昭和55(行ツ)101 不当労働行為救済命令取消

裁判年月日・裁判所
昭和58年12月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和47(行コ)44
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人秋山泰雄、同山本博、同仲田晋の上告理由第一点について  論旨は、原判

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判決文本文2,666 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人秋山泰雄、同山本博、同仲田晋の上告理由第一点について  論旨は、原判決には理由不備又は理由齟齬の違法があるというが、原判決が所論 の点について言及しなかつたからといつて、理由不備又は理由齟齬となるものでは ない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。  同第二点について  所論の点に関する原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是 認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができな い。  同第三点及び第四点について  所論の点に関する原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是 認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、更に、原審の認定を前 提としても、新宿郵便局長の所論の発言は上告人組合の結成運営に対する支配介入 に当たると主張する。思うに、使用者の言論は、労働者の団結権との関係において 一定の制約を免れないが、原則的には使用者にも言論の自由は保障されており、労 使双方が自由な論議を展開することは、正常な労使関係の形成発展にも資するもの ということができる。ただ、ここで必要なことは、双方が公正かつ妥当な形で自己 の見解を表明することであり、その配慮を欠けば、労使関係の秩序を乱すことにも なりかねない。この意味において、労使間に対立の見られるような時期に、使用者 又はその利益代表者が労働者と個別的に接触し、労使関係上の具体的問題について 発言をすることは、一般的にいつて公正さを欠くものとの非難を免れず、場合によ - 1 - つては是正のための救済措置を必要とする事態に至ることも十分考えられるところ である。新宿郵便局長の所論の発言も、上告人組合に対立する労働組合の て公正さを欠くものとの非難を免れず、場合によ - 1 - つては是正のための救済措置を必要とする事態に至ることも十分考えられるところ である。新宿郵便局長の所論の発言も、上告人組合に対立する労働組合の結成が準 備されている時期において、同局長の自宅又は執務室で特定の職員に対してなされ たもので、その妥当性が疑われることは否定できない。しかしながら、その内容及 び原審認定の事実関係に照らせば、右発言をもつていまだ上告人組合の結成運営に 対する支配介入に当たるとまでいうことはできないとした原審の判断は、これを是 認することができ、原判決に所論の違法はない。右違法のあることを前提とする所 論違憲の主張は、失当である。論旨は、いずれも採用することができない。  同第五点及び第六点について  労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的 施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないこと が当該施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情 がある場合を除いては、当該施設を管理利用する使用者の権利を侵し、企業秩序を 乱すものであつて、正当な組合活動に当たらず、使用者においてその中止、原状回 復等必要な指示、命令を発することができると解すべきことは、当裁判所の判例と するところであり(最高裁昭和四九年(オ)第一一八八号同五四年一〇月三〇日第 三小法廷判決・民集三三巻六号六四七頁)、これと同旨の原審の判断は、正当とし て是認することができる。そして、原審の適法に確定した事実関係の下においては、 昭和四〇年五月一〇日新宿郵便局集配課休憩室において、同年六月七日及び同月一 一日同局四階年賀区分室付近において、それぞれ無許可で開かれた上告人組合D支 部の職場集会に対し、同局次長らの行つた解散命令等が不当労働行為を構成しな 郵便局集配課休憩室において、同年六月七日及び同月一 一日同局四階年賀区分室付近において、それぞれ無許可で開かれた上告人組合D支 部の職場集会に対し、同局次長らの行つた解散命令等が不当労働行為を構成しない とした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はな く、右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は失当である。論旨は、いずれ も採用することができない。 - 2 -  同第七点について  公共企業体等労働関係法二五条の五及び労働組合法二七条に規定する公共企業体 等労働委員会の救済命令制度は、使用者の不当労働行為により生じた事実上の状態 を右命令によつて是正することにより、正常な集団的労使関係秩序を回復させるこ とを目的とするものであつて、もとより使用者に対し懲罰を科すること等を目的と するものではないから(最高裁昭和三六年(オ)第五一九号同三七年九月一八日第 三小法廷判決・民集一六巻九号一九八五頁及び同昭和四五年(行ツ)第六〇・六一 号同五二年二月二三日大法廷判決・民集三一巻一号九三頁参照)、使用者による不 当労働行為の成立が認められる場合であつても、それによつて生じた状態が既に是 正され、正常な集団的労使関係秩序が回復されたときは、公共企業体等労働委員会 は救済の必要性がないものとして救済申立てを棄却できるものと解され、これと同 旨の原審の判断は、正当として是認することができる。そして、原審の適法に確定 した事実関係の下において、本件掲示物の撤去に関し救済の必要性がないとした原 審の判断は、これを是認することができる。原判決は所論の違法はなく、右違法の あることを前提とする所論違憲の主張は失当である。論旨は、いずれも採用するこ とができない。  よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官 全員一致の意見で、主文のとお の あることを前提とする所論違憲の主張は失当である。論旨は、いずれも採用するこ とができない。  よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官 全員一致の意見で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    横   井   大   三             裁判官    伊   藤   正   己             裁判官    木 戸 口   久   治             裁判官    安   岡   滿   彦 - 3 -

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