昭和55(行ス)1 文書提出命令に対する即時抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和55年3月10日 高松高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各抗告を棄却する。          理    由  (抗告の趣旨及び理由並びに相手方らの意見)  本件抗告の趣旨及び理由は、別紙即時抗告申立書及び補充申立書に各記載のとお

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判決文本文5,008 文字)

主文 本件各抗告を棄却する。 理由 (抗告の趣旨及び理由並びに相手方らの意見)本件抗告の趣旨及び理由は、別紙即時抗告申立書及び補充申立書に各記載のとおりであり、これに対する相手方らの意見は別紙意見書に記載のとおりである。 (当裁判所の判断)一本案訴訟の概要等について一件記録によると、次の事実が認められる。 前掲損害賠償請求事件は、香川県の坂出市が、同市a、b地区の坂出港港湾整備事業計画に必要な土地を確保するため、右a、b両地先公有水面の埋立を企図し、これに伴い、右地域に漁業権を有する抗告人ら一六漁業協同組合及び塩飽漁業協同組合連合会(以下抗告人らを含め一七漁協という。)に対し、漁業権消滅等の補償金四七億七〇〇〇万円、会議費四五〇〇万円及び利子補給金三八〇〇万円の総額四八億五三〇〇万円のいわゆる漁業補償を支払つたことについて、同市の住民である相手方らが原告となり、正当に支払うべき右漁業補償額は漁業権消滅補償金二五〇〇万円及び底びき漁業に対する影響補償金一二〇万円の合計二六二〇万円にすぎないから、前記支出総額から右金額を控除した四八億二六八〇万円は坂出市長、同市収入役及び一七漁協の共謀による違法な公金支出であるとして、地方自治法二四二条の二の一項四号に基づき、坂出市に代位し、坂出市長、同市収入役たる各個人及び一七漁協を被告として、被告らに対し、連帯して不法行為による損害賠償金として坂出市に右金員の支払を請求するものである。そして、右訴訟において、相手方らは、一七漁協に別紙文書提出命令申立書記載の各文書につき、民事訴訟法三一二条三号後段により文書提出義務があるとして提出命令を申立てた。原審は、抗告人らの所持する別紙目録記載の各文書(以下本件文書という。)は民事訴訟法三一二条三号後段に 載の各文書につき、民事訴訟法三一二条三号後段により文書提出義務があるとして提出命令を申立てた。原審は、抗告人らの所持する別紙目録記載の各文書(以下本件文書という。)は民事訴訟法三一二条三号後段にいう挙証者たる相手方らと文書所持者である抗告人らとの間の法律関係につき作成された文書に該当するとして、抗告人らに本件文書の提出を命じ、塩飽漁業協同組合連合会に対する文書提出命令の申立及び抗告人らに対する本件文書以外の文書提出命令の申立についてはいずれもその所持が認められないとして申立を却下した。 二本件各抗告の適否について相手方らは、文書提出の申立に関する決定に対して民事訴訟法三一五条により即時抗告権が認められるのは、文書の提出を命じられた第三者に限られるのであつて、本件のように訴訟の当事者である被告ら(抗告人ら)に対して文書の提出命令がなされた場合には抗告人らに抗告の申立権がない旨主張する。 しかしながら、民事訴訟法三一五条は「文書提出の申立に関する決定に対しては即時抗告をなすことを得」と規定しているのであり、この規定は受訴裁判所が口頭弁論を経て証拠の採否の決定をした場合には原則としてその決定に対し独立して抗告の申立が許されない(民事訴訟法四一〇条、三六二条)ことに対する特則規定であつて、文書の提出を命じられた者が訴訟の当事者である場合と第三者である場合とによつてなんら区別を設けていないのみならず、これを区別すべき実質的理由は見当らないから、文書の提出を命じられた訴訟の当事者もその決定に対し即時抗告の申立権があると解するのが相当である。所論引用の裁判例には賛同できない。従つて、訴訟の被告である抗告人らの本件抗告の申立はいずれも適法である。 三抗告の理由第二について抗告人らの主張は、要するに、代位訴訟である住民訴訟において、判決の 用の裁判例には賛同できない。従つて、訴訟の被告である抗告人らの本件抗告の申立はいずれも適法である。 三抗告の理由第二について抗告人らの主張は、要するに、代位訴訟である住民訴訟において、判決の効力が被代位者である地方公共団体に及ぶとしても、住民が地方公共団体に代位して訴訟行為を行なうのは、地方公共団体と同一人格又は代理人としての資格においてではなく、地方公共団体の意思・行動とは無関係に住民としての固有の資格において訴訟を追行する特殊な訴訟であるから、民事訴訟法三一二条三号後段にいう挙証者に被代位者は含まれないというにある。 <要旨>ところで、民事訴訟法三一二条三号後段の挙証者と文書所持者との法律関係につき作成された文書とは、</要旨>挙証者と文書所持者との間の法律関係それ自体を記載した文書のほか、その法律関係の成立形成に密接な関連のある事項を記載した文書を包含するものである。そして、右にいう挙証者とは、本来は右法律関係における当事者の一方を指すものではあるが、本件訴訟は前記のように損害の補填を要求する住民訴訟である。 損害の補填を要求する住民訴訟は、これを実質的にみれば、なるほど所論のように、住民たる原告が、権利の帰属主体である地方公共団体と同じ立場においてではなく、住民としての固有の立場において、財務会計上の違法な行為又は怠る事実に係る職員等に対し損害の補填を要求することが訴訟の中心的目的となつているのであるが、しかし、他方、右目的を実現するための訴訟形態は、住民が、地方公共団体に代位し、被代位者である地方公共団体の有する損害賠償請求権を代つて行使するという代位訴訟の形式を採用し、しかも、その判決の効力は被代位者である地方公共団体に直接及ぶものとしているのである。このような住民訴訟の特質、訴訟手続及び判決の効力等にかんがみれ 権を代つて行使するという代位訴訟の形式を採用し、しかも、その判決の効力は被代位者である地方公共団体に直接及ぶものとしているのである。このような住民訴訟の特質、訴訟手続及び判決の効力等にかんがみれば、民事訴訟法三一二条三号後段にいう挙証者には、訴訟の原告となつている代位者だけではなく、その挙証によつて直接利益を受ける被代位者も含むと解するのが相当である。これを本件訴訟についてみれば、相手方ら住民が、坂出市に代位し、被代位者である同市の抗告人らに対して有する損害賠償請求権を同市に代つて追行しているのである。そしで、一件記録によると、本件文書は、いずれも、坂出市と抗告人らとの間の前記損失補償契約における契約の成立及びその内容並びにこれと密接な関連を有する事項を記載した文書であることが明らかである。 そうすると、本件文書は、いずれも、被代位者である坂出市と抗告人らとの間の前記法律関係につき作成されたものであるから、民事訴訟法三一二条三号後段の文書に該当するというべきである。この点についての抗告人らの所論は採用できない。 四抗告の理由第一、第三及び補充申立書について抗告人らは、るる主張するが、要するに、相手方らは坂出市長と一七漁協との間の各損失補償契約についての契約内容、金額等を主張しておらず、かつ、民事訴訟法三一三条四号にいう「証すべき事実」についての具体的な事実の記載をしていないのであり、このような訴訟進行の現段階において、本件文書の提出を命じた原決定は、抗告人らから先ず文書を提出させたうえで相手方らに右の主張をさせようとするもので、まさに捜索調査の目的をもつてなされたものであつて、同法三一三条四号の濫用にあたる違法なものであるというにある。 なるほど、前記訴訟において、原告たる相手方らが、坂出市長と被告たる一七漁協との間の各損 に捜索調査の目的をもつてなされたものであつて、同法三一三条四号の濫用にあたる違法なものであるというにある。 なるほど、前記訴訟において、原告たる相手方らが、坂出市長と被告たる一七漁協との間の各損失補償契約につき、各漁協ごとの損失補償の契約内容、金額、支出額及びその算出根拠等の明細について何ら具体的な主張をしていないことは所論のとおりである。 しかしながら、相手方らは、右訴訟において、前記のように、坂出市が一七漁協に支出した損失補償の総額を主張し、そのうち二六二〇万円を超える金額については前記被告らの共謀による違法な公金の支出であり、同市に同額の損害を被らせた旨共同不法行為の成立要件を具備する主張をしているのである。また、相手方らは、文書提出命令の申立において、別紙文書提出命令申立書記載のとおり、民事訴訟法三一三条四号の「証すべき事実」として「坂出市長と被告各漁協間の損失補償契約の内容、経過」と記載しているのであり、右にいう「証すべき事実」とは、同法二五八条の「証すべき事実」と同意義であつて、いわゆる立証趣旨ないし立証事項にあたるもので、具体的事実を指すものであるところ、相手方らは、前記のように本件文書により坂出市長と被告各漁協との間の損失補償契約の内容及びその経過を立証するというのであるから、「証すべき事実」として具体的な事実の記載に欠けるところはないというべきである。問題は、前記のように「証すべき事実」の前提をなすところの坂出市長と被告各漁協との間の損失補償に関する契約内容、金額等が具体的に主張されていないという点にある。しかし、一件記録によると、相手方らは本件文書を所持していないばかりでなく、これを見たこともないというのである(抗告人らは、相手方らが訴訟外において本件文書の内容を知りうる旨主張するが、果していかなる方法で知りう によると、相手方らは本件文書を所持していないばかりでなく、これを見たこともないというのである(抗告人らは、相手方らが訴訟外において本件文書の内容を知りうる旨主張するが、果していかなる方法で知りうるかについて具体的な主張がない。)。 ところで、本件訴訟のような住民訴訟において、原告たる住民が、訴を提起し、これを追行するためには、少なくとも一定の条件のもとで被代位者たる地方公共団体の所持する文書の閲覧又は引き渡しを求めうるような新たな立法的措置が必要であると考えられるのに、なんらその法的措置がとられていないこと並びに前記住民訴訟の特質などをも併せ考えると、本件文書の所持者であり、訴訟の被告である抗告人らに対し文書の提出を命じ、訴訟の円滑な進行をはかることはやむを得ないことといわざるを得ず、その他一件記録に現われた諸般の事情にかんがみれば、これをもつで民事訴訟法三一三条四号の濫用にあたると断ずることはできない。右の点についての所論もまた採用できない。 五補充申立書について抗告人らは、本件文書提出命令の申立はその必要性がない旨主張するが、文書提出命令の必要性についての判断は原審の専権に属するところであつて、抗告審の審判の対象とならないから、この点については判断しない。 その他一件記録を精査するも原決定を違法とすべき事由は存しない。 六以上説示のとおりであつて本件各抗告はいずれも理由がないからこれを棄却し、民事訴訟法四一四条、三八四条を適用して、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官越智博裁判官山口茂一裁判官川波利明)(別紙)目録一相手方高松第一漁業協同組合、同高松市西浜漁業協同組合、同高松相互漁業協同組合、同香西漁業協同組合、同小手島漁業協同組合、同佐柳漁業協同組合、同多度津町高見漁業協同組合、同広島 目録一相手方高松第一漁業協同組合、同高松市西浜漁業協同組合、同高松相互漁業協同組合、同香西漁業協同組合、同小手島漁業協同組合、同佐柳漁業協同組合、同多度津町高見漁業協同組合、同広島漁業協同組合、同本島漁業協同組合、同丸亀市漁業協同組合、同坂出市漁業協同組合及び同高松漁業協同組合が所持する左記文書坂出市長と右各漁協との間で締結された坂出港東部開発に伴う損失補償に関する契約書二相手方宇多津漁業協同組合、同与島漁業協同組合及び同松山漁業協同組合が所持する左記文書坂出市長と右各漁協との間で締結された右損失補償に関する契約書及び覚書三相手方王越漁業協同組合が所持する左記文書坂出市長と右漁協との間で締結された右損失補償に関する契約書及び確認書(別紙)<記載内容は末尾1添付>(別紙)<記載内容は末尾2添付>(別紙)<記載内容は末尾3添付>(別紙)<記載内容は末尾4添付>

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