主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が平成16年1月26日付けで控訴人に対してした「平成11年9月以降の控訴人の陳情等に基づく又は控訴人に係る財団法人法律扶助協会に対する指導等調査報告書等(民事法律扶助法第14条規定外のものも含む)」を不開示とする旨の決定を取り消す。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」に記載されたとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決10頁20行目の「平成16年政令第547号」を「平成15年政令第547号」に改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の請求は理由がなく,これを棄却した原判決は正当であって,本件控訴は理由がないものと判断するが,その理由は,後記2のとおり控訴理由に対する説示を加えるほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第3 争点に対する判断」に記載されたとおりであるから,これを引用する。 2 控訴理由について(1) 控訴人は,原判決が,情報公開法において個人情報の本人への開示を認めない立法政策が採られていることを理由として,控訴人の主張を排斥したことは,法令の解釈適用を誤るなど不当である旨主張し,その裏付けとして,最高裁平成13年12月18日第三小法廷判決・民集55巻7号1603頁(以下「最高裁平成13年判決」という。)によれば,その当事者である兵庫県知事の主張からみても,兵庫県の公文書の公開等に関する条例(昭和61年3月27日条例第3号。以下「兵庫県公文書公開条例」という。)においては,個人情報の本人への開 。)によれば,その当事者である兵庫県知事の主張からみても,兵庫県の公文書の公開等に関する条例(昭和61年3月27日条例第3号。以下「兵庫県公文書公開条例」という。)においては,個人情報の本人への開示を認めない立法政策を採られていることが明らかであり,それにもかかわらず,同判決が,個人情報の本人への開示請求を認めているのであるから,仮に情報公開法において同様の立法政策が採られているとしても,そのことが,個人情報の本人への開示を否定する理由とはならないことを指摘する。 しかし,最高裁平成13年判決においては,当事者である兵庫県知事の主張から,兵庫県公文書公開条例において個人情報の本人への開示を認めない立法政策が採られていることが必ずしも明らかであるとはいえない上,兵庫県公文書公開条例において個人情報の本人への開示を認めない立法政策が採られていることを前提にしてその判断をしているとも解されず,控訴人の上記主張は,同判決を正解しないもので,前提を欠くものとして失当である。 (2) 控訴人は,最高裁平成13年判決が,個人情報の本人への開示請求が許されるものと判断するに当たり,兵庫県公文書公開条例において自己の個人情報の開示を請求することを許さない趣旨の規定等がないことを理由としていることからすると,兵庫県公文書公開条例と同様に情報公開法の下においても,自己の個人情報の開示を請求することを許さない趣旨の規定等がないから,控訴人の請求が認められるべきであるにもかかわらず,原判決が控訴人の請求を棄却したことは,法令の解釈適用を誤るなど不当である旨主張する。 確かに,情報公開法において,自己の個人情報の開示を請求することを許さない趣旨の明文規定はない。しかし,原判決説示のとおり,情報公開法は,その目的,規定文言及び立 当である旨主張する。 確かに,情報公開法において,自己の個人情報の開示を請求することを許さない趣旨の明文規定はない。しかし,原判決説示のとおり,情報公開法は,その目的,規定文言及び立法経緯等から個人情報の本人開示を認めない立法政策を採っているものと解され,最高裁平成13年判決が,そのような場合にまで,個人情報の本人開示を認めるべき旨判断したものとは解されず,控訴人の上記主張は採用することができない。 (3) 控訴人は,本件行政文書に記載されている特定個人には,法務省の職員や法律扶助協会の職員も含まれているところ,これらの職員のような国若しくは地方公共団体の公務員又はそれに準じる地位にある職員の職務遂行に関する情報については,情報公開法5条1号ただし書ハにより,個人情報として不開示とすることはできず,また,情報公開法5条2号にいう法人に当たる法律扶助協会の情報については,同号イにより開示されることによって法律扶助協会の競争上の地位その他正当な利益を害されることが客観的に明らかであることを要するにもかかわらず,原判決が,本件行政文書に記載されている事実関係の確認をせず,単に特定個人のプライバシーが記載されているということだけで,被控訴人のした不開示理由に不備がないと判断したことは,情報公開法5条1号ただし書ハ及び同条2号イの解釈適用を誤ったものであり,かつ,審理不尽である旨主張する。 しかし,本件不開示決定は,本件行政文書の存否について応答することが控訴人個人に関する情報を開示することになるため,情報公開法5条1号本文に該当するとしてされたものであるから,本件行政文書に法務省職員等に関する情報が記載されているか否か,その情報との関係で不開示とすることが許されるか否か,さらには,それらに関し不開示理由とし 号本文に該当するとしてされたものであるから,本件行政文書に法務省職員等に関する情報が記載されているか否か,その情報との関係で不開示とすることが許されるか否か,さらには,それらに関し不開示理由として記載されているか否かは,本件不開示決定の適法性や同決定における理由記載の不備の有無についての判断とは関係がなく,控訴人の上記主張は,失当である。原判決の判断は,相当であって,情報公開法5条1号ただし書ハ及び同条2号イの解釈適用に誤りはなく,審理不尽もない。 (4) その他,控訴人は,種々主張して,原判決の認定判断を非難するが,いずれも独自の見解に基づくものであって,採用することができない。 3 よって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第4民事部裁判長裁判官門口正人裁判官西田隆裕裁判官近藤昌昭は,差し支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官門口正人
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