平成27(ワ)17 未払通勤手当等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年2月1日 福岡地方裁判所 小倉支部
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判決文本文25,459 文字)

平成30年2月1日言渡同日原本交付裁判所書記官未払通勤手当等請求事件口頭弁論終結日平成29年12月18日判決 主文 1 被告は,原告X1に対し,28万円及びうち10万5000円に対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告X2に対し,28万円及びうち10万5000円に対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告X3に対し,28万円及びうち10万5000円に対する平成2 7年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告は,原告X4に対し,28万円及びうち10万5000円に対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告らの訴えのうち,平成29年12月19日(口頭弁論終結日の翌日)以降に支払日が到来する皆勤手当の支払を求める部分及び本判決確定の日の翌日以 降に支払日が到来する通勤手当の支払を求める部分をいずれも却下する。 6 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 7 訴訟費用はこれを9分し,その5を被告の負担とし,その余を原告らの負担とする。 8 この判決は,第1項から第4項までに限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 原告X1の請求被告は,原告X1に対し,18万円及びこれに対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告X1に対し,平成27年1月から毎月末日限り1万円を支払え。 2 原告X2の請求被告は,原告X2に対し,18万円及びこれに対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員 1に対し,平成27年1月から毎月末日限り1万円を支払え。 2 原告X2の請求被告は,原告X2に対し,18万円及びこれに対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告X2に対し,平成27年1月から毎月末日限り1万円を支払え。 3 原告X3の請求 被告は,原告X3に対し,18万円及びこれに対する平成27年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告X3に対し,平成27年1月から毎月末日限り1万円を支払え。 4 原告X4の請求被告は,原告X4に対し,18万円及びこれに対する平成27年1月1日から 支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告X4に対し,平成27年1月から毎月末日限り1万円を支払え。 第2 事案の概要本件は,被告において期間の定めのある労働契約に基づき荷役作業に従事する原告らが,各自,被告に対し,①その労働条件において通勤手当が期間の定めのない労働 者に対するものの半額とされていることは労働契約法20条の禁止する不合理な差別に当たる等と主張して,労働契約又は不法行為による損害賠償請求権に基づき,平成25年1月から平成26年12月までの通勤手当の差額合計12万円及びこれに対する賃金支払日の後の日である平成27年1月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金並びに平成27年1月から毎月末日限り通勤手当の 差額5000円の支払を求めるとともに,当該不法行為による損害賠償請求権に基づき慰謝料5万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成27年1月1日から支払済みまで同割合による遅延損害金の支払を求め,また,②原告らに対する皆勤手当を廃止する内容の就業規則の変更は無効であると主張し 料5万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成27年1月1日から支払済みまで同割合による遅延損害金の支払を求め,また,②原告らに対する皆勤手当を廃止する内容の就業規則の変更は無効であると主張して,労働契約に基づき,平成26年11月と同年12月における未払皆勤手当合計1万円及びこれに対する賃 金支払日の後の日である平成27年1月1日から支払済みまで同割合による遅延損 害金並びに平成27年1月から毎月末日限り皆勤手当5000円の支払を求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがないか,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)当事者 ア被告は,昭和51年6月21日に設立された,一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社であり,北九州市a 区bにある北九州市中央卸売市場内で,主に海産物の荷役業務を取り扱っている。 被告においては,期間の定めのない労働契約を締結した従業員(以下「正社員」という。)21名のほかに,正社員よりも所定労働時間が短く,期間の定めのある労働契 約を締結した従業員(以下「パート社員」又は「パートタイマー」という。)30名が存在する。(乙12)イ原告らは,いずれも被告との間で雇用期間を3か月とする労働契約を締結しているパート社員であり,A労働組合福岡地方本部北九州支部Y分会に所属している。 原告らが被告に入社した日は,原告X1が平成8年5月15日,原告X2が平成2 4年2月10日,原告X3が平成21年4月23日,原告X4が平成11年2月17日である(甲10ないし13)。 契約内容ア原告らは,いずれも,被告において,遅くとも平成24年から現在に至るまで,労働契約を更新しながら,パート社員として勤務している。賃金は時給制であり,支 払は毎 いし13)。 契約内容ア原告らは,いずれも,被告において,遅くとも平成24年から現在に至るまで,労働契約を更新しながら,パート社員として勤務している。賃金は時給制であり,支 払は毎月20日締めの当月末最終銀行営業日払である。 イ原告X1の平成24年6月30日付け雇入通知書(甲2の1の1)には以下の記載があるところ,雇用期間,就業時間及び基本賃金の各項目の内容は原告らによって異なるが,それ以外の項目の内容については原告らで共通している。(甲2の1の1,弁論の全趣旨) ただし,後記のとおり新パートタイマー就業規則が定められたことによって,平 成26年11月支払分以降は原告らの皆勤手当は廃止され(後記ウa),通勤手当は実費支給となった(後記ウ)。 雇用期間平成24年7月1日~平成24年9月20日勤務場所本社仕事内容荷役 就業時間基本時間午前2時30分~午前6時30分但し,各人の従来の勤務時間を優先し,就業時間変更の際には,各部署の責任者より連絡する。 休日日・祝日及び休市日(但し,市場カレンダーによる日・祝日の出勤日あり。) 所定外労働等繁忙時・天候の変化等により協議の上で決定する。 賃金基本賃金時間給 1000円諸手当皆勤手当 5000円通勤手当 5000円(欠勤2日以内のみ)平成26年10月の改定前の就業規則,パートタイマー就業規則及び給与規程 被告においては,かねてより,就業規則(以下「旧就業規則」という。),パートタイマー就業規則(以下「旧パートタイマー就業規則」という。)及び給与規程(以下「旧給与規程」という。)が次のとおり作成されていた(以下,これらを「旧就業規則等」 下「旧就業規則」という。),パートタイマー就業規則(以下「旧パートタイマー就業規則」という。)及び給与規程(以下「旧給与規程」という。)が次のとおり作成されていた(以下,これらを「旧就業規則等」と総称する。)。 これらはいずれも,後記のとおり平成26年10月に改定されたところ,当該改 定が行われるまで,通勤手当として,正社員には月額1万円,パート社員には月額5000円が支払われており,5000円の差が生じていた(以下「本件相違」ということがある。)。 ア旧就業規則(乙9・1~10丁)旧就業規則は,「第一章総則」,「第二章採用及び休退職」,「第三章勤務」,「第 四章服務心得」,「第五章給与」,「第六章安全保険衛生」,「第七章福祉厚生」, 「第八章表彰及び懲戒」及び「第九章付則」から構成され,以下の条項が含まれる。 旧就業規則1条この就業規則は当会社に勤務する社員の服務規則其の他の就業にあたっての基本的な必要事項を定めたものである。 旧就業規則2条この規則で「社員」とは,第二章に定める手続により採用され常時会社の業務に従事する者をいう。「社員」以外の者に適用する就業規則は別に定める。 旧就業規則18条社員の勤務時間は休憩時間を1時間除き1日7時間を原則とする。 旧就業規則19条社員の勤務時間は始業午前2時30分から午前10時30分までの一日拘束8時間を原則とする。 旧就業規則31条社員の給与については別に定める給与規定によるものとする。 イ旧パートタイマー就業規則(乙9・11~12丁)旧パートタイマー就業規則は,「第一章総則」,「第二章採用及び休退職」,「第三章勤務」,「第四章賃金」,「第五章福祉厚生」及び「第六章懲戒」か ートタイマー就業規則(乙9・11~12丁)旧パートタイマー就業規則は,「第一章総則」,「第二章採用及び休退職」,「第三章勤務」,「第四章賃金」,「第五章福祉厚生」及び「第六章懲戒」から構成される。 賃金の条項としては,「パートタイマーの賃金については別に定める賃金規定によ るものとする。」という条項がある(第16条)が,ここにいう「別に定める賃金規定」が別途定められることはなかった。 ウ旧給与規程(乙10)旧給与規程には,次のような条項が定められている。 旧給与規程1条 この給与規程は就業規則第31条に定めるところにより社員に対して支払う賃金 について定めるものである。 旧給与規程11条皆勤手当は,1年に3回(7,11,3月)支給する。支給額は満額を3万円/月×4か月=12万円とし,1か月ごとに下記の定めによって計算されたものを支給する。 a 1か月に4日以内欠勤した場合,1日につき5000円控除される。 b 1か月に出勤日の半分を超える欠勤については,全額支給されない。 c 遅刻は1か月延3時間を越えた場合,早退は1か月延6時間を越えた場合は欠勤1日として計算する。 旧給与規程13条 社員に対する通勤手当は月額1万円とする。ただし,1か月に出勤日の半分を超える欠勤があった場合,出勤日数×1000円もしくは1万円のうち少ない方を支給する。 平成26年10月の改定後の就業規則,パートタイマー就業規則及び賃金規程平成26年10月に,旧就業規則等は,次のとおり改定された(以下,この改定を 「本件改定」という。)。なお,本件改定は同時期に行われたが,本件改定後の就業規則(以下「新就業規則」という。)及び本件改定後の賃金規程(以下「新賃金規程」という。)の施 (以下,この改定を 「本件改定」という。)。なお,本件改定は同時期に行われたが,本件改定後の就業規則(以下「新就業規則」という。)及び本件改定後の賃金規程(以下「新賃金規程」という。)の施行は同月16日であり,本件改定後のパートタイマー就業規則(以下「新パートタイマー就業規則」という。)の施行は同月21日である(以下,これらを「新就業規則等」と総称する。)。正社員の賃金計算期間は前月16日から当月15日まで であり(当月25日支払。乙2,10),パート社員の賃金計算期間は前月21日から当月20日まで(毎月20日締め。当月末最終銀行営業日払。前提事実ア)であるから,正社員及びパート社員ともに平成26年11月支払分の賃金から新就業規則等が適用されている(甲2の2の29・30,3の2の19・20,4の6・7,5の11・12,16,17。以下,支給日を基準として賃金を特定する。)。 ア新就業規則(乙1) 新就業規則には,以下の条項が含まれる。 新就業規則1条この規則は,Y株式会社の組織運営の秩序を維持し,業務の円滑な運営を期すため,従業員の就業に関する労働条件及び服務規律,その他就業に関する必要な事項を定めたものである。 新就業規則2条a 会社における従業員の定義は次の通りとする。 ① 社員所定の手続きを経て雇用された者② パートタイマー社員に比べ短い所定労働時間で雇用された者または期間を定めて雇用された者 ③ 嘱託社員 (省略)b 本就業規則は社員の服務・勤務・その他就業条件に関する事項を規定し,パートタイマーおよび嘱託社員については別途定める規則を適用する。 イ新賃金規程(乙2)新賃金規程1条(適用範囲) この規程は,就業規則第53条に基 他就業条件に関する事項を規定し,パートタイマーおよび嘱託社員については別途定める規則を適用する。 イ新賃金規程(乙2)新賃金規程1条(適用範囲) この規程は,就業規則第53条に基づき,社員の賃金及び賞与について定めたものである。 新賃金規程13条(皆勤手当)a 皆勤手当は,1賃金計算期間に欠勤がなかった社員に対し月額3万円を支給する。なお,当該手当は,3月,7月,11月にその前4か月分を支給する。 b 1賃金計算期間中に欠勤があった場合には,欠勤6日までは1日につき5000円を皆勤手当から控除する。ただし,1賃金計算期間の欠勤が,所定労働日の過半数以上の場合には,皆勤手当を支給しない。 新賃金規程14条(通勤手当)a 通勤手当は,会社が合理的と認める経路に応じ,以下の各号の区分により実費 を支給する。 ① 公共交通機関を利用する者 1カ月の定期券代② 自家用車で通勤することを承認した者往復通勤キロ数×23.3×単価(37円)b 上記aの金額が5000円を超える場合には5000円を支給する。 ウ新パートタイマー就業規則(乙3) 新パートタイマー就業規則には,以下の条項が含まれる。 新パートタイマー就業規則29条(賃金構成)a 賃金の構成は,基本給,時間外勤務手当,休日勤務手当,深夜勤務手当,通勤手当とする。 b 基本給は時間給とする。なお,その金額は,本人の職務,能力および経験等を 勘案して個別の労働契約書において定める。 新パートタイマー就業規則33条(通勤手当)a 通勤手当は日額とし,会社が合理的と認める経路に応じ,以下の計算式により実費を支給する。 往復通勤キロ数×37円(250円を上限とする。) イマー就業規則33条(通勤手当)a 通勤手当は日額とし,会社が合理的と認める経路に応じ,以下の計算式により実費を支給する。 往復通勤キロ数×37円(250円を上限とする。) b 年次有給休暇を取得した日については,通勤手当は支給しない。 c 1賃金計算期間の通勤手当の金額が5000円を超える場合には5000円を支給する。 2 争点及び争点に関する当事者の主張本件の争点は,原告らが被告に対し,本件相違に係る通勤手当の差額の支払請求 権又は本件相違が不法行為を構成することによる損害賠償請求権を有するかどうか,本件改定による皆勤手当の廃止が労働契約法10条に基づき効力を有するかどうかであり,これらを巡る当事者の主張は以下のとおりである。 原告らが被告に対し,本件相違に係る通勤手当の差額の支払請求権又は本件相違を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権を有するかどうか (原告らの主張) ア本件相違は労働契約法20条に違反すること被告においては,有期労働契約を締結している労働者(パート社員)と期間の定めのない労働契約を締結している労働者(正社員)がいるところ,職務の内容が同じであるにもかかわらず,正社員に対しては通勤手当1万円を支給し,パート社員には通勤手当を5000円しか支払わない(本件相違)のは,労働契約法20条が禁止する 不合理な差別に当たる。 すなわち,パート社員は,正社員と同様に荷役作業(せりの準備)に従事しており,差異はない。荷役作業後の配送作業は,正社員が中心となって行うものの,必要に応じてパート社員が行うこともあるし,正社員の中でも配送作業を行わずに荷役作業だけ担当する者もおり,業務内容に相違はない。 また,正社員とパート社員が服する服務心得ないし懲 うものの,必要に応じてパート社員が行うこともあるし,正社員の中でも配送作業を行わずに荷役作業だけ担当する者もおり,業務内容に相違はない。 また,正社員とパート社員が服する服務心得ないし懲戒事由は同一であり,責任に相違はなく,正社員かパート社員かを問わず北九州営業所から転勤し,あるいは北九州営業所へ転勤した実績もなく,転勤の可能性は皆無である。 そして,正社員もパート社員も,被告に出勤する際は同じ通勤の負担を負うのであるから,特段の事情がない限り,通勤手当の支給に格差を設けることに合理性はない。 パート社員も正社員も等しく通勤の負担が生じるのであり,通勤手当に格差を設けること自体,合理性を肯定することは困難である。 被告は皆勤手当に準じるものであると主張するが,名目が通勤手当であること,非課税で処理していること,深夜手当の計算の際に基礎賃金に通勤手当を算入していないことに鑑みれば,名実ともに通勤手当であるというほかない。 なお,正社員については,平成26年10月16日以降,通勤手当が1万円から5000円に削減され,住居手当5000円も削減されたが,反面,職能給が1万円増額されているため,実質的に通勤手当の格差は存続している。 イ労働契約法20条違反の効果上記アのようなパート社員への格差待遇が労働契約法20条に違反する以上,パー ト社員の労働条件のうち労働契約法20条に違反する部分については無効となり,正 社員の労働条件によって補完され,正社員と同様の労働条件となる。そして,平成26年10月に施行された新就業規則等について,原告らは同意していないところ,通勤手当を1万円から5000円に削減することが不利益変更であることは論を俟たない。したがって,原告らは,被告に対し,平成25年1月から今日に至 た新就業規則等について,原告らは同意していないところ,通勤手当を1万円から5000円に削減することが不利益変更であることは論を俟たない。したがって,原告らは,被告に対し,平成25年1月から今日に至るまで,実際に支給を受けた通勤手当との差額である各月5000円の通勤手当請求権を有す る。 また,原告らは,労働契約法20条に違反する通勤手当の格差支給により,無期契約社員と不合理な格差のある待遇を受けない権利又は法的利益を侵害されたから,原告らは,被告に対し,上記金額について不法行為に基づく損害賠償請求権を有する。 加えて,この格差支給による不法行為によって,原告らは精神的苦痛を受けたところ, その精神的損害は各5万円が相当である。 ウ労働契約法20条の適用の帰趨に関係なく,原告らは,被告に対し,各月1万円の通勤手当請求権を有していること旧パートタイマー就業規則では,パート社員に適用されるべき賃金規定は存在しなかったから,パート社員に対しても,正社員に対する旧給与規程が適用されると考え るべきである。また,形式的にみても,旧パートタイマー就業規則では,「パートタイマー」の定義規定もなく,旧就業規則1条も,必ずしも原告らのようなパート社員を「社員」の対象から除外する体裁になっていない。 したがって,労働契約法20条の適用の帰趨に関係なく,原告らは,被告に対し,本来的に,旧給与規程に基づき,各月1万円の通勤手当請求権を有していた。 そして,平成26年10月に施行された新就業規則等について,原告らは同意していないところ,通勤手当を1万円から5000円に削減することが不利益変更であることは論を俟たないから,原告らは,被告に対し,今日に至るまで,各月1万円の通勤手当請求権を有する。 (被告の主張) ア平成2 手当を1万円から5000円に削減することが不利益変更であることは論を俟たないから,原告らは,被告に対し,今日に至るまで,各月1万円の通勤手当請求権を有する。 (被告の主張) ア平成25年1月分から3月分までの通勤手当請求について 現行の労働契約法20条は平成24年法律第56号による改正により設けられたものであるが,同条の施行日は平成25年4月1日であるから,原告らの通勤手当の請求のうち,同年1月分から3月分までは,そもそも同条違反の問題が生じないため,原告らの請求には理由がない。 イ平成25年4月分以降の通勤手当に係る本件相違が,労働契約法20条に違反 していないこと被告の支給していた通勤手当は,実際の通勤費用を考慮することなく,一律,正社員には月額1万円,パート社員には月額5000円が支給されており,かつ月に3回以上欠勤すれば不支給となる取扱いがされていた。 このような性質に照らすと,被告の支給していた通勤手当は名称こそ通勤手当であ るが,労働条件の相違が不合理と認定されやすい実費支給を目的とした通勤手当とは明らかに性質が異なり,いわゆる皆勤手当の一種というべきものであった。 正社員は,パート社員と異なり配達や事務作業も担当するなど,職務内容や責任に明らかな違いがある。具体的には,正社員及びパート社員は,午前2時頃から午前6時頃まで,船着き場において到着したトラックや船から海産物が入っている箱を 運び出して並べ,生きている魚をしめるなどしてせりの準備をする荷役作業に従事するが,同作業終了後パート社員は帰宅するのに対し,正社員はその後も福岡市内や下関への配送作業にとりかかり,船着き場から帰社後も洗車や清掃作業などの業務がある。正社員には転勤もあるし,経理や総務といった事務作業も正社員 パート社員は帰宅するのに対し,正社員はその後も福岡市内や下関への配送作業にとりかかり,船着き場から帰社後も洗車や清掃作業などの業務がある。正社員には転勤もあるし,経理や総務といった事務作業も正社員が担当しており,業務内容に顕著な差がある。 原告らはパート社員も配送を行っていた点を指摘するが,パート社員が行う配送は予め指定された場所に指示された荷を運ぶルート配送でしかなく,正社員が行う配送(注文を受けて多数ある冷凍倉庫に行って集荷を行って配送する)とは異なる。 また,被告においては平成26年10月16日,前提事実のとおり就業規則を変更し,正社員の通勤手当の上限を5000円としており,現時点においては 正社員とパート社員との間で本件相違は存在しない。 上記のとおり被告の支給していた通勤手当の実質は皆勤手当であり,正社員とパート社員の間には,職務の内容及び配置の変更の範囲に大きな相違がある上,正社員の職務内容の専門性,会社の業務に与える影響の重大性,代替の困難性に照らすと,正社員の出勤率を向上させることは,パート社員の出勤率を向上させることよりも重要といえるから,本件相違を設けることは不合理とまではいえない。加えて,差額も 月額5000円と,正社員とパート社員の職務内容の違いに照らしても相当なものである。 ウ労働契約法20条違反の効力について労働契約法には労働基準法13条のような定めがないから,労働契約法20条に違反した場合に,有期契約労働者(パート社員)の労働条件が当然に無期契約労働者(正 社員)の労働条件になるという補充的効力は存在しない。 したがって,仮に,本件相違が労働契約法20条に反するとしても,当然に原告らの通勤手当が1万円になるものではなく,原告らが主張するような請求権は認めら の労働条件になるという補充的効力は存在しない。 したがって,仮に,本件相違が労働契約法20条に反するとしても,当然に原告らの通勤手当が1万円になるものではなく,原告らが主張するような請求権は認められない。 不法行為に基づく損害賠償請求に係る主張についても,争う。 エ有期契約労働者への旧給与規程の適用について旧就業規則1条,2条を受けて旧パートタイマー就業規則が設けられていることからすれば,被告では,旧就業規則は正社員に適用されるものであり,全従業員に適用されることが原則となっておらず,その他に,旧就業規則がパートタイマーに適用されることをうかがわせる事情はない。 したがって,パート社員に正社員と同一の労働条件を認める原告らの主張には理由がない。 本件改定による皆勤手当の廃止が労働契約法10条に基づき効力を有するかどうか(被告の主張) 被告は,就業規則の改定(本件改定)により皆勤手当を廃止したところ,被告は本 件改定後の就業規則を労働者に周知させており,かつ,その変更は,以下のとおり合理的である。したがって,原告らとの間で明確な合意はないものの,本件改定による皆勤手当の廃止は労働契約法10条に基づき効力を有する。 ア皆勤手当廃止が実質的な不利益とならないこと皆勤手当は月額5000円と低額であり,元々皆勤しなければ支給されない不安定 な手当であって従業員の期待もそれほど高くなかったのであるから,皆勤手当の廃止に伴って原告らが受ける不利益の程度は小さい。また,被告は,本件改定に当たって実収入を減らさないように代替措置として,所定労働日数を増やして,年次有給休暇を計画付与する制度を導入しており,このため,本件改定の前後を通じて原告らの実収入に変動はない。 すなわち,実労働日 入を減らさないように代替措置として,所定労働日数を増やして,年次有給休暇を計画付与する制度を導入しており,このため,本件改定の前後を通じて原告らの実収入に変動はない。 すなわち,実労働日数を従前どおりの279日としつつ,形式的な労働日数を14日増やして293日とした(増加した14日は有給休暇扱いとして労働義務を課さない。)。そうすると,原告らは,出勤日数には変化はないが,1年間で14日分の賃金(6万4750円)が増加したことになり,皆勤手当を廃止したことによる損失分(月5000円×12か月=年間6万円)が補てんされる。 加えて,従来は,1か月のうち1日でも欠勤すれば皆勤手当が支給されなかったところ,新パートタイマー就業規則ではそのようなことがないから,むしろ従業員にとって有利な制度であり,相当性を有する。 イ労働条件の変更の必要性被告においては従業員が年休の取得を遠慮する風潮があってコンプライアンス上 の問題があり,年休を取得しやすい環境にすることが必要であった。他方で,北九州近海の漁獲量の極端な減少などにより被告の業績は年々悪化し財務状況も厳しい状況にあった。そのため,出勤状況によって毎月の基本賃金の単価が変動する煩雑さや予測可能性の乏しい状況を改善するために,本件改定を行う必要性があった。 ウ労働組合等との交渉の状況 平成26年10月9日及び同月10日に被告の顧問をしている社会保険労務士(以 下「顧問社労士」という。)が全従業員を対象として個別に面談し,就業規則の変更点や本件改定の前後を通じて出勤日数や総支給額に変化がないことを説明した。そのため,原告らを除く他の従業員は納得の上で同意をしているのである。 また,労働基準法90条に従い,Bを過半数代表として意見聴取をしている。Bの じて出勤日数や総支給額に変化がないことを説明した。そのため,原告らを除く他の従業員は納得の上で同意をしているのである。 また,労働基準法90条に従い,Bを過半数代表として意見聴取をしている。Bの選出は,タイムレコーダーの側にある掲示板に同人を選出することについて意見や立 候補を求める張り紙を掲示して行われ,誰からも異議や立候補はなかった。 (原告らの主張)ア新パートタイマー就業規則は,被告の許可がない限り自由に閲覧できるものではないから,周知されていたとはいえない。 イ本件改定は,通常であれば皆勤手当として毎月5000円が受給できていたも のを削減するものであって,その金額は,時給800円のパート社員にとっては1日当たりの賃金を上回る額であり,パート社員が被る不利益の程度は大きい。他方で,被告は,その不利益を緩和する手段として年休の計画付与制度を導入したと主張するが,従業員にとっては自由に取得することができる年休を一方的に消化される不利益が生じるから,皆勤手当の削除に伴う不利益の緩和措置としては不相当である。 ウ本件改定に当たって,被告はBが過半数代表として選任されて意見聴取を行ったと主張するが,Bは民主的手続を経て過半数代表として選出されたとはいえないし,その選出にパート社員は関わっていない。本件改定に当たって組合との交渉もなかった。 エしたがって,本件改定は不合理であって,新パートタイマー就業規則による皆 勤手当の廃止の効力も原告らには及ばないから,原告らは,なお被告に対して皆勤手当の請求権を有する。 第3 当裁判所の判断 1 原告らが被告に対し,本件相違に係る通勤手当の差額の支払請求権又は本件相違を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権を有するかどうか 労働契約法20条の適用 第3 当裁判所の判断 1 原告らが被告に対し,本件相違に係る通勤手当の差額の支払請求権又は本件相違を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権を有するかどうか 労働契約法20条の適用関係 労働契約法20条は,有期契約労働者と無期契約労働者との間の労働条件の相違が不合理なものであることを禁止する規定であるところ,同条の「期間の定めがあることにより」という文言は,有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の労働条件と相違するというだけで,当然に同条の規定が適用されるものではなく,当該有期契約労働者と無期契約労働者の間の労働条件の相違が,期間の定めの有無に関連して生じ たものであることを要求するものと解するのが相当である。 本件のパート社員の労働契約は,期間の定めのある労働契約であるところ,その内容である通勤手当の定め(旧就業規則等の下における通勤手当の定めを指す。以下,本項において同じ。)は,正社員の労働契約の内容である通勤手当の定めと相違している(前提事実)から,平成24年法律第56号による改正後の労働契約法20条 が施行された平成25年4月1日(平成24年政令第267号)以降,本件の有期労働契約には同条の規定が適用されることになる。 原告らは,平成25年1月分から3月分までの通勤手当に係る本件相違をも上記改正後の労働契約法20条に違反する旨を主張するが,同条は施行日以前の通勤手当の相違には適用されないから,原告らの主張はその限度で理由がないというべきである。 以下では,平成25年4月分以降の通勤手当に係る本件相違が不合理と認められるものであるか否かについて検討する。 認定事実労働契約法20条の不合理性の判断は,有期契約労働者と無期契約労働者の間の労働条件の相違について,職務の内容,当 に係る本件相違が不合理と認められるものであるか否かについて検討する。 認定事実労働契約法20条の不合理性の判断は,有期契約労働者と無期契約労働者の間の労働条件の相違について,職務の内容,当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の 事情を考慮して,個々の労働条件ごとに判断されるべきと解されるところ,前提事実に加え,証拠(後掲の各証拠に加え,原告X1,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,これらの各要素に関して,次の事実が認められる。 ア職務の内容について荷役作業について 荷役作業とは,市場やせり場において,到着したトラックや船から海産物が入って いる箱を運び出して並べ,生きている魚をしめるなどして,北九州市中央卸売市場の朝の競りの準備をする作業を指す(甲10)。 事務以外の荷役運送等を行う正社員は,パート社員と同様に,荷役作業に従事する(当事者間に争いがない。)。 配送作業について 配送作業には,集荷の段階から配達,検品まで行う配送作業と,既に集荷された荷物をスーパーマーケットなどの店舗に配達するのみの配送作業とがある(以下,前者を単に「配送作業」といい,後者を「スーパー配送」という。)。(被告代表者3~4頁)a 配送作業とは,せりが終わった後に行う作業であり,顧客(荷主)からの注文 を受け,トラックで指定された冷凍倉庫(冷蔵庫)に行き,積み荷の選別作業をした上で商品の集荷を行い,他の冷凍倉庫や店舗に配達をし,商品の検品を行って,受領書のやり取りをするといった一連の作業を指す。 被告は100社近くの取引先を抱え,北九州,下関,福岡で50社近くの冷凍倉庫があり,積み荷(荷姿)は冷凍物と冷蔵物とを合わせて2000種類程度あるところ, 上記の配送作業を行うためには,これらの知 は100社近くの取引先を抱え,北九州,下関,福岡で50社近くの冷凍倉庫があり,積み荷(荷姿)は冷凍物と冷蔵物とを合わせて2000種類程度あるところ, 上記の配送作業を行うためには,これらの知識・経験が必要であることから,作業を覚えるのに通常半年から1年程度の期間を要する。 b 他方,スーパー配送とは,あらかじめ集荷してある荷物を,指定の時間に,スーパーマーケットの駐車場など所定の場所に配送する作業を指す。 c 配送作業は,正社員が行うが,スーパー配送については,正社員が足りない時 や飛び込みの荷物が入った時などに,原告X1を含めた他のパート社員も行うことがある(被告代表者12頁。この点について,原告らは,パート社員も配送作業を行う旨の主張をするが,パート社員がスーパー配送のみならず配送作業まで行っていることを認めるに足りる証拠はなく,採用の限りでない。)。 なお,正社員の中でも,高校卒業後すぐに被告に入社した者など配送作業を行うに 必要な運転免許証(4トン車が運転できるもの)を所持していない者は,配送作業は 担当せず,もっぱら荷役作業のみを担当していた(被告代表者10頁以下)。 その他の作業作業当日の人材配置,顧客からのクレーム対応,謝罪,市場関係者との荷役賃などの荷役交渉及び勤怠管理は,正社員が行っている(乙12,被告代表者5,15頁)。 イ配置の変更の範囲について 被告の就業場所は,本社と大分県佐伯市に置かれた営業所の2か所存在する。かつては福岡営業所も存在したが,平成20年頃に閉鎖されている。 被告の従業員の中に,本社(北九州営業所)と他の営業所との間で転勤をした者はいない(被告代表者4,12,23頁,原告X1 3頁)。 ウその他の事情について 労働時間について荷役運 被告の従業員の中に,本社(北九州営業所)と他の営業所との間で転勤をした者はいない(被告代表者4,12,23頁,原告X1 3頁)。 ウその他の事情について 労働時間について荷役運送等に従事する正社員の勤務時間は,1日の拘束時間は8時間,所定労働時間は7時間(休憩1時間)である(なお,被告代表者は,正社員の勤務時間は午前1時30分から午前9時30分までであると述べる。)。正社員には事務を担当する者もおり,その者も所定労働時間は同一である。(乙1,9,被告代表者23頁) 一方,パート社員の労働時間は,個人によって異なり,3時間半勤務の者から6時間勤務の者まで存在する。原告X1及び原告X2は,いずれも午前2時30分から午前6時30分までの4時間勤務である。 (甲2の1〔孫番含む。〕,3の1〔孫番含む。〕,原告X1 11頁)通勤方法等について 被告に勤務するパート社員で最も多い交通手段は,自家用車であり,それ以外には,バイク,自転車,徒歩の者がいる(原告X1 10頁)。原告らは,いずれも自家用車で通勤しており,通勤時間は概ね25分から40分程度で,通勤費用の実費は月額1万円を超えている(甲19,原告X1 12~13頁,弁論の全趣旨)。 正社員で最も多い交通手段は,自家用車であり,それ以外にはバイクの者がいる(原 告X1 10頁)。 労働契約法20条違反の有無及びその効果ア労働契約法20条違反の有無まず,通勤手当の性質について検討するに,被告は,実際の通勤費用を考慮することなく,一律に支給がされており,かつ月に3回以上欠勤すれば不支給となる取扱いがされていたことを根拠に,いわゆる皆勤手当の一種というべきものであると主 張する。 確かに,旧就業規則等の下において被告の支給 に支給がされており,かつ月に3回以上欠勤すれば不支給となる取扱いがされていたことを根拠に,いわゆる皆勤手当の一種というべきものであると主 張する。 確かに,旧就業規則等の下において被告の支給していた通勤手当は,徒歩や自転車など実費がかからない手段で通勤している者も含めて一律に定額(正社員は1万円,パート社員は5000円)が支給されていたものであって,実際の通勤距離に応じてその額が算定されるというものではない。 しかし,原告らは,いずれも概ね25分から40分程度かけて自家用車で通勤しており,その通勤費用に実費は1万円を超えているから,原告らが受給していた通勤手当は,その実際上の機能としても,原告らの通勤費用を填補する役割を果たしていたとみることができる。一方で,通勤手当として一定額を支給することは,会社にとっては通勤経路の確認や計算の簡素化といった事務手続の手間を省力化できるという 利点があり,当該支給方法を採ったからといって直ちにこれが通勤手当としての性格を失うとか皆勤手当であるとみることは相当ではない。また,被告の旧就業規則等においては,皆勤手当とは別個に「通勤手当」が明確に定められていたものであり,被告はこれを通勤手当として申告することで非課税という扱いを受けてきたものであって,被告の主張は,通勤手当の形式と実質のうち,自らに都合の良い部分のみを切 り取って主張するものといわざるを得ないし,さらに,被告の主張を前提にすると,被告が行った通勤手当に関する就業規則の改正の結果,通勤手当が支給されない従業員が生ずることになれば(徒歩で通勤する従業員がこれに該当することになろう。),その者に関して皆勤手当の廃止の是非という新たな法律問題を惹起することになり,不合理な結果となる。 そうであれば,通勤手当の になれば(徒歩で通勤する従業員がこれに該当することになろう。),その者に関して皆勤手当の廃止の是非という新たな法律問題を惹起することになり,不合理な結果となる。 そうであれば,通勤手当の性質は,名目だけでなくその実質も通勤手当であると認 めるのが相当である。 そこで,上記認定事実に係る職務内容等の差異及び上記通勤手当の性質を踏まえて,本件相違が不合理といえるかどうかについて検討する。 本件相違は,旧就業規則等の下における通勤手当の差額5000円であるから,本件で労働契約法20条に違反するかどうかを論じるには,パート社員(有期契約労働 者)と正社員(無期契約労働者)との間でこのような通勤手当の差額を設けることが不合理といえるか否か,換言すれば,そのような取扱いが合理的な理由に基づいて行われているものであるか否かが問われることになる。 しかし,被告が通勤手当を設けた理由は,被告代表者の供述によれば,少しでも手当が多い方が求人に有利であるというものであり,それ自体,本件相違の合理性を肯 定できる理由であるとは考え難い。また,パート社員と正社員のいずれの職務内容も,北九州市中央卸売市場での作業を中核とするものであるから,パート社員か正社員かを問わず,仕事場への通勤を要し,かつ,その通勤形態としても,多くの者が自家用車で通勤しているという点で,両者で相違はなく,パート社員の方が,正社員に比べて通勤時間や通勤経路が短いといった事情もうかがわれないのであって,通勤手当の 金額を定めるに当たり,正社員の通勤経路などを調査した上でこれが定められたわけでもない(被告代表者24頁)。 そうすると,本件相違に合理的な理由は見出せず,通勤手当が被告に勤務する労働者の通勤のために要した交通費等を填補するものであること を調査した上でこれが定められたわけでもない(被告代表者24頁)。 そうすると,本件相違に合理的な理由は見出せず,通勤手当が被告に勤務する労働者の通勤のために要した交通費等を填補するものであることなどの性質等にかんがみれば,上記で認定した職務内容の差異等を踏まえても,本件相違は不合理なもの といわざるを得ない。 したがって,本件相違は労働契約法20条に違反するものというべきである。 次に,労働契約法20条に違反した状態が継続していた期間について検討するに,前提事実及びによれば,本件改定によって,正社員については,平成26年10月16日以降,同年11月分の賃金から通勤手当が1万円から5000円に削減 されたことが認められる。 そうすると,同日以降はパート社員と正社員との間で本件相違は解消されたといえるから,労働契約法20条に違反していたのは,平成25年4月1日から平成26年10月15日までであったというべきである。 この点,原告らは,正社員については,平成26年10月16日以降,通勤手当が1万円から5000円に削減された反面,職能給が1万円増額されているため,実質 的に通勤手当の格差は存続していると主張するが,職能給と通勤手当とは別個の手当である以上,これらを同視することはできず,通勤手当の格差は存続しているとはいえないので,原告らの主張を採用することはできない。 イ本件における労働契約法20条違反の効果について本件相違が労働契約法20条に違反することによる効果について検討するに, 原告らは,パート社員の労働条件のうち労働契約法20条に違反する部分については無効となり,正社員の労働条件によって補完される旨を主張する。 しかしながら,旧パートタイマー就業規則には,「パートタイマーの賃金に パート社員の労働条件のうち労働契約法20条に違反する部分については無効となり,正社員の労働条件によって補完される旨を主張する。 しかしながら,旧パートタイマー就業規則には,「パートタイマーの賃金については別に定める賃金規定によるものとする。」という条項がある(第16条)が,ここにいう「別に定める賃金規定」が別途定められることはなかったのであるから,無効の 対象となる賃金規定は存在しないというほかない。また,前提事実及びによれば,パート社員の労働条件は旧パートタイマー就業規則によって定められ,他方で正社員の労働条件は旧就業規則で,そのうち賃金に係る部分は旧給与規程で,それぞれ定められることとされていたのであるから,仮に旧パートタイマー就業規則に通勤手当に関する規定が存在しており当該規定が無効となったとしても,旧給与規程に定められ ている正社員の労働条件がパート社員に適用されると解することは困難である。 そうすると,仮に労働契約法20条に違反する場合の効果として労働条件の一部無効という私法的効果を肯定するとしても,このことによって,原告らに,労働契約に基づき,被告に対して通勤手当の格差分の支払請求権があると解することはできない。 次に,上記のように労働契約法20条に違反することが不法行為を構成するか 否かについて検討するに,被告が本件相違を設ける合理的な理由が存しないことは前 判示のとおりであり,そのような不合理な取扱いが長年継続され,労働契約法20条が規定された後も改められることなく同様の取扱いを継続していたことなどからすれば,違法にそのような取扱いを行っていたものとして,不法行為が成立すると認めるのが相当である。 そして,原告らは,いずれもその通勤費用の実費が1万円を超え,既支給の通勤手 当を超 などからすれば,違法にそのような取扱いを行っていたものとして,不法行為が成立すると認めるのが相当である。 そして,原告らは,いずれもその通勤費用の実費が1万円を超え,既支給の通勤手 当を超える額が月当たり5000円であると主張し,被告がこれを認めていることからすれば,原告らの損害は,各原告とも,平成25年4月1日以降に支払日が到来した平成25年4月から本件改定が適用される平成26年10月までの19か月について月当たり5000円の合計9万5000円であると認められる。 なお,原告らは,本件相違による差別的賃金支給によって精神的苦痛を受けた 旨を主張し,慰謝料も請求するが,原告らは,上記のとおり,平成25年4月分から平成26年10月分までの損害(各9万5000円)について不法行為に基づく損害賠償請求権を有するのであって,これをもって原告らに生じた財産的損害の填補が図られるということができ,それでもなお賄いきれない精神的苦痛が原告らに発生したとは認められないから,原告らによる慰謝料請求には理由がない。 労働契約法20条の適用の帰趨に関係なく,原告らは,被告に対し,各月1万円の通勤手当請求権を有しているといえるかどうかについて原告らは,旧パートタイマー就業規則では,パート社員に適用されるべき賃金規定は存在しなかったことをもって,パート社員に対しても正社員に対する旧給与規程が適用される旨を主張する。 しかしながら,前提事実及びによれば,パート社員の労働条件は旧パートタイマー就業規則によって定められ,他方で正社員の労働条件は旧就業規則で,そのうち賃金に係る部分は旧給与規程で,それぞれ定められることとされていたのであるから,パート社員に適用されるべき賃金規定は存在しなかったからといって,旧給与規程に定められ 労働条件は旧就業規則で,そのうち賃金に係る部分は旧給与規程で,それぞれ定められることとされていたのであるから,パート社員に適用されるべき賃金規定は存在しなかったからといって,旧給与規程に定められている正社員の労働条件がパート社員に適用されると解することは困難で ある。 そうすると,原告らの上記主張を採用することはできない。 したがって,労働契約法20条の適用の帰趨に関係なく原告らは被告に対し旧給与規程に基づき各月1万円の通勤手当請求権を有していたという原告らの主張は,採用することができない。 小括 以上の次第で,原告らは,被告に対し,不法行為に基づき平成25年4月分から平成26年10月分までの損害合計9万5000円(5000円×19か月分)の損害賠償請求権及びこれに対する賃金支払日の後の日である平成27年1月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を有することから,その限度で原告らの請求は理由がある。なお,原告らの訴えのうち本判決確定の 日の翌日以降に支払日が到来する通勤手当の支払を求める部分については,訴えの利益がないというべきであるから,これらを却下すべきである。 2 本件改定による皆勤手当の廃止が労働契約法10条に基づき効力を有するかどうかについて本件における皆勤手当の廃止は,被告による本件改定すなわち就業規則の変更によ って行われたものであるところ,使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において,変更後の就業規則を労働者に周知させ,かつ,就業規則の変更が,労働者の受ける不利益の程度,労働条件の必要性,変更後の就業規則の内容の相当性,労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは,労働契約の内容 の変更が,労働者の受ける不利益の程度,労働条件の必要性,変更後の就業規則の内容の相当性,労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは,労働契約の内容である労働条件は,当該変更後の就業規則に定め るところによるものとされる(労働契約法10条)。 そこでまず,新パートタイマー就業規則が労働者に周知されていたかどうかについてみると,証拠(被告代表者23頁)及び弁論の全趣旨によれば,新就業規則等は被告の総務に備え付けられ,被告から労働者に対して,新就業規則等の備付場所が周知され(説明の際の通知書(乙4)にも記載が存在する。),従業員からの申出があれば 閲覧が可能であったことが認められる。これに対して,原告らは,新就業規則等は会 社の許可がない限り原告らが自由に閲覧できるものではなかったと主張するが,新就業規則等の閲覧が被告の許可に係らしめられていたことを裏付ける証拠はなく,採用することができない。 したがって,被告は,新パートタイマー就業規則を労働者に周知させていたということができる。 続いて,以下では,就業規則の変更が合理的なものであるといえるかどうかについて検討する。 認定事実前提事実に加え,証拠(後掲の各証拠に加え,原告X1,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる。 ア本件改定の内容本件改定は,平成7年頃に作成された旧就業規則等の全面的改定をしたもので,パート社員についても従前の取扱いを改め,新パートタイマー就業規則で賃金を構成する各手当を定めた。これによると,パート社員の賃金構成は,基本給,時間外勤務手当,休日勤務手当,深夜勤務手当及び通勤手当であり,皆勤手当に関する規定はなく, これによって皆勤手当 賃金を構成する各手当を定めた。これによると,パート社員の賃金構成は,基本給,時間外勤務手当,休日勤務手当,深夜勤務手当及び通勤手当であり,皆勤手当に関する規定はなく, これによって皆勤手当が廃止されることになった。(乙3)イ原告らに対する従来の皆勤手当の支払状況本件改定前,被告は原告らとの個別の労働契約の中で皆勤手当として月5000円の支払を合意していた。一日でも欠勤すると皆勤手当は支給されないが,原告らは,ほぼ毎月皆勤手当の支給を受けていた。 原告らの1か月の賃金の総支給額は,10万円弱から15万円程度である。(原告X1 13頁,甲2ないし6〔各枝番及び孫番含む。〕)ウ年次有給休暇の計画的付与に関する協定被告は,平成26年12月12日付けで,「年次有給休暇の計画的付与に関する協定」(以下「本件協定」という。)を作成した。本件協定には「会社は,従業員代表と の協定の定めるところにより,従業員の有する年次有給休暇のうち,各年に付与する 年次有給休暇の5日を超える日数の部分について,従業員に計画的に使用させることができる。」という条項(1条1項),「従業員は,年次有給休暇の計画的付与日に使用する年次有給休暇を,その他の日に振り替え取得することはできない。」とする条項(同条2項),同条を受けて,年次有給休暇の計画的付与日として合計15日の具体的な日にちを列挙した条項(2条1項)などがある。 本件協定は,後記エと同じくBを従業員代表として締結されている。(乙6〔枝番含む。〕,被告代表者6,18頁)エ本件改定に際して採られた手続被告には,正社員が21人,パート社員が30人在籍している(乙12)。 本件改定に当たっては,平成26年10月9日及び10日,被告の顧問社労士が, その内 エ本件改定に際して採られた手続被告には,正社員が21人,パート社員が30人在籍している(乙12)。 本件改定に当たっては,平成26年10月9日及び10日,被告の顧問社労士が, その内容を従業員全員に対して個別に説明し,被告代表者名義の「労働条件の変更に関する通知書」(乙4)を従業員に渡し,本件改定に同意する旨の同意書欄に署名を得ることによって,従業員の同意を得ていた。(乙12,被告代表者5頁)原告X1は,被告の顧問社労士から,皆勤手当は廃止するが年休の取得を認めるので賃金が変わらないと説明を受けたが,年次有給休暇の取得を認めるのは当たり前の ことなので不合理であるとして,上記同意書欄に署名しなかった。原告らはいずれも上記同意書欄に署名していないが,他のパート社員はこれに署名した。 (原告X1頁,被告代表者5頁)なお,原告らは,本件改定が行われる以前に労働組合を結成し(原告X1 8頁),原告X1が分会長を務めているが,本件改定の前に同組合との交渉が行われた形跡は ない。 被告の従業員の一人であるBは,同年10月14日付で,本件改定について意見を求められ,「特にありません。」と意見書に記入,署名押印して被告に交付した(乙11)。 検討 ア労働者の受ける不利益の程度及び変更後の就業規則の内容の相当性 上記認定事実によれば,月額5000円という金額は,原告らの賃金総支給額の5%程度に当たる金額であり,ほぼ毎月皆勤手当の支給を受けられていたという実態も考慮すると,本件改定による不利益の程度が僅少であるとはいい難く,また賃金に関する不利益変更であるから,その合理性については厳格に判断されなければならない。 被告は,本件協定による計画年休制度の導入によって,原告らが実際に従事 が僅少であるとはいい難く,また賃金に関する不利益変更であるから,その合理性については厳格に判断されなければならない。 被告は,本件協定による計画年休制度の導入によって,原告らが実際に従事する労働日数は変わらないまま,計画付与された年休取得に伴う平均賃金等を受け取ることになるため,皆勤手当の廃止の前後で原告らが受け取る賃金の総額は変わらないから,原告らに皆勤手当の廃止による不利益はなく,むしろ1日でも欠勤すれば受給できない皆勤手当よりもより安定した賃金を得るメリットがあると主張する。 しかしながら,本件協定による計画年休制度というのは,被告において従業員が年次有給休暇を取得する日にちを指定するものにすぎず,当該制度によって,原告らの賃金が増加したり,新たな有給休暇が付与されたり,労働日数が減少したりするものではないから,これによって,直ちに原告らが何らかの利益を受けるものとは考え難い。 また,被告は,被告の従業員は,従来は年次有給休暇の取得を遠慮する風潮があったが,変更後は被告が計画的に付与するため,年次有給休暇を取得しやすくなるとも主張する。しかし,パート社員を含む被告の従業員に年次有給休暇を取得する権利があること自体は当該変更の前後を問わず変わらないし,同従業員が自由に年次有給休暇を取得できるとするのではなく,労働時間や労働日数は変わらないまま年次有給休 暇の多くを被告の指定した日に消化させられることになるから,これを利益といえるかどうかについて疑問なしとはしない。 さらに,被告は,1年間で14日分の賃金(6万4750円)が増加したことになり,皆勤手当を廃止したことによる損失分(月5000円×12か月=年間6万円)が補てんされるとも主張するが,当該増加分の賃金は,所定労働日数が増加したこと 6万4750円)が増加したことになり,皆勤手当を廃止したことによる損失分(月5000円×12か月=年間6万円)が補てんされるとも主張するが,当該増加分の賃金は,所定労働日数が増加したこと に必然的に伴うものであるから,これをもって皆勤手当が廃止されたことに対する代 償措置に当たるということはできない。 加えて,被告は,従来1か月のうち1日でも欠勤すれば皆勤手当が支給されなかったが,新パートタイマー就業規則ではそのようなことがないから,むしろ従業員にとって有利な制度であるとも主張するが,原告らはほぼ毎月皆勤手当の支給を受けることができていたことは上記認定のとおりであるから,被告主張の点をもって,原告ら に有利な制度であるということはできない。 そうすると,本件協定による計画年休制度は,皆勤手当の廃止に伴う不利益の緩和措置又は代償措置として相当なものとはいい難い。 イ労働条件の変更の必要性皆勤手当を廃止する必要性についてみると,被告は,その理由について,給与計算 の簡素化と業績の悪化等を主張する。 しかしながら,皆勤手当の計算というのは主に各従業員に欠勤があるかどうかを確認するものであり,これが簡素化を迫られるほどに煩雑なものとは直ちに認め難い。 また,本件改定後も正社員については皆勤手当を残置していること(前提事実イ),からすると,パート社員についてのみ給与計算の簡素化を図る合理的理由にも乏しい。 さらに,業績の悪化について,被告代表者は,赤字が5期近く続いていると供述し(被告代表者9頁),本件改定の際の通知書にも「近年は売上金額の減額も続いており,経営状態は厳しさを増す一方ですが,当社と致しましてはなんとか雇用を維持していこうと努力しておりますので,ご理解の上,勤務して頂きますようお願い致し 際の通知書にも「近年は売上金額の減額も続いており,経営状態は厳しさを増す一方ですが,当社と致しましてはなんとか雇用を維持していこうと努力しておりますので,ご理解の上,勤務して頂きますようお願い致します。」という記載がある(乙4)ものの,業績の悪化やその程度を裏付ける的確な証拠 は存しない。 そうすると,給与計算の簡素化や業績の悪化という観点からは皆勤手当を廃止する必要性があったかどうか疑わしいといわざるを得ず,他に皆勤手当の廃止の必要性を裏付ける証拠もない。 ウ労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情 上記認定事実によれば,被告は,従業員全員に対し,個別に本件改定について説明 をし,原告らを除いた従業員からは書面で同意を得ているのであって,パート社員に限ってみてもその多く(30名のうち少なくとも25名)が本件改定に同意したと認めることができる。 他方で,本件改定の前に原告らが結成した労働組合との交渉が行われた形跡はない。 なお,被告は,タイムレコーダーの側にある掲示板にBを選出することについて意 見や立候補を求める張り紙を掲示する方法によって,Bを過半数代表として選出し,意見聴取をしている旨を主張する。しかし,原告X1は被告の主張するようなBを代表として選出する旨の掲示物を見たことがないと述べ(原告X1 4頁),被告代表者は従業員同士で行うことなのでどのような選出方法をとったかわからないと述べており(被告代表者17頁以下),被告が主張するような選出方法が実施されたと認 めるに足りる的確な証拠はない。 エまとめ以上によれば,本件改定により皆勤手当が廃止されたことによって原告らが受ける不利益の程度は小さくなく,被告が主張する上記不利益の代替措置を踏まえてもその内容が相当なもの 証拠はない。 エまとめ以上によれば,本件改定により皆勤手当が廃止されたことによって原告らが受ける不利益の程度は小さくなく,被告が主張する上記不利益の代替措置を踏まえてもその内容が相当なものとは言い難いのであって,また,本件改定の必要性についても疑問 があるといわざるを得ない。そうすると,被告が,本件改定に当たっては個別に従業員に説明して同意を取得し,多くの従業員がこれに賛同しているという事情を踏まえたとしても,本件改定(新パートタイマー就業規則)のうち皆勤手当の廃止に関する部分は,同意しない原告らに対しこれを法的に受忍させることもやむを得ない程度の高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであるということはできない。 小括以上のとおり,本件改定のうち皆勤手当の廃止にかかる部分について合理性はなく,労働契約法10条所定の要件を満たさない。したがって,原告らは,被告に対し,労働契約に基づき,皆勤手当の支払請求権を有する(なお,皆勤手当は欠勤のない場合に限って支給されるものであるが,弁論の全趣旨により,原告らは本件改定以降口頭 弁論終結日までは皆勤手当の支給要件を満たすものとして認める。)。 一方,皆勤手当の支払を求める原告らの請求のうち,口頭弁論終結日の翌日以降将来にわたっての支払を求める部分については,原告らが皆勤手当の支給要件を満たすとは必ずしもいうことができず,皆勤手当が支給されるべきか否かいまだ不明であるから,これを却下すべきである。 したがって,本件改定以降口頭弁論終結日までに支払日が到来した皆勤手当のみの 請求を認めることとし,原告らは,被告に対し,それぞれ,労働契約に基づく皆勤手当(平成26年11月分から平成29年11月分までの37か月分)として18万5000円(5000円× 皆勤手当のみの 請求を認めることとし,原告らは,被告に対し,それぞれ,労働契約に基づく皆勤手当(平成26年11月分から平成29年11月分までの37か月分)として18万5000円(5000円×37か月分)の支払請求権及びうち1万円(原告らが請求する平成26年11月分及び12月分の皆勤手当)に対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を有するから,その限度で原告らの請求は理由がある。 3 結論以上の次第で,原告らの請求は,不法行為による損害賠償請求権に基づき各9万5000円及びこれに対する平成27年1月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める部分並びに労働契約に基づく皆勤手当として各18万5000円及びうち1万円に対する平成27年1月1日から支払済みま で同割合による遅延損害金の支払を求める部分の限度で理由があるからこれを認容し,平成29年12月19日(口頭弁論終結日の翌日)以降に支払日が到来する皆勤手当の支払を求める部分及び本判決確定の日の翌日以降に支払日が到来する通勤手当の支払を求める部分は不適法であるからこれを却下し,その余は理由がないから棄却するのが相当である。 よって,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所小倉支部第3民事部 裁判長裁判官鈴木博 裁判官宮 﨑 文康 裁判官池内雅美 内雅美

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