平成24年11月30日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成23年(ワ)第3572号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成24年8月30日判決 名古屋市中区<以下略>原告エイディシーテクノロジー株式会社 訴訟代理人弁護士水野健司 補佐人弁理士衛藤寛啓 東京都港区<以下略>被告株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 訴訟代理人弁護士熊倉禎男 訴訟代理人弁護士飯田圭 訴訟代理人弁護士水沼淳 訴訟代理人弁理士中村佳正 補佐人弁理士谷口信行 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成23年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,発明の名称を「サーバ,利用者装置,プログラム,及び,指標処理方法」とする特許第4612747号(以下,この特許 まで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,発明の名称を「サーバ,利用者装置,プログラム,及び,指標処理方法」とする特許第4612747号(以下,この特許を「本件特許1」,- 2 -この特許権を「本件特許権1」という。)及び発明の名称を「サーバ,利用者装置,プログラム,及び,指標処理方法」とする特許第4644735号(以下,この特許を「本件特許2」,この特許権を「本件特許権2」という。また,本件特許1と本件特許2を併せて「本件各特許」,本件特許権1と本件特許権2を併せて「本件各特許権」という。)の特許権者である原告が,被告による別紙物件目録1記載の装置(以下「イ号装置」という。),同目録2記載の製品(以下「ロ号製品」という。),同目録3記載の製品(以下「ハ号製品」という。)及び同目録4記載のプログラム(以下「ニ号プログラム」という。)の使用,製造及び販売が本件各特許権の侵害又は間接侵害(特許法101条1号,2号)に当たる旨主張して,被告に対し,特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。 2 争いのない事実等(証拠の摘示のない事実は,争いのない事実又は弁論の全趣旨により認められる事実である。)(1) 当事者ア原告は,コンピュータソフトウエア,コンピュータ及びコンピュータ関連機器の開発及び販売等を目的とする株式会社である。 イ被告は,コンピュータシステムを利用した娯楽用・教育用電子機器等の開発,製造,販売等を目的とする株式会社である。 (2) 特許庁における手続の経過等ア本件特許権1(ア) 原告は,平成13年9月18日にした特許出願(特願2001-283242号。以下「本件原出願」という。)の一部を分割して,平成22年7月14日,特許出願(特願2010-16 本件特許権1(ア) 原告は,平成13年9月18日にした特許出願(特願2001-283242号。以下「本件原出願」という。)の一部を分割して,平成22年7月14日,特許出願(特願2010-160000号。 以下「本件出願1」という。)をした。 原告は,平成22年8月27日付け手続補正書(乙19)により,本件出願1に係る明細書及び特許請求の範囲について補正(以下「本- 3 -件補正1」という。)をした。 その後,原告は,同年10月22日,本件出願1について,本件特許権1の設定登録(請求項の数8)を受けた。 (イ) 原告は,平成22年11月30日,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1及び8)等について誤記の訂正を目的とする訂正審判請求(訂正2010-390119号事件)をした(以下,この訂正審判請求に係る訂正を「本件訂正1-1」という。)。 特許庁は,同年12月28日,上記訂正審判事件について,「特許第4612747号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。」との審決をし,同審決は,平成23年1月7日,確定した(甲1ないし4)。 (ウ) 本件特許1について,被告が本件訴訟の係属後の平成23年9月30日に無効審判請求(無効2011-800189号事件)をしたところ,原告は,同年12月26日,本件特許1の特許請求の範囲(請求項8)の減縮等を目的とする訂正請求(以下,この訂正請求に係る訂正を「本件訂正1-2」という。)をした(甲24)。 特許庁は,平成24年3月30日,上記無効審判事件について,本件訂正1-2を認めた上で,「特許第4612747号の請求項2ないし8に係る発明についての特許を無効とする。特許第4612747号の請求項1に係る発明についての審判請求は,成り 審判事件について,本件訂正1-2を認めた上で,「特許第4612747号の請求項2ないし8に係る発明についての特許を無効とする。特許第4612747号の請求項1に係る発明についての審判請求は,成り立たない。」との審決(以下「別件審決1」という。)をした(乙63)。 原告は,同年4月28日,別件審決1のうち,「特許第4612747号の請求項2ないし8に係る発明についての特許を無効とする。」との部分の取消しを求める審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成24年(行ケ)第10154号事件)を提起し,被告は,同年5月2日,別件審決1のうち,「特許第4612747号の請求項1に係る発明- 4 -についての審判請求は,成り立たない。」との部分の取消しを求める審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成24年(行ケ)第10162号事件)を提起し,これらの訴訟は,現在知的財産高等裁判所に係属中である(甲44,弁論の全趣旨)。 イ本件特許権2(ア) 原告は,本件原出願の一部を分割して,平成20年12月19日,特許出願(特願2008-324143号。以下「本件出願2」という。)をした。 原告は,本件出願2に係る明細書及び特許請求の範囲について,平成21年1月21日付け手続補正書(乙22)により補正をし,さらに,平成22年11月5日付け手続補正書(乙26)により補正(以下「本件補正2」という。)をした。 その後,原告は,同年12月10日,本件出願2について,本件特許権2の設定登録(請求項の数10)を受けた。 (イ) 本件特許2について,被告が本件訴訟の係属後の平成23年9月30日に無効審判請求(無効2011-800190号事件)をしたところ,原告は,同年12月26日,本件特許2の特許請求の範囲(請求項10)の減縮等を目的とする訂正請求(以下,こ 属後の平成23年9月30日に無効審判請求(無効2011-800190号事件)をしたところ,原告は,同年12月26日,本件特許2の特許請求の範囲(請求項10)の減縮等を目的とする訂正請求(以下,この訂正請求に係る訂正を「本件訂正2」という。)をした(甲26)。 特許庁は,平成24年3月30日,上記無効審判事件について,本件訂正2を認めた上で,「特許第4644735号の請求項2ないし10に係る発明についての特許を無効とする。特許第4644735号の請求項1に係る発明についての審判請求は,成り立たない。」との審決(以下「別件審決2」という。)をした(乙64)。 原告は,同年4月28日,別件審決2のうち,「特許第4644735号の請求項2ないし10に係る発明についての特許を無効とす- 5 -る。」との部分の取消しを求める審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成24年(行ケ)第10155号事件)を提起し,被告は,同年5月2日,別件審決2のうち,「特許第4644735号の請求項1に係る発明についての審判請求は,成り立たない。」との部分の取消しを求める審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成24年(行ケ)第10163号事件)を提起し,これらの訴訟は,現在知的財産高等裁判所に係属中である(甲48,弁論の全趣旨)。 (3) 発明の内容ア本件特許1(ア) 本件訂正1-1後の本件特許1の特許請求の範囲は,請求項1ないし8から成り,その請求項1,4ないし7の記載は,次のとおりである(以下,本件訂正1-1後の請求項1に係る発明を「本件発明1-1」,同請求項4に係る発明を「本件発明1-4」などという。)。 「【請求項1】 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況 求項4に係る発明を「本件発明1-4」などという。)。 「【請求項1】 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段と,前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段と,前記視聴番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,前記録画予約番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記- 6 -録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段と,を備えることを特徴とするサーバ。」「【請求項4】 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置であって,放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信手段と,録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信手段と,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,前記視聴 た現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段と,を備えることを特徴とする利用者装置。」「【請求項5】 請求項4に記載の利用者装置において,前記出力手段は,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力すること,を特徴とする利用者装置。」「【請求項6】 番組の視聴操作及び録画予約が可能なコンピュータである利用者装置に実行させるためのプログラムであって,放送中- 7 -の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信ステップと,録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを前記サーバから受信する指標受信ステップと,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを前記サーバから受信する指標受信ステップと,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップと,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップと,を前記利用者装置に実行させるプログラム。」「【請求項7】 請求項6に記載のプログラムにおいて,前記出力ステップは,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力すること,を特徴とするプログラム。」(イ) 本件発明1-1,1-4ないし1-7を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,各構成要件を「構成要件1-1A」,「構成要件1-1B」などという。)。 a 本件発明1-11-1A 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可- 8 -能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段と,1-1B 前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段と,1-1C 前記視聴番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,1-1D 前記録画予約番組状況受信手段により受信 段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,1-1D 前記録画予約番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,1-1E 前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段と,1-1F を備えることを特徴とするサーバ。 b 本件発明1-41-4A 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置であって,1-4B 放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信手段と,1-4C 録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信- 9 -手段と,1-4D 各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,1-4E 前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段と,1-4F 前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応す 信手段と,1-4F 前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段と,1-4G を備えることを特徴とする利用者装置。 c 本件発明1-51-5A 請求項4に記載の利用者装置において,1-5B 前記出力手段は,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力すること,1-5C を特徴とする利用者装置。 d 本件発明1-61-6A 番組の視聴操作及び録画予約が可能なコンピュータである利用者装置に実行させるためのプログラムであって,1-6B 放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況- 10 -情報送信ステップと,1-6C 録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,1-6D 各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを前記サーバから受信する指標受信ステップと,1-6E 前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップと,1-6F 前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の 構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップと,1-6F 前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップと,1-6G を前記利用者装置に実行させるプログラム。 e 本件発明1-71-7A 請求項6に記載のプログラムにおいて,1-7B 前記出力ステップは,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力すること,1-7C を特徴とするプログラム。 イ本件特許2- 11 -(ア) 本件特許2の設定登録時の特許請求の範囲は,請求項1ないし10から成り,その請求項1,4ないし9の記載は,次のとおりである(以下,設定登録時の請求項1に係る発明を「本件発明2-1」,同請求項4に係る発明を「本件発明2-4」などという。)。 「【請求項1】 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴状況情報受信手段と,前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約状況情報受信手段と,前記視聴状況情報受信手段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,前記録画予約状況情報受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少 現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,前記録画予約状況情報受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,地域を特定可能な情報である地域特定情報を,前記利用者装置から受信する地域特定情報受信手段と,前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,前記地域特定情報受信手段により受信された前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを,前記地域特定情報を送信してきた前記利用者装置へ送信する指標送信手段と,を備えることを特徴とするサーバ。」「【請求項4】 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置であって,放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定- 12 -可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信手段と,録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信手段と,利用者からの操作を受け付ける受付手段と,前記受付手段を介して利用者により指定された地域を特定可能な情報である地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信手段と,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表デー 報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段と,受信された前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,前記地域特定情報送信手段により送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段と,を備えることを特徴とする利用者装置。」「【請求項5】 請求項4に記載の利用者装置において,前記出力手段は,放送されている番組の映像も出力することができ,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に一画面において利用者が視聴可能なよう前記番組表を出力すること,を特徴とする利用者装置。」「【請求項6】 請求項5に記載の利用者装置において,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組- 13 -が前記受付手段を介して利用者により選択されると,その選択された番組のチャンネルに切り替えて前記出力手段に番組の映像を出力させるチャンネル切替手段をさらに備えること,を特徴とする利用者装置。」「【請求項7】 番組の視聴操作及び録画予約が可能なコンピュータである利用者装置に,放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信ステップと,録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,利用者からの操作を受け付ける受付手段を介して利用者によ 聴状況情報送信ステップと,録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,利用者からの操作を受け付ける受付手段を介して利用者により指定された地域を特定可能な情報である地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信ステップと,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを前記サーバから受信する指標受信ステップと,前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップと,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,前記地域特定情報送信ステップにより送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップと,を実行させることを特徴とするプログラム。」- 14 -「【請求項8】 請求項7に記載のプログラムにおいて,前記出力ステップは,現在視聴されている番組の映像と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む前記番組表を出力すること,を特徴とするプログラム。」「【請求項9】 請求項8に記載のプログラムにおいて,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が前記受付手段を介して利用者により選択され に記載のプログラムにおいて,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が前記受付手段を介して利用者により選択されると,その選択された番組のチャンネルへ切り替える指令を,チャンネルを切り替える機能を有するチャンネル切替手段へ出力するチャンネル切替ステップを,さらに前記利用者装置に実行させることを特徴とするプログラム。」(イ) 本件発明2-1,2-4ないし2-9を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,各構成要件を「構成要件2-1A」,「構成要件2-1B」などという。)。 a 本件発明2-12-1A 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴状況情報受信手段と,2-1B 前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約状況情報受信手段と,2-1C 前記視聴状況情報受信手段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算- 15 -出手段と,2-1D 前記録画予約状況情報受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,2-1E 地域を特定可能な情報である地域特定情報を,前記利用者装置から受信する地域特定情報受信手段と,2-1F 前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標と ある地域特定情報を,前記利用者装置から受信する地域特定情報受信手段と,2-1F 前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,前記地域特定情報受信手段により受信された前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを,前記地域特定情報を送信してきた前記利用者装置へ送信する指標送信手段と,2-1G を備えることを特徴とするサーバ。 b 本件発明2-42-4A 番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置であって,2-4B 放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信手段と,2-4C 録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信手段と,2-4D 利用者からの操作を受け付ける受付手段と,2-4E 前記受付手段を介して利用者により指定された地域を特- 16 -定可能な情報である地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信手段と,2-4F 各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを受信する指標受信手段と,2-4G 前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段と,2-4H 受信された前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,前記地域 けて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段と,2-4H 受信された前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,前記地域特定情報送信手段により送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段と,2-4I を備えることを特徴とする利用者装置。 c 本件発明2-52-5A 請求項4に記載の利用者装置において,2-5B 前記出力手段は,放送されている番組の映像も出力することができ,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に一画面において利用者が視聴可能なよう前記番組表を出力すること,2-5C を特徴とする利用者装置。 d 本件発明2-62-6A 請求項5に記載の利用者装置において,- 17 -2-6B 利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が前記受付手段を介して利用者により選択されると,その選択された番組のチャンネルに切り替えて前記出力手段に番組の映像を出力させるチャンネル切替手段をさらに備えること,2-6C を特徴とする利用者装置。 e 本件発明2-72-7A 番組の視聴操作及び録画予約が可能なコンピュータである利用者装置に,2-7B 放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信ステップと,2-7C 録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,2-7D 利用者からの操作を受け付ける受付手段を介して利用者 ,2-7C 録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を前記サーバへ送信する録画予約状況情報送信ステップと,2-7D 利用者からの操作を受け付ける受付手段を介して利用者により指定された地域を特定可能な情報である地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信ステップと,2-7E 各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標と,各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標とを前記サーバから受信する指標受信ステップと,2-7F 前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組- 18 -に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップと,2-7G 前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,前記地域特定情報送信ステップにより送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップと,2-7H を実行させることを特徴とするプログラム。 f 本件発明2-82-8A 請求項7に記載のプログラムにおいて,2-8B 前記出力ステップは,現在視聴されている番組の映像と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む前記番組表を出力すること,2-8C を特徴とするプログラム。 g 本件発明2-92-9A 請求項8に記載のプログラムにおいて,2-9B 利用者により現在視聴されている番組の映像と同 含む前記番組表を出力すること,2-8C を特徴とするプログラム。 g 本件発明2-92-9A 請求項8に記載のプログラムにおいて,2-9B 利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が前記受付手段を介して利用者により選択されると,その選択された番組のチャンネルへ切り替える指令を,チャンネルを切り替える機能を有するチャンネル切替手段へ出力するチャンネル切替ステップを,さらに前記利用者装置に実行させること- 19 -2-9C を特徴とするプログラム。 (4) 被告の行為等ア(ア) 被告は,平成22年3月ころから,ロ号製品及びハ号製品(ニ号プログラムを記憶したディスクを同梱したもの。以下同じ。)を製造し,販売し,販売の申出をしている。 (イ) 被告は,遅くとも平成22年3月ころから,ハ号製品のサービスを提供するためにイ号装置を使用している。 イ(ア) イ号装置は,被告の管理するネットワークである「PSN(プレイステーションネットワーク)」(以下「PSN」という。)におけるマッチングサーバ「Matching2」(以下「本件マッチングサーバ」という。)と同ストレージサーバ「TitleUserStorage(TUS)」(以下「本件ストレージサーバ」という。)とで構成されている。 ロ号製品は,ゲーム機「プレイステーション3」(以下「PS3」という。)とハ号製品であるPS3専用地上デジタルレコーダーキット「torne(トルネ)」(以下「トルネ」という。)とのセット製品である。 トルネ(ハ号製品)は,PS3専用地上波デジタル放送用チューナ(以下「トルネ本体」という場合がある。)と視聴・録画アプリケーションプログラム(ニ号プログラム 」という。)とのセット製品である。 トルネ(ハ号製品)は,PS3専用地上波デジタル放送用チューナ(以下「トルネ本体」という場合がある。)と視聴・録画アプリケーションプログラム(ニ号プログラム)とで構成されている(甲9の1)。 (イ) 別紙概念図に示すように,ニ号プログラムがインストールされたPS3を,地上波デジタル放送アンテナに接続したトルネ本体と,PSNに接続することにより,地上波デジタル放送番組の視聴や録画のほかに,トルネで番組の録画予約をした者の人数(以下「トル情報」という。),トルネで現在放送中の番組を視聴している者の人数(以下「ミル情報」という。また,「トル情報」と「ミル情報」を併せて「ト- 20 -ルミル情報」という場合がある。)をテレビ画面上で表示する機能などの各種機能が実現できる(甲7,8の1,2,9の1ないし5,10)。 「ミル情報」の算出・送受信等の処理の概要は別紙1に,「トル情報」の算出・送受信等の処理の概要は別紙2にそれぞれ記載のとおりである(乙42,55)。 ウ(ア) イ号装置は,構成要件1-1A,1-1B,2-1A,2-1B及び2-1Eを充足する。 (イ) ロ号製品は,構成要件1-4Aないし1-4C,2-4Aないし2-4Eを充足する。 (ウ) ニ号プログラムは,構成要件1-6Aないし1-6C,2-7Aないし2-7Dを充足する。 3 争点本件の争点は,次のとおりである。 (1) 本件発明1-1,1-4ないし1-7,2-1,2-4ないし2-9(以下「本件各発明」と総称する。)の技術的範囲の属否(争点1)アイ号装置又はイ号装置及びロ号製品の本件発明1-1の技術的範囲の属否(争点1-(1))イロ号製品の本件発明1-4の技術的範囲の属否(争点1-(2))ウロ号製品の本件発明1 (争点1)アイ号装置又はイ号装置及びロ号製品の本件発明1-1の技術的範囲の属否(争点1-(1))イロ号製品の本件発明1-4の技術的範囲の属否(争点1-(2))ウロ号製品の本件発明1-5の技術的範囲の属否(争点1-(3))エニ号プログラムの本件発明1-6の技術的範囲の属否(争点1-(4))オニ号プログラムの本件発明1-7の技術的範囲の属否(争点1-(5))カイ号装置又はイ号装置及びロ号製品の本件発明2-1の技術的範囲の属否(争点1-(6))キロ号製品の本件発明2-4の技術的範囲の属否(争点1-(7))クロ号製品の本件発明2-5の技術的範囲の属否(争点1-(8))- 21 -ケロ号製品の本件発明2-6の技術的範囲の属否(争点1-(9))コニ号プログラムの本件発明2-7の技術的範囲の属否(争点1-(10))サニ号プログラムの本件発明2-8の技術的範囲の属否(争点1-(11))シニ号プログラムの本件発明2-9の技術的範囲の属否(争点1-(12))(2) 被告によるハ号製品の製造等についての本件発明1-4,1-5に係る本件特許権1及び本件発明2-4ないし2-6に係る本件特許権2の間接侵害(特許法101条1号,2号)の成否(争点2)(3) 特許法104条の3第1項に基づく本件各特許権の権利行使制限の成否(争点3)(4) 被告が賠償すべき原告の損害額(争点4)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(本件各発明の技術的範囲の属否)について(1) 本件発明1-1の技術的範囲の属否(争点1-(1))についてア原告の主張(ア) イ号装置の構成についてイ号装置は,次のような構成を備えている。 a イ号装置は,ユーザーが保有する複数のロ号製品から,「トルミル情報」を算出す -(1))についてア原告の主張(ア) イ号装置の構成についてイ号装置は,次のような構成を備えている。 a イ号装置は,ユーザーが保有する複数のロ号製品から,「トルミル情報」を算出する基礎となる視聴情報,録画予約情報及び当該ロ号製品の利用に関する情報を個人を特定しない形で受信する(甲10の写真13,14)。 b イ号装置は,受信した視聴情報及び録画予約情報から,「現在放送されている番組を他のユーザーがどのくらい視聴しているか」に関する情報(ミル情報)及び「これから放送される番組を,他のユーザーがどのくらい録画予約しているか」に関する情報(トル情報)を「トルミル情報」として算出する(甲10の写真4ないし7,12)。 - 22 -c イ号装置は,算出した「トルミル情報」を,ロ号製品において,現在放送中の番組を表示する画面と同一の画面内で,現在放送中の番組ごとに番組表に含めた形で表示できるようにロ号製品へ送信する(甲10の写真4ないし7)。 d イ号装置は,ロ号製品からテレビの視聴地域を特定する情報を受信し,受信したテレビの視聴地域に応じた番組表を送信する(甲10の写真4ないし7,15ないし18)。 (イ) 「視聴指標」についてa 構成要件1-1Cの「視聴指標」とは,「現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な」情報を意味することは,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載から一義的に明確である。 そして,請求項1には,「視聴指標」を相対値(割合)に限定する記載はないから,「視聴指標」には,相対値(割合)のほか,絶対値(実数)をも包含すると解すべきである。また,絶対値であっても,ユーザーは過去の経験や現在放送されている他の番組の数値との比較などから視聴者数の多少,すなわち多いか,少ないかを把握すること 絶対値(実数)をも包含すると解すべきである。また,絶対値であっても,ユーザーは過去の経験や現在放送されている他の番組の数値との比較などから視聴者数の多少,すなわち多いか,少ないかを把握することができるので,「視聴指標」について,絶対値(実数)を除外し,相対値(割合)に限定解釈すべき理由はない。 さらに,本件特許1に係る本件訂正1-1後の明細書(甲3。以下,図面(甲2)を含めて「本件明細書1」という。)を参酌すると,本件明細書1には,「視聴率」を「視聴指標」とした実施例の記載がある一方で,「本発明」の実施形態が実施例のものに限定されないことが明確に記載されていること(段落【0069】),「番組を視聴した平均人数」を表示する変形例も記載されており(段落【0079】),この「番組を視聴した平均人数」は絶対値であることからすると,「視聴指標」は,相対値(割合)だけではなく,- 23 -絶対値(実数)をも包含することが開示されているといえる。 b イ号装置における「ミル情報」は,「現在放送中の番組の視聴者数」(絶対値)であり,「ミル情報」から現在放送中の番組について他のユーザーがどのくらい視聴しているかを知ることができるから,構成要件1-1Cの「視聴指標」に該当する。 (ウ) 「録画予約指標」についてa 構成要件1-1Dの「録画予約指標」とは,「番組の録画予約数の多少を把握可能な」情報を意味することは,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載から一義的に明確である。 そして,請求項1には,「録画予約指標」を相対値(割合)に限定する記載はないから,「録画予約指標」には,相対値(割合)のほか,絶対値(実数)をも包含すると解すべきである。 また,本件明細書1を参酌すると,本件明細書1には,「録画率」を「録画予約指標」とした る記載はないから,「録画予約指標」には,相対値(割合)のほか,絶対値(実数)をも包含すると解すべきである。 また,本件明細書1を参酌すると,本件明細書1には,「録画率」を「録画予約指標」とした実施例の記載がある一方で,「本発明」の実施形態が実施例のものに限定されないことが明確に記載されていること(段落【0069】)からすると,「録画予約指標」は,相対値(割合)だけではなく,絶対値(実数)をも包含することが開示されているといえる。 b イ号装置における「トル情報」は,「これから放送される番組の録画予約者数」(絶対値)であり,「トル情報」からこれから放送される番組について他のユーザーがどのくらい録画予約しているかを知ることができるから,構成要件1-1Dの「録画予約指標」に該当する。 (エ) 「サーバ」についてa(a) 本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)は,本件発明1-1の「サーバ」が,「視聴状況情報を,複数の前記利用者装置か- 24 -ら受信する視聴番組状況受信手段」(構成要件1-1A)と,「録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段」(構成要件1-1B)と,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)と,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)と,「前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段」(構成要件1-1E)とを「備える」(構成要件1-1F)と規定している。 「サーバ」とは,一般的に「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト,すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」を意味するものであり(広辞苑第五版)(甲16),ネットワーク上で他のコンピュータにサービス(具体的には情報)を提供するコンピュータがサーバ なわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」を意味するものであり(広辞苑第五版)(甲16),ネットワーク上で他のコンピュータにサービス(具体的には情報)を提供するコンピュータがサーバである。 請求項1は,本件発明1-1の「サーバ」の装置構成について,例えば,一つの筐体に収納される装置であるとか,あるいは一つの処理装置(CPU)で構成される装置であるなどといった限定を付していない。 次に,本件明細書1を参酌すると,本件明細書1には,本件発明1-1の「サーバ」の一例である「調査者側装置10」について,「1のコンピュータシステムによって構成されたものを例示したが,複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。」(段落【0070】),「調査者側装置10」及び「利用者側端末20」について,いずれも「インターネットに接続される周知のコンピュータシステム」(段落【0028】,【0029】)であるとの記載があり,また,図1からも「調査者側装置10」及び「利用者側端末20」は特に構成を異にするものでは- 25 -なく,通常のパーソナルコンピュータを想定していることが分かる。これらの記載によれば,「調査者側装置10」を複数のコンピュータシステムで構成する場合,その一つのコンピュータシステムが,「利用者側端末20」と同様の周知のコンピュータシステムで構成されてもよいことは,当然のこととして本件明細書1から読み取れるから,本件発明1-1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素としての「調査者側」の構成要素である必要はない。 (b) 一般的に「サーバ」の文言は,本件原出願の出願時において,次に述べるとおり,利用者側の端末を含み,複数のコンピュータからなる場合を含むものとして理解され,使われていた。 ① 特開平1 (b) 一般的に「サーバ」の文言は,本件原出願の出願時において,次に述べるとおり,利用者側の端末を含み,複数のコンピュータからなる場合を含むものとして理解され,使われていた。 ① 特開平10-207945号公報(甲34)の図2,特開平10-247177号公報(甲35)の図1には,「サーバ」の文言は,ネットワーク上の複数のコンピュータから構成されるものも含むことが開示されている。 また,甲34及び35によれば,本件原出願の出願時,同一の機能又は異なる機能を有する複数のコンピュータが協働してサービスを提供することが周知であったものといえる。 ② 「情報システムテクニカルガイド分散システムのための」(1995年6月30日発行)(甲36)の「(それに対して,ピア・ツー・ピア・モデルではどのプロセスでも相互作用を開始することができる)サーバは,他のサーバに要求を発行することでクライアントになることもありえる。…クライアントとサーバは,…同一のマシンで走ることもあれば,別々のマシンで走ることもある。」(282頁)との記載,特開平10-161777号公報(甲37)の段落【0001】,特開- 26 -平10-154030号公報(甲38)の段落【0010】,【0014】,特開平9-138810号公報(甲39)の段落【0231】,特開平9-51398号公報(甲40)の段落【0028】,特開平9-73410号公報(甲41)の段落【0003】には,「サーバ」の文言は,利用者側端末と機能を兼ねるコンピュータにも使われることが開示されている。 ③ 特開平9-91220号公報(甲42)の段落【0004】ないし【0006】,特開平10-149270号公報(甲43)の段落【0012】,【0017】には,サーバ機能とクライアント機能を兼ねる利用 特開平9-91220号公報(甲42)の段落【0004】ないし【0006】,特開平10-149270号公報(甲43)の段落【0012】,【0017】には,サーバ機能とクライアント機能を兼ねる利用者側コンピュータを「サーバ」と呼ぶことが開示されている。 (c) 以上を総合すれば,本件発明1-1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきである。 したがって,本件発明1-1の「サーバ」の機能の一部を担う「利用者装置」の端末も,この「サーバ」に該当する。 b(a) イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,以下のとおり,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」に該当する。 ① Roomの数が1の場合一つのLobbyの中に一つだけRoomが存在する場合,そのRoom内のユーザー数を数える(計算する)主体は,Roomを管理している本件マッチングサーバである。 そして,本件マッチングサーバが算出した視聴者数がそのまま(数値操作されることなく),本件マッチングサーバによっ- 27 -て各PS3(ロ号製品)にミル情報として提供される。 したがって,Roomの数が1の場合は,ミル情報(視聴者数)を算出する主体は,本件マッチングサーバにほかならない。 ② Roomの数が2以上の場合ミル情報(視聴者数)は,Lobby内の各Roomのユーザー数を合計したものであるが,Lobby内の各Roomのユーザー数の算出自体は,本件マッチングサーバが行っている。 このようにRoomの数が2以上の場合であっても,少なくともミル情報(視聴者数)を算出するための基礎となる第1段階の計算を本件 omのユーザー数の算出自体は,本件マッチングサーバが行っている。 このようにRoomの数が2以上の場合であっても,少なくともミル情報(視聴者数)を算出するための基礎となる第1段階の計算を本件マッチングサーバが行っていることからすると,本件マッチングサーバで算出された各Room内のユーザー数を合算する処理(算出動作)がPS3(ロ号製品)側でされていたとしても,ミル情報(視聴者数)を算出する主体は,本件マッチングサーバであるといえる。 ③ クエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作は本件マッチングサーバが支配管理していることトルネが接続された複数のPS3(ロ号製品)のうち,いずれのPS3がクエリーオーナーになるかは,本件マッチングサーバが管理して決定しており,PS3側に選択権はない。 また,クエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作は,PS3のユーザー(利用者)の関与しない動作であり,本件マッチングサーバから受け取るデータに基づいて行われる動作である。 さらに,クエリーオーナーであるPS3が一部関与して算出したミル情報は,クエリーオーナーであるPS3から本件マッチングサーバに渡され,本件マッチングサーバからミル情報と- 28 -して各PS3に配信される。 これらを総合的に判断すれば,クエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作は,本件マッチングサーバが支配管理しているといえるから,本件マッチングサーバの動作と同一視することができる。 (b) 仮にイ号装置を構成する本件マッチングサーバが「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えていないとしても,クエリーオーナーであるPS3(ロ号製品)は,本件マッチングサーバで算出された各Room内のユーザー数を足し合わせ, 聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えていないとしても,クエリーオーナーであるPS3(ロ号製品)は,本件マッチングサーバで算出された各Room内のユーザー数を足し合わせ,その数値(視聴者数,すなわちミル情報)を本件マッチングサーバに提供する特別なコンピュータであるから,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」に該当する。 c(a) イ号装置を構成する本件ストーレージサーバは,以下のとおり,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」に該当する。 すなわち,PS3は,本件ストレージサーバが記憶する特定の番組の録画予約数を+1した数値に書き換えることを依頼し,一方,本件ストレージサーバは,その依頼を受け,記憶手段に記憶している各PS3へ提供するための録画予約数を,+1した数値に書き換える。本件ストレージサーバは,複数のPS3から依頼を受ければ,録画予約数を,+1した数値に書き換えることを繰り返し行い,結果として,ある番組の録画予約数が+2,+3といった数値になる。また,本件ストレージサーバに記憶されているデータは,データベース管理システムと呼ばれるプログラムによって強固に管理され,当該プログラムに基づいて動作するCP- 29 -Uが,データを書き換えてもよいかどうかをアクセス権限やロックの有無などを判断してデータを書き換えている。 したがって,システムを全体的にみれば,トル情報(録画予約数)の算出主体は,本件ストレージサーバと評価するのが自然である。 (b) 仮にイ号装置を構成する本件ストーレージサーバが「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えていないとしても,録画予約操作を行ったPS3がトル情報テーブルに (b) 仮にイ号装置を構成する本件ストーレージサーバが「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えていないとしても,録画予約操作を行ったPS3がトル情報テーブルにおける該当番組の録画予約数をインクリメント(+1)し,当該トル情報テーブルを最新のトル情報テーブルとマージし,本件ストレージサーバへ送信する動作は,他の多数のPS3へ提供されるためのトル情報テーブルを生成して提供する動作であり,これらの動作を行うPS3(ロ号製品)は,「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト,すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター」にほかならないから,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」に該当する。 (オ) 「番組表」についてa 構成要件1-1Eの「利用者装置によって表示される番組表上の番組」中の「番組表」については,本件特許1の特許請求の範囲に定義が規定されていないため,当業者の通常の意味で解釈すべきである。 一般に,「表」とは, 「こみいった事柄を,見やすいように配列して書き表したもの。「-で示す」「年表ねんぴょう・図表・正誤表」」(甲16)をいい,ここで縦軸のみで配列されている「年表(ねんぴょう)」が例示されているように,必ずしも縦軸及び横軸の2軸で構- 30 -成される必要はないものである。 したがって,構成要件1-1Eの「番組表」は,必ずしも2軸で配列されたものに限定されず,たとえ1軸であっても,見やすいように配列して書き表したものであれば,これに含まれると解すべきである。 b ロ号製品は「利用者装置」に該当するところ,ロ号製品において,トル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象は,現在放送中の番組のタイトルが放送局ごとに横に並べられたもの 解すべきである。 b ロ号製品は「利用者装置」に該当するところ,ロ号製品において,トル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象は,現在放送中の番組のタイトルが放送局ごとに横に並べられたものであり(甲10の写真10等),時間の観点と放送局の観点で選出された番組のタイトルが並べられたものである。 また,ロ号製品において,「方向キー下」が押下されると,現在放送されている番組のタイトル群が一体となって上方向にスクロールされて消えるとともに,現在放送されている番組の次の時間に放送される番組のタイトル群が一体となって下から現れて表示された状態になるのであるから(甲8の1の26頁),トル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象は,時間を縦軸とする複数行から構成された番組表であるといえる。 したがって,ロ号製品においてトル情報及びミル情報とともに表示される対象は,構成要件1-1Eの「番組表」に該当する。 (カ) 構成要件1-1Cないし1-1Fの充足a イ号装置が構成要件1-1A及び1-1Bを充足することは,前記争いのない事実等(4)ウ(ア)のとおりである。 そして,前記(ア)ないし(オ)によれば,イ号装置における「ミル情報」は「視聴指標」に,「トル情報」は「録画予約指標」に該当し,イ号装置を構成する本件マッチングサーバにおいては,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)から受信された「視聴状況情- 31 -報」(視聴情報)に基づいてミル情報を算出し,イ号装置を構成する本件ストレージサーバにおいては,PS3(ロ号製品)から受信された「録画予約状況情報」(録画予約情報)に基づいてミル情報を算出しているといえる。 そうすると,イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を 録画予約状況情報」(録画予約情報)に基づいてミル情報を算出しているといえる。 そうすると,イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)にそれぞれ該当するといえるから,イ号装置は,構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足する。 また,PS3(ロ号製品)において,トル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象は,構成要件1-1Eの「番組表」に該当し(前記(オ)),イ号装置は,「番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標」をPS3(ロ号製品)に送信しているといえるから,構成要件1-1Eを充足する。 したがって,イ号装置は,本件発明1-1の構成要件を全て充足する。 b 仮にイ号装置を構成する本件マッチングサーバが「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えていないとしても,クエリーオーナーであるPS3(ロ号製品)は,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」に該当する。 また,同様に,仮にイ号装置を構成する本件ストーレージサーバが「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えていないとしても,トル情報テーブルにおける番組の録画予約数をインクリメントするなどの動作を行うPS3(ロ号- 32 -製品)は,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」に該当する。 そして,イ号装置が「視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段」(構成要件1-1A )は,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」に該当する。 そして,イ号装置が「視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段」(構成要件1-1A)と,「録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段」(構成要件1-1B)と,「前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段」(構成要件1-1E)とを備える「サーバ」に該当することは前記aのとおりであるから,イ号装置及びロ号製品は,本件発明1-1の構成要件を全て充足するというべきである。 (キ) まとめ以上によれば,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品は,本件発明1-1の構成要件を全て充足するから,その技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) イ号装置の構成に対する認否a 原告の主張ア(ア)aのうち,ユーザーが保有する複数のPS3(ロ号製品)から,「ミル情報」を算出する基礎となる視聴情報を本件マッチングサーバが,「トル情報」を算出する基礎となる録画予約情報を本件ストレージサーバが,個人を特定しない形で受信することについては認め,その余は否認する。 b 原告の主張ア(ア)bないしdは,いずれも否認する。 (イ) 「視聴指標」についてa(a) 本件原出願当時の用語の一般的な意義によれば,構成要件1-1Cの「番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」における「多少」とは,「多いことと少ないこと。また,多いか少ないかの程度。」,「把握」とは,「しっかりと理解すること。」,- 33 -また,「指標」とは,「物事の見当をつけるためのめじるし。」を意味する(広辞苑第五版)(乙16)。また,「多い」及び「少ない」は相対的な概念であるため,「多少」を「把握」するためには何らかの基準が必要となる 標」とは,「物事の見当をつけるためのめじるし。」を意味する(広辞苑第五版)(乙16)。また,「多い」及び「少ない」は相対的な概念であるため,「多少」を「把握」するためには何らかの基準が必要となるから,「現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」であるためには,視聴率のように全利用者数・現在の全視聴者数等を基準として現在放送中の番組の視聴者数が多いのか,少ないのかを把握可能な視聴指標であることが必要である。また,構成要件1-1Eには,「前記視聴指標」が「表示」されるものであることが規定されている。 そうすると,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義によれば,構成要件1-1Cの「視聴指標」とは,「その表示自体により全利用者数・現在の全視聴者数等を基準として現在放送中の番組の視聴者の数が多いのか少ないのか,ないしどの程度多いのか,少ないのかをしっかりと理解可能な視聴率その他の目印」を意味すると解するのが相当である。 次に,本件明細書1には,「視聴指標」は,「視聴率」と記載されている。 さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件出願1の願書に最初に添付した明細書及び図面(乙18。以下,これらを併せて「本件当初明細書1」という。)には,「番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」との語が一切用いられておらず,本件出願1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても,「調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数とに基づいて視聴率を算出する」と記載されているだけであったが,構成要件1-1C,1-4D及び1-6Dにおける「番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」との各構成要- 34 -素は,本件補正1により,構成要件1-1Cについては本件当初明細書1の「第1 が,構成要件1-1C,1-4D及び1-6Dにおける「番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」との各構成要- 34 -素は,本件補正1により,構成要件1-1Cについては本件当初明細書1の「第1実施形態」に係る段落【0040】及び【0041】の記載,構成要件1-4D及び1-6Dについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0066】の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項追加の禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1Cの「視聴指標」は,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1Cの「視聴指標」は,上記のとおり解釈すべきである。 (b) この点,原告は,本件明細書1の段落【0069】及び【0079】の記載を指摘して,「視聴指標」が絶対値(実数)をも包含する旨主張する。 しかし,原告の指摘に係る段落【0069】の記載は,単に他の実施形態の存在可能性を抽象的に示すものにすぎず,何ら他の実施形態の実在を具体的に示すものではないから,この記載に基づき,具体的に他の実施形態が実際に存在することを前提として,それを含み得るようにクレームを拡大解釈することが許されるものではない。また,原告の指摘に係る段落【0079】の「番組を視聴した平均人数」との記載は,「演算により求められた多くの人数の中間的な値」を意味するものであって,そもそも視聴者の数の絶対値(実数)とは全く異なるものであるのみならず,段落【0079】には,「視聴率または録画率以外に,…番組を視- 35 - 多くの人数の中間的な値」を意味するものであって,そもそも視聴者の数の絶対値(実数)とは全く異なるものであるのみならず,段落【0079】には,「視聴率または録画率以外に,…番組を視- 35 -聴した平均人数などが記載される」旨が明記されているとおり,「視聴率」に代えて「番組を視聴した平均人数」を記載することを開示も示唆もしておらず,むしろ「視聴率または録画率」を一切記載しないような態様を排除していることが明らかである。 したがって,原告の上記主張は,失当である。 b 本件マッチングサーバにおける「ミル情報」は,現在放送中の番組の視聴者数の絶対値であり,「ミル情報」の表示自体によっては,現在放送中の番組の視聴者の数が多いのか,少ないのか,ないしどの程度多いのか,少ないのかを,およそ理解することができないから,構成要件1-1Cの「視聴指標」に該当しない。 (ウ) 「録画予約指標」についてa 構成要件1-1Dの「録画予約指標」とは,前記(イ)a(a)で述べたところと同様に,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義によれば,「その表示自体により全利用者数・同一時間帯の全録画予約者数等を基準として番組の録画予約の数が多いのか,少ないのか,ないしどの程度多いのか,少ないのかをしっかりと理解可能な録画率その他の目印」を意味すると解するのが相当である。 次に,本件明細書1には,「録画予約指標」は,全て「録画率」と記載されている。 さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件当初明細書1には,「番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標」との語が一切用いられておらず,本件出願1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても,「調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数と 少を把握可能な録画予約指標」との語が一切用いられておらず,本件出願1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても,「調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数とに基づいて視聴率を- 36 -算出する」と記載されているだけであったが,構成要件1-1D,1-4D及び1-6Dにおける「番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標」との各構成要素は,本件補正1により,構成要件1-1Dについては本件当初明細書1の「第1実施形態」に係る段落【0047】及び【0048】の記載,構成要件1-4D及び1-6Dについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0066】の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項追加の禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1Dの「録画予約指標」は,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1Dの「録画予約指標」は,上記のとおり解釈すべきである。 この点に関し,原告は,本件明細書1の段落【0069】の記載を指摘して,「録画予約指標」が絶対値(実数)をも包含する旨主張するが,前記(イ)a(b)で述べたところと同様に,上記主張は失当である。 b 本件ストレージサーバにおける「トル情報」は,番組の録画予約の数の絶対値であり,「トル情報」の表示自体によっては,番組の録画予約の数が多いのか,少ないのか,ないしどの程度多いのか,少ないのかを,およそ理解することができないから,構成要件1-1Dの「録画予約指標」に該当しない。 情報」の表示自体によっては,番組の録画予約の数が多いのか,少ないのか,ないしどの程度多いのか,少ないのかを,およそ理解することができないから,構成要件1-1Dの「録画予約指標」に該当しない。 (エ) 「サーバ」についてa(a) 本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義によれば,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「視- 37 -聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,「サーバ自体が計算して求める視聴指標を出す手段を備えること」を意味し,また,「視聴指標」の算出は,「利用者装置」から受信される「視聴状況情報」に基づいて行うのであるから,上記「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であると解するのが相当である。 次に,本件明細書1には,「利用者装置」とは別異の構成要素である「調査者側」の構成要素としての「サーバ」又はその装置自体が視聴率を算出していることが開示されており,一方で,「サーバ」が「利用者装置」と同一の構成要素であり得ることや「調査者側」の構成要素以外の構成要素であり得ることについての記載も示唆もない。原告が指摘する本件明細書1の段落【0070】における「調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたものを例示したが,複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。」との記載は,単に「調査者側装置10」それ自体に関する記載にすぎない。 さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件当初明細書1には「利用者側(端末20)」と対置される「調査者側(装置10)」それ自体において視聴率を算出することしか記載されておらず(段落【0005】,【0012】,【0041】,【0060】,【0065】,【0066】等),本件特許1の出願当初の特許請求の範囲(請求項 それ自体において視聴率を算出することしか記載されておらず(段落【0005】,【0012】,【0041】,【0060】,【0065】,【0066】等),本件特許1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても「前記調査者側に…調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数とに基づいて視聴率を算出する視聴率算出手段とを備えていることを特徴とする視聴率調査システム」と記載されているだけであったが,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「視- 38 -聴指標を算出する視聴指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」,構成要件1-4D及び1-6Dにおける「前記サーバにおいて算出された…視聴指標」との各構成要素は,本件補正1により,構成要件1-1C及び1-1Fについては本件当初明細書1の「第1実施形態」に係る段落【0040】及び【0041】における「利用者側端末20」と対置される「調査者側装置10」の記載,構成要件1-4D及び1-6Dについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0066】の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項の追加禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,上記のとおり解釈すべきである。 (b) この点に関し, は,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,上記のとおり解釈すべきである。 (b) この点に関し,原告は,甲34ないし43を挙げて,一般的に「サーバ」の文言は,本件原出願の出願時において,利用者側の端末を含み,複数のコンピュータからなる場合を含むものとして理解され,使われていたなどとして,本件発明1-1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよい旨主張する。 - 39 -しかし,原告の指摘に係る甲34ないし43によっては,クライアントサーバモデルにおいて,サーバの機能の一部をクライアント自身にも分担させる具体的な技術それ自体が本件原出願時の周知技術あるいは当業者の技術常識であったことは立証されておらず,せいぜい本件原出願時の「サーバ」の語それ自体の一般的な意義としてサーバ機能を有するクライアントをも含み得なくもないことぐらいしか立証されていない。 また,仮にクライアントサーバモデルにおいてサーバの機能の一部をクライアント自身にも分担させる技術が抽象的に本件原出願の出願時の周知技術あるいは当業者の技術常識であるとした場合でも,そのような抽象的な周知技術・技術常識だけでは,当業者にとって,本件発明1-1における,複数の利用者装置からの視聴状況情報・録画予約状況情報の受信,同各情報に基づく視聴指標・録画予約指標の算出,番組表データへの同各指標の組み込み,複数の利用者装置への同各指標を組み込んだ番組表データの送信等という複数の様々な機能について,調査者側装置とそれ以外の利用者側端末等において,どのように分担・協働して実施する 同各指標の組み込み,複数の利用者装置への同各指標を組み込んだ番組表データの送信等という複数の様々な機能について,調査者側装置とそれ以外の利用者側端末等において,どのように分担・協働して実施する具体的な手段として実現できるかが,明らかではなく,その試行錯誤が必須であり,困難であることが当然に認識・理解される。 他方,そのような状況の下,利用者側(端末20)と対置される「調査者側(装置10)」それ自体において視聴率・録画率を算出することしか記載されていない,本件出願1の出願当初の特許請求の範囲請請求項1)及び本件当初明細書1により特許出願がされたものであることからすると,本件発明1-1においては複数の「利用者装置」とこれとは別異の「調査者側」の「サーバ」とからなるモデルについて同「サーバ」による中央集権型のモデル- 40 -が意識的に選択・採用されたものであることが明らかである。 したがって,原告の上記主張は,失当である。 b 本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義によれば,構成要件1-1D及び1-1Fにおける「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,「サーバ自体が計算して求める録画予約指標を出す手段を備えること」を意味し,また,「録画予約指標」の算出は,「利用者装置」から受信される「録画予約状況情報」に基づいて行うのであるから,上記「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であると解するのが相当である。 次に,本件明細書1には,「利用者装置」とは別異の構成要素である「調査者側」の構成要素としての「サーバ」又はその装置自体が視聴率を算出していることが開示されており,一方で,「サーバ」が「利用者装置」と同一の構成要素であり得ることや「調査者側」の構成要素以外の構成要 者側」の構成要素としての「サーバ」又はその装置自体が視聴率を算出していることが開示されており,一方で,「サーバ」が「利用者装置」と同一の構成要素であり得ることや「調査者側」の構成要素以外の構成要素であり得ることについての記載も示唆もない。 さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件当初明細書1には,「利用者側(端末20)」と対置される「調査者側(装置10)」それ自体において録画率を算出することしか記載されておらず(段落【0016】,【0023】,【0048】,【0061】,【0065】,【0066】等),本件特許1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても「前記調査者側に…調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数とに基づいて視聴率を算出する視聴率算出手段とを備えていることを特徴とする視聴率調査システム」と記載されているだけであったが,構成要件1-1D及び1-1Fにおける「録画予約指標を算出する- 41 -録画予約指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」,構成要件1-4D及び1-6Dにおける「各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された…録画予約指標」との各構成要素は,本件補正1により,構成要件1-1D及び1-1Fについては本件当初明細書1の「第1実施形態」に係る段落【0047】及び【0048】における「利用者側端末20」と対置される「調査者側装置10」の記載,構成要件1-4D及び1-6Dについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0066】の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項の追加禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「録画予約指標を算出す として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項の追加禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1C及び1-1Fにおける「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」を備えた「サーバ」とは,上記のとおり解釈すべきである。 c 別紙1記載のとおり,「ミル情報」の算出は,本件マッチングサーバにおいては行われておらず,所定のPS3においてニ号プログラムの実行により行われている。 すなわち,本件マッチングサーバにおけるRoomの数が1の場合も,2以上の場合も,「ミル情報」を算出するための基礎となるRoom内のユーザー数は格別,このようなRoom内の「ユーザー数の合算値」としての「ミル情報」それ自体は,本件マッチング- 42 -サーバにおいて算出されるものではなく,クエリーオーナー及びルームオーナーであるPS3において算出される。本件マッチングサーバにおけるRoomの数が1の場合には,クエリーオーナーであるPS3は,2以上の場合と同一のコードにより,他のRoomのユーザー数がないものとして,加算処理することにより,「ミル情報」を算出するものであるから,やはり,「ミル情報」それ自体が,本件マッチングサーバではなく,クエリーオーナーであるPS3によって算出されることには,何ら変わりはない。 このように「ミル情報」の算出が,本件マッチングサーバではなく,所定のPS3において ,本件マッチングサーバではなく,クエリーオーナーであるPS3によって算出されることには,何ら変わりはない。 このように「ミル情報」の算出が,本件マッチングサーバではなく,所定のPS3において本件プログラムの実行により行われるようにしたことは,PSNのオンラインゲームで既に導入されていたマッチングの仕組みを利用することができ,ユーザーの数が増えた場合でも本件マッチングサーバにかかる負荷の増加を小さくすることができ,トルネのソフトウェア・アップデートが行われた場合に新旧バージョンごとにRoomを設定すればよいのでソフトウェア・アップデートに柔軟に対応できるなどという独自の技術的意義を有するものである。また,本件マッチングサーバは,「ネットワークに接続された複数のユーザー間でセッションを作成し,ユーザー間のメッセージングや情報共有を行うための機能を提供する。例えば,オンライン対戦ゲームにおける対戦相手探し(マッチング)やチャット機能などで主に利用される」ものであり,もともと,「ミル数」の集計を目的としたサーバではなく,各Room内の各ユーザー数を合算する機能を具備していないものである。 したがって,イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当しない。 - 43 -また,前記aのとおり,上記「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であると解すべきであるから,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)は,上記「サーバ」に該当しない。 d 別紙2記載のとおり,「トル情報」の算出は,本件ストレージサーバにおいては行われておらず,各PS3においてニ号プログラムの実行により行われている。 すなわち,録画予約処理の際,「トル情報テ d 別紙2記載のとおり,「トル情報」の算出は,本件ストレージサーバにおいては行われておらず,各PS3においてニ号プログラムの実行により行われている。 すなわち,録画予約処理の際,「トル情報テーブル」中の録画予約対象番組の録画予約数をインクリメントするのは,録画予約処理を行うPS3自身であって,本件ストレージサーバではなく,このようにインクリメントされる「トル情報テーブル」中の録画予約対象番組の録画予約数それ自体が「トル情報」それ自体であるから,「トル情報」の算出主体は,本件ストレージサーバではなく,録画予約処理を行うPS3自身であることが明らかである。なお,本件ストレージサーバは,あるPS3においてトル情報の更新が行われている際には,「トル情報テーブル」をロックし,他のPS3においてトル情報の更新を行うことができないように構成されているため,本件ストレージサーバにおいて複数のPS3による録画予約数のインクリメント分の合算を行う必要はない。 このように「トル情報」の算出が,本件ストレージサーバではなく,各PS3において本件プログラムの実行により行われるようにしたことは,PSNのオンラインゲームで既に導入されていたストレージの仕組みを利用することができ,ユーザーの数が増えた場合でも本件ストレージサーバにかかる負荷の増加を小さくすることができるなどという独自の技術的意義を有するものである。また,本件ストレージサーバは,「ネットワーク上にデータを保存するためのネットワークストレージ機能を提供する」ものであり,もとも- 44 -と,「トル数」の集計を目的としたサーバではなく,録画予約数を合算する機能を具備していないものである。 したがって,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手 トル数」の集計を目的としたサーバではなく,録画予約数を合算する機能を具備していないものである。 したがって,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当しない。 また,前記bのとおり,上記「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であると解すべきであるから,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)は,上記「サーバ」に該当しない。 (オ) 「番組表」についてa 一般に,「番組表」とは,「放送番組を,各放送局(チャンネル)と放送時間とによって表としてまとめたもの。」,「表」とは,「こみいった事柄を,見やすいように配列して書きあらわしたもの。」,「配列」とは,「ならべつらねること。順序よくならべること。また,そのならび。」との各意義を有する(乙15,16)そうすると,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義によれば,構成要件1-1Eの「利用者装置によって表示される番組表」とは,「放送番組を各放送局(チャンネル)と放送時間とによって並べ連ねたものとしてまとめたもの」を意味すると解するのが相当である。 そして,この「放送番組」とは,番組の放送の単なる先後関係を超えて,番組の放送時刻から終了時刻までの一定の時間すなわち放送時間帯を意味する。 次に,本件明細書1には,このような各放送局(チャンネル)と放送時間との2軸で構成されるという「番組表」の語の一般的な意義をより具体化ないし詳細化するような記載こそあれ,これと別異の記載は一切ない。 - 45 -さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件当初明細書1には,番組表として具体的には「放送番組を各放送局(チャンネル)と放送時間とによって こそあれ,これと別異の記載は一切ない。 - 45 -さらに,本件特許1の出願経過をみると,本件当初明細書1には,番組表として具体的には「放送番組を各放送局(チャンネル)と放送時間とによって並べ連ねたものとしてまとめたもの」しか記載されておらず(段落【0002】,【0003】,【0004】,【0008】,【0019】,【0031】,【0032】,図3(b),【0064】,【0066】,図5等),本件特許1の出願当初の特許請求の範囲(請求項1)においても「番組表」と記載されているだけであったが,構成要件1-1Eにおける「番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標」,構成要件1-4E,1-4F,1-6E及び1-6Fにおける「前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データ」及び「前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表」との各構成要素は,本件補正1により,構成要件1-1Eについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0063】ないし【0066】等の記載,構成要件1-4E,1-4F,1-6E及び1-6Fについては本件当初明細書1の「第2実施形態」に係る段落【0066】及び図5等の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正1の根拠等からみて,新規事項の追加禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件1-1Eの「番組表」とは,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1Eにおける「番組表」とは 件特許1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書1の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許1の出願経過をも参酌すると,構成要件1-1Eにおける「番組表」とは,上記のとおり解釈すべきであ- 46 -る。 b トルネ,PS3及びニ号プログラムにより,その所在地において受信可能な放送局から放送される放送波からEPGデータが取得され,そのEPGデータに基づき各放送局(チャンネル)と放送時間の2軸の通常の電子番組表(EPG)が作成され,同電子番組表が,テレビ画面に表示され,放送番組の探索・選択・視聴・録画・録画予約等に供用されている。これとは別に,トルネ,PS3,ニ号プログラム,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいて,「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,EPGデータに基づき「ミル情報」及び「トル情報」を組み込んで作成・表示される番組リストは,放送時間帯それ自体とは直接関係がない,現在放送中の番組のリスト,更なるユーザー操作によって表示される各放送局(チャンネル)ごとに現在放送中の番組から三つ分の番組のリストとして構成されており,各チャンネル内での各番組の先後関係は規定されているが,放送時刻という1軸を有しておらず,当該軸により各チャンネルの各番組の放送時間帯が反映されていないため,各チャンネル間での各番組の先後関係は規定されていない。 このように「ミル情報」及び「トル情報」を組み込んで表示する対象は,EPGのような「放送番組を各放送局(チャンネル)と放送時間とによって並べ連ねたものとしてまとめたもの」ではない。 したがって,ロ号製品(PS3)においてトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-1Eの「番組表」であるとの原告の主張は,理由がない。 (カ) のとしてまとめたもの」ではない。 したがって,ロ号製品(PS3)においてトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-1Eの「番組表」であるとの原告の主張は,理由がない。 (カ) 構成要件1-1Cないし1-1Fの非充足前記(ア)ないし(オ)のとおり,「ミル情報」が構成要件1-1Cの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件1-1Dの「録画予約指- 47 -標」に,本件マッチングサーバが「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に,本件ストレージサーバが「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-1Eの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由がない。 したがって,イ号装置は,本件発明1-1の構成要件1-1Cないし1-1Fを充足しない。 また,前記(エ)のとおり,構成要件1-1Fの「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であり,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)は,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」及び「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当しないから,イ号装置及びロ号製品を合わせた構成も,構成要件1-1Cないし1-1Fを充足しない。 (キ) まとめ以上によれば,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品が本件発明1-1の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 い。 (2) 本件発明1-4及び1-5の技術的範囲の属否(争点1-(2)及び(3))についてア原告の主張 置及びロ号製品が本件発明1-1の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 い。 (2) 本件発明1-4及び1-5の技術的範囲の属否(争点1-(2)及び(3))についてア原告の主張(ア) ロ号製品の構成についてロ号製品は,次のような構成を備えている。 a ユーザーは,ロ号製品を操作することでテレビの視聴が可能であ- 48 -る。 b ユーザーは,ロ号製品を操作することでテレビ番組の録画予約が可能である(甲10の写真8ないし10)。 c ロ号製品は,「トルミル情報」を算出する基礎となる視聴情報,録画予約情報及び当該ロ号製品の利用に関する情報を個人を特定しない形でイ号装置に送信する(甲10の写真13,14)。 d ロ号製品は,「現在放送されている番組を他のユーザーがどのくらい視聴しているか」に関する情報(ミル情報)及び「これから放送される番組を,他のユーザーがどのくらい録画予約しているか」に関する情報(トル情報)を「トルミル情報」として受信する(甲10の写真4ないし7,12)。 e ロ号製品は,イ号装置が算出して送信した「トルミル情報」を放送中の番組ごとに関連付けて番組表とともに表示可能となる形で受信する(甲9の2,甲9の4,甲10写真4~写真7)。 f ロ号製品は,現在放送中の番組を表示する画面と同一の画面内で,受信した「トルミル情報」を現在放送中の番組ごとに番組表に含めた形で表示する(甲10の写真4ないし7)。 g ロ号製品は,ユーザーの操作を受け付けることによりテレビの視聴地域を特定する情報を特定し,その情報をイ号装置へ送信し,そのテレビの視聴地域に応じた番組表を受信する(甲10の写真4ないし7,15ないし18)。 h ロ号製品は,ユーザーの操作を受け付けることで番組表上で番組の選択が可能であり 報をイ号装置へ送信し,そのテレビの視聴地域に応じた番組表を受信する(甲10の写真4ないし7,15ないし18)。 h ロ号製品は,ユーザーの操作を受け付けることで番組表上で番組の選択が可能であり,番組の選択に応じてチャンネルが変更される(甲10の写真4ないし6)。 (イ) 構成要件1-4Dないし1-4Gの充足ロ号製品が構成要件1-4Aないし1-4Cを充足することは,前- 49 -記争いのない事実等(4)ウ(イ)のとおりである。 そして,前記(ア)及び前記(1)アによれば,ロ号製品は,構成要件1-4Dないし1-4Gを充足する。 したがって,ロ号製品は,本件発明1-4の構成要件を全て充足する。 (ウ) 構成要件1-5Aないし1-5Cの充足前記(イ)のとおり,ロ号製品は,本件発明1-4の構成要件を全て充足するから,構成要件1-5A及び1-5Cを充足する。 そして,前記(ア)fによれば,ロ号製品は,構成要件1-5Bを充足する。 したがって,ロ号製品は,本件発明1-5の構成要件を全て充足する。 (エ) まとめ以上によれば,ロ号製品は,本件発明1-4及び1-5の構成要件を全て充足するから,本件発明1-4及び1-5の技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) ロ号製品の構成に対する認否a 原告の主張ア(ア)a,b及びdは,認める。 b 原告の主張ア(ア)cのうち,PS3(ロ号製品)が,「ミル情報」を算出する基礎となる視聴情報を本件マッチングサーバに,「トル情報」を算出する基礎となる録画予約情報を本件ストレージサーバに,個人を特定しない形で送信することについては認め,その余は否認する。 c 原告の主張ア(ア)eないしhは,いずれも否認する。 (イ) 構成要件1-4Dないし1-4G,1-5Aないし1-5 ーバに,個人を特定しない形で送信することについては認め,その余は否認する。 c 原告の主張ア(ア)eないしhは,いずれも否認する。 (イ) 構成要件1-4Dないし1-4G,1-5Aないし1-5Cの非- 50 -充足前記(1)イ(カ)によれば,「ミル情報」が構成要件1-4Dの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件1-4Dの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバが構成要件1-4Dの「サーバ」に,本件ストレージサーバが構成要件1-4Dの「サーバ」に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-4E及び1-4Fの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由がない。 また,前記(1)イ(オ)bのとおり,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいては,「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,「番組表データ」を送信(送出)していないから,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバは,構成要件1-4Eの「サーバ」に該当しない。 したがって,ロ号製品は,本件発明1-4の構成要件1-4Dないし1-4G,本件発明1-5の1-5Aないし1-5Cを充足しない。 (ウ) まとめ以上によれば,ロ号製品が本件発明1-4及び1-5の技術的範囲に属するとの原告の主張は,理由がない。 (3) 本件発明1-6及び1-7の技術的範囲の属否(争点1-(4)及び(5))についてア原告の主張(ア) ニ号プログラムの構成についてニ号プログラムは,PS3(ロ号製品)にインストールされることで,ロ号製品における前記(2)ア(ア)の各処理を実行する。 (イ) 構成要件1-6Dないし1-6Gの充足ニ号プログラムが構成要件1-6Aないし1-6Cを充足すること- 51 -は,前記争 で,ロ号製品における前記(2)ア(ア)の各処理を実行する。 (イ) 構成要件1-6Dないし1-6Gの充足ニ号プログラムが構成要件1-6Aないし1-6Cを充足すること- 51 -は,前記争いのない事実等(4)ウ(ウ)のとおりである。 そして,前記(ア)及び前記(1)アによれば,ニ号プログラムは,構成要件1-6Dないし1-6Gを充足する。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明1-6の構成要件を全て充足する。 (ウ) 構成要件1-7Aないし1-7Cの充足前記(イ)のとおり,ニ号プログラムは,本件発明1-6の構成要件を全て充足するから,構成要件1-7A及び1-7Cを充足する。 そして,前記(ア)及び前記(2)ア(ア)fによれば,ニ号プログラムは,構成要件1-7Bを充足する。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明1-7の構成要件を全て充足する。 (エ) まとめ以上によれば,ニ号プログラムは,本件発明1-6及び1-7の構成要件を全て充足するから,本件発明1-6及び1-7の技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) ニ号プログラムの構成に対する認否原告の主張アのうち,ニ号プログラムがPS3にインストールされることで実行されるものであることは認めるが,その余は否認する。 (イ) 構成要件1-6Dないし1-6G,1-7Aないし1-7Cの非充足前記(1)イ(カ)によれば,「ミル情報」が構成要件1-6Dの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件1-6Dの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバが構成要件1-6Dの「サーバ」に,本件ストレージサーバが構成要件1-6Dの「サーバ」(構成要件1-1F)- 52 -に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-6E及び1- の「サーバ」に,本件ストレージサーバが構成要件1-6Dの「サーバ」(構成要件1-1F)- 52 -に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件1-6E及び1-6Fの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由がない。 また,前記(1)イ(オ)bのとおり,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいては,「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,「番組表データ」を送信(送出)していないから,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバは,構成要件1-6Eの「サーバ」に該当しない。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明1-6の構成要件1-6Dないし1-6G,本件発明1-7の1-7Aないし1-7Cを充足しない。 (ウ) まとめ以上によれば,ニ号プログラムが本件発明1-6及び1-7の技術的範囲に属するとの原告の主張は,理由がない。 (4) 本件発明2-1の技術的範囲の属否(争点1-(6))についてア原告の主張(ア) 構成要件2-1C,2-1D,2-1F及び2-1Gの充足イ号装置が構成要件2-1A,2-1B及び2-1Eを充足することは,前記争いのない事実等(4)ウ(ア)のとおりである。 そして,前記(1)ア(カ)aと同様の理由により,イ号装置は,構成要件2-1C,2-1D,2-1F及び2-1Gを充足するから,本件発明2-1の構成要件を全て充足する。なお,被告は,後記のとおり,構成要件2-1Fについて,「地域特定情報に基づき特定される地域と視聴情報及び録画予約指定情報とは対応付けられていないこと」などと解釈すべきである旨主張するが,特許請求の範囲の記載に基づかないものであり,上記主張は理由がない。 - 53 -また,仮にイ号装置が「視聴指標を算出す 定情報とは対応付けられていないこと」などと解釈すべきである旨主張するが,特許請求の範囲の記載に基づかないものであり,上記主張は理由がない。 - 53 -また,仮にイ号装置が「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件2-1C)及び「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件2-1D)を備えていないとしても,前記(1)ア(カ)bと同様の理由により,PS3(ロ号製品)がこれらを備えた「サーバ」に該当し,イ号装置及びロ号製品は,本件発明2-1の構成要件を全て充足する。 (イ) まとめ以上によれば,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品は,本件発明2-1の構成要件を全て充足するから,その技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) 構成要件2-1C,2-1D,2-1F及び2-1Gの非充足a 前記(1)イ(ア)ないし(カ)で述べたのと同様に,「ミル情報」が構成要件2-1Cの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件2-1Dの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバが「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件2-1C)を備えた「サーバ」(構成要件2-1G)に,本件ストレージサーバが「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件2-1D)を備えた「サーバ」(構成要件2-1G)に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件2-1Fの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由がない。 なお,前記(1)イ(ア)ないし(カ)中の「本件明細書1」は,「本件特許2に係る明細書(甲15。以下,図面を含めて「本件明細書2」という。)」に,「本件当初明細書1」は,「本件出願2の願書に最初に添付した明細書及び図面(乙21。以下,これらを併せて「本件当初明細書2」という。) 書(甲15。以下,図面を含めて「本件明細書2」という。)」に,「本件当初明細書1」は,「本件出願2の願書に最初に添付した明細書及び図面(乙21。以下,これらを併せて「本件当初明細書2」という。)」にそれぞれ読み替える。 - 54 -b(a) 構成要件2-1Fにおける「前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」との記載は,その文言上,「視聴指標」と「録画予約指標」とが問題とされる「番組」が「地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の」ものであること,及び,「視聴指標」と「録画予約指標」とが当該「番組」に「対応する」ものであることは規定しているものの,「視聴指標」と「録画予約指標」とが「地域特定情報に基づき特定される地域」に対応付けられたものであることは規定していないことが明らかである。 したがって,構成要件2-1Fの「前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」とは,「地域特定情報に基づき特定される地域と視聴情報及び録画予約指定情報とは対応付けられていないこと」を意味すると解するのが相当である。 また,本件明細書2には,「調査者側装置10」から「利用者側端末20」に「送信」される「番組表」が「利用者側端末20」から「調査者側装置10」に「要求データ」として「送信」される「利用者によりあらかじめ設定された」「地域を示すデータ」に対応付けられたものであることは開示されているが(段落【0037】【0038】等),「視聴率」と「録画率」とがこのような「利用者によりあらかじめ設定された」「地域を示すデータ」に対応付けられたものであることは一切記載されていない。 さらに,本件当初明細書2には,構 38】等),「視聴率」と「録画率」とがこのような「利用者によりあらかじめ設定された」「地域を示すデータ」に対応付けられたものであることは一切記載されていない。 さらに,本件当初明細書2には,構成要件2-1F,2-4H及び2-7Gにおける「地域特定情報」との語が一切用いられていなかったところ,構成要件2-1Fにおける「前記地域特定情- 55 -報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」,構成要件2-4H及び2-7Gにおける「前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」との各構成要素は,本件補正2により,構成要件2-1Fについては「第2実施形態」に係る本件明細書2の段落【0072】ないし【0075】の記載,構成要件2-4H及び2-7Gについては「第2実施形態」に係る図5の記載をそれぞれ根拠として補正されたものであり,このような本件補正2の根拠等からみて,新規事項の追加禁止の補正要件(特許法17条の2第3項)をも参酌すると,構成要件2-1Fにおける「前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」とは,上記のとおり解釈するほかない。 以上のとおり,本件特許2の特許請求の範囲(請求項1)の記載及びその一般的な意義に基づいて,本件明細書2の記載及び図面を参酌し,さらには,本件特許2の出願経過をも参酌すると,構成要件2-1Fにおける「前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」とは,上記のとおり解釈すべきである。 (b) 「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバからPS 送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」とは,上記のとおり解釈すべきである。 (b) 「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバからPS3が受信する「ミル情報」及び「トル情報」は,PS3から本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバへ送信される地域を特定する情報に基づき特定される地域に対応付けられたものとされているから,構成要件2-1Fにおける「前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録- 56 -画予約指標」を充足しない。 c 以上によれば,イ号装置は,本件発明2-1の構成要件2-1C,2-1D,2-1F及び2-1Gを充足しない。 また,前記(1)イ(エ)のとおり,構成要件2-1Gの「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であり,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)は,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件2-1C)を備えた「サーバ」(構成要件2-1G)及び「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件2-1D)を備えた「サーバ」(構成要件2-1G)に該当しないから,イ号装置及びロ号製品を合わせ構成も,構成要件2-1C,2-1D,2-1F及び2-1Gを充足しない。 (イ) まとめ以上によれば,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品が本件発明2-1の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 い。 (5) 本件発明2-4ないし2-6の技術的範囲の属否(争点1-(7)ないし(9))についてア原告の主張(ア) 構成要件2-4Fないし2-4Iの充足ロ号製品が構成要件2-4Aないし2-4Eを充足することは,前記争いのない事実等(4)ウ(イ)のとおりである。 そして,前記 ア原告の主張(ア) 構成要件2-4Fないし2-4Iの充足ロ号製品が構成要件2-4Aないし2-4Eを充足することは,前記争いのない事実等(4)ウ(イ)のとおりである。 そして,前記(2)ア(イ)及び(4)ア(ア)と同様の理由により,ロ号製品は,構成要件2-4Fないし2-4Iを充足するから,本件発明2-4の構成要件を全て充足する。 (イ) 構成要件2-5Aないし1-5Cの充足前記(ア)のとおり,ロ号製品は,本件発明2-4の構成要件を全て- 57 -充足するから,構成要件2-5A及び2-5Cを充足する。 そして,前記(2)ア(ア)fによれば,ロ号製品は,構成要件2-5Bを充足する。 したがって,ロ号製品は,本件発明2-5の構成要件を全て充足する。 (ウ) 構成要件2-6Aないし2-6Cの充足前記(ア)のとおり,ロ号製品は,本件発明2-5の構成要件を全て充足するから,構成要件2-6A及び2-6Cを充足する。 そして,前記(2)ア(ア)hによれば,ロ号製品は,構成要件2-6Bを充足する。 したがって,ロ号製品は,本件発明2-6の構成要件を全て充足する。 (エ) まとめ以上によれば,ロ号製品は,本件発明2-4ないし2-6の構成要件を全て充足するから,本件発明2-4ないし2-6の技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) 構成要件2-4Fないし2-4I,2-5Aないし2-5C,2-6Aないし2-6Cの非充足前記(2)イ(イ)で述べたのと同様に,「ミル情報」が構成要件2-4Fの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件2-4Fの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバが構成要件2-4Fの「サーバ」に,本件ストレージサーバが構成要件2-4Fの「サーバ」に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル トル情報」が構成要件2-4Fの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバが構成要件2-4Fの「サーバ」に,本件ストレージサーバが構成要件2-4Fの「サーバ」に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件2-4G及び2-4Hの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由がない。 - 58 -また,前記(2)イ(イ)で述べたのと同様に,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいては,「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,「番組表データ」を送信(送出)していないから,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバは,構成要件2-4Gの「サーバ」に該当しない。 さらに,前記(4)イ(ア)bで述べたのと同様に,ロ号製品は,構成要件2-4Hにおける「前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」を充足しない。 したがって,ロ号製品は,本件発明2-4の構成要件2-4Fないし2-4I,本件発明2-5の構成要件2-5Aないし2-5C,本件発明2-6の構成要件2-6Aないし2-6Cを充足しない。 (イ) まとめ以上によれば,ロ号製品が本件発明2-4ないし2-6の技術的範囲に属するとの原告の主張は,理由がない。 (6) 本件発明2-7ないし2-9の技術的範囲の属否(争点1-(10)ないし(12))についてア原告の主張(ア) 構成要件2-7Eないし2-7Hの充足ニ号プログラムが構成要件2-7Aないし2-7Dを充足することは,前記争いのない事実等(4)ウ(ウ)のとおりである。 そして,前記(3)ア(イ)及び(4)ア(ア)と同様の理由により,ニ号プログラムは,構成要件2-7Eないし2-7Hを充足する。 したがって, 前記争いのない事実等(4)ウ(ウ)のとおりである。 そして,前記(3)ア(イ)及び(4)ア(ア)と同様の理由により,ニ号プログラムは,構成要件2-7Eないし2-7Hを充足する。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明2-7の構成要件を全て充足する。 (イ) 構成要件2-8Aないし2-8Cの充足- 59 -前記(ア)のとおり,ニ号プログラムは,本件発明2-7の構成要件を全て充足するから,構成要件2-8A及び2-8Cを充足する。 そして,前記(3)ア(ウ)と同様の理由により,ニ号プログラムは,構成要件2-8Bを充足する。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明2-8の構成要件を全て充足する。 (ウ) 構成要件2-9Aないし2-9Cの充足前記(イ)のとおり,ニ号プログラムは,本件発明2-8の構成要件を全て充足するから,構成要件2-9A及び2-9Cを充足する。 そして,前記(2)ア(ア)h及び前記(3)ア(ア)によれば,ニ号プログラムは,構成要件2-9Bを充足する。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明2-9の構成要件を全て充足する。 (エ) まとめ以上によれば,ニ号プログラムは,本件発明2-7ないし2-9の構成要件を全て充足するから,本件発明2-7ないし2-9の技術的範囲に属する。 イ被告の主張(ア) 構成要件2-7Eないし2-7H,2-8Aないし2-8C,2-9Aないし2-9Cの非充足前記(3)イ(イ)で述べたのと同様に,「ミル情報」が構成要件2-7Eの「視聴指標」に,「トル情報」が構成要件2-7Eの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバが構成要件2-7Eの「サーバ」に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件2-7G及び2 -7Eの「録画予約指標」に,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバが構成要件2-7Eの「サーバ」に,PS3(ロ号製品)がトル情報及びミル情報を組み込んで表示する対象が構成要件2-7G及び2-7Hの「番組表」にそれぞれ該当するとの原告の主張は,いずれも理由が- 60 -ない。 また,前記(2)イ(イ)で述べたのと同様に,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいては,「ミル」機能及び「トル」機能の実現に当たり,「番組表データ」を送信(送出)していないから,本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバは,構成要件2-7Fの「サーバ」に該当しない。 さらに,前記(4)イ(ア)bで述べたのと同様に,ロ号製品は,構成要件2-7Gにおける「前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」を充足しない。 したがって,ニ号プログラムは,本件発明2-7の構成要件2-7Dないし2-7H,本件発明2-8の構成要件2-8Aないし2-8C,本件発明2-9の構成要件2-9Aないし2-9Cを充足しない。 (イ) まとめ以上によれば,ニ号プログラムが本件発明2-7ないし2-9の技術的範囲に属するとの原告の主張は,理由がない。 2 争点2(ハ号製品の製造等の間接侵害の成否)について(1) 原告の主張アハ号製品は,トルネ本体と視聴・録画アプリケーションプログラム(ニ号プログラム)とで構成されている。 そして,トルネ本体をPS3に接続するとともに,ニ号プログラムをPS3に読み込ませた構成は,ロ号製品と同様の構成となり,本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6の「利用者装置」として機能させることができるから(前記1(2)ア及び(5)ア),本件発明1-4,1-5,2-4ないし 構成は,ロ号製品と同様の構成となり,本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6の「利用者装置」として機能させることができるから(前記1(2)ア及び(5)ア),本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6の技術的範囲に属する。 イ(ア) ハ号製品は,物の発明である本件発明1-4,1-5,2-4な- 61 -いし2-6の「その物の生産にのみ用いる物」(特許法101条1号)に該当する。 (イ) また,ハ号製品は,本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6の「その物の生産に用いる物」であって,従来技術には見られない特徴的技術手段(例えば,本件発明1-4及び1-5に係る利用者装置における出力手段)について,当該手段を特徴付けている特有の構成ないし成分を直接もたらす,特徴的な部材又は道具に該当するから,本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6による「課題の解決に不可欠なもの」(特許法101条2号)に該当する。 ウ以上によれば,被告によるハ号製品の製造及び販売について,本件発明1-4,1-5に係る本件特許権1及び本件発明2-4ないし2-6に係る本件特許権2の間接侵害(特許法101条1号,2号)が成立する。 (2) 被告の主張原告の主張は争う。 3 争点3(本件各特許権に基づく権利行使の制限の成否)について(1) 被告の主張本件各発明に係る本件各特許には,以下のとおりの無効理由があり,特許無効審判により無効にされるべきものであるから,特許法104条の3第1項の規定により,原告は,被告に対し,本件各特許権を行使することができない。 ア本件特許1(ア) 無効理由1-1(補正要件違反)本件発明1-1,1-4及び1-6に係る本件補正1は,以下のとおり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項 ア本件特許1(ア) 無効理由1-1(補正要件違反)本件発明1-1,1-4及び1-6に係る本件補正1は,以下のとおり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に- 62 -当たり,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから,本件発明1-1,1-4及び1-6に係る本件特許1には,同項に違反する無効理由(同法123条1項1号)がある。 これと同様に,本件発明1-4の請求項4又は本件発明1-6の請求項6を引用する本件発明1-5及び1-7に係る本件特許1には,上記無効理由がある。 a 無効理由1-1a(a) 補正事項1(視聴指標)「現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」(請求項1,4及び6)(b) 無効理由補正事項1が「現在放送中の番組の視聴者の数の絶対値をも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 その理由は,前記1(1)イ(イ)aと同旨である。 b 無効理由1-1b(a) 補正事項2(録画予約指標)「番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標」(請求項1,4及び6)(b) 無効理由補正事項2が「番組の録画予約の数の絶対値をも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,- 63 -新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書 れるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,- 63 -新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。その理由は,前記1(1)イ(ウ)aと同旨である。 c 無効理由1-1c(a) 補正事項3(視聴指標の算出主体)「視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」(請求項1),「前記サーバにおいて算出された…視聴指標」(請求項4及び6)(b) 無効理由補正事項3が「「調査者側」の構成要素としてのサーバと別異の構成要素である「利用者装置」が視聴指標を算出することをも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 その理由は,前記1(1)イ(エ)aと同旨である。 d 無効理由1-1d(a) 補正事項4(録画予約指標の算出主体)「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」(請求項1),「各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された…録画予約指標」(請求項4及び6)(b) 無効理由補正事項4が「「調査者側」の構成要素としてのサーバと別異- 64 -の構成要素である「利用者装置」が録画予約指標を算出することをも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導か 素としてのサーバと別異- 64 -の構成要素である「利用者装置」が録画予約指標を算出することをも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。その理由は,前記1(1)イ(エ)bと同旨である。 e 無効理由1-1e(a) 補正事項5(番組表)「番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標」(請求項1),「前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データ」及び「前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表」(請求項4及び6)(b) 無効理由補正事項5が「視聴指標と録画予約指標とを組み込んで表示する対象が現在放送中の番組のリスト上の番組及びユーザー操作によって表示される各放送局(チャンネル)ごとに放送時間帯とは無関係に現在放送中の番組から三つ分の番組であるものをも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 その理由は,前記1(1)イ(オ)aと同旨である。 - 65 -f 無効理由1-1f(a) 補正事項6(番組表の送信主体)「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段」(請求項4),「番組表データを )イ(オ)aと同旨である。 - 65 -f 無効理由1-1f(a) 補正事項6(番組表の送信主体)「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段」(請求項4),「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップ」(請求項6)(b) 無効理由補正事項6が「調査者側装置(サーバ)以外のサーバから番組表データを送信ないし受信するものをも含む」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 g 無効理由1-1g(a) 補正事項7(視聴指標,録画予約指標及び番組表の送信(送出),受信及び出力態様)「前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する」(請求項1),「視聴指標と,…録画予約指標とを受信する指標受信手段と,…番組表データを…受信する番組表データ受信手段と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段」(請求項4),「視聴指標と,…- 66 -録画予約指標とを…受信する指標受信ステップと,…番組表データを…受信する番組表データ受信ステップと,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と - 66 -録画予約指標とを…受信する指標受信ステップと,…番組表データを…受信する番組表データ受信ステップと,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップ」(請求項6)(b) 無効理由本件当初明細書1には,視聴率及び録画率のいずれか一方又は両方を組み込んだ番組表が,調査者側の番組表作成手段によって作成され,その作成された番組表が,調査者側の番組表送信手段によって送信され,利用者装置によって受信され,表示されることが記載されているのみであり,番組表とは別体の視聴率や録画率自体が調査者側のサーバから送信され,利用者装置によって受信され,利用者装置において視聴率や録画率とは別体の番組表自体を特に調査者側のサーバ以外から受信し,更にこのような別体の視聴率や録画率と番組表に基づいて利用者装置において視聴率や録画率を組み込んで番組表を作成し,表示することは,本件当初明細書1には記載されておらず,また,本件当初明細書1の記載に接した当業者に自明の事項でもなく,さらには,当業者にとって本件当初明細書1の記載の全てを総合することにより導かれる技術的事項でもない。 したがって,補正事項7は,当業者にとって,本件当初明細書1の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項- 67 -の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 (イ) 無効理由1-2(本件発明1-1の進歩性欠如)本件発明1-1は た明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項- 67 -の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 (イ) 無効理由1-2(本件発明1-1の進歩性欠如)本件発明1-1は,本件原出願の出願前に頒布された刊行物である乙28(特開2000-308035号公報)及び乙29(特開2001-245243号公報)に記載された発明に基づいて,当業者が容易に想到することができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-1に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 a 本件発明1-1と乙28に記載された発明との対比乙28の記載事項(段落【0001】,【0008】,【0009】,【0011】,【0018】,【0019】,【0035】,【0046】,【0049】,図1,3,4,6,7)を総合すれば,乙28には,「番組の視聴予約が可能な家庭装置4が用いられて番組視聴が行われており,前記家庭装置4において視聴予約されている番組を特定可能な情報である番組予約情報を,複数の前記家庭装置4から受信するスケジュール受信部40と,前記スケジュール受信部40により受信された各家庭装置4の前記番組予約情報に基づいて,番組の視聴予約数の多少を把握可能な予想視聴率を算出する予想視聴率算出部42と,前記家庭装置4によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記予想視聴率であって,現在放送中の番組に対応する前記予想視聴率を送信する予想視聴率送信部43とを備えることを特徴とする局装置2」が記載されている。 そして,本件発明1-1と乙28記載の「局装置2」(以下「乙28記載発明①」という。)とは,次のとおりの一致点及び相違点を有する。 - 68 -(一致点)「視聴機器 記載されている。 そして,本件発明1-1と乙28記載の「局装置2」(以下「乙28記載発明①」という。)とは,次のとおりの一致点及び相違点を有する。 - 68 -(一致点)「視聴機器に対する「視聴(再生)」,「録画」,「視聴予約」,「録画予約」といった適宜選択可能な周知の機能操作のうちの1以上の操作機能を備え,かかる操作機能を介して入力された予約情報を利用者装置から受信し,受信された予約状況情報に基づいて統計処理を行って指標を算出し,算出された指標を,利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけて表示させるべく利用者装置に送信するサーバ(ないし局装置)」である点。 (相違点)本件発明1-1は,予約状況情報のみならず,現在放送中の番組に対する視聴情報をも利用者装置から受信し,受信された視聴状況情報に基づいて統計処理を行って指標を算出し,算出された指標(二つの異なる指標(視聴指標及び録画予約指標))を,利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけて表示させるべく利用者装置に送信させることができるのに対し,乙28記載発明①は,一つの指標のみを利用者装置に送信し,このような構成を備えていない点。 b 乙29の開示事項乙29の記載事項(【請求項11】,【請求項22】,段落【0003】,【0006】ないし【0011】,【0013】,【0020】,【0026】,【0035】,【0036】,【0042】,【0043】,【0060】,【0072】,【0073】,【0087】,【0091】,【0095】等)を総合すれば,乙29には,予約状況情報のみならず,現在放送中の番組に対する視聴情報をも利用者装置から受信し,受信された視聴状況情報に基づいて統計処理を行って指標(視聴指標及び録画予約指標)をそれぞれ- れば,乙29には,予約状況情報のみならず,現在放送中の番組に対する視聴情報をも利用者装置から受信し,受信された視聴状況情報に基づいて統計処理を行って指標(視聴指標及び録画予約指標)をそれぞれ- 69 -算出するデータ集計局が開示されている。 c 容易想到性映像音声記録再生機器において,「視聴(再生)」,「録画」,「視聴(再生)予約」,「録画予約」といった一連の機能は,ユーザーにとって適宜選択可能に機器メーカーにおいて広く採用されてきた周知の機能であるところ,ユーザーに対してどのような指標情報をどのような形式で提供するかは当業者が接する通常の技術課題であることからすると,乙28記載発明①の「視聴予約」に替えて,乙29記載の視聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計する構成(相違点に係る本件発明1-1の構成)を採用することは,当業者において容易に想到することができたものである。 d まとめ以上によれば,本件発明1-1は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如している。 (ウ) 無効理由1-3(本件発明1-4の進歩性欠如)本件発明1-4は,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,当業者が容易に想到することができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-4に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 a 本件発明1-4と乙28に記載された発明との対比乙28の記載事項(前記(イ)a)を総合すれば,乙28には,「番組の視聴操作及び番組の視聴予約が可能な家庭装置4であって,視聴予約されている番組を特定可能な情報である番組予約情報(スケジュール)を局装置2へ送信するデータ送受信部20と すれば,乙28には,「番組の視聴操作及び番組の視聴予約が可能な家庭装置4であって,視聴予約されている番組を特定可能な情報である番組予約情報(スケジュール)を局装置2へ送信するデータ送受信部20と,各家庭装置4の前記番組予約(スケジュール)に基づいて算出された番組の- 70 -視聴予約数の多少を把握可能な予想視聴率を受信する視聴率受信部25と,前記予想視聴率が,現在放送中の番組のものと各裏番組のものとを含めてTV画面の片隅に表示可能なように構成されたデータを局装置2から受信する視聴率受信部25と,現在放送中の番組の予想視聴率と各裏番組の予想視聴率とを含めてTV画面の片隅に表示可能なように構成されたデータに基づいて,現在放送中の番組に対応する予想予約率と各裏番組の予想予約率とを含む番組一覧を出力するTV受像機8とを備えることを特徴とする家庭装置4」が記載されている。 そして,本件発明1-4と乙28記載の「家庭装置4」(以下「乙28記載発明②」という。)とを対比すると,次のとおりの相違点があるが,その余の構成は一致する。 (相違点)本件発明1-4は,録画予約状況情報のみならず,放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信する視聴状況情報送信手段(1-4B)と,録画予約指標のみならず,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を受信する指標受信手段(1-4D)と,視聴指標と録画予約指標との両方を番組表の番組に対応付けられて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段(1-4E)と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画 対応付けられて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段(1-4E)と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標との両方が番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段(1-4F)とを備えるのに対- 71 -し,乙28発明②は,かかる構成を備えていない点。 b 容易想到性(a) 番組情報の中に視聴率情報が含まれること,かかる番組情報に基づいてユーザーのモニタ画面上に番組表を表示させること,必要に応じて番組表とともに各番組の視聴率を表示させることは,本件原出願の出願当時,周知の技術であった(乙30ないし32)。 (b) 前記(イ)cのとおり,乙28記載発明①の「視聴予約」に替えて,乙29記載の視聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計する構成(相違点に係る本件発明1-1の構成)を採用することは,当業者において容易に想到することができたものである。 そして,乙28記載発明①(局装置2)は,番組表送信手段35を備えており,乙28記載発明①において,現在放送中の番組を含めた各裏番組の予想視聴率をTV画面の片隅に表示するか,これらの予想視聴率を番組表送信手段35により番組表の中に表示可能なように送信するかの相違は,設計事項にすぎないというべきである。 そうすると,当業者であれば,乙28記載発明②(家庭装置4)と乙29記載の視聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計する構成とを組み合わせ,前記aの周知技術を適用して,相違点に係る本件発明1-4の構成に容易に想到することができたものである。 c まとめ以上によれば,本件発明1-4は,当業者が, 集計する構成とを組み合わせ,前記aの周知技術を適用して,相違点に係る本件発明1-4の構成に容易に想到することができたものである。 c まとめ以上によれば,本件発明1-4は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如している。 - 72 -(エ) 無効理由1-4(本件発明1-5の進歩性欠如)本件発明1-5は,本件発明1-4の請求項を引用した発明であり,本件発明1-5のうち,本件発明1-4に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到することができたことは,前記(ウ)のとおりである。 本件発明1-5は,「1-5B.前記出力手段は,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力する」点で,本件発明1-4と相違するところ,放送中の番組映像に重畳して番組表を表示することは,本件原出願の出願当時,周知の技術であった(乙32等)。 以上によれば,本件発明1-5は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-5に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (オ) 無効理由1-5(本件発明1-6の進歩性欠如)本件発明1-6は,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,当業者が容易に想到することができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-6に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 a 本件発明1-6と乙28に記載された発明との対比 できたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-6に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 a 本件発明1-6と乙28に記載された発明との対比乙28の記載事項(前記(イ)a)を総合すれば,乙28には,「番組の視聴操作及び番組の視聴予約が可能な家庭装置4で実行される処理ステップあって,視聴予約されている番組を特定可能な情報である番組予約情報(スケジュール)を局装置2へ送信する番組予約情報(スケジュール)送信ステップと,各家庭装置4の前記番組予- 73 -約(スケジュール)に基づいて算出された番組の視聴予約数の多少を把握可能な予想視聴率を局装置2から受信する視聴率受信ステップと,前記予想視聴率が,現在放送中の番組のものと各裏番組のものとを含めてTV画面の片隅に表示可能なように構成されたデータを局装置2から受信する視聴率受信ステップと,現在放送中の番組の予想視聴率と各裏番組の予想視聴率とを含めてTV画面の片隅に表示可能なように構成されたデータに基づいて,現在放送中の番組に対応する予想予約率と各裏番組の予想予約率とを含む番組一覧を出力する出力ステップとを前記家庭装置4に実行させる処理ステップ」が記載されている。 そして,本件発明1-6と乙28記載の「家庭装置4に実行させる処理ステップ」(以下「乙28記載発明③」という。)とを対比すると,次のとおりの相違点があるが,その余の構成は一致する。 (相違点)本件発明1-6は,録画予約状況情報のみならず,放送中の番組であって現在視聴されている番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信するステップ(1-6B)と,録画予約指標のみならず,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の いる番組を特定可能な情報である視聴状況情報をサーバへ送信するステップ(1-6B)と,録画予約指標のみならず,各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて前記サーバにおいて算出された現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を前記サーバから受信する指標受信ステップ(1-6D)と,視聴指標と録画予約指標との両方を番組表の番組に対応付けられて表示可能なよう構成された番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップ(1-6E)と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標との両方が番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画- 74 -予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップ(1-6F)とを備えるのに対し,乙28発明③は,かかる構成を備えていない点。 b 容易想到性前記(ウ)bで述べたのと同様理由により,本件発明1-6は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如している。 (カ) 無効理由1-6(本件発明1-7の進歩性欠如)本件発明1-7は,本件発明1-6の請求項を引用した発明であり,本件発明1-7のうち,本件発明1-6に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到することができたことは,前記(オ)のとおりである。 本件発明1-7は,「1-7B.前記出力ステップは,現在視聴されている番組と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力する」点で,本件発明1-6と相違するところ,放送中の番組映像に重畳して番組表を表示することは,本件原 と同時に一画面において視聴者が視聴可能なよう前記視聴指標,前記録画予約指標及び前記番組表を出力する」点で,本件発明1-6と相違するところ,放送中の番組映像に重畳して番組表を表示することは,本件原出願の出願当時,周知の技術であったことは,前記(エ)のとおりである。 以上によれば,本件発明1-7は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明1-7に係る本件特許1には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 イ本件特許2(ア) 無効理由2-1(補正要件違反)本件発明2-1,2-4及び2-7に係る本件補正2は,以下のと- 75 -おり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たり,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから,本件発明2-1,2-4及び2-7に係る本件特許2には,同項に違反する無効理由(同法123条1項1号)がある。 これと同様に,本件発明2-4の請求項4又は本件発明2-7の請求項7を引用する本件発明2-5,2-6,2-8及び2-9に係る本件特許2には,上記無効理由がある。 a 無効理由2-1a(a) 補正事項1(視聴指標)「現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標」(請求項1,4及び7)(b) 無効理由前記ア(ア)a(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 b 無効理由2-1b(a) 補正事項2(録画予約指標)「番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標」(請求項1,4及び7)(b) 無効理由前記ア 初明細書2」と読み替える。 b 無効理由2-1b(a) 補正事項2(録画予約指標)「番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標」(請求項1,4及び7)(b) 無効理由前記ア(ア)b(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 c 無効理由2-1c(a) 補正事項3(視聴指標の算出主体)「視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」(請求項1),「前記サーバにおいて算出さ- 76 -れた…視聴指標」(請求項4及び7)(b) 無効理由前記ア(ア)c(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 d 無効理由2-1d(a) 補正事項4(録画予約指標の算出主体)「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,…を備えることを特徴とするサーバ」(請求項1),「各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて算出された…録画予約指標」(請求項4及び7)(b) 無効理由前記ア(ア)d(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 e 無効理由2-1e(a) 補正事項5(番組表)「番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標」(請求項1),「前記視聴指標と前記録画予約指標とが,番組表上の番組に対応づけて表示可能なよう構成された番組表データ」及び「前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表」(請求項4及び7)(b) 無効理由前記ア(ア)e(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 f 無効理由2-1f(a) 補正事項6(番組表の送信主体)- )(b) 無効理由前記ア(ア)e(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 f 無効理由2-1f(a) 補正事項6(番組表の送信主体)- 77 -「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段」(請求項4),「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップ」(請求項7)(b) 無効理由前記ア(ア)f(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 g 無効理由2-1g(a) 補正事項7(視聴指標,録画予約指標及び番組表の送信(送出),受信及び出力態様)「前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する」(請求項1),「視聴指標と,…録画予約指標とを受信する指標受信手段と,…番組表データを…受信する番組表データ受信手段と,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力手段」(請求項4),「視聴指標と,…録画予約指標とを…受信する指標受信ステップと,…番組表データを…受信する番組表データ受信ステップと,前記視聴指標,前記録画予約指標,及び,前記番組表データに基づいて,前記視聴指標と前記録画予約指標とが番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップ」(請求項7)- 78 -(b) 無効理由前 番組表上の番組に対応づけられた番組表であって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを含む番組表を出力する出力ステップ」(請求項7)- 78 -(b) 無効理由前記ア(ア)g(b)と同旨。ただし,「本件当初明細書1」を「本件当初明細書2」と読み替える。 h 無効理由2-1h(a) 補正事項8(地域特定情報と視聴指標及び録画予約指標との対応付けの有無)「前記地域特定情報受信手段により受信された前記地域特定情報に基づき特定される地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」(請求項1),「前記地域特定情報送信手段により送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」(請求項4),「前記地域特定情報送信ステップにより送信された前記地域特定情報に対応する地域において現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標」(請求項7)(b) 無効理由補正事項8が「地域特定情報に基づき特定される地域と視聴指標及び録画予約指標とが対応付けられていることを意味する」と解釈されるとすれば,当業者にとって,本件当初明細書2の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 i 無効理由2-1i(a) 補正事項9(地域特定情報と番組表との対応付けの有無)「地域特定情報を,前記利用者装置から受信する地域特定情報- 79 -受信手段」(請求項1),「前記利用者装置によって表示される番組表」(請求項1),「地域特定情報を,前記サーバ 付けの有無)「地域特定情報を,前記利用者装置から受信する地域特定情報- 79 -受信手段」(請求項1),「前記利用者装置によって表示される番組表」(請求項1),「地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信手段」(請求項4),「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信手段」(請求項4),「地域特定情報を,前記サーバへ送信する地域特定情報送信ステップ」(請求項7),「番組表データをサーバから受信する番組表データ受信ステップ」(請求項7)(b) 無効理由本件当初明細書2には,利用者装置から送信される地域特定情報により特定される地域に対応付けられた番組表が,利用者装置によって表示されることが記載されているのみであり,利用者装置がその所在地において受信できる放送波から取得できるEPGデータのような,利用者装置から送信される地域特定情報により特定される地域には特に対応付けられていないデータに基づき,利用者装置によって番組表及び番組リストが作成され,表示されることは,本件当初明細書2には記載されておらず,また,本件当初明細書2の記載に接した当業者に自明の事項でもなく,さらには,当業者にとって本件当初明細書2の記載の全てを総合することにより導かれる技術的事項でもない。 したがって,補正事項9は,当業者にとって,本件当初明細書2の全ての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであり,「願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 (イ) 無効理由2-2(本件発明2-1の進歩性欠如)本件発明1-1は当業者が乙28及び乙29に記載された発明に基- 80 -づいて容易に発明をす したものではなく,新規事項の追加に当たる。 (イ) 無効理由2-2(本件発明2-1の進歩性欠如)本件発明1-1は当業者が乙28及び乙29に記載された発明に基- 80 -づいて容易に発明をすることができたものであることは,前記ア(イ)のとおりである。 本件発明2-1は,「サーバから端末へ電子番組表を配信可能な映像コンテンツ等の配信システムにおいて,地域を特定可能な情報である地域特定情報を端末から受信し,かかる情報に基づいてサーバから電子番組表を配信する」点で,本件発明1-1と相違し,その余の構成は本件発明1-1と共通する。 しかるところ,映像コンテンツ等の配信システムにおいて配信される電子番組表を「地域特定情報」に基づいて配信ないし表示することは,本件原出願の出願時,周知の技術であった(乙35ないし37)。 以上によれば,本件発明2-1は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-1に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (ウ) 無効理由2-3(本件発明2-4の進歩性欠如)本件発明1-4は当業者が乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであることは,前記ア(ウ)のとおりである。 本件発明2-4は,「サーバから端末へ電子番組表を配信可能な映像コンテンツ等の配信システムにおいて,地域を特定可能な情報である地域特定情報を端末から受信し,かかる情報に基づいてサーバから電子番組表を配信する」点で,本件発明1-4と相違し,その余の構成は本件発明1-4と共通する。 しかるところ,映像コンテンツ等の配信システムにおいて配信される電子 かかる情報に基づいてサーバから電子番組表を配信する」点で,本件発明1-4と相違し,その余の構成は本件発明1-4と共通する。 しかるところ,映像コンテンツ等の配信システムにおいて配信される電子番組表を「地域特定情報」に基づいて配信ないし表示すること- 81 -は,本件原出願の出願時,周知の技術であったことは,前記(イ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-4は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-4に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (エ) 無効理由2-4(本件発明2-5の進歩性欠如)本件発明2-5は,本件発明2-4の請求項4を引用した発明であり,本件発明2-5のうち,本件発明2-4に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到することができたことは,前記(ウ)のとおりである。 また,本件発明2-5の固有の構成は,本件発明1-5の固有の構成と実質同一であるところ,本件発明1-5は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたことは,前記ア(エ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-5は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-5に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (オ) 無効理由2-5(本件発明2-6の進歩性欠如)本件発明2-6は,本件発明2-5の請求項5を引用した発明であり,本件発明2-6のうち,本 反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (オ) 無効理由2-5(本件発明2-6の進歩性欠如)本件発明2-6は,本件発明2-5の請求項5を引用した発明であり,本件発明2-6のうち,本件発明2-5に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到することができたことは,前記(エ)のとおりである。 - 82 -本件発明2-6は,「利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている前記番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が前記受付手段を介して利用者により選択されると,その選択された番組のチャンネルに切り替えて前記出力手段に番組の映像を出力させるチャンネル切替手段をさらに備える」点で,本件発明2-5と相違し,その余の構成は本件発明2-5と共通する。 しかるところ,利用者により現在視聴されている番組の映像と同時に出力されている番組表上で,その視聴されている番組と異なるチャンネルの番組が選択されると,その選択された番組のチャンネルに切り替えて出力手段に番組の映像を出力させることは,本件原出願の出願時,周知の技術であった(乙38ないし40)。 以上によれば,本件発明2-6は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-6に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (カ) 無効理由2-6(本件発明2-7の進歩性欠如)本件発明1-6は,当業者が乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであることは,前記ア(オ)のとおりである。 本件発明2-7は,「サーバから端末へ電子番 発明1-6は,当業者が乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであることは,前記ア(オ)のとおりである。 本件発明2-7は,「サーバから端末へ電子番組表を配信可能な映像コンテンツ等の配信システムにおいて,地域を特定可能な情報である地域特定情報を端末から受信し,かかる情報に基づいてサーバから電子番組表を配信する」点で,本件発明1-6と相違し,その余の構成は本件発明1-6と共通する。 しかるところ,映像コンテンツ等の配信システムにおいて配信され- 83 -る電子番組表を「地域特定情報」に基づいて配信ないし表示することは,本件原出願の出願時,周知の技術であったことは,前記(イ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-7は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-7に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (キ) 無効理由2-7(本件発明2-8の進歩性欠如)本件発明2-8は,本件発明2-7の請求項7を引用した発明であり,本件発明2-8のうち,本件発明2-7に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到することができたことは,前記(カ)のとおりである。 また,本件発明2-8の固有の構成は,本件発明1-7の固有の構成と実質同一であるところ,本件発明1-7は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたことは,前記ア(カ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-8は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易 周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたことは,前記ア(カ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-8は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-8に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (ク) 無効理由2-8(本件発明2-9の進歩性欠如)本件発明2-9は,本件発明2-8の請求項8を引用した発明であり,本件発明2-9のうち,本件発明2-8に相当する構成が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて容易に想到する- 84 -ことができたことは,前記(キ)のとおりである。 また,本件発明2-9の固有の構成は,本件発明2-6の固有の構成と実質同一であるところ,本件発明2-6は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたことは,前記(カ)のとおりである。 以上によれば,本件発明2-9は,当業者が,乙28及び乙29に記載された発明と上記各周知技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,進歩性が欠如し,本件発明2-9に係る本件特許2には,特許法29条2項に違反する無効理由(同法123条1項2号)がある。 (2) 原告の主張ア本件特許1について(ア) 無効理由1-1(補正要件違反)に対し以下に述べるとおり,補正事項1ないし7に係る本件補正1が新規事項の追加に当たり,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとの被告の主張は,理由がない。 a 補正事項1(無効理由1-1a)について「視聴率」の一般的な意味は,「テレビの番組が視聴されている程度。その地域の全受信機 項に規定する要件を満たしていないとの被告の主張は,理由がない。 a 補正事項1(無効理由1-1a)について「視聴率」の一般的な意味は,「テレビの番組が視聴されている程度。その地域の全受信機台数に対するその番組を受信した台数の比率を種々の方法によって推計する。ラジオの場合は聴取率という。」(甲16)であり,「テレビなどで,ある放送番組がどれくらいの人や世帯で視聴されているかを示す割合。」(甲17)である。一方,ユーザーは,視聴者数の絶対値(実数)であっても,過去の経験から,又は,同時に表示された他の番組の視聴者数の絶対値(実数)との比較から,その番組が視聴されている程度(多いか少ないか)を把握可能である。 - 85 -本件当初明細書1に,「視聴率」を算出し表示させるという技術事項が開示されていれば,視聴率の一般的な意味からして,当業者は「視聴者数の絶対値」を算出し表示させるとの技術事項も想起できると考えるのが自然である。 また,本件当初明細書1には,「視聴率」以外にも「番組を視聴した平均人数」を表示させる態様についての開示もある。そして,「平均」とは,「多くの量または数の中間的な値」の意味であり(乙47),対象としている量や数を文字どおり平たく均(なら)したものであるから,「番組を視聴した平均人数」とは,ある番組の各時点の視聴者数を平たく均したものであり,その値は「視聴者数」にほかならない。 このように本件当初明細書1には,視聴者数を表示する事項が開示されており,本件発明1-1,1-4及び1-6にいう「視聴指標」が「現在放送中の番組の視聴者の数の絶対値をも含む」と解釈されても,補正事項1に係る本件補正1は,新規事項を追加する補正に当たらない。 b 補正事項2(無効理由1-1b)について前記aと同様に,本 在放送中の番組の視聴者の数の絶対値をも含む」と解釈されても,補正事項1に係る本件補正1は,新規事項を追加する補正に当たらない。 b 補正事項2(無効理由1-1b)について前記aと同様に,本件当初明細書1に「録画率」を算出し表示させるという技術事項が開示されていれば,当業者は,ここから「録画予約数の絶対値」を算出し表示させるとの技術事項も想起できると考えるのが自然である。 また,本件当初明細書1では,番組毎の録画率の計算途中で番組毎の「録画予約数の絶対値」を算出することが開示されている(段落【0047】)。 したがって,本件発明1-1,1-4及び1-6に係る「録画予約指標」が「番組の録画予約の数の絶対値」を含むと解釈されても,- 86 -補正事項2に係る本件補正1は,新規事項を追加する補正に当たらない。 c 補正事項3(無効理由1-1c)について本件発明1-1は,サーバに関する発明であり,視聴指標を算出する視聴指標算出手段をサーバが備えると記載されている以上,サーバとして認定可能な装置において視聴指標が算出されることは明らかである。また,本件発明1-4及び1-6については,「前記サーバにおいて算出された」と記載されている以上,サーバとして認定可能な装置において視聴指標が算出されることは明らかである。 ここで「サーバ」とは,「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト,すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」(甲16)である。 したがって,本件発明1-1,1-4及び1-6では,上記定義に該当し得るコンピュータが視聴指標を算出するわけであり,コンピュータが利用者の手元にあるかどうかは問題ではなく,ネットワーク上で他のコンピュータにサービス(具体的には情報)を提供していればそれはサーバで 得るコンピュータが視聴指標を算出するわけであり,コンピュータが利用者の手元にあるかどうかは問題ではなく,ネットワーク上で他のコンピュータにサービス(具体的には情報)を提供していればそれはサーバである。 しかるところ,被告は,補正事項3が「「調査者側」の構成要素としてのサーバと別異の構成要素である「利用者装置」が視聴指標を算出することをも含む」と解釈されるとすれば,新規事項を追加するものである旨主張するが,その利用者側端末等(「利用者装置」)がネットワーク上で他のコンピュータにサービスを提供しているかどうかを評価した結果で判断されるべきであり,その観点が欠落している議論には意味がなく,被告の上記主張は誤りである。 d 補正事項4(無効理由1-1d)について- 87 -前記cと同様に,本件発明1-1,1-4及び1-6に係る録画予約指標の算出主体についての被告の主張は誤りである。 e 補正事項5(無効理由1-1e)について本件当初明細書1には,放送局ごとに「現在放送中」の番組が並べられた態様,すなわち,被告のいう「放送時間帯」に現在時刻が含まれる番組が放送局ごとにに並べられた態様は,本件当初明細書1(例えば,図5)に開示されている。そして,本件当初明細書1には,その次に放送される番組が放送局毎に並べられた態様(例えば,図5),さらに次に放送される番組についても表示できること(例えば,図5のプルダウンメニューM2)が開示されている。 したがって,補正事項5に係る本件補正1が新規事項を追加する補正に当たるとの被告の主張は理由がない。 f 補正事項6(無効理由1-1f)について本件発明1-4及び1-6において番組表データを送信する主体は,単に「サーバ」とのみ記載されており,視聴指標や録画指標を送信するサーバと同一の い。 f 補正事項6(無効理由1-1f)について本件発明1-4及び1-6において番組表データを送信する主体は,単に「サーバ」とのみ記載されており,視聴指標や録画指標を送信するサーバと同一のサーバであるかどうか等について限定されていない。 本件当初明細書1(乙18)には,「以上,本発明の実施形態について説明したが,本件発明は上記の具体的な実施形態に限定されず,このほかにも様々な形態で実施することができる。」(段落【0069】),「調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたものを例示したが,複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。」(段落【0070】)との記載がある。 上記記載中の「コンピュータシステム」とは,サーバ,ストレージ装置,管理コンピュータ,利用者コンピュータ,中継コンピュータ,これらを接続するネットワーク等を意味することは当業者の当然の- 88 -理解である。 そうすると,本件当初明細書1では調査者側装置10が,複数の,サーバ,ストレージ装置,管理コンピュータ,利用者コンピュータ,中継コンピュータ,これらを接続するネットワーク等から構成されていてもよいことが述べられていると評価できる。 したがって,補正事項6に係る本件補正1が新規事項を追加する補正に当たるとの被告の主張は理由がない。 g 補正事項7(無効理由1-1g)について被告の主張は,要するに,本件発明1-1,1-4及び1-6に関し,視聴指標及び録画予約指標が送信されるサーバ以外のサーバから番組表データが送信され,その番組表データが利用されて視聴指標及び録画予約指標が組み込まれた番組表を表示させることを含むとすれば,新規事項を追加する補正に当たるものというものである。 しかし,前記fと同様の理由により,被告の主 データが利用されて視聴指標及び録画予約指標が組み込まれた番組表を表示させることを含むとすれば,新規事項を追加する補正に当たるものというものである。 しかし,前記fと同様の理由により,被告の主張は理由がない。 (イ) 無効理由1-2(本件発明1-1の進歩性欠如)に対しa 乙29における相違点に係る本件発明1-1の構成の不開示(a) 乙29記載のデータ集計局が吸い上げる対象は「録画データ」(録画を終えた番組のデータである)である。このことは,乙29の段落【0043】の「データ集計局24は,一週毎,一月毎など,定期的にユーザの録画データを吸い上げ集計する。これにより,データ集計局24はユーザの番組録画データを知ることができる。」との記載から明らかである。そして,「録画データ」というのは,その直前の段落【0036】で定義されているとおり,「ビデオレコーダ11が実際に録画を行った番組のデータ」であり,録画を終えた番組のデータである。これをデータ集- 89 -計局24は,一週毎,一月毎など,定期的に収集して集計している。 したがって,乙29記載のデータ集計局は,過去の録画の情報を収集して集計しており,本件発明1-1のような,現在放送中の番組に対応づけて送信可能な録画予約指標を算出できる「録画予約状況情報」を収集して集計していない。 (b) 乙29では,ビデオ装置に関する発明(請求項1ないし22,図1ないし4に対応する実施形態)と,テレビ装置に関する発明(請求項23ないし36,図5及び6に対応する実施形態)とに明確に分かれており,視聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計するテレビ視聴データ集計システムは開示されていない。 集計する装置の実施例として記載されているデータ集計局についても,ビデオ装置に関する発明に対応するもの 聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計するテレビ視聴データ集計システムは開示されていない。 集計する装置の実施例として記載されているデータ集計局についても,ビデオ装置に関する発明に対応するものは,符号として24が付され(図1,4),テレビ装置に関する発明に対応するものは,符号として64と94が付されており(図5,6),完全に分離している。 したがって,乙29には,視聴指標及び録画予約指標の両方を算出集計するテレビ視聴データ集計システムは,開示されていない。 b 乙28と乙29の組合せの動機付けの不存在等乙28には,乙28に記載された発明に乙29に記載された発明を組み合わせることを示唆する記載はなく,これらを組み合わせる動機付けは存在しない。 他方で,乙28の段落【0006】,【0007】,【0056】には,乙28に記載された発明の目的が,①紙に印刷された番組表を用いることなく,②簡単に番組予約を実施でき,③予約された- 90 -日時が来ると自動的に予約された番組が放映され,④視聴者にとって,1回の番組確認作業のみですみ,⑤見たい番組の見逃しを防止でき,⑥使い勝手がよく,⑦視聴者に対するサービスを大幅に向上できるCATVシステムを提供することにあることが開示されている。 このように乙28に記載された発明の目的として見たい番組の見逃しを防止があり,そのためには予約された日時が来ると自動的に予約された番組が放映されることが必須であるところ,乙28記載の「視聴予約」を乙29記載の「録画予約」に変更すると,ユーザー所望の番組が放送時に視聴されるように選局が行われなくなり,予約された日時が来たときに自動的に番組が放映されなくなり,乙28に記載された発明の上記目的を達成し得なくなるとともに,効果も奏しなくなる。 組が放送時に視聴されるように選局が行われなくなり,予約された日時が来たときに自動的に番組が放映されなくなり,乙28に記載された発明の上記目的を達成し得なくなるとともに,効果も奏しなくなる。 したがって,乙28に記載された発明と乙29に記載された発明とを組み合わせることには阻害事由が存在する。 c まとめ以上のとおり,乙29には相違点に係る本件発明1-1の構成の具体的な開示はなく,また,乙28に記載された発明と乙29に記載された発明とを組み合わせることの動機付けは存在せず,かえってこれらを組み合わせることに阻害要因があるから,当業者が乙28及び乙29に記載された発明に基づいて本件発明1-1を容易に想到することができたものということはできない。 したがって,被告主張の無効理由1-2は,理由がない。 (ウ) 無効理由1-3ないし1-6(本件発明1-4ないし1-7の進歩性欠如)に対し前記(イ)と同様の理由により,当業者が乙28及び乙29に記載さ- 91 -れた発明と原告主張の各周知技術にに基づいて本件発明本件発明1-4ないし1-7を容易に想到することができたものということはできないから,被告主張の無効理由1-3ないし1-6は,いずれも理由がない。 イ本件特許2について(ア) 無効理由2-1(補正要件違反)に対し以下に述べるとおり,補正事項1ないし9に係る本件補正2が新規事項の追加に当たり,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとの被告の主張は,理由がない。 a 補正事項1(無効理由2-1a)について前記ア(ア)aと同旨。 b 補正事項2(無効理由2-1b)について前記ア(ア)bと同旨。 c 補正事項3(無効理由2-1c)について前記ア(ア)cと同旨。 d 補正事項4(無効 前記ア(ア)aと同旨。 b 補正事項2(無効理由2-1b)について前記ア(ア)bと同旨。 c 補正事項3(無効理由2-1c)について前記ア(ア)cと同旨。 d 補正事項4(無効理由2-1d)について前記ア(ア)dと同旨。 e 補正事項5(無効理由2-1e)について前記ア(ア)eと同旨。 f 補正事項6(無効理由2-1f)について前記ア(ア)fと同旨。 g 補正事項7(無効理由2-1g)について前記ア(ア)gと同旨。 h 補正事項8(無効理由2-1h)について本件当初明細書2の段落【0040】及び図2のフローチャートには,利用者側端末が,プルダウンメニューM1において選ばれた- 92 -地域に対応する地域特定情報(地域を特定可能な情報)を指定して調査者側装置に番組表を要求し,対応する番組表(例えば図5のような番組表)を受信することが記載されており,地域特定情報に基づき特定される地域と視聴指標及び録画予約指標とは対応付けられていることが開示されている。これが対応付けられていないとすれば,番組のタイトル等と視聴指標及び録画予約指標とが対応付かないことになり,意味をなさないものとなる。 したがって,地域特定情報に基づき特定される地域と視聴指標及び録画予約指標とが対応付けられていることは,本件当初明細書1に記載されているといえるから,補正事項8に係る本件補正2が新規事項を追加する補正に当たるとの被告の主張は理由がない。 i 補正事項9(無効理由2-1i)について本件当初明細書2には,調査者側装置は,複数のコンピュータシステム(例えば,サーバ)から構成されても良いことが説明されており,視聴指標及び録画予約指標を集計して提供するサーバと,これら指標以外の情報からなる番組表を提供するサー 装置は,複数のコンピュータシステム(例えば,サーバ)から構成されても良いことが説明されており,視聴指標及び録画予約指標を集計して提供するサーバと,これら指標以外の情報からなる番組表を提供するサーバとが別々になっていてもよいことが開示されている。 したがって,補正事項9に係る本件補正2が新規事項を追加する補正に当たるとの被告の主張は理由がない。 (イ) 無効理由2-2(本件発明2-1の進歩性欠如)に対しa 当業者が乙28及び乙29に記載された発明に基づいて本件発明1-1を容易に想到することができたものといえないことは,前記ア(イ)のとおりである。 b 被告が周知技術の根拠として挙げる乙35ないし37に記載された技術は,いずれも地域に応じた「番組表」を提供するものであり,地域に応じた「視聴指標」や「録画予約指標」を提供するものでは- 93 -ない。このことは,本件原出願の出願当時には,「視聴指標」及び「録画予約指標」の一方すら,地域に応じて提供する技術思想は存在していなかったことを意味している。 また,乙28記載の「局装置2」は,CATV局の局装置であり,CATV局は,基本的に単一の地域に根ざしたものであり,複数の地域の番組表を利用者に提供するような構成を有さないものである。一方,本件発明2-1は,現在放送中の番組の視聴指標と録画予約指標とを利用者により指定された地域に応じて利用者に提供可能である。 c 以上の事情を総合的に判断すれば,乙28記載の「局装置2」に乙29を適用して変更した上で,さらに乙35ないし37を参照して本件発明2-1のように変更することは,当業者にとって容易であったとは到底いい難い。 したがって,当業者が乙28及び乙29に記載された発明と被告主張の周知技術に基づいて本件発明2-1を容易に想到す 件発明2-1のように変更することは,当業者にとって容易であったとは到底いい難い。 したがって,当業者が乙28及び乙29に記載された発明と被告主張の周知技術に基づいて本件発明2-1を容易に想到することができたものということはできないから,被告主張の無効理由2-2は,理由がない。 (ウ) 無効理由2-3ないし2-8(本件発明2-4ないし2-9の進歩性欠如)に対し前記(イ)と同様の理由により,当業者が乙28及び乙29に記載された発明と原告主張の各周知技術に基づいて本件発明2-4ないし2-9を容易に想到することができたものということはできないから,被告主張の無効理由2-3ないし2-8は,いずれも理由がない。 4 争点4(原告の損害額)について(1) 原告の主張アイ号装置に係る特許法102条3項に基づく損害額- 94 -(ア) 被告がイ号装置を使用した行為は,原告の本件特許権1(本件発明1-1)及び本件特許権2(本件発明2-1)を侵害する不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原告が受けた損害を賠償する義務を負う。 (イ) 被告が平成22年10月22日から平成23年2月3日(本件訴えの提起日。以下同じ。)までの間にイ号装置を使用することにより得られた利益は40億円を下らない。 そして,特許法102条3項の規定により,原告が受けるべき「特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」(実施料相当額)の損害額は,上記利益額の10%である4億円を下らない。 イロ号製品に係る特許法102条3項に基づく損害額(ア) 被告がロ号製品を製造及び販売した行為は,原告の本件特許権1(本件発明1-1,1-4,1-5)及び本件特許権2(本件発明2-1,2-4ないし2-6)を侵害する不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原 がロ号製品を製造及び販売した行為は,原告の本件特許権1(本件発明1-1,1-4,1-5)及び本件特許権2(本件発明2-1,2-4ないし2-6)を侵害する不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原告が受けた損害を賠償する義務を負う。 (イ) 被告が平成22年10月22日から平成23年2月3日までの間に,ロ号製品を製造及び販売した数量は5万個を下らず,1個当たりの単価は4万2800円を下らない。 そして,特許法102条3項の規定により,原告が受けるべき実施料相当額の損害額は,上記期間のロ号製品の販売総額の10%である2億1400万円を下らない。 ウハ号製品に係る特許法102条3項に基づく損害額(ア) 被告がハ号製品を製造及び販売した行為は,原告の本件特許権1(本件発明1-4,1-5)及び本件特許権2(本件発明2-4ないし2-6)の間接侵害の不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原告が受けた損害を賠償する義務を負う。 - 95 -(イ) 被告が平成22年10月22日から平成23年2月3日(本件訴訟の提起日)までの間に,ハ号製品を製造及び販売した数量は25万台を下らず,1台当たりの単価は9980円を下らない。 そして,特許法102条3項の規定により,原告が受けるべき実施料相当額の損害額は,上記期間のハ号製品の販売総額の10%である2億4950万円を下らない。 エニ号プログラムに係る特許法102条3項に基づく損害額(ア) 被告がニ号プログラムを製造及び販売した行為は,原告の本件特許権1(本件発明1-6,1-7)及び本件特許権2(本件発明2-7ないし2-9)を侵害する不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原告が受けた損害を賠償する義務を負う。 (イ) 被告が平成22年10月22日から平成23年2月3日(本件訴訟の提 (本件発明2-7ないし2-9)を侵害する不法行為に当たるから,被告は原告に対し,原告が受けた損害を賠償する義務を負う。 (イ) 被告が平成22年10月22日から平成23年2月3日(本件訴訟の提起日)までの間に,ニ号プログラムを製造及び販売した数量は30万個を下らず,1個当たりの単価は8000円を下らない。 そして,特許法102条3項の規定により,原告が受けるべき実施料相当額の損害額は,上記期間のニ号プログラムの販売総額の10%である2億4000万円を下らない。 オまとめ以上によれば,原告は,被告に対し,特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求の一部請求として1億円及びこれに対する平成23年3月19日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。 (2) 被告の主張原告の主張は争う。 第4 当裁判所の判断 1 本件発明1-1の技術的範囲の属否(争点1-(1))について- 96 -(1) 構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fの充足性原告は,①イ号装置を構成する本件マッチングサーバにおいては,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)から受信された「視聴状況情報」(視聴情報)に基づいて「視聴指標」である「ミル情報」を算出し,イ号装置を構成する本件ストレージサーバにおいては,PS3(ロ号製品)から受信された「録画予約状況情報」(録画予約情報)に基づいて「録画予約指標」である「トル情報」を算出しているから,イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)にそれぞれ該当し,イ号装置は,構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足する,②また,仮に①が認められないとしても,本件発明1-1の「サーバ」は「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきであり,所定のPS3が「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)及び「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当するから,ロ号製品は,構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足する旨主張する。 これに対し被告は,「ミル情報」が「視聴指標」に,「トル情報」が「録画予約指標」に該当することを否認するとともに,構成要件1-1Fの「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素であると解するのが相当であり,イ号装置を構成する本件マッチングサーバ及び本件ストレージサーバにおいては,「ミル情報」及び「トル情報」を算出していないから,「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」及び「録画予約指標を算出する録画- 97 -予約指標算出手段」を備えておらず,イ号装置及び「利用者装置」であるロ号製品は,構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足しない旨主張する。 そこで,まず,本件発明1-1の「サーバ」の意義について検討し,その上で,イ号装置又はロ号製品が構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足するかどうかについて判断する。 ア特許請求の範囲の記 そこで,まず,本件発明1-1の「サーバ」の意義について検討し,その上で,イ号装置又はロ号製品が構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fを充足するかどうかについて判断する。 ア特許請求の範囲の記載本件発明1-1の特許請求の範囲(請求項1)は,前記争いのない事実等(3)ア(ア)及び(イ)aのとおりであり,本件発明1-1の「サーバ」について,「利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段」(構成要件1-1A)と,「前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段」(構成要件1-1B)と,「受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)と,「受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)と,「前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段」(構成要件1-1E)とを「備えることを特徴とするサーバ」(構成要件1-1F)と記載している。 上記記載は,本件発明1-1の「サーバ」が複数の「利用者装置」から各「利用者装置」において視聴されている放送中の番組の「視聴状況- 98 -情報」及び録画予約されている番組の「録画予約状況情報」を受信し,当該視聴状況情報に基づいて「視聴指標」を,当該録画予約状況情報に基づいて「録画予約指標」をそれぞれ算出し,これらを 況- 98 -情報」及び録画予約されている番組の「録画予約状況情報」を受信し,当該視聴状況情報に基づいて「視聴指標」を,当該録画予約状況情報に基づいて「録画予約指標」をそれぞれ算出し,これらを「利用者装置」に送信する各手段を備える装置であることを規定するものといえるから,「サーバ」と「利用者装置」とは,本件発明1-1の構成要素として別個のものであることは明らかである。 一方で,本件発明1-1の特許請求の範囲(請求項1)には,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねることができることを規定した記載はなく,また,これをうかがわせる記載もない。 イ本件明細書1の記載事項(ア) 本件明細書1(甲3)の発明の詳細な説明には,次のような記載がある(この記載中に引用する図1,2及び5については,別紙明細書図面参照)。 a 「【技術分野】 本発明は,テレビ放送などで視聴率を調査する際に利用されるサーバ,利用者装置,プログラム,及び,指標処理方法に関する。」(段落【0001】)b 「【背景技術】 現在,複数の番組を表形式に配列した番組表をインターネットなどの通信回線網を介して提供することが行われている。この番組表には,各番組の詳細な内容を確認したり,希望する番組を録画予約したりできるものがある。」(段落【0002】)c 「【発明が解決しようとする課題】 しかし,上記のような番組表の提供を受けた利用者が,番組表中からどのような番組を選んで視聴または録画を行ったのかを知ることはできなかったため,この種の番組表を利用した視聴や録画がどの程度行われているのかを知りたいという要望があった。」(段落【0003】),「本発明は,番組表を利用して視聴率を調査することができる技術を提供するこ- 99 -と,また,番組表を利用して録 がどの程度行われているのかを知りたいという要望があった。」(段落【0003】),「本発明は,番組表を利用して視聴率を調査することができる技術を提供するこ- 99 -と,また,番組表を利用して録画率を調査することができる技術を提供することを目的とする。」(段落【0004】)d 「【課題を解決するための手段】 上記問題を解決するための構成を以下に示す。番組の視聴操作及び録画予約が可能な利用者装置が用いられて視聴されている番組であって放送中の番組を特定可能な情報である視聴状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する視聴番組状況受信手段と,前記利用者装置において録画予約されている番組を特定可能な情報である録画予約状況情報を,複数の前記利用者装置から受信する録画予約番組状況受信手段と,前記視聴番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記視聴状況情報に基づいて,現在放送中の番組の視聴者数の多少を把握可能な視聴指標を算出する視聴指標算出手段と,前記録画予約番組状況受信手段により受信された各利用者装置の前記録画予約状況情報に基づいて,番組の録画予約数の多少を把握可能な録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段と,前記利用者装置によって表示される番組表上の番組に対応づけられて表示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予約指標とを送信する指標送信手段と,を備えることを特徴とするサーバ。」,「このようなサーバであれば,現在放送中の番組に対応する視聴指標と録画予約指標とを同時に確認することが可能になる。」,「また,次のような視聴率調査システムであってもよい。利用者側から調査者側に送信されるデータに基づいて視聴率を調査する視聴率調査システムであって,利用者側に,番組表を表示す ことが可能になる。」,「また,次のような視聴率調査システムであってもよい。利用者側から調査者側に送信されるデータに基づいて視聴率を調査する視聴率調査システムであって,利用者側に,番組表を表示する番組表表示手段と,前記番組表の中から利用者が視聴する番組を指定可能な視聴番組指定手段と,該視聴番組指定手段により指定された番組を表示する視聴番組表示手段と,前記視聴番組- 100 -指定手段により指定された番組の放送チャンネルを特定可能なチャンネルデータを前記調査者側に送信するデータ送信手段とを備え,前記調査者側に,利用者側のデータ送信手段により送信されたチャンネルデータを受信するデータ受信手段と,利用者側から送信されるチャンネルデータに基づいて,該チャンネルデータで特定される放送チャンネルの番組を視聴している利用者の数を,放送チャンネル毎にカウントするカウント手段と,調査対象となる利用者数と前記カウント手段によってカウントされた利用者の数とに基づいて視聴率を算出する視聴率算出手段とを備えていることを特徴とする。」(以上,段落【0005】)e 「この視聴率調査システムにおいて利用者側の備える各手段は,例えば,コンピュータシステム,携帯情報端末,携帯電話機などの端末装置に備えられるものである。また,番組表表示手段や視聴番組表示手段は,例えば,パソコンのディスプレイ,携帯情報端末の表示画面,テレビ画面などの表示装置に番組表,番組の映像を表示するための手段である。これらの各手段が表示する番組表または映像は,同一の表示装置に表示すればよく,例えば,表示画面を分割して表示するように構成してもよいし,いずれか一方を表示画面の全部に表示して両者の表示を任意に切り替えられるように構成してもよい。また,両者を別の表示装置に表示するように構成しても ,表示画面を分割して表示するように構成してもよいし,いずれか一方を表示画面の全部に表示して両者の表示を任意に切り替えられるように構成してもよい。また,両者を別の表示装置に表示するように構成してもよい。」(段落【0006】)f 「また,調査者側の備える各手段は,例えば,周知のコンピュータシステムに備えられるものである。この視聴率調査システムでは,まず,番組表表示手段が番組表を表示する。番組表は,例えば,電子番組ガイドで利用されているものであって,縦方向に時刻,横方向に放送チャンネルをとって番組を配列した表形式のものである。 - 101 -この番組表は,通信回線網を介して受信したデータや,CD-ROMなどの記録媒体から読み出したデータであって,このようなデータに基づいて番組表表示手段が番組表を表示する。」(段落【0008】)g 「次に,利用者が番組表中の番組を視聴番組指定手段によって指定すると,視聴番組表示手段が指定された番組の映像を表示すると共に,データ送信手段がチャンネルデータを調査者側に送信する。 チャンネルデータは,放送チャンネルを特定することができるデータであればよく,例えば,放送チャンネル名そのものを示すデータや,放送チャンネルと一対一に対応するコードなどを利用することができる。」(段落【0009】)h 「次に,カウント手段が,番組を視聴している利用者の数を放送チャンネル毎にカウントする。ここでは,チャンネルデータをデータ送信手段により送信してきた利用者を,チャンネルデータで特定される番組を視聴している利用者(以降,視聴者とする)としてカウントする。このカウント手段は,チャンネルデータを受信する毎に,該チャンネルデータで特定される放送チャンネルの視聴者数に「1」を加算する処理を実行すればよいが,このチャンネル 聴者とする)としてカウントする。このカウント手段は,チャンネルデータを受信する毎に,該チャンネルデータで特定される放送チャンネルの視聴者数に「1」を加算する処理を実行すればよいが,このチャンネルデータを送信してきた利用者が直前に他の放送チャンネルの番組を視聴していた場合には,該当する放送チャンネルの視聴者数から「1」を減算する処理をも行う必要がある。このように減算するためには,例えば,次のような処理を行えばよい。まず,チャンネルデータを,視聴番組指定手段で指定された番組の放送チャンネルである第1放送チャンネルと,直前まで視聴番組表示手段が表示していた放送チャンネルである第2放送チャンネルとを特定できるようなデータとする。そして,カウント手段が,チャンネルデータを構成する第1- 102 -放送チャンネルの視聴者数に「1」を加算すると共に,第2放送チャンネルの視聴者数から「1」を減算する。」(段落【0010】)i 「そして,視聴率算出手段が,調査対象となる利用者数と,カウント手段によってカウントされた放送チャンネル毎の視聴者数とに基づいて視聴率を算出する。調査対象となる利用者数とは,例えば,番組表を利用している全利用者の数,該全利用者の中で実際に番組を視聴している利用者の総数などである。視聴率算出手段は,例えば,調査対象となる利用者数のうち特定の放送チャンネルの視聴者がどれだけいるかの割合(視聴者/調査対象)を視聴率として所定時間毎に算出するように構成すればよい。」(段落【0011】)j 「このように構成された視聴率調査システムによれば,番組表中の番組が指定されることによって,指定された番組を視聴番組表示手段が表示すると共に,データ送信手段がチャンネルデータを調査者側に送信する。そのため,調査者側では,番組表上で指定された れば,番組表中の番組が指定されることによって,指定された番組を視聴番組表示手段が表示すると共に,データ送信手段がチャンネルデータを調査者側に送信する。そのため,調査者側では,番組表上で指定された番組の視聴率を,チャンネルデータに基づいて調査することができる。特に,このチャンネルデータは,番組表を利用して番組を視聴している全ての利用者から送信されてくるものであるため,正確な視聴率を算出することができる。」(段落【0012】)k 「また,別の視聴率調査システムは,前記視聴率算出手段が,放送チャンネルの番組毎に視聴率を算出するように構成されていて,前記調査者側に,番組の視聴率が該番組に対応する領域に記載された番組表を作成する番組表作成手段と,番組表を利用者側に送信する番組表送信手段とを備え,利用者側に,前記調査側の前記番組表送信手段により送信された番組表を受信する番組表受信手段を備えていることを特徴とする。」(段落【0013】),「この視聴率調査システムにおいて,視聴率算出手段が算出する番組毎の視聴率- 103 -とは,例えば,一定時間毎に複数回算出された視聴率を番組の放送時間内における算出回数で平均した平均視聴率,放送時間内に複数回算出された視聴率のうち最も高い値となった最高視聴率または最も低い値となった最低視聴率などである。」(段落【0014】),「このように構成された視聴率調査システムによれば,放送が終了した番組の視聴率や放送中の番組の視聴率を番組表上で確認することができる。そのため,番組の視聴率を利用者が番組表上で簡単にチェックできる。」(段落【0015】),「また,別の録画率調査システムは,前記調査者側に,番組の録画率が該番組に対応する領域に記載された番組表を作成する番組表作成手段と,番組表を利用者側に送信する番組 クできる。」(段落【0015】),「また,別の録画率調査システムは,前記調査者側に,番組の録画率が該番組に対応する領域に記載された番組表を作成する番組表作成手段と,番組表を利用者側に送信する番組表送信手段とを備え,利用者側に,前記調査側の前記番組表送信手段により送信された番組表を受信する番組表受信手段を備えていることを特徴とする。」(段落【0024】),「このように構成された録画率調査システムによれば,番組の録画率を番組表上で確認することができる。そのため,番組の録画率を利用者が番組表上で簡単にチェックできる。」(段落【0025】)l 「【発明を実施するための形態】 次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。[第1実施形態] 視聴率調査システム1は,図1に示すように,インターネット100を介してデータ通信可能に構成された調査者側装置10と,利用者側端末20などによって構成される。」(段落【0027】),「調査者側装置10は,CPU11,ハードディスク(以降,HDとする)12,通信装置13,ディスプレイ14,キーボード15などを備えた周知のコンピュータシステムによって構成されるものであり,通信装置13を介してインターネット100に接続されている。」(段落【0028】),「利用者側端末20は,CPU21,ハードディスク- 104 -22,通信装置23,ディスプレイ24,キーボード25,マウス26,テレビチューナー27などを備えた周知のコンピュータシステムで構成されるものであり,通信装置23を介してインターネット100に接続されている。また,この利用者側端末20には,後述する番組ガイド処理を利用者側端末20に実行させる番組ガイドプログラムが内蔵されている。」(段落【0029】),「s14の処理において,番組表中の番組を ている。また,この利用者側端末20には,後述する番組ガイド処理を利用者側端末20に実行させる番組ガイドプログラムが内蔵されている。」(段落【0029】),「s14の処理において,番組表中の番組を選択する操作が行われた場合(s15:NO,s16:YES),利用者側端末20は,選択された番組が放送中の番組であるかどうかをチェックする(s17)。この処理では,s14の処理で番組表中の番組を選択することによって抽出された放送開始時刻および放送終了時刻を,現在時刻と比較することによって,選択された番組が放送中の番組であるかどうかがチェックされる。このs17の処理において,選択された番組が放送中の番組である場合(s17:YES),利用者側端末20は,ディスプレイ24の第2領域A2に,選択された番組の映像を表示する(s18)。この処理において,既にディスプレイ24の第2領域A2に番組の映像が表示されている場合には,選択された番組のものに放送チャンネルが切り替えられることになる。」(段落【0037】),「次に,利用者側端末20は,変数sbcのデータを変数ebcにセットした後,変数sbcにs14の処理で選択された番組の放送チャンネルを示すデータをセットする(s19)。 これによって,直前までディスプレイ24の第2領域A2に映像が表示されていた番組,つまり,視聴を終了した番組の放送チャンネルが変数ebcにセットされて,新たに視聴する番組の放送チャンネルが変数sbcにセットされたことになる。」(段落【0038】),「次に,利用者側端末20は,チャンネルデータを調査者側- 105 -装置10に送信する(s20)。この処理で送信されるチャンネルデータは,変数sbcおよび変数ebcで構成されたデータである。」(段落【0039】)m 「調査者側装置1 を調査者側- 105 -装置10に送信する(s20)。この処理で送信されるチャンネルデータは,変数sbcおよび変数ebcで構成されたデータである。」(段落【0039】)m 「調査者側装置10は,チャンネルデータを受信することによって,放送チャンネル毎に用意された視聴者数を示す変数bn(1~n)のうち,チャンネルデータを構成する変数sbcで特定される放送チャンネル,つまり,利用者が新たに視聴する番組の放送チャンネルに対応する変数bxに「1」を加算して,同時に変数ebcで特定される放送チャンネル,つまり,利用者が視聴を終了した番組の放送チャンネルに対応する変数byから「1」を減算する。ここで,変数sbcに「0」がセットされている場合は,以降の処理で本システムによる番組の視聴を終了する状態となるため,変数bxへの加算は行われない。また,変数ebcに「0」がセットされている場合は,直線に他の番組を視聴していなかった状態であるため,変数byからの減算は行われない。なお,ここで利用者側端末20から送信されてきたチャンネルデータを受信する調査者側装置10は,上述したデータ受信手段として機能するものである。また,変数bxに「1」を加算して,変数byから「1」を減算する調査者側装置10は,上述したカウント手段として機能するものである。」(段落【0040】),「そして,調査者側装置10は,タイムスケジュールに沿って一日の最初に放送される番組の放送が開始されてから,以降,各放送チャンネルについて1分毎に視聴率を算出して,随時ハードディスク12に記憶する。ここでは,まず,1分毎に変数b1~bnの視聴者数の合計(合計視聴者数)を算出して,この合計視聴者数と放送チャンネルの視聴者数との比(視聴者数/合計視聴者数)を視聴率として算出する。なお,本視 る。ここでは,まず,1分毎に変数b1~bnの視聴者数の合計(合計視聴者数)を算出して,この合計視聴者数と放送チャンネルの視聴者数との比(視聴者数/合計視聴者数)を視聴率として算出する。なお,本視聴率調- 106 -査システム1を会員制または登録制で利用できるシステムとして,放送チャンネルの視聴者数と,会員または登録済の全ての利用者(総利用者)との比(視聴者数/総利用者)を視聴率として算出してもよい。また,上述のように視聴率を算出する調査者側装置10は,上述した視聴率算出手段として機能するものである。」(段落【0041】)n 「このように構成された視聴率調査システム1によれば,番組表中の番組が指定されることによって,指定された番組がディスプレイ24に表示されると共に,チャンネルデータが調査者側装置10に送信される。そのため,調査者側装置10では,番組表上で指定された番組の視聴率を,チャンネルデータに基づいて調査することができる。特に,このチャンネルデータは,番組表を利用して番組を視聴している全ての利用者から送信されてくるものであるため,正確な視聴率を算出することができる。」(段落【0060】),「また,メニュー画像中の録画予約ボタンB2が選択されることによって,録画番組データが調査者側装置10に送信される。そのため,調査者側装置10では,録画予約ボタンB2が選択された番組の録画率を,録画番組データに基づいて調査することができる。特に,この録画番組データは,番組表を利用して番組を録画する全ての利用者から送信されてくるものであるため,正確な録画率を算出することができる。」(段落【0061】)o 「[第2実施形態] 視聴率調査システム2は,調査者側装置10が利用者側端末20から番組表の要求を受けた際に,後述する番組表作成処 正確な録画率を算出することができる。」(段落【0061】)o 「[第2実施形態] 視聴率調査システム2は,調査者側装置10が利用者側端末20から番組表の要求を受けた際に,後述する番組表作成処理を実行するように構成されている点のみが第1実施形態と異なるものであって,以下の説明では,第1実施形態との相違点のみを詳述する。」(段落【0062】),「調査者側装置10- 107 -が実行する番組表作成処理を図4に基づいて説明する。この番組表作成処理は,番組表の送信を要求する内容の要求データを利用者側端末20から受信することによって開始される。」(段落【0063】),「まず,調査者側装置10は,要求データに基づいて要求された地域,時間の番組表をハードディスク12から読み出す(s51)。この処理で読み出される番組表は,要求データに基づいて要求された時間以降3時間分の番組表である。」(段落【0064】),「次に,調査者側装置10は,番組の視聴率が該番組に対応する領域に記載された番組表を作成する(s52)。この処理において各番組の表示領域に記載される視聴率は,ハードディスク12に記憶された視聴率から算出されたものであって,一定時間毎に複数回算出された視聴率を番組の放送時間内における算出回数で平均した平均視聴率である。なお,番組表中の番組が一定期間に複数回連続して放送される番組である場合には,番組に対応する領域に前回の放送での視聴率および録画率が記載されるように構成してもよい。また,番組の表示領域に記載される視聴率として,例えば,対応する番組の放送時間となる視聴率のうち最大値となる最高視聴率であってもよい。」(段落【0065】),「そして,調査者側装置10は,s52の処理で作成された番組表を利用者側端末20に送信する(s53)。この番組表 時間となる視聴率のうち最大値となる最高視聴率であってもよい。」(段落【0065】),「そして,調査者側装置10は,s52の処理で作成された番組表を利用者側端末20に送信する(s53)。この番組表を受信した利用者側端末20は,図5に示すように,各番組の表示領域に視聴率および録画率が記載された番組表が表示される。」(段落【0066】),「なお,以上説明した視聴率調査システム2において,番組の視聴率が該番組に対応する領域に記載された番組表を作成する調査者側装置10は,上述した番組表作成手段として機能するものである。」(段落【0067】)- 108 -p 「このように構成された視聴率調査システム2によれば,放送が終了した番組の視聴率や放送中の番組の視聴率を利用者が番組表上で簡単にチェックすることができる。また,番組の録画率を利用者が番組表上で簡単にチェックすることができる。」(段落【0068】)q 「[変形例] 以上,本発明の実施形態について説明したが,本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず,このほかにも様々な形態で実施することができる。」(段落【0069】),「例えば,本実施形態においては,調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたものを例示したが,複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。また,本実施形態においては,利用者側端末20が周知のコンピュータシステムによって構成されているものを例示したが,利用者側端末20として,携帯情報端末や携帯電話機などを利用することもできる。」(段落【0070】),「また,本実施形態においては,図4のs52において調査者側装置10が,番組表に視聴率および録画率を記載するものを例示したが,番組表には,視聴率と録画率のうちいずれかのみが記載されるように構成されて た,本実施形態においては,図4のs52において調査者側装置10が,番組表に視聴率および録画率を記載するものを例示したが,番組表には,視聴率と録画率のうちいずれかのみが記載されるように構成されていてもよい。また,視聴率または録画率以外に,最高(または最低)視聴率となった時刻,番組を視聴した平均人数などが記載されるように構成してもよい。」(段落【0079】)(イ) 本件発明1-1の特許請求の範囲(請求項1)の文言と本件明細書1の「発明な詳細の説明」の前記(ア)の記載事項(図面を含む。)を総合すれば,本件明細書1には,①従来,インターネットなどの通信回線網を介して提供される複数の番組を表形式に配列した番組表には,各番組の詳細な内容を確認したり,希望する番組を録画予約したりできるものがあるが,このような番組表の提供を受けた利用者が,- 109 -番組表中からどのような番組を選んで視聴又は録画を行ったのかを知ることができなかったため,この種の番組表を利用した視聴や録画がどの程度行われているのかを知りたいという要望があったこと(前記(ア)b,c),②本件発明1-1は,この要望に応えることを課題とし,番組表を利用して視聴率及び録画率を調査することができる技術を提供することを目的とするものであり,この課題を解決するための手段として,「利用者側」から「調査者側」に送信されるデータに基づいて,「調査者側」で現在放送中の番組に対応する視聴指標及び録画予約指標を算出し,上記視聴指標及び録画予約指標を「利用者側」に送信し,「利用者側」に表示される番組表上の番組に対応づけられて上記視聴指標及び録画予約指標が表示されるようにするために,「調査者側」の「サーバ」において,上記データ(視聴状況情報及び録画予約状況情報)の受信手段,上記視聴指標及び録画予約 番組に対応づけられて上記視聴指標及び録画予約指標が表示されるようにするために,「調査者側」の「サーバ」において,上記データ(視聴状況情報及び録画予約状況情報)の受信手段,上記視聴指標及び録画予約指標の算出手段及び送信手段の各手段を備える構成を採用し(前記(ア)c,d),これにより「調査者側」においては番組の正確な視聴率及び録画率を調査することができ,「利用者側」においては利用者が番組表上で番組の視聴率及び録画率を簡単にチェックすることができるという作用効果を奏するようにしたこと(前記(ア)j,k,n,p)が開示されているものと認められる。 上記認定の本件発明1-1の目的及び作用効果に照らすならば,「調査者側」が行う視聴指標及び録画予約指標の調査についてはその中立性ないし客観性を確保することは当然の要請であって,かかる観点からみると,「調査者側」が自ら行う調査の調査対象となることは不合理であるから,本件発明1-1においては,「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねること,あるいは「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」を兼ねること- 110 -は,想定されていないものと認められる。 また,本件明細書1記載の実施例は,前記(ア)lないしpのとおり,「調査者側装置10」と「利用者側端末」とは,別個独立の装置構成として記載されている。もっとも,本件明細書1には,「調査者側装置10」が「複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。」(段落【0070】。前記(ア)q)との記載があるが,上記記載を段落【0070】の他の記載箇所と併せて読むと,上記記載は,「本実施形態」では「調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたもの」を例示したことを指摘した上で,「調査者側装置10」が, 【0070】の他の記載箇所と併せて読むと,上記記載は,「本実施形態」では「調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたもの」を例示したことを指摘した上で,「調査者側装置10」が,「1のコンピュータシステム」ではなく,「複数のコンピュータシステム」によって構成し得ることを説明したものであり,それ以上に,「調査者側装置」が「利用者側端末」をも含めて構成し得ることまで述べたものと解することはできない。 さらに,本件明細書1を全体としてみても,「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねることができることの記載や示唆はない。 ウ本件発明1-1の「サーバ」の意義(ア) 本件発明1-1の特許請求の範囲(請求項1)の記載(前記ア)を基礎に,本件明細書1の記載事項(前記イ)を考慮すると,本件発明1-1の「サーバ」(構成要件1-1F)は,「利用者装置」(構成要件1-1A)とは別個独立の装置であって,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねるものとして「サーバ」に含まれることはないものと解するのが相当である。 (イ) これに対し原告は,①「サーバ」とは,一般的に「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト,すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」を意味するものであり,本件発明1-- 111 -1の特許請求の範囲(請求項1)は,本件発明1-1の「サーバ」の装置構成について限定を付していないこと(以下「根拠①」という。),②本件明細書1の【0028】,【0029】,【0070】及び図1によれば,「調査者側装置10」及び「利用者側端末20」は,いずれも「インターネットに接続される周知のコンピュータシステム」であって,特に構成を異にするものではなく,「調査者側装置 070】及び図1によれば,「調査者側装置10」及び「利用者側端末20」は,いずれも「インターネットに接続される周知のコンピュータシステム」であって,特に構成を異にするものではなく,「調査者側装置10」を複数のコンピュータシステムで構成する場合,その一つのコンピュータシステムが,「利用者側端末20」と同様の周知のコンピュータシステムで構成されてもよいことが読み取れるから,本件発明1-1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素としての「調査者側」の構成要素である必要はないこと(以下「根拠②」という。),③本件原出願の出願時において,同一の機能又は異なる機能を有する複数のコンピュータが協働してサービスを提供することは周知であり,「サーバ」の文言は,利用者側の端末を含み,複数のコンピュータからなる場合を含むものとして理解され,使われていたこと(甲34ないし43)(以下「根拠③」という。)を総合すれば,本件発明1-1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきである旨主張する。 しかしながら,原告の上記主張は,以下のとおり理由がない。 a 根拠①及び②について前記アで述べたとおり,本件発明1-1の特許請求の範囲(請求項1)の文言上,「サーバ」と「利用者装置」とは,本件発明1-1の構成要素として別個のものであることは明らかであり,一方で,請求項1には,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねることができることを規定した記載やこれをうかがわせる記- 112 -載はない。 次に,前記イ(イ)で述べたとおり,本件発明1-1の目的及び作用効果に照らすならば,視聴指標及び録画予約指標の調査の中立性な ことを規定した記載やこれをうかがわせる記- 112 -載はない。 次に,前記イ(イ)で述べたとおり,本件発明1-1の目的及び作用効果に照らすならば,視聴指標及び録画予約指標の調査の中立性ないし客観性の確保の観点からみて,「調査者側」が自ら行う調査の調査対象となることは不合理であり,本件発明1-1においては,「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねること,あるいは「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」を兼ねることは,想定されていないものと認められる。 また,原告が指摘する本件明細書1の段落【0070】における「調査者側装置10」が「複数のコンピュータシステムで構成されていてもよい。」との記載は,「調査者側装置」が「利用者側端末」をも含めて構成し得ることを記載したものではなく,本件明細書1を全体としてみても,「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねることができることの記載や示唆はない。 以上によれば,原告が主張する根拠①及び②の点は,本件発明1-1の「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきことの根拠となるものではない。 b 根拠③について原告は,根拠③に係る具体的な裏付けとして,①特開平10-207945号公報(甲34)の【図2】,特開平10-247177号公報(甲35)の【図1】には,「サーバ」の文言は,ネットワーク上の複数のコンピュータから構成されるものも含むことが開示されていること,②「情報システムテクニカルガイド分散システムのための」(1995年6月30日発行)(甲36)の「(それに対して,ピア・ツー・ピア・モデルではどのプロセスでも相互- 113 -作用を開始することができる)サーバは,他のサーバに要求を発 ステムのための」(1995年6月30日発行)(甲36)の「(それに対して,ピア・ツー・ピア・モデルではどのプロセスでも相互- 113 -作用を開始することができる)サーバは,他のサーバに要求を発行することでクライアントになることもありえる。…クライアントとサーバは,…同一のマシンで走ることもあれば,別々のマシンで走ることもある。」(282頁)との記載,特開平10-161777号公報(甲37)の段落【0001】,特開平10-154030号公報(甲38)の段落【0010】,【0014】,特開平9-138810号公報(甲39)の段落【0231】,特開平9-51398号公報(甲40)の段落【0028】,特開平9-73410号公報(甲41)の段落【0003】には,「サーバ」の文言は,利用者側端末と機能を兼ねるコンピュータにも使われることが開示されていること,③特開平9-91220号公報(甲42)の段落【0004】ないし【0006】,特開平10-149270号公報(甲43)の段落【0012】,【0017】には,サーバ機能とクライアント機能を兼ねる利用者側コンピュータを「サーバ」と呼ぶことが開示されていることを指摘する。 しかしながら,原告主張の上記①ないし③に係る開示事項(甲34ないし43)は,「サーバ」の文言が,サーバ機能とクライアント機能を兼ねるコンピュータ(端末)に使用されていることを示すものにすぎず,サービスを提供する側が管理するサーバコンピュータの機能の一部をサービスの提供を受けるユーザー側が管理する端末に持たせることで,ユーザー側に対するサービスの提供を可能とする構成を開示したものではない。 したがって,原告主張の上記①ないし③に係る開示事項(甲34ないし43)は,根拠③の裏付けとなるものではなく,結局,根拠③は,本 に対するサービスの提供を可能とする構成を開示したものではない。 したがって,原告主張の上記①ないし③に係る開示事項(甲34ないし43)は,根拠③の裏付けとなるものではなく,結局,根拠③は,本件発明1-1の「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきことの根拠となるものではない。 - 114 -c 小括以上によれば,本件発明1-1の「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきであるとの原告の主張は理由がない。 エイ号装置及びロ号製品の構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fの充足の有無(ア) ニ号プログラムがインストールされたPS3を,地上波デジタル放送アンテナに接続したトルネ本体と,被告の管理するネットワークであるPSNに接続することにより,地上波デジタル放送番組の視聴や録画のほかに,トルネで番組の録画予約をした者の人数(トル情報),トルネで現在放送中の番組を視聴している者の人数(ミル情報)をテレビ画面上で表示する機能などの各種機能が実現できること(別紙概念図参照),「ミル情報」の算出・送受信等の処理の概要は別紙1に,「トル情報」の算出・送受信等の処理の概要は別紙2にそれぞれ記載のとおりであることは,前記争いのない事実等(4)イ(イ)のとおりである。 (イ) 原告は,イ号装置を構成する本件マッチングサーバは,「視聴指標」としての「ミル情報」を「算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当する旨主張する。 a そこで検討するに,前記(ア)の認定事実によれば,①別紙1記載のとおり,クエリーオーナー及びルームオーナーとなった所定の「PS3」が,自身がアクセスしている「Room」が属する「Lobby」中の全ての「Room」のそれぞれに の認定事実によれば,①別紙1記載のとおり,クエリーオーナー及びルームオーナーとなった所定の「PS3」が,自身がアクセスしている「Room」が属する「Lobby」中の全ての「Room」のそれぞれについて現在アクセス中のユーザー数を「Lobby情報」として本件マッチングサーバより受信し,受信した各Roomのユーザー数を合計することにより,- 115 -あるチャンネルのミル情報(「現在放送中の番組の視聴者数」としての「ユーザー数の合計値」)を算出していること,②このミル情報の算出処理は,Roomの数が1の場合も,2以上の場合も,PS3にインスルトールされたニ号プログラムに実装された同一のアルゴリズム(乙55の2頁及び3頁参照)により実現されていることが認められる。 上記認定事実によれば,「ミル情報」の算出は,本件マッチングサーバにおいては行われておらず,クエリーオーナー及びルームオーナーとなった所定のPS3においてニ号プログラムの実行により行われていることが認められる。 b(a) これに対し原告は,Roomの数が1の場合は,本件マッチングサーバが算出した視聴者数がそのまま(数値操作されることなく),本件マッチングサーバによって各PS3(ロ号製品)にミル情報として提供されているから,ミル情報を算出する主体は,本件マッチングサーバであり,また,Roomの数が2以上の場合であっても,各Roomのユーザー数の算出自体は本件マッチングサーバが行い,少なくともミル情報を算出するための基礎となる第1段階の計算を本件マッチングサーバが行っていることからすると,本件マッチングサーバで算出された各Room内のユーザー数を合算する処理(算出動作)がPS3(ロ号製品)側でされていたとしても,ミル情報(視聴者数)を算出する主体は,本件マッチングサー らすると,本件マッチングサーバで算出された各Room内のユーザー数を合算する処理(算出動作)がPS3(ロ号製品)側でされていたとしても,ミル情報(視聴者数)を算出する主体は,本件マッチングサーバである旨主張する。 しかしながら,前記a認定のとおり,ミル情報(ユーザー数の合計値)の算出処理は,Roomの数が1の場合も,2以上の場合も,PS3にインスルトールされたニ号プログラムに実装された同一のアルゴリズム(乙55の2頁及び3頁参照)により実現- 116 -されており,本件マッチングサーバによる演算処理(算出処理)は行われていないのであるから,ミル情報を算出する主体は,本件マッチングサーバであるということはできず,原告の上記主張は,採用することができない。 (b) また,原告は,①トルネが接続された複数のPS3(ロ号製品)のうち,いずれのPS3がクエリーオーナーになるかは,本件マッチングサーバが管理して決定しており,PS3側に選択権はないこと,②クエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作は,PS3のユーザー(利用者)の関与しない動作であり,本件マッチングサーバから受け取るデータに基づいて行われる動作であること,③クエリーオーナーであるPS3が一部関与して算出したミル情報は,クエリーオーナーであるPS3から本件マッチングサーバに渡され,本件マッチングサーバからミル情報として各PS3に配信されることからすると,クエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作は,本件マッチングサーバが支配管理しているといえるから,本件マッチングサーバの動作と同一視することができる旨主張する。 しかしながら,原告が挙げる上記①ないし③の諸点から,本件マッチングサーバがクエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作を支配管 チングサーバの動作と同一視することができる旨主張する。 しかしながら,原告が挙げる上記①ないし③の諸点から,本件マッチングサーバがクエリーオーナーであるPS3が行うミル情報の算出動作を支配管理していると評価することはできず,また,上記算出動作を本件マッチングサーバの動作と同一視することもできないから,原告の上記主張は採用することができない。 c したがって,本件マッチングサーバが「ミル情報」を「算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当するとの原告の主張は,理由がない。 (ウ) 原告は,イ号装置を構成する本件ストレージサーバは,「録画予- 117 -約指標」としての「トル情報」を「算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当する旨主張する。 a そこで検討するに,前記(ア)の認定事実によれば,別紙2記載のとおり,録画予約処理の際,「トル情報テーブル」中の録画予約対象番組の録画予約数をインクリメントするのは,録画予約処理を行うPS3自身であって,本件ストレージサーバではなく,このようにインクリメントされる「トル情報テーブル」中の録画予約対象番組の録画予約数それ自体が「トル情報」であり,「トル情報」の算出は,本件ストレージサーバにおいては行われておらず,所定のPS3においてニ号プログラムの実行により行われていることが認められる。 b これに対し原告は,本件ストレージサーバに記憶されているデータは,データベース管理システムと呼ばれるプログラムによって強固に管理され,当該プログラムに基づいて動作するCPUが,データを書き換えてもよいかどうかをアクセス権限やロックの有無などを判断してデータを書き換えているなどとして,システムを全体 グラムによって強固に管理され,当該プログラムに基づいて動作するCPUが,データを書き換えてもよいかどうかをアクセス権限やロックの有無などを判断してデータを書き換えているなどとして,システムを全体的にみれば,トル情報(録画予約数)の算出主体は,本件ストレージサーバと評価するのが自然である旨主張する。 しかし,前記aのとおり,「トル情報テーブル」中の録画予約対象番組の録画予約数をインクリメントするのは,録画予約処理を行うPS3自身であって,本件ストレージサーバではないのであるから,「トル情報」の算出が所定のPS3によって行われていることは明らかであり,原告が挙げる諸点は,算出とは直接関係しないデータの保管・管理を問題とするものにすぎない。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 - 118 -c 以上によれば,本件ストレージサーバが「トル情報」を「算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当するとの原告の主張は,理由がない。 (エ) さらに,原告は,仮に前記(ア)及び(イ)の主張が認められないとしても,本件発明1-1の「サーバ」は「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきであり,所定のPS3(ロ号製品)が「視聴指標を算出する視聴指標算出手段」(構成要件1-1C)及び「録画予約指標を算出する録画予約指標算出手段」(構成要件1-1D)を備えた「サーバ」(構成要件1-1F)に該当する旨主張する。 しかしながら,前記ウ(ア)認定のとおり,本件発明1-1の「サーバ」(構成要件1-1F)は,「利用者装置」(構成要件1-1A)とは別個独立の装置であって,「利用者装置 F)に該当する旨主張する。 しかしながら,前記ウ(ア)認定のとおり,本件発明1-1の「サーバ」(構成要件1-1F)は,「利用者装置」(構成要件1-1A)とは別個独立の装置であって,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねるものとして「サーバ」に含まれることはないものと解するのが相当であるから,「利用者装置」であるPS3(ロ号製品)が本件発明1-1の「サーバ」に含まれることを前提とする原告の上記主張は,理由がない。 (オ) 以上のとおり,イ号装置及びロ号製品は,構成要件1-1C,1-1D及び1-1Fをいずれも充足しない。 (2) まとめ以上によれば,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品が本件発明1-1の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 2 本件発明1-4ないし1-7の技術的範囲の属否(争点1-(2)ないし(5))について- 119 -前記1(1)エと同様の理由により,イ号装置及びロ号製品は本件発明1-4の構成要件1-4Dの「サーバ」に該当せず,ロ号製品は構成要件1-4Dを充足しないから,ロ号製品が本件発明1-4及び1-5の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 これと同様に,イ号装置及びロ号製品は本件発明1-6の構成要件1-6Dの「サーバ」に該当せず,ニ号プログラムは構成要件1-6Dを充足しないから,ニ号プログラムが本件発明1-6及び1-7の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 3 本件発明2-1,2-4ないし2-9の技術的範囲の属否(争点1-(6)ないし(12))について(1) 本件発明2-1の特許請求の範囲(請求項1)の記載は,前記争いのない事実等(3)イ(ア)及び(イ)aのとおりであり,また,本件明細書2(甲15)の発明の詳細な説明には,前記1(1)イと同様の記 1) 本件発明2-1の特許請求の範囲(請求項1)の記載は,前記争いのない事実等(3)イ(ア)及び(イ)aのとおりであり,また,本件明細書2(甲15)の発明の詳細な説明には,前記1(1)イと同様の記載がある(ただし,本件明細書1の段落【0005】,【0006】,【0008】ないし【0015】,【0024】,【0025】,【0027】ないし【0029】,【0037】ないし【0041】,【0060】ないし【0070】は,それぞれ本件明細書2の段落【0005】及び【0006】,【0007】及び【0008】,【0010】ないし【0018】,【0029】,【0030】,【0031】ないし【0034】,【0044】ないし【0048】,【0069】ないし【0080】である。)。 そして,本件発明2-1の特許請求の範囲(請求項1)の記載を基礎に,本件明細書2の記載事項を考慮すると,本件発明2-1の「サーバ」(構成要件2-1G)は,「利用者装置」(構成要件2-1A)とは別個独立の装置であって,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねるものとして「サーバ」に含まれることはないものと解するのが相当である。 - 120 -(2) 前記1(1)エと同様の理由により,イ号装置及びロ号製品は本件発明2-1の「サーバ」に該当せず,イ号装置及びロ号製品は,構成要件2-1C,2-1D及び2-1Gをいずれも充足しないから,イ号装置又はイ号装置及びロ号製品が本件発明2-1の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 これと同様に,イ号装置及びロ号製品は本件発明2-4の構成要件2-4Fの「サーバ」に該当せず,ロ号製品は構成要件2-4Fを充足しないから,ロ号製品が本件発明2-4ないし2-6の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 また,同 発明2-4の構成要件2-4Fの「サーバ」に該当せず,ロ号製品は構成要件2-4Fを充足しないから,ロ号製品が本件発明2-4ないし2-6の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 また,同様に,イ号装置及びロ号製品は本件発明2-7の構成要件2-7Eの「サーバ」に該当せず,ニ号プログラムは構成要件2-7Eを充足しないから,ニ号プログラムが本件発明2-7ないし2-9の技術的範囲に属するとの原告の主張は理由がない。 4 ハ号製品の製造等の間接侵害の成否(争点2)について前記2及び3(2)認定のとおり,ロ号製品は本件発明1-4,1-5,2-4ないし2-6の技術的範囲に属さないから,ロ号製品の構成は上記各発明の「利用者装置」として機能させることはできない。 したがって,その余の点について判断するまでもなく,被告によるハ号製品の製造及び販売について本件発明1-4,1-5に係る本件特許権1及び本件発明2-4ないし2-6に係る本件特許権2の間接侵害(特許法101条1号,2号)が成立するとの原告の主張は,理由がない。 5 結論以上のとおり,イ号装置,ロ号製品及びニ号プログラムは,いずれも本件各発明の技術的範囲に属さず,また,被告によるハ号製品の製造及び販売について間接侵害(特許法101条1号,2号)は成立しない。 したがって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は,い- 121 -ずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官大鷹一郎 裁判官上 田 真 史 裁判官石神有吾 裁判官上田真史 裁判官石神有吾 (別紙)物件目録 1「PSN(プレイステーションネットワーク)」内の「マッチングサーバ」及び「ストレージサーバ」 2「プレイステーション3」及び「torne(トルネ)」(同梱されたディスク(プログラムが記憶された媒体)を含む。) 3「torne(トルネ)」(同梱されたディスク(プログラムが記憶された媒体)を含む。) 4「torne(トルネ)」に付属するディスクに記憶されているプログラム (別紙1)●(省略)● (別紙2)●(省略)● (別紙)明細書図面 【図1】 【図2】 【図5】
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