令和7(行ケ)1 選挙無効請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年11月4日 広島高等裁判所 松江支部 棄却
ファイル
hanrei-pdf-95153.txt

判決文本文25,118 文字)

令和7年11月4日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和7年(行ケ)第1号選挙無効請求事件口頭弁論終結日令和7年10月9日判決(省略) 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 令和7年7月20日に行われた参議院(選挙区選出)議員通常選挙の鳥取県及び島根県参議院合同選挙区における選挙を無効とする。 第2 事案の概要 1 本件は、令和7年7月20日に行われた参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について、鳥取県及び島根県参議院合同選挙区の選挙人であ る原告が、参議院(選挙区選出)議員の定数を配分する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づいて行われた本件選挙の上記合同選挙区における選挙(以下「本件選挙区選挙」という。)も無効であると主張して提起した、公職選挙法204条による選挙無効訴訟である。 2 前提事実 当裁判所に顕著な事実、証拠(乙1ないし41。枝番を含む。)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ⑴ 当事者ア原告は、本件選挙における鳥取県及び島根県参議院合同選挙区の選挙人である。 イ被告は、本件選挙区選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会である。 ⑵ 本件選挙 ア本件選挙は、令和7年7月20日に行われた。 イ本件選挙当時の公職選挙法は、参議院議員の定数を248人、そのうち148人を選挙区選出議員、100人を比例代表選出議員としていた(4条2項)。 ウ本件選挙が行われた時点において、平成30年法律第75号(以下「平成30年改正法」という。)による公職選挙法の改正(以下「平成30年改正」という。) 人を比例代表選出議員としていた(4条2項)。 ウ本件選挙が行われた時点において、平成30年法律第75号(以下「平成30年改正法」という。)による公職選挙法の改正(以下「平成30年改正」という。)後 の定数配分規定(以下「本件定数配分規定」という。)による選挙区間における選出される議員1人当たりの選挙人数の最大較差(以下、各選挙当時の「選挙区間の最大較差」というときは、この選挙人数の最大較差をいう。)は、3.13倍(以下、較差に関する数値は、全て概数である。)であった。(乙1)⑶ 本件選挙までの定数配分規定の改正の経緯等 ア参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)は、参議院議員の選挙について、参議院議員250人を全国選出議員100人と地方選出議員150人とに区分し、全国選出議員については、全都道府県の区域を通じて選出されるものとする一方、地方選出議員については、その選挙区及び各選挙区における議員定数を別表で定め、都道府県を単位とする選挙区において選出されるものとした。そして、選挙区ごとの議員 定数については、憲法が参議院議員につき3年ごとにその半数を改選すると定めていること(46条)に応じて、各選挙区においてその選出議員の半数が改選されることとなるよう、定数を偶数として最小2人を配分する方針の下に、各選挙区の人口に比例する形で、2人ないし8人の偶数の議員定数を配分した。 昭和25年に制定された公職選挙法の定数配分規定は、上記の参議院議員選挙法の 議員定数配分規定をそのまま引き継いだものであり、その後に沖縄県選挙区の議員定数2人が付加されたほかは、平成6年法律第47号による公職選挙法の改正(以下「平成6年改正」という。)まで、上記定数配分規定に変更はなかった。なお、昭和57年法律第81号による公職選挙法 区の議員定数2人が付加されたほかは、平成6年法律第47号による公職選挙法の改正(以下「平成6年改正」という。)まで、上記定数配分規定に変更はなかった。なお、昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正により、参議院議員252人は各政党等の得票に比例して選出される比例代表選出議員100人と都道府県を単位とする選挙区ご とに選出される選挙区選出議員152人とに区分されることになったが、この選挙区 選出議員は、従来の地方選出議員の名称が変更されたものである。 その後、平成12年法律第118号による公職選挙法の改正(以下「平成12年改正」という。)により、参議院議員の総定数が242人とされ、比例代表選出議員96人及び選挙区選出議員146人とされた。 イ参議院議員選挙法制定当時、選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較 差(以下、各立法当時の「選挙区間の最大較差」というときは、この人口の最大較差をいう。)は2.62倍であったが、人口変動により次第に拡大を続け、平成4年に行われた参議院議員通常選挙(以下、参議院議員通常選挙のことを単に「通常選挙」という。)当時、選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差が6.59倍に達した後、平成6年改正における7選挙区の定数を8増8減とする措置により、同2 年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は4.81倍に縮小した。その後、平成12年改正における3選挙区の定数を6減とする措置及び平成18年法律第52号による公職選挙法の改正における4選挙区の定数を4増4減とする措置の前後を通じて、同7年から同19年までに行われた各通常選挙当時の選挙区間の最大較差は5倍前後で推移した。 最高裁判所大法廷は、定数配分規定の合憲性に関し、平成4年に行われ 増4減とする措置の前後を通じて、同7年から同19年までに行われた各通常選挙当時の選挙区間の最大較差は5倍前後で推移した。 最高裁判所大法廷は、定数配分規定の合憲性に関し、平成4年に行われた通常選挙について、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた旨判示したが(最高裁平成6年(行ツ)第59号同8年9月11日大法廷判決・民集50巻8号2283頁)、平成6年改正後の定数配分規定の下で行われた2回の通常選挙については、上記の不平等状態に至っていたとはいえない旨判示した(最高裁平成9 年(行ツ)第104号同10年9月2日大法廷判決・民集52巻6号1373頁、最高裁平成11年(行ツ)第241号同12年9月6日大法廷判決・民集54巻7号1997頁)。その後、平成12年改正後の定数配分規定の下で行われた2回の通常選挙及び平成18年法律第52号による公職選挙法の改正後の定数配分規定の下で同19年に行われた通常選挙のいずれについても、最高裁判所大法廷は、結論において 当該各定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえない旨の判断を示した (最高裁平成15年(行ツ)第24号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号56頁、最高裁平成17年(行ツ)第247号同18年10月4日大法廷判決・民集60巻8号2696頁、最高裁平成20年(行ツ)第209号同21年9月30日大法廷判決・民集63巻7号1520頁(以下「平成21年大法廷判決」という。))。 もっとも、上記最高裁平成18年10月4日大法廷判決においては、投票価値の平等 の重要性を考慮すると投票価値の不平等の是正について国会における不断の努力が望まれる旨の、平成21年大法廷判決においては、当時の較差が投票価値の平等という観点からはなお大きな不 投票価値の平等 の重要性を考慮すると投票価値の不平等の是正について国会における不断の努力が望まれる旨の、平成21年大法廷判決においては、当時の較差が投票価値の平等という観点からはなお大きな不平等が存する状態であって、最大較差の大幅な縮小を図るためには現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となる旨の指摘がそれぞれされるなど、選挙区間の最大較差が5倍前後で常態化する中で、較差の状況について投 票価値の平等の観点から実質的にはより厳格な評価がされるようになっていた。 ウ平成22年7月11日、選挙区間の最大較差が5.00倍の状況において行われた通常選挙につき、最高裁平成23年(行ツ)第51号同24年10月17日大法廷判決・民集66巻10号3357頁(以下「平成24年大法廷判決」という。)は、結論において同選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえな いとしたものの、長年にわたる制度及び社会状況の変化として、①参議院議員の選挙制度と衆議院議員の選挙制度が同質的なものとなってきているとともに、急速に変化する社会の情勢の下で、議員の長い任期を背景に国政の運営における参議院の役割はこれまでにも増して大きくなってきていること、②衆議院については、投票価値の平等の要請に対する制度的な配慮として、選挙区間の人口の較差が2倍未満となること を基本とする旨の区割りの基準が定められていること等を挙げた上で、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難く、都道府県が政治的に一つのまとまりを有する単位として捉え得ること等の事情は数十年間にもわたり投票価値の大きな較差が継続することを正当化する理由としては十分なものとはいえなくなっており、都道府県間の人口較差の拡大 つのまとまりを有する単位として捉え得ること等の事情は数十年間にもわたり投票価値の大きな較差が継続することを正当化する理由としては十分なものとはいえなくなっており、都道府県間の人口較差の拡大 が続き、総定数を増やす方法を採ることにも制約がある中で、都道府県を各選挙区の 単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の要求に応えていくことはもはや著しく困難な状況に至っているなどとし、上記通常選挙当時の選挙区間の最大較差が示す投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった旨判示するとともに、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措 置を講じ、できるだけ速やかに上記の不平等状態を解消する必要がある旨を指摘した。 エ平成24年大法廷判決の言渡し後、平成24年11月16日に公職選挙法の一部を改正する法律(同年法律第94号。以下「平成24年改正法」という。)が成立し、同月26日に施行された。同法は、選挙区選出議員について4選挙区で定数を4増4減とすることを内容とするものであった。 オ平成25年7月21日、平成24年改正法による改正後の定数配分規定の下での通常選挙(以下「平成25年選挙」という。)が行われた。同選挙当時の選挙区間の最大較差は4.77倍であった。 最高裁平成26年(行ツ)第155号、第156号同年11月26日大法廷判決・民集68巻9号1363頁(以下「平成26年大法廷判決」という。)は、結論におい て平成25年選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとしたものの、平成24年大法廷判決の判断に沿って、平成24年改正法による上記4増4減の措置は、都道府県を各選 おい て平成25年選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとしたものの、平成24年大法廷判決の判断に沿って、平成24年改正法による上記4増4減の措置は、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを維持して一部の選挙区の定数を増減するにとどまり、現に選挙区間の最大較差については上記の改正の前後を通じてなお5倍前後の水準が続いていたのであるから、同法による上記 措置を経た後も、選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった旨判示するとともに、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって上記の不平等状態が解消される必要がある旨を指摘し た。 カ平成27年7月28日、公職選挙法の一部を改正する法律(同年法律第60号。 以下「平成27年改正法」という。)が成立し、同年11月5日に施行された。同法による公職選挙法の改正(以下「平成27年改正」という。)の結果、平成22年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は2.97倍となった。 平成27年改正法は、選挙区選出議員の選挙区及び定数について、鳥取県及び島根県、 徳島県及び高知県をそれぞれ合区して定数2人の選挙区とするとともに、3選挙区の定数を2人ずつ減員し、5選挙区の定数を2人ずつ増員することなどを内容とするものであり、その附則7条には、平成31年に行われる通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必 の附則7条には、平成31年に行われる通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとす るとの規定が置かれていた。 キ平成28年7月10日、平成27年改正後の定数配分規定の下での通常選挙(以下「平成28年選挙」という。)が行われた。同選挙当時の選挙区間の最大較差は3.08倍であった。 最高裁平成29年(行ツ)第47号同年9月27日大法廷判決・民集71巻7号1 139頁(以下「平成29年大法廷判決」という。)は、平成27年改正法につき、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、参議院創設以来初めての合区を行うことにより、長期間にわたり投票価値の大きな較差が継続する要因となっていた都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを見直すことをも内容とするものであり、これによって、数十年間にもわたり5倍前後で推移してきた選挙区間の最大較 差は2.97倍(選挙当時は3.08倍)まで縮小するに至ったのであるから、平成24年大法廷判決等の趣旨に沿って較差の是正を図ったものとみることができるとし、また、その附則において上記カのとおり規定され、今後における較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意が示されるとともに、再び大きな較差を生じさせることのないよう配慮されているものということができるなどとして、平成28年選 挙当時の定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が 生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえないとした。 ク平成28年選挙において、合区の対象となった4県のうち島根県を除く3県では、投票率が低下して当時における過去最低の投票率 生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえないとした。 ク平成28年選挙において、合区の対象となった4県のうち島根県を除く3県では、投票率が低下して当時における過去最低の投票率となったほか、無効投票率が全国平均を上回り、高知県での無効投票率は全国最高となった。なお、平成25年選挙においては、無効投票率が全国平均を上回っていたのは、上記4県のうち高知県のみ であった。 全国知事会は、平成28年7月29日、平成28年選挙において投票率の著しい低下等の様々な弊害が顕在化したなどとして、合区の早急な解消を求める決議を行った。 また、全国都道府県議会議長会や全国市長会等においても、合区の早急な解消に向けた決議等が行われた。 平成29年2月、参議院の各会派代表による参議院改革協議会が設置され、同年4月、同協議会の下に参議院選挙制度改革について集中的に調査を行う「選挙制度に関する専門委員会」が設けられた。同委員会は、参議院選挙制度改革に対する考え方について、一票の較差、選挙制度の枠組みとそれに基づく議員定数の在り方、選挙区の枠組み等について協議を行った上で、選挙区選出議員について、全ての都道府県から 少なくとも1人の議員が選出される都道府県を単位とする選挙区とすること、一部合区を含む都道府県を単位とする選挙区とすること、又は選挙区の単位を都道府県に代えてより広域のものとすることの各案について検討を行ったほか、選挙区選出議員及び比例代表選出議員の二本立てとしない場合を含めた選挙制度の在り方等についても議論を行った。しかしながら、これらの議論を経た上で各会派から示された選挙制 度改革の具体的な方向性についての意見の内容は、選挙区の単位、合区の存廃、議員定数の増減等の点において大きな隔たりがある状況であった。 ながら、これらの議論を経た上で各会派から示された選挙制 度改革の具体的な方向性についての意見の内容は、選挙区の単位、合区の存廃、議員定数の増減等の点において大きな隔たりがある状況であった。 平成30年6月、参議院改革協議会において、自由民主党から、選挙区の単位を都道府県とすること及び平成27年改正による4県2合区は維持した上で、選挙区選出議員の定数を2人増員して埼玉県選挙区に配分するとともに、比例代表選出議員の定 数を4人増員し、政党等が優先的に当選人となるべき候補者を定めることができる特 定枠制度を導入するとの案が示された。その後、協議が行われるなどしたものの、各会派間に意見の隔たりがある状況であったため、各会派が参議院に法律案を提出し、参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会において議論が進められることとなり、上記の自由民主党の提案内容に沿った法律案のほか、現在の選挙区選出議員の選挙及び比例代表選出議員の選挙に代えてより広域の選挙区による選挙を導 入することを内容とする法律案等が提出された。同年7月11日、上記特別委員会において、上記の自由民主党の提案内容に沿った公職選挙法の一部を改正する法律案が可決すべきものとされ、その際、「今後の参議院選挙制度改革については、憲法の趣旨にのっとり、参議院の役割及び在り方を踏まえ引き続き検討を行うこと」との附帯決議がされた。 平成30年7月18日、上記法律案どおりの平成30年改正法が成立し、同年10月25日に施行された。平成30年改正の結果、平成27年10月実施の国勢調査結果による日本国民人口に基づく選挙区間の最大較差は2.99倍となった。 ケ令和元年7月21日、本件定数配分規定の下での初めての通常選挙(以下「令和元年選挙」という。)が行われ 0月実施の国勢調査結果による日本国民人口に基づく選挙区間の最大較差は2.99倍となった。 ケ令和元年7月21日、本件定数配分規定の下での初めての通常選挙(以下「令和元年選挙」という。)が行われた。同選挙当時の選挙区間の最大較差は3.00倍で あった。 最高裁令和2年(行ツ)第78号同年11月18日大法廷判決・民集74巻8号2111頁(以下「令和2年大法廷判決」という。)は、立法府においては、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進 めることが求められているところ、平成30年改正において、こうした取組が大きな進展を見せているとはいえないとしながらも、平成30年改正法につき、数十年間にわたって5倍前後で推移してきた最大較差を3倍程度まで縮小させた平成27年改正法における方向性を維持するよう配慮したものであるということができ、また、参議院選挙制度の改革に際しては、事柄の性質上慎重な考慮を要することに鑑み、その 実現は漸進的にならざるを得ない面があることからすると、立法府の検討過程におい て較差の是正を指向する姿勢が失われるに至ったと断ずることはできないなどとして、令和元年選挙当時の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえないとした。 コ令和元年選挙において、合区の対象となった徳島県での投票率は全国最低となり、鳥取県及び島根県の投票率もそれぞれ過去最低となった。また、合区の対象とな った4県での無効投票率はいずれも全国平均を上回り、徳島県では全国最高となった。 令和元年選挙の後も、全国知事会等において 取県及び島根県の投票率もそれぞれ過去最低となった。また、合区の対象とな った4県での無効投票率はいずれも全国平均を上回り、徳島県では全国最高となった。 令和元年選挙の後も、全国知事会等において、合区の解消を求める決議等が行われている。 令和3年5月、参議院の各会派代表による参議院改革協議会が改めて設置され、参議院の組織及び運営の改革に関する検討項目の一つとして、較差の是正を含む選挙制 度改革についての議論がされた。合区については、何らかの形で解消することを目指す意見が多かったものの、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを維持するか、選挙区の単位を都道府県に代えてより広域のものとするか、議員の総定数を増やすか等の点について意見の隔たりがあり、最終的に、参議院選挙制度改革の具体的な方向性についての各会派の意見が一致するには至らなかった。令和4年5月及び 同年6月に開かれた参議院憲法審査会における参議院選挙制度改革をめぐる議論の状況も、上記と同様であった。 サ令和4年7月10日、本件定数配分規定の下での2回目の通常選挙(以下「令和4年選挙」という。)が行われた。同選挙当時の選挙区間の最大較差は3.03倍であった。(乙6の1) 最高裁令和5年(行ツ)第54号同年10月18日大法廷判決・民集77巻7号1654頁(以下「令和5年大法廷判決」という。)は、令和2年大法廷判決と同様に、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められているとした上で、参議院議員の選挙制度の改 革につき、各会派の間で一定の議論がされたものの、較差の更なる是正のための法改 について議論し、取組を進めることが引き続き求められているとした上で、参議院議員の選挙制度の改 革につき、各会派の間で一定の議論がされたものの、較差の更なる是正のための法改 正の見通しが立つに至っていないのはもとより、その実現に向けた具体的な検討が進展しているともいい難いとする一方で、平成27年改正により、数十年間にもわたり5倍前後で推移してきた選挙区間の最大較差は3倍程度まで縮小し、同改正がされてから本件選挙までの約7年間、合区は維持され、最大較差が3倍程度で推移し有意な拡大傾向にないこと等を指摘するとともに、合区の導入後に対象4県で生じた投票率 の低下等の状況が、都道府県を各選挙区の単位とする現行の選挙制度の仕組みを更に見直すに当たり、代表民主制の下で国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆するものと考えられること等に触れた上で、立法府が較差の更なる是正に向けた取組を進めていくには、更に議論を積み重ねる中で種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、広く国民の理 解も得ていく必要があると考えられ、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれるなどとして、令和4年選挙当時の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえないとした。 シ令和4年選挙において、合区の対象となった徳島県での投票率は全国最低とな り、また、合区の対象となった4県での無効投票率はいずれも全国平均を上回った。 令和4年選挙後も、全国知事会等において、合区の解消を求める決議等が行われている。 そして、令和4年11月、参議院の各会派代表による参議院改革協議会が改めて設置され、同協 も全国平均を上回った。 令和4年選挙後も、全国知事会等において、合区の解消を求める決議等が行われている。 そして、令和4年11月、参議院の各会派代表による参議院改革協議会が改めて設置され、同協議会の下に、選挙制度の調査・検討のため「選挙制度に関する専門委員 会」が設けられた。同委員会は、令和5年2月から令和6年6月までの間に16回にわたって開催され、有識者や鳥取県及び高知県の各知事からの意見聴取のほか、各会派から選挙制度の在り方やその改革に関する具体的な論点・方向性についての意見表明がされ、これを踏まえて委員間で意見交換が行われた。その中では、現行の選挙制度については、投票率の低下等の弊害がある合区を解消すべきとの意見が大勢であっ たものの、具体的な選挙制度の枠組みについては、都道府県単位の選挙区選出議員選 挙及び全国比例代表選出議員選挙を維持すべきとの意見とブロック制を導入すべきとの意見に分かれる状況であったため、同委員会は、同月7日、上記の状況を含むこれまでの協議の結果を記載した報告書を作成して参議院改革協議会に提出した。同協議会は、同報告書の内容を踏まえ、令和7年5月14日及び同月30日の2回にわたって参議院の在り方について意見交換を行い、同年6月6日には各会派の協議員によ る意見表明を行うなどしたが、意見の集約が困難な状況にあったため、同協議会の協議結果を記載した報告書は、同月18日に参議院議長に提出されたものの、同報告書には、具体的な選挙制度の枠組みについての結論は記載されず、今後の協議の進め方として、令和10年通常選挙に向けて、本件選挙後、新たな会派構成の下でも協議の場を速やかに設けていただき、工程案を共有しつつ、具体的な参議院改革について結 論を出し、選挙制度改革の方向性を見いだ して、令和10年通常選挙に向けて、本件選挙後、新たな会派構成の下でも協議の場を速やかに設けていただき、工程案を共有しつつ、具体的な参議院改革について結 論を出し、選挙制度改革の方向性を見いだすべく協議が引き継いでいかれることを切望する旨が記載されるにとどまった。令和4年12月から令和5年12月にかけて開催された参議院憲法審査会における参議院選挙制度改革をめぐる議論の状況も、上記とほぼ同様であった。 (乙6の2及び3、26、27の1ないし6、38の1ないし8) ス令和7年7月20日、本件選挙が行われた。本件選挙当時の選挙区間の最大較差は3.13倍であり、最も人口が少なかった福井県選挙区と比べて較差が3倍以上となった選挙区は3つであった。投票率は、合区の対象となった徳島県では全国最低となり、鳥取県、高知県でも全国平均を下回った。また、無効投票率についても、徳島県では全国最高となり、鳥取県、島根県でも全国平均を上回った。(乙1、2) 3 争点本件の争点は、①本件選挙時において、本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡が、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったか否か、②上記の状態にあった場合に、本件選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして、本件定数配分規定が憲法に違反し無効であり、 これに基づいて行われた本件選挙区選挙も無効であるか否かであり、これらの争点に 関する当事者の主張の要旨は、次のとおりである。 (原告の主張)⑴ 議員定数配分規定においては、各選挙区の選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率の平等が最も重要かつ基本的な基準とされるべきことは当然であって、憲法56条2項、1条、前文第1段第1文、43条1項は、出来る限 配分規定においては、各選挙区の選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率の平等が最も重要かつ基本的な基準とされるべきことは当然であって、憲法56条2項、1条、前文第1段第1文、43条1項は、出来る限りの人口比例選挙を 要求するものである。しかるに、本件定数配分規定は、人口比例に基づいて定数配分をしておらず、人口比例選挙の要求に反しているから、同規定は、憲法98条1項により無効であり、よって、本件選挙の本件選挙区選挙も無効である。 ⑵ 総務省選挙資料(令和6年9月登録日現在)に基づく各選挙区の議員1人当たりの有権者数は、最少の福井県選挙区(31万1339人)と最多の神奈川県選挙区 (96万5883人)との差が65万4544人で、較差は1対3.102であり、本件選挙は、議員1人当たりの有権者数が選挙区間で約65万人超の差がある極めて異質な選挙である。また、福井県選挙区と原告が選挙人となっている鳥取県及び島根県参議院合同選挙区とを対比すると、福井県選挙区を1票とした場合の鳥取県及び島根県合同選挙区の投票価値は0.63票にすぎない。 ⑶ 参議院改革協議会において、令和3年5月から令和4年6月までの間、合計13回にわたり、参議院の在り方、参議院選挙制度、議員の身分保障等に関する検討が行われたが、参議院選挙制度改革について意見の集約はできず、投票価値の不均衡を縮小させることに関する具体的な方向性が示されることはなかった。また、令和4年5月及び同年6月開催の参議院憲法審査会においても、参議院選挙制度改革について 具体的な方向性は示されなかった。さらに、令和5年2月から令和6年6月までの間、参議院改革協議会では、合計16回にわたり、参議院選挙制度について検討が行われたが、本件選挙までに改正法は成立しなかった。その結果、本件選挙は なかった。さらに、令和5年2月から令和6年6月までの間、参議院改革協議会では、合計16回にわたり、参議院選挙制度について検討が行われたが、本件選挙までに改正法は成立しなかった。その結果、本件選挙は、平成30年改正法による最大較差3倍を伴う定数配分規定の下で行われた3回目の選挙となる。 ⑷ 本件選挙は、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、更なる較 差の是正(すなわち、最大較差3.00倍を更に是正すること)を図るとともに、こ れを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが求められるとした平成29年大法廷判決、令和2年大法廷判決及び令和5年大法廷判決、殊に、投票価値の平等が憲法上の要請であること等を考慮すると較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題というべきであるとして、較差の更なる是正と選挙制度の仕組み自体に抜本的見直しを強く求めた令和5年大法廷判決の趣旨 に沿わない立法状況のまま行われたから、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態の下で施行されたものと解される。 ⑸ 令和5年大法廷判決は、二院制に係る憲法の趣旨や、半数改選などの参議院の議員定数配分規定に当たり考慮を要する固有の要素を勘案しても、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見いだし難 いと単純明快に判示し、投票価値の平等が憲法上の要請であること等を考慮すると、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題というべきであり、立法府において議論がされてきた種々の方策に課題や制約があり、事柄の性質上慎重な考慮を要するにせよ、立法府においては、より適切な民意の反映が可能となるよう、社会の情勢の変化や課題等をも踏まえながら、現行の選挙制度の仕組みの抜本 た種々の方策に課題や制約があり、事柄の性質上慎重な考慮を要するにせよ、立法府においては、より適切な民意の反映が可能となるよう、社会の情勢の変化や課題等をも踏まえながら、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、較差 の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことが求められると明確に判示した。しかるに、令和元年選挙当時の選挙区間の最大較差は1対3.00、令和4年選挙当時のそれは1対3. 03、本件選挙当時のそれは1対3.13であり、較差の更なる是正とは真逆の著しい後退である。よって、本件選挙は、令和5年大法廷判決に照らし、違憲である。 ⑹ 憲法前文第1段第2文は、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と定めるところ、この定めは少なくとも憲法47条の解釈基準となる。選挙制度の仕組みの決定について国会に広範な裁量が認められるとし、選挙制度の合憲性は国会に与えられた裁量権の行使として合理性を有するといえ るか否かによって判断されるとの見解は、憲法前文第1段第2文に基づき、国民(委 託者)によって国政を信託された国民の代表者(受託者)が、受益者(国民)に対して負担する忠実義務等(信託法30条等)に反して憲法47条を解釈・適用することを許容するものであって、憲法47条の解釈基準たる前文第1段第2文に違反する。 ⑺ 米、英、独、仏、韓、日の6か国の中で、米、英、独、仏、韓の5か国は人口比例選挙又はおおむね人口比例選挙であるため、投票人の過半数又はおおむね過半数 の投票により政権交代し、右肩上がりで国民一人当たりの平均賃金が増加している。 で、米、英、独、仏、韓の5か国は人口比例選挙又はおおむね人口比例選挙であるため、投票人の過半数又はおおむね過半数 の投票により政権交代し、右肩上がりで国民一人当たりの平均賃金が増加している。 一方で、全世界のGDPの中の日本のGDPのシェアは、1995年から2023年までの29年間で17.6%から4.0%に激減している。この国難を克服するためには、他の5か国と同じ土俵、すなわち人口比例選挙又はおおむね人口比例選挙に立つ必要がある。 ⑻ 以上より、令和元年選挙及び令和4年選挙と同一の本件定数配分規定の下で行われた本件選挙及び本件選挙区選挙について、裁判所は、憲法81条に基づき、違憲無効であると判断すべきである。 (被告の主張)⑴ 判断枠組みについて 国会の定めた定数配分規定が憲法14条1項等の規定に違反して違憲と評価されるのは、参議院の独自性のほか、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由を考慮しても、投票価値の平等の見地からみて違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあり、かつ、当該選挙までの期間内にこれを是正する措置を講じなかったことが国会の裁量権の限界を超える場合に限られるものと解すべきである。 ⑵ 主位的主張本件選挙時において、本件定数配分規定の下での選挙区間の投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとはいえない。 ア参議院の選挙制度については、参議院創設以来、都道府県単位の選挙区割りが採用されている。都道府県は、歴史的にも、政治的、経済的、社会的、文化的にも独 自の意義と実体を有する行政単位であり、国民の多くが帰属意識を持っており、一体 感が醸成されている。それゆえ、都道府県を選挙区割りの基本単位とすることにより、地域 的にも独 自の意義と実体を有する行政単位であり、国民の多くが帰属意識を持っており、一体 感が醸成されている。それゆえ、都道府県を選挙区割りの基本単位とすることにより、地域ごとの多様な国民の意見を集約して国政に反映させることが可能になるといえ、都道府県を選挙区割りの基本単位とすることは合理的である。また、過疎化による地方の疲弊が進行し、都市部との格差が顕著なものとなった今日の社会状況下においては、地方に居住する少数派の国民の意見も国政に十分に反映されるような定数配分規 定とする重要性が増してきている。そのため、都道府県を選挙区割りの基本単位とすることは、少数派の国民の意見を集約して国政に反映させることが期待できるという点においても合理性を有する上、憲法が多数派の一時的な勢力による弊害を防止するための抑制機関として衆議院のほかに参議院を設けた趣旨にも沿うものといえる。したがって、都道府県を選挙区割りの基本単位とすることは、国会が正当に考慮するこ とができる政策的目的ないし理由として十分に考慮されるべきものである。 イ国会は、平成27年改正により平成24年大法廷判決及び平成26年大法廷判決が指摘した違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態を解消し、平成30年改正により投票価値の不均衡の更なる是正を実現した。平成30年改正以降の本件定数配分規定に基づく通常選挙における投票価値の較差は、令和元年選挙時に1 対3.00、令和4年選挙時に1対3.03、本件選挙時に1対3.13であり、いずれも、較差5倍前後という違憲状態が解消された平成28年選挙における較差3倍程度とさほど変わらず、較差が有意な拡大傾向にあるとはいえず、平成27年改正及び平成30年改正により実現された状態が維持されているから、本件定 という違憲状態が解消された平成28年選挙における較差3倍程度とさほど変わらず、較差が有意な拡大傾向にあるとはいえず、平成27年改正及び平成30年改正により実現された状態が維持されているから、本件定数配分規定の合憲性は本件選挙時でも維持されていたといえる。 ウ参議院は、憲法上、3年ごとに議員の半数が改選されるため、選挙区選出議員の選挙区ごとの定数を偶数配分する必要があるほか、選挙区選出議員の定数が衆議院の小選挙区選出議員よりも少なく、大幅に増員することも困難であること、合区については、合区の対象となった県相互間における課題、利害等が一致するとは限らず、そうした場合に、当該合区から選出された参議院議員が両県の意見を集約して国政に 反映させることは事実上困難であるなど、様々な問題が指摘されている。このように、 参議院の選挙制度の改革には様々な困難が伴う中、国会は、較差の更なる是正に向け、令和元年選挙後には参議院改革協議会を、令和4年選挙後には参議院改革協議会及び選挙制度の調査・検討に特化した「選挙制度に関する専門委員会」をそれぞれ設置し、参議院の在り方や選挙制度の改革等について議論を継続しており、現時点では成案が得られていないものの、全ての会派が本件選挙後にも選挙制度の改革に関する議論を 継続することを表明し、複数の会派が令和10年通常選挙に向けた制度改正を明示するなど、累次の最高裁判所大法廷判決を真摯に受け止めた検討と取組を継続している。 ⑶ 予備的主張仮に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとの評価がされるとしても、本件選挙までの期間内に本件定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量 権の限界を超えるものとはいえない。 ア当該選挙までの期間内に定数配分規定の是正をしなかった の評価がされるとしても、本件選挙までの期間内に本件定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量 権の限界を超えるものとはいえない。 ア当該選挙までの期間内に定数配分規定の是正をしなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かを判断するに当たっては、単に期間の長短のみならず、是正のために採るべき措置の内容、そのために検討を要する事項、実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して、国会における是正の実現に向けた取 組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものであったといえるか否かという観点に立って評価すべきであるとともに、裁判所において当該定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあるとの判断が示されるなど、国会が上記の不平等状態となったことを認識し得た時期を基準(始期)として、上記諸般の事情を総合考慮して判 断されるべきである。 イそこで、本件選挙までの事情をみると、国会は、平成27年改正により投票価値の較差を大幅に縮小させて投票価値の不均衡について違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態を解消し、そのような状態から更に最大較差を縮小させるため、平成30年改正により現在の本件定数配分規定を定めたところ、令和元年選挙に係る令 和2年大法廷判決では本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということ はできないと判示され、その結論は、令和4年選挙に係る令和5年大法廷判決でも維持された。その上で、本件選挙時の最大較差は1対3.13であり、平成21年大法廷判決までの累次の最高裁判所判決の事案において合憲とされた最大較差を大幅に下回り、令和2年大法廷判決及び令和5年大法廷判決により合憲と判断された令和元 最大較差は1対3.13であり、平成21年大法廷判決までの累次の最高裁判所判決の事案において合憲とされた最大較差を大幅に下回り、令和2年大法廷判決及び令和5年大法廷判決により合憲と判断された令和元年選挙時及び令和4年選挙時の最大較差と大きく異なるとはいえないものであるか ら、投票価値の不均衡について違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあるとは考え難い状況であった。したがって、国会において、本件選挙までの間に、本件定数配分規定に基づく選挙区間における投票価値の不均衡が上記の不平等状態にまで至っていたことを認識し得たとはいえないから、前記の時期(始期)が開始していたとは認められない。 ウ加えて、選挙区間の較差の更なる是正等のためには、参議院の議員定数を増加させる措置や、都道府県よりも広域の選挙区を設けるなどの措置を講ずることが考えられるものの、いずれの措置を講ずる場合でもそれ自体に困難が伴い、措置を講じた場合に種々の弊害が生じることも想定されるから、国会が是正のために採るべき立法措置の検討等に相応に長期の期間を要することはやむを得ないものというべきであ る。 第3 当裁判所の判断 1 本件選挙時において、本件定数配分規定の下での選挙区間の投票価値の不均衡が、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったか否かについて⑴ 憲法は、選挙権の内容の平等、換言すれば、議員の選出における各選挙人の投 票の有する影響力の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解される。他方、憲法は、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させるために選挙制度をどのような制度にするかの決定を国会の裁量に委ねているのであって、投票価値の平等は、選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮す 国政に反映させるために選挙制度をどのような制度にするかの決定を国会の裁量に委ねているのであって、投票価値の平等は、選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現 されるべきものである。それゆえ、国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使 として合理性を有するものである限り、それによって投票価値の平等が一定の限度で譲歩を求められることになっても、憲法に違反するとはいえない。 憲法が二院制を採用し衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を設けている趣旨は、それぞれの議院に特色のある機能を発揮させることによって、国会を公正かつ効果的に国民を代表する機関たらしめようとするところにあると解される。前記 第2の2⑶アにおいてみた参議院議員の選挙制度の仕組みは、このような観点から、参議院議員について、全国選出議員(昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正後は比例代表選出議員)と地方選出議員(同改正後は選挙区選出議員)に分け、前者については全国(全都道府県)の区域を通じて選挙するものとし、後者については都道府県を各選挙区の単位としたものである。昭和22年の参議院議員選挙法及び同 25年の公職選挙法の制定当時において、このような選挙制度の仕組みを定めたことが、国会の有する裁量権の合理的な行使の範囲を超えるものであったということはできない。しかしながら、社会的、経済的変化の激しい時代にあって不断に生ずる人口変動の結果、上記の仕組みの下で投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置を講じないことが、国会の 裁量権の限界を超えると判断される場合には、当該定数配 の仕組みの下で投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置を講じないことが、国会の 裁量権の限界を超えると判断される場合には、当該定数配分規定が憲法に違反するに至るものと解するのが相当である。 以上は、最高裁昭和54年(行ツ)第65号同58年4月27日大法廷判決・民集37巻3号345頁以降の参議院議員(地方選出議員ないし選挙区選出議員)選挙に関する累次の最高裁判所大法廷判決の趣旨とするところであり、基本的な判断枠組み としてこれを変更する必要は認められない。 なお、原告は、憲法56条2項、1条、前文第1段等を根拠として、本件選挙は憲法が要求する出来る限りの人口比例選挙に反しているから無効である旨主張するが、憲法のこれらの規定から、上記の基本的な判断枠組みを超えて投票価値の平等が他の政策的目的等に優先するものと解することはできず、原告の主張は、上記の基本的な 判断枠組みを左右するものではない。 ⑵ 憲法は、二院制の下で、一定の事項について衆議院の優越を認める反面、参議院議員につき任期を6年の長期とし、解散もなく、選挙は3年ごとにその半数について行うことを定めている(46条等)。その趣旨は、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与えつつ、参議院議員の任期をより長期とすること等によって、多角的かつ長期的な視点からの民意を反映させ、衆議院との権 限の抑制、均衡を図り、国政の運営の安定性、継続性を確保しようとしたものと解される。そして、いかなる具体的な選挙制度によって、上記の憲法の趣旨を実現し、投票価値の平等の要請と調和させていくかは、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそ 。そして、いかなる具体的な選挙制度によって、上記の憲法の趣旨を実現し、投票価値の平等の要請と調和させていくかは、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれの選挙制度にいかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられており、参議院議員に つき衆議院議員とは異なる選挙制度を採用し、国民各層の多様な意見を反映させて、参議院に衆議院と異なる独自の機能を発揮させようとすることも、選挙制度の仕組みを定めるに当たって国会に委ねられた裁量権の合理的行使として是認し得るものと考えられる。 また、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を 集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとはいえず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されない。 ⑶ 参議院議員の選挙制度と衆議院議員の選挙制度は、選出方法等に係るこれまでの変遷を経て同質的なものとなってきているところ、衆議院議員選挙については、投票価値の平等の要請に対する制度的な配慮として、選挙区間の人口の較差が2倍未満となるようにする旨の区割りの基準が定められ、少なくとも長期間にわたり2倍以上の較差が放置されることはないような措置が講じられている(衆議院議員選挙区画定 審議会設置法3条、4条参照)。また、急速に変化する社会の情勢の下で、議員の長い 任期を背景に、国政の運営における参議院の役割は大きなものとなってきている。 そうすると、二 審議会設置法3条、4条参照)。また、急速に変化する社会の情勢の下で、議員の長い 任期を背景に、国政の運営における参議院の役割は大きなものとなってきている。 そうすると、二院制に係る憲法の趣旨や、半数改選などの参議院の議員定数配分に当たり考慮を要する固有の要素を勘案しても、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見いだし難い。したがって、立法府においては、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、較差の更なる 是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められているというべきである(令和2年大法廷判決、令和5年大法廷判決各参照)。 この観点からみると、4県2合区を導入すること等を内容とする平成27年改正により、数十年間にもわたり5倍前後で推移してきた選挙区間の最大較差は3倍程度ま で縮小したものの、その後は、平成27年改正後の定数配分規定の下での平成28年選挙から、平成30年改正後の定数配分規定(本件定数配分規定)の下での令和元年選挙、令和4年選挙及び本件選挙に至るまでの約9年間もの長期間にわたって、選挙区間の最大較差は3倍程度で常態化し、むしろ、令和元年選挙当時(選挙区間の最大較差3.00倍)及び令和4年選挙当時(選挙区間の最大較差3.03倍)と比べて、 本件選挙当時(選挙区間の最大較差3.13倍)は僅かながらにせよ拡大傾向にある。 そして、憲法上、選挙権は国民が有する最も重要な基本的人権の一つであり、投票価値の平等を不当に害してはならないことは多言を要しないところ、上記のような較差の推移を踏まえ、選挙権及び投票価値の平等の憲法上の重要性に鑑みると、平成28年選挙から本件選 的人権の一つであり、投票価値の平等を不当に害してはならないことは多言を要しないところ、上記のような較差の推移を踏まえ、選挙権及び投票価値の平等の憲法上の重要性に鑑みると、平成28年選挙から本件選挙までの約9年間にわたり当該較差が約3倍程度の水準から有意 には拡大していないことにいわば安住することは相当ではなく、本件選挙当時、選挙区間の最大較差が3.13倍に開いていたことは、原則として憲法が許容しない程度の投票価値の不平等があったものというべきであり、立法府のそれまでの対応において、選挙区間の較差を更に是正するとともに、この較差が再び拡大することのないように図ることに向けた積極的な取組や具体的な進展等を見いだし得ない場合には、違 憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったものというべきである。 ⑷ 前記前提事実によれば、平成27年改正法は、選挙区選出議員の選挙区及び定数について、鳥取県及び島根県、徳島県及び高知県をそれぞれ合区して定数2人の選挙区とするとともに、3選挙区の定数を2人ずつ減員し、5選挙区の定数を2人ずつ増員することなどを内容とするものであり、その附則7条には、平成31年に行われる通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員1人当たり の人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとするとの規定が置かれていたことが認められるところ、平成27年改正法により、数十年間にもわたり5倍前後で推移してきた選挙区間の最大較差は、平成28年選挙当時で3.08倍まで縮小するに至ったのであるから、平成24年大法廷判決等の趣旨に沿って較差の是正を図ったものとみることができ る上、附則7条において、今後における較差の更なる是正 成28年選挙当時で3.08倍まで縮小するに至ったのであるから、平成24年大法廷判決等の趣旨に沿って較差の是正を図ったものとみることができ る上、附則7条において、今後における較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意が示されるとともに、再び大きな較差を生じさせることのないよう配慮されていた。さらに、平成30年改正法において、平成27年改正法における方向性を踏襲し、4県2合区は維持した上で、選挙区選出議員の定数を2人増員して埼玉県選挙区に配分するなどの改正がされ、この改正後の定数配分規定(本件定数配分規定)によ って、令和元年選挙当時の選挙区間の最大較差は3.00倍と更に縮小している。このように立法府において種々の取組がされてきたことは評価すべきものといえる。 しかしながら、平成30年改正を経た後は、令和元年選挙後の令和3年5月に参議院の各会派代表によって改めて設置された参議院改革協議会においては、参議院議員の選挙制度改革につき、各会派の間で一定の議論はされたものの、最終的に、参議院 選挙制度改革の具体的な方向性についての各会派の意見が一致するには至らず、令和4年5月及び同年6月に開かれた参議院憲法審査会における参議院選挙制度改革をめぐる議論の状況も同様であり、また、令和4年選挙後、本件選挙に至るまでの間においても、参議院改革協議会では、「選挙制度に関する専門委員会」を設置するなどして、令和4年11月から令和7年6月まで約2年半の期間をかけて、参議院選挙制度 についての検討が行われたが、具体的な選挙制度の枠組みについては、各会派の考え 方に異同があり、意見の集約が困難で結論が得られず、参議院選挙制度の改革について協議を継続する意向を示すにとどまり、具体的な検討は先送りされている。令和4年12 は、各会派の考え 方に異同があり、意見の集約が困難で結論が得られず、参議院選挙制度の改革について協議を継続する意向を示すにとどまり、具体的な検討は先送りされている。令和4年12月から令和5年12月にかけて開催された参議院憲法審査会における参議院選挙制度改革をめぐる議論の状況も、これとほぼ同様であった。このように、選挙区間の較差の更なる是正等に向けての議論は停滞し、較差の更なる是正のための法改正 の見通しが立つに至っていないことはもとより、その実現に向けた具体的な検討の進展も見られないことからすれば、令和2年大法廷判決及び令和5年大法廷判決が、立法府においては、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが求められているというべきであることを繰り 返し述べてきたにもかかわらず、平成30年改正後、本件選挙までの間の立法府の検討過程において、これらの大法廷判決の趣旨に沿って、選挙区間の較差を更に是正するとともに、この較差が再び拡大することのないように図ることに向けた積極的な取組や具体的な進展等を見いだすことはできない。 このような状況に照らし、投票価値の平等にかかる憲法上の重要性にも鑑みれば、 本件選挙当時、選挙区間の最大較差が3.13倍に開いていたことにつき、立法府において当該較差の是正に向けた実効性のある検討や取組が続けられてきたものとは評価し難く、当該較差の是正に向けた責務を立法府に課すことのないまま現状を追認することは最早相当とはいえないのであって、本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態すなわち違 憲状態に すことのないまま現状を追認することは最早相当とはいえないのであって、本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態すなわち違 憲状態にあったものというべきである。 2 本件選挙までの期間内に違憲状態にある投票価値の不均衡の是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして、本件定数配分規定が憲法に違反し無効であり、これに基づいて行われた本件選挙区選挙も無効であるか否かについて⑴ 本件選挙の時点において投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著し い不平等状態すなわち違憲状態に至っている旨の司法の判断が示されれば、国会はこ れを受けて是正を行う責務を負うものであるところ、本件選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かを判断するに当たっては、単に期間の長短のみならず、是正のために採るべき措置の内容、そのために検討を要する事項、実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して、国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使 の在り方として相当なものであったといえるか否かという観点に立って評価すべきものと解される(平成26年大法廷判決参照)。 ⑵ 参議院議員の選挙制度の仕組み自体の見直しについては、参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が求められるなど、事柄の性質上課題も多いため、その検討に相応の時間を要することは認めざるを得ず、また、参議院の各会派による協議 を経て改正の方向性や制度設計の方針を策定し、具体的な改正案を立案して法改正を実現していくためには、これらの各過程における諸々の手続や作業が必要となる。その一環としては、例えば、参議院議員の総定数の増 経て改正の方向性や制度設計の方針を策定し、具体的な改正案を立案して法改正を実現していくためには、これらの各過程における諸々の手続や作業が必要となる。その一環としては、例えば、参議院議員の総定数の増加や比例代表選出議員と選挙区選出議員との割り振りの問題、あるいは、平成27年改正法により導入された合区制を今後も維持することの当否を含む選挙区の単位の問題等のほか、参議院においては憲 法上3年ごとに議員の半数を改選するとされている(46条)ことから各選挙区に偶数の定数を配分することが想定されるなどの固有の要素があることなどが挙げられる。このような状況の下で、立法府において、選挙区間の較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくためにいかなる方策を採り得るかについては、選挙制度の仕組みや投票価値の較差を生じさせる要因等、諸般の事情を総合 的に考慮し、代表民主制の下で国民の利害や意見を公正かつ効率的に国政に反映させるという憲法上の要請の観点から、慎重かつ漸進的に判断することを要する性質のものである。そうすると、前述のとおり、本件選挙時において、選挙区間の最大較差は約3倍程度の状態が平成28年選挙から数えて約9年間もの長期間にわたって継続しており、このような投票価値の著しい不平等を是正する措置を講じることは、現時 点に至っては、立法府において可及的速やかに対処し解決すべき課題であると位置付 けるべきものであって、これを是正すべき責務を立法府に課すことが相当であるといえるものの、立法府が選挙区間の最大較差の是正に向けた取組を進めていくには、更に議論を積み重ねる中で種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、広く国民の理解も得ていく必要があると考えられ、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を 差の是正に向けた取組を進めていくには、更に議論を積み重ねる中で種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、広く国民の理解も得ていく必要があると考えられ、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれる。 以上に加えて、令和元年選挙に関する令和2年大法廷判決及び令和4年選挙に関する令和5年大法廷判決においては、各選挙当時の選挙区間の最大較差は違憲状態にあったとはいえないとの判断が示されていたことにも鑑みれば、令和4年選挙以降、本件選挙までの間に、投票価値の不均衡の是正を内容とする法改正がなされておらず、その是正に向けた具体的な進展等も見られない状況であることを踏まえても、本件選 挙までの期間内に違憲状態にある選挙区間の最大較差の是正がされなかったことをもって、国会の裁量権の限界を超えるものであったということはできない。 ⑶ したがって、本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反していたということはできない。 第4 結論 以上のとおり、本件選挙当時において本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないから、同規定が違憲無効であるとして同規定に基づいて行われた本件選挙区選挙も無効であると主張する原告の請求は、理由がない。 よって、原告の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 広島高等裁判所松江支部 裁判長裁判官寺本昌広 (原本署名押印欄) 裁判官徳井真 (原本署名押印欄) 裁判官 裁判官徳井真 (原本署名押印欄) 裁判官森里紀之 (原本署名押印欄)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る