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昭和39(オ)1487 所有権移転登記抹消登記手続請求

裁判所

昭和41年9月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所 昭和36(ネ)656

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2,550 文字

主文 原判決を破棄する。本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。理由 上告人A1代理人大友要助および上告人A2代理人大池竜夫の各上告理由について。論旨は、上告人A2が昭和三元年一一月五日日本件土地について代物弁済による所有権取得登記をした旨の原審の判断には、証拠に基づかないでこれをなした違法があり、また、本件代物弁済契約について、当初の債務額と目的物の価額とを比較してならば格別、一部弁済があつた後の残債務額と目的物の価額とを比較して右代物弁済契約による本件土地所有権の取得が公平の理念に背き信義則に反すると判断した原審は、民法一条の解釈を誤り審理不尽の違法を犯したものであるという。原判決によれば、原審は被上告人が昭和三元年九月二一日頃上告人A2から、一〇万円を利息月三分(月三、〇〇〇円の割合)各月末日払、弁済期日同年一二月二一日と定めて借り受けるとともに、被上告人所有の本件土地につき右弁済期日における被上告人の債務不履行を停止条件とする代物弁済契約を締結したところ、その後同上告人において弁済期日前である昭和三一年一一月五日すでに右停止条件が成就したとして本件土地につき所有権移転登記を経由したものであり、右弁済期日における被上告人の残債務額は同年一〇月および同年一一月分の利息合計六、〇〇〇円にすぎず、したがつて右六、〇〇〇円の代物弁済として時価八三万六、〇〇〇円相当の本件土地の所有権が被上告人から上告人A2に移転するとなすことは、著しく公平の理念に背き信義則に違反するものであつて、上告人A2は本件土地の所有権を取得するに由なく、また同上告人からDおよびEを経由して本件土地の所有権を取得したことを主張する上告人A1も、上告人A2がその所有権を取得しえなか- 1 -つたものである以上 は本件土地の所有権を取得するに由なく、また同上告人からDおよびEを経由して本件土地の所有権を取得したことを主張する上告人A1も、上告人A2がその所有権を取得しえなか- 1 -つたものである以上、やはりその所有権を取得するに由ないと判断していることが明らかである。 およびEを経由して本件土地の所有権を取得したことを主張する上告人A1も、上告人A2がその所有権を取得しえなか- 1 -つたものである以上 は本件土地の所有権を取得するに由なく、また同上告人からDおよびEを経由して本件土地の所有権を取得したことを主張する上告人A1も、上告人A2がその所有権を取得しえなか- 1 -つたものである以上、やはりその所有権を取得するに由ないと判断していることが明らかである。しかし、上告人A2が本件土地につき前記停止条件が成就したとして代物弁済による所有権取得登記を経由したのは昭和三二年一一月五日であることについて当事者間に争いのないことは、原判決の引用する一審判決の事実摘示の記載により明らかであり(これは、当事者間に成立に争いのない乙一号証および甲一二号証、本件土地の登記簿謄本の記載にも合致するところである。)、原審がなにゆえことさらに右所有権移転登記がなされたのが昭和三元年一一月五日であると判断したのか、その理由を知ることができないのであり、右判断は、ひつきよう、当事者の主張に対する原審の誤解に出たものといわざるをえない。また、停止条件付代物弁済契約は、その当事者間においては弁済期日に債務不履行のあつた場合に当初の債務全額の弁済に代えて目的物の所有権を移転する趣旨と解すべきであり、債務の一都の弁済があつた場合にも、その趣旨は異なるものではなくその残債務の弁済に代えて目的物の所有権を移転する趣旨と解すべきではない(昭和三九年(オ)第一三六七号、同四〇年一二月三日第二小法廷判決・民集一九巻九号二〇七一頁参照)。しかるに、本件にあつて、原審は、本件債務の残額六、〇〇〇円に対して本件土地が代物弁済に供されたものと判示しているのであり、この点において、原審には代物弁済契約の性質を誤解した違法があるものというべきである。もつとも、乙の点に関する原判示の趣旨は、債務の元本が全額弁済されて残債務が僅か二ヵ月分の利息合計六、〇〇〇円になつた以上、本件代物 には代物弁済契約の性質を誤解した違法があるものというべきである。もつとも、乙の点に関する原判示の趣旨は、債務の元本が全額弁済されて残債務が僅か二ヵ月分の利息合計六、〇〇〇円になつた以上、本件代物弁済によつて本件土地の所有権が移転したとする乙とは公平の理念に背き信義則に反すると判断している趣旨に解する余地がないでもないが、そのように解しうるとしても、弁済期日にすでに債務の大部分が弁済されていて残債務が僅少となつていたからといつて、特段の事情のないかぎり、そのことから直ちに代物弁済による所有権取得の効力を否定し去ることはできない。 債務が僅か二ヵ月分の利息合計六、〇〇〇円になつた以上、本件代物弁済によつて本件土地の所有権が移転したとする乙とは公平の理念に背き信義則に反すると判断している趣旨に解する余地がないでもないが、そのように解しうるとしても、弁済期日にすでに債務の大部分が弁済されていて残債務が僅少となつていたからといつて、特段の事情のないかぎり、そのことから直ちに代物弁済による所有権取得の効力を否定し去ることはできない。そ- 2 -して、本件記録によれば、乙の点につきかかる特別事情を窺える資料がないともいえないのであるから、原審は本件代物弁済の効果を否定するためには、宜しくこの点につきかかる特別事情の存在を判示すべきであつたのである。要するに、原審は代物弁済の性質に関する解釈或は民法一条の解釈を誤り、さらには審理不尽の違法を犯したものといわざるをえないから、原判決は、爾余の点に対する判断をまつまでもなく、破棄を免れない。しかして、本件は叙上の点についてさらに審理を尽くす必要があると認められるから、これを原審に差し戻すのが相当である。よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官長部謹吾裁判官入江俊郎裁判官松田二郎裁判官岩田誠- 3 - 田二郎裁判官 岩田誠

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