主文 処分行政庁が原告に対し平成19年5月21日付けでした別表記載の各建物の平成18年度固定資産課税台帳の登録価格に関する審査申出に対する決定中,原告の審査申出を棄却した部分を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求主文と同旨第2事案の概要原告は,別表記載の各建物(以下,同表の「番号」欄記載の順に「本件建物1」などといい,各建物をまとめて「本件各建物」という)を所有する者で。 あり,那覇市長が決定した本件各建物の平成18年度固定資産課税台帳の登録価格(以下「本件登録価格」という)を不服として処分行政庁に対し,審査。 申出(以下「本件審査申出」という)をした。 。 処分行政庁は,平成19年5月21日付けで,本件審査申出の一部について理由があるとして,本件登録価格の9割を超える部分を取り消したが,その余の申出を棄却する決定(以下「本件審査決定」という)をした。 。 本件は,原告が被告に対し,本件審査決定中,原告の審査申出を棄却した部分は違法であると主張して,当該部分の取消しを求める事案である。 地方税法(以下「法」という)の定め。 (1)(固定資産税に関する用語の意義)第341条固定資産税について,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 (前略)五価格適正な時価をいう。 (以下略) (2)(固定資産税の課税客体等)第342条1項固定資産税は,固定資産に対し,当該固定資産所在の市町村において課する(以下略)。 (3)(固定資産税の納税義務者等)第343条1項固定資産税は,固定資産の所有者(略)に課する(以下。 略)(4(土地又は家屋に対して課する固定資産税の課税標準))第349条1項基準年度(昭和31年度及び33年度並びに昭和 第343条1項固定資産税は,固定資産の所有者(略)に課する(以下。 略)(4(土地又は家屋に対して課する固定資産税の課税標準))第349条1項基準年度(昭和31年度及び33年度並びに昭和33年度から起算して3年度又は3の倍数の年度を経過したごとの年度。法341条6号)に係る賦課期日に所在する土地又は家屋(以下「基準年度の土地」。),又は家屋というに対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は当該土地又は家屋の基準年度に係る賦課期日における価格で(固定資産)課税台帳(中略)に登録されたものとする(以下略。 )(5(固定資産税の税率))第350条1項固定資産税の標準税率は,100分の1.4とする(2。 項以下略。 )(6)(固定資産税の賦課期日)第359条固定資産税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする。 (7)(固定資産税に係る総務大臣の任務)第388条1項総務大臣は,固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(以下「固定資産評価基準」という)を定め,これを告示し。 なければならない。この場合において,固定資産評価基準には,その細目に関する事項について道府県知事が定めなければならない旨を定めることができる(2項以下略)。 (8(固定資産の評価に関する事務に従事する市町村の職員の任務)) 第403条1項市町村長は,第389条又は第743条の規定によって道府県知事又は総務大臣が固定資産を評価する場合を除く外,第388条第1項の固定資産評価基準によって,固定資産の価格を決定しなければならない(以下略)。 (9)(固定資産の価格等の決定等)第410条1項市町村長は,前条第4項に規定する評価調書(固定資産評価員作成の評価調書)を受理した場合においては,これに基づいて固定 ばならない(以下略)。 (9)(固定資産の価格等の決定等)第410条1項市町村長は,前条第4項に規定する評価調書(固定資産評価員作成の評価調書)を受理した場合においては,これに基づいて固定資産の価格等を毎年3月31日までに決定しなければならない(2項以下。 略)(10)(固定資産の価格等の登録)第411条1項市町村長は,前条第1項の規定によって固定資産の価格等を決定した場合においては,直ちに当該固定資産の価格等を固定資産課税台帳に登録しなければならない。 市町村長は,前項の規定によって固定資産課税台帳に登録すべき固定資産の価格等のすべてを登録した場合においては,直ちに,その旨を公示しなければならない。 (以下略) 固定資産評価基準家屋の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続について,固定資産評価基準は以下のとおり規定している。 (1)家屋の評価家屋の評価は,木造家屋及び木造家屋以外の家屋(以下「非木造家屋」という)の区分に従い,各個の家屋について評点数を付設し,当該評点数に。 評点一点当たりの価額を乗じて各個の家屋の価額を求める方法によるものとする。 (固定資産評価基準第2章第1節一。 ) (2)評点数の付設各個の家屋の評点数は,当該家屋の再建築費評点数を基礎とし,これに家屋の損耗の状況による減点を行って付設するものとする。この場合において,家屋の状況に応じ必要があるものについては,さらに家屋の需給事情による減点を行うものとする。 (固定資産評価基準第2第1節二。 )(3)非木造家屋の評点数の算出方法ア評点数の算出方法非木造家屋の評点数は,当該非木造家屋の再建築費評点数を基礎として,これに損耗の状況による減点補正率を乗じて付設するものとし,次の計算式によって求めるものとする。この場合において 評点数の算出方法非木造家屋の評点数は,当該非木造家屋の再建築費評点数を基礎として,これに損耗の状況による減点補正率を乗じて付設するものとし,次の計算式によって求めるものとする。この場合において,当該非木造家屋について需給事情による減点を行う必要があると認めるときは,当該非木造家屋の評点数は,次の算式によって求めた評点数に需給事情による減点補正率を乗じて求めるものとする。 〔算式〕評点数=再建築費評点数×経過年数に応ずる減点補正率(経過年数に応ずる減点補正率によることが,天災,火災その他の事由により当該非木造家屋の状況からみて適当でないと認められる場合にあっては,評点数=(部分別再建築費評点数×損耗の程度に応ずる減点補正率)の合計)(固定資産評価基準第2章第3節一1)イ損耗の状況による減点補正率の算出方法非木造家屋の損耗の状況による減点補正率は,経過年数に応ずる減点補正率によるものとする。ただし,天災,火災その他の事由により当該非木造家屋の状況からみて経過年数に応ずる減点補正率によることが適当でないと認められる場合においては,損耗の程度に応ずる減点補正率 によるものとする。 非木造家屋の損耗の状況による減点補正率は,次の「損耗の状況による減点補正率の算出要領」によって算出するものとする。 〔損耗の状況による減点補正率の算出要領〕(ア)経過年数に応ずる減点補正率a経過年数に応ずる減点補正率(以下「経年減点補正率」という)。 は,通常の維持管理を行うものとした場合において,その年数の経過に応じて通常生ずる減価を基礎として定めたものであって,非木造家屋の構造区分に従い「非木造家屋経年減点補正率基準表」に示され,ている当該非木造家屋の経年減点補正率によって求めるものとする。 b第2節五1(2)の表中「率」の欄に定める積雪地 であって,非木造家屋の構造区分に従い「非木造家屋経年減点補正率基準表」に示され,ている当該非木造家屋の経年減点補正率によって求めるものとする。 b第2節五1(2)の表中「率」の欄に定める積雪地域の率と寒冷地域の率を合計した率が百分の十八以上の地域に属する市町村に所在する非木造家屋(その構造が「軽量鉄骨造「れんが造」又は「コン」,クリートブロック造」のものに限る)に対する経年減点補正率は,。 非木造家屋経年減点補正率基準表の経年減点補正率に,百分の三(木造家屋に係る積雪寒冷補正率が百分の二十五以上の地域に属する市町村に所在する非木造家屋にあっては,百分の五)を上記アから控除して得られる補正率を乗じて得た率とする。ただし,当該補正率を乗じた経年減点補正率が百分の二十に満たない場合においては,百分の二十とする(以下略。 )c経過年数が一年半未満であるとき又は経過年数に一年未満の端数があるときは,それぞれ一年未満の端数は,一年として計算するものとする。 d第1節四ただし書きにより,増築された部分とその他の部分とに区分しないで一棟の非木造家屋の評点数を付設する場合における経年減点補正率は,それぞれの部分ごとに求めた経年減点補正率に,それぞ れの部分の床面積をその他適当と認められる基準に基づいて定めたそれぞれの部分の当該非木造家屋全体に占める割合を乗じて得た数値を合計して得た数値によるものとする。 (イ)損耗の程度に応ずる減点補正率(「」。)a損耗の程度に応ずる減点補正率以下損耗減点補正率というは,部分別損耗減点補正率基準表によって各部分別に求めた損耗残価率を,当該非木造家屋について非木造家屋経年減点補正率基準表によって求めた経年減点補正率に乗じて各部分別に求めるものとする。損耗残価率は,各部分別の損耗の現況 基準表によって各部分別に求めた損耗残価率を,当該非木造家屋について非木造家屋経年減点補正率基準表によって求めた経年減点補正率に乗じて各部分別に求めるものとする。損耗残価率は,各部分別の損耗の現況を通常の維持管理を行うものとした場合において,その年数の経過に応じて通常生ずる損耗の状態に修復するものとした場合に要する費用を基礎として定めたものであり,当該非木造家屋の各部分別の損耗の程度に応じ,部分別損耗減点補正率基準表により求めるものとする。ただし,市町村長は,当該市町村に所在する非木造家屋の損耗の程度,構造等の実態からみて部分別損耗減点補正率基準表を適用することが困難であると認める場合その他特に必要があると認める場合は,部分別損耗減点補正率基準表について所要の補正を行い,これを適用することができるものとする。 b損耗減点補正率は,非木造家屋の各部分別ごとに,当該部分別を通じた損耗の状況に応じて一の損耗減点補正率を求めるものとする。 (固定資産評価基準第2章第3節五。 )ウ需給事情による減点補正率の算出方法(ア)需給事情による減点補正率は,建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋,所在地域の状況によりその価額が減少すると認められる非木造家屋等について,その減少する価額の範囲において求めるものとする。 (固定資産評価基準第2章第3節六) (イ)固定資産評価基準は,需給事情による減点補正率の具体的な補正率を明らかにしていないが,昭和42年10月21日改正の固定資産評価基準の取扱いについての依命通達(以下「本件通達」という)は「需。 ,給事情による減点補正率は,建築様式が著しく旧式となっている家屋,所在地域の状況によりその価額が減少するものと認められる家屋等について,その減少する価額の範囲において求めるものとされているが,具体 給事情による減点補正率は,建築様式が著しく旧式となっている家屋,所在地域の状況によりその価額が減少するものと認められる家屋等について,その減少する価額の範囲において求めるものとされているが,具体的には,次のような家屋について適用するものであること。 ,,①草葺屋根の木造家屋又は旧式のれんが造の非木造家屋その他間取通風,採光,設備の施工等の状況等からみて最近の建築様式又は生活様式に適応しない家屋で,その価額が減少するものと認められるもの②不良住宅地域,低湿地域,環境不良地域その他当該地域の事情により当該地域に所在する家屋の価額が減少すると認められる地域に所在する家屋③交通の便否,人口密度,宅地価格の状況等を総合的に考慮した場合において,当該地域に所在する家屋の価額が減少すると認められる地域に所在する家屋」としていた。 (乙1)(ウ)本件通達は,平成12年度に廃止されたが,同通達の趣旨は失われたわけではなく,その後も,全国の市町村において,同通達を参考にして需給事情による減点補正の要否を判断しているのが実情である(乙1,弁論の全趣旨。 )(エ)昭和38年12月25日付け依命通達により,需給事情による減点補正は30%を限度とするとされていたが,本件通達により上記の制限は撤廃され,減点補正率は減少する価額の範囲内で適用することとされた。 本件通達廃止後,全国の市町村においては,おおむね1割を限度として需給事情による減点補正がされている。 (乙1,弁論の全趣旨)エ経過措置(ア)再建築費評点補正率固定資産税に係る平成18年度における在来分の評価に係る再建築費評点補正率は,次のとおりとする。 第3節四に定める再建築費評点補正率(非木造家屋)0.95(固定資産評価基準第2章第4節一2)(イ)評点一点当たりの価額固定資 おける在来分の評価に係る再建築費評点補正率は,次のとおりとする。 第3節四に定める再建築費評点補正率(非木造家屋)0.95(固定資産評価基準第2章第4節一2)(イ)評点一点当たりの価額固定資産税に係る平成18年度から平成20年度までの各年度における家屋の評価に限り,評点一点当たりの価額は(中略,1円にaに,)定める「物価水準による補正率」とbに定める「設計管理費等による補正率」とを相乗した率を乗じて得た額(小数点以下二位未満は切り捨てるものとする)を基礎として市町村長が定めるものとする。 。 a物価水準による補正率物価水準による補正率は,家屋の工事原価に相当する費用等の東京都(特別区の区域)における物価水準に対する地域的格差を考慮して定めたものであって,木造家屋及び非木造家屋の区分に従い,次のとおりとする。 (a)木造家屋(略)(b)非木造家屋全市町村を通じて1.00とする。 b設計管理費等による補正率設計管理費等による補正率は,工事原価に含まれていない設計監理費,一般管理費負担額の費用を基礎として定めたものであって,全市. ,. 。 ,町村を通じて木造家屋1 非木造家屋110とするただし 木造家屋及び非木造家屋とも床面積がおおむね10平方メートル以下の簡易な構造を有する家屋については設計管理費等による補正率は1.00とする。 (固定資産評価基準第2章第4節二)(ウ)基準年度における在来分家屋に係る価額の据置措置固定資産税に係る平成18年度における在来分の家屋の評価に限り,次のいずれかの低い価額によってその価額を求めるものとする(ただし書き(略。 ))a第1節から本節二までによって求めた家屋の価額b当該家屋の平成17年度の価額(平成17年度の家屋課税台帳又は家屋補充課税台帳に価格として その価額を求めるものとする(ただし書き(略。 ))a第1節から本節二までによって求めた家屋の価額b当該家屋の平成17年度の価額(平成17年度の家屋課税台帳又は家屋補充課税台帳に価格として登録されたものをいう)。 (固定資産評価基準第2章第4節三) 前提となる事実(証拠を挙げていない事実は,当事者間に争いがない)。 (1)当事者ア原告は,昭和31年11月21日,航空業者,航空旅行者,その他航空関係者及び航空貨物に対する役務の提供(以下「空港ターミナル事業」という)を目的として,設立された株式会社である。 。 原告は,昭和32年2月18日,琉球政府(当時)から那覇空港における空港ターミナル事業及び附帯施設を運営する免許を付与され,その後,沖縄の復帰に伴い制定された特別措置に関する法律等の関係法令により,那覇空港における空港ターミナル事業及びその附帯施設を運営するために必要な法令上の承認を受けた者とみなされた。 また,原告は,昭和49年6月6日,大阪航空局長から那覇空港における構内営業の承認を受け,平成11年5月25日に大阪航空局長から営業の承認を取り消されるまでの間,那覇空港旧国内線第1ターミナルビル(昭和50年4月14日供用開始。以下「旧第1ターミナルビル」 という,同第2ターミナルビル(昭和34年5月9日供用開始。以下。)「旧第2ターミナルビル」といい,旧第1ターミナルビルと併せていうときは「旧ターミナルビル」という)及び同国際線ターミナルビル(昭。 和62年7月2日供用開始)を各所有・管理していた。 イ被告は,固定資産価格の決定に関する不服を審査するために,那覇市に設置された機関である。 (2)原告の従前の空港ターミナル事業等ア原告は,大阪航空局長から,同局の管理財産である沖縄県那覇市A-B番地に所 定資産価格の決定に関する不服を審査するために,那覇市に設置された機関である。 (2)原告の従前の空港ターミナル事業等ア原告は,大阪航空局長から,同局の管理財産である沖縄県那覇市A-B番地に所在する下記の土地(以下「本件敷地」という)を,設立以来許。 可を得て使用しており,同地上に本件各建物を建築しこれを所有していた(甲16。 )記所在沖縄県那覇市A-B(那覇空港)区分土地(敷地)数量地上5708.08㎡,地下50.56㎡地下(官民共用)58.70㎡上空111.81㎡イ本件各建物は,それぞれ別表の「建築年月日」欄記載の時期に建築されたものであるが,相互に連結してつながっており,構造的にも機能的にも一個の建物として,原告の空港ターミナル事業に係る旧第1ターミナルビルとして利用されてきた(甲1ないし14。 )なお,本件各建物の所在する地域には,那覇空港のほか,那覇軍港,自衛隊基地及びその関連施設があり,民間の建物はほとんど存在しない(弁論の全趣旨。 )(3)原告の空港ターミナル事業の廃止及び解散ア那覇空港は,沖縄の復帰前は,旧第2ターミナルビルのみで航空需要に対応してきたが,復帰と同時に日本の他の都道府県及び外国との交流が盛 んに行われるようになり,出入域者の増大等航空需要の著しい増加に伴いターミナル施設が狭あい化し,また,昭和50年開催の沖縄国際海洋博覧会に対応するため,ターミナルビルの設置が必要となった。そこで,原告,,,は昭和48年8月14日運輸省航空局飛行場部及び航空会社との間で那覇空港における新ターミナルビル及び暫定ターミナルビルの建設・管理等に関する基本事項について合意し,確認書を作成した。その要旨は,①那覇空港における新ターミナルビルを建設し,同ターミナルビルの管理及び運営は, る新ターミナルビル及び暫定ターミナルビルの建設・管理等に関する基本事項について合意し,確認書を作成した。その要旨は,①那覇空港における新ターミナルビルを建設し,同ターミナルビルの管理及び運営は,運輸省の基本方針に従って設立される新会社が行う,②新ターミナルビルが建設されるまでの間,原告において暫定ターミナルビルを建設し,その管理及び運営に当たる,③新ターミナルビルが新会社によりその運営を開始され,暫定ターミナルビルの暫定使用期間が終了した後は,同ビルは航空会社に残存価格で売却するか,新会社に承継される,④賃借料,協力金,償還条件については,原告と航空会社との間で十分に協議するというものであった。 イ原告は,確認書における合意等に基づいて,昭和50年に暫定ターミナルビルとして旧第1ターミナルビルを建設し,同年4月14日にその供用を開始し,その後,別表「建築年月日」欄記載の時期に,数度にわたり同ビルの増築,改築を行ない,本件各建物が建築された。 ウ原告と沖縄県は,上記確認書の作成以降,同文書の合意に基づく新ターミナルビルの建設等について協議を継続していたところ,平成4年1月27日,分散・狭あい化している旧ターミナルビルの統合整理のために覚書を締結し,旧ターミナルビルを統合整理し,新ターミナルビルの建設に着手した。そして,上記覚書に基づき,原告を筆頭株主,沖縄県,那覇市及び航空会社等をその他の株主として,平成4年12月1日,那覇空港ビルディング株式会社(以下「NABCO」という)が設立され,原告が行。 っている空港ターミナル事業を,NABCOに引き継がさせることとなっ た。その後,新たに那覇空港国内線旅客ターミナルビル(以下「新ターミナルビル」という)が建築され,NABCOがこれを所有することとな。 り,平成11年5月26日から に引き継がさせることとなっ た。その後,新たに那覇空港国内線旅客ターミナルビル(以下「新ターミナルビル」という)が建築され,NABCOがこれを所有することとな。 り,平成11年5月26日から,新ターミナルビルの供用が開始されることとなった。 エこのように,新ターミナルビルの供用開始が決まったことから,大阪航空局は原告に対する本件敷地の使用許可の期限を,新ターミナルビルの供用開始の前日である平成11年5月25日までとした。 オ新ターミナルビルは,平成11年5月26日から供用が開始され,原告も,空港ターミナル事業を廃止し本件各建物を使用しなくなった。 カ原告は,平成17年6月30日,解散し,現在,清算手続中である。 (甲1ないし14,16,17,乙20,21及び弁論の全趣旨)(4)原告とNABCOとの交渉経緯等原告とNABCOは,本件各建物を帳簿価格で有償譲渡する交渉を重ねていたが,結局,両者の間で本件各建物の売買契約又は売買予約契約が成立することはなかった。 原告は,NABCOを被告として,主位的に,本件各建物について売買予約契約が成立しており,その予約完結権を行使したとして,売買契約に基づく代金13億9679万7551円の支払,予備的にNABCOの契約締結上の過失によって同額の損害を被ったと主張してその支払を求める(。 「」。)訴え那覇地方裁判所平成14年㨯第111号以下別訴事件というを提起したが,同裁判所は,平成16年6月30日,原告とNABCOとの間で,本件各建物の売買契約又は売買予約契約が成立した事実を認めることはできないし,売買契約が不成立となったことについて,NABCOに契約締結上の過失は認められないとして,原告の請求をいずれも棄却する判決をした。 原告は,これを不服として福岡高等裁判所那覇支部に対 とはできないし,売買契約が不成立となったことについて,NABCOに契約締結上の過失は認められないとして,原告の請求をいずれも棄却する判決をした。 原告は,これを不服として福岡高等裁判所那覇支部に対し控訴したが, 同裁判所は,同年11月30日,同様の理由で原告の控訴を棄却する判決をし,これに対し,原告は,最高裁判所に対し,上告及び上告受理申立てをしたが,最高裁判所は,平成17年3月25日,上告棄却及び上告不受理の決定をした。 (甲20ないし22。 )(5)本件各建物に対する固定資産税の課税状況原告は,平成12年度から平成17年度までの本件各建物の固定資産税を納付した。なお,上記各年度の本件各建物の固定資産税額は,別表の「税額相当額」欄記載のとおりである(なお,平成12年度及び同13年度の固定資産税額は,被告が記録を廃棄したため認定することができない。 。)(6)本件審査申出と本件審査決定ア本件登録価格の決定(ア)那覇市長は,原告に対し,平成18年5月1日付けで平成18年度の本件各建物の固定資産価格を決定し,固定資産税額を通知した。平成18年度の本件各建物の固定資産価格は,別表の「平成18年度評価額(円」欄記載のとおりである。 )(イ)本件登録価格の算出過程固定資産税における家屋の評価は,再建築価格方式によるところ,固定資産評価基準によると在来分の非木造家屋の評価額は,次の計算式で行うこととされている(前記2(3)ア。ただし,平成18年度の評)価額が,前年度の評価額を上回った場合は,前年度の評価額に据え置かれることとなっている(前記2(3)エ(ウ。 ))(計算式)評点数(再建築費×経年減点補正率×需給事情による減点補正率)×評点1点当たりの価額(1.1円)(ウ)本件各建物の本件登録価格の算出過程は以下のとおりで る(前記2(3)エ(ウ。 ))(計算式)評点数(再建築費×経年減点補正率×需給事情による減点補正率)×評点1点当たりの価額(1.1円)(ウ)本件各建物の本件登録価格の算出過程は以下のとおりである。 a本件建物1本件建物1の平成17年度再建築費評点数は497万2152点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0. 95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を472万3544点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数472万3544点に,経年減点補正率0.6185を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物1の評価額を321万3663円と算出した。 (計算式)4,723,544×0.6185×1.10円=3,212,663円平成17年度の本件建物2の評価額は,218万1990円であるところ,上記平成18年度の本件建物2の評価額はこれを上回っていることから,那覇市長は,前年度の評価額に基づき平成18年度の本件建物2の評価額を218万1990円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 b本件建物2本件建物2の平成17年度再建築費評点数は1556万6280点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を1478万7966点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数1478万7966点に,経年減点補正率0.6000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物1の評価額を976万0057円と算出した。 (計算式)14,787,966×0.6000×1.1 正率0.6000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物1の評価額を976万0057円と算出した。 (計算式)14,787,966×0.6000×1.10円=9,760,057円平成17年度の本件建物1の評価額は,1109万5645円であるところ,上記平成18年度の本件建物1の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物1の評価額を976万0057円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 c本件建物3本件建物3の平成17年度再建築費評点数は2091万9695点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を1987万3710点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数1987万3710点に,経年減点補正率0.6000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物3の評価額を1311万6648円と算出した。 (計算式)19,873,710×0.6000×1.10円=13,116,648円平成17年度の本件建物3の評価額は,1491万1559円であるところ,上記平成18年度の本件建物3の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物3の評価額を1311万6648円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 d本件建物4 本件建物4の平成17年度再建築費評点数は1億1075万423,,. 1点であるところ那覇市長はこれに がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 d本件建物4 本件建物4の平成17年度再建築費評点数は1億1075万423,,. 1点であるところ那覇市長はこれに再建築費評点補正率である095を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を1億0521万6519点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数1億0521万6519点に,経年減点補正率0.5556を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物4の評価額を6430万4127円と算出した。 (計算式)105,216,519×0.5556×1.10円=64,304,127円平成17年度の本件建物4の評価額は,7418万2077円であるところ,上記平成18年度の本件建物4の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物4の評価額を6430万4127円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 e本件建物5本件建物5の平成17年度再建築費評点数は948万1382点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を900万7312点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数900万7312点に,経年減点補正率0.7440を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物5の評価額を737万1584円と算出した。 (計算式)9,007,312×0.7440×1.10円=7,371,584円 平成17年度の本件建物5の評価額は,826万0181円であるところ,上記平成18年度の本件建物5の評 算出した。 (計算式)9,007,312×0.7440×1.10円=7,371,584円 平成17年度の本件建物5の評価額は,826万0181円であるところ,上記平成18年度の本件建物5の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物5の評価額を737万1584円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 f本件建物6本件建物6の平成17年度再建築費評点数は1420万2350点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を1349万2232点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数1349万2232点に,経年減点補正率0.6800を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物6の評価額を1009万2189円と算出した。 (計算式)13,492,232×0.6800×1.10円=10,092,189円平成17年度の本件建物6の評価額は,1137万3243円であるところ,上記平成18年度の本件建物6の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物6の評価額を1009万2189円と決定した。 需給事情による減点補正は,本件各建物の所在地域の状況に変化が,,。 ないものとして減価の必要を認めず同減点補正を適用しなかったg本件建物7本件建物7の平成17年度再建築費評点数は84万6045点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を 乗じて,平成18年度の再建築費評点数を80万3742点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数80万3 45点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を 乗じて,平成18年度の再建築費評点数を80万3742点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数80万3742点に,経年減点補正率0.7600を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物7の評価額を67万1928円と算出した。 (計算式)803,742×0.7600×1.10円=671,928円平成17年度の本件建物7の評価額は,75万1966円であるところ,上記平成18年度の本件建物7の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物7の評価額を67万1928円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 h本件建物8本件建物8の平成17年度再建築費評点数は2億8933万305,,. 4点であるところ那覇市長はこれに再建築費評点補正率である095を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を2億7486万6401点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数2億7486万6401点に,経年減点補正率0.7600を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物8の評価額を2億2978万8311円と算出した。 (計算式)274,866,401×0.7600×1.10円=229,788,311円平成17年度の本件建物8の評価額は,2億5715万9219円であるところ,上記平成18年度の本件建物8の評価額はこれを下回 っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物8の評価額を2億2978万8311円と決定した。 需給事情による減点補正につい あるところ,上記平成18年度の本件建物8の評価額はこれを下回 っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物8の評価額を2億2978万8311円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 i本件建物9本件建物9の平成17年度再建築費評点数は35万4410点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を33万6689点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数33万6689点に,経年減点補正率0.6471を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物9の評価額を23万9658円と算出した。 (計算式)336,689×0.6471×1.10円=239,658円平成17年度の本件建物9の評価額は,27万9797円であるところ,上記平成18年度の本件建物9の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物9の評価額を23万9658円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 j本件建物10本件建物10の平成17年度再建築費評点数は95万3275点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を90万5611点と付設 した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数90万5611点に,経年減点補正率0.7000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物10の評価額を69万7320円と算出した。 (計算 8年度の再建築費評点数90万5611点に,経年減点補正率0.7000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物10の評価額を69万7320円と算出した。 (計算式)905,611×0.7000×1.10円=697,320円平成17年度の本件建物10の評価額は,79万6939円であるところ,上記平成18年度の本件建物10の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物10の評価額を69万7320円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 k本件建物11本件建物11の平成17年度再建築費評点数は2426万1831点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0. 95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を2304万8739点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数2304万8739点に,経年減点補正率0.7333を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物11の評価額を1859万1804円と算出した。 (計算式)23,048,739×0.7333×1.10円=18,591,804円平成17年度の本件建物11の評価額は,2099万5462点であるところ,上記平成18年度の本件建物11の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物11の評価 額を1859万1804円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 l本件建物12本件建物12の平成17年度再建築費評点数は205万18 る減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 l本件建物12本件建物12の平成17年度再建築費評点数は205万1892点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を194万9297点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数194万9297点に,経年減点補正率0.3800を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物12の評価額を81万4806円と算出した。 (計算式)1,949,297×0.3800×1.10円=814,806円平成17年度の本件建物12の評価額は72万8339円であるところ,上記平成18年度の本件建物12の評価額はこれを上回っていることから,那覇市長は,前年度の評価額に基づき平成18年度の本件建物12の評価額を72万8339円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 m本件建物13本件建物13の平成17年度再建築費評点数は489万7698点であるところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を465万2813点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数465万2813点に,経年減点補正率0.7000を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物13の評価額を358万2666円と算出した。 (計算式)4,652,813×0.70000×1.10円=3,582,666円平成17年度の本件建物13の評価額は409万4476円であ 度の本件建物13の評価額を358万2666円と算出した。 (計算式)4,652,813×0.70000×1.10円=3,582,666円平成17年度の本件建物13の評価額は409万4476円であるところ,上記平成18年度の本件建物13の評価額はこれを下回っていることから,那覇市長は,平成18年度の本件建物13の評価額を358万2666円と決定した。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 n本件建物14本件建物14の平成17年度再建築費評点数は16億4538万4271点であったところ,那覇市長は,これに再建築費評点補正率である0.95を乗じて,平成18年度の再建築費評点数を15億6311万5057点と付設した。 そして,上記平成18年度の再建築費評点数15億6311万5057点に,経年減点補正率0.5040を乗じ,これに評点1点当たりの価額1.10円を乗じて,平成18年度の本件建物14の評価額を8億6659万0987円と算出した。 (計算式)1,563,115,057×0.5040×1.10円=866,590,987円平成17年度の本件建物14の評価額は8億1946万2468円であるところ,上記平成18年度の本件建物14の評価額はこれを上回っていることから,那覇市長は,前年度の評価額に基づき平成18年度の本件建物14の評価額を8億1946万2468円と決定し た。 需給事情による減点補正については,本件各建物の所在地域の状況に変化がなく減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 イ本件審査申出及び本件審査決定原告は,那覇市長が決定した本件登録価格を不服として,処分行政庁に対し,平成18年6月13日付けで く減価の必要は認められないとして,同減点補正は適用されなかった。 イ本件審査申出及び本件審査決定原告は,那覇市長が決定した本件登録価格を不服として,処分行政庁に対し,平成18年6月13日付けで本件審査申出をした。 処分行政庁は,平成19年5月21日付けで,本件各建物については需給事情による減点補正を適用すべきであり,原告の本件審査申出には一部理由があるから,本件各建物の固定資産価格を別表の「審査決定価格」欄記載の各金額(以下「本件審査決定価格」という)とするのが相。 当であるとして,本件登録価格の9割を超える部分を取り消すとともに,その余の審査申出を棄却した。 本件審査決定の理由の要旨は,①本件審査決定は,新ターミナルビルの供用開始に伴う原告の空港ターミナル事業の廃止によって,本件各建物の所在地域の状況が変化し,所有者である原告と無関係な一般的,普遍的な事情により需給が制限され,本件各建物は,その価額が減少した事情があり,この事情は,固定資産評価基準が定める需給事情による減点補正を適用すべき事情に該当する,②原告が事業廃止後,本件各建物の固定資産の賦課基準日である平成18年1月1日までの約6年7か月の間,本件各建物を取り壊して撤去することなく所有し保有していたことからすると,本件各建物自体に財産的価値が存していたことを意味するから,減価割合は1割程度の僅少にとどまり,減点補正率は,0.9とするのが相当であり,本件各建物の本件登録価格に減点補正率0.9を乗じた金額(本件審査決定価格)を本件各建物の適正な時価とするが相当であるというものである。 (7)本件各建物の現況等ア本件各建物は,平成11年5月26日以降使用されなくなったため,塩害によるさびと腐食が進み,台風による雨漏りの被害が発生するなど老朽化した状態にある。 平 る。 (7)本件各建物の現況等ア本件各建物は,平成11年5月26日以降使用されなくなったため,塩害によるさびと腐食が進み,台風による雨漏りの被害が発生するなど老朽化した状態にある。 平成18年4月の時点の本件各建物の状態は,同建物1階において,9か所の天井ボード等の落下,3か所の天井・壁側面部等の落下,4か所の床タイルの隆起・剥離が認められ,同建物の2階において,26か所の天井ボード等の落下,9か所の天井・壁側面部等の落下,1か所の床タイルの剥離が認められ,同建物の3階において,10か所の天井ボードの落下及び著しい雨漏り,2か所の壁側面の破損が認められ,同建物の外観においても,8か所の天井・壁等の落下,破損,亀裂及び剥離等が認められるというものであった(枝番を含む甲18,19。 )イ原告は,別訴事件の確定後,本件各建物の取壊しに着手した(公知の事実。 ) 争点及び争点に関する当事者双方の主張(1)争点1(本件審査決定が需給事情による減点補正率を0.9としたことの適否)について(被告の主張)本件審査決定がした需給事情による減点補正は,本件通達の「③交通の便否,人口密度,宅地価格の状況等を総合的に考慮した場合において,当該地域に所在する家屋の価額が減少すると認められる地域に所在する家屋」に該当するとして行われたものである。 上記需給事情による減点補正は,新ターミナルビルの供用開始に伴う原告の空港ターミナル事業の廃止によって,空港敷地内にある本件各建物の所在地域の状況が変化し,所有者である原告と無関係な一般的,普遍的な事情により需給が制限されその価額が減少すると認められたことによるものであ る。 需給事情による減点補正のうち,上記の所在地域の状況の変化による減点補正は,10ないし30%を限度として行うことが一般 より需給が制限されその価額が減少すると認められたことによるものであ る。 需給事情による減点補正のうち,上記の所在地域の状況の変化による減点補正は,10ないし30%を限度として行うことが一般的であるとされている。また,原告は,空港ターミナル事業を廃止した平成11年5月26日から本件各建物の固定資産税の賦課期日である平成18年1月1日までの約6年7か月間,本件各建物を取り壊して撤去することなく所有していたものであり,このことは,本件各建物に財産的価値が存していたことを意味するものである。 本件審査決定は,以上の点から,需給事情による減価の割合は大きいものとはいえず,減点補正率を0.9とするのが相当であるとしたものである。 (原告の主張)本件各建物の固定資産価格を算定するに当たっては,評価額が0円となるように,需給事情による減点補正が行われるべきであり,本件審査決定価格は,本件各建物の適正な時価を超えており違法である。 ,「,需給事情による減点補正率は建築様式が著しく旧式となっている家屋所在地域の状況によりその価額が減少すると認められる家屋」について,その減少する価額の範囲において求めるものとされている。本件では「所在,地域の状況によりその価額が減少すると認められる家屋」に本件各建物が該,,,当するかが問題となるが本件各建物の所在する地域には那覇空港のほか那覇軍港,自衛隊基地及びその関連施設があり,民間の建物はほとんど存在していない。 したがって,需給事情としては,那覇空港及びその関連施設について検討することとなるが,これらは,那覇空港の空港関連事業と深く結びついており,これと結びつきを持たない施設は取引の対象とはなり得ない。 本件各建物は,原告の空港ターミナル事業にかかる旧第1ターミナルビルとしての役割を終え,本件敷 ,那覇空港の空港関連事業と深く結びついており,これと結びつきを持たない施設は取引の対象とはなり得ない。 本件各建物は,原告の空港ターミナル事業にかかる旧第1ターミナルビルとしての役割を終え,本件敷地の敷地利用権を失い,現況は廃屋となってい ,,るのであって本件各建物の所在する地域の上記のような特殊性に照らせば本件各建物が建物として取引されることはなく,本件敷地の所有者である国の要求に従い,同建物を取り壊すしかないから,減点補正率を0とするのが相当である。 なお,原告が空港ターミナル事業廃止後も,本件各建物を取り壊すことなく所有していたのは,同建物に財産的価値を見いだしていたからではなく,NABCOとの間で,別訴事件が係属しており,その解決策として,本件各建物をNABCOに売却することを意図していたからであるにすぎない。 (2)争点(2(その余の減額事由)について)(原告の主張)仮に,需給事情による減点補正がされないとしても,①本件各建物は暫定的な建物であること,②本件各建物の敷地利用権が消滅していること,③不動産鑑定士による本件各建物の鑑定評価額は1433万円と低額であること,④本件各建物は,新ターミナルビルが供用開始されたことにともない,ターミナルビルとしての役割を終え,耐用年数も超過し廃屋となっていることなどから,固定資産評価基準によっては価格を適切に算定することができない特別の事情があるというべきであって,その評価額は0円とすべきである。 (被告の主張)否認又は争う。 第3 判断 争点1(本件審査決定が需給事情による減点補正率を0.9としたことの適否)について(1)前記第2の2(3)ウのとおり,固定資産評価基準は,需給事情による減点補正率について「建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋,,所在地域の 点補正率を0.9としたことの適否)について(1)前記第2の2(3)ウのとおり,固定資産評価基準は,需給事情による減点補正率について「建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋,,所在地域の状況によりその価額が減少するものと認められる非木造家屋等に ついて,その減少する価額の範囲において求めることとする」と規定し,。 本件通達は,需給事情による減点補正を適用する具体例として「①最近の,建築様式又は生活様式に適応しない家屋で,その価額が減少するものと認められるもの,②当該地域の事情により当該地域に所在する家屋の価額が減少すると認められる地域に所在する家屋,③交通の便否,人口密度,宅地価格の状況等を総合的に考慮した場合において,当該地域に所在する家屋の価額が減少すると認められる地域に所在する家屋」を挙げている。 上記①は,当該建物の「建築様式が著しく旧式になっている」こと(建物自体の個別的要因)により,②及び③は,当該建物の「所在地域の状況(地域要因)により,それぞれ需給事情による減点補正を適用すべき」ものをいうものと解される。 (2)前提となる事実(6)イのとおり,本件審査決定が本件各建物の需給事情による減点補正率を0.9とした理由の要旨は,①新ターミナルビルの供用開始に伴う原告の空港ターミナル事業の廃止によって,本件各建物の所在地域の状況が変化し,所有者である原告と無関係な一般的,普遍的な事情により,需給が制限され,本件各建物はその価額が減少した事情があると認,,「」められこの事情は固定資産評価基準が定める需給事情による減点補正を適用すべき事情に該当する,②需給事情による減点補正率は,原告が事業廃止後,本件各建物の固定資産税の賦課期日である平成18年1月1日までの約6年7か月の間,本件各建物を取り壊して撤 による減点補正を適用すべき事情に該当する,②需給事情による減点補正率は,原告が事業廃止後,本件各建物の固定資産税の賦課期日である平成18年1月1日までの約6年7か月の間,本件各建物を取り壊して撤去することなく所有し保有していたことからすれば,本件各建物自体に財産的価値が存していたことを意味するから,減価割合は1割程度の僅少にとどまり,減点補正率は,0. 9とするのが相当であるというものである。 (3)本件審査決定が本件各建物について需給事情による減点補正を適用すべきとした理由が,建物自体の個別的要因によるものなのか,その地域要因によるものなのか決定自体からは必ずしも判然としない(被告の主張は,地 域要因(上記(1)の③)によるとする趣旨のようである)が,新ターミ。 ナルビルの供用開始とこれに伴う原告の空港ターミナル事業の廃止によって,上記地域(狭くは那覇空港の所在する地域,広くは同空港のほか,上記軍港・基地等の所在する地域)内の建物全体の需給が減少するような地域要因の変化が生じたと認めることはできず(むしろ,那覇空港の所在する地域については,新ターミナルビルの供用開始による観光客等の増大により,経済価値が上昇する一方,上記軍港・基地等の所在する地域には格別の変化がないのが通常であろう,新ターミナルビルの供用開始によって,旧第1。)ターミナル(本件各建物)が旧式のものとなり,その経済価値が相対的に減少したという個別的要因(上記(1)の①)が需給事情による減点補正を適用すべき理由と解するのが相当である。 (4)そこで,本件審査決定が本件各建物の需給事情による減点補正率を0. 9としたことの適否について検討する。 ア本件通達廃止後も,全国の市町村において,需給事情による減点補正がおおむね1割を限度としてされてきたことは,前記第2の 各建物の需給事情による減点補正率を0. 9としたことの適否について検討する。 ア本件通達廃止後も,全国の市町村において,需給事情による減点補正がおおむね1割を限度としてされてきたことは,前記第2の2(3)ウのとおりであり,被告は,このような前例を参考として,本件においても減点補正率を0.9としたものと推認される。 イしかしながら,前記第2の2(3)ウ(エ)のとおり,固定資産評価基準は,需給事情による減点補正率の具体的な適用について,何ら制限をしておらず,本件通達の発出後は,需給事情による減点補正率は減少する価額の範囲内で適用するものとされ,行政解釈上も何ら制限はなかったものである。 ウまた,前提となる事実(3)アないしウで認定したとおり,本件各建物は,那覇空港の航空需要の著しい増大に対処するために,昭和50年に旧第1ターミナルビルとして建築された暫定的な建物であったところ,新ターミナルビルは,原告と沖縄県が,平成4年1月27日,分散・狭あい化 している旧ターミナルビルの統合整理に着手し,旧ターミナルビルに代わり空港ターミナル事業を行うために建築されたものであり,平成11年5月26日にその供用が開始されたものである。 上記のような旧第1ターミナル(本件各建物)及び新ターミナルビルの建築の経緯に照らせば,旧第1ターミナル(本件各建物)は,新ターミナルビルの供用が開始された平成11年5月26日以降は,その歴史的使命を終えた,著しく旧式のものとなっており,本件通達の「最新の建築様式に適応しない家屋で,その価額が減少するものと認められるもの(1)」(の①)であり,固定資産評価基準の「建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋」に当たるというべきである。 エさらに,前提となる事実(2)及び(3)で認定したとおり,本件各建物は,国が所 )」(の①)であり,固定資産評価基準の「建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋」に当たるというべきである。 エさらに,前提となる事実(2)及び(3)で認定したとおり,本件各建物は,国が所有し原告がその許可を得て使用していた本件敷地上に存在していたものであり,新ターミナルビルが建築され空港ターミナル事業が,原告からNABCOに引き継がれることとなったことにより,同敷地の使用許可は,新ターミナルビルの供用開始の前日の平成11年5月25日をもって終了している。また,上記のとおり,本件各建物は,原告が空港ターミナル事業を行うに当たり,旧第1ターミナルビルとして暫定的に利用することを目的として建築された建物であり,その用途も限られていたものである。 このような本件各建物の建築目的・用途等からすると,本件各建物が,他に転用されて利用される可能性もほとんどないと考えられる(前提となる事実(7)イのとおり,原告は,別訴事件の確定後,本件各建物の取壊しに着手している。 。)オ以上によれば,新ターミナルビルの供用開始後の本件各建物は「建築,様式が著しく旧式となっている非木造家屋」に当たり,これによる同建物 の減価割合は,1割にとどまらないと解するのが相当であり,本件審査価格が適正な時価を超えることは明らかである。 そうすると,本件審査決定が本件各建物の需給事情による減点補正率を0.9としたのは,全国の市町村が需給事情による減点補正をおおむね1割を限度としていた前例を安易に適用したものすぎず,本件各建物の特殊性について十分な検討がされておらず,違法というほかない。 したがって,本件審査決定中,本件審査申出を棄却した部分は取消しを免れないというべきであり,本件全証拠によっても,本件各建物に適用すべき需給事情による減点補正率が0といえるか ,違法というほかない。 したがって,本件審査決定中,本件審査申出を棄却した部分は取消しを免れないというべきであり,本件全証拠によっても,本件各建物に適用すべき需給事情による減点補正率が0といえるかは必ずしも明らかでない(原告は,不動産鑑定による本件各土地の鑑定評価額は1433万円であると主張している)から,上記部分の全部を取り消すのが相当である。 。 (5)これに対し,被告は,原告が空港ターミナル事業が廃止された平成11年5月26日以降も,本件各建物の固定資産税の賦課期日である平成18年1月1日までの約6年7か月の間,本件各建物を取り壊して撤去することなく所有していたことは,同建物に財産的価値が存していたことを意味すると主張する。 しかしながら,前提となる事実(4)で認定したとおり,原告は,NABCOとの間で本件各建物を帳簿価格で有償譲渡する交渉をし,その後,原告は,NABCOを被告として,本件各建物についての売買契約に基づく売買代金等の支払を求める別訴事件を提起しており,原告が本件各建物を取り壊わさないでいたのは同事件が係属していたためにすぎないと推認される前,(提となる事実(7)のとおり,本件各建物は,平成11年5月26日以降使用されなくなったため,塩害によるさびと腐食が進み,台風による雨漏りの,,,被害が発生するなど老朽化した状態にありまた原告が別訴事件の確定後本件各建物の取壊しに着手していることは上記推認を裏付けるものである。 。) したがって,被告の上記主張は採用することができない。 結論 よって,原告の請求は,争点(2)について判断するまでもなく,いずれも理由があるから認容することとし,主文のとおり判決する。 那覇地方裁判所民事第2部裁判長裁判官大野和明裁判官田邉実裁判官小西圭 争点(2)について判断するまでもなく,いずれも理由があるから認容することとし,主文のとおり判決する。 那覇地方裁判所民事第2部裁判長裁判官大野和明裁判官田邉実裁判官小西圭一
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