- 1 - 主文 1(第1事件について)⑴ 糸島市消防本部消防長が原告A1に対して平成29年3月3日付けでした懲戒免職処分を取り消す。 ⑵ 被告は、原告A1に対し、100万円及びこれに対する平成29年3月3 日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 原告A1のその余の請求を棄却する。 2(第2事件について)原告B1の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、原告A1に生じた費用の20分の9と被告に生じた費用の20 分の7を原告A1の負担とし、原告B1に生じた費用の全部と被告に生じた費用の20分の5を原告B1の負担とし、原告A1に生じた費用の20分の11と被告に生じた費用の20分の8を被告の負担とする。 4 この判決は、第1項⑵に限り、仮に執行することができる。ただし、被告が100万円の担保を供するときは、その仮執行を免れることができる。 事実及び理由 第1 請求 1 第1事件⑴ 主文第1項⑴に同旨⑵ 被告は、原告A1に対し、300万円及びこれに対する平成29年3月3 日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 第2事件糸島市消防本部消防長が原告B1に対して平成29年3月3日付けでした懲戒処分(戒告)を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨 - 2 -第1事件及び第2事件は、糸島市消防本部(以下、糸島市消防本部の前身である糸島地区消防厚生施設組合糸島消防本部を併せて「消防本部」という。)の職員であった原告らが、他の職員に対するハラスメント行為を行ったことなどを理由として、処分行政庁により、原告A1については懲戒免職処分(以下「本件免職」という。)を、原告B1については戒告の懲戒処分(以下「本件 戒告」といい、本件免職と併せて 行為を行ったことなどを理由として、処分行政庁により、原告A1については懲戒免職処分(以下「本件免職」という。)を、原告B1については戒告の懲戒処分(以下「本件 戒告」といい、本件免職と併せて「本件各処分」という。)を受けたところ、本件各処分が違法であると主張して、被告に対し、本件各処分の取消しを求めるとともに、原告A1が、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、本件免職とこれに関する情報流出による慰謝料300万円及びこれに対する本件免職がされた日である平成29年3月3日から支払済みまで民法(平成29年法律 第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(証拠を掲げたもののほかは当事者間に争いがない。)⑴ 当事者等についてア原告A1は、平成5年4月1日、糸島市消防本部に採用され、平成14 年4月1日、消防士長(概ね主任級)に、平成22年4月1日、消防司令補(概ね係長級)に昇任し、本件免職を受けた平成29年3月3日当時、消防本部予防課予防係長を務めていた(本件免職時43歳)。なお、原告A1は、本件免職を受けるまでに、懲戒処分を受けたことはなかった。(甲74、乙173) イ原告B1は、平成10年4月1日、糸島市消防本部に採用され、平成22年4月1日、消防司令補(概ね係長級)に昇任し、本件戒告を受けた平成29年3月3日当時、消防本部警防課通信指令第3係長を務めていた(本件戒告時41歳)。なお、原告B1は、本件戒告を受けるまでに、懲戒処分を受けたことはなかった。(乙173、丙14) ウ C1は、平成4年4月1日、消防本部に採用され、平成29年3月3日 - 3 -付けで分限免職処分を受けた(分限免職処分時45歳。乙173)。 エその他 た。(乙173、丙14) ウ C1は、平成4年4月1日、消防本部に採用され、平成29年3月3日 - 3 -付けで分限免職処分を受けた(分限免職処分時45歳。乙173)。 エその他の本件関係者の略称は、別紙「関係者略称一覧」のとおりである。 ⑵ 被告の消防組織について(乙123、乙132、乙146~164、証人D1、弁論の全趣旨)ア被告は、消防組織法に基づき、消防機関として、糸島市消防本部及び糸 島市消防署(以下「消防署」という。)を設置し、消防署には、本署のほか、前原、志摩、二丈の各出張所が設けられている。 イ消防本部は、消防長を長とし、消防長を補佐する次長のほか、消防総務課、予防課、警防課を設けて、消防職員を配置している。消防署は、消防署長を長とし、第1から第3までの各警備課を設けて、消防職員を配置し ている。 ウ消防本部及び消防署に属する消防職員は、日勤(日中に勤務するもの)と当務(隔日で24時間勤務するもの)に分かれ、このうち当務の者によって消防隊が編成され、火災等の現場における消火活動等に従事する。消防隊は、消防署長を長とし、1部から3部までの各中隊を編成し、各部(各 中隊)には、部隊長及び中隊長からなる指揮隊、本署に第1小隊、第2小隊及び救急小隊を、前原、志摩、二丈の各出張所に各小隊をそれぞれ設置している。さらに、平成26年4月以降、各部(各中隊)に通信指令を設置している。 ⑶ 消防本部及び消防署における勤務等の概要について ア消防本部及び消防署に属する消防職員のうち、日勤の者は、消防隊には編成されず、消防本部及び消防署における通常事務に従事し、当務の者は、平時は日勤と同様に事務に従事しつつ、火災等が生じた場合には、消防隊として消火活動等に従事する(乙132、証人D 者は、消防隊には編成されず、消防本部及び消防署における通常事務に従事し、当務の者は、平時は日勤と同様に事務に従事しつつ、火災等が生じた場合には、消防隊として消火活動等に従事する(乙132、証人D1、弁論の全趣旨)。 イ当務の標準的な勤務時間の割振は、次のとおりである(乙117)。 午前8時30分から午後0時まで正規の勤務 - 4 -午後0時から午後1時まで休憩午後1時から午後6時まで正規の勤務午後6時から午後7時まで休憩午後7時から午後9時30分まで正規の勤務午後9時30分から翌午前7時まで正規の勤務(うち3時間) 休憩(うち6時間30分)午前7時から午前8時30分まで正規の勤務午前8時30分勤務終了ウ消防職員の主な訓練の概要登攀訓練 消防署本署にある高さ約7mの引揚塔と呼ばれる訓練用の塔において、その屋上に結び付けたロープを握り、両手の力だけを用いて上る訓練である。同訓練には、通常、登攀者の落下を防止するために登攀者の身体に巻き付けたロープを確保する者や確保ロープの長さを調整する者、訓練の安全を管理する者などが立ち会うことになる(甲41、甲42の2、 乙87、弁論の全趣旨)。 消防基礎訓練(防御訓練)防火衣着装訓練、呼吸器着装訓練、ホース延長訓練、3連はしご訓練(はしごを設置して上り下りする訓練)、ロープ結索訓練、要救助者の検索・搬送訓練の一連の訓練を1セットとして行う訓練である。なお、 要救助者の搬送方法には、引きずって搬送する方法と、抱え上げて搬送する方法(ファイヤーマンズキャリー等)がある。(甲4、乙87、弁論の全趣旨)ロー 1セットとして行う訓練である。なお、 要救助者の搬送方法には、引きずって搬送する方法と、抱え上げて搬送する方法(ファイヤーマンズキャリー等)がある。(甲4、乙87、弁論の全趣旨)ロープブリッジ渡過訓練高所に水平に展張したロープを渡る訓練であり、ロープにまたがるよ うな体勢で渡る訓練(セーラー渡過)とロープにぶら下がる体勢で渡る - 5 -訓練(モンキー渡過)がある。渡過中にロープから落ちた場合、通常、身体に装着した命綱のみでの宙吊り状態となる。(丙7、弁論の全趣旨)⑷ 本件各処分についてア糸島市消防本部消防長(E1)は、平成29年3月3日、原告A1に対し、別紙「A1 処分に係る非違行為」記載の各行為(以下、これらの各 行為をその番号に従い、「A1非違行為1」「A1非違行為6の第1」などと表記する。)が、地方公務員法35条及び糸島市ハラスメントの防止等に関する規程(以下「ハラスメント防止規程」という。)5条1項に反するとして、地方公務員法29条1項1号及び2号に基づき、免職にする旨の懲戒処分をした(甲1)。 イ糸島市消防本部消防長は、平成29年3月3日、原告B1に対し、別紙「B1 処分に係る非違行為」記載の各行為(以下、これらの各行為をその番号に従い、「B1非違行為1」「B1非違行為2の第1」などと表記する。)が、ハラスメント防止規程5条1項に反するとして、地方公務員法29条1項1号に基づき、戒告する旨の懲戒処分をした(丙1、3)。 ウ糸島市消防本部消防長は、原告らの他に、C1及びF1を含む他の消防職員11名及び管理監督責任として5名の消防職員に対し、別紙「処分対象者一覧」のとおり、分限処分、懲戒処分及び文書訓告を行った(乙173)。 ⑸ 新聞記事の掲載等について F1を含む他の消防職員11名及び管理監督責任として5名の消防職員に対し、別紙「処分対象者一覧」のとおり、分限処分、懲戒処分及び文書訓告を行った(乙173)。 ⑸ 新聞記事の掲載等について ア平成29年3月1日の西日本新聞朝刊において、「糸島市消防本部集団パワハラ」「職員13人暴行、軟禁上司にも」との見出しで、「福岡県の糸島市消防本部内で、消防職員13人が集団で数年にわたり、約30人の同僚にパワーハラスメント行為を繰り返していたとして、市が懲戒処分を視野に内部調査を進めていることが28日分かった。」「市関係者 などによると、中心メンバーはいずれも40代男性の課長補佐級と係長級 - 6 -の2人。仲間の11人の職員とともに、部下への訓練を装った暴行やいじめ、通常業務中の嫌がらせを繰り返していた。」「西日本新聞の取材に対し、市側はパワハラがあったことを認め、『処分を検討している』としている。」との記事(以下「本件記事」という。)が掲載された(甲39)。 イ平成29年3月6日放送の日本テレビの情報番組では、「消防職員13 人がパワハラで処分、免職も、しごき・暴言に加え逆パワハラも」として、中心的立場にあったという43歳係長と45歳課長補佐を免職にしたほか、パワハラ行為を繰り返したとして職員11人を処分した旨の報道がされた(甲40)。 ⑹ 原告らによる不服申立て等について ア原告A1は、平成29年6月1日付けで、糸島市公平委員会に対し、本件免職の取消しを求める審査請求をした(甲30)が、裁決がされないまま3か月が経過したことから、平成30年3月5日、第1事件に係る訴えを提起した。 イ原告B1は、平成29年5月26日、糸島市公平委員会に対し、本件戒 告の取消しを求める審査請求をしたが まま3か月が経過したことから、平成30年3月5日、第1事件に係る訴えを提起した。 イ原告B1は、平成29年5月26日、糸島市公平委員会に対し、本件戒 告の取消しを求める審査請求をしたが、糸島市公平委員会は、令和元年9月26日、上記審査請求を棄却する旨の裁決をした(丙2)。原告B1は、令和2年3月12日、第2事件に係る訴えを提起した。 ウ原告らのほか、C1及びF1も、それぞれ分限免職処分及び停職6月の懲戒処分の取消しを求める訴えを提起した(弁論の全趣旨)。 ⑺ 関係法令等の定めア地方公務員法29条(懲戒) 1 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。 一この法律若しくは57条に規定する特例を定めた法律又はこれに - 7 -基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合二職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合三全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合30条(服務の根本基準) すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。 33条(信用失墜行為の禁止)職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。 35条(職務に専念する義務)職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。 イ糸島市ハラスメントの防止等に関する規程(乙62。ハラスメント防止 規程)別紙「糸 その職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。 イ糸島市ハラスメントの防止等に関する規程(乙62。ハラスメント防止 規程)別紙「糸島市ハラスメントの防止等に関する規程」のとおりであり、このうち、主要な条項は次のとおりである。 第2条(定義)この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定め るところによる。 ⑴ セクシュアル・ハラスメント他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。 ⑵ パワー・ハラスメント他の職員に対して、職務上の地位や人間関 係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神 - 8 -的若しくは身体的苦痛を与える言動又は職場環境を悪化させる言動をいう。 ⑶ その他のハラスメント前2号に定める言動を除くほか、他の職員に対して、言葉、態度、身振り、文書等により、職員の人格や尊厳を傷つけ、精神的若しくは身体的苦痛を与える言動又は職場環境を悪化 させる言動をいう。 (以下、略)第5条(職員の責務) 1 職員は、職員相互の人権を尊重し、ハラスメントをしてはならない。 ウ糸島市職員の懲戒処分の基準に関する指針(乙56。以下「本件懲戒指 針」という。)別紙「糸島市職員の懲戒処分の基準に関する指針」のとおり。 本件懲戒指針によれば、職員の非違行為が、別表に掲げる非違行為に該当するときは、非違行為の動機、態様及び結果等の事項を総合的に考慮し、同表に掲げる懲戒処分の種類を決定するものとされ(第2条)、別表に掲 げる非違行為に該当しないときは、別表に掲げる非違行為に対する懲戒処分の取扱いに準じて当該行為に対する懲戒処 合的に考慮し、同表に掲げる懲戒処分の種類を決定するものとされ(第2条)、別表に掲 げる非違行為に該当しないときは、別表に掲げる非違行為に対する懲戒処分の取扱いに準じて当該行為に対する懲戒処分を決定するものとされている(第11条)。そして、職員が非違行為を2以上行ったとき(第3条)や、⑴非違行為の態様が極めて悪質であるとき、⑵非違行為が他の職員及び社会に与える影響が特に大きいとき(第4条)には、別表に掲げる懲戒 処分の種類のうち最も重い懲戒処分よりも重い懲戒処分を行うことができると定められている。 なお、被告においては、「糸島消防本部職員の懲戒処分の基準に関する指針」(乙1)を定め、平成18年11月15日より施行していたところ、平成22年5月12日、「糸島市職員の懲戒処分の基準に関する指針」(乙 98)を定めて施行し、さらに、平成27年3月30日に一部改定をして - 9 -施行している(乙56)。 3 争点⑴ 原告A1についてア本件免職に係る懲戒事由該当性イ本件免職が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか ウ本件免職の手続の違法の有無エ国家賠償法1条1項所定の違法行為の有無オ損害の発生及び額⑵ 原告B1についてア本件戒告に係る懲戒事由該当性 イ本件戒告が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか 4 争点に関する当事者の主張⑴ 本件免職に係る懲戒事由該当性(争点1)【原告A1の主張】ア A1非違行為1(職務懈怠) 指摘された期間において、勤務時間中に喫煙等による離席時間があったことは認めるが、離席時間の正確な長さは知らず、職務に専念しなかったとの評価は争う。離席について、上司から指導・注意を受けたことはなく、業務に支障をきたすこ 勤務時間中に喫煙等による離席時間があったことは認めるが、離席時間の正確な長さは知らず、職務に専念しなかったとの評価は争う。離席について、上司から指導・注意を受けたことはなく、業務に支障をきたすことはなかった。 イ A1非違行為2(しごき) 登攀訓練が行われたのは、平成24年1月18日の1回限りであり、通常の訓練を行う流れの中で登攀訓練を行った。この訓練には、原告A1の上司であるG1及びH1が立ち会っており、他方で、I1は登攀訓練に参加していなかった。J1は、登攀を3本しかしておらず、登攀の際に体力の限界をきたして手を離し、一時的に宙吊りになったことはあ ったが、1回のみであり、その時間も2~3分程度で、15~20分間 - 10 -も宙吊りのまま放置したことはなかった。J1は、ロープが腹部に食い込み、痛みを訴えたため、G1の指示により、すぐに地面に降ろされた。 原告A1は、J1に対し、「うぅとか、痛いとか言うな、情けない。なんが自衛隊出身や。」とは述べておらず、訓練の場からも離れていない。 上記の登攀回数は、当時のJ1の登攀能力に応じたものであって、5 ~10分程度の宙吊りは日常的に行われており、J1が宙吊りになった時間はこれより短い時間であった。原告A1は、行き過ぎた訓練を行ったという理由で上司から注意を受けたことはなく、非違行為性を基礎づけることにはならない。仮に原告A1が上記発言をしたとしても、少なくとも懲戒処分を正当化するような非違行為性があるとはいえない。 ウ A1非違行為3(いじめ)原告A1は、J1をトレーニング室に呼び出しておらず、共同で訓練をしたにすぎない。トレーニングの際にJ1の身体にロープを縛着して懸垂を補助したことはあるが、これは、懸垂の回数が体力の限界にきたときに、 A1は、J1をトレーニング室に呼び出しておらず、共同で訓練をしたにすぎない。トレーニングの際にJ1の身体にロープを縛着して懸垂を補助したことはあるが、これは、懸垂の回数が体力の限界にきたときに、鉄棒に引っ掛けたロープを牽引して身体を引っ張り上げて補助 することで、更に数回の懸垂を行うというトレーニングであり、ロープの結び方を併せて訓練するために考案されたものである。また、原告A1は、懸垂補助の際に、J1をロープで確保して約30分間宙吊りにしたことはなく、J1においても、懸垂器具等に足をつくことは可能であって、原告A1が「足をつくな。」と言ったことはない。 J1は、尋問前、宙吊り時間を連続して30分と述べていたが、尋問では、一番長い宙吊り時間が10分ほどであり、合計で30分程度であったと供述内容を変遷させており、10~30分の長時間の宙吊りが作り話であったというほかない。 このように、J1を宙吊りにした事実はなく、ロープを身体縛着する 方法での懸垂補助には合理的目的があったから、A1非違行為3の事実 - 11 -はなく、いじめと評価されるべきものではない。なお、原告A1は、ロープを身体縛着して懸垂を行う方法や雑巾掛け競争について、上司から指導・注意を受けたことはなかった。 全員で雑巾掛け競争を行い、負けた罰としてジャンピングスクワットや腕立て伏せを行ったことはあるが、これは、参加者が互いに笑い合う 和気あいあいとした雰囲気で行われた自主トレーニングであった。 エ A1非違行為4(いじめ、しごき)K1は、自主的にトレーニングを行っており、原告A1及びL1は、K1を呼び出していたわけではない。原告A1は、K1のトレーニングを指導したことはあるが、A1非違行為4に係るいじめやしごきを行った事実 1は、自主的にトレーニングを行っており、原告A1及びL1は、K1を呼び出していたわけではない。原告A1は、K1のトレーニングを指導したことはあるが、A1非違行為4に係るいじめやしごきを行った事実 はない。「お前、ほんとだごやね。」という発言は、K1を奮起させるための発言であって、けなしたわけではない。 オ A1非違行為5(しごき)平成24年6月8日に実施した訓練は、防御訓練ではなく、消防基礎訓練であり、全体で1本目を行い、休憩後、K1及びM1のみ、2本目、 3本目を連続で実施したが、4本目は行わせておらず、2本目と3本目の間にも、準備時間として、実際には約3~5分の休憩時間があった。 K1は、訓練後、熱中症の症状を呈したことから、原告A1が直ちに熱中症対策を取らせ、その後、K1が錯乱状態になったことはあったものの、意識は失っておらず、失禁についても知らない。 K1の訓練本数は相当性を逸脱したものではなく、全体で10~15分程度の休憩時間があり、K1を狙い撃ちにして何度も過酷な訓練をさせたという事実はない。訓練当日の最高気温は摂氏26度にすぎず、K1が倒れた原因はK1自身の体力が乏しかったことやK1が暑さに弱いこと等にあり、K1は体調に問題があるのであれば、上司に申告すべき であったのに申告しておらず、原告A1がK1の体調の変化を把握でき - 12 -る状況ではなかった。その後、原告A1は、訓練の内容について、上司から行き過ぎを指導されたことはなかった。糸島市の消防本部では若手のみ訓練回数を多く行うということがあり、K1とM1のみ訓練回数が多かったことをもってしても、非違行為性を基礎づけることにはならない。 カ A1非違行為6(いじめ)A1非違行為6の第1については、検索訓練及び搬 うことがあり、K1とM1のみ訓練回数が多かったことをもってしても、非違行為性を基礎づけることにはならない。 カ A1非違行為6(いじめ)A1非違行為6の第1については、検索訓練及び搬送訓練は自主訓練であり、L1が主導したものであって、原告A1はN1を呼び出しておらず、訓練にも参加していない。原告A1は、複数回、これらの訓練を実施しているところに通りかかったことはあり、和気あいあいとした雰 囲気で行われていた。原告A1は、N1が苦しんでいる様子を動画撮影したことはない。 A1非違行為6の第2についても、潜水ボンベの持ち運びは基礎体力の向上を目的とした自主訓練であり、L1が主導したものであって、原告A1は、N1を呼び出しておらず、訓練にも参加していない。原告A 1は、この訓練を1回見学し、その際、L1とN1に対し、潜水ボンベを運ぶ訓練を促したことはある。この訓練も和気あいあいとした雰囲気で行われていた。 キ A1非違行為7(しごき)原告A1は、N1を消防署本署通信指令室に呼び出し、通信訓練に来 なかった罰として、パイプ椅子の上で腕立て伏せをさせたことはあるが、回数を指示しておらず、約100回まではさせていない。原告A1は、N1が119番通信受信業務に対して意欲がなく、業務の重要性を理解していないものと考え、119番通信受信業務への意識を高めさせるために、ペナルティとして腕立て伏せをさせたものである。 このように、原告A1がN1に腕立て伏せをさせたことには相応の理 - 13 -由があり、糸島市消防本部の訓練時におけるハラスメント防止マニュアル(乙95)によれば、100回の腕立て伏せはグレーゾーンであって、ハラスメントではなく、少なくとも本件免職の基礎事由とはなり得ない。 ク A 糸島市消防本部の訓練時におけるハラスメント防止マニュアル(乙95)によれば、100回の腕立て伏せはグレーゾーンであって、ハラスメントではなく、少なくとも本件免職の基礎事由とはなり得ない。 ク A1非違行為8(信用失墜行為)概ね認める。ただし、原告A1の発言の趣旨は、訓練の様子を見て、 実災害訓練がおろそかになっていることに危機感を覚えたからであり、市民に対し発言したわけではなく、隣にいたC1に対して陰口のつもりで発言した。市民が近くにいる場面で発言すべきではなく、軽率な発言であったと考えている。 A1非違行為8は、口頭注意等の対象にはなり得るものと考えられる が、発言の意図、発言がなされた状況を踏まえれば、地方公務員法35条及びハラスメント防止規程5条1項に反するものではなく、本件免職の基礎事由にはなり得ない。 ケ A1非違行為9(暴言)A1非違行為9の第1については、概ね認める。ただし、「あの馬鹿 が。」「あのO1の馬鹿が。」「お前んとこのアホ。」「お前んとこのキチガイが。」「お前んとこの左翼が。」とは発言しておらず、公然とO1を誹謗中傷等した事実はない。原告A1は、O1とは同期で仲が良かったが、その後、関係が完全に破綻し、O1に対する批判的な発言を個別の職員との雑談の中でしたが、公然と発言したわけではない。批判 した内容は、O1による訓練の不十分さに関するものがほとんどで、消防署の質の向上のために必要な批判であった。 A1非違行為9の第2のうち、原告A1が、I1に対し、「お前んちも大した家系やなかろうけん、分からんめぇね。」と発言したことは否認し、その余は概ね認める。 ハラスメント防止規程は、平成22年1月1日施行であり、A1非違 - 14 -行為9の第1及び第2での処 かろうけん、分からんめぇね。」と発言したことは否認し、その余は概ね認める。 ハラスメント防止規程は、平成22年1月1日施行であり、A1非違 - 14 -行為9の第1及び第2での処分は、ハラスメント防止規程の遡及適用であって、違法である。 コ A1非違行為10(侮辱)A1非違行為10の第1及び第2については、いずれも否認ないし知らない。原告A1とP1は、F1、Q1、R1とともに、冗談を言い合える 仲であって、仮にこれらの発言があったとしても、冗談の範疇として捉えられるべきものである。 サ A1非違行為11(侮辱・暴言)A1非違行為11の第1については、否認する。 A1非違行為11の第2の発言内容は概ね認める。ただし、約1時間 言い続けたのではなく、30~40分話したうちの最後の5分程度で発言したものである。S1の講習における受講態度が悪く、原告A1が指導をした際に感情的になってしまい、このような発言を行った。 A1非違行為11の第3のうち、原告A1が、「面白かったですね。」と答えたS1を睨み付けたことは否認ないし知らず、その余は概ね認め る。S1の消防業務に対する真剣さが伺えなかったことから、原告A1はこのような発言を行った。 シ A1非違行為12(暴言)A1非違行為12については、否認ないし知らない。T1と顔を合わせるのは朝の大交替以外、ほとんどなかった。仮にA1非違行為12の事実 があったとしても、口頭注意等の対象になり得るものの、本件免職の基礎事由とはなり得ない。 ス A1非違行為13(日常的な暴言)A1非違行為13の第1のうち、原告A1が、N1に対し、「イライラする。」「マジイライラする。」と発言したことは否認し、その余の 発言は、訓練中のものとして 1非違行為13(日常的な暴言)A1非違行為13の第1のうち、原告A1が、N1に対し、「イライラする。」「マジイライラする。」と発言したことは否認し、その余の 発言は、訓練中のものとして概ね認める。N1に早く一人前の立派な消 - 15 -防士になってもらいたいという思いから出た発言である。 A1非違行為13の第2については、認める。別の場所が空いているからそちらに行くように、という趣旨であり、悪意を持った発言ではない。 A1非違行為13の第3については、否認する。 A1非違行為13の第4については、否認ないし知らない。 A1非違行為13の第5については、概ね認める。冗談のつもりであったが、不適切な発言であり、謝罪する。 A1非違行為13の第6の発言内容は認める。ただし、これは、原告A1において、N1がベンチに横たわって休憩している状況を見て、喫 煙室にいたU1に対してした発言であり、N1に対し発したものではない。発言の状況や文脈からすれば、本件免職の基礎事由にはならない。 セ A1非違行為14(日常的な叱責)A1非違行為14の第1については、原告A1が、V1に対し、事あるごと、日常的に叱責したことは否認し、発言内容は概ね認める。叱咤 激励する趣旨で行ったものである。 A1非違行為14の第2については、否認する。人選の理由を尋ね、不公平・恣意的な人選をすべきではないと話したことがあるが、叱責したことはない。 ソ A1非違行為15(日常的な侮辱) 原告A1が、J1に対し、事あるごと、日常的に侮辱したことは否認し、発言内容は概ね認める。J1に対し、訓練中に奮起を促す趣旨で発言したものであり、本件免職の基礎事由とはなり得ない。 タ A1非違行為16(侮辱、暴言)A1 ごと、日常的に侮辱したことは否認し、発言内容は概ね認める。J1に対し、訓練中に奮起を促す趣旨で発言したものであり、本件免職の基礎事由とはなり得ない。 タ A1非違行為16(侮辱、暴言)A1非違行為16の第1については、概ね認める。不適切発言であり、 謝罪する。 - 16 -A1非違行為16の第2については、概ね認める。K1とコミュニケーションを図る目的で発言したものであり、原告A1は、続けて「冗談たい。がんばれよ。」と発言した。 A1非違行為16の第3のうち、顔を合わせるたび、であったことは否認し、その余は認める。もっとも、原告A1は、続けて「だけん、そ っちで一生懸命訓練させてもらっとけよ。今、訓練腹いっぱいしとかなー。後で苦労するけんな。頑張れ。」と発言した。 A1非違行為16の第4については、当時、原告A1は飲酒しており、記憶がない。酒席での発言であり、発言があったとすれば、冗談で述べたことと考えられるが、不適切発言であり、謝罪する。 A1非違行為16の第5については、原告A1が、K1に対し、事あるごとに侮辱、暴言をしたこと、「救急はダメな奴が多い。」と発言したことは否認し、その余は概ね認める。有能なK1に期待して救助隊としても成果を上げられるよう期待した発言であった。 チ A1非違行為17(執拗な叱責) 原告A1が、W1に対し、「うちの子どもの方がまだできる。」「辞めろ。」と発言したこと、毎当務であったこと、W1の頭をボールペンで小突くなどしたことは否認し、その余は認める。 ツ A1非違行為18(侮辱、暴言、日常的な侮辱、暴言)A1非違行為18の第1のうち、原告A1が、Xに対し、「俺は生ま れたときからIQが高いけん、何でもさばける。お前の家はIQが低いけ ツ A1非違行為18(侮辱、暴言、日常的な侮辱、暴言)A1非違行為18の第1のうち、原告A1が、Xに対し、「俺は生ま れたときからIQが高いけん、何でもさばける。お前の家はIQが低いけん、さばけん。X家残念やね。」と発言したことは否認ないし知らず、その余は認める。 A1非違行為18の第2のうち、原告A1が、Xに対し、「つまらん訓練しようねぇ。東京ではどんな訓練しよったと?」と複数回言ったこ と、「東京でも理不尽で殺されとったろうが。俺とお前が同じ部になっ - 17 -たら理不尽で殺すけん、覚悟しとけよ。」と1回限り言ったことは認め、その余は否認する。 A1非違行為18の第3のうち、原告A1がXに対し1回限り「東京消防庁も大したことないね。」と言ったことは認め、事あるごとに言ったことは否認する。 A1非違行為18の第4については、認める。ただし、Xに頼んでいた仕事ができておらず、誤字脱字が多く、法令理解が低いことを受けて言ったものである。 テ A1非違行為19(日常的な暴言、暴言、執拗な非難)A1非違行為19の第1のうち、原告A1がYと顔を合わせるたびに発 言したこと、「やめろ。」と発言したことは否認し、その余は認める。A1非違行為19の第2から第5までについては、認める。これらはいずれも指導としてなされたものである。 ト A1非違行為20(サービス残業の強要、日常的な叱責)原告A1が、予防係の部下であったY、W1及びXに対し、日常的に不 要不急の時間外勤務を指示した上、時間外勤務命令の措置を採らず、サービス残業を強要したことは否認し、その余の発言内容は認める。 ナ A1非違行為21(強要)原告A1が、M1に対し、謝罪に行くように強要したことは否認し、その余は認める 命令の措置を採らず、サービス残業を強要したことは否認し、その余の発言内容は認める。 ナ A1非違行為21(強要)原告A1が、M1に対し、謝罪に行くように強要したことは否認し、その余は認める。M1が、Z、Q1及びF1のパワーハラスメントをハラス メント相談員に相談したことについて、原告A1に対し後悔していることを話したため、原告A1は、M1に対し、上記3名に謝罪するように話したものである。 ニ A1非違行為22(無視)A1非違行為22の第1から第6までについては、いずれも否認する。 【被告の主張】 - 18 -ア A1非違行為1(職務懈怠)A1非違行為1は、消防職員であるA2、D1及びI1により、原告A1が煙草を吸うために離席した時間を調査及び記録されたものであり、この離席時間には、会議、業者対応、作業等の業務による離席は含まれていない。 現認された離席時間からすると、原告A1は、毎日1時間~1時間40分以上、業務以外の目的で離席していたことになる。原告A1による長時間の離席により、問合せがある都度、通信指令室に伝えて庁内放送で呼び出さなければならないなど、業務に現実的な支障が生じていた。 そもそも、原告A1が離席した時間に相当する部分の職務懈怠が問題で あって、現実的な支障の有無は問題にならない。 業務以外の目的(原告A1の場合は喫煙及び雑談)で長時間離席することが許されないことは常識である上、B2、G1から離席を注意されており、悪質である。 イ A1非違行為2(しごき) 原告A1は、登攀訓練の進行者として、原告B1はJ1の直接の指導者として、原告A1の進行の下、J1を宙吊りにする目的で(少なくとも、J1が宙吊りになることを予測し、それを容認しながら)登攀させ、 原告A1は、登攀訓練の進行者として、原告B1はJ1の直接の指導者として、原告A1の進行の下、J1を宙吊りにする目的で(少なくとも、J1が宙吊りになることを予測し、それを容認しながら)登攀させ、5.5本目の登攀の際に力尽きて登攀できなくなったJ1を短くとも10分程度、宙吊りの状態で放置した。原告B1は、その際、宙吊りにな ったJ1に対し、「はよ上がれ!自分でどうにかせれ!人助けるっちゃろうが。」など野次を飛ばす発言を行った。 この登攀訓練は、新人のJ1をターゲットとして行われたもので、原告A1は、J1については2本連続登攀が限界であると認識していたのに、当初からJ1が力尽きて宙吊りになるまで登攀させる考えであった。 糸島市の消防本部では、この前後数年間に登攀訓練がほとんど行われ - 19 -ておらず、J1以外の者が宙吊りになっていないことから、登攀訓練で力尽きて宙吊りになることは決して日常的なことではなく、宙吊りになってロープが身体に食い込めば激痛が走り、大けがに繋がりかねない危険性のある悪質なものである。 原告B1は、第1小隊の新人であるJ1の直属の上司(分隊長)であ ったにもかかわらず、J1が力尽きて宙吊りになることを認識しながら何本も登攀させる原告A1に同調し、J1が短くとも10分程度吊るされている間、J1を「バカ」と思って見ており、上記の発言は激励等ではなく、野次と評価されるべきものである。 ウ A1非違行為3(いじめ) a 原告らは、F1及びJ1との当務が重なったほぼ毎当務(46当務、仮に前半のみとしても23当務、少なくとも20日程度)、力尽きて懸垂器から手を放したJ1を宙吊りにする目的で(少なくとも宙吊りになることを予測し、それを容認しながら)、J1の身体をロープで縛着して 仮に前半のみとしても23当務、少なくとも20日程度)、力尽きて懸垂器から手を放したJ1を宙吊りにする目的で(少なくとも宙吊りになることを予測し、それを容認しながら)、J1の身体をロープで縛着して懸垂させ、力尽きて手を放したJ1を、20日程度(少なく とも2日以上)、1日数回(1~3回)、1日合計30分程度宙吊りにした。 b 懸垂トレーニングの補助としては、足首を支える方法等により行うものであり、ロープを身体に縛着させるなど、通常あり得ない。ロープで縛着した状態で懸垂させるなどという行為は、懸垂補助の目的で はなく、懸垂者が力尽きて手を放してもロープで吊るし、降ろさせないこと以外に合理的に説明可能な目的は存在しない。J1が懸垂器具等に足を置こうとしても、原告B1やF1から「足をつくな!」と一喝され、足を置いて休めない状況であった。 そして、通常の訓練で極限状態まで追い込んでしまうと、職務を遂 行できなくなる不都合が生じることから、仮に体力の限界を超えた極 - 20 -限状態まで追い込む訓練を行うのであれば、事前に訓練の目的を具体的に設定し、日頃の訓練から対象者の体力の限界を把握した上で、訓練の目的に照らし必要な範囲内で訓練内容を検討し、訓練環境を整えた上で行う必要があり、そのような事前の調整、検討ないし準備がなく、体力の限界を超えた極限状態に追い込む行為は、訓練ではなく、 かつ、J1のみを対象としていることからしても、いじめやしごきにすぎない。 a 原告A1及び原告B1らは、10~15日程度、1日につき5~6回程度、新人で他の競争者より体力の劣るJ1をして、J1がほぼ必ず負けて罰ゲームとしてジャンピングスクワット等をせざるを得ない ことを予測して、それを容認しながら、J1に雑巾掛け競争をさせ 回程度、新人で他の競争者より体力の劣るJ1をして、J1がほぼ必ず負けて罰ゲームとしてジャンピングスクワット等をせざるを得ない ことを予測して、それを容認しながら、J1に雑巾掛け競争をさせ、負けたJ1にジャンピングスクワット等の罰ゲームをさせたこと、しかも、力尽きたJ1を見て嘲笑したことがあった。 b 雑巾掛け競争については、J1とF1で競争をし、次いでJ1と原告B1で競争することを繰り返し、J1は競争に参加し続けていたた め、罰を与えられたのは基本的にJ1のみであり、罰によって力尽き動けないJ1を笑う行為は、いじめに他ならない。原告B1にとっても、余りにきつくて笑うしかないというものであったにもかかわらず、原告A1らより体力が劣り、かつ新人で原告A1らに言われるままに競争や罰ゲームをせざるを得ないJ1をして、競争の都度ほぼ必ず罰 ゲームをさせる行為は、許されるトレーニングの内容ではなく、いじめ(訓練・指導の目的が認められない)に該当する。 エ A1非違行為4(いじめ、しごき)原告A1は、平成24年6月から9月までの間、ほぼ毎当務、午後7時にK1をトレーニング室に呼び出し、午後7時から午後8時30分頃 までの間、K1に対し、懸垂、腕立て伏せ、ベンチプレス等をさせ、そ - 21 -の間中、「お前、ほんとだごやね。」「しゃばい。」などと言ってK1をけなした。 昼間の訓練とは別に毎当務の夜間に約1時間半にわたり、K1のみに筋力トレーニングを強要したものであって、このような行為は、しごき(訓練や指導の範囲を逸脱している。)であり、K1をけなしたことは、 いじめ(訓練や指導の目的を見出すことができない。)と評価すべきである。「ほんとだごやね。」という言葉は人を見下して使うような言葉であり、人を を逸脱している。)であり、K1をけなしたことは、 いじめ(訓練や指導の目的を見出すことができない。)と評価すべきである。「ほんとだごやね。」という言葉は人を見下して使うような言葉であり、人を奮起させるときに使う言葉ではなく、K1をけなす目的で発せられた言葉であったといえる。 オ A1非違行為5(しごき) 最高気温摂氏26度、湿度80%という環境下、原告A1は、新人隊員であるK1及びM1に対し、防火服を装着した状態で、消防基礎訓練2本を行った10分後に3本目、そして休憩なく4本目を行わせた結果、K1が熱中症で意識を失い、失禁した。 原告A1の命じた防御訓練の回数は、緊急出動や通常業務が困難とな るほどで、訓練として相当な範囲を明らかに超えており、原告A1は、訓練の指導者及び安全管理者として、隊員の表情、顔色及び動作等によって疲労感や状態を確認すべき義務を負っていたにもかかわらず、新人であり体力のないK1とM1にのみ、何らの安全配慮や体調確認をせず、訓練を多くさせる理由を説明することなく、他の隊員よりも多い本数を 行わせており、このような行為は、しごき(訓練や指導の範囲を逸脱している。)に当たる。 カ A1非違行為6(いじめ)A1非違行為6の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 A1非違行為6の第1に係る検索訓練及び搬送訓練は、通常の訓練以 外の自主訓練として行われることがあるものの、自主訓練はあくまで本 - 22 -人の意思によって行われるものであって、A1非違行為6のように本人の意思に反して行われる訓練は、自主訓練ではない。この訓練では、空気が送られることのない状態の面体を装着して行われており、特に慎重な安全配慮が求められるものの一つであって、通常の訓練以外でこのような行為 に反して行われる訓練は、自主訓練ではない。この訓練では、空気が送られることのない状態の面体を装着して行われており、特に慎重な安全配慮が求められるものの一つであって、通常の訓練以外でこのような行為を命じ、かつN1とC2のみを狙い撃ちして行わせることは、 いじめ(訓練や指導の目的を見出すことができない。)と評価すべきである。しかも、N1は、何ら失敗をせず、体力の限界を迎えたにすぎないのに、N1のみが延々と腕立て伏せをさせられ、Yを担いで車庫内を走らされており、和気あいあいといえるような状況ではなかった。 キ A1非違行為7(しごき) A1非違行為7のとおりの事実が認められる。 原告A1は、非のないN1に対し、ペナルティと称して腕立て伏せを約100回行わせたものであり、原告A1が主張する通信受信業務の重要性を理解させるという目的とペナルティとして腕立て伏せをさせるという手段との間に必要性、相当性がなく、悪質なしごき(訓練や指導の 範囲を逸脱している。)に該当する。 ク A1非違行為8(信用失墜行為)A1非違行為8のとおりの事実が認められる。 発言内容に照らせば、訓練内容を誹謗中傷する目的以外の意図は考えられず、地方公務員法29条1項1号、30条、33条、29条1項2 号及び3号に該当し、本件懲戒指針に定める「職場内秩序を乱す行為」であり、セクシュアル・ハラスメントにも該当する。市民の前で、市民に聞こえるような声で、このような発言を行うことの悪質性は論を待たない。 ケ A1非違行為9(暴言) A1非違行為9の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 - 23 -原告A1は、公然と他の職員の前でO1を誹謗中傷等しており、まさに暴言である。A1非違行為9の第1及び第2は、地方公務員 1非違行為9の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 - 23 -原告A1は、公然と他の職員の前でO1を誹謗中傷等しており、まさに暴言である。A1非違行為9の第1及び第2は、地方公務員法29条1項1号、30条、33条、29条1項2号及び3号に該当し、本件懲戒指針で定める「職場内秩序を乱す行為」ないし「職場内秩序びん乱」に該当する。 コ A1非違行為10(侮辱)A1非違行為10の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 P1は、原告A1の暴言が繰り返されたことにより、吐き気の症状が出るようになり、酷いときには職場のトイレから出てこられないこともあった。原告A1は冗談の範疇である旨を主張するが、余りに自己中心 的で、何らの反省が見られず、悪質である。 サ A1非違行為11(侮辱・暴言)A1非違行為11の第1ないし第3のとおりの事実が認められる。 「理不尽で殺す」などという発言は、まさにパワーハラスメントそのものであり、「殺す」という言葉が消防署内で俗語になっている事実は 一切ない。また、D2の下では消防士としての使命を果たせないという趣旨の発言であるとすれば、まさに職場内秩序を乱す考えそのものである。A1非違行為11の第3は、原告A1がハラスメント研修を軽視するゆえになされたものであり、自己中心的な考えが見て取れる。 シ A1非違行為12(暴言) A1非違行為12のとおりの事実が認められる。 A1非違行為12は、1度や2度ではなく、原告A1とT1が同じ係に所属していた平成24年2月、3月の間に、顔を合わせるたびに執拗に行われており、これによってT1は原告A1を極度に恐れて萎縮し、誰にも相談できないほど精神的に追い詰められたことを考慮すれば、A 1非違行為12は全体とし 3月の間に、顔を合わせるたびに執拗に行われており、これによってT1は原告A1を極度に恐れて萎縮し、誰にも相談できないほど精神的に追い詰められたことを考慮すれば、A 1非違行為12は全体として強い悪質性がある。 - 24 -ス A1非違行為13(日常的な暴言)A1非違行為13の第1ないし第6のとおりの事実が認められ、発言内容からして叱咤激励や冗談などではなく、暴言である。 セ A1非違行為14(日常的な叱責)A1非違行為14の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 V1は、原告A1による日常的な叱責によりストレスで食事が摂れなくなり、無理やり口に押し込んでも、全部吐いてしまうことがあったとのことであった。原告A1は余りに自己中心的な主張をし、何らの反省が見られず、悪質である。 ソ A1非違行為15(日常的な侮辱) A1非違行為15のとおりの事実が認められる。 「なんが空挺団か。」などという言葉は、J1の奮起を促す場面で使うものとは通常考えられず、日常的な侮辱に該当する。 タ A1非違行為16(侮辱、暴言)A1非違行為16の第1ないし第5のとおりの事実が認められる。A 1非違行為16の第2や第3の発言に続けて「冗談たい。がんばれよ。」「だけん、そっちで一生懸命訓練させてもらっとけよ。今、訓練腹いっぱいしとかなー。後で苦労するけんな。頑張れ。」などと発言した事実はない。A1非違行為16の第5の発言内容からみて、およそK1に期待した発言ではない。 原告A1は、A1非違行為16について、自己中心的な弁解に終始しており、全く反省をしておらず、改善が困難であることを示している。 チ A1非違行為17(執拗な叱責)A1非違行為17のとおりの事実が認められる。 床に正 について、自己中心的な弁解に終始しており、全く反省をしておらず、改善が困難であることを示している。 チ A1非違行為17(執拗な叱責)A1非違行為17のとおりの事実が認められる。 床に正座させて叱責すること自体が極めて侮辱的で異常なことであり、 原告A1の指導感覚に大きな問題がある。 - 25 -ツ A1非違行為18(侮辱、暴言、日常的な侮辱、暴言)A1非違行為18の第1ないし第4のとおりの事実が認められる。 原告A1は、同僚職員の家族を侮辱し、更に前職を理由に侮辱する性格であることがうかがえる。また、原告A1は、相手に非があった旨の弁解をしているが、たとえ相手に非があったとしても、許される行為で はなく、さらに、事実を歪曲して、その非を転嫁しようとしており、悪質性が高い。 テ A1非違行為19(日常的な暴言、暴言、執拗な非難)A1非違行為19の第1ないし第5のとおりの事実が認められる。発言内容に照らせば、原告A1による指導の意図など全く見て取ることができ ない。 なお、Yは、原告A1提出書証(甲26)で、これはハラスメント等ではなく、Y自身の仕事の向上のため指導された行為であるとしているが、これは、原告A1の働きかけによるものであり、Yの真意に基づくものではなく、その後、改めてA1非違行為19の内容に誤りがないことを再確 認している(乙5の2)。 ト A1非違行為20(サービス残業の強要、日常的な叱責)A1非違行為20のとおりの事実が認められる。係員の時間外勤務については、係長である原告A1が課長に対し時間外勤務の申請(報告)をしなければならなかったが、原告A1は、課長に報告せず独断で係員に対し て時間外勤務をさせており、まさにサービス残業の強要と評価すべきであ である原告A1が課長に対し時間外勤務の申請(報告)をしなければならなかったが、原告A1は、課長に報告せず独断で係員に対し て時間外勤務をさせており、まさにサービス残業の強要と評価すべきである。 ナ A1非違行為21(強要)A1非違行為21のとおりの事実が認められる。なお、M1はそもそもハラスメント相談員に相談しておらず、同相談員に相談したことを後 悔するはずがない。M1は、原告A1と話を合わせて、M1が原告A1 - 26 -に対しハラスメント相談員に相談したことを後悔しているかのような返事をしたのは、原告A1の話に合わせたからにすぎない。 M1は、平成24年11月から平成25年3月までの間、うつ病により休職を余儀なくされ、その主たる原因は、前原出張所勤務におけるZ、Q1、F1との関係や同人らの行為によるものであった。原告A1は、 M1の休職理由について事実確認をせずに、M1に対し、一方的にZらへの謝罪を強要しており、原告A1がいかにハラスメントを軽視し、M1を軽視していたかを顕著に示すものである。 ニ A1非違行為22(無視)A1非違行為22の第1ないし第6のとおりの事実が認められる。 ⑵ 本件免職が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか(争点2)【原告A1の主張】ア非違行為の事実誤認A1非違行為には、事実でないものが多く含まれており、事実でないものを除外すれば、懲戒免職処分という判断に至ることは到底あり得ず、本 件免職は裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものである。 イ目的違反又は動機違反処分行政庁においては、原告A1を排除しようとする者のみから事情を聴いており、事実関係の調査が適切にされたとは到底いえず、特にA1非違行為3については、調査を尽くすこともせず 的違反又は動機違反処分行政庁においては、原告A1を排除しようとする者のみから事情を聴いており、事実関係の調査が適切にされたとは到底いえず、特にA1非違行為3については、調査を尽くすこともせずに懲戒免職という最 大限の不利益処分を科しており、懲戒免職処分ありきの事実関係の調査がなされた。 事実であるものについても、その時期も内容も曖昧であり、そのほとんどの非違行為が非常に古い事実関係であり、現時点において、懲戒処分の必要性があるとは考え難い。 いずれの事実も上司からの指導・注意がなされたことはなく、非違行 - 27 -為の相手方が原告A1に対して厳しい処分を求めているとも思われない。 このように、調査が杜撰で、恣意的な評価がなされ、懲戒免職という結論ありきの処分であることからすれば、本件免職には、目的違反、動機違反、他事考慮及び考慮不尽があり、裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものである。 ウ懲戒免職処分自体が重すぎること(平等原則違反)消防組織における懲戒処分事例で、懲戒免職処分に至った事案は明白な犯罪行為を行った場合だけであり、糸島市の懲戒事例では、犯罪行為を行った事案でも停職で済んでいる事案があり、原告A1につき、懲戒免職処分という結論にたどり着くはずがない。 このように、本件免職は、他の事例との比較において明らかに重すぎ、平等原則に違反しており、裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものである。 【被告の主張】ア裁判所が懲戒処分の適否を審査するに当たっては、懲戒権者と同一の立場に立って懲戒処分をすべきであったかどうか、又はいかなる処分を選択 すべきであったかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではない。裁判所は、懲戒権者の裁量権の行使に って懲戒処分をすべきであったかどうか、又はいかなる処分を選択 すべきであったかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではない。裁判所は、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り、違法であると判断すべきものである。 イ本件免職及び本件戒告は、本件懲戒指針の枠内で行われており、本件懲 戒指針の内容は著しく不合理とは認められないから、この指針の枠内で行われた本件免職及び本件戒告について、裁量権の濫用は認められない。 加えて、消防本部では、「訓練」「指導」という名目のもと、特に上官から部下に対し、「しごき」「いじめ」が行われやすい環境にあり、また、火災等の現場において、厳格な指揮命令体系と職員相互間における強固な 信頼関係の下に、危険な任務を遂行しなければならない場合が多々あると - 28 -いった特殊性がある。このような特殊性に照らすと、「しごき」「いじめ」、他の職員に対する暴言や侮辱、無視といった消防組織にとって肝要な指揮系統や信頼関係を揺るがすことに繋がる非違行為に対する懲戒処分については、特に処分者の裁量を尊重せざるを得ず、かつ尊重すべきである。 ウ A1非違行為につき、本件懲戒指針を当てはめると、A1非違行為2~ 7が、停職又は減給に相当し、A1非違行為1及び8~22が減給又は戒告に相当する。そして、次の個別事情が存し、非違行為を2以上行ったとき(第3条)、⑴非違行為の態様が極めて悪質であるとき、⑵非違行為が他の職員及び社会に与える影響が特に大きいとき(第4条)に該当するものとして懲戒処分が加重され、免職とされたものであり、非違行為と処分 の重さの均衡を失しておらず、かつ、均衡を失するような他の参考事 員及び社会に与える影響が特に大きいとき(第4条)に該当するものとして懲戒処分が加重され、免職とされたものであり、非違行為と処分 の重さの均衡を失しておらず、かつ、均衡を失するような他の参考事案も見当たらないから、社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用するものではない。 非違行為が22項49の行為にも及ぶ。 複数の非違行為が数年にわたり継続的に行われている。 各非違行為について、悪質性が高い。 非違行為による被害者が13人に及び、うち複数の被害者が抑うつ状態となり、吐き気等の症状に悩まされ、退職寸前まで追い込まれている。 A1非違行為は、厳格な規律維持と職員相互の強い信頼関係を基礎とする強固な団結力、これらの礎となるべき個々の職員の高い志の維持が 特に求められる消防本部内において、まさに組織内の規律を混乱させ、個々の職員の志をくじき、かつ職員の分裂を招いて団結力を妨害せんとする行為であり、消防組織に対する影響が甚大である。 エ原告A1は、ハラスメント防止に関する研修・指導を受けていた上、反省の意思がなく、指導や注意によって改善を図るのは極めて困難な状況で あった。 - 29 -オ原告A1主張の目的違反又は動機違反については、A1非違行為の調査は適切になされており、事実誤認はなく、恣意的な評価もされていない。 A1非違行為の時期及び内容は、懲戒免職の判断を行うのに必要な程度の具体性を十分に有しており、上司からの指導・注意がないまま懲戒免職処分を行うか否かは、諸般の事情を総合考慮して懲戒権者の裁量で判断され るべきものである。 カ以上に照らせば、本件免職が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したとは到底認められない。 ⑶ 本件免職の手続の違法の有無(争点3)【原告A 裁量で判断され るべきものである。 カ以上に照らせば、本件免職が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したとは到底認められない。 ⑶ 本件免職の手続の違法の有無(争点3)【原告A1の主張】 ア弁明の機会が適切に付与されていないこと公務員に対する懲戒処分については、法律上、弁明の機会の付与が義務付けられていないが、憲法31条の適正手続の理念及び懲戒免職処分が公務員たる身分を失わせる極めて重大な処分であることからすれば、弁明の機会は例外なく保障される必要があり、これを欠く処分は無効というべき である。 原告A1は、本件免職に関する調査を全く受けていなかったところ、平成29年2月24日、突然、自宅待機命令書を交付され、翌25日午前10時30分から弁明の機会が与えられることを伝えられたが、この時点では、弁明の対象となる非違行為を明らかにされなかった。そして、事情聴 取の際に、原告A1に対して初めて非違行為の内容が伝えられ、約2時間20分の聴取りが行われた。しかし、非違行為は22項目と多数あり、当日になって初めて非違行為が示されたことなどから、原告A1は、効果的な弁明を行うことができず、あくまで処分をする側の必要からする事実調査の域を出ないものであり、原告A1には、弁明の機会が適切に付与され なかった。弁明の機会が適切に付与されていれば、本件免職はなされなか - 30 -ったといえるから、重大な手続違反である。 イ糸島市職員懲戒分限審査委員会(以下「本件審査委員会」という。)の手続の違法性原告A1は、A1非違行為2の現場に上司であるG1がいた旨の弁明をしたものの、その内容が削除されて要約され、本件審査委員会は、原告A 1の弁明内容の全容を把握せず、G1等の事情聴取を行う 性原告A1は、A1非違行為2の現場に上司であるG1がいた旨の弁明をしたものの、その内容が削除されて要約され、本件審査委員会は、原告A 1の弁明内容の全容を把握せず、G1等の事情聴取を行うことなく、最終的な事実認定を行っており、著しい職務上の義務違反があった。また、原告A1により退職させられた職員が何人もいたという真偽不明で非違行為ではない事実をもって懲戒免職処分を選択し、更には、他の自治体の処分事例との比較検討を怠っており、明らかに違法である。 ウこのように、本件免職の手続には重大な違法があり、本件免職は取り消されるべきである。 【被告の主張】ア弁明の機会が適切に付与されていないことについて憲法31条が規定する法定手続の保障が行政手続にも及ぶ余地があると しても、行政手続と刑事手続にはその性質において自ずと差異があり、行政手続において常に法定手続の保障の機会を与えなければならないものではなく、公務員に対する懲戒処分において事前の告知・聴聞の手続が被処分者の権利として保障されているものではない。 したがって、被告において、原告A1に対し、弁明の機会を付与する法 的義務はなく、しかも、本件では、原告A1に弁明の機会を付与しており、手続上の取消事由にはなり得ない。 なお、原告A1には、糸島市消防本部における職場環境改善に関するアンケートによりハラスメントの存在を疑わせる調査結果が出た際に、ハラスメントを申告した職員を探し出そうとする言動があったことから、原告 A1を含む加害者らが、ハラスメントの証言者を探し出し、証人を威迫し、 - 31 -口裏合わせ等の証拠隠滅行為を行うおそれがあった。そのため、原告A1に対し、自宅待機命令書を交付した時点で処分に係る非違行為を明らかにしなか トの証言者を探し出し、証人を威迫し、 - 31 -口裏合わせ等の証拠隠滅行為を行うおそれがあった。そのため、原告A1に対し、自宅待機命令書を交付した時点で処分に係る非違行為を明らかにしなかった。 イ本件審査委員会の手続の違法性について否認し、争う。本件で処分の有無及び処分内容の検討については、糸島 市副市長を委員長とし、教育長、市長事務部局の部長ら等を委員とする本件審査委員会(糸島市職員懲戒分限審査委員会規則(乙119)参照)により審査され、事実関係については、糸島市総務課が対象者から聴取し、本件審査委員会に報告しており、D1その他消防本部職員が処分者側として関与した事実はなく、何ら違法とされる事情はない。 ⑷ 国家賠償法1条1項所定の違法行為の有無(争点4)【原告A1の主張】ア処分行政庁がなした本件免職は、C1派と捉えられた者を糸島市消防本部から排除する目的を実現する一環としてなされ、極めて雑な手続で進められたもので、原告A1は、C1派ナンバー2という位置付けで懲戒免職 処分となった。本件免職には、多数の明白な事実誤認があり、更に明白な裁量権の逸脱又は濫用が認められ、本件免職は国家賠償法上の違法な行為である。そして、これらの違法行為は明白なものであり、処分行政庁に過失があることも明らかである。 イ平成29年3月1日の西日本新聞朝刊に、原告A1を含む職員13名に よる糸島市消防本部内における集団パワハラ事件及び被告が「処分を検討している」旨のコメントが掲載され、同月2日の糸島新聞にも同様の記事が掲載された。本件懲戒委員会での審査が非公開で行われ、その委員ないし事務局の者、若しくは消防長ないしその部下が守秘義務を負っている(地方公務員法34条1項)にもかかわらず、原告A1らがパワハラ 事が掲載された。本件懲戒委員会での審査が非公開で行われ、その委員ないし事務局の者、若しくは消防長ないしその部下が守秘義務を負っている(地方公務員法34条1項)にもかかわらず、原告A1らがパワハラを行った かのような情報を新聞社にリークしており、この行為は、国家賠償法上の - 32 -違法な行為である。そして、情報リークは故意によるものであることは明らかである。 【被告の主張】いずれも否認し、争う。 ⑸ 損害の発生及び額(争点5) 【原告A1の主張】ア原告A1は、平成5年に糸島市消防本部に採用され、以来24年間、糸島市民の安全と安心のために一生懸命職務に取り組んできたのに、ハラスメント調査を行う旨で自宅待機命令を受け、翌日に本件審査委員会からの事情聴取を一度だけ受け、その後、本件免職を受けた。 このように、突然に、地方公務員という安定した職を失い、将来設計が全て崩れてしまい、家族を路頭に迷わせてしまうかもしれないという事態に直面し、原告A1は極度の不安とストレスを感じた。 イ原告A1は、本件記事を見たときは、衝撃を受けて嘔吐してしまったほどであり、目の前が真っ暗になり、本件免職を受けるまでの間、半狂乱の ようになり、ほとんど眠ることもできず、落ち着かないため家中を歩き回っている状態であった。原告A1は、本件免職を受け、その日のうちに精神的不調を来し、その後、うつ病と診断された。 ウ原告A1は、糸島市内の小中学校のPTA連絡協議会会長を務めていたが、本件免職を受けたことにより、会長としての活動ができなくなり、社 会から厳しい視線を感じざるを得なくなり、全国放送の情報番組でも本件免職を取り上げられた。このように、原告A1は、本件免職及びマスコミへの情報リークにより、社会的地位 活動ができなくなり、社 会から厳しい視線を感じざるを得なくなり、全国放送の情報番組でも本件免職を取り上げられた。このように、原告A1は、本件免職及びマスコミへの情報リークにより、社会的地位が崩壊するとともに、社会の厳しい非難を受ける立場に立たされた。 エこのように、本件免職及びマスコミへの情報リークによって原告A1に 生じた精神的損害は甚大で、300万円を下るものではない。 - 33 -【被告の主張】否認し、争う。 ⑹ 本件戒告に係る懲戒事由該当性(争点6)【原告B1の主張】ア B1非違行為1(しごき) 登攀訓練の実施日は平成24年1月18日の1回のみであり、多種の訓練(機械器具取扱訓練やホース延長、設定訓練)からの流れで登攀訓練が実施された通常の訓練であって、若手の体力訓練等というものではなく、当時、救急小隊であったI1はこの訓練には参加していなかった。 そして、J1の登攀本数は3本であり、J1は、3本目の登攀の際に、 途中でロープから手を放したために宙吊り状態となったが、15分から20分もの長い時間ではなく、しごきと評価されるようなものではなかった。そして、原告B1は、J1がまだ頑張れると思ったからこそ、J1に対し、檄を飛ばしたのであって、これは上司として部下の奮起を待つための指導の範囲内の行為であって、決して野次などと評価されるべ きものではない。 したがって、B1非違行為1自体、存在していない。 イ B1非違行為2(いじめ)B1非違行為2の第1については、原告B1は、午後7時から事務を執ることが多く、原告B1は、原告A1、F1及びJ1が一緒のときは いつも、トレーニングを行っていたということはなかった。原告B1は、J1と一緒にロープを使用して懸垂を実施 午後7時から事務を執ることが多く、原告B1は、原告A1、F1及びJ1が一緒のときは いつも、トレーニングを行っていたということはなかった。原告B1は、J1と一緒にロープを使用して懸垂を実施したことは認めており、これはロープの結索訓練を兼ねて実施したものであった。そして、原告B1は、J1がロープを使用して懸垂をした際に、約30分間も宙吊りにしたことはない。J1自身、30分連続の宙吊りにされたとの供述を、1 0分の宙吊りが3回あった旨供述を変遷させており、J1の供述自体、 - 34 -極めて不自然、不合理で到底信用できるものではない。また、ロープを使用した懸垂補助は、自然かつ合理的な方法であって、何らの疑義を生じさせるものではなく、J1を宙吊りにすることを目的として、ロープを身体に縛着させたのではない。 原告B1は、雑巾掛け競争をした記憶が1回しかなく、その内容は、 競争に負けた者がペナルティとしてジャンピングスクワットを行い、J1のみならず、原告B1も行っており、J1のみを標的にするようなことはしていない。夜間のトレーニングは、日中の訓練とは違い、自主的なトレーニングであるため、笑い声が上がることも多く、和気あいあいとした雰囲気で実施されており、J1のみを笑うようなことなどしてい ない。 B1非違行為2の第2について、原告B1が、午前0時30分頃から午前3時頃までの間に、午後7時から午後9時までの間にさせていた行為と同様の行為を複数回行った事実はない。原告B1は、1日だけ(平成23年11月19日)、深夜にトレーニングを実施したが、その内容 は懸垂や腕立て伏せ等の通常のトレーニングであって、いじめと評価されるようなトレーニング内容ではなかった。 B1非違行為2の第3について、原告B1は、平 トレーニングを実施したが、その内容 は懸垂や腕立て伏せ等の通常のトレーニングであって、いじめと評価されるようなトレーニング内容ではなかった。 B1非違行為2の第3について、原告B1は、平成24年3月14日、J1と渡過訓練を実施し、ロープ上で動かなくなったJ1に対し、ロープを揺さぶって渡過を促し、結果、J1がロープから落ちて宙吊り状態 になったことはあった。しかし、原告B1は、J1を吊るそうなどと企てたことはなく、J1が30~40分宙吊りにされた事実はない。原告B1がロープを揺らし、結果、J1がロープから落ちたことは、指導の範囲を超え、いじめに該当するようなものではない。 ウ B1非違行為3(無視) 原告B1は、E2及びM1と同一小隊や同一課に所属したことがなく、 - 35 -両名を無視するような状況になく、面と向かって挨拶をされれば挨拶を返しており、非違行為の認定が余りに乱暴である。 原告B1は、M1がうつ病で休職後に復職した際に、M1に対し、休んだ理由はどうあれ、休んだことで周囲に迷惑を掛けたことに関して、小隊の仲間に断りを入れるべきであると助言したことはある。 原告B1は、E2及びM1によってハラスメントを訴えられた上司らが通常の業務指導を行っていたのに、処分や理不尽な異動を受け、E2及びM1が業務に対し真摯に取り組んでいるように見えず、勤務態度に改善が見られなかったことから、納得のいかない理不尽さを感じ、自身の日記に「おいこみ」「積め」などと記載した。「おいこみ」とは、E 2と話をして仕事に対する意識を変えさせるための説得を行うという意味であり、「積め」とは、E2に対し、多くの上司同僚らとの関係について、一つずつ信頼を積んでいくしかない旨の話をするという意味である。 【被 て仕事に対する意識を変えさせるための説得を行うという意味であり、「積め」とは、E2に対し、多くの上司同僚らとの関係について、一つずつ信頼を積んでいくしかない旨の話をするという意味である。 【被告の主張】 ア B1非違行為1(しごき)前記⑴【被告の主張】イ(A1非違行為2)と同じである。 イ B1非違行為2(いじめ)B1非違行為2の第1については、前記⑴【被告の主張】ウ(A1非違行為3)と同じである。 B1非違行為2の第2のとおりの事実が認められる。原告B1又はJ1が午前1時から午前3時の時間帯で通信業務に就いていた場合を除き、少なくとも5回以上、トレーニングが実施され、その内容は、J1が懸垂をできなくなるまでさせられ、懸垂ができなくなると、原告B1から、ぶら下がった状態で手を放すなと命令されたほか、ジャンピングスクワ ット、腕立て伏せや腹筋をさせられたというものであった。このように、 - 36 -原告B1は、深夜にJ1のみを狙い撃ちにし、J1を心身ともに追い込むためのいじめ(訓練や指導目的が認められない。)であったと評価すべきである。 B1非違行為2の第3a 原告B1は、平成24年1月から3月までの間、第1部第1小隊分 隊長でJ1の直接の上司であり、ロープ渡過訓練の進行責任者として、J1を吊るす目的で(少なくとも、J1が宙吊りになることを予測し、それを容認しながら)、J1にロープ渡過を繰り返し行わせ、J1が力尽きてロープ上で動けなくなったところで故意にロープを揺さぶり、J1を命綱で吊るす状態にした。原告B1は、J1を20分程度宙吊 りのまま放置した後、ロープを渡って同人の頭上まで来て「助けてくださいと言え。」と命じたが、J1が「助けてください。」と言うと、「あっさり言 るす状態にした。原告B1は、J1を20分程度宙吊 りのまま放置した後、ロープを渡って同人の頭上まで来て「助けてくださいと言え。」と命じたが、J1が「助けてください。」と言うと、「あっさり言うな。」と述べて、また放置し、しばらくしてまたJ1が「助けてください。」と言うと、やっとJ1を引き上げた。 b このような原告B1の行為が訓練として許されないことは論を待た ない。しかも、宙吊りの時間は20分以上に及び、J1が受けた身体的苦痛は甚大であり、「助けてください。」と2回も言わされたことによる精神的苦痛も看過できず、B1非違行為2の第3は、悪質性が非常に高い。 ウ B1非違行為3(無視) B1非違行為3の第1及び第2のとおりの事実が認められる。 ⑺ 本件戒告が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか(争点7)【原告B1の主張】ア被告は、B1非違行為について、ほとんど調査を行わず、極めて曖昧かつ恣意的な認定を行い、原告B1をC1グループの一員であるなどと根拠 なく評し、C1グループを解体して糸島市消防本部から同グループの人間 - 37 -を排除することを目的に懲戒処分にしたものであって、本件戒告は根拠に基づかない他事考慮があったことは明らかである。 イ懲戒処分を受けた場合、勤務成績が良好でない者とされることから、賞与時に賞与カット等の勤務成績による影響が現れ、将来の昇給の延伸や昇給額の査定等においても、様々な不利益を被ることとなる。 ウ原告B1のように、訓練の現場において、部下隊員に対し、多少厳しい発言を行ったことが、いじめやしごきであるとして懲戒処分の対象になれば、厳しい訓練は自ずと制限されることとなり、ひいては市民の命を守ることができなくなることに繋がる。こうした委縮効果が生じ 少厳しい発言を行ったことが、いじめやしごきであるとして懲戒処分の対象になれば、厳しい訓練は自ずと制限されることとなり、ひいては市民の命を守ることができなくなることに繋がる。こうした委縮効果が生じないよう、懲戒処分の発動は極めて慎重であるべきであって、原告B1の言動に対し、 懲戒処分をもって臨むことは極めて不当である。 【被告の主張】ア前記⑵【被告の主張】ア及びイと同じ。 イ本件戒告については、非違行為と処分の重さの均衡を失するような事情はなく、かつ、均衡を失する他の参考事案もない。 ウ原告B1は、ハラスメント防止に関する研修・指導を受けていた上、反省の意思がなく、指導や注意によって改善を図るのは極めて困難な状況であった。 エ以上に照らせば、本件戒告が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したとは到底認められない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実、後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ⑴ 平成15年度(A1非違行為9の第1関係)原告A1は、平成15年頃以降、O1につき、同人がいない場で、「あい つ馬鹿やろうが。」「なんやあの訓練。」などと発言していたほか、同人の - 38 -部下に対し、「お前の小隊長は、新しいものばっかり目がいって今を見てない。東京で何をやってたかというのはお前の小隊長に言うな、俺に言え。」「お前が今せないかんことと後でもできることの区別もつかんのは、お前の小隊長がそういう区別がつかん環境を作りようから。2部にいることでお前の成長が10年遅くなった。」「遅い。前はもっと早くしよったぜ。2部の 環境がお前をそうさせとっちゃね。だいたいお前の小隊長はつまらんけん、お前もつまらんくなる。」「新しい資器材に頼るのは消防 の成長が10年遅くなった。」「遅い。前はもっと早くしよったぜ。2部の 環境がお前をそうさせとっちゃね。だいたいお前の小隊長はつまらんけん、お前もつまらんくなる。」「新しい資器材に頼るのは消防士としていかんやろ。まぁお前の小隊長がそういうの好きやもんね。」などと発言した(乙25の1及び2、乙34の1及び2、乙42の1及び2)。 ⑵ 平成20年度(A1非違行為9の第2関係) 原告A1は、平成20年頃、消防救助技術大会に向けてO1を指導員として訓練をしていたI1に対し、「訓練しよっても静かやけん、お通夜かと思った。」「お前らは仲良しクラブやもんね。あんな訓練して意味あると?俺んときはこうやったもんね。どうせお前はO1派やけん分からんやろうね。」「お前、O1寄りやろうが。」「O1の手下やろうが。気持ち悪いったい。」 「まぁお前に言ってもO1一派やろうけん、分からんやろうけどね。」などと多数回言った(乙25の1及び2)。 ⑶ 平成22年度ア平成22年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消防職員の配置は、別紙平成22年4月1日付け糸島市消防本部組織機構 図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原告A1は、消防本部警防課警防係長であり、消防隊3部(3中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。原告B1は、消防本部消防総務課企画教養係主任であり、消防隊1部(1中隊)本署第1小隊消防分隊の分隊長兼機関員(消防司令補)であった。(乙147) W1は、平成22年4月1日、消防署第3警備課本署第3係の係員で - 39 -あり、原告A1が小隊長を務める消防隊3部(3中隊)第2小隊の隊員兼副機関員(消防士)であった(乙48の1及び2、乙147)。 イ A1非違行為 防署第3警備課本署第3係の係員で - 39 -あり、原告A1が小隊長を務める消防隊3部(3中隊)第2小隊の隊員兼副機関員(消防士)であった(乙48の1及び2、乙147)。 イ A1非違行為17関係原告A1は、平成22年4月から平成23年2月までの間、消防署本署通信指令室において、W1とともに通信勤務を担当した際に、W1に床に 正座させ、W1に対し、「お前全然できんもんね。訓練もできんし、気も利かん。お前はダメだ。向いていない。」などと発言した(乙48の1及び2)。 ⑷ 平成23年度ア平成23年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消 防職員の配置は、別紙平成23年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原告A1は、消防本部消防総務課企画教養係長であり、消防隊1部(1中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。原告B1は、消防署第1警備課本署第1係主任であり、消防隊1部(1中隊)本署第1小 隊消防分隊の分隊長兼副機関員(消防司令補)であった。(乙148)J1は、平成20年4月から平成22年3月までの2年間、任期制隊員として陸上自衛隊の第一空挺団で務めた後、平成23年4月1日、消防本部に採用されて消防本部消防総務課付となり、福岡県消防学校初任科を経て、同年10月1日、消防本部予防課予防係の係員となり、原告 B1が消防分隊長を務める消防隊1部(1中隊)本署第1小隊の隊員(消防士)となった(乙15の1及び2、乙102、乙148、乙149、証人J1)。なお、J1は、平成24年4月1日、消防署第1警備課二丈第1係の係員となり、二丈出張所勤務となった(乙150)。 V1は、平成23年4月1日、消防本部警防課警防係の係員であ 乙149、証人J1)。なお、J1は、平成24年4月1日、消防署第1警備課二丈第1係の係員となり、二丈出張所勤務となった(乙150)。 V1は、平成23年4月1日、消防本部警防課警防係の係員であり、 原告A1が小隊長を務める消防隊1部(1中隊)本署第2小隊の副機関 - 40 -員(消防士)であった(乙16の1及び2、乙148)。 E2は、平成23年4月1日、消防署第3警備課志摩第3係の係員であり、消防隊3部(3中隊)志摩出張所志摩小隊の副機関員(消防士)であった(乙148)。 イ A1非違行為3及びB1非違行為2の第1関係 原告ら及びF1は、平成23年10月頃から平成24年3月頃までの間、消防署本署で当務の日の夜に、J1に声を掛けて、本署トレーニング室でトレーニングをしたことがあった。原告らは、トレーニングの際に、J1の身体にロープを縛着させ、そのロープを懸垂用の鉄棒に引っ掛け、主に原告B1がそのロープを保持した状態で、J1に懸垂をさせ たことがあった。J1は、懸垂を実施したが、次第に懸垂ができなくなり手を放し、原告B1等により身体縛着させたロープを保持されて宙吊り状態となり、その状態で更に懸垂を行うように指示されたことがあり、このような懸垂のトレーニングが複数回行われた(甲2の1及び2、甲42の1及び2、甲74、乙15の1及び2、乙29、乙64の3、乙 65、乙113、証人J1、原告A1、原告B1)。 原告ら及びF1は、平成23年10月頃から平成24年3月頃までの間、消防署本署で当務の日の夜に、J1に声を掛けて、消防署本署の廊下等で雑巾掛け競争を行い、その競争に負けた場合には、ペナルティとしてジャンピングスクワットや腕立て伏せを行うこととし、J1が複数 回、上記のペナルティをさせら 1に声を掛けて、消防署本署の廊下等で雑巾掛け競争を行い、その競争に負けた場合には、ペナルティとしてジャンピングスクワットや腕立て伏せを行うこととし、J1が複数 回、上記のペナルティをさせられたことがあった(甲74、乙15の1及び2、乙29、乙113、証人J1)。 ウ B1非違行為2の第2関係原告B1は、平成23年11月19日、消防署本署で当務の際に、深夜にJ1をトレーニング室に呼び出し、J1と一緒にトレーニングをした(乙 15の1及び2、乙65、証人J1)。 - 41 -原告B1は、日々の業務や訓練の内容、私生活上の出来事等を日記に記載しており(乙111。以下、この日記を「B1日記」という。)、B1日記の平成23年11月19日の欄に「0:00からJ1と筋トレ、色々話するが、どこまで伝わったか・・・、01~03通信」などと記載した(乙111・151頁)。 エ A1非違行為2及びB1非違行為1関係原告らは、平成23年10月頃から平成24年3月頃までの間に、少なくともJ1、F1、F2、G2とともに、消防署本署において、登攀訓練を行った。J1は、この登攀訓練を取り仕切っていた原告A1の指示を受けて、3本程度、登攀を行い、その後の登攀の途中で登ることが できなくなり、ロープから手を放して、宙吊り状態となり、命綱が腹部等に食い込んだことから、痛いなどと叫び、その後、地上に降ろされた。 原告B1は、J1が宙吊り状態となった際に、早く上がれ、自分でどうにかしろ等と声をかけた。(甲42の1及び2、甲74、乙15の1及び2、乙65、乙100~102、証人J1、証人F2、原告A1、原 告B1)原告B1は、平成24年1月19日、訓練内容等を記載したノートにおいて、同月18日の出来事として、「1/1 1及び2、乙65、乙100~102、証人J1、証人F2、原告A1、原 告B1)原告B1は、平成24年1月19日、訓練内容等を記載したノートにおいて、同月18日の出来事として、「1/19J1訓練」「H1、B1、J1、F1、F2、G2」「設定訓練(登はん)」「・登はん3本目で痛いと泣いた←バカ」「確保要領悪し!!」などと記載した(乙1 11・358頁、丙4・44頁)。 原告B1は、B1日記の平成24年1月18日の欄に、「当務、午前中、事務処理、昼からJ1の機械器具取扱いとホース延長等する。うーん、ぬるい、前半の指導まちがったなー。2小隊と設定訓練、登はん設定ミスった。4分で、こんなもんです。F1に悪い。で、J1にもさせ、 登はんと確保要領1本OK、2本目Wでギリ、3本目アウト!!で痛い - 42 -と泣いた・・・なさけない。ハート弱すぎです。おわって、つるべの設定訓練、調査出向で途中でおわった。かえって、ホース延長おさらい。 やはり声出ない。」などと記載した(乙111・159頁)。 なお、J1が原告B1を消防分隊長とする消防隊の本署第1小隊に所属していた平成23年10月1日から平成24年3月31日までの間の B1日記において、登攀訓練が行われた旨の記載があるのは、平成24年1月18日のみであった(乙111)。 平成24年1月18日の消防隊の1部日誌では、部隊長としてD2、中隊長としてG1、本署の隊編成として、第1小隊にH1、J1、原告B1、第2小隊に原告A1、F1、G2、F2、救急小隊にH2、I2、 I1がおり、午後1時30分~午後4時30分に各小隊訓練が行われた旨が記録されていた(甲20)。 オ B1非違行為2の第3関係原告B1は、平成24年3月14日午前8時30分から午後0時ま I1がおり、午後1時30分~午後4時30分に各小隊訓練が行われた旨が記録されていた(甲20)。 オ B1非違行為2の第3関係原告B1は、平成24年3月14日午前8時30分から午後0時までの間、J2、K2、L2、J1とともに、ロープ渡過訓練を取り仕切っ た。J1は、原告B1の指示で、数本、渡過訓練を実施した後、渡過の途中、体力の限界から動けなくなったところ、ロープを揺らし、J1をロープから落として命綱で吊るす状態にした。J1は、命綱が身体に食い込み、痛みを訴えて泣き出し、その後、引き上げられた。(甲60・20頁、乙15の1及び2、乙129~131、丙13、丙14、証人 J1、原告B1)原告B1は、B1日記の平成24年3月14日欄に、「午前中、トカ訓練に出る(中略)。J1が落ちて、上がれず終了。最初からあきらめているのが気に食わない。」などと記載した(乙111・166頁)。 カ A1非違行為15関係 原告A1は、平成23年10月から平成24年3月までの間、J1に対 - 43 -し、「お前くさ。なんが空挺団や、こんなちょんぼしやがって。」「体力もないのになんが元自衛隊や。」などと発言した(乙15の1及び2、証人J1)。 キ A1非違行為14の第1関係原告A1は、平成23年4月から平成24年3月までの間、V1に対し、 「向いてないっちゃないや。」「さばけん。」などと発言した(乙16の1及び2)。 ク A1非違行為22の第2及びB1非違行為3の第1関係E2は、平成23年7月、退職を申し出て、同年8月、当時の上司であった消防署第3警備課長のN2に対し、平成20年8月頃より、原告 A1、F1及びU1から、仕事を辞めるように言われたこと、訓練中の罰として腕立て伏せをさせられ、背 て、同年8月、当時の上司であった消防署第3警備課長のN2に対し、平成20年8月頃より、原告 A1、F1及びU1から、仕事を辞めるように言われたこと、訓練中の罰として腕立て伏せをさせられ、背中やヘルメットを被った頭を踏まれたこと等のハラスメントを受けていたこと等を申し出た(乙8、乙41の1及び2)。 被告は、関係職員からの事情聴取等の調査を行った結果、平成23年 11月29日付けで、U1及びF1に対し、E2への暴力・暴言に該当するものがあったとして、懲戒処分ではない、文書による訓告を行い、原告A1については、暴行・暴行を認定できなかったとして不処分とした。糸島市総務部人事課長のO2(当時)は、同月30日、上記の概要を記載した「E2消防士の暴力・暴言等の報告書に対する経過及び結果 についての説明」と題する書面を、事情聴取を受けた消防職員に向けて発出した。(甲21、乙111・384頁)⑸ 平成24年度ア平成24年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消防職員の配置は、別紙平成24年4月1日付け糸島市消防本部組織機構 図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原 - 44 -告A1は、引き続き消防本部消防総務課企画教養係長であり、消防隊1部(1中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。原告B1は、消防本部警防課警防係長であり、消防隊2部(2中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。(乙150)M1は、平成23年4月1日、消防本部に採用されて消防本部消防総 務課付とされ、同年10月頃から平成24年3月頃まで、福岡県消防学校初任科で教育訓練を受け、同年4月、消防署第1警備課本署第1係の係員となり、消防隊1部(1中隊)本署第1小隊の隊員(消防士 総 務課付とされ、同年10月頃から平成24年3月頃まで、福岡県消防学校初任科で教育訓練を受け、同年4月、消防署第1警備課本署第1係の係員となり、消防隊1部(1中隊)本署第1小隊の隊員(消防士)となった。なお、M1は、平成24年10月1日、消防署第2警備課前原第2係の係員となり、前原出張所勤務となった。(乙32の1及び2、乙 148、乙150、乙151、証人M1)K1は、下関市消防局で3年間勤務した後、平成24年4月1日、消防本部に採用され、前職も消防士であったことから消防学校を経ずに、消防本部予防課指導係の係員となり、M1と同じく消防隊1部(1中隊)本署第1小隊の隊員(消防士)となった(乙14の1及び2、乙150、 証人K1)。 N1は、平成24年4月1日、消防本部に採用され、消防本部消防総務課付となり、消防学校初任科を経て、同年10月1日、消防本部警防課警防係の係員となり、消防隊1部(1中隊)本署第1小隊の隊員(消防士長)となった(乙34の1及び2、乙150、乙151)。 イ M1は、平成24年10月より、消防署第2警備課前原第2係に配属され、消防隊2部(2中隊)前原小隊の隊員(消防士)となり、前原出張所で勤務していたところ、同年11月、うつ病により休職し、その後、休職理由として、前原小隊の小隊長であるZ、消防分隊兼救急隊長兼副機関員(消防士)であるF1、機関員(消防副士長)であるQ1からハラスメン トを受けた旨を申し出た。消防本部において、上記ハラスメントについて - 45 -の調査が実施されたが、Z、F1、Q1に対する処分等は行われなかった。 (乙9、乙32の1及び2、乙57、乙151、証人M1、弁論の全趣旨)ウ A1非違行為4関係原告A1は、平成24年6月から同年9月まで されたが、Z、F1、Q1に対する処分等は行われなかった。 (乙9、乙32の1及び2、乙57、乙151、証人M1、弁論の全趣旨)ウ A1非違行為4関係原告A1は、平成24年6月から同年9月までの間、消防署本署での当務の際に、午後7時頃から、L1とともに、本署トレーニング室において、 トレーニングとして、K1に懸垂、腕立て伏せ、ベンチプレス等をさせ、K1に対し、「お前、ほんとだごやね。」「しゃばい。」などと発言したことがあった(乙14の1及び2、乙64の3、証人K1、原告A1)。 エ A1非違行為5関係消防隊1部では、平成24年6月8日、部隊長のD2、中隊長のP2、 本署の隊編成として、第1小隊にQ2、M1、K1、G2、第2小隊に原告A1、L1、Y、F2、救急小隊にH2、R2、V1がおり、午後1時30分から午後5時30分までの間、消防基礎訓練(防御訓練)が行われた(甲22)。 原告A1は、訓練参加者全員で1本目の訓練を行った後、K1及びM 1に対し、3ないし4本、防御訓練を行わせ、その際、要救助者の検索・搬送訓練では、Y又はL1を要救助者として訓練を行った。K1は、これらの訓練後、熱中症の症状を呈し、一時意識を失って、失禁し、S2(当時)が運転する自動車で病院に連れていかれた。(甲22、甲43の1及び2、甲74、乙14の1及び2、乙16の1及び2、乙32の 1及び2、乙128、証人K1、証人M1、原告A1)K1は、平成28年11月15日、有田クリニックにおいて、上記の症状について、脱水症、急性腸炎と診断された(乙60)。 オ A1非違行為16の第1~第3関係原告A1は、平成24年7月頃、訓練中に動きが悪くなったK1に対 し、「丈夫に産んでくれんやった親が悪い。残念やね。」と発言した( された(乙60)。 オ A1非違行為16の第1~第3関係原告A1は、平成24年7月頃、訓練中に動きが悪くなったK1に対 し、「丈夫に産んでくれんやった親が悪い。残念やね。」と発言した(乙 - 46 -14の1及び2)。 原告A1は、平成24年7月頃から8月頃、消防署本署通信指令室において、K1に対し、「お前、俺のこと苦手やろ?俺もお前のこと好かんけどね。」と発言した(乙14の1及び2)。 原告A1は、平成24年10月頃、K1に対し、「出張所でダラダラ しとったら、こっち呼びつけて殺すけんな。」と発言した(乙14の1及び2)。 カ A1非違行為13の第1、第2、第5関係原告A1は、平成24年11月から平成25年3月までの間、N1に対し、訓練中に「お前と話すと会話にならん。お前は頭が悪いから俺と 話が合わん。」「お前と話すと話にならん。」「向いてない。やる気もない。」「普段の生活がおかしいから仕事に出るっちゃろうが。」「T2はできるのになんでお前はできんとや。」などと発言した(乙34の1及び2)。 原告A1は、平成24年11月頃、消防署本署食堂において、N1が 原告A1の隣に座ったところ、N1に対し、「近い。どっか行け。」と発言した(乙34の1及び2)。 原告A1は、平成24年12月頃から平成25年1月頃、消防署本署3階研修室において、N1にきょうだいの数を尋ね、3人兄弟で兄が2人いると答えたN1に対し、「そん中で誰が一番しっかりしとる?」と 尋ね、「そうですね、一番上ですかね。」と答えたN1に対し、「あぁ良かった、良かった。お前が一番しっかりしてるんやったら、お前んちの兄貴がおかしいっちゃろうね、と思って。」と発言した(乙34の1及び2)。 キ A1非違行為7関係 えたN1に対し、「あぁ良かった、良かった。お前が一番しっかりしてるんやったら、お前んちの兄貴がおかしいっちゃろうね、と思って。」と発言した(乙34の1及び2)。 キ A1非違行為7関係 原告A1は、平成24年12月頃ないし平成25年1月頃の午後9時頃、 - 47 -N1を消防署本署通信指令室に呼び出し、通信訓練を受けなかったペナルティとして、通信指令室内でパイプ椅子3脚を三角形の形に配置し、パイプ椅子の上でN1に腕立て伏せを100回程度させた(甲44の1及び2、乙34の1及び2、乙64の2、乙65、乙71の1~3)。 ⑹ 平成25年度 ア平成25年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消防職員の配置は、別紙平成25年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原告A1は、消防本部警防課通信指令第1係長であり、日勤となって消防隊からは外れた。原告B1は、消防署第2警備課本署第2係長であり、 消防隊2部(2中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。 (乙152)V1は、平成25年4月1日、消防本部警防課警防係の係員であり、消防隊1部(1中隊)本署救急小隊の機関員(消防副士長)であった(乙152)。 イ A1非違行為6関係原告A1は、平成25年2月2日から同月28日までの間、消防署本署での当務の際に、午後7時頃から、L1とともに、N1に検索訓練及び搬送訓練をさせ、N1が倒れ込むと、ペナルティとして、面体を装着させたままの状態で腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走ら せたりしたことがあった(甲25、乙34の1及び2、乙64の1、乙65、乙75、原告A1)。 原告A1は、平成25年3月、消防署本署 の状態で腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走ら せたりしたことがあった(甲25、乙34の1及び2、乙64の1、乙65、乙75、原告A1)。 原告A1は、平成25年3月、消防署本署での当務の際に、午後7時頃から、L1及びQ2とともに、N1に対し、潜水ボンベを両手人差し指と中指にそれぞれ1本ずつ挟んで持たせ、車庫内を往復するという訓 練を行わせ、N1が潜水ボンベを地面に降ろすと、ペナルティとして腕 - 48 -立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走らせたりした(乙5の1及び2、乙34の1及び2、乙64の1、乙65、乙75、原告A1)。 ウ A1非違行為14の第2関係原告A1は、平成25年度、消防署本署通信指令室において、自主防災訓練に派遣する職員の人選をしていたV1に対し、原告A1が選出されて いないことについて、人選の理由を尋ね、「おい、V1。自主防災の人選するのは誰や?俺に全然言ってこんのは俺が好かんけんやろ?俺が同じ立場になったら仕返ししちゃあけんな。」などと発言した(乙16の1及び2)。 エ A1非違行為16の第4関係 原告A1は、平成25年1月22日、23日の1部の旅行中、鹿児島県南九州市知覧町を走行中のマイクロバスの車中において、いわゆるデリバリーヘルスの話題になった際、K1に対し、「お前の娘もそうなるっちゃろ?」などと発言した(乙14の1及び2)。 オ A1非違行為21及び22の第5及びB1非違行為3の第1及び第2関 係前記⑸イ記載のとおり、M1は平成24年11月からうつ病により休職していたが、平成25年4月に職場復帰した。なお、M1に対するハラスメント行為が疑われたZ、F1及びQ1に対する処分等は行われなかった。 原告B1は、B1日記 11月からうつ病により休職していたが、平成25年4月に職場復帰した。なお、M1に対するハラスメント行為が疑われたZ、F1及びQ1に対する処分等は行われなかった。 原告B1は、B1日記の平成25年11月27日~12月3日の目標(④情報)欄に「E2おいこみ ←『積め』って話」、平成25年12月4日~12月10日の目標(④情報)欄に「M2、E3、おいこみ」、平成25年12月11日~12月17日の目標(④情報)欄に「E3の周辺おいこみ」、平成25年12月18日~12月24日の目標(④情 報)欄に「今年中にくぎさし(M2、E3)」とそれぞれ記載した。な - 49 -お、「M2」とはM1を、「E3」とはE2を指す。(乙111・249~252頁)。 原告A1は、平成26年2月ないし3月頃、M1に対し、「お前は署に帰ってきとるのに、F1は市役所に行かされとる。ここで仕事をしていくなら、3人に謝りに行け。今から行け。」と言って、Z、Q1、F 1に対し、謝罪に行くように申し向け、M1は、Z、Q1、F1に対し謝罪をした(乙32の1及び2、乙57、証人M1、原告A1)。 ⑺ 平成26年度ア消防本部、消防署及び消防隊の配置について平成26年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消 防職員の配置は、別紙平成26年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原告A1は、消防本部予防課予防係長であり、日勤となって消防隊からは外れた。原告B1は、消防本部消防総務課企画教養係長であり、消防隊3部(3中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。(乙1 54)S1は、平成26年4月1日、消防本部警防課警防係の係員であり、消防隊3部(3中隊) 課企画教養係長であり、消防隊3部(3中隊)本署第2小隊の小隊長(消防司令補)であった。(乙1 54)S1は、平成26年4月1日、消防本部警防課警防係の係員であり、消防隊3部(3中隊)第1小隊の機関員(消防副士長)であった(乙154)。 イ A1非違行為11の第2及び第3関係 原告A1は、平成26年11月頃ないし同年12月頃、S1を消防署本署救急事務室に呼び出し、同所において、S1に対し、「上が抜けて俺が中隊長になったら、お前みたいな奴は、やるけんな。俺の息子の方が頭いいぜ。お前みたいなできん奴は、とことん理不尽で殺すけんな。 今は次長の下におるけど、すぐおらんくなるけん、お前分かっとろうな。 お前、考えとったがいいぜ。D2の下におっても何もならんけんね。」 - 50 -などと発言した(乙47の1及び2、乙65)。 原告A1は、平成27年11月16日、パワー・ハラスメントをテーマにした倫理研修終了後、消防署本署仮眠室において、S1に対し、「お前、今日の研修、オアシス研修やったろうが。気持ちよかったろうが、お前みたいな奴は。だいたいお前、どう感じたとや?」「お前みたいな 奴がおるけんダメになっていくったい。現場活動ができんったい。お前みたいな甘い奴がおるけん消防が弱くなっていくったい。だいたいお前、俺の家が火事んなって、お前がヘマして俺の家燃やしたら分かっとろうね。覚えとけよ。訴えるけんな。」などと発言した(乙47の1及び2、乙49)。 ⑻ 平成27年度ア消防本部、消防署及び消防隊の配置について平成27年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消防職員の配置は、別紙平成27年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであると について平成27年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消防職員の配置は、別紙平成27年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原 告A1は、引き続き消防本部予防課予防係長であり、日勤となって消防隊からは外れた。原告B1は、消防署第3警備課前原第3係長であり、消防隊3部(3中隊)前原小隊の小隊長(消防司令補)であった。(乙155)原告A1が予防係長を務める予防係には、同じく予防係長のQ2、主 任のU1のほか、係員としてY、W1及びXが所属していた(乙155)。 N1は、平成27年4月1日、消防署第2警備課本署第2係の係員であり、消防隊2部(2中隊)第2小隊の隊員(消防士)であった(乙155)。 K1は、平成27年4月1日、消防本部予防課指導係の係員であり、 消防隊2部(2中隊)救急小隊の機関員(消防士)であった(乙155)。 - 51 -D1は、平成27年4月1日、消防本部消防総務課企画教養係の主任であり、日勤となって消防隊から外れており、平成28年4月1日には、同企画教養係の係長となった(乙155~157)。 A2は、平成27年4月1日、消防本部消防総務課会計係の係員であり、日勤となって消防隊から外れており、平成28年4月1日には、同 消防総務課企画教養係の主任となった(乙155~157)。 I1は、平成27年4月1日、消防本部消防総務課企画教養係の主任で、消防隊2部(2中隊)第2小隊の機関員(消防士長)であり、平成28年4月1日には、消防本部消防総務課会計係主任となり、消防隊3部(3中隊)第2小隊の分隊長兼副機関員(消防士長)となった(乙1 55~157)イ A1非違行為19の第1関係原告A 28年4月1日には、消防本部消防総務課会計係主任となり、消防隊3部(3中隊)第2小隊の分隊長兼副機関員(消防士長)となった(乙1 55~157)イ A1非違行為19の第1関係原告A1は、平成27年3月末頃から同年5月頃までの間、同月29日の消防救助技術大会に向けて訓練を行っていたYに対し、「救助訓練のレベルが下がって面白くない。それでも訓練することは時間とお金の無駄。」 「調子に乗るなよ。」「だいたい、何でお前しようとや?」「お前たちが訓練しようのは自己満やろうが。ひとっつも署のためになんてないんやけん。そんなことに何で時間割かないかんとや。」「ムカつく。」「何でお前らに訓練させないかんとや。」などと言い、同大会が近付いてくると、「あともうちょっとでお前らの自己満が終わるね。」「救助、救助言いや がって。現場訓練はせんで。」などと言い、同大会が終わると、「やっとお前らの自己満の訓練が終わった。これでやっと仕事できるね。」などと発言した(乙5の1及び2)。 ウ A1非違行為13の第6関係原告A1は、平成27年6月末頃から同年10月頃、酸欠状態になるま で検索、搬送訓練をさせられ、訓練後、喫煙室で休憩していたN1に対し、 - 52 -「そんな倒れて給料もらえていいね。俺もそっちの方がいいや。」などと発言した(乙25の1及び2、乙28、乙34の1及び2、乙65、乙72)。 エ A1非違行為16の第5関係原告A1は、平成27年4月から平成28年3月までの間、救急隊に所 属していたK1に対し、「救急は忙しいだけ。牧のうどんと一緒。」「お前らは、救急の頭でしか想定を出しよらん。お前らの考えは救助隊の考えとはズレとるから意味ないもんね。」「救急は1日出てるけど、出動1件の価値が違う。救助は 救急は忙しいだけ。牧のうどんと一緒。」「お前らは、救急の頭でしか想定を出しよらん。お前らの考えは救助隊の考えとはズレとるから意味ないもんね。」「救急は1日出てるけど、出動1件の価値が違う。救助は、数は少ないけど価値が違うもんね。救急は忙しいだけ。」「救急は件数が多いだけ。質が悪い。消防活動と救急活動は1件 の価値が違う。お前、救急隊歴長いけん、ここで考えなヤバいよ。」などと発言した(乙14の1及び2)。 オ A1非違行為18関係原告A1は、平成27年8月、消防署本署救急事務室において、Xに対し、「査察の処理は今じゃなくて夜できろうが。お前が今せないかん ことと後でもできることの区別もつかんのは、お前の小隊長がそういう区別がつかん環境を作りようから。2部にいることでお前の成長が10年遅くなった。」などと発言した(乙42の1及び2)。 原告A1は、平成27年8月から9月までの間、Xに対し、朝の申送りのとき、喫煙所で会ったとき又はXが所属する小隊の訓練を見かけた とき等に、「つまらん訓練しようねぇ。東京ではどんな訓練しよったと?」などと複数回発言したこと、「東京でも理不尽で殺されとったろうが。 俺とお前が同じ部になったら理不尽で殺すけん、覚悟しとけよ。」などと1回発言したことがあった(乙42の1及び2)。 原告A1は、平成27年8月から平成28年3月までの間に、前職が 東京消防庁消防士であるXに対し、「東京消防庁も大したことないね。」 - 53 -と少なくとも1回発言した(乙42の1及び2)。 原告A1は、平成28年2月1日午前8時30分ないし午前8時45分頃、Xに対し当務中に何をしていたのかを尋ね、Xが月報を作成していた旨を回答したところ、Xに対し、「月報なんて2分で終わろうもん。 仕事せん 1は、平成28年2月1日午前8時30分ないし午前8時45分頃、Xに対し当務中に何をしていたのかを尋ね、Xが月報を作成していた旨を回答したところ、Xに対し、「月報なんて2分で終わろうもん。 仕事せんならいらん。辞めろ。」などと発言した(乙42の1及び2)。 カ A1非違行為1関係A2、D1は、原告A1と職場の座席が近く、I1の協力も得て、平成28年2月19日以降、原告A1が本署2階予防課で勤務中に自席を離れる時間を記録するようになり、同日から同年3月31日までの間及び同年10月3日から同年11月17日までの間の原告A1の離席時間 は、別紙A1・離席時間1及び2のとおりであった(乙12の1から3まで、乙13の1及び2、乙17の1及び2、乙22、乙58、乙64の2、乙65、乙70、証人D1)。 消防本部においては、平成27年4月22日、同年8月19日、同年9月16日、平成28年1月20日及び同年10月19日の部門会議に おいて、職員による長時間の離席が見受けられるとして、消防職員には職務専念義務があり、長時間離席する場合には上司に報告すること等が注意されていた(乙59の1~5)。 原告A1の平成27年度の前期・後期の能力考課シート(甲13、14)には、原告A1の1次評価者である予防課長(当時)のB2により 「業務全般に問題はありませんが、余裕ができすぎると離席間が長くなる時がありますので気を付けること」「能力については概ね問題は無いが、職務に専念できていない時間がある。本人は思案中の時間としているが、もう少し切り詰める必要がある。」とのコメントが付された。B2は、原告A1に対し、週1ないし2回、離席時間が長いと認識するこ とがあり、2年の間に10回程度、注意したことがあった(乙84)。 - り詰める必要がある。」とのコメントが付された。B2は、原告A1に対し、週1ないし2回、離席時間が長いと認識するこ とがあり、2年の間に10回程度、注意したことがあった(乙84)。 - 54 -原告A1の平成28年度の前期・後期の能力考課シート(甲15、16)には、原告A1の1次評価者である予防課長(当時)のG1や2次評価者である次長(当時)のD2により原告A1の離席に関するコメント等はされなかった。もっとも、G1は、この頃、原告A1に対し、離席時間が10分程度になることや離席の回数が多いことがあったため、 週2回程度、離席について注意したことがあった(乙83)。 キ A1非違行為20関係原告A1は、平成27年度、予防課予防係の部下であるY、W1及びXに対し、「どうせお前は仕事してなかろうが。お前は信用できん。仕事は、俺に合わせて仕事するのが当たり前やけん、平日の非番に勝手に 予定を入れるな。」「何で帰るとや。」「仕事を中途半端に残して帰るとや?」「俺は仕事しとうのに、お前ら休むっちゃろ?」「責任感がない。お前の仕事は自分で終わらせて帰れ。何で申し送るとや。」「お前次来るの2日後やろうが。2日間放置や。」「宇宙は太陽が中心やろうが。ここでは俺が太陽たい。俺を中心に仕事をしろ。」(ただし、当該 発言はYに対する発言)「俺は毎日出て来ようのに、お前らは3日に1回しか出てこんで、すぐ仕事をリセットする。担当官なら日勤するつもりで毎日来い。」「最後までして行けよ。」などと発言し、Y、W1及びXは、勤務時間外申請を行うことなく、時間外労働を行う、いわゆるサービス残業をした(争いがない、乙5の1及び2、乙42の1及び2、 乙48の1及び2、乙53)。 平成27年度に残業として記録された時間は、Yが を行うことなく、時間外労働を行う、いわゆるサービス残業をした(争いがない、乙5の1及び2、乙42の1及び2、 乙48の1及び2、乙53)。 平成27年度に残業として記録された時間は、Yが合計6時間、W1及びXは0時間であった(乙53、弁論の全趣旨)。 ⑼ 平成28年度ア消防本部、消防署及び消防隊の配置について 平成28年4月1日時点の消防本部、消防署及び消防隊についての消 - 55 -防職員の配置は、別紙平成28年4月1日付け糸島市消防本部組織機構図・糸島市消防署組織機構図・消防隊編成表のとおりであるところ、原告A1は、引き続き消防本部予防課予防係長であり、日勤となって消防隊からは外れた。原告B1は、消防本部警防課通信指令第3係長であり、消防隊3部(3中隊)通信指令の係長(消防司令補)であった。(乙1 57)Yは、平成28年4月1日、原告A1が所属する予防課予防係の係員であり、消防隊1部(1中隊)本署消防分隊の機関員(消防副士長)であった(乙157)。 イ A1非違行為8関係 原告A1は、平成28年5月25日、消防救助技術大会に向けた訓練の署内発表において、この署内発表を見学していた幼児を含む市民や他の消防隊員がいる前で、「こいつらがくだらない訓練してるから、俺たちの訓練ができない。無駄な訓練しやがって。こんな訓練、オナニー訓練やろうが。」などと発言した(乙14の1及び2、証人K1)。 ウ A1非違行為19の第2~第5関係原告A1は、平成28年4月から同年8月までの間、消防救助技術大会に向けて訓練を行っていたYに対し、「救助訓練のレベルが下がって面白くない。それでも訓練することは時間とお金の無駄。」「調子に乗るなよ。」「だいたい、何でお前しようとや?」「お前たちが 救助技術大会に向けて訓練を行っていたYに対し、「救助訓練のレベルが下がって面白くない。それでも訓練することは時間とお金の無駄。」「調子に乗るなよ。」「だいたい、何でお前しようとや?」「お前たちが訓練しよ うのは自己満やろうが。ひとっつも署のためになんてないんやけん。そんなことに何で時間割かないかんとや。」「ムカつく。」「何でお前らに訓練させないかんとや。」などと言い、同大会が近付いてくると、「あともうちょっとでお前らの自己満が終わるね。」「救助、救助言いやがって。現場訓練はせんで。」などと言い、同大会が終わると、「やっと お前らの自己満の訓練が終わった。これでやっと仕事できるね。」など - 56 -と発言した(乙5の1及び2)。 原告A1は、平成28年8月9日午前9時頃、消防署本署車庫において、同月6日及び7日に少年消防クラブのキャンプに業務として同行したYの代わりに原告A1が勤務したことについて、Yに対し、「貴様この前は、少年消防とか調子に乗って行きやがって、ふざけるな。警備人 員も編成も考えずにふざけるな。だいたい当務で人を出す必要があるとや?なめやがって。そもそもU2は来てないっちゃろうが。そもそもお前がヘボいけんいかん。何も言いきらんかろうが。ビビりやがって。お前は絶対将来伸びんし、失敗する。ダメ人間やね。当務に迷惑かけて救助訓練させてもらいようのに、恩を仇で返しやがって。マジなめとうね。 おかげで、俺が出てこないかんくなったろうが。俺はしつこいけん、一生根に持つけんな。はしご調査は救助訓練の都合で変わってもらうくせに、少年消防クラブは行くとや。仲良しクラブで調子に乗りやがって。 ふざけんな。このスパイやろうが。なめやがって。夕方から勤務することになった原因は全てお前の責任だ。俺の休みを返せ 変わってもらうくせに、少年消防クラブは行くとや。仲良しクラブで調子に乗りやがって。 ふざけんな。このスパイやろうが。なめやがって。夕方から勤務することになった原因は全てお前の責任だ。俺の休みを返せ。」などと発言し た(乙5の1及び2)。 原告A1は、平成28年8月19日午前8時頃、消防署本署仮眠室において、Yに対し、Yが同月17日午後に年休を取得したことについて、「貴様この間は昼から帰りやがって、ふざけるな。日勤日やけん昼からも訓練しろ。市長挨拶とか関係なかろうが。帰ってきて訓練すればよか ろうが。訓練もせんとに時間がないとか言いやがって調子に乗るなよ。 お前はそもそもはき違えとろうが。ふざけるな。だいたい全国大会とか実力で行ったわけじゃなくて抽選で当たったけん行けとろうが。実力もないのに舞い上がるな。調子に乗るな。お前たちは絶対失敗する。そもそも失敗すればいいのに。」などと発言した(乙5の1及び2)。 原告A1は、平成28年9月6日午前1時頃、消防署本署通信指令室 - 57 -において、同月5日に救助隊の訓練をしていたYに対し、「だいたいなんや、あの訓練は。お前は、何も言わん、何もせんあっちの仲間やけんな。」「お前は成長せんし、失敗する。」「くだらん。」などと約1時間にわたって発言した(乙5の1及び2)。 ⑽ 本件各処分に至った経緯 ア被告は、平成23年度以降、毎年度、被告の職員に対し、職場環境に関するアンケートを実施し、平成26年度以降、消防職員に対し、同アンケートの集計結果を周知していた。 イ消防本部は、平成28年6月頃、全職員を対象として、職場環境改善に関するアンケートを実施した。そのアンケート結果のうち、現在の職場環 境について、「訓練中の暴力は、指導の一環と捉えるのは間違 消防本部は、平成28年6月頃、全職員を対象として、職場環境改善に関するアンケートを実施した。そのアンケート結果のうち、現在の職場環 境について、「訓練中の暴力は、指導の一環と捉えるのは間違っているのではないか。」「高圧的な態度やグループで集まって、毎日のように誰かの悪口を言っており、職場の雰囲気が悪い。」「○○部の上司が部下に対する行き過ぎた指導、暴力、暴言が日常的に行われている。」「ここ数年で若手職員が3名退職しており、今の職場環境がその原因であり、数名の 職員の影響であると思われ、外部とかにより調査のうえ対処して頂きたい。」「職員の中には、平気で部下を物以下のように扱っている職員が見受けられる。」「訓練をする際、若手職員だけに実施させ、出来なかったら文句ばかり言われ、私生活のことに対しても文句を言われる。」「気に入らない職員には挨拶をしない上司がいる。」「陰で悪口や職員の批判を行い、 一人の職員を他の職員を利用して一方的に攻撃するといったやり方をする上司がある。」「罵声を浴びせられ、体力的に無理難題を突き付けられ、殴られたり、蹴られたりも何度もある。」「部下の指導が激しく、体調を崩したり、精神的に潰れていく若手が多く、訓練で体力を使い切り、災害出動の際に動けないのではないかと思う場合がある。」「離席時間が長い 職員がいる。職務怠慢である。」「特定の若手に厳しく、好き嫌いで判断 - 58 -している上司がいる。」「職場にパワハラが蔓延化している。」などの意見があった。(乙6)ウ糸島市長、副市長及び糸島市の顧問弁護士は、平成28年7月6日頃、「勇士一同」名義で作成された文書を受け取った(乙7)。この文書には、糸島市消防本部の職場環境は劣悪であり、ここ数年で若手6名が次々と退 職し、3名の病 市の顧問弁護士は、平成28年7月6日頃、「勇士一同」名義で作成された文書を受け取った(乙7)。この文書には、糸島市消防本部の職場環境は劣悪であり、ここ数年で若手6名が次々と退 職し、3名の病休者(うつ病、不眠症等)が出ており、その原因は、消防本部内での暴行、暴言、しごき、いじめ等であること、消防本部では、数年前のパワハラ問題以降、定期的にアンケートが行われているが、アンケートに書いても何も変化がないこと、複数名の加害者の中に原告A1の名も挙げられ、原告A1につき、訓練の名を借りた、いじめ、しごきがあり、 暴言も度を超し、人の挨拶を無視すること、頻繁に仕事をサボること等があること、そのトップにいるのが警防課長補佐のC1であること、暴言、暴行等の実態調査のため、調査委員会を立ち上げて欲しいこと等が記載されていた(乙7)。 エ糸島市長の指示を受けた糸島市役所総務部総務課の職員は、平成28年 7月中旬頃から同年12月初旬頃までの間、消防職員等合計35名から事情聴取を行い、ハラスメント行為の調査を行った。なお、原告らのほか、C1及びF1については、事情聴取が行われておらず、事情聴取が行われていること自体、明らかにされなかった。(甲77、乙121、乙122、丙2、弁論の全趣旨) オ糸島市長は、平成28年12月5日、糸島副市長を委員長とし、教育長、市長事務部局の部長ら及び消防長等を委員とする本件審査委員会に対し、糸島市懲戒分限審査委員会規則2条1項1号、2号に基づき、消防本部で実施した平成28年度「職場環境改善アンケート」の集約結果の公表内容に基づくパワー・ハラスメント事案及びその他含む規律違反等の事項によ る懲戒処分及び分限処分の適否について、諮問を行った。諮問に当たって、 - 59 -審査対象者が の集約結果の公表内容に基づくパワー・ハラスメント事案及びその他含む規律違反等の事項によ る懲戒処分及び分限処分の適否について、諮問を行った。諮問に当たって、 - 59 -審査対象者が多数に上ること、その行為内容も多岐にわたることから、消防本部における組織全体の問題として、厳正に調査されるよう依頼した。 (乙121、乙122、丙2)⑾ 本件審査委員会での審査についてア本件審査委員会は、上記諮問の日のほか、平成28年12月15日(第 2回)、同月27日(第3回)、平成29年1月10日(第4回)、同月17日(第5回)、同年2月6日(第6回)、同月17日(第7回)、同月20日(第8回)、消防本部におけるパワー・ハラスメント等の行為事案の内容等について、それぞれ審議を行った(乙120の1~7、乙121、丙2、証人V2)。 イ糸島市消防本部消防長(E1)は、平成29年2月24日、原告A1に対し、職場環境改善に関するアンケートにおける原告A1のハラスメント行為等の案件について、本件審査委員会で審査中であり、審査に必要な同日から同年3月3日までの期間、自宅で待機することを命じた(甲9)。 本件審査委員会の委員長(V2)は、同年2月24日、原告A1に対し、 原告A1の言動等がハラスメント行為に該当するかについて、翌25日午前10時30分から、原告A1の弁明を聴取するため、糸島市役所新館4階4号会議室に出席するように通知した(甲10)。 ウ本件審査委員会は、平成29年2月25日、原告らに対し、それぞれ、非違行為を記載した事実確認書(乙10、乙105)を示し、事実確認を した(乙11、乙106)。なお、上記の事実確認の際の原告B1の非違行為については、F1がポンプ車の訓練でJ1に対し指差し呼称を繰り返 載した事実確認書(乙10、乙105)を示し、事実確認を した(乙11、乙106)。なお、上記の事実確認の際の原告B1の非違行為については、F1がポンプ車の訓練でJ1に対し指差し呼称を繰り返させた際に、原告B1がJ1の様子を見て笑う等した行為も含まれていた(乙105、乙106)。 なお、この他にも複数の職員が同様に非違行為について事実確認を受け た(乙124、125)。 - 60 -エ本件審査委員会は、平成29年2月28日(第9回)、処分量刑案(原告A1につき甲76)に基づき、原告らを含む別紙「処分対象者一覧」の消防職員に対する懲戒処分等を審査し、原告A1につき懲戒免職を、原告B1につき戒告をそれぞれ相当とする答申をすることとした(乙120の8、証人V2)。 オ本件審査委員会は、平成29年3月1日、糸島市長に対し、原告らを含む別紙「処分対象者一覧」の消防職員についての処分を答申した(丙2・32頁)。 2 争点1(本件免職に係る懲戒事由該当性)について⑴ A1非違行為1(職務懈怠)について ア前記認定事実⑻カによれば、原告A1は、消防本部予防課予防係長でありながら、平成28年2月19日から同年3月31日までの間、同年10月3日から同年11月17日までの間において、平均して1日合計1時間以上の離席を繰り返していたところ、離席時間を記録したD1らによると、業務による離席が除かれていた上、この離席時間に原告A1が職務に従事 していたことをうかがわせる事情は見当たらないから、上記の離席時間については、原告A1は、概ね職務に従事していなかったものと認められる。 そして、原告A1は、上司から離席時間の長さについて注意されたことがあったにもかかわらず、上記のような離席を続けていたことからして、職 ては、原告A1は、概ね職務に従事していなかったものと認められる。 そして、原告A1は、上司から離席時間の長さについて注意されたことがあったにもかかわらず、上記のような離席を続けていたことからして、職務懈怠があったものと評価すべき程度であるといえる。 イしたがって、原告A1は、概ねA1非違行為1のとおり、職務懈怠があったものと認められ、地方公務員法35条に定める職務に専念する義務に反するものといえる。 ⑵ A1非違行為2(しごき)についてア前記認定事実⑷エによれば、原告A1は、J1に連続して登攀訓練を行 わせ、力尽きたJ1が登攀できなくなって手を放して宙吊り状態となり、 - 61 -命綱が腹部等に食い込んだことにより痛い等と叫び、宙吊り状態となった後、地上に降ろされたこと、原告B1は、J1が宙吊り状態となった際に、早く上がれ、自分でどうにかしろ等と声をかけたことが認められる。 イ上記アの登攀訓練は、原告B1が平成24年1月18日の訓練内容を記載したメモやB1日記の記載内容に整合することから、同日に行われたも のと推認されるところ、J1は、消防職員として採用後、未だ1年を経過しておらず、原告らがJ1の体力等を十分に把握していたとはいえない状態で、J1に連続で登攀させ、体力の限界をきたして宙吊り状態になったものであり、登攀訓練において、登攀者が力尽きてロープから手を放し、命綱で宙吊り状態となることや、宙吊りとなって命綱が食い込み、痛みが 生じることは、起こり得ない出来事とはいえない。そして、他のA1非違行為及びB1非違行為にあるように、原告らが新人であるJ1を特に鍛錬させるために、限界まで登攀訓練を行わせようとする意図がうかがえ、また、宙吊り状態となった登攀者に対し、周囲の者が、早く上がれ、自分で 及びB1非違行為にあるように、原告らが新人であるJ1を特に鍛錬させるために、限界まで登攀訓練を行わせようとする意図がうかがえ、また、宙吊り状態となった登攀者に対し、周囲の者が、早く上がれ、自分でどうにかしろ等と声をかけることについても、登攀者の奮起を促す趣旨が 含まれるものと理解できないではない。 ウさらに、被告は、J1が宙吊りになっていた時間につき、15~20分程度、短くても10分程度に及んでいた旨を主張し、J1及びI1もこれに沿う供述をする(乙15の1及び2、乙102、証人J1、証人I1)。 しかし、原告らのみならず、登攀訓練に参加していたF2やG2も、宙 吊りとなった時間が10分程度には及んでいなかった旨を供述しており(乙100、乙101、証人F2)、J1自身も体感での時間感覚であって、宙吊り時間を計測や確認したものではない。また、I1が登攀訓練に参加したかにつき、当事者間に争いがあるところ、原告B1が訓練内容等を記載したノート(乙111・358頁、丙4・44頁)には、I1の氏名は なく、当時、I1は、消防隊1部(1中隊)本署救急小隊に所属しており - 62 -(乙149)、第1小隊及び第2小隊により行われた登攀訓練に参加したかは明らかではない上に、I1自身も体感での時間感覚であって、宙吊り時間を計測や確認したものではない。 そうすると、J1の宙吊り時間については、被告の上記主張のように15~20分程度、短くても10分程度とは認め難く、概ね数分程度であっ たと認めるのが相当である。 なお、G1は、平成24年1月18日の登攀訓練に立ち会い、J1が2~3分間宙吊りになった旨を供述する(証人G1)。しかし、G1が登攀訓練に立ち会っていたかにつき、当事者間に争いがあり、G1は、上記供述以前、糸 、平成24年1月18日の登攀訓練に立ち会い、J1が2~3分間宙吊りになった旨を供述する(証人G1)。しかし、G1が登攀訓練に立ち会っていたかにつき、当事者間に争いがあり、G1は、上記供述以前、糸島市公平委員会の質問に対する回答書(甲45の1及び2)に おいて、登攀訓練の参加人員や名前については覚えておらず、特筆すべき事項はなかった旨を回答し、また、陳述録取書(乙83)においても、登攀訓練に立ち会ったか覚えていない旨を供述していることからすると、G1の上記供述をにわかに採用することはできない。 エ以上のとおり、登攀訓練の実施状況や宙吊り時間をみると、原告らの指 示や発言について、通常の訓練の範囲を逸脱ないし過剰にわたる部分があったとまではいい難く、J1に対するしごきと評価することはできない。 したがって、A1非違行為2については、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントや同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当するとはいえず、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとは認 められない。 ⑶ A1非違行為3(いじめ)についてア前記認定事実⑷イによれば、原告ら及びF1は、当務の日の夜に、消防署本署のトレーニング室において、J1に対し、身体にロープを縛着し、そのロープを鉄棒に引っ掛けた状態で懸垂を実施させ、J1が力尽きて懸 垂できなくなると、主に原告B1がJ1の身体に縛着したロープを引っ張 - 63 -って宙吊り状態とし、更に懸垂を実施させようとしたことが複数回あったものと認められる。 イこのように、懸垂補助を目的としてロープを身体に縛着した状態で懸垂を行うというトレーニング方法については、上記アのJ1が懸垂をする場合を除いては、糸島市の消防本部のみならず、他の消防本部でも実践さ このように、懸垂補助を目的としてロープを身体に縛着した状態で懸垂を行うというトレーニング方法については、上記アのJ1が懸垂をする場合を除いては、糸島市の消防本部のみならず、他の消防本部でも実践され た実例は見当たらず(乙89~93)、原告らにおいても、J1以外の後輩の消防職員には行わせていないこと(証人K1)からして、通常採用されていない特異な方法であったといえる。 そして、J1は、当時、消防職員として採用後、未だ1年を経過しておらず、上司や先輩に当たる原告らが囲んだような状態で、身体にロープを 縛着されて懸垂をさせられ、自身の力では限界を迎えた後もロープを保持されて宙吊り状態となり、懸垂器具から下りることが許されず、更に懸垂を行うように促されており、ロープが身体に食い込み、痛みを生じさせるものであるとともに、心理的にも相当の圧迫を与えるものと評価せざるを得ない。そうすると、このような懸垂のトレーニング方法は、不適切、不 相当な方法であったといわざるを得ない。 なお、この点は、F1等が、J1と同様に、身体にロープを縛着した状態で懸垂のトレーニングを行ったことがあったとしても、このような懸垂のトレーニング方法が適切、相当な方法であったと評価することには繋がらない。 ウ原告らは、ロープの結び方を併せて訓練するものであった旨を主張するが、懸垂のトレーニングに当たって、上記のように、ロープが食い込む痛みや心理的圧迫を与えるような特異な方法でロープの結索を訓練する必要性、相当性を見出すことはできず、原告らの上記主張をおよそ採用することはできない。 エ他方で、被告は、J1が懸垂で宙吊りになった時間や回数について、2 - 64 -0日程度(少なくとも2日以上)、1日数回(1~3回)、1日合計3 をおよそ採用することはできない。 エ他方で、被告は、J1が懸垂で宙吊りになった時間や回数について、2 - 64 -0日程度(少なくとも2日以上)、1日数回(1~3回)、1日合計30分程度であった旨を主張し、J1はこれに沿う供述をする。 しかし、J1は、糸島市総務課による「聴き取り内容」(乙15の1及び2)においては、長いときは30分くらい吊るされた旨を供述し、その後も30分くらい宙吊り状態にされた旨を供述していた(乙29、乙11 3)にもかかわらず、1回の宙吊りで最大で10分程度、1日数回、1日合計30分程度であった旨の供述に変遷しており、かつ、その時間も体感での時間感覚であって、宙吊り時間を計測や確認したものではない。 そうすると、宙吊り時間については、J1の上記供述をにわかに採用することはできず、数分程度であった可能性が残るものといえる。 オ以上を踏まえると、J1が宙吊りにされた時間は30分程度にまでは及んでいなかったものの、J1の意に反し、ロープを身体に縛着した状態で懸垂を行い、力尽きて手を放すとロープで宙吊りにされ、その状態で更に懸垂をさせられるという不適切、不相当なトレーニング方法を強いたものというべきである。 カまた、前記認定事実⑷イによれば、原告ら及びF1は、当務の日の夜に、J1とともに雑巾掛け競争を行い、競争に負けた場合に、ペナルティとしてジャンピングスクワットや腕立て伏せを行うこととし、J1が複数回、上記のペナルティをさせられたことが認められる。 上記の雑巾掛け競争や競争に負けた場合のペナルティは、当務中に行わ れているところ、これらが当務中に行う自主的な訓練やトレーニングとして適当なものと評価し得るかは疑問があるといわざるを得ない。そして、J1は、上記 争に負けた場合のペナルティは、当務中に行わ れているところ、これらが当務中に行う自主的な訓練やトレーニングとして適当なものと評価し得るかは疑問があるといわざるを得ない。そして、J1は、上記の雑巾掛け競争や競争に負けた場合のペナルティについて、自ら希望して参加したとは認め難く、原告ら及びF1の誘いにより、やむを得ず参加していたものといえる。そうすると、雑巾掛け競争及び競争に 負けた場合のペナルティについては、「いじめ」とまではいえないものの、 - 65 -当務中に行うには適当とはいえない自主的な訓練やトレーニングにJ1の意に反して参加を強いたものというべきである。 キしたがって、A1非違行為3のうち、懸垂のトレーニングに関する部分、雑巾掛け競争及び競争に負けた場合のペナルティへの参加については、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に 定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 ⑷ A1非違行為4(いじめ、しごき)についてア前記認定事実⑸ウによれば、原告A1及びL1は、当務の日の夜に、消防署本署のトレーニング室において、トレーニングとして、K1に、懸垂、 腕立て伏せ、ベンチプレス等をさせ、その際に、K1に対し、「お前、ほんとだごやね。」「しゃばい。」などと発言したことが認められるところ、当時、K1は、糸島市の消防職員として採用後、数か月程度が経過したにすぎない時期であり、先輩の原告A1やL1から声を掛けられ、K1としては、意に沿うか否かに関係なく、トレーニングに応じざるを得なかった 面があったであろうと推認することはできる。 イ K1は、原告A1及びL1により、自身が潰れるまで上記のトレーニングを強いられた旨を供 うか否かに関係なく、トレーニングに応じざるを得なかった 面があったであろうと推認することはできる。 イ K1は、原告A1及びL1により、自身が潰れるまで上記のトレーニングを強いられた旨を供述する(証人K1)。しかし、上記のトレーニング内容は、特段不適切な内容や方法によるものとはいえず、原告A1やL1がトレーニングとしてK1の限界まで追い込むことはあったかもしれない が、いじめと評価し得るほどの内容や態様であったとまでは認められず、また、しごきと評価し得るほどのトレーニングを強いたとも認められない。 確かに、「お前、ほんとだごやね。」「しゃばい。」などの原告A1の発言は、穏当なものとはいい難いものの、これをもって、K1に対し、厳しいトレーニングを強いたとまでは認められない。そうすると、上記発言 をもって、K1に対するいじめやしごきがあったとまでは評価することは - 66 -できない。 ウしたがって、A1非違行為4の事実を認めることはできない。 ⑸ A1非違行為5(しごき)についてア前記認定事実⑸エによれば、原告A1は、平成24年6月8日の消防基礎訓練の際に、K1に体力の限界まで複数回、防御訓練を実施させ、これ によりK1が熱中症の症状を起こし、一時意識を失って、失禁し、病院で診察を受け、脱水症、急性腸炎と診断される状態に至ったことが認められる。 イ原告A1が、訓練の進行者として、K1において、上記の症状を呈するまで複数回、防御訓練を実施させた点については、訓練直後にK1が体調 不良を起こしたことからして、通常の訓練の範囲を逸脱ないし過剰にわたる部分があったといわざるを得ない。 ウしたがって、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定 とからして、通常の訓練の範囲を逸脱ないし過剰にわたる部分があったといわざるを得ない。 ウしたがって、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 ⑹ A1非違行為6(いじめ)についてア前記認定事実⑹イによれば、N1は、L1及び原告A1の指示により、自主的な訓練として、検索訓練及び搬送訓練を行い、N1が倒れ込むと、ペナルティとして、面体を装着させた状態で腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走らせたりしたこと、別の機会には、L1、Q2及び原 告A1の指示により、自主的な訓練として、N1に潜水ボンベを運ぶ訓練を行い、潜水ボンベを地面に降ろすと、ペナルティとして、腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて走らせたりしたことがそれぞれ認められる。 イこれらは、いずれも自主的な訓練として行われたものであるところ、消防職員らにより自主的に訓練を実施すること自体はあり得るものといえる。 しかし、N1が体力の限界を迎えて倒れ込んだり、潜水ボンベを地面に降 - 67 -ろしたりすると、ペナルティが課されるという内容は相当なものであるとはいえず、N1の了解が十分に得られていたとも認められない。そうすると、N1の意に反し、不相当なペナルティのある自主的な訓練に参加させて実施したことは、不適切なものといわざるを得ない。 ウこの点、原告A1は、上記アの各訓練についてはL1が主導したもので あって、自身はN1を呼び出しておらず、訓練にも参加していない、複数回訓練の場に通り掛かったり、見学したりしたにすぎない旨を主張する。 N1の「聴き取り内容」(乙34の1及び2)をみると、L1が上記 って、自身はN1を呼び出しておらず、訓練にも参加していない、複数回訓練の場に通り掛かったり、見学したりしたにすぎない旨を主張する。 N1の「聴き取り内容」(乙34の1及び2)をみると、L1が上記アの各訓練を主導した面がうかがえるものの、原告A1もL1とともに指示等をし、N1に上記アの各訓練やペナルティを行わせており、原告A1も 関与していたものというべきであり、原告A1の上記主張を採用することはできない。 エまた、Yは、平成29年3月3日に上記内容が訓練の一環であり、いじめではない旨記載した書面を作成している(甲25)ものの、他方で、同年10月13日、以前に上記内容をN1に対するしごき等と説明した「聴 き取り内容」(乙5の1)に誤り等がない旨の確認書を作成しており(乙5の2)、Y作成の書面(甲25)をもって訓練の一環と評価することはできない。 オ他に、上記訓練に関連する動画が存在し(甲49~52)、この動画においては、N1らが和やかな雰囲気で自主的に搬送訓練や消火器の取扱等 の訓練等を行う様子が撮影されているものの、上記アの各訓練の様子を撮影したものではなく、この動画の存在をもって、上記ア及びイの訓練が和やかな雰囲気のまま行われたものと認めることはできない。 カ以上によれば、原告A1の上記ア及びイの各行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他の ハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであ - 68 -るといえる。 ⑺ A1非違行為7(しごき)について前記認定事実⑸キによれば、原告A1は、正当な理由なく、後輩職員であるN1に対し、通信指令室内でパイプ椅子の上で腕立て伏せを100回程度行わせたことが認められる。原告A1 為7(しごき)について前記認定事実⑸キによれば、原告A1は、正当な理由なく、後輩職員であるN1に対し、通信指令室内でパイプ椅子の上で腕立て伏せを100回程度行わせたことが認められる。原告A1の上記行為は、指導や訓練などとはい えず、単にしごきと評価されてもやむを得ない。 そうすると、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 ⑻ A1非違行為8(信用失墜行為)について ア前記認定事実⑼イによれば、原告A1は、訓練の署内発表において、同発表を見学していた幼児を含む市民や他の消防職員に聞こえる声の大きさで、わいせつな内容を含む不適切な発言をしたものであり、発言の場面や内容を考慮すれば、原告A1の上記行為は、市民の消防本部及び消防署に対する信用を失いかねない行為であったと評価することができる。 イ原告A1の上記行為は、発言の趣旨や状況をみると、まさに消防職の信用を傷つけ、消防職全体の不名誉となる行為であって、地方公務員法33条に反するものであるほか、発言内容としても、ハラスメント防止規程2条⑴に定めるセクシュアル・ハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものといえる。 ⑼ A1非違行為9(暴言)についてア前記認定事実⑴によれば、原告A1は、数年にわたって、繰り返し、消防隊員らに対し、同僚であるO1が小隊長を務めていた2部の訓練の様子等を踏まえ、O1についての悪評や陰口を述べており、暴言との評価も可能であって、原告A1の上記行為は、職場内における不適切な言動であっ たと評価することができる。 - 69 -また、前記認定事 O1についての悪評や陰口を述べており、暴言との評価も可能であって、原告A1の上記行為は、職場内における不適切な言動であっ たと評価することができる。 - 69 -また、前記認定事実⑵によれば、原告A1は、I1に対し、訓練の状況を非難し、I1をO1の手下などと決めつけ、気持ち悪いと述べる等、暴言と評価できるものであって、原告A1の上記行為は、職場内における不適切な言動であったと評価することができる。 イそして、原告A1は、ハラスメント防止規程が平成22年1月1日施行 であり、A1非違行為9については、同規程の遡及適用であって、違法である旨を主張するが、ハラスメント防止規程の適用がなくとも、A1非違行為9はいずれも同僚職員に対する暴言と評価できるものであって、少なくとも地方公務員法29条1項3号に定める非行に該当するものといえる。 ⑽ A1非違行為10(侮辱)について ア P1の「聴き取り内容」(乙46の1及び2)及び弁論の全趣旨によれば、A1非違行為10の第1及び第2のとおり、原告A1は、職員旅行等において、後輩のP1に対し、理不尽に腕立て伏せをさせ、「ぶっ殺す」等の暴言を述べたものと認めることができ、これらの言動を正当化する事情は見当たらない。原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵ に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 イこれに対し、原告A1は、A1非違行為10の第1及び第2について、いずれも否認ないし知らない旨を主張するとともに、仮にA1非違行為10の第1及び第2の事実があったとしても、冗談の範疇として捉えられる べきものである旨を主張する。しかし、P1は、「聴き取り内容」(乙 否認ないし知らない旨を主張するとともに、仮にA1非違行為10の第1及び第2の事実があったとしても、冗談の範疇として捉えられる べきものである旨を主張する。しかし、P1は、「聴き取り内容」(乙46の1及び2)において、A1非違行為10の第1及び第2の内容を具体的に供述しており、上記アのとおり、同内容を認めることができ、「ぶっ殺す」「死ね」等を含む発言内容や発言時の状況をみると、冗談の範疇といえるものではなく、原告A1の上記主張を採用することはできない。 ⑾ A1非違行為11の第2及び第3、13、16~18について - 70 -ア前記認定事実⑶イ、⑸オ、カ、⑹エ、⑺イ、⑻ウ~オによれば、原告A1は、A1非違行為11の第2及び第3、13の第1・第2・第5・第6、16~18について、部下ないし後輩の消防職員複数名に対し、多数回にわたって、暴言、侮辱、叱責、非難等といった不適切な言動を繰り返し、上記言動を正当化する事情は見当たらない。このような原告A1の各行為 は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 イなお、A1非違行為11の第1については、当事者間に争いがあるところ、その内容をみると、穏当な言動とはいえないものの、侮辱や暴言であ るとして、ハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントや同条⑶のその他のハラスメントに該当する程度のものとは認め難く、これをもって、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとはいえない。 ウまた、N1の「聴き取り内容」(乙34の1及び2)及び弁論の全趣旨によれば、A1非違行為13の第3及び第4のとおり、原告A1は、後輩 のN1に対し、「恐怖 1項に反するものとはいえない。 ウまた、N1の「聴き取り内容」(乙34の1及び2)及び弁論の全趣旨によれば、A1非違行為13の第3及び第4のとおり、原告A1は、後輩 のN1に対し、「恐怖で支配する」「理不尽で支配する」「恐怖でお前を言うこときかすけん。」などと述べたことが認められ、これらの不穏当な発言は、暴言と評価するのが相当であるから、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえ る。 ⑿ A1非違行為12(暴言)についてA1非違行為12については、当事者間に争いがあるものの、その内容をみると、原告A1がT1に対し顔を合わせるたびに「調子に乗るなよ。」と発言したものであり、発言の頻度や状況が必ずしも明らかでなく、仮に上記 発言がなされていたとしても、直ちにハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ - 71 -ハラスメントや同条⑶のその他のハラスメントに該当する程度のものとは認め難い。 したがって、A1非違行為12については、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとは認められない。 ⒀ A1非違行為14(日常的な叱責) ア A1非違行為14(日常的な叱責)の第1については、当事者間に争いがあるところ、原告A1がV1に対し「向いてないっちゃないや。」「さばけん。」などと発言したことはあった可能性はうかがえるものの、発言の頻度や状況が必ずしも明らかでなく、仮に上記発言がなされていたとしても、直ちにハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントや同条 ⑶のその他のハラスメントに該当する程度のものとは認め難い。 イまた、A1非違行為14の第2についても、当事者間に争いがあるとこ 直ちにハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントや同条 ⑶のその他のハラスメントに該当する程度のものとは認め難い。 イまた、A1非違行為14の第2についても、当事者間に争いがあるところ、原告A1が、V1に対し、自主防災訓練に派遣する職員の人選について、不満を述べ、その際に穏当な表現でなかった可能性はうかがえるものの、叱責と評価するに足りる内容であったとまではいえず、ハラスメント 防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントや同条⑶のその他のハラスメントに該当する程度のものとは認め難い。 ウしたがって、A1非違行為14の第1及び第2については、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとは認められない。 ⒁ A1非違行為15(日常的な侮辱)について 前記認定事実⑷カによれば、原告A1が、部下のJ1に対し、J1が以前に陸上自衛隊空挺団に所属していたことを揶揄する発言をしたものと認められる。確かに、原告A1の上記発言は、上司として穏当とはいえないものの、発言の頻度や状況が必ずしも明らかでなく、直ちにハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントや同条⑶のその他のハラスメントに該当する程 度のものとは認め難い。 - 72 -したがって、A1非違行為15については、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとは認められない。 ⒂ A1非違行為19(日常的な暴言、暴言、執拗な非難)についてア前記認定事実⑻イ、⑼ウによれば、原告A1は、後輩のYに対し、繰り返し、訓練の内容を批判ないし非難し、「ダメ人間」などと暴言を吐いて おり、このような言動を正当化する事情は見当たらない。原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し 暴言を吐いて おり、このような言動を正当化する事情は見当たらない。原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するものであるといえる。 イこれに対し、Yは、平成29年3月3日に上記内容がハラスメント等で はなく、Yの仕事の向上のため指導された行為である旨を記載した書面を作成している(甲26)ものの、他方で、同年10月13日、以前に上記内容をハラスメント等であると説明した「聴き取り内容」(乙5の1)に誤り等がない旨の確認書を作成し(乙5の2)、A1非違行為19の内容をみても、仕事の向上のための指導と評価し得るものとはいえず、Y作成 の書面(甲26)をもってハラスメントではないとはいえない。 ⒃ A1非違行為20(サービス残業の強要、日常的な叱責)についてア前記認定事実⑻キによれば、原告A1は、部下のY、W1、Xに対し、いわゆるサービス残業を求めるかのような発言を繰り返していたのに対し、平成27年度に残業時間として記録されたのは、Yの6時間のみであって、 W1、Xは残業しなかった取扱いになっていたことからすると、Y、W1、Xは、相当な時間、いわゆるサービス残業を行っていたものと推認することができる。そうすると、平成27年度にY、W1、Xの上司である予防係長であった原告A1としては、上記発言は不適切な内容であるのみならず、職務上、Y、W1、Xの残業時間を申請すべき立場であったのに、こ れを怠ったと評価することができる。 - 73 -イしたがって、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメ 評価することができる。 - 73 -イしたがって、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメント防止規程5条1項に反するほか、地方公務員法29条1項2号にも反するものであるといえる。 ⒄ A1非違行為21(強要)について 前記認定事実⑹オによれば、M1が、自身の休職について、Z、Q1及びF1によるハラスメントを申し出たものの、調査の結果、処分には至らなかったことについて、原告A1は、M1に対し、Z、Q1及びF1に対し、謝罪をするように申し向けたことが認められる。 しかし、原告A1がM1に対し謝罪をするように申し向けた経緯は必ずし も明らかではないものの、Zらに対する処分等が行われなかったにもかかわらず、F1に対して制裁のような人事が行われたと感じていたことから、M1とのやり取りの中で謝罪を申し向けるに至ったものであり、その後は、M1が自らの判断で謝罪に赴き、原告A1が同行したものでもないから、原告A1がM1に謝罪を強要したとまではいえない。 したがって、原告A1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当するとまでは認められず、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとはいえない。 ⒅ A1非違行為22(無視)について 前記認定事実⑷クによれば、E2は、原告A1、F1及びU1について、ハラスメント被害の申出を行い、原告A1自身は、処分を受けなかったものの、原告A1がE2に対し悪感情を抱いていたことはあり得ないことではない。また、原告A1が、前記のとおり、J1、T1、N1、M1、V1に対し、それぞれ、不適切な言動をしたこと 処分を受けなかったものの、原告A1がE2に対し悪感情を抱いていたことはあり得ないことではない。また、原告A1が、前記のとおり、J1、T1、N1、M1、V1に対し、それぞれ、不適切な言動をしたことがあり、その前提として、J1らに 対し悪感情を抱いていたこともあり得ないことではない。 - 74 -しかしながら、原告A1が、J1、E2、T1、N1、M1、V1に対し、不適切な内容を含めて様々な言動に及んでいたことを踏まえると、それぞれ数年間にわたって日常的かつ継続的に無視していたとは認め難く、これを認めるに足りる的確な証拠も見当たらない。 したがって、その他の被告の主張を踏まえても、A1非違行為22につい ては、これを認めることはできない。 ⒆ 以上のとおり、A1非違行為1、3、5~10、11の第2及び第3、13、16~20については、上記のとおり、地方公務員法30条、33条、35条、ハラスメント防止規程5条1項に反するものといえるから、地方公務員法29条1項1号及び2号に該当するものと認められる。 3 争点2(本件免職が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか)について⑴ 地方公務員につき、地方公務員法所定の懲戒事由がある場合には、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選 択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をするか否か、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される(最高裁昭和47年(行ツ) 択するかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される(最高裁昭和47年(行ツ)第52号同52 年12月20日第三小法廷判決・民集31巻7号1101頁、最高裁平成23年(行ツ)第263号、同年(行ヒ)第294号同24年1月16日第一小法廷判決・裁判集民事239号253頁等参照)。 ⑵ア A1非違行為1については、本件懲戒指針の別表のうち、勤務態度不良(勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせ た職員)に該当し、標準的な懲戒処分の種類は、減給又は戒告に相当する - 75 -ものといえる。次に、A1非違行為3、5~7については、本件懲戒指針の別表のうち、職場内秩序を乱す行為(他の職員に対する暴行により、職場の秩序を乱した職員)又はこれに準ずる行為に該当するものと解され、標準的な懲戒処分の種類は停職又は減給に相当するものといえる。そして、A1非違行為8については、本件懲戒指針の別表のうち、セクシャルハラ スメント(相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員)に該当するものと解され、標準的な懲戒処分の種類は減給又は戒告に相当するものといえる。さらに、A1非違行為9、10、11の第2及び第3、13、16~20については、本件懲戒指針の別表のうち、職場内秩序を乱す行為(他の職員に対する暴言により、職場の秩 序を乱した職員)又はこれに準ずる行為に該当するものと解され、標準的な懲戒処分の種類は減給又は戒告に相当するものといえる。 イ本件懲戒指針によれば、職員が非違行為を2以上行ったとき(第3条)や、⑴非違行為の態様が極めて悪質であるとき、⑵非違行為 と解され、標準的な懲戒処分の種類は減給又は戒告に相当するものといえる。 イ本件懲戒指針によれば、職員が非違行為を2以上行ったとき(第3条)や、⑴非違行為の態様が極めて悪質であるとき、⑵非違行為が他の職員及び社会に与える影響が特に大きいとき等(第4条)には、別表に掲げる懲 戒処分の種類のうち最も重い懲戒処分よりも重い懲戒処分を行うことができるところ、原告A1は、少なくとも2以上の非違行為を行ったものと認められるから、標準的な懲戒処分の種類のうち最も重い懲戒処分である停職よりも重い懲戒処分である免職を選択することが可能であると解される(第3条2項参照)。 ウそこで、本件懲戒指針第2条に定める懲戒処分の基準を踏まえて、免職を選択することが懲戒権者の裁量権の範囲内であるかを検討する。 原告A1は、主に係長級の役職に就き、部下や後輩の消防職員を適切に指導等すべき立場にありながら、数年にわたって、部下や後輩等の消防職員に対し、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたる訓練やトレーニングを行 わせ、暴言や叱責等に繰り返し及んでおり、部下等に対する嫌悪や苛立ち、 - 76 -悪感情等を主な動機として感情の赴くままに非違行為に及んだ部分が多かったものと認められる。A1非違行為は、訓練やトレーニングの場面で行われることもあり、被害を受けた職員の中には、宙吊り等による身体的苦痛を受けた者がおり、また、暴言等により精神的にも苦痛を受けた者が相当数に上るものであったといえる。また、被告においては、ハラスメント に関するQ&A集を作成・更新し(乙133、134)、ハラスメントの防止措置に努めてきたこと(乙136~145)が認められ、原告A1は、ハラスメントに関する研修を繰り返し受けた(乙138、140、141)にもかかわらず、 更新し(乙133、134)、ハラスメントの防止措置に努めてきたこと(乙136~145)が認められ、原告A1は、ハラスメントに関する研修を繰り返し受けた(乙138、140、141)にもかかわらず、非違行為に及んでおり、ハラスメントに関する意識の低さもうかがえる。これらに加えて、原告A1は、A1非違行為1にあるよ うに、離席による職務懈怠があり、日頃の勤務状況についても芳しくない面もある。 エもっとも、訓練やトレーニングにおいて、逸脱ないし過剰にわたった程度としては、特段大きいとまではいい難く、原告A1には、部下等の訓練や指導等を目的とする部分があったこともうかがえ、部下や後輩の消防職 員に対する指導等の度が過ぎた面があったといえなくはない。暴言や叱責等についても、過剰に言い過ぎた面や、表現が適切でなく、いわゆる口が悪い面が現れたにすぎないところもあったといえる。また、結果として、被害を受けた職員に重大な負傷等も生じていない。これらを踏まえると、A1非違行為は長年にわたり多数に上るものであるものの、極めて悪質で ある、又は、他の職員及び社会に与える影響が特に大きいとまではいえない(本件懲戒指針第4条1項⑴、⑵参照)。 また、原告A1は、本件免職まで、懲戒処分を受けたことがなく、また、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたる訓練やトレーニング、暴言や叱責等について、個別的に注意や指導を受けたとの事情も見当たらず、本件免職 前の原告A1の能力考課シートに関しても、離席の点の他は特段の評価や - 77 -コメントはされていなかったことが認められる(甲13~16)。 オ以上の各事情のほか、その他の本件懲戒指針第2条に定める事情を総合的に考慮すると、原告A1の非違行為は長年にわたり、多数に上るものではあるものの ていなかったことが認められる(甲13~16)。 オ以上の各事情のほか、その他の本件懲戒指針第2条に定める事情を総合的に考慮すると、原告A1の非違行為は長年にわたり、多数に上るものではあるものの、それぞれの内容自体は上記エの事情が見受けられることからして、これまで懲戒処分歴がない中で、処分行政庁(消防本部消防長) が、原告A1に対する懲戒処分として、本件懲戒指針に定める標準的な懲戒処分のうち最も重い停職よりも重く、かつ懲戒処分の中でも最も重い免職処分を選択した判断は、処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、本件免職は懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法と評価せざるを得ない。 ⑶ 以上によれば、本件免職は、争点3(本件免職の手続の違法の有無)について検討するまでもなく、裁量権の行使を誤った違法があるといわざるを得ず、取消しを免れない。 4 争点4(国家賠償法1条1項所定の違法行為の有無)について⑴ 前記3の判断のとおり、本件免職は、裁量権の行使を誤った違法があると いうべきであり、これは違法な公権力の行使に該当し、かつ、上記のとおり、懲戒処分の選択について、少なくとも過失があったと認められるから、被告は、国家賠償法1条1項に基づき、原告A1に生じた損害を賠償すべき義務を負うといわざるを得ない。 ⑵ 次に、前記前提事実⑸及び認定事実⑾によれば、本件記事については、本 件免職がなされる前の平成29年3月1日に掲載されたところ、その内容をみると、概ね、本件審査委員会による審議結果に整合する内容となっており、本件記事中にも「市関係者などによると」との記載があるように、糸島市関係者が取材元になっていたことがうかがわれ、西日本新聞からの取材に対し、被告においても、パワー・ハラスメ 合する内容となっており、本件記事中にも「市関係者などによると」との記載があるように、糸島市関係者が取材元になっていたことがうかがわれ、西日本新聞からの取材に対し、被告においても、パワー・ハラスメントがあったことを認め、処分を検討し ている旨の回答をしたことが認められる。 - 78 -しかし、上記のほかに、本件記事の取材元や取材経過が明らかではなく、本件審査委員会の委員等が、新聞社に対し、本件記事に係る情報を違法に提供したことを認めるに足りる証拠は見当たらず、上記の委員等による違法行為を認めることはできない。 5 争点5(損害の発生及び額) ⑴ 前記3のとおり、本件免職は、違法な公権力の行使に該当するといえるところ、原告A1は、本件免職により消防職員としての地位を失い、給与等を受け取ることができなくなった上、本件記事や情報番組において、匿名ではあるものの、中心メンバー等として「係長級」ないし「43歳係長」等と報道され、消防本部及び消防署関係者には容易に原告A1を指し示すものと分 かる内容となっていたことが認められ、相応の精神的苦痛を被ったものということができる。 ⑵ もっとも、A1非違行為とされた原告A1の行為の相当部分が懲戒事由に該当すること自体は認められ、本件免職は、A1非違行為の内容と比較して懲戒処分の選択が重きに失したことによって違法と評価されるものであるこ と、本判決において本件免職が取り消されることにより、上記の精神的苦痛の相当部分が慰謝されることになること、その他本件に現れた一切の事情を考慮すると、原告A1のその他の主張を踏まえても、原告A1の精神的苦痛に対する慰謝料は100万円とするのが相当である。 6 争点6(本件戒告に係る懲戒事由該当性)について ⑴ B1非違行為1 慮すると、原告A1のその他の主張を踏まえても、原告A1の精神的苦痛に対する慰謝料は100万円とするのが相当である。 6 争点6(本件戒告に係る懲戒事由該当性)について ⑴ B1非違行為1(しごき)についてア B1非違行為1については、A1非違行為2と同様の内容であり、前記のとおり、J1に対する登攀訓練については、通常の訓練の範囲を逸脱ないし過剰にわたる部分があったとまではいい難く、しごきとまで評価することはできない。 イしたがって、B1非違行為1に係る原告B1の行為は、ハラスメント防 - 79 -止規程2条⑵のパワー・ハラスメントないし同条⑶のその他のハラスメントに該当するとは認められず、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとはいえない。 ⑵ B1非違行為2の第1(いじめ)についてア B1非違行為2の第1については、A1非違行為3と同様の内容であり、 前記のとおり、J1の意に沿わず、ロープを身体に縛着した状態で懸垂を行い、力尽きて手を放すとロープで宙吊りにされ、その状態で更に懸垂をさせられるという不適切、不相当なトレーニング方法を強いたものというべきである。また、雑巾掛け競争及び競争に負けた場合のペナルティへの参加についても、当務中に行うには適当とはいえない自主的な訓練やトレ ーニングにJ1の意に反して参加を強いたものというべきである。 イしたがって、原告B1は、B1非違行為2の第1のうち、懸垂のトレーニングに関する部分、雑巾掛け競争及び競争に負けた場合のペナルティへの参加については、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメン ト防止規程5条1項に反するものであるといえる。 ⑶ B1非違行為2の第2(いじ メント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントないし同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当し、ハラスメン ト防止規程5条1項に反するものであるといえる。 ⑶ B1非違行為2の第2(いじめ)についてア前記認定事実⑷ウによれば、原告B1が原告A1やJ1とともに、当務が重なった日の午後7時頃から午後9時頃までの間、本署トレーニング室で、懸垂以外の筋力トレーニングを行っていたこと、原告B1がJ1とと もに深夜に同様の筋力トレーニングを行ったことがあったことは認められるものの、懸垂以外の筋力トレーニングの内容がいじめ行為とまで評価し得るものかは明らかとはいい難い。 イしたがって、原告B1の上記の所為については、直ちにハラスメント防止規程2条⑵のパワー・ハラスメントないし同条⑶のその他のハラスメン トに該当するとは認められず、ハラスメント防止規程5条1項に反するも - 80 -のとはいえない。 ⑷ B1非違行為2の第3(いじめ)についてア前記認定事実⑷オによれば、原告B1は、ロープ渡過訓練において、J1がその途中で体力の限界をきたして動けなくなったところ、ロープを揺さぶり、J1をロープから落として命綱で吊るす状態とし、J1に対し「ほ ら、はよ上がれ!人助けに行くっちゃろうが!上がれんなら助けてくださいとはよ言え!」などと声を掛けたことが認められる。 イ被告は、原告B1がJ1を命綱で吊るした状態で20分以上放置した旨を主張し、J1もこれに沿う供述をする(乙15の1及び2、証人J1)が、J1以外の訓練参加者(K2、L2、J2)及び原告B1については、 J1が命綱で吊るされた時間が噛み合っていないこと(乙129~131、丙13、丙14、原告B1)からすると、少なくとも20分以上に及ぶものと認め (K2、L2、J2)及び原告B1については、 J1が命綱で吊るされた時間が噛み合っていないこと(乙129~131、丙13、丙14、原告B1)からすると、少なくとも20分以上に及ぶものと認めることはできず、被告の上記主張を採用することはできない。 ウまた、ロープ渡過訓練において、渡過中に動けなくなった消防職員に対し、ロープを揺さぶって落とし、命綱で吊るす状態にすること自体は、訓 練の一環とはいい難いところはあるものの、本件に限らず、ロープ渡過訓練において行われたことがあるものとうかがわれ、原告B1の上記発言もこの過程の中でのものであり、特段暴言や叱責といったものとはいえないことからすると、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたる訓練内容であったとまではいえない。 エそうすると、原告B1の上記行為は、ハラスメント防止規程2条⑵に定めるパワー・ハラスメントや同条⑶に定めるその他のハラスメントに該当するものとはいえず、ハラスメント防止規程5条1項に反するものとは認められない。 ⑸ B1非違行為3(無視)について ア前記認定事実⑷ク及び⑹オによれば、B1日記における記載からして、 - 81 -原告B1は、原告A1らによるハラスメントの存在を申告したE2や、Zらによるハラスメントの存在を申告したM1について、快く思っておらず、悪感情を抱いていたことがうかがえる。 しかし、B1日記の記載は、原告B1がE2及びM1を無視することを示唆する内容ではなく、「おいこみ」「くぎさし」といった、むしろ積極 的に関与することを示唆するものである上、E2が原告B1が、E2及びM1に対し、それぞれ数年間にわたって日常的かつ継続的に無視していたことを認めるに足りる的確な証拠も見当たらない。 イしたがって、その他の被告 とを示唆するものである上、E2が原告B1が、E2及びM1に対し、それぞれ数年間にわたって日常的かつ継続的に無視していたことを認めるに足りる的確な証拠も見当たらない。 イしたがって、その他の被告の主張を踏まえても、B1非違行為3の第1及び第2については、これを認めることはできない。 ⑹ 以上のとおり、原告B1については、B1非違行為2の第1については、ハラスメント防止規程5条1項に反するものといえるから、地方公務員法29条1項1号に該当するものと認められる。 7 争点7(本件戒告が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したか)について ⑴ B1非違行為2の第1については、本件懲戒指針の別表のうち、職場内秩序を乱す行為(他の職員に対する暴行により、職場の秩序を乱した職員)又はこれに準ずる行為に該当するものと解され、標準的な懲戒処分の種類は停職又は減給に相当するものといえる。 ⑵ 本件懲戒指針第2条に定める懲戒処分の基準を踏まえて、戒告を選択する ことが懲戒権者の裁量権の範囲内であるかを検討する。 ア原告B1は、主に係長級の役職に就き、部下の消防職員を適切に指導等すべき立場にありながら、部下の消防職員に対し、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたるトレーニングに及んでおり、少なからず部下等の訓練や指導等を目的とする部分があったことは否定できないものの、訓練や指導等 の範囲を逸脱した部分があったものといわざるを得ない。B1非違行為2 - 82 -の第1により、被害を受けた職員にとっては、身体等に危険が生じた可能性も否定できない上、精神的な苦痛を生じさせるものであったといえる。 加えて、原告A1と同様、被告において、ハラスメントに関するQ&A集を作成して更新し、ハラスメントの防止措置に努めてきたことが認められ も否定できない上、精神的な苦痛を生じさせるものであったといえる。 加えて、原告A1と同様、被告において、ハラスメントに関するQ&A集を作成して更新し、ハラスメントの防止措置に努めてきたことが認められ、原告B1自身も、ハラスメントに関する研修を繰り返し受けたにもかかわ らず、非違行為に及んでおり、ハラスメントに関する意識の低さもうかがえる。 イ他方で、結果として、被害を受けた職員に重大な負傷等を生じてはおらず、訓練やトレーニングにおいて、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたった程度も大きく外れたものとはいえない。加えて、原告B1は、本件戒告 まで、懲戒処分を受けたことがなく、また、通常の範囲を逸脱ないし過剰にわたる訓練やトレーニング、暴言や叱責等について、個別的に注意や指導を受けたとの事情も見当たらない。 ⑶ 以上の各事情のほか、その他の本件懲戒指針第2条に定める事情を総合すると、原告B1に対する非違行為としてはB1非違行為2の第1に限られる ものの、処分行政庁(消防本部消防長)が、原告B1に対する懲戒処分として、本件懲戒指針に定める標準的な懲戒処分のうち最も軽い減給よりも処分を軽くし、懲戒処分の中で最も軽い戒告処分を選択した消防本部消防長の判断は、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものとは認められず、本件戒告は違法であるとはいえない。 8 よって、原告A1の本件免職取消請求は理由があるからこれを認容し、原告A1の国家賠償請求は主文1項⑵の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないからこれを棄却し、原告B1の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。なお、被告から仮執行免脱宣言の申立てがあるので、これを相当と認め、仮執行宣言を付した上で担 理由がないからこれを棄却し、原告B1の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。なお、被告から仮執行免脱宣言の申立てがあるので、これを相当と認め、仮執行宣言を付した上で担保付き 仮執行免脱宣言をすることとする。 - 83 - 福岡地方裁判所第5民事部 裁判長裁判官小野寺優子 裁判官有田浩規 裁判官大西優太は、転補につき署名押印することができない。 裁判長裁判官小野寺優子 - 84 -(別紙)A1 処分に係る非違行為 1 職務懈怠A1予防課予防係長(以下「被処分者」という。)は、勤務時間中であるにも かかわらず、頻繁に離席し、職務に専念しなかった。離席時間については、平成28年2月19日から同年3月31日まで、及び同年10月3日から同年11月17日までの期間、継続的に記録を取っている。当該記録によれば、各期間における離席時間は、1日平均でそれぞれ1.4時間と1.8時間であった。 2 しごき 被処分者は、平成23年10月頃から11月頃、消防署本署において、登攀訓練をした際、J1に対し、7mの懸垂ロープを3本連続で登攀させ、J1が3本目の登攀を完了したところでJ1の命綱に結索されている確保ロープの確保を別の職員に命じ、J1をロープ真ん中辺りまで降ろし、そこからまた登攀するようJ1に命じた。J1が3.5本目の登攀を完了して下に降りてきたところ、被処 分者は、J1に対し、すぐに4.5本目を登攀するように命じた。J1が4.5本目を完了する直前のところまで登攀すると、被処分者は、再び確保ロープ 5本目の登攀を完了して下に降りてきたところ、被処 分者は、J1に対し、すぐに4.5本目を登攀するように命じた。J1が4.5本目を完了する直前のところまで登攀すると、被処分者は、再び確保ロープの確保を命じ、そのままJ1を地面すれすれのところまで降ろして更に登攀するよう命じた。J1は、ロープの真ん中辺りまで登攀したところで体力の限界をきたして手を放し、宙吊りになった。被処分者は、苦しむJ1に対し、「うぅとか、痛 いとか言うな、情けない。なんが自衛隊出身や。」と言い、J1を宙吊りにしたまま放置してその場を去り、J1は約15分から約20分間宙吊りにされた。 3 いじめ被処分者は、F1及び原告B1とともに、平成23年10月から平成24年3月までの間、毎当務、J1を19時(午後7時)に消防署本署トレーニング室に 呼び出し、19時(午後7時)から21時(午後9時)までの間、同所におい - 85 -て、J1に対し、自らロープを身体縛着させ、その状態で懸垂するよう命じ、J1が力尽きて鉄棒から手を放すとロープを確保してJ1を約30分間宙吊りにしたり、F1又は原告B1と雑巾掛け競争をするように命じて、J1が競争に勝つと、J1が負けるまで連続して雑巾掛け競争をさせ、J1が競争に負けると罰としてジャンピングスクワットや腕立て伏せをさせたり、力尽きて身体が思うよう に動かないJ1の様子を見て笑うなどした。 4 いじめ、しごき被処分者は、L1とともに、平成24年6月から同年9月までの間、毎当務、K1を19時(午後7時)に消防署本署トレーニング室に呼び出し、19時(午後7時)から20時30分(午後8時30分)頃までの間、同所において、K1 に対し、懸垂、腕立て伏せ、ベンチプレス等をさせ、その間中「お前、ほんとだごやね。 レーニング室に呼び出し、19時(午後7時)から20時30分(午後8時30分)頃までの間、同所において、K1 に対し、懸垂、腕立て伏せ、ベンチプレス等をさせ、その間中「お前、ほんとだごやね。」「しゃばい。」などと言ってK1をけなす発言をした。 5 しごき被処分者は、平成24年6月8日、防御訓練をした際、最初の1本目は被処分者を含めて小隊全員でしたものの、2本目は被処分者以外の隊員でするよう命 じ、約10分間の休憩を挟んだ後、3本目以降はK1及びM1の2人だけにするよう命じ、さらに、3本目が終わった時点でK1及びM1の状態を確認することも、休憩を与えることもせず、そのまま連続で4本目をさせるという、いわゆる「しごき」を行った。これにより、K1は意識を失い、失禁をしたため病院に行った。診断は、「脱水症、急性腸炎」であった。 6 いじめ被処分者は、第1 L1とともに、平成25年2月2日から同月28日までの間、毎当務、N1を19時(午後7時)に消防署本署車庫に呼び出し、19時(午後7時)から21時(午後9時)までの間、同所において、N1に対し、検索訓練及 び搬送訓練をさせ、N1が倒れ込むとペナルティとして、面体を装着したま - 86 -まの状態で腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走らせるなどし、さらに、N1が体力の限界をきたして身体が思うように動かない様子を見て、笑ったり、笑いながら携帯電話で動画撮影をするなどした。 第2 L1及びQ2とともに、平成25年3月の毎当務、N1を19時(午後7時)に消防署本署車庫に呼び出し、19時(午後7時)から21時(午後9 時)までの間、同所において、N1に対し、潜水ボンベを両手人差し指と中指にそれぞれ1本ずつ挟んで持たせ、その状態で車庫内を約20往 消防署本署車庫に呼び出し、19時(午後7時)から21時(午後9 時)までの間、同所において、N1に対し、潜水ボンベを両手人差し指と中指にそれぞれ1本ずつ挟んで持たせ、その状態で車庫内を約20往復させ、N1が潜水ボンベを地面に降ろすとペナルティとして、腕立て伏せをさせたり、Yを担がせて車庫内を走らせるなどし、さらに、N1が体力の限界をきたして身体が思うように動かない様子を見て、笑うなどした。また、被処分 者自身が車庫に行かないときには、L1及びQ2に対し、「させとけよ。」と言い、L1及びQ2をして、同様の行為をN1にするよう指示した。 7 しごき被処分者は、平成24年12月頃から平成25年1月頃の21時(午後9時)頃、庁内放送を使ってN1を消防署本署通信指令室に呼び出し、同所において、 N1に対し、通信訓練に来なかったことの罰として、三角形に並べたパイプ椅子の上で腕立て伏せをするよう命じ、N1がこれに従って腕立て伏せを始めたところ、「下げれるところまで下げろ。」と更に命じ、約100回、パイプ椅子の上で腕立て伏せをさせた。 8 信用失墜行為 被処分者は、平成28年5月25日、消防救助技術大会に向けた訓練の署内発表を見学していた際、市民の前で、「こいつらがくだらない訓練してるから、俺たちの訓練ができない。無駄な訓練しやがって。こんな訓練、オナニー訓練やろうが。」と言った。 9 暴言 被処分者は、 - 87 -第1 平成15年頃から現在まで、O1のことを「あの馬鹿が。」「あのO1の馬鹿が。」「あいつ、馬鹿やろうが。」「なんやあの訓練。」などと陰口を言ったり、ときには、O1の隊の隊員に対してもO1のことを「お前の小隊長は、新しいものばっかり目がいって今を見てない。東京で何をやってたかと あいつ、馬鹿やろうが。」「なんやあの訓練。」などと陰口を言ったり、ときには、O1の隊の隊員に対してもO1のことを「お前の小隊長は、新しいものばっかり目がいって今を見てない。東京で何をやってたかというのはお前の小隊長に言うな、俺に言え。」「お前が今せないかんこと と後でもできることの区別もつかんのは、お前の小隊長がそういう区別がつかん環境を作りようから。2部にいることでお前の成長が10年遅くなった。」「遅い。前はもっと早くしよったぜ。2部の環境がお前をそうさせとっちゃね。だいたいお前の小隊長はつまらんけん、お前もつまらんくなる。」「新しい資器材に頼るのは消防士としていかんやろ。まぁお前の小隊 長がそういうの好きやもんね。」などと言って、O1の信頼を失わせるような発言をするなど、執拗かつ公然とO1の誹謗中傷、陰口、悪口を繰り返した。 第2 平成20年頃、消防救助技術大会に向けてO1を指導員として訓練をしていたI1に対し、事あるごとに「訓練しよっても静かやけん、お通夜かと思 った。」「お前らは仲良しクラブやもんね。あんな訓練して意味あると?俺んときはこうやったもんね。どうせお前はO1派やけん分からんやろうね。」「お前、O1よりやろうが。」「O1の手下やろうが。気持ち悪いったい。」「お前んちも大した家系やなかろうけん、分からんめぇね。」「まぁお前に言ってもO1一派やろうけん、分からんやろうけどね。」などと多 数回言った。 10 侮辱被処分者は、第1 平成21年4月頃から平成22年3月頃、部の旅行(職員旅行)で訪れた宿泊施設において、P1を部屋に呼び出し、部屋に来たP1に対し、「とり あえずそこで腕立て伏せしよけ。」と命じた。P1が、これに従って約5分 - 88 -間、腕立て伏せをした後、部屋に 宿泊施設において、P1を部屋に呼び出し、部屋に来たP1に対し、「とり あえずそこで腕立て伏せしよけ。」と命じた。P1が、これに従って約5分 - 88 -間、腕立て伏せをした後、部屋に戻ったところ、被処分者はP1の携帯電話に電話をかけ、留守番電話に「ぶっ殺すぞ。お前。」と大声でメッセージを残した。 第2 平成21年4月から平成22年3月中旬頃までの間、P1に対し、「このストレッサーが。」「ぶっ殺すぞ、お前。」「お前は俺の近くにおるな、死 ね」「お前はできん。」「お前は俺にストレスを与える。」「死ね。」などと、日常的にP1に暴言を吐いた。 11 侮辱、暴言被処分者は、第1 平成21年度、消防署本署車庫付近において、被処分者に挨拶をしたS1 を睨み付け、「なんや、こいつ。誰かいな。」と言い、被処分者の横にいたF1が「S1です。」と答えると、S1に対し、「邪魔ったい。あっち行け。ペッペッ(唾を吐くジェスチャー)。」と言った。 第2 平成26年11月頃から12月頃、S1を消防署本署救急事務室に呼び出し、同所において、S1に対し、「上が抜けて俺が中隊長になったら、お前 みたいな奴は、やるけんな。俺の息子の方が頭いいぜ。お前みたいなできん奴は、とことん理不尽で殺すけんな。今は次長の下におるけど、すぐおらんくなるけん、お前分かっとろうな。お前、考えとったがいいぜ。D2の下におっても何もならんけんね。」などと、約1時間言い続けた。 第3 平成27年11月16日、パワーハラスメントをテーマにした倫理研修終 了後、消防署本署仮眠室において、S1に対し、「お前、今日の研修、オアシス研修やったろうが。気持ちよかったろうが、お前みたいな奴は。だいたいお前、どう感じたとや?」と言い、S1が「面白かったですね。」と答 消防署本署仮眠室において、S1に対し、「お前、今日の研修、オアシス研修やったろうが。気持ちよかったろうが、お前みたいな奴は。だいたいお前、どう感じたとや?」と言い、S1が「面白かったですね。」と答えると、S1を睨み付け、「お前みたいな奴がおるけんダメになっていくったい。現場活動ができんったい。お前みたいな甘い奴がおるけん消防が弱くな - 89 -っていくったい。だいたいお前、俺の家が火事んなって、お前がヘマして俺の家燃やしたら分かっとろうね。覚えとけよ。訴えるけんな。」と言った。 12 暴言被処分者は、平成24年2月から同年3月までの間、T1に対し、T1と顔を合わせるたびに「調子に乗るなよ。」と言った。 13 日常的な暴言被処分者は、第1 平成24年11月から平成25年3月までの間、N1に対し、「お前と話すと会話にならん。お前は頭が悪いから俺と話が合わん。イライラする。」「お前と話すと話にならん。マジイライラする。」「向いてない。やる気も ない。」「普段の生活がおかしいから仕事に出るっちゃろうが。」「T2はできるのになんでお前はできんとや。」などと日常的に言った。 第2 平成24年11月頃、消防署本署食堂において、N1が被処分者の隣に座ったところ、N1に対し、「近い。どっか行け。」と言った。 第3 平成24年12月頃、N1に対し、「お前を恐怖で支配するけん。」「お 前を理不尽で支配する。」と言った。 第4 平成24年12月頃、消防署本署浴場において、N1に対し、「お前、俺のこと嫌いやろ?」と尋ね、N1が「そんなことないです。」と答えると、N1に対し、「俺はお前のこと嫌いやけん。恐怖でお前を言うこときかすけん。」と言った。 第5 平成24年12月頃から平成25年1月頃、消防署本 ね、N1が「そんなことないです。」と答えると、N1に対し、「俺はお前のこと嫌いやけん。恐怖でお前を言うこときかすけん。」と言った。 第5 平成24年12月頃から平成25年1月頃、消防署本署3階研修室において、N1に対し、きょうだいの数を尋ね、3人兄弟で兄が2人いると答えたN1に対し、さらに「そん中で誰が一番しっかりしとる?」と尋ね、「そうですね、一番上ですかね。」と答えたN1に対し、「あぁ良かった、良かった。お前が一番しっかりしてるんやったら、お前んちの兄貴がおかしいっち ゃろうね、と思って。」と言った。 - 90 -第6 平成27年6月末頃から同年10月頃、酸欠状態になるまで検索、搬送訓練をさせられ、訓練後、喫煙室で休憩していたN1に対し、「そんな倒れて給料もらえていいね。俺もそっちの方がいいや。」と言った。 14 日常的な叱責被処分者は、 第1 平成23年4月から平成24年3月までの間、V1に対し、事あるごとに「向いてないっちゃないや。」「さばけん。」などと言って日常的に叱責した。 第2 平成25年度、消防署本署通信指令室において、自主防災訓練に派遣する職員の人選をしていたV1に対し、被処分者が選出されていないことについ て、「おい、V1。自主防災の人選するのは誰や?俺に全然言ってこんのは俺が好かんけんやろ?俺が同じ立場になったら仕返ししちゃあけんな。」などと、約30分から約40分間、叱責し続けた。 15 日常的な侮辱被処分者は、平成23年10月から平成24年3月までの間、前職が陸上自衛 隊第一空挺団であるJ1に対し、事あるごとに「お前くさ。なんが空挺団や、こんなちょんぼしやがって。」「体力もないのになんが元自衛隊や。」などと言って、J1を日常的に侮辱した。 16 侮辱 隊第一空挺団であるJ1に対し、事あるごとに「お前くさ。なんが空挺団や、こんなちょんぼしやがって。」「体力もないのになんが元自衛隊や。」などと言って、J1を日常的に侮辱した。 16 侮辱、暴言被処分者は、 第1 平成24年7月頃、訓練中に動きが悪くなったK1に対し、「丈夫に産んでくれんやった親が悪い。残念やね。」と言って、K1の親を侮辱した。 第2 平成24年7月頃から8月頃、消防署本署通信指令室において、K1に対し、「お前、俺のこと苦手やろ?俺もお前のこと好かんけどね。」と言った。 - 91 -第3 平成24年10月頃、K1に対し、顔を合わせるたび「出張所でダラダラしとったら、こっち呼びつけて殺すけんな。」と言った。 第4 平成25年1月22日、23日の1部の旅行中、鹿児島県南九州市知覧町を走行中のマイクロバスの車中において、いわゆるデリバリーヘルスの話題になった際、K1に対し、「お前の娘もそうなるっちゃろ?」と言って、K 1の子を侮辱した。 第5 平成27年4月から平成28年3月までの間、救急隊に所属していたK1に対し、事あるごとに「救急は忙しいだけ。牧のうどんと一緒。」「お前らは、救急の頭でしか想定を出しよらん。お前らの考えは救助隊の考えとはズレとるから意味ないもんね。」「救急は1日出てるけど、出動1件の価値が 違う。救助は、数は少ないけど価値が違うもんね。救急は忙しいだけ。」「救急は件数が多いだけ。質が悪い。消防活動と救急活動は1件の価値が違う。救急隊はダメな奴が多い。お前、救急隊歴長いけん、ここで考えなヤバいよ。」などと言った。 17 執拗な叱責 被処分者は、平成22年4月から平成23年2月までの間、毎当務、消防署本署通信指令室において、被処分者が通信勤務に 歴長いけん、ここで考えなヤバいよ。」などと言った。 17 執拗な叱責 被処分者は、平成22年4月から平成23年2月までの間、毎当務、消防署本署通信指令室において、被処分者が通信勤務についている間中、W1に対し、床に正座するよう命じ、「お前全然できんもんね。訓練もできんし、気も利かん。 お前はダメだ。うちの子どもの方がまだできる。向いていない。辞めろ。」などと言って叱責し、さらに、W1の頭をボールペンで小突くなどした。 18 侮辱、暴言、日常的な侮辱、暴言被処分者は、第1 平成27年8月、消防署本署救急事務室において、Xに対し、「査察の処理は今じゃなくて夜できろうが。お前が今せないかんことと後でもできることの区別もつかんのは、お前の小隊長がそういう区別がつかん環境を作りよ うから。2部にいることでお前の成長が10年遅くなった。俺は生まれたと - 92 -きからIQが高いけん、何でもさばける。お前の家はIQが低いけん、さばけん。X家残念やね。」と言って、X及びXの家族を侮辱した。 第2 平成27年8月から9月までの間、Xに対し、朝の申送りのとき、喫煙所で会ったとき又はXが所属する小隊の訓練を見かけたとき等に、「つまらん訓練しようねぇ。東京ではどんな訓練しよったと?東京でも理不尽で殺され とったろうが。俺とお前が同じ部になったら理不尽で殺すけん、覚悟しとけよ。」などと複数回言った。 第3 平成27年8月から平成28年3月までの間、前職が東京消防庁消防士であるXに対し、事あるごとに「東京消防庁も大したことないね。」と言って、Xを日常的に侮辱した。 第4 平成28年2月1日午前8時30分から午前8時45分頃、Xに対し、当務中は何をしていたのかを尋ね、Xが「月報をしていました。」と答えたと ないね。」と言って、Xを日常的に侮辱した。 第4 平成28年2月1日午前8時30分から午前8時45分頃、Xに対し、当務中は何をしていたのかを尋ね、Xが「月報をしていました。」と答えたところ、Xに対し、「月報なんて2分で終わろうもん。仕事せんならいらん。 辞めろ。」と言った。 19 日常的な暴言、暴言、執拗な非難 被処分者は、第1 平成27年3月末頃から同年5月までの間、消防救助技術大会に向けて訓練を行っていたYに対し、Yと顔を合わせるたびに「救助訓練のレベルが下がって面白くない。それでも訓練することは時間とお金の無駄。」「調子に乗るなよ。」「だいたい、何でお前しようとや?」「お前たちが訓練しよう のは自己満やろうが。ひとっつも署のためになんてないんやけん、やめろ。 そんなことに何で時間割かないかんとや。」「ムカつく。」「何でお前らに訓練させないかんとや。」などと言い、同大会が近付いてくると、「あともうちょっとでお前らの自己満が終わるね。」「救助、救助言いやがって。現場訓練はせんで。」などと言い、同大会が終わると、「やっとお前らの自己 - 93 -満の訓練が終わった。これでやっと仕事できるね。」などと言って、日常的にYに対し暴言を吐いた。 第2 平成28年4月から同年8月までの間、消防救助技術大会に向けて訓練を行っていたYに対し、上記第1と同様の暴言を日常的に吐いた。 第3 平成28年8月9日午前9時頃、消防署本署車庫において、同月6日、7 日に少年消防クラブのキャンプに業務として同行したYの代わりに被処分者が勤務したことについて、Yに対し、「貴様この前は、少年消防とか調子に乗って行きやがって、ふざけるな。警備人員も編成も考えずにふざけるな。 だいたい当務で人を出す必要があるとや?なめやが りに被処分者が勤務したことについて、Yに対し、「貴様この前は、少年消防とか調子に乗って行きやがって、ふざけるな。警備人員も編成も考えずにふざけるな。 だいたい当務で人を出す必要があるとや?なめやがって。そもそもU2は来てないっちゃろうが。そもそもお前がヘボいけんいかん。何も言いきらんか ろうが。ビビりやがって。お前は絶対将来伸びんし、失敗する。ダメ人間やね。当務に迷惑かけて救助訓練させてもらいようのに、恩を仇で返しやがって。マジなめとうね。おかげで、俺が出てこないかんくなったろうが。俺はしつこいけん、一生根に持つけんな。はしご調査は救助訓練の都合で変わってもらうくせに、少年消防クラブは行くとや。仲良しクラブで調子に乗りや がって。ふざけんな。このスパイやろうが。なめやがって。夕方から勤務することになった原因は全てお前の責任だ。俺の休みを返せ。」と言った。 第4 平成28年8月19日午前8時頃、消防署本署仮眠室において、Yに対し、Yが同月17日午後に年休を取得したことについて、「貴様この間は昼から帰りやがって、ふざけるな。日勤日やけん昼からも訓練しろ。市長挨拶 とか関係なかろうが。帰ってきて訓練すればよかろうが。訓練もせんとに時間がないとか言いやがって調子に乗るなよ。お前はそもそもはき違えとろうが。ふざけるな。だいたい全国大会とか実力で行ったわけじゃなくて抽選で当たったけん行けとろうが。実力もないのに舞い上がるな。調子に乗るな。 お前たちは絶対失敗する。そもそも失敗すればいいのに。」と言った。 - 94 -第5 平成28年9月6日午前1時頃、消防署本署通信指令室において、同月5日に救助隊の訓練をしていたYに対し、「だいたいなんや、あの訓練は。お前は、何も言わん、何もせんあっちの仲間やけんな。」「お前は成 平成28年9月6日午前1時頃、消防署本署通信指令室において、同月5日に救助隊の訓練をしていたYに対し、「だいたいなんや、あの訓練は。お前は、何も言わん、何もせんあっちの仲間やけんな。」「お前は成長せんし、失敗する。」「くだらん。」などと、約1時間にわたって言い続けた。 20 サービス残業の強要、日常的な叱責 被処分者は、平成27年度、予防係の部下であったY、W1及びXに対し、日常的に、「どうせお前は仕事してなかろうが。お前は信用できん。仕事は、俺に合わせて仕事するのが当たり前やけん、平日の非番に勝手に予定を入れるな。」「何で帰るとや。」「仕事を中途半端に残して帰るとや?」「俺は仕事しとうのに、お前ら休むっちゃろ?」「責任感がない。お前の仕事は自分で終わらせて帰 れ。何で申し送るとや。」「お前次来るの2日後やろうが。2日間放置や。」「宇宙は太陽が中心やろうが。ここでは俺が太陽たい。俺を中心に仕事をしろ。」(ただし、当該発言はYに対する発言)「俺は毎日出て来ようのに、お前らは3日に1回しか出てこんで、すぐ仕事をリセットする。担当官なら日勤するつもりで毎日来い。」「最後までして行けよ。」などと言って、明示又は黙示に 不要不急の時間外勤務を指示した上、時間外勤務命令の措置を採らず、Y、W1及びXに対し、サービス残業を強要した。 21 強要被処分者は、平成26年2月から3月、M1に対し、「お前は署に帰ってきとるのに、F1は市役所に行かされとる。ここで仕事をしていくなら、3人に謝り に行け。今から行け。」と言って、Z、Q1、F1に対して謝罪に行くよう強要した。 22 無視被処分者は、第1 平成23年4月1日から現在まで、J1から挨拶をされても挨拶を返すこ となく、J1を日常的かつ継続的に無視し Q1、F1に対して謝罪に行くよう強要した。 22 無視被処分者は、第1 平成23年4月1日から現在まで、J1から挨拶をされても挨拶を返すこ となく、J1を日常的かつ継続的に無視した。 - 95 -第2 平成23年11月から現在まで、E2から挨拶をされても挨拶を返すことなく、E2を日常的かつ継続的に無視した。 第3 平成24年2月から現在まで、T1から挨拶をされても挨拶を返すことなく、T1を日常的かつ継続的に無視した。 第4 平成24年11月から現在まで、N1から挨拶をされても挨拶を返すこと なく、N1を日常的かつ継続的に無視した。 第5 平成25年4月1日から現在まで、M1から挨拶をされても挨拶を返すことなく、M1を日常的かつ継続的に無視した。 第6 平成25年頃から平成28年7月まで、V1から挨拶をされても挨拶を返すことなく、V1を日常的かつ継続的に無視した。 以上 - 96 -(別紙)B1 処分に係る非違行為 1 しごきB1警防課通信指令第3係長(以下「被処分者」という。)は、平成23年1 0月頃から11月頃、消防署本署において、登攀訓練をした際、J1に対し、原告A1及びF1とともに、7mの懸垂ロープを3本連続で登攀させ、さらに4. 5本目まで登攀させた。J1は、ロープの真ん中辺りまで登攀したところで体力の限界をきたして手を放し、宙吊りになったまま、約15分から約20分間宙吊りにされた。この間、被処分者は、J1が苦しむ様子を見ながらF1とともに、 J1に対し、「はよ上がれ!自分でどうにかせれ!人助けるっちゃろうが!!」などと野次を飛ばす発言を行った。 2 いじめ被処分者は、第1 原告A1及びF1とともに、平成2 とともに、 J1に対し、「はよ上がれ!自分でどうにかせれ!人助けるっちゃろうが!!」などと野次を飛ばす発言を行った。 2 いじめ被処分者は、第1 原告A1及びF1とともに、平成23年10月から平成24年3月までの 間、毎当務、J1を19時(午後7時)に消防署本署トレーニング室に呼び出し、19時(午後7時)から21時(午後9時)までの間、同所において、J1に対し、自らロープを身体縛着させ、その状態で懸垂するよう命じ、J1が力尽きて鉄棒から手を放すとロープを確保してJ1を約30分間宙吊りにしたり、雑巾掛け競争をし、J1が競争に勝つと、J1が負けるまで連続して雑巾 掛け競争をさせ、J1が競争に負けると罰としてジャンピングスクワットや腕立て伏せをさせたり、力尽きて身体が思うように動かないJ1の様子を見て笑うなどした。 第2 平成23年10月から平成24年3月までの間、J1に対する午後7時から午後9時までの時間帯で筋力トレーニングと称した、いじめ行為を行ってい たが、それに加えて、被処分者は、午前0時30分頃から午前3時頃までの - 97 -間、J1に対して、トレーニング室において、19時(午後7時)から21時(午後9時)までの間にさせていた行為と同様の行為を複数回にわたってさせた。 第3 平成24年1月から同年3月、ロープ渡過訓練(本署訓練棟と副棟との間にロープを張り、ロープを伝って建物間を移動する訓練)において、J1を吊 るそうと企て、同人がロープ渡過訓練を何回行っても、「まだやれ。」「まだやれ。」と言い、J1の腕が体力の限界をきたすと、故意にロープを揺さぶり、同人を命綱で吊るす状態にした。被処分者は、30分から40分程度宙吊りのまま放置した後、ロープを渡ってJ1の頭上まで来て、「ほら、はよ と言い、J1の腕が体力の限界をきたすと、故意にロープを揺さぶり、同人を命綱で吊るす状態にした。被処分者は、30分から40分程度宙吊りのまま放置した後、ロープを渡ってJ1の頭上まで来て、「ほら、はよ上がれ!人助けに行くっちゃろうが!上がれんなら助けてくださいとはよ言え!」 と言った。 3 無視被処分者は、第1 平成23年11月から現在まで、E2から挨拶をされても挨拶を返すことなく、E2を日常的かつ継続的に無視した。 第2 平成25年4月1日から現在まで、M1から挨拶をされても挨拶を返すことなく、M1を日常的かつ継続的に無視した。 以上
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