平成19年4月12日判決言渡平成14年(ワ)第662号損害賠償請求本訴事件平成15年(ワ)第451号貸金請求反訴事件口頭弁論終結日平成18年11月13日(本訴原告(反訴被告)は,以下,単に「原告」といい,本訴被告(反訴原告)は,以下,単に「被告」という)。 主文 原告は,被告に対し,2931万4587円及びこれに対する平成15年7月5日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 原告の本訴請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,本訴反訴を通じ,原告の負担とする。 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 本訴請求被告は,原告に対し,5638万円及びこれに対する平成14年12月12日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 反訴請求主文第1項と同旨第2事案の概要本件本訴請求は,原告が,被告に対し,(1)主位的に,ア原告と被告が平成7年12月12日にコンビニエンスストアのフランチャイズ契約を締結するに際し,被告に不法行為(詐欺行為ないし信義則上の情報提供義務違反行為)があったとして,損害賠償金合計8269万6 386円(①原告が被告に対して支払った平成8年1月分から平成14年9月分までのロイヤリティ5338万円,②初期投資金の未清算分415万円,③原告が被告に対して支払った平成8年1月分から平成14年12月分までの什器備品のリース料金2516万6386円の合計)の一部である5638万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日である平成14年12月12日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求め,イ又は,原告の上記契約締結の意思表示には要素の錯誤があり無効であるとして,不当利得に基づき,上記アと同額の金員 12月12日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求め,イ又は,原告の上記契約締結の意思表示には要素の錯誤があり無効であるとして,不当利得に基づき,上記アと同額の金員の支払を求め,(2)予備的に,平成7年12月12日付けでフランチャイズ契約は成立しておらず,平成11年5月1日付けでフランチャイズ契約が締結されたとして,,,も被告には上記(1)と同様の不法行為があり又は錯誤無効であるとして不法行為ないし不当利得に基づき,上記(1)アと同額の金員の支払を求めた事案である。 本件反訴請求は,被告が,原告に対し,原告と被告とが平成11年5月1日付けで締結したフランチャイズ契約の終了に伴い,上記契約上の原告に対する貸付金(上記契約上の原告と被告との間の継続的計算関係(オープンアカウント)における借方残高)2931万4587円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日である平成15年7月5日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 争いのない事実等(各項目の末尾に証拠等の掲記のない事実は,当事者間に争いがないか,明らかに争わない事実である)。 (1)当事者等被告は,コンビニエンスストア「a」の経営等を目的とする株式会社である。 被告は,自ら直営店としてコンビニエンスストアの店舗運営を行うととも に,フランチャイザー(本部)としてフランチャイジー(加盟店)を募ってコンビニエンスストアのフランチャイズチェーンを展開している。 フランチャイズ契約は,双務契約であり,契約当事者であるフランチャイ,,。 ザーとフランチャイジーの双方はそれぞれ以下の権利を有し義務を負うアフランチャイザーの義務フランチャイザーは,フランチャイズシステムと呼ばれる一定の経営システムな であるフランチャイ,,。 ザーとフランチャイジーの双方はそれぞれ以下の権利を有し義務を負うアフランチャイザーの義務フランチャイザーは,フランチャイズシステムと呼ばれる一定の経営システムないし一連のプログラムを加盟店へ提供する義務を負っている。 (ア)経営上のノウハウ(知識,技術,商品,情報)の使用許可(イ)経営上の標識(商号・商標・サービスマーク等)の使用許可(ウ)経営に関する指導及び援助をなすべき義務イフランチャイジーの義務フランチャイジーは,フランチャイザーによるフランチャイズシステムの提供に対する対価としてのロイヤリティをフランチャイザーに支払う義務を負っている。 (2)フランチャイズ契約締結等の経緯ア原告は,平成7年12月12日,被告との間で,これまで被告が直営店として営業してきた「a甲店(岐阜県土岐郡乙町(現・多治見市乙町)」字丙番地丁所在。以下「本件店舗」という)について,同日付け「コン。 ビニエンスストアー加盟店契約書(甲4。以下「第1加盟店契約書」と」いう)を作成し,これに基づく契約(以下「第1加盟店契約」という)。 。 を締結した(なお,この契約が,フランチャイズ契約であるか否かについては,後記争点(1)アのとおり争いがある。 。)第1加盟店契約書には「コンビニエンスストアー加盟店契約書〔Lタ,イプ」との表題が記載された内表紙が綴じられているほか,以下の条項〕が設けられている。 (ア)フランチャイザーである被告は,フランチャイジーである原告と, コンビニエンス・ストアーの運営について,フランチャイズ契約を締結した(冒頭)。 (イ)原告及び被告は,コンビニエンス・ストア事業についてのフランチャイズ関係を樹立することを合意する(1条)。 ,,(ウ)被告及び原告は原告の開業 ランチャイズ契約を締結した(冒頭)。 (イ)原告及び被告は,コンビニエンス・ストア事業についてのフランチャイズ関係を樹立することを合意する(1条)。 ,,(ウ)被告及び原告は原告の開業後の相互の貸借内容・経過を明確にし順次決済をする方法として,原告の店舗開店日に開設し,以後その都度貸借について記帳する「オープンアカウント(被告の加盟店ごとに,」開業日からフランチャイズ契約に基づく本部と加盟店との間の一切の債権債務関係の清算に至るまでの間の貸借の内容・経過及び加盟店の義務に属する負担を逐次記帳して明らかにし,一括して借方貸方の各科目を差引計算して決済していく継続的計算方法)により,これを行うこと。 を合意する(16条,添付明細書№10。 )(エ)被告は,加盟店の各月及び各年ごとの損益計算書及びオープンアカウントを作成して,原告に提供する(33条。 )(オ)契約終了に伴う一切の事項の処理が完了したときは,それまでのすべての債権債務を記帳し締め切る計算手続をして,オープンアカウントを閉鎖する。オープンアカウントの貸方残高のあるときは,被告は,原告に対してその残高金額を支払う。借方残高のあるときは,原告は,被告に対し,その残高金額について清算支払をする(50条。 。 )イ原告は,平成8年1月16日ころ,被告との間で,同日付け「コンビニエンスストア・a加盟店予約及び加盟予約金に関する契約書(乙1。以下,」「第1予約契約書」といい,同契約書に基づく契約を「第1予約契約」という)を作成し,同日から,本件店舗の営業を開始した。 。 第1予約契約書には,以下の条項が設けられている。 ,,(ア)被告は正式加盟契約のオープンアカウントに相応する資料としてL型オープンアカウントを,原告が正式加盟契約が締結できるまでの間 作成 第1予約契約書には,以下の条項が設けられている。 ,,(ア)被告は正式加盟契約のオープンアカウントに相応する資料としてL型オープンアカウントを,原告が正式加盟契約が締結できるまでの間 作成し,提供する(6条。 。 )(イ)L型オープンアカウントは,原告の特別賞与金の算定と店舗運営のための指標とすべきものであり,このL型オープンアカウントの閉鎖時にはその貸借について双方請求しないものとする(8条。 )ウ原告は,平成10年9月19日,同日付け「コンビニエンスストア・a」(。 ,「」加盟店予約及び加盟予約金に関する契約書乙3以下第2予約契約書といい,同契約書に基づく契約を「第2予約契約」という)を作成した。 。 第2予約契約書には,第1予約契約書6条(上記イ(ア))と同様の条項がもうけられたが,同契約書8条本文については,L型オープンアカウントの閉鎖時に,その貸借については双方請求するものとすると内容を変更した(8条。 )エ原告は,平成11年12月ころ,被告との間で,平成11年5月1日付け「コンビニエンスストア加盟店契約書(乙4。以下「第2加盟店契約」書」という)を作成し,これに基づく契約(以下「第2加盟店契約」と。 いう)を締結した。 。 第2加盟店契約書には,第1加盟店契約と同内容の前記ア(ア)ないし(オ)の条項がもうけられている。 また,原告は,同日,被告との間で,本件店舗の営業の譲渡について定めた「営業の譲渡に関する契約書(乙5。以下「譲渡契約書」という)」。 に基づく契約,同日から平成23年1月15日までを賃貸借期間とする本(),()件店舗の賃貸借契約乙7及びカウンター什器等のリース契約乙8を締結した。 (3)売上金等の送金停止及びその後の経緯等ア第2加盟店契約においては,原告は, 貸借期間とする本(),()件店舗の賃貸借契約乙7及びカウンター什器等のリース契約乙8を締結した。 (3)売上金等の送金停止及びその後の経緯等ア第2加盟店契約においては,原告は,毎日の総売上金及び原告の受け取,(「」。)った値引金仕入割戻金並びに雑収入金等以下販売受取高というを,被告の指定する銀行口座に,原告の費用負担で,毎日の精算があった 時点から24時間以内に入金もしくは送金することが定められている(24条)ところ,原告は,被告に対する平成14年12月4日分以降の販売受取高の送金を停止した。 イ被告は,原告に対し,平成14年12月17日付け催告書(乙9の1)をもって,同月4日から上記催告書が原告に到達した日の前日までの販売受取高を直ちに被告に送金し,かつ,上記催告書の到達日以降の販売受取高を毎日の精算がなされた時点から24時間以内に被告に送金することを求めるとともに,上記催告書の到達後10日以内にこれらがすべて履行されない場合には,第2加盟店契約を直ちに解除する旨通知し,上記催告書は,同月18日,原告に到達した(乙9の1・2。 )ウ原告は,平成14年12月28日を経過しても,上記催告書記載の送金をしなかった。 エ平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高は2931万4587円であった(乙90の2。 ) 争点 (1)本訴請求についてア第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約が成立したか。 イ第1加盟店契約締結に関する被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為の有無(主位的請求につき)ウ第1加盟店契約締結に関する原告の要素の錯誤の有無(主位的請求につき)エ第2加盟店契約締結に関する被告の不法行為ないし要素の錯誤の有無(予備的請求につき)オ損 の有無(主位的請求につき)ウ第1加盟店契約締結に関する原告の要素の錯誤の有無(主位的請求につき)エ第2加盟店契約締結に関する被告の不法行為ないし要素の錯誤の有無(予備的請求につき)オ損害ないし不当利得の発生の有無及び額(2)反訴請求についてア被告の原告に対する貸金債権の有無 イ原告の債務不履行の成否ウ相殺の可否エ被告の禁反言,信義則違反,公序良俗違反の有無 争点に関する当事者の主張(1)本訴請求についてア第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約が成立したか。 (原告の主張)(ア)原告は,平成7年12月12日,被告との間で,本件店舗について,。 ,第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結したこのことは被告によるフランチャイズ契約の締結の勧誘がなされた上で第1加盟店契約書が作成されていること,同契約書の条項は,いずれもフランチャイズ契約の内容そのものであること,特に,契約締結と同時に加盟金309万円を支払う旨の条項があるが,原告は,フランチャイズ契約を締結し,オーナーとなるための投資であるからこそこのような高額の金員の支払に応じたものであること,同契約の締結時に原告が被告に支払った100万円の領収書には「加盟金内金として」と記載されていること,原告は,加盟金残金と初期投資等として,平成8年1月31日に1900万円を支払っており,そのため銀行から2000万円の融資を受けているが,銀行に提出した事業計画書にもフランチャイズ契約を締結したことが明記されていることなどから明らかである。 (イ)被告は,第1加盟店契約はフランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,後に締結される予約契約によって補足されることが予定されている,いわば予約契約と一体の契約として捉えられるべき特殊な契約(雇 は,第1加盟店契約はフランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,後に締結される予約契約によって補足されることが予定されている,いわば予約契約と一体の契約として捉えられるべき特殊な契約(雇用契約)であり,原告が酒類販売免許を取得した後に第2加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結した旨主張するが,そのような特殊な契約を締結した理由等について何ら合理的な説明がされてい ない。 第1予約契約書は第1加盟店契約と同時に作成されたものではない。 また,被告は,原告に対して,第1加盟店契約を締結する前に,後に内容を補足する予約契約を締結し,これと一体のものとして捉える契約で,,,ある旨の説明はしておらず原告には第1加盟店契約を締結する際にそのような特殊な契約を締結する意思もなかった。 ,,,第1予約契約書は原告が酒類販売を行うための方便として形式上原告が被告の従業員であるかのように体裁を整えるためのものに過ぎないというべきである。 また,第2加盟店契約は,第1加盟店契約と内容にほとんど違いはないことからすると,原告の地位について従業員からオーナーという重大な変動をもたらすものではなく,第1加盟店契約を承継するものに過ぎないというべきである。 (被告の主張)(ア)第1加盟店契約は,原告が酒類販売免許を取得するまでの間,被告の直営店の店長(従業員)として原告を雇用する内容の暫定的な契約であって,フランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,後に締結する予約契約によって補足することが予定されている,いわば後に締結する予約契約と一体の契約として捉えるべき特殊な契約(雇用契約)である。原告と被告は,原告が酒類販売免許を取得した後に,第2加盟店契約をもって,フランチャイズ契約を締結した。 被告の開発担当従業員であるbは,原告 一体の契約として捉えるべき特殊な契約(雇用契約)である。原告と被告は,原告が酒類販売免許を取得した後に,第2加盟店契約をもって,フランチャイズ契約を締結した。 被告の開発担当従業員であるbは,原告に対し,平成7年秋に本件店舗の引継ぎを提案した当初から,原告が酒類販売免許を取得するまでの間は被告の従業員となって本件店舗で店長として働いてもらい,免許を取得したら正式に被告のフランチャイズに加盟してもらう予定であることを説明していた。 また,被告の従業員であるcは,平成7年12月12日の1週間ないしは2週間くらい前に,原告に対し,第1加盟店契約はLタイプという酒類販売免許を取得するまでの暫定的な契約であり,原告には,酒類販売免許を取得するまでの間は被告の従業員となって本件店舗で店長として働いてもらうことになること,正式な加盟店契約をするか否かは後日別途判断することができること,Lタイプの契約では,契約書の各条項と実際の契約内容とが合致しない部分があるので,そのような部分については,実際の契約内容に即した予約契約を別途締結してこれを補足することなどを説明している。なお,予約契約書の作成・調印を後日に行ったのは,平成7年当時,被告のフランチャイズチェーンにおいてはLタイプの契約をするケースがほとんどなく,予約契約書のひな型が手元になかったためである。 (イ)原告は,第1予約契約書は,原告が酒類販売を行うための方便として形式上体裁を整えるためのものに過ぎない旨主張するが,上記予約契約の内容は,通常のフランチャイズ契約の内容とは明らかに異なっており,店舗が被告の直営店であることを前提として被告と原告との間の雇用契約を規定したものであって,単に形式上の体裁を整えるためのものではない。 イ第1加盟店契約締結に関する被告の詐欺ないし情報提供義 り,店舗が被告の直営店であることを前提として被告と原告との間の雇用契約を規定したものであって,単に形式上の体裁を整えるためのものではない。 イ第1加盟店契約締結に関する被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為の有無(原告の主張)(ア)詐欺被告には,①コンビニエンスストア事業のための運営のノウハウがなく,かつ,②原告に告知した収支計画(経費・利益予測)には客観的かつ正確な根拠がなかった。被告は,このことを知りながら,あたかも被告が有するノウハウにより営業は安定成長し,1年目から1000万円 以上のオーナー利益が予測されるとの虚偽の事実を告知し,原告をその,。 ,旨誤信させ原告をして契約を締結させたこれらは詐欺行為に該当し不法行為が成立する。 (イ)情報提供義務違反aフランチャイズ契約締結に当たって,フランチャイザーには,客観的かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務がある。そして,告知された予測と実績との間に大きな乖離(売上げの場合,実績が予測の60%以下)がある場合には,反証がない限り,告知された予測に根拠がないことが推定される。 b本件では,経費・利益の予測(被告が勧誘時に原告に提示した収支計画(甲3)中の数値)と実績の数値との間に,大きな乖離がある。 すなわち,被告が原告に提示した収支計画上の経費(人件費,水道光熱費,消耗品費・雑費)の数値は実績の数値と比較して明らかに過小なものとなっている。 また,利益についても,収支計画上のオーナー利益と実際のオーナー利益は下記のとおりであり,実際のオーナー利益は,1年目は収支計画上の数値の39%,2年目は収支計画上の数値の31.4%,3年目は収支計画上の数値の19.8%を達成したにすぎず,被告の提示した収支計画上のオーナー利益と実際のオーナー利益の差は歴然と は収支計画上の数値の39%,2年目は収支計画上の数値の31.4%,3年目は収支計画上の数値の19.8%を達成したにすぎず,被告の提示した収支計画上のオーナー利益と実際のオーナー利益の差は歴然と,。 ,,しており被告の利益予測のずさんさは明らかであるなお被告は利益予測と実績との乖離を検討するにあたり,収支計画上の「営業利益」欄の数値を比較の対象としているが,フランチャイズ契約を締結する者が最も重視するのはオーナー利益であることからすれば「オ,ーナー利益」欄の数値と実際のオーナー利益を比較すべきである。 記(収支計画上の数値)(実績上の数値) 1年目1159万5168円452万7359円2年目1193万9783円375万2204円3年目1458万0603円287万9838円cまた,後記(被告の主張)(イ)のとおり,被告は「営業利益」欄,の金額について会計学上の正しい営業利益額を示していない収支計画(甲3)を原告に示して契約に及んでいることを認めていることからしても,営業利益に関して被告に情報提供義務違反があることは明らかである。 dよって,第1加盟店契約締結の際に,被告には情報提供義務違反があったといえ,不法行為を構成する。 (被告の主張)(ア)被告には,コンビニエンスストア営業のノウハウがなかったわけではない。 また,平成7年秋頃,被告が,原告に対して示した収支計画(甲3)は,オーナーとなる場合の参考資料として示したものに過ぎず,原告が被告と現実に加盟店としてフランチャイズ契約を締結した場合を想定した予測資料ではなく,その後,平成11年5月1日までの実際の収支と齟齬が生じたとしても,詐欺行為には該当しない。 (イ)本件では,前記アのとおり,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質 した予測資料ではなく,その後,平成11年5月1日までの実際の収支と齟齬が生じたとしても,詐欺行為には該当しない。 (イ)本件では,前記アのとおり,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するか否かについて争いがあるところ,仮に同加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものであったとしても,上記収支計画(甲3)は本件店舗のそれまでの収支実績等に基づいて作成されたものであるから,その数値は根拠のないものではなく,また,上記収支計画の内容と,原告が本件店舗の運営を引き継いだ平成8年1月16日以降3年間の本件店舗の実績との間には,それほど大きな乖離があったとはいえない。 すなわち,収支計画の経費の数値は過小なものではない。 また,上記収支計画(甲3)の「営業利益」欄の金額は会計学上の正しい営業利益額を示しておらず,また,本件店舗について作成された損益計算書の営業利益の金額も原告夫婦に支払った給与等を経費に含めて算出されており,オーナー経営を前提とした営業利益額ではないから,営業利益について収支計画と実績とを比較する際には,これらを正しく修正した上で比較する必要があるところ(実質営業利益,下記のとお)り,本件店舗の営業利益の実績の数値は,1年目及び2年目については収支計画の数値を下回ってはいるものの,その80%近い金額に達しており,また,3年目は,収支計画の数値の40%余りに止まっているものの,総額で700万円近い営業利益額を達成しており,十分な営業成績と評価できる。なお,原告は,利益予測上の数値と実績上の数値との比較を検討する際には,実質営業利益ではなくオーナー利益を比較すべきである旨主張するが,オーナー利益は,営業利益額から本来損益計算上は経費とならない借入返済金を差し引いて算出された金額であり,当該店舗 を検討する際には,実質営業利益ではなくオーナー利益を比較すべきである旨主張するが,オーナー利益は,営業利益額から本来損益計算上は経費とならない借入返済金を差し引いて算出された金額であり,当該店舗についての会計学上の正しい損益を表すものではなく,また,借入返済金の金額はオーナーの借入総額,返済状況及び利率等により異な,,るものであり店舗の売上額及び経費額とは相関しない事柄であるからオーナー利益をもって利益予測上の数値と実績上の数値を比較することは不適切である。 記(収支計画上の数値)(実績上の数値)1年目1378万9168円1089万3269円2年目1413万3783円1101万8421円3年目1677万4603円680万0670円(ウ)したがって,被告に原告の主張する詐欺ないし情報提供義務違反の 不法行為は全く存しない。 ウ第1加盟店契約締結に関する原告の要素の錯誤の有無(原告の主張)(ア)原告は,前記イのとおり,被告がノウハウを有しておらず,また,経費・利益予測に客観的・正確な根拠が無いことを知っていれば,被告との間で第1加盟店契約を締結することはなかった。したがって,原告の第1加盟店契約の締結の意思表示は要素の錯誤により無効である。 (イ)また,前記アのとおり,第1加盟店契約がフランチャイズ契約の性質を有するか否かについては争いがあるところ,仮に第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,後に締結する予約契約によって補足されることが予定された特殊な契約(雇用契約)であるとしても,第1予約契約については,被告から対行政上の形式的なものに過ぎないと誤信させられた上で締結したのであるから,原告の第1予約契約締結の意思表示は要素の錯誤により無効であり,このような予約契約によ も,第1予約契約については,被告から対行政上の形式的なものに過ぎないと誤信させられた上で締結したのであるから,原告の第1予約契約締結の意思表示は要素の錯誤により無効であり,このような予約契約によって補足されることが予定された第1加盟店契約を締結する旨の原告の意思表示も要素の錯誤により無効である。 (被告の主張)平成7年秋頃,被告が,原告に対して示した収支計画(甲3)は,オーナーとなる場合の参考資料として示したものに過ぎず,原告が被告と現実に加盟店としてフランチャイズ契約を締結した場合を想定した予測資料ではない。そして,原告は,収支計画が参考資料に過ぎないことを了解した上で,フランチャイズ契約としての性質を有しない第1加盟店契約を締結したのであるから,その後,平成11年5月1日までの実際の収支と齟齬が生じたとしても,原告の第1加盟店契約の意思表示に要素の錯誤があっ たとはいえない。 エ第2加盟店契約締結に関する被告の不法行為ないし要素の錯誤の有無(原告の主張)前記アのとおり,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するか否かについては争いがあるところ,仮に,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものではないとしても,原告は,第1予約契約を締結した際に「出店案内書」に基づいて将来被告との間でフランチャイズ契約を締結することを決意したというべきであり,第2加盟店契約の締結の際に被告との間のフランチャイズ契約を締結するか否かの判断をしたわけではないから,第2加盟店契約は,第1予約契約の延長線上にあるというべきであり,第2加盟店契約締結に関する被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為又は要素の錯誤の有無を判断する際には,第2加盟店契約締結の時点ではなく,第1予約契約締結の時点を基準にすべきである。 あり,第2加盟店契約締結に関する被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為又は要素の錯誤の有無を判断する際には,第2加盟店契約締結の時点ではなく,第1予約契約締結の時点を基準にすべきである。 そうすると,第1予約契約締結の時点では,第1加盟店契約締結の際の状況と変わるところはないから,上記イ・ウ(原告の主張)と同様に,被告には詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為又は要素の錯誤があったといえる。 (被告の主張)原告は,本件店舗を開店した平成8年1月16日から3年余り本件店舗の店長として勤務した後,誰よりも本件店舗の営業内容,立地条件等を熟知した上で,正式な第2加盟店契約を締結したものであるから,被告に詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為又は要素の錯誤があったとする原告の主張が失当であることは明らかである。 オ損害ないし不当利得の発生の有無及び額(原告の主張) 原告は,被告の行為により,以下の金額に相当する損害を被っており,被告は,以下の不当利得を得ている。 (ア)ロイヤリティ5338万円a原告は,被告の不法行為により,第1加盟店契約を締結し,本来支払う必要がない平成8年1月分から平成14年9月分までのロイヤリティ合計5338万円の支払を強いられ,同額の損害を受けた。 b第1加盟店契約は,要素の錯誤により無効であるから,同契約に基づいて被告が原告から取得した平成8年1月分から平成14年9月分のロイヤリティ合計5338万円は不当利得に当たる。仮に,第1加盟店契約が有効であるとしても,被告には同契約に基づいて原告に提供すべきノウハウを有しておらず,これを提供しなかったという債務不履行があるから,ノウハウの対価として原告が被告に対して支払ったロイヤリティ合計5338万円は不当利得に当たる。 cまた,仮に,被告が すべきノウハウを有しておらず,これを提供しなかったという債務不履行があるから,ノウハウの対価として原告が被告に対して支払ったロイヤリティ合計5338万円は不当利得に当たる。 cまた,仮に,被告が取得したロイヤリティ全額の返還請求が認められないとしても,第1加盟店契約書では,廃棄商品分を含むあるべき売上高の1.4%を超えるロス(品べり)についてロイヤリティがかけられ,原告のみがその損失を負い,被告は商品が廃棄されて売れていなくても一定割合のロイヤリティを取得することができる不公正な契約内容になっており,このような内容は通常の判断能力を有する一般人であっても契約書自体から読みとれるものではないから,原告と被告との間で一定以上の廃棄商品分にロイヤリティをかける合意が成立していたとはいえず,被告が取得したロイヤリティのうち,廃棄商品にかけられているロイヤリティ873万5742円は原告に返還されるべきである。 (イ)初期投資のうちの未清算分415万円a原告は,被告に対し,初期投資として内外装備及び什器備品代13 00万円,加盟金300万円並びに営業権利金300万円の合計1900万円を支払っているところ,平成15年3月5日の店舗明渡しに伴って原告が被告に譲渡した内外装備及び什器備品の合計が145万円であったことから,初期投資のうちの未清算分,すなわち,上記加盟金及び営業権利金合計600万円から,内外装備及び什器備品代の差額185万円を相殺した額は415万円となる。上記初期投資のうちの未清算分415万円は,ロイヤリティと同様に,不法行為によって生じた損害にも,不当利得にも該当する。 bなお,被告は営業権利金については平成11年に正味資産残高と一部相殺した旨主張するところ,仮に相殺したと認められるとしても,少なくとも営業権利金10 って生じた損害にも,不当利得にも該当する。 bなお,被告は営業権利金については平成11年に正味資産残高と一部相殺した旨主張するところ,仮に相殺したと認められるとしても,少なくとも営業権利金100万円については清算されていないから,結局,未清算分は215万円となる。 (ウ)リース料金2516万円第1加盟店契約の締結に関する被告の不法行為がなく,また原告が要素の錯誤に陥っていなければ,原告は,被告に対し,什器備品のリース料金の支払をすることはなかったのであるから,平成8年1月の開業時から平成14年12月分として原告が被告に対して支払った什器備品のリース料金の合計2516万6386円は,被告の不法行為によって生じた損害にも不当利得にも該当する。 (被告の主張)原告の主張は争う。 本件店舗においては,平成14年3月からわずか10か月の間に,金券の在庫が約900万円も増えており,この金券は換金され,原告がその売得金を違法に保持している。また,原告は,平成14年12月4日以降,被告に対して,本件店舗の売上金等を送金しなくなり,その結果,同月については売上高が約210万円ほどあったにもかかわらず,被告に送金さ れたのは4万円余りで,その差額である約200万円は原告が不当に保持するところとなっている。 このように,原告が金券を換金した売得金及び送金していない売上金等を不当に保持していることにかんがみれば,本件において,原告に損害が発生しているとはいえない。 (ア)ロイヤリティについて被告は,平成8年1月16日から平成11年4月30日までは原告からロイヤリティを取得しておらず,被告が原告からロイヤリティを取得したのは,平成11年5月1日以降であって,その総額は1584万4102円である。 また,そもそも原告が支払ったロイヤリティは,原 からロイヤリティを取得しておらず,被告が原告からロイヤリティを取得したのは,平成11年5月1日以降であって,その総額は1584万4102円である。 また,そもそも原告が支払ったロイヤリティは,原告が,被告の提供した経営ノウハウ及び各種機密情報を用いるとともに,被告から使用を許諾された商標,サービスマーク,意匠,著作物,営業シンボル等を使用し,かつ被告の販売促進の協力及び会計・簿記サービス等を受けて得られた本件店舗の売上げから支払われているものであり,フランチャイズ契約がなければ,このような売上げを原告が取得することもなかったのであるから,支払ったロイヤリティが損害であるとする原告の主張は失当である。 (イ)初期投資のうちの未清算分について初期投資のうちの未清算分については,被告は,平成15年3月5日に原告から本件店舗建物の明渡しを受けた際,原告から装備・什器備品を1559万円で買い取っており,これによってすでに清算はなされている。 (ウ)リース料金について被告は,平成8年1月16日から平成11年4月末までの直営期間中は,原告からリース料を受領していない。 また,ロイヤリティと同様に,原告が支払ったリース料金についても本件店舗の売上げから支払われているものであり,フランチャイズ契約がなければ,このような売上げを原告が取得することもなかったのであ,。 るから支払ったリース料が損害であるとする原告の主張は失当である(2)反訴請求についてア被告の原告に対する貸金債権の有無(被告の主張)(ア)原告との間のフランチャイズ契約が終了した後の平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高は2931万4587円であるところ,このオープンアカウント上の借方残高が被告の加盟店オーナーに対する貸付金額であり 終了した後の平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高は2931万4587円であるところ,このオープンアカウント上の借方残高が被告の加盟店オーナーに対する貸付金額であり,被告は,原告に対し,2931万4587円の貸金債権を有している。 (イ)原告は,上記借方残高に含まれている生活保証金分40万円は借入金ではない旨主張するが,生活保証金は生活費自動融資制度に基づく融資金であって,その旨は,第2加盟店契約書(乙4)の添付明細書№1,。 3の2項に明記されているのであるから原告の上記主張は失当である(原告の主張)(ア)第1加盟店契約はそもそも無効であるから,これに基づくオープンアカウントも無効であって,被告が原告に対して貸金債権を有しているとはいえない。 (イ)被告がオーナー募集のために配布した「勧誘チラシ(甲1)や本」件契約締結に至る経緯の中で被告担当者から提示されたパンフレット(),「」,甲3には毎月40万円の生活保証金を支払うことが表示されそのとおりの説明がなされたことから,原告は,本件営業を継続することにより,毎月40万円の生活費が支払われるものと理解して,第1加盟店契約を締結した。 したがって,原告に対して毎月支払われた生活保証金40万円は,少なくとも被告に対する借入金ではない。 イ原告の債務不履行の成否(被告の主張)原告は,平成14年12月4日以降,販売受取高の送金義務を履行しなくなった。 原告は,販売受取高の送金義務を履行しなくなった理由として,被告が先に支払代行停止措置を執ったことを挙げるが,これは,原告について第2加盟店契約に定められた融資の限度額(2000万円)を超過したことから行ったものであって,同契約に基づく措置として正当であるのみならず,特に,本件 置を執ったことを挙げるが,これは,原告について第2加盟店契約に定められた融資の限度額(2000万円)を超過したことから行ったものであって,同契約に基づく措置として正当であるのみならず,特に,本件では異常に多額の不明ロス及び金券在庫の異常な増加によりオープンアカウント残高が短期間に急増したものであるから,このような状況下において被告が原告の不法行為によって被る損害の拡大を防ぐために支払代行を停止したことは極めて正当であり,原告の上記主張は失当である。 (原告の主張)被告は,平成14年12月5日に,突然説明も無く,商品仕入業者(ベンダー)に対して一方的に本件店舗に関する支払業務の停止を通告したため,ベンダーは商品供給を停止せざるを得なくなり,その情報が一部のベンダーから原告にもたらされたため,原告は弁護士と協議し,内容証明郵便にて,理由を明記し,損害と相殺するために止むを得ず,送金の停止をせざるを得ない旨を通告したのである。その後被告から原告に対する催告書(乙9)が届いたが,被告において上記内容証明郵便に沿うような対応(代行支払及び商品の供給開始)がなされないため,原告は送金の再開が出来ない状態であったのであり,被告の主張はこのような経緯を無視した一方的な主張であり,失当である。 ウ相殺の可否(原告の主張)原告は,L型オープンアカウント上の貸方勘定相当額963万9366円の清算金請求権を有しているから,仮に反訴請求が一部でも認められる場合には,原告は,上記清算金請求権で相殺するとの意思表示をする。 なお,被告は,上記清算金は清算済みであると主張するが,清算された事実はない。原告は本件訴訟以前から,被告に対して,清算を求めていたが,曖昧な返事が返ってくるのみであった。 (被告の主張)原告主張の963万9366円は,正式加盟へ であると主張するが,清算された事実はない。原告は本件訴訟以前から,被告に対して,清算を求めていたが,曖昧な返事が返ってくるのみであった。 (被告の主張)原告主張の963万9366円は,正式加盟への切替時に存した原告の本件店舗の正味資産残高であるが,これについては,本件店舗の内外装備譲渡代金及び営業権利金と相殺することによって清算が終了しているものであるから,被告が二重にこれを原告に支払うべき義務はない。 エ被告の禁反言,信義則違反,公序良俗違反の有無(原告の主張)(ア)仮に,オープンアカウント上の借方残高が被告に対する借入金であるとしても,被告が詐欺又は情報提供義務違反により,又は原告を錯誤に陥らせてフランチャイズ契約を締結させ,その結果,本件店舗経営による赤字あるいは被告に対するオープンアカウント上の借方残高が累積してきたのであるから,被告がこれを原告に請求することは,信義則あるいは公序良俗に違反し,許されない。 (イ)また,仮に,毎月支払われた生活保証金40万円が被告に対する借入金であるとしても,生活保証金について,被告は「差し上げる,」「生活保証金として支払う」と説明をしたのみであり,被告に対する借入金であるとの説明を全くしてこなかったことなど,被告の生活保証金の説明状況からすれば,これを被告が原告に対して貸付金として 返還請求することは,禁反言あるいは信義則違反により許されない。 (被告の主張)(ア)上記(原告の主張)(ア)については争う。被告には詐欺も情報提供義務違反も,原告を錯誤に陥らせたこともなく,本件店舗の直近の赤字の原因は多額の不明ロスの発生と換金目的による大量の金券の仕入れにある。 (イ)上記(原告の主張)(イ)についても争う。生活保証金が生活費自動融資制度に基づく融資金であることは,第2加盟 近の赤字の原因は多額の不明ロスの発生と換金目的による大量の金券の仕入れにある。 (イ)上記(原告の主張)(イ)についても争う。生活保証金が生活費自動融資制度に基づく融資金であることは,第2加盟店契約書(乙4)上明確である(同契約書の添付明細書№13の2項。被告は「これを)差し上げる」などと言ったことは一切ない。 第3当裁判所の判断 本訴請求について(1)第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約が成立したか(争点(1)ア)についてア原告は,主位的に,第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結したことを前提として,被告に対し,不法行為(詐欺ないし情報提供義務違反)に基づく損害賠償又は上記契約が錯誤無効であることによる不当利得返還を求めているものであるから,まず,第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結したか否かについて,以下検討する。 イ前記争いのない事実等,証拠(甲3,4,5の1,24,32,40の1・2,47,乙1~5,7,8,54,55,57の2,58,94~101,証人c,同d,同e,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)本件店舗は,平成6年5月21日から,被告の直営店として営業が開始された。本件店舗では,酒類の販売も行われていた。 被告は,コンビニエンスストアのフランチャイズ本部として営業を 行っていく経営方針のもと,複数の直営店をフランチャイズ化していくため,加盟店オーナー(フランチャイズオーナー)を募集する旨の広告を出したが,本件店舗については,酒類販売免許が必要であったことから,上記広告には掲載されていなかった。 (イ)原告は,f株式会社に勤務し,営業等の業務を経験し,同社の中四国支店長などの役職を務めていたが,サラリーマンを辞めようかと考えるようになった たことから,上記広告には掲載されていなかった。 (イ)原告は,f株式会社に勤務し,営業等の業務を経験し,同社の中四国支店長などの役職を務めていたが,サラリーマンを辞めようかと考えるようになった平成7年秋ころ,被告の上記広告を見て,関心を抱き,被告から話を聞きたいと電話したところ,被告の従業員bが原告方を訪れ,同人から説明を受けた。なお,bは,同年当時は,入社して数年の者であり,被告のフランチャイジーのオーナー開発の担当経験は少なかった。 原告は,bに対し,オーナーとなりたいとの希望を表明した上,自宅から一番近かった本件店舗での開業を希望した。bは,平成7年10月ころ,原告に対し,本件店舗をオーナーとして経営することを前提とした本件店舗に関する出店提案書(甲3)を交付した。しかし,原告は,それまで酒類の販売業務等に従事した経験はなく,本件店舗における酒類販売免許を直ちに取得することはできない状態であった。 他方で,原告は,金融機関から融資を受けて,開業のための資金調達をする考えであったが,なかなかその見通しがつかなかった。 (ウ)その後,原告が融資を受けられる目途もついたため,被告は,原告との間で,原告が酒類販売免許を取得するまでは,被告の従業員として本件店舗の店長として働いてもらう内容のLタイプの契約を取り交わすことを考え,bに比し営業経験も豊富な,bの上司であったcが上記説明に当たることとし,cは,平成7年12月12日の約1週間ないし2週間前に,原告に対して第1加盟店契約書の内容に関する説明をした。cは,その際,原告に対し,原告との間で締結する契約 は通常のフランチャイズ契約とは異なる,原告が酒類販売免許を取得して正式加盟できるまでの間の暫定的な契約であり,その間,原告には被告の従業員(店長)として本件店舗の運営に当たっ で締結する契約 は通常のフランチャイズ契約とは異なる,原告が酒類販売免許を取得して正式加盟できるまでの間の暫定的な契約であり,その間,原告には被告の従業員(店長)として本件店舗の運営に当たってもらうこと,上記契約書にはオープンアカウントの清算の項目があるが,実際には同契約書に基づく契約が終了した時点で被告に対する借方勘定があったとしても,被告は原告に対してこれを請求しないこと,原告は,酒類販売免許が取得できる状態になった時点で,正式加盟をするかどうかをもう一度判断することができること,原告と被告との間の契約内容は,上記契約書の各条項とは合致しない部分があるが,これについては後で加盟店予約契約書を締結することなどを説明するとともに,第1加盟店契約書(甲4)の内容を読み上げて説明した。 原告は,被告との契約に応じることとし,平成7年12月8日,f株式会社を退職した。 (エ)原告と被告は,平成7年12月12日,第1加盟店契約書に署名,捺印した。その際,被告の担当者として出席していたのはbであり,このときにはcは同席していなかった。 なお,第1加盟店契約書には「コンビニエンスストアー加盟店契約,書」という表題が記載された表紙の次に「コンビニエンスストアー加,盟店契約書〔Lタイプ」という表題が記載された内表紙が綴じられて〕いた上,当該契約を締結するにあたり,原告は,契約内容の要点について被告から説明を受け,十分な日数(最低1週間以上)を経ていることを原告及び被告が確認する旨の記載がある(前文⑤(2),(3) 。 )また,被告では,当時,フランチャイズ契約を締結する際には,通常「Aタイプ」という契約を締結しており,本件のような別途予約契約書を作成するというLタイプ契約は過去に1件程度しかなかった。 本件店舗の建物(以下「本件店舗建 フランチャイズ契約を締結する際には,通常「Aタイプ」という契約を締結しており,本件のような別途予約契約書を作成するというLタイプ契約は過去に1件程度しかなかった。 本件店舗の建物(以下「本件店舗建物」という)は,平成7年12。 月12日当時,被告が所有していたが,第1加盟店契約書に署名,捺印した際に,原告と被告との間で本件店舗建物の利用権原に関する契約(建物賃貸借契約等)は締結されていない。また,原告と被告との間では,上記署名,捺印の際に,本件店舗で使用する什器備品の利用権原に関する契約(リース契約,売買契約等)も締結されていない。 原告は,同日,被告に対し,100万円を支払った。その際,bが作成した領収証(甲40の1)には「加盟金内金として」という記載,がされていた。 (オ)原告と被告は,平成8年1月16日ころ,第1予約契約書に署名,捺印した。同契約書には,被告は,原告がa加盟店の経営者たる資質及び各種資格を取得するまでの間,別に定めるL型雇用契約により,被告を原告の社員として本件店舗の店長に就任させる旨(1条,原告)は,正式加盟契約の締結がされるまでの間,加盟予約保証金1700万円及び加盟予約預り金300万円を預託し,正式加盟契約時に,加盟予約保証金は加盟金,店舗内外装造作費及び両替準備金に,加盟予約預り金は営業権利金に,それぞれ充当されるものとし,正式加盟時の確定費用との差額が発生した場合は原告と被告がその差額を補填あるいは返還するものとする旨(2条,3条,原告は,店長たる資格に)おいても,正式加盟契約の各条項に則して業務運営に当たるとともに,L型オープンアカウントの計表によって,正式加盟契約の利益引き出し金に相応する賞与(特別賞与)を享受することができる旨(7条,)L型オープンアカウントは,上記特別賞与金の 務運営に当たるとともに,L型オープンアカウントの計表によって,正式加盟契約の利益引き出し金に相応する賞与(特別賞与)を享受することができる旨(7条,)L型オープンアカウントは,上記特別賞与金の算定と店舗運営の為の指標とすべきものであり,このL型オープンアカウントの閉鎖時にはその貸借について双方請求しないものとする旨(8条)の記載がある。 そして,原告は,同年1月31日,株式会社g銀行との間で2000万円の金銭消費貸借契約を締結し,同日,被告に対し,1900万 円を支払った。その際の領収証(甲40の2)には「預り金」という,記載がなされた。 (カ)原告は,平成8年1月16日から本件店舗の営業を開始したが,平成11年5月1日まで,毎月被告から給料明細書を受け取り,同明細書の支給額を振込により受領していた。 また,原告と被告との間では,平成8年1月16日から平成11年5月1日まで,L型オープンアカウントが開設され,原告は,被告からL型オープンアカウント及び損益計算書等が記載された書面を受け取り,特別賞与を受領していた。 一方,原告は,平成8年1月から平成11年4月末日までの所得について,個人事業主としての確定申告をしていなかった。 また,被告は,平成8年1月分から平成11年4月分まで,原告の社会保険料を支払っていた。 (キ)原告と被告は,平成10年9月19日ころ,第2予約契約書に署名,捺印した。第2予約契約書は,第1予約契約書8条において,L型オープンアカウントの閉鎖時における原告と被告との間の貸借関係について「双方請求しない」としていたものを「双方請求する」とい,()。 ,,う形に変更したものである第2予約契約書8条原告は上記署名捺印の際,被告から変更部分の確認を求められ,上記変更部分の記載を確認した。なお,上 たものを「双方請求する」とい,()。 ,,う形に変更したものである第2予約契約書8条原告は上記署名捺印の際,被告から変更部分の確認を求められ,上記変更部分の記載を確認した。なお,上記変更は,原告が被告に求めたことにより行われた。 (ク)原告は,原告が代表取締役を務める有限会社hを設立し,平成11年5月1日付けで,同社名義の酒類販売業免許を取得した。 そこで,原告と被告は,原告をフランチャイジー,hを共同フランチャイジー,被告をフランチャイザーとする本件店舗の加盟店契約を改めて締結するとともに,営業の譲渡に関する契約,本件店舗建物及 び什器備品等についての賃貸借契約及びリース契約を締結することとし,従前のL型オープンアカウントは閉鎖され,同月1日から新たに開設したオープンアカウントに基づいて処理されるようになった。そして,これに伴い,原告は,被告から,オープンアカウント及び損益計算書等が記載された書面を受け取るようになった。 ところが,同日時点におけるL型オープンアカウントでは,原告の貸し越しとなっており,L型オープンアカウント上の貸借残高と商品棚卸原価を加えた合計額(正味資産残高)は963万9366円となっていたため,これを,本件店舗の内外装備代金の一部(763万9366円)及び営業権利金の一部(200万円)と対当額で相殺して清算することとした。しかし,清算に関して作成された書面(乙58)には「相殺」ではなく「値引き」と記載されていたこと及び本件店舗の内外装備代金の算出方法について原告が疑義を挟んだことから,新たな加盟店契約書(第2加盟店契約書)の調印は保留された。 (ケ)平成11年7月,被告の経営者がi株式会社に替わり,同社から被告に出向してきたeが,同年11月初めころ,原告に対し,第2加盟店契約書の調印が 店契約書(第2加盟店契約書)の調印は保留された。 (ケ)平成11年7月,被告の経営者がi株式会社に替わり,同社から被告に出向してきたeが,同年11月初めころ,原告に対し,第2加盟店契約書の調印が保留されている理由を確認したところ,原告は上記2点の疑義を述べた。eは,前者については「値引き」の記載は「相殺」の間違いである旨説明し,後者については,調査の結果,従前原告に示した内外装備代金合計額1107万8985円は誤りであり,正しい内外装備代金合計額は1073万5286円(消費税込み)であることが判明したことから,同年11月27日ころ,原告に対し,上記調査結果とともに差額である34万3699円を返金して処理する旨を伝え,その旨の処理がなされた。 そこで,原告及びhと被告は,平成11年12月中旬ころ,第2加盟店契約書に調印し,同時に,原告と被告は「営業の譲渡に関する契, 約書乙5建物賃貸借契約証書乙7及びリース契約書乙」(),「」()「」(8)にも調印した。 ウ以上の事実に基づいて検討する。 (ア)前記イ(エ),(オ)のとおり,平成7年12月当時,被告は,フランチャイズ契約の締結の際には通常「Aタイプ」という契約を締結していたにもかかわらず,原告と被告との間では「コンビニエンスストアー加盟店契約書」という表題の表紙の次に「コンビニエンスストアー加盟店契約書〔Lタイプ」という表題の内表紙が綴じられた第1加〕盟店契約書を使用していること,第1予約契約書には「L型雇用契約」という記載があることにかんがみれば,第1加盟店契約の段階で,すでに,原告との間の契約は被告における通常のフランチャイズ契約とは異なる契約であることが意識されていたとみるのが相当である。 また,前記イ(ア),(イ)のとおり,被告は,交渉の段階 店契約の段階で,すでに,原告との間の契約は被告における通常のフランチャイズ契約とは異なる契約であることが意識されていたとみるのが相当である。 また,前記イ(ア),(イ)のとおり,被告は,交渉の段階で,原告から酒類販売免許を有していないことを聞いており,また,原告はこれまでに酒類の販売業務等に従事した経験がなく酒類販売免許を直ちに取得することはできないことも十分認識していたこと,さらに,本件店舗は,被告の直営店として運営されていた店舗であり,当時の被告の広告ではオーナーを募集する店舗に含まれていなかったことからすると,酒類販売免許を有していない原告をオーナーとする内容のフランチャイズ契約を早急に締結する必要性は見当たらない。 さらに,前記イ(エ),(ケ)のとおり,本件店舗建物は,平成7年12月12日当時,被告の所有であったのであるから,原告をオーナーとする内容のフランチャイズ契約を締結するのであれば,本件店舗建物の利用権原に関する契約も締結しておく必要があり,また,本件店舗で利用する什器備品についてもその利用権原に関する契約を締結しておく必要があるにもかかわらず,第1加盟店契約の締結の際には,原告と被告と の間でそのような契約は締結されておらず,第2加盟店契約の締結の際になってようやく本件店舗建物の賃貸借契約,什器備品のリース契約,さらに本件店舗の営業譲渡契約が締結されている。 また,前記イ(ウ),(エ)のとおり,原告が調印した第1加盟店契約書には,同契約書の契約内容の要点について被告から説明を受け,十分な日数(最低1週間以上)を経ていることを原告及び被告が確認する旨の記載があり,第1加盟店契約を締結した平成7年12月12日の約1週間ないし2週間前に,cによって,原告との間で締結する契約は通常のフランチャイズ契約とは異なる,原告 ことを原告及び被告が確認する旨の記載があり,第1加盟店契約を締結した平成7年12月12日の約1週間ないし2週間前に,cによって,原告との間で締結する契約は通常のフランチャイズ契約とは異なる,原告が酒類販売免許を取得して正式加盟できるまでの間の暫定的な契約であり,その間,原告には被告の従業員(店長)として本件店舗の運営に当たってもらうこと,原告と被告との間の契約内容は,上記契約書の各条項とは合致しない部分があるが,これについては後で加盟店予約契約書を締結することなどの説明が原告に対してなされている(この点,原告は,陳述書(甲32)及び原告。 本人尋問において,cから説明を受けたのは平成7年12月12日の約1週間ないし2週間前ではなく,平成7年12月12日の契約締結当日であり,また,上記のような内容の説明は受けていない旨陳述ないし供,,,,述しているが説明時期の点については前記イ(ウ)のとおり原告は同月8日にf株式会社を退職しているところ,原告の経歴等にかんがみれば,原告が,被告から説明を受けるなどして契約の最終的な内容について確認する前に,勤務先を退職するというのは不自然であるし,内容の点についても,前記イ(エ),(オ)のとおり,原告は,その後,第1加盟店契約書とは内容が大きく異なっている第1予約契約書に調印していることからすれば,原告の上記陳述ないし供述部分は信用することができない)。 加えて,前記イ(オ),(カ)のとおり,第1予約契約書には,被告は, 原告がa加盟店の経営者たる資質及び各種資格を取得するまでの間,別に定めるL型雇用契約により,被告を原告の社員として本件店舗の店長に就任させる旨の記載があること,同月31日に原告が被告に対して支払った1900万円の領収証には「預り金」という文言が記載されている に定めるL型雇用契約により,被告を原告の社員として本件店舗の店長に就任させる旨の記載があること,同月31日に原告が被告に対して支払った1900万円の領収証には「預り金」という文言が記載されていること,原告は,平成8年1月16日から平成11年5月1日まで被告から給料及び特別賞与の支払を受けており,給料明細書も受け取っていたこと,原告は,平成8年1月から平成11年4月末日まで個人事業主としての確定申告はしていないことも認められる。 以上を総合すると,第1加盟店契約は,フランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,後に締結する予約契約(本件では第1予約契約によって補足されることが予定されている雇用契約及びフ),「」「ランチャイズ契約の予約」の性質を有する特殊な契約であると認めるのが相当である。 (イ)これに対し,原告は,第1加盟店契約はフランチャイズ契約の性質を有するものであるとして,るる主張する。 aまず,原告は,第1加盟店契約書の条項からしても,フランチャイズ契約であることが明らかであると主張する。 確かに,前記争いのない事実等及び証拠(甲4)によれば,第1加盟店契約書には「フランチャイズ契約を締結した「甲(被告),。」,及び乙(原告)は,コンビニエンス・ストア事業についてのフランチャイズ関係を樹立する事を合意した(1条「a店の運営は,乙。」),の独自の責任と手腕により行なわれ,その判断で必要な従業員の雇用等,使用主としてすべての権利を有し,義務を負う(2条②)旨。」の記載があることが認められるが,前記(ア)のとおり,第1加盟店契約書は,後に締結する予約契約によって補足されることが予定されている特殊な契約であると認めるのが相当であるから,第1予約契約書 の内容を考慮せずに,第1加盟店契約 記(ア)のとおり,第1加盟店契約書は,後に締結する予約契約によって補足されることが予定されている特殊な契約であると認めるのが相当であるから,第1予約契約書 の内容を考慮せずに,第1加盟店契約書に上記の記載があることのみをもって第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものであったと認めることはできない。 bまた,原告は,第1予約契約書に関し,原告が酒類販売を行うための方便として,形式上,原告が被告会社の従業員であるかのように体裁を整えるためのものに過ぎない旨主張し,原告本人の陳述書(甲32)及び原告本人尋問の結果には,これに沿う陳述ないし供述部分がある。 しかしながら,前記イ(カ)のとおり,被告は,原告に対し,従業員でなければ本来支払う必要のない給料を現実に支給し,その給料明細書も発行していること,原告は,本件店舗の経営者であれば本来行ってしかるべき確定申告を行っていないことなど,実際にも,原告と被告との間の権利義務関係等については第1予約契約書の条項に基づいて運用がなされていたことなどからすると,第1予約契約書は単なる体裁を整えるための方便ではなく,実体を伴うものであったとみるべきである。 以上のことからすると,陳述書及び原告本人尋問における上記原告本人の陳述ないし供述部分は信用性が乏しいものというべきであって,前記(ア)の認定を左右するに足りず,原告の上記主張は採用することができない。 cまた,原告は,第1加盟店契約締結時に原告が被告に対して支払った100万円の領収証には「加盟金内金として」という記載があることを指摘する。 確かに,前記イ(エ)のとおり,上記領収証には上記の記載があることは認められるものの,前記イ(イ),(エ)のとおり,上記領収証は,被告のオーナー開発の担当経験が少ないbが作成したものであ 指摘する。 確かに,前記イ(エ)のとおり,上記領収証には上記の記載があることは認められるものの,前記イ(イ),(エ)のとおり,上記領収証は,被告のオーナー開発の担当経験が少ないbが作成したものであ ること,平成7年12月12日の第1加盟店契約締結時にはcは同席していなかったこと,当時,被告では,本件のような予約契約書を別途作成するLタイプ契約の契約例は過去に1件程度しかなかったことなども考慮すると,上記領収証に「加盟金内金として」という記載があることをもって,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものであったと認めるには足りない。 dさらに,原告は,融資を受けた銀行に提出した事業計画書にもフランチャイズ契約を締結したことが明記されていると主張するが,上記事業計画書は,融資を受けるための書類であることにかんがみれば,そのような記載がされていたとしても,前記(ア)の認定を左右するに足りないといわざるを得ない。 eそして,原告は,陳述書(甲32)及び原告本人尋問において,第1加盟店契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものであった旨の陳述ないし供述をするが,前記(ア)に照らして,にわかに信用することができず,他に同契約がフランチャイズ契約としての性質を有するものであったと認めるに足りる証拠はない。 f以上によれば,第1加盟店契約をもって,フランチャイズ契約を締結した旨の原告の主張は採用することができない。 (2)主位的請求について(争点(1)イ,ウ)原告は,第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結し,これが第2加盟店契約に承継されたことを前提として,不法行為ないし不当利得に基づき,原告が被告に支払ったロイヤリティ相当額,初期投資金の未清算額及び平成8年1月16日(開業時)からの什器備品のリース料金の 第2加盟店契約に承継されたことを前提として,不法行為ないし不当利得に基づき,原告が被告に支払ったロイヤリティ相当額,初期投資金の未清算額及び平成8年1月16日(開業時)からの什器備品のリース料金の合計額の一部につき,損害賠償ないし不当利得の返還を求めている。 しかしながら,第1加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結したことを認めるに足りないことは,前記(1)に詳述したとおりであるから,原 告の主位的請求は,前提を欠き,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がないものといわざるを得ない。 (3)予備的請求について(争点(1)エ)ア原告は,予備的に,第2加盟店契約をもってフランチャイズ契約を締結したものとしても,被告には詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為又は要素の錯誤があったとして,これに基づく損害賠償又は不当利得返還を求めている。 そして,原告は,第2加盟店契約の締結の際に被告との間でフランチャイズ契約を締結するか否かの判断をしたわけではなく,第1予約契約を締結した際に「出店案内書」に基づいて将来被告との間でフランチャイズ契約を締結することを決意したのであるから,第2加盟店契約に関する被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為の有無又は要素の錯誤の有無を判断する際には,第1予約契約締結の時点を基準にすべきである旨主張する。 しかしながら,前記(1)のとおり,第1加盟店契約は,フランチャイズ契約としての性質を有するものではなく,予約契約によって補足されることが予定されている「雇用契約」及び「フランチャイズ契約の予約」の性質を有する特殊な契約であるから,原告は,被告と,hが酒類販売免許を取得した後に,第2加盟店契約をもって,はじめてフランチャイズ契約を締結したものと解するのが相当であり,また,証拠(乙1, 約」の性質を有する特殊な契約であるから,原告は,被告と,hが酒類販売免許を取得した後に,第2加盟店契約をもって,はじめてフランチャイズ契約を締結したものと解するのが相当であり,また,証拠(乙1,3,4,証人e,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,第1予約契約書及び第2予約契約書では,その後の正式加盟契約を締結できなかったり,上記各契約が中途解約により終了することも想定されていたこと(4条,原告自ら第)2加盟店契約書に調印していることが認められ,その他,原告が同契約を締結することを強制されていたような特段の事情も認められないことからすれば,原告は,第2加盟店契約締結の時点において,その際の状況等を 考慮して,フランチャイズ契約を締結することを決断したものと解すべきであるから,原告が主張するように,被告の詐欺ないし情報提供義務違反による不法行為の有無又は要素の錯誤の有無について,第1予約契約締結の時点において判断するのは相当とはいえず,あくまでも第2加盟店契約の時点で判断すべきである。 イそこで検討するに,前記(1)イのとおり,原告は,平成8年1月16日から平成11年5月1日まで,本件店舗の店長として,本件店舗の運営を行ってきたもので,その間,被告からL型オープンアカウントおよび損益計算書等が記載された書面を受け取っていたこと,同日付けでhが酒類販売免許を取得したため,原告と被告との間で,フランチャイズ契約が事実上締結され,その後,原告は,平成11年12月中旬に第2加盟店契約を締結するまで,本件店舗の運営を行い,被告からオープンアカウント及び損益計算書等が記載された書面を受け取っていたことが認められ,これらの事実からすると,原告は,本件店舗の経営状況等を自ら熟知した上で,第2加盟店契約を被告との間で締結したと認めるのが相当で ント及び損益計算書等が記載された書面を受け取っていたことが認められ,これらの事実からすると,原告は,本件店舗の経営状況等を自ら熟知した上で,第2加盟店契約を被告との間で締結したと認めるのが相当である。そうすると,そのような原告に対して,第2加盟店契約締結の時点において,そもそも原告が主張するような詐欺ないし情報提供義務違反の不法行為又は要素の錯誤の存在自体を想定することはできない。 以上によれば,その余の点を検討するまでもなく,原告の予備的請求は理由がない。 ウなお,原告は,廃棄商品にかけられているロイヤリティ全額(873万5742円)について,フランチャイズ契約(第1加盟店契約又は第2加盟店契約)上,原告と被告との間で一定以上の廃棄商品分(廃棄商品分を含むあるべき売上高の1.4%を超えるロス)にロイヤリティをかける合意が成立していたとはいえないとして,別途,上記契約の一部無効を理由とする不当利得の返還を求めているようにも解されるので,この点に付い て付言する。 第2加盟店契約書の添付明細書№11及び14には,あるべき売上高の1.4%を超えるロス(品べり)について,原告が販売したものとして処理され,ロイヤリティの対象となる旨明記されていることが認められ(乙4,通常の判断能力を有する一般人であれば,上記条項から,あるべき)売上高の1.4%を超えるロス(品べり)がロイヤリティの対象となることを読みとることができると解されること,まして,原告においては,平成8年1月16日から被告の直営店の店長としてではあるものの本件店舗を運営し,特別賞与金の指標としてのものにすぎないもののロイヤリティ(,,の記載されたL型オープンアカウントの送付を毎月受けており乙13弁論の全趣旨,L型オープンアカウント上でロイヤリティの計算方法を)十分 与金の指標としてのものにすぎないもののロイヤリティ(,,の記載されたL型オープンアカウントの送付を毎月受けており乙13弁論の全趣旨,L型オープンアカウント上でロイヤリティの計算方法を)十分認識し,かつ,前記(1)イ(イ)の経歴等を有していたのであるから,廃棄商品分を含むあるべき売上高の1.4%を超えるロスがロイヤリティの対象となる旨の契約であることを理解した上,これに合意したものと認めるのが相当であり,原告の上記主張は採用することができない。 反訴請求について(1)被告の原告に対する貸金債権の有無(争点(2)ア)についてア前記争いのない事実等記載のとおり,第2加盟店契約書には,オープンアカウントの借方残高のあるときは,原告は,被告に対し,その残高金額について清算支払をする旨の条項があること,原告が,平成14年12月4日分以降の本件店舗における本件販売受取高の送金義務の履行を怠ったため,被告は,同月18日,原告に対し,10日以内に送金義務が履行されないときには第2加盟店契約を解除する旨の意思表示をしたが,原告からはその支払がなく,同月28日の経過により,上記契約は解除により終了したこと,契約終了の後の平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高は2931万4587 円であったこと,以上の事実が認められる。 そうすると,被告は,原告に対し,2931万4587円の債権を有しているといえる(ただし,被告は,上記債権を貸金債権である旨主張。 しているものの,その発生原因事実として,第2加盟店契約を主張し,債権額の根拠として平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高を挙げており,また,上記債権の根拠条項と解される第2加盟店契約書50条5項の文言も「清算支払いをするものとする 権額の根拠として平成15年4月末日時点における本件店舗のオープンアカウントの借方残高を挙げており,また,上記債権の根拠条項と解される第2加盟店契約書50条5項の文言も「清算支払いをするものとする」となっていること(乙4)などにかんがみれば,被告の主張する。 前記債権は,第2加盟店契約の清算条項に基づく契約終了時における清算金支払請求権であると解され,この趣旨のものとして上記債権を認める)。 イこれに対し,原告は,本件のフランチャイズ契約はそもそも無効であるから,これに基づくオープンアカウントも無効であって,被告が原告に対して貸金債権を有しているとはいえない旨主張するが,上記フランチャイズ契約は第1加盟店契約に基づくものではなく,第2加盟店契約に基づくものであるところ,第2加盟店契約について何ら無効原因はないことは前記のとおりであるから,原告の上記主張は採用することができない。 ウまた,原告は,オープンアカウントの借方残高のうち生活保証金分については,被告が原告に対し,営業を継続することにより毎月40万円の生活費を支払うことを約したもので,借入金ではない旨主張する。 ,,,しかしながら原告の上記主張を認めるに足りる証拠はなくかえって第2加盟店契約書(乙4)の添付明細書№13の2項には,生活保証金とは,生活自動融資制度に基づく融資金である旨明記されており,生活保証金は借入金であると認めるのが相当である。 (2)原告の債務不履行の成否(争点(2)イ)について原告は,平成14年12月5日に,突然,説明もなく,被告が商品仕入れ 業者に対して一方的に本件店舗に関する支払業務の停止を通告したため,やむを得ず送金を停止せざるを得なかった旨主張しているが,これは,被告による第2加盟店契約の債務不履行解除に理由がない旨主張するものと解さ 対して一方的に本件店舗に関する支払業務の停止を通告したため,やむを得ず送金を停止せざるを得なかった旨主張しているが,これは,被告による第2加盟店契約の債務不履行解除に理由がない旨主張するものと解される。 しかしながら,証拠(乙4)によれば,第2加盟店契約書には,販売受取高については原告が自由に処分できる金員ではない旨(24条)及び送金義務の不履行があった場合には催告の上,解除することができる旨の条項があること(42条2項(1)ヌ,前記争いのない事実等のとおり,被告による)第2加盟店契約の解除は同条項の手続に則って行われていること,被告による商品仕入業者に対する支払業務の停止の通告がなされたからといって販売受取高の送金義務を停止することに正当な理由はないことからすれば,被告による第2加盟店契約の債務不履行解除に理由がないと解することはできない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 (3)相殺の可否(争点(2)ウ)について原告は,L型オープンアカウント上の貸勘定相当額963万9366円の清算金請求権を有していると主張する。 しかしながら,前記1(1)イ(キ),(ク)のとおり,上記963万9366円については,本件店舗の内外装備代金の一部(763万9366円)及び営業権利金の一部(200万円)と相殺することによって清算が終了しており,原告は清算金請求権を有していないことが認められる。 よって,原告の相殺の抗弁は,前提を欠き,採用できないことが明らかである。 (4)被告の禁反言,信義則違反,公序良俗違反の有無(争点(2)エ)についてアまた,原告は,仮にオープンアカウント上の借方残高が被告に対する借入金であるとしても,被告が詐欺又は情報提供義務違反により,又は原告 を錯誤させてフランチャイズ契約を締結させ,その結果 いてアまた,原告は,仮にオープンアカウント上の借方残高が被告に対する借入金であるとしても,被告が詐欺又は情報提供義務違反により,又は原告 を錯誤させてフランチャイズ契約を締結させ,その結果,本件店舗経営による赤字あるいは被告に対するオープンアカウント上の借方残高が累積してきたのであるから,被告がこれを原告に請求することは,信義則あるいは公序良俗に違反し,許されない旨主張する。 しかしながら,前記1のとおり,オープンアカウント上の借方残高は,第2加盟店契約に基づいて発生したものであるから,第1加盟店契約の締結時の詐欺ないし情報提供義務違反や原告の錯誤をもって信義則あるいは公序良俗違反である旨を主張することはそもそも失当であり,また,第2加盟店契約についても,契約締結時に詐欺ないし情報提供義務違反があったとは認められないことは前記1のとおりである。 以上によれば,被告が,原告に対し,オープンアカウント上の借方残高の支払を請求することが信義則又は公序良俗に違反し許されないとはいえない。 イまた,原告は,仮に,毎月支払われた生活保証金40万円が被告に対する借入金であるとしても,生活保証金について,被告は「差し上げる,」「生活保証金として支払う」と説明をしたのみであって,被告に対する借入金である旨の説明を全く行っていないという被告の生活保証金の説明状況からすれば,これを被告が原告に対して貸付金として返還請求することは,禁反言あるいは信義則違反により許されない旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,第2加盟店契約書の添付明細書№13の2項には,生活保証金とは,融資金である旨明記されており,原告は第2加盟店契約書に自ら調印していることからすると,被告が原告に対して上記貸付金の返還請求をすることが禁反言あるいは信義則に違反するとはいえ は,生活保証金とは,融資金である旨明記されており,原告は第2加盟店契約書に自ら調印していることからすると,被告が原告に対して上記貸付金の返還請求をすることが禁反言あるいは信義則に違反するとはいえない。 結論 以上によれば,原告の本訴請求はいずれも理由がないからこれらを棄却し, 被告の反訴請求は理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部裁判官岩井直幸裁判官島根里織裁判長裁判官筏津順子は,転補につき,署名押印することができない。 裁判官岩井直幸
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