令和5年(ヨ)第30402号特許権に基づく差止及び廃棄仮処分命令申立事件(本案・令和5年(ワ)第70402号特許権侵害差止等請求事件)決定 債権者 積水化学工業株式会社 同代理人弁護士 服部誠 同中村閑 同大西ひとみ 同代理人弁理士 黒川恵 債務者 パナソニックハウジングソリューションズ株式会社 同代理人弁護士 雨宮沙耶花 同大林良寛 同矢野彰浩 債務者 ケイミュー株式会社 同代理人弁護士 髙畑豪太郎 同嵐口拓哉 同天野里史 主文 1 債務者パナソニックハウジングソリューションズ株式会社は、別紙物件目録記載の各製品を製造し、販売し、又は販売の申出をしてはならない。 2 債務者ケイミュー株式会社は、別紙物件目録記載の各製品を販売し、又は販売の申出をしてはならない。 3 債務者らは、別紙物件目録記載の各製品に対する占有を解いて、これをその所在地を管轄する地方裁判所の執行官に引き渡さなければならない。 4 前項の執行官は、同項の各製品を保管しなければならない。 5 申立費用は債務者らの負担とする。 事実及び理由 第1 申立 る地方裁判所の執行官に引き渡さなければならない。 4 前項の執行官は、同項の各製品を保管しなければならない。 5 申立費用は債務者らの負担とする。 事実及び理由 第1 申立ての趣旨主文同旨第2 事案の概要 1 本件は、発明の名称を「サイフォン雨樋システム」とする特許(特許第6784708号。以下「本件特許1」といい、本件特許1に係る特許権を「本件特許権1」という。)及び「排水部材及び雨樋」とする特許(特許第7239774号。以下「本件特許2」といい、本件特許2に係る特許権を「本件特許権2」という。)の特許権者である債権者が、債務者らが製造、販売等する別紙債務者製 品目録記載の各製品(以下、同目録に記載した符号に従い「債務者製品1-1」などといい、併せて「債務者製品」という。)が本件特許権1及び2を侵害すると主張して、債務者らに対し、特許法100条1項に基づき、債務者製品の製造、販売等の差止めを求めるほか、同条2項に基づき、債務者製品を廃棄するための執行官保管の仮処分を求めるとともに、債務者パナソニックハウジングソリュー ションズ株式会社に対し、同項に基づく債務者製品に係る製造用金型の廃棄のための執行官保管の仮処分を求める事案である。 2 本件仮処分の審理経過(顕著な事実)債権者は、令和5年6月30日、債務者製品の製造、販売等が本件特許権1及び2を侵害すると主張して、本件申立ての趣旨と同旨の差止請求を求めるととも に、損害賠償請求を求める訴え(当庁令和5年(ワ)第70402号)を提起した。 その後、債権者は、同年12月28日、本件仮処分の申立てをしたことから、裁判所は、上記訴えに係る本案の審理に併せ、仮処分の審理を進めたところ、令和6年6月18日のレビュー期日( 号)を提起した。 その後、債権者は、同年12月28日、本件仮処分の申立てをしたことから、裁判所は、上記訴えに係る本案の審理に併せ、仮処分の審理を進めたところ、令和6年6月18日のレビュー期日(侵害論に係る2往復の主張立証終了後裁判所 の心証を伝える期日をいう。)において、侵害判断の前提となる取引の実態を明 らかにするために、核心的争点に関する更なる釈明を行うとともに、当事者双方に対し、和解を勧告した。そして、債権者は、同年8月1日までに和解案を提出し、債務者らは、同月30日までに上記和解案に対する検討結果(対案)を提出することとされた。 上記の審理計画を踏まえ、債権者は、同月1日までに和解案を提出したのに対 し、債務者らは、同月30日までに和解案を提出しなかったため、裁判所は、改めて債務者らの和解案(設計変更を前提とする和解案を提出する場合には設計変更の具体的内容を示す。)の提出期限を同年9月17日と定めた上、当事者双方に対し、上記和解案の内容次第では、本件仮処分の発令を含め、裁判所において今後の進行を検討する旨を事実上伝えた。 これに対し、債務者らは、上記定めにかかわらず、同月17日の期限を徒過し、同月18日、設計変更案の具体的内容を示したところ、債権者は、当該設計変更案を検討の上、同月19日、裁判所に対し、直ちに和解の打ち切りを求めた。これと同時に、債権者は、裁判所の心証等に基づき、同日、本件申立てのうち本件特許2に係る特許請求の範囲の請求項2(以下「本件発明2-2」といい、本件 発明2-2に係る特許権を「本件特許権」という。)に基づく債務者製品1-1、2-1、3-1の債務者製品(以下、併せて「本件債務者製品」という。)に係る部分以外の申立てを取り下げるとともに、債務者らが本件債務者製品に係る 権を「本件特許権」という。)に基づく債務者製品1-1、2-1、3-1の債務者製品(以下、併せて「本件債務者製品」という。)に係る部分以外の申立てを取り下げるとともに、債務者らが本件債務者製品に係る製造用金型を変更した旨主張したことを踏まえ、本件申立てのうち債務者製品に係る製造用金型の廃棄のための執行官保管の仮処分に係る申立てを取り下げた。 その上で、債権者は、裁判所に対し、同日、本件仮処分の速やかな発令を求めた。 以上の審理経過等を踏まえ、本件仮処分の性質等に鑑み、裁判所は、翌日の20日、本件決定をした。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各疎明資料及び審尋の全趣 旨により認められる事実をいう。なお、疎明資料を摘示する場合には、特に記載 のない限り、枝番を含むものとする。)⑴ 当事者ア債権者は、建築、土木、車両、電子機器等各産業向けプラスチック製品の製造、販売等を業とする会社である。 イ債務者パナソニックハウジングソリューションズ株式会社(以下「債務者 パナソニック」という。)は、暮らしに関わる住宅設備、建材等の製造販売、エンジニアリング事業等を業とする会社である。 ウ債務者ケイミュー株式会社(以下「債務者ケイミュー」という。)は、屋根材、外壁材等の製造販売事業、雨樋の販売事業等を業とする会社である。 ⑵ 本件特許2(疎甲2、4) ア債権者は、以下の特許を保有している(本件特許2に係る願書に添付された明細書の記載及び図面を「本件明細書2」という。)特許番号特許第7239774号出願番号特願2022-140664号発明の名称排水部材及び雨樋 原出願日平成30年6月22日出願日令和 いう。)特許番号特許第7239774号出願番号特願2022-140664号発明の名称排水部材及び雨樋 原出願日平成30年6月22日出願日令和4年9月5日登録日令和5年3月6日イ本件特許2に係る特許請求の範囲の請求項2(本件発明2-2。以下、本件特許2の特許請求の範囲に記載された発明を総称して「本件発明2」とい う。)の記載内容は、別紙「特許請求の範囲」記載のとおりである。 ⑶ 本件発明2-2に係る構成要件の分説本件発明2-2を構成要件に分説すると、次のとおりとなる(以下、分説した構成要件をその符号に従い「構成要件2-2-A」などという。)。 2-2-A 底面に貫通穴が形成された軒樋と、前記貫通穴の下面に接続 された竪樋継手を介して前記軒樋と接続された竪樋と、を備 えた雨樋に設けられる排水部材であって、2-2-B 前記貫通穴に挿入されて落し口部を形成する円筒状の筒部と、2-2-C 前記軒樋の底面に設置される鍔部と、2-2-D 前記落し口部の上方に配置される蓋部材と、 2-2-E 前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結する複数の縦リブと、を有し、2-2-F 前記蓋部材と前記鍔部との間に流入開口が形成され、2-2-G 前記筒部と前記鍔部との間の接続部は曲面で形成され、2-2-H 前記筒部、前記鍔部、前記蓋部材および前記縦リブは一体的 に形成され、2-2-I 前記筒部の外面には、前記竪樋継手の内面に形成された雌ねじと螺合可能な雄ねじが形成され、2-2-J 前記複数の縦リブは、下端が前記接続部に設けられ、かつ、前記縦リブは径方向に延びる板状に形成され、 2-2-K 前 の内面に形成された雌ねじと螺合可能な雄ねじが形成され、2-2-J 前記複数の縦リブは、下端が前記接続部に設けられ、かつ、前記縦リブは径方向に延びる板状に形成され、 2-2-K 前記落し口部の開口面積は、30㎠以上190㎠以下である2-2-L 排水部材。 ⑷ 本件発明2-2の概要(疎甲2、4、審尋の全趣旨)本件発明2-2は、雨樋の部材として用いられる排水部材に関するものである。雨樋とは、屋根の軒先から流れ落ちる雨水を受け止め、地上へと流し込む ものであり、排水部材のほか、軒樋、呼び樋、竪樋、連結管、エルボ等の複数の部材が組み合わされて構成される。本件発明2-2は、コストを抑え、作業性に優れた簡単な構造で、優れたサイフォン性能を発揮することができる排水部材を提供することを目的とする。 ⑸ 本件債務者製品の概要 本件債務者製品は自在ドレン(高排水用)(上)であるところ、債務者製品 1-1の製品図面及びその外観は下図のとおりである。本件債務者製品は、サイズの違いにより特定されており、形状はいずれも同様である。(疎甲6、7)なお、本件債務者製品は、債務者パナソニックが提案する「大型雨とい高排水システム」の専用部材として製造・販売されている。「大型雨とい高排水システム」とは、サイフォン現象を連続的に発生させることで、排水能力を従来 よりも大幅にアップさせることができる排水システムであり、本件債務者製品を含む専用部材と既存部材とを組み合わせるシステムである。(疎甲5ないし7)⑹ 債務者らの行為(疎甲5、審尋の全趣旨)ア債務者パナソニックは、本件債務者製品を製造、販売又は販売の申出をし ている。 イ債務者ケイミューは、本件債務者製品を販売又は販売の申 ⑹ 債務者らの行為(疎甲5、審尋の全趣旨)ア債務者パナソニックは、本件債務者製品を製造、販売又は販売の申出をし ている。 イ債務者ケイミューは、本件債務者製品を販売又は販売の申出をしている。 ⑺ 先行文献等本件特許2の分割出願に係る出願遡及日(平成30年6月22日)より前に、以下の公刊物が存在していた。 発明の名称を「ANIMPROVEDROOFDRAINAGEOUTLET」とする国際公開(WO2010/110744 A1。公開日平成22年9月30日。疎乙A25。以下「乙A25公報」といい、同公報に記 載された発明を「乙A25発明」という。) 4 争点⑴ 充足論ア本件債務者製品の落とし口対向部の「蓋部材」該当性(構成要件2-2-D)(争点1) イ本件債務者製品の縦リブの「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結する」該当性(構成要件2-2-E)(争点2)⑵ 無効論ア乙A25発明に基づく進歩性の有無(争点3)イサポート要件違反の有無(争点4) ウ実施可能要件違反の有無(争点5) 5 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1(本件債務者製品の「蓋部材」該当性(構成要件2-2-D))(債権者の主張)ア本件債務者製品は、落とし口部の上方に対向して配置され、水平方向に延 びるフランジ状の平板部と、この平板部の内周側から下方に向かって縮径するように延びるテーパー部と、このテーパー部の下端から下方に向かって延びる円筒部とを有する落とし口対向部を有する。そして、当該構成は、構成要件2-2-D「前記落し口部の上方に配置される蓋部材」に該当する。 イ債務者らは、本件債務者製品の落とし口対向部の て延びる円筒部とを有する落とし口対向部を有する。そして、当該構成は、構成要件2-2-D「前記落し口部の上方に配置される蓋部材」に該当する。 イ債務者らは、本件債務者製品の落とし口対向部の一部であるテーパー部は、 本件特許2では「蓋部材」とは異なる「誘導ガイド」と捉えられているとして「蓋部材」には該当しないと主張するが、本件特許2の請求項5の記載を踏まえても、これらが別部材でなければならないと解釈する根拠はない。 また、債務者らは、「蓋部材」とはその直径が落とし口部の外径の直径より大きく、落とし口部の開口を覆い塞ぐものでなければならないと限定解釈 するが、特許請求の範囲の記載に反する上、本件発明2の技術的意義を誤解 したものであるから、理由がない。 さらに、債務者らは、「蓋部材」とは優れたサイフォン効能を発揮させる部材に限定解釈されるとして、中心の穴から空気を吸い込む漏斗状の形状である本件債務者製品の落とし口対向部はこれに該当しないと主張するが、本件明細書2の記載によれば、「蓋部材」の断面視形状として漏斗状も想定さ れていることは明らかであるし、本件発明2は、単なる開口と比較して優れたサイフォン性能を発揮する排水部材を提供することを目的とするものではないから、単なる開口との比較を行う債務者パナソニック実施の実験(疎乙A12)は、意味がない。 (債務者らの主張) ア本件債務者製品のテーパー部は、「誘導ガイド」であって「蓋部材」に該当しない。 イ本件明細書2の記載によれば、「蓋部材」はその直径が落とし口部の開口外径の直径より大きく、落とし口部の開口を覆い塞ぐものであると解すべきである。しかしながら、本件債務者製品の平板部の直径は落とし口部の開口 外径の れば、「蓋部材」はその直径が落とし口部の開口外径の直径より大きく、落とし口部の開口を覆い塞ぐものであると解すべきである。しかしながら、本件債務者製品の平板部の直径は落とし口部の開口 外径の直径よりも短く、平板部と落とし口部の間には隙間が空いていること、円筒部には直径約13ミリメートルの穴が開いていることからすれば、本件債務者製品の落とし口対向部は、落とし口部の開口を覆い塞いでいないから「蓋部材」に該当しない。 ウまた、本件発明2の作用効果からすると、「蓋部材」は、空気を吸い込ま ず、優れたサイフォン性能を発揮する部材でなければならない。しかしながら、本件債務者製品の落とし口対向部は漏斗状になっており、中心の穴から空気を吸い込むことがあるし、債務者パナソニック実施の実験(疎乙A12)によっても単なる開口よりサイフォン現象が優れているともいえないから、「蓋部材」に該当しない。 ⑵ 争点2(本件債務者製品の縦リブの「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の 外周部とを連結する」該当性(構成要件2-2-E))(債権者の主張)ア本件債務者製品は、鍔部の上面と落とし口対向部の下面の外周部とを連結する5枚の縦リブを有する。そして、当該構成は、構成要件2-2-Eに該当する。 これに対し、債務者らは、本件債務者製品の縦リブが3つの部材から構成されるものであるかのように恣意的に分割するが、一体を成す部材である。 イ債務者らは、「縦リブ」が鍔部上にのみ存在していなければならないと主張するが、「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結」(2-2-E)し、「前記中心軸の方向から見たときに前記鍔部上に周方向に配置 され」(本件特許2の請求項1)との特許請求の範囲の記載からすれ 「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結」(2-2-E)し、「前記中心軸の方向から見たときに前記鍔部上に周方向に配置 され」(本件特許2の請求項1)との特許請求の範囲の記載からすれば、「縦リブ」が鍔部上のみに存在していなければならないとの限定は読み取れない。 また、「縦リブ」は、排水部材を容易に軒樋に装着することができるという作用効果や、整流効果により雨水が空気を吸い込むことをより確実に抑制するという作用効果があるところ、これらの作用効果は「縦リブ」が落とし 口部の開口に重ならないように設けられる構成を前提とするものではない。 (債務者らの主張)ア債権者が縦リブと呼称する本件債務者製品は、構成要件2-2-Eの「縦リブ」とは異なり、下図記載のとおり、分割板、渦流防止部材、流入促進部の3つの異なる部材から構成されるものである。 イ本件発明2の「縦リブ」は、「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周 部とを連結」する構成(2-2-E)を有するほか、「前記中心軸の方向から見たときに前記鍔部上に周方向に配置」されるとする構成(本件特許2の請求項1)及び本件明細書2(段落【0017】)の記載によれば、中心軸の方向から見たときに鍔部上にのみ配置されるものに限られると解すべきである。 そして、分割板は、落とし口対向部と連結しておらず、渦流防止部材は、鍔部に連結していないから、いずれも鍔部の上面と蓋部材の下面の外周部とを連結する構成を有しない。 仮に、分割板と渦流防止部材を一体として捉えた場合であっても、これらは落とし口部の開口に重なるため、鍔部上のみに存在するとはいえなくなる から、中心軸の方向から見たときに鍔部上に 有しない。 仮に、分割板と渦流防止部材を一体として捉えた場合であっても、これらは落とし口部の開口に重なるため、鍔部上のみに存在するとはいえなくなる から、中心軸の方向から見たときに鍔部上にのみ配置される構成を有しない。 ⑶ 争点3(乙A25発明に基づく進歩性の有無)(債務者らの主張)ア一致点及び相違点 乙A25発明の構成 乙A25発明は、以下のとおり、構成要件2-2-Jに相当する構成を 除き、本件発明2-2の構成を全て開示している。 乙A25発明は、底面に貫通穴が形成された金属雨樋120と、前記貫通穴の下面に接続された挿口77を介して前記金属雨樋120と接続された竪樋78とを備えた屋根樋に設けられる装置95であるところ、金属雨樋120は「軒樋」に、挿口77は「竪樋継手」に、屋根樋は「雨樋」 に、装置95は「排水部材」に、それぞれ相当するから、構成要件2-2-A、2-2-Lに相当する構成を開示している。 乙A25発明は、前記貫通穴に挿入されて排水管11を形成する下方突出部160の円筒状の部位と、前記筒状の部位の上端から径方向の外側に延びる板状をした略水平方向の部位と、前記排水管11の上方に配置され るバッフル60と、前記略水平方向の部位の上面と前記バッフル60の下面の外周部とを連結する複数の直立部155とを有するところ、排水管11は「落し口部」に、下方突出部160の円筒状の部位は「円筒状の筒部」に、略水平方向の部位は「鍔部」に、バッフル60は「蓋部材」に、直立部155は「縦リブ」に、それぞれ相当するから、構成要件2-2-Bな いし2-2-Eに相当する構成を開示している。 雨樋から流入する水は、バッフル60と、下方突出部160における略水平 部155は「縦リブ」に、それぞれ相当するから、構成要件2-2-Bな いし2-2-Eに相当する構成を開示している。 雨樋から流入する水は、バッフル60と、下方突出部160における略水平方向の部位の間を通って、竪樋78内に流入するから、乙A25発明は、構成要件2-2-Fに相当する構成を開示している。 ベースクランプ65における下方突出部160の円筒状の部位と、略水 平方向の部位は曲面で形成されているから、乙A25発明は、構成要件2-2-Gに相当する構成を開示している。 バッフル60とベースクランプ65は一体的に形成されるところ、バッフル60は「蓋部材」に相当し、ベースクランプ65は「円筒状の筒部」、「鍔部」、「縦リブ」に相当する部位を有する部材であるから、乙A25 発明は、構成要件2-2-Hに相当する構成を開示している。 ベースクランプ65と挿口77をねじで係合させても良いとされているところ、ベースクランプ65は「円筒状の筒部」に、挿入口77は「竪樋継手」に、それぞれ相当するから、乙A25発明は、構成要件2-2-Iに相当する構成を開示している。 直立部155は、径方径方向に延びる板状に形成されている。 乙A25発明は、挿口の直径が77㎜と103㎜である場合に安定した排水が行われるところ、これらの場合の排水部材の開口面積は、それぞれ47㎠又は83㎠であるから、構成要件2-2-Kに相当する構成を開示している。 債権者の主張に対する反論a 構成要件2-2-A債権者は、本件発明2-2が「軒樋…を備えた雨樋に設けられる排水部材」(構成要件2-2-A)を備えるのに対し、乙A25公報の図2の説明に用いられる“are a 構成要件2-2-A債権者は、本件発明2-2が「軒樋…を備えた雨樋に設けられる排水部材」(構成要件2-2-A)を備えるのに対し、乙A25公報の図2の説明に用いられる“areinforcedconcrete (RC) gutter120”は 鉄筋コンクリート(RC)の側溝を意味するから、乙A25発明は「軒樋…を備えた雨樋に設けられる排水部材」に係る構成を開示していない旨主張する。しかしながら、債権者が指摘する図2の実施例は、一部の実施例にすぎないから、乙A25公報において一般化できるものではない。そして、他の実施例には屋根からの雨水を“ametalgutter 0”が受け取る旨の記述があり、この場合には“gutter”は屋根に取り付けられた「軒樋」を意味している。したがって、乙A25発明は、構成要件2-2-Aに相当する構成を開示している。 また、債権者は、本件発明2-2が「貫通穴の下面に接続された竪樋継手」(構成要件2-2-A)を備えるのに対し、乙A25発明の挿口 77は貫通穴の下面に「接続」されていない旨主張する。しかしながら、乙A25公報の図3から細部の構成を確定的に読み取ることはできないし、債権者が大きな隙間として指摘する黒く塗りつぶされた箇所は雨水が流出しないように密閉するための構成を示していると解されるから、金属雨樋120と挿口77が密閉状態で「接続」された構成となっ ている。したがって、乙A25発明は、構成要件2-2-Aに相当する構成を開示している。 b 構成要件2-2-E債権者は、①本件発明2-2は「縦リブ」が鍔部の上面と蓋部材の下面の外周部とを連結しているのに対し、乙A25発明は上記構成を備え ていない、②同発明の「縦リブ」は 件2-2-E債権者は、①本件発明2-2は「縦リブ」が鍔部の上面と蓋部材の下面の外周部とを連結しているのに対し、乙A25発明は上記構成を備え ていない、②同発明の「縦リブ」は、整流効果を生じさせるものである 一方、乙A25発明は、二相流を生じさせることを特徴としており、直立部155は整流効果を生じさせてはならないものであるから、「縦リブ」に該当しない旨主張する。しかしながら、乙A25発明は上記構成を備えているし、同発明が二相流によるサイフォン現象のみを用いた発明であるとする債権者の主張は前提を誤っている。したがって、乙A2 5発明は、構成要件2-2-Eに相当する構成を開示している。 c 構成要件2-2-H債権者は、本件発明2-2がコストを抑え作業性に優れた構造とするために「前記筒部、前記鍔部、前記蓋部材および前記縦リブは一体的に形成される」(構成要件2-2-H)のに対し、乙A25公報には上記 構成が開示されていない旨主張する。しかしながら、同公報には、下方突出部160がベースクランプ65と一体の部材である旨の記載があるほか、これらを含む排水口装置95が一体成形され得る旨の記載がある。したがって、乙A25発明は、構成要件2-2-Hに相当する構成を開示している。 イ相違点及び容易想到性 相違点本件発明2-2の「縦リブ」は、下端が筒部と鍔部との間の接続部に設けられるのに対し(構成要件2-2-J)、乙A25発明の「縦リブ」に相当する直立部155の下端は、ベースクランプ65における曲面で形成 された下方突出部160の円筒状の部位と略水平方向の部位の接続部位に設けられるとはいえない点が相違する。 容易想到性 部155の下端は、ベースクランプ65における曲面で形成 された下方突出部160の円筒状の部位と略水平方向の部位の接続部位に設けられるとはいえない点が相違する。 容易想到性上記相違点は、本件特許2の分割出願前である平成22年9月16日に国際公開された発明の名称を「WATERDRAINASSEMBLY, INPARTICULARFORSIPHONICROOFDRA INAGESYSTEMS」(特にサイフォン式屋根排水システム用の排水アセンブリ)とする国際公開公報(WО2010/103370 A1。疎乙A26。以下「乙A26公報」といい、同公報に記載された発明を「乙A26発明」という。)に記載されており、乙A25発明と乙A26発明は、屋根樋に設置する排水部材である点で同じ技術分野に属し、ま た、サイフォン現象を利用した良好な排水部材を提供するという課題も共通するから、相違点に係る乙A26発明の構成を、乙A25発明に適用することは当業者にとって容易である。 そして、乙A25発明の直立部155と、乙A26発明のブレード41(下図参照)は、共に蓋部材を支持するための部材であり、サイフォン現 象を向上させるために排水を整流させる目的を有するものであるから、両者の組合せに阻害事由はない。また、上記目的によれば、直立部155の下端の位置を参照することが、乙A25発明の機能を損なうものでもない。 (債権者の主張)ア相違点 構成要件2-2-A乙25A公報の図2の説明に用いられる “areinforcedconcrete (RC) gutter120”は、鉄筋コンクリート(RC 相違点 構成要件2-2-A乙25A公報の図2の説明に用いられる “areinforcedconcrete (RC) gutter120”は、鉄筋コンクリート(RC)の側溝を意味するところ、 同公報中の“gutter”は、いずれも「側溝」を意味するから、乙A25発明は「軒樋…を備えた雨樋に設けられる排水部材」(構成要件2-2-A)に相当する構成を開示していない。 また、乙A25公報の図3には、側溝120と挿口77の上面との間に大きな隙間があるから、挿口77は「貫通穴の下面に接続」(構成要件2 -2-A)されていない。 構成要件2-2-E乙A25発明のベースクランプ65の直立部155は、バッフル60の下面の外周部には存在せず、バッフル60の「下面の外周部」(構成要件2-2-E)に連結していない。 本件発明2-2の「縦リブ」は、整流効果を持たせるものを意味すると解される一方、乙A25発明は、二相流(同発明でいう二相流とは、管路断面を満たすような大きな砲弾型の気泡と、小気泡を含む液体部分が交互に存在するスラグ流をいう。)を生じさせることにより空気が排水管に入るようにしていることを発明の特徴としており、直立部155は、かえっ て整流効果を生じさせるものであってはならないから、「縦リブ」(構成要件2-2-E)に係る構成を開示していない。 構成要件2-2-H乙A25公報には、バッフル60とベースクランプ65は一体的に形成されるとは記載されていないから、乙A25発明には、構成要件2-2- Hに係る構成は開示されていない。 構成要件2-2-J乙A25発明の直立部155の下端部は、ベ されるとは記載されていないから、乙A25発明には、構成要件2-2- Hに係る構成は開示されていない。 構成要件2-2-J乙A25発明の直立部155の下端部は、ベースクランプ65の略水平部位上に配置されており、曲面で形成された筒部と鍔部との間の「接続部に設けられ」た(構成要件2-2-J)に相当する構成を開示していると はいえない。 イ容易想到性に関する主張 乙A25発明について本件発明2-2は、雨水が空気を吸い込むことをより確実に抑制することで優れたサイフォン現象を生じさせるための構成を備えているのに対し、乙A25発明は、敢えて空気を吸い込ませるために二相流を生じさせ る構成を採用しているから、課題解決のための技術的思想が根本的に相違しており、当業者が、乙A25発明を出発点として、構成要件2-2-E及び2-2-Jに相当する構成を想到することはない。 乙A26発明について債務者らは、上記アの相違点を自認した上で、当該相違点は、乙A2 6発明に記載されており、乙A25発明と乙A26発明は、屋根樋に設置する排水部材である点で同じ技術分野に属し、また、サイフォン現象を利用した良好な排水部材を提供するという課題も共通するなどとして、相違点に係る乙A26の構成を、乙A25発明に適用して本件発明2-2に想到することは当業者にとって容易であると主張する。 しかしながら、乙A25発明は、乱流を発生させて、空気と水の二相流を生じさせる排水原理を採用とすることを技術的特徴としており、直立部155は、整流効果をもたせるものであってはならない。これに対し、乙A26発明は、管を満水状態にさせて排水システムを効率的に動作させる 生じさせる排水原理を採用とすることを技術的特徴としており、直立部155は、整流効果をもたせるものであってはならない。これに対し、乙A26発明は、管を満水状態にさせて排水システムを効率的に動作させるものとされており、複数のブレード41は、空気の導入による渦の形成を 回避し、整流効果を生じさせるものである。 したがって、当業者が、直立部155に替えて、乙A26発明のブレード41を乙25A発明に適用することに動機付けられることはなく、かえって乙A25発明に乙A26発明のブレード41の構成を適用することには阻害事由がある。 ⑷ 争点4(サポート要件違反の有無) (債務者らの主張)債権者は、縦リブさえ備えれば優れたサイフォン性能を発揮すると主張する意見書(疎乙A20)を提出して特許査定を受けたが、蓋部材の底面からの高さ及び開口外径に対する蓋部材の直径の比率にかかわらず、優れたサイフォン性能を発揮するという根拠は、明細書上明らかではない。 本件明細書2の段落【0009】には、蓋部材の高さを10㎜から50㎜までの範囲とすることが好適であると記載がある。また、段落【0071ないし0075】記載の各ケースを比較すると、ケースAとケースCの比較からリブ数が4枚の場合、ケースBとケースCの比較からリブ幅が55㎜の場合、ケースV、F、S、W、XとケースC、D、E、G、H、Tの比較からリブ数が6 枚でリブ幅が25㎜であっても蓋直径が小さい場合、蓋高さが低い場合、誘導ガイドがない場合には、いずれも優れたサイフォン性能が発揮できないことが理解できる。 これに対して、特許請求の範囲の記載をみると、そこには、リブ数や、リブ幅、蓋直径、蓋高さについて、何ら限定が付されていない発明が記載されてい るにとどまる。 発揮できないことが理解できる。 これに対して、特許請求の範囲の記載をみると、そこには、リブ数や、リブ幅、蓋直径、蓋高さについて、何ら限定が付されていない発明が記載されてい るにとどまる。 そうすると、本件明細書2に接した当業者としては、縦リブさえ備えれば優れたサイフォン性能が発揮されるとは考えられず、技術常識を踏まえても、課題解決の合理的期待が得られる程度の記載があるとはいえないから、特許法36条6項1号違反の無効理由が存在し、本件発明2-2は無効とされるべきで ある。 (債権者の主張)本件特許2は、債務者らが主張する意見書(疎乙A20)を提出した後、拒絶査定となり、拒絶査定不服審判請求を経て、特許審決を得ているところ、審判請求書において、本件発明2は「コストを抑え、作業性に優れた簡単な構造 で、優れたサイフォン性能を発揮することができる排水部材を提供する」との 課題を解決できると認識できる範囲のものであることを主張し、特許法36条6項1号違反の拒絶理由が解消されて特許査定に至っているから、債務者らの主張は、前提を誤るものである。 本件明細書2の段落【0005】【0006】【0021】には、コストの抑制や、作業性に優れた簡単な構造であることも課題や作用効果として記載さ れており、段落【0017】【0018】【0037】【0039】【0058】には、上記の課題や作用効果に対応する構成が記載されている。 また、本件発明2-2の縦リブ(構成要件2-2-E、2-2-J)や流入開口部分(構成要件2-2-F)の構成により、縦リブに整流効果をもたせることが可能となり、雨水が空気を吸い込むことをより確実に抑制することがで きるという作用効果も奏するところ、これは、優れたサイフォン現象を発揮する F)の構成により、縦リブに整流効果をもたせることが可能となり、雨水が空気を吸い込むことをより確実に抑制することがで きるという作用効果も奏するところ、これは、優れたサイフォン現象を発揮するとの課題や作用効果に対応するものである。 以上によれば、本件明細書2の記載から、本件発明2-2の特許請求の範囲の記載に係る構成を採用することによって、上記発明の課題を解決できることが十分に理解できるというべきである。 これに対し、債務者らが根拠とする本件明細書2(段落【0009】)の記載は、あくまで「好適」な態様を説明したものにすぎず、本件発明2が係る「好適」な態様を備えたものである必要はない。 ⑸ 争点5(実施可能要件違反の有無)(債務者らの主張) 本件発明2は、蓋部材の直径や軒樋底面からの設置高さがサイフォン現象の発生に影響するとして、その最適解を求めることを主眼とした発明である本件明細書2には、第1実施例として、蓋部材の高さと直径を種々に変更したケース1からケース18までの排水状態を確認した実験結果が記載されているところ(段落【0062ないし0070】)、例えば軒樋底面からの設置 高さが5㎜の場合において水位が100で一定する結果になり、軒樋底面から の設置高さが10㎜や60㎜のときにも水位が100となっているものが多数ある。本来、蓋部材の直径等に応じて、水位は様々に変化するはずであるにもかかわらず、本件明細書2にはこの点に関する説明がない。上記記載に係る第1実施例は、本件発明2を実施するための重要な根拠となるものであるが、その実施内容が不明であるから、本件明細書2には本件発明2を実施できる程 度の記載がなされていない。したがって、特許法36条4項1号違反の無効理由が存在し、本件発明2-2は となるものであるが、その実施内容が不明であるから、本件明細書2には本件発明2を実施できる程 度の記載がなされていない。したがって、特許法36条4項1号違反の無効理由が存在し、本件発明2-2は無効とされるべきである。 (債権者の主張)本件明細書2には、図面とともに、本件発明2に係る排水部材の具体的構成が段落【0024】ないし【0047】に記載され、その組み立て方法が段落 【0048】ないし【0051】に記載され、その作用効果が【0052】ないし【0060】に記載されている。これらの記載によれば、当業者は、本件明細書2の記載に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、本件発明2に係る排水部材を生産し、かつ、使用することができる。 これに対し、債務者らは、第1実施例に関する実験の実施内容が不明である と主張するが、水位が100㎜以上となる場合は水槽から水が溢れて実験継続が困難になるため、「100(㎜)」の値をとる実験結果が複数存在しているだけであり、このことは、本件明細書2に接した当業者であれば容易に理解し得る。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実⑴ 本件明細書2の内容ア技術分野「本発明は、排水部材及び雨樋に関する。」(段落【0001】)。 イ背景技術 「雨樋システムには、住宅などの外観を損なうことなく単位時間当たりの 排水量を増加させて、大雨時でも好適に雨水を排水管に排出できるようにすることが求められている。そこで、軒樋で処理できる水の流量を増やすには、軒樋自体の断面寸法を大きくしたり、呼び樋や竪樋の口径の拡大、本数の増加を図る必要がある。しかし、これらは、コストの上昇、見栄えの低下といった問題がある。」(段落【0002】) 「そこで 、軒樋自体の断面寸法を大きくしたり、呼び樋や竪樋の口径の拡大、本数の増加を図る必要がある。しかし、これらは、コストの上昇、見栄えの低下といった問題がある。」(段落【0002】) 「そこで、口径の拡大や本数を増やすことがなく排水処理量を増加させる雨樋装置として、例えば特許文献1に記載されているような竪樋及び呼び樋の開口面積を適正な寸法とすることで大雨のときにサイフォン作用により大量の雨水を極めて効率良く排水できるサイフォン式排水装置が知られている。特許文献1の排水装置は、軒樋の下面側でサイフォン管の上端部に渦 流防止部材を取り付け、渦流による空気の吸い込みをなくすことで、サイフォン作用による排水の安定性を図る構成となっている。」(段落【0003】)【特許文献1】特開2004-308399号公報ウ発明が解決しようとする課題「しかしながら、上述した特許文献1に示すような従来のサイフォン式排 水装置では、サイフォン管の上端部に渦流防止部材(排水部材)を取り付ける構造となっているが、軒樋の底面近傍に手を差し込んで取り付けることとなり、作業性の点で課題があった。また、渦流防止部材を竪樋の管内面に沿わせた形状となるため、例えば軒樋から流入した異物が渦流防止部材で詰まったときに取り外し作業がし難く、作業にかかる手間と時間を要することか ら、その点で改善の余地があった。また、竪樋の開口面積が20㎠以下と小さいため、サイフォン作用を利用しても最大排水流量は十分ではなかった。 しかも、竪樋の口径毎に適合する排水部材を用意する必要があることから、経済性の点で課題があり、軒樋や竪樋の大きさに対応して現場で簡単に調整することで、好適なサイフォン性能をもたせることが求められていた。」(段 落【0005】 部材を用意する必要があることから、経済性の点で課題があり、軒樋や竪樋の大きさに対応して現場で簡単に調整することで、好適なサイフォン性能をもたせることが求められていた。」(段 落【0005】) 「そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、コストを抑え、作業性に優れた簡単な構造で、優れたサイフォン性能を発揮することができる排水部材を提供することを目的としている。」(段落【0006】)エ発明を実施するための形態「雨樋1は、…軒樋10と、軒樋10の底面10aに形成される円形の貫 通穴10bに呼び樋12を介して接続された竪樋11と、を有している。呼び樋12は、軒樋10に設けられたサイフォンドレン部材2から流下した雨水Wを水平に導水するもので、一端側が第1エルボ12Aによって竪樋継手13を介して軒樋10の下面10cに接続され、他端側が第2エルボ12Bによって竪樋11の上端に接続される」(段落【0025】) 「図5乃至図7に示すように、サイフォンドレン部材2は、板状に形成された蓋部材21と、落し口部20を有して竪樋11…に嵌合される装着筒22と、蓋部材21と装着筒22とを接続し、上面視で落し口部20に重ならない位置で周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブ23と、を備えている。」(段落【0034】) 「蓋部材21は円盤状に形成され、装着筒22は筒状に形成されていて、これらの各中心軸は共通軸上に配置され、鉛直方向に一致している。」(段落【0035】)「装着筒22は、落し口部20を形成する筒部22Aと、筒部22Aの上端から径方向の外側に延びる板状の鍔部22Bと、を有している。…落し口 部20の開口面積A1は筒部22Aの内径(落し口部20 「装着筒22は、落し口部20を形成する筒部22Aと、筒部22Aの上端から径方向の外側に延びる板状の鍔部22Bと、を有している。…落し口 部20の開口面積A1は筒部22Aの内径(落し口部20の開口外径R1)を直径とした面積に相当する。本実施の形態においては、開口面積A1は20㎠以上300㎠以下とされ、30㎠以上190㎠以下が好ましく、40㎠以上100㎠以下がより好ましい。」(段落【0036】)「装着筒22において、落し口部20に相当する筒部22Aと、鍔部22 Bとが連設される内面側の接続部分22aは、テーパー面、或いは曲面に形 成されたベルマウス形状をなしている。…筒部22Aは、軒樋10の貫通穴10b(図7参照)に上方から貫通され、竪樋継手13の内側に挿入された状態で配置される。なお、筒部22Aの外周面には、図示しない雄ねじが形成されていてもよい。この場合には、装着筒22を回転させることで竪樋継手13の内面に形成される雌ねじ…に筒部22Aの雄ねじを螺合させて締 め込むことで装着することができる。」(段落【0037】)「蓋部材21の外周縁21aと鍔部22Bの外周縁22cとの間に形成される部分が、軒樋10に溜まった雨水Wが落し口部20の開口に流入する流入開口2Aとなる。」(段落【0038】)「複数の縦リブ23は、…装着筒22の鍔部22Bの上面22dと、蓋部 材21の下面21cの外周部とを連結している。」(段落【0039】)「サイフォン作用発生のためには流入開口2Aより軒樋10内の水位が高くなる必要があるため、蓋部材21の高さHは軒樋10内の最大水位よりも低い必要がある。安定的なサイフォン作用発生のため、蓋部材21の高さHは、軒樋10内の最大水位の0.1~0.5倍の高さであることが好まし ため、蓋部材21の高さHは軒樋10内の最大水位よりも低い必要がある。安定的なサイフォン作用発生のため、蓋部材21の高さHは、軒樋10内の最大水位の0.1~0.5倍の高さであることが好まし く…」(段落【0044】)「蓋部材21には、図5乃至図7に示すように、下面21cの平面視中央部においてドレン軸O(蓋中心)に向かうに従い漸次下方に延びる曲線を有する複数の誘導ガイド25がドレン軸Oから径方向に向けて放射状に延びて設けられている。誘導ガイド25は、軒樋10内の雨水Wを流入開口2A から落し口(落し口部20の開口)へ誘導するためのものである。」(段落【0047】)「蓋部材21を軒樋10の底面10aからの所定の高さHの位置に設定する…そのため、蓋部材21を軒樋10の上側から取り付ける作業となり、軒樋10の下面10c(図1参照)側における作業を低減することができ、 蓋部材21の取り付け、取り外しにかかる手間や時間を低減することができ る。」(段落【0054】)「本実施の形態のサイフォンドレン部材2では、蓋部材21を縦リブ23を介して一体的に設けた装着筒22を竪樋11上に設けられる竪樋継手13に対して嵌合することで、蓋部材21を所定の位置に配置することができる。そして、蓋部材21の下面21c側で軒樋10の底面10aとの間に好 適な大きさの流入開口2Aが形成され、サイフォンドレン部材2の取り付け作業を容易に行うことができる。しかも、本実施の形態のサイフォンドレン部材2では、雨水Wを落し口に流入させるための流入開口2A部分に縦リブ23が設けられているので、この縦リブ23に整流効果をもたせることが可能であり、雨水Wが空気を吸い込むことをより確実に抑制することができ る。」(段落【0058】) 口2A部分に縦リブ23が設けられているので、この縦リブ23に整流効果をもたせることが可能であり、雨水Wが空気を吸い込むことをより確実に抑制することができ る。」(段落【0058】) ⑵ 本件発明2の技術的特徴本件特許2の特許請求の範囲の記載及び上記⑴の本件明細書2の記載内容によれば、本件発明2は、①コストを抑え、作業性に優れた簡単な構造で、② 優れたサイフォン性能を発揮することができる排水部材を提供することを課題とするものである。 そして、本件発明2は、上記課題のうち、作業性に優れた構造という課題(上記①)を解決するために、請求項記載の構成を備えることによって、蓋部材を軒樋の底面からの所定の高さの位置に設定し、かつ、蓋部材を縦リブを介して 一体的に設けた装着筒を竪樋上に設けられる竪樋継手に嵌合することにより、蓋部材を軒樋の上側から取り付け、軒樋の下面側における作業を低減し、もって、その取り付け作業を容易に行うことができるという効果を実現するものであることが認められる。 また、本件発明2は、上記課題のうち、優れたサイフォン性能を発揮すると いう課題(上記②)を解決するために、請求項記載の構成を備えることによって、落とし口部の開口面積を大きくすることにより、最大排水流量を十分なも のとし、流入開口部分に縦リブを設け、縦リブに整流効果を持たせることにより、雨水が空気を吸い込むことを確実に抑制し、これらをもって、優れたサイフォン性能を発揮するという効果を実現するものであることが認められる。 2 争点1(本件債務者製品の落とし口対向部の「蓋部材」該当性(構成要件2-2-D)) ⑴ 疎明資料(疎甲7)によれば、本 ォン性能を発揮するという効果を実現するものであることが認められる。 2 争点1(本件債務者製品の落とし口対向部の「蓋部材」該当性(構成要件2-2-D)) ⑴ 疎明資料(疎甲7)によれば、本件債務者製品は、「前記落とし口部の上方に対向して配置され、水平方向に延びるフランジ状の平板部と、この平板部の内周側から下方に向かって縮径するように延びるテーパー部と、このテーパー部の下端から下方に向かって延びる円筒部とを有する落とし口対向部」を備えていることが認められ、これらの構成を有すること自体は、当事者間に争いは ない。 ⑵ そして、本件発明2-2の構成要件2-2-Dの「蓋部材」は、特許請求の範囲の記載上、「落し口部の上方に配置される」ものとされており、その余の限定はされていない。また、本件明細書2の記載によれば、「鉛直方向の上方から見て落し口部の開口を塞ぐように配置される形状であれば良い。」(段落 【0081】)との記載があるものの、第1実施例における【表1】のケース1及び【表2】のケース11によれば、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されていない形状についても、これを完全に塞ぐように配置された形状と同様に、サイフォン現象が生じていることが確認されている(段落【0068】)。 上記構成要件及び本件明細書2の各記載によれば、本件構成要件にいう「蓋 部材」は、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されていない形状も含むものであり、落とし口部の上方に配置されれば足りるというべきである。 これを本件債務者製品についてみると、上記認定事実によれば、本件債務者製品の落とし口対向部は、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されていないものの、落とし口部の上方に配置されているものと認められる。そうする と、本件債務者製品 認定事実によれば、本件債務者製品の落とし口対向部は、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されていないものの、落とし口部の上方に配置されているものと認められる。そうする と、本件債務者製品の落とし口対向部は、構成要件2-2-Dの「蓋部材」を 充足するものと認めるのが相当である。 ⑶ これに対し、債務者らは、「蓋部材」とはその直径が落とし口部外径の直径より大きく、落とし口部の開口を覆い塞ぐものに限られると主張するものの、上記において説示したところを踏まえると、採用することができない。 また、債務者らは、「蓋部材」は単なる開口よりも優れたサイフォン効能を 発揮させる部材でなければならず、本件債務者製品はこれに該当しないと主張する。しかしながら、本件発明2-2の特許請求の範囲及び本件明細書2の各記載には、債務者ら主張に係る限定がされているものと認めることはできず、債務者らの主張は、採用の限りではない。 さらに、債務者らは、本件債務者製品のテーパー部は「誘導ガイド」(本件 特許2の請求項5)に当たるから、「蓋部材」には該当しないと主張する。しかしながら、上記にいう「誘導ガイド」は、本件発明2-2ではなく、本件特許2の請求項5で特定される構成にすぎず、仮に、同請求項5の記載をみても「前記蓋部材の下面には、誘導ガイドが形成され」と記載されるにとどまることからすると(疎甲4)、「誘導ガイド」は、「蓋部材」の一部として構成さ れ得るものと認めるのが相当である。そうすると、債務者らの主張は、「誘導ガイド」の構成を正解するものとはいえない。 したがって、債務者らの主張は、いずれも採用することができない。 その他に、債務者らの主張を改めて検討しても、債務者らの主張は、本件発明2-2の構成要件及び 成を正解するものとはいえない。 したがって、債務者らの主張は、いずれも採用することができない。 その他に、債務者らの主張を改めて検討しても、債務者らの主張は、本件発明2-2の構成要件及び本件明細書2の各記載に基づかないものに帰し、いず れも採用の限りではない。 ⑷ 以上によれば、本件債務者製品は、構成要件2-2-Dを充足するものと認めるのが相当である。 3 争点2(本件債務者製品の縦リブの「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結する」該当性(構成要件2-2-E)) ⑴ 疎明資料(疎甲7、14)によれば、本件債務者製品の整流板(債権者が同 製品における「縦リブ」と呼称する部分をいう。以下同じ。)は、落とし口対向部のうち平板部の下面に接続しており、当該下面の接続部分は、上記落とし口対向部の下面の外周部に位置するものと認められる。そして、疎明資料(疎甲7、14)によれば、整流板は、同製品の鍔部の上面と接続しているものと認められる。 そうすると、本件債務者製品の構成のうち、構成要件2-2-Eの「縦リブ」に相当する整流板は、「鍔部の上面」と、「蓋部材」に相当する落とし口対向部の「下面の外周部」とを連結していることが認められる。 したがって、本件債務者製品は、構成要件2-2-Eを充足するものと認めるのが相当である。 ⑵ これに対し、債務者らは、本件債務者製品の整流板が3つの部材(分割板、流入促進部、渦流防止部材)に分かれることを前提として、分割板のうち鍔部上にある部分は落とし口対向部と連結しておらず、渦流防止部材は鍔部に連結していないから、いずれも構成要件2-2-Eを充足しない旨主張する。しかしながら、本件発明2-2の構成要件及び本件明細書2の各記載を踏まえても、 債 と連結しておらず、渦流防止部材は鍔部に連結していないから、いずれも構成要件2-2-Eを充足しない旨主張する。しかしながら、本件発明2-2の構成要件及び本件明細書2の各記載を踏まえても、 債務者ら主張に係る「分割板」、「流入促進部」、「渦流防止部材」という概念が使用されていないことからすると、少なくとも構成要件充足性を検討するに当たっては、本件債務者製品の整流板を上記にいう3つの概念で区分するのは相当ではない。のみならず、債務者パナソニックの販促資料(疎甲14)によっても、債務者パナソニックは、本件債務者製品の整流板を上記3つの概念 で区別していないのであるから、取引の実情等を踏まえても、債務者らの主張は、独自の見解というほかない。 また、債務者らは、「縦リブ」は「鍔部上にのみ」配置されるものであると解した上で、本件債務者製品の整流板は、落とし口部の開口に重なり「鍔部上のみ」に配置されていないため、「縦リブ」に該当しない旨主張する。しかし ながら、特許請求の範囲の記載上、債務者主張に係る限定はされていない。そ して、本件明細書2(段落【0034】)には「上面視で落し口部20に重ならない位置で周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブ23」という記載が認められるものの、他方、本件明細書2(段落【0083】)には「縦リブ23の形状、数量についても本実施の形態に限定されることはなく」と記載されていることからすれば、本件発明2の上記認定に係る技術的特徴に鑑みても、 「縦リブ」は、蓋部材を下方から支持し、雨水を整流する機能を有しているものであれば足り、必ずしも鍔部の真上にある構成に限定されるものとはいえない。そうすると、債務者らの主張は、前記判断を左右するものとはいえない。 その他に、債務者らの主 する機能を有しているものであれば足り、必ずしも鍔部の真上にある構成に限定されるものとはいえない。そうすると、債務者らの主張は、前記判断を左右するものとはいえない。 その他に、債務者らの主張を改めて検討しても、債務者らの主張は、本件発明2-2の構成要件及び本件明細書2の各記載に基づかないものに帰し、いず れも採用の限りではない。 ⑶ 以上によれば、本件債務者製品は、本件発明2の構成要件2-2-Eを充足するものと認めるのが相当である。 4 争点3(乙A25発明に基づく進歩性の有無)⑴ 認定事実 ア乙A25発明の内容疎明資料(疎甲68、疎乙A25)及び審尋の全趣旨によれば、乙A25公報には、以下の記載があることが認められる。 技術分野屋根、特に雨樋に用いられる排水口装置に関する発明である。 背景技術屋根の排水設計のうち、加圧式流れでは、配管が水で充填され、システムがフルボアの状態で動作するときに水頭が最大になる。他方、低充水率及び非フルボアの状態では、一般的に不安定な状態が発生する。従来の加圧式流れを用いるシステムでは、設計者はフルボア流量を目指し、空気が 雨水の排水管に入らないようにすることを重要な基準としていた。それゆ え、このようなシステムでは、低流量でもフルボア流量が得られるように、あるいは、低流量でも重力式流れを用いるシステムとして稼働するように、ある程度の保守性をもって設計される。したがって、加圧式流れを使用しながらも、複雑かつ広範な設計を必要としないシステムが開発されれば有利である。 発明を実施するための形態本発明は、加圧式排水システム用の排水口装置を含む。本発明に係る排水口装置は、 も、複雑かつ広範な設計を必要としないシステムが開発されれば有利である。 発明を実施するための形態本発明は、加圧式排水システム用の排水口装置を含む。本発明に係る排水口装置は、二相流での使用に適している。 図2及び図3は、2つの排水口装置55、95の事例を示す。図3に示す第一の事例では、挿口77が金属雨樋120に取り付けられている。装 置95は、実質的に雨樋の流れ領域内に位置し、屋根からの雨水を受け取り、これを雨樋から竪樋78内に導く。図2に示す第二の事例は、鉄筋コンクリート(RC)側溝用であり、同様の挿口77が側溝80内の所定の位置に鋳込まれている。 バッフル60は、ベースクランプ65に取り付けられている。ベースク ランプは、花型の配置に見えるように、延びた突起にトグル145を備えた略円形である。トグル145は、バッフル60のディスク125の直径に基づいて、所望のバッフル比を達成するために、排水口装置に適切な高さを提供するように設計された直立部155に形成されている。 ベースクランプ65は、図6A及び図6Bに示すような挿口と嵌合する ように下方に突出する部分に形成されたコネクタ165を更に含む。下方突出部分160は、雨樋内の実質的に水平方向から縦樋の実質的に下方向に流れを導くための滑らかだが急な表面を含む。 装置は、挿口77内に嵌合して排水口装置を形成する。設置を容易にするために、圧入配置で挿口77と係合する。装置を挿口77に嵌合する他 の手段は、ねじ山の配置、又はバヨネット嵌合などの回転圧入嵌合などの これらの代替手段の組み合わせを含めて使用することができる。 挿口内の圧力変動は、加圧された二相流を誘発するプラグ流れの生成を促進することが分かった。このために、圧力変動は、 嵌合などの これらの代替手段の組み合わせを含めて使用することができる。 挿口内の圧力変動は、加圧された二相流を誘発するプラグ流れの生成を促進することが分かった。このために、圧力変動は、装置/挿口内に乱流を引き起こす装置を組み込むことで達成することができる。図2並びに図3に示す装置及び図4ないし図6に分解された形で示す装置は、水の流れ を装置の中心で衝突させて乱流を発生させ、プラグ流れを生成する、放射状フィンを備えた装置を示す。図7は、バッフルから流れ200内へ下方に突出する1つ以上の突起195を有する、排水装置185の1つを示す。 図8の実施形態では、直立部220は、放射状に突出して、水が装置内に放射状に流れることを可能にするものではなく、この場合、直立部22 0は角度が付けられている。 イ乙A25発明の構成前記⑴の認定事実及び審尋の全趣旨によれば、乙A25公報には、次のよ うな構成が開示されていることが認められる。 〔構成25A〕 底面に貫通穴が形成された金属雨樋120と、前記貫通穴の下面に接続された挿口77を介して前記金属雨樋120と接続された竪樋78と、を備えた屋根樋に設けられる排水口装置95であって、〔構成25B〕 前記貫通穴に挿入されて排水管11を形成する下方突出部1 60の円筒状の部位と、〔構成25C〕 前記筒状の部位の上端から径方向の外側に延びる板状をした略水平方向の部位と、〔構成25D〕 前記排水管11の上方に配置されるバッフル60と、〔構成25E〕 前記略水平方向の部位の上面と前記バッフル60の下面の外 周部とを連結する複数の直立部155と、を有し、〔構成25F D〕 前記排水管11の上方に配置されるバッフル60と、〔構成25E〕 前記略水平方向の部位の上面と前記バッフル60の下面の外 周部とを連結する複数の直立部155と、を有し、〔構成25F〕 前記金属雨樋から流入する水は、前記バッフル60と、前記下方突出部160における前記略水平方向の部位の間を通って、前記竪樋78内に流入し、〔構成25G〕 ベースクランプ65における前記下方突出部160の前記円 筒状の部位と、前記略水平方向の部位の接続部位は曲面で形成され〔構成25H〕 前記バッフル60と前記ベースクランプ65は、単一の射出成形部材として成形され、〔構成25I〕 前記ベースクランプ65の円筒部の部位に前記挿口77とね じで係合するねじ山が形成され、〔構成25J〕 前記直立部155は、径方向に延びる板状であり、〔構成25K〕 前記ベースクランプ65の円筒状の部位の開口面積は、47㎠、又は83㎠である〔構成25L〕 排水口装置95 ウ乙26発明の内容 疎明資料(疎乙A26)及び審尋の全趣旨によれば、乙A26公報には、以下の記載があることが認められる。 技術分野特にサイフォン式屋根排水システム用の排水アセンブリに関する。 背景技術 サイフォン式排水システムは、真空を発生させて雨水を吸引し、高速で排水することにより、全容量、つまり100%の充水率で動作する。サイフォン式システムにおいて使用される排水アセンブリには、全容量条件下で空気の侵入を防止し、管を完全に充填する渦防止インサートが設置される。渦防止インサートは、重力排水アセンブリの典型的な現象である、管 内に大量の空気を運ぶ渦の形成を防止するため、サイフォン式排水ア の侵入を防止し、管を完全に充填する渦防止インサートが設置される。渦防止インサートは、重力排水アセンブリの典型的な現象である、管 内に大量の空気を運ぶ渦の形成を防止するため、サイフォン式排水アセンブリの重要な要素である。降雨強度が低く、屋根の表面に蓄積された雨水が渦防止インサートを完全に浸すのに十分でない場合、空気の導入が防止されないため、サイフォン式排水システムは、従来の重力システムとして動作する。強度が全容量レベル(設計ステップ中に定義される)に達し、 水が渦防止インサートを完全に覆う場合、空気の導入が防止され、管路に流入する水により真空が発生して、排水の流れが大幅に加速される傾向がある。現在知られているサイフォン式排水システムは、特に効率、簡略化、寸法、構造及び取付の費用対効果の点で、更に改良する必要がある。 発明の開示 本発明による排水アセンブリは、簡単であり、実装及び取付の費用対効果が高く、サイズが小さく、十分に効果的であり、特に、本発明の排水アセンブリは、設計上の降雨条件下で、それが挿入される排水システムが常に全断面で(すなわち、管路が完全に水で満たされた状態で)効果的に動作することを保証して、排水アセンブリによるパイプ内への空気の導入を 回避し、水の流れ内の気泡の形成を制限するか又は完全に防止することが できる。 発明を実施するための最良の形態図1及び図2において、符号1は、特に建物の屋根のサイフォン式排水システムに属する排水アセンブリを表し、システム全体は、図示されないが、知られているように、一般的に建物の屋根に取り付けられる複数の排 水アセンブリと、各排水アセンブリを建物の外側の主要な排水管路に接続する様々なサイズ及び形状のパイプ及び 全体は、図示されないが、知られているように、一般的に建物の屋根に取り付けられる複数の排 水アセンブリと、各排水アセンブリを建物の外側の主要な排水管路に接続する様々なサイズ及び形状のパイプ及び管寄せとを含む。 排水アセンブリ1は、屋根要素、例えば、屋根、樋など(図示せず)に取り付けられることを意図する。排水アセンブリ1は、本質的に軸A(使用時に実質的に垂直である)に沿って延び、ベース本体2、連結フランジ 3、渦防止カバー4、上部グリッド5及び接続スリーブ6を含む。連結フランジ3は、排水アセンブリ1を屋根要素に取り付けるために使用され、様々なタイプの、例えば異なる材料でコーティングされた屋根要素に取り付けることを可能にし、特に、フランジ3は、シート26に挿入され、屋根要素のプラスチックシース、ビチューメンなどの防水シート(図示せず) 又は金属シートをフランジ3と部分9との間にクランプすることにより本体2の連結部分9に連結されるように成形される。渦防止カバー4は、排水アセンブリ1に入る水中での渦の形成と排水アセンブリ1への空気の導入を防止するように成形される。カバー4は、上部ディスク40と、ディスク40の底面42から突出する複数のブレード41とを含み、水を 本体2内に運ぶため、渦の形成を回避する。ブレード41は、軸Aを中心として半径方向に配置され、互いに角度的に離間される。 ⑵ 争いのない相違点に係る容易想到性の有無ア本件発明2-2と乙A25発明を対比すれば、少なくとも、乙A25発明の直立部155の下端が、ベースクランプ65における曲面で形成された下方突出部160の円筒状の部位と、略水平方向の部位との接続部位に設けら れているとは認められないところ(上記⑴認定事実イ)、乙A25発明に構 の下端が、ベースクランプ65における曲面で形成された下方突出部160の円筒状の部位と、略水平方向の部位との接続部位に設けら れているとは認められないところ(上記⑴認定事実イ)、乙A25発明に構成要件2-2-Jに相当する当該構成が開示されていないことは、当事者間においても争いがない。 そして、債務者らは、上記相違点に係る構成について、乙A26公報に記載された乙A26発明を適用することにより、容易想到である旨主張するた め、本件審理の経過に鑑み、まず上記主張について判断する。 イ上記⑴認定事実アによれば、乙A25発明は、放射状フィンを通って装置の内側に導かれた水流を装置の中心で衝突させて乱流を発生させ、更にこれに加えて突起や直立部という乱流を引き起こす装置を組む込むことによって、挿口内の圧力変動を引き起こし、二相流を加圧するという技術思想に基 づく排水口装置である。 これに対し、上記⑴認定事実ウによれば、乙A26発明は、ブレードという渦防止インサートを設置することで、管路が完全に水で満たされた状態として、水の流れ内の気泡の形成を制限又は完全に防止するという技術思想に基づく排水アセンブリである。 そうすると、乙A25発明と乙A26発明は、前者では水流を乱すように 衝突させたり乱流を引き起こしたりするための突起や直立部を設けるのに対して、後者では水流を乱さないように整流するためにブレードを設けるものであるから、雨水を加圧するための技術的アプローチが真逆ともいえるものであり、両発明は、明らかに技術思想を異にするものである。 したがって、当業者が、乙A25発明における突起や直立部について、乙 A26発明におけるブレードの設置位置に係る構成を適用するための動機付けを欠くことは明らかである。 を異にするものである。 したがって、当業者が、乙A25発明における突起や直立部について、乙 A26発明におけるブレードの設置位置に係る構成を適用するための動機付けを欠くことは明らかである。 以上によれば、上記相違点に係る構成は、乙A25発明から容易想到であるとはできず、本件発明2-2は、進歩性を欠くものと認めることはできない。 5 争点4(サポート要件違反の有無)⑴ 認定事実本件明細書2には、以下のとおり記載がある。 ア 「蓋部材の軒樋の底面からの高さが10㎜より小さい場合には落ち葉などの異物が流入開口部分で詰まり易くなるうえ、流入開口面積が小さくなるこ とから、所望の排水流量を確保することができない。また、蓋部材の軒樋の底面からの高さが50㎜を超える場合には、サイフォンの発生に必要な雨水の水位が上がりすぎてしまい、空気を吸い込みやすくなるためサイフォンが発生し難くなり、排水性能が低下する。そのため、上述したような蓋部材の高さを10~50㎜の範囲とすることが好適である。」(段落【0009】) イ 「第2実施例では、表3に示すように、15種の異なる形状の排水部材のケース(A、B、C、D、E、G、H、T、V、F、S、W、X、既存) において、底面幅150㎜の軒樋を使用し、軒樋に…水を流し、落し口部の開口中心から軒樋の延長方向で150㎜の位置で水位を測定するとともに、各ケースにおいてサイフォン現象、排水性能、騒音、成形・組立のしやすさ等 の評価項目を確認して評価した。」(段落【0071】)「各ケースにおける排水部材の構成、形状は…蓋直径(㎜)、蓋部材の軒樋の底面からの高さ(㎜) 、縦リブのリブ数(枚) 、縦リブのリブ幅(㎜)、装着筒の接続部分の曲 」(段落【0071】)「各ケースにおける排水部材の構成、形状は…蓋直径(㎜)、蓋部材の軒樋の底面からの高さ(㎜) 、縦リブのリブ数(枚) 、縦リブのリブ幅(㎜)、装着筒の接続部分の曲率半径(㎜)、誘導ガイドの形状を変えたものである。 なお、リブ幅は、蓋部材の中心から外周に向かう方向の幅である。また、落 し口部34の開口外径は75㎜に設定した。表3において、誘導ガイドは、円錐形状のものを「R」とし、上述した実施の形態のような放射状のものを「放射状」とし、誘導ガイドが無いものを「なし」としている。ここで、ケースGの形状は、上述した実施の形態のサイフォンドレン部材2に相当している。」(段落【0073】) 段落【0072】【表3】 「図11は、第2実施例の実験結果を示しており、各ケースの水位(㎜)を示している。図11に示す実験の結果、ケースC、D、E、G、H、Tの排水部材では、水位、サイフォン現象、排水性能の点で安定した状態であることが確認できた。一方で、ケースA、B、V、F、S、W、X、既存の排水部材の場合には、水位が40㎜を超えて高く不安定な状態であった。さら に、ケースGの排水部材は、上述した評価項目において総合的に優れていることが確認できた。」(段落【0074】)「…蓋直径は130㎜が好ましく、蓋部材の軒樋の底面からの高さは35㎜が好ましい。縦リブのリブ数に関しては、6枚が好ましく、4枚(ケースA) が若干悪く、8枚(ケースE)が若干良い。リブ幅では、25㎜が好ま しく、ケースBのように55㎜と大きい場合には水位が高くなった。また、装着筒の接続部分の曲率半径は、15㎜が好ましい。さらに、誘導ガイドの形状としては、ケースGのように放射状のものが静音、渦防止、水溜り防止に有利にな に55㎜と大きい場合には水位が高くなった。また、装着筒の接続部分の曲率半径は、15㎜が好ましい。さらに、誘導ガイドの形状としては、ケースGのように放射状のものが静音、渦防止、水溜り防止に有利になることが確認できた。」(段落【0075】)⑵ サポート要件違反の有無 ア債務者らは、本件発明2に係る特許請求の範囲の記載をみると、縦リブの数や幅、蓋部材の直径や高さについて、何ら限定が付されていない発明が記載されている一方、本件明細書2(段落【0009】【0071ないし0075】)の記載によれば、上記諸条件によって優れたサイフォン現象が生じ ない場合があるから、明細書の発明の詳細な説明に、当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載されているとはいえない旨主張する。 イ特許法36条6項1号は、特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものでなければならない旨規定して おり、いわゆるサポート要件を定めている。 特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のもので あるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断するのが相当である。 ウこれを本件についてみると、本件明細書2には、従来技術では、竪樋の開口面積が20㎠以下と小さく、サイフォン作用を利用しても最大排水流量が 十分ではなかったという課題に鑑み(段落【0005】) これを本件についてみると、本件明細書2には、従来技術では、竪樋の開口面積が20㎠以下と小さく、サイフォン作用を利用しても最大排水流量が 十分ではなかったという課題に鑑み(段落【0005】)、実施例の排水部材には、流入開口部分に縦リブが設けられており、この縦リブの整流効果により雨水が空気を吸い込むことをより確実に抑制できること(段落【0058】)などの記載があることが認められる。 これらの記載によれば、本件発明2は、従来技術と比較して優れたサイフ ォン現象を発生させるための構成として、構成要件2-2-K(「前記落し口部の開口面積は、30㎠以上190㎠以下である」)、同2-2-E(「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結する複数の縦リブと、を有し」)、同2-2-F(「前記蓋部材と前記鍔部との間に流入開口が形成され」)を備え、もって上記課題を解決するものであることは、当業者にお いて優に認識できるものといえる。 そして、本件明細書2記載の第2実施例に関する実験結果(段落【0074】、図11)によれば、蓋直径、蓋高さ、リブ数、リブ幅、装着筒の曲率半径、誘導ガイドの形状の諸条件にかかわらず、上記構成を備えるいずれのパターン(段落【0072】【表3】のAないしX)であっても、少なくとも既存(従来技術)の排水部材を用いた場合よりも、当業者において優れた サイフォン現象を生じさせるものであると十分に認識することができる。 そうすると、本件発明2-2の記載は、本件明細書2の記載により当業者が本件発明2-2の課題を解決できると認識できる範囲のものであると認めるのが相当である。 したがって、債務者らの主張は、採用することができない。 エその他に、本件明細書2には、本件発明2の課題として、コ を解決できると認識できる範囲のものであると認めるのが相当である。 したがって、債務者らの主張は、採用することができない。 エその他に、本件明細書2には、本件発明2の課題として、コストを抑え、作業性に優れた簡単な構造であることも挙げられているところ(段落【0006】)、本件明細書2の記載(段落【0005】【0054】【0058】)によれば、本件発明2が構成要件2-2-D、2-2-E、2-2-F、2-2-H、2-2-Iを備えることにより、当業者において上記課題を解決 することができるものと優に認識し得るものといえる。 オ以上によれば、本件発明2は、サポート要件を満たすものといえるから、債務者らの主張は、いずれも採用することができない。 6 争点5(実施可能要件違反)⑴ 認定事実 本件明細書2には、以下のとおり記載がある。 ア 「第1実施例は、上述の実施の形態の蓋部材21に相当する蓋部材21を使用し、その蓋部材21における軒樋31の底面31aからの高さ、蓋部材21の直径を変化させてサイフォンを発生させた実験を行い、排水状態を確認した。」(段落【0062】) イ 「図10には、本第1実施例で使用した実験装置を示している…表1は、 第1実施例における開口外径R1が75㎜の実験の条件と実験結果を示している。表2は、第1実施例における開口外径R1が100㎜の実験の条件と実験結果を示している。」(段落【0063】)ウ 「表1及び表2に示すように、実験の結果、ケース1~18で蓋部材30の高さHを変えた全て(5~60㎜の高さの位置) において、サイフォン現 象が生じていることを確認できた。」(段落【0068】)エ 「表1及び表2において、一点鎖線で囲まれた で蓋部材30の高さHを変えた全て(5~60㎜の高さの位置) において、サイフォン現 象が生じていることを確認できた。」(段落【0068】)エ 「表1及び表2において、一点鎖線で囲まれた範囲では、蓋部材30の高さと蓋直径のバランスが良いため水位が低く保たれることが確認できた。特に、太線で囲まれた範囲では…流入開口に流入する水流と蓋部材30の高さ、蓋直径のバランスが良いため水位が低く保たれ、良好なサイフォン現象とな ることが確認できた。」「一方、蓋部材30の高さが大きく(本実験で40㎜を超える場合) 、蓋直径が小さい(本実験で95㎜より小さい場合)場合には…軒樋31内の水位が蓋部材30よりも低くなり、サイフォン作用が発生しにくい可能性があることが確認された。」 「また、蓋部材30の高さが小さく(本実験で30㎜より小さい場合) 、蓋直径が大きい(本実験で155㎜より大きい場合) 場合には、図9(c)に示すように、流入開口から流入する水流が蓋部材30に衝突する割合が大きくなるため水流が乱れてサイフォン性能を低下させ、また、開口面積が小さいため流量が低くなる可能性があることが確認された。」(段落【006 9】) 【表1】 【表2】 ⑵ 実施可能要件違反の有無ア特許法36条4項1号が実施可能要件を定める趣旨は、明細書の発明の詳細な説明に、当業者がその実施をすることができる程度に発明の構成等が記載されていない場合には、発明が公開されていないことに帰し、発明者に対して特許法の規定する独占的権利を付与する前提を欠くことになるからで ある。そして、物の発明における発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為をいうから( されていないことに帰し、発明者に対して特許法の規定する独占的権利を付与する前提を欠くことになるからで ある。そして、物の発明における発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為をいうから(同法2条3項1号)、物の発明について上記の実施可能要件を充足するためには、当業者が、明細書の発明の詳細な説明及び図面の記載並びに出願当時の技術常識とに基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用等することができることを要するものと解す るのが相当である。 イこの点につき、債務者らは、本件明細書2記載の第1実施例に関する実験結果(【表1】【表2】)について、軒樋の底面からの高さが5㎜の場合においては、全て水位が100で一定する結果となっており、上記高さが10㎜や60㎜の場合においても、水位が100となるものが多数認められる結 果となっているのに、この点に関する説明がないことから、上記実験結果は、その実施内容が不明であり、本件明細書2は、本件発明2を実施できる程度の記載がなされていないと主張する。 ウしかしながら、本件明細書2には、上記実験が蓋部材の直径と軒樋の底面からの設置高さを変えた場合の水位に関するものであること(段落【006 2】【0067】)や、上記実験で使用した装置の形態(段落【0063】【図10】)が示されている。そして、上記装置の形態によれば、同実験は、軒樋31の高さを超えて水位を測定することができないものであることが容易に理解することができる。そうすると、本件明細書2記載の実験結果(【表1】【表2】)のうち、水位が「100」となっている箇所は、水位 が軒樋31の高さを超えるなどして測定することができない場合を意味す ることは、本件明細書2に接した当業者にとって明らかであ 表2】)のうち、水位が「100」となっている箇所は、水位 が軒樋31の高さを超えるなどして測定することができない場合を意味す ることは、本件明細書2に接した当業者にとって明らかである。また、本件明細書2(段落【0069】【表1】【表2】)には、水位が低く保たれ、良好なサイフォン現象が発生する範囲も明確に示されている。 これらの事情を踏まえると、本件明細書2に接した当業者は、第1実施例に関する実験結果から、排水能力を高めることができる蓋部材の直径と軒樋 底面からの設置高さの組合せを十分理解することができるから、上記当業者は、本件明細書2の発明の詳細な説明の記載に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、本件発明2に係る排水部材を生産し、使用等することができるものといえる。 以上によれば、本件発明2-2は、実施可能要件を満たすものと認めるの が相当である。 7 小括以上のとおり、本件債務者製品は、本件発明2-2の構成要件をいずれも充足するものであるから、本件発明2-2の技術的範囲に属するものと認められ、また、本件発明2-2は、特許無効審判により無効にされるべきものと認めること はできない。 8 保全の必要性以上によれば、債権者は、特許法100条1項及び2項に基づき、債務者らに対する本件債務者製品の製造、販売又は販売の申出の差止請求権及び本件債務者製品の廃棄請求権を有することになる。 そして、債務者らは、令和6年9月18日、本件債務者製品に係る金型を変更した旨主張するものの、少なくとも現時点において、債務者らが本件債務者製品を全て現に廃棄するなどしてその製造、販売又は販売の申出を確実に中止しているものと認めるに足りない。これらの事情のほか、債権者の「大型高排水システム」 くとも現時点において、債務者らが本件債務者製品を全て現に廃棄するなどしてその製造、販売又は販売の申出を確実に中止しているものと認めるに足りない。これらの事情のほか、債権者の「大型高排水システム」に係るビジネスの中核的権利といえる本件特許権の重要性、迅速な権利実現 の必要性及び緊急性、本件仮処分の審理経過、仮処分追行の態様その他の本件に 現れた個別的諸事情を総合考慮すれば、保全の必要性を認めるのが相当である。 第4 結論以上によれば、債権者の申立ては理由があるから、いずれも認容することとし、債権者に3000万円の共同担保を立てさせて、主文のとおり決定する。 令和6年9月20日東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官中島基至 裁判官武富可南 裁判官坂本達也 (別紙)物件目録 1 債務者製品1-1品名:「自在ドレン(高排水用)(上)」 サイズ(仕様):VP・VU75 2 債務者製品2-1品名:「自在ドレン(高排水用)(上)」サイズ(仕様):VP100 3 債務者製品3-1品名:「自在ドレン(高排水用)(上)」サイズ(仕様):VP125 (別紙)特許請求の範囲 2-2底面に貫通穴が形成された軒樋と、前記貫通穴の下面に接続された竪樋継 手を介して前記軒樋と接続された竪樋と、を備えた雨樋に設けられる排水部材であって、前記貫通穴に挿入されて落し口部を形成する円筒状の筒部と、前記軒樋の底面に設置される鍔部と、前記落し口部の上方に配置される蓋部材と、前記鍔部の上面と前記蓋部 備えた雨樋に設けられる排水部材であって、前記貫通穴に挿入されて落し口部を形成する円筒状の筒部と、前記軒樋の底面に設置される鍔部と、前記落し口部の上方に配置される蓋部材と、前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外周部とを連結する複数の縦リブと、を有し、前記蓋部材と前記鍔部との間に流入開口が形成され、前記筒 部と前記鍔部との間の接続部は曲面で形成され、前記筒部、前記鍔部、前記蓋部材および前記縦リブは一体的に形成され、前記筒部の外面には、前記竪樋継手の内面に形成された雌ねじと螺合可能な雄ねじが形成され、前記複数の縦リブは、下端が前記接続部に設けられ、かつ、前記縦リブは径方向に延びる板状に形成され、前記落し口部の開口面積は、30㎠以上190㎠以下 である排水部材。 別紙債務者製品目録は、省略
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