主文 被告人Aを懲役1年6月に、被告人Bを懲役10月に処する。 被告人A及び被告人Bに対し、この裁判確定の日から3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 被告人Aから14万3055円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは、平成30年11月1日から令和6年3月31日までの間、北海道中川郡a町施設課長として、同町が管理する道路の維持管理及び土木工事の設計等を所掌する同課の事務全般を統括するとともに、同町指名競争入札参加者指名選考委員会の委員として、同町発注の舗装工事の指名競争入札における指名業者の選定に関与するなどしていたもの、被告人Bは、同町に本店を有し舗装工事業等を目的とする有限会社甲の代表取締役として、同社の業務全般を統括していたものであるが、第1 被告人Aは、 1 令和5年3月頃、北海道中川郡a町b町c番地d所在の前記有限会社甲敷地内において、被告人Bから、北海道中川郡a町による令和5年度発注予定の舗装工事の指名競争入札における指名業者の選定に関し、従前指名していた業者に代えて、被告人Bが指定する業者を指名する便宜な取り計らいを受けたい旨の請託を受け、別表1記載のとおり、同年4月8日、北海道釧路市e町f丁目g番地所在の「乙」ほか3か所において、前記取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、被告人Bから、代金合計10万7825円相当の宿泊、飲食の接待を受け、 2 同年7月6日に北海道中川郡a町が入札を執行した舗装工事である「m歩道改修工事」ほか1工事の指名競争入札における指名業者の選定に関し、従前指名していた業者に代えて、被告人Bが指定する業者を指名する便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨 の下に供与さ ける指名業者の選定に関し、従前指名していた業者に代えて、被告人Bが指定する業者を指名する便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨 の下に供与されるものであることを知りながら、別表2記載のとおり、同年8月1日、札幌市h区i条j丁目k番地l丙所在の「丁」ほか1か所において、被告人Bから、代金合計3万5230円相当の飲食の接待を受け、もって自己の職務に関し、請託を受けて賄賂を収受し第2 被告人Bは、 1 前記第1の1の各日時・場所において、被告人Aに対し、同記載の請託をするとともに、同記載の趣旨の下に、代金合計10万7825円相当の宿泊、飲食の接待を行い、 2 前記第1の2の日時・場所において、被告人Aに対し、同記載の趣旨の下に、代金合計3万5230円相当の飲食の接待を行い、もって被告人Aの職務に関し、賄賂を供与した。 (量刑の理由) 1 被告人両名に共通の事情について本件贈収賄において収受された賄賂の総額は14万3055円と少額ではなく、また、本件贈収賄は、町民の生活に深く関わり、高い関心を有する公共施設の整備等に関する公金支出に関してされたものであり、町民の行政に対する信頼を大きく損ねるとともに、公務員の職務の公正とこれに対する社会の信頼を損ねるものであり、その結果は重大である。 2 被告人Aについて被告人Aは、従前から被告人Bから接待を受けていたことから、被告人Bの請託を受けて判示第1の各犯行に及んだものであり、その利欲的な動機は強く非難されるべきである。また、被告人Aは、相応に上位の公務員の立場にありながらその立場を利用して判示第1の各犯行に及んだものであるし、常習性も認められる。これらに加え、前記1のとおり、結果が重大であることを考慮すれば、その 、被告人Aは、相応に上位の公務員の立場にありながらその立場を利用して判示第1の各犯行に及んだものであるし、常習性も認められる。これらに加え、前記1のとおり、結果が重大であることを考慮すれば、その刑事責任は重い。 他方、一般情状についてみると、被告人Aが事実を認めて反省の言葉を述べて いることや、本件の責任を感じて役場に退職願を提出していること、前科がないことなど、酌むべき事情も認められる。 そこで、これらの事情も考慮して、被告人Aに対しては、主文の刑を科した上で、その刑の執行を猶予して、社会内で更生の機会を与えることが相当であると判断した。 3 被告人Bについて被告人Bは、自らの経営する会社が利益を得られるように談合スキームを構築し、そのスキームを円滑に維持し、確実かつ高落札率で公共契約を獲得できるようにするために、判示第2の各犯行に及んだものであり、その利欲的な動機は強く非難されるべきである。また、被告人Bは、従前から被告人Aに対して接待を繰り返し行っており、本件贈収賄の原因となった両被告人の不適切な関係は主として被告人Bにより構築されたものであり、強い非難に値する。これらに加え、前記1のとおり、結果が重大であることを考慮すれば、その刑事責任は重いというべきである。 他方、一般情状についてみると、被告人Bが事実を認めて反省の言葉を述べていることや、本件の責任を感じて有限会社甲の代表取締役及び取締役を辞任し同社の株式も全て手放していること、量刑上考慮すべき前科がないことなど、酌むべき事情も認められる。 そこで、これらの事情も考慮して、被告人Bに対しては、主文の刑を科した上で、その刑の執行を猶予して、社会内で更生の機会を与えることが相当であると判断した。 (求刑被告人Aにつき懲役1年6月及び追徴1 で、これらの事情も考慮して、被告人Bに対しては、主文の刑を科した上で、その刑の執行を猶予して、社会内で更生の機会を与えることが相当であると判断した。 (求刑被告人Aにつき懲役1年6月及び追徴14万3055円、被告人Bにつき懲役10月)令和6年9月20日釧路地方裁判所帯広支部 裁判長裁判官塩田良介 裁判官内藤秀介 裁判官岩竹遼 (別表1及び2につき省略)
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