判決原告ラポロアイヌネイション被告国被告北海道 主文 1 本件訴えのうち水産資源保護法28条が原告の別紙漁業権目録記載の漁業に関する限り無効であることの確認を求める訴えを却下する。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告が別紙漁業権目録記載の漁業権を有することを確認する。 2 水産資源保護法28条(昭和26年法律第313号)が原告の別紙漁業権目録記載の漁業に関する限り無効であることを確認する。 第2 事案の概要本件は、北海道十勝郡浦幌町内に居住するアイヌで構成される団体であって、権利能力なき社団である原告が、被告らに対し、原告はアイヌの集団としての固有の権利である内水面(海面以外の水面をいう。漁業法60条5項5号参照)におけるサケ捕獲権、具体的には別紙漁業権目録記載の漁業権(以下「本件漁業権」という。)を有する旨主張するとともに、内水面におけるさけの採捕を原則として禁止する水産資源保護法28条が原告の別紙漁業権目録記載の漁業(以下「本件漁業」という。)に関する限り無効である旨主張して、行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)4条後段所定の実質的当事者訴訟として、原告が本件漁業権を有することの確認を求める(以下、この訴えを「本件漁業権確認の訴え」という。)とともに、水産資源保護法28条は本件漁業に関する限り無効であることの確認を求める(以下、この訴えを「本件無効確認の訴え」という。)事案で ある。 1 前提事実(当事者間に争いがないか、証拠又は弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)⑴ 関係法令等の定め 、この訴えを「本件無効確認の訴え」という。)事案で ある。 1 前提事実(当事者間に争いがないか、証拠又は弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)⑴ 関係法令等の定め別紙関係法令等のとおりである。 なお、同別紙における略語は本文においても用いる。 ⑵ 原告についてア原告は、北海道十勝郡浦幌町内に居住するアイヌで構成される団体であって、権利能力なき社団である。 イ原告は、令和2年7月20日、その名称を浦幌アイヌ協会からラポロアイヌネイションに変更するとともに、その目的を、先住民族アイヌの尊厳を確立するため、サケ捕獲権をはじめとするアイヌの先住権を獲得し、また、人種、民族に基づくあらゆる障壁を克服し、その社会的地位の向上と文化の保存・伝承及び発展に寄与することに変更した(甲1の1、2)。 第3 争点 1 本案前の争点本件訴えの適法性(争点⑴) 2 本案の争点原告が本件漁業権を有するか及び水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効であるか(争点⑵)第4 当事者の主張 1 争点⑴(本件訴えの適法性)について(被告らの主張)次のとおり、本件訴えは不適法であるから却下されるべきである。 ⑴ 本件漁業権確認の訴えについてア法律上の争訟に当たらないこと 行政事件を含む民事事件における審判の対象は、裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」、すなわち、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られる(最高裁昭和51年(オ)第749号同56年4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁、最高裁平成2年(行ツ)第192号同3年4月19日 令の適用により終局的に解決することができるものに限られる(最高裁昭和51年(オ)第749号同56年4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁、最高裁平成2年(行ツ)第192号同3年4月19日第二小法廷判決・民集45巻4号518頁参照)。 一般に、私人が河川(内水面)において漁をすることは、公法上(行政法上)の法律関係においては、公共用物(自然公物)である河川の使用を意味することになるから、本件漁業権についても、公共用物である河川(内水面)を使用する権利を主張するものと解すべきことになる。 この点、公共用物の使用については、公物管理等の観点からの法的規制が行われることが認められており、このような規制がある公共用物の使用を求めることは、公法上の法律関係としては、当該規制の不適用ないし解除を求めることを意味するものであるから、その可否は、当該規制に係る法令の解釈適用により決せられるべきことになる。そして、水産資源保護法28条本文により河川を含む内水面におけるさけの採捕は原則として禁止されており、この規制の例外は同条ただし書所定の場合に限られている。原告には内水面における何らの漁業の免許も付与されていないし、また、原告が内水面において刺し網によりさけを採捕するためには、道知事から本件規則52条に基づく許可(以下「特別採捕許可」という。)を受けるほかないが、この許可は、水産資源保護法28条本文による禁止を解除するというものであって、原告に何らかの権利を与えるものではないから、原告が確認を求める本件漁業権には実定法上の根拠がない。 また、先住民族宣言そのものに国連加盟国に対する法的拘束力はなく、また、これに基づいて原告が主張する集団的権利は、国際慣習法上、確立した 権利であるともいえない。 このように、原告が確認を求める本件 民族宣言そのものに国連加盟国に対する法的拘束力はなく、また、これに基づいて原告が主張する集団的権利は、国際慣習法上、確立した 権利であるともいえない。 このように、原告が確認を求める本件漁業権については、公法上の法律関係として公共用物の使用に係る規制の不適用ないし解除を認める実定法上の根拠がないといわざるを得ない。 以上からすれば、原告の主張する本件漁業権は、実定法上の根拠に基づいた権利又は法的利益ではなく(前記①の要件の欠如)、本件漁業権の存否に関する紛争は、裁判所において適用すべき実定法の適用によって解決することができるものでもない(前記②の要件の欠如)。 したがって、本件漁業権確認の訴えは、「法律上の争訟」に当たらないから不適法である。 イ 「公法上の法律関係に関する確認の訴え」(行訴法4条後段)の対象となるべき適格を欠くこと一般に、民事訴訟の確認の訴えにおいては、訴訟要件として、確認の利益、すなわち、原告の権利又は法律的地位に不安が現に存在し、かつ不安を除去する方法として原告・被告間でその訴訟物たる権利又は法律関係の存否の判決をすることが有効・適切であることが必要であるとされており、ここで確認の対象となるためには、確認の対象として選ばれた訴訟物が、原告・被告間の紛争解決にとって有効・適切であること(対象選択の適切性)が必要である。そして、行訴法4条後段の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」は民事訴訟制度における確認の訴えであるから、上記のことが同様に当てはまるというべきである。 これを本件についてみると、本件漁業権確認の訴えの対象となる本件漁業権は、前記アのとおり、現行の法令の解釈によっておよそ導き出すことができるものではなく、国会において、原告について本件漁業権の行使を可能とする立法措置を新たに講じな 権確認の訴えの対象となる本件漁業権は、前記アのとおり、現行の法令の解釈によっておよそ導き出すことができるものではなく、国会において、原告について本件漁業権の行使を可能とする立法措置を新たに講じなければ、実定法上の権利として観念することができないものである。 そうすると、本件漁業権は、実定法上の具体的な権利とはいえず、裁判所の判断によってその存否を確定することに適した対象とはいえない。 したがって、本件漁業権確認の訴えは、確認の訴えの対象となるべき適格を欠くものであるから不適法である。 ⑵ 本件無効確認の訴えについてア法律上の争訟に当たらないこと法令は、通常、一般的又は抽象的な規範を定立するにすぎないから、法令自体が具体的な特定の内容を有する場合や、法令の内容自体は抽象的であるが、その直接の効果として個人の具体的な権利義務に影響を及ぼす場合等でない限り、法令自体の適法性や有効性を争う訴えは、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争に当たらないという点において、「法律上の争訟」には当たらないというべきである。 これを本件についてみると、水産資源保護法28条は、同条ただし書所定の例外を除いて、内水面においては溯河魚類のうちさけを採捕してはならない旨を一般抽象的に定める規定であるから、同条が、特定の当事者を念頭に置いており、具体的な特定の内容を有するものということはできない。また、同条が、要件等の規定の仕方は一応抽象的になっているものの、実際には特定の者に対してのみ効果を生じさせることを目的として定められ、他の者に適用される可能性がない場合にも当たらないから、同条の直接の効果として個人の具体的な権利義務に影響を及ぼすものということはできない。 以上によれば、本件無効確認の訴えは、原告と被告らとの間に の者に適用される可能性がない場合にも当たらないから、同条の直接の効果として個人の具体的な権利義務に影響を及ぼすものということはできない。 以上によれば、本件無効確認の訴えは、原告と被告らとの間における具体的な紛争を離れて、水産資源保護法28条の規定が無効であるか否かの判断を求めるものに帰し、「法律上の争訟」に当たらないから、不適法である。 イ 「公法上の法律関係に関する確認の訴え」(行訴法4条後段)の対象となるべき適格を欠くこと一般に、法令の有効無効は、確認の訴えの対象にはならないと解されてい る。また、「公法上の法律関係に関する確認の訴え」という行訴法4条後段の文言や、現在の権利又は法律関係の確認を求めるべきであるとする民事訴訟法における確認訴訟の原則からすると、基本的には、確認の訴えの対象として、原告の現在の権利義務や法的地位に引き直した請求を定立する必要があると解されるところ、仮に本件漁業権確認の訴えが適法である場合には、対象選択の適切性という点からは、本件無効確認の訴えよりも、原告が主張する現在の権利関係である本件漁業権を直接の確認対象とする本件漁業権確認の訴えの方がより有効・適切であるということができる。 したがって、原告が主張する権利又は法律的地位の不安を除去するために他に適切な確認対象があるといえるから、対象選択の適切性を欠き、本件無効確認の訴えは確認の利益を欠くというべきである。 以上のとおり、本件無効確認の訴えは、確認の利益を欠き不適法である。 (原告の主張)⑴ 本件漁業権確認の訴えについてア法律上の争訟に当たること原告の主張する本件漁業権は、成文法に定めはないが、後記2(原告の主張)のとおり、先住民族の固有の権利として存在する。また、被告らが引用する最高裁判決は、本件とはまったく事情 上の争訟に当たること原告の主張する本件漁業権は、成文法に定めはないが、後記2(原告の主張)のとおり、先住民族の固有の権利として存在する。また、被告らが引用する最高裁判決は、本件とはまったく事情を異にすることが明らかである。 したがって、被告らの主張には理由がない。 本件漁業権確認の訴えは、原告がサケを捕獲した場合に刑事処罰を受けるかどうかという具体的な争いの前提として、原告がサケ捕獲権を有するかどうかの確認を求めるものであるから、具体的な権利義務に関わる争いであり、かつ、法の適用による終局的解決が可能なものである。 したがって、本件漁業権確認の訴えは「法律上の争訟」に当たる。 イ行訴法4条後段の確認の訴えの対象となるべき適格があること現在の法解釈の下では、原告が無許可でサケを捕獲すれば罰則が科せられ る可能性があり、原告の本件漁業権が行政の行為によって脅かされている状況にある。原告が刑事捜査や刑事訴追を受ける事態に発展する前に、原告が本件漁業権を有していることの結果として漁業法等関係法令によってサケの捕獲は禁止されていないことを明確にし、原告が法令所定の許可を得ることなくサケを捕獲したとしても罰則を科せられないことを確認することには十分な利益がある。 したがって、本件漁業権確認の訴えの対象である本件漁業権には確認の訴えの対象となるべき適格がある。 ⑵ 本件無効確認の訴えについて争う。 2 争点⑵(原告が本件漁業権を有するか及び水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効であるか)について(原告の主張)⑴ 原告の主張するサケ捕獲権の性質(集団としての固有の権利)ア原告の主張するサケ捕獲権は、先住民族であるアイヌの集団としての権利である。この集団は、アイヌ民族全体を指すのではなく、歴史的にサケ ⑴ 原告の主張するサケ捕獲権の性質(集団としての固有の権利)ア原告の主張するサケ捕獲権は、先住民族であるアイヌの集団としての権利である。この集団は、アイヌ民族全体を指すのではなく、歴史的にサケを捕獲し、形成された集団であり、一般に「コタン」と称されているものである。 そして、原告はアイヌによって組織される集団であるところ、原告の構成員のほとんどは、その先祖が現在の浦幌町及びその周辺、特に旧十勝川(現在の浦幌十勝川)河口流域に居住し、複数のコタン(主にトカチブトないしトカチコタン)を構成していた者の子孫である。原告は、令和2年に規約を改正し、「サケ捕獲権をはじめとするアイヌ先住権を獲得」することを目的として掲げ、名称もラポロアイヌネイションと変更した。このように、原告は、アイヌの集団としての権利の主体たるべく活動をしている団体である。 イ権利の集団性アイヌの集団としての権利は、アイヌの歴史、特にコタンという集団が歴 史的に特定の河川流域に独占的・排他的漁猟権を有していたことから裏付けることができる。 人類学者である渡辺仁の論文「アイヌの生態系」によれば、コタンは1戸から10戸以上まであるが普通は10戸をこえないとされ、コタンは河川にそって分布し、その間隔は8km以内4km前後が普通で、コタンの立地条件は飲料水と漁猟採取場であるが、特に重要なのはサケの産卵場であり、発達したサケ産卵場に近い河岸段丘の辺縁に位置するのが普通である。コタンのサイズと生産上の協力関係は、3戸あるいはそれ以下の場合は、何らかの漁猟活動上で単一協力群を形成するとされる。旧十勝川河口流域のコタンは基本的に戸数の少ない規模のコタンであるため、相互のコタンが協力関係にあったとみることができる。原告の構成員の先祖は、このようにコタン同士が協力関係にあ 形成するとされる。旧十勝川河口流域のコタンは基本的に戸数の少ない規模のコタンであるため、相互のコタンが協力関係にあったとみることができる。原告の構成員の先祖は、このようにコタン同士が協力関係にあったため、現在において共同して原告という集団を結成したものである。 また、上記論文によれば、コタンは、「サケ産卵場」を独占的・排他的に支配し、これを犯す侵入者に対してはコタンとして制裁を科す、という支配領域をもって存在していた。 さらに、上記論文によれば、一つの川筋にあって互いに隣り合ういくつかのlocalgroup(小地縁集団)がある場合、この集団はその河川およびその流域を縄張りとすることで他から区別される。この縄張りはあらゆる資源の開発について四季の別なく外部者の無断侵入を拒否する。このような川筋集団は、地域を単位としてその土地のカムイ(神)とそこのアイヌとの間に設定され、川筋集団はカムイとの地縁的結合関係を共有する人々の集団として最大の単位とされている。 このように、原告は、旧十勝川河口部において、その土地のカムイとの地縁的結合関係を共有する人々の川筋集団(コタン)の現代における承継組織であり、旧十勝川河口流域での独占的・排他的漁猟権を引き継いでいる。そ して、コタンはサケ産卵場を中心として集団を形成するため、基本的にはサケの捕獲について独占的・排他的権限を有するのである。 ウ権利の固有性原告が主張するアイヌの集団としての権利は、世界の先住民族の集団としての権利と同様であり、それは先住民族の固有の権利である。固有の権利という意味は、憲法や法律等によってはじめて認められる権利ではないという意味である。 すなわち、先住民族宣言前文7段落おいて、「先住民族の政治的、経済的及び社会構造並びにその文化、精神的伝統、歴史及 いう意味は、憲法や法律等によってはじめて認められる権利ではないという意味である。 すなわち、先住民族宣言前文7段落おいて、「先住民族の政治的、経済的及び社会構造並びにその文化、精神的伝統、歴史及び哲学に由来する先住民族の固有の権利」と明記されているところ、原告のサケ捕獲権は、有史(アイヌに関して和人によって記録される7世紀)以前から「その文化、精神的伝統、歴史及び哲学」に基づいて確立されてきたものであり、まさに固有の権利なのである。 アイヌの歴史前記イのとおり、歴史的にアイヌはコタンという集団を組織して特定の河川流域に独占的・排他的漁猟権を有していたことに加え、幕末の幕府直轄時代においても蝦夷地は「異域」(化外の地)、アイヌは「異域に住む者」(化外の民)として、幕藩制の直接の支配下には置かれなかった。 また、幕末には、場所請負人によってアイヌは労働力を搾取されていたものの、「自分稼ぎ」と称するアイヌ集団の一員として漁猟を行っていた。 「自分稼ぎ」とは、各コタンが有していた支配領域において集団の一員として漁猟をなし、捕獲物の所有権を取得していたことを指す。そして、アイヌは、捕獲したサケをはじめとする海産物や狩猟で得た動物の毛皮などについて商人と交易をしていた。 したがって、アイヌは、歴史的にコタンという集団を形成し、集団として独占的・排他的漁猟を営み、漁猟で得た産物を生活の糧とするのみなら ず、交易をすることによってその生計を立てていたのである。この長年にわたる歴史的事実により、サケ捕獲権がアイヌの権利として確立し、固有の権利とみなされるのである。 アイヌの文化、精神的伝統及び哲学例えば、アイヌは、サケにまつわる精神的世界、サケに関わる料理方法や衣 獲権がアイヌの権利として確立し、固有の権利とみなされるのである。 アイヌの文化、精神的伝統及び哲学例えば、アイヌは、サケにまつわる精神的世界、サケに関わる料理方法や衣服製作等々、サケを中心とした独自の文化を築いてきた。 また、前記イの論文にあるように、サケ捕獲を通じて川筋流域のカムイとの地縁的結合関係を共有する精神的世界観を形作っている。 このように、アイヌの文化、精神的伝統及び哲学もサケ捕獲権の固有性を根拠付けるのである。 この点に関連して、自由権規約委員会によりされた自由権規約27条の解釈についての統一見解である一般的意見23の7項は、「27条において保障される文化的権利の行使に関して、委員会は、文化というものは様々な形、特に資源利用に結び付いた独特の生活様式といった形で、それ自身を表現する」としている。つまり、文化は、資源利用に結び付いた生活様式(wayoflife)なのである。この生活様式としての権利には「漁業又は狩猟などの伝統的活動を行う権利」「も含まれる」とされており、単に「伝統的活動」にとどまらない先住民族の生活様式によって表現されるものが文化なのである。アイヌの集団は、サケを捕獲することによって生活の糧とするとともに、干しサケに加工して交易をしていたのであり、これは生業としての文化なのである。 被告らは、本件規則52条の特別採捕許可により、100尾のサケの捕獲が許可されており、これによって原告の文化享有権は保障されている旨主張するが、捕獲した100尾のサケは販売が禁止され、かつて生業としていたサケ漁に関わる一切の経済活動が不可能となっている。被告らの上記主張は、そもそも自由権規約27条に規定する文化を保障したものでは なく、同条の保障を拒否する日本独自の見解に基づく主張 ていたサケ漁に関わる一切の経済活動が不可能となっている。被告らの上記主張は、そもそも自由権規約27条に規定する文化を保障したものでは なく、同条の保障を拒否する日本独自の見解に基づく主張なのであり、国際的に受け入れられてはいない。 なお、一般的意見23の6.2項は、このような先住民族の文化についての権利は、集団に対してもその権利の主体となることを認めている。これは先住民族社会では、土地や資源の所有、管理、使用の権利等は、個人ではなく、集団に属するとされており、個人の権利に解消できない側面があるからである。このように、自由権規約委員会は、マイノリティに属する個人の権利を共同して行使しうること、また、マイノリティに属する個人の権利を保障する前提としてマイノリティ集団自体も保護されることを指摘し、集団の権利主体性を認めた。 エ小括以上のように、原告の主張するサケ捕獲権は、アイヌの歴史によって形成され、その文化、精神的伝統及び哲学に由来する権利であり、集団としての固有の権利なのである。 ⑵ 本件漁業権の内容本件漁業権の内容は別紙漁業権目録記載のとおりであるが、漁法は船外機を付けた舟を利用した刺し網漁である。 本件規則52条では、特別採捕許可につき、「内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発」のためという不当な要件が付されている。現在、原告が特別採捕許可を得てサケを捕獲する場合、舟は丸木舟を使用し、マレックと呼ばれるアイヌ独特の銛を使用するよう指導されており、採捕したサケの販売もできない。 しかし、アイヌは江戸時代までサケ漁を続け、明治時代以降にこれが違法に禁止されたが、サケ漁が禁止されなければ、当然ながら現在において新技術を用いたエンジン付きの漁船やナイロン網等を 売もできない。 しかし、アイヌは江戸時代までサケ漁を続け、明治時代以降にこれが違法に禁止されたが、サケ漁が禁止されなければ、当然ながら現在において新技術を用いたエンジン付きの漁船やナイロン網等を使用していたはずである。実際に、江戸時代においても、当時普及していた刺し網漁は行っていたことは網針が遺 骨副葬品として返還された際に確認できた。このように新技術を利用した漁猟を行うことは、権利として認められるべきである。 したがって、原告の主張するサケ捕獲権の内容は上記のように整理することができる。 ⑶ 本件漁業権の法的根拠ア条約等我が国において、国が批准した条約は、公布のみによって国内的効力を持ち、法律に優位する(憲法98条2項)。したがって、法律は条約に適合するように制定され、また解釈適用されなければならず、条約に抵触する限りにおいて裁判では適用を退けられなければならない。 我が国が批准し賛成した各条約、宣言(自由権規約、社会権規約、人種差別撤廃条約及び先住民族宣言)は、少数民族である原告の漁業権を保障しており、これを認めない法律等はその限りにおいて無効である。 自由権規約自由権規約27条は「種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。」と定め、少数民族の文化享有権を保障している。また、前記のとおり、自由権規約27条は、経済活動を含めた少数民族の天然資源利用の権利及び漁業狩猟の権利を、集団的権利として保障している。 人権条約においては、条約の国内実施を各国の恣意に任せないよう、条約上、制度運用の任務を与えられた条約機関 含めた少数民族の天然資源利用の権利及び漁業狩猟の権利を、集団的権利として保障している。 人権条約においては、条約の国内実施を各国の恣意に任せないよう、条約上、制度運用の任務を与えられた条約機関である規約委員会が、その任務を遂行し、機関として条約解釈を行っている。したがって、条約の解釈においては、これら委員会の総括所見、一般的意見及び見解が権威ある解釈とされ、締結国は条約の誠実順守義務の履行として、これらに十分な考 慮を払わなければならない。 自由権規約委員会は、自由権規約27条の解釈について、一般的意見23において、「第27条によって保護される権利は個人の権利であるが、かかる権利は少数民族の集団が自己の文化、言語又は宗教を維持する能力にも依存している。従って、少数民族の同一性及びかかる少数民族の構成員が他の構成員とともに自己の文化及び言語を享有し発展させ、また自己の宗教を実践する権利を保護するための締結国による積極的措置もまた必要である」(6.2項)、「本条によって保護される個人の権利のある側面(たとえばある特定の文化を享有すること)は、領土及びその資源の使用に密接に関係する生活様式に存する場合がある。このことは特に少数民族を構成するその先住民の共同体に属する者に当てはまる」(3.2項)として、先住民族について資源利用の集団的権利を認めている。 また、同意見は、「第27条において保護される文化的権利の行使に関して、委員会は、文化というものは様々な形、特に資源使用に結び付いた独特の生活様式といった形で、それ自身を表現すると考える。この権利には、漁業又は狩猟などの伝統的な活動を行う権利及び法律によって保護された居留地で生活する権利も含まれる。かかる権利の享有は積極的な法的保護措置及び少数民族の集団に属する構成員が自己 える。この権利には、漁業又は狩猟などの伝統的な活動を行う権利及び法律によって保護された居留地で生活する権利も含まれる。かかる権利の享有は積極的な法的保護措置及び少数民族の集団に属する構成員が自己に影響を与える決定に実効的に参加することを確保する措置を必要とする」(7項)として、経済活動も含めた先住民族の漁業・狩猟権を保障している。 さらに、同意見は、「第27条に関連する権利は、締結国に対し特定の義務を課すものである」として(9項)、締結国である我が国は、経済活動も含めた「漁業狩猟などの伝統的活動を行う権利」を原告に保障する義務を負っている。 社会権規約社会権規約第15条1項(a)は、すべての者に対し「文化的な生活に 参加する権利」を保障しているところ、社会権規約委員会は2009年(平成21年)、同権利について一般的意見21を採択した。 同意見は、同条の保障する文化的な権利が、人間の尊厳の維持と多様で多文化な世界における個人と共同体の間の積極的な社会相互作用にとって本質的なものであると指摘し(1項)、この権利は、その本質において「自由」として特徴付けられ、国家に積極措置を求めるとともに、文化的な慣行等への不介入を要求すると指摘している(6項)。 また、同意見は、同条の権利は集団的な権利でもあって、個人として、他者と共同して、又は共同体ないし集団として行使しうるとし(7項、9項)、特に先住民族の同権利については、非常に共産的であるか、又は共同体としてのみ表現され行使されると指摘する(36項)。 特に、同意見は、先住民族について、同条には、先住民の先祖伝来の「土地、領域および資源に対する権利」が含まれ、先住民の生活手段を含む特有の生活様式の衰退、彼らの天然資源の喪失、さらに究極的には、先住民が有する文化的 住民族について、同条には、先住民の先祖伝来の「土地、領域および資源に対する権利」が含まれ、先住民の生活手段を含む特有の生活様式の衰退、彼らの天然資源の喪失、さらに究極的には、先住民が有する文化的アイデンティティの喪失を防ぐため、「締結国は先住民が共有する土地、領地及び資源を所有、開発、管理及び使用する先住民の権利を承認し、これを保護する措置を講じなければなら」ないとしている(36項)。 人種差別撤廃条約a 人種差別撤廃条約1条1項は、「この条約において「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的もしくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人種及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。」と定めており、外務省もアイヌは同条約の規定する「民族的又は種族的出身」の範疇に含まれるとしている。上記 「差別」は、平等の立場での基本的自由の享有、行使を妨害する「目的」行為だけではなく、結果として妨害する「効果」を有する間接差別を含んでいる。 また、人種差別撤廃条約5条は、「第2条に定める基本的義務に従い、締結国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種、皮膚の色又は民族的若しくは種族的出身による差別なしに、すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する。」と定めた上、「(d)他の市民的権利、特に、」「(v)単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利」を定めている。すなわち、人種差別撤廃条約は、先住民族が「単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利」の享受にあたり、締結国があらゆる形態の 「(v)単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利」を定めている。すなわち、人種差別撤廃条約は、先住民族が「単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利」の享受にあたり、締結国があらゆる形態の差別を禁止し撤廃すること、差別なく法の下での平等を保障するよう求めている。そして、人種差別撤廃条約においても、先住民族の財産権概念については共産社会的、集団的概念として原理的に拡張されており、先住民族に属する個人のみに保障されるのではなく、集団的な特質を持つ権利として集団的に保障されるものである。 b 人種差別撤廃委員会は、1997年(平成9年)、先住民族に関する一般的勧告23を行い、締結国に対し、「国家の文化的アイデンティティを豊かにするものとして、先住民族の異なった文化、歴史、言語、および生活様式を認識し、且つ尊重すること、並びにその維持を促進すること」等を要請するとともに、「先住民族の共有地・地域及び資源を所有し、開発し、管理し及び使用する先住民の権利を承認し及び保護すること、先住民族が伝統的に所有してきた土地・地域が奪われ、又は当該土地・地域が先住民の自由な且つ十分に説明を受けてなされる同意なしに、他の者に居住され若しくは使用されている場合には、当該土地・地域を返還するための措置をとること」を要請し、実際上の理由によりこれが 不可能な場合にのみ、原状回復を受ける権利に代えて、正当な、公正な且つ迅速な補償を得る権利が認められるべきであるとし、かかる補償は、可能な限り土地・地域の形態をとるべきであるとした。 また、同委員会は、我が国に対し、先住民族であるアイヌの土地や資源に関する権利を保護するよう繰り返し勧告している。 c 以上のとおり、人種差別撤廃条約5条は、先住民族集団である原告が歴史的に有してきたサケ資源に対する権利 に対し、先住民族であるアイヌの土地や資源に関する権利を保護するよう繰り返し勧告している。 c 以上のとおり、人種差別撤廃条約5条は、先住民族集団である原告が歴史的に有してきたサケ資源に対する権利を承認しているのであり、締結国である我が国はその権利を保護し、それが奪われている場合には返還する義務を負っている。人種差別撤廃条約は憲法98条2項により法律に優越する効力を有するから、人種差別撤廃条約に反する法律は無効である。また、条約の自動執行性が直ちに認められない場合であっても、人種差別撤廃条約の内容は憲法14条の解釈を通じて実現されるから、人種差別撤廃条約に反する法令は同条に反し、無効である。すなわち、先住民族である原告のサケ捕獲を禁じる限度において、水産資源保護法は人種差別撤廃条約及び憲法に反し、無効である。 先住民族宣言我が国も賛成して2007年(平成19年)に採択された先住民族宣言も、25条及び26条において、先住民族の土地、領域及び資源に対する権利を保障し、「国はこれらの土地、領域及び資源に対して法的な承認及び保護を与えなければならない」と定め、2条において「先住民族及び先住民族である個人は・・・その権利の行使に当たり、いかなる差別、特に先住民としての出自又はアイデンティティに基づく差別を受けない権利を有する」と定めている。 先住民族宣言は、国際人権法の諸原則とその発展を踏まえたという内容面及び先住民族当事者が積極的に関与したという手続面において、高い正当性を有し、国連総会で圧倒的多数の賛成により採択されたという点で、 国際社会の支持を得た国連人権文書としての権威をもつ。まして、我が国は、その内容に賛同して賛成票を投じたのであるから、この宣言が述べる国際的な基準の趣旨を、先住民族に関する施策の策定 、 国際社会の支持を得た国連人権文書としての権威をもつ。まして、我が国は、その内容に賛同して賛成票を投じたのであるから、この宣言が述べる国際的な基準の趣旨を、先住民族に関する施策の策定や実施にあたって及び司法判断の指針として、活用していくべきことは当然である。 イアイヌ施策推進法アイヌ施策推進法4条は、アイヌ民族への差別を禁止し、アイヌ民族の権利利益の侵害を禁止している。 自由権規約及び人種差別撤廃条約は国内において直接的効力を有しており、国内法に優先する効力がある。社会権規約15条は、自由権としての性質を有するものとして国内における裁判規範性及び優越的効力を有する。また、我が国は先住民族宣言に賛成したのであるから、この内容を国の施策に反映させ、アイヌ施策推進法の内容として具体化する義務を負っている。したがって、少なくとも、先住民族であるアイヌ民族に対する差別の禁止及び権利利益の保障についてのアイヌ施策推進法4条の解釈にあたっては、前述した上記各条約等の内容に基づかなければならない。 先住民族集団である原告のサケ捕獲を禁止することは、上記各条約等が保障する先住民族であるアイヌの資源に対する権利を奪い、その文化、信仰及びアイデンティティの保持を危機にさらす差別であり、先住民族としてアイヌが有し、行使してきた権利を侵害するものであって、アイヌ施策推進法4条に反し、違法である。 ウ憲法上の保障 憲法14条前記のとおり、人種差別撤廃条約は、先住民族の土地及び資源所有、管理、使用の権利を奪うことは違法な差別であり、締結国はこのような差別を行ってはならないと定めている。人種差別撤廃条約は国内法的効力を有し、その効力は法令よりも上位である。そして、一般的勧告23が、締結 国に対し、前 法な差別であり、締結国はこのような差別を行ってはならないと定めている。人種差別撤廃条約は国内法的効力を有し、その効力は法令よりも上位である。そして、一般的勧告23が、締結 国に対し、前記のとおり要請していることをも踏まえれば、憲法14条は、先住民族であるアイヌ集団に対し、その伝統的に居住する地域における資源であるサケの捕獲権を保障しているというべきである。 したがって、原告のサケ捕獲を禁止する水産資源保護法28条及び本件規則は、原告のサケ捕獲を禁止する限りにおいて憲法14条に反し、違憲無効である。 憲法29条アイヌのサケ捕獲の権利は、慣習法上及び条理上の財産権であり、憲法29条により保障されることはいうまでもない。 しかし、この権利は、単なる財産権ではなく、前記各条約等の指摘するとおり、先住民族の文化的アイデンティティの前提となる精神的権利でもある。また、この権利は、先住民族に対する差別故に入植者や政府によって奪われてきた権利として、人種差別撤廃条約により承認され、保護される権利である。 前記のとおり、我が国が自由権規約、社会権規約及び人種差別撤廃条約を批准していることに鑑みて、憲法は先住民族であるアイヌ集団の資源に対する共同的権利を保障している。 憲法13条憲法13条の幸福追求権は、前段の「個人の尊重」を受けて、人格的自律の存在として自己を主張し、そのような存在であり続けるうえで重要な権利・自由を包括的に保障する権利(包括的基本的人権)であると解される。「個人の尊重」は、個人を犠牲にする全体主義を否定するものであって、先住民の文化における共同性を否定するものではない。先住民族が伝来の土地や資源について、共同性を持って利用してきたことは、その文化や精神性において不可欠であり、憲法上も 主義を否定するものであって、先住民の文化における共同性を否定するものではない。先住民族が伝来の土地や資源について、共同性を持って利用してきたことは、その文化や精神性において不可欠であり、憲法上も尊重されるべきものである。 サケは、アイヌにとって、民族の食料としてのみならず、その文化にと って極めて重要な存在であり、先住民族であるアイヌ民族の政治、経済、社会及び文化に加え、信仰、世界観等の精神的基盤をなす。サケは、アイヌによって漁法、調理等を含めたアイヌ文化の重要な基盤を構成し、アイヌの宗教的、精神的世界を形成してきた。 したがって、サケ捕獲権は、原告の構成員にとっても、民族固有の文化を維持しこれを享有するという自己の人格的生存に必要な権利である。そして、自己のアイデンティティの基礎となる民族の自覚、民族固有の文化は、民族集団の存在を離れて維持し、享有することは不可能である。 以上のとおり、先住民族の伝来の資源を享有する権利は、先住民族の生活手段を保持し、生活様式を維持し、先住民族集団が経済的に存続し、次代につながっていくために必要不可欠な権利であり、属する個人にとっても文化的アイデンティティを保持する前提となる権利なのである。このような権利は、憲法13条により保障される。 憲法20条アイヌのサケ捕獲行為は、儀式や漁法はもとより、漁が始まる準備段階から行為全体を通して、カムイ(神)への感謝及びカムイとの繋がりという宗教的要素が色濃く認められる。サケの捕獲は、宗教儀式の中核であり、サケの捕獲が禁止されるのであれば、その豊漁とアイヌの繁栄、神への感謝を行うアシリチェプノミ等の儀式そのものが意味を失う。 したがって、かかるアイヌのサケ捕獲行為は、超自然的、超人間的本質(すなわち、絶対者、造物主、至高の存在等、 その豊漁とアイヌの繁栄、神への感謝を行うアシリチェプノミ等の儀式そのものが意味を失う。 したがって、かかるアイヌのサケ捕獲行為は、超自然的、超人間的本質(すなわち、絶対者、造物主、至高の存在等、とりわけ神、仏、霊等)の存在を確信し、畏敬崇拝する心情と行為という側面を有することは明らかである。かかる行為の権利は、現行法下においても、先祖伝来の土地及びその土地における資源を通じて神々とつながり、祈りを捧げるという宗教的行為の自由として、憲法20条1項によって保護されるべき権利である。 エ慣習法 公序良俗に反しない慣習は、法令が認め、あるいは法令が規定しない事項については法律と同一の効力をもつものであり、憲法の領域において合理的な内容をもち、規範意識を伴って遵守されていく慣習法は、成文法規を補充する憲法の一つの法源となりうる。したがって、このような慣習は、「法律と同一の効力」(法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)3条)のみならず、憲法上の権利としての効力を有する。 江戸時代においては、アイヌ集団のサケ捕獲権はアイヌの慣習によって認められ、統制されていた。すなわち、これが認められるアイヌ集団や捕獲の場所的・時間的・手段的範囲は、すべてアイヌの慣習によって定められていた。この慣習は、アイヌ集団同士で解決する場合(チャランケ)だけでなく、松前藩が漁猟権の紛争を解決する際にもアイヌ集団同士が当然に拘束される規範として成立していたものである。したがって、原告のサケ捕獲権は、少なくとも江戸時代から引き継がれ、現代に至る慣習であり、この慣習は拘束力を持って継続されているものなのである。 また、このような慣習は、国家や社会の利益を害するものでもなく、一般的道徳観念に反するものでもないから、通則法3条にいう公の秩序又は であり、この慣習は拘束力を持って継続されているものなのである。 また、このような慣習は、国家や社会の利益を害するものでもなく、一般的道徳観念に反するものでもないから、通則法3条にいう公の秩序又は善良の風俗に反しないものであることは明らかである。 さらに、前記のとおり、水産資源保護法28条がサケ捕獲権を一切認めていないことは国際法上先住民族の権利の保障規定に反するものであるから、原告のサケ捕獲権は法令に規定されていない事項に該当する。 したがって、原告のサケ捕獲権は、通則法に基づく慣習法により根拠付けられるとともに、憲法上の権利とも位置付けられる。 オ条理これまでの主張のとおり、原告のサケ捕獲権は、条約、憲法、慣習法等によって、認められる権利であることは明らかである。しかしながら、仮にこれらの規範が原告のサケ捕獲権の根拠とはならないとされた場合であって も、それは法律等に規定がないだけであって、原告のサケ捕獲権は条理によって認められる権利であると解釈されなければならない。 「条理」とは、一般に正義にかなう普遍的原理と認められている諸原則である。この点、これまでの主張に加えて、明治16年には、原告のサケ捕獲権は、日本政府によって何ら合理的な根拠なく、また何らの代償措置がとられることもなく、全面的に禁止措置がとられるに至ったものであり、かかる措置は国家による不正義の最たるものといえる。また、前記各条約等は、国境を越えた普遍的原理になっているものといえること等に照らせば、このような正義にかなう普遍的原理を条理とみなして、原告の本件漁業権が認定されるべきである。 したがって、原告のサケ捕獲権は条理によって認められる権利である。 ⑷ 結論以上によれば、原告は本件漁業権を有し、また、水産資源保護法28条 告の本件漁業権が認定されるべきである。 したがって、原告のサケ捕獲権は条理によって認められる権利である。 ⑷ 結論以上によれば、原告は本件漁業権を有し、また、水産資源保護法28条は本件漁業に関する限りにおいて無効である。 (被告らの主張)⑴ 慣習法に関する原告の主張についてア法律による行政の原理の下、行政権限行使の対象となる私人の権利自由の根拠に関し、行政法の法源としての慣習法の成立の余地を認めるとしても、それが成立するためには、少なくとも既存の法律に反しないことが必要である。 そして、原告が特定の河川の内水面で行うさけの捕獲については、漁業法、水産資源保護法、本件規則等によって禁止され又は刑罰の対象とされることがないとの慣習は、水産資源保護法28条の規定文言に明らかに抵触する上、水産資源保護法28条ただし書が定める免許又は許可を受けることなく同条本文の適用を免れるのを認めることは、産卵をするために河川に遡上した親魚を産卵前に採捕すれば、その河川から発生する次の世代の再生産が途絶 えてさけ資源が枯渇するというさけの特性に照らし、さけ資源確保のために河川等の内水面におけるさけの採捕を原則として禁止した同条の立法趣旨に反する。 そうすると、原告が主張する慣習は、水産資源保護法28条に反するものであるから、それが行政法の法源たる慣習法として成立する余地はない。 イまた、原告が挙げる①自由権規約27条及び②先住民族宣言は、いずれも原告が主張するようなさけ捕獲権等の権利を保障することまでを締結国に義務付けるものではない。 すなわち、①自由権規約27条は、その文言からも明らかなとおり、少数民族が自己の文化を享有する権利について規定するにとどまり、土地や資源に関する権利を規定するものではな 義務付けるものではない。 すなわち、①自由権規約27条は、その文言からも明らかなとおり、少数民族が自己の文化を享有する権利について規定するにとどまり、土地や資源に関する権利を規定するものではないから、原告が主張するような水産資源保護法の規制の及ばないさけ捕獲権を保障することまでを締約国に義務付けるものではない。原告がその主張の根拠として援用する自由権規約委員会の一般的意見は、我が国を含む締約国に対して法的拘束力を有するものではなく、締約国がこれに従うことを義務付けられているものではないことからすると、同意見をどのように踏まえて、自由権規約の規定を解釈し、実施するかについては、締約国において個別に判断することが許されていると解される。そして、我が国においては、アイヌ施策推進法17条により、アイヌの人々による儀式等の保存若しくは継承又は儀式等に関する知識の普及及び啓発を目的とするさけ採捕について、一般の特別採捕許可申請を行う場合よりも手続が簡素化されているのであって、アイヌの人々に対しては、その文化を享受する権利がしかるべく保障されており、自由権規約27条の趣旨にも沿った国内政策が実施されている。 次に、②先住民族宣言は、平成19年に国連総会において採択された決議であるところ、国連総会決議は国際連合憲章10条等を根拠とするものであって、飽くまで勧告にすぎず、国連加盟国に対する法的拘束力を有するもの ではない。 そうすると、これらの条約等によっても、河川等の内水面におけるさけの採捕を原則として禁止する水産資源保護法28条及び本件規則が、アイヌのさけ捕獲権を対象としていないと解釈することはできない。 ウ小括以上に加え、後記のとおり、水産資源保護法28条が原告に適用される限 護法28条及び本件規則が、アイヌのさけ捕獲権を対象としていないと解釈することはできない。 ウ小括以上に加え、後記のとおり、水産資源保護法28条が原告に適用される限りにおいても憲法14条1項又は原告が挙げる各条約に違反して無効であるとは認められないことをも併せ考慮すると、原告が主張するさけ捕獲権が通則法3条所定の「法令に規定されていない事項に関するもの」とはいえず、慣習法としても本件漁業権は認められない。 したがって、慣習法に関する原告の主張は理由がない。 ⑵ 条約に関する原告の主張についてア自由権規約27条前記のとおり、自由権規約27条は、同条が規定する少数民族に対し、原告が主張するさけ捕獲権を保障することを締約国に義務付けるものではないし、我が国においては、同条の少数民族が自己の文化を享有する権利が適切にアイヌの人々に保障されている。 したがって、自由権規約に関する原告の主張には理由がない。 イ社会権規約15条社会権規約15条1項の「すべての者」に対し「文化的な生活に参加する権利」を認めるとの文言からして、同規定は、個人が文化的な生活に参加する権利を規定するにとどまり、「少数民族」という「集団」の「漁業権」を保障することまでをその締約国に義務付けるものではない。ましてや、原告が主張するようなさけ捕獲権を保障することまでをその締約国に義務付けるものでないことは明らかである。また、アイヌの人々に対する国内政策は、社会権規約15条1項の規定の趣旨にも沿うものである。 この点、原告は社会権規約委員会の一般的意見を援用するが、前述した一般的意見の法的効力等からすれば、これは社会権規約15条1項が「少数民族」という「集団」の「漁業権」を保障 。 この点、原告は社会権規約委員会の一般的意見を援用するが、前述した一般的意見の法的効力等からすれば、これは社会権規約15条1項が「少数民族」という「集団」の「漁業権」を保障することまでを締約国に義務付けるものではないとの上記結論に影響を及ぼすものではない。 したがって、社会権規約に関する原告の主張には理由がない。 ウ人種差別撤廃条約水産資源保護法28条は、地域や対象を限定することなく、河川等の内水面におけるさけの採捕を原則として禁止し、これによりさけの保護培養を図り、将来にわたってさけ資源を維持するためのものである。そうすると、同条は、アイヌの人々であるか否かを問わず、免許又は許可のない限り、一律にさけの採捕を禁止するというものであって、およそ、アイヌの人々を差別し、その「平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使すること」を「妨げ又は害する」(人種差別撤廃条約1条1項)ものではないから、人種差別撤廃条約に抵触するものではなく、まして、同条約が水産資源保護法の規制の枠を超えて、原告が主張するようなさけ捕獲権を保障することを締約国に義務付けるものでないことは明らかである。 また、原告は人種差別撤廃委員会の一般的勧告を援用するが、前述した一般的意見(勧告)の法的効力等からすれば、これは人種差別撤廃条約が水産資源保護法の規制の枠を超えてさけ捕獲権を保障することを締約国に義務付けるものではないとの上記結論に影響を及ぼすものではない。 したがって、人種差別撤廃条約に関する原告の主張には理由がない。 ⑶ 集団的権利及び国際慣習法に関する原告の主張について集団的権利は国際慣習法上確立した権利とはいえない。 ア原告が国際慣習法として成立していると主張する先住民族の権利の内容は、先住民族 ⑶ 集団的権利及び国際慣習法に関する原告の主張について集団的権利は国際慣習法上確立した権利とはいえない。 ア原告が国際慣習法として成立していると主張する先住民族の権利の内容は、先住民族宣言26条に規定されるものと同様のものであると解されるところ、前記のとおり、先住民族宣言のような国連総会決議は、飽くまで勧告 にすぎず、国連加盟国に対する法的拘束力を有するものではない。 イまた、一般国際法上、国際慣習法の成立要件としては、①諸国家の一定の行為の積み重ねを通じて国際的な慣行が生じたこと(一般慣行)、②それが多数の国によって法的に義務的又は正当なものとして認められるに至ったこと(法的確信)が求められている。 そして、㋐先住民族宣言の採択時における、ⓐ我が国の「本宣言中には、いくつかの権利を集団的権利として規定しているが、集団的な人権という概念は国際法において広く認知され、各国が受け入れたものとはいえない」、「本宣言に規定される権利が、他の個人の人権を害するものとなってはならないと考える。また、我々は、所有権に関しては、各国の確立した民事法制等によって権利の内容が定められていることを認識している。したがって、日本国政府は、本宣言に規定されている土地等に対する所有権及びその他の利用権については、その行使の在り方も含め、第三者の権利及び公共の利益との調整及び保護の観点から、合理的制約に服するものと考える。」との発言、ⓑ英国の「国際法における集団的人権の概念を認めない」旨の発言並びにⒸオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、メキシコ及びタイといった国々の「先住民族宣言第26条等に記載される土地・資源等に対する権利については、先住民族に対して、独占的・排他的にこれらを所有・使用する権利を認めるものではなく、その権利行使の シコ及びタイといった国々の「先住民族宣言第26条等に記載される土地・資源等に対する権利については、先住民族に対して、独占的・排他的にこれらを所有・使用する権利を認めるものではなく、その権利行使の在り方については、それぞれの国内法の下で解釈され、また、既に合法的に権利を有している第三者の権利を侵害するものであってはならない」趣旨の発言、㋑2018年(平成30年)11月19日の国連総会第三委員会における、ⓐブルガリア、フランス及びスロバキアを代表して発言したルーマニアの「出身、文化、言語、信条によって定義されるいかなる集団の集団的権利を認め」ない旨の発言並びにⓑ英国の上記㋐ⓑと同旨の発言に照らすと、国際社会において、原告が主張する先住民族の「集団的権利」(原告が強調する先住民族宣言26条に規定 される権利を含む。)を認める①一般慣行も②法的確信も存在するとはいえない。そうすると、このような「集団的権利」が国際慣習法上確立した権利であると認めることはできない。 ウしたがって、集団的権利及び国際慣習法に関する原告の主張には理由がない。 ⑷ 憲法に関する原告の主張についてア憲法14条1項憲法14条1項は、法の下の平等を定めており、この規定は、不合理な差別的取扱いを禁止する趣旨であると解すべきことは、確立した判例法理である(最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁等)。このように、憲法14条1項が定める法の下の平等は、他者との比較において成立する相関的な権利であり、その適合性審査は、①別異取扱いがあるかどうか、②あるとされた場合にはそれが正当化されるかどうか、という二段階でされる。 しかるに、水産資源保護法28条は、所定の例外を除いて、河川等の内水面においてさけを採 審査は、①別異取扱いがあるかどうか、②あるとされた場合にはそれが正当化されるかどうか、という二段階でされる。 しかるに、水産資源保護法28条は、所定の例外を除いて、河川等の内水面においてさけを採捕することを認めていないのであるから、そもそも、同条自体によって、アイヌの人々とそうでない者との間で河川等の内水面においてさけを捕獲する権利又は法的地位に差異がもたらされるものとはいえない。そうすると、水産資源保護法28条は、アイヌの人々とそうでない者との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものとはいえず、憲法14条1項に違反するものではないし、また、同項により原告の主張するようなさけ捕獲権が保障されるものでもない。 したがって、憲法14条1項に関する原告の主張には理由がない。 イ憲法29条、13条及び20条1項憲法29条、13条及び20条1項の各規定によって、アイヌの人々のさけ捕獲行為が権利として保障される余地があるとしても、絶対無制約のもの ではなく、公共の福祉(憲法12条、13条、22条及び29条)による制約を受けるものであるし、アイヌの人々のさけ捕獲行為にも水産資源保護法の規制が及ぶものであることも踏まえると、憲法29条、13条及び20条1項の各規定によって、原告が主張するようなさけ捕獲権が直ちに保障されるものではない。 したがって、憲法29条、13条及び20条1項に関する原告の主張には理由がない。 ⑸ 条理に基づく原告の主張について行政法の法源としての条理とは、信義誠実の原則、権利濫用禁止の原則、比例原則、平等原則など成文法源が存在しないとしても当然に適用されると考えられる原則をいい、法律による行政の原理が妥当する場面では、法律に基づいて導かれた結論を条理により修正することは、一般的に認められないという 原則など成文法源が存在しないとしても当然に適用されると考えられる原則をいい、法律による行政の原理が妥当する場面では、法律に基づいて導かれた結論を条理により修正することは、一般的に認められないというべきである。そして、これまでに述べたとおり、水産資源保護法28条は、所定の例外を除いて、河川等の内水面においてさけを採捕することを認めていないところ、前記の水産資源保護法28条の立法趣旨等に鑑みれば、同条が強行法規であることは明らかであり、また、後記のとおり、同条が原告に適用される限りにおいて憲法又は原告主張の各条約に違反して無効であるとは認められないことからすれば、水産資源保護法28条に抵触する内容の条理を推考する余地はなく、条理を根拠とする本件漁業権は認められないというべきである。 したがって、条理に関する原告の主張には理由がない。 ⑹ 水産資源保護法28条が無効であるとはいえないことア水産資源保護法は、水産資源の保護培養を図り、かつ、その効果を将来にわたって維持することにより、漁業の発展に寄与することを目的とし(1条)、「内水面においては、溯河魚類のうちさけを採捕してはならない。」(28条本文)と規定し、さけの特性や我が国におけるさけ資源の重要性に鑑み、溯河魚類の中でも重要なさけに関して、原則として、河川等の内水面におけ る採捕を地域や対象を限定することなく一律に禁止している。 すなわち、さけは、河川で産卵し、ふ化した稚魚は、降海して広範な回遊を行いながら成魚となり、主に4年後、生まれた河川を中心に回帰遡上して産卵し、その一生を終えるという特性を持つ魚であり、このような特性を持つさけについては、河川に遡上した親魚を産卵前に採捕すれば、その河川から発生する次の世代の再生産が絶えることとなり、 回帰遡上して産卵し、その一生を終えるという特性を持つ魚であり、このような特性を持つさけについては、河川に遡上した親魚を産卵前に採捕すれば、その河川から発生する次の世代の再生産が絶えることとなり、さけ資源が枯渇することとなる。そして、さけはそのような特性を有する遺伝的に地域性のある魚であることから、一部の地域や対象に限定してさけの採捕を禁止することでは、さけ資源保護の目的を達成することは困難である。 以上からすれば、さけ資源の枯渇を回避するためには、産卵前の親魚が採捕されることのないように、内水面におけるさけの採捕を原則として禁止する必要があるというべきである。 イこのように、水産資源保護法28条本文は内水面におけるさけの採捕を原則として禁止しており、その結果、アイヌの人々による儀式等の継承等を目的とするさけ採捕を含む全ての内水面におけるさけ採捕が原則として禁止されることとなるが、同条ただし書は、例外として、免許のほか都道府県知事の許可等を受けることによる内水面におけるさけの採捕を認めている。 そして、北海道においては、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発等のためであれば、本件規則52条に基づく特別採捕許可を知事から受けることにより内水面においてさけの採捕を行うことができ、さらに、アイヌ政策推進法17条によりアイヌの人々が、儀式等の保存若しくは継承又は儀式等に関する知識の普及及び啓発に利用するための内水面におけるさけ採捕の許可を受ける際には、一般の特別採捕許可を受ける場合よりも手続が簡素化されている。 ウ以上のとおり、水産資源保護法28条を含む内水面におけるさけの採捕に係る法制度は、さけ資源の枯渇を回避するために必要な規制をしつつ、アイ ヌ 合よりも手続が簡素化されている。 ウ以上のとおり、水産資源保護法28条を含む内水面におけるさけの採捕に係る法制度は、さけ資源の枯渇を回避するために必要な規制をしつつ、アイ ヌの人々のさけ採捕に係る文化を享有する権利にも配慮した必要かつ合理的なものである。 したがって、水産資源保護法28条が本件漁業に関する限りにおいて無効であるとはいえない。 ⑺ 結論以上によれば、原告の各請求はいずれも理由がないから棄却されるべきである。 第5 当裁判所の判断 1 アイヌに関する近年の動向⑴ 先住民族宣言2007年(平成19年)9月13日、国際連合総会において、先住民族宣言が日本国政府も賛成票を投じた上で採択された(顕著な事実)。 もっとも、日本国政府は、先住民族宣言の決議案に関する我が国の立場として、下記内容の指摘をした(乙17の1、2)。 記ア本宣言中には、いくつかの権利を集団的権利として規定しているが、集団的な人権という概念は国際法において広く認知され、各国が受け入れたものとはいえない。 イ日本国政府は、本宣言の指向する考えに留意しつつ、先住民を構成する個人が宣言中に規定されている権利を享有し、また、いくつかの権利について、これらの個人は、同じ権利を持つ他の個人と共に、権利を行使することができると考える。 ウ日本国政府は、本宣言に規定される権利が、他の個人の人権を害するものとなってはならないと考える。また、我々は、所有権に関しては、各国の確立した民事法制等によって権利の内容が定められていることを認識している。したがって、日本国政府は、本宣言に規定されている土地等に対する所 有権及びその他の利用権については、その行使の在り方も含め、第三者の権利及び公共の利益との調整及 いることを認識している。したがって、日本国政府は、本宣言に規定されている土地等に対する所 有権及びその他の利用権については、その行使の在り方も含め、第三者の権利及び公共の利益との調整及び保護の観点から、合理的制約に服するものと考える。 ⑵ アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議平成20年6月6日、衆議院及び参議院において、下記内容のアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議がされた(乙18、19)。 記昨年9月、国連において、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が、我が国も賛成する中で採択されたところ、これはアイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている。 我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない。 すべての先住民族が、名誉と尊厳を保持し、その文化と誇りを次世代に継承していくことは、国際社会の潮流であり、また、こうした国際的な価値観を共有することは、我が国が21世紀の国際社会をリードしていくためにも不可欠である。 特に、本年7月に、環境サミットとも言われるG8サミットが、自然との共生を根幹とするアイヌ民族先住の地、北海道で開催されることは、誠に意義深い。 政府は、これを機に次の施策を早急に講ずるべきである。 一政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を踏まえ、アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。 二政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたことを機 に、同宣言 島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。 二政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたことを機 に、同宣言における関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聴きながら、これまでのアイヌ政策を更に推進し、総合的な施策の確立に取り組むこと。 右決議する。 ⑶ アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の設置平成20年7月、アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会が設置されたところ、同懇談会は、今後のアイヌ政策のあり方に関して意見をまとめるよう内閣官房長官から要請を受け、平成21年7月、下記内容を含む報告書を取りまとめた(乙15、20)。 記アアイヌの人々が先住民族であるということアイヌの人々は、独自の文化を持ち、他からの支配・制約などを受けない自律的な集団として我が国の統治が及ぶ前から日本列島北部周辺、とりわけ北海道に居住していた。その後、我が国が近代国家を形成する過程で、アイヌの人々は、その意に関わらず支配を受け、国による土地政策や同化政策などの結果、自然とのつながりが分断されて生活の糧を得る場を狭められ貧窮していくとともに、独自の文化の伝承が困難となり、その伝統と文化に深刻な打撃を受けた。しかし、アイヌの人々は、今日においても、アイヌとしてのアイデンティティや独自の文化を失うことなく、これを復興させる意思を持ち続け、北海道を中心とする地域に居住している。これらのことから、アイヌの人々は日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であると考えることができる。 イ政策展開に当たっての基本的な理念のうち「アイヌのアイデンティティの尊重」について憲法の人権関係の規定の中では、第13条の「個人の尊重」が基本原理で 族であると考えることができる。 イ政策展開に当たっての基本的な理念のうち「アイヌのアイデンティティの尊重」について憲法の人権関係の規定の中では、第13条の「個人の尊重」が基本原理であり、我が国における法秩序の基礎をなす原則規範である。アイヌの人々に とって、自己が他の多くの日本人と異なる文化を持つアイヌという存在であるという意識(すなわちアイヌのアイデンティティ)を持って生きることを積極的に選択した場合、その選択は国や他者から不当に妨げられてはならない。さらに、アイヌというアイデンティティを持って生きることを可能にするような政策を行うことについても配慮が求められよう。 このように考えると、国がその復興に配慮すべき強い責任があるアイヌの文化の中でも、とりわけ、アイヌ語の振興などを含む精神文化を尊重する政策については強い配慮が求められる。 また、アイヌの人々は、古くから生活の糧を得、儀式の場ともなってきた土地との間に深い精神文化的な結びつきを有しており、現代を生きるアイヌの人々の意見や生活基盤の実態などを踏まえながら、土地・資源の利活用については、一定の政策的配慮が必要であろう。 さらに、歴史的経緯に起因するアイヌの人々と他の日本人との間の生活や教育面での格差が、アイヌの人々への差別につながり、そのことがアイヌとして誇りを持って生きるという選択を妨げているとも考えられる。したがって、生活・教育の格差を解消するための施策も推進すべきである。これは、憲法第13条の趣旨を実現するための条件整備としての意義を有するということができる。 なお、個々のアイヌの人々のアイデンティティを保障するためには、その拠り所となる民族の存在が不可欠であるから、その限りにおいて、先住民族としてのアイヌという集団を対象とする政策の必要性 ができる。 なお、個々のアイヌの人々のアイデンティティを保障するためには、その拠り所となる民族の存在が不可欠であるから、その限りにおいて、先住民族としてのアイヌという集団を対象とする政策の必要性・合理性も認められなければならない。 ⑷ アイヌ施策推進法の成立アイヌ施策推進法が、平成31年4月に成立し、令和元年5月24日から施行され、これによりアイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(平成9年法律第52号)は廃止された(顕著な事実)。 アイヌ施策推進法は、アイヌの人々について、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であると位置付けた上で、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(アイヌの伝統等)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図ることを目的とする旨を定め(1条)、アイヌ施策の推進は、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重されるよう、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統等並びに我が国を含む国際社会において重要な課題である多様な民族の共生及び多様な文化の発展についての国民の理解を深めることを旨として、行われなければならない等の基本理念(3条)、同基本理念にのっとり、アイヌ施策を策定し、及び実施する等の国及び地方公共団体の責務(5条)、その他アイヌ施策の内容、手続等を定めている。 2 アイヌの生活、伝統、文化等⑴ アイヌに関する歴史的経緯アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会は、平成21年7月、報告書において、前記1⑶の内容に加え、アイヌに関する歴史的経 2 アイヌの生活、伝統、文化等⑴ アイヌに関する歴史的経緯アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会は、平成21年7月、報告書において、前記1⑶の内容に加え、アイヌに関する歴史的経緯につき、要旨下記のとおり報告した(乙15、20)。 記アアイヌの人々は、15世紀半ばには、渡島半島に拠点を築いていた和人(アイヌとの関係で当時の日本人とされていた人を指す歴史用語)との間で、交易をおこなっていた。 イ江戸時代になると、アイヌの人々との交易の独占権を付与された松前藩は、和人が居住する地域を和人地(渡島半島南端)、その他の地域を蝦夷地として区分した。蝦夷地はアイヌの人々が生活できる区域であり、松前藩の許可なく和人が出入りすることは禁じられた。 蝦夷地では稲作ができなかったため、松前藩では、家臣に対し、他藩の米の石高制による知行(所領支配権)の代わりとして、上級家臣に蝦夷地の海岸をいくつかの場所(商場とも呼ばれていた) に区分し、アイヌの人々との交易の独占権を知行として与えた。これらの場所は、アイヌの数集落毎に占有されていた狩漁域(イオル)を基礎として定められた。知行主は、場所のアイヌの人々が必要とする酒や米などの品物を本州から仕入れ、獣皮や干鮭などの蝦夷地の産物と交換し、それを城下に集まる商人に販売することによって利益を得ることとなる(これは、後に「商場知行制」と呼ばれることになる。)。これによりアイヌの人々は和人との交易への依存が進むこととなり、和人の経済社会の中に取り込まれていく結果をもたらした。同時に、アイヌの人々は、知行主が各場所に遣わす船を除いて、和人との交易が禁じられた。 ウ 18世紀に入ると、場所における交易に商人が参加し、知行主に一定の上納金を納付して交易を請負うよ た。同時に、アイヌの人々は、知行主が各場所に遣わす船を除いて、和人との交易が禁じられた。 ウ 18世紀に入ると、場所における交易に商人が参加し、知行主に一定の上納金を納付して交易を請負うようになっていく。これを蝦夷地特有の「場所請負制」といい、場所を請負う商人を場所請負人、上納金を運上金、交易所を運上屋(または会所)と呼び、18世紀の半ばにはほとんどの場所がこの形態に移行していった。場所請負人は、場所に支配人(運上屋の責任者)、通辞(アイヌ語の通訳)、帳役(出納役)、番人(漁場に設けられた番屋と呼ばれる作業所の管理役)などの使用人を置き交易を行った。最初のうちは知行主と同様に交易による利潤を目的としていたが、やがて、商人自らが、利益を増加させるため漁場を経営するようになっていく。場所請負人が新たな漁場の開拓、漁獲法の改良、経営組織の整備を行い、アイヌの人々は漁業に従事させられる労働力となった。漁獲物のうち、たとえば鰊は京坂や江戸近郊を中心に商品作物(綿や藍など)や新田開発の肥料などに利用され、昆布や煎海鼠、干鮑などは中国との貿易に必要な長崎俵物などに利用された。 それらの需要の拡大に伴ってアイヌの人々の労働は過酷なものとなってい く。 もともとアイヌの社会の基本単位はコタン(集落、村落)といわれ、初期の形態は血縁の長(コタンコロクル)が治める小規模なもの(5~8戸程度)であったが、場所請負制の下で、和人の強制により数コタンが運上屋や番屋の下にまとめられ、やがて、数十戸ほどの規模となった。そこでは、和人の意向を伝達しやすくするため、コタンコロクル制を実質的に廃止し、乙名・小使・土産取といった役土人制がとられた。この役土人制によりアイヌは完全に和人の支配下に入り、労働力を搾取される存在となっていく。 漁場労働の対価は るため、コタンコロクル制を実質的に廃止し、乙名・小使・土産取といった役土人制がとられた。この役土人制によりアイヌは完全に和人の支配下に入り、労働力を搾取される存在となっていく。 漁場労働の対価は米などの品物であったが、徐々に量が減らされ、劣悪な品物が渡されるようになり、アイヌの人々の生活は貧窮を余儀なくされていった。また、支配人や通辞、番人などの行動は横暴を極め、アイヌの人々の尊厳を著しくおとしめた。 アイヌの側も、過酷な労働などに対抗し武装蜂起を起こして抵抗した。また、当時、和人側は、アイヌの人々が窮状を幕府に訴えないようにするため、日本語を教えないようにしていたが、一部のアイヌの人々は日本語を学んで窮状を幕府の役人に訴えようと試みた。しかしながら状況は全般的に改善されず、アイヌは次第に疲弊していった。 このような中にあっても、アイヌの人々の狩漁域であるイオルの境界をめぐる争いなどは、商人の意向が強く作用する場合もあったとはいえ、アイヌの人々の間の交渉により解決されていた。また、アイヌの人々はアットゥシ(オヒョウの内皮の繊維で織った衣服) やチカルカルペ(木綿の布を使って作った衣服)に代表される衣服、独自の芸術性をもつアイヌ文様を施したイクパスイ(お酒を神に捧げるヘラ)などの木彫りや刺繍など優れた工芸品を作り上げていく。そしてムックリ(口琴)やトンコリ(弦楽器)などの楽器、ユカラなどに見られる口承文芸や民族舞踊、天地万物に霊性を認めて自然との共生を図る思想、さらには、イチャルパ(先祖供養)、イオマンテ(熊送 り儀礼)に代表される伝統的儀礼を発展させるなど、アイヌの文化の特色といわれる多くの要素が伸長し独自の力強さも見られた。 エ 18世紀末、蝦夷地の近海には、外国船が姿を見せるようになっていたところ、鎖国体制 れる伝統的儀礼を発展させるなど、アイヌの文化の特色といわれる多くの要素が伸長し独自の力強さも見られた。 エ 18世紀末、蝦夷地の近海には、外国船が姿を見せるようになっていたところ、鎖国体制にあった幕府は、千島列島から蝦夷地へと南下するロシアへの脅威から、1807年蝦夷地を直轄地とし対外的な備えを固めていく。 19世紀半ばになると再び蝦夷地近海に外国船が出没し、アメリカやロシアの使節が和親通商などを求めた結果、1854年の日米和親条約で函館の開港が約束させられる。また、1855年の日魯通好条約により日本とロシア二国間の国境が確認された。 幕府は、ロシアとの交渉に際し、アイヌの人々は日本に所属する人民であり、アイヌの人々の居住地は日本の領土であると主張した。協議の結果、日魯通好条約では、択捉以南の諸島を日本領とし、北蝦夷地(樺太)は国境を設けず、これまでどおり両国民の混在の地とすることが合意された。国際社会の圧力の下で国家の近代化を進めた日本にとって、諸外国と自らの領域的境界を国際的に定めることは避けることのできない過程であった。しかし、この過程は、アイヌの人々の意に関わらず行われ、北海道はもとより千島や樺太に住む人々の生活に直接影響するものでもあった。 そして、幕府は北辺防備の必要から蝦夷地を再び直轄地とし、奥羽地方の諸藩を警備にあたらせた。幕府は、労働対価などの品物の品質や数量について、請負人が不正をはさむ余地をなくすなど、それまでの弊害の改善に努めた。また、「異文化びと」として「蝦夷」、「夷人」と呼んでいたアイヌのことを、当時「その土地の人、土着の人」という意味を有していた「土人」と呼ぶように改め、彼らの内国民化を進めた。さらに、髪形や名前などを和人風に改める改俗策も進めたが、これは、アイヌから大きな反発を受け徹底され その土地の人、土着の人」という意味を有していた「土人」と呼ぶように改め、彼らの内国民化を進めた。さらに、髪形や名前などを和人風に改める改俗策も進めたが、これは、アイヌから大きな反発を受け徹底されなかった。 オ明治維新直後の明治2年(1869年)、蝦夷地一円は北海道と改称され るとともに、日本の他の地域と同じく「国郡制」が導入され、北海道は明治政府の統治下に置かれる。これにより蝦夷地の内国化が図られ、大規模な和人の移住による北海道開拓が進められることになった。また、明治政府は、同年に場所請負制を廃止した。 北海道の開拓が進むにつれ、乱獲による資源の枯渇などが見え始めたため、狩猟、漁撈が全道的に規制されることとなる。アイヌの人々の伝統的生業であった鹿猟についても、禁猟の解除、狩猟税の免除、猟銃の貸与などのアイヌの人々に対する優遇措置は取られたものの、規制の範囲などは徐々に拡大されていき、鮭の捕獲とともに明治後半までに北海道全域において禁止されることとなった。 このように、生業を行う土地の減少や生業そのものが規制された結果、アイヌの文化の拠りどころであった自然とのつながりが分断され、生活様式を含む広い意味での文化が深刻な打撃を受けるとともに、アイヌの人々の暮らしは貧窮していった。 ⑵ アイヌの生活、伝統、文化等におけるさけの採捕アイヌ施策推進法は、アイヌ文化とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた生活様式、音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産であることを定めている(2条1項)。 アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の報告書(乙15、20)に加え、証拠(甲2、19、20、27、67、72、75~77、86、証人A、原告代表者(当時)B本人)によれば、遅く 項)。 アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の報告書(乙15、20)に加え、証拠(甲2、19、20、27、67、72、75~77、86、証人A、原告代表者(当時)B本人)によれば、遅くとも江戸時代頃以降、①アイヌの社会の基本単位であるコタン(集落、村落)は、さけが産卵のために遡上する川筋に設けられることが多かったこと、②アイヌの人々はさけを「カムイチェプ」(神の魚)又は「シエペ」(本当の食べ物、主食)と呼び、コタンではさけ漁が始まる前に「ペッ、カムイノミ」(川の神の祭儀)、「アシリチェプノミ」(新しいさけを迎える儀式)等の宗教的祭儀等が執り行われていたこと、③ア イヌの人々は、さけ・ます漁専用でアイヌ独特の漁具である「マレップ」又は「マレック」(銛の一種)等を用いてさけ漁を行い、捕獲したさけを伝承された解体、加工、保存、調理等の方法により食料や生活用具(魚皮の靴等)としていたこと、④アイヌの人々が捕獲したさけは商場知行制や場所請負制の下で主要な交易品となっており、アイヌの人々は次第に雇われてさけ漁を行うようになっていったが、「自分稼ぎ」として従前どおりのコタンでのさけ漁も行われていたことが認められる。そうすると、内水面におけるさけの採捕は、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占めるものと認められる。 そして、アイヌ施策推進法が、アイヌ施策推進地域計画には、アイヌにおいて継承されてきた儀式若しくは漁法(儀式等)の保存若しくは継承又は儀式等に関する知識の普及及び啓発に利用するためのさけを内水面において採捕する事業(内水面さけ採捕事業)に関する事項を記載することができる旨(10条5項)及び農林水産大臣又は都道府県知事は、認定アイヌ施策推進地域計画に記載された内水面さけ採捕事業の実施のため漁業法119 る事業(内水面さけ採捕事業)に関する事項を記載することができる旨(10条5項)及び農林水産大臣又は都道府県知事は、認定アイヌ施策推進地域計画に記載された内水面さけ採捕事業の実施のため漁業法119条1項若しくは2項又は水産資源保護法4条1項の規定に基づく農林水産省令又は都道府県の規則の規定による許可が必要とされる場合において、当該許可を求められたときは、当該内水面さけ採捕事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものとする旨(17条)を定めていること並びに本件規則52条が、本件規則のうち水産動植物の種類等についての制限又は禁止に関する規定は、内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発のための水産動植物の採捕について知事の許可(特別採捕許可)を受けた者が行うものについては、適用しない旨を定めていることは、内水面におけるさけの採捕が、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占めることを踏まえたものといえる。 3 現行法下での内水面におけるさけの採捕に関する規制⑴ 内水面においては、原則として、溯河魚類のうちさけを採捕してはならない ところ、例外として、①漁業の免許を受けた者、②漁業調整のため又は水産資源の保護培養のために定められる農林水産省令若しくは規則(漁業法119条1項、2項、水産資源保護法4条1項)の規定により農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けた者は、当該免許又は許可に基づいてさけの採捕をすることができる(水産資源保護法28条)。なお、溯河魚類とは、海又は湖沼から河川に遡上し、その河川において産卵生育等をする特質を有する魚類をいうものと解される。 北海道の内水面におけるさけの採捕については、漁業法69条1項に基づく知事による漁業の免許は一切 から河川に遡上し、その河川において産卵生育等をする特質を有する魚類をいうものと解される。 北海道の内水面におけるさけの採捕については、漁業法69条1項に基づく知事による漁業の免許は一切行われていない(弁論の全趣旨)。また、上記農林水産省令である漁業の許可及び取締り等に関する省令(乙25)には同採捕を許容する規定はなく、その他同採捕を許容する農林水産省令はないから、同採捕について漁業法36条1項に基づく農林水産大臣による許可が行われることもないといえる。 被告北海道は、漁業法57条1項、119条1項、2項及び水産資源保護法4条1項に基づき、本件規則を定めているところ、本件規則は、内水面において、さけの採捕を目的とする刺し網(流し網を含む。)及び引っ掛け釣りの方法により漁業を営むことを禁止し(34条2項)、また、内水面におけるさけの採捕を周年にわたって禁止している(38条2項)。ただし、本件規則は、水産動植物の採捕の期間等についての制限又は禁止に関する規定は、試験研究、教育実習、増養殖用の種苗(種卵を含む。)の供給(自給を含む。)又は内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発(試験研究等)のための水産動植物の採捕について知事の許可(特別採捕許可)を受けた者が行う当該試験研究等については、適用されないことを定めている。そうすると、北海道の内水面におけるさけの採捕については、知事による漁業の許可(漁業法57条1項)が行われることはなく、試験研究等を目的とするものに限り特別採捕許可を受けることができるものと解される。 そして、水産資源保護法28条の規定に違反したものは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される(水産資源保護法43条2号)。 以上 ることができるものと解される。 そして、水産資源保護法28条の規定に違反したものは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される(水産資源保護法43条2号)。 以上によれば、現行法上、北海道の内水面においてさけの漁業を営むことはできず、試験研究等を目的とするさけの採捕に限り、特別採捕許可を受けた上で行うことができるにとどまるものと解される。 ⑵ 被告北海道は、「内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発に関する特別採捕許可の取扱要領」(令和2年12月1日改正後のもの。以下「本件取扱要領」という。)を策定している(乙31)ところ、本件取扱要領は、さけ・ます等の特別採捕許可について、さけ・ます等の資源の保護培養及び漁業調整上支障がない範囲での取扱いを定めるとともに、アイヌ施策推進法17条に規定する内水面さけ採捕事業が円滑に実施されるよう講じる適切な配慮について、具体的な措置を定めるものである。 本件取扱要領は、許可の対象者として、①公益社団法人北海道アイヌ協会、②内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発(以下「儀式等」という。)に取り組む団体等を定めた上、許可の申請において、同アイヌ協会が申請内容を証明した一覧表により申請する場合には、必要な添付書類につき一部の書面を除き添付を省略することができるという特例措置を定めている(第2、第6)。 また、本件取扱要領は、許可の要件等として、「採捕の方法は、儀式等の目的を達成するために必要な漁具又は漁法によるものであること」等を定め(第3)、許可に際して必ず付ける条件として、「採捕した水産動植物は、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普 達成するために必要な漁具又は漁法によるものであること」等を定め(第3)、許可に際して必ず付ける条件として、「採捕した水産動植物は、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発に供すること以外の目的に用いてはなりません。」等を定めている(第7)。 4 原告の主張する本件漁業権の性質及び内容⑴ 原告は別紙漁業権目録記載の漁業権(本件漁業権)を有する旨主張するとこ ろ、一般的に漁業権とは、免許等の行政行為により設定される、一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営むことができる権利であり、漁業権に基づき捕獲した水産動植物は法令の範囲内において営利目的で譲渡等できるものといえる。また、刺し網漁業は、漁獲目的の水産動物の遊泳通過する場所を遮断するように網具を張り、網目に刺させたり、からませたりして漁獲する漁業をいうものと解される。 そうすると、原告の主張する本件漁業権は、浦幌十勝川河口から4キロメートルまで(浦幌川合流地点)の範囲において、上記刺し網を用いたシロザケの漁業を排他的に営む権利であり、これに基づき捕獲したシロザケを法令の範囲内において営利目的で譲渡等できるものであると解される。 内水面におけるさけの採捕は、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占めるものと認められること(前記2)に加え、本件漁業権の上記性質及び内容を踏まえれば、原告の主張する本件漁業権は、アイヌの生活、文化、伝統等に関する精神的側面とともに、財産権としての側面を有するものであると解される。そして、原告の主張する本件漁業は、その目的や方法等において、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発の範囲を超えるものであることは明らかであることを踏まえれば、本件漁業権は、財産権として 件漁業は、その目的や方法等において、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発の範囲を超えるものであることは明らかであることを踏まえれば、本件漁業権は、財産権としての側面が強いものというべきである。 ⑵ これに対し、前記3のとおり、現行法上、北海道の内水面においてさけの漁業を営むことはできず、試験研究等を目的とするさけの採捕に限り、特別採捕許可を受けた上で行うことができるにとどまる。 また、内水面において、さけをとることを目的とする刺し網(流し網を含む。)による漁業の方法により漁業を営むことはできない(本件規則34条2項)上、本件取扱要領は、許可の要件等として、「採捕の方法は、儀式等の目的を達成するために必要な漁具又は漁法によるものであること」等を定め、許可に際して必ず付ける条件として、「採捕した水産動植物は、伝統的な儀式若しくは漁法 の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発に供すること以外の目的に用いてはなりません。」等を定めている(前記3)から、特別採捕許可を受けたとしても、採捕の方法に上記のような制限があり、また、採捕したさけを営利目的で譲渡等することもできないものといえる。 したがって、漁業法、水産資源保護法及び本件規則において、本件漁業権が認められていないことは明らかであるといえる。 5 争点⑴(本件訴えの適法性)について⑴ 本件漁業権確認の訴えについてア被告らは、本件漁業権確認の訴えは、①法律上の争訟(裁判所法3条1項)に当たらず、また、②確認の利益(対象選択の適切性)を欠くから、不適法である旨主張する。 イ裁判所がその固有の権限に基づいて審判することのできる対象は、裁判所法3条にいう「法律上の争訟」、すなわち当事者間の具体的な権利義務 象選択の適切性)を欠くから、不適法である旨主張する。 イ裁判所がその固有の権限に基づいて審判することのできる対象は、裁判所法3条にいう「法律上の争訟」、すなわち当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られる(最高裁昭和39年(行ツ)第61号同41年2月8日第三小法廷判決・民集20巻2号196頁、前記最高裁昭和56年4月7日第三小法廷判決、前記最高裁平成3年4月19日第二小法廷判決参照)。 本件漁業権に関する原告の主張及び本件漁業権の内容(前記4)に照らせば、本件漁業権は原告と被告らとの間の具体的な権利義務であり、また、本件漁業権の有無は憲法等の解釈・適用により判断することができるものというべきであるから、本件漁業権確認の訴えは、原告と被告らとの間の具体的な権利義務の存否に関する紛争であって、かつ、それが法令の適用により終局的に解決することができるものに当たり、法律上の争訟であると認められる。 ウまた、本件漁業権確認の訴えは、当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関 する確認の訴え(行訴法4条後段)であると解されるところ、原告又はその構成員が本件漁業を行った場合、水産資源保護法28条に違反し、刑事処分を受ける(水産資源保護法43条2号)可能性がある。本件漁業権確認の訴えは、原告又はその構成員が刑事処分を受けるような事態になる前に原告が本件漁業権を有することの確認をあらかじめ求めるものであると解される。 これに鑑みれば、本件漁業権は確認の訴えの対象として適切であるということができる。 したがって、本件漁業権確認の訴えが確認の利益(対象選択の適切性)を欠くとは認められない。 エ以上によれば、本件漁業権確認の 、本件漁業権は確認の訴えの対象として適切であるということができる。 したがって、本件漁業権確認の訴えが確認の利益(対象選択の適切性)を欠くとは認められない。 エ以上によれば、本件漁業権確認の訴えは適法であるというべきである。 ⑵ 本件無効確認の訴えについて被告らは、本件無効確認の訴えは、①法律上の争訟(裁判所法3条1項)に当たらず、また、②確認の利益(対象選択の適切性)を欠くから、不適法である旨主張する。 本件無効確認の訴えは、当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する確認の訴え(行訴法4条後段)であると解されるところ、他により適切な訴えによってその目的を達成することができる場合には、確認の利益を欠き不適法であるというべきである。 本件においては、前記⑴のとおり、本件漁業権確認の訴えは適法であると認められ、また、原告と被告らとの間の具体的な権利義務を確認の対象とする本件漁業権確認の訴えの方がより適切な訴えであるということができるから、本件無効確認の訴えは確認の利益を欠き不適法であるというべきである。 以上によれば、本件無効確認の訴えは却下すべきものである。 6 争点⑵(原告が本件漁業権を有するか及び水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効であるか)について⑴ アイヌ固有の文化を享有する権利について 前記1、2によれば、アイヌの人々は、独自の文化を持ち、他からの支配・制約などを受けない自律的な集団として我が国の統治が及ぶ前から日本列島北部周辺、とりわけ北海道に居住していた先住民族であると認められる。 そして、憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定め、個人 て、憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定め、個人の尊重すなわち個人の尊厳と人格の尊重を宣言している(最高裁昭和22年(れ)第201号同23年3月24日大法廷判決・裁判集刑事1号535頁)。同条は各個人に等しく固有の人格的価値が存在することを認め、社会や団体等の集団より第一次的に個人を尊重するという個人主義を定めたものであると解されるところ、このような趣旨は、多数の集団と独自の文化を有する少数の集団との関係についても同様に当てはまるというべきである。 そして、アイヌ施策推進法が、アイヌの人々の誇りの源泉がアイヌの伝統及びアイヌ文化(アイヌの伝統等)にあることを踏まえ、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図るために、国及び地方公共団体にはアイヌ施策を策定・実施する責務があること(アイヌ施策推進法1条、5条)等を定めていることに鑑みれば、アイヌ固有の文化を享有することはアイヌの人々において重要な人格的価値を有するものというべきである。 以上に加え、我が国が批准した自由権規約27条も、「種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。」と定め、アイヌの人々は上記少数民族に当たることをも併せて考慮すれば、アイヌの人々は、憲法13条により、アイヌ固有の文化を享有する権利(以下「文化享有権」という。)を有するものと認められる。 ⑵ 原告が本件漁業権を有するかについてア前 すれば、アイヌの人々は、憲法13条により、アイヌ固有の文化を享有する権利(以下「文化享有権」という。)を有するものと認められる。 ⑵ 原告が本件漁業権を有するかについてア前記2のとおり、さけの採捕がアイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占めるものと認められることを踏まえれば、アイヌの人々の文化享有権の行使との関係において、さけの採捕は最大限尊重されるべきものというべきである。 もっとも、前記4のとおり、原告の主張する本件漁業権は、アイヌの生活、文化、伝統等に関する精神的側面とともに、財産権としての側面を有するものであるが、原告の主張する本件漁業は、その目的や方法等において、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発の範囲を超えるものであることは明らかであるから、本件漁業権は財産権としての側面が強いものというべきである。憲法29条は、1項において「財産権は、これを侵してはならない。」と規定し、2項において「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と規定し、私有財産制度を保障しているのみでなく、社会的経済的活動の基礎をなす国民の個々の財産権につきこれを基本的人権として保障するとともに、社会全体の利益を考慮して財産権に対し制約を加える必要性が増大するに至ったため、立法府は公共の福祉に適合する限り財産権について規制を加えることができるとしている(最高裁昭和59年(オ)第805号同62年4月22日大法廷判決・民集41巻3号408頁参照)。そして、海は、古来より自然の状態のままで一般公衆の共同使用に供されてきたところのいわゆる公共用物であって、国の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであると解される(最高裁昭和55年(行ツ 自然の状態のままで一般公衆の共同使用に供されてきたところのいわゆる公共用物であって、国の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであると解される(最高裁昭和55年(行ツ)第147号同61年12月16日第三小法廷判決・民集40巻7号1236頁)ところ、海と接続する河川(河川法3条1項所定の一級河川及び二級河川並びに同法100条1項所定の準用河川)も、海と同様に、いわゆる公共用物であって、国又は当該河川の存する地方公共団体の直接の公法的支配管理に服し、特定 人による排他的支配の許されないものであると解され、河川において特定人又は特定の集団が排他的に漁業を営むことについても当然には許されないものであるというべきである。河川においてその性質上排他的に漁業を営む権利がおよそ成立し得ないというものではなく、国が行政行為などによって一定範囲に限定するなどして上記のような権利を設定することは可能と解されるものの、これを設定するかどうかは立法政策の問題であるといわざるを得ない。そして、前記4のとおり、漁業法、水産資源保護法及び本件規則において、本件漁業権が認められていないことは明らかであり、我が国の立法政策として本件漁業権は認められていないといえる。 前記2によれば、アイヌの人々は、我が国の統治が及ぶ前から北海道に居住していた先住民族であり、遅くとも江戸時代以降、その属するコタン周辺の河川で遡上するさけの漁をしており、さけ漁がアイヌの生活、伝統、文化等と密接に関わるものであることが認められる。しかし、このような歴史的経緯やアイヌの伝統等を踏まえたとしても、河川はいわゆる公共用物であり、国又は当該河川の存する地方公共団体の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであるという性質に加え 経緯やアイヌの伝統等を踏まえたとしても、河川はいわゆる公共用物であり、国又は当該河川の存する地方公共団体の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであるという性質に加え、さけは、海から河川に遡上し、その河川において産卵生育等をする特質を有する溯河魚類であって、特定の限られた場所に留まらない性質を持つ天然の水産資源であることに鑑みれば、このような水産資源について、特定の河川のうち一定範囲に限定したとしても、特定人又は特定の集団が固有の財産権として排他的に漁業を営む権利を有すると認めるのは困難であるというべきである。 以上によれば、アイヌの人々の文化享有権の行使との関係において、さけの採捕は最大限尊重されるべきものであることを考慮しても、原告が本件漁業権を文化享有権の一環又は固有の権利として有すると認めることはできない。 イ原告は本件漁業権の法的根拠として我が国が批准した自由権規約27条 を主張するところ、自由権規約27条は、「種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。」と定めている。そして、国際連合の機関である自由権規約委員会により1994年(平成6年)にされた一般的意見23は、同条について、「本条によって保護される個人の権利のある側面(たとえばある特定の文化を享有すること)は、領土及びその資源の使用に密接に関係する生活様式に存する場合がある。このことは特に少数民族を構成するその先住民の共同体に属する者に当てはまる」(3.2項)、「第27条において保護される文化的権利の行使に関して、委員会は、文化というものは様々な形、特に資源使用 る。このことは特に少数民族を構成するその先住民の共同体に属する者に当てはまる」(3.2項)、「第27条において保護される文化的権利の行使に関して、委員会は、文化というものは様々な形、特に資源使用に結び付いた独特の生活様式といった形で、それ自身を表現すると考える。この権利には、漁業又は狩猟などの伝統的な活動を行う権利及び法律によって保護された居留地で生活する権利も含まれる。かかる権利の享有は積極的な法的保護措置及び少数民族の集団に属する構成員が自己に影響を与える決定に実効的に参加することを確保する措置を必要とする」(7項)などと指摘している(甲30の1、2、甲64、弁論の全趣旨)。 しかし、前記アのとおり、原告の主張する本件漁業権は、アイヌ固有の文化を享有するという側面にとどまるものではなく、公法的支配管理の及ぶ河川において排他的に漁業を営むという財産権としての側面が強いものであるというべきであり、このような財産権の行使についての可否、範囲、条件等は、締約国における自然環境、当該資源が置かれている状況、食糧事情等の諸条件を踏まえた立法政策や公共用物に係る管理政策等に委ねざるを得ないものであるというべきである。そして、自由権規約27条及び一般的意見23の文言等を踏まえても、同条が公法的支配管理の及ぶ河川において少数民族が伝統的な活動の範囲を超えて排他的に漁業を営む権利を当然に認 めているとまでは解することができない。その他自由権規約上かかる権利が認められると解すべき根拠があるとはいえない。 したがって、自由権規約は本件漁業権の法的根拠となるものではないというべきである。 ウ原告は本件漁業権の法的根拠として我が国が批准した社会権規約15条を主張するところ、社会権規約15条1項は、社会権規約の締約国は、すべ 業権の法的根拠となるものではないというべきである。 ウ原告は本件漁業権の法的根拠として我が国が批准した社会権規約15条を主張するところ、社会権規約15条1項は、社会権規約の締約国は、すべての者の次の権利を認めるとして、「(a)文化的な生活に参加する権利」を掲げている。そして、国際連合の機関である社会権規約委員会により2009年(平成21年)にされた一般的意見21は、同条について、文化的な生活に参加する権利には、先住民が「伝統的に所有、支配し、又はその他の方法で利用・獲得してきた土地、領地及び資源に対する権利もこれに含まれる」こと、「先住民の特異な生活様式(彼らの生活手段を含む。)の衰退、先住民の天然資源の喪失、さらに究極的には、先住民が有する文化的アイデンティティの喪失を防ぐため」「締結国は、先住民が共有する土地、領地及び資源を所有、開発、管理及び使用する先住民の権利を承認し、これを保護する措置を講じなければなら」ないこと(36項)等を指摘している(甲34の1、2)。 しかし、前記イのとおり、本件漁業権のような財産権の行使についての可否、範囲、条件等は、締約国における自然環境、当該資源が置かれている状況、食糧事情等の諸条件を踏まえた立法政策や公共用物に係る管理政策等に委ねざるを得ないものであるというべきである。そして、社会権規約15条及び一般的意見21の文言等を踏まえても、同条が公法的支配管理の及ぶ河川において先住民族が伝統的な活動の範囲を超えて排他的に漁業を営む権利を当然に認めているとまでは解することができず、その他社会権規約上かかる権利が認められると解すべき根拠があるとはいえない。 したがって、社会権規約は本件漁業権の法的根拠となるものではないとい うべきである。 エ原告は本件漁業権の 社会権規約上かかる権利が認められると解すべき根拠があるとはいえない。 したがって、社会権規約は本件漁業権の法的根拠となるものではないとい うべきである。 エ原告は本件漁業権の法的根拠として我が国が批准した人種差別撤廃条約5条を主張するところ、同条は、「第2条に定める基本的義務に従い、締約国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種、皮膚の色又は民族的若しくは種族的出身による差別なしに、すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する」として、「(d)他の市民的権利、特に、」「(ⅴ)単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利」を掲げている。そして、国際連合の機関である人種差別撤廃委員会により1997年(平成9年)にされた先住民に関する一般的勧告23は、「委員会は、締約国に対して特に次のことを要請する。」「国家の文化的アイデンティティを豊かにするものとして、先住民の異なった文化、歴史、言語及び生活様式を認識し、かつ尊重すること、並びにその維持を促進すること」等(4項)、「委員会は、締約国に対して特に次のことを要請する。先住民の共有地・地域及び資源を所有し、開発し、管理し及び使用する先住民の権利を承認し及び保護すること、先住民が伝統的に所有してきた土地・地域が奪われ、又は当該土地・地域が先住民の自由な且つ十分に説明を受けてなされる同意なしに、他の者が居住され若しくは使用されている場合には、当該土地・地域を返還するための措置をとることである」(5項)などと指摘している(甲37の1、2)。 しかし、前記イのとおり、本件漁業権のような財産権の行使についての可否、範囲、条件等は、締約国における自然環境、当該資源が置かれている状況、食糧事情等の諸条件 ている(甲37の1、2)。 しかし、前記イのとおり、本件漁業権のような財産権の行使についての可否、範囲、条件等は、締約国における自然環境、当該資源が置かれている状況、食糧事情等の諸条件を踏まえた立法政策や公共用物に係る管理政策等に委ねざるを得ないものであるというべきである。そして、人種差別撤廃条約5条及び先住民に関する一般的勧告23の文言等を踏まえても、同条が公法的支配管理の及ぶ河川において先住民族が伝統的な活動の範囲を超えて排他的に漁業を営む権利を当然に認めているとまでは解することができず、そ の他人種差別撤廃条約上かかる権利が認められると解すべき根拠があるとはいえない。 したがって、人種差別撤廃条約は本件漁業権の法的根拠となるものではないというべきである。 オ前記1のとおり、2007年(平成19年)9月13日、国際連合総会において、先住民族宣言が我が国も賛成票を投じた上で採択され、平成20年6月6日、衆議院及び参議院において、先住民族宣言を踏まえてアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議がされ、平成21年7月、アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会が報告書を取りまとめたこと等を経て、平成31年4月、アイヌ施策推進法が成立するに至ったことに鑑みれば、アイヌ施策推進法等の解釈において先住民族宣言の内容は十分に尊重されるべきものであると解される。しかし、先住民族宣言は国際連合総会における決議にとどまるものであって、法的拘束力はないと解されるから、先住民族宣言自体が本件漁業権の法的根拠となるものではないというべきである。 また、先住民族宣言は、「先住民族は、自己が伝統的に所有し、又はその他の方法で占有し、若しくは使用してきた土地、領域、水域、沿岸海域及びその他の資源との独自の精神的関係を維持し、 である。 また、先住民族宣言は、「先住民族は、自己が伝統的に所有し、又はその他の方法で占有し、若しくは使用してきた土地、領域、水域、沿岸海域及びその他の資源との独自の精神的関係を維持し、及び強化する権利並びにこの点について将来の世代に対する自己の責任を果たす権利を有する。」(25条)、「先住民族は、自己が伝統的に所有し、占有し、又はその他の方法で使用し、又は取得した土地、領域及び資源に対する権利を有する。」(26条1項)などと定めているが、前記イのとおり、本件漁業権のような財産権の行使についての可否、範囲、条件等は、締約国における自然環境、当該資源が置かれている状況、食糧事情等の諸条件を踏まえた立法政策や公共用物に係る管理政策等に委ねざるを得ないものであるというべきである。そして、先住民族宣言の文言等を踏まえても、これが公法的支配管理の及ぶ河川において先住民族が伝統的な活動の範囲を超えて排他的に漁業を営む権利を当 然に認めているとまでは解することができない。 カ原告は、本件漁業権が憲法13条、14条、20条及び29条により保障される旨主張する。 しかし、前記アの説示を踏まえれば、本件漁業権が財産権として憲法29条により保障されるものと解することはできない。 また、前記⑴のとおり、アイヌの人々の文化享有権が憲法13条により保障されるところ、この一環として、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占める内水面におけるさけの採捕は、少なくとも伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発等の範囲において認められるべきであり、また、さけの採捕に係る宗教的意義を持つ儀式等は憲法20条により尊重されるべきものであると解される。しかし、前記アのとおり、本件漁業権はこれら る知識の普及啓発等の範囲において認められるべきであり、また、さけの採捕に係る宗教的意義を持つ儀式等は憲法20条により尊重されるべきものであると解される。しかし、前記アのとおり、本件漁業権はこれらの範囲を超えるものであることは明らかであって、財産権としての側面が強いものというべきであることに鑑みれば、本件漁業権が憲法13条、20条により保障されるものと解することはできない。 さらに、財産権としての側面が強い本件漁業権が、法の下の平等等について定める憲法14条により保障されるものと解することもできない。 キ原告は本件漁業権の法的根拠として慣習法を主張するところ、通則法3条は、公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有すると定めている。 しかし、現行法上、本件漁業権は認められていないから、本件漁業権は法令の規定により認められたものには当たらず、また、現行法の解釈として、本件漁業を営むことが禁止されていることも明らかであるから、本件漁業権は法令に規定されていない事項に関するものにも当たらないというべきである。 また、前記2によれば、アイヌの人々は、遅くとも江戸時代以降、反復継続的にその属するコタン周辺の河川で遡上するさけの漁をしていたことが認められる。しかし、前記アのとおり、このような歴史的経緯を踏まえたとしても、河川はいわゆる公共用物であり、国又は当該河川の存する地方公共団体の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであるという性質に加え、さけは、海から河川に遡上し、その河川において産卵生育等をする特質を有する溯河魚類であって、特定の限られた場所に留まらない性質を持つ天然 定人による排他的支配の許されないものであるという性質に加え、さけは、海から河川に遡上し、その河川において産卵生育等をする特質を有する溯河魚類であって、特定の限られた場所に留まらない性質を持つ天然の水産資源であることに鑑みれば、このような水産資源について、特定の河川のうち一定範囲に限定したとしても、特定人又は特定の集団が通則法3条にいう慣習として排他的に漁業を営む権利を有すると認めるのは困難であるというべきである。 したがって、慣習法は本件漁業権の法的根拠となるものではないというべきである。 ク原告は本件漁業権の法的根拠として条理を主張するところ、条理とは、法令に具体的な定めはないが、社会秩序に内在する一般的・普遍的な諸原則(道理、信義誠実、公序良俗等)をいうものと解される。 しかし、前記アのとおり、河川はいわゆる公共用物であって、国又は当該河川の存する地方公共団体の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであると解され、河川において特定人又は特定の集団が排他的に漁業を営むことについても当然には許されないものであるというべきであり、本件漁業権のような権利を設定するかどうかは立法政策の問題であるといわざるを得ない。そして、前記のとおり、我が国の立法政策として本件漁業権は認められていない。これらに鑑みれば、条理を根拠として本件漁業権を認めることはできないというべきである。 したがって、条理は本件漁業権の法的根拠となるものではないというべきである。 ケ以上によれば、原告が本件漁業権を有すると認めることはできない。 ⑶ 水産資源保護法28条の効力について原告は、原告が本件漁業権を有することを前提として、水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効 が本件漁業権を有すると認めることはできない。 ⑶ 水産資源保護法28条の効力について原告は、原告が本件漁業権を有することを前提として、水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効である旨主張するが、前記⑵のとおり、原告が本件漁業権を有すると認めることはできないから、原告の上記主張は前提を欠くものである。 また、さけが溯河するのは、産卵を目的とし、産卵に適するまでに成長したさけが、その生れた河川に回帰するものであるが、溯河にあたり、さけは群をなして、やや密度の高い状態で上流に向って移動するのであり、川に入った直後では充分卵巣が成熟しておらず、河川を溯上するに従い成熟度が増すものであるところ、このようなさけの性質を受けて、水産資源保護法は、その第2章第4節に溯河魚類の保護培養の項を設け、同法23条は、溯河魚類のうち、さけ及びますの増殖を図るため、人工ふ化放流につき定め、同法25条ないし27条には、溯河魚類の通路を保護する規定を置き、さけ及びますをして内水面を無事溯上させ、自然の産卵繁殖をはかるほか、人工ふ化放流によるさけ及びますの増殖を国の事業としており、同法28条は、再生産を確保することなくさけを捕えることによる水産資源の枯渇を防止するため、同条ただし書の免許又は許可に基づいて採捕する場合を除き、内水面における溯河魚類のうち、さけの採捕を禁止している(最高裁昭和45年(あ)第950号同46年11月16日第三小法廷判決・刑集25巻8号964頁参照)。上記さけの特性及び同条の趣旨・目的等を踏まえれば、同条によるさけの採捕の規制には合理性があると解される。 他方、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占める内水面におけるさけの採捕を規制するにあたっては、アイヌの人々に文化享有権が保障されていることへの配 の規制には合理性があると解される。 他方、アイヌの生活、伝統、文化等において重要な部分を占める内水面におけるさけの採捕を規制するにあたっては、アイヌの人々に文化享有権が保障されていることへの配慮が不可欠であるところ、前記3のとおり、現行法上、上記規制の例外として、アイヌ施策推進法17条を受けた水産資源保護法28条 ただし書及び本件規則52条に基づき、内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発等のためのものについては特別採捕許可を受けて、さけの採捕をすることができることとされている。かかる例外的取扱いはアイヌの人々に文化享有権が保障されていることに配慮されたものであると解され、水産資源保護法28条による規制がアイヌの人々の文化享有権に対する不合理な制約となっているとまで解することはできない。 したがって、水産資源保護法28条が原告に適用される場合に憲法に違反して無効であるとは認められない。 7 結論よって、本件無効確認の訴えは不適法であるから却下することとし、本件漁業権確認の訴えに係る原告の請求には理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官中野郎 裁判官永田大貴 裁判官木下颯 別紙漁業権目録 1 対象魚類シロザケ(Oncorhynchusketa) 2 場所浦幌十勝川河口から4キロメートルまで(浦幌川合流地点)添付地図参照 3 漁法刺し網漁 ※添付地図省略 別紙関係法令等(ただし、抜粋であ 幌十勝川河口から4キロメートルまで(浦幌川合流地点)添付地図参照 3 漁法刺し網漁 ※添付地図省略 別紙関係法令等(ただし、抜粋である。)第1 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(平成31年法律第16号。以下「アイヌ施策推進法」という。)(目的)第1条この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「アイヌの伝統等」という。)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念、国等の責務、政府による基本方針の策定、民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置、市町村(特別区を含む。以下同じ。)によるアイヌ施策推進地域計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けたアイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置、アイヌ政策推進本部の設置等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。 (定義)第2条 1 この法律において「アイヌ文化」とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた生活様式、音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産をいう。 2 この法律において「アイヌ施策」とは、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発(以下「アイヌ文化の振興等」という。)並びにアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活するためのアイヌ文化の振興等に資する環境の整備に関する施策 振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発(以下「アイヌ文化の振興等」という。)並びにアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活するためのアイヌ文化の振興等に資する環境の整備に関する施策をいう。 (基本理念)第3条 1 アイヌ施策の推進は、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重されるよう、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統等並びに我が国を含む国際社会において重要な課題である多様な民族の共生及び多様な文化の発展についての国民の理解を深めることを旨として、行われなければならない。 2 アイヌ施策の推進は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができるよう、アイヌの人々の自発的意思の尊重に配慮しつつ、行われなければならない。 第4条何人も、アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 (国及び地方公共団体の責務)第5条 1 国及び地方公共団体は、前2条に定める基本理念にのっとり、アイヌ施策を策定し、及び実施する責務を有する。 2 国及び地方公共団体は、アイヌ文化を継承する者の育成について適切な措置を講ずるよう努めなければならない。 3 国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるよう努めなければならない。 4 国は、アイヌ文化の振興等に資する調査研究を推進するよう努めるとともに、地方公共団体が実施するアイヌ施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずるよう努めなければならない。 (アイヌ施策推進地域計画の認定)第10条市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき(当該市町村を包括する都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、基本方針に基づくととも ならない。 (アイヌ施策推進地域計画の認定)第10条市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき(当該市町村を包括する都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、基本方針に基づくとともに、当該都道府県方針を勘案して)、内閣府令で定めるところにより、当該市町村の区域内におけるアイヌ施策を推進するための計画(以下「アイヌ施策推進地域計画」とい う。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。 2 アイヌ施策推進地域計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。 一アイヌ施策推進地域計画の目標二アイヌ施策の推進に必要な次に掲げる事業に関する事項イアイヌ文化の保存又は継承に資する事業ロアイヌの伝統等に関する理解の促進に資する事業ハ観光の振興その他の産業の振興に資する事業ニ地域内若しくは地域間の交流又は国際交流の促進に資する事業ホその他内閣府令で定める事業三計画期間四その他内閣府令で定める事項 5 前項に定めるもののほか、第2項第2号(ニを除く。)に規定する事業に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式若しくは漁法(以下この項において「儀式等」という。)の保存若しくは継承又は儀式等に関する知識の普及及び啓発に利用するためのさけを内水面(漁業法(昭和24年法律第267号)第60条第5項第5号に規定する内水面をいう。)において採捕する事業(以下この条及び第17条において「内水面さけ採捕事業」という。)に関する事項を記載することができる。この場合においては、内水面さけ採捕事業ごとに、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を記載するものとする。 (漁業法及び水産資源保護法による許可についての配慮)第17条農林水産大臣又は都道府県知事は、認定アイヌ施策推進地域計画に とに、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を記載するものとする。 (漁業法及び水産資源保護法による許可についての配慮)第17条農林水産大臣又は都道府県知事は、認定アイヌ施策推進地域計画に記載された内水面さけ採捕事業の実施のため漁業法第119条第1項若しくは第2項又は水産資源保護法(昭和26年法律第313号)第4条第1項の規定に基づく農林水産省令又は都道府県の規則の規定による許可が必要とされる場合において、当該許可を求められたときは、当該内水面さけ採捕事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものと する。 (アイヌ施策推進法につき、以上)第2 漁業法(昭和24年法律第267号)(目的)第1条この法律は、漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有し、かつ、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、水産資源の保存及び管理のための措置並びに漁業の許可及び免許に関する制度その他の漁業生産に関する基本的制度を定めることにより、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、もつて漁業生産力を発展させることを目的とする。 (定義)第2条 1 この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。 2 この法律において「漁業者」とは、漁業を営む者をいい、「漁業従事者」とは、漁業者のために水産動植物の採捕又は養殖に従事する者をいう。 3 この法律において「水産資源」とは、一定の水面に生息する水産動植物のうち有用なものをいう。 (農林水産大臣による漁業の許可)第36条 1 船舶により行う漁業であって農林水産省令で定めるものを営もうとする者は、船舶ごとに、農林水産大臣の許可を受けなければならない。 (都道府県知事による漁業の許可)第57条 )第36条 1 船舶により行う漁業であって農林水産省令で定めるものを営もうとする者は、船舶ごとに、農林水産大臣の許可を受けなければならない。 (都道府県知事による漁業の許可)第57条 1 大臣許可漁業以外の漁業であって農林水産省令又は規則で定めるものを営もうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。 (定義) 第60条 1 この章において「漁業権」とは、定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権をいう。 2 この章において「定置漁業権」とは、定置漁業を営む権利をいい、「区画漁業権」とは、区画漁業を営む権利をいい、「共同漁業権」とは、共同漁業を営む権利をいう。 (漁業の免許)第69条 1 漁業権の内容たる漁業の免許を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に申請しなければならない。 2 前項の免許を受けた者は、当該漁業権を取得する。 (漁業調整に関する命令)第119条 1 農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整のため、特定の種類の水産動植物であって農林水産省令若しくは規則で定めるものの採捕を目的として営む漁業若しくは特定の漁業の方法であって農林水産省令若しくは規則で定めるものにより営む漁業(水産動植物の採捕に係るものに限る。)を禁止し、又はこれらの漁業について、農林水産省令若しくは規則で定めるところにより、農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることができる。 2 農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整のため、次に掲げる事項に関して必要な農林水産省令又は規則を定めることができる。 一水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止(前項の規定により漁業を営むことを禁止すること及び農林水産大臣又は都道府県知事の許可を受けなければ 要な農林水産省令又は規則を定めることができる。 一水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止(前項の規定により漁業を営むことを禁止すること及び農林水産大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることを除く。)二水産動植物若しくはその製品の販売又は所持に関する制限又は禁止三漁具又は漁船に関する制限又は禁止四漁業者の数又は資格に関する制限 3 前項の規定による農林水産省令又は規則には、必要な罰則を設けることができる。 (漁業法につき、以上)第3 水産資源保護法(昭和26年法律第313号)(この法律の目的)第1条この法律は、水産資源の保護培養を図り、且つ、その効果を将来にわたって維持することにより、漁業の発展に寄与することを目的とする。 (水産動植物に有害な物の遺棄の制限等に関する命令)第4条 1 農林水産大臣又は都道府県知事は、水産資源の保護培養のために必要があると認めるときは、次に掲げる事項に関して、農林水産省令又は規則を定めることができる。 一水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又は禁止二水産動植物の保護培養に必要な物の採取又は除去に関する制限又は禁止三水産動植物の移植に関する制限又は禁止 2 前項の規定による農林水産省令又は規則には、必要な罰則を設けることができる。 (内水面におけるさけの採捕禁止)第28条内水面においては、溯河魚類のうちさけを採捕してはならない。ただし、漁業の免許を受けた者又は漁業法第119条第1項若しくは第2項及びこの法律の第4条第1項の規定に基づく農林水産省令若しくは規則の規定により農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けた者が、当該免許又は許可に基づいて採捕する場合は、こ 9条第1項若しくは第2項及びこの法律の第4条第1項の規定に基づく農林水産省令若しくは規則の規定により農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けた者が、当該免許又は許可に基づいて採捕する場合は、この限りでない。 第43条次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 二第14条第2項若しくは第3項又は第28条の規定に違反した者 (水産資源保護法につき、以上)第4 北海道漁業調整規則(令和2年北海道規則第94号。以下「本件規則」という。)(目的)第1条この規則は、漁業法(昭和24年法律第267号。以下「法」という。)第57条第1項並びに第119条第1項及び第2項並びに水産資源保護法(昭和26年法律第313号)第4条第1項の規定に基づき、北海道における水産資源の保護培養及び漁業調整に関し必要な事項を定めることにより、その他漁業に関する法令と相まって、漁業生産力を発展させることを目的とする。 (漁業の禁止)第34条 2 何人も、内水面において、次に掲げる漁業の方法により漁業を営んではならない。 (1) さけ、さくらます(やまべ(さくらますのうち、ふ出後引き続き淡水域に生活する期間におけるものをいう。第38条第2項及び第41条第1項において同じ。)を除く。次号及び第38条第2項において同じ。)又はからふとますをとることを目的とする刺し網(流し網を含む。)(2) さけ、さくらます又はからふとますをとることを目的とする引っ掛け釣り(禁止期間)第38条 2 何人も、次の表の左欄に掲げる水産動物を、同表の中欄に掲げる期間中、同表の右欄に掲げる区域において採捕してはならない。 水産動物禁止期間禁止区域さけ周年内水面(試験研究等の適用除外) 次の表の左欄に掲げる水産動物を、同表の中欄に掲げる期間中、同表の右欄に掲げる区域において採捕してはならない。 水産動物禁止期間禁止区域さけ周年内水面(試験研究等の適用除外)第52条 1 この規則のうち水産動植物の種類若しくは大きさ、水産動植物の採捕の期間若し くは区域又は使用する漁具若しくは漁法についての制限又は禁止に関する規定は、試験研究、教育実習、増養殖用の種苗(種卵を含む。)の供給(自給を含む。)又は内水面における伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発(以下この条において「試験研究等」という。)のための水産動植物の採捕について知事の許可を受けた者が行う当該試験研究等については、適用しない。 (本件規則につき、以上)第5 市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和54年条約第7号。以下「自由権規約」という。)第1条 1 すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する。 2 すべての人民は、互恵の原則に基づく国際的経済協力から生ずる義務及び国際法上の義務に違反しない限り、自己のためにその天然の富及び資源を自由に処分することができる。人民は、いかなる場合にも、その生存のための手段を奪われることはない。 3 この規約の締約国(非自治地域及び信託統治地域の施政の責任を有する国を含む。)は、国際連合憲章の規定に従い、自決の権利が実現されることを促進し及び自決の権利を尊重する。 第27条種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己 権利を尊重する。 第27条種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。 (自由権規約につき、以上) 第6 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(昭和54年条約第6号。以下「社会権規約」という。)第15条 1 この規約の締約国は、すべての者の次の権利を認める。 (a)文化的な生活に参加する権利(b)科学の進歩及びその利用による利益を享受する権利(c)自己の科学的、文学的又は芸術的作品により生ずる精神的及び物質的利益が保護されることを享受する権利 2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、科学及び文化の保存、発展及び普及に必要な措置を含む。 3 この規約の締約国は、科学研究及び創作活動に不可欠な自由を尊重することを約束する。 4 この規約の締約国は、科学及び文化の分野における国際的な連絡及び協力を奨励し及び発展させることによって得られる利益を認める。 (社会権規約につき、以上)第7 あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(平成7年条約第26号。以下「人種差別撤廃条約」という。)第1条 1 この条約において、「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。 第5条第2条に定める基本的義務に従い、締約国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別 本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。 第5条第2条に定める基本的義務に従い、締約国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種、皮膚の色又は民族的若し くは種族的出身による差別なしに、すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する。 (d)他の市民的権利、特に、(ⅴ)単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利(人種差別撤廃条約につき、以上)第8 先住民族の権利に関する国際連合宣言(A/RES/61/295。以下「先住民族宣言」という。)前文総会は、国際連合憲章の目的及び原則並びに憲章に従って国が負う義務履行に係る誠意を指針とし、すべての民族が、他と異なっている権利、自己を異なるとみなす権利、かつ、そのようなものとして尊重される権利を有することを認識しつつ、先住民族が他のすべての民族と平等であることを確認し、また、すべての民族が、人類の共同の財産である文明及び文化の多様さ及び豊かさに寄与していることを確認し、さらに、国民的出身又は人種、宗教、民族若しくは文化の違いに基づく民族又は個人の優越性に基礎を置き、又はそれを主張するすべての教義、政策及び慣行が、人種差別的であり、科学的に誤っており、法的に無効であり、道義的に非難されるべきであり、かつ、社会的に不正であることを確認し、先住民族が、その権利の行使に当たり、いかなる差別も受けてはならないことを再確認し、先住民族が、特に植民地化並びにその土地、領域及び資源のはく奪の結果として歴史的に不正に扱われてきたこと、それによって特に自己の必要と利益にしたがって発展の権利を行使することを妨げられていることを憂慮し、先住民族 地化並びにその土地、領域及び資源のはく奪の結果として歴史的に不正に扱われてきたこと、それによって特に自己の必要と利益にしたがって発展の権利を行使することを妨げられていることを憂慮し、先住民族の政治的、経済的及び社会的構造並びにその文化、精神的伝統、歴史及び哲学に由来する先住民族の固有の権利、特にその土地、領域及び資源に対する権利を 尊重し、及び促進することが緊急に必要であることを認識し、また、条約、協定及びその他の国との建設的な取決めで確認された先住民族の権利を尊重し、及び促進することが緊急に必要であることを認識し、先住民族が、政治的、経済的、社会的及び文化的向上のため、並びにあらゆる形態の差別及び抑圧が生じたときはどこでもそれを終わらせるため、団結していることを歓迎し、先住民族並びにその土地、領域及び資源に影響を及ぼす開発に対する先住民族による管理が、先住民族が、その制度、文化及び伝統を維持し並びに強化し、並びにその願望及び必要に合致する発展の促進を可能にすることを確信し、先住民族の知識、文化及び伝統的慣習の尊重が、持続可能で衡平な発展及び環境の適正な管理に寄与することを認識し、先住民族の土地及び領域の非軍事化が、平和、経済的及び社会的な進歩及び発展並びに世界の諸国及び諸民族の間の理解及び友好関係に寄与することを強調し、特に、先住民族の家族及び共同体が、子どもの権利と調和するように、子どもを養育し、訓練し、教育し、及び福利を増進することについて共同の責任を持つ権利を有することを認識し、国と先住民族の間の条約、協定及びその他の建設的な取決めで確認された権利は、場合によっては、国際的な懸念、関心、責任及び性質を有する問題であることを考慮し、また、条約、協定及びその他の建設的な取決め並びにそれらが 条約、協定及びその他の建設的な取決めで確認された権利は、場合によっては、国際的な懸念、関心、責任及び性質を有する問題であることを考慮し、また、条約、協定及びその他の建設的な取決め並びにそれらが示す関係が、先住民族と国との間の強固なパートナーシップの基盤であることを考慮し、国際連合憲章、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約並びにウィーン宣言及び行動計画が、すべての民族をしてその政治的地位を自由に決定し、経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求することを可能ならしめる自決の権利の基本的重要性を確認していることを認め、この宣言のいかなる記述も、国際法にしたがって行使されるいかなる民族の自決の 権利も否定するために用いられてはならないことに留意し、この宣言における先住民族の権利の承認が、正義、民主主義、人権尊重、非差別及び信義誠実の諸原則に基づく国と先住民族の間の調和的で協力的な関係を強化することを確信し、国に対し、関係する民族と協議及び協力して、国際文書、特に人権に関する国際文書の下で国が先住民族に対して負うすべての義務を遵守し、及び効果的に履行するよう奨励し、国際連合が、先住民族の権利を促進し、及び保護するにあたって重要かつ継続的な役割を果たすべきであることを強調し、この宣言が、先住民族の権利と自由の承認、促進及び保護のための、並びにこの分野における国際連合体制の関連する活動を発展させるための、より重要な一歩であることを確信し、先住民である個人が、国際法が承認するすべての人権を差別されることなく享有すること並びに先住民族が、その生存、福利及び民族としての全体の発展のために不可欠な集団的権利を有することを認識し、及び再確認し、地域ごと及び国ごとに先住 するすべての人権を差別されることなく享有すること並びに先住民族が、その生存、福利及び民族としての全体の発展のために不可欠な集団的権利を有することを認識し、及び再確認し、地域ごと及び国ごとに先住民族の状況が異なること、並びに国及び地域の特殊性並びに多様な歴史的及び文化的背景の重要性が考慮されるべきであることを認識して、パートナーシップ及び相互的尊重の精神をもって達成すべき基準として、先住民族の権利に関する国際連合宣言を次のとおり厳粛に宣言する。 第1条先住民族は、集団又は個人として、国際連合憲章、世界人権宣言及び国際人権法において認められるすべての人権及び基本的自由を十分に享有する権利を有する。 第2条先住民族及び先住民である個人は、自由であり、かつ、他のすべての民族及び個人と平等であって、その権利の行使に当たり、いかなる差別、特に先住民としての出自又はアイデンティティに基づく差別を受けない権利を有する。 第3条先住民族は、自決の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、その政治的地位を自由に決定し、並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する。 第7条 1 先住民である個人は、生命、身体的及び精神的健全性、身体の自由及び安全に対する権利を有する。 2 先住民族は、独自の民族として自由、平和及び安全に生活する集団的権利を保有し、かつ、その集団の子どもを他の集団に強制的に移動させることを含む、いかなる集団殺害行為又はその他のいかなる暴力行為も受けない。 第25条先住民族は、自己が伝統的に所有し、又はその他の方法で占有し、若しくは使用してきた土地、領域、水域、沿岸海域及びその他の資源との独自の精神的関係を維持し、及び強化する権利並びにこの点について将来の世代に対する自己の責任を果たす権利 又はその他の方法で占有し、若しくは使用してきた土地、領域、水域、沿岸海域及びその他の資源との独自の精神的関係を維持し、及び強化する権利並びにこの点について将来の世代に対する自己の責任を果たす権利を有する。 第26条 1 先住民族は、自己が伝統的に所有し、占有し、又はその他の方法で使用し、又は取得した土地、領域及び資源に対する権利を有する。 2 先住民族は、自己の伝統的な所有、又はその他の伝統的な占有若しくは使用に基づき保有する土地、領域及び資源並びに自己がその他の方法で取得した土地、領域及び資源を所有し、使用し、開発し、及び管理する権利を有する。 3 国は、これらの土地、領域及び資源に対して法的な承認及び保護を与えなければならない。この承認は、当該先住民族の慣習、伝統及び土地保有制度に対する十分な尊重をもって行わなければならない。 以上
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