主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人菅田文明の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、憲法違反をいう点を含め、その実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。 なお、原判決及びその是認する第一審判決の認定によれば、被告人は、ビデオテープレコーダー用映像の企画、制作並びに販売等を目的とする株式会社Aの代表取締役として同社の業務全般を統括していた者であるが、同社の業務に関して、「あぶないセーラー服」と題するビデオ録画の制作、販売を企画し、Bに脚本の作成及び録画の監督を委嘱し、同人に対して事前の企画段階や脚本原案の検討段階において具体的に指示を与えるなどし、他方、マウントプロモーションの名称でモデルや女優の有料紹介業を営んでいるCから売り込み方を持ち込まれていた同プロモーション所属の当時一五歳の児童(以下、「本件児童」という。)を、自ら書類審査し、同社の制作担当をして面接を行わせた上で、右ビデオ録画に主演女優として出演させることを自ら最終決定し、Cとの間で、被告人及びCそれぞれにおいてその従業者を介して、本件児童をして同社が制作するビデオ録画一本に出演料八〇万円で出演させる契約を締結し、その上で、本件児童をして、Bの指揮監督の下に、二日間にわたり、いずれも午前八時ころから午後一〇時ころまで、東京渋谷区内のスタジオなどにおいて、同社の制作関係者が事前に立てた録画予定表に従い、男優を相手として、露骨な性戯、模擬性交などのわいせつな演技をさせるなどし、もって、右C及びBらと意思相通じ、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的でこれを自己の支配下に置いたというのであって、右の事実関係の下において 、模擬性交などのわいせつな演技をさせるなどし、もって、右C及びBらと意思相通じ、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的でこれを自己の支配下に置いたというのであって、右の事実関係の下においては、被告- 1 -人が児童福祉法六〇条三項にいう「児童を使用する者」に当たることは明らかである。 よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 平成五年一〇月二六日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官小野幹雄裁判官大堀誠一裁判官味村治裁判官三好達裁判官大白勝- 2 -
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