮の 差止めが、具体的な行政処分がされる前に行われるもので、かつ、処分の差 - 5 -止めの訴えに係る本案訴訟の判決の前に、裁判所が具体的な処分をすべきでないことを命ずる裁判であり、本案訴訟の結果と同じ内容を仮の裁判で実現するものであることから、厳格な要件の下で、これを運用しようとした点にあると解される。 そうすると、処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避 けるため緊急の必要があるといえるためには、当該処分により生ずる損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案して(同法37条の4第2項参照)、当該損害につき、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることや金銭賠償を受けることによる救済が著しく困難であるか、又は社会通念に照らして 著しく不相当であると認められ、処分がされる前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが著しく困難なものであることを要すると解するのが相当である。 ⑵ 医師法は、医師になろうとする者は、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない旨規定した上で(同法2条)、医師国家試 験の受験資格について、①大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(以下「日本医学部卒 家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない旨規定した上で(同法2条)、医師国家試 験の受験資格について、①大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(以下「日本医学部卒業者」という。)、②医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの、③外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者(以下「外国医学校卒業者等」という。)で、厚生労働大臣が上記①及び②に掲げる者 と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したものである旨規定し(同法11条)、上記②の医師国家試験予備試験の受験資格については、外国医学校卒業者等のうち、上記③に該当しない者であって、厚生労働大臣が適当と認定したものである旨規定している(同法12条)。 一件記録によれば、申立人は、令和3年9月1日付けで、本件認定処分を 受け(前記前提事実⑵イ)、令和5年11月27日、本件合格をし(同ウ)、 - 6 -令和6年3月上旬頃から、B病院において、実地修練を行う予定であること(同エ)が認められるところ、本件において、本件取消しがされた場合、申立人は医師国家試験予備試験の受験資格をそもそも有していなかったことになるのであるから、同法12条の規定に照らして、本件合格も当然に無効となると解するのが相当であり、これに反する相手方の主張は、採用すること ができない。また、本件取消しにより本件合格が無効となった場合、申立人の実地修練を受け入れる大学病院等があるとは想定し難く、申立人は実地修練を行うことができなくなるものと認められ、これに反する相手方の主張は、採用することができない。そして、同法11条2号によれば、医師国家試験予備試験の合格及び1年以上の実地修練の修了が医師国家試験の受験 行うことができなくなるものと認められ、これに反する相手方の主張は、採用することができない。そして、同法11条2号によれば、医師国家試験予備試験の合格及び1年以上の実地修練の修了が医師国家試験の受験資格の 要件となっており、同法2条によれば、医師国家試験の合格が医師になるための要件となっているから、本件取消しにより本件合格が無効となり、実地修練を行うことができなくなれば、医師国家試験の受験資格を得ることができず、医師になることもできないこととなる。 また、一件記録によれば、厚生労働大臣は、中医学の学校を卒業した者や 中医学の医師の資格を取得した者は、外国医学校卒業者等に該当しないという運用に基づき、申立人の卒業した医学校が中医学の学校であり、申立人の取得した医師の資格が中医師のものであって、外国医学校卒業者等に該当しないことを理由に、本件取消しをしようとしており、かかる運用及び理由を前提にすると、今後、申立人が、A大学の卒業又は中医師の資格の取得に基 づき、医師国家試験の受験資格認定及び医師国家試験予備試験の受験資格認定の各申請をしたとしても、これらの認定を受けられる可能性はほとんどない。そうすると、申立人が日本において医師になるためには、医学校に入学し直すなどする必要があり、それに要する時間も費用も多大なものとなる。 以上によれば、本件取消しがされた場合、申立人は、多大な時間と費用を かけて医学校に入学し直すか、又は日本において医師になることを諦めるか - 7 -の選択を余儀なくされるのであり、これは申立人の職業選択の自由(憲法22条1項)の侵害であるともいい得る。以上に加え、本件取消しによって、申立人が本件認定処分を前提に日本において医師として活動すべく費やしてきた時間や費用も無に帰させることとなる 業選択の自由(憲法22条1項)の侵害であるともいい得る。以上に加え、本件取消しによって、申立人が本件認定処分を前提に日本において医師として活動すべく費やしてきた時間や費用も無に帰させることとなることも考慮すれば、本件取消しによって申立人に生ずる損害について、金銭賠償を受けることによる救済が著 しく困難であるか、又は社会通念に照らして著しく不相当であるといえる。 なお、本件取消しに係る救済の手段としては、本件取消しがされた後にその取消訴訟及び執行停止を申し立てることも考えられるが、その決定までには相応の期間を要し、少なくとも申立人が令和7年中に医師国家試験を受けることは困難となる可能性が高いといえるほか、一度、本件取消しを受けた 申立人の実地修練を受け入れる大学病院等があるとは考え難く、令和8年以降も、申立人が医師国家試験を受けることは難しいと考えられるから、本件取消しの取消訴訟及び執行停止の申立てによる救済は、著しく困難であるか、又は社会通念に照らして著しく不相当であるといえる。 ⑶ 以上によれば、本件取消しにより生ずる損害は、本件取消しがされた後に 取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることや金銭賠償を受けることによる救済が著しく困難であるか、又は社会通念に照らして著しく不相当であると認められ、処分がされる前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが著しく困難なものであるといえるから、本件取消しを仮に差し止めることにつき、「償うことのできない損害を避けるため緊急の必 要」があると一応認められる。 4 争点⑵ウ(本件取消しに係る仮の差止めの申立てにつき、本案について理由があるとみえるときに当たるか否か(本件取消しの違法性))について⑴ 申立人が外国医学校卒業者等に該当するか否かについて 4 争点⑵ウ(本件取消しに係る仮の差止めの申立てにつき、本案について理由があるとみえるときに当たるか否か(本件取消しの違法性))について⑴ 申立人が外国医学校卒業者等に該当するか否かについて厚生労働大臣は、申立人が外国医学校卒業者等に該当しないことを理由に 本件取消しをしようとするものであるから、申立人が外国医学校卒業者等に - 8 -該当するか否かについて、以下検討する。 ア医師法11条1号及び2号によれば、外国医学校卒業者等は、同条3号に該当しない限り、医師国家試験予備試験の合格及び1年以上の実地修練を経ることによって、初めて日本医学部卒業者と同様に医師国家試験の受験資格を得ることができることになるから、同法12条に基づき、厚生労 働大臣から、医師国家試験予備試験の受験資格の認定を受けるためには、医師国家試験予備試験に合格し、1年以上の実地修練を経れば、日本医学部卒業者と同等以上の医療に関する学力及び技能を備えているといえる程度の医学教育を受けていることを要するものと解される。 すなわち、外国医学校卒業者等に該当するためには、少なくとも、日本 の大学の医学部で行われるものと同程度の内容の履修科目又は取得単位が設定されている外国の医学校を卒業するか、又は、日本の医師免許と同程度の医師免許を得ていることを要するものと解される。 そして、「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」(疎乙11)には、日本の大学の医学部が共通して取り組むべきとされる カリキュラムとして、主に近代西洋医学が記載されていることに照らすと、外国医学校卒業者等に該当するためには、近代西洋医学の各科目に相当する内容の履修科目又は取得単位が設定されている外国の医学校を卒業するか、又は、主に近代西洋医学を実践する医 れていることに照らすと、外国医学校卒業者等に該当するためには、近代西洋医学の各科目に相当する内容の履修科目又は取得単位が設定されている外国の医学校を卒業するか、又は、主に近代西洋医学を実践する医師免許を取得している必要があるといえる。 イ一件記録によれば、A大学の学部には、生命科学、臨床医学などの近代西洋医学の学部と考えられるものがあるほか、国家重点学科の二級学科として、中西医結合基礎という、中医学と西洋医学の融合するものと考えられる学科が挙げられていること(疎甲6の12)、中西医結合については、ポストドクターの受入れの認可を受けた科学研究施設も設けられているこ と(疎乙5)、A大学の臨床医学分野が、米国の学術雑誌データベースに - 9 -おいて、世界の教育機関の上位1パーセントに入ったことがあり(疎甲12)、欧米からも評価されている、つまり、近代西洋医学の観点からも評価されているといえること、申立人が、医師国家試験の受験資格認定及び医師国家試験予備試験の受験資格認定の各申請の際にA大学において履修したとして申し出た科目には、近代西洋医学の科目であると考えられるも のが20以上あること(疎甲6の4の1、疎乙7)が認められ、これらの事実からすれば、申立人が卒業したA大学が中医学だけでなく近代西洋医学も研究・教育する大学であり、相当数の近代西洋医学の各科目に相当する内容の履修科目又は取得単位が設定されていることが認められる。これに対し、相手方は、A大学が主に中医学を主要な学科とする大学であるこ とをもって、医師法12条の「外国の医学校」に当たらない旨主張するが、上記において述べたことからすれば、これを理由に当裁判所の上記認定が左右されるものではない。 そうすると、申立人は、外国医学校卒業者等に該当す 師法12条の「外国の医学校」に当たらない旨主張するが、上記において述べたことからすれば、これを理由に当裁判所の上記認定が左右されるものではない。 そうすると、申立人は、外国医学校卒業者等に該当するといえるから、申立人が外国医学校卒業者等に該当しないことを理由に本件取消しをす ることが違法であると一応認めるのが相当である。 ⑵ 小括以上によれば、本件取消しに係る仮の差止めの申立てについて、本案について理由があるとみえるときに当たると一応認めることができる。 5 争点⑵エ(本件取消しに係る仮の差止めの申立てにつき、公共の福祉に重大 な影響を及ぼすおそれがあるか否か)について相手方は、本件取消しに係る仮の差止めの決定がされた場合、中医学の医師の資格しか有さない申立人が、実地修練において西洋医学を含めた医業の一部を行うなどすれば、医療事故を起こす危険を招来し、人の生命及び身体の安全の確保という「公共の福祉」に重大な影響を及ぼすおそれがある旨主張する。 しかしながら、実地修練は、医師国家試験予備試験の合格が前提となってお - 10 -り、これを実施する者につき、臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能が一定程度備わっていることが前提となっているだけでなく、日本の大学の医学部生の臨床実習に準じたカリキュラムで行うこととされ(疎乙12)、かかる臨床実習は、侵襲性のそれほど高くない一定のものに限られること、指導医による指導・監督の下に行われること、 患者等の同意を得ることなどが条件とされている(疎乙11)から、本件合格をした申立人が実地修練を行うことによって、人の生命及び身体の安全に直ちに危険が及ぶものではない。また、本件取消しに係る仮の差止めの決定がされて、申立人が実地修練を経た る(疎乙11)から、本件合格をした申立人が実地修練を行うことによって、人の生命及び身体の安全に直ちに危険が及ぶものではない。また、本件取消しに係る仮の差止めの決定がされて、申立人が実地修練を経たとしても、医師免許を取得するためには、医師国家試験に合格する必要があるから(医師法2条)、申立人が直ちに医師免許を 取得し、医業を行うことになるものでもない。 したがって、本件取消しを仮に差し止めたとしても、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるということはできない。 6 結論よって、本件申立ては、本件取消しに係る仮の差止めを求める部分の限度で 理由があるから、その限度で認容し、その余の部分は理由がないから、これを却下することとして、主文のとおり決定する。 令和6年2月27日東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官鎌野真敬 裁判官栗原志保 - 11 -裁判官都 築 健太郎(別紙1、3及び4省略) - 12 -(別紙2)医師法の定め (医師の任務)第1条医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増 進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。 (免許)第2条医師になろうとする者は、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。 (試験の目的) 第9条医師国家試験は、臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能について、これを行う。 (医師国家試験の受験資格)第11条医師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。 一大学において、医学の正規の課程を修めて卒業し を行う。 (医師国家試験の受験資格)第11条医師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。 一大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者二医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの三外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者で、厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定 したもの(医師国家試験予備試験の受験資格)第12条医師国家試験予備試験は、外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者のうち、前条3号に該当しない者であって、厚生労働大臣が適当と認定したものでなければ、これを受けることができない。 (医師でない者の医業禁止) - 13 -第17条医師でなければ、医業をなしてはならない。 以上

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