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主文 1 被告は,原告に対し,8307万6506円及びこれに対する平成8年4月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 原告のその余の請求を棄却する。3 訴訟費用は,これを10分し,その1を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,9347万9115円及びこれに対する平成8年4月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要本件は,原告が,被告の経営する病院で脳動脈瘤破裂予防手術を受けたところ,脳梗塞になり,これによる後遺障害を有するに至ったが,この後遺障害の発生は同病院の医師の過失又は不完全履行によるものであるとして,被告に対し,不法行為(使用者責任)又は債務不履行に基づき,損害賠償として9347万9115円及びこれに対する不法行為又は不完全履行の日である平成8年4月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。1 争いのない事実等(争いのない事実のほかは,各項に掲記の各証拠によって認める。)(1) 当事者原告は,昭和12年7月4日生まれの男性であり,被告は,平成8年当時,愛知県春日井市上八田町6363番地において春日井市民病院(以下「被告病院」という。)の名称で病院を開設していた地方公共団体である。(2) 事実経過ア原告は,平成8年2月24日,眩暈(めまい)を訴えて時間外で被告病院を受診し(以下,被告病院の各科については,各科の名称のみで表示する。),同月26日に耳鼻科において,眩暈症,右感音性難聴と診断された(乙7)。イその後も,原告には頭痛と眩暈が継 時間外で被告病院を受診し(以下,被告病院の各科については,各科の名称のみで表示する。),同月26日に耳鼻科において,眩暈症,右感音性難聴と診断された(乙7)。 告は,平成8年2月24日,眩暈(めまい)を訴えて時間外で被告病院を受診し(以下,被告病院の各科については,各科の名称のみで表示する。),同月26日に耳鼻科において,眩暈症,右感音性難聴と診断された(乙7)。イその後も,原告には頭痛と眩暈が継 時間外で被告病院を受診し(以下,被告病院の各科については,各科の名称のみで表示する。),同月26日に耳鼻科において,眩暈症,右感音性難聴と診断された(乙7)。イその後も,原告には頭痛と眩暈が継続し,同年3月6日から神経内科において治療を受けていたが,眩暈等の症状は軽快しなかった。ウ同年4月1日,眩暈等の原因を精査するため,原告は神経内科に入院し,同月2日にルンバール検査が,同月9日に脳血管造影検査がそれぞれ行われた。エ上記脳血管造影検査の結果,右内頸動脈,左中大脳動脈,脳底動脈の3か所に未破裂の動脈瘤が発見され,右内頸動脈の動脈瘤は直径9mm,左中大脳動脈の動脈瘤は直径3.5mm,脳底動脈の動脈瘤は直径5.5mmと推測された。オ同月11日,脳神経外科のA医師(以下「A医師」という。)から,上記未破裂動脈瘤に対し脳動脈瘤破裂予防手術を行うことを勧められ,原告は同手術を受けることとした。カ原告は,同月22日神経内科から脳神経外科に転科し,同月25日,A医師及び愛知医科大学脳神経外科助教授のB医師(以下「B医師」という。)の執刀により,右内頸動脈と脳底動脈の2か所の動脈瘤について,開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術の方法で破裂予防手術が行われた(以下「本件手術」という。)。キところが,原告は,術後も意識が回復せず,同月26日のCT検査の結果,脳梗塞が発症していることが判明した(本件手術により原告に脳梗塞が生じた事故を,以下「本件事故」という。)。脳梗塞の原因の一つは,右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングの際,クリップから先の,右内頸動脈から分岐する穿通枝(脳の表面を走っている太い動脈から枝分かれして脳の中に穿通していく細い動脈の総称)である右前脈絡叢動脈が閉塞したことによるものであった(このほか,脳底動脈の動脈瘤のク ,右内頸動脈から分岐する穿通枝(脳の表面を走っている太い動脈から枝分かれして脳の中に穿通していく細い動脈の総称)である右前脈絡叢動脈が閉塞したことによるものであった(このほか,脳底動脈の動脈瘤のクリッピングに際し,血管の閉塞及びこれに伴う脳梗塞が生じたか否かについては,後記争点(1)のとおり争いがある。 脈の総称)である右前脈絡叢動脈が閉塞したことによるものであった(このほか,脳底動脈の動脈瘤のク ,右内頸動脈から分岐する穿通枝(脳の表面を走っている太い動脈から枝分かれして脳の中に穿通していく細い動脈の総称)である右前脈絡叢動脈が閉塞したことによるものであった(このほか,脳底動脈の動脈瘤のクリッピングに際し,血管の閉塞及びこれに伴う脳梗塞が生じたか否かについては,後記争点(1)のとおり争いがある。)。2 争点(1) 本件手術を担当したA医師及びB医師(以下「被告担当医師」という。)に手技上の過失があったか否か。ア原告の主張(ア) 原告の脳梗塞は2か所に発生したものである。脳梗塞の単純CT像は梗塞部が低吸収域を示すところ,本件の単純CT写真(乙6)において,2か所に低吸収域が見られるからである。そして,1か所の脳梗塞は,右内頸動脈の動脈瘤に近接した穿通枝の損傷・閉塞によるものであり,もう1か所の脳梗塞は,脳底動脈の動脈瘤に近接した穿通枝の損傷・閉塞によるものと推測される。(イ) 動脈瘤頸部クリッピング術に際しては,脳ベラによる穿通枝の圧迫,動脈瘤剥離中における穿通枝の損傷,クリップによる近接した穿通枝の損傷・閉塞など手術操作上の技術的な問題により,穿通枝障害を来して脳梗塞などが発症することがあるが,術前に脳血管造影写真などを検討し,親動脈及び穿通枝と動脈瘤の柄部との関係を把握した上で,術中に慎重な操作を行えば十分回避可能なものである。とくに,前脈絡叢動脈などの細い穿通枝は,クリップにより狭窄・屈曲を来しやすく,配慮が必要であるとされ,また,クリップをかけ直すことにより生じる様々なトラブルを防ぐために,できるだけクリップをかけ直すべきでないとされている。(ウ) しかるに,本件においては,とくに右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングに際し,脳ベラにより右内頸動脈が損傷を受け,多量の出血が見られたた ,できるだけクリップをかけ直すべきでないとされている。(ウ) しかるに,本件においては,とくに右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングに際し,脳ベラにより右内頸動脈が損傷を受け,多量の出血が見られたため,術野を直視下に観察することが困難な上,右内頸動脈と右前脈絡叢動脈の分岐部は,右内頸動脈の背後にあって隠れているため,クリップで挟まれているかどうかの観察はできない状況の下で,使用された2個のクリップのうち1個については3回の操作が行われ,もう1個については5回もの操作が行われた。 においては,とくに右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングに際し,脳ベラにより右内頸動脈が損傷を受け,多量の出血が見られたため,術野を直視下に観察することが困難な上,右内頸動脈と右前脈絡叢動脈の分岐部は,右内頸動脈の背後にあって隠れているため,クリップで挟まれているかどうかの観察はできない状況の下で,使用された2個のクリップのうち1個については3回の操作が行われ,もう1個については5回もの操作が行われた。(エ) このように,被告担当医師により試行錯誤的な粗暴な操作が行われた結果,原告が穿通枝障害を来したものであるから,被告担当医師の過失は,明白かつ重大である。イ被告の主張(ア) 原告の脳梗塞は1か所に生じたのみである。CT写真(乙6)に見られるもう1か所の低吸収域は,脳の還流障害により生じた低吸収域にすぎない。そして,上記脳梗塞は,血管攣縮により本件血管が閉塞したため生じたものである。被告担当医師が本件血管を剥離した際,そのことによって血管が受ける機械的刺激により血管攣縮が生じ,そのために血管が閉塞したことが考えられる。(イ) 上記のような血管攣縮の発生は,事前に予測することができず,対処することは不可能である。したがって,被告担当医師には手技上の過失はない。なお,被告担当医師は,本件手術を極めて丁寧かつ慎重に行っており,血管の屈曲・狭窄を含め,血管を損傷してはいない。すなわち,A医師は,注意深くくも膜等を剥離し,まず,脳底動脈の動脈瘤をクリップした。そして,周囲の血管等に何も問題のないことを確認した。次に,右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングに着手したが,この動脈瘤はかなりの大きさがあり,また,一部壁の薄い箇所があったため,脳動脈瘤 リップした。そして,周囲の血管等に何も問題のないことを確認した。次に,右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングに着手したが,この動脈瘤はかなりの大きさがあり,また,一部壁の薄い箇所があったため,脳動脈瘤の手術に精通しているB医師が施行した。右前脈絡叢動脈が動脈瘤に癒着しており,そのままクリッピングを行うと右前脈絡叢動脈の閉塞を来すため,B医師は,マイクロ剥離子で右前脈絡叢動脈を動脈瘤から剥離し,クリップの入る十分な空間を確保した後,血管壁の薄い部分を手術用のシートで包み,両側から有窓クリップによって動脈瘤頸部クリッピングを行った。さらに,その上から,念のために医療用ボンドによって補強を行った。 瘤の手術に精通しているB医師が施行した。右前脈絡叢動脈が動脈瘤に癒着しており,そのままクリッピングを行うと右前脈絡叢動脈の閉塞を来すため,B医師は,マイクロ剥離子で右前脈絡叢動脈を動脈瘤から剥離し,クリップの入る十分な空間を確保した後,血管壁の薄い部分を手術用のシートで包み,両側から有窓クリップによって動脈瘤頸部クリッピングを行った。さらに,その上から,念のために医療用ボンドによって補強を行った。この動脈瘤の中枢側から右前脈絡叢動脈が出ているのを肉眼で確認しており,確実に温存できていた。(2) 被告病院医師に説明義務違反が認められるか否か。ア原告の主張(ア) 医師が患者に対して医的侵襲を伴う医療行為を行う場合,患者の自己決定権を保障するため,当該医療行為の内容・目的を説明して患者の同意を得なければならない(インフォームド・コンセントの法理)。説明すべき範囲・程度は,①患者の病名・病状,②実施しようとする医療行為の内容・目的・必要性,③医療行為に要する期間,④医療行為に伴う危険や副作用・予後,⑤代替可能な他の医療行為,⑥それらの医療行為を実施しない場合の予後等が挙げられ,これらについて,当該医療行為の危険性及び必要性に応じて,個々の事案に即して判断すべきものとされている。(イ) 本件の未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術は,原告のように神経脱落症状が後遺し,術前に比べてむしろ症状を悪化させるおそれがある。また,未破裂脳動脈瘤の場合,血管内治療や経過観察をする余地があり,医師の裁量権に比べ患者の自己決定権がよ グ術は,原告のように神経脱落症状が後遺し,術前に比べてむしろ症状を悪化させるおそれがある。また,未破裂脳動脈瘤の場合,血管内治療や経過観察をする余地があり,医師の裁量権に比べ患者の自己決定権がより尊重されるべき分野の手術である。したがって,被告病院医師には,①未破裂脳動脈瘤に対する治療方針について,クリッピング手術を行わずに,血管内治療や経過観察をするという方針もあること,②経過観察した場合の破裂率や,一般的な神経脱落症状を後遺する頻度等について,③とくに,本件においては,動脈瘤の部位から手技が難しい部類に入ること,穿通枝障害等に伴う障害が生じる危険が通常よりも高いこと,意識障害,左片麻痺を後遺する可能性があること等の点について,説明すべき義務があったものである。 瘤に対する治療方針について,クリッピング手術を行わずに,血管内治療や経過観察をするという方針もあること,②経過観察した場合の破裂率や,一般的な神経脱落症状を後遺する頻度等について,③とくに,本件においては,動脈瘤の部位から手技が難しい部類に入ること,穿通枝障害等に伴う障害が生じる危険が通常よりも高いこと,意識障害,左片麻痺を後遺する可能性があること等の点について,説明すべき義務があったものである。(ウ) ところが,A医師は,平成8年4月11日及び同月23日に,原告及び原告の長女C(以下「C」という。)に対し,原告に対する診断及び脳動脈瘤破裂予防手術に関する説明をしたが,クリッピング手術を行わずに血管内治療や経過観察をすることもできることや,経過観察をした場合の破裂率や一般的な神経脱落症状を後遺する頻度等について何ら説明していない上,とくに本件において,本件手術の手技が難しく,障害の発生する危険性が通常よりも高いことについても説明しておらず,左片麻痺を後遺する可能性については,一過性の神経症状として説明したのみで,神経脱落症状が後遺することまでは説明しなかった。そのため,原告には,本件手術を受けるかどうかを判断するための十分な情報が与えられていなかったものである。(エ) 以上のとおり,被告病院医師は,説明義務を尽くさず,原告の適法な同意を得ることなく本件手術を実施したものであるから,本件手術により原告に生じた損害を賠償しなければならない。そして,本 (エ) 以上のとおり,被告病院医師は,説明義務を尽くさず,原告の適法な同意を得ることなく本件手術を実施したものであるから,本件手術により原告に生じた損害を賠償しなければならない。そして,本件の場合,医師の説明義務が尽くされていたとしたら,原告が本件手術に同意しなかった可能性が高く,本件手術がなされなかったものと考えられるのであり,説明義務違反と原告の後遺障害の結果との間に相当因果関係があるから,逸失利益等の財産的損害も賠償の対象となると考えるべきである。イ被告の主張(ア) 原告の主張(ア)は,一般論としては異論はない。(イ) 被告病院医師は,原告に対し,事前に以下のとおり,本件診断及び手術に関して十分な説明をし,クリッピング術の内容・目的・必要性及び危険性等についてもすべて説明し,原告及び原告の家族の同意を得た上で本件手術を施行したものであり,説明義務に違反する点はない。 関係があるから,逸失利益等の財産的損害も賠償の対象となると考えるべきである。イ被告の主張(ア) 原告の主張(ア)は,一般論としては異論はない。(イ) 被告病院医師は,原告に対し,事前に以下のとおり,本件診断及び手術に関して十分な説明をし,クリッピング術の内容・目的・必要性及び危険性等についてもすべて説明し,原告及び原告の家族の同意を得た上で本件手術を施行したものであり,説明義務に違反する点はない。a 原告及びCに対して,平成8年4月11日にはA医師とD医師が,同月23日にはA医師が,診断及び手術に関する詳細な説明をしている。b すなわち,診断に関しては,脳血管撮影で,右内頸動脈,左中大脳動脈,脳底動脈の3か所に動脈瘤が見つかったこと,原告の年齢(当時58歳)を考慮すると,今後,上記動脈瘤が破裂するおそれも十分に考えられることのほか,特に右内頸動脈の動脈瘤がかなりの大きさ(約10mm近くまで肥大していた。)になっていること等を説明した。c また,手術に関しては,現時点での脳神経外科学的考察では,未破裂の脳動脈瘤は,患者本人又は家族の希望がある場合において,直達手術の可能な場所の動脈瘤であれば直達手術を,困難な場合の動脈瘤であれば血管内手術を行うのが一般的であること,原告の場合は,右内頸動脈の動 動脈瘤は,患者本人又は家族の希望がある場合において,直達手術の可能な場所の動脈瘤であれば直達手術を,困難な場合の動脈瘤であれば血管内手術を行うのが一般的であること,原告の場合は,右内頸動脈の動脈瘤が一番肥大している(約10mm)ため,右側を処置するのがよい方法であり,動脈瘤の形状及び位置から直達手術のほうが適しており,同時に脳底動脈の動脈瘤も処置できること,経過観察するという方法もあること,未破裂脳動脈瘤の手術は,脳の動脈が細くなり血液が流れにくくなる脳血管攣縮や,頭に水が溜まる水頭症の状態を引き起こしやすいこと,これは,原告の場合には,くも膜下出血を起こしているものではないので,程度は低いが可能性はあること,原告の場合は,右側の手術であるので左半身の麻痺が最も出やすい合併症であり,一般的には水頭症はあまり起こらないといわれていること等を詳細に説明したものである。d その際,原告及びCからA医師らに対し,上記説明内容についての質問等は一切なく,むしろ,何度も「手術をやってください」との強い申出があった。 と,これは,原告の場合には,くも膜下出血を起こしているものではないので,程度は低いが可能性はあること,原告の場合は,右側の手術であるので左半身の麻痺が最も出やすい合併症であり,一般的には水頭症はあまり起こらないといわれていること等を詳細に説明したものである。d その際,原告及びCからA医師らに対し,上記説明内容についての質問等は一切なく,むしろ,何度も「手術をやってください」との強い申出があった。A医師らとしては,原告及びその家族は,上記のような詳細な説明を聞いて本件手術を了解し,これを希望しているものと受け止め,結局直達手術の方向で話が進められたものである。(3) 被告病院医師に,未破裂脳動脈瘤の手術適応についての判断を誤った過失があったか否か。ア原告の主張(ア) 未破裂脳動脈瘤については,手術禁忌などを考慮し,若年者で接近しやすい部位にあり,全身状態のよい症例が手術適応になるとされている。そして,手術禁忌として,①合併疾患(心臓・腎臓・肺不全,パーキンソン病,悪性グリオーマ,全身性癌),②年齢(65歳。なお,60歳以上では個々の症例によって検討する。),③部位(椎骨脳底動脈,内頸動脈眼動脈分岐 禁忌として,①合併疾患(心臓・腎臓・肺不全,パーキンソン病,悪性グリオーマ,全身性癌),②年齢(65歳。なお,60歳以上では個々の症例によって検討する。),③部位(椎骨脳底動脈,内頸動脈眼動脈分岐部では十分検討する。),④患者の拒否などが上げられている。一方,未破裂脳動脈瘤の破裂の可能性について,直径10mm以下のものが破裂する確率は非常に低いとされている。我が国では,未破裂脳動脈瘤の破裂率は年2%とされているが,米国の論文によると,直径10mm未満のものは,経過観察中に1つも破裂していない。加えて,未破裂脳動脈瘤手術はあくまでも予防的なものであることを考慮すると,上記諸要素を慎重に検討し,手術の適応を決めるべきである。なお,手術の方法としては,直達手術が可能であれば直達手術をし,直達手術では何らかの神経症状が出やすい場所(例えば,脳底動脈先端の動脈瘤)であれば血管内手術で塞栓術を施すのが一般的である。(イ) 本件においては,原告は本件事故当時58歳で,その余命を考慮すると,未破裂脳動脈瘤が破裂する確率は低いものであった。また,本件当時,原告は高血圧の状態にはなかったもので,この点からも,破裂の可能性は低いものであった。 術の方法としては,直達手術が可能であれば直達手術をし,直達手術では何らかの神経症状が出やすい場所(例えば,脳底動脈先端の動脈瘤)であれば血管内手術で塞栓術を施すのが一般的である。(イ) 本件においては,原告は本件事故当時58歳で,その余命を考慮すると,未破裂脳動脈瘤が破裂する確率は低いものであった。また,本件当時,原告は高血圧の状態にはなかったもので,この点からも,破裂の可能性は低いものであった。さらに,原告の動脈瘤の大きさからすると,今後これが破裂する確率は非常に低かったものである。そして,原告は手術前に看護婦に対し「手術したくない。」などと繰り返し述べており,手術に対して気が進まず,拒絶反応が強かった。一方,原告の動脈瘤の部位からして,手術の危険性は通常よりも高いものであった。(ウ) 以上のとおり,本件においては,未破裂脳動脈瘤に対して手術を行う医学的必要性は存在せず,A医師には本件手術を差し控える注意義務があった。しかるに,被告病院医師はこれに反し,本件手術を行ったもの 以上のとおり,本件においては,未破裂脳動脈瘤に対して手術を行う医学的必要性は存在せず,A医師には本件手術を差し控える注意義務があった。しかるに,被告病院医師はこれに反し,本件手術を行ったもので,この点に被告病院医師の過失がある。イ被告の主張(ア) 未破裂の脳動脈瘤は,患者の全身状態(心不全や腎不全等の手術上のリスクの高い患者はしない。)や年齢(高齢者はあまりやらない。)を考慮し,患者本人や家族の希望がある場合において,直達手術が可能であれば直達手術をし,直達手術では何らかの神経症状が出やすい場所では血管内手術で塞栓術を施すのが一般的な方法である。未破裂脳動脈瘤の破裂の可能性について,直径10mm以下のものが破裂する確率は低いとの説はあるが,本件手術当時定説となっていたかは疑問のあるところである。未破裂脳動脈瘤の破裂の危険性については,その大小によって決められるものではなく,動脈瘤が小さいからといって破裂しないと断言できるものではない。実際の臨床例では破裂脳動脈瘤の直径の大半は直径10mm以下であり,直径10mm以下であるからといって手術の適応にならないというものではない。なお,原告の挙げる米国の論文の著者は,その経歴から明らかなように,脳外科手術には全く関与していない医師である。(イ) 原告は,当時58歳であり,全身的な合併症もなく,手術の適応を認めるに十分であった。 脈瘤が小さいからといって破裂しないと断言できるものではない。実際の臨床例では破裂脳動脈瘤の直径の大半は直径10mm以下であり,直径10mm以下であるからといって手術の適応にならないというものではない。なお,原告の挙げる米国の論文の著者は,その経歴から明らかなように,脳外科手術には全く関与していない医師である。(イ) 原告は,当時58歳であり,全身的な合併症もなく,手術の適応を認めるに十分であった。また,原告の動脈瘤はかなり増大しており,付近の壁も薄く弱くなっているなど,破裂の可能性はかなり高かったものと推測できるものであった。なお,原告が手術前に「手術したくない」などと述べていたのは,手術を拒絶していたからではなく,手術に対して不安があったからであり,手術を間近に控えた多くの患者に見られる言動である。また,本件手 なお,原告が手術前に「手術したくない」などと述べていたのは,手術を拒絶していたからではなく,手術に対して不安があったからであり,手術を間近に控えた多くの患者に見られる言動である。また,本件手術が行われた部位は,手技が難しい部位ではあったが,被告病院医師は,血管の走行等を検討した結果,手術が可能であると判断したものである。未破裂脳動脈瘤の手術においては,部位にかかわらず,容易なものなどない。(ウ) 以上のとおり,被告病院医師は,原告の年齢,全身状態,多発性の脳動脈瘤等,様々な要因を慎重に検討した上で手術の適応があるものと判断しており,その判断に過誤はない。(4) 損害ア原告の主張(ア) 原告は,本件事故による脳梗塞のため,「左片麻痺」の後遺障害が残存し,左上肢は使用不能,左下肢は歩行不能の状態で,左半身機能は全廃となっている。したがって,自賠法施行令別表後遺障害等級表第2級3の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの」に該当し,労働能力は100%喪失したものである。また,少なくとも同表第5級6の「1上肢の用を全廃したもの」と同7の「1下肢の用を全廃したもの」に該当し,自賠法施行令第2条第1項第2号により,これを併合して第3級上位の第2級に相当するものと解することも可能で,この場合でも労働能力は100%喪失したものとすべきである。(イ) 損害額a 逸失利益 5130万0708円原告は本件事故当時58歳で,平均余命年数22年の2分の1である11年間就労が可能であったところ,本件事故により,100%労働能力を喪失する後遺障害を残した。 肢の用を全廃したもの」に該当し,自賠法施行令第2条第1項第2号により,これを併合して第3級上位の第2級に相当するものと解することも可能で,この場合でも労働能力は100%喪失したものとすべきである。(イ) 損害額a 逸失利益 5130万0708円原告は本件事故当時58歳で,平均余命年数22年の2分の1である11年間就労が可能であったところ,本件事故により,100%労働能力を喪失する後遺障害を残した。原告の本件事故前の収入は617万6046円であったから,ライプニッツ方式により中間利息を控除すると(ライプニッツ係数8.3064),原告の より,100%労働能力を喪失する後遺障害を残した。原告の本件事故前の収入は617万6046円であったから,ライプニッツ方式により中間利息を控除すると(ライプニッツ係数8.3064),原告の後遺障害による逸失利益は,5130万0708円となる。b 慰謝料 2200万円原告は,現在も左片麻痺が残存し歩行不能の状態で,今後回復する可能性はなく,右苦痛を慰謝するには,2200万円が相当である。c 付添看護料 1217万8407円原告は,本件事故当時の平均余命年数である22年間職業付添人の付添看護を要し,看護料として1月当たり7万7100円が必要であるところ,ライプニッツ方式により中間利息を控除すると(ライプニッツ係数13. 1630),1217万8407円となる。d 弁護士費用 800万円本件事案に鑑み,被告の負担すべき弁護士費用としては,800万円が相当である。e 以上の合計は,9347万9115円となる。イ被告の主張すべて争う。後遺障害については,原告の症状は非常に軽快しているもののようであり,後遺障害等級5級6号と7級10号に近いものと思われる。第3 争点に対する判断 1 争点(1)について(1) 前記争いのない事実等に,証拠(甲7,9,12,乙6,9~11,証人A医師,同C,鑑定結果)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。ア平成8年4月9日の脳血管造影検査の結果,原告の右内頸動脈に直径9mmの,左中大脳動脈に直径3.5mmの,脳底動脈に直径5.5mmの動脈瘤が発見され,このうち,まず,右内頸動脈,脳底動脈の2か所の動脈瘤について,開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術の方法で,破裂予防手術(本件手術)が行われることになった。 ,9~11,証人A医師,同C,鑑定結果)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。ア平成8年4月9日の脳血管造影検査の結果,原告の右内頸動脈に直径9mmの,左中大脳動脈に直径3.5mmの,脳底動脈に直径5.5mmの動脈瘤が発見され,このうち,まず,右内頸動脈,脳底動脈の2か所の動脈瘤について,開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術の方法で,破裂予防手術(本件手術)が行われることになった。イ .5mmの動脈瘤が発見され,このうち,まず,右内頸動脈,脳底動脈の2か所の動脈瘤について,開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術の方法で,破裂予防手術(本件手術)が行われることになった。イ同月25日,脳神経外科医長のE医師の立会の下で,A医師及びB医師(被告担当医師)により,本件手術が行われた。(ア) A医師は,まず,原告のくも膜等を剥離し,原告の脳底動脈の動脈瘤のクリッピングを行った。すなわち,A医師は,脳底動脈と上小脳動脈分岐部の動脈瘤を確認できたため,内頸動脈と動眼神経の間から進入しようとして,内頸動脈を脳ベラによって圧排したところ,内頸動脈の伸展により,その背側(内頸動脈の動脈瘤と反対側)から出血があったが,吸引と圧迫により止血でき,その後,内頸動脈と動眼神経の間からブレードの長いチタン製のクリップでクリッピングした。(イ) 次に,A医師は,右内頸動脈の動脈瘤のクリッピングにとりかかったが,右前脈絡叢動脈が上記動脈瘤に強く癒着しており,そのままではクリップが掛けられない状態で,手技が難しいことが分かったため,執刀医をB医師に交代し,上記動脈瘤のクリッピングは,B医師が行うことになった。(ウ) B医師は,まず,マイクロ剥離子を使って,癒着している動脈瘤と右前脈絡叢動脈を剥離する作業を行い,その後,動脈瘤のクリッピングに取りかかった。しかし,上記(ア)のとおり出血があった右内頸動脈の背部から再出血が起こったためか,手術部の視野が悪くなっていたことや,右内頸動脈と右前脈絡叢動脈の分岐部(右前脈絡叢動脈の起始部)が右内頸動脈の背後にあって隠れていたことから,上記動脈瘤をクリップする際,上記分岐部を目視することは困難であった。そのため,B医師は,上記右内頸動脈の背側を脳外科手術用綿でおおった上,有窓クリップ2個 脈の背後にあって隠れていたことから,上記動脈瘤をクリップする際,上記分岐部を目視することは困難であった。 術部の視野が悪くなっていたことや,右内頸動脈と右前脈絡叢動脈の分岐部(右前脈絡叢動脈の起始部)が右内頸動脈の背後にあって隠れていたことから,上記動脈瘤をクリップする際,上記分岐部を目視することは困難であった。そのため,B医師は,上記右内頸動脈の背側を脳外科手術用綿でおおった上,有窓クリップ2個 脈の背後にあって隠れていたことから,上記動脈瘤をクリップする際,上記分岐部を目視することは困難であった。そのため,B医師は,上記右内頸動脈の背側を脳外科手術用綿でおおった上,有窓クリップ2個を使って,慎重に,上記動脈瘤の頸部をクリップしようとし,片方のクリップについては3回目の操作で,もう片方のクリップについては5回目の操作で,ようやくクリップすることができた。なお,以上の間に,クリップにより右前脈絡叢動脈を損傷したような形跡は見られなかった。ウところが,原告は,本件手術後も意識が回復しないため,同月26日にCT検査を行ったところ,2か所に低吸収域が認められ,そのうち,一つは,手術中の脳圧排に伴う脳挫傷の所見と考えられたが,もう一つは,右前脈絡叢動脈の閉塞による脳梗塞巣であると認められた。(2) 以上の事実によれば,原告に本件手術後に発症した脳梗塞は,右内頸動脈の動脈瘤(以下「本件動脈瘤」という。)のクリッピングの際に生じた右前脈絡叢動脈(以下「本件穿通枝」という。)の閉塞によるものと認められる。なお,原告は,平成8年4月26日のCT検査により認められたもう一つの低吸収域も脳梗塞によるものであると主張するが,この主張が採用できないことは鑑定結果からも明らかである。(3) そこで,すすんで,本件穿通枝の閉塞により脳梗塞が発症した原因について検討する。証拠(甲2,鑑定結果)によれば,一般に,未破裂脳動脈瘤手術後,穿通枝障害を来した例について,その発生原因は手術操作によるものが多く,中でも脳ベラによる穿通枝の圧迫,動脈瘤剥離中における穿通枝の損傷等の技術的な問題によることが多いことが指摘され,とくに,前脈絡叢動脈等の細い穿通枝は,クリップにより屈曲・狭窄を来しやすく,配慮が必要であるとされ,また,クリップ ,動脈瘤剥離中における穿通枝の損傷等の技術的な問題によることが多いことが指摘され,とくに,前脈絡叢動脈等の細い穿通枝は,クリップにより屈曲・狭窄を来しやすく,配慮が必要であるとされ,また,クリップをかけ直すことにより生じる様々なトラブルを防ぐために,できるだけクリップはかけ直さないこととされていることが認められる。 枝は,クリップにより屈曲・狭窄を来しやすく,配慮が必要であるとされ,また,クリップ ,動脈瘤剥離中における穿通枝の損傷等の技術的な問題によることが多いことが指摘され,とくに,前脈絡叢動脈等の細い穿通枝は,クリップにより屈曲・狭窄を来しやすく,配慮が必要であるとされ,また,クリップをかけ直すことにより生じる様々なトラブルを防ぐために,できるだけクリップはかけ直さないこととされていることが認められる。ところで,本件手術においては,上記(1)イ(イ)のとおり,B医師は,原告の本件動脈瘤のクリッピングを慎重に行っており,その際に本件穿通枝を損傷した形跡は窺われないものの,他方で,出血のために視野が悪く,本件穿通枝の起始部を目視することは困難であった上,本件動脈瘤のクリッピングに際しては,一つのクリップについては3回,もう一つのクリップについては5回のかけ直しがされたことが認められる。以上の事実に,鑑定結果においても,クリップにより右前脈絡叢動脈が起始部の近くで屈曲,狭窄を来した可能性を否定できないとしていることを併せ考慮すると,B医師の本件動脈瘤のクリッピングの過程において,あるいはクリップをした結果,本件穿通枝が起始部の近くで屈曲,狭窄を来し,あるいは損傷され,もって,本件穿通枝が閉塞したものと推認するのが相当である。これに対し,被告は,被告担当医師が本件穿通枝を本件動脈瘤から剥離した際,そのことによって血管が受ける機械的刺激により血管攣縮が生じ,そのために本件穿通枝が閉塞したと主張し,A医師の証言及びその作成の陳述書(乙11)には,上記主張に沿う旨の部分がある。しかしながら,上記証言等は,要するに,B医師は慎重にクリッピングしており,その際,本件穿通枝を損傷した事実はないから,これが閉塞した原因は血管攣縮しか考えられないというにすぎず,証拠(鑑定結果)によれば,通常,未破裂脳動脈瘤の手術手技によって,脳梗塞 ッピングしており,その際,本件穿通枝を損傷した事実はないから,これが閉塞した原因は血管攣縮しか考えられないというにすぎず,証拠(鑑定結果)によれば,通常,未破裂脳動脈瘤の手術手技によって,脳梗塞に至るような機械的な血管攣縮が発生することは極めて少ないとされていることを併せ考慮すると,上記証言等は採用し難く,他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。(4) 以上によれば,原告の脳梗塞は,B医師が本件動脈瘤のクリッピング術をした際の手技上の過失により,右前脈絡叢動脈が閉塞した結果発症したものと認められるから,その余の責任原因について判断するまでもなく,被告は,民法715条1項に基づき,原告の被った損害を賠償すべき義務を負うものというべきである。 ないとされていることを併せ考慮すると,上記証言等は採用し難く,他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。(4) 以上によれば,原告の脳梗塞は,B医師が本件動脈瘤のクリッピング術をした際の手技上の過失により,右前脈絡叢動脈が閉塞した結果発症したものと認められるから,その余の責任原因について判断するまでもなく,被告は,民法715条1項に基づき,原告の被った損害を賠償すべき義務を負うものというべきである。2 争点(4)について(1) 後遺障害について証拠(甲7,14,15,18の1・2,19,証人C)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件手術に起因する脳梗塞により,左片麻痺となり,現在も左片麻痺の後遺障害が残存するもので,左上肢の機能は全廃し,左下肢については,立ち上がって数メートル歩行することは可能であるものの,基本的には常に車椅子を使用する状態であること,また,本件手術以後,仕事を辞めざるを得ず,身体障害者福祉施設に入所して生活していることが認められ,これらの事情からすれば,原告の労働能力喪失率は100%と解するのが相当である。なお,被告は,原告の後遺障害は等級表第5級6号の「1上肢の用を全廃したもの」と第7級10号の「1下肢に仮関節を残し,著しい運動障害を残すもの」に近いものであると主張するが,そうであるとしても,自賠法施行令2条1項により,第8級以上に該当する身体障害が二以上あるときは,重い方の身体障害2級を繰上げることとされているから,第3級に繰上げられる いものであると主張するが,そうであるとしても,自賠法施行令2条1項により,第8級以上に該当する身体障害が二以上あるときは,重い方の身体障害2級を繰上げることとされているから,第3級に繰上げられることとなり,労働能力喪失率を100%とすべきことに変わりはない。(2) 逸失利益上記事実に,証拠(甲3)を総合すると,原告の本件手術前の収入は年617万6046円であり,本件手術により後遺障害が発生しなかったならば,本件手術時から67歳までの9年間,毎年上記収入を得ることができたものと認められるから,これに基づき,年5分の割合による中間利息をライプニッツ方式により控除して(ライプニッツ係数7.1078),原告の後遺障害による逸失利益を算定すると,4389万8099円となる。(3) 慰謝料後遺障害を負ったことによる原告の肉体的・精神的苦痛は容易に推察でき,これを慰謝するには2000万円をもって相当と認める。 ば,本件手術時から67歳までの9年間,毎年上記収入を得ることができたものと認められるから,これに基づき,年5分の割合による中間利息をライプニッツ方式により控除して(ライプニッツ係数7.1078),原告の後遺障害による逸失利益を算定すると,4389万8099円となる。(3) 慰謝料後遺障害を負ったことによる原告の肉体的・精神的苦痛は容易に推察でき,これを慰謝するには2000万円をもって相当と認める。(4) 付添看護料上記(1)掲記の各証拠によれば,原告は,本件手術後,2度の転院の後,身体障害者福祉施設に入所しており,今後もこのような施設において付添看護を受けることが必要であると認められる。原告が現在入所している施設の費用は本件口頭弁論終結時において月額7万7100円(年額92万5200円)であり(甲19),58歳からの平均余命年数22年の間この費用が必要であると認められるから,これに基づき,ライプニッツ方式により中間利息を控除して(ライプニッツ係数13.1630),原告の付添看護料を算定すると,1217万8407円となる。(5) 弁護士費用本件訴訟の難易度,審理の経過及び認容額等諸般の事情を考慮すると,弁護士費用としては700万円をもって相当と認める。3 結論よって 17万8407円となる。(5) 弁護士費用本件訴訟の難易度,審理の経過及び認容額等諸般の事情を考慮すると,弁護士費用としては700万円をもって相当と認める。3 結論よって,原告の被告に対する本訴請求は,8307万6506円及びこれに対する不法行為の日である平成8年4月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。名古屋地方裁判所民事第7部裁判長裁判官筏津順子裁判官武藤真紀子裁判官鈴木進介
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