- 1 -平成27年5月28日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成27年(ワ)第4552号不当利得返還請求事件口頭弁論終結日平成27年4月21日判決札幌市<以下略>原告 A同訴訟代理人弁護士梶 智史仙台市<以下略>被告 NECトーキン株式会社あ 同訴訟代理人弁護士新保克芳 酒匂禎裕 士西村龍一主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,100万円及びこれに対する平成27年3月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,考案の名称を「テレホンカード」とする実用新案権(以下「本件実用新案権」という。)の登録を受けた原告が,本件実用新案権の登録前に被告がテレホンカード(以下「被告製品」という。)を製造販売したことが本件実用新案権の間接侵害に当たると主張して,被告に対し,不当利得に基づく利得金又は民法709条に基づく損害金の一部である100万円及びこれに対する- 2 -訴状送達の日の翌日である平成27年3月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告は,平成11年12月20日,他の2名と共同して,実用新案登録出願(実願昭59-134611号。出願日昭和59年9月5日)を原出願とする実用新案登録出願(実願平6-5675号)を原出願として,本件実用新案権の登録出願(実願平11-9646号。以下「本件出 録出願(実願昭59-134611号。出願日昭和59年9月5日)を原出願とする実用新案登録出願(実願平6-5675号)を原出願として,本件実用新案権の登録出願(実願平11-9646号。以下「本件出願」という。)をした。 本件出願については,平成22年4月2日に原告及び上記2名を権利者とする実用新案権の設定登録がされたが(実用新案登録第2607899号),同月21日に平成11年9月5日存続期間満了を原因として抹消登録がされた。 (甲1,2)(2) 被告は,昭和59年9月5日から10年間にわたって,日本電信電話株式会社の委託により同社の仕様に基づくテレホンカードを業として製造販売していた。 2 争点不当利得返還請求権又は民法709条に基づく損害賠償請求権の有無 3 争点に関する当事者の主張(原告の主張)(1) 被告が製造し,販売した被告製品の構造は,別紙被告製品説明書記載のとおりであり,本件実用新案権に係る考案(以下「本件考案」という。)の構成要件を全て満たすから,被告製品は本件考案の技術的範囲に属する。そして,被告製品は情報を入力していないテレホンカードであるから,被告の行為は本件実用新案権の間接侵害に当たる。 - 3 -(2) 日本電信電話株式会社が昭和59年9月5日以降に本件実用新案権を侵害するテレホンカードを販売することにより得た売上高は1年当たり1900億円を下らず,本件考案の実施料は売上高の3%が相当であるから,被告は同日以降1年当たり57億円,同日から平成6年9月5日までの10年間で合計570億円を不当に利得した。一方,原告には570億円の3分の1(原告持分)に当たる190億円の損失が生じ,又は原告はこれと同額の損害を被った。 (3) 本件実用新案権は平成22年4月2日に登録されたので,同日権 に利得した。一方,原告には570億円の3分の1(原告持分)に当たる190億円の損失が生じ,又は原告はこれと同額の損害を被った。 (3) 本件実用新案権は平成22年4月2日に登録されたので,同日権利として有効に発生したところ,上記(1)及び(2)のとおり,不当利得返還請求権又は民法709条に基づく損害賠償請求権の発生原因事実は既に生じていた。 したがって,同登録に伴って,不当利得返還請求権又は損害賠償請求権も,同日権利として顕在化した。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 実用新案権は設定の登録により発生するところ(実用新案法14条1項),前提事実(1)のとおり,本件実用新案権について設定の登録がされたのは平成22年4月2日であるから,昭和59年9月5日から平成6年9月5日までの期間における被告製品の製造販売が本件実用新案権の侵害に当たることはなく,これにより原告に損失が生じ,又は原告が損害を被ったということはできない。 したがって,同期間における被告製品の製造販売によって不当利得返還請求権又は不法行為による損害賠償請求権が発生したとは認められない。 これに対し,原告は,不当利得返還請求権又は損害賠償請求権の発生原因事実は本件実用新案権の登録前に既に生じていたから,その登録に伴って不当利得返還請求権又は損害賠償請求権が権利として顕在化した旨主張するが,行為時に適法であった製造販売がその後に実用新案登録がされたことにより法律上- 4 -の原因を欠き,又は違法になるとする余地はない。したがって,原告の主張を採用することはできない。 2 以上によれば,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官長谷川浩二 主文 以上によれば,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官長谷川浩二 裁判官清野正彦 裁判官中嶋邦人(別紙省略)
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