平成18(く)453

裁判年月日・裁判所
平成18年10月6日 大阪高等裁判所 棄却
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判決文本文1,342 文字)

主文 本件即時抗告を棄却する。 理由 本件即時抗告の趣意は,主任弁護人F作成の即時抗告申立書に記載のとおりであるから,これを引用する。論旨は,要するに,同弁護人が,A外4名の関係者及び被告人から事情を聴取した結果を記載した捜査官作成の捜査報告書及び電話聴取書等の証拠を刑訴法316 条の15 第1 項6号により開示すべきとして証拠開示命令の請求をしたのに対し,原裁判所は前記各証拠は同規定の類型に該当しないとして請求を棄却したが,原決定は前記規定の解釈適用を誤るもので不当であり,同決定を取り消して前記各証拠の開示命令を求める,というのである。 そこで検討すると,本件で開示請求されている捜査報告書等は,前記の関係者や被告人から事情聴取した聴取内容のほか,聴取の日時,場所,聴取内容を踏まえての考察,意見等を捜査官が報告書として記載したものであるから,刑訴法316条の14第2号にいうところの同捜査官が作成した「供述書」であって,同法316条の15第1項6号の「被告人以外の者の供述録取書等」に該当する。しかし,同規定では,さらにその「供述録取書等」が「検察官が特定の検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無に関する供述を内容とするもの」であることが開示すべき類型証拠としての要件となっている。これは,検察官の証明予定事実記載書面の提出及び請求証拠の開示に引き続き,弁護人側の主張明示や検察官による主張関連証拠の開示に先立って,弁護人側が検察官請求証拠の証明力を判断するのに資するために,一般的,類型的な開示の必要性及び弊害の程度を考慮し,開示することが適当であるものを類型化したものである。そうすると,前記規定の「事実の有無に関する供述」とは,その事実があったこと又はなかったことについての供述,すなわち,その事実の有無についての原 開示することが適当であるものを類型化したものである。そうすると,前記規定の「事実の有無に関する供述」とは,その事実があったこと又はなかったことについての供述,すなわち,その事実の有無についての原供述を意味するものと解するのが相当である。そして,本件開示請求に係る証拠において,事件当日の関係者や被告人の行動など,検察官が特定の検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無について供述するのは関係者や被告人などの原供述者であり,捜査報告書等の供述者である捜査官が供述するのは,それらの原供述を聴取したというものに過ぎない。したがって,前記捜査報告書等は前記事実の有無に関する供述を内容とするものではなく,同法316条の15第1項6号の類型には該当しない。 この点,所論は,「事実の有無に関する供述」とは,事実の有無に関連する供述の意味であって,検察官の証明予定事実の有無についての原供述に限らず,その聴取に係る捜査官の供述もそれに当たる旨主張するが,前記の類型証拠の開示制度の趣旨にかんがみると,所論の解釈は広きに過ぎ,採用できない。 よって,原決定は正当であり,本件即時抗告は理由がないから,刑訴法426条1項によりこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・陶山博生,裁判官・杉森研二,裁判官・丸山徹)

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