平成14年(行ケ)第429号特許取消決定取消請求事件判決原告有限会社近清商店訴訟代理人弁理士竹中一宣被告浅井絞商事株式会社 主文 1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 1 特許庁が異議2001-72655号事件について平成14年7月8日にした「特許第3150946号の請求項1に係る特許を取り消す。」との決定を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 第2 当裁判所の判断 1 本件記録によれば,次の事実が認められる。 (1) 原告は,発明の名称を「絞り加工を利用した絞り染め縮み衣服」とする特許第3150946号の特許(平成10年9月1日特許出願,平成13年1月19日設定登録。以下「本件特許」という。請求項の数は1である。)の特許権者である。 本件特許に対し,特許異議の申立てがなされた。特許庁は,これを異議2001-72655号事件として審理し,その結果,平成14年7月8日,「特許第3150946号の請求項1に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,同年7月25日にその謄本を原告に送達した。上記事件において,弁理士竹中一宣が原告を代理した。 (2) 原告は,弁理士竹中一宣等を訴訟代理人に委任した上で,平成14年8月20日,被告を浅井絞商事株式会社として本件決定の取消しを求める訴え(以下「本件訴え」という。)を,東京高等裁判所に提起した。 (3) 原告は,行政事件訴訟法15条に基づき,被告を浅井絞商事株式会 日,被告を浅井絞商事株式会社として本件決定の取消しを求める訴え(以下「本件訴え」という。)を,東京高等裁判所に提起した。 (3) 原告は,行政事件訴訟法15条に基づき,被告を浅井絞商事株式会社から特許庁長官に変更するとの被告の変更許可の申立てを当裁判所に対しなした(当庁平成14年(行タ)第122号)。同申立てに対しては,却下するとの決定がなされ,これが確定した。 2 特許法179条本文は,取消決定に対する訴えにおいては,「特許庁長官を被告としなければならない。」と規定している。したがって,原告は,特許取消決定の取消しを求める本件訴えにおいては,被告を特許庁長官としなければならない。被告を浅井絞商事株式会社とする本件訴えは,被告適格を有しない者を被告とした不適法な訴えであることが明らかである。 3 以上のとおり,本件訴えは,不適法であり,かつ,その不備を補正することができないものであるから,民事訴訟法140条に基づき,口頭弁論を経ないでこれを却下することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官山下和明 裁判官設樂隆一 裁判官高瀬順久
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