平成25(行ウ)23 消費税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年2月18日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文48,697 文字)

- 1 -平成26年2月18日判決言渡平成25年(行ウ)第23号消費税更正処分等取消請求事件 主文 1 処分行政庁が平成23年3月28日付けで別紙破産者目録記載の破産者に対してした,次の(1)及び(2)の各処分をいずれも取り消す。 (1) 平成19年10月1日から平成20年9月30日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分(ただし,平成25年7月30日付けでされた減額再更正処分後のもの)のうち,消費税の還付すべき税額5108万6522円を下回る部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額1277万1630円を下回る部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,同日付けでされた変更決定処分後のもの)のうち,274万1000円を超える部分(2) 平成20年10月1日から平成21年9月30日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分(ただし,平成25年7月30日付けでされた減額再更正処分後のもの)のうち,消費税の還付すべき税額4499万0059円を下回る部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額1124万7514円を下回る部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,同日付けでされた変更決定処分後のもの)のうち,224万4500円を超える部分 2 処分行政庁が平成23年5月31日付けで別紙破産者目録記載の破産者に対してした平成21年10月1日から平成22年6月10日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分(ただし,平成23年7月8日付けでされた減額再更正処分後のもの)のうち,消費税の還付すべき税額820万9527円を下回る部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額205万2381円を下回る部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,同日付けでされた変更決定処分後のもの)のうち,18万 税額820万9527円を下回る部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額205万2381円を下回る部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,同日付けでされた変更決定処分後のもの)のうち,18万35 - 2 -00円を超える部分をいずれも取り消す。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,会員制リゾートクラブである「A」を主宰していた別紙破産者目録記載の破産者(以下「本件破産会社」という。)が,平成19年10月1日から平成20年9月30日までの課税期間(以下「平成20年9月課税期間」という。),同年10月1日から平成21年9月30日までの課税期間(以下「平成21年9月課税期間」という。)及び同年10月1日から平成22年6月10日までの課税期間(以下「平成22年6月課税期間」といい,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間と併せて「本件各課税期間」という。)における消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)について,Aに入会した会員(以下「本件各会員」という。)から入会時に収受した金員の一部(同金員のうち,預託金として返還することとされている部分を除いた残りの部分。以下「本件金員」という。)は,課税資産の譲渡等の対価に該当するなどという理由により,処分行政庁から,本件各課税期間の消費税等に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことに対し,本件破産会社の破産管財人である原告が,本件金員の収受はいわゆる不課税取引であるから,これらの各処分(ただし,異議決定等による一部取消し後のもの)は違法であると主張して,その取消しを求めている事案である。 1 関係法令の定め本件に関係する法令等の定めは,別紙関係法令等の定め記載のとおりである ただし,異議決定等による一部取消し後のもの)は違法であると主張して,その取消しを求めている事案である。 1 関係法令の定め本件に関係する法令等の定めは,別紙関係法令等の定め記載のとおりである(同別紙において用いた略称は,以下の本文においても用いることとする。)。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨 - 3 -により容易に認められる事実)(1) 当事者等ア(ア) 本件破産会社は,平成18年10月25日にリゾート施設会員組織の運営,管理,会員権の管理,販売等を目的として設立された法人であり,会員制リゾートクラブであるAを主宰していた。なお,本件破産会社の設立に先立ち,株式会社Bが,平成17年4月頃にAの前身である「C」を立ち上げて,同会の第1次募集を行っていたが,本件破産会社が設立されて,C(A)の主宰及び会員を引き継いでいる。[乙6の1](イ) Aは,入会した会員(本件各会員)が,本件破産会社との間の入会契約等に基づいて,D株式会社(以下「D」という。),株式会社E(以下「E」という。)及び株式会社F(以下「F」といい,D及びEと併せて「本件各運営会社」という。)が運営している別表1ホテル一覧記載の国内11か所のホテル(以下「本件各ホテル」という。)において,宿泊サービス等の提供を受けることができるという会員制組織である。[乙5,18ないし22]イ本件破産会社の債権者である本件各会員の一部は,平成22年5月21日,東京地方裁判所に対し,本件破産会社に係る破産手続開始の申立てを行った。同裁判所は,同年6月10日,破産手続開始決定(当庁平成22年(フ)第8801号)を行い,原告を本件破産会社の破産管財人として選定した。[甲1]ウ(ア) 警視庁合同捜査本部は,平成22年 行った。同裁判所は,同年6月10日,破産手続開始決定(当庁平成22年(フ)第8801号)を行い,原告を本件破産会社の破産管財人として選定した。[甲1]ウ(ア) 警視庁合同捜査本部は,平成22年5月26日,本件破産会社の関係先に対して一斉捜索を行い,平成23年2月7日,本件破産会社の実質的な経営者であったG及び本件破産会社の代表取締役であったHを組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)違反(組織的詐欺)の被疑事実で逮捕した。[甲 - 4 -2の1ないし6](イ) 東京地方検察庁は,平成23年3月18日,G及びHを組織的犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪で起訴し,東京地方裁判所は,平成25年5月30日,Gについて懲役18年の有罪判決を,同年6月26日,Hについて懲役5年の有罪判決をそれぞれ宣告した。[甲17,18](2) Aの事業概要ア Aの会員募集は,第1次から第4次までに分かれているところ(なお,第1次募集は,前述のとおり,株式会社Bが行ったものである。),それぞれの募集次において,ブロンズ会員,シルバー会員,ゴールド会員及びプラチナ会員の会員区分が存在していた。また,第4次募集においては,上記四つの会員区分に加えて,ハーフ会員(準会員)及びダイヤモンド会員の会員区分も存在していた(以下,募集次及び会員区分に応じて会員を特定する場合には,「本件2次会員(ブロンズ会員)」などというようにいう。)。 イ(ア) 本件各会員が入会時に本件破産会社に支払う金員(以下「本件入会時費用」という。)のうち,本件金員を除く部分は,預託金として,入会時から5年後に本件各会員に返還されるものとされていた(以下,本件入会時費用のうち,5年後に返還することとされている部分を「本件預託金」とい いう。)のうち,本件金員を除く部分は,預託金として,入会時から5年後に本件各会員に返還されるものとされていた(以下,本件入会時費用のうち,5年後に返還することとされている部分を「本件預託金」という。)。ただし,第1次募集においては,本件入会時費用の全額が預託金とされているため,本件金員に相当する部分は存在しない。 (イ) 本件破産会社は,本件各会員に対し,本件各ホテルにおいて現金と同様に使用することができ,1ポイント当たり1円の価値を持つポイント(以下「宿泊ポイント」という。)を5年間にわたって発行することとしており,入会時に支払う金員(本件入会時費用)が多額であるほど,発行される宿泊ポイントも多額になることとされていた。 - 5 -(ウ) 本件各会員が入会時に支払う本件入会時費用の額及び本件各会員が入会後に受けられるサービス内容等は,その募集次及び会員区分に応じて異なっており,本件入会時費用の金額及び内訳(本件預託金と本件金員の区別)並びに宿泊ポイントの発行内容は,別表2本件入会時費用の内訳及び宿泊ポイントの発行内容(一覧)記載のとおりであった。 ウ本件破産会社は,破産手続開始決定時において,別表1番号1ないし8のホテルを所有していたところ,Eとの間で同表番号1ないし7の各ホテルについて,Fとの間で同表番号8のホテルについて,それぞれ賃貸借契約を締結し,E及びFとの間で,それぞれ宿泊客あっせんに係る覚書を締結した。同覚書において,本件破産会社は,E及びFが運営する上記各ホテルに宿泊客として本件各会員をあっせんし,本件各会員は,本件破産会社が発行した宿泊ポイントを用いて上記各ホテルから宿泊サービス等の提供を受けることができるとした上で,本件破産会社が,E及びFに対し,本件各会員が上記各ホテルで使用した宿泊ポイント数 は,本件破産会社が発行した宿泊ポイントを用いて上記各ホテルから宿泊サービス等の提供を受けることができるとした上で,本件破産会社が,E及びFに対し,本件各会員が上記各ホテルで使用した宿泊ポイント数相当額を支払うとともに,E及びFが,本件破産会社に対し,本件各会員により使用された宿泊ポイント数の20%相当額をあっせん手数料として本件破産会社に支払うことなどを約していた。また,本件破産会社は,同表番号9のホテルについてはDとの間で,同表番号10及び11の各ホテルについてはEとの間で,それぞれ上記と同内容の宿泊客あっせんに係る覚書を締結していた(以下,本件破産会社と本件各運営会社との間における上記各覚書を「本件各覚書」という。)。[乙7ないし17](3) 本件破産会社と本件各会員との間における入会契約の内容等ア本件各会員は,本件破産会社との間において入会契約(以下「本件入会契約」といい,同契約に係る契約書を「本件契約書」という。)を締結していたところ,第2次募集における本件契約書には,要旨,以下の内容が - 6 -記載されていた(なお,第3次及び第4次募集における本件契約書にも,おおむね同じ内容が記載されていた。)。[乙18,19,21](ア) 目的(2条)Aは,本件各ホテルを会員の利用に供し,このホテルの相互利用を通じて,親睦と快適なリゾートライフを促進することを目的とする。 (イ) クラブの運営管理(3条)本件破産会社は,Aの運営及び管理を行う。 (ウ) 会員資格の取得(4条)Aへ入会しようとする者は,所定の入会申込手続を行い,本件破産会社との入会契約を締結し,本件破産会社に会員としての「施設使用料」(本件金員)及び「施設使用預託金」(本件預託金)の払込みを終えたとき,会員資格を取得する。また,会員資格を取 手続を行い,本件破産会社との入会契約を締結し,本件破産会社に会員としての「施設使用料」(本件金員)及び「施設使用預託金」(本件預託金)の払込みを終えたとき,会員資格を取得する。また,会員資格を取得した者は,本件各ホテルを利用することができる(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件会員資格条項」という。)。 (エ) 施設使用預託金(7条)Aに入会しようとする者は,本件破産会社に対し,無利息にて「施設使用預託金」(本件預託金)を預託し,本件破産会社は,この預託債権について預り証を発行する(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件預託金条項」という。)。 (オ) 会員へのサービス内容(8条)Aの会員の種類は,別表2(募集次に応じて同表(1)ないし(4))のとおりとし,本件破産会社は,本件各会員に対し,同表の各会員・コースに相当する宿泊ポイントを付与し,本件各ホテルにおいて,会員以外の者の宿泊料金の20%割引にて宿泊し,宿泊ポイントにより宿泊料金等を支払うことができる(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件会員サービス条項」という。)。 - 7 -(カ) 会員カードの利用方法(9条)本件破産会社は本件各会員に対し,上記(オ)の会員の種類に応じ,ポイントカードを発行する。このポイントカードは,会員カードを兼用し,電磁的に記入され,ポイントカードを利用する際には,必ずこれを利用しなければならない。本件各会員が,この会員カード兼ポイントカードを持参しなかった場合は,会員としての利用はできず,一般宿泊客と同様の取扱いとなる(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件カード条項」といい,同条項により発行されたカードを「本件カード」という。)。 (キ) 宿泊予約(10条)本件各会員は,1年前から宿 取扱いとなる(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件カード条項」といい,同条項により発行されたカードを「本件カード」という。)。 (キ) 宿泊予約(10条)本件各会員は,1年前から宿泊予約をすることができる。 (ク) 退会(15条)本件各会員が退会する場合は,本件破産会社に対し,3か月前までに文書で退会の申出をするものとする。ただし,本件預託金は,入会後3年未満の場合は50%,3年以上5年未満の場合は75%,5年以上の場合は100%の割合により返還するものとする(以下,本件契約書のうち,上記内容の条項を「本件退会条項」という。)。 イ本件契約書(本件会員サービス条項)においては,宿泊ポイントの有効期間を会員資格の有効期間内とすること,本件各会員が健康上の理由等により,宿泊ポイントを消化できない場合には,本件各会員は,本件破産会社に対し,別表2(募集次に応じて同表(1)ないし(4))の「残ポイント払戻し率」欄記載の一定比率による買取り(払戻し)を要求することができることが付記されていた(ただし,第3次募集における本件契約書には,残った宿泊ポイントの買取りに関する記載部分はない。)。本件破産会社は,本件入会契約に基づき,本件各会員から未使用の宿泊ポイント(既に発行済みのもの)の買取りに応じていたが(以下,本件破産会社が本件各 - 8 -会員に対して未使用の宿泊ポイントにつき支払う金額を「本件未使用ポイント買取金額」という。),途中退会時に発行されていない宿泊ポイントの取扱いについては特段定めておらず,未発行の宿泊ポイントを払い戻すことは予定されていなかった。[乙18,19,21]ウ本件契約書(本件カード条項)は,宿泊ポイントを本件カードに電磁的に記入して管理することとしているところ,第1次募集及び第2次募 トを払い戻すことは予定されていなかった。[乙18,19,21]ウ本件契約書(本件カード条項)は,宿泊ポイントを本件カードに電磁的に記入して管理することとしているところ,第1次募集及び第2次募集の途中までは,宿泊ポイントは,カードに電磁的に記入する方法ではなく,本件各会員に対して紙製のチケット(以下「本件チケット」という。)を交付する方法によって発行することとされていた。[甲5ないし7](4) 宿泊ポイントの発行から精算までの流れAの会員(本件各会員)に対する宿泊ポイントの発行から,本件破産会社と本件各運営会社との間における宿泊ポイントの精算までの流れは,以下のアないしエのとおりである。 ア本件破産会社は,本件各会員になろうとする者から,本件入会時費用(本件2次会員〔ブロンズ会員〕の場合,合計100万円)を収受し,本件各会員に対して,本件カードを交付する。 イ(ア) 本件各会員に対しては,入会時において,別表2の「初年度」欄記載の金額に相当する宿泊ポイント(本件2次会員〔ブロンズ会員〕の場合,28万円分)が付与され,本件カードに電磁的に記録される(ただし,本件チケットが発行される場合には,宿泊ポイントは,同チケットの交付による〔以下同じ〕。)。 (イ) 本件各会員は,2年目以降5年目(最終年)までの間,別表2の「2年目」ないし「最終年」欄記載の金額に相当する宿泊ポイント(本件2次会員〔ブロンズ会員〕の場合,各年8万円分)が毎年付与されて本件カードに電磁的に記録される。[乙18,19,21]ウ本件各会員は,宿泊ポイントを用いて,本件各ホテルに宿泊することが - 9 -できる。ただし,宿泊ポイントは,本件カード(本件チケットが発行されている場合には,当該チケット)を持参して,これを利用しなければならない。 いて,本件各ホテルに宿泊することが - 9 -できる。ただし,宿泊ポイントは,本件カード(本件チケットが発行されている場合には,当該チケット)を持参して,これを利用しなければならない。 エ本件各会員が本件各ホテルにおいて宿泊ポイントを使用した場合,以下のとおり,本件破産会社と本件各運営会社との間において,宿泊ポイント等の精算が行われる(別紙本件破産会社と本件各運営会社との間の精算関係(概念図)参照)。 (ア) 本件各運営会社は,本件各覚書に基づき,本件破産会社に対し,本件各会員が本件各ホテルにおいて使用した宿泊ポイントに相当する金額を請求する。 (イ) 本件破産会社は,本件各覚書に基づき,本件各運営会社に対し,宿泊料の20%に相当する額(宿泊あっせん手数料)を請求する。 (ウ) 上記(ア)及び(イ)は差引計算され,本件破産会社が本件各運営会社に対して所定の金額を支払い,宿泊ポイントの精算は完了する(以下,本件破産会社が本件各運営会社に支払う差引計算後の金額を「本件宿泊ポイント精算金額」という。)。 (5) 本件各会員の募集状況及び本件各会員による本件各ホテルの利用状況ア本件各会員の募集次別の会員数・入会口数は,次のとおりであり,会員の総合計が7781名,入会口数の総合計が合計8722口であった(なお,複数口を所有している会員がいるため,募集次別の会員数の合計は総合計と一致しない。)。[甲19](ア) 第1次募集会員数 1031人(入会口数 1072口)(イ) 第2次募集会員数 7049人(入会口数 7434口)(ウ) 第3次募集会員数 138人(入会口数 139口)(エ) 第4次募集会員数 77人(入会口数 77口)イ(ア) 本件各会員は,本件各ホテルにおいて,宿泊ポイントを使 4口)(ウ) 第3次募集会員数 138人(入会口数 139口)(エ) 第4次募集会員数 77人(入会口数 77口)イ(ア) 本件各会員は,本件各ホテルにおいて,宿泊ポイントを使用して宿 - 10 -泊サービス等を受けることができるところ,平成18年10月1日から平成19年9月30日までの課税期間(以下「平成19年9月課税期間」という。),平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間における宿泊ポイントの使用状況(本件宿泊ポイント精算金額)は,次のとおりであった。[甲13]a 平成19年9月課税期間 5億9416万5692円b 平成20年9月課税期間 9億2536万8294円c 平成21年9月課税期間 14億1243万5396円(イ) 本件各会員は,本件破産会社に対し,未使用の宿泊ポイントの買取りを要求できるところ,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間における未使用の宿泊ポイントの買取状況(本件未使用ポイント買取金額)は,次のとおりであった。[甲13]a 平成20年9月課税期間 6億5867万8944円b 平成21年9月課税期間 8億0929万1648円(6) 本件各更正処分等に至る経緯ア本件破産会社は,本件各会員から入会時に収受した本件金員が課税資産の譲渡等の対価に当たる課税売上げであり,かつ,本件宿泊ポイント精算金額及び本件未使用ポイント買取金額(以下,併せて「本件ポイント精算金額等」という。)が課税仕入れの金額であるとして,以下のとおり,各課税期間の消費税等について確定申告等をした。 (ア) 本件破産会社は,平成19年11月25日,平成19年9月課税期間の消費税等について,申告期限内に別表3平成19年9月課税期間に係る更正処分等の経緯 期間の消費税等について確定申告等をした。 (ア) 本件破産会社は,平成19年11月25日,平成19年9月課税期間の消費税等について,申告期限内に別表3平成19年9月課税期間に係る更正処分等の経緯(参考)の「確定申告」欄記載の内容で確定申告を行った。なお,処分行政庁は,平成20年3月31日,平成19年9月課税期間の消費税等について,本件ポイント精算金額等が課税仕入れの金額であることを前提として,同表「更正処分」欄記載の内容で更正 - 11 -処分(減額)を行った。 (イ) 本件破産会社は,平成20年11月28日,平成20年9月課税期間の消費税等について,申告期限内に別表4平成20年9月課税期間に係る更正処分等の経緯の「確定申告」欄記載の内容で確定申告を行い,次いで,平成21年3月16日,同表「修正申告」欄記載の内容で修正申告を行った。[甲16,乙2,30](ウ) 本件破産会社は,平成21年11月30日,平成21年9月課税期間の消費税等について,申告期限内に別表5平成21年9月課税期間に係る更正処分等の経緯の「確定申告」欄記載の内容で確定申告を行い,次いで,平成22年3月16日,同表「修正申告」欄記載の内容で修正申告を行った。[乙3](エ) 本件破産会社は,平成22年8月10日,平成22年6月課税期間の消費税等について,申告期限内に別表6平成22年6月課税期間に係る更正処分等の経緯の「確定申告」欄記載の内容で確定申告を行った。 [乙4]イ処分行政庁は,本件金員は課税資産の譲渡等の対価に当たる課税売上げであるものの,本件ポイント精算金額等は課税仕入れの金額に当たらないとして,平成23年3月28日,以下の(ア)及び(イ)のとおり,平成19年9月課税期間,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間の消費税等について ト精算金額等は課税仕入れの金額に当たらないとして,平成23年3月28日,以下の(ア)及び(イ)のとおり,平成19年9月課税期間,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間の消費税等について,それぞれ更正処分等を行った。 (ア) 処分行政庁は,平成19年9月課税期間の消費税等について,別表3「再更正処分」欄記載の内容で,再度の更正処分(増額)を行った。 (イ) 処分行政庁は,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間の消費税等について,別表4及び5の各「更正処分」欄記載の内容で,それぞれ更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。なお,処分行政庁は,更正処分前における本件破産会社の納付すべき税額 - 12 -が過少となったことについて,課税仕入れに係る支払対価の額に本件宿泊ポイント精算金額を含めていたことについては通則法65条4項に規定する「正当な理由があると認められるものがある場合」に該当する事実が認められるとして,同項及び国税通則法施行令27条の規定に基づき,各課税期間における差引納付すべき合計税額の金額から,当該事実に基づく税額として計算した金額を控除した税額を過少申告加算税の算定の基礎としていた。[甲3,13,弁論の全趣旨]ウ(ア) 原告は,平成23年5月10日,上記イの各処分について,それぞれ別表3ないし5の「異議申立」欄記載の金額が正しい税額であるとして,異議申立てを行った。 (イ) 処分行政庁は,平成23年7月5日,上記異議申立てについて,別表3ないし5の「異議決定」欄記載のとおりの内容で,それぞれ異議決定(一部取消し)を行った。[甲13]エ処分行政庁は,平成23年5月31日,前記イと同様の理由により,平成22年6月課税期間の消費税等について,別表6「更正処分」欄記載の内容で更正処分 異議決定(一部取消し)を行った。[甲13]エ処分行政庁は,平成23年5月31日,前記イと同様の理由により,平成22年6月課税期間の消費税等について,別表6「更正処分」欄記載の内容で更正処分(増額)及び過少申告加算税の賦課決定処分を行い,次いで,同年7月8日,同表「再更正処分」欄記載の内容で,再更正処分(減額)及び過少申告加算税の変更(減額)賦課決定処分を行った。 オ(ア) 原告は,平成23年7月15日,上記エの各処分について,別表6の「異議申立」欄記載の金額が正しい税額であるとして,異議申立てを行った。 (イ) 処分行政庁は,平成23年10月7日,上記異議申立てについて,別表6の「異議決定」欄記載のとおり,これを棄却した。[甲14]カ(ア) 原告は,平成23年7月29日,国税不服審判所長に対し,前記イの各処分(ただし,いずれも異議決定による一部取消し後のもの)について,それぞれ別表3ないし5の各「審査請求」欄記載の金額が正しい - 13 -税額等であるとして,審査請求をした。 (イ) 原告は,平成23年10月14日,国税不服審判所長に対して,前記エの各処分について,別表6の「審査請求」欄記載の金額が正しい税額等であるとして,審査請求をした。 キ国税不服審判所長は,平成24年7月20日,上記カの各審査請求について,いずれも棄却する旨の裁決を行った。[甲3](7) 本件訴えの提起等ア原告は,平成25年1月17日,平成19年9月課税期間に係る再更正処分並びに本件各課税期間に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,いずれも異議決定による一部取消し後のもの)の取消しを求めて,本件訴えを提起した。[顕著な事実]イ(ア) 処分行政庁は,平成25年9月4日,平成19年9月課税期間に係る再更正処分につい (ただし,いずれも異議決定による一部取消し後のもの)の取消しを求めて,本件訴えを提起した。[顕著な事実]イ(ア) 処分行政庁は,平成25年9月4日,平成19年9月課税期間に係る再更正処分について,更正の期間の制限を徒過してなされたものであったとして,これを全て取り消した。[乙27](イ) 処分行政庁は,平成25年7月30日,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分について,課税仕入れに係る支払対価の額から減算すべき額の計算に誤りがあったため,控除対象仕入税額を再計算したところ,消費税等の納付すべき税額及び過少申告加算税の金額が過大であったことが判明したとして,別表4及び5の各「再更正処分」欄記載のとおり,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間に係る更正処分の一部を取り消すとともに,過少申告加算税の賦課決定処分について変更(減額)決定処分を行った。[乙28,29]ウ原告は,上記イを受けて,平成19年9月課税期間更正処分に係る取消しの訴えを取り下げるとともに,本件各課税期間に係る各更正処分及び各過少申告加算税の賦課決定処分の取消しを求める訴えを,前記第1の請求 - 14 -の趣旨欄記載のとおりとする旨の訴えの変更をした。[顕著な事実]エ(ア) 原告及び被告が本件訴訟において主張している本件各課税期間に係る消費税等の課税標準及び納税すべき金額(還付税額)等は,それぞれ別表7ないし9本件各課税期間に係る消費税額等の額の計算(平成20年9月課税期間ないし平成22年6月課税期間)記載のとおりである。 (イ) 原告及び被告が本件訴訟において主張している本件各課税期間に係る過少申告加算税の額は,それぞれ別表10ないし12過少申告加算税の明細(平成20年9月課税期間 課税期間)記載のとおりである。 (イ) 原告及び被告が本件訴訟において主張している本件各課税期間に係る過少申告加算税の額は,それぞれ別表10ないし12過少申告加算税の明細(平成20年9月課税期間ないし平成22年6月課税期間)記載のとおりである。なお,上記各表の①欄記載の「納付すべき税額」の明細は,別表13ないし15過少申告加算税の基礎となる税額の明細(平成20年9月課税期間ないし平成22年6月課税期間)記載のとおりである。 この点,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間に係る過少申告加算税の額に関して,課税仕入れに係る支払対価の額に本件宿泊ポイント精算金額を含めていたことについては通則法65条4項に規定する「正当な理由があると認められるものがある場合」に該当する事実が認められること(前記(6)イ(イ))について,当事者に争いはない。その結果,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間に係る各過少申告加算税の額を計算する際には,各課税期間における差引納付すべき税額から,当該事実に基づく税額として計算した金額(課税仕入れに係る支払対価の額から本件宿泊ポイント精算金額を減算する処理のみを行った場合の新たに納付すべき各税額。別表10及び11の「加算税対象外税額」欄記載の各金額)を控除した税額が過少申告加算税の算定の基礎とされることとなる。 オ原告及び被告は,いずれも相手方の主張を前提とした場合における,本件各課税期間に係る消費税等の課税標準及び納付すべき税額(還付税額) - 15 -等並びに過少申告加算税の額の計算関係が,別表7ないし12記載のとおりであることについて,特段争わないこととしている(第5回口頭弁論期日)。 なお,被告が本件訴訟において主張する本件各課税期間に係る課税処分の根拠及び適法性は, が,別表7ないし12記載のとおりであることについて,特段争わないこととしている(第5回口頭弁論期日)。 なお,被告が本件訴訟において主張する本件各課税期間に係る課税処分の根拠及び適法性は,別紙課税処分の根拠及び適法性(被告の主張)記載のとおりである(同別紙において用いた略称は,以下の本文においても用いることとする。)。 3 争点本件金員は何に対する対価であるか(本件金員の収受は,消費税法2条1項8号所定の「資産の譲渡等」に当たるか)第3 争点に対する当事者の主張の要旨 1 被告の主張本件金員は,Aの会員資格の付与という本件破産会社の役務提供に対する対価として支払われたものであり,本件金員の収受は,資産の譲渡等に該当する。 (1)ア消費税法基本通達5-5-5は,「ゴルフクラブ,宿泊施設その他レジャー施設の利用又は一定の割引率で商品等を販売するなど会員に対する役務の提供を目的とする事業者が会員等の資格を付与することと引換えに収受する入会金(返還しないものに限る。)は,資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。」と定めているところ,消費税法2条1項8号にいう「役務の提供」とは,対価を得て行われると認められる便益の提供等,消費の対象となるサービスの提供を広く包含すると解されるから,宿泊施設その他レジャー施設の利用など,会員に対する役務の提供を目的とする事業者が「会員等の資格を付与すること」も上記「役務の提供」に当たる。 イ他方,消費税法基本通達6-4-5は,事業者が,物品切手等を発行し,交付した場合において,その交付に係る相手先から収受する金品は,資産の譲渡等の対価に該当しないと定めているところ,本件破産会社が本件各 - 16 -会員に対して発行していた宿泊ポイントは,本件破産会社が本件各会員に対して発行 る相手先から収受する金品は,資産の譲渡等の対価に該当しないと定めているところ,本件破産会社が本件各 - 16 -会員に対して発行していた宿泊ポイントは,本件破産会社が本件各会員に対して発行する本件カードに電磁的に記入され,本件各会員はこれと引換えに宿泊サービス等の役務提供を受けることができるものであり,宿泊サービス等の役務提供を受けたことによって会員は対価の支払債務を負担するものではないから,宿泊ポイントが電磁的に記入された本件カードは,消費税法別表第1第4号ハの物品切手等に該当するものである。 ウしたがって,① 本件金員が,Aの会員資格の付与という本件破産会社の役務提供に対する対価として支払われたものであるならば,本件金員は資産の譲渡等の対価に該当し,② 本件金員が,物品切手等に該当する宿泊ポイントを発行する対価として支払われたものであるならば,本件金員は資産の譲渡等の対価に該当しないこととなる。 (2)ア租税法律主義の下,法的安定性を確保するため,課税は,原則として私法上の法律関係に即して行われるべきであるから,本件破産会社が本件各会員から収受した本件金員が,会員資格の付与に対する対価なのか,宿泊ポイントを発行する対価なのかを判断するに当たっては, 私法上の法律行為としての当事者間の契約内容を認定した上で,取引当事者の選択した法的形式が表示行為に対する内心的効果意思を欠くと認められるような特段の事情がある場合を除き,原則として,対価の収受の原因となった契約内容を,その法的形式に即して客観的に判断する必要がある。 イ本件においては,本件金員の収受時に使用された本件契約書(乙18,19)や入会規約(乙21)などの文書が存在しているところ,本件契約書等の内容が,本件破産会社及び本件各会員の内心的効果意思と異なるものと おいては,本件金員の収受時に使用された本件契約書(乙18,19)や入会規約(乙21)などの文書が存在しているところ,本件契約書等の内容が,本件破産会社及び本件各会員の内心的効果意思と異なるものとは認められないから,当事者間の合意内容を判断するに当たっては,原則どおり,本件契約書等を重要な資料として,その規定内容を客観的に解釈する必要がある。 ウ本件契約書の本件会員資格条項によれば,本件金員及び本件預託金の払 - 17 -込みが,Aの会員資格を得るための条件となっている。他方において,本件会員サービス条項によれば,宿泊ポイントの付与は,割引料金での宿泊特典と同様に,飽くまでも本件各会員に対するサービス内容として位置付けられている(宿泊ポイントの付与は,会員に対する無償のサービス内容の一部を構成するものにすぎない。)。 エさらに,本件預託金条項及び本件退会条項によれば,会員資格を取得するために必要な本件金員及び本件預託金のうち,本件預託金は退会時に返還するものとされているのに対し,本件金員は返還の対象となっていない。 この点,原告は,本件金員が宿泊ポイントを通じて実質的に返還されているなどと主張するが,消費税法基本通達5-5-5のいう「返還しないもの」とは,会員に対する役務の提供を目的とする事業者が会員等の入会に当たって収受した金銭のうち,返還する義務を負わないものをいうのであり,会員となる者において実質的に元が取れるか否かは,「返還しないもの」に該当するか否かの判断とは関係がないというべきである。 オ以上によれば,本件金員の反対給付として対価関係にあるのは,会員資格の付与という本件破産会社の役務提供であると認められ,また,本件金員は,消費税法基本通達5-5-5にいう「入会金(返還しないものに限る。)」に該当する。 対給付として対価関係にあるのは,会員資格の付与という本件破産会社の役務提供であると認められ,また,本件金員は,消費税法基本通達5-5-5にいう「入会金(返還しないものに限る。)」に該当する。 (3)ア原告は,本件各会員が何に着目して本件金員を支払い,本件破産会社が本件金員の収受と引換えに何を提供したのかを実態に即して考えれば,本件破産会社は本件金員を収受する代わりに,宿泊ポイントを発行しているというのが取引の実態であるなどと主張する。 しかしながら,会員になろうとする者が,会員に対して提供されるサービスのうち,特定の一部のサービスのみに着目して入会したからといって,会員となるために支払う入会金が,当該特定のサービスの対価であると解すべきことにはならない。また,実態的にみても,本件各会員がAを5年 - 18 -未満で退会した場合,本件破産会社からその後の各年分の宿泊ポイントを付与されることはない一方で,付与されなかった宿泊ポイントに応じて,本件金員の一部を払い戻すことも行われていないことからすれば,本件金員については,宿泊ポイントの発行との間に直接的な対価関係を認めることはできないというべきである。 イ原告は,本件破産会社における営業用資料等によれば,本件金員と宿泊ポイントが対価関係にあると解すべきである旨主張する。しかしながら,原告が指摘する営業用資料等は,本件入会時費用(本件金員及び本件預託金)という入会時の支払額(損失)と,会員資格を取得した後に付与される宿泊ポイント(利益)とを対比させることによって,Aの会員になることによる利点を宣伝ないし強調するために用いられたものにすぎず,本件各会員がAに入会した理由を推測する資料にはなり得るとしても,本件破産会社と本件各会員との契約関係を定める文書ではない。したがって,上 による利点を宣伝ないし強調するために用いられたものにすぎず,本件各会員がAに入会した理由を推測する資料にはなり得るとしても,本件破産会社と本件各会員との契約関係を定める文書ではない。したがって,上記営業用資料等は,実質的に元が取れることを述べていたことを示すにすぎず,その対価関係の認定に影響するものではない。 ウさらに,原告は,本件破産会社の会員権販売行為は,正常な事業ではなく犯罪行為であり,犯罪行為について国が消費税を課すことは,被害者たる会員に対する被害の回復を妨げることに他ならないなどとも主張する。 しかしながら,消費税法上,「国内において事業者が行った資産の譲渡等」については消費税を課することとされているのであり(同法4条1項),当該資産の譲渡等が違法行為を含むものであったとしても,その資産の譲渡等について消費税を課さないとの規定がない以上,納税義務に影響を与えるものではない。また,納税義務者である事業者の行為に違法行為があったことをもって,当該事業者に対し消費税等を課さないとしたのでは,課税の公平が担保されないことは明らかである。 エ原告は,本件各会員の入会から宿泊ポイントの精算に係る消費税の課税 - 19 -関係について,会員権発行法人(本件破産会社)とホテル運営法人(本件各運営会社)が同一法人である場合と別法人である場合とで関係者の納税すべき消費税の合計額が異なることとなるのはおかしいなどと主張する。 しかしながら,上記仮説例において関係者の納付すべき消費税の合計額が一致しないのは,法人格の数の違いによるものではなく,両者の取引における法律関係が異なることに起因するものであるから,消費税法の適用結果として関係者の納付すべき消費税の合計額が一致しないとしても何ら不合理とはいえず,原告の上記主張はその のではなく,両者の取引における法律関係が異なることに起因するものであるから,消費税法の適用結果として関係者の納付すべき消費税の合計額が一致しないとしても何ら不合理とはいえず,原告の上記主張はその前提を欠き理由がない。 2 原告の主張本件金員は,宿泊ポイントを発行する対価として支払われたものであるから,本件金員の収受は,資産の譲渡等には該当しない。 (1) 本件破産会社が発行していた宿泊ポイントは,消費税法別表第1第4号ハの定める「物品切手等」に該当するところ,本件破産会社は,本件入会時費用の大部分を5年満期の預託金とし,その残部である本件金員を収受する代わりに,本件各会員に対して宿泊ポイントを発行している。したがって,本件金員は,宿泊ポイントを発行し,交付した場合において,その交付に係る相手方から収受する金員であり,物品切手等の原始発行の対価であるから,資産の譲渡等の対価には該当しない(消費税法基本通達6-4-5参照)。 (2)ア Aは,本件金員の額面を大幅に超える宿泊ポイントが発行され,本件各会員が実質的な負担を伴うことなく,本件各ホテルに宿泊することができるという仕組みになっているという点において,他の一般的なホテル会員権とは全く異なる独自の内容となっていた。 イ本件破産会社は,本件金員の代わりに宿泊ポイントが発行されることを宣伝して会員を募集し,本件各会員は,宿泊ポイントが大量に発行されるという破格に有利な内容につられて,本件入会時費用を支払ってAに入会したのであり,本件金員を収受する代わりに宿泊ポイントを発行していた - 20 -というのが,経済的実質や契約当事者の認識からみた取引の実態というべきである。なお,本件破産会社は,第1次募集において,本件入会時費用の全額を預託金(保証金)としていたが,第2次募集か 20 -というのが,経済的実質や契約当事者の認識からみた取引の実態というべきである。なお,本件破産会社は,第1次募集において,本件入会時費用の全額を預託金(保証金)としていたが,第2次募集からは,新たに本件金員を収受する代わりに,本件金員の分を初年度に宿泊ポイントで還元するという形にしており,このような経緯からみても,本件金員は宿泊ポイントの対価とみるべきである。 ウ本件破産会社による会員権販売行為は,通常のゴルフ会員権やリゾートホテル会員権の販売事業といった正常な事業ではなく,組織的詐欺の舞台回しとして行われたものであるから,本件入会契約を形式的に解釈するのではなく,本件破産会社による会員権販売行為の実態に即して課税関係を考える必要がある(このような犯罪行為について国が消費税を課すことは,本件各会員に対する被害の回復を妨げることとなる。)。 (3)ア被告は,本件契約書によれば,本件金員が会員資格の対価であると解される旨を主張している。しかしながら,本件会員資格条項は,会員資格の取得時期について定めているにすぎず,本件契約書には,本件金員が会員資格の対価であることを明示した条項は存在しない。また,会員規約(甲8)や入会パンフレット(甲5)には,本件金員が「チケット代」であると明記されており,本件破産会社における営業用資料等によっても,営業担当者が勧誘の際に本件金員の代わりに宿泊ポイントが発行され,本件金員が払い切りのものではなかったことを説明していたことが認められる。さらに,「施設使用料」という文言は,素直に読めば,施設を使用するために支払を要する費用であると理解することができ,本件金員(施設使用料)と宿泊ポイントは対価関係にあると考えるのが自然である。 なお,課税要件の認定に当たり,外観と実体ないし形式と実質が食い違 るために支払を要する費用であると理解することができ,本件金員(施設使用料)と宿泊ポイントは対価関係にあると考えるのが自然である。 なお,課税要件の認定に当たり,外観と実体ないし形式と実質が食い違っている場合には,実体や実質に従って,課税要件を認定すべきであるところ,前述のとおり,本件金員を収受する代わりに宿泊ポイントを発行し - 21 -ていたというのが取引の実態であることに鑑みれば,本件契約書の法的形式のみを強調する被告の主張は妥当ではない。 イ被告は,宿泊ポイントの付与が本件各会員に対する無償のサービスの一つにすぎない旨主張しているが,同主張は,Aによる取引の実態・実質を全く無視するものである。Aの組織的詐欺が,7700名以上の被害者(約210億円の被害)を生む規模にまで拡大したのは,本件入会時費用の大部分が預託金として返還され,残部(本件金員)についてもその額面をはるかに超える宿泊ポイントが発行されるため,本件金員が実質的には払い切りにならないという破格の内容となっていたからである(被告が指摘する本件各会員に対する他の特典は,宿泊ポイントの付与に比べれば,およそ取るに足らない。)。 ウ被告は,本件金員が,ゴルフクラブ等における入会金(消費税法基本通達5-5-5)と同様,会員資格に対する対価である旨主張する。しかしながら,本件破産会社は,入会金が不要である旨宣伝していた上,本件金員の額面を超える宿泊ポイントが発行されるという独自の仕組みを有しているのであるから,本件金員をゴルフクラブ等における入会金と同列に論じることはできない。さらに,消費税法基本通達5-5-5は,「入会金(返還しないものに限る。)」と規定しているところ,Aにおいては,本件金員が宿泊ポイントを通じて実質的に返還されているということができるから, きない。さらに,消費税法基本通達5-5-5は,「入会金(返還しないものに限る。)」と規定しているところ,Aにおいては,本件金員が宿泊ポイントを通じて実質的に返還されているということができるから,上記通達は本件金員に該当するものではない(なお,本件各会員の大部分に当たる本件2次会員は,入会時に本件金員と同額以上の宿泊ポイントの発行を受けている。)。 エ被告の主張を前提とした場合,原告の試算によれば,会員権の発行法人とホテル運営法人とが同一法人であるか別法人であるかで,関係者の納税合計額が異なることとなる。しかしながら,消費税は,物品やサービスの生み出す付加価値に対して課税が行われるものであり,サービス内容に変 - 22 -わりがないにもかかわらず,関与する法人の数によって,納税合計額が異なるのは不合理であるから,被告の主張には理論的な問題がある。 (4) 仮に,本件金員が会員資格の対価であるとしても,Aにおける会員資格の実質は,本件破産会社から発行される多額の宿泊ポイントを使用して本件各ホテルに宿泊することができ,使用せずに残った宿泊ポイントも一定の交換比率で換金できるという点にあるから,結局,本件金員は宿泊ポイントの対価であるというべきである。 なお,原告は,本件ポイント精算金額等が課税仕入れの金額に当たらないことについて特段争っていないが,仮に,本件金員が課税売上に該当するというのであるならば,本来,本件宿泊ポイント精算金額は課税仕入れに該当すると解するのが論理的に一貫しているというべきである。 第4 当裁判所の判断 1 本件争点(本件金員は何に対する対価であるか)について(1) 課税の対象である経済活動ないし経済現象は,第一次的には私法によって規律されているところ,課税は,租税法律主義の目的である法的安定性を確 件争点(本件金員は何に対する対価であるか)について(1) 課税の対象である経済活動ないし経済現象は,第一次的には私法によって規律されているところ,課税は,租税法律主義の目的である法的安定性を確保するという観点から,原則として私法上の法律関係に即して行われるべきである。そして,本件金員は,Aの会員になろうとする者が,本件入会契約に基づき,本件破産会社に対して支払うものであるから,本件金員が何に対する対価であるかについては,本件各会員及び本件破産会社の両者を規律している本件入会契約の解釈によって定まるというべきである。 さらに,本件破産会社及び本件各会員が,本件入会契約について,本件契約書を作成していることに鑑みれば,本件入会契約の解釈は,原則として,本件契約書の解釈を通じて行われるべきものであるが,その際,本件入会契約の前提とされていた了解事項(共通認識)や本件破産会社による勧誘時の説明内容といった,本件入会契約の締結に至る経緯等の事情をも総合的に考慮して判断する必要があるというべきである。 - 23 -(2) 本件契約書の内容は,前提事実(3)アないしウ記載のとおりであるところ,前記前提事実に加え,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,本件入会契約の締結に至る経緯等に関して,次の事実が認められる。 ア(ア) 本件破産会社は,それぞれの募集次において,Aの会員権について説明し,入会を勧誘する内容を記載したパンフレット(以下,併せて「本件各パンフレット」という。)を作成して,勧誘時の説明に使用していた。 (イ) 本件各パンフレットには,Aへの入会時に要する費用に関し,「Aご入会にあたり年会費・管理費等は一切不要です。5年満期の施設利用預託金をお預けいただくだけです。」(第2次募集),「入会金・年会費・管理費が一切不要!! は,Aへの入会時に要する費用に関し,「Aご入会にあたり年会費・管理費等は一切不要です。5年満期の施設利用預託金をお預けいただくだけです。」(第2次募集),「入会金・年会費・管理費が一切不要!!」(第3次及び第4次募集)との記載がされていた。 (ウ) 本件金員は,本件各パンフレット(第2次ないし第4次募集)において,本件契約書と同様,「施設使用料」と表記されていたが,宿泊ポイントが紙チケットで発行されていた当時(前提事実(3)ウ参照)においては,「チケット代」と表記されていた。 [上記アにつき,甲4,5,22,乙20ないし22]イ(ア) 本件破産会社は,営業担当者(テレホンアポインター)が,主に高齢者を対象として電話を架けて,Aへの入会を勧誘するという営業手法を用いていた。本件破産会社は,電話等による勧誘時の説明や会話の流れ(いわゆるセールストークの内容等)を記載した内部資料(以下「本件説明台本資料」という。)を作成し,営業担当者は同資料に沿った内容での勧誘を行っていた。 (イ) 本件説明台本資料には,本件金員(施設使用料)が宿泊ポイントの形で戻ってくるという説明内容が記載されており,第2次募集について,例えば,新規お客様テルアポトークと題する資料(甲11)には, - 24 -「ブロンズコースですと100万円のうち80万円が預託金,こちらは5年後にお手元に戻ります。残り20万円がチケット,金券になります。ご入会されるとすぐに毎年プレゼントされる8万円のチケットを足した28万円分がお手元に届きます。」等の記載があり,甲23(コース説明と題する資料)には,「例えばブロンズ会員様ですと,始めにお客様から100万円お預かりいたします。80万円はお預かり金ですので,5年満期後には全額お返し致します♪そして毎年利息代わりにI各 ス説明と題する資料)には,「例えばブロンズ会員様ですと,始めにお客様から100万円お預かりいたします。80万円はお預かり金ですので,5年満期後には全額お返し致します♪そして毎年利息代わりにI各ホテルで現金と同じように使用できる金券をプレゼント致します♡初年度はお預かりしました80万円の一割の8万円と,施設使用料の20万円を合わせました28万円分の金券をプレゼント致します♪」等の記載があった。 [上記イにつき,甲2の4,甲11,12,22,23]ウ(ア) 本件破産会社は,顧客との面談時等において,Aの会員権の内容を分かりやすく説明するために,一覧表や図にまとめるなどした営業説明用の資料(以下「本件説明用資料」という。)を作成しており,本件破産会社の営業担当者は,同資料を用いた勧誘を行っていた。 (イ) 本件説明用資料のうち,他社の会員権との対比表(甲25)には,Aの利点として,① 他社の会員権の入会金が「30万-300万(返金無しor 規定引き)」,年会費・管理費が「3万-」であるのに対し,Aは入会金及び年会費・管理費(以下「入会金等」という。)が不要であること,②他社の会員権は「ご利用清算他・施設利用」時において,現金等による支払が必要であるのに対し,Aは「完全ポイント制」,「残ポイント払い戻し制」であること等が記載されていた。 (ウ) 本件説明用資料には,第2次募集に関して,本件金員(施設使用料)が,本件金員と同額の宿泊ポイントとして初年度(入会時)に付与されることを,図(本件金員と,初年度に付与される宿泊ポイント〔本 - 25 -件金員相当額〕とを矢印で結び付けたものなど)や太字で強調するなどしたものが複数含まれており,例えば,「投資的に考えてみよう!5年間トータル還元率」と題する資料(甲28)には,「ブロンズ会 -件金員相当額〕とを矢印で結び付けたものなど)や太字で強調するなどしたものが複数含まれており,例えば,「投資的に考えてみよう!5年間トータル還元率」と題する資料(甲28)には,「ブロンズ会員の場合 100万円分 ➱ 預託金80万円分 5年後に返金されます。 入会諸費用20万円分はそのままチケット宿泊チケット代20万円分初年度に加算されます」,「100万円分中,チケット代が20万円,預託金が80万円分となり,20万円分のチケットは初年度に加算され,80万円は5年後に返金されます。」などと記載されていた。 [上記ウにつき,甲9,10,20,21,25ないし28]エ宿泊ポイントが紙チケットにより付与されていた当時(第2次募集当初)の会員規約(3条)には,以下の内容が記載されていた。[甲8]「会員の種類には,ブロンズ会員(預託金80 万円,チケット代20 万円)宿泊チケット20 万円分+毎年8 万円分×5 年間=60 万円分支給シルバー会員(預託金255 万円,チケット代45 万円)宿泊チケット45 万円分+毎年30 万円分×5 年間=195 万円分支給ゴールド会員(預託金450 万円,チケット代50 万円)宿泊チケット50 万円分+毎年63 万円分×5 年間=365 万円分支給プラチナ会員(預託金920 万円,チケット代80 万円)宿泊チケット80 万円分+毎年147 万円分×5 年間=815 万円分支給を設定しております。各会員に応じた宿泊券等のサービスチケットを発行しております。」(3) 本件金員は,本件契約書において「施設使用料」と表記されているものの,「施設使用料」の具体的内容が定義付けられてはおらず,本件契約書を精査しても,本件破産会社が本件金員をいかなる趣旨で収受したのか(本件金 は,本件契約書において「施設使用料」と表記されているものの,「施設使用料」の具体的内容が定義付けられてはおらず,本件契約書を精査しても,本件破産会社が本件金員をいかなる趣旨で収受したのか(本件金員が何の対価であるか)を直接規定した部分はない。 - 26 -この点,被告は,本件会員資格条項によれば,本件金員が会員資格の対価であると解釈すべきであるという趣旨の主張をしている。しかしながら,本件会員資格条項は,Aの会員になろうとする者が「施設使用料,及び施設使用預託金の払込みを終えたとき,会員資格を取得する」と規定しているにすぎず(前提事実(3)ア(ウ)),上記のとおり,「施設使用料」(本件金員)の具体的内容が定義付けられているわけではない以上,本件会員資格条項が,会員資格の取得時期ないし取得要件に加え,本件金員の対価関係までをも定めたものであると直ちには解し難い。 (4)アそこで,前記認定事実(本件入会契約の締結に至る経緯等)をも踏まえて検討するに,本件破産会社は,第1次募集において,本件入会時費用の全てを本件預託金としており,本件1次会員から入会金等を収受していなかったことは明らかである(別表2の表(1))。さらに,本件破産会社は,第2次ないし第4次募集においても,一貫して入会金等が不要である旨を宣伝して,本件各パンフレット及び本件説明用資料においても,その旨を明記していたのであるから(認定事実ア(イ),同ウ(イ)),このような経緯に鑑みれば,本件破産会社及び本件各会員が,本件入会契約の締結時において,Aに入会する際には入会金等が不要であるとの共通認識を有していたことは優に推認することができる。 この点,被告は,本件金員が消費税法基本通達5-5-5にいう「入会金」に該当する旨主張しているが,上記検討によれば, 金等が不要であるとの共通認識を有していたことは優に推認することができる。 この点,被告は,本件金員が消費税法基本通達5-5-5にいう「入会金」に該当する旨主張しているが,上記検討によれば,本件契約書における施設使用料(本件金員)を「入会金」と解釈するのは困難であるといわざるを得ない。 イ(ア) 本件各会員の大半は,第2次募集に応じてAに入会した会員であるところ(前提事実(5)ア),認定事実イ(イ)及び同ウ(ウ)によれば,本件破産会社が,第2次募集の際,本件金員について同額の宿泊ポイントを初年度(入会時)に付与する旨を説明し,本件説明用資料においても - 27 -同趣旨を強調していたことが認められる。さらに,本件破産会社が,本件チケットを発行していた当時(第2次募集当初)において,本件金員が(本件金員と同額の)「チケット代」である旨をパンフレット及び会員規約に明記していたこと(認定事実ア(ウ),同エ)を併せ考えれば,本件金員(施設使用料)は,第2次募集において,初年度(入会時)に付与される宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価として収受されたものであると認めることができる。 (イ) 本件契約書の文言(「施設使用料」)の解釈という観点からみても,本件各ホテルの使用料(宿泊代金等)は,宿泊ポイントを用いて支払われることが予定されており(本件会員サービス条項),本件各会員は,本件入会時費用を払い込みさえすれば,5年間にわたり,新たな支出を全くすることなく,本件各ホテルを使用することができること(なお,本件破産会社は,認定事実ウ(イ)のとおり,他社の会員権と比較して「完全ポイント制」などと宣伝していた。)に鑑みれば,本件金員が宿泊ポイントの対価であると解釈することに,特段不自然,不合理な点はないというべきである。 事実ウ(イ)のとおり,他社の会員権と比較して「完全ポイント制」などと宣伝していた。)に鑑みれば,本件金員が宿泊ポイントの対価であると解釈することに,特段不自然,不合理な点はないというべきである。 (ウ) この点,被告は,本件破産会社が,Aへの勧誘時において本件金員と宿泊ポイントの対価関係を説明していたのは,その損失と利益の関係を説明していたものにすぎないなどと主張するが,本件説明台本資料や本件説明用資料の記載内容に照らせば,勧誘時における本件破産会社の説明内容が,単に損失と利益の関係を説明したものであるなどと解することはできず,本件入会契約の内容として,本件金員が宿泊ポイントの対価であるとされていたということができる。 ウ(ア) 次に,第3次及び第4次募集について検討するに,本件金員と宿泊ポイントとの間の対価関係に直接言及した資料は提出されていないものの,第3次及び第4次募集においても,本件各パンフレットには,入会 - 28 -金等が不要である旨が明記されていたのであり(認定事実ア(イ)),本件金員が入会金等として収受されたと解するのは困難である。 (イ) また,本件金員は,第2次ないし第4次募集において,一貫して「施設使用料」と表記されているのであるから,特段の事情がない限り,第2次ないし第4次募集において,本件金員(施設使用料)の意味する内容は同一であると解するのが自然である。さらに,本件金員が,第3次及び第4次募集において,第2次募集と異なる趣旨で収受されていたことをうかがわせる事情ないし証拠もないことを併せ考えれば,本件金員は,宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価として収受されたものであると認めることができる。 なお,第3次及び第4次募集においては,本件金員を超える金額の宿泊ポイントが初年度(入会時 金員は,宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価として収受されたものであると認めることができる。 なお,第3次及び第4次募集においては,本件金員を超える金額の宿泊ポイントが初年度(入会時)に付与されるわけではなく(別表2の表(3)及び(4)参照),第2次募集と異なり,本件金員と宿泊ポイントの対応関係を記載した資料等も見当たらないことから,本件金員を対価とする宿泊ポイントが,5年間において,どのように分割して発行されるのかは必ずしも明らかではない。しかしながら,この点は,Aへの入会時に払い込む本件金員が宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価であるとの上記認定(評価)を覆すべき事情には当たらないというべきである。 (ウ) したがって,本件金員は,第3次及び第4次募集においても,第2次募集と同様,宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価として収受されたものであると認めることができる。 エなお,本件金員がこれと同額の宿泊ポイントの対価であることを前提とした場合,本件破産会社が本件各会員(本件1次会員を除く。)に対して付与する宿泊ポイントの中には,その対価(本件金員)を収受して発行されるものと,明確な対価を収受することなく発行されるものとの双方が含 - 29 -まれ得ることとなるところ,同じ宿泊ポイントの中に対価関係の異なるものが混在すると解することに合理性があるのかが一応問題となり得る。 しかしながら,以下の(ア)ないし(ウ)において検討するとおり,本件破産会社において,本件金員を宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価であると位置付けることは,本件金員の収受が何ら経済的不利益を与えるものではないと信用させるための手段であったと推認することができるのであり,本件破産会社における募集方法の変 件金員と同額分)の対価であると位置付けることは,本件金員の収受が何ら経済的不利益を与えるものではないと信用させるための手段であったと推認することができるのであり,本件破産会社における募集方法の変遷に照らせば,宿泊ポイント(5年分)の中に,本件金員を対価とした部分とそうでない部分とが混在すると解することに合理性がないということはできない。 (ア) 本件入会契約は,本件各会員が,本件入会時費用を払い込みさえすれば,新たな支出をすることなく,5年後に本件預託金が返還されるまでの間,多額の宿泊ポイントの付与を毎年受けることができるという内容であり,本件各会員にとってみれば,(本件破産会社が義務を履行する限り)本件入会時費用を大きく上回る経済的利益を確実に得ることができるという仕組みになっている。しかしながら,本件破産会社にとってみれば,本件各会員が宿泊ポイントを使用した場合には,本件各覚書に基づいて本件宿泊ポイント精算金額を本件各運営会社に支払い,本件各会員が未使用の宿泊ポイントの買取りを要求した場合には,本件未使用ポイント買取金額を支払わなければならず,本件入会時費用以外の収入は予定されていない。本件各会員が本件各ホテルを使用することに伴う収益を全く見込むことができない以上,Aの運営に事業としての合理性がないことは明らかであり,Aの運営は,本件各会員から本件入会時費用を詐取するための手段(組織的詐欺の手段)にすぎなかったというべきである(前提事実(1)ウ参照)。 (イ) 本件入会時費用のうち本件預託金は無利息で返還されるため(本件預託金条項),本件各会員は,宿泊ポイントの使用ないし換価(買取要 - 30 -求)によって経済的利益を得るという関係にあるところ,Aの運営が組織的詐欺の手段であることに鑑みれば,本件破産会社が,本 条項),本件各会員は,宿泊ポイントの使用ないし換価(買取要 - 30 -求)によって経済的利益を得るという関係にあるところ,Aの運営が組織的詐欺の手段であることに鑑みれば,本件破産会社が,本件預託金を返還するまでの間(5年間),宿泊ポイントを毎年付与するという構造は,本件入会時費用を払い込めば,経済的利益を取得できることを強調しながら,本件預託金の返還時期(Aの破綻)を先延べするための仕組みであったというべきである。そして,本件破産会社は,第1次募集において,本件入会時費用の全てを本件預託金としていたところ,第2次募集以降,本件入会時費用の全てを預託金とはせずに,その一部を本件金員として収受するに当たっては,本件各会員に対して,入会金等が不要であることを強調し,本件金員をあえて「入会金」等ではなく「施設使用料」と表記するなどして,本件入会契約上,本件金員を宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)の対価として付与されるものであると位置付けることによって,本件金員の収受には経済的不利益はないと信用させる必要があったものと認めることができる。 (ウ) このような募集方法の推移をも踏まえるならば,宿泊ポイント(5年分)は,本件入会時費用の払込みに対して発行が約束されるものであるが,第2次ないし第4次募集においては,本件金員を対価として発行される部分が含まれることとなったものと解するのが合理的である。 (5)アこの点,被告は,本件会員サービス条項によれば,宿泊ポイントは本件各会員に対する無償のサービス内容の一つにすぎない旨主張している。 そこで検討するに,本件契約書(本件会員サービス条項)は,「会員に対するサービス内容」という標題の下,本件各会員の種類や宿泊ポイントの発行方法等について規定しているものの,本件会員資格条項の内容 そこで検討するに,本件契約書(本件会員サービス条項)は,「会員に対するサービス内容」という標題の下,本件各会員の種類や宿泊ポイントの発行方法等について規定しているものの,本件会員資格条項の内容も踏まえれば,本件契約書は,会員資格を有することを前提とした上で,会員に対するサービス内容を規定しているというべきである(本件会員サービス条項)。そうである以上,宿泊ポイントの付与が本件各会員に対するサ - 31 -ービス内容の一つであるということは否定できないとしても,このことは,宿泊ポイントの付与と本件金員とが対価関係にあることと何ら矛盾するものではない。 さらに,Aの会員に対する具体的サービス内容についてみるに,本件契約書の内容(前提事実(3)ア)及び本件各パンフレットの記載(乙20ないし22)によれば,本件各会員は,宿泊ポイントの付与を受けて,本件各ホテルの宿泊料金等の支払に使用することができ,未使用の宿泊ポイントを換価することができるほか,無償の会員特典として,① 通常の20%割引の宿泊料金,② 駐車料金が無料(本件3次会員を除く。),③チェックアウトが午前11時,④ 本件各ホテルの最優先(早期)予約,⑤ 特別価格での季節の特別料理の提供(本件3次会員を除く。),⑥ ウェルカム・モーニングのドリンクサービス(本件2次及び3次会員についてはシルバー会員以上),⑦ 本件各ホテルの最寄りの駅からの無料送迎(シルバー会員以上),⑧ 夕食時に特製ワイン等を1本無料サービス(ゴールド会員以上),⑨ 自宅からの送迎サービス(有料ではあるが,宿泊ポイントの利用が可能。本件4次会員については,プラチナ会員以上)といったサービスを受けることができるものとされていたことが認められる(以下,上記①ないし⑨の特典を併せて「本件その他特典」という 宿泊ポイントの利用が可能。本件4次会員については,プラチナ会員以上)といったサービスを受けることができるものとされていたことが認められる(以下,上記①ないし⑨の特典を併せて「本件その他特典」という。)。 しかしながら,前述したとおり,本件各会員が,5年間にわたり宿泊ポイントの付与を受けた上で,宿泊ポイントを本件各ホテルの宿泊代金等として使用したり,未使用の宿泊ポイントを現金に換価したりすることは,これらにより,本件各会員が本件入会時費用を払い込んだことによる経済的利益を取得するものであって,本件入会契約の本質的かつ根幹的な要素であるというべきである。これに対し,本件その他特典は,いずれも本件各会員が現実に宿泊ポイントを使用する際の特典であり,本件各会員以外の一般客との関係においても想定し得るものであることに鑑みれば,いわ - 32 -ば付随的なものにすぎない。そうである以上,本件各会員に対する宿泊ポイントの付与等を,本件その他特典と同視して,無償の会員特典の一つにすぎないと評価することはできないというべきである。 イ被告は,本件各会員がAを5年未満で退会した場合には,本件破産会社からその後の各年分の宿泊ポイントを付与されることはなく,付与されなかった宿泊ポイントに応じて本件金員の一部が払い戻されるわけでもないから,実態的にみても,本件金員と宿泊ポイントとの間に直接的な対価関係を認めることはできない旨主張する。なお,本件2次会員については,初年度(入会時)において,本件金員に相当する分だけ増額された宿泊ポイントが現実に付与されることに鑑みれば,被告の上記主張は,特に,第3次及び第4次募集(本件3次及び4次会員については,初年度に本件金員を上回る宿泊ポイントの付与を受けるわけではない。)について問題となるということができる。 に鑑みれば,被告の上記主張は,特に,第3次及び第4次募集(本件3次及び4次会員については,初年度に本件金員を上回る宿泊ポイントの付与を受けるわけではない。)について問題となるということができる。 そこで検討するに,ある会員制組織が会員から金品を収受した上で会員に対して物品切手等を発行するという場合,物品切手等の発行方法は,当事者の合意に応じて異なり得ると解される。例えば,ある会員制組織が,最初に物品切手等の対価を収受した上で,会員に対して複数年度に分けて物品切手等を発行することとし,さらに,会員が途中で当該組織から脱退した場合には,それ以降に予定されていた物品切手等の発行をしない旨を合意することも可能であるというべきである(なお,同方法は,会員制組織にとってみるならば,会員が物品切手等を使用することによる経費支出を複数年度に分散しながら,会員に対して会員制組織にとどまるインセンティブを付与するという利点があるものと解される。)。そうである以上,本件破産会社が,退会後における宿泊ポイント(未発行分)を払い戻すこと等を予定していなかったからといって,本件金員と宿泊ポイントとの対価関係を否定することはできない。 - 33 -さらに,Aに事業としての合理性がないことは前述したとおりであるところ,可能な限り多くの会員から本件入会時費用の払込みを受けながら,経営破綻の時期を先延ばしにしたい本件破産会社としては,会員の途中退会により,本件預託金の返還や宿泊ポイントの清算を巡る経費負担が生じることを可能な限り回避するという目的から,例えば,途中退会した会員に対する預託金の返還額を制限することとし(本件退会条項),退会者に対して未発行の宿泊ポイントを払い戻さないこととしたものと解される。 したがって,本件破産会社が退会者に対して未発行の 退会した会員に対する預託金の返還額を制限することとし(本件退会条項),退会者に対して未発行の宿泊ポイントを払い戻さないこととしたものと解される。 したがって,本件破産会社が退会者に対して未発行の宿泊ポイントを払い戻すことを予定していないことは,本件金員が宿泊ポイントの対価であるとの前記判断を覆すべき事情には当たらないというべきである。 ウなお,本件事案の性質に鑑みて若干付言するに,ある会員制組織に入会する際に支払われる「入会金」は,特段の事情がない限り,当該組織の会員資格に伴う種々の利益の供与を受けることを目的として支払われるものであるから,入会金の収受は,消費税法4条1項の定める「資産の譲渡等」に該当するというべきである(消費税法基本通達5-5-5参照)。しかしながら,ある会員制組織に入会しようとする者が,特定のサービスに着目し,同サービスを受けることを目的として入会したからといって,当該会員が支払った入会金と当該サービスとの間に直接の対価関係が認められるわけではなく,また,会員資格に伴うサービスの一つが,経済的利益を供与するもの(物品切手等の付与を含む。)であるからといって,当該サービス(経済的利益)と入会金との間に直接の対価関係が生じるわけではない(入会金は,会員資格の付与,すなわち,会員資格に伴う種々の利益の総体との間において,対価関係にあるというべきである。)。 本件において,本件金員と(これと同額の)宿泊ポイントとの間における対価関係が認められるのは,本件金員が(会員資格に伴う種々の利益の総体に対する対価としての)「入会金」であると認めることはできない上, - 34 -かつ,本件入会契約(本件契約書)について,本件金員(施設使用料)が宿泊ポイントの付与に対する対価として収受されるものであると解釈することがで 」であると認めることはできない上, - 34 -かつ,本件入会契約(本件契約書)について,本件金員(施設使用料)が宿泊ポイントの付与に対する対価として収受されるものであると解釈することができるからであって,単に,宿泊ポイントの付与による経済的利益が明白であり,本件各会員がこれに着目して入会したと評価したことによるものではない。 (6) 以上のとおり,本件金員(施設使用料)は,これと同額の宿泊ポイントに対する対価として収受されたものと解することができるところ,宿泊ポイントは,本件カードないし本件チケットに表彰され,本件各会員は,宿泊ポイントと引換えに,本件各ホテルにおける宿泊サービス等を受けることができ,かつ,当該宿泊サービス等を受けたことによって,その対価の支払債務を負担しないものであるから,宿泊ポイントは物品切手等に該当する(消費税法基本通達6-4-4参照)。なお,宿泊ポイントが物品切手等に該当することについては,当事者間に争いがない。 本件金員が物品切手等(宿泊ポイント)の発行に対する対価である以上,その収受は,「資産等の譲渡」(消費税法2条1項8号)には該当しないというべきである(消費税法基本通達6-4-5参照)。 なお,消費税法基本通達6-4-5は,その文言上,物品切手等が現実に発行された場合を前提にしているものと解されるところ,本件金員が宿泊ポイントの対価であるとしても,宿泊ポイントが現実に発行されていない部分については,上記基本通達が直接当てはまるわけではない(特に,第3次及び第4次募集においては,本件金員と同額分の宿泊ポイントが初年度〔入会時〕に全て発行されるわけではないため,現実に発行されていない部分が必ず生じることとなる。)。しかしながら,前記検討のとおり,本件破産会社が宿泊ポイントを複数年度に分けて発 泊ポイントが初年度〔入会時〕に全て発行されるわけではないため,現実に発行されていない部分が必ず生じることとなる。)。しかしながら,前記検討のとおり,本件破産会社が宿泊ポイントを複数年度に分けて発行するからといって,既に収受した本件金員が宿泊ポイント(少なくとも本件金員と同額分)に対する対価であることに変わりはない。そして,物品切手等の発行に係る金品の収受が不課税 - 35 -取引とされている趣旨は,物品切手等を発行する行為が,物品切手等に表彰される権利を発生させるものであり,自己の有する資産を譲渡するものではないからであると解されることに鑑みれば,本件金員について現実に宿泊ポイントが発行されていない部分があることは,本件金員の収受が資産の譲渡等に該当しないとの上記結論を左右するものではない。 2 本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の適法性について(1) 本件各更正処分前記検討によれば,本件金員の収受は「資産の譲渡等」(消費税法2条1項8号)には該当せず,これに基づいて,本件各課税期間に係る原告の消費税等を計算した結果は,別表7ないし9の各「(2)原告の主張」欄記載のとおりである。なお,被告は,原告の主張を前提とした場合における,消費税等の還付すべき税額等の計算関係について,特段争わないものとしている(前提事実(7)オ)。 したがって,消費税の還付すべき税額及び地方消費税の還付すべき譲渡割額は,以下のアないしウのとおりとなり,本件各更正処分のうち,これらを下回る部分は違法である。 ア平成20年9月課税期間消費税の還付すべき税額5108万6522円地方消費税の還付すべき譲渡割額 1277万1630円イ平成21年9月課税期間消費税の還付すべき税額4499万 税の還付すべき税額5108万6522円地方消費税の還付すべき譲渡割額 1277万1630円イ平成21年9月課税期間消費税の還付すべき税額4499万0059円地方消費税の還付すべき譲渡割額 1124万7514円ウ平成22年6月課税期間消費税の還付すべき税額820万9527円地方消費税の還付すべき譲渡割額 205万2381円(2) 本件各賦課決定処分 - 36 -本件各更正処分のうち,前記(1)アないしウを下回る部分は違法であり取り消されるべきところ,原告が新たに納付すべき税額は,別表10ないし12の各「(2)原告の主張」欄(①)記載のとおりである。そして,平成20年9月課税期間及び平成21年9月課税期間に係る過少申告加算税については,新たに納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちに,本件各更正処分前における税額の計算の基礎とされていなかったことについて「正当な理由があると認められるものがある場合」に該当する事実(通則法65条4項)があり,過少申告加算税の計算において控除すべき金額が,別表10及び11の各「加算税対象外税額」欄(②)記載の金額であることについては,当事者間に争いがない(前提事実(7)エ(イ))。他方において,平成22年6月課税期間に係る過少申告加算税については,税額の計算の基礎とされなかったことについて通則法65条4項に規定する正当な理由があると認められるものがあるとは認められず,これらに基づき本件各課税期間に係る過少申告加算税を計算した結果は,別表10ないし12の各「(2)原告の主張」欄(⑥)記載のとおりである。 したがって,本件破産会社に課せられるべき過少申告加算税の額は,以下のアないしウ 税期間に係る過少申告加算税を計算した結果は,別表10ないし12の各「(2)原告の主張」欄(⑥)記載のとおりである。 したがって,本件破産会社に課せられるべき過少申告加算税の額は,以下のアないしウのとおりとなり,本件各賦課決定処分のうち,これらを上回る部分は違法である。 ア平成20年9月課税期間 274万1000円イ平成21年9月課税期間 224万4500円ウ平成22年6月課税期間 18万3500円第5 結論よって,本件各更正処分等の取消しを求める原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 - 37 - 裁判官村田一広 裁判官不破大輔 裁判長裁判官川神裕は,転補につき,署名押印することができない。 裁判官村田一広 - 38 -(別紙) 関係法令等の定め 第1 消費税法等 1 消費税法(平成23年6月30日法律第82号による改正前のもの)の定め(1) 消費税法4条1項は,国内において事業者が行った「資産の譲渡等」には,同法により,消費税を課する旨規定しており,同法5条1項は,事業者は,国内において行った「課税資産の譲渡等」につき,同法により,消費税を納める義務がある旨規定している。 (2) 消費税法にいう「課税資産の譲渡等」とは,「資産の譲渡等」のうち,同法6条1項の規定により消費税を課さないこととされる同法別表第1に掲げるもの以外のものをいい(同法2条1項9号),「資産の譲渡等」とは,事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付 等」のうち,同法6条1項の規定により消費税を課さないこととされる同法別表第1に掲げるもの以外のものをいい(同法2条1項9号),「資産の譲渡等」とは,事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいう(同項8号)ものとされている。 (3) 消費税法別表第1第4号ハは,同法6条1項の規定により消費税を課さないこととされるものとして,「物品切手(商品券その他名称のいかんを問わず,物品の給付請求権を表彰する証書をいい,郵便切手類に該当するものを除く。)その他これに類するものとして政令で定めるもの」(以下「物品切手等」という。)の譲渡を掲げている。 (4)ア消費税法28条1項本文は,「課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は,課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し,又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし,課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を含まないものとする。(…中略…))とする。」と規定している。 - 39 -イ消費税法30条1項は,事業者が,国内において行う課税仕入れについては,当該課税仕入れを行った日の属する課税期間の同法45条1項2号(課税資産の譲渡等についての確定申告)に掲げる課税標準額に対する消費税額から,当該課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る消費税額の合計額を控除する旨規定している。また,同条2項は,同条1項の場合において,同項に規定する課税期間における課税売上割合が100分の95に満たないときは,同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額は,同項の規定にかかわらず,当該課税期間中に国内において行った課税仕入れにつき,①課税資産の譲渡等にのみ要するもの, 00分の95に満たないときは,同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額は,同項の規定にかかわらず,当該課税期間中に国内において行った課税仕入れにつき,①課税資産の譲渡等にのみ要するもの,②課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(その他の資産の譲渡等)にのみ要するもの及び③課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合は,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額に,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れの税額に課税売上割合を乗じて計算した金額を加算する方法により計算した金額とする旨規定している。 2 消費税法施行令(平成22年3月31日政令第54号による改正前のもの)の定め消費税法施行令11条は,消費税法別表第1第4号ハ(前記1(3))を受けて,物品切手に類するものとして,役務の提供又は物品の貸付けに係る請求権を表彰する証書とする旨を規定している。 第2 国税通則法国税通則法(以下「通則法」という。)65条1項は,期限内申告書の提出がされた場合において,修正申告書の提出又は更正があったときは,その更正等に基づき通則法35条2項の規定により納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する旨を定めており,さらに,同法65条2項は,更正等により納付すべき税額が期限内申告額と50万円とのいずれか多い金額を超えるときは,当該超える部分に相当する - 40 -税額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算する旨を定めている。 通則法65条4項は,同条1項又は2項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかった いる。 通則法65条4項は,同条1項又は2項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には,これらの項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して,これらの項の規定を適用する旨を定めている。 第3 消費税法基本通達(平成22年4月1日付課消1-9による改正前のもの)の定め国税庁長官は,消費税法に関し,以下の1ないし3の消費税法基本通達を発出している。 1 消費税法基本通達5-5-5(ゴルフクラブ等の入会金)ゴルフクラブ,宿泊施設その他レジャー施設の利用又は一定の割引率で商品等を販売するなど会員に対する役務の提供を目的とする事業者が会員等の資格を付与することと引換えに収受する入会金(返還しないものに限る。)は,資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。 2 消費税法基本通達6-4-4(物品切手等に該当するかどうかの判定)法別表第1第4号ハ《物品切手等の譲渡》に規定する「物品切手等」とは,次のいずれにも該当する証書をいうものとして取り扱う。 (1) 当該証書と引換えに一定の物品の給付若しくは貸付け又は特定の役務の提供を約するものであること。 (2) 給付請求権利者が当該証書と引換えに一定の物品の給付若しくは貸付け又は特定の役務の提供を受けたことによって,その対価の全部又は一部の支払債務を負担しないものであること。 (注)いわゆるプリペイドカードは,物品切手等に該当する。 3 消費税法基本通達6-4-5(物品切手等の発行)事業者が,法別表第1第4号ハ《物品切手等の譲渡》に規定する 担しないものであること。 (注)いわゆるプリペイドカードは,物品切手等に該当する。 3 消費税法基本通達6-4-5(物品切手等の発行)事業者が,法別表第1第4号ハ《物品切手等の譲渡》に規定する物品切手等 - 41 -を発行し,交付した場合において,その交付に係る相手先から収受する金品は,資産の譲渡等の対価に該当しない。 以上 - 42 -(別紙)課税処分の根拠及び適法性(被告の主張)第1 各更正処分の根拠及び適法性について処分行政庁が原告に対し,① 平成23年3月28日付けで行った平成20年9月課税期間の消費税等に係る更正処分(ただし,平成23年7月5日付け異議決定及び平成25年7月30日付け更正処分により減額された後のもの。以下「平成20年9月課税期間更正処分」という。),② 平成23年3月28日付けで行った平成21年9月課税期間の消費税等に係る更正処分(ただし,平成23年7月5日付け異議決定及び平成25年7月30日付け更正処分により減額された後のもの。以下「平成21年9月課税期間更正処分」という。)及び③ 平成23年5月31日付けで行った平成22年6月課税期間の消費税等に係る更正処分(ただし,平成23年7月8日付け更正処分により減額された後のもの。以下「平成22年6月課税期間更正処分」といい,平成20年9月課税期間更正処分及び平成21年9月課税期間更正処分と併せて「本件各更正処分」という。)の根拠及び適法性は,以下のとおりである。 1 平成20年9月課税期間更正処分について(1) 平成20年9月課税期間更正処分の根拠被告が,本件訴訟において主張する原告の平成20年9月課税期間の消費税等に係る課税標準額及び納付すべき税額は,別表7「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次 税期間更正処分の根拠被告が,本件訴訟において主張する原告の平成20年9月課税期間の消費税等に係る課税標準額及び納付すべき税額は,別表7「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次に述べるとおりである。 ア課税標準額(別表7(1)①欄) 9億1839万2000円上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)の金額を控除した金額(ただし,通則法118条1項の規定に基づき1000円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下同じ。)である。 (ア) 修正申告における課税標準額(別表7(1)②欄) - 43 -9億2245万7518円上記金額は,平成20年9月課税期間消費税等修正申告書(乙2)付表2「1」欄に課税売上額として記載された金額9億2183万8471円に,同申告書「5」欄「返還等対価に係る税額」欄に記載された2万4761円(下記エ)に係る売上戻り高65万円の課税標準額に相当する61万9047円を加算した金額である。 (イ) 課税標準額から減算すべき額(別表7(1)③欄)406万4953円上記金額は,原告が,国税及び都税等の還付金を課税売上げとした金額54万0667円及び課税取引の対象としていた解約手数料352万4286円の合計額であり,資産の譲渡等の対価の額に該当しないから,消費税の課税標準額に算入しない金額である。 イ課税標準額に対する消費税額(別表7(1)④欄)3673万5680円上記金額は,消費税法29条の規定により,上記アの金額に税率100分の4を乗じて算出した金額である。 ウ控除対象仕入税額(別表7(1)⑤欄) 8141万2513円上記金額は,消費税法30条2項に規定する課税売上割合(同条6項)が100分の95に満たないときにおいて控除する課税仕入れ ウ控除対象仕入税額(別表7(1)⑤欄) 8141万2513円上記金額は,消費税法30条2項に規定する課税売上割合(同条6項)が100分の95に満たないときにおいて控除する課税仕入れ等の税額の合計額(後記(エ)の金額)に課税売上割合を乗じて計算した金額である。 (ア) 課税売上割合(別表7(1)⑨欄) 89.808921739%上記割合は,消費税法30条6項に規定する割合で,次のaの金額をa及びbの合計額で除した割合である。 a 課税売上額(別表7(1)⑥欄) 9億1777万3518円上記金額は,上記ア(ア)の金額から上記ア(イ)の金額を控除した金額から返還等対価に係る額61万9047円を控除した金額である。 - 44 -b 修正申告における非課税売上額(別表7(1)⑦欄)1億0414万4461円上記金額は,平成20年9月課税期間消費税等修正申告書の付表2「6」欄に非課税売上額として記載された金額と同額である。 (イ) 修正申告における課税仕入れに係る支払対価の額(別表7(1)⑩欄)39億2636万9822円上記金額は,平成20年9月課税期間消費税等修正申告書の付表2「8」欄に課税仕入れに係る支払対価の額として記載された金額と同額である。 (ウ) 課税仕入れに係る支払対価の額から減算すべき額(別表7(1)⑪欄)15億4678万6087円上記金額は,次のa及びbの金額を合計した金額である。 a 資産の譲渡等の対価に該当しない金額 9億2536万8294円上記金額は,破産者と本件各運営会社との間で精算された金額(本件宿泊ポイント精算金額)であり,資産の譲渡等の対価には該当しないため,課税仕入れに算入しない金額である。 b 非課税取引に係る金額 記金額は,破産者と本件各運営会社との間で精算された金額(本件宿泊ポイント精算金額)であり,資産の譲渡等の対価には該当しないため,課税仕入れに算入しない金額である。 b 非課税取引に係る金額 6億2141万7793円上記金額は,破産者が本件各会員に対して支払った本件未使用ポイント買取金額であり,物品切手等の譲受けに当たることから非課税取引として,資産の譲渡等のうち消費税を課さないこととされる金額である。 (エ) 課税仕入れに係る消費税額(別表7(1)⑫欄)9065万0808円上記金額は,上記(イ)の金額から(ウ)の金額を控除した金額に105分の4を乗じた金額である。 エ返還等対価に係る税額(別表7(1)⑬欄) 2万4761円 - 45 -上記金額は,売上戻り高65万円に対する税額であり,平成20年9月課税期間消費税等修正申告書「5」欄に記載された金額と同額である。 オ差引税額(別表7(1)⑭欄) ▲4470万1594円上記金額は,上記イの金額から上記ウ及びエの金額を控除した金額である。 カ地方消費税の課税標準額(別表7(1)⑮欄) ▲4470万1594円上記金額は,上記オの金額であり,地方税法72条の77第2号及び72条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。 キ譲渡割額(別表7(1)⑯欄) ▲1117万5398円上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,上記カの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 ク消費税及び地方消費税の合計還付税額(別表7(1)⑰欄)▲5587万6992円上記金額は,上記オの金額と上記キの金額の合計額である。 (2) 平成20年9月課税期間更正処分の適法性被告が本件訴訟におい 方消費税の合計還付税額(別表7(1)⑰欄)▲5587万6992円上記金額は,上記オの金額と上記キの金額の合計額である。 (2) 平成20年9月課税期間更正処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の平成20年9月課税期間における納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額は,上記(1)で述べたとおりであり,平成20年9月課税期間更正処分における原告の納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額といずれも同額であるから,平成20年9月課税期間更正処分は適法である。 2 平成21年9月課税期間更正処分について(1) 平成21年9月課税期間更正処分の根拠被告が,本件訴訟において主張する原告の平成21年9月課税期間の消費税等に係る課税標準額及び納付すべき税額は,別表8「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次に述べるとおりである。 ア課税標準額(別表8(1)①欄) 9億3456万9000円 - 46 -上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)の金額を控除した金額である。 (ア) 修正申告における課税標準額(別表8(1)②欄)10億9585万6070円上記金額は,平成21年9月課税期間消費税等修正申告書(乙3)の付表2(1)欄に課税売上額として記載された金額と同額である。 (イ) 課税標準額から減算すべき額(別表8(1)③欄)1億6128万6763円上記金額は,原告が,国税及び都税等の還付金,保険解約金を課税売上げとした金額1億4112万5911円及び土地譲渡益を課税売上げとした金額38万0952円並びに課税取引の対象としていた解約手数料1977万9900円の合計額であり,資産の譲渡等の対価の額に該当しないから,消費税の課税標準額に算入しない金額である。 イ課税標準額に対する 万0952円並びに課税取引の対象としていた解約手数料1977万9900円の合計額であり,資産の譲渡等の対価の額に該当しないから,消費税の課税標準額に算入しない金額である。 イ課税標準額に対する消費税額(別表8(1)④欄)3738万2760円上記金額は,消費税法29条の規定により,上記アの金額に税率100分の4を乗じて算出した金額である。 ウ控除対象仕入税額(別表8(1)⑤欄) 7154万4077円上記金額は,消費税法30条2項に規定する課税売上割合(同条6項)が100分の95に満たないときにおいて控除する課税仕入れ等の税額の合計額(後記(エ)の金額)に課税売上割合を乗じて計算した金額である。 (ア) 課税売上割合(別表8(1)⑨欄) 88.256477178%上記割合は,消費税法30条6項に規定する割合で,次のaの金額をa,b及びcの合計額で除した割合である。 a 課税売上額(別表8(1)⑥欄) 9億3456万9307円上記金額は,上記ア(ア)の金額から上記(イ)の金額を控除した金額である。 b 修正申告における非課税売上額(別表8(1)⑦欄) - 47 -1億1785万5020円上記金額は,平成21年9月課税期間消費税等修正申告書の付表2(6)欄に非課税売上額として記載された金額と同額である。 c 非課税売上額に加算すべき額(別表8(1)⑧欄) 650万円上記金額は,伊東の土地売却額であり,資産の譲渡等のうち,消費税を課さないこととされる金額である。 (イ) 修正申告における課税仕入れに係る支払対価の額(別表8(1)⑩欄)43億4694万9996円上記金額は,平成21年9月課税期間消費税等修正申告書の付表2⑻欄に課税仕入れに係る支払対価の額として記載された金額と同額であ れに係る支払対価の額(別表8(1)⑩欄)43億4694万9996円上記金額は,平成21年9月課税期間消費税等修正申告書の付表2⑻欄に課税仕入れに係る支払対価の額として記載された金額と同額である。 (ウ) 課税仕入れに係る支払対価の額から減算すべき額(別表8(1)⑪欄)22億1902万4544円上記金額は,次のa及びbの金額を合計した金額である。 a 資産の譲渡等の対価に該当しない金額14億1243万5396円上記金額は,破産者と本件各運営会社との間で精算された金額(本件宿泊ポイント精算金額)であり,資産の譲渡等の対価には該当しないため,課税仕入れに算入しない金額である。 b 非課税取引に係る金額 8億0658万9148円上記金額は,破産者が本件各会員に対して支払った本件未使用ポイント買取金額であり,物品切手等の譲受けに当たることから非課税取引として,資産の譲渡等のうち消費税を課さないこととされる金額である。 (エ) 課税仕入れに係る消費税額(別表8(1)⑫欄)8106万3826円上記金額は,上記(イ)の金額から(ウ)の金額を控除した金額に105 - 48 -分の4を乗じた金額である。 エ差引税額(別表8(1)⑭欄) ▲3416万1317円上記金額は,上記イの金額から上記ウの金額を控除した金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別表8(1)⑮欄) ▲3416万1317円上記金額は,上記エの金額であり,地方税法72条の77第2号及び72条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。 カ譲渡割額(別表8(1)⑯欄) ▲854万0329円上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,上記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額で 税標準額である。 カ譲渡割額(別表8(1)⑯欄) ▲854万0329円上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,上記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 キ消費税及び地方消費税の合計還付税額(別表8(1)⑰欄)▲4270万1646円上記金額は,上記エの金額と上記カの金額の合計額である。 (2) 平成21年9月課税期間更正処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の平成21年9月課税期間における納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額は,上記(1)で述べたとおりであり,平成21年9月課税期間更正処分における原告の納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額といずれも同額であるから,平成21年9月課税期間更正処分はいずれも適法である。 3 平成22年6月課税期間更正処分について(1) 平成22年6月課税期間更正処分の適法性被告が,本件訴訟において主張する原告の平成22年6月課税期間の消費税等に係る課税標準額及び納付すべき税額は,別表9「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次に述べるとおりである。 ア課税標準額(別表9(1)①欄) 4億2741万4000円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 確定申告における課税標準額(別表9(1)②欄) - 49 -1億6964万2664円上記金額は,平成22年6月課税期間消費税等確定申告書(乙4)の付表2①欄に課税売上額として記載された金額と同額である。 (イ) 課税標準額に加算すべき額(別表9(1)③欄)2億5777万2195円上記金額は,会員としての資格を付与することと引換えに受領する施設利用料であり,資産の譲渡等の対価に該当するため,課税 イ) 課税標準額に加算すべき額(別表9(1)③欄)2億5777万2195円上記金額は,会員としての資格を付与することと引換えに受領する施設利用料であり,資産の譲渡等の対価に該当するため,課税標準額になる金額である。 イ課税標準額に対する消費税額(別表9(1)④欄) 1709万6560円上記金額は,消費税法29条の規定により,上記アの金額に税率100分の4を乗じて算出した金額である。 ウ控除対象仕入税額(別表9(1)⑤欄) 1762万5327円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)の金額を加算した金額に105分の4を乗じた金額である。 (ア) 確定申告における課税仕入れに係る支払対価の額(別表9(1)⑩欄)4億2288万9161円上記金額は,平成22年6月課税期間消費税等確定申告書付表2⑧欄に課税仕入れに係る支払対価の額として記載された金額である。 (イ) 課税仕入れに係る支払対価の額に加算すべき額(別表9(1)⑪欄)3977万5673円上記金額は,課税仕入れに係る支払対価の額としていなかった未払家賃であり,課税仕入れに該当する金額である。 エ差引税額(別表9(1)⑭欄) ▲52万8767円上記金額は,上記イの金額から上記ウの金額を控除した金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別表9(1)⑮欄) ▲52万8767円上記金額は,上記エの金額であり,地方税法72条の77第2号及び7 - 50 -2条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。 カ譲渡割額(別表9(1)⑯欄) ▲13万2191円上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,上記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 キ消費税及び地方消費税の合 9(1)⑯欄) ▲13万2191円上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,上記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 キ消費税及び地方消費税の合計還付税額(別表9(1)⑰欄)▲66万0958円上記金額は,上記エの金額と上記カの金額の合計額である。 (2) 平成22年6月課税期間更正処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の平成22年6月課税期間における納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額は,上記(1)で述べたとおりであり,平成22年6月課税期間更正処分における原告の納付すべき消費税額及び地方消費税の譲渡割額といずれも同額であるから,平成22年6月課税期間更正処分はいずれも適法である。 第2 過少申告加算税賦課決定処分の根拠及び適法性処分行政庁が原告に対し,① 平成23年3月28日付けで行った平成20年9月課税期間の消費税等に係る過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年7月5日付け異議決定及び平成25年7月30日付け過少申告加算税の変更賦課決定処分により変更された後のもの。以下「平成20年9月課税期間賦課決定処分」という。),② 平成23年3月28日付けで行った平成21年9月課税期間の消費税等に係る過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年7月5日付け異議決定及び平成25年7月30日付け過少申告加算税の変更賦課決定処分により変更された後のもの。以下「平成21年9月課税期間賦課決定処分」という。)及び③ 平成23年5月31日付けで行った平成22年6月課税期間の消費税等に係る過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年7月8日付け過少申告加算税の変更賦課決定処分により変更された後のもの。以下「平成22年6月課税期間賦課決定処分」といい,平成20年 の消費税等に係る過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年7月8日付け過少申告加算税の変更賦課決定処分により変更された後のもの。以下「平成22年6月課税期間賦課決定処分」といい,平成20年9月課税期間賦課決定処 - 51 -分及び平成21年9月課税期間賦課決定処分と併せて「本件各賦課決定処分」という。)の根拠及び適法性は,以下のとおりである。 1 本件各賦課決定処分の根拠期限内申告書の提出があった場合において,更正等がされ,当初の申告税額が結果的に過少となったときには,その更正等により納付すべき税額(地方税法附則9条の9に基づき消費税額及び譲渡割額を合算した税額。以下同じ。)に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課することとされており(通則法65条1項),さらに,更正等により納付すべき税額が期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えるときは,当該超える部分に相当する税額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算するとされている(通則法65条2項)。 前記第1のとおり,本件各更正処分はいずれも適法であるところ,本件各更正処分により新たに納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうち,本件各更正処分前における税額の計算の基礎とされていなかったことについて,一部(下記(1)ないし(3)において示す。)を除き,通則法65条4項にいう正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告の本件各課税期間の消費税等に係る過少申告加算税の額は,それぞれ別表10ないし12「過少申告加算税の明細」(平成20年9月課税期間ないし平成22年6月課税期間)の各「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次に述べるとおりである。 (1) 平成20年9月課税期間賦課決定処分平成20年9月課 0年9月課税期間ないし平成22年6月課税期間)の各「(1)被告の主張」欄記載のとおりであり,各項目の金額は次に述べるとおりである。 (1) 平成20年9月課税期間賦課決定処分平成20年9月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額6602万2200円(別表10(1)①欄)から,前記第1の1(1)ウ(ウ)の課税仕入れに係る支払対価の額から減算すべき額のうち通則法65条4項に該当する加算税対象外税額3959万2100円(別表10(1)②欄)を控除した金額2643万円(ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の - 52 -端数の金額を切り捨てた後のもの。以下同じ。)を基礎として,これに100分の10の割合を乗じて算出した金額264万3000円(別表10(1)⑤欄)と,平成20年9月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額から加算税対象外税額を控除した金額2643万0100円のうち50万円を超える部分に相当する税額である2593万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額129万6500円(別表10(1)④欄)との合計額393万9500円(別表10(1)⑥欄)である。 (2) 平成21年9月課税期間賦課決定処分平成21年9月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額8940万3000円(別表11(1)①欄)から,前記第1の2(1)ウ(ウ)の課税仕入れに係る支払対価の額から減算すべき額のうち通則法65条4項に該当する加算税対象外税額6072万7700円(別表11(1)②欄)を控除した金額2867万円を基礎として,これに100分の10の割合を乗じて算出した金額286万7000円(別表11(1)⑤欄)と,平成21年9月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額から加算税対象外税額(別表11(1)②欄)を控除し に100分の10の割合を乗じて算出した金額286万7000円(別表11(1)⑤欄)と,平成21年9月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額から加算税対象外税額(別表11(1)②欄)を控除した金額2867万5300円のうち50万円を超える部分に相当する税額である2817万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額140万8500円(別表11(1)④欄)との合計額427万5500円(別表11(1)⑥欄)である。 (3) 平成22年6月課税期間賦課決定処分平成22年6月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額1099万円(別表12(1)①欄)を基礎として,これに100分の10の割合を乗じて算出した金額109万9000円(別表12(1)⑤欄)と,平成22年6月課税期間更正処分に基づき新たに納付すべき税額1099万円のうち50万円を超える部分に相当する税額である1049万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額52万4500円(別表12(1)④欄)との合計額 - 53 -162万3500円(別表12(1)⑥欄)である。 2 本件各賦課決定処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の本件各課税期間の消費税等の過少申告加算税の額は,上記1で述べたとおりであり,本件各賦課決定処分における過少申告算税の額は,いずれも同額であるから,本件各賦課決定処分はいずれも適法である。 以上 - 54 -別表1 ホテル一覧 番号 名称所在地所有者運営者 Jホテル三重県志摩市α×-1本件破産会社E Kホテル静岡県熱海市β×-10本件破産会社E Lホテル福井県あらわ市γ×-10本件破産会社E Jホテル三重県志摩市α×-1本件破産会社E Kホテル静岡県熱海市β×-10本件破産会社E Lホテル福井県あらわ市γ×-10本件破産会社E Mホテル神奈川県足柄下郡δ×-6本件破産会社E Nホテル静岡県田方郡ε×-11本件破産会社E Oホテル山梨県南巨摩郡ζ×-3本件破産会社E Pホテル新潟県妙高市η×-21本件破産会社E Qホテル静岡県伊東市θ×-5本件破産会社F Rホテル静岡県熱海市ι×-29㈲SD T兵庫県赤穂市λ×U㈱E Vホテル静岡県賀茂郡μ×-42㈱WE 別表3 平成19年9月課税期間に係る更正処分等の経緯(参考)(単位:円) 区分年月日課税標準額税額(納付すべき消費税額)過少申告加算税(納付すべき地方消費税額) 確定申告平成19年11月日714,415,0001,200,300960,300-(期限内)240,000 更正処分平成20年3月31日724,221,000△65,753,113△52,602,491-(減額)△13,150,622 再更正処分平成23年3月28日724,221,000△37,459,508△29,967,607-(増額)△7,491,901 異議申立平成23年5月日120,144,000△67,663,358△ △ 29,967,607-(増額) △ 7,491,901 異議申立 平成23年5月日 120,144,000△67,663,358△54,130,687- △ 13,532,671 異議決定 平成23年7月5日 708,459,000△38,247,608△30,598,087- △ 7,649,521 審査請求 平成23年7月29日 120,827,000△65,753,113△52,602,491- (訂正後)△ 13,150,622 審査裁決 平成24年7月日(棄却)再更正処分 平成25年9月4日 724,221,000△65,753,113△52,602,491-の全部取消し △ 13,150,622 別表4 平成20年9月課税期間に係る更正処分等の経緯(単位:円) 区分年月日課税標準額税額(納付すべき消費税額)過少申告加算税(納付すべき地方消費税額) 確定申告 平成20年11月28日 922,457,000△134,890,053△107,912,043-(期限内) △ 26,978,010 修正申告 平成21年3月16日 922,457,000△121,899,326△97,519,461- △ 24,379,865 更正処分 平成23年 年3月 16 日 922,457,000△121,899,326△ 97,519,461- △ 24,379,865 更正処分平成23 年3月 28 日 921,916,000△54,146,343△ 43,317,0754,199,000(増額) △ 10,829,268 異議申立平成23 年5月日 192,461,000△62,783,378△ 50,226,703- △ 12,556,675 異議決定平成23 年7月5日 918,392,000△54,283,476△ 43,426,7814,178,000 △ 10,856,695 審査請求平成23 年7月 29 日 191,920,000△62,707,957△ 50,166,366- △ 12,541,591 審査裁決平成24 年7月日( 棄却 )再更正処分平成25 年7月日 918,392,000△55,876,992△ 44,701,5943,939,500(減額) △ 11,175,398 - 57 -別表5 平成21年9月課税期間に係る更正処分等の経緯(単位:円)区分年月日課税標準額税額(納付すべき消費税額)過少申告加算税(納付すべき地方消費税額)確定申告平成21 年 11 月日 1,095,856,000△143,717,026△ (納付すべき消費税額)過少申告加算税(納付すべき地方消費税額)確定申告平成21 年 11 月日 1,095,856,000△143,717,026△ 114,973,621- (期限内) △ 28,743,405 修正申告平成22 年3月 16 日 1,095,856,000△132,104,722△ 105,683,778- △ 26,420,944 更正処分平成23 年3月 28 日954,349,000△41,816,992△ 33,453,5944,592,000(増額) △ 8,363,398 異議申立平成23 年5月日282,647,000△56,147,876△ 44,918,301- △ 11,229,575 異議決定平成23 年7月5日934,569,000△42,588,068△ 34,070,4554,292,000 △ 8,517,613 審査請求平成23 年7月 29 日282,658,000△56,147,876△ 44,918,301-(訂正後) △ 11,229,575 審査裁決平成24 年7月日( 棄却 )再更正処分平成25 年7月日934,569,000△42,701,646△ 34,161,3174,275,500(減額) △ 8,540,329 日934,569,000△42,701,646△ 34,161,3174,275,500(減額) △ 8,540,329 - 58 -別表6 平成22年6月課税期間に係る更正処分等の経緯(単位:円)区分年月日課税標準額税額(納付すべき消費税額)過少申告加算税(納付すべき地方消費税額)確定申告平成22 年8月日 169,642,000△11,655,478△ 9,324,383- (期限内) △ 2,331,095 更正処分平成23 年5月 31 日 437,081,000△177,608△ 142,0871,695,500(増額) △ 35,521 再更正処分平成23 年7月8日 427,414,000△660,958△ 528,7671,623,500(減額) △ 132,191 異議申立平成23 年7月日 169,642,000△11,655,478△ 9,324,383- △ 2,331,095 異議決定平成23 年月7日( 棄却 )審査請求平成23 年月 14 日 235,395,000△10,261,908△ 8,209,527-(訂正後) △ 2,052,381 審査裁決平成24 年7月日( 棄却 ) - 59 -別表10 過少申告加算税の明細(平成20年9 △ 2,052,381 審査裁決平成24 年7月日( 棄却 ) - 59 -別表10 過少申告加算税の明細(平成20年9月課税期間)(単位:円) 区分課税期間(1) 被告の主張(2) 原告の主張納付すべき税額①66,022,20058,041,100加算税対象外税額②39,592,10039,592,100期限内申告の税額と50 万円とのうち多い金額③500,000500,000(①-②-③ 1万円未満切捨て)×5%④1,296,500897,000(①-② 1万円未満切捨て)×10%⑤2,643,0001,844,000過少申告加算税の額(④+⑤)⑥3,939,5002,741,000 - 60 -別表11 過少申告加算税の明細(平成21年9月課税期間)(単位:円) 区分課税期間(1) 被告の主張(2) 原告の主張納付すべき税額①89,403,00075,867,100加算税対象外税額②60,727,70060,727,700期限内申告の税額と50 万円とのうち多い金額③500,000500,000(①-②-③ 1万円未満切捨て)×5%④1,408,500731,500(①-② 1万円未満切捨て)×10%⑤2,867,0001,513,000過少申告加算税の額(④+⑤)⑥4,275,5002,244,500 - 61 -別表12 ,0001,513,000過少申告加算税の額(④+⑤)⑥4,275,5002,244,500 - 61 -別表12 過少申告加算税の明細(平成22年6月課税期間)(単位:円) 区分課税期間(1) 被告の主張(2) 原告の主張納付すべき税額①10,994,5001,393,500加算税対象外税額② 期限内申告の税額と50 万円とのうち多い金額③500,000500,000(①-②-③ 1万円未満切捨て)×5%④524,50044,500(①-② 1万円未満切捨て)×10%⑤1,099,000139,000過少申告加算税の額(④+⑤)⑥1,623,500183,500

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