平成12(ワ)14015等 テーダブルジェー解雇

裁判年月日・裁判所
平成13年2月27日 東京地方裁判所
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判決文本文16,891 文字)

主文 1 本件訴えのうち,この判決が確定した日の翌日以降毎月28日限り83万3333円の支払を求める部分を却下する。 2 原告が被告に対し労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 3 被告は,原告に対し,636万6143円及び平成13年2月からこの判決が確定するまで毎月28日限り1か月当たり64万6000円の割合による金員を支払え。 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は,これを10分し,その1を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。 6 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第2項と同旨 2 被告は,原告に対し,平成12年7月から平成13年3月まで毎月28日限り月額90万9449円の割合による金員,同年4月以降毎月28日限り月額83万3333円の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告に対し,200万円及びこれに対する平成12年7月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 2項及び3項につき仮執行宣言第2 事案の概要 1 本件は,被告を解雇されたと主張する原告が,被告に対し,原告が被告に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認,被告がした解雇が無効であるとして,平成12年7月から平成13年3月までの賃金として毎月28日限り月額90万9449円の割合による金員及び同年4月以降の賃金として毎月28日限り月額83万3333円の割合による金員の各支払,解雇により原告が被った精神的損害として100万円,解雇により原告が本件訴訟を提起せざるを得なかったことによる弁護士費用として100万円,合計200万円及びこれに対する解雇の後であることが明らかであり訴状送達の日の翌日でもある平成12年7月13日から支払済みまで民法所定の年5分の るを得なかったことによる弁護士費用として100万円,合計200万円及びこれに対する解雇の後であることが明らかであり訴状送達の日の翌日でもある平成12年7月13日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を,それぞれ求めた事案である。 2 前提となる事実(1) 被告は,平成12年4月7日に設立された株式会社であり,ベンチャーキャピタルを主な業務とする。ベンチャーキャピタルとは,将来的に成長が期待できる会社を発掘し,その会社に投資することによって,将来投資した会社が上場する等成長したときに利益を得ることを目的とする投資業務である。被告は,消費者金融を主な業務とする株式会社武富士(以下「武富士」という。)の100パーセント出資の子会社である。 (争いのない事実)(2) 原告は,昭和56年に横浜国立大学大学院経営学研究科修士課程を修了した後,大和証券株式会社における9年間の勤務を経て,アメリカ合衆国のベンチャービジネス企業に勤務し,平成11年9月に帰国し,以後求職していたが,同年12月2日,日本経済新聞に掲載された武富士のベンチャーキャピタルの人員募集の求人広告を読み,武富士に応募した。 原告は,同月20日,武富士の人事担当者の面接を受け,筆記試験を受けた後,武富士の会長で,被告の代表取締役でもあるAの面接を約20分間受け,A会長から口頭で「採用してもよいのではないか。」と言われた。 原告は,平成12年1月7日,武富士のB人事部長の面接を受けた後,同年2月7日,再びA会長の面接を受け,同人から,「ベンチャーキャピタル業務は,武富士ではなく子会社を設立して行う。現在子会社の社長を探しているのでしばらく待つよう」言われた。 その後,Cが被告の代表取締役(社長)に就任することが決まり,原告は,同年3月21日,Cの面接を受 富士ではなく子会社を設立して行う。現在子会社の社長を探しているのでしばらく待つよう」言われた。 その後,Cが被告の代表取締役(社長)に就任することが決まり,原告は,同年3月21日,Cの面接を受け,同月23日被告から採用通知を受けた(原告と被告との間で締結された労働契約を以下「本件労働契約」という。)。 原告は,同年4月4日,被告に初めて出社した。被告の事務所は,武富士の本社ビルの7階にあり,社員は11名であった。 原告の業務は,被告が出資するのに適当な有望企業を発見,調査することであった。 (争いのない事実)(3) 原告は,平成12年5月12日付けで,「この度は私がA会長様に大変な非礼を働いたことに深く反省をしております。会長様とのご縁により,テーダブルジェーに入社させていただきながら,このような不始末をいたしました。二度とこのようなことがないよう固くお誓い申し上げます。今後,会長様の御指導を肝に銘じて,テーダブルジェーの業績向上のために誠心誠意,努力する覚悟でございます。なにとぞ,今回の非礼をお許し下さいませ。」という内容のわび状(以下「本件わび状」という。)を作成した。 (争いのない事実,甲6)(4) 被告は,原告に対し,平成12年5月16日付けで,「就業規則第7条第3項に依り,12年5月16日付を以て採用を取り消す。」旨を記載した通知書(以下「本件通知書」という)を送付し(本件通知書によりされた原告の採用の取消しを以下「本件採用取消し」という。),原告の銀行口座に解雇予告手当として64万6000円を振り込んだ。 (争いのない事実,甲1,2)(5) 被告の就業規則(以下「本件就業規則」という。)には,次のような定めがある。 (採用)第6条会社は,就職を希望する者の中から,選考試験に合格した者を試用し,試用期間の判定に合 甲1,2)(5) 被告の就業規則(以下「本件就業規則」という。)には,次のような定めがある。 (採用)第6条会社は,就職を希望する者の中から,選考試験に合格した者を試用し,試用期間の判定に合格し,かつ,所定の手続きを経た者を社員として採用する。 (試用期間)第7条試用期間は,入社日から,入社後初の給与期間の初日から起算して,満3カ月に達する日までとする。ただし,必要により延長することがある。 2 中途入社の管理職については,前項で定める3カ月を6カ月とする。 3 試用期間中,不適当と認められた場合は社員として採用しない。 (乙1)(6) 被告における賃金の支払日は,毎月20日締めの28日払いである。日割計算の場合の月間労働日は21日間である。 (争いのない事実) 3 争点(1) 本件労働契約は試用期間付契約であるか。 ア被告の主張被告は,設立の際に,就業規則を武富士の就業規則と同様のものとすることとし,被告の総務部長であるDは,平成12年4月10日及び同月11日,原告を含む全社員に対し,就業規則の写しを渡して条文ごとに読み合わせをしながら説明し,了解を得た。その際に,試用期間についても説明し,誰からも異議は出ず,原告を含む全社員が試用期間についても了承した。したがって,本件就業規則は有効であり,本件労働契約は試用期間付の契約である。 イ原告の主張(ア) 原告は,被告への入社に際し,平成11年12月20日から採用通知を受けた平成12年3月23日までの間に数回にわたり面接を受けたが,その際に被告から本件労働契約が試用期間付契約,すなわち解約権留保付契約であるとの説明はなかったから,本件労働契約が解約権留保のない契約として成立したことは明らかである。 (イ) 本件就業規則については労働者からの意見聴取,所轄労働基準監督署への届出 解約権留保付契約であるとの説明はなかったから,本件労働契約が解約権留保のない契約として成立したことは明らかである。 (イ) 本件就業規則については労働者からの意見聴取,所轄労働基準監督署への届出,労働者への周知が全くされていないのであり,いつ作成されたかさえ分からない状況であるから,本件就業規則は,その効力要件である作成,届出,意見聴取及び周知のすべてを欠いており,不成立ないし無効である。 仮に本件就業規則が有効であるとしても,入社までの面接で試用期間を設ける旨の説明が全くないまま解約権留保のない契約として成立した本件労働契約が,原告の入社直後に作成された本件就業規則により解約権留保付契約とされることは信義則上許されない。また,就業規則は,労働契約において事後に発生する事項について適用されるべきであり,採用という入社に関する事項について適用されるべきではない。また,原告の賃金の支払方法は,原告と被告が合意した原告の年収1000万円のうち毎月64万6400円を支払い,その余は毎年7月と12月の賞与の支払時に支払うというものであるが,このような原告の賃金の支払方法からすれば,本件労働契約が試用期間付であることが当初から予定されていたとはいえないことは明らかである。 (2) 本件採用取消しは有効かア被告の主張原告は,課長職として被告に採用されたから,その試用期間は6か月であるところ,原告には,①営業幹部として業務に対する意欲,熱意,計画性が感じられなかったこと,②行動力,対人折衝能力,新規開拓力等の営業力が欠けていたこと,③部下に対する指導力が不足していたこと,④物事の判断が独善,独断的であり,冷静かつ客観的な判断力が要求されるベンチャーキャピタリストとしては性格的に不向きであったこと,⑤あいさつ,礼儀,規律を社是とする被告の社風に 力が不足していたこと,④物事の判断が独善,独断的であり,冷静かつ客観的な判断力が要求されるベンチャーキャピタリストとしては性格的に不向きであったこと,⑤あいさつ,礼儀,規律を社是とする被告の社風になじめなかったことから,被告は,本件採用取消しに及んだのである。 イ原告の主張(ア) 本件採用取消しの理由として被告が主張する事実は,いずれも否認する。 本件採用取消しの真の理由は,原告のA会長に対するあいさつの仕方が悪いことである。 (イ) 本件採用取消しに至るまでの経過は,次のとおりである。 A会長は,平成12年4月下旬,来客をCに会わせるために被告の事務所を訪れたが,その際に原告を含む4名の社員が被告の事務所内で仕事をしていた。原告を含む4名の社員は,その場で起立してA会長に対し頭を下げてあいさつしたが,声を出さなかった。武富士のE次長は,A会長が被告の事務所を訪れた翌日か翌々日に被告の朝礼の場で,「先日,A会長が被告に来たときに数名の人間がまともなあいさつができなかった。武富士は,あいさつが基本であり,特にA会長に対しては何をさておいてもあいさつするよう」注意した。原告は,同年5月上旬,E次長から呼び出されて,同人から,「A会長はあいさつに非常にうるさく,仕事ができないよりも,とにかく大きな声を出してあいさつすることが最重要で,そのため過去何人もが首になっている。君は,仕事ではよく頑張っているので,私は評価している。むしろ新日本ファイナンスから来たやつよりもよい。しかし,君はA会長に2回面接を受けており,A会長の君に対する印象が面接していない新日本ファイナンスから来た人よりも強く,君を名指しで首にしろと言っている。A会長は,執念深く,一度言ったことは忘れない。ただ君もまだ来たばかりで,仕事も良くやっているのでA会長にわび状を書いて謝 新日本ファイナンスから来た人よりも強く,君を名指しで首にしろと言っている。A会長は,執念深く,一度言ったことは忘れない。ただ君もまだ来たばかりで,仕事も良くやっているのでA会長にわび状を書いて謝罪すべきである。」と言われた。そこで,原告は,E次長の指示及び助言に従い,Cに内容をチェックしてもらって本件わび状を作成し,これをCに提出した。原告は,これによってこの問題は解決したものと考えていた。ところが,原告は,同年5月16日,Cから,「君を解雇する。理由は,昨日,A会長から武富士のB人事部長,E次長及び私の3人が呼ばれ,君が声を出して会長にあいさつしなかったので首にしろとの命令を受けた。君は仕事をよくやっているので,私は後しばらく様子を見たらどうかとかばったが,どうしようもなかった。すぐ辞表を書いてくれ。」と言われた。原告は,Cから言われた解雇理由に到底納得できなかったので,辞表を書くことは断った。その後,被告は,本件通知書を原告に送付し,解雇予告手当を支払った。 以上によれば,本件採用取消しが正当な理由なしにされたことは明らかであり,本件採用取消しは,解雇権の濫用として無効である。 ウ被告の反論本件採用取消しの理由は原告のA会長に対するあいさつの仕方が悪いことに尽きるとの原告の主張は否認する。ベンチャーキャピタル業務を目的に設立されたばかりで,優秀な人材を渇望している被告が,優秀な人材を単にあいさつの仕方が悪いなどという理由だけで採用を取り消すことなどあり得ないのであって,事実誤認も甚だしい。 (3) 原告の賃金の金額についてア原告の主張原告の賃金の支払方法は,原告と被告が合意した原告の年収1000万円のうち毎月64万6400円を支払い,その余は毎年7月と12月の賞与の支払時に支払うというものであり,賞与の支払時に支払う の主張原告の賃金の支払方法は,原告と被告が合意した原告の年収1000万円のうち毎月64万6400円を支払い,その余は毎年7月と12月の賞与の支払時に支払うというものであり,賞与の支払時に支払うとされている分も賃金にほかならないから,被告は,原告に対し,賞与の支払時に支払うとされている分も含めて平均化して毎月支払うべきである。 原告に対する被告の既払金は,平成12年4月28日に52万2952円,同年5月26日に64万6000円,同年6月17日に64万6000円,合計181万4952円であるから,同年7月から平成13年3月までの賃金の合計は,1000万円から既払金181万4952円を控除した残金818万5048円となる。 したがって,平成12年7月から平成13年3月までの賃金の1か月当たりの金額は,これを9か月で除した90万9449円である。 また,平成13年4月以降の賃金の1か月当たりの金額は,年間1000万円を12か月で除した83万3333円である。 イ被告の主張原告の賃金は,1年間社員として勤務した場合の総額が1000万円ということで,しかも,1000万円は2回の賞与が標準額を満額支給された場合の理論年収であり,年間1000万円の支払を保障したわけではない。 (4) 本件採用取消しについて不法行為の成否と慰謝料及び弁護士費用相当額の損害賠償責任の有無についてア原告の主張原告は,本件採用取消しによって不当に就労する権利を奪われ,就労の機会を奪われ,これによって精神的損害を被った。これを慰謝するには100万円が相当である。 原告は,本件採用取消しによって本件訴訟を提起せざるを得ず,弁護士を依頼したが,その費用100万円は,本件採用取消しによる損害として被告が支払義務を負う。 イ被告の主張否認ないし争う。 第3 当 原告は,本件採用取消しによって本件訴訟を提起せざるを得ず,弁護士を依頼したが,その費用100万円は,本件採用取消しによる損害として被告が支払義務を負う。 イ被告の主張否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件労働契約は試用期間付契約であるか。)について(1) 証拠(乙5,6,証人C,原告本人)によれば,次の事実が認められ,この認定を左右するに足りる証拠はない。 被告は,被告の就業規則を武富士の就業規則と同じ内容とすることとし,被告の総務部長であったDは,平成13年4月上旬,原告を含む社員全員に対して就業規則の写しを渡してこれを被告の就業規則とする旨を説明した。社員の反応は,年次有給休暇の取扱いについて難色を示すなどするという程度のもので,渡された就業規則の写しを被告の就業規則とすることに反対するというわけではなかったことから,被告は,就業規則について社員から異議は出なかったものとして,本件就業規則を制定した。 (2) 本件就業規則の制定の経緯(前記(1))及び本件就業規則の内容(前記第2の2(5))によれば,武富士の就業規則には本件就業規則と同じ内容の試用期間に関する定めがあるものと考えられるところ,原告の被告への入社の経緯(前記第2の2(2))によれば,当初の予定では武富士に入社するものとされていた原告は,面接後に武富士の都合により武富士の別会社として新たに設立された被告に入社することとされたのであるが,仮に原告が当初の予定どおりに武富士に入社していたとすれば,原告と武富士との間の労働契約は試用期間付の契約ということになったはずであり,このことに前記(1)の事実を併せ考えると,原告は,本件労働契約に本件就業規則をさかのぼって適用することを承諾したものというべきである。そうすると,本件労働契約は試用期間付契約で なったはずであり,このことに前記(1)の事実を併せ考えると,原告は,本件労働契約に本件就業規則をさかのぼって適用することを承諾したものというべきである。そうすると,本件労働契約は試用期間付契約であるということになる。 これに対し,原告は,その本人尋問において,初めて武富士の人事担当者と面接した平成11年12月20日から,被告から採用通知を受けた平成12年3月23日までの間に,武富士や被告から本件労働契約が試用期間付契約である旨の説明を受けたことはなかった旨供述するが,仮にこの供述どおりの事実があったとしても,そのことはこの認定を左右するものではない。 (3) 本件就業規則の制定の経緯(前記(1))によれば,本件就業規則が作成されたこと,その作成に当たって被告の社員から意見を聴取したことが認められるから,本件就業規則が作成及び意見聴取を欠いているという原告の主張は採用できない。また,本件全証拠に照らしても,本件就業規則については所轄労働基準監督署への届出がいつされたのか,届出の後に被告の社員への周知がどのようにされたのか明らかではないが,そのことは,本件就業規則を無効とする理由とはならないことは明らかである。 したがって,本件就業規則が不成立又は無効であるとの原告の主張は採用できない。 2 争点(2)(本件採用取消しは有効か。)について(1) 証拠(甲4の1及び2,乙3,4,証人C,原告本人)によれば,次の事実が認められ(ただし,争いのない事実を含む。),証拠(乙3,4,証人C,原告本人)のうちこの認定に反する部分は採用できず,他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。 ア被告の業務は,投資するに足りる有望な企業(以下「投資先」という。)を発掘することであり,毎朝行われる営業会議において,各社員が発掘してきた投資先について報告し議 左右するに足りる証拠はない。 ア被告の業務は,投資するに足りる有望な企業(以下「投資先」という。)を発掘することであり,毎朝行われる営業会議において,各社員が発掘してきた投資先について報告し議論することがあったが,原告が被告の社員として出席していた当時の営業会議は全体に低調であり,発言する者が少なかった。 (原告本人)イ各社員が投資先を発掘し,その投資先との間で投資の話を進めると,投資先の財務内容など秘密に相当する部分を開示してもらう必要が生じるが,その場合に投資先が被告との間で秘密保持契約の締結を希望することがある。 原告は,自らが発掘した投資先から秘密保持契約を締結してほしい旨の希望が出されたので,その旨を営業会議に報告した。原告は,投資先から見れば秘密保持契約の締結を希望するのは当然のことであると考えていたが,出席者の多くは,今までに秘密保持契約を締結した経験がなく,現時点では秘密保持契約を締結する必要はないという意見であったため,原告は,やむなくこれを了承した。 (甲4の1及び2,乙3,4,証人C,原告本人)ウ原告が本件採用取消しまでに訪問した投資先は12件であった。 (乙4,証人C,原告本人)エ A会長は,平成12年4月下旬,来客をCに会わせるために被告の事務所を訪れたが,その際に原告を含む4名の社員が被告の事務所内で仕事をしていた。原告を含む4名の社員は,その場で起立してA会長に対し頭を下げてあいさつしたが,声を出さなかった。武富士では社員が来客に対し声を出してあいさつすることとされていたので,A会長は,この原告の対応に大いに立腹した。A会長は,その件でCを呼び出し,Cに対し原告を解雇することをほのめかす発言をしたので,Cは,「原告を3か月間教育するので,解雇するかどうかの結論は待ってほしい。」旨を申し入れた。Cは に立腹した。A会長は,その件でCを呼び出し,Cに対し原告を解雇することをほのめかす発言をしたので,Cは,「原告を3か月間教育するので,解雇するかどうかの結論は待ってほしい。」旨を申し入れた。Cは,この申入れがA会長に受け入れられたものと考え,その旨を被告のE次長に話した。E次長は,同年5月上旬,原告を呼び出して,同人に対し,「A会長が被告を訪れたときに原告がきちんとあいさつできなかったことについて,A会長が大変立腹している。そこで,A会長にわび状を書いて謝罪するよう」告げた。原告は,E次長が,A会長が被告の事務所を訪れた翌日か翌々日に,被告の朝礼の場で,A会長が被告を訪れたときに被告の社員がまともなあいさつができなかったことについて注意するのを聞いていたが,そのときには自分のことを指して注意しているものとは思わなかった。A会長が立腹していることを知らされた原告は,E次長の指示及び助言に従い,同年5月12日付けでわび状を作成し,その内容をCに見てもらって,本件わび状を完成させ,これをCに提出した。Cは,これをA会長に提出しようとしたが,A会長は,これを受け取ろうとはせず,かえって原告を解雇するよう求めた。Cは,このときはA会長の求めには応じなかったが,同月中旬ころにA会長から武富士の人事部長とともに呼び出されて原告を解雇するよう指示されたので,Cは,原告の採用を取り消すことを決め,同月16日,原告に対し,「A会長と相談の上,君には辞めてもらうことにした。すぐ辞表を書いてくれ。」と申し渡した。本件わび状の提出によって原告のあいさつの問題は解決したものと考えていた原告は,被告を辞めることに納得せず,辞表を書くことは断った。その後,被告は,本件通知書を原告に送付し,解雇予告手当を支払った。 (争いのない事実,証人C,原告本人)(2) (1 たものと考えていた原告は,被告を辞めることに納得せず,辞表を書くことは断った。その後,被告は,本件通知書を原告に送付し,解雇予告手当を支払った。 (争いのない事実,証人C,原告本人)(2) (1)で認定した事実を前提に,本件採用取消しの効力について判断する。 ア被告は,本件採用取消しの理由は,①営業幹部として業務に対する意欲,熱意,計画性が感じられなかったこと,②行動力,対人折衝能力,新規開拓力等の営業力が欠けていたこと,③部下に対する指導力が不足していたこと,④物事の判断が独善,独断的であり,冷静かつ客観的な判断力が要求されるベンチャーキャピタリストとしては性格的に不向きであったこと⑤あいさつ,礼儀,規律を社是とする被告の社風になじめなかったこと,であり,これらを裏付ける事実として,(ア)Cが平成12年4月下旬に原告にハイベリオン社について投資対象候補案件としての調査を命じたが,海外案件を扱う基本的な調査の視点,質問の観点等が的を射ておらず,原告の英語能力を試す意味で原告に翻訳を命じたが,Cがかつて海外で扱った部下と比較して原告の能力は下の上程度であり,今後被告の海外展開に際し中心人物として大きく期待できない能力・技能であったこと,(イ)被告は,毎朝行われる営業会議において,前日の投資先とのアプローチ状況,企業情報・マーケット情報を交換し,共有していたが,原告は,その席上で,無言であることが多く,執ように聞いても,「特にありません。」などと答える程度で,会議への参加意識が薄かったこと,(ウ)原告は,営業会議において,投資先の事業計画情報を入手する際に,投資先からの秘密保持契約の締結の要請について,被告の方針として今のところ秘密保持契約を締結しない方針を伝えられた際に,「それならいい。」と感情を露にした一言を発して被告の考えや姿勢 入手する際に,投資先からの秘密保持契約の締結の要請について,被告の方針として今のところ秘密保持契約を締結しない方針を伝えられた際に,「それならいい。」と感情を露にした一言を発して被告の考えや姿勢を理解しようとはしなかったこと,(エ)原告は,日ごろの行動,言動においても無言であることに加え,「そんならいいですよ。」と投げやりで,協調性のない姿勢が恒常化しており,また,被告は,ベンチャーキャピタリストとしての経験を買って将来に備えて,原告に対し部下に対する指導教育を期待して課長職に任じて2名の部下を配置したが,部下との会話も,部下に対する指導もなく,部長自らが企業訪問に際してアポイントメントを取るための電話の架け方や企業訪問時の質問のポイント等を指導している状態であり,課長職としての指導に問題があったこと,(オ)原告は,何事も一人で行動することが多く,当初営業計画段階では本人の希望も入れて,IT,バイオ,海外等の訪問予定先として200件をリストアップしたが,在籍期間中の1か月余りの間にわずか12社を訪問したにすぎず,しかも,訪問に計画性がなく,帰社後はいつも無言であり,「どこに行ってきたか。」と聞かれるまでは,口頭の報告を一切しなかったこと,(カ)原告は,被告の事務所内にいるときには,来客や役員の来社があっても,あいさつせず,積極的に応対することもなく,来客や役員に悪印象を与えたことも多々あり,G社長や武富士のF副会長の来社の際に礼を欠き,原告の接客態度についてF副会長からCに対し注意があったことがあり,また,原告は,Cから,「きちんと立ってあいさつするよう」注意を受け,E次長からも,「お疲れさまですとあいさつするよう」注意を受けたにもかかわらず,即座に改善しなかったこと,をそれぞれ挙げており,Hの陳述書(乙3)における供述,Cの陳述 いさつするよう」注意を受け,E次長からも,「お疲れさまですとあいさつするよう」注意を受けたにもかかわらず,即座に改善しなかったこと,をそれぞれ挙げており,Hの陳述書(乙3)における供述,Cの陳述書(乙4)における供述及び証人尋問における証言中には,前記①ないし⑤及び前記(ア)ないし(カ)に沿う部分がある。 イこれに対し,(ア) 原告は,その陳述書(甲5)及び本人尋問において,原告が在籍中に訪問した投資先の件数が12社であることを除いては,被告の主張に係る前記①ないし⑤及び前記(ア)ないし(カ)の各事実を否定する供述をしている。 (イ) もっとも,被告の主張に係る前記(イ)については,原告が被告の社員として出席していた当時の営業会議は全体に低調であり,発言する者が少なく(前記第3の2(1)ア),被告は平成12年4月に設立されたばかりであり,原告が在職中に訪問した投資先の件数も12件にすぎなかったこと(前記第3の2(1)ウ)からすると,原告も他の社員と同様に営業会議において発言が少なかったことも考えられないではなく,被告の主張に係る前記(ウ)については,原告は,投資先からみれば秘密保持契約の締結を希望するのは当然のことであると考えていたこと(前記第3の2(1)イ)からすると,原告が営業会議の席上で被告の主張に係る対応があったことも考えられないではなく,被告の主張に係る前記(カ)については,原告が本件わび状を作成するに至った経緯(前記第3の2(1)エ)及び本件わび状の内容(前記第2の2(3))からすると,原告には来客に対して被告の主張に係る対応があったことも考えられないではない。 ウしかし,被告の社員はわずか11人である(前記第2の2(2))から,原告が入社してから1か月足らずであったとはいえ,平成12年4月下旬ないし同年5月上旬の時 あったことも考えられないではない。 ウしかし,被告の社員はわずか11人である(前記第2の2(2))から,原告が入社してから1か月足らずであったとはいえ,平成12年4月下旬ないし同年5月上旬の時点において,Cにしろ,E次長にしろ,原告の仕事ぶりを全く知らなかったとは考え難いところ,Cが2回にわたりA会長に対し原告の解雇を思いとどまるよう求めたり,E次長が原告に対しわび状を作成してこれをA会長に提出するよう促していること(前記第3の2(1)エ)からすれば,平成12年4月下旬ないし同年5月上旬の時点において被告の主張に係る前記(ア)ないし(カ)の各事実は全く存在しなかったか,仮に存在していたとしても,被告においては本件労働契約の打切りを考える理由になり得るほどに容易に看過することができない事実とは受け止められていなかったものと考えられるのであって,このことに,本件採用取消しに至るまでの経過(前記第3の2(1)エ)及び証拠(甲5,証人C,原告本人)を加えて総合考慮すれば,本件採用取消しは,A会長が被告の事務所を訪れたときに原告が声を出してあいさつしなかったことを理由にされたものと認められる。証拠(乙3,4,証人C)のうちこの認定に反する部分は採用できず,他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。 エ被告がウで認定した理由により原告に対し本件採用取消しに及んだことが社会通念上相当として是認することはできないから,本件採用取消しは,解雇権の濫用として無効である。 そうすると,本件労働契約は,本件採用取消し後もなお有効に存続しているものというべきである。 3 争点(3)(原告の賃金の金額)について(1) 前記第3の2(1)エの事実,証拠(甲3,5,乙7,証人C,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,①原告と被告は,原告の年収を1000万円とし る。 3 争点(3)(原告の賃金の金額)について(1) 前記第3の2(1)エの事実,証拠(甲3,5,乙7,証人C,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,①原告と被告は,原告の年収を1000万円とし,このうち775万2000円については毎月20日締切り28日限りとして64万60000円ずつ分割して支払い,224万8000円については毎年7月と12月の2回に分けて各賞与支払日に支払うことを合意したが,7月と12月に支払われる金額は本件採用取消しまでには具体的に確定していなかったこと,②原告が平成12年4月に支払を受けた賃金(通勤手当を除いた金額で,所得税,社会保険料等を控除する前の金額)は日割計算された金額であったが,原告は,同月に支払われた賃金についての給料明細書を破棄してしまったため,その正確な金額は原告には分からないこと,③原告が同年5月に支払を受けた賃金(通勤手当を除いた金額で,所得税,社会保険料等を控除する前の金額)は64万6000円であったこと,④平成12年4月中は少なくとも土曜日及び日曜日は原告の休日とされていたことが認められ,この認定を左右するに足りる証拠はない。 ①ないし③の事実によれば,原告が被告から支払われる入社1年目の年収1000万円は,平成12年3月21日から平成13年3月20日までの原告の勤務に対して支払われるものと認められる。そこで,これを前提に,原告が被告での勤務を開始した平成12年4月4日から平成13年1月20日(口頭弁論が終結するまでに弁済期が到来した賃金債権に対応する最後の勤務日)までの原告の賃金額及び同月21日以降の原告の賃金額について検討する。 (2) 平成12年4月4日から平成13年1月20日までの原告の賃金額についてア原告が被告での勤務を開始したのは平成12年4月4日であり(前記第2の2 21日以降の原告の賃金額について検討する。 (2) 平成12年4月4日から平成13年1月20日までの原告の賃金額についてア原告が被告での勤務を開始したのは平成12年4月4日であり(前記第2の2(2)),原告の賃金は毎月20日締めの28日払いであり(前記(1)①),日割計算の場合の月間労働日は21日間である(前記第2の2(6))から,平成12年4月4日から同月20日までの原告の賃金額は,1か月当たりの支払額64万6000円を21日間で除して得られる1日当たりの支払金額3万0762円に,同月4日から同月20日までの17日間から土曜日及び日曜日に当たる4日間を控除した(前記(1)④)13日間を乗じて得られる39万9906円であると認められる。 イ前記(1)①ないし③の各事実によれば,平成12年4月21日から平成13年1月20日までの原告の賃金額は,1000万円から1か月当たりの支払金額64万6000円の3か月分(平成12年3月21日から同年4月20日まで及び平成13年1月21日から同年3月20日までに相当する分)である193万8000円を控除した806万2000円であると認められる。 ウ前記第2の2(4)の事実,前記第3の3(1)②及び③の各事実並びに前記アを総合すれば,原告に対する既払金の合計は,169万1906円であると認められ,そうすると,平成12年4月4日から同年6月20日までの原告の賃金については支払済みであるということになる。 エ以上によれば,平成12年4月4日から平成13年1月20日までの原告の賃金額846万1906円(前記ア及びイ)から既払金169万1906円(前記ウ)を控除した残金は,677万円であると認められるから,被告は,原告に対し,平成12年4月4日から平成13年1月20日までの原告の未払賃金として677万円 びイ)から既払金169万1906円(前記ウ)を控除した残金は,677万円であると認められるから,被告は,原告に対し,平成12年4月4日から平成13年1月20日までの原告の未払賃金として677万円の支払義務を負うことになるが,原告の請求(前記第1の2)によれば,口頭弁論終結の前である平成13年1月28日までに弁済期が到来したものとして原告が請求している金額の合計は636万6143円であるから,636万6143円の限度でその支払を命ずべきであるということになる。 (3) 平成13年1月21日以降の原告の賃金額について前記(1)①によれば,平成13年1月21日以降の原告の賃金額は,毎月28日限り64万6000円,毎年7月及び12月の各賞与支払日(なお,本件全証拠に照らしても,賞与支払日がいつであるかは不明である。)限り合計224万8000円であると認められるから,被告は,原告に対し,平成13年1月21日からこの判決が確定するまでの原告の賃金として毎月28日限り64万6000円,毎年7月及び12月の各賞与支払日限り合計224万8000円の支払義務を負うことになるが,原告の請求によれば,口頭弁論終結の後である平成13年2月28日以降に弁済期が到来するものとして原告が請求している金額は,平成13年2月及び同年3月が毎月28日限り90万9449円,同年4月以降が毎月28日限り83万3333円である(前記第1の2)から,毎月28日限り64万6000円の割合による金員の限度でその支払を命ずべきであるということになる。 これに対し,本件訴えのうち,この判決が確定した日の翌日以降の賃金の支払を求める部分については,民事訴訟法135条の要件を欠いており,不適法として却下を免れない。 4 争点(4)(本件採用取消しについて不法行為の成否と慰謝料及び弁護士費用 定した日の翌日以降の賃金の支払を求める部分については,民事訴訟法135条の要件を欠いており,不適法として却下を免れない。 4 争点(4)(本件採用取消しについて不法行為の成否と慰謝料及び弁護士費用相当額の損害賠償責任の有無)について(1) 本件採用取消しは,解雇権の濫用として無効であるから,違法であるということができ,また,本件採用取消しの理由は,A会長が被告を訪れたときに原告がまともなあいさつをしなかったことであること(前記第3の2(2)ウ)からすれば,少なくとも被告には本件採用取消しが適法であると判断したことについて過失があったものというべきであるから,原告の慰謝料及び弁護士費用の請求が,債務不履行による損害賠償請求権に基づくものであれ,不法行為による損害賠償請求権に基づくものであれ,被告は,原告に対し,本件採用取消しと相当因果関係のある損害についてはこれを賠償する責任を負う。 (2) 財産権に対する侵害行為については,その侵害行為によって権利者が被った財産上の損害がてん補されれば,このことによって権利者の精神上の苦痛も同時に治ゆされるものと解するのが相当であって,権利者は,他に特段の事情がない限り,財産上の損害の賠償の外に,慰謝料の請求をなし得ないものというべきである。 ところで,使用者のした解雇の意思表示が権利の濫用として無効である場合には,労務提供の受領拒否による労務提供の履行不能は,使用者の責めに帰すべき事由に基づくものであり,労働者は,民法536条2項により賃金債権を失わない(大審院大正4年7月31日判決・民録21輯1356頁,最高裁昭和37年7月20日第二小法廷判決・民集16巻8号1656頁,最高裁昭和59年3月29日第一小法廷判決・裁判集民事141号461頁)から,労働者が賃金債権相当額の損害を被ったということ 頁,最高裁昭和37年7月20日第二小法廷判決・民集16巻8号1656頁,最高裁昭和59年3月29日第一小法廷判決・裁判集民事141号461頁)から,労働者が賃金債権相当額の損害を被ったということはできない。したがって,本件では,原告の慰謝料の請求が,債務不履行による損害賠償請求権に基づくものであれ,不法行為による損害賠償請求権に基づくものであれ,被告は,原告に対し,本件採用取消しと相当因果関係のある損害として慰謝料の支払を求めることができるもののように考えられないでもない。 しかし,被告が原告に対し平成12年6月21日以降の賃金について支払義務を負うことは,前記第3の3で認定したとおりであり,結局のところ,本件採用取消しによって原告が被ったとされる財産的損失については補てんされるわけであるから,前記説示に照らし,原告は,他に特段の事情がない限り,慰謝料の請求をなし得ないものというべきである。そして,本件全証拠に照らしても,本件において慰謝料の請求がなし得るものとする特段の事情があることを認めることはできない。 以上によれば,原告の慰謝料の請求は理由がない。 (3) 原告が本件採用取消しの効力を争って本件訴訟を提起するに当たって弁護士に委任したことは,当裁判所に顕著であるから,原告の弁護士費用の請求が,債務不履行による損害賠償請求権に基づくものであれ,不法行為による損害賠償請求権に基づくものであれ,その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額その他諸般の事情をしんしゃくして相当と認められる額の範囲内のものに限り,本件採用取消しと相当因果関係に立つ損害であるというべきである(最高裁昭和44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号441頁参照)。 しかし,本件では,原告が賃金債権相当額の損害を被ったということはできないし,原告 果関係に立つ損害であるというべきである(最高裁昭和44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号441頁参照)。 しかし,本件では,原告が賃金債権相当額の損害を被ったということはできないし,原告が慰謝料の支払を命じられるほどの精神的損害を被ったということもできないことは,以上認定,説示したとおりであるから,原告には本件採用取消しという債務不履行又は不法行為によって被った財産的損害及び精神的損害は発生していないというべきであり,そうすると,原告の請求に係る弁護士費用は,本件採用取消しという債務不履行又は不法行為によって原告が被った損害の回復のために出えんされたものではないことになるから,原告の請求に係る弁護士費用が本件採用取消しと相当因果関係に立つ損害であるということはできない。 以上によれば,原告の弁護士費用の請求は理由がない。 5 結論以上によれば,原告の本訴請求は,原告が被告に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認,平成12年6月21日から平成13年1月20日までの未払賃金として636万6143円及び同月21日からこの判決が確定するまでの賃金として毎月28日限り金64万6000円の割合による金員の支払を求める限度で理由がある。 東京地方裁判所民事第19部裁判官鈴木正紀

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