【DRY-RUN】主 文 一 被告は、原告aに対し金四七六万円及びこれに対する昭和五三年九月二三日か ら支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告bに対し金三九七万一三〇〇円及 びこれに対する右同日から支払ずみまで
主文 一被告は、原告aに対し金四七六万円及びこれに対する昭和五三年九月二三日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告bに対し金三九七万一三〇〇円及びこれに対する右同日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告cに対し金三〇〇万七八四〇円及びこれに対する右同日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告dに対し金一七六万四八〇〇円及びこれに対する右同日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、それぞれ支払え。 二原告a、同b、同cのその余の請求をいずれも棄却する。 三訴訟費用は、原告aと被告との間で生じた分はこれを二分し、その一を同原告の、その余を被告の負担とし、原告bと被告との間で生じた分はこれを三分し、その一を同原告の、その余を被告の負担とし、原告cと被告との間で生じた分はこれを五分し、その一を同原告の、その余を被告の負担とし、原告dと被告との間で生じた分は被告の負担とする。 四この判決の第一項は仮に執行することができる。 事実 第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告は、原告aに対し金一一六〇万円、同bに対し金六一五万八三〇〇円、同cに対し金三七二万七八四〇円、同dに対し金一七六万四八〇〇円及び右各金員に対する昭和五三年九月二三日から各支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 仮執行宣言二請求の趣旨に対する答弁 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 第二当事者の主張(請求の原因)一原告らは、それぞれ別紙一覧表記載の入社年月に被告に雇用され、以来被告の従業員として勤務し、同表記載の退社年月に自己都合により被告を任意退職した。 二被告には従業員退職金規定(以下、退職金規定という。)があり、その四条一項 表記載の入社年月に被告に雇用され、以来被告の従業員として勤務し、同表記載の退社年月に自己都合により被告を任意退職した。 二被告には従業員退職金規定(以下、退職金規定という。)があり、その四条一項に「退職金の額は退職時の基本給に別表(一)の支給月数を乗じた額とする。」旨、同条二項に「勤続年数の計算は採用の日より起算し、六か月未満の端数は切捨て、六か月以上一年未満の端数は一年に数える。」旨定められており、五条には「自己の都合によつて退職する場合は四条によつて算出した額に別表(二)の区分による支給率を乗じて得た額を支給する。」旨定められている。 三原告らの退職時における基本給額、退職金規定四条二項所定の計算方法によつて計算した原告らの勤続年数、同規定に基づく原告らの退職金の支給月数及び支給率は、それぞれ別紙一覧表記載のとおりである。 従つて、原告らの退職金の額は右一覧表退職金欄記載のとおりであるところ、原告a収び同dは被告からそれぞれ退職金の内金として一〇〇万円宛支払を受けた。 四被告における賃金の計算期間は、前月二一日から当月二〇日までであり、その支払日は当月二八日であるところ、原告b及び同cは、それぞれ昭和五二年一一月三〇日まで被告に勤務したのに、同月二一日から同月三〇日までの一〇日分の賃金の支払を受けていない。昭和五二年一一月当時の原告bの基本給は一か月二五万円、同cの基本給は一か月二〇万円であつたから、右一〇日分の原告bの未払賃金額は八万三三〇〇円、同cの未払賃金額は六万六六〇〇円である。 250,000円×10÷30=83,300円(100円未満切捨て)200,000円×10÷30=66,600円(100円未満切捨て)五原告cは、被告に勤務していた当時、被告との間で、同原告所有の自動車を被告の営業活動に使用し、被告はその対価と 0円未満切捨て)200,000円×10÷30=66,600円(100円未満切捨て)五原告cは、被告に勤務していた当時、被告との間で、同原告所有の自動車を被告の営業活動に使用し、被告はその対価として同原告に対し持込料を支払うとの契約を締結していた。同原告は、昭和五二年一一月も同原告所有の自動車を被告の営業活動に使用したが、被告は同月分の持込料六万一二四〇円の支払をしない。 六よつて、被告に対し、原告aは退職金一一六〇万円及びこれに対する弁済期経過後である昭和五三年九月二三日(本訴状送達の日の翌月)から、同bは退職金六〇七万五〇〇〇円と未払賃金八万三三〇〇円との合計六一五万八三〇〇円及びこれに対する右同日から、同cは退職金三六〇万円と未払賃金六万六六〇〇円と持込料六万一二四〇円との合計三七二万七八四〇円及びこれに対する右同日から、同dは退職金一七六万四八〇〇円及びこれに対する右同日から、各支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (請求原因に対する認否)一請求原因一の事実のうち、原告らがそれぞれ別紙一覧表記載の入社年月に被告に雇用されたこと、原告aが入社以来昭和二九年四月一九日まで、同bが入社以来昭和三六年五月二九日まで、同cが入社以来昭和四九年五月二九日までそれぞれ被告の従業員として勤務したこと、原告dが入社以来被告の従業員として勤務し、昭和五三年二月に被告を退職したことは認めるが、その余の事実は争う。 二同二の事実は認める。 三同三の事実のうち、原告a、同b及び同cがそれぞれ退職当時被告から原告ら主張の額の金員の支給を受けていたこと、原告dの退職時の基本給額が一四万四〇〇〇円であり、退職金規定四条一項所定の計算方式によつて計算した同原告の勤続年数が二五年であること、原告a及び同dが被告からそれぞれ退職 員の支給を受けていたこと、原告dの退職時の基本給額が一四万四〇〇〇円であり、退職金規定四条一項所定の計算方式によつて計算した同原告の勤続年数が二五年であること、原告a及び同dが被告からそれぞれ退職金の内金として一〇〇万円宛の支払を受けたことは認めるが、その余の事実は争う。 原告a、同b及び同cが退職当時被告から支給を受けていた金員は、基本給ではなく、取締役の報酬である。 四同四の事実のうち、被告における賃金の計算期間が前月二一日から当月二〇日までであり、その支払日が当月二八日であること、原告b及び同cがそれぞれ昭和五二年一一月三〇日まで被告に勤務したことは認めるが、その余の事実は争う。 五同五の事実は争う。 (抗弁)一原告aは昭和二九年四月二〇日に、同bは昭和三六年五月三〇日に、同cは昭和四九年五月三〇日にそれぞれ被告の取締役に就任し、それと同時に雇用契約終了により被告の従業員たる地位を失つた。退職時、原告aは常務取締役工場長、同bは取締役工場次長兼製造部長、同cは取締役名古屋営業所長兼営業部次長の地位にあつたものであるが、被告の退職金規定は従業員のみに適用されるもので、取締役には適用されないから、右原告三名はいずれも退職金請求権を有しない。 二仮に、前項の主張が認められないとしても、原告らは、いずれも次の理由により退職金請求権を有しない。 1 被告における退職金の性格被告の退職金規定では、退職金請求権は従業員が退職したときに具体的に発生するものとされている(同規定一条)。また、退職金の額は、原則として、退職者の退職時の基本賃金に別表(一)の支給月数を乗じて得た額とされているが(同規定四条)、自己都合による退職者については四条所定の計算方法によつて算出した額に別表(二)の区分による支給率(三〇%ないし九〇%)を乗じて得た額とさ (一)の支給月数を乗じて得た額とされているが(同規定四条)、自己都合による退職者については四条所定の計算方法によつて算出した額に別表(二)の区分による支給率(三〇%ないし九〇%)を乗じて得た額とされ(同規定五条)、勤務不良の理由による通常解雇者については五条所定の計算方法によつて算出した額の半額とされている(同規定六条)。更に、懲戒解雇者に対しては退職金が支給されず(同規定六条)、在籍中特に功労があつた者又は特別の事情がある者に対しては退職金が増額されることがある(同規定九条)とされている。 従つて、被告における退職金は、退職者の被告に対する功労に報いるという功労報償的性格が強い。 2 原告らには、それぞれ次のとおり被告の就業規則八三条所定の懲戒解雇事由に該当する行為があり、在職中にこれが判明しておれば当然原告らは懲戒解雇処分を受けるべき筈のものであつた。 従つて、原告らの退職金の額を算定するに当つては、退職金規定六条を準用し、零と算定するのが相当である。仮に、そうでないとしても、懲戒解雇事由に該当する行為をしておきながら懲戒解雇処分を受けなかつたことに藉口して退職金を請求するのは、到底正当な権利行使とはいえず、権利の濫用として許されない。 (一) 原告a、同b及び同cの懲戒解雇事由該当行為(1) 被告の主な営業目的は、研削砥石、研磨微粉、研磨材料、研磨用機械工具等の製造・販売であるところ、原告a、同b及び同cは、いずれも被告の取締役に在任中から、水道用バルブの製造を業とする兼工業株式会社(以下、兼工業という。)と共謀して、被告の営業目的と全く同一の営業目的を有するユニオントイシ株式会社(以下、ユニオントイシという。)の設立を企画した。 ユニオントイシにおいては付加価値の高い砕粒砥石(レジノイド砥石)の製造を主たる目的として計画し 全く同一の営業目的を有するユニオントイシ株式会社(以下、ユニオントイシという。)の設立を企画した。 ユニオントイシにおいては付加価値の高い砕粒砥石(レジノイド砥石)の製造を主たる目的として計画していたが、それには右砥石の材料である研磨微粉の安定的供給を得ることが不可欠であつた。そこで、原告aは、被告飯田工場(研磨微粉製造工場)の工場長であつたeと共謀の上、被告と同一の営業目的を有する競業会社の関東研磨材株式会社(以下、関東研磨材という。)に対し、被告飯田工場の川向いにあたる長野県下伊奈郡<以下略>に研磨微粉製造工場を新たに設置するよう誘致することを企画した。関東研磨材は、従来被告から研磨微粉を購入していたが、研磨微粉工場を作れば、原告aらの協力により被告製造のものと同一の研磨微粉を製造することが可能となるため、右工場誘致の話に応じ、昭和五二年三月八日大字南和田所在の土地を工場敷地として賃借した。 更に、右原告三名は、同年九月頃、ユニオントイシのために焼成炉を中央理化機工株式会社に発注し、攪拌機を有限会社時本工機製作所に発注した。そして、同年一二月二日、ユニオントイシの設立登記がなされ、原告aは代表取締役社長に、同bは専務取締役工場長に、原告cは取締役営業部長にそれぞれ就任した。 右原告三名の右行為は実質的には取締役の競業避止義務に反するものであり、被告の顧客を奪い、かつ、被告の信用を失墜させて被告に重大な損害を与えたものである。 (2) 原告bは、被告の取締役に在任中に被告の機械設備(高圧プレス機)の寸法をとり、資料を持ち去り、更にレジノイド砥石製造の配合表を多数持ち出した。 右配合表は被告の得意先毎に作成され、これに記載された配合量を基準として得意先の指示に従い砥石の硬軟を調節するものである。新しい取引先と取引を開始する場合には、 ド砥石製造の配合表を多数持ち出した。 右配合表は被告の得意先毎に作成され、これに記載された配合量を基準として得意先の指示に従い砥石の硬軟を調節するものである。新しい取引先と取引を開始する場合には、まずサンプルを作成し、これに対する取引先の意見を聞いてサンプルを作り直すという作業を繰り返すことによつて配合表を作成し、取引先の望む砥石を作成することができるようになるのである。従つて、配合表は得意先との取引維持のため極めて重要なものであり、これを同業他社が入手すれば、被告の得意先を一層容易に奪うことができる。 (3) 原告a、同b及び同cは、被告の取締役在任中から、被告の従業員を引抜いてユニオントイシに入社させる目的で共謀して被告の従業員に退職を唆した。その結果、昭和五二年一一月から同五三年二月までの間に一三名の従業員が被告を退職し、全員ユニオントイシに入社したため、被告の生産及び売上げが著しく減少し、不良品も増加し、被告は多大な損害を蒙つた。 (二) 原告dの懲戒解雇事由該当行為(1) 同原告は、被告の取引先から集金した売掛代金を次のとおり着服横領した。 木村自研工業所(以下、木村自研という。)からの集金分昭和五二年八月二〇日頃二万五〇〇〇円着服同年九月二〇日頃五万一五〇〇円着服fからの集金分昭和五二年八月一七日頃四万五〇〇〇円着服三旗工業からの集金分昭和五二年九月一六日頃六五〇〇円着服(2) 同原告は、被告が昭和五〇年五月から同五一年一〇月までの間に岐阜製砥から仕入れたGC角砥石一万五二五七本のうち、在庫として残つていた五六〇二本(時価四四万八一六〇円相当)を退職の際に無断で持ち出して売却した。 (3) 同原告は、昭和五三年二月頃被告を通さずに自己名義で仕入れた製品を得意先へ売却して利益を得た。 (三) 就業規則 五六〇二本(時価四四万八一六〇円相当)を退職の際に無断で持ち出して売却した。 (3) 同原告は、昭和五三年二月頃被告を通さずに自己名義で仕入れた製品を得意先へ売却して利益を得た。 (三) 就業規則の該当性(1) 原告aの右(一)(1)の行為は就業規則八三条一〇項(「その他前各項に準ずる不都合な行為があつたとき」)に、(一)(3)の行為は同条八項(「他の従業員に対し、不法に退職、怠業を強要したり、教唆煽動したり、若しくは暴行強迫を加え、他人の業務遂行を妨害したとき」)にそれぞれ該当する。 (2) 原告bの右(一)(1)の行為は就業規則八三条一〇項に、(一)(2)の行為は同条四項(「会社の秘密を漏洩し、その他の行為により、職務上の義務に著しく違反したとき」)に、(一)(3)の行為は同条八項にそれぞれ該当する。 (3) 原告cの右(一)(1)の行為は就業規則八三条一〇項に、(一)(3)の行為は同条八項にそれぞれ該当する。 (4) 原告dの右(二)(1)及び(2)の行為は就業規則八三条九項(「盗取、横領、傷害その他刑法犯に該当する行為のあつたとき」)に、(二)(3)の行為は同条五項(「許可なくして他の事業場に就職し、又は自己の業務を営むに至つた者で不都合と認められたとき」)にそれぞれ該当する。 (抗弁に対する認否及び原告らの反論)一抗弁一の事実のうち、原告a、同b及び同cがそれぞれ被告主張の日に被告から取締役の名称をつけられたこと、右原告三名の退職時の役職名が被告主張のとおりであつたことは認めるが、その余の事実は否認する。 右原告三名がそれぞれ被告主張の日に取締役に就任したとしても、それは名目的なものに過ぎず、取締役就任後も被告の従業員として勤務していたものであつて、仕事の内容も給与体系も取締役就任前と全く同一であつた。すなわち、右原告三名は の日に取締役に就任したとしても、それは名目的なものに過ぎず、取締役就任後も被告の従業員として勤務していたものであつて、仕事の内容も給与体系も取締役就任前と全く同一であつた。すなわち、右原告三名は取締役に就任した際、従業員としての退職金の支給を受けておらず、取締役就任後も昇給額及び賞与額の決定は被告の利益の有無、増減に関係なく他の従業員と同一の条件でなされていた。また、右原告三名は取締役就任後も失業保険又は雇用保険の被保険者として失業保険料又は雇用保険料を退職時まで給与からの天引の方法により支払つていた。被告は代表取締役社長gの独裁会社であり、全株式を右社長の家族で独占している同族会社である。そのため、被告では、株主総会も取締役会も一切開催されず、株主総会で取締役を選任することなく、右社長が当該従業員の承諾を得ずに勝手に取締役の名称をつけているだけである。従つて、右原告三名が取締役会に出席したこともない。 二1 抗弁二1の事実のうち、被告の退職金規定の四条ないし六条及び九条に被告主張のような定めがあることは認めるが、その余の事実は争う。 2 同二2の冒頭の事実及び主張は争う。 (一)(1) 同二2(一)(1)の事実のうち、原告a、同b及び同cがユニオントイシの取締役に就任したことは認めるが、その余の事実は争う。 右原告三名が被告を退職するに至つた事情は次のとおりである。すなわち、被告は、前述のとおりその全株式を社長gの家族が所有している同族会社であるところ、昭和四八年頃社長の長男であるhが被告の専務取締役に就任したが、同人は、被告における従来からの慣行を無視して権限を振い出し、古参の従業員を無視してその意見を全く聞こうとせず、その一方で、自分と意見の合う若い従業員をにわかに重用するようになつた。例えば、社長の甥である原告aは工場長としての の慣行を無視して権限を振い出し、古参の従業員を無視してその意見を全く聞こうとせず、その一方で、自分と意見の合う若い従業員をにわかに重用するようになつた。例えば、社長の甥である原告aは工場長としての権限をすべて取り上げられてしまつた。このような状況であつたため、右原告三名はやむなく被告を退職したのである。 (2) 同二2(一)(2)の事実は否認する。 (3) 同二2(一)(3)の事実は否認する。被告主張の従業員らが被告を退職するに至つた事情は次のとおりである。すなわち、右従業員らは、原告aに対する社長らの冷酷な仕打ちを見ていて自分達の行末も心配で動揺していたところ、長年にわたり工場長の地位にあつた原告aが第三者の設立したユニオントイシの社長に迎えられることを知り、同原告を慕つて被告を退職し、順次ユニオントイシに参加したのである。 (二)(1) 同二2(二)(1)の事実は否認する。 被告では時々不良品や顧客の注文に沿わない不適合品が出ることがあるが、このような場合、被告の幹部は出張所に対し、売り値はどうでもよいから早急に処分せよとか、売り値の最低値を決めた上、それ以上の値段で売れたときは差額を報償金として当該出張所の自由処分に任すという指示をすることがある。また、原告dは、出張所の営業担当員であつたため顧客から、税務処理上被告の発行する領収証の金額を顧客が被告に実際に支払つた金額より高く記載して欲しいとの要請があつたときは、これに従わなければならない場合がある。 被告主張の件のうち、木村自研の件は右の二つの場合の前者であり、f及び三旗工業の件は顧客からの右要請に従つたものである。 (2) 同二2(二)(2)の事実は否認する。 被告主張のGC角砥石五六〇二本はi方に預けてある。原告dは退職直後から被告に対し右寄託の事実を知らせても、被告は調 客からの右要請に従つたものである。 (2) 同二2(二)(2)の事実は否認する。 被告主張のGC角砥石五六〇二本はi方に預けてある。原告dは退職直後から被告に対し右寄託の事実を知らせても、被告は調査確認をしないまま放置してこれを引取ろうとしないのである。 (3) 同二2(二)(3)の事実は否認する。 (三) 同二2(三)の主張は争う。 第三証拠関係(省略) 理由 第一原告らの退職金請求について一原告らがそれぞれ別紙一覧表記載の入社年月に被告に雇用されたこと、原告dが入社以来被告の従業員として勤務し、昭和五三年二月に被告を退職したことは、当事者間に争いがない。 成立に争いのない乙第九号証の二、証人h(以下、証人hという。)の証言、原告a、同b(後記措信しない部分を除く。)、同c及び同d各本人尋問の結果によれば、原告a、同b、同cの退職当時の地位が取締役であつたか、従業員であつたかの点は別として、右原告三名は入社以来引続き被告に勤務し、原告aは昭和五二年一〇月二〇日頃、原告b及び同cは同年一一月三〇日それぞれ被告を自己都合により任意退職したこと、原告dの退職事由も自己都合による任意退職であつたことが認められ、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第九号証、証人jの証言及び原告b本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 二原告a、同b、同cの退職当時の地位について 1 原告aが昭和二九年四月二〇日に、同bが昭和三六年五月三〇日に、同cが昭和四九年五月三〇日にそれぞれ被告から取締役の名称をつけられたこと、右原告三名の退職時の役職名が、原告aは常務取締役工場長、同bは取締役工場長兼製造部長、同cは取締役名古屋営業所長兼営業部次長であつたことは、右原告らの認めるところで 取締役の名称をつけられたこと、右原告三名の退職時の役職名が、原告aは常務取締役工場長、同bは取締役工場長兼製造部長、同cは取締役名古屋営業所長兼営業部次長であつたことは、右原告らの認めるところである。 右の事実に、成立に争いのない甲第一号証の一、二、同第七号証の一ないし七、乙第一、第二号証、同第六ないし第八号証の各一ないし三、同第九号証の一、三、同第一〇号証の一(後記措信しない部分を除く。)、同第二〇号証の一ないし九、前記乙第九号証の二、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一〇号証の二(後記措信しない部分を除く。)、証人h(後記措信しない部分を除く。)、同kの各証言、原告a、同b、同c各本人尋問の結果(いずれも後記措信しない部分を除く。)及び被告代表者尋問の結果を総合すると、次の事実が認められる。 (一) 被告は、昭和四年に被告代表取締役社長であるg(以下、g社長という。)が設立した会社であつて、昭和五二年五月三〇日当時の資本金は六〇〇万円、発行済株式総数は一二万株、株主(名義上の株主を含む。)総数は一七名であつたが、従前よりg社長以外の株主は、いずれも同社長がその親族から名義のみを借用したものであつて、g社長が全株式を単独で所有している。なお、昭和五二年当時の全従業員数は、アルバイトを含めて約一〇〇名であつた。 (二) 被告の従業員のうち誰を取締役にするかについては、g社長が従業員の勤続年数や仕事振りを評価し、他の取締役の意見も参考にして決定している。 (三) 被告では、毎月一回営業及び製造部門の課長以上の役職者が出席する営業販売会議が開かれているが、取締役会は開催されていない。もつとも、取締役の任期満了時における取締役、代表取締役の選任等の登記必要事項が生じた場合は、名義上の株主も出席して株主総会を実際に特定の場所 販売会議が開かれているが、取締役会は開催されていない。もつとも、取締役の任期満了時における取締役、代表取締役の選任等の登記必要事項が生じた場合は、名義上の株主も出席して株主総会を実際に特定の場所で開催したかのように記載した株主総会議事録及び取締役会を実際に特定の場所で開催したかのように記載した取締役会議事録を作成し、各取締役が持ち回りの形でこれに捺印している。 (四) 原告aは、g社長の甥であり、同社長が同原告を取締役にすることを決定した昭和二九年四月頃工場長となり、以来退職するまで工場長としての業務に従事していた。同原告は、昭和四九年八月にg社長の息子であるhが取締役社長室長として被告に入社するまでは、人事関係(従業員の雇入れ、昇給・賞与の査定等)、原材料の仕入れ、その他日常の生産業務全般について広範囲の権限を有していたが、hの入社後は、次第に権限が縮少された。 (五) 原告bは、遅くともg社長が同原告を取締役にすることを決定した昭和三六年五月頃には製造部長になつていたが、その後も退職するまで製造部長(昭和五二年九月頃以降は工場次長を兼務)として砥石等の製造、開発の業務に従事していた。同様に、原告cもg社長が同原告を取締役にすることを内定した昭和四九年三月以前から名古屋営業所長兼営業部次長の地位にあつたが、その後も退職するまで同じ役職にあつて営業業務に従事していた。g社長及び被告入社後専務取締役に就任した前記h(以下、h専務という。)は、被告の業務全般を統括している。 (六) 右原告三名は、登記必要事項が生じた場合に作成される株主総会議事録及び取締役会議事録に取締役として捺印することにより、自己が取締役になつていることを承知していたが、これについて特に異議を述べなかつた。 (七) 被告には、昭和三〇年三月二一日から適用されている退職金規 び取締役会議事録に取締役として捺印することにより、自己が取締役になつていることを承知していたが、これについて特に異議を述べなかつた。 (七) 被告には、昭和三〇年三月二一日から適用されている退職金規定があり(被告に右規定があることは、当事者間に争いがない。)、それによれば、勤続満二年以上の従業員(本工員以上)が退職したときは退職金を支給することとされているが、原告b、同cが被告から取締役の名称を付けられた際には、右規定に基づく退職金の支給を受けていない。原告aが取締役の名称を付けられた際も、退職金の支給を受けたことはない。 (八) 雇用保険の実務においては、「取締役で、部長・支店長・工場長等従業員としての身分があり、給料支払等の面からみて労働者的性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合は、被保険者になる。」ものとされているところ、原告a、同b、同cは、取締役の名称を付された後も退職するまで、毎月の給料から失業保険料(雇用保険法施行後は雇用保険料)を天引きされていた。これに対し、g社長及びh専務は被保険者となつていなかつた。 (九) g社長が従業員を取締役にすることを決定した場合、当該従業員の給料は、家族手当、皆勤手当、役付手当等の諸手当がなくなつて基本給(本給)のみに一本化される。もつとも、原告cについては、昭和五二年三月にg社長が同原告を取締役にすることを内定したため、同年四月分から皆勤手当がなくなつたが、役付手当はそのまま退職時まで支給されていた。 (一〇) 原告a(大正一五年生)の昭和四九年一月分ないし三月分の給料(本給のみ)は月額一九万円であつたが、同年四月分から月額三五万円になつた。被告は、昭和四九年に多大な利益をあげたが、同五〇年以降は営業成績が上がらなかつたため、原告aの給料は退職時まで月額三五万円のまま据置かれた。原告 万円であつたが、同年四月分から月額三五万円になつた。被告は、昭和四九年に多大な利益をあげたが、同五〇年以降は営業成績が上がらなかつたため、原告aの給料は退職時まで月額三五万円のまま据置かれた。原告b(昭和八年生)の昭和四九年一月分ないし三月分の給料(本給のみ)は月額一八万円であつたが、同年四月分から月額二五万円になり、右同様の理由により退職時までそのまま据置かれた。原告cの昭和四九年三月分の給料は、本給一〇万円、皆勤手当三〇〇〇円、役付手当二万円の合計一二万三〇〇〇円であつたが、同年四月分から昭和五一年五月分までは、本給一六万円と役付手当二万円の合計一八万円、同年六月分から昭和五二年四月分までは本給一七万円と役付手当二万円の合計一九万円、同年五月分から退職時までは本給一七万円と役付手当三万円の合計二〇万円であつた。 (一一) 一般の従業員に対しては、毎年七月と一二月に賞与が支給されるが、前記のとおり被告は昭和四九年に多大な利益をあげたため、同年に限り取締役に対しては七月と一二月のほかに三月と九月にも賞与が支給された。昭和四九年における原告a及び同bの賞与総額は、それぞれ一八〇万円であり、原告cのそれは八五万円であつた。これに対し、当時被告の研究部長であつたl(大正一二年生、昭和五二年八月に被告を退職)の同年の賞与総額は五七万七〇四〇円であつた。ところが、昭和五〇年、同五一年における原告a、同bの賞与額は右lの賞与額より低く、昭和五二年においては原告aは賞与(夏季分)の支給を全く受けず、原告bの賞与額はlのそれより低かつた。但し、原告cの昭和五〇年ないし同五二年の賞与額は、lの賞与額よりいずれも若干多かつた。 (一二) 右lの昭和四九年三月分の給料は、本給一〇万円、皆勤手当三〇〇〇円、役付手当二万円、住宅手当一万円の合計一三万三〇〇〇円 〇年ないし同五二年の賞与額は、lの賞与額よりいずれも若干多かつた。 (一二) 右lの昭和四九年三月分の給料は、本給一〇万円、皆勤手当三〇〇〇円、役付手当二万円、住宅手当一万円の合計一三万三〇〇〇円で、住宅手当以外は原告cの給料と同一であつたが、同年四月分から本給一五万円、皆勤手当三〇〇〇円、役付手当二万円、住宅手当一万円の合計一八万三〇〇〇円になり、その後少し昇給して退職当時の給料は総額一九万二二〇〇円(内訳は不明)であつた。前記のとおり取締役については、被告の営業成績が上がらなければ給料が据置かれることがあるが、一般の従業員については毎年ベースアツプが行なわれている。また、有給休暇は、取締役に対しては付与されていない。 以上の事実が認められ、前記甲第九号証、乙第一〇号証の一、二、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第二、第六、第八号証、証人hの証言、原告a、同b、同c各本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 2 右認定事実によれば、被告はg社長のいわゆる一人会社であるところ、いわゆる一人会社においては、その一人の株主が出席すれば招集の手続がなくても株主総会は成立するのであるから(最高裁判所昭和四六年六月二四日第一小法廷判決、民集二五巻四号五九六頁参照)、g社長が被選任者を取締役に選任することを決定し、その意思を株主総会議事録に記載するなどして外部に表明すれば、株主総会における取締役選任決議が有効に成立したものと解するのが相当である。そして、原告a、同b、同cは、自己らを取締役に選任する旨記載された株主総会議事録に取締役として捺印し、取締役選任に特に異議を述べなかつたのであるから、少なくとも黙示的に選任を承諾したものというべきである。 従つて、右原告三名は、いずれも被告主張の頃 旨記載された株主総会議事録に取締役として捺印し、取締役選任に特に異議を述べなかつたのであるから、少なくとも黙示的に選任を承諾したものというべきである。 従つて、右原告三名は、いずれも被告主張の頃取締役に法律上有効に就任したものというべきであるが、右1項において認定した諸事情を総合すると、右原告三名は、取締役就任後も従業員たる地位を兼任していたものであつて、取締役就任後に被告から毎月支給を受けていた給料の中には、取締役としての役員報酬と従業員としての賃金が含まれていたものと認めるのが相当である。 原告らは、右原告三名の取締役就任は名目的なものに過ぎないと主張するが、前認定のとおり、右原告三名、とりわけ原告cは従業員的性格が強かつたとはいえ、いずれも給料及び賞与の面で一般の従業員とは異なる待遇を受けていたのであるから、取締役就任が全く名目だけのものとは言い難く、右主張は採用できない。 ところで、従業員の地位を兼任している取締役が辞任し、同時に退職により従業員としての地位をも失う場合において、別に従業員の退職金規定があり、その規定に基づいて支給されるべき従業員としての退職金の額が明確であるときは、当該退職者は、退職金規定に基づく退職金請求権を有するものと解するのが相当であり、本件において右原告三名の退職金規定に基づく退職金の額を算出し得ることは後記認定のとおりである。 よつて、被告の抗弁一の主張は理由がない。 三被告に退職金規定があり、その四条一、二項及び五条に原告主張のような定めが、六条及び九条に被告主張のような定めがあることは当事者間に争いがなく、前記乙第二号証によれば、退職金規定の一条には、「当社に在籍する従業員(本工員以上)が退職する時は本則の定めるところに依つて退職手当を支給する。」との定めが、二条には、「勤続満二年に満たな がなく、前記乙第二号証によれば、退職金規定の一条には、「当社に在籍する従業員(本工員以上)が退職する時は本則の定めるところに依つて退職手当を支給する。」との定めが、二条には、「勤続満二年に満たない者は本規則を適用しない。」との定めが、三条には、「左の各号の(1)に該当する場合は四条に定める退職金を支給する。(1)当社の都合によつて解雇したる時、(1)定年の到達により退職したる時(1)業務上の傷病の為業務に堪えないと認められ退職をした時」との定めが、八条には、「従業員が業務上の傷病の為死亡した場合には退職金相当額を法による支給額と加算して贈与する。」との定めがあることが認められる。 右認定事実によれば、被告における退職金は、社会・経済的には功労報償金、生活保障金及び後払賃金の三つの性格を併せ有しており、法的には労働基準法一一条所定の賃金に該当するものと解するのが相当である。また、被告における従業員の退職金請求権は、退職金不支給事由(懲戒解雇、勤続満二年未満の者の退職又は解雇)以外の退職又は解雇を停止条件として発生するものと解するのが相当である。 ところで、被告は、原告らにはそれぞれ被告の就業規則八三条所定の懲戒解雇事由に該当する行為があり、在職中にこれが判明しておれば、当然原告らは懲戒解雇処分を受けるべき筈のものであつたから、原告らの退職金の額を算定するに当つては、退職金規定六条を準用して零と算定するのが相当であると主張するが、前記乙第二号証によれば、被告の退職金規定には、退職後に懲戒解雇相当事由の存在が発覚した場合の取扱いについては何ら定められていないことが認められるから、勤続年数満二年以上の原告らが被告を自己都合により退職した以上、その時点で退職金規定所定の計算方法によつて算出される後記認定の額の退職金請求権が発生したものという られていないことが認められるから、勤続年数満二年以上の原告らが被告を自己都合により退職した以上、その時点で退職金規定所定の計算方法によつて算出される後記認定の額の退職金請求権が発生したものというべきであつて、たとえ退職後に被告主張のような懲戒解雇相当事由の存在が発覚したとしても、それは原告らの退職金請求権の発生自体には何ら影響を及ぼさないものというべきである。 従つて、被告の右主張は理由がない。 四原告らの退職金の額について 1 原告らの退職時の従業員としての賃金中の基本給額(一) 原告dの退職時の基本給額が一四万四〇〇〇円であつたことは、当事者間に争いがない。 (二) 原告cの退職時における従業員としての基本給額前記二1(一〇)及び(一二)において認定した事実によれば、原告cの昭和四九年三月分の給料とlの同月分の給料とを比較すると、前者に住宅手当がないほかは全く同一であつたから、仮に、原告cの取締役就任が内定していなかつたとすれば、同原告の同年四月分の給料は、lと同じく本給が一五万円、皆勤手当が三〇〇〇円、役付手当が二万円の合計一七万三〇〇〇円になつたものと推定するのが相当である。従つてて、原告cの取締役就任後である昭和四九年六月分の給料一八万円のうち従業員としての賃金分は一七万三〇〇〇円、役員報酬の分が七〇〇〇円と推定するのが相当である。 右の推定事実に前認定のとおり一般の従業員に対しては昭和五〇年以降も毎年ベースアツプが行なわれた事実を併せ考えると、原告cの退職当時の給料(基本給一七万円、役付手当三万円)のうち、従業員としての賃金分は本給が一六万円、皆勤手当が三〇〇〇円、役付手当が三万円の合計一九万三〇〇〇円、役員報酬分が七〇〇〇円であつたと推定することができる。 (三) 原告a、同bの退職時における従業員としての基本給額 分は本給が一六万円、皆勤手当が三〇〇〇円、役付手当が三万円の合計一九万三〇〇〇円、役員報酬分が七〇〇〇円であつたと推定することができる。 (三) 原告a、同bの退職時における従業員としての基本給額右原告両名の退職時における前認定の給料のうち従業員としての賃金の基本給分は、少なくとも原告cのそれと同額の一六万円を下らなかつたものと推定するのが相当である。 2 退職金規定四条二項所定の計算方法によつて計算した原告らの勤続年数、同規定に基づく原告らの退職金の支給月数及び支給率原告dの右計算方法によつて計算した勤続年数が二五年であることは、当事者間に争いがなく、前記一項ないし三項において認定した事実及び当事者間に争いのない事実によれば、原告a、同b、同cの右計算方法によつて計算した勤続年数、退職金規定に基づく原告らの退職金の支給月数及び支給率は、いずれも原告ら主張のとおりであることが認められる。 3 原告らの退職金の額以上によれば、原告らの退職金の額は、原告aについては五七六万円、原告bについては三八八万八〇〇〇円、原告cについては二八八万円、原告dについては二七六万四八〇〇円であることが計算上明らかである。 (一) 原告a16万円×36×100÷100=576万円基本給支給月数支給率(二) 原告b16万円×27×90÷100=388万8000円(三) 原告c16万円×22.5×80÷100=288万円(四) 原告d14万4000円×24×80÷100=276万4800円五権利濫用の抗弁について被告における退職金が功労報償的性格をも有していることは先に認定したとおりであり、被告の退職金規定に懲戒解雇者に対する退職金不支給の規定があることは当事者間に争いのない事実である。 そこで、退職金が功労報償的性格をも有しており、退 をも有していることは先に認定したとおりであり、被告の退職金規定に懲戒解雇者に対する退職金不支給の規定があることは当事者間に争いのない事実である。 そこで、退職金が功労報償的性格をも有しており、退職金規定に懲戒解雇者に対する退職金不支給の規定がある場合において、退職後に懲戒解雇相当事由の存在が判明した場合、当該退職者の退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するか否かについて考えるに、期間の定めのない雇傭契約において従業員が使用者に対し退職の申出(解約の申入れ)をしたときは、使用者の承諾の有無に拘わらず、民法六二七条所定の予告期間を経過することにより雇傭契約は当然終了し、その後に使用者が当該退職者に対し懲戒解雇処分をすることは法的に不可能であること、従業員が在職中に永年の勤続の功を抹殺してしまう程の重大な背信行為(例えば、多額の横領)をしておきながら、これを秘して雇傭契約解約の申入れをし、右契約終了後に自己都合による退職をしたとして退職金請求権を行使することを容認するとすれば、懲戒解雇者の場合と著しく均衡を失し、社会の正義感、公平感に反することを考えると、退職後に判明した在職中の懲戒解雇相当事由が永年の勤続の功を抹殺してしまう程の重大な背信行為である場合は、当該退職者の退職金請求権の行使は権利の濫用に該当し、許されないものと解するのが相当である。 よつて、以下右の見地に立つて各原告毎に退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するか否かについて判断する。 1 原告aについて(一) 前記甲第八号証(後記措信しない部分を除く。)、成立に争いのない乙第三号証の一、三ないし五、八ないし一〇、一二、同第四号証の一、二、第五、第一九号証、証人hの証言により原本の存在と成立の真正が認められる乙第一八号証、証人m、同j、同h(後記措信しない部分を除く。)、同 証の一、三ないし五、八ないし一〇、一二、同第四号証の一、二、第五、第一九号証、証人hの証言により原本の存在と成立の真正が認められる乙第一八号証、証人m、同j、同h(後記措信しない部分を除く。)、同k、同n(後記措信しない部分を除く。)の各証言及び原告a本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (1) 原告aは、被告の次期社長になることを期待していたものであるが、昭和四九年八月にh専務が被告に入社して以来、自己の被告内における権限が大幅に縮少され、次期社長に就任し得る見込みもなくなつたことから、不満を抱いていたが、昭和五二年八月h専務から、給料を一〇万円減額すると通告されたため、退職を決意し、その後間もなく退職願を被告に提出し、前認定のとおり同年一〇月二〇日頃被告を退職した。 (2) 兼工業は、上水道衛生器具の製作並びに販売、一般合金鋳造並びに旋盤加工等を業とする会社であるが、原告aは、兼工業の代表取締役社長であるo(以下、o社長という。)とは戦時中からの古い友人であつたため、被告に退職願を提出する以前にもo社長に会つた際に被告内における自己の立場を話したことがあつた。ところで、兼工業においては日頃鋳物のバリ取り作業等に多くの砥石を使用しているが、o社長は、砥石が低原価のものを素材にしている付加価値の高い商品であることなどから、かねてより砥石の製造販売業界への進出に関心を抱いていたため、遅くとも昭和五二年八月末頃までに原告aとo社長との間で、兼工業が主体となつて砥石の製造販売等を業とする新会社を設立し、原告aが被告退職後これに参画する話がまとまつた。 (3) そこで、兼工業は、昭和五二年九月、右新会社において使用する機械を調達するため中央理化機株式会社に対し電気炉を、三英製作所に対し高速 設立し、原告aが被告退職後これに参画する話がまとまつた。 (3) そこで、兼工業は、昭和五二年九月、右新会社において使用する機械を調達するため中央理化機株式会社に対し電気炉を、三英製作所に対し高速攪拌機を発注した。 (4) 原告a、同c、同b、前記l、p(兼工業専務取締役)、q(兼工業取締役)及びn(兼工業取締役副社長)の七名は、昭和五二年一一月二四日ユニオントイシの設立発起人として定款を作成し、翌二五日公証人の認証を得た。そして、同年一二月一日、ユニオントイシの創立総会が開催され、翌二日設立登記を了し、原告aが代表取締役社長に、同bが専務取締役工場長に、同cが取締役営業部長にそれぞれ就任した(右原告三名がユニオントイシの取締役に就任したことは、当事者間に争いがない。)。ユニオントイシの設立時の発行株式総数二万株のうち、右原告三名及びlが合計八〇〇〇株を引受け、その余は、兼工業及びその取締役(o社長を含む。)が引受けた。ユニオントイシの事業目的は、研削砥石、研磨材及び研削機械の製造販売であり、被告の事業目的と同一であつた。 (5) ユニオントイシは、昭和五三年一月下旬頃から小牧市の工場で被告の製品と同種の研削砥石の製造作業を開始した。 (6) ところで、原告aは、被告の飯田工場長であるe(長野県下伊奈郡<以下略>村会議員)から、過疎地対策のため工場を誘致したいので適当な会社を紹介して欲しいと言われたため、被告の研磨微粉の販売先である関東研磨材を紹介した。 関東研磨材は、右の誘致の話に応じ、砥石のスクラツプや削り粉を粉砕して原料を再生するための工場を設置するため、昭和五二年三月八日被告飯田工場の川向いに当る南信濃村<以下略>所在の土地について地主と賃貸借契約を締結したが、結局工場を設置するには至らなかつた。 以上の事実が認められ、前記甲第 を設置するため、昭和五二年三月八日被告飯田工場の川向いに当る南信濃村<以下略>所在の土地について地主と賃貸借契約を締結したが、結局工場を設置するには至らなかつた。 以上の事実が認められ、前記甲第六、第八号証、証人h、同nの各証言及び原告a本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 被告は、原告aが南信濃村に関東研磨材の工場を誘致することを企画したのは、設立予定のユニオントイシが右工場から研磨微粉の安定的供給を受けるためであつたと主張し、証人hの証言中には、右主張に副う供述部分があるけれども、右供述部分は推測によるものであつて、原告a本人尋問の結果に照らしてたやすく措信し難く、他に右主張事実を認めるに足る証拠はない。 (二) 前記乙第一号証によれば、被告には昭和四五年一月一日から施行されている就業規則があり、その八三条に、「従業員が次の各項の一つに該当するときは懲戒解雇に処する。」として、一項から九項まで具体的な懲戒解雇事由が定められ、一〇項に、「その他前各項に準ずる不都合な行為があつたとき。」と定められていることが認められるところ、被告は、原告aが被告に在職中から兼工業らと共謀して競業会社であるユニオントイシの設立を企画してその準備行為をなし、被告を退職後に右会社の代表取締役に就任したことは、実質的には取締役の競業避止義務に反するものであり、就業規則八三条一〇項に該当すると主張する。 しかしながら、就業規則は従業員に適用されるものであるから、懲戒解雇事由の有無を判断するに当つては、原告aに従業員としての競業避止義務違反があつたか否かを検討すべきである(なお、原告aの被告主張の行為が商法二六四条所定の取締役の競業行為に該当しないことは明らかである。)。 よつて、検討するに、原告aと被告との間に雇 競業避止義務違反があつたか否かを検討すべきである(なお、原告aの被告主張の行為が商法二六四条所定の取締役の競業行為に該当しないことは明らかである。)。 よつて、検討するに、原告aと被告との間に雇用契約終了後の競業避止義務について何らかの特約があつたとの主張、立証はないから、原告aが被告を退職後に、自営たると他に雇傭されるとを問わず、自己の知識、経験及び技能を生かして被告と同種の業務に従事することは、同原告の職業選択の自由(営業の自由)に属することであり、何ら制限されないものというべきである。従つて、原告aが被告を在職中にユニオントイシの設立を企画してそのための準備行為をすることも、準備のために本来の職務を怠る等の雇傭契約上の義務に反する行為をしない限り何ら差支えないのであつて、右準備行為自体は、就業規則八三条一〇項所定の懲戒解雇事由に該当しないというべきである。また、前認定事実によれば、原告aが前記eに関東研磨材を紹介した行為も右の懲戒解雇事由に該当しないことが明らかである。 (三) 前記乙第一号証によれば、被告の就業規則八三条八項には、懲戒解雇事由として、「他の従業員に対し、不法に退職、怠業を強要したり、教唆煽動したり、若しくは暴行強迫を加え、他人の業務遂行を妨害したとき。」と定められていることが認められるところ、被告は、原告aが被告に在職中に原告b、同cと共謀して被告の従業員に退職を唆したと主張するが、右主張事実を認めるに足る証拠はない。却つて、証人m、同jの各証言によれば、右両名が原告aから、被告を退職してユニオントイシに入社するよう誘われたのは、同原告が被告を退職した後である昭和五二年一二月であつたことが認められる。 (四) 従つて、原告aの退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するとの被告の主張は理由がない。 2 原告bについ われたのは、同原告が被告を退職した後である昭和五二年一二月であつたことが認められる。 (四) 従つて、原告aの退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するとの被告の主張は理由がない。 2 原告bについて(一) 原告bが、被告に在職中にユニオントイシの設立を企画してそのための準備行為(設立手続)をなし、被告を退職後にユニオントイシの専務取締役工場長に就任したことは前認定のとおりであるが、右行為が懲戒解雇事由に該当しないことは先に説示したとおりである。 (二) 被告は、原告bが被告に在職中に原告aらと共謀して被告の従業員に退職を唆したと主張するが、右主張事実を認めるに足る証拠はない。 (三) 秘密漏洩行為の有無について前記乙第一号証によれば、被告の就業規則八三条四項には、懲戒解雇事由として、「会社の秘密を漏洩し、その他の行為により職務上の義務に著しく違反したとき。」と定められていることが認められるところ、被告は、原告bが被告に在職中に被告の機械設備(高圧プレス機)の寸法をとり、資料を持ち去り、レジノイド砥石製造の配合表を多数持ち出したと主張するので、以下この点について判断する。 証人mの証言により真正に成立したものと認められる乙第一一号証、右証人m、同j、同h(後記措信しない部分を除く。)の各証言、原告a、同b(後記措信しない部分を除く。)、同c(後記措信しない部分を除く。)各本人尋問の結果及び被告代表者尋問の結果を総合すると、次の事実が認められる。 (1) 原告bは、昭和三〇年頃被告からレジノイド砥石(主原料である人造研削剤に結合剤、充填剤等の副原料を混合したものを焼成して作る砥石)の開発、製造を命ぜられ、殆ど独力でこれに取組み、開発、製造に成功した。そして、昭和五二年一一月に被告を退職するまで一貫して右開発、製造に従事した。なお、被告はレ 料を混合したものを焼成して作る砥石)の開発、製造を命ぜられ、殆ど独力でこれに取組み、開発、製造に成功した。そして、昭和五二年一一月に被告を退職するまで一貫して右開発、製造に従事した。なお、被告はレジノイド砥石について特許権等の工業所有権は有していない。 (2) レジノイド砥石は、主原料に副原料をどの程度混合するかによつて、硬度等の品質に差が生ずるため、被告では、各製品毎に、製品番号、取引先名、主原料の種類、副原料の数量、プレス時の成形圧力等を記載した配合表及び攪拌・プレス基準表(二つの表は一枚の紙に記載されている。以下、配合表という。)を作成し、原告bが右配合表及び製造指図書に基づいて現場の作業者に対し製造を命じていた。 (3) 新規の取引先と取引を開始する際や従前の取引先から新しい品質の砥石の注文があつた場合は、まず砥石の試作品を作り、これに対する取引先の意見、要望を聞いて更に試作品を作り直すという手順を、取引先の注文内容に品質が完全に合致するまで繰り返して配合表を作成するため、配合表が完成するまでにはある程度の期間を要する。 (4) 配合表及び製造指図書は、主に原告bが作成していたもので、同原告の退職当時被告には約二〇〇枚の配合表があつた。配合表は「社外秘」とされており、原告b以外の従業員は、同原告の許可がなければ持ち出すことはできなかつた。 (5) レジノイド砥石を製造するには、攪拌機、高圧プレス機、電気炉等の機械設備が必要であるが、原告bは、均質な攪拌ができるようにするため攪拌機について種々の改良を加えた。また、同原告は、高圧プレス機についても購入した中古機械を砥石製造用に改良した。 (6) 原告bは、昭和五二年夏頃高圧プレス機の寸法を測つたことがあり、同年一〇月二〇日頃に原告aが被告を退職して以後、毎日のように配合表を風呂敷に包 いても購入した中古機械を砥石製造用に改良した。 (6) 原告bは、昭和五二年夏頃高圧プレス機の寸法を測つたことがあり、同年一〇月二〇日頃に原告aが被告を退職して以後、毎日のように配合表を風呂敷に包んで自宅に持ち帰つたが、用済み後は元の保管場所に戻した。 (7) ユニオントイシは、昭和五三年一月下旬頃から砥石製造作業を開始したが、被告を退職したm及びjが同年一月二一日にユニオントイシに入社したときは、工場の設備がほぼ出来上がつており、被告にあつたのと基本的には同様式の配合表(数値が記入されたもの)が既に作成されていた。ユニオントイシの工場に設置されていた電気炉及び攪拌機は新品であり、プレス機は中古品であつた。また、ユニオントイシで製造した砥石は、被告の製品と同種のものであり、納入先も被告の取引先と一部競合していた。 (8) 原告bは、その長姉が原告aの長兄と結婚しているため、同原告とは義理の兄弟の関係にあつたものであるが、原告aの退職前に同原告から被告を退職する件で相談を受けたことがあり、原告aの退職後にも、同原告から、兼工業と一緒に砥石製造の仕事を始めるので手伝つて欲しいとの誘いを受けた。それ以前にも、原告bは、h専務の入社後、原告aの権限が大幅に縮少されたのを見て自己の将来性についても不安を抱いていたことから、昭和五二年一一月に入つて被告を退職する決意を固めた。 以上の事実が認められ、証人hの証言、原告b、同c各本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。なお、原告bが配合表以外の資料をも持ち去つたとの被告主張事実については、これを認めるに足る証拠がない。 右認定事実を総合すると、原告bが高圧プレス機の寸法を測り、被告の配合表を自宅に持ち帰つたのは、原告aらと新たに始める予定の砥石製造の仕事に役立 主張事実については、これを認めるに足る証拠がない。 右認定事実を総合すると、原告bが高圧プレス機の寸法を測り、被告の配合表を自宅に持ち帰つたのは、原告aらと新たに始める予定の砥石製造の仕事に役立てるためにしたもので、自宅において配合表の記載内容を他に控えたものと推認するのが相当である。 しかしながら、高圧プレス機については、被告において砥石製造用に改良されたものであるとはいえ、それに客観的に保護されるべき被告の技術的秘密が存することを認めるに足る証拠はないから(被告は技術的秘密の具体的内容については何ら主張していない。)、原告bが前認定の目的で右プレス機の寸法を測つたからといつて、就業規則八三条四項所定の秘密漏洩行為に該当しないというべきである。次に、配合表に記載された主原料と副原料との配合割合は、被告の営業上の秘密(技術的秘密)に属するものと認めるのが相当であるが、原告bが被告在職中にこれを他に漏洩したことを認めるに足る証拠はない。なお、仮に、原告bが前認定の目的で配合表を自宅に持ち帰りその記載内容を他に控えたことが、就業規則八三条四項又は一〇項に該当するとしても、前認定のとおり、同原告はレジノイド砥石を殆ど独力で開発し、その配合表を長年にわたつて作成していたものであつて、主原料と副原料との配合割合について充分な知識、技能、経験を有しているものであるところ、同原告と被告との間に退職後の秘密保持義務について何らかの特約があつたとの主張立証はないから、同原告が被告を退職後に右知識、技能、経験を生かすことは何ら妨げられないこと、原告bが被告において個々の取引先に納入していたレジノイド砥石の種類、配合割合を詳しく記憶していなかつたとしても、同原告の知識、技能、経験をもつてすれば、被告の配合表に頼らずとも比較的短期間内に取引先の要望に沿 おいて個々の取引先に納入していたレジノイド砥石の種類、配合割合を詳しく記憶していなかつたとしても、同原告の知識、技能、経験をもつてすれば、被告の配合表に頼らずとも比較的短期間内に取引先の要望に沿つた砥石を製造することが可能であつたと推測されること、原告bはレジノイド砥石の開発、製造の面で長年にわたり被告に大きく貢献したことを考慮すると、同原告の前記行為は、永年の勤続の功を抹殺してしまう程の重大な背信行為には該当しないものと判断するのが相当である。 (四) 以上の次第であるから、原告bの退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するとの被告の主張は理由がない。 3 原告cについて(一) 原告cが被告に在職中にユニオントイシの設立を企画してそのための準備行為(設立手続)をなし、被告を退職後にユニオントイシの取締役営業部長に就任したことは前認定のとおりであるが、右行為が懲戒解雇事由に該当しないことは、先に説示したとおりである。 (二) 被告は、原告cが被告に在職中に原告aらと共謀して被告の従業員に退職を唆したと主張するが、右主張事実を認めるに足る証拠はない。 (三) 従つて、原告cの退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するとの被告の主張は理由がない。 4 原告dについて(一) 木村自研の件について原告c本人尋問の結果により真正に成立したものと認められる甲第三号証、証人hの証言により真正に成立したものと認められる乙第一二号証の一、二、同第一三号証の二、原告d本人尋問の結果により同原告が木村自研名義で作成したものと認められる乙第一三号証の一、右証人の証言、原告d本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)によれば、次の事実が認められる。 (1) 原告dは、昭和四三年頃から退職時まで被告の関出張所に所長として勤務していた。 右出張所は、被告製造の砥 原告d本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)によれば、次の事実が認められる。 (1) 原告dは、昭和四三年頃から退職時まで被告の関出張所に所長として勤務していた。 右出張所は、被告製造の砥石や被告が他から仕入れた砥石等を関市又はその近辺の刃物業者等に販売する業務を担当していたもので、昭和五二年当時、原告dのほか、その妻が事務員として記帳等の仕事に、r及びsが営業の仕事に従事していた。 (2) ところで、昭和五二年頃被告が製造した販売価格一個二〇〇〇円台の砥石について硬度の低い不良品が生じたため、本社の営業部長らから関出張所に対し、「スクラツプにすると殆ど無価値になつてしまうから、大幅に値引きをしてでも全力を尽くして売れ。」との指示があつた。そこで、原告dは、部下の所員とともに右砥石の売り込みに努力した結果、昭和五二年九月までに木村自研に対し一個一四〇〇円ないし一五〇〇円程度で売却することに成功した。 (3) ところが、原告dは、被告に対しては一個一〇〇〇円程度で売却したかのように装い、実際は木村自研から右砥石の売掛代金として昭和五二年八月二〇日に一六万七〇〇〇円、同年九月二〇日に一七万円を集金したにも拘わらず、差額金を不法領得する意思で、前者については一四万二〇〇〇円しか、後者については一一万八五〇〇円しか被告に入れなかつた。そして、同原告は右のようにして作り出した差額金七万六五〇〇円の一部を、同年九月に同原告、前記r、s及び被告本社所属の従業員であるt、uの五名が関市内の飲食店で飲食した際の代金の支払にあて、残金を右五名間で分配したが、これについて被告の承諾を得ていなかつた。 (4) 被告では、担当者が取引先から売掛代金等を集金した際には、領収証と一体になつている被告宛の支払案内書(支払日、支払金額、支払方法の種別、支払者を記 、これについて被告の承諾を得ていなかつた。 (4) 被告では、担当者が取引先から売掛代金等を集金した際には、領収証と一体になつている被告宛の支払案内書(支払日、支払金額、支払方法の種別、支払者を記載するようになつているもの)の支払者欄に顧客の記名押印、署名押印等を貰つた上、支払案内書を切り取つて持ち帰り、集金した現金、小切手等と一緒に会計担当者に渡すことになつているところ、原告dは、前記八月二〇日の集金分については、支払案内書の支払者欄に木村自研の記名用ゴム印を押して貰つたが、支払金額欄の数字「167,000」を「142,000」に改ざんし、九月二〇日集金分については、支払者欄を含め支払案内書の要記載事項をすべて自分で記載し、支払金額欄に「118,500」と虚偽の数字を記入した。 (5) 原告dが右(3)の行為をしたのは、売却困難な不良品を自己及び部下の努力によつて売却し、被告に利益を与えたのに、被告からはその分の営業経費を別に貰つていないので、木村自研からの集金の一部を自己の裁量で部下らに対する慰労金、報償金として費消しても構わないと軽く考えてしたものであつた。 以上の事実が認められる。原告dは、木村自研の件については、被告の幹部から関出張所に対し、前記砥石の売却値段の最低値についての指示及び最低値以上の値段で売れた場合は差額分を報償金として同出張所の自由処分に任すとの指示があつたと主張し、原告c、同d各本人尋問の結果中には、右主張に副う供述部分があるが、右部分は、原告d自身が被告代理人からの反対尋問に対し、右主張のような事実のなかつたことを肯認する供述をしていること及び証人hの証言に照らしていずれもたやすく措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 前記乙第一号証によれば、被告の就業規則八三条九項には、懲戒解雇事由として、「盗取、 肯認する供述をしていること及び証人hの証言に照らしていずれもたやすく措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 前記乙第一号証によれば、被告の就業規則八三条九項には、懲戒解雇事由として、「盗取、横領、傷害その他刑法犯に該当する行為のあつたとき。」と定められていることが認められるところ、原告dの前認定の行為は、木村自研から集金した三三万七〇〇〇円のうち七万六五〇〇円を遅くとも昭和五二年九月末日までに業務上横領したものであつて、右懲戒解雇事由に該当するものといわざるを得ない。 (二) fの件について証人hの証言により真正に成立したものと認められる乙第一四号証の一、三、原告d本人尋問の結果により同原告がf名義で作成したものと認められる乙第一四号証の二、証人hの証言及び原告d本人尋問の結果によれば、次の事実が認められ、この認定に反する証拠はない。 (1) 昭和五三年二月に原告dが被告を退職したため、その後任として前記rが関出張所長に就任したが、その後間もなくrよりh専務に対し、「帳簿上非常におかしい点があるから直接調べて確かめて欲しい。自分が疑われるのは嫌なので、調査が済んでから帳簿の引継ぎをしたい。」との申出があつた。 (2) そこで、h専務が関出張所に赴き、帳簿を調べたところ、被告の取引先であるf関係の帳簿には、昭和五二年七月九日に代金七万五〇〇〇円の砥石一個(品質一九A八〇NS五、寸法九一〇×一四〇×五一〇)を売渡し、同年八月一七日に右売掛代金のうち三万円の入金があり、同年一一月九日に残金四万五〇〇〇円について全額値引処理をした旨の記載があつた。ところが、h専務がf方に赴き、右の件を確かめたところ、fの返答は、「確かに七万五〇〇〇円を支払い、その旨の領収証も貰つてある。値引によつて代金の一部を返還して貰つたことはない。」というものであ 。ところが、h専務がf方に赴き、右の件を確かめたところ、fの返答は、「確かに七万五〇〇〇円を支払い、その旨の領収証も貰つてある。値引によつて代金の一部を返還して貰つたことはない。」というものであり、同人が保管していた被告作成名義の領収証には、昭和五二年七月五日に七万五〇〇〇円を領収した旨の記載がある。 (4) 関出張所関係の取引先は、零細な家内工業者が多く、取引先からのクレームも多いが、被告ではクレームがあつた場合は、本社に苦情処理報告書を提出し、調査の上、本社が営業所、出張所に対し、値引き、代替品の納入等の指示をしている。 (5) 関出張所では、原告d在職当時、その妻が事務員として納品書及び支払案内書に基づき取引先毎に帳簿をつけていた。f作成名義の支払案内書には、昭和五二年八月一七日にfが現金三万円を支払つた旨の記載があるが、これは支払者欄を含めすべて原告dが記載したものであつた。 (6) 原告dは、本人尋問において、「f関係の帳簿に前記の値引処理の記載がなされている趣旨はわからない。」と供述している。 右認定事実を総合すると、原告dは、昭和五二年七月五日にfから、被告が同年七月頃fに対し売却した前記砥石の売掛代金七万五〇〇〇円を集金したが、被告には同年八月一七日に三万円を入れただけで、残金四万五〇〇〇円については、同年一一月九日に値引処理をしたかのように装い、遅くとも右同日までに不法領得の意思で右金員を着服し、もつて業務上横領したものと推認するのが相当である。 原告dは、「被告主張の件は、fに対して代金三万円の砥石を売却し、同人から右代金を受領したが、その際領収証の金額を実際の支払金額よりも高く記載して欲しいとの要請があつたので、領収証に七万五〇〇〇円と記載したに過ぎず、差額金を着服したことはない。」と供述し、原告cも右と同趣旨の供 受領したが、その際領収証の金額を実際の支払金額よりも高く記載して欲しいとの要請があつたので、領収証に七万五〇〇〇円と記載したに過ぎず、差額金を着服したことはない。」と供述し、原告cも右と同趣旨の供述をしているが、前記乙第一四号証の一によれば、fに対しては昭和五三年二月六日に前認定の砥石と同品質で、ほぼ同寸法(九一五×一四〇×五一〇)の砥石一個を代金七万円で売却していることが認められるから、前認定の砥石の代金が三万円に過ぎなかつたとは考えられないこと、前認定の支払案内書の日付が領収証の日付より約四〇日も後になつている上、帳簿上の売却日よりも領収証の日付の方が四日前であつて、不自然であること、その他前認定(1)ないし(6)の事実に照らして右各供述部分は、いずれもたやすく措信し難く、他に前記推認を左右するに足る証拠はない。 そうすると、原告dの右業務上横領行為は、就業規則八三条九項の懲戒解雇事由に該当するというべきである。 (三) 三旗工業の件について証人hの証言により真正に成立したものと認められる乙第一五号証の一ないし三、同証言及び原告d本人尋問の結果によれば、次の事実が認められ、この認定に反する証拠はない。 (1) 被告の取引先である三旗工業関係の帳簿には、昭和五二年八月一九日現在の売掛残高は一〇万六九〇〇円であつたが、同月二四日に代金合計七万八〇〇〇円の砥石三〇個及び代金合計五万二〇〇〇円の砥石二〇個を売渡し、同年九月一六日に一〇万六九〇〇円の入金があつたので、同日現在の残高は一三万円になつた旨の記載がある。ところが、被告作成名義の請求書及び三旗工業宛の同年九月一六日付の領収証の金額は、いずれも一一万三四〇〇円になつている。 (2) h専務が前認定のfの件と同じ機会に三旗工業に直接赴いて確かめたところ、三旗工業の返答は、「昭和五二年 び三旗工業宛の同年九月一六日付の領収証の金額は、いずれも一一万三四〇〇円になつている。 (2) h専務が前認定のfの件と同じ機会に三旗工業に直接赴いて確かめたところ、三旗工業の返答は、「昭和五二年九月一六日に確かに一一万三四〇〇円を支払つた。」というものであつた。 (3) 昭和五二年九月一六日の三旗工業からの集金は、原告dが行なつたものであるが、同原告は、本人尋問において、「右集金分につき帳簿上の金額と領収証の金額との間に差異が生じた理由については記憶がない。」と述べ、何ら首肯し得る説明をしていない。また、同原告は、「自分は被告の品物だけを扱つていたもので、被告を通さずにアルバイトでよその品物を扱い、利益を得たことはない。」と供述している。 右認定事実を総合すると、原告dは、昭和五二年九月一六日までに三旗工業に対し、帳簿に記載されている砥石の他に代金六五〇〇円相当の砥石を被告の営業として売渡したのに、被告に対してはこの事実を秘し、右同日三旗工業から集金した被告の売掛代金一一万三四〇〇円のうち一〇万六九〇〇円しか被告に入れず、遅くとも同月末日までに差額金六五〇〇円を不法領得の意思で着服し、もつて業務上横領したものと推認するのが相当であり、原告c、同d各本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右推認を左右するに足る証拠はない。 (四) GC角砥石の件について原告d本人尋問の結果により真正に成立したものと認められる甲第五号証、証人hの証言により真正に成立したものと認められる乙第一七号証、右証人の証言(後記措信しない部分を除く。)及び原告d本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)によれば、被告は、関出張所関係の取引先であるリコー山田に売却する目的で昭和五〇年五月一九日から同五一年一〇月一九日までの間に岐阜製砥からGC角砥 原告d本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)によれば、被告は、関出張所関係の取引先であるリコー山田に売却する目的で昭和五〇年五月一九日から同五一年一〇月一九日までの間に岐阜製砥からGC角砥石一万五二五七本(仕入価格合計一一七万四八七五円)を仕入れたが、リコー山田には九六五五本しか売却できなかつたため、昭和五一年一二月六日現在で五六〇二本(時価合計四四万八一六〇円相当)が関出張所の在庫として残つたこと、原告dは関出張所長として右在庫品を保管していたが、昭和五二年一二月頃右在庫品全部を同出張所の取引先である金定工業ことiに引渡し、以来同人がこれを占有していること、同原告はiに右在庫品を引渡した際納品書を作成せず、退職時に右引渡の事実について引継ぎもしなかつたことが認められ、証人hの証言及び原告d本人尋問の結果中、右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定に反する証拠はない。 しかるところ、被告は、「原告dは右砥石を不法領得の意思のもとに被告に無断で持ち出して売却した。」と主張し、証人hの証言中には、「原告dの退職後に被告の工場長であるvが関の喫茶店で同原告と会い、GC角砥石の件について確かめたところ、同原告は『確かに金はあるから、後で金を返すので、勘弁してくれ。』と言つたとの話をv工場長から聞いた。」との被告主張に副う供述部分がある。しかしながら、前記甲第五号証、証人hの証言、原告c及び同d各本人尋問の結果によれば、iは、「GC角砥石五六〇二本を昭和五二年一二月より預つている。」旨記載した被告宛の預り書を作成しており、被告に右砥石の引取り方を要求しているが、被告は、「本件が結着するまでは引取れない。」といつていまだこれに応じていないこと、右砥石は、硬度が注文より高かつたため、リコー山田に九六五五本しか売却できず、五六〇二本が在庫 方を要求しているが、被告は、「本件が結着するまでは引取れない。」といつていまだこれに応じていないこと、右砥石は、硬度が注文より高かつたため、リコー山田に九六五五本しか売却できず、五六〇二本が在庫として残つたものであるが、特殊な製品のために仕入れ先の岐阜製砥に返品として引取つて貰うこともできないもので、他に適当な売却先がなければ殆ど無価値に等しいものであること、原告dは、iに右砥石を引渡した際納品書作成という正規な手続をしなかつた理由として、「iは、リコー山田と同じく包丁の製造販売業者であることから、GC角砥石の注文を受けていないのに、その在庫品を同人方に持ち込み、『包丁一本につきサービス品としてGC角砥石一個をつけるということをすれば、右在庫品の利用価値があるから、よかつたら買つて欲しい。』と言つて、いわば押し売りのような形で置いてきたもので、いまだ売買契約が確定的に成立するには至つていなかつたから、納品書は作成しなかつた。」との趣旨の供述をしていることが認められ、これらの事実と証人hの前記供述部分は、いわゆる伝聞証拠であつて証拠価値が低く、原告dが被告に返済するという金額がいくらであるかの点も明らかでないことを併せ考えると、証人hの右供述部分のみから、原告dが不法領得の意思のもとに被告に無断で前記砥石の在庫品を売却したとの被告主張事実を推認するのは困難であり、他に、同原告に不法領得の意思があつたことを認めるに足る証拠はない。 従つて、GC角砥石の件に関する被告の主張は理由がない。 (五) 自己取引の件について証人hの証言により真正に成立したものと認められる乙第一六号証の一、二及び原告d本人尋問の結果によれば、被告関出張所の取引先である井之口刃物製作所宛の昭和五三年二月二〇日付の被告の請求書には、「丸棒の売掛代金五万六〇〇〇円を したものと認められる乙第一六号証の一、二及び原告d本人尋問の結果によれば、被告関出張所の取引先である井之口刃物製作所宛の昭和五三年二月二〇日付の被告の請求書には、「丸棒の売掛代金五万六〇〇〇円を請求する。」旨記載されているが、右取引先関係の被告の帳簿には、右請求分に関する記載がないことが認められるところ、証人hは、「原告dは、被告を通さないで岐阜製砥から丸棒の砥石を個人的に仕入れ、これを井之口刃物製作所に売却して自分の商売をしていた。」旨の被告の主張に副う供述をしているが、原告d本人尋問の結果によれば、右請求書の宛名、品名、請求金額の手書き部分は被告本社所属の会計担当従業員の筆蹟であることが認められ、この事実及び原告d本人尋問の結果に照らすと、証人hの右供述部分は措信し難く、他に、原告dの自己取引に関する被告主張事実を認めるに足る証拠はない。 よつて、自己取引の件に関する被告の主張は理由がない。 (六) 以上によれば、原告dは、被告に在職中であつた昭和五二年八月頃から遅くとも同年一一月九日までの間に、木村自研からの集金分のうち七万六五〇〇円、fからの集金分のうち四万五〇〇〇円、三旗工業からの集金分のうち六五〇〇円の以上合計一二万八〇〇〇円を業務上横領したものであつて、被告の就業規則八三条九項所定の懲戒解雇事由があつたというべきであるが、木村自研の件については前認定のような事情があつたもので、情状酌量の余地があること、前記乙第一四号証の一、同第一五号証の三、同第一六号証の一、証人hの証言及び原告d本人尋問の結果によれば、原告dの在職当時関出張所関係の取引先は約一二〇軒ないし一三〇軒あり、請求分があれば、ほぼ毎月一回集金していたところ、h専務が原告dの退職後間もなく関出張所に調査のため赴いた際、同出張所の古い帳簿の大部分は既に焼却されて 関係の取引先は約一二〇軒ないし一三〇軒あり、請求分があれば、ほぼ毎月一回集金していたところ、h専務が原告dの退職後間もなく関出張所に調査のため赴いた際、同出張所の古い帳簿の大部分は既に焼却されて存在しなかつたが、現存している帳簿等を調査した結果不審な点があつたのは本件で被告が主張している分だけであつたことが認められること、原告dは昭和二八年四月から同五三年二月まで約二五年間勤務したが、この間何らかの懲戒処分を受けたり、あるいは不都合な行為をしたことを窺わせるような証拠はないこと、以上の諸点を総合考慮すると、原告dの前認定の懲戒解雇相当事由は、いまだ永年の勤続の功を抹殺してしまう程の重大な背信行為には該当しないものと判断するのが相当である。 よつて、原告dの退職金請求権の行使が権利の濫用に該当するとの被告の主張は、理由がない。 六原告a及び同dが被告から退職金の内金としてそれぞれ一〇〇万円の支払を受けたことは、当事者間に争いがない。 そうすると、被告に対し、原告aは四七六万円の、同bは三八八万八〇〇〇円の、同cは二八八万円の、同dは一七六万四八〇〇円の退職金請求権を有しているものというべきである。 第二原告b、同cの未払賃金請求について被告における賃金の計算期間が前月二一日から当月二〇日までであり、その支払日が当月二八日であること、原告b及び同cがそれぞれ昭和五二年一一月三〇日まで被告に勤務したことは、当事者間に争いがない。 原告bの退職時における給料が月額二五万円、原告cのそれが月額二〇万円であり、右給料の中には、従業員としての賃金分と取締役としての報酬分が含まれていることは、前認定のとおりであるところ、右原告両名の本件未払賃金請求は、給料に役員報酬分が含まれていると認定される場合は、従業員としての賃金の未払分のみならず、 分と取締役としての報酬分が含まれていることは、前認定のとおりであるところ、右原告両名の本件未払賃金請求は、給料に役員報酬分が含まれていると認定される場合は、従業員としての賃金の未払分のみならず、役員報酬の未払分も請求する趣旨を含むものと解するのが相当である。 弁論の全趣旨によれば、取締役の役員報酬分の計算期間及び支払日も従業員の賃金と同一であると認められる。 そうすると、原告bの昭和五二年一一月二一日から同年同月三〇日までの間の未払給料額は八万三三〇〇円、原告cのそれは六万六六〇〇円を下らないことが計算上明らかであるから(計算方式は請求原因四項記載のとおり)、右原告両名は、それぞれ被告に対し右未払給料の請求権を有しているものというべきである。 第三原告cの自動車持込料請求について原告c本人尋問の結果及びこれにより真正に成立したものと認められる甲第四号証によれば、請求原因五項の事実が認められ、右事実によれば、同原告は被告に対し六万一二四〇円の自動車持込料請求権を有しているものというべきである。 第四結論以上の次第であつて、原告らの本訴請求は、被告に対し、原告aについては退職金四七六万円、同bについては退職金三八八万八〇〇〇円と未払給料八万三三〇〇円との合計三九七万一三〇〇円、同cについては退職金二八八万円、未払給料六万六六〇〇円、自動車持込料六万一二四〇円の以上合計三〇〇万七八四〇円及び右各金員に対する本訴状送達の日の翌日であること記録上明らかな昭和五三年九月二三日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は理由がないからいずれも棄却し、原告dについては全部理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条本文を、仮執行の宣言につき同法一九六条を適用し で理由があるから認容し、その余は理由がないからいずれも棄却し、原告dについては全部理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条本文を、仮執行の宣言につき同法一九六条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官川端浩棚橋健二山田貞夫)別紙一覧表、別表(一)、(二)(省略)
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