平成16(行ウ)159 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成19年12月27日 大阪地方裁判所
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判決文本文58,241 文字)

主文 本件訴えのうち,以下の訴えを却下する。 (1)別紙原告目録1及び2記載の原告らの訴え(2)別紙原告目録3記載の原告らの訴えのうち,請求1,2,6(1)~(8)に係る訴え(3)別紙原告目録4記載の原告らの訴えのうち,請求1,2,5(2),(4)及び(6)の全部,請求5(1)及び(5)(ただし,いずれも平成6年1月19日以前の占有を理由とする部分を除く。)に係る訴え並びに請求5(3),(7)及び(8)(ただし,(3)及び(7)は,平成11年8月31日以前の占有を理由とする部分を除き,(7)及び(8)は,別紙実測図の321,323,230,231,324,322,119,118,117,116,222,227,221,321の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地の占有を理由とする部分を除く。)に係る訴え(4)別紙原告目録5記載の原告らの訴えのうち,請求1,2(1)及び6(1),(2),(4)~(6)の全部並びに請求6(3),(7)及び(8)(ただし,(3)及び(7)は,平成11年8月31日以前の占有を理由とする部分を除き,(7)及び(8)は,別紙実測図の321,323,230,231,324,322,119,118,117,116,222,227,221,321の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地の占有を理由とする部分を除く。)に係る訴え娛 被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊亭に対し,別紙実測図の321,323,230,231,324,322,222,227,221,321の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社娛聊 221,321の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社娛聊亭に対し,連帯して25万4604円及びこれに対する平成17年7月2 3日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社娛聊亭に対し,連帯して1293万0692円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員(別紙原告目録5記載の原告らの請求との関係では,371万3198円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員)を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社娛聊亭に対し,連帯して271万3304円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社娛聊亭に対し,連帯して3636万7032円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員(別紙原告目録5記載の原告らの請求との関係では,1044万3212円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員)を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用(補助参加に要した費用を除く。)はこれを5分し,その4を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。 補助参加に要した費用はこれを5分し,その4を原告らの負担 求をいずれも棄却する。 訴訟費用(補助参加に要した費用を除く。)はこれを5分し,その4を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。 補助参加に要した費用はこれを5分し,その4を原告らの負担とし,その余を被告補助参加人らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 甲事件,丙事件,丁事件共通 (1)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社に対し,別紙物件目録記載1の土地につき,別紙登記目録記載1の所有権移転登記の抹消登記手続請求をしないことが違法であることを確認する。 (2)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社に対し,別紙物件目録記載2の土地につき,別紙登記目録記載1の所有権移転登記の抹消登記手続請求をしないことは違法であることを確認する。 (3)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社に対し,別紙物件目録記載3の土地につき,別紙登記目録記載1の所有権移転登記の抹消登記手続請求をしないことが違法であることを確認する。 娛(4)被告が,被告補助参加人株式会社聊亭に対し,別紙物件目録記載3の土地につき,別紙登記目録記載2の所有権移転登記の抹消登記手続請求をしないことが違法であることを確認する。 (5)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊娛亭に対し,別紙物件目録記載1の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 (6)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊娛亭に対し,別紙物件目録記載2の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 (7)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊娛亭に対し,別紙物件目録記載3の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 乙事件,丙事件,丁事件共通(1) 7)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊娛亭に対し,別紙物件目録記載3の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 乙事件,丙事件,丁事件共通(1)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社,同A及び同株式会社聊娛亭に対し,別紙物件目録記載5及び6の土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 (2)被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社に対し,別紙賃貸借目録 記載の賃貸借契約の解除権の行使して,本件賃貸土地の明渡請求をしないことが違法であることを確認する。 甲事件(1)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,178万9292円及びこれに対する平成16年11月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (2)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成16年11月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載1の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り3万0454円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (3)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,3142万0490円及びこれに対する平成16年11月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (4)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成16年11月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載2の土地を羽曳野市 う請求せよ。 (4)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成16年11月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載2の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り53万6363円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (5)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,1901万2055円及びこれに対する平成16年11月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (6)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成16年11月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載3の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り32万4545円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 乙事件(1)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,9300万円及びこれに対する平成16年11月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (2)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成16年11月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載5及び6の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り金150万円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよ が別紙物件目録記載5及び6の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り金150万円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 丙事件(1)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,178万9292円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (2)3(2)と同じ。 (3)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,3142万0490円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野 財産区に支払うよう請求せよ。 (4)3(4)と同じ。 (5)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,1901万2055円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (6)3(6)と同じ。 (7)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,9300万円及びこれに対する平成17年7月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (8)4(2)と同じ。 丁事件(1)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,365万4480円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (2)被告は,被告補助 式娛会社聊亭に対し,連帯して,365万4480円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (2)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成19年3月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載1の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り3万0454円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (3)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,6436万3560円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (4)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成19年3月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載2の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り53万6363円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (5)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,3894万5400円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (6)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成19年3月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載3の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すま 被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成19年3月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載3の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り32万4545円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (7)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,1億8000万円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (8)被告は,被告補助参加人B,同日本マトラス株式会社,同A及び同株式娛会社聊亭に対し,連帯して,平成19年3月から同日本マトラス株式会社が別紙物件目録記載5及び6の土地を羽曳野市向野財産区に明け渡すまで,毎月末日限り金150万円及び同各金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を羽曳野市向野財産区に支払うよう請求せよ。 (9)請求2の予備的請求被告が,被告補助参加人日本マトラス株式会社に対し,別紙賃貸借目録記 載の賃貸借契約の賃料増額請求権の行使を怠っていることは違法であることを確認する。 第2事案の概要 事案の骨子(1)本件は,羽曳野市の住民である原告ら(以下,断りのない限り,各事件の原告らを併せて「原告ら」という。)が,地方自治法242条の2第1項の規定に基づいて提起した住民訴訟である。 (2)原告ら(甲事件,丙事件,丁事件)は,羽曳野市向野財産区(以下「向野財産区」という。)が別紙物件目録記載1~3の土地を所有しているとして,被告に対し,被告補助参加人日本マトラス株式会社(以下「日本マトラス」という。)に所有 事件)は,羽曳野市向野財産区(以下「向野財産区」という。)が別紙物件目録記載1~3の土地を所有しているとして,被告に対し,被告補助参加人日本マトラス株式会社(以下「日本マトラス」という。)に所有権に基づく上記各土地の所有権移転登記抹消手続請求を怠っていることの違法確認(請求1(1)~(3)),被告補助参加人株式会社娛娛聊亭(以下「聊亭」という。)に所有権に基づく所有権移転登記抹消手娛続請求を怠っていることの違法確認(請求1(4)),日本マトラス,聊亭娛及び被告補助参加人A(日本マトラス及び聊亭と併せて「Aら」という。)に所有権に基づく上記各土地の明渡請求を怠ることの違法確認(請求1(5)~(7))を求める。 原告ら(甲事件,丙事件,丁事件)は,併せて,Aら及び羽曳野市長の職にあった被告補助参加人Bに対し,別紙物件目録記載1の土地の不法占有によって生じた賃料相当額の損害賠償請求等をすること(請求3(1),(2),5(1),(2),6(1),(2)),別紙物件目録記載2の土地の不法占有によって生じた賃料相当額の損害賠償請求等をすること(請求3(3),(4),5(3),(4),6(3),(4)),別紙物件目録記載3の土地の不法占有によって生じた賃料相当額の損害賠償請求等をすること(請求3(5),(6),5(5),(6),6(5),(6))を求める。 なお,後記第4の10記載のとおり,甲事件(請求3)及び丙事件(請求 5)と丁事件(請求6)では,請求の対象とするAらの不法占有の期間が異なる。 (3)原告ら(乙事件,丙事件,丁事件)は,向野財産区が別紙物件目録記載5及び6の土地(以下,別紙物件目録1~3の土地と併せて「本件各土地」という。)を所有しているとして,Aらに対し,所有権に基づき,上記各土地の明渡請求を怠っているこ は,向野財産区が別紙物件目録記載5及び6の土地(以下,別紙物件目録1~3の土地と併せて「本件各土地」という。)を所有しているとして,Aらに対し,所有権に基づき,上記各土地の明渡請求を怠っていることの違法確認(請求2(1))を求め,Aら及びBに対し,上記各土地の不法占有によって生じた賃料相当額の損害賠償請求等をすること(請求4,5(7),(8),6(7),(8))を求める。 なお,後記第4の10記載のとおり,乙事件(請求4)及び丙事件(請求5)と丁事件(請求6)では,請求の対象とするAらの不法占有の期間が異なる。 (4)原告ら(甲事件)は,上記(2)記載の請求のうち,請求1及び3に係る部分につき,予備的に,被告と日本マトラスとの間で,別紙物件目録記載1~3の土地に関して締結した交換契約が無効であるとして,請求1及び請求3と同旨の請求をする。 なお,後記第4の10記載のとおり,上記(2)記載の請求とは,請求の対象とするAらの不法占有の期間が異なる。 (5)原告ら(乙事件)は,上記(3)に係る請求のうち,請求2(1)及び4に係る部分につき,予備的に,別紙物件目録記載5及び6の土地に関して締結した賃貸借契約が無効であるとして,請求2(1)及び4と同旨の請求をする。 なお,後記第4の10記載のとおり,上記(3)記載の請求とは,請求の対象とするAらの不法占有の期間が異なる。 以下では,上記(2)及び(3)記載の請求のうち,原告ら(甲事件,乙事件)に係る部分をまとめて主位的請求とし,上記(4)及び本項記載の請求をまとめて甲,乙事件予備的請求ということとする。 (6)原告ら(乙事件)は,上記(5)記載の請求のうち,請求2(1)に係る部分 につき,更に予備的に,上記賃貸借契約が有効であるとしても,日本マトラスの無断転貸を理由に上記賃貸借契約の解除 。 (6)原告ら(乙事件)は,上記(5)記載の請求のうち,請求2(1)に係る部分 につき,更に予備的に,上記賃貸借契約が有効であるとしても,日本マトラスの無断転貸を理由に上記賃貸借契約の解除しないことの違法確認を求める(請求2(2)。)。 (7)原告ら(丙事件,丁事件)は,上記(2)記載の請求のうち,請求2(1)に係る部分につき,予備的に,上記(5)記載の請求と同旨の請求をする(請求2(2))。 原告ら(丁事件)は,これにつき更に予備的に解除しないことが適法であるとしても,賃料増額請求権を行使しないことの違法確認(請求6(9))を求める。 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲各証拠(特記しない限り枝番を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)当事者等ア原告らは,向野財産区の区域(概ね羽曳野市a,ab~c丁目)内に住所を有する者はいないが(弁論の全趣旨),いずれも羽曳野市の住民である(争いがない)。 イ向野財産区は,d池とその堤塘敷等を有する財産区である(弁論の全趣旨)。その区域内には,任意団体として,北方町会(旧北向野地区),向野町会(旧向野部落会),向野水利組合(以下,併せて「向野財産区三団体」という。)がある(弁論の全趣旨)。 ウBは,平成元年4月27日から平成16年6月15日まで,羽曳野市長の職にあった者である(争いがない)。 娛エ日本マトラス及び聊亭(旧商号:ハンナン食肉株式会社)は,いずれ娛も,食肉の加工,販売等を業とする株式会社であり,Aは聊亭の代表取締役である(争いがない)。 日本マトラスの代表取締役のCは,Aの長女の婿に当たる(証人A29頁)。 (2)本件売買契約向野財産区は,平成元年12月22日,Aとの間で,向野財産区所有のd池(羽曳野市ef いがない)。 日本マトラスの代表取締役のCは,Aの長女の婿に当たる(証人A29頁)。 (2)本件売買契約向野財産区は,平成元年12月22日,Aとの間で,向野財産区所有のd池(羽曳野市ef丁目g番h号。以下,羽曳野市ef丁目の土地を「g-h土地」のように,地番で表示することがある。契約当時はg-j土地の一部。)及びその堤塘敷(g-k土地。契約当時はg-i土地の一部。)の4800平方メートル(以下「本件売却土地」という。)を4億1770万円で売却するとの合意をした(以下「本件売買契約」という。乙1)。 向野財産区は,本件売買契約に際し,平成2年1月10日,大阪府知事の認可を受け,本件売却土地について,同年2月2日,所有権移転登記がされた(乙2~4)。 娛娛Aは,平成8年12月6日,本件売却土地を聊亭に譲渡し,聊亭は,平成18年3月28日,本件売却土地をハンナン株式会社(以下「ハンナン」という。)に譲渡した(丁19~21)。 娛聊亭は,本件売却土地上に,2階建ての建物,茶室,待合室(以下併せて「本件建物」という。)を建築し,Aは,本件建物の住居部分を住居とし娛て使用している(丁22,弁論の全趣旨)。聊亭は,平成9年1月8日,所有権保存登記をし,平成18年3月28日,本件建物をハンナンに譲渡した(丁22)。 (3)旧交換契約向野財産区と日本マトラスとは,平成6年1月20日,向野財産区所有の別紙物件目録記載1,3の土地(m-n,o土地。以下「旧交換土地」という。)と日本マトラス所有の別紙物件目録記載4の土地(g-p土地。契約当時はg-h,k土地の一部)を交換するとの契約を締結した(以下「旧交換契約」という。乙5,弁論の全趣旨)。 (4)本件交換契約向野財産区は,日本マトラスに対し,平成11年9月1日,旧交換契約の 当時はg-h,k土地の一部)を交換するとの契約を締結した(以下「旧交換契約」という。乙5,弁論の全趣旨)。 (4)本件交換契約向野財産区は,日本マトラスに対し,平成11年9月1日,旧交換契約の 交換面積715平方メートルに向野財産区所有の別紙物件目録記載2の土地1248平方メートル(g-q土地。以下「本件追加交換土地」といい,旧交換土地と併せて「本件交換土地」という。)を加算した合計1963平方メートルを追加することを合意(以下「本件交換契約」という。乙11)向野財産区は,本件交換契約に際し,大阪府知事の認可を得なかった(争いがない)。 (5)本件賃貸借契約向野財産区は,平成11年9月1日,日本マトラスとの間で,向野財産区が所有する別紙賃貸借目録記載の賃貸借契約を締結した(以下「本件賃貸借契約」といい,旧交換契約,本件交換契約と併せて「本件各契約」という。 乙9)。 向野財産区は,本件賃貸借契約に際し,大阪府知事の認可を得なかった(争いがない)。 (6)上記各土地等の位置関係上記(2)~(5)の各土地の位置関係は,概ね別紙位置関係図のとおりである(弁論の全趣旨)。 (7)所有権移転登記日本マトラスは,平成11年12月14日,本件交換土地(g-r~s土地)につき,本件交換契約に基づき,別紙登記目録記載1の所有権移転登記手続を行った(乙13,14)。 向野財産区も,同日,g-p土地につき,本件交換契約に基づき,別紙登記目録記載3の所有権移転登記手続を行った(乙12)。 娛聊亭は,g-s土地につき,別紙登記目録記載2の所有権移転登記を行った。 (8)甲,乙事件監査請求及び訴え提起ア原告ら(甲事件,乙事件)は,平成16年8月24日,羽曳野市監査委 員に対し,本件交換契約及び本件賃貸借契約につき,著しい価格差があるな を行った。 (8)甲,乙事件監査請求及び訴え提起ア原告ら(甲事件,乙事件)は,平成16年8月24日,羽曳野市監査委 員に対し,本件交換契約及び本件賃貸借契約につき,著しい価格差があるなどと主張して,住民監査請求を行った(以下「甲,乙事件監査請求」という。甲1,37)。 イ羽曳野市監査委員は,同年10月22日,監査請求期間の経過を理由に,甲,乙事件監査請求を却下した(甲2)。 ウ原告ら(甲事件,乙事件)は,上記監査結果を不服として,平成16年11月19日,甲,乙事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 エ原告ら(甲事件)は,平成17年3月8日,請求1(5)~(7)を追加する訴えの変更をした(顕著な事実)。 (9)丙事件監査請求及び訴え提起ア原告ら(丙事件)は,平成17年4月19日,羽曳野市監査委員に対し,向野財産区の所有する土地(本件交換土地,本件賃貸土地など)の管理を怠っているなどと主張して,住民監査請求を行った(以下「丙事件監査請求」という。甲13)。 イ羽曳野市監査委員は,同年6月14日,監査請求期間の経過を理由に,丙事件監査請求を却下した(甲14)。 ウ原告ら(丙事件)は,上記監査結果を不服として,同年7月12日,丙事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 (10)丁事件監査請求及び訴え提起ア原告ら(丁事件)は,平成18年12月20日,羽曳野市監査委員に対し,向野財産区の所有する土地(本件交換土地,本件賃貸土地など。)の管理を怠っているなどと主張して,住民監査請求を行った(以下「丁事件監査請求」といい,甲,乙事件監査請求及び丙事件監査請求と併せて「本件各監査請求」という。甲38)。 イ羽曳野市監査委員は,平成19年2月14日,丁事件監査請求のうち,本件賃貸借契約の解除権の行使を怠る事実の監査を求める部 件監査請求及び丙事件監査請求と併せて「本件各監査請求」という。甲38)。 イ羽曳野市監査委員は,平成19年2月14日,丁事件監査請求のうち,本件賃貸借契約の解除権の行使を怠る事実の監査を求める部分を棄却し, その余の部分を監査請求期間の経過を理由に却下した(甲29)。 ウ原告ら(丁事件)は,上記監査結果を不服として,同年3月13日,丙事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 第3本案前の争点及び当事者の主張 原告適格の有無[全事件共通](被告の主張)財産区財産については,沿革的に,財産区の住民の意思を優先すべきであるから,財産区財産に関する住民訴訟の原告適格を有するのは,当該財産区の住民に限られるべきである。 本件において,原告らは向野財産区の区域内に住所を有する住民ではないから,原告適格がない。 (原告らの主張)争う。 監査請求の対象と住民訴訟の対象の同一性の有無[甲,乙事件主位的請求関係](被告の主張)(1)甲,乙事件主位的請求は,不法占有に基づいて発生する請求権を問題にするものであるが,甲,乙事件監査請求は,本件交換契約及び本件賃貸借契約が違法であることによって発生する請求権の行使をもって財務会計行為とするものであり(甲1参照),これと無関係な不法占有によって発生した請求権を問題とはしていない。 したがって,甲,乙事件主位的請求は,監査請求を経ておらず,不適法である。 (2)原告ら(甲事件,乙事件)は,社会的事実が同一である限り,監査請求においてなされていない新たな違法理由を主張することは許されると主張するが,契約の違法を理由とする請求と,不法占有を理由とする請求では,請 求自体が異なっているので,その前提に誤りがある。 (原告ら(甲事件,乙事件)の主張)(1)甲,乙事件監査請求は,本件賃貸借契約 契約の違法を理由とする請求と,不法占有を理由とする請求では,請 求自体が異なっているので,その前提に誤りがある。 (原告ら(甲事件,乙事件)の主張)(1)甲,乙事件監査請求は,本件賃貸借契約が違法であるとし,契約を解除することなどを求めており,本件各契約の対象となった土地を適正に管理することを求めたものであり,財産区財産の管理を怠る事実を対象としていると解される。そうすると,甲,乙事件主位的請求は,いずれも財産区財産の管理を怠る事実又はそれに基づいて発生する実体法上の請求権の行使を怠ることを問題としているものであり,監査請求の前置がされているというべきである。 (2)住民監査請求において,同一監査請求が禁止されている趣旨は,監査委員は,請求に係る職員の行為又は怠る事実につき,住民の主張する違法,不当事由や提出された証拠資料に限定されることなく,職権により違法,不当事由が存するか否かを監査し,右事由があると判断するときは,必要と考えるあらゆる措置を関係機関又は職員に勧告することができることにある。そして,甲,乙事件監査請求を契機に監査委員が不法占拠の事実があると判断して必要と考える措置を勧告することは可能であるから,甲,乙事件主位的請求と甲,乙事件監査請求との同一性はあるというべきである。 監査請求期間の制限規定の適用の有無[甲,乙事件(甲,乙事件予備的請求を除く。),丙事件及び丁事件関係](原告らの主張)Aらは,向野財産区との本件交換契約及び本件賃貸借契約以前から,何らの権原なく本件各土地を埋め立てた上で,不法占有を開始しているところ,原告らは,被告が所有権に基づいて妨害排除等をAらに請求するよう求めているのであるから,この請求は,財務会計行為(上記各契約)の違法,無効を前提とするものではなく,いわゆる真正怠る事実に該 ところ,原告らは,被告が所有権に基づいて妨害排除等をAらに請求するよう求めているのであるから,この請求は,財務会計行為(上記各契約)の違法,無効を前提とするものではなく,いわゆる真正怠る事実に該当する。したがって,この請求に対し,監査請求期間の制限は及ばない。なお,原告らは,本件交換契約及び 本件賃貸借契約が違法,無効であると主張するものであるが,これは原告らが主張する上記請求原因に対する抗弁である本件交換契約及び本件賃貸借契約の締結に対する再抗弁としての性質を有するにすぎない。 (被告の主張)原告らは,向野財産区の所有権に基づく妨害排除等をAらに請求することを求めているところ,Aらの占有が仮に違法であるとすれば,それは,本件交換契約及び本件賃貸借契約が違法であることを前提とせざるを得ない。したがって,原告らの上記請求は,財務会計行為(本件交換契約及び本件賃貸借契約)の違法を前提とするものであるから,いわゆる不真正怠る事実として,監査請求期間の制限が及ぶ。 したがって,前記3記載のとおり,原告らの監査請求は,いずれも監査請求期間を経過してされたものである。 監査請求期間遵守の有無[全事件共通](被告の主張)(1)前記3(被告の主張)のとおり,本件各監査請求は,いずれも,監査請求期間制限規定の適用を受ける。しかるに,本件各監査請求は,本件交換契約及び本件賃貸借契約の締結日(平成11年9月1日)から1年を経過した後(最も早い甲,乙事件監査請求でも約5年後の平成16年8月24日)にされたものである。したがって,原告らの監査請求は,監査請求期間(地方自治法242条2項)を遵守していない。 (2)本件交換契約及び本件賃貸借契約については,平成16年5月17日付けの読売新聞で報道がされており,原告らは,少なくともそのころには本件 請求期間(地方自治法242条2項)を遵守していない。 (2)本件交換契約及び本件賃貸借契約については,平成16年5月17日付けの読売新聞で報道がされており,原告らは,少なくともそのころには本件交換契約及び本件賃貸借契約について監査請求をすることができる程度に財務会計行為の存在及び内容を知ったというべきである。したがって,上記報道から約3か月経過した後にされた本件各監査請求は,相当な期間内になされたものとはいえず,例外的に監査請求を適法なものとする正当な理由(地 方自治法242条2項)があるとはいえない。 (原告らの主張)(1)注意深い住民が,監査請求をするに十分なほどに財務会計行為の存在,内容を知ってから相当期間内に監査請求をした場合には,正当な理由(地方自治法242条2項)が認められる。そして,住民監査請求は,違法又は不当な契約の締結がある場合などに,それを証する書面を添付しなければ行うことができない(地方自治法242条1項)ことからすると,契約内容が違法不当と判断できる情報を入手した時点が,相当な期間の起算点となると解すべきである。 (2)本件においては,平成16年5月17日付けの読売新聞の新聞報道においては,本件交換契約及び本件賃貸借契約に違法性がないとも思われる市職員のコメントがあり,その当否を検討する必要があったから,上記新聞報道は,住民が本件に関する調査を開始する契機となったにすぎず,相当な期間の起算点とはなり得ない。原告ら(甲事件,乙事件)は,羽曳野市会議員のGが,平成16年8月9日か10日,市職員は本件交換契約及び本件賃貸借契約の経緯と思われる部分の書類については開示を拒否したこと等から,市職員のコメントに正当性がないとの疑念を強めたものであり,この時点を相当な期間の起算点とすべきである。そして,原告ら( 本件賃貸借契約の経緯と思われる部分の書類については開示を拒否したこと等から,市職員のコメントに正当性がないとの疑念を強めたものであり,この時点を相当な期間の起算点とすべきである。そして,原告ら(甲事件,乙事件)は,同時点から約2週間後の平成16年8月24日,甲,乙事件監査請求を行っているから,甲,乙事件監査請求は,相当な期間にされたものというべきである。 (3)仮に,新聞報道の日を相当な期間の起算点とするとしても,羽曳野市が,本件交換契約及び本件賃貸借契約の内容及びその経緯に関する情報公開を現在も拒否しているなど,本件に関する情報提供や真相究明に明らかに消極的であることなどの追加調査の困難さを考慮すると,少なくとも,甲,乙事件監査請求は,相当な期間内にされたものというべきである。 監査請求の対象と住民訴訟の対象の同一性の有無[乙事件,丙事件関係](被告の主張)請求2(2)に係る請求(丁事件を除く。)は,本件賃貸借契約が有効であることを前提として,無断転貸を原因とする契約解除権の行使を怠る事実があると主張するものであるが,監査請求を前置していない。 したがって,請求2(2)に係る請求(丁事件を除く。)のうち,本件賃貸借契約が有効であることを前提とする請求は,監査請求を経ておらず,不適法である。 (原告ら(乙事件,丙事件)の主張)前記2記載のとおり,甲,乙事件監査請求は,本件交換契約及び本件賃貸借契約の対象となった土地を適正に管理することを求めたものであり,財産区財産の管理を怠る事実を対象としており,丙事件監査請求も,いずれも財産区財産の管理を怠る事実又はそれに基づいて発生する実体法上の請求権の行使を怠ることを問題としている。 そうすると,請求2(2)に係る請求は,いずれも財産区財産の管理を怠る事実又はそれに基づいて発生す 財産の管理を怠る事実又はそれに基づいて発生する実体法上の請求権の行使を怠ることを問題としている。 そうすると,請求2(2)に係る請求は,いずれも財産区財産の管理を怠る事実又はそれに基づいて発生する実体法上の請求権の行使を怠ることを問題としているものであり,監査請求の前置がされているというべきである。 第4本案の争点及び当事者の主張 移転登記の抹消登記手続請求を怠る事実の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件(請求1(1)~(4))](原告らの主張)(1)向野財産区は,本件交換土地(g-r~s土地)の所有権を有しており,娛日本マトラスは本件交換土地について,聊亭はg-s土地について,所有権移転登記をしているから,被告は,所有権に基づき,上記各移転登記の抹消登記手続請求を行使すべきである。 (2)被告は,本件交換契約をしたため,向野財産区は本件交換土地の所有権 を有を喪失したと主張するが,本件交換契約は,以下のとおり,無効である。 ア大阪府知事の認可がないこと向野財産区は,本件交換契約の際,大阪府知事の認可を得ておらず,地方自治法296条の5第2項(平成11年法律第87号による改正前のもの。以下同じ。)に違反し,無効である。 被告は,財産区財産の処分に関しては,地区住民の意見を第一義的なものとするのが原則であって,知事の認可がなく行った処分であっても,当然に無効になるものではないと主張する。しかし,本件交換契約は,住民の利用を一切排除するものであるし,地区総会すら開催されておらず,地区住民の要請の事実自体疑わしい。旧交換契約については,地区総会の総会議事録(乙18)があるが,住民の署名押印は,平成6年5月1日付けの貸与申請に関する地区総会の総会議事録(乙8)の署名押印と同一であり,1枚目と2枚目で全く同じものであ 約については,地区総会の総会議事録(乙18)があるが,住民の署名押印は,平成6年5月1日付けの貸与申請に関する地区総会の総会議事録(乙8)の署名押印と同一であり,1枚目と2枚目で全く同じものであり,旧交換契約認可申請の際提出された地区総会議事録の署名押印と同一でない(乙6参照)など不自然であって,地区住民の要請があったと認めることはできない。 イ行政財産の処分行為として無効であること本件交換契約は,行政財産である本件交換土地を対象とするものであり,地方自治法238条の4第1項(平成18年法律第53号による改正前のもの。以下同じ。)に違反し,無効である。 被告は,d池は,ヘドロ・悪臭や危険防止のため形状変更の認可を得て埋め立てており,農業用ため池としての効用を失っており,行政財産性を失っていると主張する。 しかし,そもそも形状変更以前に不法に埋め立てられたものであるから,その行政財産性が失われるものではない。また,形状変更許可申請書(乙7)によれば,形状変更後は,地区広場として利用するなどと記載されており,その前提で形状変更許可がされているから,行政財産としての取扱 いに変化はない。 ウ財産区財産の処分の基本原則に反すること財産区財産の処分については,住民の福祉を増進するように努めなければならないところ,本件交換契約は,個人の庭園として利用されるものにすぎず,地方自治法296条の5第1項に違反する。 エ本件交換契約に等価性がないこと日本マトラスが本件交換契約によって取得した本件交換土地の合計面積は1962平方メートルと,向野財産区が取得したg-p土地の面積よりも1248平方メートルも大きく,面積比にして2.75倍にも及び,その価格差は1億3228万8000円を下らない。 被告は,d池の全体測量を行った結果,公簿面積に対し1. 取得したg-p土地の面積よりも1248平方メートルも大きく,面積比にして2.75倍にも及び,その価格差は1億3228万8000円を下らない。 被告は,d池の全体測量を行った結果,公簿面積に対し1.26倍の面積が増えたこと及び本件売買契約(平成元年12月22日にAに売却したもの。)の代金が4億1770万円と破格の価額であったことから,売却面積4800平方メートルの面積増加分26パーセントを旧交換契約の地積(715平方メートル)に加算したことによるものであると主張する。 しかし,本件売買契約の代金は鑑定評価額と同一であること,本件売買契約や旧交換契約においても対象となった土地は実測されていることに照らすと,本件交換契約において,旧交換契約の面積を増加させる理由はない。 以上のとおり,本件交換契約は,当時の向野財産区管理者であるBが,その裁量権を逸脱又は濫用して行った重大な違法な行為であることは明らかであるし,その著しい面積差及び価額差が認められることに鑑みれば,契約当事者たる日本マトラスは,当然に,Bの裁量逸脱ないし濫用につき悪意であったというべきであるから,本件交換契約は当然に無効である。 (被告の主張)(1)向野財産区と日本マトラスとは,平成11年9月1日,旧交換契約にお ける向野財産区が提供する土地の面積を714平方メートルから1963平方メートルに変更する旨の合意(本件交換契約)をした。 したがって,向野財産区は,本件交換土地の所有権を喪失しているから,娛日本マトラス及び聊亭に対し,本件交換土地の移転登記の抹消登記手続請求をすることはできず,怠る事実はない。 (2)原告らは,本件交換契約が無効であると主張するが,以下のとおり,理由がない。 ア大阪府知事の認可がないこと被告は,本件交換契約については知事の認可が必要であ ことはできず,怠る事実はない。 (2)原告らは,本件交換契約が無効であると主張するが,以下のとおり,理由がない。 ア大阪府知事の認可がないこと被告は,本件交換契約については知事の認可が必要であったが,旧交換契約について認可を受けていること,交換面積の増量がd池の実測面積の増加の割合を単にスライドさせただけのものにすぎないことから,知事の認可を受けなかった。 財産区とは,明治22年4月,市町村制の施行に際し,旧来の自然村や大字等が所有していた財産を新市町村に引き継ぐことに,関係住民の強い反対等があったことから,各々の地区の所有財産とし,その権利主体たる地位を保障するため,独自の法人格を有する地位を認めた制度である。このような由来から,管理者が市町村長になっても,各財産区の地区住民の意見を第一義的なものとするのが原則であり,地区住民からの要望に可能な限り沿うことが財産区運営の基本原則というべきである。 したがって,知事の認可の範囲は制限的に解すべきであり,本件交換契約は,財産区住民の総意の基づくものであることからすると,知事の認可がなくても,本件交換契約が直ちに無効となるものではないというべきである。 また,知事の認可がなく行った処分について,第三者が認可のないことを知らない場合は,第三者保護の理念から,その処分が無効になるものではないと解される。 イ行政財産の処分行為として無効であること原告らは,行政財産の処分に該当するので無効であると主張するが,d池は農業用ため池としての効用を失っており,賃貸借対象の土地は,ヘドロ・悪臭や危険防止のため形状変更の認可を得て埋め立てているところであるから,少なくともその部分に関していえば行政財産性を失っているのであって,地方自治法238条の4第1項に違反するものではなく,無効とはならない 止のため形状変更の認可を得て埋め立てているところであるから,少なくともその部分に関していえば行政財産性を失っているのであって,地方自治法238条の4第1項に違反するものではなく,無効とはならない。 ウ財産区財産の処分の基本原則に反すること前記アのとおり,本件交換契約は,財産区住民の意見に基づくものであって,地方自治法296条の5第1項に違反するものではない。 エ本件交換契約に等価性がないこと原告らは,本件交換契約に等価性がないと主張するが,向野財産区は,日本マトラスとの間で,平成6年1月20日締結の交換契約における,向野財産区が提供する土地の面積を715平方メートルから1,963平方メートルに変更するとの合意をした(乙11)。これは,d池の全体測量を行った結果,公簿面積に対し1.26倍の面積が増えたこと及び平成元年12月22日にAに売却した代金が4億1770万円と破格の価額であったことから,売却面積4800平方メートルの面積増加分26パーセントをを旧交換契約の地積(715平方メートル)に加算したことによるものであり,向野財産区三団体の要請によるものである。 原告らは,本件交換契約が,等価性のないことを理由に無効であると主張しているが,交換契約の面積を増やしたのは,上記のような事情があったためであり,無効と評価されるものではない。 (Aらの主張)不動産鑑定評価書(乙17)が作成されたのは,平成元年12月4日であるが,本件売買契約の申請を行った同年11月17日には,既に売買代金が決ま っていたのであるから,地区総会におけるH委員長の「価格については,市の方で鑑定をとってもらい,それを参考に市の方で決定されます」との説明も虚偽であり,鑑定による売買代金額が公正に算定されたものではない。そして,本件交換契約の際に作成された覚書に, 格については,市の方で鑑定をとってもらい,それを参考に市の方で決定されます」との説明も虚偽であり,鑑定による売買代金額が公正に算定されたものではない。そして,本件交換契約の際に作成された覚書に,本件売買契約の代金が当時としても破格であったことが記載されていることからすると,本件売買契約の代金が相場よりも高いものであることは明らかである。 (Bの主張)本件交換契約は,d池の危険性を除去する行為であり,財産の価値を減少しないものといえるから(地方自治法施行令219条1項(平成11年政令第324号による改正前のもの。)),大阪府知事の認可が必要な場合に該当しないというべきである。 本件交換土地の明渡請求を怠る事実の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件関係(請求1(5)~(7))](原告らの主張)(1)向野財産区は,本件交換土地の所有権を有しており,Aらが,本件各土地を権原なく不法に占有しているから,被告は,所有権に基づき,Aらに対し,本件各土地の明渡請求を行使すべきである。 (2)そして,本件交換契約,前記1(2)記載のとおり,無効である。 (3)Aらは,Aは本件各土地を占有していないと主張する。しかし,本件各娛土地は,聊亭が所有し,Aが自宅として使用している本件建物の庭及び建物への進入路であり,それらが塀と門で囲まれ,一体のもとのとして使用されていること,Aは同建物の表札を掲げていたことからすれば,Aは,同建物の占有者として,それぞれ本件各土地を占有しているというべきである。 (被告の主張)前記1記載のとおり,向野財産区は,本件交換契約により,本件交換土地の所有権を喪失しており,上記各土地の明渡請求をすることはできず,怠る事実 はない。 (Aらの主張)Aは,本件交換土地を占有していない。 本件賃貸土地及び水 本件交換契約により,本件交換土地の所有権を喪失しており,上記各土地の明渡請求をすることはできず,怠る事実 はない。 (Aらの主張)Aは,本件交換土地を占有していない。 本件賃貸土地及び水路部分の明渡請求を怠る事実の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件関係(請求2(1))](原告らの主張)(1)向野財産区は,本件賃貸土地及び水路部分の所有権を有しており,Aらは,本件賃貸土地及び水路部分を権原なく不法に占有しているから,被告は,所有権に基づき,Aらに対し,上記各土地の明渡請求を行使すべきである。 (2)本件賃貸借契約は,以下のとおり無効であり,Aらの占有権原を基礎付けるものではない。 ア大阪府知事の認可がないことについて本件賃貸借契約の締結に際しては,大阪府知事の認可が必要であるが(地方自治法296条の5第2項),大阪府知事の認可も得ずになされているので,無効である。 イ行政財産の処分行為として無効であること本件賃貸借契約は,一市民にすぎないAの庭に使用させるという公共性のない目的で,行政財産である本件賃貸土地を,賃貸するものである。したがって,地方自治法238条の4第1項に違反し,本件賃貸借契約は無効である。 被告は,d池は,ヘドロ・悪臭や危険防止のため形状変更の認可を得て埋め立てているところであり,農業用ため池としての効用を失っており,行政財産性を失っていると主張する。しかし,そもそも形状変更以前に不法に埋め立てられたものであるから,その行政財産性が失われるものではない。また,形状変更許可申請書(乙7)によれば,形状変更後は,地区広場として利用するなどと記載されており,その前提で形状変更許可がさ れているから,行政財産としての取扱いに変化はない。 ウ賃料は著しく低廉であること近隣の土地の現在の賃料を調 変更後は,地区広場として利用するなどと記載されており,その前提で形状変更許可がさ れているから,行政財産としての取扱いに変化はない。 ウ賃料は著しく低廉であること近隣の土地の現在の賃料を調査したところ,坪当たりの月額賃料は1,500円から2,000円程度であり,1000坪の面積を有する本件土地5の年間賃料としては,1,800万円~2,400万円が相当である。 これに対し,本件賃貸土地の年間賃料は12万円であり,150分の1~200分の1の値段である。 このように,本件賃貸借契約は,実質的に使用貸借といってよいものであるが,公有財産を賃貸する場合には適正な対価を得ることが,法律上求められているのであるから(地方自治法237条2項),本件賃貸借契約は無効である。 被告は,日本マトラスが,向野財産区に代わって,総工事費約3億円をかけて,d池の堤塘・用水路・d池下流の向池の整備を行ったことによるものであり,本件売買契約の際,向野財産区三団体が無償貸与を約束していたことも考慮されたと主張する。 しかし,本件賃貸借契約に関する資料には,上記約束の記載はなく,日本マトラスが行った工事も,本件売却土地の西側部分のみであり,本件建物の塀となっているものであり,無償貸与の理由にならない。 (3)Aらは,Aは本件各土地を占有していないと主張する。しかし,本件各娛土地は,聊亭が所有し,Aが自宅として使用している本件建物の庭及び建物への進入路であり,それらが塀と門で囲まれ,一体のもとのとして使用されていること,Aは同建物の表札を掲げていたことからすれば,Aは,同建物の占有者として,それぞれ本件各土地を占有しているというべきである。 (被告の主張)(1)向野財産区は,日本マトラスと本件賃貸借契約を締結しており,Aらは,本件賃貸借契約に基づいて本件賃 ,同建物の占有者として,それぞれ本件各土地を占有しているというべきである。 (被告の主張)(1)向野財産区は,日本マトラスと本件賃貸借契約を締結しており,Aらは,本件賃貸借契約に基づいて本件賃貸土地を占有しているから,本件土地の明 渡請求をすることはできず,怠る事実はない。 (2)原告らは,本件賃貸借契約は,大阪府知事の認可がなく無効であると主張する。しかし,以下のとおり,理由がない。 ア大阪府知事の認可を欠く契約は無効であるという主張について被告は,本件賃貸借契約当時,賃貸借契約は「処分又は廃止」(地方自治法296条の5第2項)に該当しないと解していたため,大阪府とも協議し,大阪府知事の認可を得なかった。 また,知事の認可がなく処分等を行っても,当然に無効になるものではなく,財産区財産について財産区住民が従来慣習に基づいて自主的に処分してきた経緯等に照らし,軽微な行為や財産区住民,地方住民に著しい不利益を及ぼさない行為は,有効なものと解される。 そうすると,本件賃貸借契約が地区住民の要請を踏まえたものであることに照らすと,大阪府知事の認可がないとしても,本件賃貸借契約が無効になるものではない。 イ行政財産の処分として無効であるという主張について原告らは,行政財産の処分行為として無効であると主張する。しかし,d池は農業用ため池としての効用を失っており,本件賃借土地は,ヘドロ・悪臭や危険防止のため形状変更の認可を得て埋立てをしているところであるから,少なくともその部分に関していえば行政財産性を失っているのであって,地方自治法238条の4第1項に違反するものではなく,無効とはならない。 ウ賃料が低廉であるという主張について原告らは,賃料は著しく低廉であり,無効であると主張するが,本件賃貸借契約において,賃料が1年12万円と の4第1項に違反するものではなく,無効とはならない。 ウ賃料が低廉であるという主張について原告らは,賃料は著しく低廉であり,無効であると主張するが,本件賃貸借契約において,賃料が1年12万円と非常に安価に決められたのは,不動産賃貸借契約書(乙9)の第5条に記載されているとおり,日本マトラスが,向野財産区に代わって,総工事費約3億円をかけて,d池の堤塘 ・用水路・d池下流の向池の整備を行ったことによるものであり,当初,向野財産区三団体が無償貸与を約束していたことも考慮された。 かかる事情のもとにおいては,賃料が低廉であるということで無効となるものではない。 (被告及びAらの主張)水路部分のうち,別紙実測図の321,323,230,231,324,322,222,227,221,321の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地(以下「暗渠部分」という。)は,暗渠になっており,その地上をAらが通行することがあり,その通行を事実上黙認しているものであるが,向井財産区が水路を管理しており,その占有は向井財産区にある。 同実測図222,322,119,118,117,116,222の各点を順次直線で結んだ線により囲まれた範囲の土地(以下「開渠部分」という。)は,開渠になっており,Aらが占有をしていないのは明らかである。 (Aらの主張)Aは,本件賃貸土地を占有していない。 本件各土地の不法占有の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件関係(請求3~6)](被告及びAらの主張)(1)向野財産区三団体の位置付けについてd池は,江戸時代に向野の部落によって灌漑用水池として造られたものであり,明治22年の市制・町村制施行以前からの慣習により,一部の部落民が特定の財産に協同的使用収益権を有していた場合の財産区である。 したがって,d に向野の部落によって灌漑用水池として造られたものであり,明治22年の市制・町村制施行以前からの慣習により,一部の部落民が特定の財産に協同的使用収益権を有していた場合の財産区である。 したがって,d池の管理については,従前の慣習やこれを維持・管理してきた地元住民の意思が尊重されるべきであり,旧慣使用権が認められるべきである。 そして,向野水利組合がd池の維持・管理を行っているから,d池について は,旧慣使用権に基づき,向野財産区三団体が占有権及び使用権を有している。 原告らは,向野水利組合は水利権者にすぎず,向野部落会及び北向野地区は,d池に対し,何ら法的権限を有しないと主張するが,失当である。 (2)平成3年から平成6年後半(擁壁完成時)まで向野財産区三団体が,Aらに対し,d池のヘドロの浚渫を依頼したため,Aらは,平成2年ころから,業者に依頼してヘドロの除去をさせていた。ヘドロの除去は,重機(ユンボ)を入れるためにd池にまず土砂を入れて平坦にし,ヘドロを取った部分にまた土砂を入れて平坦にして重機を進め,次のヘドロを取るという作業を行うものである。 平成3年以後,ヘドロの除去のために用いた土砂がd池にそのまま残る状態になったが,平成6年5月ころに擁壁工事を開始するまで,Aらがこれを使用したことはない。 したがって,Aらは,向野財産区三団体の依頼に基づいて,ヘドロの除去又は擁壁工事等をしていただけであり,本件各土地を占有しているとはいえないし,仮に占有していたとしても,不法占有になるものでもない。 なお,航空写真で埋め立てられているようにみえるのは,毎年冬に行われるd池の水抜きのため,池の底地が写っているものと考えられるし,地形図によると,本件賃貸土地のうち,標高が47.2メートルの部分があり,周辺よりも約5メートルほど高いのも,もと のは,毎年冬に行われるd池の水抜きのため,池の底地が写っているものと考えられるし,地形図によると,本件賃貸土地のうち,標高が47.2メートルの部分があり,周辺よりも約5メートルほど高いのも,もともと周辺よりも高く,自然の変化といえるから,航空写真や地形図によって埋立ての事実が認められるものではない。 (3)平成6年後半(擁壁完成)以後,平成11年9月1日まで平成6年後半(擁壁完成)以後は,Aらが本件交換土地(旧交換土地及び本件追加交換土地)及び本件賃貸土地を占有していたが,後記ア及びイ記載のとおり適法であり,水路部分は,後記ウ記載のとおり,占有していない。 ア旧交換土地向野財産区と日本マトラスとは,平成6年1月20日付けで,旧交換契約契約を締結しており,以後,向野財産区に所有権はなく,Aらは,上記各土地を所有者として又はその承諾を受けて占有しているものである。 原告らは,旧交換契約につき,目的物の特定を欠き,不成立であると主張するが,大阪府知事に対する認可申請の添付書類の交換物件位置図及び求積図で目的物が特定されており,その他,旧交換契約が不成立とする事情はない。 イ本件追加交換土地及び本件賃貸土地向野財産区三団体は,平成6年5月1日付けで,擁壁を造成してもらった見返りとして,d池の一部を無償貸与することを決め,向野財産区管理者に申請した。これは,平成元年にAに4800平方メートルの土地を売却した際,d池西側の堤塘(g-i土地の一部)が傷んでいたことから,将来Aが家屋を建設する時に,そこにコンクリート擁壁を築造してもらうことを求め,その代わりd池の南側と擁壁との間の土地を無償で貸与するという条件をつけていたこと(乙19参照)に基づくものでもある。 向野財産区三団体は,d池の維持・管理のための占有権を有しており,Aらは, 求め,その代わりd池の南側と擁壁との間の土地を無償で貸与するという条件をつけていたこと(乙19参照)に基づくものでもある。 向野財産区三団体は,d池の維持・管理のための占有権を有しており,Aらは,向野財産区三団体が有する占有権を承継したというべきである。 ウ水路部分水路部分のうち,開渠部分は,向野財産区三団体が占有し,Aらに占有はない。暗渠部分は,Aらに通行を事実上黙認しているものであるが,向野財産区が占有・管理しており,Aらが占有しているものではない。 (4)平成11年9月1日以後平成11年9月1日以後は,Aらが本件交換土地及び本件賃貸土地を占有していたが,後記ア及びイ記載のとおり適法であり,水路部分は,後記ウ記載のとおり,占有していない。 ア本件交換土地向野財産区は,平成11年9月1日,日本マトラスと本件交換契約を締結した。 Aらは,同日以後,本件交換土地を所有者として又はその承諾を受けて占有しているものである。 イ本件賃貸土地向野財産区は,平成11年9月1日,日本マトラスと本件賃貸借契約を締結した。 Aらは,同日以後,本件賃貸土地を賃借人又はその承諾を受けて占有しているものである。 ウ水路部分前記のとおり,水路部分のうち,開渠部分は,向野財産区三団体が占有し,Aらに占有はない。暗渠部分は,Aらに通行を事実上黙認しているものであるが,向野財産区が占有・管理しており,Aらが占有しているものではない。 (原告らの主張)(1)向野財産区三団体の位置付けについて向野水利組合は,水利権者にすぎず,占有権者ともいえないし,向野部落会及び北向野区は,d池について何ら法的な権限を有しないから,第三者に占有権原を付与することはできない。 財産区の財産を管理する権限を有するのは被告であり,被告が占有権原を付与していない以上,不 落会及び北向野区は,d池について何ら法的な権限を有しないから,第三者に占有権原を付与することはできない。 財産区の財産を管理する権限を有するのは被告であり,被告が占有権原を付与していない以上,不法占有になるというべきである。したがって,向野財産区三団体が事実上Aらの占有を同意ないし黙認していたとしても,Aらの占有が適法になるものではない。 被告は,向野財産区三団体が管理権を有すると主張するが,管理権を有するとの法的根拠はない。仮に,旧慣使用権を意味するものであるとしても, 貸与や交換などの処分を行う権限を住民に認めたものでないことは明らかである。 (2)平成3年から平成6年後半(擁壁完成時)までアAらは,平成3年ころには,本件各土地の南側部分に植栽して,庭園として整備し(航空写真(乙20,21)参照),平成4年ころには,本件各土地の南側の一部に周囲より約3メートルも高い築山を造った(平成4における国土地理院の測量結果を基に平成5年に作成された道路基本図によると,現在の庭園の築山に当たる部分の標高が,d池の周辺部分よりも約3メートル高いことから明らかである(乙34))。 このように,Aらは,大阪府知事の形状変更認可(平成5年12月20日。甲6)を受ける前の平成3年1月1日ころには,本件各土地を権原がないのに埋め立て,占有し,利用していた。 イまた,Aの長兄であるDは,平成3年8月22日,t-uの土地を取得し,日本マトラスは,平成4年6月11日,v-w,x(現在はxとyに分筆)の土地を取得している(甲24の1から3まで)。これらの土地と本件建物の間には,本件各土地が存在しているため,本件各土地を取得しなければ,上記の土地を取得する意味がなく,平成3年ころから,本件各土地を庭園や進入路として利用するつもりであったことは明らかであ 本件建物の間には,本件各土地が存在しているため,本件各土地を取得しなければ,上記の土地を取得する意味がなく,平成3年ころから,本件各土地を庭園や進入路として利用するつもりであったことは明らかである。 ウ被告及びAらは,Aらが,平成2年後半から3年にかけて,ヘドロの浚渫工事をしたと主張する。 しかし,d池の水抜きをしたり,ポンプで浚渫をすればいいのであって,ヘドロを除去するために土砂を入れる必要はないし,ヘドロの除去のために周辺部分よりも1~2メートルも高く土砂を入れる必要もない。 また,被告及びAらは,当初,平成3年~平成5年の航空写真(乙20~22)に本件各土地が白く写っているのは,埋立てによるものではなく,毎年冬に行われるd池の水抜きにすぎないと主張し,Aらは,それに沿う 証拠として,平成5年ころ,池の底の凹凸を整地したが,埋立てはしていない旨の建設業者の陳述書(丁9)まで提出していたのであり,被告及びAらの主張は著しく変遷しており,信用できるものではない。 エ被告及びAらは,Aらが,d池の擁壁工事をしたとも主張するが,自宅及び庭園の造成・建設のために必要な工事を,必要な範囲で行ったものにすぎない。 (3)平成6年後半(擁壁完成)以後,平成11年9月1日までアg-r土地及びg-s土地旧交換契約の契約書においては,交換契約の目的物が特定されていないこと,旧交換契約に関する地区総会議事録も,死亡者の記名押印がされるなど地区総会を開催したのではなく,一部の役員が市の職員に議事録を作成させ,空白部分を手書きで埋めたものであること,旧交換契約に基づいた移転登記もされていないことなどからすると,旧交換契約は不成立である。 イ本件追加交換土地及び本件賃貸土地向野財産区三団体は,d池につき法的な権限がなく,占有権原を付与すること 換契約に基づいた移転登記もされていないことなどからすると,旧交換契約は不成立である。 イ本件追加交換土地及び本件賃貸土地向野財産区三団体は,d池につき法的な権限がなく,占有権原を付与することはできないから,被告の上記主張は,Aらの占有の根拠となるものとはいえず,被告の主張は失当である。 また,貸与申請の議事録の貸与の対象は南西部の3318.70メートルであり,本件追加交換土地については,貸与申請の範囲にも含まれていないと考えられる。 ウ水路部分水路部分のうち,暗渠部分は,本件建物や庭園などとともに塀で囲まれており,Aらが排他的に占有している。 したがって,その占有は向野財産区ではなく,Aらにあるというべきである。 (4)平成11年9月1日以後ア本件交換土地前記1記載のとおり,本件交換契約は無効である。 イ本件賃貸土地前記2記載のとおり,本件賃貸借契約は無効である。 ウ水路部分水路部分のうち,暗渠部分は,本件建物や庭園などとともに塀で囲まれており,Aらが排他的に占有している。 したがって,その占有は向野財産区ではなく,Aらにあるというべきである。 Aらの故意・過失の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件関係(請求3~6)](被告の主張)原告らは,旧交換契約,本件交換契約及び本件賃貸借契約を無効であると主張する。 仮に,上記各契約が無効であるとの評価を受けたとしても,占有権を有する向野財産区三団体がAらにその占有を認め,Aらも善意で占有してきたものであるから,Aらに不法占有について故意・過失はないというべきである。 (Aらの主張)Aらは,本件交換契約及び本件賃貸借契約について大阪府知事の認可があることを知らず,羽曳野市が適正に手続を進めていると考えていたのであるから,Aらに過失はないというべきである。 。 (Aらの主張)Aらは,本件交換契約及び本件賃貸借契約について大阪府知事の認可があることを知らず,羽曳野市が適正に手続を進めていると考えていたのであるから,Aらに過失はないというべきである。 (原告らの主張)争う。 Bの責任原因の有無[甲,乙事件主位的請求,丙事件,丁事件関係(請求3~6)] (原告らの主張)(1)Bは,Aと共謀してAらに上記の不法な占有をさせ,さらに,羽曳野市長(当時)として,明らかに無効な本件交換契約及び本件賃貸借契約の各契約書に自ら署名し,返還請求を行使することを怠ったものである。 したがって,Bは羽曳野市に対し民法719条の共同不法行為に基づく責任及び債務不履行責任を負う。 (2)また,現在のAらの占有は,Bの上記各行為に起因するものであって,共同不法行為として,日本マトラスの本件各土地の明渡し済みまで,日本マトラスの占有により向野財産区に生じた損害を賠償する責任を負う。 (被告の主張)争う。 (Bの主張)財産区とは,明治22年4月,市町村制の施行に際し,旧来の自然村や大字等が所有していた財産を新市町村に引き継ぐについて関係住民の強い反対等があったことから,各々の地区の所有財産とするため,独自の法人格を有する地位を認めた制度である。このような由来から,各財産区の地区住民の意見を第一義的なものとするのが原則である。したがって,Bとしても,向野財産区とAらの交渉を尊重したものであって,旧交換契約,本件交換契約及び本件賃貸借契約に実質的に関与はしていない。 移転登記の抹消登記手続請求及び本件交換土地の明渡請求怠る事実の有無[甲,乙事件予備的請求関係(請求1)](原告ら(甲事件,乙事件))本件交換契約は,前記1記載のとおり,無効である。したがって,向野財産区は,移転登記の抹消登記手続請求及び 明渡請求怠る事実の有無[甲,乙事件予備的請求関係(請求1)](原告ら(甲事件,乙事件))本件交換契約は,前記1記載のとおり,無効である。したがって,向野財産区は,移転登記の抹消登記手続請求及び本件交換土地の明渡請求を行うべきであるのに,それを怠っている。 また,Aが本件交換土地を占有していることも,前記1記載のとおりである。 (被告の主張)本件交換契約は,前記1記載のとおり,無効になるものではない。 (Aらの主張)Aは,本件交換土地を占有していない。 本件賃貸土地の明渡請求を怠る事実の有無[甲,乙事件予備的請求関係(請求2(1))](原告ら(甲事件,乙事件)の主張)本件賃貸借契約は,前記3記載のとおり,無効である。したがって,向野財産区は,本件賃貸土地の明渡請求を行うべきであるのに,それを怠っているまた,Aが本件交換土地を占有していることも,前記1記載のとおりである。 (被告の主張)本件賃貸借契約は,前記3記載のとおり,無効になるものではない。 (Aらの主張)Aは,本件交換土地を占有していない。 Bの責任原因の有無[甲,乙事件予備的請求関係(請求3~6)](原告ら(甲事件,乙事件)の主張)(1)Bは,羽曳野市長(当時)として,明らかに無効な本件交換契約及び本件賃貸借契約の各契約書に自ら署名し,返還請求を行使することを怠ったものである。したがって,Bは羽曳野市に対し民法719条の共同不法行為に基づく責任及び債務不履行責任を負う。 (2)また,現在のAらの占有は,Bの上記各行為に起因するものであって,共同不法行為として,日本マトラスの本件各土地の明渡し済みまで,日本マトラスの占有により向野財産区に生じた損害を賠償する責任を負う。 (被告の主張)争う。 (Bの主張) 前記5と同じ。 損害額又は利得額[全事 本マトラスの本件各土地の明渡し済みまで,日本マトラスの占有により向野財産区に生じた損害を賠償する責任を負う。 (被告の主張)争う。 (Bの主張) 前記5と同じ。 損害額又は利得額[全事件共通(請求3~6)](原告らの主張)Aらは,本件各土地を,上記のとおり,権原なく占有しているから,以下に述べる賃料相当額の利得を得ており,その反面,向野財産区は同額の損失を被っている。 (1)本件各土地の賃料は,1坪当たり月額1500円~2000円程度であるから,g-r土地(67平方メートル)は,1か月3万0454円,g-q土地(1180平方メートル)は1か月53万6363円,g-s土地(714平方メートル)は,1か月32万4545円,本件賃貸土地及び水路部分は,1か月150万円の賃料相当額の損害金が発生する。 事件ごとの損害額は,以下のとおりである。 ア甲事件,丙事件(請求5(1)~(6)の部分)㨯g-r土地a請求3(1),5(1)関係178万9292円(平成3年1月から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件主位的請求,丙事件)又は平成11年9月分から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件予備的請求))b請求3(2),5(2)関係平成16年11月から1か月3万0454円の賃料相当額の損害金㨯g-q土地a請求3(3),5(3)関係3142万0490円(平成3年1月から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件主位的請求,丙事件)又は平成11年9月分から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金 の一部(甲,乙事件予備的請求))b請求3(4),5(4)関係平成16年11月から1か月53万6363円の賃料相当額の損害金㨯g-s土地a請求3(5 0月分までの賃料相当額の損害金 の一部(甲,乙事件予備的請求))b請求3(4),5(4)関係平成16年11月から1か月53万6363円の賃料相当額の損害金㨯g-s土地a請求3(5),5(5)関係1901万2055円(平成3年1月から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件主位的請求,丙事件)又は平成11年9月分から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件予備的請求))b請求3(6),5(6)関係平成16年11月から1か月32万4545円の賃料相当額の損害金イ乙事件,丙事件(請求5(7),(8)の部分)㨯請求4(1),5(7)関係9300万円(平成3年1月から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件主位的請求,丙事件)又は平成11年9月分から平成16年10月分までの賃料相当額の損害金の一部(甲,乙事件予備的請求)㨯請求4(2),5(8)関係平成16年11月から1か月150万円の賃料相当額の損害金ウ丁事件㨯g-r土地a請求6(1)関係365万4480円(平成9年3月分から平成19年2月分までの賃料相当額の損害金の合計額) b請求6(2)関係平成19年3月から1か月3万0454円の賃料相当額の損害金㨯g-q土地a請求6(3)関係6436万3560円(平成9年3月分から平成19年2月分までの賃料相当額の損害金の合計額)b請求6(4)関係平成19年3月から1か月53万6363円の賃料相当額の損害金㨯g-s土地a請求6(5)関係3894万5400円(平成9年3月分から平成19年2月分までの賃料相当額の損害金の合計額)b請求6(6)関係平成19年3月から1か月32万4545円の賃料相当額の損害金㨯本件賃貸 5)関係3894万5400円(平成9年3月分から平成19年2月分までの賃料相当額の損害金の合計額)b請求6(6)関係平成19年3月から1か月32万4545円の賃料相当額の損害金㨯本件賃貸土地及び水路部分a請求6(7)関係1億8000万円(平成9年3月分から平成19年2月分までの賃料相当額の損害金の合計額)b請求6(8)関係平成19年3月から1か月150万円の賃料相当額の損害金(2)仮に,上記(1)の損害額を認めることはできないとしても,少なくとも,行政財産の使用料金相当額の損害が生じているというべきである。 羽曳野市行政財産使用条例における使用料は,当該土地の価格の3パーセントと規定されている。そして,各年度の固定資産税額は別紙損害額算定表1のとおりであり,近隣地の公示地価なども参考にすると,平成2年度から平成12年度の固定資産税の評価額は,その次年度の評価額を下回るもので はないと考えられる。 そうすると,各年度の固定資産税額は,別紙損害額算定表2の表①の固定資産税評価額欄記載のとおりであり,その約3パーセントの価額は,同表①の年額欄記載のとおりである。 したがって,各事件について,別紙損害額算定表の表②記載の損害額合計欄記載の損害が生じており,平成16年11月以後の月額の損害額は,同表①の月額欄記載のとおりである。 (被告の主張)(1)争う。 (2)なお,行政財産使用料条例を用いて本件各土地の損害額を算定することは,以下のとおり,相当ではないし,仮に,行政財産使用料条例を適用するにしても必要な減免がされるべきである。 アAらの占有が不法占有になるとしても,財産区財産を管理する住民の総意により,その占有を是認していたのであるから,行政財産使用料条例によって損害額を算定すべきではない。 イ本件各土地は, ある。 アAらの占有が不法占有になるとしても,財産区財産を管理する住民の総意により,その占有を是認していたのであるから,行政財産使用料条例によって損害額を算定すべきではない。 イ本件各土地は,d池を埋めた状態では,普通財産に類するものというべきであるから,多額の費用を費やして擁壁を設けてもらっていることを考慮すれば,本件賃貸借契約の賃料額も月1万円であっても何ら問題にならない。したがって,行政財産使用料条例を用いて損害額を算定するのは不当である。 ウ本件においては,d池のヘドロの浚渫等をAらが行っていることを考慮すると,羽曳野市行政財産使用3条の2,同施行規則2条により,基本率を100分の2軽減した100分の1とするのが相当である。 平成6年以前の状態では,宅地の形態をしていないので,現況宅地の評価額を用いることは相当ではない。 水路部分の開渠部分は本件各土地に該当せず除外されるべきであるし, 暗渠部分は,羽曳野市法定外公共物管理条例8条に準じて減免すべきである。 本件賃貸借契約の解除を怠る事実の有無[乙事件,丙事件,丁事件関係(請求2(2))](原告ら(乙事件,丙事件,丁事件)の主張)仮に本件賃貸借契約が有効であるとしても,日本マトラスは,ハンナンに対し,本件賃貸土地を使用料1回3000円で賃貸しており,無断転貸に当たる。 したがって,被告が,本件賃貸借契約の解除権の行使を怠っていることは違法である。 (被告の主張)争う。 (Aらの主張)ハンナンは,平成18年3月28日に本件建物を購入したが,本件訴訟に巻き込まれるのを避けるため,ハンナンにおいて使用する必要があるごとに,日本マトラスの承諾を得て使用するという内容の契約を締結したものであり,ハンナンが本件建物を使用するのは大切な取引先を接遇する場合などに限られてい るため,ハンナンにおいて使用する必要があるごとに,日本マトラスの承諾を得て使用するという内容の契約を締結したものであり,ハンナンが本件建物を使用するのは大切な取引先を接遇する場合などに限られているから,無断転貸に当たらないことは明らかである。 賃料増額請求権の行使を怠る事実の有無[丁事件関係(請求6(9))](原告ら(丁事件)の主張)仮に本件賃貸借契約が有効であるとしても,本件賃貸借契約の賃料は著しく低額であるから,被告は賃料増額請求権を行使すべきである。 したがって,被告は,賃料増額請求権を行使を怠っていることは違法である。 (被告の主張)争う。 第5本案前の争点に対する判断 原告適格の有無(争点1)[全事件共通] 被告は,財産区財産については,沿革的に,財産区の住民の意思を優先すべきであるから,住民訴訟の原告適格を有するのは,当該財産区の住民に限られるべきであり,本件において,原告らは向野財産区の区域内に住所を有する住民ではないから,原告適格がないと主張する。 そこで検討するに,財産区の財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については,地方公共団体の財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止に関する規定によることとされ(地方自治法294条1項),同法242条及び242条の2の各規定も,財産の管理に関する規定として,財産区にそのまま適用されるものと解されるから,財産区の所在する市町村又は特別区の住民にも,財産区財産についての住民訴訟の原告適格を有するというべきである。 財産区は,町村及び特別区のうちの一定範囲の地域及びその地域の住民を構成要素とする特別地方公共団体であって,独立の法人格を有し(地方自治法1条の3第3項,294条),沿革的にみても,当該財産区の住民がその財産につき有していた利益をそのまま確保できるようにするこ を構成要素とする特別地方公共団体であって,独立の法人格を有し(地方自治法1条の3第3項,294条),沿革的にみても,当該財産区の住民がその財産につき有していた利益をそのまま確保できるようにすることを意図して設けられた制度であるといえるが,他方で,財産区の所在する地方公共団体の一部としての性格も有しており,財産区のある市町村又は特別区は,財産区と協議して,当該財産区の財産等から生ずる収益を市町村の事務に要する経費の一部に充てることができるとされているなど(地方自治法296条の5第3項),財産区の所在する市町村又は特別区の住民も財産区の財産等の管理等の適正を要請する立場にある。したがって,財産区の沿革等を考慮しても,財産区の所在する市町村又は特別区の住民に,財産区財産についての住民訴訟の原告適格を否定することはできない。 したがって,被告の上記主張は採用できない。 監査請求の対象と住民訴訟の対象の同一性の有無(争点2)[甲,乙事件主位的請求関係](1)被告は,甲,乙事件主位的請求は,不法占有に基づいて発生する請求権 を問題にするものであるが,甲,乙事件監査請求は,本件交換契約及び本件賃貸借契約締結が違法であることによって発生する請求権の行使をもって財務会計行為とするものであり(甲1参照),これと無関係な不法占有によって発生した請求権を問題とはしておらず,監査請求との同一性を欠くと主張する。 そこで検討するに,前提事実及び証拠(甲1,37)によれば,甲,乙事件監査請求の監査請求書には,羽曳野市は,Aとの間で,平成11年に本件交換契約及び本件賃貸借契約を締結したこと,同各契約が違法又は不法であること,監査請求期間の徒過については,正当な理由があることなどが記載されていることが認められる。 このように,甲,乙事件監査請求は,本件各 び本件賃貸借契約を締結したこと,同各契約が違法又は不法であること,監査請求期間の徒過については,正当な理由があることなどが記載されていることが認められる。 このように,甲,乙事件監査請求は,本件各契約(なお,旧交換契約については具体的な指摘はないものの,旧交換契約と本件交換契約の関係に鑑みれば,請求人らの合理的意思としては,旧交換契約も監査を求める趣旨であったと考えられる。)を違法な財務会計行為としているものであるところ,上記監査請求は,本件各契約が締結された以後,当該行為(本件交換契約及び本件賃貸借契約)の対象土地の所有権に基づく実体法上の請求権の管理を怠る事実についての監査請求をもその対象として含むものと解するのが相当である。 したがって,甲,乙事件主位的請求のうち,本件各契約締結以後の部分に関しては,監査請求との同一性があるというべきである。 (2)原告ら(甲事件,乙事件)は,甲,乙事件監査請求は,本件賃貸借契約が違法であるとし,契約を解除することなどを求めており,本件交換契約及び本件賃貸借契約の対象となった土地を適正に管理することを求めたものであり,本件各土地の管理を怠る事実を対象としているから,上記各契約締結以前の怠る事実も含めて本件訴訟の対象との同一性があると主張する。 監査請求の対象として何を取り上げるかは,基本的には請求をする住民の 選択に係り,当該監査請求において請求人が何を対象として取り上げたのかは,請求書の記載内容,添付書面等に照らして客観的,実質的に判断すべきものである(最高裁平成14年7月2日第三小法廷判決・民集56巻6号1049頁参照)。前提事実及び証拠(甲1,37)によれば,甲,乙事件監査請求書は,本件各契約の締結が違法不当であることについて言及するにとどまり,監査請求書及びその添付資料には,本件各 56巻6号1049頁参照)。前提事実及び証拠(甲1,37)によれば,甲,乙事件監査請求書は,本件各契約の締結が違法不当であることについて言及するにとどまり,監査請求書及びその添付資料には,本件各契約前にAらが本件各土地を占有した事実に関しては一切言及されていないことが認められることからすれば,上記各監査請求が,本件各契約締結前の本件各土地の管理を怠る事実の対象としているとはいえない。 原告ら(甲事件,乙事件)は,甲,乙事件主位的請求は,本件各土地の管理をいう一個の社会的事実を問題とするものであるから,監査請求の対象との同一性が認められると主張するが,監査請求の対象と住民訴訟の対象との同一性は,対象とする財務会計行為(怠る事実も含む。)を実質的にみて同一であるといえるか否かによって判断されるべきである上,上記監査請求が本件各契約締結前の占有も含む本件各土地の管理をその対象としているともいえない。原告ら(甲事件,乙事件)の上記主張は理由がない。 原告ら(甲事件,乙事件)は,甲,乙事件監査請求を契機に監査委員が不法占拠の事実があると判断して必要と考える措置を勧告することは可能であるから,甲,乙事件主位的請求と甲,乙事件監査請求との同一性はあると主張する。しかし,甲,乙事件監査請求において,主位的請求に係る事実が監査の対象となっていない以上,監査委員が監査の対象とする可能性があるとしても,それは職権による監査(地方自治法199条1項)の可能性があるにすぎないから,甲,乙事件主位的請求と甲,乙事件監査請求との同一性を認める根拠にすることはできない。 したがって,原告ら(甲事件,乙事件)の上記主張は採用できない。 (3)以上のとおり,甲,乙事件主位的請求(本件各契約締結前に係る部分) は,監査請求を前置しておらず,不適法である。 監査請 したがって,原告ら(甲事件,乙事件)の上記主張は採用できない。 (3)以上のとおり,甲,乙事件主位的請求(本件各契約締結前に係る部分) は,監査請求を前置しておらず,不適法である。 監査請求期間の制限規定の適用の有無(争点3)[甲,乙事件(甲,乙事件予備的請求を除く。),丙事件及び丁事件関係](1)前記2のとおり,甲,乙事件主位的請求のうち本件各契約締結前に係る部分については,適法な監査請求を前置していない。そこで,甲,乙事件主位的請求(本件各契約締結以後の部分),丙事件及び丁事件について,監査請求期間の制限規定の適用があるか否かを検討する。 地方自治法242条2項本文は,監査請求の対象事項のうち財務会計上の行為については,当該行為があった日又は終わった日から1年を経過したときは監査請求をすることができないと規定している。その趣旨は,財務会計上の行為は,たとえそれが財務会計法規に違反して違法であるか,又は財務会計法規に照らして不当なものであるとしても,いつまでも監査請求ないし住民訴訟の対象となり得るとしておくことは,法的安定性の見地から好ましくないという点にある。これに対し,怠る事実については,このような期間制限は規定されておらず,怠る事実が存在する限りはこれを制限しない趣旨と解される。 もっとも,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象として監査請求がされた場合には,当該行為が違法とされて初めて当該請求権が発生したと認められるから,これについて上記の期間制限が及ばないとすると,上記規定の趣旨を没却することになる。したがって,このような場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として上記規定を適用すべきである(最高 ら,これについて上記の期間制限が及ばないとすると,上記規定の趣旨を没却することになる。したがって,このような場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として上記規定を適用すべきである(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 さらに,怠る事実の対象が特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体 法上の請求権に該当しない場合であっても,監査委員が怠る事実の監査を遂げるために,財務会計上の行為(当該行為)が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない場合には,地方自治法が当該行為についての監査請求に期間制限を設けた上記趣旨に照らし,その請求権のうち当該行為がされた以後のものについて監査請求期間の制限規定の適用が及ぶと解すべきである。 (2)証拠(甲13,38)及び弁論の全趣旨によれば,原告ら(丙事件,丁事件)は,向野財産区が本件各土地を所有していること,Aらは不法に本件各土地を占有を開始したこと,その後にされた本件各契約は隠れ蓑にすぎないこと,Bは,明らかに無効な本件契約の契約書に署名し,本件契約の外観を作出したことなどを指摘し,Aらに対する本件各土地の明渡請求,賃料相当額の不当利得返還請求及びBに対する損害賠償を怠っているなどとして,監査請求をしたものと認められる。また,前記のとおり,甲,乙事件監査請求(本件各契約締結以後の部分)も,これらと同様の各請求権の不行使をその対象としているものと解される。 そして,所有権侵害を理由とする物権的請求権や不当利得返還請求権は,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請 解される。 そして,所有権侵害を理由とする物権的請求権や不当利得返還請求権は,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権であるとはいえない。 しかしながら,本件では,前記のとおり,本件各土地(水路部分を除く。)について,本件各契約に係る契約書が作成されているから,監査委員において,本件各土地(水路部分を除く。)の明渡請求や本件各契約締結以後の賃料相当損害金の請求を怠る事実があるか否か,抹消登記手続を怠る事実があるか否かなどについての監査を遂げるためには,本件各契約の締結(当該行為)が違法であり,それが無効であるか否かを判断することが必要である。しかも,原告らは,上記監査請求において,本件各契約は隠れ蓑に すぎないという主張をしているが,これは,前記のとおり,本件各契約の契約書の存在を前提とするものであるから,客観的,実質的観点から判断すれば,本件各契約が虚偽表示か否か,大阪府知事の認可を得ているか否かなど,その効力についても監査を求めている趣旨と解さざるを得ない。 原告らは,本件各契約が違法,無効であるという主張は,請求原因ではなく,再抗弁としての性質を有するにすぎないと主張する。しかし,監査委員が監査を遂げるために本件各契約が無効か否かを判断しなければならない以上,それが請求原因としてか,再抗弁としてかは重要な違いとはいえず,原告らの上記主張は失当である。 そうすると,本件各監査請求のうち,本件各契約が違法であって無効であるか否かの判断が必要な部分(本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分,本件各契約締結以後のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分)は,監査請求期間の制限規定の適用を受けること 土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分,本件各契約締結以後のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分)は,監査請求期間の制限規定の適用を受けることになる。他方,その余の部分(水路部分の明渡請求権の不行使に係る部分,本件各契約より前にされた占有を理由とする部分,本件賃貸借契約の解除権や賃料増額請求権の不行使に係る部分)は,監査委員において,当該行為の違法無効を判断せずに監査を遂げることができるから,監査請求期間の制限規定を受けないというべきである。 (3)以上のとおり,本件各監査請求のうち,本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分,本件各契約締結以後のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分は,監査請求期間の制限規定を受け,次項(争点4)の検討が必要となる。 これに対し,その余の部分は,監査請求期間の制限規定の適用を受けないから,次項(争点4)の検討をするまでもなく,適法な監査請求である。 監査請求期間遵守の有無(争点4)[全事件共通](1)被告は,甲,乙事件監査請求が平成16年8月24日,丙事件監査請求 が平成17年4月19日,丁事件監査請求が平成18年12月20日にそれぞれされたものであるところ,いずれの請求も本件交換契約及び本件賃貸借契約から1年の監査請求期間を経過した後にされており,正当な理由はないから,不適法であると主張する。 そこで検討するに,「正当な理由」の有無は,特段の事情のない限り,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか,また,当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(最高裁昭 力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか,また,当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(最高裁昭和63年4月22日第二小法廷判決・裁判集民事154号57頁,最高裁平成14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁参照)。そして,住民監査請求制度が,違法,不当な財務会計行為を行政内部で是正させようとするものであり,住民監査請求をする際には,違法,不当な当該行為又は怠る事実を「証する書面」を添える必要がある(地方自治法242条1項)ことに照らせば,上記の「客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時」とは,当該行為が違法又は不当であるという疑惑を持つに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時であると解するのが相当である。 ここで,証拠(甲1,12,37)及び弁論の全趣旨によれば,読売新聞が,平成16年5月17日,財産区は日本マトラスに1000坪を年12万円で賃貸していること,交換契約によって日本マトラスが提供土地の3倍近い面積を取得したことなどを報道したことが認められる。 そうすると,羽曳野市の住民は,遅くとも,平成16年5月17日時点で,相当の注意力をもって調査すれば,客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件各財務会計行為の存在及び内容を知ることができたというべきであり,住民が同日から相当な期間内に監査請求をしなかった場合には,前記 「正当な理由」がないものというべきである。そして,原告らが監査請求をしたのは,上記時点から3か月以上経過した同年8月24日以後であるから,原告らの監査請求には上記「正当な理由」がないというべきである。 (2)原告ら ものというべきである。そして,原告らが監査請求をしたのは,上記時点から3か月以上経過した同年8月24日以後であるから,原告らの監査請求には上記「正当な理由」がないというべきである。 (2)原告らは,平成16年5月17日付けの読売新聞の新聞報道においては,本件交換契約及び本件賃貸借契約に違法性がないとも思われる市職員のコメントがあり,その当否を検討する必要があったから,上記新聞報道は,住民が本件に関する調査を開始する契機となったにすぎず,「相当な期間」の起算点とはなり得ないと主張する。しかし,上記新聞報道は,読者に対し,当該行為が違法又は不当であるという疑惑を持たせるに十分であるから,原告らの上記主張は採用できない。 また,原告らは,上記新聞報道が「相当な期間」の起算点となるとしても,羽曳野市が,本件交換契約及び本件賃貸借契約の内容及びその経緯に関する情報公開を現在も拒否しているなど,本件に関する情報提供や真相究明に明らかに消極的である以上,追加調査の困難さを十分に考慮した上で,「相当な期間」は判断されるべきであり,これらの事実を併せ考慮すると,甲,乙事件監査請求は,少なくとも,監査請求期間を経過したことにつき正当な理由があると主張する。 しかし,前記のとおり,監査請求において記載すべき本件交換契約及び本件賃貸借契約の最小限の違法事由は,上記新聞報道に記載されており,添付すべき資料としても,上記新聞の切り抜きでも足りると解されることに照らせば,原告らの上記主張は理由がない。 したがって,本件各監査請求に地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由があるということはできない。 (3)以上のとおり,本件各監査請求のうち,本件各契約が違法であって無効であるとの判断が必要な部分(本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記 な理由があるということはできない。 (3)以上のとおり,本件各監査請求のうち,本件各契約が違法であって無効であるとの判断が必要な部分(本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分,本件各契約締結以後 のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分)は,監査請求期間を徒過し,不適法である。 監査請求の対象と住民訴訟の対象の同一性の有無(争点5)[乙事件,丙事件関係](1)前記2のとおり,甲,乙事件監査請求は,本件交換契約及び本件賃貸借契約の締結を違法な財務会計行為としてされたものであるから,本件賃貸借契約が有効であることを前提として,上記監査請求後にされた本件賃貸土地の無断転貸を理由に解除権の行使を怠っていること(請求2(2))との間に財務会計行為の同一性を認めることはできない。 したがって,原告ら(乙事件)の請求2(2)に係る訴えは,監査請求との同一性を欠く。 (2)次に,丙事件監査請求について検討するに,証拠(甲13)によれば,原告ら(丙事件)は,Aらの不法占有を理由として本件賃貸土地の明渡請求を怠る事実の監査を求めるものであり,前記のとおり,本件賃貸借契約が無効であること(占有権原がないこと)を主張して所有権に基づく明渡を求める趣旨も含むと解されるものの,本件賃貸借契約が有効であることを前提として,上記監査請求後にされた本件賃貸土地の無断転貸を理由とする解除権の行使を怠っていることとの間に怠る事実の同一性を認めることはできない。 したがって,原告ら(丙事件)の請求2(2)に係る訴えも,監査請求との同一性を欠く。 二重起訴の禁止,別訴禁止[丙事件,丁事件関係](1)職権で判断するに,丙事件及び丁事件の訴訟物は,丁事件の賃料増額請求権の不行使を対象とする請求(請求6(9 も,監査請求との同一性を欠く。 二重起訴の禁止,別訴禁止[丙事件,丁事件関係](1)職権で判断するに,丙事件及び丁事件の訴訟物は,丁事件の賃料増額請求権の不行使を対象とする請求(請求6(9))を除き,本件各土地の所有権に基づく返還請求権としての同各土地の明渡請求権,本件交換土地の所有権に基づく妨害排除請求権としての移転登記抹消登記手続請求権及び不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得の返還請求権であり,甲事件,乙事 件の訴訟物と同一又はこれらに包含される関係にある。 したがって,甲,乙事件の原告で,かつ,丙事件又は丁事件の原告でもある別紙原告目録2及び3記載の原告らの丙事件又は丁事件の訴え(賃料減額請求権の不行使を対象とする請求(請求6(9))を除く。)の提起は,二重起訴を禁じた行政事件訴訟法7条,民事訴訟法142条に抵触し,不適法である。 (2)また,地方自治法242条の2第4項は,住民訴訟が既に係属しているときは,当該普通地方公共団体の他の住民は,別訴をもって同一の請求をすることができないと定めていることからすると,丙事件及び丁事件の他の原告らについても,その訴えの提起は,同条項に違反して許されないとも思われる。しかし,同条項の主たる趣旨が,係属中の事件について別訴の提起を認めると判断の齟齬を招き,訴訟経済上適当といい難いという点にあることに照らせば,同条項に違反する訴えであっても,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法52条による共同参加の申出としての効力を認めることができると解するのが相当である。 したがって,別紙原告目録4及び5記載の原告らが提起した丙事件及び丁事件の訴えは,適法なものというべきである。なお,前記のとおり,甲事件及び乙事件はいずれも不適法であるが,これら両事件が類似必要的共同訴訟であることに照らせ 及び5記載の原告らが提起した丙事件及び丁事件の訴えは,適法なものというべきである。なお,前記のとおり,甲事件及び乙事件はいずれも不適法であるが,これら両事件が類似必要的共同訴訟であることに照らせば,同事件への共同訴訟参加も適法になし得ると解される(類似必要的共同訴訟においては,共同訴訟人の一部の訴えが不適法であっても,他の共同訴訟人の訴えの効力に影響はない。)。 結論 以上のとおり,別紙原告目録1記載の原告らの訴えは,適法な監査請求を前置しておらず,全て不適法である。 同目録2記載の原告らの訴えのうち,甲,乙事件に係る訴えは,適法な監査請求を前置しておらず,丙事件に係る訴えは,二重起訴に該当して不適法であ る(したがって,同原告らの訴えは全て不適法である。)。 同目録3記載の原告らの訴えのうち,甲,乙事件に係る訴えは,適法な監査請求を前置しておらず,丁事件に係る訴え(請求6(9)を除く。)は,二重起訴に該当して不適法である(したがって,同原告らの訴えは,請求6(9)を除き,不適法である。)。 同目録4記載の原告らの訴えのうち,本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分,本件各契約締結以後のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分及び本件賃貸借契約の解除権の不行使に係る部分は,適法な監査請求を前置しておらず,不適法である。 同目録5記載の原告らの訴えのうち,本件交換土地及び本件賃貸土地の明渡請求権や移転登記の抹消登記手続請求権の不行使に係る部分及び本件各契約締結以後のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分は,適法な監査請求を前置しておらず,不適法である。 そこで,以下,別紙原告目録4及び5記載の原告らの訴えのうち,水路部分の明渡請求の不行使に係る部分,本件各契約締結前のA る損害賠償請求等に係る部分は,適法な監査請求を前置しておらず,不適法である。 そこで,以下,別紙原告目録4及び5記載の原告らの訴えのうち,水路部分の明渡請求の不行使に係る部分,本件各契約締結前のAらの占有を理由とする損害賠償請求等に係る部分及び本件賃貸借契約の解除権の不行使に係る部分と同目録記載3及び5の本件賃貸借契約の賃料増額請求権の不行使に係る部分の本案の争点について検討する。 第6本案の争点に対する判断 水路部分の明渡請求を怠る事実の有無(争点3)[丙事件,丁事件関係(請求2(1))]原告ら(丙事件,丁事件)は,向野財産区は,水路部分を所有しているから,被告は,Aらに対し,明渡請求をすることを怠っていると主張する。 証拠(乙42,丁26,A46頁)及び弁論の全趣旨によれば,上記水路部分は向野財産区が所有していること,水路部分には暗渠部分(丁26の4, 娛5)と開渠部分(丁26の7)があること,このうち,暗渠部分は,聊亭が所有し,Aが自宅として使用している本件建物の庭園の一部としてAらに利用されており,本件建物や庭園は塀で囲まれていること,開渠部分は上記庭園及び塀の外側にあることが認められる。 そうすると,開渠部分はAらが占有しているものとはいえないが,暗渠部分はAらが占有しているものというべきである。そして,暗渠部分の水路につき向野財産区の管理が及んでいるとしても,その地上部分は,Aらが庭園の一部として利用している以上,暗渠部分についてAらの占有がないということはできない。 そして,暗渠部分についてAらに占有権原がある旨の主張がない以上,Aらの同部分についての占有は違法なものというほかない。被告は,事実上黙認しているというものの,Aらと向野財産区との間で賃貸借契約の締結やそれに対する大阪府知事の認可も受けていない以 張がない以上,Aらの同部分についての占有は違法なものというほかない。被告は,事実上黙認しているというものの,Aらと向野財産区との間で賃貸借契約の締結やそれに対する大阪府知事の認可も受けていない以上,占有権原の根拠になるものではない。 したがって,暗渠部分の明渡請求を怠っていることは違法であり,原告ら(丙事件,丁事件)の上記請求には理由がある。 本件各土地の不法占有の有無(争点4)[丙事件,丁事件関係](1)後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア財産区の財産管理について㨯財産区の財産の管理等について,地方自治法296条の5第1項は,財産区の住民の福祉を増進するとともに,財産区のある市町村又は特別区の一体性をそこなわないように努めなければならないという運営の基本方針を規定し,同2項は,財産区が,その財産又は公の施設の全部又は一部の処分又は廃止をする場合には,一定の場合を除き,あらかじめ都道府県知事に協議し,その認可を得なければ,これをすることができないと規定している。 㨯羽曳野市は,財産区の所有する財産の処分の取扱いについて,財産区財産取扱要綱(以下「本件取扱要綱」という。乙37)を制定し,本件取扱要綱において,財産の処分は,関係財産区代表者の処分申請に基づき,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年羽曳野市条例第261号)及び羽曳野市財務規則(昭和57年羽曳野市規則第24号)の規定に準じて取り扱いすること(3条),財産区財産の処分時における処分金の配分方法等(5条,別表)を規定している(乙37)。 イ向野財産区について㨯向野財産区は,明治22年4月1日の市制町村制施行の実施により,丹南伊賀村,埴生野村,新田村,野々上村,向野村が合併して埴生村になった際に )を規定している(乙37)。 イ向野財産区について㨯向野財産区は,明治22年4月1日の市制町村制施行の実施により,丹南伊賀村,埴生野村,新田村,野々上村,向野村が合併して埴生村になった際に,旧向野村を区域として法人格を認めたもので,いわゆる旧財産区であり,財産区議会や財産区管理会等の財産区固有の議決機関や執行機関を有しておらず,羽曳野市は,本件取扱要綱に基づいて,向野財産区の財産について処理をしている(乙2,43,54,55)。 㨯向野財産区は,平成元年当時,z1池,d池,z2池,墓地,z3池を所有しており,d池は羽曳野市ef丁目g番h号に所在するため池(1万2701平方メートル)と同i番に所在する堤塘(3064平方メートル)からなり(乙2,44),上記各財産の中でもっとも大きなものであった。 向野財産区の財産の管理については,処分する場合の手続や処分代金の管理などの財産管理は羽曳野市(所管は総務部管財用地課)が行っているが,当該財産の維持管理(機能管理)は旧来の慣行から,向野水利組合の組合員が,10月から3月ころに行われる水抜きやd池の維持,補修を行っており,向野財産区の住民が,d池を灌漑用水として利用していた(乙55,証人E4頁)。 ウ本件売買契約について㨯向野財産区三団体は,d池の北側部分にヘドロ等が蓄積し,悪臭の苦情もあり,北側の樋門についても土砂,ヘドロ等で機能を果たさず,改修が必要であること,北側隣接地のAが購入を希望していること,北側部分を埋め立てると,樋門も埋め立てられ,北西の端から西へ抜ける水の出口がなくなってしまうため,西端を約3メートルの幅の水路敷として残して売却すること,d池の護岸工事,樋の改修費用等もAが負担することなどを検討し,地区総会で承認を得た上で,平成元年11月27日,被告に対 くなってしまうため,西端を約3メートルの幅の水路敷として残して売却すること,d池の護岸工事,樋の改修費用等もAが負担することなどを検討し,地区総会で承認を得た上で,平成元年11月27日,被告に対し,d池のうち約4800平方メートル(本件売却土地)の売却処分の申請をした。なお,Aは,向野水利組合から,上記工事費用を負担する見返りとして,本件売却土地の南側の本件各土地部分を将来,無償で貸与すると言われたが,これについての文書は一切作成されず,地区総会の議事録の中にも記載されなかった(したがって,同総会の中でその約束について話が出たかどうかも明らかでない。)(甲24,乙8,15,証人A14,32頁)。 㨯被告は,本件売却土地の測量を土地家屋調査士Fに依頼し,鑑定を株式会社南大阪不動産鑑定所に依頼した(乙16)。 株式会社南大阪不動産鑑定所は,平成元年12月4日付けで,本件売却土地の平成元年11月7日時点の評価額を4億1766万7000円とする不動産鑑定評価書を作成した(乙16)。 㨯Aは,平成元年12月19日付けで,本件売買契約をするに当たり,池の浚渫,護岸工事(d池の西側部分及び本件賃貸土地の南側部分。)及び樋門,水路改修工事の施行並びにその費用をAにおいて負担することを確約した(乙19,証人E9頁以下,証人A7頁以下,19頁)。 㨯Bは,向野財産区管理者として,平成元年12月22日,Aとの間で,本件売却土地を4億1770万円で売却するとの合意(本件売買契約) をした(乙1,38)。 本件売買契約の契約書には,売買代金は,大阪府知事の認可後,向野財産区の発行する納入通知書より20日以内に甲の指定する金融機関に納入しなければならいこと(4条1項),本件売買契約の契約の効力は,大阪府知事の処分認可があったときに生じること(9条)など 後,向野財産区の発行する納入通知書より20日以内に甲の指定する金融機関に納入しなければならいこと(4条1項),本件売買契約の契約の効力は,大阪府知事の処分認可があったときに生じること(9条)などが記載され,向野財産区管理者であるB及びAの記名捺印又は署名捺印がされている(乙1)。 㨯Bは,向野財産区管理者として,平成元年12月25日付けで,財産区財産の一部処分申請を行い,大阪府知事は,平成2年1月10日付けで,上記申請を認可した(乙2)。 㨯被告は,本件取扱要綱5条に基づいて,本件売買代金の約3割を羽曳野市の一般会計に組み入れ,約7割を向野財産区の特別会計に組み入れ,Aは,平成2年2月2日,本件売買契約に基づいて,本件売却土地の移転登記手続をした(乙3,4,16,37,弁論の全趣旨)。 エ本件各土地の占有状況について㨯Aは,前記のとおり,向野水利組合から,本件売却土地の南側にある本件各土地を,将来,無償で貸与すると言われていたため,Aらは,将来,本件各土地を本件売却土地と一体として三者で共同利用する計画の下,本件売買契約の際の前記確約に基づき,平成2年ころから,d池の西側部分を中心に浚渫工事を行い,それに引き続き,本件売却土地の埋立工事に入るとともに,前記計画の下,上記の貸与を見越して本件各土地についても埋立工事を行い,平成3年1月ころには,本件売却土地及び本件各土地の埋立てをほぼ終え,本件賃貸土地部分に植物を植えるなど,本件賃貸土地を通路ないし庭園としての整備工事ないしはその準備工事を開始した(前提事実(1)エ,甲4,乙20~25,証人E9頁以下,証人A6頁以下,18頁以下,25,26,32頁)。 㨯Aらは,上記工事と並行して,樋門・水路の改修工事と擁壁工事を行い,平成6年12月ころまでには,擁壁工事(向野財産区 5,証人E9頁以下,証人A6頁以下,18頁以下,25,26,32頁)。 㨯Aらは,上記工事と並行して,樋門・水路の改修工事と擁壁工事を行い,平成6年12月ころまでには,擁壁工事(向野財産区に約束した擁壁工事だけでなく,本件売却土地及び本件各土地の東側の擁壁工事も含む。)を完成させた(証人A5,6頁,弁論の全趣旨)。 本件建物(住宅部分)及び庭園の工事は,平成8年7月ころ,竣工し,娛聊亭は,平成9年1月8日,本件建物(住居部分)の所有権保存登記手続をし,Aは,本件建物を住居として使用した(甲9,丁11,22,27,弁論の全趣旨)。 㨯前記のとおり,平成3年1月ころには本件各土地の埋立てがされていたが,Bが向野財産区の財産管理者として財産区財産の形状変更(埋立て)の認可申請を行ったのは,平成5年12月8日であり,大阪府知事は,同月20日付けで,上記申請を認可した(乙7,39)。 上記申請書には,d池は,向野地区において維持管理してきたが,宅地化に伴う用水利用の減少及び汚水の流入により悪臭がひどく,d池の付近住民から苦情が相次いでいること,子供の水難事故等も予想されるため,d池のため池8005平方メートルのうち4000平方メートルについて埋立てをすること,埋め立てた部分の一部を交換用地とし,残部を地区広場及びゲートボール場として利用すること,埋立てに要する経費は財産区財産処分金の公共事業費積立金から支出すること,平成5年10月16日の地区総会において議決されたことなどが記載されている(乙7)。 しかし,この申請書の内容は,この申請時には,申請対象土地の埋立ては完了していたこと,旧交換土地以外の部分はAらへの貸与が予定されていたことなどの事実に反するものであった。 オ旧交換契約について㨯向野財産区三団体は,Aから,本件売却 は,申請対象土地の埋立ては完了していたこと,旧交換土地以外の部分はAらへの貸与が予定されていたことなどの事実に反するものであった。 オ旧交換契約について㨯向野財産区三団体は,Aから,本件売却土地の南側の進入路を確保す るため,土地の交換を申出があったこと,地積が同じ715平方メートルであるから等価交換であることなどを検討し,地区総会で承認の上,平成5年11月1日,被告に対し,向野財産区所有のd池及びその堤塘敷のうち約715平方メートルの交換の申請をした(乙6,28)。 㨯向野財産区は,平成5年12月8日付けで,大阪府知事に対し,財産区財産の交換の認可申請を行い,大阪府知事は,同月20日付けで,上記申請を認可した(乙6,40)。 上記申請書には,d池は農業用ため池として管理されてきたこと,宅地化に伴う用水利用の減少及び汚水の流入により悪臭がひどく,d池の付近住民から苦情が相次いでいること,Aから,本件売却土地の進入路を確保したいとして,土地の交換を申出があったこと,地積が同じ715平方メートルであること,同じd池内であり,等価と認められることから平成5年10月30日の地区総会において議決されたことなどが記載されており,交換物件位置図及び求積図,土地登記簿謄本,地積図(A”の地積は690.46及びC”の地積は24.57(合計715. 03)であり,D”の地積は715.01である。)などが添付された(乙6)。 㨯向野財産区と日本マトラスとは,平成6年1月20日,向野財産区所有の土地約715平方メートルと日本マトラス所有のg-p土地(約714平方メートル。乙12)を交換するとの契約を締結した(以下「旧交換契約」という。乙5)カ貸与申請及び本件賃貸借契約について㨯向野財産区三団体は,向野財産区財産の一部貸与についての申請書を 14平方メートル。乙12)を交換するとの契約を締結した(以下「旧交換契約」という。乙5)カ貸与申請及び本件賃貸借契約について㨯向野財産区三団体は,向野財産区財産の一部貸与についての申請書を,平成6年5月1日付けで作成した。なお,本件売買契約の際の申請書(乙15)と異なり,羽曳野市の受付印は押されておらず,申請日は不明である(乙8)。 上記貸与申請書添付の地区総会議事録には,d池のうちの3318平方メートルをAに貸与したいこと,本件売買契約の際,向野水利組合は,Aが家屋を建設する時には,d池の西側の堤塘が傷んでいるので,しっかりとしたコンクリート擁壁にしてほしいこと,水利組合は,その見返りとして,池の南側と擁壁の間の土地を無償で貸与するという条件をつけていたこと,Aが擁壁工事に着手されたので,南西部の3318.70平方メートルを貸与すること,Aが擁壁とともに水路を造ること,賃貸期間については定めないこと,貸与について賛成多数で決議されたことなどが記載されている(乙8)。 㨯向野財産区は,平成11年9月1日,日本マトラスとの間で,向野財産区が所有する本件賃貸土地(3318.70平方メートル)を,賃貸期間同日から10年間,賃料1か年12万円で日本マトラスに賃貸する契約(本件賃貸借契約)を締結した(乙9,41)。 本件賃貸借の契約書には,庭園として使用することを目的とすること(2条),賃貸期間は同日から10年とし,向野財産区,日本マトラス,向野水利組合,向野部落会から別段の意思表示がない時は,同一条件で更新するものとすること(3条),日本マトラスが自社所有地の東面堤塘を擁壁した際,d池の堤塘及び用水路並びにd池下流の向池の整備を向野財産区に代わってすることを条件としたものであり,日本マトラスの総工事費は,約3億円が必要にな ,日本マトラスが自社所有地の東面堤塘を擁壁した際,d池の堤塘及び用水路並びにd池下流の向池の整備を向野財産区に代わってすることを条件としたものであり,日本マトラスの総工事費は,約3億円が必要になること(5条),日本マトラスは,向野財産区,向野水利組合及び向野部落会の承諾なくして本件賃貸土地を無断で転貸してはならないこと(7条)などが記載されている(乙9)。 また,本件賃貸借契約の契約書には,株式会社路次建設工業の請求書(849万1835円,向池改修工事と記載されたもの。),日本国土開発株式会社の総括表(2億8000万,d池改修工事と記載されたもの。),地積測量図が添付されており,上記の日本国土開発株式会社の 総括表は,昭栄興業株式会社と日本国土開発株式会社との間で締結されたA邸新築工事に伴う追加工事の工事請負契約書に添付された総括表と同一のものであり,同契約の工事内容は,本件各土地及び本件売却土地の,排水工事,土工事(盛土,整地など),法面工事(人工芝筋工など)や上記各土地の周囲の擁壁工事などである(乙9,丁1,16)。 キ本件交換契約について㨯向野財産区,日本マトラス,向野部落会及び向野水利組合は,旧交換契約について協議し,向野財産区が,日本マトラスに対し,平成11年9月1日,旧交換契約の交換面積715平方メートルに1248平方メートルを加算した1963平方メートルを追加することを合意(本件交換契約)した(乙11,41)。 㨯被告は,本件交換契約に本来必要な大阪府知事の認可を受けなかった(乙55)。 㨯日本マトラスは,平成11年12月14日,g-r土地(67平方メートル),g-q土地(1895平方メートル。m-o土地の分筆前のもの。)につき,本件交換契約に基づき,別紙登記目録記載の所有権移転登記手続を行い,平成12年 年12月14日,g-r土地(67平方メートル),g-q土地(1895平方メートル。m-o土地の分筆前のもの。)につき,本件交換契約に基づき,別紙登記目録記載の所有権移転登記手続を行い,平成12年8月3日,g-q土地からg-s土地を分筆した(乙13,14)。 娛聊亭は,平成13年9月1日,日本マトラスからg-s土地を購入し,別紙登記目録記載の所有権移転登記手続を行った(甲26の2)。 (2)ア被告及びAらは,Aらが平成2年後半ころから,約1年かけて行った工事は,d池に土砂を入れ,重機を入れてヘドロを取り出すという浚渫工事であり,本件各土地を平成3年ころから埋め立てたことはないと主張する。 しかし,被告は,当初,平成3年以降の航空写真において埋め立てられているようにみえるのは,毎年冬に行われるd池の水抜きのためであると 主張し,Aらは,d池の西側の干上がっていた池の底の凸凹部分を平成5年12月に整地したことはあるなどと記載した株式会社路次建設工業代表取締役Iの陳述書(丁9)を提出していた。上記浚渫工事の主張や陳述がされたのは,訴訟の終盤(Aの証人尋問期日以後)であり,このような主張立証がされた経緯自体,同主張の信用性に疑いを抱かせるものである。 Aは,上記陳述書について,Iは,d池と向池の工事を勘違いしたもので,その内容を確認しないまま書証として提出してしまったと供述するが(証人A11頁,63頁),およそ不自然な供述であり,信用することはできない。 証人A及び同Eは,被告及びAらの上記主張に沿う供述をするが,その供述内容は,要旨,ヘドロの浚渫を行うために,西側から東側に水面よりも約2メートルほど高く土砂を入れた上で,東側に重機を進めてヘドロを取ったというものである。しかし,前記のとおり,d池には㨯門があり,これにより水抜きがで の浚渫を行うために,西側から東側に水面よりも約2メートルほど高く土砂を入れた上で,東側に重機を進めてヘドロを取ったというものである。しかし,前記のとおり,d池には㨯門があり,これにより水抜きができるのであるから,水抜きをして重機でヘドロを取れば足りるのであって,池に重機を降ろすための足場として多少の土砂を入れる必要があるとしても,Aらが供述するような大量の土砂を入れる必要性は見出し難い。また,証人Aは,上記浚渫工事が完了するまで2年末から3年末までは少なくともかかり,同工事のために入れた土砂等は取った上で,平成6年5月ころ,池の埋立工事を開始したと供述するが(証人A11,36,61頁),平成6年1月1日ころには,本件賃貸部分に何らかの構造物が建築され始めており,平成7年1月1日ころには,建物や庭園が整備されつつあったこと(乙23,24)と矛盾する。また,平成4年ころ,d池の周囲の標高は,本件売却土地及び本件各土地を除き,41.8~42.8メートルであるのに(甲5,乙34),本件売却土地及び本件各土地の標高は43.2~47.2メートルと高く,標高47.2メートルの部分は本件賃貸土地の南側であり,庭園の築山の部分と一部一 致する(乙34,35,証人A9頁)ことからしても,上記Aの供述は不合理であり,信用できない。なお,この点について,証人Eは,この高い部分は,d池からのヘドロを積み上げたものであると供述する(58頁)が,悪臭の除去を目的として浚渫工事をしながら,長期間に渡って(同証人は,ヘドロを平成2年から平成3年にかけて除去したと供述している(54頁)),悪臭の原因であるヘドロを5メートルもの高さで積み上げていたというのは不合理である上,同証人は,上記部分はd池の底が見えているものであるとも供述する(56頁)など,その供述には ている(54頁)),悪臭の原因であるヘドロを5メートルもの高さで積み上げていたというのは不合理である上,同証人は,上記部分はd池の底が見えているものであるとも供述する(56頁)など,その供述には一貫性もなく,信用できない。 イ被告及びAらは,航空写真(乙20~23)は,毎年冬に行われるd池の水抜きがされており,池の底地が写っているものと考えられること,本件賃貸土地のうち,標高が47.2メートルの部分は,庭園の築山のためではなく,もともと周辺よりも高く,自然の変化であると主張する。 しかし,前記のとおり,d池の周囲の標高(42.0メートル)よりも,本件売却土地及び本件各土地の標高(43.2~47.2メートル)が高くなっていることだけからしても,上記航空写真がd池の底地を写したものとは認められない。また,標高が47.2メートルの部分は,その部分のみが昭和60年よりも約5メートルも高くなっているのであり(乙34,45),これを自然隆起と考えることは無理である。 そうすると,被告及びAらの上記主張及びこれに沿う各供述は,いずれも採用できず,前記のとおり,Aらは,平成3年1月には既に本件売却土地及び本件各土地を埋め立て,その後,庭園等に必要な工事をするなどして,本件各土地を占有していたというべきである。 (3)次に,このようなAらの占有が占有権原に基づくものか否かを,以下の時期ごとに検討する。 ア平成3年から平成6年1月19日(旧交換契約締結前)まで Aらは,前記のとおり,向野財産区が平成5年に形状変更認可を受ける以前から,本件各土地を埋め立て,通路や庭園に整備する工事を始めている。そして,Aらがこのような工事のために本件各土地を占有する権原を認めるに足りる証拠はない。確かに,Aらは,この時期,本件売買契約に際して確約した浚渫工事, て,通路や庭園に整備する工事を始めている。そして,Aらがこのような工事のために本件各土地を占有する権原を認めるに足りる証拠はない。確かに,Aらは,この時期,本件売買契約に際して確約した浚渫工事,水路・樋門の改修工事,擁壁工事等を行っており,Aらには,これらの工事をする限度でd池を占有する権原はあったといえる。また,前記のとおり,Aは,向野水利組合から将来本件賃貸土地を無償で使用させると言われていたという事実もある。しかし,これらの事実を前提としても,上記浚渫工事等の必要を離れて,本件各土地を埋め立てて,これを将来の利用に備えて庭園等に整備する工事等をする権原があるとはいえない。 したがって,Aらの本件各土地の占有は占有権原を欠くもので,違法である。 イ平成6年1月20日以後,平成11年9月1日まで㨯旧交換土地前記のとおり,旧交換土地に関する同日以後の訴えは不適法なので,判断しない。 㨯本件追加交換土地及び本件賃貸土地について被告は,向野財産区三団体は,平成6年5月1日付けで,擁壁を造成してもらった見返りとして,d池の一部を無償貸与することを決め,向野財産区管理者に申請しており,向野財産区三団体は,d池の維持・管理のための占有権を有しており,Aらは,向野財産区三団体が有する占有権を承継したと主張する。 前記((1)イ㨯)のとおり,向野財産区の財産の管理については,処分する場合の手続や処分代金の管理などの財産管理は羽曳野市が行っているが,当該財産の維持管理(維持管理)は旧来の慣行から,向野水利 組合の組合員が,10月から3月ころに行われる水抜きやd池の維持,補修を行っており,向野財産区の住民が,d池を灌漑用水として利用していたことが認められる。 そうすると,向野財産区三団体が旧慣による使用権を有しているとしても,その内容 行われる水抜きやd池の維持,補修を行っており,向野財産区の住民が,d池を灌漑用水として利用していたことが認められる。 そうすると,向野財産区三団体が旧慣による使用権を有しているとしても,その内容は,d池の機能(灌漑用水として利用)を維持するための管理を行う権限があるにとどまり,それを超えて,d池の形状変更や貸付け,長期間に渡る使用収益をさせるまでの権限を有しているものはいえない。 したがって,向野財産区三団体が貸与申請をしたとしても,そのことによってAらの占有が適法になるものではなく,被告の上記主張は失当である。 㨯水路部分前記1のとおり,開渠部分について,Aらが占有していると認めるに足りる証拠はない。 前記1のとおり,暗渠部分は,Aらが占有しているというべきであるが,Aらに占有権原はなく,違法である。 ウ小括したがって,Aらの平成6年1月19日までの本件交換土地及び本件賃貸土地の占有,同日以後平成11年8月31日までの本件追加交換土地及び本件賃借土地の占有並びに暗渠部分のAらの占有には,占有権原が認められず,違法である。 Aらの故意・過失の有無(争点5)[丙事件,丁事件関係]Aらには,上記期間において,占有権原に基づかない占有の事実が認められるから,向野財産区はAらに対し不当利得返還請求権を有するものと認められるが,原告らは,Aらに対する不法行為に基づく損害賠償請求権についても主張しているから,Aらの故意・過失の有無についても判断を加えることにする。 この点について,被告及びAらは,占有権を有する向野財産区三団体がAらにその占有を認めていたものであるから,Aらに不法占有について故意・過失はないと主張する。 しかし,本件交換契約及び本件賃貸借契約を締結するまでは,Aらに,本件各土地の占有権原を基礎付けるものはなく,せ の占有を認めていたものであるから,Aらに不法占有について故意・過失はないと主張する。 しかし,本件交換契約及び本件賃貸借契約を締結するまでは,Aらに,本件各土地の占有権原を基礎付けるものはなく,せいぜい,将来,本件交換契約や本件賃貸借契約の締結及び大阪府知事の認可によって占有権原が認められる予定であるという状況があっただけである(前記のとおり,向野財産区の住民の旧慣による使用権は,d池を灌漑用水として利用するためにd池を維持・管理する権限にとどまり,d池の形状を変更させたり,排他的な占有を認める権限は有しない。)。 そして,前記のとおり,Aは,本件売買契約(平成元年12月22日)を締結した際,向野財産区三団体との間で事実上の合意をしただけでなく,同財産区の代表者である羽曳野市長との間で売買契約書を作成しており,同契約書には,大阪府知事の認可があって初めてその効力が発生することなどが記載されていたことなどからすれば,Aは,向野財産区三団体から事実上占有を認められるだけでは足りず,向野財産区との正式な契約書作成などの法的手続が必要であることを十分認識し得たものというべきである。そして,前記のとおり,娛Aらは,聊亭及び日本マトラスも含め,Aの主導の下,共同して本件各土地の埋立工事等を進めたものであるから,Aら全員について,上記認識可能性を認めることができる。 したがって,原告らには,本件各契約以前にされた本件各土地の違法な占有について,少なくとも過失があるというべきである。 したがって,被告及びAらの上記主張は採用できない。 Bの責任原因の有無(争点6)[丙事件,丁事件関係]原告らは,Bは,向野財産区に対し不法行為ないし債務不履行責任を負うと主張する。 前記のとおり,向野財産区は,財産区固有の機関がない以上,羽曳野市長は,財産 無(争点6)[丙事件,丁事件関係]原告らは,Bは,向野財産区に対し不法行為ないし債務不履行責任を負うと主張する。 前記のとおり,向野財産区は,財産区固有の機関がない以上,羽曳野市長は,財産区の運営の基本方針(その住民の福祉を増進するとともに,財産区のある市町村又は特別区の一体性をそこなわないように努めなければならない。)に従って,財産区の財産を管理すべき義務を負う。 そして,前記認定事実,証拠(乙1,2,15,19,A21頁,E9,21,52頁)及び弁論の全趣旨によれば,Bは,平成元年12月,向野財産区の財産管理者として,Aに対し,d池の約3分の1に当たる本件売却土地を売り渡し,それに必要な大阪府知事への認可申請を行っていること,Aは,本件売買契約に際し,d池の浚渫,護岸工事及び㨯門,水路改修工事を施工する旨確約していること,そして,そのAが確約した護岸工事の範囲は,本件売却土地部分に限らず,本件賃貸部分の西側及び南側まで及んでいたこと,Bは,上記認可申請書の中で,Aが上記各工事の施工を確約していると述べていること,向野財産区の財産には,d池のほか,z1池,z2池,墓地,z3池があるが,d池はその中でも最も大きなものであること,羽曳野市には28の財産区があるが,ため池等の財産について,本件のように大きな契約や工事が頻繁になされているわけではないことが認められる。このように,d池は,向野財産区にとって主要な財産であり,本件売却土地の売買は,その一部(当時のd池の約3分の1)の埋立てや護岸工事等,通常の維持管理の域を超える同池の形状や設備等に大幅な変更を伴うものであった以上,Bはその財産管理者として,羽曳野市の担当部署(総務部管財用地課)の職員や向井の財産区の役員などを通じて,その後の工事の状況に注意を払うなどして,必要に応じた適 等に大幅な変更を伴うものであった以上,Bはその財産管理者として,羽曳野市の担当部署(総務部管財用地課)の職員や向井の財産区の役員などを通じて,その後の工事の状況に注意を払うなどして,必要に応じた適切な処置を行う職務上の義務があったというべきである。しかるに,前記認定事実に照らせば,Bは,埋立てが完了している本件各土地について,未だ埋め立てられていないかのような記載をして形状変更の認可申請をしたこと(2(1)エ㨯)に象徴されるように,Aらが本件売却土地の範囲を超え,本件各土地の埋立てまで行っていることを把握していなかったか,あるいはそれを把握しつつもそれに 対し適切な措置を講じなかったと認められるから,上記義務に違反し,過失があるというべきである。 損害額又は不当利得額(争点10)[丙事件,丁事件関係](1)前記のとおり,上記各土地は埋め立てられるなどして,庭園及び進入路として利用されているので,その現況を前提として,上記各土地の賃料相当損害額を検討する。 原告らは,甲第31,32号証の近隣の土地の賃貸料を参考にして,本件賃貸土地(水路部分を含む。)について,1か月当たり,150万円の賃料相当額の損害金,本件追加交換土地について1か月当たり53万6363円の賃料相当額の損害金が生じていたと主張する。しかしながら,甲第31,32号証の近隣の土地がどのような基準で選ばれたか不明であって,平成3年1月以後の上記各土地における賃料相当額が原告らの主張する上記額であると認めるに足りる証拠はない。 (2)原告らは,羽曳野市行政財産使用条例における使用料相当額の損害ないし利得が生じていると主張する。そして,証拠(乙56)によれば,同条例は,行政財産の目的外使用許可を受けた場合の使用料について,当該財産の価額(公有財産台帳に記載された価額 る使用料相当額の損害ないし利得が生じていると主張する。そして,証拠(乙56)によれば,同条例は,行政財産の目的外使用許可を受けた場合の使用料について,当該財産の価額(公有財産台帳に記載された価額)に基本率を掛けたものと定め,基本率を土地については原則3%としている。しかるに,原告らは,本件各土地の価額について,隣地の固定資産税評価額によるべきであるとして,公有財産台帳に記載された価額を主張立証していない。そして,公有財産台帳に記載された価額が隣地の固定資産評価額以上であることを認めるに足りる証拠はない以上,原告らの上記主張は理由がないといわざるを得ない。 (3)したがって,本件における主張,証拠によっては,Aらの本件賃貸土地,本件追加交換土地,水路部分の不法占有による相当な損害額ないし利得額を算定することはできない。そして,上記損害は,損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときにも該当しないから,民事訴訟法248条 を適用することも相当でない。 しかしながら,原告らは,本件において,上記各主張の他,証拠上認め得る損害額ないし利得額の請求も求めていると解されるので,検討するに,賃貸借契約において,通常,固定資産税の税額(固定資産税の評価額の百分の1.4(地方税法350条,羽曳野市税条例64条参照))未満の賃料を設定することはあり得ないから,本件各土地の占有によって,最低限,上記税額相当額の損害ないし利得額が生じたものと認められる。したがって,現在の証拠関係において,これが適切な損害額ないし利得額であるとはいえないものの,少なくとも,固定資産税の評価額の1.4パーセントは,その損害ないし利得として評価できるというべきである。 そして,証拠(甲30,31)及び弁論の全趣旨によれば,本件各土地の各年度の固定資産税の評価額相 くとも,固定資産税の評価額の1.4パーセントは,その損害ないし利得として評価できるというべきである。 そして,証拠(甲30,31)及び弁論の全趣旨によれば,本件各土地の各年度の固定資産税の評価額相当額(本件各土地は,前記期間において,向野財産区の財産であり,上記各土地の固定資産税の評価はされていないものがあるが,その隣地(d池を埋め立てた後の本件売却土地や旧交換土地。)の評価額をもってその相当額と解するのが相当である。)は,少なくとも,別紙損害額算定表3の表①の固定資産税評価額欄記載のとおりであると認められるから,丙事件及び丁事件で認め得る損害額ないし利得額は,別紙損害額算定表3の表②の損害額合計欄記載のとおりである。 本件賃貸借契約の解除を怠る事実の有無(争点11)[丁事件関係]原告らは,本件賃貸借契約が有効であるとしても,日本マトラスは,ハンナンに対し,本件賃貸土地を使用料1回3000円で賃貸しており,無断転貸に当たると主張する。 娛しかし,ハンナンと日本マトラス及び聊亭との間の契約は,ハンナンにおいて使用する必要がある場合に限って,日本マトラスの了解を得た上で使用するというものであって,本件各土地についての転貸借と評価できるとしても一時的なものであって,向野財産区と日本マトラスとの間の信頼関係を破壊する に足りるものとまで認めることはできない。 そうすると,被告が,そのような事情を考慮した上で,無断転貸による解除権の行使をしないことが違法であるとは認められない。 したがって,原告らの上記主張は採用できない。 賃料増額請求権の行使を怠る事実の有無(争点12)[丁事件関係]原告らは,本件賃貸借契約の賃料が著しく低額であるとして,賃料増額請求権を行使すべきであると主張する。 確かに,本件賃貸借契約の賃料(本件賃貸土地(33 行使を怠る事実の有無(争点12)[丁事件関係]原告らは,本件賃貸借契約の賃料が著しく低額であるとして,賃料増額請求権を行使すべきであると主張する。 確かに,本件賃貸借契約の賃料(本件賃貸土地(3318.70平方メートル),年12万円)は低額にすぎると言わざるを得ない(本件賃貸借契約の契約書(乙9)は,賃料をこのように低く設定した理由について,日本マトラスが総額で約3億円支払ってd池の擁壁工事等を行うためなどと説明しているが,この工事には,本件売却土地の買主として負担することが通常であるものも含まれ(本件売買契約の際の鑑定書(乙17)は,売買代金の評価に当たり,浚渫,擁壁等の工事費用,水路付け替え,改修の工事費用が買主の負担になることを考慮している。),また,本件賃貸借契約に添付された2億8000万円の工事内容には,芝筋工など,d池の堤塘・用水路の整備とは全く無関係なものや本件売却土地や旧交換土地を対象とする工事も含まれていること(丁1)などからすると,十分な説明になっているとはいえない。)。 しかし,前記((1)カ㨯)で認定したとおり,本件賃貸借契約は建物所有目的のものではない(乙9,41)から,借地借家法11条1項を賃料増額請求権の根拠とすることはできず,他に,同請求権を基礎付ける根拠を認めるに足りる証拠はない。 したがって,原告らの上記主張は採用できない。 結論 以上のとおり,別紙原告目録4記載の原告ら(丙事件)の請求のうち,別紙娛物件目録記載1の土地に関する請求5(1)は,B,日本マトラス,A及び聊 亭に対し,連帯して25万4604円及びこれに対する平成17年7月23日(不法行為の後の日。以下同じ。)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払うよう求める限度で,同目録記載2の土地に関する請求5(3)は,同人らに 04円及びこれに対する平成17年7月23日(不法行為の後の日。以下同じ。)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払うよう求める限度で,同目録記載2の土地に関する請求5(3)は,同人らに対し,連帯して1293万0692円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう求める限度で,同目録記載3の土地に関する請求5(5)は,同人らに対し,連帯して271万3304円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう求める限度で,同目録記載5及び6の土地に関する請求5(7)は,同人らに対し,連帯して3636万7032円及びこれに対する平成17年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう求める限度で理由がある。 別紙原告目録5記載の原告ら(丁事件)の請求のうち,同目録記載2の土地娛に関する請求6(3)は,B,日本マトラス,A及び聊亭に対し,連帯して371万3198円及びこれに対する平成19年3月21日(不法行為の後の日。 以下同じ。)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払うよう求める限度で,同目録記載5及び6の土地に関する請求6(7)は,同人らに対し,連帯して1044万3212円及びこれに対する平成19年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう求める限度で理由がある。 このように丙事件と丁事件の各原告らの間で認容金額が異なるが,これは,請求の対象とするAらの不法占有の期間が異なるためであり(第4の10参照),共通の期間についての認容額は同一であるから,類似必要的共同訴訟の本質に反するものではない。 第7 結論 以上のとおり,本件訴えのうち,主文1項記載の訴えは不適法であるから,これらをいずれも却下することとし, についての認容額は同一であるから,類似必要的共同訴訟の本質に反するものではない。 第7 結論 以上のとおり,本件訴えのうち,主文1項記載の訴えは不適法であるから,これらをいずれも却下することとし,原告らのその余の請求は,主文2項~6項記載の限度で理由があるから,これらをいずれも認容することとし,その余は理由 がないから,これらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官廣谷章雄裁判官森鍵一裁判官森永亜湖

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