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昭和31(う)567 公職選挙法違反被告事件

裁判所

昭和31年8月25日 東京高等裁判所 破棄自判

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1,497 文字

主文 原判決を破棄する。被告人を罰金二万円に処する。右罰金を完納することができないときは、金五百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。押収にかかる昭和三十年二月四日附A号外一二六八枚(原庁昭和三十年証第三五号の一)同年二月二十五日附A(片面刷)七五五枚(同上証第三五号の四)はこれを没収する。被告人に対し公職選挙法第二百五十二条第一項所定の五年間選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しない。訴訟費用は被告人の負担とする。理由 本件控訴の趣意は、弁護人渡辺元、渡辺卓郎の共同提出にかかる控訴趣意書に記載されたとおりであるから、ここにこれを引用し、これに対し次のとおり判断する。控訴趣意第一点について。所論は、要するに公職選挙法第百四十八条の二第三項の規定は憲法第二十一条に違反したものであり、同条をもつて被告人に対し有罪を認定した原判決は違憲無効であるというに帰着する。しかし、憲法第二十一条は、言論、出版その他一切の表現の自由を絶対無制限に保障しているのではなく、公共の福祉のため必要ある場合には、その時、所、方法等につき合理的制限の存するものであることは論をまたない(最高裁判所昭和二四年(れ)第二五九一号、同二五年九月二七日大法廷判決、昭和二八年(あ)第三一四七号、同三〇年四月六日大法廷<要旨>判決参照)ところであつて、公職選挙法第百四十八条の二第三項が衆議院議員選挙その他同法の規定する選挙</要旨>において、何人も当該選挙の候補者の当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることを禁じた所以のものは、所論 の当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることを禁じた所以のものは、所論のように、凡そ新聞紙が規則的連続性(日刊若しくは定期刊)によつて、大衆に対し迅速に事実の報道及び評論を伝達する文化的手段であり、新聞紙を介して読者を指導し、公衆及び世論を形成し或は世論を代表するなど公益のために奉仕する重要な社会的機能を有し、その本質上公器性が要求されているという社会大衆に対し重大な影響力をもつているだけに、その報道や評論によつて選挙人が判断を左右され、これがため却つて、公職選挙法の目的とする選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全なる発達を期することを阻害する虞があるからにほかならないのであつて、右の禁止は、公共の福祉のため憲法上許された必要且つ合理的の制限と解することができる。 要求されているという社会大衆に対し重大な影響力をもつているだけに、その報道や評論によつて選挙人が判断を左右され、これがため却つて、公職選挙法の目的とする選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全なる発達を期することを阻害する虞があるからにほかならないのであつて、右の禁止は、公共の福祉のため憲法上許された必要且つ合理的の制限と解することができる。それ故公職選挙法第百四十八条の二第三項が違憲なりとの所論は理由なく、また原判示事実は判文上同法条の規定する要件を充たして、かけるところがないので、原判決を目して違憲無効の判決なりと非議する論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事工藤慎吉判事草間英一判事渡辺好人)

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