昭和26(う)919 詐欺賍物運搬同寄蔵横領被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和27年1月24日 札幌高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審の訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  被告人及び弁護人上田保の控訴趣意は、各その作成名義の控訴趣意書に記載した

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判決文本文1,136 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 当審の訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 被告人及び弁護人上田保の控訴趣意は、各その作成名義の控訴趣意書に記載したとおりで、これに対する判断は次のとおりである。 (一) 弁護人の控訴趣意について。 起訴状に記載すべき公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない(刑事訴訟法第二百五十六条第三項前段)のであるから、審判の対象となる事実は訴因によつて限定され、裁判所は訴因変更の手続を経ないで、起訴状記載の訴因と異る事実について判決することはできないものと解すべきである。然して、訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない(同条同項後段)ので、起訴状記載の事実と、判決の認定した事実との間に、日時、場所、方法が全く異る場合には、両者の間に同一性ありと認むることの出来ないことは勿論であるけれども、日時、場所、方法に多少の相違あるだけで、直ちに同一性を否定することも亦合理的ではない。要は、日時、場所、方法によつて表示せられた両個の事実が、社会観念上同一視し得るか否かを判断して決すべきである。とこるで、本件公訴事実のうち、賍物寄蔵の点について、起訴状の記載と原判決の認定との異るところは、起訴状では「被告人が自宅に保管して寄蔵した」というに対し、原判決では「被告人が被告人と同字のA宅に保管を託して寄蔵した」という点だけであつて、寄蔵の日時、賍物の品名、数量は両者全く同一である。しかも、同一賍物を同時に二ケ所に寄蔵するということはあり得ないのであるから、右は訴因と同一の事実と認むべきは当然である。従つて、原審が訴因変更の手続を経ないで、前叙の点について起訴状の記載と異る認定をしたからといつて、審判の請 寄蔵するということはあり得ないのであるから、右は訴因と同一の事実と認むべきは当然である。従つて、原審が訴因変更の手続を経ないで、前叙の点について起訴状の記載と異る認定をしたからといつて、審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたものということはできない。論旨は理由がない。 (二) 被告人の控訴趣意について。 論旨は、原判示第一の詐欺、第三の横領の各事実について、事実の誤認があるというのであるが、右各事実は原判決引用の証拠によつてこれを認めることができるから、原判決に所論の事実誤認はなく、論旨も理由がない。 よつて、本件控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条に従いこれを棄却し、訴訟費用の負担について同法第百八十一条第一項を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判長判事藤田和夫判事山口昇判事長友文士)

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