- 1 -主文 総務大臣が、A株式会社による平成16年2月18日付(ただし、下記( )の四国総合通信局長の処分については、同月12日付)審査請求 に基づき、平成17年4月28日付でした次の裁決をいずれも取り消す。 ( ) 北海道総合通信局長が、平成16年1月29日付北通有第33号に よって行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録1記載の文書を不開示とする裁決。 ( ) 東北総合通信局長が、平成16年2月10日付東通有第29号によ って行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録2記載の各文書についての「不開示とすべき部分」欄記載の部分を不開示とする裁決。 ( ) 関東総合通信局長が、平成16年2月6日付関通放有第73号によ って行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録3記載の各文書についての「不開示とすべき部分」欄記載の部分を不開示とする裁決。 ( ) 中国総合通信局長が、平成16年2月13日付中通有第44号によ って行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録4記載の各文書についての「不開示とすべき部分」欄記載の部分を不開示とする裁決。 ( ) 四国総合通信局長が、平成16年1月29日付四通放第32号によ って行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録5記載の各文書についての「不開示とすべき部分」欄記載の部分を不開示とする裁決。 ( ) 九州総合通信局長が、平成16年1月23日付九通有第20号によ って行った行政文書一部開示決定のうち、別紙文書目録6記載の各文書についての「不開示とすべき部分」欄記載の部分を不開示とする裁- 2 -決。 訴訟費用は、被告の負担とする。 事実及び理由 第1申立て 請求の趣旨主文と同旨 請求の趣旨に対する答弁原告の請求をいずれも棄却する。 第2 の部分を不開示とする裁- 2 -決。 訴訟費用は、被告の負担とする。 事実及び理由 第1申立て 請求の趣旨主文と同旨 請求の趣旨に対する答弁原告の請求をいずれも棄却する。 第2事案の概要等 事案の概要本件は、北海道、東北、関東、中国、四国、九州各総合通信局長(以下、まとめて「原処分庁」という)に対し、行政機関の保有する情報の公開に関す。 る法律(以下「情報公開法」という)に基づき、訴外A株式会社(以下。 「A」という)に係る情報(情報の内容は、後述する)の開示請求をしたと。 。 ころ、原処分庁から、開示決定(ただし、一部不開示部分がある。以下、これらをまとめて「原処分」ということがある)を得た原告が、その後、Aの審。 査請求を受けた総務大臣(以下「裁決庁」という)から、原処分を変更して。 。 、情報を一部不開示とする旨の裁決(以下「本件裁決」という)を受けたため本件裁決は違法であると主張して、その取消しを求める事案である。 前提となる事実関係以下の事実は、当事者間に争いがない。 1)原告は、情報公開法4条1項に基づき、原処分庁に対し、下記の日時に、Aから提出された「有線ラジオ放送の設備の設置及び業務の開始届」及び「変更届」並びに当該届出が受理された日及び当該届により有線放送事業が営むことができる地域が判別できる書類の情報開示請求(以下「本件請求」という)を行った。 。 - 3 -北海道総合通信局長に対し、平成15年12月16日東北総合通信局長に対し、同月12日関東総合通信局長に対し、同月12日中国総合通信局長に対し、同月15日四国総合通信局長に対し、同月10日九州総合通信局長に対し、同月12日2)原処分庁は、下記の日時に、原告の請求に係る情報の開示決定(原処分。 なお、一部不開示部分があるが、本件の に対し、同月15日四国総合通信局長に対し、同月10日九州総合通信局長に対し、同月12日2)原処分庁は、下記の日時に、原告の請求に係る情報の開示決定(原処分。 なお、一部不開示部分があるが、本件の争点とは関係がないので、ここでは触れない)をした。 。 北海道総合通信局長平成16年1月29日東北総合通信局長同年2月10日関東総合通信局長同月6日中国総合通信局長同月13日四国総合通信局長同年1月29日九州総合通信局長同月23日3)Aは、平成16年2月12日から同月18日にかけて、裁決庁に対し、原処分庁が行った原処分に対する審査請求(行政不服審査法5条1項。以下、「本件審査請求」という)を行った。裁決庁は、行政不服審査法34条2。 項に基づき、審査請求に対する裁決の日まで、原処分の執行を停止する旨の決定を行った。 4)裁決庁が、平成16年6月18日、情報公開審査会に対して諮問を行ったところ、同審査会は、平成17年3月8日、原処分において開示することとされた文書のうち、一部については、不開示とするのが相当であるとの答申をした。 5)裁決庁は、同審査会の答申を踏まえ、平成17年4月28日付けで、原処分を変更し、別紙文書目録1記載の文書、同目録2ないし6の各「不開示と- 4 -すべき部分」欄記載の文書ないしその一部(以下、これらをまとめて「本件不開示部分」という)を不開示とするとの本件裁決をした。 。 なお、本件不開示部分は、Aが原処分庁に対し、有線ラジオ放送法3条に基づいて行った有線ラジオ放送の設備の設置及び業務の開始届及び変更届に係る届出書の記載の一部、又は添付書類の一部であって、具体的には、届出に係る営業範囲の地域名を記載した部分、有線電気設備が設置されている場所を示す線路図、電柱に架線することの承諾書及び道路占用許可申 係る届出書の記載の一部、又は添付書類の一部であって、具体的には、届出に係る営業範囲の地域名を記載した部分、有線電気設備が設置されている場所を示す線路図、電柱に架線することの承諾書及び道路占用許可申請書等であり、これらの情報が開示されることになれば、Aが、有線ラジオ放送法上、適法に有線ラジオ放送事業を行うことができる地域を具体的に特定することが可能になる。 6)原告は、同年10月27日、本訴を提起した。 第3争点と争点に対する判断 争点 本件の争点は、本件不開示部分には、情報公開法5条2号イ所定の不開示事由が存するかどうかであり、この点に関する当事者双方の主張の概略は、次のとおりである。 1)被告( ) 情報公開法5条2号イは、いわゆる法人等情報のうち「公にすること 、により、当該法人等・・・の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがあるもの」を不開示情報と定めている。この規定は、法人等が有する正当な権利利益は、原則として、開示することにより害されるべきではないとの考え方に基づいて規定されたものであるから、この規定にいう「競争上の地位」とは、法人等の公正な競争関係における地位を指すものと解すべきである。また「害するおそれ」があるかどうかの判断に、当たっては、法人等には様々な種類、性格のものがあり、その権利利益にも様々なものがあるので、法人等の性格や権利利益の内容、性質等に応じ、- 5 -当該法人等の憲法上の権利の保護の必要性、当該法人等と行政との関係等を十分に考慮して、適切に判断をする必要があるものというべきである。 ( ) 本件不開示部分には、Aが有線放送事業を営むことができる地域が判別 できる情報のみが記載されているが、これとAによる実際の架線等の敷設状況を照合し、本件不開示部分に示されていない地域にAの ( ) 本件不開示部分には、Aが有線放送事業を営むことができる地域が判別 できる情報のみが記載されているが、これとAによる実際の架線等の敷設状況を照合し、本件不開示部分に示されていない地域にAの架線等が敷設されていることが確認されれば、当該地域においてAが有線ラジオ放送法3条等に違反している事実が明らかになるものである。 そして、有線ラジオ放送業界の特異な状況を考慮すると、有線ラジオ放送法3条等に違反している事実が明らかになれば、競争事業者がこれを利用し、Aが違法な事業活動を行っていることを殊更強調した強力な宣伝活動等を行うことが予想され、その結果、利用者が、Aが本来は適法に事業活動を行っている地域においても違法な事業活動を行っているかのような誤解をすることにより、Aの競争上の地位が害されるおそれがある。 ( ) すなわち、平成15年7月、Aの社員の約3分の1が退職し、これらの 退職者が中心となって株式会社B(以下「B」という)を設立し、原告。 の代理店業務を開始した。これに対して公正取引委員会は、原告及びBが、平成15年8月以降、Aの顧客だけを対象に不当な値引きを行い、集中的にAの顧客を奪取したが、通謀による我が国における業務店向け音楽放送の取引分野における競争を実質的に制限したもので、独占禁止法3条の規定に違反するものとして、両者に対し、平成16年9月に勧告、同年10月に審決を行ったという経緯もあったとおり、Aと原告及びBとの間では、激烈な顧客獲得競争が行われていた。 そのような中、Bは、利用者に対し「AはC、電力会社及び関係省庁、への許可をとらずに営業をしている違法企業です。そのため3月ころには営業停止になり放送できなくなります「Aが3月いっぱいで倒産する。」、ので、今のうちに切り替えてください」といった口頭の申し入れ への許可をとらずに営業をしている違法企業です。そのため3月ころには営業停止になり放送できなくなります「Aが3月いっぱいで倒産する。」、ので、今のうちに切り替えてください」といった口頭の申し入れをした。 - 6 -り「有線放送違法事業者撤廃キャンペーン」と題する書面の中で、有線、ラジオ放送法3条等違反の事実の有無に関する問い合わせ先は総務省衛星放送課ではないにもかかわらず、放送免許の問い合わせ先として同課を記載し「Aさんは、放送免許を取得していますか?」と問い合わせるよう、勧め、利用者においてAによる放送免許がないことを確認した場合には、適法な区域か否かを問わず違法であるとの誤解を生じさせるような広告宣伝活動を行うなどしている。 このように本件不開示部分が開示される以前においてすら、利用者らが、Aが適法な区域についてまで違法な営業を行っているかのような誤解を生じさせるような広告宣伝活動が行われていたのであるから、本件不開示部分が開示され、Aが有線ラジオ放送法3条等に違反して営業している具体的区域が明確になれば、Bの関係者らが、Aの違法行為を更に詳細に強調するなどして、利用者らに適法な区域についてまで違法であるとの誤解を生じさせるちらしを配布したり、内容の説明をするおそれがみとめられるのであり、このような事態は、Aの競争上の地位を害することは明らかなのである。 以上のとおり、裁決庁は、あくまでもAの競争上の地位が害されることを理由として本件裁決をしたものであって、Aの違法行為を不問に付す意図で本件裁決をしたものではない。 ( ) 原告は、①本件不開示部分の記載と実際の架線等との照合作業は容易で はない、②被告は、本件不開示部分の具体的な情報内容・性質をもとにして、具体的に法人等の正当な利益を害するおそれがあることを客観的に主 は、①本件不開示部分の記載と実際の架線等との照合作業は容易で はない、②被告は、本件不開示部分の具体的な情報内容・性質をもとにして、具体的に法人等の正当な利益を害するおそれがあることを客観的に主張立証すべきなのにそれをしていないと主張する。 しかしながら、現場に敷設された架線等がどの会社によるものであるかは、十分に判別可能であることは情報公開審査会においても確認していた事柄であり(甲8の2、競争事業者であれば更に容易に判別できるはず)- 7 -であるから、照合作業は容易に行うことができるものというべきであって、上記①の主張は失当である。また、上記②の主張は、不開示部分の個別具体的な文言を明らかにできない以上、いかなる性質、種類の情報が記録されているかという一般的抽象的な観点による審理、判断とならざるを得ない情報公開訴訟の特質を無視した主張であって、やはり失当である。 2)原告( ) 本件不開示部分には、Aが適法に有線ラジオ放送事業を行うことができ る地域を明らかにする情報が記載されているのにすぎないところ、このような情報がAの競争上の地位を害するおそれのあるものではないことは明らかである。 また、被告は、本件不開示部分の記載と、Aが設置した実際の架線等の敷設状況を照合すれば、一定の地域において、Aが有線ラジオ放送法3条等に違反している事実が明らかになると主張するが、そのような照合作業自体、容易に行うことができるものではない上、仮に有線ラジオ放送法3条等に違反している事実が明らかになったとしても、そのような法違反の事実を明らかとされないという利益が「競争上の地位その他正当な利、益」に含まれないことも明らかである。 ( ) そこで、被告は「本件不開示部分が開示された場合には、その記載と 、現地の状況とを照合することによって いという利益が「競争上の地位その他正当な利、益」に含まれないことも明らかである。 ( ) そこで、被告は「本件不開示部分が開示された場合には、その記載と 、現地の状況とを照合することによって、Aが一定の地域において、有線ラジオ放送法3条等に違反している事実が明らかになり、そのことを利用した宣伝広告活動等によって、適法な事業を行っている地域においても違法な事業を行っているという誤解が生ずるおそれがあり、これがAの競争上の地位を害する」という趣旨の主張をする。 。 しかしながら、被告としては、本件不開示部分の具体的な情報内容・性質をもとにして、具体的に法人等の正当な利益を害するおそれがあることを客観的に主張立証すべきところ、被告の主張は、抽象的な可能性の指摘- 8 -にとどまるものにすぎない。また、一定の情報が開示された場合、それを知った者の中に、誤解が生ずる抽象的可能性というものは常に存在するものといわざるを得ないが、そのような抽象的可能性を理由に情報開示を拒むことができるということになれば、違法行為をめぐる情報の開示は一切拒むことができるということにもなりかねないのであるから、そもそも、誤解のおそれを理由として情報を不開示とすることは許されないものと解すべきである。 更に、Aが、一部の地域において、有線ラジオ放送法3条等に違反する営業を行っていることは、周知の事実ともいえる事柄であり、本件不開示部分が開示されることによって初めて明らかになる事柄ではない。本件不開示部分が開示されれば、適法な事業が行われている地域とそうではない地域とが、資料に基づいて客観的に明らかになるのであるから、両者の混同のおそれはむしろ減少するものというべきである。被告は、原告やその関連会社が、これまでもAに対する誹謗中傷的行為を行ってきており、本件不 、資料に基づいて客観的に明らかになるのであるから、両者の混同のおそれはむしろ減少するものというべきである。被告は、原告やその関連会社が、これまでもAに対する誹謗中傷的行為を行ってきており、本件不開示部分が開示されれば、それによって得られた情報を利用して、更にそのような行為を強化させると主張しているのであるが、適法な事業を違法な事業と誤認させるような広告宣伝活動を行うことが不正競争防止法等に違反する違法行為であることは明らかなのであるから、原告等がそのような行為を行うはずはない。被告の主張は、Aが、審査請求において提出した不確かな情報に基づくものにすぎず、到底容認できるものではない。 争点に対する判断1)本件においては、本件不開示部分に記載された情報が、情報公開法5条2号イに規定する「公にすることにより、当該法人等・・・の・・・、競争、上の地位・・・を害するおそれがあるもの」に当たるかどうかが問題とされているところ、同条項は、法人に関する情報であって、当該法人等の公正な競争関係における地位を害するおそれがあると客観的に認められるものを指- 9 -すものと解される(最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日判決、集民203号783頁参照)ので、以下、このような観点から検討する。 2)本件不開示部分が開示されることになれば、Aが、有線ラジオ放送法上、適法に有線ラジオ放送事業を行うことができる地域を具体的に特定することが可能になることは前認定のとおりであるところ、証拠(甲8の1の3、8の2の3、8の3の3、8の4の3、8の5の3、8の6の3)によれば、本件審査請求について諮問を受けた情報公開審査会において、審査請求人であるAが提示した写真により架線等の敷設状況を確認したところ、設置された機器の形状等により、敷設した事業者の判別が可能 によれば、本件審査請求について諮問を受けた情報公開審査会において、審査請求人であるAが提示した写真により架線等の敷設状況を確認したところ、設置された機器の形状等により、敷設した事業者の判別が可能であることが判明したことが認められるから、本件不開示部分から得られた情報と、Aによる架線等の実際の敷設状況とを照合すれば、Aが、有線ラジオ放送法3条に基づく届出を行っていない地域において、有線放送のための架線等を敷設している場合には、その事実を確認することが可能であると認めることができるし、そのような確認は、専門的知識を有する競争事業者等にとっては比較的容易であるものと推認することができる。 そうすると、本件不開示部分の開示によって、Aが、適法に有線ラジオ放送事業を行うことができる地域が具体的に判明するばかりではなく、仮にAが適法に有線ラジオ放送事業を行うことができない地域において同事業を行っていた場合には、その事実、及び違法に事業が行われている地域が具体的に判明することになるというべきであるが、これらのうち、前者の点は、それ自体としてみればAの公正な競争関係における地位を害するものではないし、後者の点も、それ自体としてみれば、不適法な事業を行っていることによるやむを得ない結果というべきであって、そのような事実が開示されないことが公正な競争関係における地位に含まれるものということはできない。 3)被告は、本件の特殊な状況の下において、Aが違法な事業を行っている事実が判明すると、それを利用して、あたかも、適法に事業を行うことができ- 10 -る地域においても違法な事業が行われているかのような誤解を生じさせる宣伝広告活動が行われ、これによってAの公正な競争における地位が害されるおそれがあると主張する。 そこで検討するに、証拠(甲8の1ないし6( おいても違法な事業が行われているかのような誤解を生じさせる宣伝広告活動が行われ、これによってAの公正な競争における地位が害されるおそれがあると主張する。 そこで検討するに、証拠(甲8の1ないし6(枝番を含む、甲9の1な)いし6、甲13の1ないし5、甲14、乙1ないし4)によれば、①原告とAとは、以前から競争関係にあり、そのような中で、平成15年7月には、Aの社員の約3分の1が退職し、これらの退職者が中心となってBを設立し、原告の代理店業務を開始したため、Aが、東京地方裁判所に対し、B及び退職した社員9名を債務者として、競業禁止仮処分の申立てを行い(ただし、同申立てに対しては、平成15年10月10日付けで、これを却下する旨の決定がされている、また、平成16年9月14日には、公正取引委員会が、。)原告(当時の商号は、株式会社D)及びBに対し、両社は、平成15年8月以降、Aの顧客に限って切替契約の条件として3675円を下回る月額聴取料又はチューナー設置月を含めて3か月を超える月額聴取料の無料期間を提示するキャンペーン等を順次実施することにより、集中的にAの顧客を奪取し、このような行為によって、通謀して、我が国における業務店向け音楽放送の取引分野における競争を実質的に制限したとして勧告を行う(この勧告を両社が応諾したため、同年10月13日、同意審決がされている)など。 の事態が生じたこと、②有線ラジオ放送業界においては、かつて、業者が、電柱、電話柱、道路等に、その管理者の許可や承諾を得ないまま有線放送用ケーブルを張り巡らせることが横行しており、社会問題化していたこと、③原告は、平成12年ころまでには、上記②の違法状態を解消したとしているが、Aは、平成15年度中に、電気事業者及び電気通信事業者との間で「正常化確認書」の締結を終え、違法 、社会問題化していたこと、③原告は、平成12年ころまでには、上記②の違法状態を解消したとしているが、Aは、平成15年度中に、電気事業者及び電気通信事業者との間で「正常化確認書」の締結を終え、違法状態の解消に向けて作業を続けているものの、本件審査請求に係る情報公開審査会の答申(平成17年3月、及び本)件裁決(同年4月)においては、未だそれらの作業が終了していないものと- 11 -認定されていること、④原告及びBが、その営業活動の中で、Aが違法行為を行っている旨の指摘をしていることは事実であり、幾つか例を挙げるならば(a)B横浜営業所による、平成15年8月付けの挨拶状には、Aが未、だに違法営業(営業電柱、電話柱、道路等に、その管理者の許可や承諾を得ないまま有線放送用ケーブルを張り巡らせることを指す)を行っているこ。 とに耐えられなくなった同社社員が、退職し、Bを設立した旨が記載され、(b)B大阪南営業所名義のちらしには「ストップ・ザ・違法有線」とい、う文言が大書された上「あなたのお店の有線は正規業者ですか?「この地、」域の正規業者は、㈱Dのみです「電柱に張ってある有線ケーブルには正規」手続き、料金支払の必要があります「違法有線会社は上記支払を一部しか」支払わず、業務を行っています「お客様から徴収した『放送料金』は不正」利益となっております「私たち正規業者は、不正業者を断固許しません」」「皆様の正しい判断により、不正業者排除の御理解をお願い致します」などと記載され(c)B名義の「有線放送違法業者撤廃キャンペーン」という、標題の文書には、Aの有線放送用架線は、電力会社及びCの電柱に無断で使用する状態が全国にあり、未だ正常化されていないこと、同社が、適法化に向けた取り組みをしようとしないことについて社員が反発し、600 題の文書には、Aの有線放送用架線は、電力会社及びCの電柱に無断で使用する状態が全国にあり、未だ正常化されていないこと、同社が、適法化に向けた取り組みをしようとしないことについて社員が反発し、600名近くの退職者が正規業者で働きたいとBに転職したことなどの指摘とともに、「Aでは、電柱使用の正常化がなされておらず、放送免許を取得することができません「お客様へは『当社は違法ではありません』と言っているよう」、ですが、放送免許を取得しているかは、総務省で確認できますので、ぜひ一度お客様自身にて確認していただきますよう、お願い致します」と記載さ。 れ「放送免許についてのお問い合わせ先」として、総務省衛星放送課の名、称とともに、その電話番号が記載されていること、以上の事実が認められる。 以上の事実に照らしてみると、原告やその関連会社であるBが、本件不開示部分に係る情報を入手し、それと現地の状況を照合することによってAに- 12 -よる違法営業の事実を具体的に把握した場合には、そのことを利用した宣伝広告活動を行う可能性は十分にあり得るものと考えられる。しかしながら、本件不開示部分が開示されるということは、Aによる適法営業地域と違法営業地域とが客観的資料に基づいて明らかになり、しかも、その検証が誰にでも可能になるということを意味するのであるから、仮に原告らにおいて、Aが適法に事業を行うことができる地域においても違法な事業を行っているかのような誤解を生じさせる宣伝広告活動を行ったとすれば、故意に基づく誹謗中傷行為との非難を免れないこととなるし(現に客観的資料を入手している以上、誤解をしたなどという弁解をする余地はない、誰もが、客観的資。)料に基づいて、原告らの行為を批判することが可能となるものである。そうだとすると、原告らが、このような非 的資料を入手している以上、誤解をしたなどという弁解をする余地はない、誰もが、客観的資。)料に基づいて、原告らの行為を批判することが可能となるものである。そうだとすると、原告らが、このような非難を受ける行為を敢えて行おうとするかどうかには疑問があるのみならず、そのような行為が行われたとしても、それがどの程度実効性を持つのかは疑問というべきであって、結局、憶測に基づいてAの違法営業の事実が指摘されている現状と比べ、本件不開示部分が開示され、客観的事実関係が明らかにされることによってAの公正な競争上の地位に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認めることは困難であるといわざるを得ないのである。 以上によれば、本件不開示部分が開示されることにより、Aの公正な競争上の地位が害されるとする被告の主張に客観的な根拠があるとはいえず、他に、本件不開示部分の開示を不相当とすべき事由についての主張立証はない。 したがって、本件不開示部分を不開示とした本件裁決は、違法として取消しを免れないものというべきである。 第4 結論 よって、原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。 - 13 -東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官鶴岡稔彦裁判官古田孝夫裁判官進藤壮一郎
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