令和3(ネ)10088等 特許権侵害差止等請求控訴事件,附帯控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和4年6月20日 知的財産高等裁判所 4部 判決 原判決一部変更 大阪地方裁判所 令和1(ワ)9113
ファイル
hanrei-pdf-91319.txt

キーワード

判決文本文47,547 文字)

1令和4年6月20日判決言渡令和3年(ネ)第10088号特許権侵害差止等請求控訴事件、令和4年(ネ)第10014号附帯控訴事件(原審・大阪地方裁判所令和元年(ワ)第9113号)口頭弁論終結日 令和4年3月16日判決5 控訴人・附帯被控訴人(一審被告。以下「控訴人」という。)F X C 株 式 会 社 同訴訟代理人弁護士 湊 信 明10同 野 村 奈 津 子同 横 田 将 宏同訴訟代理人弁理士 工 藤 一 郎 被控訴人・附帯控訴人(一審原告。以下「被控訴人」という。)15 因幡電機産業株式会社 同訴訟代理人弁護士 小 池 眞 一同補佐人弁理士 宮 地 正 浩主文201 本件控訴について原判決主文1項及び2項に係る本件控訴を棄却する。 原判決主文3項及び4項を次のとおり変更する。 ア 控訴人は、被控訴人に対し、1億9493万5883円及びこのうち以下の各項記載の金員に対する同記載の日か25ら各支払済みまで、①ないし⑤については年5%の割合に 2よる金員を、⑥ないし⑧については年3%の割合による金員をそれぞれ支払え。 ①12万6087円に対する平成29年1月1日から②670万8625円に対する平成30年1月1日から③3770万8862円に対する平成31年1月1日から5④7877万8668円に対する令和2年1月1日から⑤2212万8469円に対する ②670万8625円に対する平成30年1月1日から③3770万8862円に対する平成31年1月1日から5④7877万8668円に対する令和2年1月1日から⑤2212万8469円に対する令和2年4月1日から⑥3260万9523円に対する令和2年11月1日から⑦717万8746円に対する令和3年1月1日から⑧969万6903円に対する令和3年3月1日から10イ 被控訴人のその余の請求を棄却する。 2 本件附帯控訴について被控訴人の附帯控訴を棄却する。 3 訴訟費用は第1、2審を通じこれを100分し、その85を控訴人の、その余を被控訴人の負担とする。 154 この判決は、1項アに限り、仮に執行することができる。 事実及び理由第1 当事者の求めた裁判1 控訴の趣旨⑴ 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 20⑵ 前記取消しに係る部分につき、被控訴人の請求を棄却する。 2 附帯控訴の趣旨原判決主文3項及び4項を次のとおり変更する。 「3 控訴人は、被控訴人に対し、2億3123万1290円及びこのうち以下の各項記載の金員に対する同記載の日から各支払済みまで、⑴ない25し⑸については年5%の割合による金員を、⑹ないし⑻については年 33%の割合による金員をそれぞれ支払え。 ⑴ 17万1138円に対する平成29年1月1日から⑵ 813万4913円に対する平成30年1月1日から⑶ 4413万3963円に対する平成31年1月1日から⑷ 9338万6718円に対する令和2年1月1日から5⑸ 2664万7472円に対する令和2年4月1日から⑹ 3888万0288円に対する令和2年11月1日から⑺ 846万8675円に対する令和3年1月1日から⑻ 令和2年1月1日から5⑸ 2664万7472円に対する令和2年4月1日から⑹ 3888万0288円に対する令和2年11月1日から⑺ 846万8675円に対する令和3年1月1日から⑻ 1140万8123円に対する令和3年3月1日から」第2 事案の概要等101 事案の概要(以下において略称を用いるときは、別途定めるほか、原判決に同じ。)本件は、発明の名称を「情報通信ユニット」とする特許(本件特許)に係る特許権者である被控訴人が、原判決別紙被告物件目録記載の各製品(各被告製品)は本件各発明の全部(被告製品2及び3)又は一部(被告製品1につき本15件発明1、被告製品4につき本件発明1及び2)の技術的範囲に属し、その製造、輸入、販売及び販売の申出は本件特許権を侵害するとして、これらを製造等する控訴人に対し、本件特許権に基づき、上記各行為の差止及び各被告製品の廃棄を求めるとともに、本件特許権侵害の不法行為(民法709条、特許法102条2項ないし3項)に基づき前記第1の2(附帯控訴の趣旨)記載の損20害賠償金及び遅延損害金(ないしについては改正前の民法所定の年5%の割合により、ないしについては民法所定の年3%の割合による。)の支払を求める事案である。 原判決は、各被告製品は本件発明1の、被告製品2ないし4は本件発明2の、被告製品2及び3は本件発明3の、各技術的範囲に属するとし、上記差止請求25及び廃棄請求を認容し、損害賠償請求については、2億1966万9722円 4及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容したので、その敗訴部分を不服として、控訴人が控訴を、被控訴人が附帯控訴をそれぞれ提起した。 2 「前提事実」、「争点」及び「当事者の主張」は、後記3及び4のとおり、当審にお 支払を求める限度で認容したので、その敗訴部分を不服として、控訴人が控訴を、被控訴人が附帯控訴をそれぞれ提起した。 2 「前提事実」、「争点」及び「当事者の主張」は、後記3及び4のとおり、当審における当事者の補充主張及び追加主張をそれぞれ加えるほか、原判決の「事実及び理由」欄の第2の2及び3並びに第3に記載するとおりであるから、5これを引用する。 3 当審における補充主張⑴ 控訴人の主張ア 争点1(本件各発明の技術的範囲への属否)について被控訴人は、本件発明1の構成要件D―1の「沿う」の語について、10「一定の距離を離して配置されている」状態を含まないとの主張をしている(後記4⑵ア)ところ、各被告製品においては、短い壁面側に配置される一方のアンテナは、壁面から離間させて配置されているし、長い壁面側に配置される他のアンテナも壁面付近に配置されたアンテナ固定枠に遊嵌(余裕となる隙間をもって挿入)されて配置されているの15であり、筐体を振るとアンテナは揺れるように配置されているのであるから、構成要件D-1を充足しないことになる。 特許発明の技術的範囲への属否は、発明の効果を奏するか否かを参酌して判断すべきであり、本件各発明が解決しようとする課題の解釈は、本件各発明の奏する効果を定める原因となる。本件各発明の作用・効果20は、コンセント部からの制限(コンセントカバーの窓の大きさや形状)を受けるケーシング部分が実際に内挿される内挿部に生じるものである。そうすると、コンセント部の外部に露出したケーシング内にアンテナを配置した各被告製品は、本件発明の技術的範囲に属さない。 イ 争点2(本件各発明に係る無効理由の有無)について25原判決が乙13発明と本件各発明の相違点の認定を誤っていること ナを配置した各被告製品は、本件発明の技術的範囲に属さない。 イ 争点2(本件各発明に係る無効理由の有無)について25原判決が乙13発明と本件各発明の相違点の認定を誤っていること 5原判決は、相違点1として、乙13発明ではアンテナが蓋に配置されている点、相違点2として乙13発明ではアンテナが線状である点、相違点3として乙13発明では2つのアンテナは底面に沿って離間して配置されている点を挙げている。 しかし、相違点1についてみると、乙13文献の図26を見れば、蓋5の少なくとも一部は無線拡張部と同じ幅であるので、その部分は「表示面部の外縁から後方に延出」していることから「内挿部」に当たる。したがって、アンテナは内挿部に配置されているということができる。 また、相違点2についてみると、乙13発明におけるアンテナは断面矩形の棒状であり、これは板状体ということができるから、この点も本10件発明との相違点とならない。 さらに、相違点3に関しては、乙13発明においてアンテナが内壁面に沿っているか否かを判断すべきであり、底面に沿っているか否かは本件発明と乙13発明を比較する上では不要であるから、原判決の判断は誤りである。 15 技術常識が踏まえられていないこと複数のアンテナを送受信に使う場合には、その間隔をできるだけ離した方が良好な特性が得られるという技術常識(乙23、24)を踏まえれば、本件各発明が無効と判断されることは当然である。 ウ 争点3(損害発生の有無及び損害額)について20特許法102条2項に基づく損害についてa 損害が発生していないこと特許法102条2項の適用についても、少なくとも損害の発生は必要である。 各被告製品の製造販売が開始 20特許法102条2項に基づく損害についてa 損害が発生していないこと特許法102条2項の適用についても、少なくとも損害の発生は必要である。 各被告製品の製造販売が開始されたのは平成28年末であるが、平25成29年度から令和2年度までの被控訴人における原告製品の売上げ 6をみると、売上げを落としたのは●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●他の年ではむしろ売上げを伸ばしている。したがって、各被告製品の製造販売によって原告製品の売上げが減少したという関係にはない。各被告製品の販売期間で原告製品の売上げが減少している取引先に関しては、控訴人は取引をしておらず、5各被告製品の販売と原告製品の売上減少との間に因果関係はない。 b 売上げ・利益の額⒜ 返品分各被告製品が本件特許権を侵害するとされたことから、●●●●●●●●●●●は、控訴人が納入した各被告製品●●●●●●●●10●●●●●●●●●を返品し、また、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を返品した。 これらの返品分に係る売上げは、損害計算から控除されるべきである。 ⒝ 被控訴人の販売形態と競合しない製品の売上げ15被告製品4は、電話やLANの挿入口がないタイプで、スマートフォンとタブレットのユーザーに特化し、コストを圧縮するものであるところ、被控訴人はこのタイプの製品は販売していないから、競合関係にない。したがって、この関係の売上げ●●●●●●●●円は、損害算定の基礎となる売上げから控除されるべきである。 20また、控訴人は、40個1単位のバルク販売もしており、被控訴人は、このような形態の販売を行っていないから、競合関係にない。 したがって、この 売上げから控除されるべきである。 20また、控訴人は、40個1単位のバルク販売もしており、被控訴人は、このような形態の販売を行っていないから、競合関係にない。 したがって、この関係の売上●●●●●●●●●●●円は、損害算定の基礎となる売上げから控除されるべきである。 ⒞ 消費税25仮に、特許法102条2項の「利益」に消費税相当額を算入する 7としても、「資産の譲渡等」としての実質を有するもの、すなわち、権利者の特許権の使用の対価と評価できる部分、具体的には実施料相当額に対する消費税相当額に限るべきである。 ⒟ 為替差益仮に、限界利益の算出において為替差益は全て原価として考慮さ5れるべきでないという控訴人の主張が認められないとしても、少なくとも、平成28年から令和2年にかけての為替予約取引に係る為替差益(計算鑑定書(甲58)において原価調整項目として計上されている額の●●●●%)については、これを売上原価に含める扱いをする合理的根拠を欠くものである。 10⒠ その他の事情被控訴人は、控訴人と係争中の令和2年1月、大阪のビジネスホテルに納入するため、被告製品を購入したことがあり(乙52の1・2、この件で、控訴人は、被控訴人に対し、被告製品3(AE1051)を計●●●●●●●●円で売り渡したが、被控訴人が上記被15告製品を購入したことは、少なくともその時点で自らに製品供給能力がないことを意味するから、仮に、このとき上記被告製品が販売されていなかったとしても、その分被控訴人が原告製品を販売できたとはいえず、上記被告製品3の販売にかかる控訴人の利益額は、特許法102条2項の損害から差し引かれるべきである。 20c 推定の覆滅について⒜ 本 被控訴人が原告製品を販売できたとはいえず、上記被告製品3の販売にかかる控訴人の利益額は、特許法102条2項の損害から差し引かれるべきである。 20c 推定の覆滅について⒜ 本件各発明の顧客誘引力がないか、乏しいこと原判決は、本件各発明において①ケーシングをコンセント部に埋設状態で設置でき、設置面からの表示面部の突出量が極力小さくなることによる美観の向上及び歩行の妨げとなることの防止という25効果(効果①)、②複数のアンテナ素子間の送受信波の相互干渉の 8抑制という効果(効果②)について顧客吸引力を認めている。 しかし、効果①については、既に被控訴人が先行して販売していた製品又は既に公開された特許公報(特許第5406950号。乙26)といった公知技術によって奏することが可能であったものであり、本件各発明の顧客吸引力を示すものではない。 5また、効果②についても、通信速度等の数値に差ができたとしても体感できるレベルのものではなく、後記⒟の控訴人の営業努力や後記⒠の各被告製品の性質、機能の方が販売に影響するものである。 ⒝ 市場の同一性がないこと被控訴人は、大企業の一部門としてほとんど壁埋込型無線アクセ10スポイントのみを扱い、元々取引のある建設関係の既存固定客又はその紹介客等を中心に取引しているのに対し、控訴人は、販売パートナー(販売代理店)を介しての販売を中心とし、通信関係ネットワークの展示会にも積極的に出品しており、直接の取引先に関し、各被告製品と原告製品は基本的に競合していない。 15各被告製品は、販売パートナーを介して、多様な現場に導入されるが、この中で控訴人が被控訴人と競合するのは、主にはインターネットサービスプロバイダを介し 的に競合していない。 15各被告製品は、販売パートナーを介して、多様な現場に導入されるが、この中で控訴人が被控訴人と競合するのは、主にはインターネットサービスプロバイダを介しての最終的な導入先であるマンションのみであるから、各被告製品と原告製品は、エンドユーザーにおいてもほとんど競合していない。 20⒞ 市場における競合品の存在エレコムは、甲56製品のほかにも、原告製品と類似した埋込型アクセスポイントを販売している。 また、平成31年には、中国企業であり、アリババ等の著名企業を取引先とする会社の日本法人であるRuijie Netwo25rks Japan株式会社(以下「Ruijie社」という)が、 9埋込型無線LANルーターの分野に進出している。Ruijie社は令和2年には1.7億円の売上げを上げている。 これらの事情に鑑みれば、本件対象期間において控訴人による各被告製品の販売がなかったとしても、これに代わってエレコムやRuijie社が控訴人の売却先に販売をしていた可能性が相当程5度ある。 ⒟ 控訴人の営業努力控訴人は、個別仕様カスタマイズ集中管理ソフトの開発及び製品に付随するソフトウェア自体を含む製品のカスタマイズという顧客の個別的な要望に応えて信頼を得た。また、控訴人は、大口ユー10ザー向けの計画生産を原則としつつも、需要予測が明確でない販売パートナー向けに見込み生産もしていて、ほぼ●●●●台以上は在庫を確保していた。さらに、控訴人は、保守サービスの内容をウェブサイトの分かりやすい場所に明示している。 なお、被控訴人が大阪地裁に申し立てた令和2年(ヨ)第2001509号特許権侵害差止仮処分命令申立事件につき申立て ービスの内容をウェブサイトの分かりやすい場所に明示している。 なお、被控訴人が大阪地裁に申し立てた令和2年(ヨ)第2001509号特許権侵害差止仮処分命令申立事件につき申立てを認める決定が令和3年2月8日になされた(以下「本件仮処分」という。)ところ、控訴人がその後に、本件特許権を侵害しない製品(以下「侵害回避品」という。)の販売を開始すると、取引を再開した企業が複数あることも、取引先との上記のような信頼関係によって控訴人20の取引が成り立っていることを裏付ける。 ⒠ 各被告製品の性能、品質控訴人は、ネットワーク機器集中管理ソフトウェア「FSW-CONFIG2」を自社で開発し、訴求力を得ていた。 また、各被告製品には、ルーターモード(他にルーターが不要で25インターネットに接続できる。)、WPS(Wi-Fi Prote 10cted Setup。WPSがあると、ボタン押印で簡単に親機(無線アクセスポイントや無線ルーター)を子機(PC等の端末)に接続でき、ホテル等において、日ごとに不特定の子機を接続する際、子機に一々設定を入力する手間なく自動で接続することが可能となる。)、電源/WPS/リセットボタンの誤作動防止のための有5効無効切替スイッチ、LED常時消灯機能(就寝のため完全に消灯したいとき等に有用。甲53添付資料B)、電波強度を向上させるビームフォーミング機能や当該強度を調整する機能(不必要に自室を超えて電波が出ないようにするもの。乙58の3枚目)といった原告製品にない機能が備えられている。 10⒡ その他の事情原告製品が販売されたことのない取引先については、各被告製品が販売されなかったとしても原告製品が販売された可能性は低い。 また、従前は被控訴人 られている。 10⒡ その他の事情原告製品が販売されたことのない取引先については、各被告製品が販売されなかったとしても原告製品が販売された可能性は低い。 また、従前は被控訴人が原告製品を販売していた●●●●●●●●●●(以下「●●●●●●」という。)については、平成30年以15降は、控訴人が各被告製品を納品する運びとなり、その後被控訴人との取引関係は解消したが、その原因は、平成29年10月から平成30年4月に納入された原告製品の不具合にある。 競合品の存在を理由として特許法102条2項の推定の覆滅がされた部分についての同項と同条3項の重畳適用について20被控訴人は、後記⑵ウのとおり、競合品の存在を理由として特許法102条2項の推定の覆滅がされた部分について、同項と同条3項の重畳適用がされるべき旨主張する。 しかし、同条2項は特許権者に生じた損害額、つまり特許権侵害行為がなかった場合に特許権者が得られたであろう逸失利益額を推定するも25のであり、当該推定の覆滅が認められるということは、その部分につい 11ては、特許権侵害行為と特許権者に生じた損害との間に因果関係がなく、特許権者に生じた損害と認められないことを意味するのであるから、被控訴人の主張は失当である。 ⑵ 被控訴人の主張ア 争点1(本件各発明の技術的範囲への属否)について5 控訴人は、前記⑴アのとおり、被控訴人が、本件発明1の構成要件D-1の「沿う」の語について、「一定の距離を離して配置されている」状態を含まないとの主張をしている旨主張するが、これは被控訴人の主張を曲解するものである。 被控訴人は、控訴人が引用する発明のいずれもケーシングの内壁面を10利用する構 置されている」状態を含まないとの主張をしている旨主張するが、これは被控訴人の主張を曲解するものである。 被控訴人は、控訴人が引用する発明のいずれもケーシングの内壁面を10利用する構成ではないことから、本件発明1の「内壁面に沿う」形状ではないことを指摘しているのであり、内壁面に接するか否かを基準として相違点を主張してはいない。 なお、控訴人は、令和2年1月28日の原審第1回弁論準備手続期日において、構成要件D-1の充足について特に争う趣旨ではないとの認15否をし、その後、被控訴人は、自白を援用しているところ、控訴人は、自白が真実に反し、錯誤に基づくものであることについて主張立証しない。 控訴人は、前記⑴アのとおり、各被告製品が本件各発明の効果を奏しない旨主張するが、同主張は、本件特許の特許請求の範囲に記載のな20い「壁」を基準にその技術的範囲の属否を判断すべきとし、また、本件明細書に記載のない構成を想定して、各被告製品が本件各発明の作用効果を奏しないと議論しているにすぎない。 イ 争点2(本件各発明に関する無効理由の有無)について乙13発明と本件各発明の相違点について25控訴人は、前記⑴イのとおり、各相違点について主張するが、相違 12点1に関しては、「蓋」のいずれの部分も「コンセント部に内挿される」部位ではないから、失当である。 次に、相違点2に関しては、乙13文献に、アンテナの断面が矩形状であると認めるべき図示はないから、失当である。 さらに、相違点3に関しては、アンテナが「底面に沿って」離間して5配置される構成は、アンテナが「内壁面に沿って」いる構成であるとはいえないのであるから、失当である。 控訴人は、前記イのとおり、複数のアンテナの間隔をできるだけ 「底面に沿って」離間して5配置される構成は、アンテナが「内壁面に沿って」いる構成であるとはいえないのであるから、失当である。 控訴人は、前記イのとおり、複数のアンテナの間隔をできるだけ離した方がよい旨の技術常識を踏まえれば、本件各発明は無効と判断される旨主張するが、「アンテナ間距離を離す」旨の技術常識はあっても、10これを空間的な制約のある「ケーシング内で、最大限に離れた位置」に分配配置するという技術的事項を記載した文献はないのであって、失当である。 ウ 争点3(損害発生の有無及び損害額)について特許法102条2項に基づく損害について15a 損害が発生していないとする点について控訴人は、前記⑴ウaのとおり、各被告製品の製造販売が開始されて以降、本件各発明の実施品の売上げが減少していないから、被控訴人に損害がない旨主張するが、被控訴人の販売活動と並行した時期に控訴人によりなされた違法な特許権侵害により、被控訴人の販売実20績に追加して得られたはずである損害の発生が議論の対象であり、被控訴人の販売実績は、要証事実と何らの関連性もない。 b 売上げ・利益の額について⒜ 返品分控訴人は、前記⑴ウb⒜のとおり、各被告製品を販売した後、25控訴人が、新製品を用意して交換したから売上高の基礎から控除す 13べきである旨主張する。 しかし、各被告製品を販売した時点で、被控訴人の損害は発生しているのであって、控訴人の主張は失当である。 ⒝ 販売形態が競合しない製品の売上げ控訴人は、前記⑴ウb⒝のとおり、被告製品4には電話やLA5Nケーブルの挿入ポートがないとか、各被告製品の中でバルク販売されたものがあるとして、被控訴人と控訴人では販売形態が 控訴人は、前記⑴ウb⒝のとおり、被告製品4には電話やLA5Nケーブルの挿入ポートがないとか、各被告製品の中でバルク販売されたものがあるとして、被控訴人と控訴人では販売形態が異なると主張するが、そのような事情で競合が否定されるものではない。 ⒞ 消費税控訴人は、前記⑴ウb⒞のとおり、仮に、特許法102条2項10の「利益」に消費税相当額を算入するとしても、実施料相当額に対する消費税相当額に限るべきであると主張するが、そのような課税実務は存在しない。 ⒟ 為替差益平成28年から令和2年までの為替差益(甲58)のうち、総額15で●●●●%が為替予約によるものであったこと、この数値を原価から控除することについては争わない。 ⒠ その他の事情●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●20●●●同ホテルにおける過電流という、原告製品とは関わりのない問題により、原告製品の納入が拒絶されたことに基づくものである。 c 推定の覆滅について⒜ 本件各発明に顧客吸引力がないか、乏しいとする点控訴人は、前記⑴ウc⒜のとおり、本件各発明に顧客吸引力が25ないか、乏しいと主張するが、本件各発明における、市販のコンセ 14ント部に埋設状態で設置可能なケーシング内に複数の板状に形成されたアンテナ素子を収容して、製品の美観を維持しつつ、無線LAN用のアンテナとしてこれを合理的に配置したという技術的特徴は、デュアルバンド対応やMIMO技術といった無線LAN規格への対応を情報コンセントの技術分野で可能としたものである。 5⒝ 市場の同一性がないとする点控訴人は、前 術的特徴は、デュアルバンド対応やMIMO技術といった無線LAN規格への対応を情報コンセントの技術分野で可能としたものである。 5⒝ 市場の同一性がないとする点控訴人は、前記⑴ウc⒝のとおり、直接の取引先に関し、各被告製品と原告製品は基本的に競合していないと主張するが、各被告製品の販売数の約9割が、被控訴人の情報コンセントに係る取引先との取引である。 10また、控訴人は、エンドユーザーにおいて、控訴人が被控訴人と競合するのは、主にインターネットサービスプロバイダを介しての最終的な導入先であるマンションのみであるとも主張するが、上記のとおり、直接の取引先において各被告製品と原告製品は重なっている上、いずれもエンドユーザーの各家庭、各部屋、各事務所で標15準化されているコンセント部に使用される商品であるという点からも、上記主張は失当である。 ⒞ 市場における競合品の存在控訴人は、前記⑴ウc⒞のとおり、エレコムやRuijie社の製品が原告製品の競合品である旨主張するが、これらの製品は、20いずれも本件各発明を実施する製品ではなく、基本スペックを被控訴人の対応製品と同等に確保することは、技術的に困難である。 したがって、控訴人主張の競合品の存在を推定覆滅事情として考慮すべきではなく、仮に考慮するとしても、原審と同様、最大5%の推定を覆滅する事情として考慮する以上の評価はできない。 25⒟ 控訴人の営業努力 15控訴人は、⑴ウc⒟のとおり、被控訴人よりサービス体制が充実していた旨主張するが、各被告製品の販売が本件発明の実施と無関係に得られたものであることの立証にはなっていない。 ⒠ 控訴人製品の性能、品質控訴 りサービス体制が充実していた旨主張するが、各被告製品の販売が本件発明の実施と無関係に得られたものであることの立証にはなっていない。 ⒠ 控訴人製品の性能、品質控訴人の1ウc⒠における主張のうち、各被告製品に一審原告5の対応製品の一部に存在しない機能があることは認めるが、いずれも製品の基本的性能にとって付加的な機能にすぎない。 ⒡ その他の事情控訴人は、⑴ウc⒡のとおり主張するが、いずれも、控訴人による侵害品の販売により、被控訴人が販売機会を喪失したとの推定10を覆すものではない。 競合品の存在を理由として特許法102条2項の推定の覆滅がされた部分についての同項と同条3項の重畳適用について原判決は、競合品の存在を理由とする推定覆滅については、特許法102条2項と3項の重畳適用は否定されると判示するが、令和元年法律15第3号による改正の際、同条1項と同条3項の重畳適用を認める改正の趣旨は、同条2項と同条3項の関係にも準用されるというのが立案担当者の考えであった(甲65)。そして、控訴人の営業努力や侵害品の性能と関わりなく、競合品の存在をもって、控訴人の譲渡数量に対応すべき控訴人の利益に対する推定覆滅を肯定するのであれば、控訴人によっ20て販売された推定覆滅に相応する侵害品の譲渡数量に対してこそ、被控訴人の許諾機会の喪失に係る逸失利益を想定すべきであることは、同条1項の趣旨からも明らかである。 4 当審における控訴人の追加主張及び被控訴人の反論⑴ 控訴人の追加主張(無効の抗弁)25ア 特開2006-129365号公報(乙34。以下「乙34文献」とい 16う。)に基づく本件発明1の新規性欠如 控訴人の反論⑴ 控訴人の追加主張(無効の抗弁)25ア 特開2006-129365号公報(乙34。以下「乙34文献」とい 16う。)に基づく本件発明1の新規性欠如以下のとおり、乙34文献には本件発明1に係る構成が全て開示されており、本件発明1は新規性を欠如する。 乙34文献の【0009】には無線LAN用やBluetooth用のアンテナが記載されており、これは本件発明1の構成要件Aに該当す5る。 乙34文献の【0008】には、装置本体をセンターコンソールの内部に搭載(埋設)し、モニタ2を車室内(外部)に露出するように構成することが記載されており、これは本件発明1の構成要件Bに相当する。 乙34文献の【0008】には、装置本体3に支持されているモニタ102が、例えばセンターコンソールの表面パネルを背後として車室内の中央を向くように設置することが記載されており、これは本件発明1の構成要件C-1に相当する。 乙34文献において表示装置のコンソールに埋め込まれている部分は、本件発明1の構成要件C-2に相当する。 15乙34文献の【0010】、図1、図2、図10等には、内挿部の内壁面に沿った板状のアンテナが開示されており、これは本件発明1の構成要件D-1に相当する。 乙34文献の【0009】や図1には、LCDパネル等が画像表示を行う領域の周辺各辺にアンテナを配置することが開示されており、これ20は本件発明1の構成要件D-2に相当する。 乙34文献は、カーナビゲーションとオーディオ一体機の表示装置に関するものであり、これは本件発明1の構成要件Eに相当する。 イ 米国特許出願公開US2012/0002655A1(乙35。以下「乙35文献」という。)に基づく本件発明1の 一体機の表示装置に関するものであり、これは本件発明1の構成要件Eに相当する。 イ 米国特許出願公開US2012/0002655A1(乙35。以下「乙35文献」という。)に基づく本件発明1の新規性欠如25以下のとおり、乙35文献には、本件発明1に係る構成が全て開示され 17ており、本件発明1は新規性を欠如する。 乙35文献はWi-Fiアクセスポイントデバイス及びシステムに関するものであり、[0024]等には1つ以上のアンテナとの記載もあることから、これは本件発明1の構成要件Aに相当する。 乙35文献の[0012]、[0013]等には、前記デバイス及び5システムはアウトレットボックス(本件発明1のコンセント部)に対して取り付けられ、又はその中に設置(埋設)可能な構成となっており、これは本件発明1の構成要件Bに相当する。 乙35文献の図4、図5、別実施形態の図8a、図8bは外部に露出する表示面を示しており、これは本件発明1の構成要件C-1に相当す10る。 乙35文献の図5には、ハウジングがワークステーションギャングボックスの開口部と略同一のサイズで描かれており、コンセント部へ内挿されるものと認められ、別実施形態である図8a、図8bによれば、アクセスポイントがフェイスプレートの開口部から見えており、表示面部15外縁から開口部に内接して後方に延出する内挿部を有するといえ、これは本件発明1の構成要件C-2に相当する。 乙35文献の図5にはアンテナが2か所図示され、図6にはフェイスプレートの左右側面の内壁面に沿って2つの板状アンテナが図示されており、これは本件発明1の構成要件D-1に相当する。 20 乙35文献の図5、図6では 2か所図示され、図6にはフェイスプレートの左右側面の内壁面に沿って2つの板状アンテナが図示されており、これは本件発明1の構成要件D-1に相当する。 20 乙35文献の図5、図6では、ハウジング又はフェイスプレートの表示面後方の内部空間を挟んで離間する位置に分配してアンテナが2個平行に配置されている様子が図示されており、これは本件発明1の構成要件D-2に相当する。 乙35文献は、Wi-Fiアクセスポイントデバイス及びシステムに25関する発明であり、これは本件発明1の構成要件Eに相当する。 18ウ 特開2005-79977号公報(乙36。以下「乙36文献」という。)に記載された発明(以下「乙36発明」という。)と乙34文献に記載された発明(以下「乙34発明」という。)との組み合わせ又は乙36発明と乙35文献に記載された発明(以下「乙35発明」という。)との組み合わせによる本件発明1 の進歩性欠如5以下のとおり、本件発明1は、乙36発明と乙34発明の組み合わせ、又は乙36発明と乙35発明の組み合わせにより容易に想到するものであり、進歩性を欠如している。 乙36文献の図7、図8には、実施形態3の無線LANアダプターがサポートの略長方形の開口を通して取り付けられている様子が示されてお10り、図6、図7にはアンテナ43が2か所示されている。 乙36発明は、本件発明1の内挿部と表示面部に相当する構成を持つ。 そのため、乙36発明のコンセント埋め込み型の無線LANアダプターへ、同様の技術分野のWi-Fiアクセスポイントデバイスである乙35発明を適用しようと当業者が発想することは容易である。乙36発明は電源15コンセント部を併設内蔵するが、無線LANアダプターとしての機能、効果が発 Wi-Fiアクセスポイントデバイスである乙35発明を適用しようと当業者が発想することは容易である。乙36発明は電源15コンセント部を併設内蔵するが、無線LANアダプターとしての機能、効果が発明の目的であるため、電源コンセント部を有しない本件発明1の情報通信ユニットに相当する。 以上によれば、乙36発明のコンセント埋め込み型の無線LANアダプターへ、乙36文献に記載のない乙34発明又は乙35発明のアンテナ配20置(構成要件D-1、D-2)を適用することで、当業者が容易に本件発明1を想到することができる。 エ 本件発明2の進歩性欠如上記アないしウに論じたところのほか、本件発明2の構成要件F-1、F-2については乙26文献に、構成要件F-3については乙34文献、25乙35文献に、構成要件Gについては乙17文献に開示されているから、 19乙36発明にこれらを適用することにより、本件発明2の進歩性は否定される。 オ 本件発明3の進歩性欠如上記アないしエに論じたところのほか、本件発明3の構成要件H-1、H-2については乙26文献に開示されているから、乙36発明にこれら5を適用することにより、本件発明3の進歩性は否定される。 ⑵ 被控訴人の主張ア 乙34文献に基づく本件発明1の新規性欠如について本件発明1は、乙34発明とは以下のような相違点があり、乙34文献に基づいて新規性を否定することはできない。 10 構成要件B乙34発明は、「設置面に設けられたコンセント部」に相当する構成を有していない。 構成要件C-1乙34発明は、内挿される部位である「ケーシング」を有していない。 15構成要件C-2乙34文献の図1 設けられたコンセント部」に相当する構成を有していない。 構成要件C-1乙34発明は、内挿される部位である「ケーシング」を有していない。 15構成要件C-2乙34文献の図1及び図7-1をみても、「モニタ2」の筐体の外縁と「装置本体3」の筐体の外縁部は、明らかな段差があり、乙34発明は、本件発明1の構成要件C-2の「表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部」を有していない。 20構成要件D-1乙34発明の「アンテナ4」は、乙34文献の図2より明らかなとおり、各内壁面と距離をおいてL字の各面が位置しており、本件発明1の「アンテナ素子」のように「前記ケーシングの内壁面に沿う板状に形成されている」ものではない。 25構成要件D-2 20乙34発明の「外枠6」は、本件発明1の「外部に露出される表示面部」「の外縁部から後方に延出」する内挿部ではないため、構成要件D-2の「前記内挿部の互いに異なる内壁面」が存在していない。 イ 乙35文献に基づく本件発明1の新規性欠如について控訴人主張の乙35発明は、乙35文献の複数の実施形態を断片的につ5なぎ合わせたもので、本件発明1との対比の対象として不適切である。 そこで、乙35文献に記載の発明を「ハウジング12、ハウジング112、ハウジング212を有して各ボックスに外付けされているアクセスポイント10、110、220に係る発明」(以下「乙35発明1」という。)と、「周囲にハウジングを有さず、フェイスプレート及び壁カバー86410内に、保護部材を介して埋め込まれてボックスに外付けされるアクセスポイント回路構成324、又は保護部材を介さずに直接埋め込まれてボックスに外付けされるアクセス回路構成824に基 カバー86410内に、保護部材を介して埋め込まれてボックスに外付けされるアクセスポイント回路構成324、又は保護部材を介さずに直接埋め込まれてボックスに外付けされるアクセス回路構成824に基づくアクセスポイント310、410、510、610、710に係る発明」(以下「乙35発明2」という。)とに分けて検討する。 15 乙35発明1に基づく新規性欠如の有無について本件発明1は、乙35発明1とは以下のような相違点がある。 a 構成要件B乙35発明1では、本件発明1の「ケーシング」に相当する「ハウジング」は、埋設状態で設置可能に構成されていない。 20b 構成要件C-1乙35発明1に本件発明1の構成要件Bの「設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で埋設可能に構成された」「ケーシング」の部位が存在しない以上、これと対比される構成要件C-1の「ケーシング」が有する「外部に露出される表示面部」の部位も存在しない。 25c 構成要件C-2 21乙35発明1のハウジングは、ボックスの開口部を覆うものであり、ボックス内部に内挿されるものではない。 d 構成要件D-1乙35発明1のアンテナ228は、FIG5、FIG6に図示されるように、ハウジング238の内壁面と距離をおいて平行な姿勢を保5つように配置されており、ハウジング238の内壁面がアンテナ228の配置に一切利用されておらず、内壁面に沿って配置される構成でない。 e 構成要件D-2前記bないしdのとおり、乙35発明1の「ハウジング」には、本10件発明1の「表示面部」に相当する構成も「内挿部」に相当する構成もなく、また、乙35発明 e 構成要件D-2前記bないしdのとおり、乙35発明1の「ハウジング」には、本10件発明1の「表示面部」に相当する構成も「内挿部」に相当する構成もなく、また、乙35発明1は、「アンテナ」の配置について「ハウジング」の内壁面を利用する構成ではない。 乙35発明2に基づく新規性欠如について本件発明1は、乙35発明2とは以下のような相違点がある。 15a 構成要件A乙35発明2に本件発明1の「複数のアンテナの夫々のアンテナ素子」の開示はない。また、乙35発明2では、アクセスポイント回路構成324の保護として「保護部材356」を介し、「フェイスプレート338」を被せるものであり、本件発明1の「ケーシング」に相20当する構成はない。 b 構成要件B、C-1、C-2乙35発明2が本件発明1の「ケーシング」を有しない以上、構成要件B、C-1、C-2も有しない。 c 構成要件D-1、D-225乙35発明2に本件発明1の「複数のアンテナの夫々のアンテナ素 22子」の開示はないので、構成要件D-1、D-2も有しない。 ウ 乙36発明と乙34発明との組み合わせ又は乙36発明と乙35発明との組み合わせによる本件発明1の進歩性欠如について 乙36文献においては、その図1、図2、図5に「アンテナ部12c」が2つ記載され、図6、図7に「アンテナ部43」が2つ記載されてい5るが、これらの図示部分が独立した「アンテナ素子」であるのか、ケース内部で一体化されているのかを把握することはできず、また、「ケース凸部33b」の表面に露出しているとの記載からは、本件発明1の「ケーシングに内蔵し、」との発明特定事項に対応した構成を把 のか、ケース内部で一体化されているのかを把握することはできず、また、「ケース凸部33b」の表面に露出しているとの記載からは、本件発明1の「ケーシングに内蔵し、」との発明特定事項に対応した構成を把握することはできない。 10 乙34発明と乙36発明は、それぞれカーナビゲーションと情報コンセントであって技術分野が相違しており、課題の共通性もなく、その適用を示唆するところもなければ、作用機能の共通性もない。 また、乙34発明は、前記ア及びのとおり、本件発明1の構成要件D-1及び構成要件D-2を有していない。 15 前記イd、e、及びcのとおり、乙35発明1及び乙35発明2には、本件発明1の構成要件D-1及びD-2に相当する構成が存在しない。 仮に、乙35発明1の「2つのアンテナ228」を乙36発明に適用しようとすると、サイズも形状も異なる「ケース凸部33b」の構成を20大幅に変更する必要が生じ、かつ、「ケース凸部33b」の内部空間における具体的な配置を導く根拠がない以上、適用に関する技術的事項の開示も、動機付けの根拠もない。 エ 本件発明2及び同3の進歩性欠如について前記アないしウのとおり、本件発明1の無効理由が成立しない以上、こ25れを引用して特定される本件発明2及び本件発明3に控訴人の主張する 23無効理由も成立しない。 第3 当裁判所の判断1 「本件各発明の技術的範囲への属否(争点1)について」、「乙13文献に基づく無効理由の有無(争点2-1)について」、「乙14文献等に基づく新規性欠如の有無(争点2-2)について」、「差止請求及び廃棄請求について」及5び「損害発生の有無及び損害額(争点3)について」に関する当裁判所の判断は、原判決を以下のとお 乙14文献等に基づく新規性欠如の有無(争点2-2)について」、「差止請求及び廃棄請求について」及5び「損害発生の有無及び損害額(争点3)について」に関する当裁判所の判断は、原判決を以下のとおり改め、後記2及び4のとおり当審における当事者の補充主張に対する判断を加えるほか、原判決の第4の1ないし5に記載のとおりであるから、これを引用する。 原判決37頁の脚注を削除する。 10原判決49頁3行目の「証拠」から4行目末尾までを次のとおり改める。 「計算鑑定書(甲58)には、各被告製品の販売による控訴人の利益の額が以下のとおり記載されており、当該認定に係る額は基本的に合理的なものとして採用することができる。」 原判決49頁15行目の「しかし、」から16行目末尾までを削る。 15原判決50頁20行目冒頭から23行目末尾までを次のとおり改める。 「ただし、為替差益のうち、為替予約取引に基づくものの比率に相応する額を原価から控除すること、及びその比率が●●●●%であることについては当事者間に争いがないから、前記計算鑑定書(甲58)の10頁及び別紙の「原価調整項目」欄に記載された額(平成28年12月が●●●●●●円、20平成29年が●●●●●●●円、平成30年が●●●●●●●円、平成31年1月ないし令和元年12月が●●●●●●●●円、令和2年1月ないし3月が●●●●●●●円、同年4月ないし10月が●●●●●●●●円、同年11月及び12月が●●●●●●円。なお、令和3年1月及び2月については●円となっている。)について、●●●●%分を控除した額(平成28年1252月が●●●●●●円、平成29年が●●●●●●●円、平成30年が●● 24●●●●●円、平成31年1月ないし令和元年12月が●●●●●●●●円 、●●●●%分を控除した額(平成28年1252月が●●●●●●円、平成29年が●●●●●●●円、平成30年が●● 24●●●●●円、平成31年1月ないし令和元年12月が●●●●●●●●円、令和2年1月ないし3月が●●●●●●●円、同年4月ないし10月が●●●●●●●●円、同年11月及び12月が●●●●●●円。令和3年1月及び2月は前記のとおり●円となる。)を控訴人の利益の計算に当たって算入するのが相当であり、以上を前提にして、同計算鑑定書別紙の「合計欄」の5数式に従い再計算すると(別紙4参照)、各被告製品の販売による控訴人の利益の額(税込)は、以下のとおりとなる。 平成28年12月 ●●●●●●●円平成29年1月ないし12月 ●●●●●●●●円平成30年1月ないし12月 ●●●●●●●●●円10平成31年1月ないし令和元年12月 ●●●●●●●●●円令和2年1月ないし3月 ●●●●●●●●●円令和2年4月ないし10月 ●●●●●●●●●円令和2年11月及び12月 ●●●●●●●●円令和3年1月及び2月 ●●●●●●●●●円」15原判決50頁23行目末尾に改行して次のとおり加える。 「その他●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●20●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●特許法102条252項が想定する事態とは類型的に異なるものというべきであるから、 25上記取引による限界利益は同項の利益には含めないことが相当である。 前記の認定によれば令和2年1月ないし3月の各被告製品の販売による控訴人の利益は●●●●●●●●●円であり、前記計算鑑定書(甲58)別紙によれば、この間の各被告製品の販売額は●●●●5●●●●●円であるから、限界利益率は●●%である。 ●●●●●(円)÷●●●●●(円)=●%そうすると、本件ホテル取引の売上げに係る限界利益は●●●●●●●円である。 ●●●●(円)×●(%)= ●●●(円)10これを令和2年1月ないし3月の各被告製品の販売による控訴人の上記利益●●●●●●●●●円から差し引くと、同期間の利益は●●●●●●●●●円となる。」原判決53頁17行目の「また、」から24行目末尾までを次のとおり改める。 15「その他、エレコムやRuijie社が、原告製品と競合し得る壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを販売し、エレコムは、知名度と安価さを兼ね備えた長期の販売実績を有し、Ruijie社は、日本市場への本格参入は令和2年以降であるが、相当の販売実績を有している。具体的には、エレコムは、甲56製品以外にも、原告製品と競合し得るJIS20規格対応の壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを3種類販売し、知名度 るが、相当の販売実績を有している。具体的には、エレコムは、甲56製品以外にも、原告製品と競合し得るJIS20規格対応の壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを3種類販売し、知名度を有し、原告製品に比べ価格競争力を有することが認められる(甲78、乙60の2ないし4、乙61)。また、Ruijie社は、原告製品と競合し得る壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを販売し、令和2年の販売実績が1.7億円、令和3年1月から11月までの25販売実績が5.79億円であることが認められる(甲78、乙61ないし6 266)。 一方、原告製品の売上げは、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●5このような事情に鑑みると、本件において、競合品の存在を理由として特許法102条2項の推定は覆滅され、その割合は15%と認めるのが相当である。」原判決54頁8行目冒頭から17行目末尾までを次のとおり改める。 「以上によると、特許法102条2項により推定される被控訴人の損害額10は、以下のとおり、●●●●●●●●●●●円となる(前記イ及びにおいて認定した利益額について、競合品の存在を理由として15%の覆滅をした額)。 平成28年12月 ●●●●●●●円平成29年1月ないし12月 ●●●●●●●●円15平成30年1月ないし12月 ●●●●●●●●●円平成31年1月ないし令和元年12月 ●●●●●●●●●円令和2年1月ないし3月 ●●●●●●●●●円令和2年4月ないし1 成30年1月ないし12月 ●●●●●●●●●円平成31年1月ないし令和元年12月 ●●●●●●●●●円令和2年1月ないし3月 ●●●●●●●●●円令和2年4月ないし10月 ●●●●●●●●●円令和2年11月及び12月 ●●●●●●●●円20令和3年1月及び2月 ●●●●●●●●円」原判決54頁26行目の「被告による」から55頁2行目末尾までを次のとおり改める。 「競合品が販売された蓋然性があることにより推定が覆滅される部分については、そもそも特許権者である被控訴人が控訴人に対して許諾をすると25いう関係に立たず、同条3項に基づく実施料相当額を受ける余地はないから、 27重畳適用の可否を論ずるまでもなく、被控訴人の主張は採用できない。」原判決55頁16行目冒頭から25行目末尾までを次のとおり改める。 「そうすると、弁護士費用等相当損害額は、以下のとおり、合計●●●●●●●●●円となる。 平成28年12月 ●●●●●●円5平成29年1月ないし12月 ●●●●●●●円平成30年1月ないし12月 ●●●●●●●●円平成31年1月ないし令和元年12月 ●●●●●●●●円令和2年1月ないし3月 ●●●●●●●●円令和2年4月ないし10月 ●●●●●●●●円10令和2年11月及び12月 ●●●●●●●円令和3年1月及び2月 ●●●●●●●円」 原判決56頁1行目冒頭から10行目末尾までを次のとおり改める。 「そうすると、被控訴人の損害額は、以下のとおり、合計●●●●●●●●●●●円と認められる。 15平成 円」 原判決56頁1行目冒頭から10行目末尾までを次のとおり改める。 「そうすると、被控訴人の損害額は、以下のとおり、合計●●●●●●●●●●●円と認められる。 15平成28年12月 ●●●●●●●円平成29年1月ないし12月 ●●●●●●●●円平成30年1月ないし12月 ●●●●●●●●●円平成31年1月ないし令和元年12月 ●●●●●●●●●円令和2年1月ないし3月 ●●●●●●●●●円20令和2年4月ないし10月 ●●●●●●●●●円令和2年11月及び12月 ●●●●●●●●円令和3年1月及び2月 ●●●●●●●●円」 原判決56頁12行目から13行目にかけての「2億1966万9722円」を「1億9493万5883円」に改める。 25 原判決56頁18行目冒頭から25行目末尾までを次のとおり改める。 28「12万6087円に対する平成29年1月1日から670万8625円に対する平成30年1月1日から3770万8862円に対する平成31年1月1日から7877万8668円に対する令和2年1月1日から2212万8469円に対する令和2年4月1日から53260万9523円に対する令和2年11月1日から717万8746円に対する令和3年1月1日から969万6903円に対する令和3年3月1日から」2 当審における控訴人の補充主張(損害に係る主張を除く)に対する判断 争点1(本件各発明の技術的範囲への属否)について10ア 控訴人は、前記第2の3⑴アのとおり、被控訴人が本件発明1の構成要件D―1 人の補充主張(損害に係る主張を除く)に対する判断 争点1(本件各発明の技術的範囲への属否)について10ア 控訴人は、前記第2の3⑴アのとおり、被控訴人が本件発明1の構成要件D―1の「沿う」の語について「一定の距離を離して配置されている」状態を含まないとの主張をしているとした上で、各被告製品においては「一定の距離を離して配置されている」状態にあるのであるから、構成要件D-1を充足しない旨主張する。 15しかし、控訴人は、令和2年1月28日の原審第1回弁論準備手続期日において、構成要件D-1の充足について特に争う趣旨ではないとの認否をし、被控訴人は、令和3年6月21日の原審第2回弁論準備手続期日において陳述された令和2年3月2日付け準備書面において同自白を援用しているところ、控訴人は、自白が真実に反し、錯誤に基づくものである20ことについて主張立証しない。 なお、仮に、控訴人の主張が構成要件D-1の「内壁面に沿って」の解釈に関するもので自白の撤回に当たらないと解したとしても、各被告製品が構成要件D-1を充足することに変わりはない。すなわち、広辞苑第6版(乙91)には、「沿う」の意味について、「線条的なもの、または線条25的に移動するものに、近い距離を保って離れずにいる意」とある。本件明 29細書には、「更に、コンセント部に対して埋設状態で設置可能なことで大きさ等に制限が生じるケーシング内において、複数のアンテナ素子を配置するにあたり、それら複数のアンテナ素子が、ケーシングの内壁面に沿う板状に形成され、更には、内挿部の内壁面において表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている。このことで、夫々のアン5テナ素子間の離間距離を十分に大きくとって、当該夫々のアンテナ素子に れ、更には、内挿部の内壁面において表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている。このことで、夫々のアン5テナ素子間の離間距離を十分に大きくとって、当該夫々のアンテナ素子における送受信波の相互干渉を良好に抑制することができる。」(【0009】)との記載があり、構成要件D-1における「内壁面に沿って」は、「夫々のアンテナ素子間の離間距離を十分に大きくと」るために、アンテナ素子を内壁面に近づけた位置に配置することに意義があり、内壁面に密着するこ10とまでが要件となっていないことは明らかである。そして、各被告製品におけるアンテナ素子は、内壁面と近い距離を保って離れずにあり、アンテナ素子同士の離間距離を十分にとっている(乙9、92)。したがって、各被告製品は、アンテナ素子が内壁面に沿って形成されているというべきであり、この点からも控訴人の主張は失当である。 15イ 控訴人は、第2の3⑴アのとおり、本件各発明の作用効果が享受されるのは、ケーシングのうち、コンセントに埋設された内挿部の部分であるから、本件各発明の作用効果を享受しないコンセント部の外部に露出した部分にアンテナを配置した各被告製品は本件各発明の技術的範囲に属さない旨主張する。 20しかし、本件各発明は複数のアンテナ素子をケーシングに内蔵しているところ、引用に係る原判決の第4の1⑵イにおける説示のとおり、そのアンテナ素子は「内挿部」の内壁面に配置されているものであり、かつ、「内挿部」の断面の大きさは取付け窓4の大きさに制約されるから、アンテナ素子を配置できる空間もコンセントカバー3の取付け窓4の大きさ25に制約されるものであり、ケーシングのうちコンセント部の外部(室内側 30に露出した部分)に配置されたアンテナ素子も、コン ナ素子を配置できる空間もコンセントカバー3の取付け窓4の大きさ25に制約されるものであり、ケーシングのうちコンセント部の外部(室内側 30に露出した部分)に配置されたアンテナ素子も、コンセント部に内挿される内挿部の「内壁面」に配置されていることにより空間的制約を受け、本件各発明の作用効果を享受することになるものと解される。 そして、各被告製品の通信ユニットのケーシングは、本件各発明と同様に、室内側に露出した表示面部の外縁部から後方に延出してコンセント部5に内挿される内挿部を有しており、内挿部のうち室内側に露出した部分であっても、その断面の大きさはコンセント部の大きさに制約されていることは明らかである。 そうすると、技術的範囲の属否について作用効果を考慮すべきであるとしても、各被告製品は本件発明1の、被告製品2ないし4は本件発明2の、10被告製品2及び3は本件発明3の、構成要件を充足していることに加え、作用効果も享受しているものである。 ウ 小括以上のとおりであって、本件各発明の技術的範囲への属否についての原判決の判断に誤りはない。 15 争点2(本件各発明に係る無効理由の有無)についてア 原判決が乙13発明と本件各発明の相違点の認定を誤っているとする点について控訴人は、前記第2の3⑴イのとおり、原判決の相違点の認定の誤りを指摘する。 20しかし、相違点1については、控訴人は、乙13文献の図26を見れば、アンテナは内挿部に配置されているから、原判決が乙13発明ではアンテナが蓋に配置されている点を認めたのは誤りである旨主張するところ、乙13文献においては、「第11実施形態の無線ユニット1Kは、・・・図26に示すように無線拡張部11iおよび蓋12 13発明ではアンテナが蓋に配置されている点を認めたのは誤りである旨主張するところ、乙13文献においては、「第11実施形態の無線ユニット1Kは、・・・図26に示すように無線拡張部11iおよび蓋12aをそれぞれ備えている。」25として、無線拡張部11iと蓋12aが別個のものとされており、また、 31図26を見ると、蓋12aはベース部10e及び無線拡張部11iの同高さのいずれよりも大きいものであるため、蓋12aの側面部はコンセント部に内挿されるものではないから、控訴人の上記主張は採用できない。 次に、相違点2については、控訴人は、乙13文献におけるアンテナは断面矩形の棒状であり、これは板状体ということができる旨主張するとこ5ろ、乙13文献の図26には、そもそも断面矩形の棒状であることを示す断面図は記載されていないし、また、「板」とは、「①材木を薄く平たくひき割ったもの。②金属や石などを薄く平たくしたもの。」を意味することは公知の事実であり(広辞苑第7版)、平たい要素を有しない棒状物を板状体ということはできないから、控訴人の上記主張は採用できない。 10さらに、相違点3については、控訴人は、乙13発明においてアンテナが内壁面に沿っているか否かを判断すべきである旨主張するところ、乙13発明は内挿部を有しないのであり、したがって、内挿部の内壁面も有しないことになるから、そもそも「内壁面に沿っているか否か」を判断することはできず、控訴人の上記主張は採用できない。 15イ 技術常識が踏まえられていないとする点について控訴人は、前記第2の3⑴イのとおり、複数のアンテナを送受信に使う場合には、その間隔をできるだけ離した方が良好な特性が得られるという技術常識(乙23、24)を踏まえれば、本件各発明に無効理由があると判断され 記第2の3⑴イのとおり、複数のアンテナを送受信に使う場合には、その間隔をできるだけ離した方が良好な特性が得られるという技術常識(乙23、24)を踏まえれば、本件各発明に無効理由があると判断されるべきことは当然である旨主張する。 20しかしながら、控訴人が主張するような技術常識はあくまで一般論にすぎないというべきであり、これが認められたとしても、それだけをもって、コンセント部に埋設状態で設置される情報通信ユニットのケーシングの内挿部の異なる内壁面に複数の板状のアンテナを配置するという具体的な構成要件(構成要件B、C-2、D-1、D-2)を容易に想到できる25とはいえないから、控訴人の上記主張は採用できない。 32ウ 小括以上のとおりであって、乙13文献等に基づく本件特許の無効を認めなかった原判決の判断に誤りはなく、控訴人の主張は採用できない。 3 新たな追加主張(無効の抗弁)について⑴ 乙34文献に基づく新規性欠如について5ア 乙34発明について 乙34文献には別紙1の記載がある。 控訴人の主張は、乙34文献の実施の形態1に係る記載によれば、本件発明1に係る構成が全て開示されているというものであるところ、前記に記載されたところから、以下の乙34発明を認めることができる。 10なお、本件発明1と対比するため分説をした(以下、各引用発明につき同じ。)。 A’’’ 無線LAN用の複数のアンテナ4を、装置本体3の前面に配置されたモニタ2に内蔵し、B’’’ 前記装置本体3は、車室内のセンターコンソールの内部に搭載さ15れ、一方、前記モニタ2は、センターコンソールの表面パネルを背後として車室内の中央を向くように設置されている、カーナビゲーションとオーディ 本体3は、車室内のセンターコンソールの内部に搭載さ15れ、一方、前記モニタ2は、センターコンソールの表面パネルを背後として車室内の中央を向くように設置されている、カーナビゲーションとオーディオ一体機の表示装置1であって、C’’’-1 前記モニタ2は、外部に露出される表示面5と、C’’’-2 前記表示面5の周縁部を前方側から保持する外枠6と前記外20枠6が取り付けられる筐体とを有するものであって、前記筐体は表示面5の外縁部から後方に延出する部分を有し、D’’’-1 前記複数のアンテナ4が、板金アンテナからなり、D’’’-2 前記表示面5の周縁部の各辺に分配配置され、前記モニタ2の筐体前面ならびに表示面5より前方に位置するように固定され前25記外枠6の内側に形成された空洞部分に収納される、 33E’’’ カーナビゲーションとオーディオ一体機の表示装置1。 イ 本件発明1と乙34発明の対比前記アによれば、乙34発明は、カーナビゲーションとオーディオ一体機の表示装置1であり、その装置本体3が車室内のセンターコンソールに搭載されるものであって、住居等の電源コンセント部に埋設されるもので5はない。また、乙34発明の「モニタ2」は、複数のアンテナ4が取り付けられている点において、本件発明1の「ケーシング」に対応するが、センターコンソールの表面パネルを背後として車室内の中央を向くように設置されるものであって、装置本体3とは異なりセンターコンソール内に埋設されるものではないから、乙34発明のモニタ2の筐体が有する「表10示面5の外縁部から後方に延出する部分」もコンソール内に内挿されるものではない。したがって、乙34発明は、本件発明1の「ケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に 表10示面5の外縁部から後方に延出する部分」もコンソール内に内挿されるものではない。したがって、乙34発明は、本件発明1の「ケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成されている」構成(構成要件B)、ケーシングが「表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有」する構成(構成要件C-152)を有しない。 また、乙34発明の複数のアンテナ4は、表示面5より前方に位置するように固定されるものであるから、本件発明1のアンテナ素子が「内挿部の互いに異なる内壁面において前記表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている」構成(構成要件D-2)を有しない。 20これらの相違点がある以上、本件発明1は、乙34発明により新規性を欠如するものではない。 ⑵ 乙35文献に基づく新規性欠如についてア 乙35発明について乙35文献には別紙2の記載がある。 25 によれば、乙35文献において、[0062]ないし[0063]、 34及び図4ないし図6に記載の実施形態と、[0064]ないし[0066]、図7及び図8aないし図8dに記載の実施形態とでは、その形状や構造が大きく異なるため、それぞれ別に乙35発明1、乙35発明2として認定するのが相当である。そうすると、前記の記載によれば、乙35発明1及び同2は、それぞれ以下の構成を有するものと認めるのが相当5である。 a 乙35発明1A’’’’ Wi-Fiアクセス用の複数のアンテナ28(図5、図6では228)をハウジング212に内蔵し、B”” 前記ハウジング212が、壁の中に設置されたギャングボック10ス220に接続されるアクセスポイント210 用の複数のアンテナ28(図5、図6では228)をハウジング212に内蔵し、B”” 前記ハウジング212が、壁の中に設置されたギャングボック10ス220に接続されるアクセスポイント210であって、C”’’-1 前記ハウジング212が、外部に露出される表示面部と、C””-2 前記表示面部の外縁部から後方に延出する部位を有し、D””-1 前記複数のアンテナ28が、前記ハウジング212の内壁面に沿う板状に形成されていると共に、15D””-2 前記ハウジング212の異なる内壁面において前記表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されているE”” アクセスポイント210。 b 乙35発明2A””’ Wi-Fiアクセス用の少なくとも1つのアンテナ328を内20蔵し、B””’ 壁の中に設置されたギャングボックス320、420、520、620、720に取り付けられるアクセスポイント310(図7には番号の記載なし)、410、510、610、710であって、C””’-1 前記アクセスポイント310、410、510、610、25710は、外部に露出される表示面部を有し、 35D””’-1 前記アンテナ328が、前記ギャングボックス320の内壁面に沿う板状に形成されている、E””’ アクセスポイント310、410、510、610、710。 イ 本件発明1と乙35発明1、乙35発明2の対比 乙35発明15乙35発明1は、Wi-Fiアクセス用の複数のアンテナを備えるアクセスポイント210であって、そのギャングボックス220が壁の中に設置されるものであるが、図4ないし図6に示される形状からして、住宅等の電源コンセント部に埋設されるものとは解さ アンテナを備えるアクセスポイント210であって、そのギャングボックス220が壁の中に設置されるものであるが、図4ないし図6に示される形状からして、住宅等の電源コンセント部に埋設されるものとは解されない。 また、図5を参照すると、乙35発明1の「ハウジング212」は、壁10の中に設置されたギャングボックスに接続されるものの、ハウジング212の表示面部の外縁部から後方に延出する部位に壁の中に埋設される部位があるものとは認められない。したがって、乙35発明1は、本件発明1の「ケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成されている」構成(構成要件B)、ケーシングが「表示15面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有」する構成(構成要件C-2)を有しない。 これらの相違点がある以上、本件発明1は、乙35発明1により新規性を欠如するものではない。 乙35発明220乙35発明2のアクセスポイント310は、[0064]、[0065]の記載及び図7を参照すると、アンテナ328が搭載されたWi-Fiアクセスポイント回路構成324と保護部材356と開口354を有するフェイスプレート338とから構成されるものであって、表示面部と表示面部の外縁部から後方に延出しコンセント部に内挿される内挿部と25を有するケーシングに相当する部材を有するものではない。 36さらに、乙35発明2のアンテナ328は、図7を参照すると、1つのアンテナであって複数のアンテナが設けられているものとは認められない。 よって、乙35発明2は、本件発明1における、「複数のアンテナの夫々のアンテナ素子をケーシングに内蔵し」(構成要件A)、「前記ケーシ5 ンテナが設けられているものとは認められない。 よって、乙35発明2は、本件発明1における、「複数のアンテナの夫々のアンテナ素子をケーシングに内蔵し」(構成要件A)、「前記ケーシ5ングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成され」(構成要件B)、「前記ケーシングが、外部に露出される表示面部と、」(構成要件C-1)、「当該表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有し」(構成要件C-2)、アンテナ素子が「ケーシングの内壁面に沿」って形成され(構成要件D-1)、「前10記内挿部の互いに異なる内壁面において前記表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている」構成(構成要件D-2)をいずれも有しない。 これらの相違点がある以上、本件発明1は、乙35発明2により新規性を欠如するものではない。 15⑶ 乙36発明と乙34発明又は乙35発明に基づく本件発明1の進歩性欠如についてア 乙36発明について 乙36文献には別紙3の記載がある。 控訴人の主張は、乙36文献の第3の実施形態に係る記載を基にする20ものであるところ、前記の記載によれば、第3の実施形態における乙36発明は、以下の構成を有するものと認めるのが相当である。 A””” 無線LAN用のアンテナ43を本体ケース33aに内蔵し、B””” 前記本体ケース33aが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成され、前記埋め込み型配線装置31は、25サポート32と、無線LANアダプター33と、化粧カバー34と 37を備えている埋め込み型配線装置31であって、C”””-1 前記本体ケース33aは、この本体ケース 配線装置31は、25サポート32と、無線LANアダプター33と、化粧カバー34と 37を備えている埋め込み型配線装置31であって、C”””-1 前記本体ケース33aは、この本体ケース33aの正面から突出されて前記サポート32の他方の開口に通され外部に露出する表面を有するケース凸部33bと、C”””-2 前記ケース凸部33bの前記表面の外縁部から後方に延5出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有し、D”””-1 前記本体ケース33aにはアンテナ部43が設けられ、このアンテナ部43はケース凸部33bの前記表面に露出している、E””” 埋め込み型配線装置31。 イ 本件発明1と乙36発明の対比10乙36発明は、コンセント部に埋設状態で設置される情報通信ユニットである点で本件発明1と共通するものであって、乙36発明の第3の実施形態におけるケース凸部33bの「外部に露出する表面」、「ケース凸部33bの前記表面の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部」は、それぞれ本件発明1の「表示面部」、「表示面部の外縁部か15ら後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部」に対応する。 一方、乙36発明のアンテナ部43はケース凸部33bの表面に露出しているところ、図6、図7を参照すると、確かにアンテナ部43がケース凸部33bの表面の2か所で露出しているが、乙36文献には、アンテナ部43を複数備えるとは記載されていないから、結局のところ、上記図6、20図7に示される上記2か所の露出しているアンテナ部43が、2つの別々のアンテナ部を示しているのか、あるいは、1つのアンテナ部43が2か所で露出しているのか明らかではない。 仮に、乙36発明のアンテナ部43が2つ存在するとしても、上記 るアンテナ部43が、2つの別々のアンテナ部を示しているのか、あるいは、1つのアンテナ部43が2か所で露出しているのか明らかではない。 仮に、乙36発明のアンテナ部43が2つ存在するとしても、上記図6、図7を参照する限り、それぞれのアンテナ部43が内挿部の内壁面に沿っ25て板状に形成されるものではなく、内挿部の互いに異なる内壁面において 38表面の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されるものでもないことは明らかであるから、乙36発明は、少なくとも本件発明1の構成要件D-1、及び構成D-2を備えていない点で本件発明1と相違する。 ウ 相違点の容易想到性について控訴人は、乙36発明と乙34発明との組み合わせ又は乙36発明と乙535発明の組合せにより、相違点に係る本件発明1の構成を容易に想到することができる旨主張するが、以下のとおり、いずれも採用できない。 乙34発明について乙34発明は自動車のコンソール部に埋設されるカーナビゲーションシステムであって、コンセント部に埋設される埋め込み型配線装置であ10る乙36発明とは、その技術分野、装置の形状、装置の設置形態において大きく異なるものであるから、乙36発明と乙34発明とを組み合わせる動機付けを認めることはできない。 また、乙34発明は、前記⑴イのとおり、本件発明1の構成要件D-2を有するものではない。そうすると、乙36発明と乙34発明とは、15いずれも本件発明1の構成要件D-2を有するものではないから、仮に、乙36発明と乙34発明とを組み合わせたとしても、本件発明1の構成要件D-2を有する構成に至らないことは明らかである。 乙35発明についてa 乙35発明1につ から、仮に、乙36発明と乙34発明とを組み合わせたとしても、本件発明1の構成要件D-2を有する構成に至らないことは明らかである。 乙35発明についてa 乙35発明1について20乙35発明1は、コンセント部に埋設されるものではないことは明らかであって、その形状についても、コンセント部に埋設される埋め込み型配線装置である乙36発明とは大きく異なるものであるから、乙36発明と乙35発明1とを組み合わせる動機付けを認めることはできない。 25b 乙35発明2について 39乙35発明2が、本件各発明の構成要件D-1(アンテナ素子が「ケーシングの内壁面に沿」って形成されている)、構成要件D-2(夫々のアンテナ素子が、内挿部の互いに異なる内壁面において表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている)を有するものではないことは前記イのとおり明らかである。 5そうすると、乙36発明と乙35発明2とは、いずれも本件発明1の構成要件D-1、D-2を有するものではないから、仮に、乙36発明と乙35発明2とを組み合わせたとしても、本件各発明1の構成要件D-1、D-2を有する構成に至らないことは明らかである。 ⑷ 乙36発明と乙34発明又は乙35発明の組合せによる本件発明2及び同103の進歩性欠如について本件発明2及び同3は本件発明1の構成を含むものであるところ、乙36発明と乙34発明又は乙35発明の組合せによる本件発明1の進歩性欠如が前記⑶のとおり認められない以上、乙36発明と乙34発明又は乙35発明の組合せによる本件発明2及び同3の進歩性欠如もまた認められない。 15⑸ 小括以上のとおりであって、控訴人の当 如が前記⑶のとおり認められない以上、乙36発明と乙34発明又は乙35発明の組合せによる本件発明2及び同3の進歩性欠如もまた認められない。 15⑸ 小括以上のとおりであって、控訴人の当審における無効主張はいずれも理由がない。 4 当審における当事者の補充主張(損害発生の有無及び損害額(争点3))に対する判断20⑴ 控訴人の補充主張に対する判断ア 被控訴人に損害が発生していないとする点について控訴人は、前記第2の3⑴ウaのとおり、各被告製品の販売開始後である平成29年度から令和2年度までの原告製品の売上げが落ちていないから、被控訴人に損害が生じておらず、特許法102条2項適用の前提を25欠く旨主張する。しかし、同項は、侵害品の販売により権利者が取引機会 40を喪失したものとして、侵害者の得た利益を権利者の損害と推定する規定であるから、権利者製品の販売総額が減少していないからといって損害が生じていないことにはならず、控訴人の主張は採用できない。 イ 売上げ・利益の額について 返品分について5控訴人は、前記第2の3⑴ウb⒜のとおり、侵害品であることから返品された売上げについて、損害算定の基礎となる売上げから控除されるべきであると主張するが、仮に返品の事実が存在したとしても、一旦納品されて、売上げが生じ、相応の時間が経過している以上は、その後、侵害品であるとして返品されたとしても、損害の発生後の事情にすぎな10いというべきある。したがって、控訴人の上記主張は採用できない。 被控訴人の販売形態と競合しない製品の売上げについて控訴人は、前記第2の3⑴ウb⒝のとおり、被告製品4には電話やLANケーブルの挿入ポートがないとか、各被告製品の中でバルク販売されたものがある 被控訴人の販売形態と競合しない製品の売上げについて控訴人は、前記第2の3⑴ウb⒝のとおり、被告製品4には電話やLANケーブルの挿入ポートがないとか、各被告製品の中でバルク販売されたものがあるとして、被控訴人と販売形態が異なると主張するが、15控訴人主張の事情が存在したとしても、そのことをもって競合関係を否定することはできない。したがって、これらを推定覆滅事情ということはできない。 消費税について控訴人は、前記第2の3⑴ウb⒞のとおり、仮に、特許法102条202項の「利益」に消費税相当額を算入するとしても、実施料相当額に対する消費税相当額に限るべきであると主張するが、消費税基本通達5-2-5は課税対象を実施料相当額に限定していないから、上記主張は採用できない。 為替差益について25控訴人が前記第2の3⑴ウb⒟で主張するとおり、計算鑑定書(甲 4158)で認定された為替差益のうち、為替予約取引に基づくものの比率に対応する部分について原価から控除するのが相当である(甲58の7頁第4⑴2もこれを前提としており、ただ、その作成時点では長期為替予約契約が認定できなかったことから考慮していないものである。)。そうすると、証拠(乙43、93)によれば、平成28年から令和2年ま5で為替予約取引が行われ、同取引による為替差益の比率は為替差益全体の●●●●%であり、これを控除する指標とすることは被控訴人も争っていない。以上に基づき、前記1のとおり、原判決に所要の補正を行ったところである。 その他の事情について10●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● の事情について10●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●15●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●特許法102条2項が想定する事態とは類型的に異なるものというべきであるから、これによる利益は同項の利20益には含めないことが相当である。被控訴人は、同ホテルにおける過電流という、原告製品とはかかわりのない問題により、原告製品の納入が拒絶されたことに基づくものである旨主張するが、そのような事情は上記結論を左右するものではない。以上に基づき、前記1のとおり、原判決に所要の補正を行ったところである。 25ウ 推定の覆滅について 42 本件各発明の顧客吸引力がないか、乏しいとする点について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒜のとおり、原判決が顧客吸引力を認めた本件各発明の効果①及び②は、本件各発明の顧客吸引力を高めるものではない旨主張する。 しかし、本件各発明は、上記効果①と効果②が相まって、コンパクト5さと通信速度という一体として評価すべき顧客誘引力を有するといえ、現に、控訴人の営業担当者による週報(乙54)によれば、控訴人の開発過程では、控訴人が各被告製品の前に販売していた製品が、被控訴人製品に比べ「コンパクトさ」と「通信速度」で劣っていたため競 といえ、現に、控訴人の営業担当者による週報(乙54)によれば、控訴人の開発過程では、控訴人が各被告製品の前に販売していた製品が、被控訴人製品に比べ「コンパクトさ」と「通信速度」で劣っていたため競り負けた事例があることが認められるのであるから、控訴人の主張は採用でき10ない。 市場の同一性がないとする点について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒝のとおり、各被告製品と原告製品は、直接の取引先に関し基本的に競合せず、エンドユーザーにおいてもほとんど競合しない旨主張する。しかし、原告製品と各被告製品は、J15IS規格のコンセントプレートに対応した壁埋込型の情報コンセント型無線LANアクセスポイントとして互換性が高いばかりでなく、平成28年から令和3年の控訴人の販売個数●●●●●●●個のうち,●●●●●●個が被控訴人の販売先に対するものであったことが認められるから(乙48、甲78)、市場の同一性がないとの主張は採用できない。 20 競合品の存在について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒞のとおり、甲56製品以外にも、原告製品の競合品は存在する旨主張する。 確かに、証拠(甲78、乙60の2ないし4、乙61)によれば、エレコムは、甲56製品以外にも、原告製品と競合し得るJIS規格対応25の壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを3種類販売 43し、知名度を有し、原告製品に比べ価格競争力を有することが認められる。 また、証拠(甲78、乙61ないし66)によれば、Ruijie社が、原告製品と競合し得る壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを令和2年以降販売し、令和2年の販売実績は1.7億円、5令和3年1月から11月までの販売実績が5.79億円であることが認められる。 一方 る壁埋込式情報コンセント型無線LANアクセスポイントを令和2年以降販売し、令和2年の販売実績は1.7億円、5令和3年1月から11月までの販売実績が5.79億円であることが認められる。 一方、原告製品の売上げは、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●10●●●●●●●●●●●●●●上記の競合品(甲56製品を含む。)の販売状況と原告製品の売上げを総合すれば、これらの競合品の存在をもって特許法102条2項に基づく損害額の推定の覆滅事由として考慮すべきであり、その割合としては15%を相当と認める。なお、被控訴人は、この点につき、前記第2の153ウc⒞のとおり、これらの競合品の存在を推定覆滅事情として考慮すべきではなく、仮に考慮するとしても、原審と同様、最大5%にとどめるべきである旨主張するが、上記認定のとおり、上記競合品は、いずれも原告製品と十分に競合し得る製品と認めるのが相当であるから、被控訴人の上記主張は採用できない。 20以上に基づき、前記1及びのとおり、原判決に所要の補正を行ったところである。 控訴人の営業努力について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒟のとおり、ソフトウェアの開発等で顧客の個別的な要望に応えたこと、在庫を確保していたこと、保守サ25ービスの内容をウェブサイトの分かりやすい場所に明示していたこと等 44の営業努力を主張するが、これらは、特許法102条2項の推定を覆すだけの格別な営業努力とは認められない。 また、控訴人は、本件仮処分後に侵害回避品を販売したところ取引が回復した企業が複数社あるとも主張するが、そのような事情が、上記推定を覆す 条2項の推定を覆すだけの格別な営業努力とは認められない。 また、控訴人は、本件仮処分後に侵害回避品を販売したところ取引が回復した企業が複数社あるとも主張するが、そのような事情が、上記推定を覆すに足りる特段の営業努力の存在を裏付けるものと認めることは5できない。 各被告製品の性能、品質について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒠のとおり、ネットワーク機器集中管理ソフトウェアを自社で開発し、訴求力を得ていたと主張するが、これはオプションにすぎないから(乙51、58)、特許法102条2項の10推定を覆すだけの事由とはいえない。 また、証拠(甲53、乙59、71、72)によれば、各被告製品には、原告製品にはない機能が備わっていることが認められるものの、本件各発明と独立して顧客誘引力を有するだけのものと認めるには足りない。 15 その他の事情について控訴人は、前記第2の3⑴ウc⒡のとおり、原告製品が販売されたことのない取引先については、各被告製品が販売されなかったとしても原告製品が販売された可能性は低く、また、●●●●●●から控訴人が受注し、被控訴人が受注できなかった原因は、平成29年10月から平20成30年4月に同社に納入された原告製品の不具合にある旨主張する。 しかし、本件特許権に基づき各被告製品が市場から排除されていれば原告製品に販売機会があったというべきであり、過去に取引実績がなかったとか、原告製品の不具合があったとしても、この点が直ちに覆るものではないから、控訴人の主張は採用できない。 25また、●●●●●●との取引についても、原告製品の不具合に対する 45不満が各被告製品への切り替えの一因となったことはうかがわれるものの(乙22、55)、競合品である各被告 きない。 25また、●●●●●●との取引についても、原告製品の不具合に対する 45不満が各被告製品への切り替えの一因となったことはうかがわれるものの(乙22、55)、競合品である各被告製品の存在が切り替えに結びついたことは否定し難いというべきであり、特許法102条2項の推定を覆すだけの格別な事情というには足りない。 被控訴人の補充主張に対する判断5被控訴人は、前記第2の3⑵ウのとおり、競合品の存在を理由とする特許法102条2項の推定覆滅に相応する侵害品の譲渡数量に対して、同条3項を重畳適用して、被控訴人の許諾機会の喪失に係る逸失利益を想定すべきである旨主張する。 しかし、競合品の存在を理由とする同項の推定の覆滅は、侵害品が販売さ10れなかったとしても、侵害者及び特許権者以外の競合品が販売された蓋然性があることに基づくものであるところ、競合品が販売された蓋然性があることにより推定が覆滅される部分については、そもそも特許権者である被控訴人が控訴人に対して許諾をするという関係に立たず、同条3項に基づく実施料相当額を受ける余地はないから、重畳適用の可否を論ずるまでもなく、被15控訴人の主張は採用できない。 第4 結論以上によれば、被控訴人の控訴人に対する請求中、各被告製品の製造等の差止及び廃棄を求める部分は理由があり、損害賠償請求は1億9493万5883円及び遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこの限度で認容すべ20きであり、その余は理由がないから棄却すべきであるから、差止及び廃棄請求に係る本件控訴を棄却し、損害賠償請求については上記と異なる原判決を主文1のとおり変更し、被控訴人の附帯控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 25知的財 棄請求に係る本件控訴を棄却し、損害賠償請求については上記と異なる原判決を主文1のとおり変更し、被控訴人の附帯控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 25知的財産高等裁判所第4部 46 裁判長裁判官菅 野 雅 之 5 裁判官本 吉 弘 行 10裁判官岡 山 忠 広 47(別紙1)【特許請求の範囲】【請求項1】表示手段と無線送受信手段とを有する表示装置において、前記表示手段の表示面の周縁部に、当該表示面より浮かせて且つ指向特性中心軸5が表示面に対して鉛直方向となるように配設したアンテナ手段を備えたことを特徴とする表示装置。 【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】10この発明は、例えば、カーナビゲーション機能とオーディオ再生機能とを兼ね備え、さらに車内において携帯電話機との無線通信によりハンドフリー通話を行う機能などを備えているカーナビゲーションとオーディオ一体機の表示装置に関するものである。 【0002】15従来、ノート型パソコンなど携帯型情報機器では、高周波アンテナはモニタの上部端面に配置し、モニタを閉じていても開いていても表示側にも背面側にも同等の特性が得られるように工夫されている。また、モニタ面からアンテナ部が突出しないように設置し、デザイン的な配慮がなされている。 しかし、カーナビゲーションとオーディオ一体機のモニタの場合、ノート型パソ20コンの 工夫されている。また、モニタ面からアンテナ部が突出しないように設置し、デザイン的な配慮がなされている。 しかし、カーナビゲーションとオーディオ一体機のモニタの場合、ノート型パソ20コンのようにモニタ部の空きスペースが十分でないため、アンテナを狭い空きスペースに配置し、尚且つアンテナ特性を満足することは困難であった。特に、カーナビゲーションとオーディオ一体機はセンターコンソールに据え付けて設置され、ディスク取出しなどのためにモニタ部が開閉するのが一般的であり、ノート型パソコンとは大きく異なる点である(例えば、特許文献1、2参照)。 25【発明が解決しようとする課題】 48【0004】従来の表示装置は以上のように構成されているので、アンテナ部は、障害物がなく、受信し易い位置に配置する必要がある。特に高周波アンテナは、周辺の板金部品などの干渉を受けやすいため、十分な空きスペースを確保する必要があるという課題があった。 5【0005】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、アンテナ設置に関する制約条件を確保し、狭い取り付けスペースにアンテナを備えた場合でも良好な送受信特性が得られる表示装置を得ることを目的とする。 【発明の実施の形態】10【0008】図1は、この発明の実施の形態1による表示装置の外観を示す斜視図である。図例の表示装置1は、モニタ(表示手段)2と装置本体3とから成り、カーナビゲーション機能とオーディオ再生機能の他に、例えば車内において携帯電話機との無線通信によりハンドフリー通話を行う機能などを備えたカーナビゲーションオーディ15オ一体装置である。この表示装置1は、装置本体3を車室内の例えばセンターコンソールの内部に搭載し、装置本体3に支持されているモニタ2が、例 通話を行う機能などを備えたカーナビゲーションオーディ15オ一体装置である。この表示装置1は、装置本体3を車室内の例えばセンターコンソールの内部に搭載し、装置本体3に支持されているモニタ2が、例えばセンターコンソールの表面パネルを背後として車室内の中央を向くように設置する。 【0009】図1に例示した表示装置1は、装置本体3の前面にモニタ2が配置され、このモ20ニタ2は装置本体3の前面を開閉するように支持されている。例えば、後述するようにモニタ2を転回させながら前方へ移動させて装置本体3の前面をオープン状態とし、この前面に備えられた図示されない挿入部へマップデータ等を記憶したディスクやカードなどを挿入するように構成されている。モニタ2には、高周波の無線信号を送受信するアンテナ4が備えられ、例えば表示面5の周縁部に1個ないし複25数配置される。図1に例示したものは、表示面5の周縁部の各辺に対応させてモニ 49タ2の前面となる筐体の縁の部位に、それぞれ一個ずつアンテナ4を備えている。 このように複数設置されるアンテナ4として、無線LAN用やBluetooth用など送受信周波数帯域の異なるものを備えてもよい。 【0010】図2は、実施の形態1による表示装置のアンテナ取付け部の構成を示す説明図で5ある。この図は、モニタ2の周縁部の概略構成を示したもので、図1と同一部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。この図は、モニタ2を上方からみたときの各部材の配置を示すものである。モニタ2には、画像等を表示する例えば液晶表示部(以下、LCDと記載する)7と、LCD7の表示面側にユーザに操作させるタッチパネル8が備えられる。LCD7及びタッチパネル8は、モニタ2の筐体の10前面に設けられた開口部に埋め込まれるように設置固定 、LCDと記載する)7と、LCD7の表示面側にユーザに操作させるタッチパネル8が備えられる。LCD7及びタッチパネル8は、モニタ2の筐体の10前面に設けられた開口部に埋め込まれるように設置固定され、さらに外枠6によってその前方側から保持される。外枠6は、図2に示したように中空に形成されたもので、LCD7及びタッチパネル8の縁端部にわずかに掛かるコの字状の形状をしている。アンテナ4は、例えば板金アンテナ等から成るもので、モニタ2の筐体前面の縁端部近傍に取り付け板金9を介してビス止め、あるいは接着テープなどによ15り固定される。また、モニタ2の筐体に外枠6を取り付けたとき、外枠6の内側に形成された空洞部分に収納される。外枠6は、アンテナ4などを覆って突起した形状の部材の露出を防ぎ、例えば車両事故などが起きたときモニタ2と接触したユーザの怪我を防ぐものである。 【0011】20アンテナ4は、例えば形状がL字状の取り付け板金9によって図示したようにモニタ2の筐体に取り付けられ、モニタ2の筐体前面ならびに表示面5よりも前方に位置するように固定される。取り付け板金9は、L字状の一辺を例えばモニタ2の筐体とLCD7との間において、即ちLCD7の側方において当該モニタ2の筐体へビス止め等により固定される。アンテナ4は、取り付け板金9に対してビス止め、25あるいは接着テープなどで固定される。この場合、絶縁部材10を介在させて固定 50してもよい。また、アンテナ4は、表示面5に対して放線方向へ向けて、即ちアンテナ4の指向特性の中心軸を表示面5に対して鉛直方向となるように配設される。 図2に示したようにタッチパネル8の表面、即ち表示面5などよりもアンテナ4を前方へ配置すると、アンテナ4の後方となる表示面5やモニタ2の筐体の前面など 示面5に対して鉛直方向となるように配設される。 図2に示したようにタッチパネル8の表面、即ち表示面5などよりもアンテナ4を前方へ配置すると、アンテナ4の後方となる表示面5やモニタ2の筐体の前面などが、図中斜線で示した仮想のGNDプレーン20と見ることができる。このGND5プレーン20は、アンテナ4より背面側に存在するため、アンテナ4から前方へ放射される送信電波や、アンテナ4が電波を受信できる範囲が広範囲に拡張され、送受信範囲21が広くなる。なお、送受信範囲21は、アンテナ4を中心として概ね同心円状に拡散し、図2に示した範囲よりも広範囲に広がるものである。 10【図1】 【図2】 】 51【図10】 5 52(別紙2)[0003] 本開示は、Wi-Fiアクセスを提供するための有利なデバイス及びシステム、より詳細には、その環境に容易に統合可能なデバイス及びシステムを対象とする。 [0010] 既存の802.11アクセスポイントは、様々な制限及び/又は欠点5を有する。例えば、現行のWi-Fiアクセスポイントは一般にかさ高く、パッチコードを介して接続する必要があり、また外部電源コードを必要とすることが多い。 更に、従来のWi-Fiアクセスポートは、所望の環境に組み込むことが困難であり、上記所望の環境において望ましくない、及び/又は許容できない物理的存在となることが頻繁にある。 10[0011] 従って、Wi-Fiアクセスを提供し、以上の制限及び/又は欠点を克服する、改良されたデバイスが必要である。 [0012] 本開示は、Wi-Fiアクセスを提供し、所望の環境に容易に組み込むことができる、1つ以 i-Fiアクセスを提供し、以上の制限及び/又は欠点を克服する、改良されたデバイスが必要である。 [0012] 本開示は、Wi-Fiアクセスを提供し、所望の環境に容易に組み込むことができる、1つ以上のアクセスポイントデバイス及び1つ以上のシステムを対象とする。開示されるアクセスポイントデバイス/システムは有利には、例えば、15標準的なスイッチ及びアウトレットボックス並びに/又は標準的なウォールプレートを用いて、Wi-Fiアクセスポイントの複数の動作態様を壁の中に統合するのによく適している。更に、開示されるアクセスポイントデバイス/システムの例示的な実施形態は有利には、有線ネットワークへの接続における使用に好適な例えば110ブロック等といった配線構造を組み込むように、構成及び寸法設定される。 20更に、本開示のアクセスポイントデバイス/システムは有益なことに、例えばデータ、音声、ビデオ、CATV若しくは他の同様の接続及び/又は通信タイプを含む相補的なデータ通信接続の、アクセスポイント内での及び/又はこれらの一部としての統合を可能とする及び/又は容易にすることができる。 [0013] 本開示のアクセスポイントデバイス及びシステムによって提供される25有益な特徴は、アクセスポイントデバイス/システムが、例えば既存のワークステ 53ーションに追加導入することによって、並びに/又は壁、天井、若しくは床のいずれの高さにある標準的なスイッチ及び/若しくはアウトレットボックスの中に若しくはこれらに対して、アクセスポイントを設置することによって、統合しやすいという点において認められる。本開示のアクセスポイントデバイス/システムによって提供される設置に利点は一般に、個別的であり、外観が魅力的であり、そして少5なくとも実質的に耐タンパー 統合しやすいという点において認められる。本開示のアクセスポイントデバイス/システムによって提供される設置に利点は一般に、個別的であり、外観が魅力的であり、そして少5なくとも実質的に耐タンパー性であるアクセスポイントであると説明される。 [0016] 本開示のある有利な態様によると、アクセスポイントデバイス/システムは有利には、例えば、電気コンセント及びWi-Fiアクセスポイントの両方を含むトリプルギャングフェイスプレート、並びに/又はスイッチ及びWi-Fiアクセスポイントの両方を含むデュアル/マルチギャングフェイスプレートを作成10することによって、他の配線デバイスに容易かつ確実に統合されるよう構成及び寸法設定される。本開示のアクセスポイントデバイス/システムのサイズ/寸法は、従来の住宅用/商業用フェイスプレート(例えばデコレータフェイスプレート等)のサイズ/寸法に対応するように、容易に選択される。 [0024] ・・・更に、上記Wi-Fiアクセスポイント回路構成は、1つ以上15のアンテナを含んでよく、上記アンテナはダイバーシティアンテナを含んでよい。・・・上記電気部品は、上記Wi-Fiアクセスポイント回路構成に連結された1つ以上のケーブル、1 つ以上のアンテナ、及び1 つ以上のプリント回路基板(PCB)を含んでよい。・・・[0062] 図4に移ると、本開示による別の例示的なアクセスポイント(AP)20が全体として参照符号210で示されている。アクセスポイント(AP)210は、図1~3に関して上述したアクセスポイント(AP)10、110に関連するものと同様の特徴部分及び要素を含み、従って、適切な範囲で、同様の要素を示すために、同様の参照符号の先頭に数字「2」を加えたものを用いる。図示されているように、アクセスポイ )10、110に関連するものと同様の特徴部分及び要素を含み、従って、適切な範囲で、同様の要素を示すために、同様の参照符号の先頭に数字「2」を加えたものを用いる。図示されているように、アクセスポイント(AP)210は好ましくは、大幅に低い全体外形を有す25る、いずれのアクセス可能な通信ポート又はジャックを含まないハウジング212 54を含む。図5に示されているように、ハウジング212は、所定のワークステーションギャングボックス220、及びWi-Fiアクセスポイント回路構成224と協働して、本開示によるWi-Fiアクセスを提供するのに好適なアクセスポイントデバイス/システムの設置をもたらす。Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は好ましくは、有線ネットワーク及び無線ネットワークと動作可能に相互作用5するのに好適である。Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は好ましくは、ハウジング212によって収容され、このハウジングは、所望に応じてボックス220に動作可能に接続可能である。 [0063] ボックス220は、ボックス20と同様に、Wi-Fiアクセスポイント回路構成224と専用ネットワークサービスとの間の通信を可能とする少なく10とも1つのケーブル226を備える。Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は、基板230に対して取り付けられ、無線デバイス(図示せず)と通信するのに好適な、1つ以上のアンテナ28を含む。様々な他の電子部品のうちのいずれを、基板230に対して同様に取り付けてよい。図示されているように、Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は、データ通信回線の交差接続において使用するた15めの単一の110ブロック236を含む。あるいは、図6に示されているように、Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は、I ポイント回路構成224は、データ通信回線の交差接続において使用するた15めの単一の110ブロック236を含む。あるいは、図6に示されているように、Wi-Fiアクセスポイント回路構成224は、IDCパンチダウン接続を提供するのに好適なジャック217と協働する。ジャック217は、少なくともWi-Fiアクセスポイント回路構成224を有線ネットワークに動作可能に接続できるようにするという点において、110ブロック236と同様に動作するように、Wi20-Fiアクセスポイント回路構成24に動作可能に接続される。 [0064] 図7を参照すると、本開示によるWi-Fiアクセスを提供するための、更に別の例示的なアクセスポイントデバイス/システムの設置が概略的に示されている。アクセスポイントデバイス/システムの設置は、これまでに説明したアクセスポイント(AP)10、110及び210に関連するものと同様の特徴部分25及び要素を含み、従って、適切な範囲で、同様の要素を示すために、同様の参照符 55号の先頭に数字「3」を加えたものを用いる。図示されているように、アクセスポイント(AP)310は、シングルギャングボックス320に対する協働/取り付けのために構成及び寸法設定される。アクセスポイント(AP)310は、少なくとも1つのアンテナ328、及び直接的な110ブロック336タイプの接続を含む。電力は、例えばイーサネットを介して電力を供給するケーブル326によって、5アクセスポイント(AP)310に供給でき、これによって、アクセスポイント(AP)310に連結されたWi-Fiアクセスポイント回路構成324の動作のための電力を、ネットワークソースから引くことができる。 [0065] 少なくとも1つの開口354が画定された標準的なフェイスプレー 310に連結されたWi-Fiアクセスポイント回路構成324の動作のための電力を、ネットワークソースから引くことができる。 [0065] 少なくとも1つの開口354が画定された標準的なフェイスプレート338を、標準的なカバーとして採用できる。フェイスプレート338は、当該技10術分野で公知であるように、装飾的特徴を含んでよい。Wi-Fiアクセスポイント回路構成324を保護するのに好適な保護部材356、及び/又はアクセスポイント(AP)310に連結された他の構造/特徴部分も、好ましくはフェイスプレート338とWi-Fiアクセスポイント回路構成324との間に設けてよい。図示されているように、保護部材356は好ましくは、開口354の寸法を超えるよ15うに寸法設定される。 [0066] 図8a~8dを参照すると、本開示の例示的態様による、一連の例示的な実装例が概略的に示されている。図8aは、シングルギャングボックス420に対して取り付けられるアクセスポイント(AP)410を図示している。次に、図8bは、シングルギャングボックス520に対して協働可能に取り付けられる、20アクセスポイント(AP)510及びケーブル(CATV)526を図示している。 図8cは、デュアルギャングボックス620に対して協働可能に取り付けられる、アクセスポイント(AP)610及び電気コンセント660を図示している。最後に、図8dは、トリプルギャングボックス720に対して協働可能に取り付けられる、アクセスポイント(AP)710、ケーブル(CATV)726、電気コンセ25ント760、及び音声/データジャック762を図示している。 56【図4】 【図5】 5【図6】 57 ント760、及び音声/データジャック762を図示している。 56【図4】 【図5】 5【図6】 57【図7】 【図8a】5 58【図8b】 【図8c】 5 【図8d】 59(別紙3)【技術分野】【0001】本発明は、無線LAN(Local Area Network)を構築するのに有用な無線LANアダプター及び埋め込み型配線装置に関する。 5【発明が解決しようとする課題】【0006】ところで、一般住宅での無線LANの構築においては、前記アクセスポイントでの通信性能が充分に大きければ、アクセスポイントは1台で済むと考えられている。 しかし、隣接する部屋相互間を仕切る壁、天井及び床、扉等の仕切りが、金属を含10んでいたり、かなり厚い等の場合には、電波が大きく減衰し易いので、燐りの部屋に設置されたワイヤレス機器との無線通信を行うことが困難になることがある。加えて、アクセスポイントが部屋の隅に配置される場合にも、燐の部屋内のワイヤレス機器との無線通信に支障をきたし易くなることがある。こうしたことから、無線通信の信頼性を確保するには、各部屋ごとにアクセスポイントを配置することが望15ましい。 【0007】前記ルータ等の従来のアクセスポイントは、それ自体を動作させるのに電源を供給する必要がある。このために、通常部屋内でのLAN環境上好適な位置となるように部屋の壁から離れて配置されることが多いアクセスポイントと、部 従来のアクセスポイントは、それ自体を動作させるのに電源を供給する必要がある。このために、通常部屋内でのLAN環境上好適な位置となるように部屋の壁から離れて配置されることが多いアクセスポイントと、部屋の壁に取20付けられたコンセントとは、配線コードを用いて接続される。更に、電話網やインターネット等の屋外の公衆網にアクセスポイントを接続するために、この公衆網とアクセスポイントとはLANケーブルを用いて接続される。LANケーブルの接続において、LANケーブルは、壁に取付けられた情報コンセントのモジュラージャック、又は公衆網に接続されて壁側に配置されるモジュラージャック付きのコネク25タに接続される。 60【0008】このように無線LANが構築された状態でも、壁付けのコンセント等からアクセスポイントの設置場所にわたる長い配線コード及びLANケーブル等の電線が必要であるので、これらの電線を使用しないで済ませるようにするか、使用するとしても、その使用量を極力少なくすることが望まれている。特に、一般住宅では、電線5を床下などに配線することができないので、なお更である。そして、各部屋ごとにアクセスポイントを配置する場合には、以上のように長い電線が部屋内毎に配線されて邪魔になり易いので、その改善が、各部屋ごとにアクセスポイントを配置して無線通信の信頼性を確保する上で望まれている。 【0009】10本発明の目的は、電源を供給する配線コードを要することなく使用できるとともに、設置状態で邪魔になりずらく、無線LANの構築に好適な無線LANアダプター及び埋め込み型配線装置を提供することにある。 【発明を実施するための最良の形態】【0053】15図6~図8は本発明の第3の実施形態を示している。 【0054】 線LANアダプター及び埋め込み型配線装置を提供することにある。 【発明を実施するための最良の形態】【0053】15図6~図8は本発明の第3の実施形態を示している。 【0054】図6中符号31は例えば一般住宅の壁に埋め込んで装着された埋め込み型配線装置を示している。この配線装置31は、サポート32と、無線LANアダプター(以下アダプターと略称する。)33と、化粧カバー34とを備えている。 20【0055】図7及び図8に示すサポート32は、亜鉛クロマイトメッキが施された鉄(SPCC)等の金属製であり、複数の取付け孔32aを有している。このサポート32は、一般家屋の壁等の造営材に埋め込まれている配線ボックス(図示しない)に、各取付け孔32aを通ってねじ込まれる図示しないねじを介して固定される。サポ25ート32は、その幅方向に並ぶ一対の略長方形状の開口(図示しない)を有してい 61る。 【0057】アダプター33はサポート32に取付けられている。アダプター33は、サポート32と略同じ幅でこのサポート32の裏面に取付け配置される本体ケース33aと、この本体ケース33aの正面から突出されてサポート32の前記図示しない他5方の開口に通されたケース凸部33bとを有している。図8に示すようにアダプター33の裏面の幅方向中央部には上下方向に延びる電気絶縁性の仕切り壁36が突設されている。 【0059】本体ケース33aにはLAN信号を処理する信号処理部33c(図6参照)が内10蔵されている。この信号処理部33cでの信号処理により、アダプター33は部屋内に設置されたワイヤレス対応機器に対する無線LANのアクセスポイントとして機能でき、無線LAN信号を授受できる。 【0061】本体ケース33aには、そ での信号処理により、アダプター33は部屋内に設置されたワイヤレス対応機器に対する無線LANのアクセスポイントとして機能でき、無線LAN信号を授受できる。 【0061】本体ケース33aには、その上部に位置する電話用のモジュラージャック41と、15下部に位置するインターネット用のモジュラージャック42と、これら両ジャック41、42間に位置するアンテナ部43とが夫々設けられている。これらはいずれもケース凸部33bの表面に露出されている。電話用のモジュラージャック41には、図示しない電話機に接続された電話用モジュラーコード(図示しない)のモジュラープラグが挿脱自在に差込み接続される。インターネット用のモジュラージャ20ック42には、LANケーブル(図示しない)を介して図示しない有線対応機器が接続される。このモジュラージャック42は信号処理部33cを経由することなく公衆網接続端子39に接続されている。モジュラージャック42は省略することも可能であるが、このジャック42を備えることにより、既述のように有線対応のLAN環境の構築にも配線装置31を適合させることができる点で優れている。 25【0064】 62このため、部屋の壁面に対する配線装置31の突出が殆どないとともに、壁面に化粧カバー34が沿って設けられる。これにより、アダプター33を使用するための電線を全く要することなく、部屋内を移動する人間等にとって邪魔にならない取り付け状態で配線装置31を使用できる。こうした事情から、ワイヤレス対応機器18が設置されている部屋の夫々にアダプター33を備える配線装置31を壁内に5設けることを促進し易く、各部屋毎に1台のアダプター33付きの配線装置31を壁内に設けることにより、無線LAN環境を構築して、その信号授受の信頼性を向上 プター33を備える配線装置31を壁内に5設けることを促進し易く、各部屋毎に1台のアダプター33付きの配線装置31を壁内に設けることにより、無線LAN環境を構築して、その信号授受の信頼性を向上できる。 【図6】 10 【図7】 63【図8】 (別紙4)64

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る