昭和22(れ)153 強盗、窃盗、住居侵入

裁判年月日・裁判所
昭和23年6月9日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人江村高行の上告趣意書は末尾添附の書面記載の通りである。  弁護人江村高行上告趣意第一点について。  しかし、原判決

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判決文本文2,266 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人江村高行の上告趣意書は末尾添附の書面記載の通りである。 弁護人江村高行上告趣意第一点について。 しかし、原判決は、被告人の自白のみによつて判示事実を認定したものではなくて、被告人の自白の外に、Aの提出した(強盗)盗難被害届と匕首の存在とを総合して判示事実を認定したものであることは記録上明白であり、右証拠によつて優に判示事実を認定するに足るものである。所論の如く被告人がB、C等と共謀したという事実に対する証拠は被告人の自白以外には見当らないけれどもかかる犯罪事実の一部分の認定に対する証拠は被告人の自白以外にはないとしても、これを以て判示事実を被告人の自白のみによつて認定したものということは当を得ない。従つて論旨は理由なきものである。 同第二点について。 しかし、原判決は、被告人の原審公判における判示同旨の供述を証拠に引用しておるので、原審公判調書を閲するに、被告人は裁判長より一審判決摘示事実を読み聞けられ、これに対する弁解の有無をたづねられたのに対して其通りで事実相違はないと答えていることが明記されている。そして一審判決摘示事実中の第二事実は、原判決摘示事実中の第二事実と同一であるから被告人は原審公判において、原判決摘示事実中の第二事実(上告に係る事実)を自白していることが認められる。なお原審公判調書により被告人の供述を仔細に点検すれば、被告人は原判決の判示事実を自白していることが明らかである。先ず共謀の点に関しては裁判長からの「それからa町b番地A方へ押入ることになつたか」との問に対し、被告人は「左様ですBがいい出して入ることになりました」と答え又「左様です皆所持金が乏しいとこ- 1 -ろから之に賛成して一緒に押入ることにしたのです」と述べて、A ることになつたか」との問に対し、被告人は「左様ですBがいい出して入ることになりました」と答え又「左様です皆所持金が乏しいとこ- 1 -ろから之に賛成して一緒に押入ることにしたのです」と述べて、A方に押入強盗をすることを被告人外三名が共謀した事実を自白していることが明記されている。 次にCが匕首でAを脅かしBと共にAから三千円を強取した点について裁判長より「押入る前にCの持つている匕首でAを脅かすことに話がきまつたか」とたづねられたのに対し、被告人は「左様です」と答えていることが明らかであるし、共犯者四名の内被告人とD某は屋外で見張りをしたことを被告人が供述していることは、公判調書により明らかであるから、A方に侵入した者は、他の二人即ちCとBであることは推測できることであり、Cの持つていた匕首をBに渡した形跡は記録上認められないから、匕首を以てAを脅した者はCであることが窺い知ることができる。 そして前記被告人の供述と原判決の引用したA提出の(強盗)盗難被害届とを対照すれば原判決の認定した事実は明白である、原審においては是等各証拠に基いて判示事実を認定したものであるから虚無の証拠によつて事実を認定したものであるという論旨は当を得ない。なお論旨は公判調書によれば、被告人はAに対し金を貸せと申向けたにかかわらず原判決においては、金を出せと誤認している、金を貸せと申向けたのであるから恐喝であるかもしれないと主張し、又強取したと認定された三千円の内の一部は、箪笥の抽斗より窃取したものであるから、窃盗であると主張するのであるが、深夜二人の壮漢に侵入され、匕首を以て脅かされたとすれば申向けられた言葉が金を貸せであらうと、金を出せであちうとにかかわらず、被害者は抵抗のできない程度の恐怖におそわれることは、経験則にてらし認定し得るところであり、且つ強 匕首を以て脅かされたとすれば申向けられた言葉が金を貸せであらうと、金を出せであちうとにかかわらず、被害者は抵抗のできない程度の恐怖におそわれることは、経験則にてらし認定し得るところであり、且つ強度に恐怖して自由を抑圧されておる被害者方の箪笥より奪い取つたものとすれば強盗を以て論ずべきは当然である。原判決は判示各証拠にてらし本件犯行を強盗と断じたものであつて所論の如き違法は認め難い。 次に押収にかかる匕首については、原審において適法の証拠調をしたものであることは、公判調書により明らかである、そして本件記録に徴するに代々木警察署作- 2 -成にかかる証拠金品総目録と題する書類によれば第一審相被告Cの所有物であり同人から押収したものであることが明らかである。そして匕首を以てAを脅した者は、Cであることは先に説明した通りであるから、右の匕首以外に匕首を押収した形跡のない本件においては、原審において証拠に引用した匕首はCがAを脅す為に用いた匕首即ちAの提出した被害届に表示した匕首と同一であると認めることは相当である。従つて原審において押収にかかる匕首を証拠に引用し得ることは多言を要しないところであつて、所論の如き違法はないものである。 よつて裁判所法第十条第一号並に刑事訴訟法第四百四十六条により主文の如く判決する。 以上は裁判官全員一致の意見である。 検察官橋本乾三関与昭和二十三年六月九日最高裁判所大法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官長谷川太一郎裁判官沢田竹治郎裁判官霜山精一裁判官井上 郎裁判官沢田竹治郎裁判官霜山精一裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官庄野理一裁判官島保裁判官齋藤悠輔裁判官藤田八郎- 3 -裁判官岩松三郎- 4 -

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