【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する 理 由 被告人の上告趣意は、末尾添付別紙記載のとおりである。 論旨第一点は、原審弁護人Aが昭和二六年二月六日の原審第一回公判期日
主文 本件上告を棄却する 理由 被告人の上告趣意は、末尾添付別紙記載のとおりである。 論旨第一点は、原審弁護人Aが昭和二六年二月六日の原審第一回公判期日に新潟地方裁判所の民事々件に出頭命令を受けておつて、仙台高等裁判所に出頭できないことを疎明しているのにかかわらず、弁護人不出頭のまま審理し、同月一三日の第二回公判期日に判決を言渡したのは違法であるというのである。 記録によれば右第一回公判期日は、被告人、弁護人ともに不出頭のまま開廷の上次回公判期日を同月一三日と指定告知し、右第二回公判期日において被告人、弁護人ともに不出頭のまま審理判決されているのであつて所論は正確でないが、要するに右第二回公判期日に原審弁護人が既に早く指定されていた平簡易裁判所の窃盗被告事件に弁護人として出頭しなければならなかつたので右第二回公判期日の変更を原審に申請して出頭しなかつたところ原審はその日に被告人、弁護人不出頭のまま審理判決したのを弁護権の不法制限として攻撃するものと解して次のように判断する。 本件において原審第一回公判期日を昭和二六年二月六日とする旨の指定は、昭和二五年一二月九日にされているところである。これに対して原審弁護人は、昭和二六年二月二日に至つてはじめて右二月六日には新潟地方裁判所に民事々件のため出頭すべき旨の命令を同二五年一二月二〇日に受けていることを理由として仙台高等裁判所に対して公判期日変更の申請をしたのである。このような場合特別の事情のない限りは、弁護人は先に指定された公判期日を遵守すべきことは当然である。従つて同弁護人が原審に対して公判期日変更の申請をしたのに対し、原審がこれを却下した上、当日弁護人、被告人ともに不出頭のまま公判を開廷して次回公判期日を- 1 -同年二月一三日に指定告 然である。従つて同弁護人が原審に対して公判期日変更の申請をしたのに対し、原審がこれを却下した上、当日弁護人、被告人ともに不出頭のまま公判を開廷して次回公判期日を- 1 -同年二月一三日に指定告知したことも相当である。しかも刑訴規則施行規則(昭和二三年最高裁判所規則第三四号改正同二五年同規則第二九号)第三条第一号によつて準用される刑訴規則第一七九条の四によれば、弁護人等訴訟関係人は、公判期日の変更を申請するに当つては、その事由及びそれが継続する見込の期間を具体的に明らかにし、且つ資料によつてこれを疎明しなければならないのであるから、原審弁護人は、当時判明している自己に支障のある日時を裁判所に明らかにした上で公判期日の変更を申請しなければならなかつた筋合である。しかるに原審弁護人は、既に昭和二六年一月二二日附で指定されていた同年二月一三日の平簡易裁判所における刑事々件の公判期日を原裁判所に通知することを怠り、その結果原裁判所が第一回公判期日を変更するに当つて第二回公判期日を偶々右二月一三日に指定したのであるから、原審弁護人が同日仙台高等裁判所に出頭できなかつたことは、結局自らの懈怠に基くものであつて、同裁判所が同年二月九日になされた公判期日の変更申請にかかわらず、審理判決したことを以つて、弁護権の行使を不法に制限したということはできないのである。その余の論旨は、刑訴第四〇五条に該当せず、また記録を精査しても同第四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて刑訴施行法第三条の二、刑訴法第四〇八条により主文のとおり判決する。この判決は、裁判官全員一致の意見である。 昭和二六年九月一四日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗山茂裁判官小谷 員一致の意見である。 昭和二六年九月一四日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 2 -
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