平成14(あ)126 殺人被告事件

裁判年月日・裁判所
平成17年4月7日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,386 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人五十嵐利之久,同塚田裕二,同内野眞紀の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,引用の判例が所論のような趣旨を示したものではないか,実質において量刑不当の主張であり,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,当時Aの幹部であった被告人が,共犯者らと共に,(1)同教団の出家信者(当時21歳)が,教団内で修行中に死亡した他の信者の死体の処理に関与した後,教団からの脱会を強く希望するようになったため,口封じ等を目的にこれを殺害し,(2) 同教団の被害対策弁護団の中心となり,教団に対抗する活動をしていた弁護士(当時33歳)とその妻(当時29歳),長男(当時1歳)を,その自宅において殺害したという事案である。 その動機は,教団の組織防衛のみを目的にするものであって酌量の余地がない。 取り分け,(2)の犯行は,正当な職務上の活動をしていた弁護士を,教団に敵対するとの一事をもって,その家族もろとも皆殺しにしたという,法治国家の秩序を一顧だにしない反社会性の極めて強いものである。 また,(1)の犯行は,被害者の頸部にロープを巻き,被告人を含む4人がかりでこれを引っ張って締め付け,更にその頸部を強くひねるなどして殺害したものであり,(2)の犯行は,被告人を含む6名で深夜弁護士方に押し入り,就寝中の被害者3名に対し,顔面を手けんで殴打し,あるいは,腹部に膝を打ち付け,首を締め付けるなどして,全員を窒息死させたものであり,犯行態様は,いずれも,組織的か- 1 -つ計画 方に押し入り,就寝中の被害者3名に対し,顔面を手けんで殴打し,あるいは,腹部に膝を打ち付け,首を締め付けるなどして,全員を窒息死させたものであり,犯行態様は,いずれも,組織的か- 1 -つ計画的で,冷酷,残忍である。結果は極めて重大である上,犯行後は,(1)の被害者の死体を長時間にわたって焼き尽くし,灰状にして地面にまいて捨て,(2)の各被害者の死体を県を異にする山中にそれぞれ埋めるなどして,犯跡の隠ぺいを図っている。被告人は,教団幹部の立場で各犯行に積極的に加わり,(1)の被害者に対しては直接ロープを引っ張る行為を行い,(2)の被害弁護士に対してはその首を腕で締め付けて窒息死させており,その果たした役割は,非常に重い。これらの事情に加え,遺族の処罰感情は厳しく,社会に与えた影響も大きい。以上のような事情に照らすと,被告人が,いずれの犯行についても自首し,反省していること,被害者らのめい福を祈っていることなど,被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の刑事責任は,極めて重大であるといわざるを得ない。したがって,被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官中村雄次公判出席平成17年4月7日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官島田仁郎裁判官泉徳治裁判官才口千晴- 2 - 裁判官才口千晴

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