主文 一被告が原告aに対し平成一〇年二月二六日付けでした別紙物件目録一及び二記載の土地について固定資産課税台帳に登録された平成九年度の価格に係る審査申出を棄却する旨の決定を取り消す。 二被告が原告bに対し平成一〇年二月二六日付けでした別紙物件目録三及び四記載の土地について固定資産課税台帳に登録された平成九年度の価格に係る審査申出を棄却する旨の決定を取り消す。 三被告が原告bに対し平成一〇年八月一一日付けでした別紙物件目録四の1記載の土地について固定資産課税台帳に登録された平成一〇年度の価格に係る審査申出を棄却する旨の決定を取り消す。 四原告bのその余の請求を棄却する。 五原告aと被告との間に生じた訴訟費用は被告の負担とし、原告bと被告との間に生じた訴訟費用はこれを四分し、その一を原告bの負担とし、その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第一請求一原告a主文一同旨二原告b 1 主文二同旨 2 被告が原告bに対し平成一〇年八月一一日付けでした別紙物件目録三及び四記載の土地について固定資産課税台帳に登録された平成一〇年度の価格に係る審査申出を棄却する旨の決定を取り消す。 第二事案の概要本件は、別紙物件目録一及び二記載の各土地を所有する原告aと、同目録三及び四記載の各土地を所有する原告bが、右各土地について固定資産課税台帳に登録された価格につき、右各価格は地方税法(以下「法」という。)の固定資産の評価に関する規定に違反して評価された違法なものであるとして、被告に対し審査申出をしたところ、被告が右各審査申出を棄却する旨の各決定をしたため、それらの取消しを求めているものである。 一関係法令等の定め 1 法令等の定め(一) 固定資産税は、固定資産に対し、その所有者に課する地方税であり(法三四二条、三四三 却する旨の各決定をしたため、それらの取消しを求めているものである。 一関係法令等の定め 1 法令等の定め(一) 固定資産税は、固定資産に対し、その所有者に課する地方税であり(法三四二条、三四三条一項)、土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は、当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格、すなわち「適正な時価」で土地課税台帳に登録されたもの(以下、この登録された価格を「登録価格」という。)である(法三四九条一項、三四一条五号)。また、基準年度の翌年度(第二年度)、翌々年度(第三年度)においては、原則として基準年度の価格が据え置かれ、基準年度の価格が課税標準となる(法三四九条二項、三項)。 (二) 登録価格の決定に際しての土地の評価については、自治大臣が、評価の基準並びに評価の実施方法及び手続(固定資産評価基準)を定め、告示しなければならないものとされ(法三八八条一項)、昭和三八年自治省告示第一五八号をもって固定資産評価基準(以下「評価基準」という。)が告示されている。 市町村長は、評価基準によって土地の評価をしなければならない(法四〇三条一項)。町田市においては、評価基準に基づき町田市固定資産(土地)評価事務取扱要領(以下「取扱要領」という。)を定め、評価基準及び取扱要領に基づき土地の評価を行っている。 2 評価基準が定める宅地等の評価方法の概要(一) 土地の評価の通則(1) 土地の評価は、土地の地目の別に、それぞれ第2節以下に定める評価の方法によって行う。土地の地目は、土地の現況によるものとする。 (2) 各筆の土地の評価額を求める場合に用いる地積は、原則として、土地登記簿に登記されている地積によるものとし、土地登記簿に登記されていない土地については現況の地積による。 (二) 宅地(評価基準第1章第3節)(1) 宅地 求める場合に用いる地積は、原則として、土地登記簿に登記されている地積によるものとし、土地登記簿に登記されていない土地については現況の地積による。 (二) 宅地(評価基準第1章第3節)(1) 宅地の評価は、各筆の宅地について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の評価額を求める方法による(第3節一)。評点一点当たりの価額は、宅地の自治大臣又は都道府県知事が指定する指示平均価額に宅地の総地積を乗じ、これをその付設総評点数で除した額に基づいて市町村長が決定する(第3節三1)。 (2) 各筆の評点数は、市町村の宅地の状況に応じ、主として市街地的形態を形成する地域における宅地については「市街地宅地評価法」により、主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」により付設する。 (3) 市街地宅地評価法による宅地の評点数の付設は、以下のとおり行う(第3節二(一))。 ア地区区分と標準宅地の選定市町村の宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区等に区分し、当該各地区について、その状況が相当に相違する地域ごとに、その主要な街路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等の状況が当該地域において標準的なものと認められる標準宅地を選定する。 イ路線価の付設標準宅地について、売買実例価額から適正な時価を求め、これに基づいて当該標準宅地の沿接する「主要な街路」について路線価を付設し、これに比準して主要な街路以外の街路(以下「その他の街路」という。)の路線価を付設する。主要な街路について付設する路線価は、当該主要な街路に沿接する標準宅地の単位面積当たりの適正な時価に基づいて付設する。その他の街路について付設する路線価は、近傍の主要な街路の路線価を基礎とし、主要な街路に沿接する標準宅地 る路線価は、当該主要な街路に沿接する標準宅地の単位面積当たりの適正な時価に基づいて付設する。その他の街路について付設する路線価は、近傍の主要な街路の路線価を基礎とし、主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮して付設する。 ウ各宅地の評点数の付設各筆の宅地の評点数は、その沿接する路線価を基礎とし、各筆について評価の対象とすべき画地を認定し、一画地の宅地ごとに、奥行のある土地、正面と側面あるいは裏面等に路線がある土地、三角地又は不整形地、無道路地若しくは袋地等の状況に従って所定の補正を加える方式(画地計算法)を適用して決定する。右の場合において、一画地は、土地課税台帳等に登録された一筆の宅地により、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする(別表第3の2)。 なお、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の付表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする(第3節二4)。 (三) 雑種地(評価基準第1章第10節)雑種地の評価は、ゴルフ場等の用に供する土地、鉄軌道用地を除き、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法による。ただし、市町村に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法による。 二前提となる事実(証拠により認定した事実は、その末尾に証拠を掲げた。その余の事実は、当事者間に争いがない。) 1 原告aは 状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法による。 二前提となる事実(証拠により認定した事実は、その末尾に証拠を掲げた。その余の事実は、当事者間に争いがない。) 1 原告aは、別紙物件目録一及び二記載の各土地(以下「本件土地一」及び「本件土地二」という。)を所有している。原告bは、別紙物件目録三及び四記載の各土地(以下「本件土地三」及び「本件土地四」という。)を所有している(以下、本件土地一ないし四を併せて「本件各土地」という。)。 2 本件土地一及び二は、JR東日本横浜線淵野辺駅から約三キロメートルに位置し、別紙一及び二記載のとおり、谷底平野に当たる位置にある傾斜地である。付近は、農家、住宅が混在する第一種住居専用地域である(乙一五の1)。 本件土地三及び四は、小田急線町田駅から約三〇〇メートルに位置し、別紙三記載のとおり、本件土地三は原告b所有の共同住宅の敷地として使用されている。本件土地四は、昭和五一年二月二五日に建築基準法四二条一項五号により道路位置指定を受けた私道(以下「位置指定道路」という。)であり、本件土地三等から公道へ通じる通路として使用されている。付近は、店舗、事務所、住宅が混在する近隣商業地域である(乙一五の2)。 3 原告bは、本件土地四につき、平成九年一二月一八日受付の固定資産非課税申告書を提出したところ、町田市長は、平成一〇年三月三日付けで、別紙物件目録四の2記載の土地(以下「本件土地四の2」という。)八一平方メートルについては公共の用に供する道路として非課税とするが、同目録四の1記載の土地(以下「本件土地四の一」という。)については右道路に該当しない旨の決定通知(以下「本件非課税決定通知」という。)をした。 4 町田市長は、平成九年二月末日、本件各土地の平成九年度(基準年度)の固定資産 「本件土地四の一」という。)については右道路に該当しない旨の決定通知(以下「本件非課税決定通知」という。)をした。 4 町田市長は、平成九年二月末日、本件各土地の平成九年度(基準年度)の固定資産税の課税標準となるべき価格を別紙四の「被告の主張」の各土地の価格欄記載のとおりとする旨決定し、土地課税台帳に右価格を登録した。 原告らは、右登録価格を不服として、平成九年四月二八日、被告に対し、それぞれ審査の申出をした。これに対し、被告は、平成一〇年二月二六日、原告らの各審査申出を棄却する旨の決定(以下「平成九年度の登録価格に係る決定」という。)をした。 5 町田市長は、前記3の本件非課税決定通知をしたことに伴い、法三四九条二項ただし書に基づき、平成一〇年二月末日、本件土地三及び四の平成一〇年度の固定資産税の課税標準となるべき価格を別紙四の「被告の主張」の各土地の価格欄記載のとおりとする旨決定し、土地課税台帳に右価格を登録した。 原告bは、右登録価格を不服として、平成一〇年四月二七日、被告に対し、それぞれ審査の申出をした。これに対し、被告は、同年八月一一日、原告らの各審査申出を棄却する旨の決定(以下「平成一〇年度の登録価格に係る決定」という。)をした。 三町田市長のした本件各土地の評価 1 本件土地一及び二の評価について(一) 本件土地一及び二の地目を、「雑種地」のうちの「その他の雑種地」(取扱要領第1章Ⅲ2(5)オ)と認定した。 (二) 本件土地一及び二の、その他の雑種地としての評価は、当該土地が宅地であった場合の価額を求め、この価額から通常必要と認められる造成費に相当する額を控除して求めることとし、具体的には、市街地宅地評価法を適用し、造成費相当額を控除して、その価格を算出することとした。 (三) 本件土地一及び二は、用途地区による区分 と認められる造成費に相当する額を控除して求めることとし、具体的には、市街地宅地評価法を適用し、造成費相当額を控除して、その価格を算出することとした。 (三) 本件土地一及び二は、用途地区による区分上、普通住宅地区に属すると認められるところ、普通住宅地区について、状況が類似した地域毎に区分し、本件土地一及び二の所在する地域の標準宅地として、町田市α二二八番一に所在する土地(以下「本件標準宅地一」という。)を選定した。 (四) 本件標準宅地一に係る適正な時価については、価格調査の基準とした日である平成八年一月一日時点での不動産鑑定評価価格一平方メートル当たり一八万三〇〇〇円を活用し、その七割程度の価格に、自治省税務局資産評価室長の「地価下落地域における土地の評価額の修正等について」と題する通知(平成八年八月五日付自治評第三〇号。以下「本件通知」という。)に基づき平成八年七月一日までの六か月の地価変動を勘案したマイナス一・九パーセントの時点修正を行い、その価額を一平方メートル当たり一二万五〇〇〇円と決定した。そして、本件標準宅地一に沿接する街路(以下「本件主要な街路一という。)の路線価を一二万五〇〇〇点(一〇〇〇点未満切捨て)と付設した。 (五) 本件土地一及び二は、一体として利用されているので、これらを合わせて一画地と認定した。 (六) 本件主要な街路一と本件土地一及び二に沿接する正面街路(以下「本件正面街路一」という。)とを比較し、町田市土地価格比準表に基づき本件主要な街路一の路線価に補正(街路条件につき道路幅員において九パーセント増加)を加え、本件正面街路一の路線価を一三万六〇〇〇点と付設した。 (七) 本件土地一及び二の評価に当たっては、奥行長大価格補正率〇・九八を本件正面街路一の路線価に乗じて単位地積当たりの評点を一三万三二八〇点とし 本件正面街路一の路線価を一三万六〇〇〇点と付設した。 (七) 本件土地一及び二の評価に当たっては、奥行長大価格補正率〇・九八を本件正面街路一の路線価に乗じて単位地積当たりの評点を一三万三二八〇点とし、評点一点当たり一円として、これに面積を乗じ、雑種地を宅地に造成する場合に通常必要となる一平方メートル当たりの造成費相当額(一万二六〇〇円)を控除することによって、本件土地一及び二の一平方メートル当たりの価格を一二万〇六八〇円とした。そして、右の価格に、本件土地一及び二の面積を乗じて、それぞれその価格を決定した。 本件土地三及び四の平成九年度の評価について(一) 本件土地三及び四の地目を、「宅地」と認定した。 (二) 本件土地三及び四は、主として市街地的形態を形成する地域に所在することから、市街地宅地評価法により本件土地三及び四の価格を算出することとした。 (三) 本件土地三及び四は、用途地区による区分上、併用住宅地区に属すると認められるところ、右併用住宅地区について、状況が類似した地域毎に区分した結果、本件土地三及び四の所在する地域の標準宅地として、町田市β一三二一番一に所在する土地(以下「本件標準宅地二」という。)を選定した。 (四) 本件標準宅地二に係る適正な時価については、右標準宅地が地価公示地点であることから、平成八年一月一日時点の公示価格一平方メートル当たり六〇万五〇〇〇円を基礎とし、その七割程度の価格に、本件通知に基づき平成八年七月一日までの六か月の地価変動を勘案したマイナス一〇パーセントの時点修正を行い、その価額を一平方メートル当たり三七万八〇〇〇円と決定した。そして、本件標準宅地二に沿接する街路(以下「本件主要な街路二」という。)の路線価を三七万八〇〇〇点と付設した。 (五) 本件土地四は位置指定道路であるが、不特定多数の り三七万八〇〇〇円と決定した。そして、本件標準宅地二に沿接する街路(以下「本件主要な街路二」という。)の路線価を三七万八〇〇〇点と付設した。 (五) 本件土地四は位置指定道路であるが、不特定多数の者の使用に供されているものではなく、専ら本件土地三上にある貸家住宅の居住者の専用通路として使用されているものであり、本件土地三及び四は、宅地とその通路の関係にあり一体として使用されているので、一画地と認定した。 (六) 本件主要な街路二と本件土地三及び四に沿接する正面街路(以下「本件正面街路二」という。)とを比較し、町田市土地価格比準表に基づき本件主要な街路二の路線価に補正を加え、本件正面街路二(正面路線)の路線価を五一万三〇〇〇点と付設した。 (七) 本件土地三及び四の評価に当たっては、間口狭小補正率〇・九七、奥行価格逓減率〇・九三、奥行長大補正率〇・九〇を本件正面街路二の路線価に乗じて、単位地積当たりの評点を四一万六四九九点とし、さらに、評点一点当たり一円として、これに面積を乗じることにより、本件土地三及び四の価格を決定した。 3 本件土地三及び四の平成一〇年度の評価について(一) 本件土地三については、その地目を「宅地」と認定した。本件土地四については、本件土地四の1の地目を「宅地」とし、その余の部分(本件土地四の2)の地目を公衆用道路と認定した。 (二) 前記2(二)及び(三)と同じ。 (三) 本件標準宅地二に係る適正な時価については、右標準宅地が地価公示地点であることから、平成八年一月一日時点の公示価格一平方メートル当たり六〇万五〇〇〇円を基礎とし、その七割程度の価格に、本件通知に基づき、平成八年一月一日から平成八年七月一日までの地価下落率マイナス一〇パーセント、平成八年七月一日から平成九年七月一日までの地価下落率マイナス一三パーセン 礎とし、その七割程度の価格に、本件通知に基づき、平成八年一月一日から平成八年七月一日までの地価下落率マイナス一〇パーセント、平成八年七月一日から平成九年七月一日までの地価下落率マイナス一三パーセントを適用して時点修正を行い、その価額を一平方メートル当たり三二万八〇〇〇円と決定した。そして、本件標準宅地二に沿接する街路(本件主要な街路二)の路線価を三二万八〇〇〇円点と付設した。(四) 本件土地四は位置指定道路であるが、固定資産評価上、公衆用道路として認定するに当たり、土地の状況から、隣接地にある第三者所有の建物の出入口の階段付近において、専ら原告が所有する共同住宅の利用者の通行の用に供する部分と、共同住宅の利用者を含めた不特定多数人の通行の用に供する部分とに区別されることから、評価基準第1章別表第3の2及び取扱要領第2章第5節3(「貸家住宅内の通路等、家屋と同一所有者のものは非課税としない。」)に基づき、共同住宅の利用者の通行の用に供する部分(本件土地四の1)と不特定多数人の通行の用に供する部分(本件土地四の2)とに按分して評価することとした。 また、本件土地三は、原告が所有する共同住宅二棟の敷地として使用されており、その凹部分で本件土地四の1と接続している。本件土地四の1は、側溝、舗装等で区分されているとはいえ、その位置や利用状況等からみて、不特定多数人の通行の用に供しているとは言い難く、専ら右共同住宅の利用者の通行の用に供する部分と認められることから、取扱要領第1章Ⅲ2(3)ス(「道路位置指定の土地で公衆用道路として認定できないもの(建物の敷地と同一画地として認定する。)」)に基づき、本件土地四の2と区分し、本件土地三と一画地と認定した。 (五) 本件主要な街路二と本件土地三及び本件土地四の1に沿接する正面街路(本件土地四の2。以 の敷地と同一画地として認定する。)」)に基づき、本件土地四の2と区分し、本件土地三と一画地と認定した。 (五) 本件主要な街路二と本件土地三及び本件土地四の1に沿接する正面街路(本件土地四の2。以下「本件正面街路三」という。)とを比較し、町田市土地価格比準表に基づき本件主要な街路二の路線価に補正を加え、本件正面街路三(正面路線)の路線価を二七万四〇〇〇点と付設した。 (六) 本件土地三及び四の1の評価に当たっては、間口狭小補正率は〇・九七、奥行長大補正率は〇・九八を本件正面街路三の路線価に乗じて、単位地積当たりの評点を二六万〇四六四点とし、さらに、評点一点当たり一円として、これに面積を乗じることにより、本件土地三及び四の1の価格を決定した。また、本件土地四の2については、公衆用道路であるので非課税とした。 四争点本件の争点は、本件各土地の登録価格の評価の適否であり、評価の適否について具体的に問題となる点とそれに関する当事者の主張は次のとおりである。なお、町田市長がした本件各土地の評価のうち、前記三1(一)(三)(四)、2(一)ないし(四)、3(二)(三)については、原告も積極的には争っていない。 1 本件土地一及び二の土地の評価について(原告正常の主張)(一) 雑種地の評価方法本件土地一及び二の現況を前提とすれば、右各土地は、取扱要領が定める「市街化宅地評価法適用地区の雑種地」と「その他の宅地評価法適用地区の雑種地」との中間に位置付けられるべき雑種地である。そして、取扱要領においては「その他の宅地評価法適用地区の雑種地」について〇・五の減価率が認められていることに照らし、中間に位置する右各土地の減価率についてはその中間値である〇・七五をとることが、「雑種地の評価は、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその 減価率が認められていることに照らし、中間に位置する右各土地の減価率についてはその中間値である〇・七五をとることが、「雑種地の評価は、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法による」旨定めた評価基準に合致する。 (二)正面路線の幅員被告は、街路条件において、本件正面路線一の幅員が三・八メートルであるのに対して、本件主要な街路一の幅員が一・八メートルであることから、道路条件において九パーセントの増額補正を認めている。しかしながら、本件正面街路一は公道へ出るための私道であり、たまたまそこが広がっているだけで、本件正面街路一に至る公道の幅員は一・八メートルないし二・七三メートルにすぎない。したがって、本件正面路線一と本件主要な街路一との間に格差はないというべきである。 (三) 以上によれば、本件土地一及び二の適正な評価額は、別紙四の「原告の主張」欄記載のとおりである。 (被告の主張)(一) 市町村長は、評価基準によって固定資産の価格を決定しなければならないところ、評価基準第1章第3節2において、宅地の評点数は、市街化評価適用地区とその他の宅地評価法適用土地とに分けて、それぞれ異なる評価法によって付設されることに定められており、両地区の中間というものは評価基準上存在しない。雑種地の評価についても、比準すべき対象の宅地が両地区に分けて評価される以上、雑種地も両地区に分けて評価されることにならざるを得ないのである。よって、原告の主張は、法三八八条に反し認められない。 (二) 大量一括処理の必要のある固定資産評価においては、一律に比準表に照らして補正するほかなく、個別の土地価格の鑑定の場合のように個別的な要因を評価に反映することはできない。そのような個別の土地の不都合は、いわゆる七割評価によって結果的にカバー ては、一律に比準表に照らして補正するほかなく、個別の土地価格の鑑定の場合のように個別的な要因を評価に反映することはできない。そのような個別の土地の不都合は、いわゆる七割評価によって結果的にカバーされているものである。 2 本件土地三及び四の平成九年度の評価について(原告bの主張)(一) 本件土地四は、位置指定道路であり、両側にL型側溝が整備され、路面もアスファルト舗装され、道路としての機能を発揮すべく整備されており、宅地との区分は明確である。しかも、別紙三記載のとおり、原告らはもちろん、周辺土地に存する建物等の居住者が生活用道路として使用している。 このように、本件土地四は専ら道路としての用に供されており、もはや、道路以外に使用することはできないものである。 (二) したがって、本件土地三及び四を一体として宅地と評価するのは相当ではなく、本件土地四については、その西側にある本件正面街路二と分離して独自に路線価を付し、その路線価によって本件土地三の価格を評価すべきであるから、平成九年度の本件土地三及び四の登録価額は取り消されるべきである。 (被告の主張)(一) 本件土地四は、行き止まりの通路であり、主として袋地である本件土地三のための通路であって、多数の不特定の一般公衆が何らの制約なく通り抜けできる通路ではなく、それを利用する者も自ら限られている。したがって、本件土地四は、法三四八条二項五号にいう「公共の用に供する道路」とはいえない。なお、平成九年度においては、本件土地四について固定資産非課税申請書の届出がなく、本件非課税決定通知はなされていなかったものである。 (二) 本件土地四は、本件土地三の宅地のための通路であり、その効用を果たすために必要な土地として、本件土地三と一体として利用されているので、これらを一画地の宅地として認定すべ なかったものである。 (二) 本件土地四は、本件土地三の宅地のための通路であり、その効用を果たすために必要な土地として、本件土地三と一体として利用されているので、これらを一画地の宅地として認定すべきである。 3 本件土地三及び四の平成一〇年度の評価について(原告bの主張)(一) 前記2(一)と同じ(二) 本件土地四の一と2とは、一体となった道路であって、いずれの部分も道路以外の用途には用いることができず、宅地として建物を建てることもできない。また、地目の認定は、部分的に僅少の差異が存するときでも一筆の土地全体としての状況を観察して認定すべきものである。したがって、本件土地四を二分して異なった評価をすることは妥当ではない。 (三) 本件土地三は、本件土地四に直接接しない死地が全体の四割弱を占めることから、「相当に不整形地」な土地というべきである。 (四) 以上によれば、本件土地三及び四の適正な評価額は、別紙四の「原告の主張」欄記載のとおりである。 (被告の主張)(一) 本件土地四の1は、専ら原告所有の共同住宅の利用者の通行の用に供する部分であり、不特定多数の一般公衆の通行に供するものではない。このことから、本件土地四の2についてのみ、本件非課税決定通知がなされたものである。なお、右決定通知に至る調査の際には、本件土地四の公道からの入り口付近に車の進入を制限するための収納式ポールが設置されていることが判明し、町田市においてその撤去を求めたという経緯がある。 そして、本件土地四の1は、本件土地三の宅地のための通路であり、本件土地三と一体として利用されているので、これらを一画地の宅地として認定すべきである。 (二) 本件土地三は、すべて原告所有の共同住宅の敷地として現に使用されており、実際に死地にはなっていないから「相当に不整形」な土地と 用されているので、これらを一画地の宅地として認定すべきである。 (二) 本件土地三は、すべて原告所有の共同住宅の敷地として現に使用されており、実際に死地にはなっていないから「相当に不整形」な土地ということはできない。なお、仮に取扱要領に従って不整形地補正をするとしても、本件土地三は「やや不整形」というべきである。 第三当裁判所の判断一適正な時価(法三四一条五号)の意義について 1 固定資産税は、固定資産課税台帳に登録された固定資産の価格を課税標準とし(法三四九条一項、三四九条の二)、原則として固定資産の所有者に対して(法三四三条一項)、資産の所有という事実に着目して課税される財産税であり、資産から生ずる現実の収益に着目して課税される収益税とは異なるものである。このような固定資産税の性質からすると、その課税標準又はその算定基礎となる土地の「適正な時価」(法三四一条五号)とは、正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解すべきものである。 2 適正な時価の意義が右のようなものであることと、法が土地の登録価格の決定に当たって評価基準によって当該土地を評価すべきものとしていることからすると、登録価格の決定に当たり評価基準を忠実に適用しなかった場合(評価に用いた取扱要領が評価基準の趣旨に反する場合を含む。)には、当該登録価格は、賦課期日における客観的な時価を表わしているか否かにかかわらず、法に反するものと評価せざるを得ないのであるが、法は、評価基準自体が賦課期日における客観的な時価を求めるのにふさわしいものであることを要求しているものというべきであるから、評価基準及びそれを受けて作成された取扱要領(以下「評価基準等」という。)を忠実に運用したとしても、その結果が客観的な時価を表わさない場合は、その限 あることを要求しているものというべきであるから、評価基準及びそれを受けて作成された取扱要領(以下「評価基準等」という。)を忠実に運用したとしても、その結果が客観的な時価を表わさない場合は、その限度で評価基準等に問題があるというべきであり、それによって決定された登録価格もまた法の趣旨に反するものというほかない。 二本件土地一及び二の評価について 1 本件土地一及び二につき市街地宅地評価法を適用した被告の評価が適正であるか否か(一) 町田市の取扱要領(乙二)は、「その他の雑種地」の評価につき、当該土地が宅地であるとした場合の価額を付近の土地の価額に比準ずる方法によって求め、その価額から「通常必要と認められる造成費に相当する額」を控除して求めることとしており、具体的には、市街地宅地評価法適用地区の雑種地については、宅地の画地計算法を適用し、造成費を控除する方法によって評価し、その他の宅地評価法適用地区の雑種地については、市街化区域においては、宅地の価額に「〇・八五」の補正率を乗じ、市街化調整区域においては「〇・四〇」の補正率を乗じる方法により評価するものとし、右のほか、雑種地であることによる特別の減価補正はしていない。 ところで、評価基準によれば、雑種地の評価は、ゴルフ場等の用に供する土地の評価及び鉄軌道用地の評価を除き、原則として、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法によるものとされ、市町村内に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとされているところ(評価基準第1章第1〇節一)、弁論の全趣旨によれば、町田市においては、雑種地の売買実例が少なく、右売買実例から雑種地の適正な時価を求めることは困難であることが認められるか るものとされているところ(評価基準第1章第1〇節一)、弁論の全趣旨によれば、町田市においては、雑種地の売買実例が少なく、右売買実例から雑種地の適正な時価を求めることは困難であることが認められるから、「その他の雑種地」の評価について、当該土地が宅地であるとした場合の価額を付近の宅地に比準して求めるものとしている町田市の取扱いは、評価基準に従ったもので適法というべきである。しかし、取扱要領が市街地宅地評価法適用地区の雑種地とその他の宅地評価法適用地区のそれとの間で評価方法に区別を設けている点は、これを例外なく一律に適用すると、評価基準が要求している「土地の位置、利用状況等」の考慮を欠くものとなる可能性があるから、その適用に当たっては、右の考慮に基づいた適切な例外的取扱をしてはじめて評価基準に適合する場合もあるというべきである。 (二)そこで本件土地一及び二について検討するに、前記第二の二記載の前提となる事実に証拠(甲一、四、五及び六(各枝番を含む)、一〇、乙一一、一二の1、一四の1、一五の1)及び弁論の全趣旨を併せれば、以下の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。 (1) 本件土地一及び二は、JR東日本横浜線淵野辺駅から約三キロメートルに位置する谷底平野の傾斜地の一角にあり、周囲は農家と住宅とが混在する第一種住居専用地域となっている。本件正面街路一は、別紙一及び二記載のとおり、本件主要な街路一にコの字型で接続する道路で、本件土地二がこれに接する部分は勾配が約一〇パーセントの坂道となっている。 (2) 本件土地一、二及びこれに隣接する四五四番一七の土地の原告aの前の所有者は、右各土地等の上に住宅を建築すべく昭和六一年一月二七日付けで建築基準法による建築確認(第二五六二号)をとったが、結局、建築を中止している。また、本件土地一、二に 番一七の土地の原告aの前の所有者は、右各土地等の上に住宅を建築すべく昭和六一年一月二七日付けで建築基準法による建築確認(第二五六二号)をとったが、結局、建築を中止している。また、本件土地一、二に隣接する四五四番一の土地の原告aの前の所有者は、昭和六三年七月二五日付けで、同土地につき宅地造成工事を行うための許可(六三多東開規許可第四三号)を得たが、基礎調査のみ行ったに止まり、造成工事は行わなかった。 (3) 原告aは、昭和六一年七月一〇日、本件土地一、二及び四五四番一七の土地を交換契約により取得し、また、平成元年四月一〇日、四五四番一の土地を売買契約により取得した。 (4) 原告aは、平成二年三月ころ、四五四番一の土地につき、擁壁工事に多額の費用を要すること、造成した後の土地利用効率が右土地の面積のみでは非常に悪いこと、本件土地一、二及び四五四番一七の土地と同時に造成することがより有効であるところ、そのためには造成計画、造成面積及び内容を大幅に変更せざるを得ないことを理由として、当面現状のまま利用し、造成する場合は、改めて造成の許可を申請するとして、東京都多摩東部建築指導事務所長cに対し、造成工事の中止を届け出た。右届けは、同月二七日、受理された。 (5) 本件土地二は、幅約七・七一メートル、奥行き一三・三五八メートルの矩形の土地であり、建築基準法四二条一項三号に規定する道路である本件正面街路一と約〇・九メートルないし約一・八五メートルの段差で接しており、本件正面街路一との境には擁壁工事がされ、階段が設置されている。 本件土地一、二及び付近の土地の高低差はおおむね別紙二記載のとおりであり、本件土地二から本件土地一にかけて、緩やかな上り斜面となっているが、本件土地二はおおむね平坦である。 本件土地一の南側にある四五四番一〇の土地は急斜 土地の高低差はおおむね別紙二記載のとおりであり、本件土地二から本件土地一にかけて、緩やかな上り斜面となっているが、本件土地二はおおむね平坦である。 本件土地一の南側にある四五四番一〇の土地は急斜面の崖及び山林となっており、本件土地一は、四五四番一〇の土地の崖の下付近に位置している。また、本件土地一及び二の西側には、原告a所有の四五四番一七の土地及び四五四番一の土地が続き、これらは比較的急な斜面となっている。四五四番一〇、一七及び一の各土地の最も高い地点は、本件土地二の最も低い地点に比べて一〇メートル以上高い位置にある。 本件土地一及び二の東側付近には住宅が存在するが、四五四番一〇の土地のさらに南側には寺院があり、その敷地内には墓地も存在する。 (6) 原告aは、本件土地二のうち、約三〇平方メートルの土地(これは本件土地二の面積(約一〇三平方メートル)の約二九パーセントに当たる。)でヤマトイモを栽培している。右耕作部分は、小さな畝が造られており、また、本件土地一と二との境界付近に建っている小屋には、耕作に用いる農具等が収納されている。 本件土地二には外縁を縁どるような形で樹木がまばらに生育しているほか、雑草が繁茂しており、畑部分以外について、原告aが何らかの積極的な利用をしている形跡は窺われない。本件土地一には、比較的まばらに背の低い竹林が生えている。 (7) 本件土地一、二及び四五四番一七の土地は、昭和五八年一一月一五日に行われた昭和五八年度の土地現況調査に基づき、一括して雑種地と認定され、昭和五九年度より雑種地として固定資産税を課税されてきた。 平成六年度の評価替えにおいても、当初は従前どおり右三筆が一括して雑種地と認定されていたが、右評価替えに伴う固定資産課税台帳の縦覧の際に、原告aから右地目の認定につき不服の申立てがあったこと た。 平成六年度の評価替えにおいても、当初は従前どおり右三筆が一括して雑種地と認定されていたが、右評価替えに伴う固定資産課税台帳の縦覧の際に、原告aから右地目の認定につき不服の申立てがあったことから、右地目について見直しが行われ、その結果、四五四番一七の土地は四五四番一の土地と一体の山林とみるべきであるとして、本件土地一及び二とは分けて山林として評価されることとなった。 (三) 以上の認定事実によれば、右各土地は、農地と住宅とが混在する第一種住居専用地域にあり、用途区分では普通住宅地に分類されること、本件土地二は、本件正面街路一と約〇・九メートルないし約一・八五メートルの段差で接するおおむね平坦な土地であり、本件正面街路一との境には擁壁工事がされ、階段が設置されるなど造成工事が行われており、また、前所有者において右各土地等に住宅を建築すべく建築確認を得たことがあること、右各土地には小屋が建築されており、東側に隣接する土地の利用状況等からみていつでも宅地化できる状況にあることが認められるものの、他方、その位置が最寄駅からかなり離れており、しかも急斜面を隔てた南側には寺院や墓地があることからすると、土地の位置自体からしても、宅地としての需要が高いとは考えられないし、付近の山林が南側及び西側を取り囲む中ですり鉢の底のような状態をなしており、殊に南東及び南西の二方向は高さ約一〇メートルの法地に囲まれており、冬場は日照に優れず、崖崩れの危険があるなど住宅地とするには必ずしも適当とはいえない環境にあること、その利用状況をみても、その三割程度の部分が畑として利用されているが、その余の部分には竹木や雑草が生えていること、宅地として造成するためには多額の造成費がかかり、現在のところ、原告aにおいてもこれを造成する計画を有していないこと等の事情が認め して利用されているが、その余の部分には竹木や雑草が生えていること、宅地として造成するためには多額の造成費がかかり、現在のところ、原告aにおいてもこれを造成する計画を有していないこと等の事情が認められる。 右認定の本件土地一及び二の位置、現況及び利用状況等に照らせば、これらの土地は客観的にみて宅地化を前提とした評価をすることは不適当な土地というべきであり、現況の利用状況を前提として宅地との価格差を求めるべきものと考えられるから、被告が、取扱要領に基づき、右各土地を、主として市街地的形態を形成する地域に属するものとして、市街化宅地評価法を適用し、宅地とした場合の価格から造成費用を控除するにとどめたことは、評価基準が「土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求めるものとする」としていることに沿わないものであり、適正を欠くものというべきである。すなわち、評価基準に従って右各土地を評価するに当たっては、標準宅地に比準して住宅地とした場合の右各土地の価額を求めた上、右認定の本件土地一及び二の現況及び利用状況等がそのまま維持されることを想定し、そのような土地と宅地との価格差に応じた減価を施すべきであるが、その減価の割合は、右の想定による限り、原告が主張する二割五分を下回るものではないと認めるのが相当である。(なお、取扱要領は、前記(一)認定のとおり、その他の宅地評価法適用地区の雑種地については、市街化区域においては、宅地の価額に「〇・八五」の補正率を乗じ、市街化調整区域においては「〇・四〇」の補正率を乗じる方法により評価するものとしているが、右の評価方法を、本件土地一及び二の評価を行うにつき適用することが、評価基準に照らして合理的であると認めるに足りる的確な証拠はない。)(四) これに対し、被告は、市街地宅地評価法適 のとしているが、右の評価方法を、本件土地一及び二の評価を行うにつき適用することが、評価基準に照らして合理的であると認めるに足りる的確な証拠はない。)(四) これに対し、被告は、市街地宅地評価法適用地区かその他の宅地評価法適用地区のいずれか一方を採用すべきものと主張する。しかしながら、評価基準自体は、雑種地について、主として市街地的形態を形成する地域にある雑種地と、主として市街地的形態を形成するに至らない地域にある雑種地とに二分して評価することを定めておらず、右の区分は、取扱要領が付近の土地の価額に比準する指標として採用したものにすぎない。そして、評価基準は、土地の位置を考慮すべきものとしているが、その趣旨は右のように単純な分類によって大幅に異なった評価方法を一律に適用することを許すものとは考え難いし、評価基準が土地の位置のほかに土地の利用状況等も考慮すべきものとしていることからすれば、雑種地の所在のみを指標とする比準方法を機械的に適用することが相当でないと認められる場合には、雑種地の態様に応じて比準方法に相当な修正を加える必要があり、これをしないまま一律に前記の区分のみを指標として評価することは、評価基準に適合するものとはいえず、固定資産の評価について法によって市町村長に認められた裁量判断の範囲を逸脱するものとして許されないというべきである。そして、本件土地一及び二は、主として市街地的形態を形成する地域に所在するけれども、宅地化が容易ではなく、その現況、利用状況等土地の実情からみて、取扱要領による右地域の宅地の価額に比準する方法が相当でないことは前示のとおりである。 2 正面路線一の路線価が適正であるか否か(一) 評価基準によれば、その他の街路の路線価は、近傍の標準宅地に沿接する主要な街路の路線価に比準して付設するものとされている ことは前示のとおりである。 2 正面路線一の路線価が適正であるか否か(一) 評価基準によれば、その他の街路の路線価は、近傍の標準宅地に沿接する主要な街路の路線価に比準して付設するものとされている。 (二) 証拠(乙一五の1)によれば、町田市長は、本件正面街路一について路線価を付設するに当たり、本件主要な街路一の幅員が一・八メートルであるのに対し、本件正面街路一の幅員が三・八メートルであることから、町田市土地価格比準表に従い、両街路の格差を九パーセントと評価し、本件主要な街路の価格に一〇九パーセントを乗じて本件正面街路一の価格を求めていることが認められる。 (三) しかしながら、証拠(甲六の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、本件正面街路一は公道からコの字形に入り込んで再び同一の公道へ出るための私道であって、右街路に至るまでの公道はすなわち本件主要な街路一であって、その幅員は一・八二メートルないし二・七三メートルと狭くなっており、本件正面街路に沿接する土地は全体として主要な街路から入り込んだ独立の小規模な一団の区画を形成していることが認められるところ、右一団の区画に属する土地は、主要な街路から入り込んでいることにより、特段の事情がない限り、同街路に直接沿接している土地に比べて宅地の利用上の便が良いとはいえず、経済的価値の面でも同等以上のものではないとみるのが相当であって、小規模の区画内の街路の幅員が三・八メートルと主要な街路より広いという程度の事情は右にいう特段の事情には該当しないし、他に右特段の事情の存在を窺わせるに足りる証拠はない。そうすると、町田市土地価格比準表(乙一七)を単純に適用し、本件正面街路一の幅員が三・八メートルであることを増額要素とすることは、双方の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮したものとはいえず、評価基準に反す 町田市土地価格比準表(乙一七)を単純に適用し、本件正面街路一の幅員が三・八メートルであることを増額要素とすることは、双方の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮したものとはいえず、評価基準に反するものというべきである。 (四) 被告は、右街路に至るまでの公道が狭小である点も七割評価通達等に基づく三割減価に含まれる旨主張するが、右通達に基づく七割評価は、評価基準に従った評定をしてもなお適正な時価を超える事態がないとはいえないために、そのような事態の発生を防止するためのものであるところ、右のとおり増額要素に該当しないにもかかわらず九パーセントの増額を行うことは、評価基準に違背するものであって、その結果が適正な時価といかなる関係にあるかにかかわらず違法というほかないから、被告の右主張は採用できない。 3 以上によれば、本件土地一及び二の評価は、法及び評価基準に基づき別紙四「当裁判所の判断」欄記載のとおりとすべきであるところ、右各土地に関する平成九年度の登録価格に係る決定は、これに反する違法なものとして取り消されるべきである。 三平成九年度における本件土地三及び四の評価について 1 本件土地三及び四を一画地としてした評価が適正であるか否か(一) 評価基準第1章別表第3の2は、隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、一体をなしていると認められる場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする旨定めている。 (二) これを本件についてみると、前記第二の二2記載のとおり、本件土地四が位置指定道路であることは当事者間に争いがなく、証拠(甲七の3ないし5、乙二〇、二二の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、現に両側にL型側溝が整備され、路面もアスファルト舗装され、道路としての機能を果たすべく整備されており、宅地との区分 がなく、証拠(甲七の3ないし5、乙二〇、二二の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、現に両側にL型側溝が整備され、路面もアスファルト舗装され、道路としての機能を果たすべく整備されており、宅地との区分は明確であること、原告bは、公道との境界付近に車止めを設置したこともあったが、その後撤去し、現在のところ、ここを通行しようとする者に対し何らの制約を課していないこと、本件土地三にあるアパート(合計一一戸)のほか、一三〇四番二の土地にある建物(合計二戸)、一三〇四番五の土地にある建物(合計八戸)の各居住者等において、歩行したり、自転車、自動二輪車あるいは自動車等で通行したりしていることが認められる。 (三) 右事実によれば、本件土地四は、位置指定道路として、法律上建物の建築が禁止され、もはや宅地としては使用できない状態にあり、現に不特定多数の者が制限なく通行できる道路の用に供されているものといえるから、被告がこれと宅地である本件土地三とを一体として一画地としたことは適正ではない。右に反する被告の主張は採用できない。 2 そうすると、本件土地三及び四を一体をなす一画地の宅地としてした評価は、評価基準に反するものであるところ、右各土地を別々の画地とすることを前提としてその評価を行うと、本件土地三の正面路線が本件土地四となってその路線価が大幅に下がることとなり、右各土地の登録価格は大幅に減額されるべきこととなるから、現にされた登録価格が、客観的時価を上回るか否かにかかわらず、右各土地に関する平成九年度の登録価格に係る決定は取り消されるべきであり、後記四に準じた評価方法により改めて登録価格が決定されるべきである。 四平成一〇年度における本件土地三及び四の評価について 1 本件土地四を二つに区分し、そのうちの一部(本件土地四の1)を本件土地三と一体をなす 評価方法により改めて登録価格が決定されるべきである。 四平成一〇年度における本件土地三及び四の評価について 1 本件土地四を二つに区分し、そのうちの一部(本件土地四の1)を本件土地三と一体をなすものとして評価したことが適正か否か。 (一) 評価基準第1章別表第3の2は、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする旨定めている。 これに対し、取扱要領は、道路位置指定の土地で公衆用道路として認定できないものは建物の敷地と同一画地として認定する旨規定しているところ(第1章Ⅲ2(3)ス)、右規定は、評価基準の定めるとおり、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合に適用される限度において、合理性があるというべきである。 (二) 以上の観点から本件土地三及び四についてみると、前記三1(二)記載のとおり、本件土地四は、その全体が位置指定道路とされ、もはや宅地として利用できないものであり、不特定多数の者が制限なく通行できる道路の用に供されているものといえるから、これを本件土地四の1と同2とに区分した上、本件土地四の2を一画地と判断したことは適正ではない。したがって、本件土地三及び四は、それぞれ一筆ごとに一画地として評価すべきである。 なお、取扱要領は、貸家住宅内の通路等、家屋と同一所有者のものは非課税としない旨規定している(第2章第5節3)ところ、非課税とするかどうかは法三四八条該当性の問題であり、画地の認定とは別の問題であるから、右規定は、非課税とすべき部分が 家屋と同一所有者のものは非課税としない旨規定している(第2章第5節3)ところ、非課税とするかどうかは法三四八条該当性の問題であり、画地の認定とは別の問題であるから、右規定は、非課税とすべき部分があること(あるいは非課税申請書の届出を受けて町田市において非課税と認めた部分があること)をもって、直ちにそれに応じた画地の認定をすべきことを定めたものとは解することはできない。 2 本件土地三に関する画地計算(一) 不整形地補正原告は、本件土地三が凹型をしており、取扱要領にいう「相当に不整形な土地」に該当することから、不整形地補正を行い、その補正率として〇・九〇を採用すべきであると主張する。 そこで検討するに、評価基準は、各筆の宅地の評点数は、各筆の宅地の立地条件に基づき、路線価を基礎とし、画地計算法を適用した評点数を付設するものとしているところ、画地計算法の一つとして、不整形地については所要の補正を加えるものとしている。すなわち、不整形地の価額については、整形地に比して一般に低くなるものであるから、奥行価格補正割合法等によって計算した単位当たり評点数に、「不整形補正率表」(当該画地が所在する用途地区の標準的な画地の形状・規模からみて、不整形度を「普通」から「極端に不整形」までに区分し、それぞれに応じた補正率を定めたもの)によって求めた不整形地補正率を乗じて当該不整形地の単位当たり評点数を求めるものとし、当該画地に間口狭小補正率表、奥行長大補正率表の適用があるときは、間口狭小補正率、奥行長大補正率、両補正率を乗じた結果の率、間口狭小補正率と不整形地補正率を乗じた結果の率及び不整形補正率のうち、補正率の小なる率(下限〇・七〇)を乗じて評点数を求めることとしている。 そして、取扱要領(乙二)は、不整形地とは、画地の形状が悪いことによってそ 地補正率を乗じた結果の率及び不整形補正率のうち、補正率の小なる率(下限〇・七〇)を乗じて評点数を求めることとしている。 そして、取扱要領(乙二)は、不整形地とは、画地の形状が悪いことによってその全部が宅地として有効に利用できない画地をいうと定義した上、評価基準と同様の計算方法を定め、「普通」ないし「極端に不整形」までの形状の例を例示しているところ、右は評価基準に沿ったものとして合理性が認められる。 よって、本件土地三について、取扱要領に従った不整形地の評価をすることとし、本件土地三の形状、規模についてみると、証拠(乙二〇)によれば、本件土地三は、別紙三記載のとおりの凹型の形状であるから、その欠けた部分(約四二平方メートル)を補填した長方形(辺の長さは約二三メートル及び一八メートル)を想定整形地と考えて、不整形の度合いを判定すべきと解されるところ、本件土地三の形状及び規模を勘案すれば、取扱要領に照らして、これを「やや不整形」とし、不整形地補正率〇・九八を採用することが相当であると解される。よって、原告の不整形地補正に関する主張は、右の限度で認められるべきである(二) その他の補正被告は、本件土地三について、奥行長大補正をしているが、右想定整形地について奥行長大補正をする必要は認められない。 他方、本件土地三の間口については、取扱要領に従い、間口が屈折しているものとして間口の両端の直線距離によるべきであるから、間口狭小補正が行われるべきである。 (三) 以上によれば、本件土地三の評価には、法及び評価基準に違反する部分があり、右の部分に関しては別紙四「当裁判所の判断」欄記載のとおりとすべきであるが、右土地に関する平成一〇年度の登録価格は、結果的に当裁判所が適正と判断した額と一致するから、右登録価格に係る決定は取り消されるべきものと しては別紙四「当裁判所の判断」欄記載のとおりとすべきであるが、右土地に関する平成一〇年度の登録価格は、結果的に当裁判所が適正と判断した額と一致するから、右登録価格に係る決定は取り消されるべきものということはできない。 3 本件土地四に関する評価(一) 被告は、本件土地四の1につき、本件土地三と合わせて一画地として評価しているところ、右の画地の認定が違法であることは前記1で判示したとおりである。 そして、本件土地四を一画地として見た場合、その正面路線は本件正面路線二(公道)となるものと解される。 (二) 原告は、本件土地四につき、間口狭小補正、奥行補正、奥行長大補正をすべきことを主張する。 そこで検討するに、評価基準は、各筆の宅地の評点数は、各筆の宅地の立地条件に基づき、路線価を基礎とし、画地計算法を適用した評点数を付設するものとしているところ、画地計算法として、奥行価格補正、間口狭小補正、奥行長大補正の所要の補正を加えるものとしており、取扱要領は、それに沿ったものとなっており、右は評価基準に沿ったものとして合理性が認められる。 そこで、本件土地四について取扱要領に従った評価をすることとし、本件土地四についてみるに、証拠(乙二〇)によれば、本件土地四は、その長辺において屈曲した部分があるものの、概ね長方形(間口約四メートル、奥行約三〇メートル)の形状をしていることが認められる。そうすると、本件土地四については、取扱要領別表1―2の定める奥行価格補正率〇・九七(併用住宅地区、奥行距離二八メートル以上三二メートル未満)、同別表5の定める間口狭小補正率〇・九七(併用住宅地区、間口距離四メートル以上六メートル未満)、同別表6の定める奥行長大補正率〇・九二(併用住宅地区、奥行距離を間口距離で除した数が七以上八未満)が適用されるべきこととなる。 正率〇・九七(併用住宅地区、間口距離四メートル以上六メートル未満)、同別表6の定める奥行長大補正率〇・九二(併用住宅地区、奥行距離を間口距離で除した数が七以上八未満)が適用されるべきこととなる。 (三) さらに、原告は、私道補正をすべきことを主張する。 そこで検討するに、評価基準は、私道の評価方法について特段の規定をおいていないが、各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとするが、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の付表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする旨定めており(第3節二4)、右の「所要の補正」の一つとして、私道に関する補正を行うことを想定していると解される。 これに対して、取扱要領は、道路位置指定を受けた土地で公衆用道路として認定できないものは建物の敷地と同一画地の宅地として認定する旨規定し(第1章Ⅲ2(3)ス)、また、「私道の評価の取扱い」と題する節において、私道の評価について四つの適用区分を設け、非課税とするかどうかについて基準を設定している(第2章第5節)が、他に、私道の評価に当たり画地計算において補正をすべきことを定めた規定は存在しない。 しかしながら、一般に、通路としての外観を有し、実際にも複数の者が通路として使用し、専ら通路の役割を果たしている私道は、公衆用道路として非課税とされないものであっても、宅地に比較して価値の劣るものであることに照らすと、右の取扱要領を例外なく一律に適用すると、評価基準が要求している「宅地の状況に応じ」の考慮を欠くものとなる可能性があるから、その適用に当たっては、右の考慮に基づいた適切な例外的取扱をしてはじめて評価基準に適合する場合もあるというべきである。そして、他の地方公共団体における取扱要領において 欠くものとなる可能性があるから、その適用に当たっては、右の考慮に基づいた適切な例外的取扱をしてはじめて評価基準に適合する場合もあるというべきである。そして、他の地方公共団体における取扱要領において、右の補正を行うこととしているものがあること(例えば東京都固定資産(土地)評価事務取扱要領(平成九年度)においては、路線価を付設した未分筆私道等のうち行き止まり私道は奥行及び間口にかかわらず、路線価の二〇パーセントと評価している。)、また、相続税等における土地等の評価を行うために定められた財産評価基本通達において、私道の用に供されている宅地の価格は、路線価方式等により計算した価額の一〇〇分の六〇に相当する価額によって評価することとされていることは、当裁判所に顕著である。 そこで本件土地四についてみるに、前記三1(二)で認定したとおり、本件土地四は、その全体が位置指定道路とされ、もはや宅地として利用できないものであり、不特定多数の者が制限なく通行できる道路の用に供されているものといえるから、その減価の割合は、原告が主張する四割を下回るものではないと認めるのが相当である。 (四) 以上によれば、平成一〇年度の本件土地四の評価につき、法及び評価基準を正しく適用すると、別紙四「当裁判所の判断」欄記載のとおり、本件土地四全体の一平方メートル当たりの単価は二三万一六四二円を上回らないというべきである。(なお、記録上、右計算における本件正面街路二の路線価は明らかではないが、平成九年度の路線価格算定表(乙一五の2)における比準率に基づき、これを四四万六〇〇〇円と推定して計算したものである。)しかるところ、町田市長は、本件土地四の全体につき単価を一平方メートル当たり二六万〇六四六円と評定し、平成一〇年度の本件土地四の1の登録価格を一一六一万九二九九円と 推定して計算したものである。)しかるところ、町田市長は、本件土地四の全体につき単価を一平方メートル当たり二六万〇六四六円と評定し、平成一〇年度の本件土地四の1の登録価格を一一六一万九二九九円とし、本件土地四の2については非課税であることから登録価格を〇円としている。そして、本件土地四は一筆の土地ではあるが、一筆の土地を二つの画地に区分して登録価格が付されていることからすると、これらに対してなされた被告の決定の適否は右区分に従って判断されるべきところ、本件土地四の2の登録価格については、右の正しい評価を上回るものではないから、これを取り消す必要はないが、本件土地四の1に関する平成一〇年度の登録価格は、法及び評価基準を正しく適用した評価を上回るものであるから、右に係る決定は取り消されるべきである。 五よって、原告aの請求並びに原告bの請求のうち、平成九年度の登録価格に係る決定の取消しを求める部分及び本件土地四の1について固定資産課税台帳に登録された平成一〇年度の価格に係る審査申出を棄却する旨の決定の取消しを求める部分は理由があるからこれを認容し、原告bのその余の請求は理由がないから棄却し、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六一条、六四条本文を適用して、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官藤山雅行裁判官谷口豊裁判官加藤聡
▼ クリックして全文を表示