平成15年1月31日判決言渡平成14年(ハ)第10421号解雇予告手当請求事件 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,金39万3583円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,被告との間で後記2(1)の雇用契約を締結した原告が,雇用期間の更新を8回繰り返し(雇用期間は毎月1日から月末までの1か月),9か月にわたって雇用契約を継続していたところ,平成14年4月末日,被告から何らの予告なく即日解雇されたとして,直前3か月間に支払を受けた賃金の3分の1である39万3583円の解雇予告手当及び遅延損害金の支払を求める事案である。 2 争いのない事実(1) 原告と被告は,平成13年7月ころ,被告を使用者,原告を労働者として,月支給額32万4000円,基本日給1万円,調整手当2000円,営業手当6万円,月末締め翌月末払の約定で雇用契約を締結した。 (2) 被告は,原告に対し,次のとおり賃金を支払った。 ア平成14年4月1日から30日まで 34万4375円イ同年3月1日から31日まで 33万8375円ウ同年2月1日から28日まで 49万8000円 3 争点本件雇用契約は,即時解雇によって終了したのか,それとも雇用契約期間の満了によって終了したのか。 第3 争点に対する判断 1 証拠によれば,次の事実が認められる(一部争いのない事実を含む。)。 (1) 被告は,株式会 第3 争点に対する判断 1 証拠によれば,次の事実が認められる(一部争いのない事実を含む。)。 (1) 被告は,株式会社A(以下「A」という。)との間で,ケーブルテレビの加入促進業務のための人材派遣契約を締結していたが,その後,加入促進業務を拡大することになった。被告は,平成13年6月19日,AからB営業センターにおける加入促進業務の業務委託を受け,平成14年3月31日まで,被告の責任において加入促進業務を行うことになった。 そこで,被告は,この業務を遂行するために,契約社員の採用活動を開始した。 (2) 被告は,平成13年6月19日,原告との間で,雇用期間を平成13年6月19日から平成14年3月31日まで,就業場所を株式会社Aサービスセンター,職務内容をケーブルテレビ加入者促進業務と定めて雇用契約を締結した。ただし,原告が実際に就業したのは平成13年7月1日からであった。 なお,雇用契約書(乙第1号証の1)の雇用期間の欄には,平成13年6月19日から平成14年3月31日までと記載され,その下部に,括弧付きで「1ヶ月更新による。」との記載があるが,本件雇用契約締結の際,被告から原告に対し,特にこの条項の意味についての説明はなく,被告としては,加入促進業務の獲得目標設定値を上回らない場合には,派遣従業員である原告の就業意思を確認するという意味に解しており,雇用期間を1か月とする趣旨ではなかった。 (3) 平成14年1月ころ,被告のB営業センターにおける加入促進業務の実績がAに認められ,同年4月から新たに期間1 年で,加入促進業務を継続することになり,被告は,B営業センターにおける契約社員の雇用も更新することにした 被告のB営業センターにおける加入促進業務の実績がAに認められ,同年4月から新たに期間1 年で,加入促進業務を継続することになり,被告は,B営業センターにおける契約社員の雇用も更新することにした。 (4) そこで,被告は,平成14年3月31日,原告との間で,雇用期間を同年4月1日から同月30日までとして,雇用契約を更新した。 (5) 被告のB営業センターの管理者であったCは,平成14年4月22日,原告に対し,被告と原告との雇用契約が同月末で期間満了により終了する旨伝えた。 2 上記の事実によれば,本件雇用契約は,期間の満了により当然に終了したものと認められ,即時解雇の事実を認めるに足りる証拠はない。 3 ところで,期間の定めのある雇用契約の場合,期間が満了すると雇用契約は終了し,解雇とはみられないのが原則であるが,例外的に,雇用契約が反復更新され,実質的には期間の定めのない契約と異ならない状態で存在しており,労働者も契約更新が行われると期待される実態にあるような場合等においては,更新拒絶に解雇に関する法理が類推適用される場合があるところ,本件雇用契約においては,そのような事実を認めるに足りる証拠はない。 なお,原告は,本件雇用契約締結時に,被告代表者から本件雇用契約は更新され,2,3年は働いてもらう旨いわれたと供述するが,被告代表者の供述及び同人の陳述書(乙第5号証)によれば,本件雇用契約締結時に,実績が上がればAとの契約更新もあり得る旨述べたというのであって,Aとの当初の契約期間が平成14年3月31日までであったことからすれば,肯定できる内容であり,原告の上記供述は採用できない。また,雇用契約の更新は1回だけであって反復継続されていたわけではないから,客観的には,原告が契約更 3月31日までであったことからすれば,肯定できる内容であり,原告の上記供述は採用できない。また,雇用契約の更新は1回だけであって反復継続されていたわけではないから,客観的には,原告が契約更新が行われると期待される実態にあったとも認められない。 4 以上によれば,原告の請求は理由がないので,主文のとおり判決する。 東京簡易裁判所民事第1室裁判官若生朋美
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