【DRY-RUN】主 文 本件抗告は之を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 本件抗告の趣旨は別紙のとおりであつて、当裁判所は当事者双方を審訊した。
主文 本件抗告は之を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 本件抗告の趣旨は別紙のとおりであつて、当裁判所は当事者双方を審訊した。 <要旨>仍て按ずるに、係争物に関する仮処分の目的は係争物其のものの現状維持にあつて、単に其の物の交換価値</要旨>のみの維持ではないこと勿論であるから、民事訴訟法第七百五十条第四項は原則としては仮処分に準用が無いものと解すべきである。併し仮処分の目的物が生魚其の他腐敗変質し易いものであるとか、又は将来に向つて急激に価額の下落する虞のあるような特別の事情があつて、債権者が将来に於て右係争物其のものの給付を受けるよりは債務者に対する賠償請求権の行使を選ぶ方が利益である場合には、其の請求権の保全の方法として右法条を準用し換価の申立を許容することが出来るものと解するを相当とする。斯く解しなければ債権者としては折角係争物に関する仮処分を得たに拘らず、あらためて所有権者としての仮の地位を定める仮処分を申請して始めて右物件を売却するが、或は債務者所有の他の財産に付仮差押を為すか、若くは本案に付勝訴の判決を得た後に於て価額の著しく下落した係争物其のものの給付を受けることを以て満足せねばならぬこととなり債権者の保護に欠くるところがあると謂はねばならぬからである。 進んで、本件に於て右の如き特別の事情の有無に付按ずるに、仮処分の目的たる材木が盗難又は紛失の虞れのあることは単に適当の場所に保管換えをすれば之を避けることが出来るし、又腐朽変質の虞れの点に付ては抗告人本人の審訊の結果によつても梅雨季の腐蝕或は其の後の虫害の虞れがあると謂うに過ぎないのであるから、現在直ちに之を換価しなければ著しい損害を生ずるものと認めることは出来ない。又近い将来に右物件の価額が急激に下 の結果によつても梅雨季の腐蝕或は其の後の虫害の虞れがあると謂うに過ぎないのであるから、現在直ちに之を換価しなければ著しい損害を生ずるものと認めることは出来ない。又近い将来に右物件の価額が急激に下落する傾向があるものと認めるべき事跡も存しない。従つて先に述べたような換価申立を許容せねばならぬ特別の事情は無いものと謂うのほかは無い。右認定を覆へし抗告人の主張事実を認める証拠無く、抗告理由は採用出来ない。仍て本件換価申立を失当として却下した原決定は正当で、他に之を取消すべき瑕疵が無く、即時抗告は其の理由が無いから之を棄却すべきものとし、抗告費用の負担に付民事訴訟法第八十九条を適用し主文のとおり決定する。 (裁判長判事朝山二郎判事沢井種雄判事前川透)
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