令和4(ネ)269 損害賠償等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和4年11月10日 東京高等裁判所 その他 東京地方裁判所 令和2(ワ)14093
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判決文本文34,217 文字)

- 1 - 主文 1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2⑴ 本件附帯控訴に基づき、原判決主文第1項を次のとおり変更する。 ⑵ 控訴人Aは、被控訴人に対し、110万円及びこれに対する令和2年5月16日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 3 控訴人Bは、被控訴人に対し、更に11万円及びこれに対する令和4年4月11日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 4 被控訴人の当審におけるその余の追加請求及びその余の本件附帯控訴をいずれも棄却する。 5 控訴人Aと被控訴人との間の訴訟費用(控訴費用及び附帯控訴費用を含む。)は、第1、2審を通じて、これを5分し、その1を控訴人Aの負担とし、その余を被控訴人の負担とし、当審における控訴人Bと被控訴人との間の訴訟費用のうち、控訴費用は控訴人Bの負担とし、附帯控訴費用(当審における追加請求に係る訴訟費用を含む。)は、これを10分し、その1を控訴人Bの負担とし、その余を被控訴人の負担とする。 6 この判決は、第2項⑵及び第3項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人Bの控訴の趣旨⑴ 原判決中控訴人Bの敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記⑴の部分につき、被控訴人の請求を棄却する。 2 控訴人Aの控訴の趣旨⑴ 原判決中控訴人Aの敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記⑴の部分につき、被控訴人の請求を棄却する。 3 被控訴人の附帯控訴の趣旨⑴ 原判決主文第1項及び第3項を次のとおり変更する。 - 2 - ア控訴人Aは、被控訴人に対し、550万円及びこれに対する令和2年5月16日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 イ控訴人Bは、被控 とおり変更する。 - 2 - ア控訴人Aは、被控訴人に対し、550万円及びこれに対する令和2年5月16日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 イ控訴人Bは、被控訴人に対し、110万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 (当審における追加請求)⑵ 控訴人Bは、被控訴人に対し、110万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 ⑶ 控訴人Bは、本判決別紙1記載の投稿(リツイート)を削除せよ。 第2 事案の概要(略語は、特に断りのない限り、原判決の例による。以下同じ。) 1 本件は、被控訴人が、ツイッター(インターネットを利用してツイートと呼ばれる140文字以内のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)に控訴人Aが投稿した原判決別紙1ないし5の各ツイート(本件ツイート1ないし5(本件各ツイート))、1審被告Cが投稿した同別紙6のリツイート(1審被告Cリツイート)及び控訴人Bが投稿した同別紙7のリツイート(控訴人Bリツイート)により、被控訴人の名誉が毀損され、名誉感情が侵害されたとして、⑴控訴人Aに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する令和2年5月16日(最終の不法行為の後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、民法723条所定の名誉を回復するのに適当な処分として、原判決別紙「謝罪広告の内容」記載の内容及び方法等による謝罪広告の掲載を求め、⑵1審被告C及び控訴人Bに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、それぞれ損害金110万円(慰謝料100万円及び弁護士費用1 「謝罪広告の内容」記載の内容及び方法等による謝罪広告の掲載を求め、⑵1審被告C及び控訴人Bに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、それぞれ損害金110万円(慰謝料100万円及び弁護士費用10万円)及びこれに対する令和2年7月19日(不法行為の後の日(訴状送達の日の翌日))から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 原審は、上記1⑴の控訴人Aに対する請求について、①本件ツイート1の- 3 - 摘示事実は、被控訴人の社会的評価を低下させるものではなく、本件ツイート2ないし5の摘示事実は、いずれも被控訴人の社会的評価を低下させ、その名誉感情を侵害するものであり、控訴人Aにおいてこれらを真実であると信じるにつき相当の理由があったと認めることはできないから、本件ツイート2ないし5は不法行為を構成するとして、損害金88万円(慰謝料80万円及び弁護士費用8万円)及びこれに対する令和2年5月16日(最終の不法行為の後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で損害賠償の請求を認容し(原判決主文第1項)、②被控訴人の名誉を回復するための措置として、金銭による損害賠償に加え、原判決別紙の謝罪広告の掲載を命ずる必要があるとまでは認められないとして、謝罪広告の掲載請求を棄却し(同第4項)、上記1⑵の1審被告C及び控訴人Bに対する請求について、①1審被告Cリツイートは、控訴人Aが投稿した本件ツイート3の内容に賛同する旨の意思を示す表現行為として1審被告Cの発言ないし意見でもあると解され、同1審被告は同リツイートの行為主体としてその内容について不法行為責任を負うとして、1審被告Cに対する請求を損害金11万円(慰謝料10万円及び弁護士費用1万円)及びこれに対する令和 もあると解され、同1審被告は同リツイートの行為主体としてその内容について不法行為責任を負うとして、1審被告Cに対する請求を損害金11万円(慰謝料10万円及び弁護士費用1万円)及びこれに対する令和2年7月19日(不法行為の後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し(同第2項)、②控訴人Bリツイートは、控訴人Aが投稿した本件ツイート4の内容に賛同する旨の意思を示す表現行為として控訴人Bの発言ないし意見でもあると解され、控訴人Bは同リツイートの行為主体としてその内容について不法行為責任を負うとして、控訴人Bに対する請求を損害金11万円(慰謝料10万円及び弁護士費用1万円)及びこれに対する令和2年7月19日(不法行為の後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容した(同第3項)。 3 控訴人らは、原判決中の各自の敗訴部分(認容部分)を不服として控訴をし、当該各部分の取消し及びその取消部分に係る請求の棄却を求めたところ、被控- 4 - 訴人は、附帯控訴をし、控訴人らに対する請求の全部認容(ただし、控訴人Bに対する謝罪広告の掲載請求を除く。)を求めるとともに、当審における追加請求として、氏名不詳者が原判決の言渡し後に本件イラスト5-1を添付して投稿したツイート(本判決別紙2。以下「本件元ツイート」という。)について控訴人Bがリツイート(同別紙3。以下「控訴人Bリツイート2」という。)をしたことにより、被控訴人の社会的評価が低下し、名誉感情が侵害されたとして、控訴人Bに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金110万円及びこれに対する令和2年7月19日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める 、控訴人Bに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金110万円及びこれに対する令和2年7月19日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める(前記第1の3⑵)とともに、人格権に基づき、控訴人Bリツイート2の削除を求める(同⑶)旨の請求を追加した。 なお、被控訴人は、原判決のうち控訴人Bに対する謝罪広告の掲載請求を棄却した部分については附帯控訴をしていないため、同部分は当審における審判の対象に含まれていない。また、1審被告Cは控訴をしていないため、原判決のうち同1審被告に関する部分も、上記と同様である。 4 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、以下のとおり原判決を補正し、後記5のとおり当審における当事者の主張(当審における追加請求に係るものを含む。)を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1ないし3(ただし、同2⑴エ及び⑵並びに3⑴エ及び⑵を除く。)に記載のとおりであるから、これを引用する(以下、同1⑴以下の前提事実を「前提事実⑴」のようにいう。)。 ⑴ 原判決3頁16行目の「ツイッターにおいて」を「平成26年12月からツイッターを利用し、」に改め、同頁17行目から18行目にかけての「プロフィール欄には」の次に「「ホワイトプロパガンダ漫画家」、」を加え、同頁20行目の「甲36」を「甲3、36」に改める。 ⑵ 原判決4頁1行目の「ツイッターによる」を「眼科医であり、平成23年- 5 - 頃からツイッターを利用し、「D@東京大賞典3連単的中」、「D@やっと掛け持ちしてたバイトを辞めた!!」等のハンドルネームで」に改め、同頁5行目末尾の次に「同アカウントのフォロワー数は、令和2年5月27日現在で1529人であった。」を、同頁 連単的中」、「D@やっと掛け持ちしてたバイトを辞めた!!」等のハンドルネームで」に改め、同頁5行目末尾の次に「同アカウントのフォロワー数は、令和2年5月27日現在で1529人であった。」を、同頁6行目の「甲22」の次に「、60の2」をそれぞれ加え、同頁15行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「 なお、Eは、週刊誌に寄稿した記事をめぐり、同月23日、ワシントン支局長を解任され、平成28年5月に退社した後は、フリージャーナリストとして活動している(甲1〔17頁〕、52の1)。」⑶ 原判決5頁1行目の「当庁」を「同裁判所」に改め、同頁6行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「 被控訴人は、別件訴訟の提起後、同月24日に外国人特派員協会での記者会見に、同年12月6日に国会議員との意見交換会にそれぞれ出席し、本件性被害及び別件訴訟の提起に係る経緯等について説明した(甲1〔5頁〕、52の1)。 また、Eは、「月刊Hanada」2017年(平成29年)12月号に「【独占手記】私を訴えたFさんへ」と題する記事を寄稿し、本件性被害及び別件訴訟の提起に係る経緯等についての自身の主張を掲載した(なお、同記事は、令和元年12月17日、ウェブサイト「Hanada プラス」に掲載された。甲52の1・2)。」⑷ 原判決5頁18行目の「別件訴訟における」を「別件訴訟において、本件性被害があったことを認定した上で、」に、同頁21行目の「言い渡した」を「言い渡し、同日、同判決について報道機関等による報道がされた」にそれぞれ改め、同頁22行目の「甲1」の次に「、11、57の1、弁論の全趣旨」を加え、同行末尾の次に改行して次のとおり加える。 「ケ Eは別件判決を不服として控訴をしたが、東京高等裁判所は、令和4年1月25日、①第 目の「甲1」の次に「、11、57の1、弁論の全趣旨」を加え、同行末尾の次に改行して次のとおり加える。 「ケ Eは別件判決を不服として控訴をしたが、東京高等裁判所は、令和4年1月25日、①第1審と同様に本件性被害があったことを認定した上- 6 - で、被控訴人の本訴請求につき、Eに対し332万8300円及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる一方、②本件著書中の記述のうち「デートレイプドラッグを入れられた場合に起きる記憶障害や吐き気の症状は、自分の身に起きたことと、驚くほど一致していた。」等の部分及び週刊新潮の記事のうち「私は薬(デートレイプドラッグ)を入れられたんだと思っています。」等の部分につき、いずれも摘示事実はEがデートレイプドラッグを使用したことであり、これが真実であるとは認められず、これを真実であると信じるにつき相当な理由があるともいえないことなどから、Eの名誉を毀損し、プライバシーを侵害するものとして不法行為が成立するとして、Eの反訴請求につき、被控訴人に対し55万円及び遅延損害金の支払を命ずる旨の判決を言い渡した。 (乙ハ4、弁論の全趣旨)」⑸ 原判決7頁20行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「⑸ 控訴人Bは、氏名不詳者が令和3年12月1日(本件の原判決が言い渡された日の翌日)午後11時6分頃に本件イラスト5-1を添付して投稿したツイート(本件元ツイート。本判決別紙2)について、コメントを付すことなくリツイートをし(控訴人Bリツイート2。同別紙3)、かつ、「いいね」を押下した。 (甲60の1ないし3)」 5 当審における当事者の主張(当審における追加請求に係るものを含む。)⑴ 控訴人Bの主張ア争点⑶ア及びイ(控訴人Bリツイート)について控訴人Bが控 甲60の1ないし3)」 5 当審における当事者の主張(当審における追加請求に係るものを含む。)⑴ 控訴人Bの主張ア争点⑶ア及びイ(控訴人Bリツイート)について控訴人Bが控訴人Bリツイートにおいてコメントを付さなかったのは、フォロワーへの情報提供であったことによるものであり、これは本件に限ったことではない。控訴人Bのフォロワーは、歴史や漫画等に興味を持つ人であって、被控訴人に対して関心を持つ人ではなく、控訴人- 7 - Bは、思想的に中立的な立場から、無関心層のフォロワーに対し、情報を提供したにすぎない。コメントなしのリツイートはツイートの内容に賛同しているものと推認されるとの一般論は、限定されていない不特定多数の者へのリツイートについて成り立つものであり、控訴人Bのようにフォロワーが限定されている場合には当てはまらない。 引用元の本件ツイート4には「風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません」との記載があった上、「枕営業」とは必ずしも「性交」のことを指すものではなく、「ビジネスに夜の飲食を持ち込んでいること」を非難するものであり、「大失敗」とは「飲み過ぎて酩酊してしまいビジネスの目的を達せられなかったこと」を非難するものであって、正当な非難・批判であり、夜の飲食を伴いながらビジネスに役立てようとしたことを正当に論評していたのであるから、被控訴人の社会的評価を違法に低下させるものではない。 別件訴訟の控訴審判決において被控訴人のEへの損害賠償が命じられているから、真実性の証明があったものといえ、少なくとも真実性を基礎付ける相当の資料があった。 イ当審における追加請求(控訴人Bリツイート2)について控訴人Bは、本件イラスト5-1は現状の裁判への批判( 実性の証明があったものといえ、少なくとも真実性を基礎付ける相当の資料があった。 イ当審における追加請求(控訴人Bリツイート2)について控訴人Bは、本件イラスト5-1は現状の裁判への批判(司法批判)にすぎないところ、本件の原判決が言い渡された日の翌日に、現状の裁判への批判(司法批判)の動機をもって、いつもの限定されたフォロワーに向かって、単なる情報提供のためにリツイートをし、「いいね」を押下したにすぎないから、控訴人Bリツイート2は被控訴人の社会的評価を低下させ又は名誉感情を侵害するものではない。 ⑵ 控訴人Aの主張ア争点⑴ア(本件ツイート2ないし5)について控訴人Aは、風刺漫画家であり、様々な風刺漫画を描いているが、その- 8 - 政治信条は保守であり、普段から保守思想に基づいた風刺漫画を描いている。そのテーマは多岐にわたり、いわゆる従軍慰安婦問題等の歴史認識の問題や行き過ぎた#MeeToo運動等も風刺の対象としている。 そして、本件性被害は、単なる準強姦の成否の問題ではなく、当時の総理大臣への批判に利用され、#MeeToo運動や性奴隷、従軍慰安婦問題の文脈で語られている。被控訴人の支援者にはいわゆるリベラル(革新派)を名乗る者が多く、Eの支援者には保守思想の者が多く、本件性被害は思想的・政治的な対立に利用される問題となっており、本件性被害に関する表現の自由は強く保障されなければならない。 イ争点⑴ア(本件ツイート2)について本件ツイート2は、控訴人Aの見解や理解を示したものであるから、意見ないし論評であり、また、既に報道されているEの主張を分かりやすく述べたものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。また、「枕営業」及び「レイプ被害者」との表現も、社会通念上 意見ないし論評であり、また、既に報道されているEの主張を分かりやすく述べたものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。また、「枕営業」及び「レイプ被害者」との表現も、社会通念上許容される限度を超えた侮辱行為ではない。 ウ争点⑴ア(本件ツイート3)について本件イラスト3-1の女性は、イラストであり抽象化された絵であるから、容易に被控訴人と同定できるものではない。本件イラスト3-1は風刺画であり、風刺とは世相や世の不条理を面白おかしく表現するものであるから、一般的な読み方からすれば、控訴人Aの意見ないし論評として読まれるものであり、Eの意見を紹介したものにすぎないから、社会的評価を低下させるものではない。 エ争点⑴ア(本件ツイート4)について 本件イラスト4-1ないし4-4の各女性は、本件イラスト3-1の女性と同じであるが、アラジンに出てくる女性ジャスミンをモデルにしたものであるから、被控訴人と同定できるものではない。そして、一般- 9 - の読者の普通の注意と読み方をすれば、受け取る情報の全てを鵜呑みにせず、情報は自分自身で精査しなければならないとの主張として受け取られるものであり、風刺画であるから、意見ないし論評であり、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。 本件イラスト4-3は、一般読者の普通の注意と読み方からして、#MeeToo運動と従軍慰安婦問題を主題とするものであり、何事においても被害を受けたのであれば、その場その時期にしかるべき手段で告発等を行えばいいのに、何年も経ってから被害を言い出すのは不審であるとの主張と受け取られるものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。また、従軍慰安婦問題についての風刺であると読むのが普通であ いのに、何年も経ってから被害を言い出すのは不審であるとの主張と受け取られるものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。また、従軍慰安婦問題についての風刺であると読むのが普通であるから、被控訴人の名誉感情を侵害するものではない。 本件イラスト4-4は、「不思議の国のアリス」を発想の元としたものであり、これは本件性被害とは何の関係もないから、本件イラスト4-4の主題は、一般読者の読み方をしても、従軍慰安婦問題や#MeeToo運動について、メディアは真実かどうか不確かな話をファクトチェックもせずに報道しており、発信される情報を鵜呑みにすることなく自分自身で情報を精査してほしいとの主張と受け取られるものである。 オ争点⑴ア(本件ツイート5)について本件イラスト5-1の女性は被控訴人であると同定できるものではなく、その内容は、一般読者の普通の注意と読み方をすれば、裁判官は世間の意見や風潮、裁判官個人の感傷を判決に反映すべきでなく、法と証拠に基づいた公平な判断をすべきことを主題とすることが読み取れるものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない。 カ争点⑴イ(違法性阻却事由の有無)についてEは不起訴処分となり、検察審査会も不起訴相当としていた上、Eは反- 10 - 訴を提起して合意のない性行為であったことを強く否定しており、本件著書の内容と客観的状況や別件訴訟での被控訴人の態度との間にそごがあること、一部のツイートを除いて投稿時には別件判決は言い渡されていなかったことなどを踏まえれば、控訴人Aが本件ツイート2ないし5の摘示する内容が真実であると信じることにつき相当の理由があった。 キ争点⑴ウ(損害額)についてインターネット上には、控訴人A などを踏まえれば、控訴人Aが本件ツイート2ないし5の摘示する内容が真実であると信じることにつき相当の理由があった。 キ争点⑴ウ(損害額)についてインターネット上には、控訴人A以外にも、Eの主張を信じる見解等が多く表明されており、控訴人Aの影響力はそのうちの一部であり、そのフォロワーの大多数は控訴人Aに近い思想を持った保守思想の者であるから、控訴人Aのツイートによって被控訴人の社会的評価が低下するとしても、原審が認容した80万円は高額にすぎる。 ⑶ 被控訴人の主張ア争点⑴ア(本件ツイート1)について精神疾患を患っているか否かは人格的な価値とは無関係であるが、精神疾患を患っている人がその他の人と比較して不利益を被ることが多い社会の現実に鑑みると、精神疾患を患っていると摘示されれば、その人の社会的評価が下がることは明らかである。 イ争点⑴ウ(損害額)について本件各ツイートの各投稿は、低下する社会的評価の内容及び名誉感情の侵害の機会が異なる別個独立の不法行為であるから、各投稿による損害も別個独立のものとして評価すべきである。 ウ当審における追加請求(控訴人Bリツイート2)について控訴人Bは、本件の原判決の言渡し後の令和3年12月1日、氏名不詳者が本件イラスト5-1を引用して投稿したツイート(本件元ツイート)について、リツイート(控訴人Bリツイート2)をし、さらに「いいね」を押下した。本件イラスト5-1は、被控訴人の社会的評価を低下させ、- 11 - その名誉感情を侵害するものであり、控訴人Bは批判的ないし中立的なコメントを付さずにリツイートをしたのであるから、控訴人Bは控訴人Bリツイート2についても不法行為責任を負う。そして、これによる被控訴人の精神的苦痛 害するものであり、控訴人Bは批判的ないし中立的なコメントを付さずにリツイートをしたのであるから、控訴人Bは控訴人Bリツイート2についても不法行為責任を負う。そして、これによる被控訴人の精神的苦痛に対する慰謝料は100万円が相当であり、弁護士費用10万円についても損害と認められ、また、人格権に基づき、控訴人Bリツイート2の削除も認められるべきである。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、⑴被控訴人の原審以来の請求(当審における審判の対象とされたもの)につき、控訴人Aに対する請求は110万円及びこれに対する令和2年5月16日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、控訴人Bに対する請求は11万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があり、控訴人らに対するその余の請求はいずれも理由がなく、⑵被控訴人の当審における追加請求につき、控訴人Bに対する損害賠償請求は11万円及びこれに対する令和4年4月11日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余の追加請求は理由がないと判断するものであり、その理由は、以下のとおり原判決の補正(当審における当事者の主張に対する判断の付加を含む。)をし、後記2及び3のとおり当審における当事者の主張に対する判断及び当審における追加請求に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」(以下「原判決第3」という。)の1ないし4及び8ないし10に記載のとおりであるから、これを引用する(以下、補正後の同1⑴以下の認定事実を「認定事実⑴」のようにいう。)。 ⑴ 原判決31頁1行目の「別件判決をした。」を「別件判決 いし4及び8ないし10に記載のとおりであるから、これを引用する(以下、補正後の同1⑴以下の認定事実を「認定事実⑴」のようにいう。)。 ⑴ 原判決31頁1行目の「別件判決をした。」を「別件判決を言い渡した(なお、その控訴審判決は、令和4年1月25日に言い渡された。乙ハ4)。」に、同頁2行目の「⑵ク」を「⑵ク及びケ」にそれぞれ改める。 - 12 - ⑵ 原判決33頁4行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「⑴ 争点⑴アにおいては、本件各ツイートによる名誉毀損又は名誉感情の侵害を理由とする不法行為責任の成否が問題となり、本件各ツイートの一部につき、その前提として、事実を摘示するものか又は意見ないし論評の表明であるかが争われている。 事実を摘示しての名誉毀損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには、上記行為には違法性がなく、仮に上記証明がないときにも、行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、その故意又は過失は否定される。一方、ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、上記意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り、上記行為は違法性を欠くものというべきであり、仮に上記証明がないときにも、行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、その故意又は過失は否定される(以上につき、最高裁平成6年(オ)第97 違法性を欠くものというべきであり、仮に上記証明がないときにも、行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、その故意又は過失は否定される(以上につき、最高裁平成6年(オ)第978号同9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁等参照)。 上記のとおり、問題とされている表現が、事実を摘示するものであるか、意見ないし論評の表明であるかによって、名誉毀損に係る不法行為責任の成否に関する要件が異なるため、当該表現がいずれの範ちゅうに属するかを区別することが必要となるところ、ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは、当該記事についての一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきであり- 13 - (最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)、そのことは、上記の区別に当たっても妥当するものというべきであって、当該表現が証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を明示的又は黙示的に主張するものと理解されるときは、当該表現は、上記特定の事項についての事実を摘示するものと解するのが相当であり(前掲最高裁平成9年9月9日第三小法廷判決参照)、上記のような証拠等による証明になじまない物事の価値、善悪、優劣についての批評や論議などは、意見ないし論評の表明に属するというべきである(最高裁平成15年(受)第1793号、第1794号同16年7月15日第一小法廷判決・民集58巻5号1615頁参照)。」⑶ 原判決33頁5行目冒頭の「⑴」を「⑵」に、同頁26行目の「最高裁」から34頁1行目の「参照」までを「前掲最高裁昭和31年7月20日第二小法廷判決参照」にそれぞれ改め、同頁2行目の「検討するに、」の 原判決33頁5行目冒頭の「⑴」を「⑵」に、同頁26行目の「最高裁」から34頁1行目の「参照」までを「前掲最高裁昭和31年7月20日第二小法廷判決参照」にそれぞれ改め、同頁2行目の「検討するに、」の次に「精神疾患の状態や程度等は様々であり、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、」を、同行の「のみで、」の次に「必ずしも」をそれぞれ加え、同頁3行目の「とはいえない」を「とはいい難い」に、同頁6行目の「ともいえない」を「とまでは認め難い」にそれぞれ改める。 ⑷ 原判決34頁9行目冒頭の「⑵」を「⑶」に改め、同頁20行目の「名誉毀損とでは、」の次に「前記⑴のとおり、」を、同頁25行目の「に当たっては、」の次に「前記⑴のとおり、」をそれぞれ加え、35頁6行目の「最高裁」から9行目の「参照」までを「前掲最高裁平成9年9月9日第三小法廷判決、前掲最高裁平成16年7月15日第一小法廷判決参照」に、同頁10行目の「全体を見ても」を「の文言に照らしても、「E氏は自由恋愛と勘違い。」などと、Eが別件訴訟等において主張しているとはおよそうかがわれない事実を記載しており、」にそれぞれ改め、36頁8行目の「との表現は、」の次に- 14 - 「前後の一連の文脈等に照らし、」を、同頁9行目の「意味する」の次に「ものと解される」をそれぞれ加える。 ⑸ 原判決36頁13行目冒頭の「⑶」を「⑷」に改め、37頁1行目の「(以下「認定事実」という。)」を削り、同頁24行目の「前記⑵の判断基準」を「事実の摘示と意見ないし論評との区別について前記⑴において説示したところ」に、同頁25行目から26行目にかけての「とはいえないのであって」を「と直ちにいえるものではなく」にそれぞれ改める。 ⑹ 原判決38頁10行目冒頭の「⑷」を「⑸」に、同頁12行目及び21行 ころ」に、同頁25行目から26行目にかけての「とはいえないのであって」を「と直ちにいえるものではなく」にそれぞれ改める。 ⑹ 原判決38頁10行目冒頭の「⑷」を「⑸」に、同頁12行目及び21行目の各「前記⑶」をいずれも「前記⑷」にそれぞれ改め、同頁25行目の「読み方によれば、」の次に「本件ツイート4に添付された他のイラスト(本件イラスト4-1、4-3及び4-4)にも照らし、」を加え、39頁15行目の「しかし」を「しかしながら、本件イラスト4-2は、本件イラスト4-1等とともに本件ツイート4に添付されたものであり、本件イラスト4-1は前示のとおり被控訴人が枕営業を行ったことを摘示するものであった上」に、同頁18行目の「、虚偽の事実を」から同行の「であること」までを「「事実を書いたら売れないでしょ?だから私はコレを書きました」と述べている姿が描かれていること」にそれぞれ改め、同頁19行目の「に照らせば、」の次に「一般の読者は、その普通の注意と読み方によれば、」を加え、同頁20行目から21行目にかけての「原告について論じていると」を「被控訴人が本件著書において本件性被害につき虚偽の事実を記載したものと」に改める。 ⑺ 原判決40頁9行目の「前記⑶」を「前記⑷」に改め、41頁3行目の「しかし、」の次に「①」を加え、同頁5行目の「読者に対して一般的な見解を示す」を「②控訴人Aの意見ないし論評の表明であると解され得るような」に、同頁6行目の「ことなどに照らせば」から7行目の「自然であり」までを「こと、③本件イラスト4-3とともに本件ツイート4に添付された- 15 - 本件イラスト4-1、4-2及び4-4の内容を含めた前後の一連の文脈等に照らせば、一般の読者が普通の注意と読み方において控訴人Aの主張するような意味に受け止めるとは に添付された- 15 - 本件イラスト4-1、4-2及び4-4の内容を含めた前後の一連の文脈等に照らせば、一般の読者が普通の注意と読み方において控訴人Aの主張するような意味に受け止めるとはにわかに考え難く」にそれぞれ改める。 ⑻ 原判決41頁18行目の「前記⑶」を「前記⑷」に、同頁25行目の「同イラストの」を「BBCを模したロゴのテレビ局のカメラマンが」に、同頁26行目の「との表現」を「と記載されたクラッパーボード(カチンコ)を手にした姿が描かれていること」にそれぞれ改め、同行の「考慮すると、」の次に「同イラストとともに本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1ないし4-3の内容及び前後の一連の文脈等に照らし、」を、42頁5行目の「によって」の次に「性被害を受けた等の」をそれぞれ加える。 ⑼ 原判決42頁12行目冒頭の「⑸」を「⑹」に、同頁15行目の「前記⑷」を「前記⑸」に、同頁17行目から18行目にかけての「前記⑶」を「前記⑷」に、43頁11行目の「認められるのであるから」を「認められ、本件イラスト5-1を含む本件ツイート5において、裁判における裁判官の判断について批判又は意見を述べる内容と解され得るような文言は特に見受けられないから」にそれぞれ改める。 ⑽ 原判決43頁20行目冒頭に「」を加え、同頁24行目の「⑵及び⑶」を「⑶及び⑷」に、同頁26行目の「別件判決がなされるなどしており」を「本件会見が行われ、別件訴訟が提起され、本件著書の出版及び本件ドキュメンタリーの放送やEの寄稿もされるなどしており(前提事実⑵アないしカ)」にそれぞれ改め、44頁3行目の「と認められ、」の次に「当該事実が公共の利害に関わる程度は上記の経緯等を踏まえて高いものとなっていること等に照らし、」を加え、同頁4行目末尾の次に改行し ないしカ)」にそれぞれ改め、44頁3行目の「と認められ、」の次に「当該事実が公共の利害に関わる程度は上記の経緯等を踏まえて高いものとなっていること等に照らし、」を加え、同頁4行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「この点につき、被控訴人は、当審において、摘示事実の公共性が認められれば直ちに公益目的が認められるものではなく、控訴人Aは、本件処分、本件議決及び別件判決の内容の検討や摘示事実の根拠の調査を行- 16 - っておらず、本件各ツイート以外にも被控訴人に対する誹謗中傷を執拗に繰り返しており、本件各ツイートの表現は著しく侮蔑的であるから、本件ツイート2及び3に公益目的がないことは明らかである旨を主張するが、被控訴人の指摘に係る上記の各事情は、後記イの真実相当性の有無及び後記4⑵の被控訴人の精神的損害の程度に関する被控訴人の主張を基礎付ける事情として考慮の対象となる一方で、本件ツイート2及び3の摘示事実は、いずれもジャーナリストで別件訴訟の当事者として係争中の被控訴人とEの間の本件性被害の存否等に関するものであり、それ自体は個人間の問題であるものの、本件会見や本件著書の出版及び本件ドキュメンタリーの放送等を通じて広く知られるところとなって社会の耳目を集め、公共の利害に関わる程度は上記の経緯等を踏まえて高いものとなっていること等に照らすと、表現等の当否は措くとしても、上記の各事情をもって直ちに、本件性被害の存否等について両名の一方を支持する立場からのツイートをすること自体の目的の公益性が否定されるものとまでは認め難いものといわざるを得ず、また、被控訴人と面識がなく(弁論の全趣旨)従来から漫画家として活動している控訴人Aの本件各ツイート以外の投稿の内容やインターネット上の番組での言動等(認定事実⑴エないしセ) ものといわざるを得ず、また、被控訴人と面識がなく(弁論の全趣旨)従来から漫画家として活動している控訴人Aの本件各ツイート以外の投稿の内容やインターネット上の番組での言動等(認定事実⑴エないしセ)をもって直ちに、本件ツイート2及び3自体の目的の公益性が否定されるものとも認め難いことに鑑みると、被控訴人の上記主張をしんしゃくしても、本件ツイート2及び3の目的の公益性に関する上記の判断が左右されるものとはいい難い。」⑾ 原判決44頁14行目の「原告及びEは」から19行目の「鑑みれば」までを「Eは、本件性被害の事実を否認し、被控訴人との性的関係は合意に基づくものであったと主張しているが、Eは、被控訴人が本件性被害の加害者であるとして提起した別件訴訟の相手方当事者であった上、Eも、就職をあっせんする見返りに(枕営業として)被控訴人と性的関係を持ったとは主張- 17 - しておらず(甲1)、本件ツイート2及び3を投稿した当時、別件訴訟の第1審において本件性被害の存否等を争点とする審理が行われており、控訴人Aにおいて、本件性被害の存否等について独自に調査や検討をした形跡もないことに鑑みれば」に、同頁26行目の「⑷及び⑸」を「⑸及び⑹」にそれぞれ改め、45頁3行目の「認められ、」の次に「当該事実が公共に関わる程度は前示の経緯等を踏まえて高いものとなっていること等に照らし、」を、同行の「認められる」の次に「(同各ツイートの目的の公益性について、当審における被控訴人の主張をしんしゃくしても上記の判断が左右されないことは、前記⑴アにおいて本件ツイート2及び3について説示したところと同様である。)」をそれぞれ加え、同頁6行目の「原告の主張内容を認めた」を「被控訴人の主張する本件性被害の事実を認定した」に、同行の「出ていた」を「言い渡され イート2及び3について説示したところと同様である。)」をそれぞれ加え、同頁6行目の「原告の主張内容を認めた」を「被控訴人の主張する本件性被害の事実を認定した」に、同行の「出ていた」を「言い渡されていた」にそれぞれ改める。 ⑿ 原判決45頁15行目の「その大半が同様のものであり」を「いずれも、被控訴人が、就職をあっせんしてもらう見返りを得るため(枕営業として)、合意の上でEと性的関係を持ったにもかかわらず、上記の見返りが得られず、虚偽の性被害を訴えているとする点で共通しており」に、同頁17行目の「その大半が同様のものであること」を「基本的に同様のものであり、本件ツイート2ないし5の各投稿は控訴人Aによる一連の投稿とみるのが相当といえるものであって、被侵害利益も共通していること」にそれぞれ改め、同頁20行目から26行目までを次のとおり改める。 「⑵ そして、控訴人Aは、被控訴人が主張する本件性被害は虚偽であり、就職をあっせんしてもらうための枕営業であったが、これが失敗したため、虚偽の性被害を訴えるに至った旨の事実を摘示したツイート(本件ツイート2ないし5)の投稿をイラストも交えて繰り返しており、事柄の性質上、これらの内容は、被控訴人の社会的評価に与える影響が大きく、被控訴人の名誉権及び名誉感情を著しく侵害し、被控訴人に多大な- 18 - 精神的苦痛を与えるものというべきであるところ、控訴人Aは、本件性被害を認定した別件判決が言い渡された後も更に本件ツイート4及び5を投稿していること、上記の摘示事実の内容に加えて、①本件ツイート2に記載された「「ねぇ~Eさぁん…ジャーナリストになりたいのぉ~。就職斡旋してぇん」と、…枕営業を仕掛けるも…」との表現、②本件ツイート3及び4に添付された本件イラスト3-1及び4-1に記載さ ト2に記載された「「ねぇ~Eさぁん…ジャーナリストになりたいのぉ~。就職斡旋してぇん」と、…枕営業を仕掛けるも…」との表現、②本件ツイート3及び4に添付された本件イラスト3-1及び4-1に記載された「枕営業大失敗!!」との表現並びに本件ツイート4に記載された「E(E´)F´~オシリちゃんシリーズ」との表現、③本件ツイート4に添付された各イラストのうち、本件イラスト4-2に記載された「そうだデッチあげよう!」との表現、本件イラスト4-3に記載された「証拠は…私の身体が憶えている!」及び「枕売って泣くボロい商売ニダ!」との表現、本件イラスト4-4に記載された「不思議の国のオシリ」との表現、④本件ツイート5に添付された本件イラスト5-1に記載された「お!尻勝訴ー!!」との表現等を含む本件ツイート2ないし5及びこれらに添付された本件各イラストの表現は、本件性被害を主張し別件訴訟でその存在を認定する判決も得た被控訴人を殊更に揶揄し侮蔑するものであり、被控訴人の名誉感情を更に著しく侵害するものといえること、本件ツイート2については1013人が、本件ツイート3については2358人が、本件ツイート4については2517人が、本件ツイート5については1971人がリツイートするなど、本件ツイート2ないし5は相当多数の読者に閲覧されて拡散していること(原判決別紙2、3、4及び5)、ツイッター社は、控訴人Aに対し本件ツイート4の削除を求め、同社の規約違反を理由にこれを削除したこと(前提事実⑷ア、甲30の1)など本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると、被控訴人が被った精神的苦痛に対する慰謝料の額は100万円と認めるのが相当である。」- 19 - ⒀ 原判決46頁1行目の「委任しているところ、」の次に「本件事案の内容等に鑑みると、」を加え、 が被った精神的苦痛に対する慰謝料の額は100万円と認めるのが相当である。」- 19 - ⒀ 原判決46頁1行目の「委任しているところ、」の次に「本件事案の内容等に鑑みると、」を加え、同頁2行目の「8万円」を「10万円」に改める。 ⒁ 原判決49頁15行目冒頭の「8」を「5」に、同頁19行目の「前記2⑷」を「前記2⑸」にそれぞれ改め、50頁12行目から17行目までを次のとおり改める。 「 しかしながら、控訴人Bがリツイートをした本件ツイート4には、「風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体は関係がありません。故に今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません。」と記載されており、これに添付された本件イラスト4-1ないし4-4の内容に照らしても、本件ツイート4が別件訴訟におけるEの主張を情報の提供として記載したものであるとは認められないものというべきであり、また、本件イラスト4-1には「枕営業大失敗!!」等と記載されていることに関しても、前記3⑴イのとおり、Eも、別件訴訟等において、就職をあっせんする見返りに(枕営業として)被控訴人と性的関係を持ったとは主張していないから、これをもって控訴人BリツイートがEの主張内容をフォロワーに提供するものであるとは認められない。」⒂ 原判決50頁22行目の「漫画ネタの一つとして」を「本件イラスト4-1ないし4-4が添付された本件ツイート4を漫画ネタの一つと捉えて」に改め、同頁24行目から51頁4行目までを次のとおり改める。 「 しかしながら、控訴人Bは、令和元年12月18日に「反日左翼の仲間であるFが、保守論客のE氏を社会的に貶めようとする十分な動機があると思います。」などと記載して投稿されたツイートや、令和2年2月12日に「枕営業のキャバ嬢も、みんなジャー 18日に「反日左翼の仲間であるFが、保守論客のE氏を社会的に貶めようとする十分な動機があると思います。」などと記載して投稿されたツイートや、令和2年2月12日に「枕営業のキャバ嬢も、みんなジャーナリストになれました。」などと記載して投稿されたツイートにつき、それぞれリツイートを行っていること等(認定事実⑵イ及びウ)に照らすと、控訴人Bリツイートが控訴人Aへの賛同の趣旨を伴わない単なるフォロワーへの情報提供として行われ- 20 - たものと解することはできず、かえって、上記のような投稿をしている控訴人Bのフォロワーであれば、控訴人Aへの賛同の趣旨のリツイートと理解するであろうことは控訴人Bも容易に認識することができたものと認められるところ、控訴人Bは、仮に異なる趣旨のリツイートであれば、フォロワーがそれを理解できるように、リツイートをする際にその旨のコメントを付すことは十分に可能であったにもかかわらず、特にコメントを付していないことにも鑑みると、控訴人Bが本件ツイート4を単なる漫画ネタの一つとして捉えてリツイートしたものとは認められない。 したがって、控訴人Bの上記主張は採用することができない。」⒃ 原判決51頁5行目冒頭の「9」を「6」に改め、同頁12行目から14行目までを次のとおり改める。 「 しかしながら、控訴人Bがリツイートした本件ツイート4において摘示された事実の重要な部分、すなわち、本件性被害が存在しないこと(Eとの性的関係が被控訴人との合意に基づくこと)が真実であること又は控訴人Bが上記事実を真実と信じるにつき相当な理由があることの立証はされていない以上、控訴人Bのリツイートの違法性が阻却されるものではない。」⒄ 原判決51頁17行目冒頭の「10」を「7」に、同頁19行目の「原告の」から20行目の 相当な理由があることの立証はされていない以上、控訴人Bのリツイートの違法性が阻却されるものではない。」⒄ 原判決51頁17行目冒頭の「10」を「7」に、同頁19行目の「原告の」から20行目の「ではないこと」までを「前記4⑵のとおり、本件ツイート2及び3と同様に、被控訴人の社会的評価に与える影響が大きく、被控訴人の名誉権及び名誉感情を著しく侵害し、その表現も被控訴人の名誉感情を更に著しく侵害するものであり、また、本件性被害を認定した別件判決が言い渡された後、その言渡日の翌日にこれを踏まえて更に投稿されたものであった上、控訴人Bは、同判決の言渡し及びその報道がされてから約1か月後に、本件ツイート4が上記のような内容のものであること及びこれが更に拡散されることになることを認識しながら、殊更に同ツイートにつきリツイ- 21 - ート(控訴人Bリツイート)を行ったこと等」に、同頁22行目の「損害額」を「慰謝料の額」にそれぞれ改める。 2 当審における当事者の主張に対する判断⑴ 争点⑴ア(本件ツイート1)についてア被控訴人は、精神疾患にり患している人が不利益を被ることが多い社会の現実に鑑みると、精神疾患にり患していると摘示されれば、その社会的評価が下がることは明らかである旨を主張する。 イしかしながら、前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の2⑵イ)のとおり、精神疾患の状態や程度等は様々であり、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、精神疾患にり患しているという事実のみをもって、必ずしも当該人物の社会的評価が直ちに低下するとはいい難く、また、本件ツイート1は、その記載内容によれば、被控訴人が控訴人Aと同様の精神疾患(双極性障害)にり患していることを摘示するものと解されるところ、精神科医ではない控訴人Aが単 低下するとはいい難く、また、本件ツイート1は、その記載内容によれば、被控訴人が控訴人Aと同様の精神疾患(双極性障害)にり患していることを摘示するものと解されるところ、精神科医ではない控訴人Aが単に瞳孔の収縮状況から被控訴人についてそのように摘示しても、信頼に足りる診断と受け止められるものでもない上、控訴人Aの上記精神疾患の状態や程度等は明らかでなく、控訴人Aは、漫画家として活動するとともに、インターネット放送の番組に出演する(認定事実⑴ク)等の幅広い活動をしており、自らのツイッターのプロフィールに上記精神疾患にり患していることを記載していることにも照らすと、控訴人Aと同様の精神疾患にり患しているとの本件ツイート1の上記摘示をもって必ずしも被控訴人の社会的評価を直ちに低下させるものであるとまでは認め難い。 したがって、被控訴人の上記アの主張は採用することができない。 ⑵ 争点⑴ア(本件ツイート2ないし5)について控訴人Aは、本件性被害は、単なる準強姦の成否の問題ではなく、#MeeToo運動や従軍慰安婦問題等の政治的な問題の文脈で語られ、Eと- 22 - 被控訴人の各支援者が保守と革新に分かれるなど、思想的・政治的な対立に利用される問題となっており、本件性被害に関する表現の自由は強く保障されなければならない旨を主張する。 しかしながら、本件性被害の問題について被控訴人を支援する者とEを支援する者が政治的・思想的な立場を異にする傾向があるとしても、本件性被害の存否(性行為に係る同意の有無及び被控訴人の告訴等の真否)自体は被控訴人の名誉権及び名誉感情の侵害の有無に関わる客観的な事実の存否に係る問題であって政治的・思想的な問題とはいえず、客観的にみて、本件性被害の存否と#MeeToo運動の当否や従軍 等の真否)自体は被控訴人の名誉権及び名誉感情の侵害の有無に関わる客観的な事実の存否に係る問題であって政治的・思想的な問題とはいえず、客観的にみて、本件性被害の存否と#MeeToo運動の当否や従軍慰安婦問題等が直接の関連を有するものとはいえず、本件性被害をめぐる上記のような背景と表現の自由の重要性をしんしゃくしても、本件ツイート2ないし5に係る不法行為の成否に関する前示の判断が左右されるものとは解されない。 ⑶ 争点⑴ア(本件ツイート2)についてア控訴人Aは、①本件ツイート2は、控訴人Aの見解や理解を示したものであるから、意見ないし論評である、②既に報道されているEの主張を分かりやすく述べたものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない、③「枕営業」及び「レイプ被害者」との表現も、社会通念上許容される限度を超えた侮辱行為ではない旨を主張する。 イしかしながら、上記ア①につき、ツイートの文末に「と理解」と付したからといって、直ちにツイートの内容が意見の表明をしたものと解するのは相当でない上、前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の2⑶)のとおり、一般の読者の普通の注意と読み方によれば、本件ツイート2の内容は、ジャーナリストになることを志す被控訴人が、Eに対して就職をあっせんしてもらうために枕営業を行ったものの、Eから就職をあっせんしてもらえなかったことを理由に、枕営業から2年後、その枕営業をEによるレイプであったと主張しているという事実を摘示する- 23 - ものと認めるのが相当であり、控訴人Aの意見ないし論評の表明に当たるといえるものではない。 また、上記ア②につき、本件全証拠によっても、Eが別件訴訟等において被控訴人との性行為の経緯につき「枕営業」、「自由恋愛と勘違いした の意見ないし論評の表明に当たるといえるものではない。 また、上記ア②につき、本件全証拠によっても、Eが別件訴訟等において被控訴人との性行為の経緯につき「枕営業」、「自由恋愛と勘違いした」などと主張しているとは認められないから(甲1、弁論の全趣旨)、本件ツイート2がEの主張内容を分かりやすく説明したものであるとも認められない。 そして、上記ア③につき、「枕営業」とは、一般に、仕事のあっせん等を得ることの見返りとして(いわば営業活動として)相手方と性的関係を持つことを意味するものと解され、また、「レイプ被害者」との表現は、本件ツイート2における「枕営業」を含む前後の一連の文脈等に照らし、上記の意味の「枕営業」に失敗して仕事のあっせんの見返りを得られなかった被控訴人がその2年後に準強姦の被害者を詐称しているとの意味において用いられたものと解されるから、本件性被害を訴えていた被控訴人にとって、これらの表現を用いた本件ツイート2は社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認めるのが相当である。 ウしたがって、控訴人Aの上記アの主張は、本件ツイート2に係る不法行為の成否に関する前示の認定判断を左右するに足りるものではない。 ⑷ 争点⑴ア(本件ツイート3)についてア控訴人Aは、①本件イラスト3-1の女性は、イラストであり抽象化された絵であるから、容易に被控訴人と同定できるものではない、②本件イラスト3-1は風刺画であるから、一般的な読み方からすれば、控訴人Aの意見ないし論評として読まれるものである旨を主張する。 イしかしながら、上記ア①につき、本件イラスト3-1の女性の服には「E」の名札があり、これは被控訴人が本件性被害を受けたと主張して別件訴訟を提起するなどした相手方の姓を記載した 張する。 イしかしながら、上記ア①につき、本件イラスト3-1の女性の服には「E」の名札があり、これは被控訴人が本件性被害を受けたと主張して別件訴訟を提起するなどした相手方の姓を記載したものであった上、同- 24 - イラストには「私ジャーナリストになりたいの!」、「試しに大物記者と寝てみたわ」と記載されており、平成27年当時、被控訴人はジャーナリストを目指しており、Eはテレビ局のワシントン支局長であったことに加え、本件イラスト3-1が添付された本件ツイート3が投稿されたのは平成30年2月23日であるところ、被控訴人は、平成29年5月29日に本件会見において実名と顔を明らかにした上でEによる本件性被害を訴え、同年9月28日にEを被告として別件訴訟を提起し、同年10月20日に本件性被害を記載した本件著書を出版し、同月24日に外国人特派員協会での記者会見に、同年12月6日に国会議員との意見交換会にそれぞれ出席して本件性被害及び別件訴訟の提起に係る経緯等を説明した(前提事実⑵ウないしオ)といった一連の経緯に照らすと、控訴人Aが本件ツイート3を投稿した当時、被控訴人が本件性被害を主張してEと係争中であることは被控訴人の実名と顔を含めて広く一般に認識されていたものと認められ、本件ツイート3にも上記のイラストの女性につき「顔にこだわった!顔に!!」、「まぁ、だいだいこんな感じじゃね?」と記載されており、公表されている被控訴人の顔写真(甲2、52の1)との近似性も認められることや、控訴人Aは、出演したインターネット放送の番組において、本件イラスト3-1の女性が被控訴人であることを示した上で、他の出演者とのやり取りを行っていたこと(甲44)等にも照らすと、本件イラスト3-1の女性は被控訴人と同定できるものというべきである。 て、本件イラスト3-1の女性が被控訴人であることを示した上で、他の出演者とのやり取りを行っていたこと(甲44)等にも照らすと、本件イラスト3-1の女性は被控訴人と同定できるものというべきである。 また、上記ア②につき、本件イラスト3-1が風刺画であるとしても、一般に、風刺画は、特定の人物や事実を念頭に置いて、その特徴等を捉え、これを想起させるように描かれるものといえるから、風刺画であることをもって、直ちに事実を摘示するものであることが否定されるものではなく、また、本件イラスト3-1に記載された文章において、控訴- 25 - 人Aの意見ないし論評を表明したものと解され得るような文言はなく、前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の2⑷)のとおり、本件ツイート3は、ジャーナリストになることを志す被控訴人が、大物記者であるEに対して就職をあっせんしてもらうために枕営業を行ったものの,同人から就職をあっせんしてもらえなかったことを理由に,枕営業から2年後,Eとの同意の下での性交渉をEによるレイプであったと主張しているという事実を摘示するものと認めるのが相当であり、これをもって控訴人Aの意見ないし論評の表明であるとは認められない。 ウしたがって、控訴人Aの上記アの主張は、本件ツイート3に係る不法行為の成否に関する前示の認定判断を左右するに足りるものではない。 ⑸ 争点⑴ア(本件ツイート4)についてア控訴人Aは、①本件イラスト4-1ないし4-4の各女性は、被控訴人と同定できるものではない、②一般の読者の普通の注意と読み方をすれば、受け取る情報の全てを鵜呑みにせず、情報は自分自身で精査しなければならないとの主張として受け取られるものであり、風刺画であるから、意見ないし論評であり、被控訴人の社会的評価を 注意と読み方をすれば、受け取る情報の全てを鵜呑みにせず、情報は自分自身で精査しなければならないとの主張として受け取られるものであり、風刺画であるから、意見ないし論評であり、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない、③本件イラスト4-3は、#MeeToo運動や従軍慰安婦運動を主題とするものであり、何年も経ってから被害を言い出すのは不審であるとの主張であると受け取られるものであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない、④本件イラスト4-4は、「不思議の国のアリス」を発想の元としたものであり、本件性被害とは何の関係もなく、#MeeToo運動や従軍慰安婦運動を主題とするものであり、発信される情報を鵜呑みにすることなく自分自身で情報を精査してほしいとの主張と受け取られるものである旨を主張する。 イしかしながら、上記ア①につき、本件イラスト3-1の女性と本件イラスト4-1ないし4-4の女性は同一人物であると認められるところ- 26 - (前提事実⑶オ)、上記⑷イのとおり、本件イラスト3-1の女性は被控訴人と同定されるものであり、本件イラスト4-1ないし4-4は本件ツイート4において並べて添付されていること、本件ツイート4には、「E(E´)F´」と、E及び被控訴人の名前を連想される人名が記載されていることに加え、前記⑷イないしの諸事情によれば、本件イラスト4-1ないし4-4の各女性も被控訴人と同定することができるものと認められる。 次に、上記ア②につき、本件ツイート4には「「E(E´)F´~オシリちゃんシリーズ(計5作品)」の風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません。故に今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません。」と記載されているが、本件イラスト4 シリーズ(計5作品)」の風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません。故に今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません。」と記載されているが、本件イラスト4-1ないし4-4を含む前後の一連の文脈等に加え、本件ツイート4の投稿当時、既に本件会見が行われ、別件訴訟が提起されていたこと等を踏まえると、一般の読者の普通の注意と読み方によれば、本件ツイート4について単に一般論として受け取る情報の全てを鵜呑みにせず情報は自分自身で精査しなければならないとの主張として受け取られるものとは解されず、また、前示のとおり、風刺画であることをもって直ちに意見ないし論評の表明と解されるものではない。 また、上記ア③につき、本件イラスト4-3は、その内容に照らし、#MeeToo運動を対象とするものとは認められず、従軍慰安婦問題に関連する書籍及びその作者を取り上げているが、これは当該書籍が虚偽の内容を含むものであって本件著書も同様であることを示す意図で描かれたものと解され、また、同イラストとともに本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1、4-2及び4-4の内容にも照らすと、一般の読者の普通の注意と読み方によれば、被控訴人が、本件性被害が存在しないにもかかわらず、これが存在するかのようにテレビ局の取材等で- 27 - 述べている事実を摘示するものと認められ、これをもって控訴人Aの意見ないし論評の表明であるとは認められない。 そして、上記ア④につき、本件イラスト4-4における「不思議の国のオシリ」との記載は、「不思議の国のアリス」を被控訴人の名前が連想される形に模したものと解され、同イラストとともに本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1ないし4-3の内容及び前後の一連の文脈等にも照らす 記載は、「不思議の国のアリス」を被控訴人の名前が連想される形に模したものと解され、同イラストとともに本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1ないし4-3の内容及び前後の一連の文脈等にも照らすと、本件イラスト4-4が本件性被害に関するものであることは明らかであり、また、本件イラスト4-4は、その内容に照らし、#MeeToo運動や従軍慰安婦問題を対象とするものとは認められない。 ウしたがって、控訴人Aの上記アの主張は、本件ツイート4に係る不法行為の成否に関する前示の認定判断を左右するに足りるものではない。 ⑹ 争点⑴ア(本件ツイート5)についてア控訴人Aは、①本件イラスト5-1の女性は被控訴人であると同定できるものではない、②本件イラスト5-1の内容は、一般読者の普通の注意と読み方をすれば、裁判官は世間の意見や風潮、裁判官個人の感傷を判決に反映すべきでなく、法と証拠に基づいた公平な判断をすべきことを主題とするものである旨を主張する。 イしかしながら、上記ア①につき、本件イラスト3-1(同4-1)及び本件イラスト4-2ないし4-4の各女性が同一人物であり(前提事実⑶オ)、これらの各女性は被控訴人であると認められるところ、これらの各女性と本件イラスト5-1の女性は酷似している上、本件ツイート5が投稿されたのは、本件著書の出版及び別件訴訟の提起等を経て別件判決が言い渡されて報道された日の3日後(前提事実⑵ク及び⑶カ)であり、同判決においては、本件性被害が認定され、被控訴人の請求が一部認容されたところ、本件イラスト5-1も、「そうだお!尻勝訴ー!!」- 28 - などと、被控訴人の名前を連想させる形で勝訴判決を得たことを内容とするものであることなどに照らすと、本件イラスト5-1の女性は被控訴人と同定 -1も、「そうだお!尻勝訴ー!!」- 28 - などと、被控訴人の名前を連想させる形で勝訴判決を得たことを内容とするものであることなどに照らすと、本件イラスト5-1の女性は被控訴人と同定することができるものといえる。 また、上記ア②につき、本件イラスト5-1には、上記のとおり被控訴人の名前も連想させる形で勝訴判決を得たことを内容とする「そうだお!尻勝訴ー!!」と記載されていたほか、「裁判なんて簡単よ!マスコミ・メディア人権擁護団体…カメラの前で泣いてみせて裁判官に見せればいい」などと記載され、BBCを模したロゴのテレビ局のカメラマン等が当該女性に対し「Good acting!!」と述べている姿が描かれていることに照らすと、本件イラスト5-1は、一般の読者の普通の注意と読み方に照らし、被控訴人が真実に反して性被害を受けた女性であるかのように演じて勝訴判決を得たことを摘示するものであると解され、裁判官が公平な裁判をすべき旨の主張を述べたものと解され得るような文言は含まれていないから、控訴人Aの意見ないし論評の表明に当たるものとはいえない。 ウしたがって、控訴人Aの上記アの主張は、本件ツイート5に係る不法行為の成否に関する前示の認定判断を左右するに足りるものではない。 ⑺ 争点⑴イ(違法性阻却事由の有無)についてア控訴人Aは、Eは不起訴処分となり、検察審査会も不起訴相当としていた上、Eは反訴を提起して合意のない性行為であったことを強く否定しており、本件著書の内容と客観的状況や別件訴訟での被控訴人の態度との間にそごがあることなどから、控訴人Aが本件ツイート2ないし5の摘示する内容が真実であると信じることについて相当の理由があった旨を主張する。 イしかしながら、本件ツイート2ないし5は、被 度との間にそごがあることなどから、控訴人Aが本件ツイート2ないし5の摘示する内容が真実であると信じることについて相当の理由があった旨を主張する。 イしかしながら、本件ツイート2ないし5は、被控訴人が、Eに就職をあっせんしてもらうために合意の上で枕営業を行ったものの、Eから就職を- 29 - あっせんしてもらえなかったため、その2年後になってEによるレイプであったと虚偽の主張をしているとの事実を摘示するものであるところ、①本件ツイート4及び5は、本件性被害の事実が認定された別件判決が言い渡されて報道された後に投稿されたものであることから、同判決の内容等(後記②の経緯に係る事情を含む。)に照らし、その摘示事実が真実であると信じるについて相当の理由があったとは認められないものというべきであり、また、②本件ツイート2及び3については、本件処分及び本件議決がされた後、別件判決の言渡し前に投稿されたものではあるが、⒜本件処分及び本件議決は、その理由が明確にされたものではなく、本件性被害の不存在を認めるに足りる事実とまではいえない上、被控訴人は、本件性被害があった当時は酩酊状態にあり(甲1)、本件性被害があったとする日から1か月も経過していない平成27年4月30日に本件性被害に係る告訴状を高輪警察署に提出しており、Eから被控訴人に対する示談の申入れを経て、本件処分後も、検察審査会に対し審査を申し立て、顔と実名を明らかにして本件会見を行った上で、更に別件訴訟を提起し、本件著書の出版や本件ドキュメンタリーの放送等にも至っていること(前提事実⑵アないしカ、甲1)、⒝本件性被害の事実を否認しているEは別件訴訟の相手方当事者であった上、Eも就職をあっせんする見返りに被控訴人と性的関係を持ったとは主張しておらず(甲1)、本件性被害の存否について ないしカ、甲1)、⒝本件性被害の事実を否認しているEは別件訴訟の相手方当事者であった上、Eも就職をあっせんする見返りに被控訴人と性的関係を持ったとは主張しておらず(甲1)、本件性被害の存否については、別件訴訟の第1審において係争中であったところ、控訴人Aにおいて独自の調査や検討をした形跡もないこと等に照らすと、本件処分や本件議決の内容及びEの主張等の事情をしんしゃくしても、控訴人Aが本件ツイート2及び3を投稿した平成30年2月の当時、被控訴人とEとの性的関係が合意に基づくものであったと信じるについて相当の理由があったと認めることはできず、他にこれを基礎付けるに足りる事情や証拠はない(なお、本件著書の内容と客観的状況や別件訴訟での被控訴人の態度との間のそご- 30 - の有無については、具体的な主張立証はなく、上記の認定判断を左右し得るような矛盾等の存在をうかがわせる証拠はない。)。 したがって、控訴人Aの上記アの主張は採用することができない。 ⑻ 争点⑴ウ(損害額)についてア被控訴人は、本件各ツイートの各投稿は別個独立の不法行為であるから、各投稿による損害も別個独立のものとして評価すべきである旨を主張する。 しかしながら、本件ツイート2ないし5の各投稿がそれぞれ不法行為を構成するとしても、これらの投稿はいずれも、本件性被害に関して、被控訴人が、就職をあっせんしてもらう見返りを得るために(枕営業として)、合意の上でEと性的関係を持ったにもかかわらず、上記の見返りが得られず、虚偽の性被害を訴えているとする点で共通しており、控訴人Aによる一連の投稿とみるのが相当といえるものであって、被侵害利益も共通しており、本件ツイート3に添付された本件イラスト3-1は本件ツイート4に添付された本件イラスト とする点で共通しており、控訴人Aによる一連の投稿とみるのが相当といえるものであって、被侵害利益も共通しており、本件ツイート3に添付された本件イラスト3-1は本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1と同一であることや、被控訴人の請求に係る精神的損害をてん補する慰謝料の性質等の諸般の事情を総合考慮すると、本件においては、これらの一連の投稿によって被控訴人が受けた精神的損害を全体として一括して慰謝料の額を算定するのが相当であるというべきである。 イ控訴人Aは、インターネット上には、控訴人A以外にも、Eの主張を信じる見解が多く見受けられ、控訴人Aのフォロワーの大多数は控訴人Aに近い思想を持った者であるから、原審が認容した80万円は高額にすぎる旨を主張する。 しかしながら、本件性被害について、合意の上での枕営業が失敗したので虚偽の性被害を訴えているとの事実を摘示することは、本件ツイート2ないし5及びこれらに添付された本件各イラストの表現を含め、被控- 31 - 訴人の社会的評価に与える影響が大きい上、これによる被控訴人の名誉権及び名誉感情の侵害の程度が著しく、被控訴人が被った精神的苦痛の程度は多大なものというべきであり、また、インターネット上にEの主張を支持する投稿等が一定数見受けられるとしても、本件会見や本件著書の出版及び本件ドキュメンタリーの放送等を経て別件訴訟で係争中の当時の状況の下で、Eの主張を真実と信じるにつき相当の理由があったとは認められず、控訴人Aは、本件性被害の事実を認定した別件判決が言い渡された後も更に本件ツイート4及び5を投稿していることは、いずれも前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の3⑴イ及び⑵イ並びに4)のとおりであり、加えて、平成26年12月からツイッターを利用している控訴 更に本件ツイート4及び5を投稿していることは、いずれも前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の3⑴イ及び⑵イ並びに4)のとおりであり、加えて、平成26年12月からツイッターを利用している控訴人Aのツイッターのフォロワー数は、令和2年5月27日現在で約4万3000人の多数に上っており(前提事実⑴イ)、ツイッターの性質上、不特定多数人の閲覧による情報の拡散や流通を防ぐことはできず、閲読者が制限されるものではないこと、ツイッター社も、控訴人Aに対し本件ツイート4の削除を求め、規約違反を理由にこれを削除したこと等の諸事情に照らすと、慰謝料の額に関する控訴人Aの上記主張は採用することができない。 ⑼ 争点⑶ア及びイ(控訴人Bリツイート)についてア控訴人Bは、①控訴人Bリツイートにコメントを付さなかったのは、情報提供であったことによるものであり、控訴人Bのツイッターのフォロワーは歴史や漫画に興味を持つ人で、被控訴人に関して関心を持つ人ではない、②引用元の本件ツイート4には「風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません。」との記載があり、「枕営業」とは「ビジネスに夜の飲食を持ち込んでいること」を非難するものであり、「大失敗」とは「飲み過ぎて酩酊してしまいビジネスの目的を達せられなかったこと」を非難するものであって、正当な非難・批判であり、夜の飲- 32 - 食を伴いながらビジネスに役立てようとしたことを正当に論評していたのであるから、被控訴人の社会的評価を低下させるものではない、③本件ツイート4については、別件訴訟の控訴審判決において被控訴人のEへの損害賠償が命じられているから、真実性の証明があったものといえ、少なくとも真実性を基礎付ける相当の資料があった旨を主張する。 イしかしながら、上記ア① 訴訟の控訴審判決において被控訴人のEへの損害賠償が命じられているから、真実性の証明があったものといえ、少なくとも真実性を基礎付ける相当の資料があった旨を主張する。 イしかしながら、上記ア①につき、前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の5)のとおり、控訴人Bは、令和元年12月18日に「反日左翼の仲間であるFが、保守論客のE氏を社会的に貶めようとする十分な動機があると思います。」などと記載して投稿されたツイートや、令和2年2月12日に「枕営業のキャバ嬢も、みんなジャーナリストになれました。」などと記載して投稿されたツイートにつき、それぞれリツイートを行っていることに照らすと、控訴人Bリツイートが控訴人Aへの賛同の趣旨を伴わない単なるフォロワーへの情報提供として行われたものと解することはできず、仮に専ら情報提供の趣旨でリツイートをするのであればその旨のコメントを付すことは十分に可能であったにもかかわらず、特にコメントを付していない以上、閲読者において、控訴人Bが引用元の本件ツイート4に賛同したものと解するのは自然なことであり、また、ツイッターの性質上、不特定多数人の閲覧による情報の拡散や流通を防ぐことはできず、閲読者が制限されるものではなく、このことは、仮に控訴人Bのツイートのフォロワーの関心に一定の傾向があったとしても、同様である。 また、上記ア②につき、本件ツイート4中の「風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません。」との記載は、Eと被控訴人の名前を連想させる「E(E´)F´~オシリちゃんシリーズ(計5作品)」の風刺画」との文言に続けて記載され、「今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません。」という別件判決後も本件イラスト3-1及び4-1ないし4-4の各イラストを削除し 計5作品)」の風刺画」との文言に続けて記載され、「今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません。」という別件判決後も本件イラスト3-1及び4-1ないし4-4の各イラストを削除しない自身の- 33 - 対応を正当化する弁解として記載されているが、上記の各イラストが被控訴人を同定できる内容のものであることは前示のとおりであり、また、「枕営業」とは、一般に、仕事のあっせん等を得ることの見返りとして(いわば営業活動として)相手方と性的関係を持つことを意味するものと解され、控訴人Bが主張するように「ビジネスに夜の飲食を持ち込んでいること」を意味するものとは解されず、また、本件ツイート4に添付された本件イラスト4-1ないし4-4の内容等にも照らすと、「枕営業」の「大失敗」が「飲み過ぎて酩酊してしまいビジネスの目的を達せられなかったこと」を意味するものとも解されず、控訴人Bリツイートが単に夜の飲食を伴いながらビジネスに役立てようとしたことを非難・批判するものとは解されないから、控訴人Bリツイートについて正当な論評を表明するものであるとする控訴人Bの主張はその前提を欠くものである。 そして、上記ア③につき、別件訴訟の控訴審判決は、別件判決と同様に本件性被害(同意によらない性行為)の事実を認定した上で、Eがデートレイプドラッグを使用した事実までは認められないとしたものであり(前提事実⑵ケ)、上記の控訴審判決においてEがデートレイプドラッグを使用した事実が認められないからといって、被控訴人が本件性被害がなかったにもかかわらず枕営業が失敗したため本件性被害があったとの虚偽の主張をしているとの摘示事実について、真実性の証明があったとみる余地はなく、また、控訴人Bが摘示事実を真実と信じるにつき相当の理由があったということ 枕営業が失敗したため本件性被害があったとの虚偽の主張をしているとの摘示事実について、真実性の証明があったとみる余地はなく、また、控訴人Bが摘示事実を真実と信じるにつき相当の理由があったということもできない。 ウしたがって、控訴人Bの上記アの主張は控訴人Bリツイートに係る不法行為の成否に関する前示の認定判断を左右するに足りるものではない。 ⑽ 当審における控訴人ら及び被控訴人のその余の主張も、いずれも実質的に原審における主張と重複するもの又はその前提を異にするものであるなど、前記1(補正後の引用に係る原判決第3の1ないし7)及び上記⑴ないし⑼- 34 - の認定判断を左右するに足りるものとは認められない。 3 当審における追加請求に対する判断⑴ 控訴人Bリツイート2は、本件の原判決が言い渡された日の翌日に氏名不詳者が本件イラスト5-1を添付して投稿したツイート(本件元ツイート)に対し、控訴人Bが、コメントを付すことなく、「いいね」の押下とともにリツイートをしたものであり(前提事実⑸)、前記1(補正後の引用に係る原判決第3の2⑹)のとおり、本件元ツイートに添付された本件イラスト5-1は、被控訴人が、本件性被害の事実がないにもかかわらず、真実に反して本件性被害を受けた女性であるかのように演じて勝訴判決を得たことを摘示するものであり、被控訴人の社会的評価を低下させるとともに、社会通念上許容される限度を超えた侮辱行為としてその名誉感情を侵害するものであるところ、上記のような本件イラスト5-1が添付され、コメントも付されていない本件元ツイートにつき、コメントも付さずに、「いいね」の押下とともにされた控訴人Bリツイート2は、本件ツイート4について何らのコメントを付すことなくされた控訴人Bリツイート(前提事実⑶キ)や、その前後 元ツイートにつき、コメントも付さずに、「いいね」の押下とともにされた控訴人Bリツイート2は、本件ツイート4について何らのコメントを付すことなくされた控訴人Bリツイート(前提事実⑶キ)や、その前後における被控訴人がEと合意の上で性交渉をした旨の記載等を内容とする各ツイートに係る控訴人Bの複数のリツイートの投稿(認定事実⑵イ及びウ)に続けて行われた経緯も併せて考慮した上で、ツイッターを利用する一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件元ツイートに添付された本件イラスト5-1の内容に賛同する意思を示し、その内容を拡散し流通させるリツイートの投稿者自身の表現行為と解するのが相当であるから、控訴人Bリツイート2は、被控訴人の社会的評価を低下させ、その名誉感情を侵害するものと認めるのが相当である。 これに対し、控訴人Bは、控訴人Bリツイート2は現状の裁判(司法)を批判するものであるから、被控訴人の社会的信用を低下させ、名誉感情を侵害するものではない旨を主張するが、前示(前記1の補正後の引用に係る原- 35 - 判決第3の2⑹)のとおり、本件元ツイートに添付された本件イラスト5-1は、一般の読者の普通の注意と読み方に照らし、被控訴人が真実に反して性被害を受けた女性であるかのように演じて勝訴判決を得たことを摘示するものであると解され、裁判官が公平な裁判をすべき旨の主張を述べたものと解され得るような文言は含まれていないことに照らすと、控訴人Bリツイート2が現状の裁判(司法)を批判するものであるとは認められないから、控訴人Bの上記主張は、その前提を欠くものであり、採用することはできない。 ⑵ そして、控訴人Bリツイート2で引用された本件イラスト5-1の内容は、上記⑴のとおりであって、被控訴人の社会的評価に与える影響が大きく、被控訴 の前提を欠くものであり、採用することはできない。 ⑵ そして、控訴人Bリツイート2で引用された本件イラスト5-1の内容は、上記⑴のとおりであって、被控訴人の社会的評価に与える影響が大きく、被控訴人の名誉権及び名誉感情を著しく侵害するものというべきであることに加え、控訴人Bリツイート2は、本件イラスト5-1の内容が上記⑴のようなものであること及びこれが拡散されることになることを認識しながら、同イラスト及び控訴人Bリツイートについて名誉毀損及び名誉権の侵害による不法行為の成立を認めた本件の原判決の言渡しがあった後、その言渡日の翌日に投稿された本件元ツイートにつき殊更に投稿され、かつ、その投稿が「いいね」の押下とともにされたものであること(前提事実⑸)など、本件に現れた一切の事情を総合考慮すると、控訴人Bリツイート2により被控訴人が被った精神的苦痛に対する慰謝料の額については、前示(前記1の補正後の引用に係る原判決第3の7)の控訴人Bリツイートにより被控訴人が被った精神的苦痛に対する慰謝料の額と同様に、10万円と認めるのが相当であり、また、控訴人Bの当該不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用相当額は、1万円と認めるのが相当である。 なお、控訴人Bリツイート2は、氏名不詳者が令和3年12月1日午後11時6分頃に投稿したツイートに対しリツイートしたものであるところ、その日時は証拠上必ずしも明らかではないが、遅くとも甲第60号証の1ないし3(控訴人Bリツイート2等のスクリーンショット)の作成日である令和- 36 - 4年4月11日(同月13日提出の同日付け証拠説明書)にはリツイートがされていたものと認められるから、不法行為の日が起算日となる上記の慰謝料に対する遅延損害金の起算日は、令和4年4月11日と認めるのが相当である。 日提出の同日付け証拠説明書)にはリツイートがされていたものと認められるから、不法行為の日が起算日となる上記の慰謝料に対する遅延損害金の起算日は、令和4年4月11日と認めるのが相当である。 ⑶ 上記の損害賠償請求に加えて、被控訴人は、人格権に基づき、控訴人Bリツイート2の削除を求めているところ、被控訴人は、平成29年5月に本件会見を行い、同年10月に本件著書を出版するなどして、本件性被害があったことを公表しており、既に本件性被害の存在を認定した別件訴訟の第1審判決(別件判決)及び控訴審判決が言い渡されている上、本件元ツイートに引用された本件イラスト5-1は令和元年12月21日に投稿されたものであり、その後、被控訴人からその削除を求める請求がされた事実やこれが削除された事実を認めるに足りる証拠はなく、被控訴人の受けた被害は、上記⑴及び⑵の判断に基づき上記⑵の損害賠償を命ずることによって相当程度は回復されるものと解されることなどの諸事情に照らすと、現時点において、控訴人Bリツイート2の削除を認めなければ被控訴人が重大で回復の困難な損害を被るおそれがあるとまでは認められないから、控訴人Bに対し上記⑵の損害賠償に加えて更に控訴人Bリツイート2の削除を命ずる必要があるとまでは認め難いものといわざるを得ない。 ⑷ したがって、当審における被控訴人の追加請求のうち、損害賠償を求める請求は、損害金11万円(慰謝料10万円及び弁護士費用1万円)及びこれに対する令和4年4月11日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、控訴人Bリツイート2の削除を求める請求は理由がない。 4 結論以上によれば、⑴被控訴人の原審以来の請求(当審における審判の対象とされたもの)のうち、被控訴人の控訴人Aに対する損害賠 控訴人Bリツイート2の削除を求める請求は理由がない。 4 結論以上によれば、⑴被控訴人の原審以来の請求(当審における審判の対象とされたもの)のうち、被控訴人の控訴人Aに対する損害賠償請求は110万円- 37 - 及びこれに対する令和2年5月16日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、被控訴人の控訴人Bに対する損害賠償請求は11万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるから認容し、被控訴人のその余の請求はいずれも理由がないから棄却すべきであるところ、①本件各控訴はいずれも理由がないからこれらを棄却し、②原判決主文第1項のうち上記と異なる部分は相当でないから、本件附帯控訴に基づき、同項を本判決主文第2項のとおり変更し、⑵被控訴人の当審における追加請求は、控訴人Bに対し11万円及びこれに対する令和4年4月11日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余の追加請求はいずれも理由がないからこれらを棄却し、⑶その余の本件附帯控訴は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第16民事部 裁判長裁判官岩井伸晃 裁判官齊藤顕 裁判官園部直子 - 38 - 判決書の別紙1、別紙2、別紙3は、記載を省略。

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