平成20(む)1822

裁判年月日・裁判所
平成20年11月10日 神戸地方裁判所 棄却
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判決文本文1,362 文字)

主文 本件請求をいずれも棄却する。理由第1 本件請求の趣旨及び理由本件請求の趣旨及び理由は,弁護人ら作成の裁定請求書1,同2及び同2補充書各記載のとおりであるが,要するに,平成20年5月7日付け起訴に係る公訴事実について,検察官が証拠調べ請求をした写真撮影報告書及び検証調書の証明力を判断するために(1)被害現場である室内の状況等をデジタルカメラで撮影して記録した電磁データ本体を,また,鑑定書の証明力を判断するために(2)遺体写真の電磁データ本体を,いずれも類型証拠として開示し,さらに,(1)及び(2)を被告人の殺意を争う旨の主張関連証拠として,(3)既に開示済みのものを除く被告人の取調状況を記録した書面(捜査官作成のメモを含む。),ビデオテープ及び電磁データを,被告人の供述調書に任意性がない旨の主張関連証拠として,それぞれの開示を命ずる裁定を求める,というものである。第2 当裁判所の判断検察官作成の平成20年10月16日付け意見書によれば,前記(1)及び(2)に係る証拠についてはいずれも捜査機関において保管しておらず,前記(3)については,既に開示済みの記録の他には存在しないとのことからすると,本件請求に係る証拠はいずれも検察官はもとより,公務員が職務上現に保管するものとはいえないから,刑事訴訟法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となる証拠には該当せず,本件請求は理由がなく,いずれも棄却を免れない。なお,仮に前記(1)及び(2)の各電磁データが何らかの形で存在して,証拠開示命令の対象となる証拠に該当する余地があるとしても,既に開示済みの犯行直後の現場の状況や遺体の負傷状況等を明らかにした前記検証調書,鑑定書等の原本が開示されている以上,更に前記各電磁データを被告人の防御のために開示する必要性までは認められず,同条項の要 示済みの犯行直後の現場の状況や遺体の負傷状況等を明らかにした前記検証調書,鑑定書等の原本が開示されている以上,更に前記各電磁データを被告人の防御のために開示する必要性までは認められず,同条項の要件を満たさない。また,弁護人は,主張関連証拠開示請求における主張として,被告人に殺意はなかったというにとどまり,前記検証調書等の原本に加えて更に前記各電磁データを開示する必要性の理由として述べるところは説得力に乏しく,証拠漁りの懸念もうかがわれるものであって,開示の必要性も相当性も認められないから,同法316条の20第1項の要件も満たさない。 同様に,前記(3)の被告人の取調状況を記録した書面についても,弁護人は,被告人が,供述調書作成の際,精神的不安定で錯乱状態にあり,かつ捜査官から暴行脅迫を受けたなどと抽象的に主張するにとどまり,開示の必要性について述べるところも,既に開示済みの被告人の供述調書等では足りないとする理由が十分ではなく,開示の必要性を認めることはできないから,同条項の要件を満たさない。被告人の取調状況を記録したビデオテープ等については,捜査機関の取調状況録画の実態からしても存在しないことは明らかである。 したがって,弁護人らの請求はいずれも失当である。よって,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・岡田信,裁判官・森岡孝介,裁判官・荒金慎哉)

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