平成17(ワ)761 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年4月27日 京都地方裁判所
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判決文本文17,627 文字)

事件番号:平成17年(ワ)第761号事件名:損害賠償等請求裁判年月日:H18. 4.裁判所名:京都地方裁判所部:第6民事部結果:一部認容登載年月日:H18. 5.判示事項の要旨:女性の多い職場において,勤務時間後の食事会などで女性従業員に対して上司のセクハラなどがあったとして,同行為を行った上司及びその使用者である会社に対して不法行為に基づく損害賠償請求を認容した事例主文 被告らは,原告に対し,連帯して,110万円及びこれに対する平成17年4月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告アイフル株式会社は,原告に対し,50万9491円及び別紙未払賃金請求金一覧表記載の各未払賃金に対する各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告アイフル株式会社は,原告に対し,平成17年4月から平成18年1月まで毎月25日限り,1か月17万2506円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを3分し,その1を原告の,その余を被告らの各負担とする。 この判決は1ないし3項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 被告らは,原告に対し,連帯して,350万円及びこれに対する平成17年4月12日(本訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告アイフル株式会社(以下「被告アイフル」という。)は,原告に対し,50万9491円及び別紙未払賃金請求金一覧表記載の各未払賃金に対する各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告アイフルは,原告に対し,平成17年4月から毎月25日限り,1ヶ月17万2 及び別紙未払賃金請求金一覧表記載の各未払賃金に対する各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告アイフルは,原告に対し,平成17年4月から毎月25日限り,1ヶ月17万2506円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要など 事案の概要(1)本件は,ア原告が,上司であった被告C(以下「被告C」という。)からセクシャルハラスメントを受け,それを抗議したところ報復を受け,退職を強要された(パワーハラスメント)として,(ア)同被告に対し,上記各行為による不法行為に基づき,(イ)被告アイフルに対し,①被告Cの使用者として不法行為(民法715条)に基づき,また,②被告アイフルに被告Cによる上記セクシャルハラスメントなどの被害を訴え,適切な調査,対応を求めたにもかかわらず,かえって,それを軽視し,放置し,これをもみ消す形でしか対応しなかったとして,債務不履行又は不法行為(民法709条)に基づき,損害賠償金350万円(内訳・慰謝料300万円,弁護士費用50万円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日(平成17年4月12日)から民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払をイ原告が,被告アイフルに対し,(ア)別紙未払賃金請求金一覧表記載の各未払賃金合計50万9491円 及び各未払賃金に対する各支払日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の(イ)平成17年4月から毎月25日限り,1ヶ月17万2506円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を各求める事案である。 (2)前提事実(但し,文章の末尾に証拠などを掲げた部分は証拠などによって認定した事実,その余は当事者間に争いのない 払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を各求める事案である。 (2)前提事実(但し,文章の末尾に証拠などを掲げた部分は証拠などによって認定した事実,その余は当事者間に争いのない事実)ア(ア)原告は,昭和40年9月生まれの女性で,平成14年6月,公共職業安定所を通じて被告アイフルに応募し,同年8月,以下の約定で採用された。 ①賃金時給1020円②賃金支払方法月末締めの翌月25日払い③主たる職務電話による債権回収(イ)①被告アイフルは,消費者金融を目的とする会社である。 ②被告Cは,平成16年2月ころ,被告アイフルのコンタクトセンター西日本(以下「コンタクトセンター」という。)のカウンセリング九州地区(以下「九州地区」という。)課長として配属され,平成17年4月に福岡県の久留米支店に定期異動するまではその地位にあった(但し,後段は被告C)。 イ原告は,被告アイフル入社後,コンタクトセンターのカウンセリング近畿地区に配属され,平成16年2月,九州地区に配属となった。原告を含めて同地区に配属された者は約200名程度がおり,同人らのうち大多数の者は,コンタクトセンター2階の別紙図面記載のとおり個別のパーテーションで区切られたブースにそれぞれが座り,専用のIP電話付のパソコンを使用して電話による債権回収を行っていた。 ウ(ア)被告Cが課長をする九州地区では各係などで定期的に居酒屋などで食事会が開催されていたところ,平成16年6月24日午後7時ころから,滋賀県草津市内の居酒屋で九州地区3係の食事会が開かれた。その会には,被告C,原告を含む20数名の者が出席し,その際,被告Cが原告の隣に座ることがあった。 (イ)また,同年11月17日,滋賀県草津市内の居酒屋で被告Cが課長をする九州地区の食事会が開か その会には,被告C,原告を含む20数名の者が出席し,その際,被告Cが原告の隣に座ることがあった。 (イ)また,同年11月17日,滋賀県草津市内の居酒屋で被告Cが課長をする九州地区の食事会が開かれた。その会には,被告C,原告も出席したが,その際,被告Cが原告の隣に座ることがあった。 エ原告は,平成16年12月2日以降,急激に体調を悪化させ,同月6日,滋賀県守山市内にある医院で診察を受け「心因反応」との診断(甲2)を受けた。 オ原告は,平成16年12月10日,被告アイフルに電話をかけ,同社の人事課長(以下「課長」という。)と話をした。 DD被告アイフルは,上記電話でのやりとりを踏まえて原告に対して退職届のサンプルとともに返送予定に係る未記入の退職届を送付した。 その後,原告から被告アイフルの人事課社会保険担当に対し,診断書(甲2)が送付され,傷病手当金の問い合わせ及び請求書の送付依頼があった。 被告アイフルは,同月27日ころ,先に送付した退職届が返送されてこなかったため,原告に対し,「休・退職の件に関してのご連絡の依頼について」と題する書面(甲3)などを送付した。 その後の同月29日,原告の父親から「退職の意思は全く無く,病気が治りしだい職場へ復帰したい」「心因反応が酷く,現在電話で話せる状態ではありません」と記載された手紙(甲4)が被告アイフルに送付された。 原告は,平成17年1月中旬ころ,D課長と電話で話すことがあったが,同年2月17日,被告アイフルに対し,傷病手当請求書に添付して「セク ハラが原因の抑うつ状態」との記載のある診断書(甲5)を送付した。同請求に対して,被告アイフルは,「自分自身でなった病気と書き込まれていないため手当は出せない。」旨の回答をしている。 カ原告の本件の訴訟代理人から同月21日,被告アイフルに内 (甲5)を送付した。同請求に対して,被告アイフルは,「自分自身でなった病気と書き込まれていないため手当は出せない。」旨の回答をしている。 カ原告の本件の訴訟代理人から同月21日,被告アイフルに内容証明郵便(甲6の①)が送付されたが,そこには被告Cによる本件で主張している原告のセクハラ被害について初めて具体的に記載されていた。 キ原告の平成16年6月分から11月分までの賃金は以下のとおりである。 (ア)同年6月分18万0647円(イ)同年7月分17万2870円(ウ)同年8月分17万9788円(エ)同年9月分16万0530円(オ)同年10月分16万3881円(カ)同年11月分17万7321円なお,上記6か月分の平均賃金は17万2506円である。 ところで,同年12月分は平成17年1月25日,8027円が原告の預金口座に振り込まれた。 ク本件訴状は平成17年4月11日,被告らそれぞれに送達された(顕著な事実)。 (3)争点及び争点に対する当事者の主張ア被告Cの原告に対するセクシャルハラスメントの成否について(原告)被告Cは,原告に対して,以下の各セクシャルハラスメント(以下「本件セクハラ行為」という。)を行った。なお,九州地区各係で行われる食事会は出席が義務づけられていた。 被告Cは,(ア)平成16年5月ころより,勤務時間中,原告に「おはよう」,「調 子どうや」などといいながら原告の肩,髪,背中を撫でるといった身体的接触を頻繁に続けた。 (イ)同年5月,勤務時間中,原告を呼び出し,コンタクトセンター2階の女子トイレ横の部屋で,後ろから抱きつき,無理矢理身体を触った。 (ウ)同年6月24日,「魚玄」での食事会で,原告の股や太ももあたりを撫で回したり,自分の足を原告の足に乗せようとした。また,その際 の女子トイレ横の部屋で,後ろから抱きつき,無理矢理身体を触った。 (ウ)同年6月24日,「魚玄」での食事会で,原告の股や太ももあたりを撫で回したり,自分の足を原告の足に乗せようとした。また,その際,「単身赴任は寂しいものよ。」「家で待っている愛人が欲しい。」などと言った。 (エ)同年11月17日,「つぼ八」での食事会で,原告の股や太ももあたりを触った。 (被告ら)否認する。 原告を含む係員は原告主張に係る食事会への出席は義務づけられていない。 なお,上記(イ)の主張であるが,部屋に入ったのは原告及びEの2名で,被告Cは入り口付近で見ていただけで同部屋には入室していない。したがって,被告Cは,同所でセクシャルハラスメントを行っていない。 イ被告Cの原告に対するパワーハラスメントの成否について(原告)被告Cは,原告に対して,以下の各パワーハラスメント(以下「本件パワハラ行為」といい,上記本件セクハラ行為とあわせて「本件各行為」という。)を行った。 被告Cは,(ア)同年11月22日ころ,上記ア(エ)の被告Cの行為に対して原告が抗議し,同被告の手を払いのけたことに対する報復として,原告の勤務評価を5から4に落とした。 (イ)勤務時間中の同年12月2日午後0時40分ころ,原告に対し,「僕を誹謗中傷しているらしいな。君の悪い噂がぽっぽっぽっと出てるぞ。ここにいられなくなるぞ。」などと原告を退職に追いやる旨の言動を行った。 (被告ら)否認する。 ところで,上記(イ)の主張であるが,被告Cは,原告に対し,「Aさんの悪い噂が流れている。個人を誹謗中傷しているという噂だ。何か思い当たることはありませんか」と聞いただけであり,原告を退職に追いやるような言動はしていない。 なお,原告主張に係る人事評価は,新しい人事制度の下での最初の評価で 誹謗中傷しているという噂だ。何か思い当たることはありませんか」と聞いただけであり,原告を退職に追いやるような言動はしていない。 なお,原告主張に係る人事評価は,新しい人事制度の下での最初の評価であったため,仮に,評価が下がっても,従前の給与と同一賃金を補償する旨原告を含む被告アイフルの従業員に説明をしている。 ウ被告Cの本件各行為(不法行為)に基づく損害について(原告)原告は,被告Cの本件各行為によって以下の損害を被った。 (ア)慰謝料300万円原告は,体調を悪化させ,不眠,神経過敏,抑うつ気分,食欲不振などの心因反応(甲2)を来し,休業を余儀なくさせられた。その結果,精神的苦痛を被った。同精神的苦痛を金銭的に評価すると300万円が相当である。 (イ)弁護士費用50万円エ被告アイフルの債務不履行又は不法行為の成否について,具体的には,原告の課長への本件セクハラ行為の訴えの有無及びそれ係る被告アイフルDの対応について(原告) (ア)被告Cの本件各行為は被告アイフルの事業執行につきなされたものである。そうすると,被告アイフルは,本件各行為によって原告が被った損害について,被告Cの使用者として使用者責任(民法715条)を負う。 (イ)①被告アイフルは,原告に対し,使用者として,セクシャルハラスメントのない働きやすい職場環境を保つよう配慮する義務を負っている。 ②原告は,平成16年12月10日,被告Cから受けているセクシャルハラスメントについて相談しようと被告アイフルのセクシャルハラスメントの相談窓口に電話を入れたが,繋がらなかったため,たまたま人事部に電話を入れたところ,D課長が応対した。そこで,同課長に被告Cから受けているセクシャルハラスメントの事実を訴え,調査と対応を求めた。しかし,被告アイフルないしD 繋がらなかったため,たまたま人事部に電話を入れたところ,D課長が応対した。そこで,同課長に被告Cから受けているセクシャルハラスメントの事実を訴え,調査と対応を求めた。しかし,被告アイフルないしD課長は,適切な調査・措置をとらず,セクシャルハラスメントが継続的に発生する劣悪な職場環境を放置し,容認した。 その結果,原告は,精神的苦痛を被り,休業を余儀なくさせられた。 (被告アイフル)否認ないし争う。 ところで,被告アイフルは,原告からのセクシャルハラスメントに係る申告内容が明かとなった以降,速やかに,適切に調査などを行い,原告に回答をしている。 被告アイフルは,平成17年2月21日に原告訴訟代理人から被告Cのセクシャルハラスメントに係る訴え内容が具体的に記載された内容証明郵便(甲6の①)を受ける以前,本件で原告が主張するようなセクシャルハラスメントに係る話を原告から受けていなかった。被告アイフルは,同内容証明郵便(甲6の①)の送付を受け,それ以降,同主張内容に係るセク シャルハラスメントの有無を関係者から慎重に事情聴取したが,被告Cのセクシャルハラスメントあるいはそれを疑わしめる言動は無いというものばかりであった。 そうすると,被告アイフル独自の事由による債務不履行または不法行為責任を負うことはない。 オ未払賃金について(原告)(ア)原告は,被告Cの本件各行為及びそれを被告アイフル(D課長)に訴えた事後の被告アイフルの対応などから平成16年12月6日以降の休業を余儀なくされた。 (イ)被告アイフルは,原告に対し,別紙未払賃金一覧表記載の賃金債務及び平成17年4月分以降の賃金債務の支払義務を負っているところ,その支払をしない。 (被告アイフル)原告の上記主張(ア)は否認し,同(イ)の原告主張に係る賃金支払義務は争い,その余 載の賃金債務及び平成17年4月分以降の賃金債務の支払義務を負っているところ,その支払をしない。 (被告アイフル)原告の上記主張(ア)は否認し,同(イ)の原告主張に係る賃金支払義務は争い,その余は認める。 第3当裁判所の判断 前提事実及び証拠(甲6の①,7ないし11,13ないし15,乙2ないし4,7ないし28,丙1,2,原告,被告C)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア(ア)原告は,平成16年5月当時,九州地区3係に所属していたところ,その当時の席は別紙図面の自席と記載された付近であった。 (イ)原告は,5月ころ,勤務時間中に被告Cから呼ばれ,原告がコンタクトセンター2階の女子トイレ横の部屋の中に入り,被告Cも後に続いて入った。その後原告が同部屋から出てきて別紙図面の私と記載のある自席に戻った。 その当時,同図面の各パーテーション(高さは約120㎝である。)で区切られたブースでは被告アイフルの正社員,パート社員,派遣社員などのコミュニケーター(以下「CM」という。)が原告と同じ電話による債権回収業務を行っていた。各ブースはその後ろ側が通路になっており,開放性があり,閉鎖された空間とはなっていなかった。 イ(ア)被告Cが課長をしていた九州地区では各係などで勤務時間終了後,数か月に1度の割合で定期的に居酒屋などで食事会が開催されていた。食事会は,強制的とまではいえなかったが,係長(スーパーバイザーということもある。)などから是非出席するように言われたりしていたこともあってやむを得ない事由でもない限りその所属員は出席をしていた。 (イ)平成16年6月24日午後7時ころから,滋賀県草津市内の居酒屋で九州地区3係の食事会が開かれた。その会に,被告C,原告を含む20数名の者が出席したが,その会の途中で被告Cが 出席をしていた。 (イ)平成16年6月24日午後7時ころから,滋賀県草津市内の居酒屋で九州地区3係の食事会が開かれた。その会に,被告C,原告を含む20数名の者が出席したが,その会の途中で被告Cが割り込むようにして原告の隣に座ることがあった。その際,会場が狭まかったこともあって,お互いの体の一部がふれあうような状況であった。 (ウ)また,同年11月17日,滋賀県草津市内の居酒屋で被告Cが課長をする九州地区の食事会が開かれた。その会に,被告C,原告も出席したが,その際にも,被告Cがその会の途中で被告Cが割り込むようにして原告の隣に座ることがあった。また,その際も,会場が狭まかったこともあって,お互いの体の一部がふれあうような状況であった。 (エ)被告アイフルに勤務するCMの間では被告Cの飲み会(食事会)でのセクシャルハラスメントが話題になっていたことがあり,女性CMの間ではお互いにそれに注意するよう喚起されていたことがあった。 ウ(ア)被告アイフルでは平成16年4月以降,新人事制度を採用したところ,原告を含むCMに対する平成16年4月1日から同年9月30日までの勤務評価は同月10月以降,以下の手続で行われた。 ①同月初旬本人評価②同月26日課長レベル(被告C)の一次評価入力③同月29日人事部長による二次評価者の承認,修正④同年11月22日ころ本人へのフィードバック面接なお,九州地区における原告のようなCMに対する一次評価は,モニⅰタリング,成果行動評価,業務スキルの3要素からなっていたところ,ⅱⅲについてはトレーナーが,についてはス-パーバイザー(係長職)ⅰⅱⅲがまず仮評価をし,その上で被告Cが行うものであったところ,同Cは,原告にはの点で一部問題(所定の休憩時間よりも長くとっていた,1 はトレーナーが,についてはス-パーバイザー(係長職)ⅰⅱⅲがまず仮評価をし,その上で被告Cが行うものであったところ,同Cは,原告にはの点で一部問題(所定の休憩時間よりも長くとっていた,1ⅱⅲ時間にかける電話の本数が多すぎ,実質的な接触がなされていない。)があったため,4と評価した。ところで,原告の従前評価は5であった。 ところで,仮に,同評価で従前よりも評価が下がったとしても同制度の中に暫定的な経過措置があって,直ちに賃金などに影響するものではなかったが,賞与などには影響することが予想された。 (イ)原告は,同年11月22日ころ,直属の上司であったF係長から勤務評価が上記のとおり下がったことについて説明を受けたが,その説明に納得がいかなかったため,被告Cにその説明を求めた。 被告Cは,勤務時間中の同年12月2日午後0時40分ころ,原告に対し,その理由として原告が所定の休憩時間よりも長くとっていたこと,1時間にかける電話の本数が多すぎ,実質的な接触がなされていないことを挙げたが,原告は納得しなかった。 (ウ)原告は,平成16年12月6日,心療内科・神経科を標榜する医院を受診し,心因反応との診断を受け,その時点での症状,具体的には不眠,神経過敏,抑うつ気分,食欲不振などから平成17年1月31日までの自宅療養が必要とされた(甲2〔診断書〕)。そのため,同日から仕事を休むようになった。 ところで,原告を平成16年12月6日以降上記医院で診察した医師は,被告アイフルに提出された平成17年1月7日付け健康保険傷病手当金請求書(第1回)の中で,心因反応の原因として,平成16年12月2日午後1時ころにおける職場内でのトラブルとし,平成17年1月7日当時,症状が強く,就労が困難で,改善まで今後2~3か月を要すると考える旨記載している 中で,心因反応の原因として,平成16年12月2日午後1時ころにおける職場内でのトラブルとし,平成17年1月7日当時,症状が強く,就労が困難で,改善まで今後2~3か月を要すると考える旨記載している(甲5)。また,同医師は,平成17年2月17日,原告の症状について心因反応とし,その原因として職場の上司のセクハラがあり,それを契機として不眠,食欲不振,不安恐怖,神経過敏及び抑うつ気分などが増大した平成16年12月6日より通院治療をし,今後平成17年3月末までの通院が必要である旨診断している(乙11〔診断書〕)。 エ(ア)原告は,平成16年12月10日,被告アイフルに電話をかけ,D課長と電話で話をしたが,その際,被告Cから威圧的な口調で話をされ,退職を迫られるような圧力を受けた旨,また,被告Cのパワーハラスメントにより心身症となり,会社を休まざるを得なくなり,体重も1週間でかなり減った旨,そして,退職手続に関する話をした。 (イ)D課長は,原告との上記電話でのやりとりを受け,退職届のサンプル,返送予定の未記入退職届など(甲3の②③)を原告宛に送付した。その後,原告から被告アイフルに対して退職手続とは相容れない傷病手当金の申請書の送付依頼があったため,原告に休職,退職について確認するため電話連絡を取ったが,連絡がとれなかったため,同月27日付け書面で原告に対して休職,退職について確認したい件がある旨の連絡をした(甲3の①)。 原告の父は,原告自身,心因反応が酷く手紙を書くことも電話をすることもできなかったため,同月29日,原告の休職のお願いとともに傷病手当に係る事項を記載した手紙を被告アイフルに送付し(甲4),原告もまた平成17年1月7日,D課長に対して,傷病手当金の請求書(甲5)を 送付するとともに「人事課長様には大変ご迷惑をおかけ 傷病手当に係る事項を記載した手紙を被告アイフルに送付し(甲4),原告もまた平成17年1月7日,D課長に対して,傷病手当金の請求書(甲5)を 送付するとともに「人事課長様には大変ご迷惑をおかけし申し訳ございません。」と記載した手紙を送付している(乙9)。 その後,原告は,D課長と電話で話をし,同課長から被告Cのパワーハラスメントに係る事項について報告を受けたが,その際,同被告からのセクシャルハラスメントについても話をしたが,具体的な話まではしなかった。 (ウ)その後,被告アイフルに平成17年2月17日ころ,原告から上記心因反応の原因が上司のセクハラと記載された同日付け診断書(乙11)が送付され,平成17年2月21日に本件の原告訴訟代理人から本件で主張されていると同様の被告Cの原告に対するセクシャルハラスメントに係る内容が具体的に記載された内容証明郵便(甲6の①)が送付された。被告アイフルは,同内容証明郵便の送付を受けて,同月23日ころ,被告Cのみならず原告がセクシャルハラスメントを受けたと主張する各食事会の出席者など(但し,原告は,休職中のため事情聴取されなかった。)の関係者から事情聴取を行い,被告Cのセクシャルハラスメントあるいはそれを疑わしめる言動について調査をした。 被告アイフルは,その調査結果を踏まえ,原告の主張内容をいずれも否定する結論を出し,その旨の回答書を本件の原告訴訟代理人に送付している(甲7)。 オ(ア)被告Cは,平成16年9月24日,九州地区の原告が所属していない係の食事会が終了した後の2次会(カラオケ)で女性CMに対し,キスを強要したり,自らキスをしたり,抱きついたりなど,また,「俺とつき合え」,「今日は(単身赴任であった被告Cのマンションに)泊まっていけ」「やらせろ」などいったりしたことがあった。 な に対し,キスを強要したり,自らキスをしたり,抱きついたりなど,また,「俺とつき合え」,「今日は(単身赴任であった被告Cのマンションに)泊まっていけ」「やらせろ」などいったりしたことがあった。 なお,被告Cから上記のような被害を受けた女性は,同年末の被告アイフルにおける部長,課長に関するアンケートで被告Cからの上記被害につ いて申告をしたが,被告アイフルでは取り上げられなかった。 (イ)遅くとも平成16年9月当時,被告アイフルの社内で被告Cの単身赴任中のマンションに特定の女性CMが泊まりに行っている旨噂になっていた。また,同年12月ころから翌平成17年2月ころ,インターネットの2チャンネルで被告Cのセクハラが取り上げられたりし,そのことが被告アイフルの社内で噂になっていた。 カ被告Cは,オ(ア)記載の事実を理由に平成17年4月の定期異動で福岡県の久留米支店に転勤となった。 上記前提事実及び1で認定した事実を踏まえ,事実認定上,争いのある事実などについて検討する。 (1)原告は,被告Cが平成16年5月ころより,勤務時間中,原告に「おはよう」,「調子どうや」などといいながら原告の肩,髪,背中を撫でるといった身体的接触を頻繁に続けた旨主張し,それに沿う供述をする。同供述に証拠(乙5)及び弁論の全趣旨を総合すると,被告Cが原告とのコミュニケーションを採るため勤務時間中に他のCMと同様に挨拶などを交わした際,原告の肩をたたくなどしたことがあるが,それに対して原告が快くない思いを抱いたことが窺われる。しかし,本件全証拠によるも,原告は,被告アイフルに対し,本件の原告訴訟代理人を通じて内容証明郵便で上記具体的な主張するまで,同主張をしたことを認めることができないところ,仮に,被告Cが原告が主張するような身体的接触を頻繁にしていたとすると フルに対し,本件の原告訴訟代理人を通じて内容証明郵便で上記具体的な主張するまで,同主張をしたことを認めることができないところ,仮に,被告Cが原告が主張するような身体的接触を頻繁にしていたとすると,原告の勤務時間中の場所,位置関係からすると,毎回ということまではいえないもののある程度の回数で被告Cの原告に対する必要以上の接触状況が目撃されるはずであるが,原告以外の他のCMなどにより同状況を目撃した旨の書証などもなく,原告が良く話をしていたとするGの陳述書(甲8,13,15),同人からの聞取(乙1,2)にも一切そのことが触れられていない。そうすると,原告の上記主張に沿う供述部分はにわかに採用しがたく,その他,そ れを認めるに足りる証拠はない。 (2)原告は,被告Cが同年5月ころ,勤務時間中,原告を呼び出し,コンタクトセンター2階の女子トイレ横の部屋で,後ろから抱きつき,無理矢理身体を触った旨主張し,それに沿う供述をし,それに沿う証拠としてGの陳述書(甲8,13)がある。しかし,仮に,原告と被告Cを含めた多数の社員の勤務時間中に,原告主張のようなことがあり,原告が声を出せば,同行為があった場所付近には多くのCMなどがいて大変な騒ぎとなり,問題となることが予想されたところ,そのような行為を被告Cが敢えて行ったのか,疑問が残るうえ,原告が供述するように同部屋の扉が閉められて真っ暗になり,抱きつかれたとすると,原告は,咄嗟に目の明るさの調整ができないため眼前が見えなくなり,容易に扉を開けることができたか,疑問が残る。仮に,同扉を開けることができたとしてもあわてて扉を開けたはずであるから,その近くにいたG以外の周囲の者が気付いたはずであるが,それを裏付けるに足りる証拠はない。また,原告は,同主張に係る被告Cの上記抱きつきについて,その直 たとしてもあわてて扉を開けたはずであるから,その近くにいたG以外の周囲の者が気付いたはずであるが,それを裏付けるに足りる証拠はない。また,原告は,同主張に係る被告Cの上記抱きつきについて,その直後にGに述べたとはいうものの原告がその時点で被告アイフルに申し出たり,警察に届け出たり殊更そのことを問題としたことが窺えないこと(証人D,弁論の全趣旨),また,それ以後においても,本件の訴訟代理人を通じて上記内容証明郵便(甲6の①)で申し出るまでは被告アイフルに対してそのことを申し出たと認めるに足りる証拠がない。以上の事実などを踏まえると,原告の上記主張に沿う供述部分は採用できず,したがって,原告の上記主張に係る被告Cの行為があったとまで認めることはできず,その他,それを認めるに足りる証拠はない。 (3)原告は,被告Cが同年6月24日,「魚玄」での食事会の際,原告の股や太ももあたりを撫で回したり,自分の足を原告の足に乗せようとしたりし,また,その際,「単身赴任は寂しいものよ。」「家で待っている愛人が欲しい。」などと言ったりした旨主張する。被告Cは,本人尋問の中でそれを否 定する供述をする。しかし,当日の食事会の会場は狭かったところ,被告Cは,あえて原告と隣の者の間に割り込み,原告の体と触れ合うような状況になったこと,原告は,被告Cが隣に座っていた際で,その食事会の途中で席を立っていること,当時,被告アイフルのCMなどの間では被告Cの飲み会(食事会)でのセクハラが話題になっていたことがあり,女性CMの間でそれに注意するよう喚起されていたこと,現に,被告Cは,平成16年9月24日,女性CMに食事会後の2次会の席でキスをしたり,キスを強要したり,抱きついたりなど,また,「俺とつき合え」,「今日は(単身赴任であった被告Cのマンションに)泊まっ ,被告Cは,平成16年9月24日,女性CMに食事会後の2次会の席でキスをしたり,キスを強要したり,抱きついたりなど,また,「俺とつき合え」,「今日は(単身赴任であった被告Cのマンションに)泊まっていけ」「やらせろ」などいったりしたことがあった。以上の事実に原告の上記主張に沿う証拠(同席者の陳述書など〔甲8,10,13,15,乙1,2〕及び原告本人)を総合すると,原告の上記主張に沿う事実があったことが認められる。被告Cのそれを否定する上記供述部分は同席者の陳述書などの証拠〔甲8,10,13,15,乙1,2〕)に照らして採用しがたく,同認定を覆すに足りる証拠はない。 (4)原告は,被告Cが同年11月17日,「つぼ八」での食事会の際,原告の股や太ももあたりを触った旨主張する。被告Cは,本人尋問の中でそれを否定する供述をする。確かに,この席上で,原告が被告Cに対して「エロおやじ」と叫んだか,それを認めるに足りる証拠まではないが,被告Cは,この食事会の際もあえて,原告の隣に割り込むようにして座ったこと,原告は,被告Cが隣に座っていた際で,その食事会の途中で席を立っていること,当時,被告アイフルのCMの間では被告Cの飲み会(食事会)でのセクハラが話題になっていたことがあり,女性CMの間ではそれに注意するよう喚起されていたこと,現に,被告Cは,平成16年9月24日,女性CMに食事会後の2次会の席で上記記載したとおりのセクシャルハラスメントを行っていたことがあった。以上の事実に上記認定した6月24日の出来事を踏まえると,原告の上記主張に沿う事実があったことが認められる。被告Cのそれを 否定する上記供述部分は同記載した各事実及び原告の同記載事実に沿う供述部分に照らして採用しがたく,同認定を覆すに足りる証拠はない。 (5)原告は,被告Cが同年1 とが認められる。被告Cのそれを 否定する上記供述部分は同記載した各事実及び原告の同記載事実に沿う供述部分に照らして採用しがたく,同認定を覆すに足りる証拠はない。 (5)原告は,被告Cが同年11月22日ころ,原告が主張する上記つぼ八での出来事に際して,原告が抗議し被告Cの手を払いのけたことに対する報復として,原告の勤務成績評価を5から4に落とした旨主張し,それに沿う供述をする。確かに,被告Cは,原告に対する勤務評価の一次評価者であって,平成16年度(但し,4月から9月までの間)の原告に対する評価として5段階のうち,4と評価した。同年度における原告を含むCMに対する人事評価制度は新しく改定された制度で,原告に対する評価が4となったとしても,同制度の中に暫定的な経過措置があったため,直ちに賃金などに影響するものではなかったが,賞与などには影響することが予想され,その暫定期間を経過すると賃金などの低下をもたらすことも窺われた。しかし,一次評価者である被告Cの原告に対する同年度の勤務評価は同年10月26日に,二次評価者の人事部長の同評価も同月29日に既に終了していたところ,以上の事実からすると,被告Cが原告主張にかかる同年11月22日の出来事を理由として原告に対する勤務評価について低い評価をしたと認めることはできず,その他,原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。 (6)原告は,被告Cが勤務時間中の同年12月2日午後0時40分ころ,原告に対し,「僕を誹謗中傷しているらしいな。君の悪い噂がぽっぽっぽっと出てるぞ。ここにいられなくなるぞ。」などと原告を退職に追いやる言動を行った旨主張する。ところで,被告Cは,原告が主張するような言動を行ったことはない旨供述をする。しかし,被告Cは,原告に対し,上記(3)(4)で認定したセクシャルハラスメ 原告を退職に追いやる言動を行った旨主張する。ところで,被告Cは,原告が主張するような言動を行ったことはない旨供述をする。しかし,被告Cは,原告に対し,上記(3)(4)で認定したセクシャルハラスメントを行い,それについて原告が不快な思いを募らせていたこと,原告は,被告Cと直接面談をして話をした同月2日から間もない同月6日,不眠,神経過敏,食欲不振などの心因反応から精神を専門とする医師の診察を受け,同医師にその症状の原因として上司とのトラブル である旨訴えていること,原告は,精神的・身体的状況が酷く,同日から被告アイフルでの勤務を休まざるを得なかったこと,また,原告は,同月10日,D課長を電話で話をしているが,その際にも今回の精神的・身体的症状について上司(被告C)とのトラブルが原因であることを話していること,その後,原告の同症状は年末から年明けにかけてさらに悪化し,直接電話で話もできないような状況となったことがあるところ,以上の事実からすると,被告Cは,原告に対し,必ずしも原告に退職をしなければならないような事由(言動)がなかったにもかかわらず,原告に対し,少なくとも,「君の悪い噂がぽっぽっぽっと出てるぞ。ここにいられなくなるぞ。」などと原告に対して圧力をかけ,原告をして退職を迫られたように受け止める言動を行ったことが認められ,それを覆すに足りる証拠はない。 (7)原告は,被告アイフルが原告に対し,使用者として,セクシャルハラスメントのない働きやすい職場環境を保つよう配慮する義務を負っているところ,原告が平成16年12月10日,被告Cから受けているセクシャルハラスメントについて相談しようと被告アイフルに電話を入れた際,たまたま応対したD課長に被告Cから受けているセクシャルハラスメントの事実を訴え,調査と対応を求めたが,被告アイ ら受けているセクシャルハラスメントについて相談しようと被告アイフルに電話を入れた際,たまたま応対したD課長に被告Cから受けているセクシャルハラスメントの事実を訴え,調査と対応を求めたが,被告アイフルないしD課長は,適切な調査・措置をとらず,セクシャルハラスメントが継続的に発生する劣悪な職場環境を放置し,容認した旨主張し,それに沿う供述をする。被告アイフルが原告らCMに対し,使用者として,セクシャルハラスメントのない働きやすい職場環境を保つよう配慮する義務を負っていることはいうまでもないところ,確かに,原告は,平成16年12月10日,D課長と電話で話をし,その際,休業のこととともに自己の退職に係わる話などをしたことがある。ところで,原告は,原告の本件の訴訟代理人を通じて被告アイフルに内容証明郵便の中で被告Cに係るセクシャルハラスメントの事実を明確に記載しているが,それまでは被告アイフルに提出した診断書などで上司とのトラブルとの記載はあるもの のセクシャルハラスメントの言葉のみならずその事実は記載されていない。 仮に,原告が上記医師に対して心因反応の原因について上司のセクシャルハラスメントである旨訴えていれば,少なくとも,診断書などにそのことが記載されるはずであるが,平成17年2月17日付け診断書(乙11)まではその記載がなく,また,原告が平成16年12月10日のD課長との電話でのやりとりの際にもその事実を具体的に話し,その調査を依頼していたのであれば,原告の被告アイフルに対する上記各提出書類の中にもそのような記載があってしかるべきと思われるうえ,被告アイフルにおいても被告Cの原告に対するセクシャルハラスメントに係る事実について調査をし(乙12ないし28,証人D),その結果を伝えると思われる。しかし,原告訴訟代理人による上記内容証 るうえ,被告アイフルにおいても被告Cの原告に対するセクシャルハラスメントに係る事実について調査をし(乙12ないし28,証人D),その結果を伝えると思われる。しかし,原告訴訟代理人による上記内容証明郵便(甲6の①)が送付されるまでは,本件全証拠によるも被告アイフル内で同原告主張に係る調査などが行われた事実は認めらず,かえって,D課長は,同日の電話から間もない同月13日に上司のH人事部長宛に被告Cの原告に対するセクシャルハラスメントではなく,パワーハラスメントに係る事実について報告をし,調査をしている(乙8,証人D)。そうすると,原告の上記主張に沿う供述部分は採用できず,その他,被告アイフルないしD課長は,適切な調査・措置をとらず,セクシャルハラスメントが継続的に発生する劣悪な職場環境を放置し,容認した旨の主張を認めるに足りる証拠はない。 (8)原告は,原告が被告Cの本件各行為及びそれを被告アイフル(D課長)に訴えた事後の被告アイフルの対応などから平成16年12月6日以降の休業せざるを得ず,そのため,被告アイフルは,原告に対し,別紙未払賃金一覧表記載の賃金債務及び平成17年4月分以降の賃金債務の支払義務を負っている旨主張する。 ところで,原告は,上記(3)(4)で認定した被告Cの原告に対する各食事会でのセクシャルハラスメント及び退職を示唆するようなパワーハラスメント により精神的,身体的に体調を壊し,一時期は人と電話で話すこともできないほどの症状までになったが,証拠(休業後原告から提出された健康保険傷病手当金請求書,診断書など〔甲2,5,乙11〕)及び弁論の全趣旨(法廷できちんとした供述ができている。)によれば,原告を診察した医師は,原告の同症状に対する治療のため平成17年3月末日までの通院加療を要する旨の診断をしているところ, 乙11〕)及び弁論の全趣旨(法廷できちんとした供述ができている。)によれば,原告を診察した医師は,原告の同症状に対する治療のため平成17年3月末日までの通院加療を要する旨の診断をしているところ,その後,一進一退を繰り返しながらも次第にその症状が回復傾向に向かっていることが認められるうえ,原告が精神的,身体的に体調を壊した直接的な原因である被告Cが平成16年9月の女性CMに対するセクシャルハラスメントを理由として平成17年4月に定期異動で福岡県の久留米支店に転勤していることを踏まえると,遅くとも原告が本件で供述をした直前の平成18年1月末日までの休業について,被告Cの上記認定した各行為と相当因果関係が認められ,それを覆すに足りる証拠はなく,また,原告の同年4月以降の休業との間には相当因果関係が認められず,その他,同因果関係を認めるに足りる証拠はない。 原告が被告Cの上記(3)(4)で認定した被告Cの原告に対する各食事会でのセクシャルハラスメント及び退職を示唆するようなパワーハラスメントにより被った損害について,検討する。 原告が被告Cのセクシャルハラスメントなどにより上記認定したとおりの精神的,身体的症状の発生,程度,その期間を踏まえると,100万円とするのが相当である。また,被告Cの同行為と相当因果関係を有する弁護士費用相当の損害であるが,上記損害の内容,認容額を踏まえると,10万円とするのが相当である。 そうすると,原告は,被告らに対して被告Cの不法行為を理由とする損害賠償としては110万円及びこれに対する不法行為後である平成17年4月12日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がない。 次に,原告が請求する未払賃金の支払について,検討す 日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がない。 次に,原告が請求する未払賃金の支払について,検討する。 原告は,被告アイフルが使用者責任(民法715条)を負う被告Cの上記(3)(4)で認定した被告Cの原告に対する各食事会でのセクシャルハラスメント及び退職を示唆するようなパワーハラスメントにより平成16年12月6日以降平成18年1月末日まで休業せざるを得なくなった。以上の事実からすると,被告アイフルは同期間に係る上記前提事実キで記載した原告の賃金,1か月あたり17万2506円の割合による賃金の支払義務(但し,平成16年12月分は平成17年1月25日,8027円が原告の預金口座に振り込まれているため,16万4479円となる。)があり,同年2月1日以降はその支払義務がないといわなければならない。 そうすると,原告の未払賃金にかかる請求は①50万9491円及び別紙未払賃金請求金一覧表」記載の各未払賃金に対する各支払日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の,②平成17年4月から平成18年1月まで毎月25日限り,1か月17万2506円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める限度で理由があり,その余は理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第6民事部裁判官中村哲(別紙省略)

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