【DRY-RUN】主 文 一 被告が昭和五四年(不)第五号不当労働行為救済申立事件について昭和五八年 八月一八日付でした命令中、主文第一項の役職手当部分を取消す。 二 被告が昭和五五年(不)第八号および同年(不)第
主文一被告が昭和五四年(不)第五号不当労働行為救済申立事件について昭和五八年八月一八日付でした命令中、主文第一項の役職手当部分を取消す。 二被告が昭和五五年(不)第八号および同年(不)第九号不当労働行為救済申立事件について昭和五八年八月一八日付でした命令中、主文第一項のa、b、cの職務職能給で四万八二〇〇円を超える部分、aを除くその余の者の職責手当部分および主文第二項のa、bの職務職能給で四万八二〇〇円を超える部分、aを除くその余の者の職責手当部分を取消す。 三原告のその余の請求を棄却する。 四訴訟費用はこれを一〇分し、その九を原告の、その余を被告の各負担とする。 事実第一当事者の申立一原告青地労委昭和五四年(不)第五号事件について被告が昭和五八年八月一八日付でした命令および青地労委昭和五五年(不)第八号および(不)第九号事件について被告が昭和五八年八月一八日付でした命令は、これをいずれも取消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 二被告原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 第二請求原因一参加人は被告に対し、原告を被申立人として不当労働行為救済の申立をしたところ、被告は昭和五八年八月一八日付で次の各命令を発し、これが昭和五八年九月九日原告に交付された。 1 昭和五四年(不)第五号の命令(以下「本件一の命令」という)(一) 被申立人は、昭和五三年度賃金改定について、昭和五三年四月一日にさかのぼり、申立人の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 氏名基本給(円) 役職手当(円)a 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇b 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇c 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇d 八七、〇〇〇二、〇〇〇e 八六、一〇〇f 八六、一〇〇g 八五、五〇〇h 役職手当(円)a 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇b 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇c 一〇九、〇〇〇二、〇〇〇d 八七、〇〇〇二、〇〇〇e 八六、一〇〇f 八六、一〇〇g 八五、五〇〇h 八五、五〇〇i 八五、五〇〇j 八五、五〇〇k 一〇〇、〇〇〇l 一〇〇、〇〇〇(二) 被申立人は、申立人の組合員に対し、前項の格付に基づき支給されるべき賃金及び諸手当の額とこれに対応する既に支給された賃金及び諸手当の額との差額を支払わなければならない。 (三) 被申立人は、前項の差額に対し、昭和五三年四月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わなければならない。 2 昭和五五年(不)第八号、(不)第九号の命令(以下「本件二の命令」という)(一) 被申立人は、昭和五四年度賃金改定について、昭和五四年六月一日にさかのぼり、申立人の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 <06605-001>(二) 被申立人は、昭和五五年度賃金改定について、昭和五五年六月一日にさかのぼり、申立人の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 <06605-002><06605-003>(三) 被申立人は、申立人の組合員に対し、前(二)項の格付に基づき支給されるべき賃金及び諸手当の額とこれに対応する既に支給された賃金及び諸手当の額との差額を支払わなければならない。 (四) 被申立人は、前項の差額に対し、(一)項の格付に係るものにあつては昭和五四年六月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、(二)項の格付に係るものにあつては昭和五五年六月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わねばならない。 二しかし、本件命令は違法であるから、その取消を求める。 第三請求原因に対す 係るものにあつては昭和五五年六月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わねばならない。 二しかし、本件命令は違法であるから、その取消を求める。 第三請求原因に対する被告の認否請求原因一の事実は認める。 第四本件命令の適法性についての被告の主張被告が認定した事実および判断は、本件一の命令については別紙昭和五四年(不)第五号命令書写、本件二の命令については昭和五五年(不)第八号、第九号命令書写の各理由「第1 認定した事実」、「第2 判断および法律上の根拠」記載のとおりである。被告によるこれらの事実認定および判断には何らの瑕疵もないから、本件各命令は適法である。 第五被告の主張(各命令書記載の認定事実、判断)に対する原告の認否一本件一の命令について「認定した事実」のうち、1の(1)(2)は認める。ただし、(2)のうちの結成時の組合員数は不知である。同3の(1)(2)は認める。同4のうち、(1)および(2)は認める。同4の(3)の別表2の氏名10欄の役職手当は否認し(この者に役職手当は支給していない)、その余は認めるが、抽出方法の妥当性を争う。同5の救済申立の日が昭和五四年七月一七日であることは認める。 「判断及び法律上の根拠」記載の事実のうち、1の(2)は認めるが、その余は争う。 二本件二の命令について「認定した事実」のうち、1の(1)(2)は認める。ただし(2)のうちの結成時の組合員数は不知である。3の(1)ないし(4)は認める。4の(1)は認める。4の(2)の各人の職務職能給の金額は認める。4の(3)の別表4のうち、氏名欄71は青森店長であつて臨時に弘前店を応援していたのだから同表に記載すべきでない。氏名23の年令給は五万九五〇〇円、職務職能給は七万二六〇〇円である、氏名30の職責手 の(3)の別表4のうち、氏名欄71は青森店長であつて臨時に弘前店を応援していたのだから同表に記載すべきでない。氏名23の年令給は五万九五〇〇円、職務職能給は七万二六〇〇円である、氏名30の職責手当は五〇〇〇円であり、この者は管理職たる人事係長だから同表に記載すべきでない。氏名Vと10の職責手当は三〇〇〇円である。氏名Wには職責手当は支給されていない。この別表4記載の者を抽出したことにつきその妥当性を争う。5の(1)と(2)は認める。5の(3)の別表6のうち、氏名欄71は前同様にこの表に記載すべきでない。氏名Iおよび72の職責手当は八〇〇〇円である。氏名30につき、職務職能給は七万五四〇〇円、年令給及び職務職能給の計は一三万七四〇〇円、職責手当は七〇〇〇円である。この者は人事係長より降格されたため等級MGでなく主任である。氏名28に職責手当は支給されていない。氏名Kの年令給は六万〇五〇〇円、年令給及び職務職能給の計は一〇万五五〇〇円である。別表6の抽出方法の合理性を争う。非組合員全員を比較の対象とすべきである。同6については不当労働行為であることを否認する。 「判断及び法律上の根拠」記載の事実のうち、1の(2)は認めるが、その余は争う。 第六原告の主張一本件各救済申立は除斥期間経過後の申立である。 (一) 本件一の命令が発せられる原因となつた救済申立は昭和五四年七月一七日になされた。これは昭和五三年度賃金改定による賃金に関する救済申立なのであるが、この賃金改定は、昭和五三年四月昇給昇格査定、同年六月昇給率公表、同年七月八日賃上げ協定締結という順序を経て原告は同年七月一五日に四月分に遡及して四月から六月までの差額を支給した。昭和五三年四月の給料支給日は同月二八日、同年七月の支給日は同月二七日であるが、四月に昇給査定を終つて同月二八日 いう順序を経て原告は同年七月一五日に四月分に遡及して四月から六月までの差額を支給した。昭和五三年四月の給料支給日は同月二八日、同年七月の支給日は同月二七日であるが、四月に昇給査定を終つて同月二八日に支給すべき昇給差額を七月一五日に支給したから、労働組合法二七条二項の「行為の日」は昭和五三年四月二八日である。そうでなくとも、同年七月一五日である。従つて昭和五四年七月一七日になした救済申立は除斥期間一年が経過した後の申立である。 (二) 本件二の命令が発せられる原因となつた救済申立は、昭和五四年度賃金改定における格差是正については昭和五五年七月二二日、昭和五五年度賃金改定における格差是正については昭和五五年一〇月二日になされた。このうち、昭和五四年度賃金改定は、昭和五四年四月昇給昇格査定、同年六月昇給率公表、同年七月一四日賃上げ協定締結、同月二六日差額賃金(四月ないし六月分)支給という経過で行われたから、除斥期間起算日は同年四月二八日であり、この年度分の格差是正を求める救済申立は除斥期間経過後の申立である。 二本件一の命令について(一) B賃金体系における基本給は、職務の種類および仕事の成果によつて決定されるものであつて、勤務年数のみによつて決まるものではない。 a(以下「a」という)は昭和五三年六月一日から昭和五六年二月一五日まで食料品部青果部に属し、青果の商品作業と陳列作業に従事する。 bは、昭和五三年一〇月二七日まで転勤拒否を目的とした指名ストをし、同年一〇月二八日から出勤したので、商品管理課に配属となり、到着商品検収係となつた。 c(以下「c」という)は、食品部精肉課において商品化した肉の包製および陳列の作業に従事していたが、昭和五四年一二月二三日依願退職した。 dは、昭和五三年六月一日より昭和五六年一月二〇日まで食品部チエ (以下「c」という)は、食品部精肉課において商品化した肉の包製および陳列の作業に従事していたが、昭和五四年一二月二三日依願退職した。 dは、昭和五三年六月一日より昭和五六年一月二〇日まで食品部チエツカー課のレジ係であり、その後は家庭雑貨部の玩具課販売員となつた。 eは、昭和五三年六月一日より昭和五五年一二月三一日まで食品部チエツカー課のレジ係をしていたが、その後昭和五六年二月一五日まで家庭雑貨部文具課販売員兼レジ係をした後同部玩具課の販売員となつた。 fは、昭和五三年六月一日より昭和五六年一月一七日まで食品部チエツカー課レジ係をした後、衣料品部靴下課の販売員兼レジ係となつた。 gは、食品部菓子課補充陳列係であるが、昭和五五年一月一五日依願退職した。 hは、衣料品事業部の全店レジ係であつて衣料品部の欠員の出た勘定場に配置されていたが、昭和五四年六月一日に衣料品部靴下課の販売員兼レジ係となり、昭和五五年一月一五日依願退職した。 iは、食品部チエツカー課レジ係であり、昭和五四年四月一五日依願退職した。 jは、家庭雑貨部の玩具課販売員であつたが、昭和五三年七月二八日から同年一一月七日まで産休し、その後、食品部チエツカー課のレジ係となつた。 k(以下「k」という)は、雑役夫として入社し、商品管理課に属し、入荷商品の受領、仕入伝票と現物の照合に従事していたが、昭和五五年八月二〇日定年退職した。 l(以下「l」という)は、雑役夫として入社し、kと同様の業務に従事していたが、昭和五四年一月九日定年退職した。 本件命令一の「別表2」は、B賃金体系(職務給)非組合員のうち勤続三年以上の男子、勤続四年以上の女子の賃金一覧表であるが、D男、6男、11女、12女は主任、10女は主任心得、15女、k女、J女、O女はいずれも優れた社員で後に主任や係長に昇進 )非組合員のうち勤続三年以上の男子、勤続四年以上の女子の賃金一覧表であるが、D男、6男、11女、12女は主任、10女は主任心得、15女、k女、J女、O女はいずれも優れた社員で後に主任や係長に昇進した者達である。 職務内容、仕事の成績によつて基本給の金額に差があるから、組合員と同じ勤続年数の非組合員を機械的に選び出して基本給を比較するのは間違つている。しかも、右のように比較の対象とされた非組合員の中には成績の優れた者が多いのに組合員の方は以下に述べるように勤務態度や仕事の成績が悪かつたり出勤状況もよくないのである。 (1) a昭和四九年八月一一日から昭和五三年五月末日までの間、商品(食料品)の無断飲食横領、当直当番放棄により譴責処分二回、遅刻、業務放棄により警告処分二回を受けたほか、店内備品を破損し、また売上高の六倍もの商品仕入により不良在庫を生ぜしめる等して会社に損害を生ぜしめ、紳士服キヤンペンセールの際に販売数皆無のため注告を受けたこともあつた。その後、昭和五六年一月まで食品部青果課に所属し、野菜の商品化(トリミング、フイルムパツク)店出し陳列作業に従事したが、技術が粗雑で商品の見栄が悪く、他の従業員が作業のやり直しをすることもしばしばあつた。 (2) b昭和四九年八月一一日から昭和五三年五月末日までの間、商品(食料品)の無断飲食横領により譴責処分、業務放棄により警告処分をうけたほか、商品の売価を間違えたり無断外出し就業中の私用電話が多かつた。昭和五三年一〇月二八日商品管理課に配属されて商品検収業務を担当したが、仕事不正確のため昭和五四年二月一六日宣伝企画課に配転となつて売場の広告を作成したものの文字書きが不得手で同年九月二六日に食料品部日配課の陳列作業員となつた。 (3) c昭和五〇年一月から昭和五三年四月二〇日までの 五四年二月一六日宣伝企画課に配転となつて売場の広告を作成したものの文字書きが不得手で同年九月二六日に食料品部日配課の陳列作業員となつた。 (3) c昭和五〇年一月から昭和五三年四月二〇日までの間、食品部青果課、商品管理課、精肉課と順次配属替になり、昭和五三年四月二一日から昭和五四年三月末日まで長期病欠した。 昭和五〇年中は、粗雑な商品仕入による損害発生、出勤時刻不定、朝礼に肌着姿で参加、検収作業の間違いなどを行い、会社に対し極端に反抗的だつた。 昭和五三年一月から三月一八日までの間、新春朝礼会に故意に遅れて警告処分をうけ、紳士服キヤンペーンにおいて売上数皆無で注告をうけ、また朝礼攪乱による上司から叱責をうけるやその上司を暴行罪で告訴し逆に誣告罪で告訴された。 (4) d、e、f、g、h、i、j就業規則により労働時間が午前九時三〇分から午後六時三〇分迄となつているから、遅くとも午前九時二五分には出勤して制服に更衣し、また退社は午後六時三三分以後となるのが通例であり、非組合員はそのようにしている。 右の組合員女子はタイムカードに出勤午前九時三〇分、退社午後六時三〇分と打刻されること多く、結局、出勤状況が他の女子従業員に比し悪いということになる。また、右の組合員女子は、売上高の成績も他の非組合員女子に比し劣つている。 (5) k、l検収業務が不正確であり、作業能率が悪い。 (二) a、b、c、dの四名に役職手当の支給を命じた点は、被告に与えられた裁量の限界を逸脱し、原告会社の人事権に介入するものである。 役職手当は、役職即ち管理職又はその直接的補助を行う職に就いた者に支給される手当である。これら役職者は一定数の部下を指導監督して業務を実行する責任を負わされているから、経営者との間に強い信頼関係を必要とする。かかる役職者の人選は経 直接的補助を行う職に就いた者に支給される手当である。これら役職者は一定数の部下を指導監督して業務を実行する責任を負わされているから、経営者との間に強い信頼関係を必要とする。かかる役職者の人選は経営者固有の人事権に属するものである。被告が救済命令をもつて機械的に昇給を命じるのは使用者の人事権に対する介入となる。 また、被告の救済命令が、役職に任命せず役職手当のみ支給せよ、という趣旨ならば、形式的には原告会社の就業規則と賃金規定を否定するものであり、実質的には原告の任命した役職者の意欲、会社に対する忠誠心を失わせ、役職者自身の権威を喪失させ、企業の存立、維持を不能ならしめることとなる。 このような内容の救済命令は被告の裁量権を逸脱している。 三本件二の命令について(一) 職務職能給は、勤続年数には関係なく、職務の種類と仕事の成果によりその金額が決まる性質のものである。a、b、c、d、g、e、f、j、h、kらは、比較の対象となつた非組合員とは別の職種に属し、前述のように仕事の成績や勤務態度が悪いのであるから、職務職能給が低額となるのは当然である。それなのに被告は、年令の近い者を勤続年数により機械的に抽出して外形的に対象比較し、「組合の主張は説得力がある」と理由付けまでしてその賃金の格差是正を命じている。このような救済命令は偏向審査による裁量権の濫用であり、違法である。 (二) 職責手当は、管理職に属する者又は特殊職務に対して支給される手当であり、誰でもが受給できるものではない。本件一の命令における役職手当について原告が主張したことは職責手当にもあてはまる。 本件二の命令において職責手当の支給を命じた点は被告の裁量権を逸脱した違法な行為である。 第七被告および参加人の反論一除斥期間について(一) 本件一の命令昭和五三年七月八日に てはまる。 本件二の命令において職責手当の支給を命じた点は被告の裁量権を逸脱した違法な行為である。 第七被告および参加人の反論一除斥期間について(一) 本件一の命令昭和五三年七月八日に原告と参加人の間で賃金改定の協定書に調印がかわされたが、これによつて組合員各自の改定賃金額が具体的数値をもつて定められたものでなく、また計算上定めうるものでない。同年四月ないし六月分の差額と七月分の賃金につき支給された七月二八日が行為の日である。七月八日に改定賃金額が定められたとしても、補助参加人が組合員と非組合員の賃金差別を知り得たのは右差額等が支給された同月二八日以降であり、労組組合法二七条二項の行為の日とは、この差別のことを知り又は知り得た日を指すから、昭和五四年七月一七日の救済申立は期間内の申立であつて適法である。 (二) 本件二の命令昭和五四年七月一五日に賃上協定書に調印がなされ、同年七月二八日に七月分の賃金として改定後の賃金が支給され、同月又はその後に既往分の差額が支給されたのだから、前記同様の理由により、昭和五五年七月二二日の救済申立は適法である。 二本件一の命令、本件二の命令で救済の対象となつた者について非組合員に比し勤務態度、仕事の成績および出勤状況が劣るとして原告が主張する事実はすべて否認する。 原告が、a、bについて主張する商品(食料品)無断飲食横領についての譴責処分というのは、当直手当の支給を受けていなかつた男子当直従業員がインスタントラーメンを無断で食べたということで男子従業員のほとんど全員に対しなされた処分であり、右両名だけが処分をうけたのではない。 原告は、a、bほか七名の組合員に対し、昭和五〇年一月二二日午後三時頃に右九名が弘前店六階に集合し組合活動の会合を開いたとの理由で、同月二三日付で警告書を発した 両名だけが処分をうけたのではない。 原告は、a、bほか七名の組合員に対し、昭和五〇年一月二二日午後三時頃に右九名が弘前店六階に集合し組合活動の会合を開いたとの理由で、同月二三日付で警告書を発したことがあるが、かかる事実はない。右九名が同月二二日の午後二時から二時三〇分までの昼食休憩時間に、弘前店内で食堂を経営している佐藤某に対し、同人が参加人組合員に組合脱退と第二組合加入を働きかけたことについて抗議したことがあるにすぎない。原告は、第二組合の結成、拡大を図つて参加人組合に対する支配介入をくり返しており、これを監視したり抗議するとすぐに警告書を乱発したのであり、前記警告書もその一例である。 紳士服キヤンペンセールとは、外商と称しているところの日常業務外の販売業務であつて問題が多く、販売努力してもなかなか効果のあがらないものである。 昭和五三年一月二日の朝礼会は、変更された時間が徹底しなかつたため多数の従業員が遅刻した。これについて原告は参加人組合に属する組合員だけを処分したのである。 第八証拠(省略) 理由第一除斥期間賃金改定において、原告による不当労働行為にあたる差別の行為が四月の昇給査定に際して行われたか、また七月の賃上協定締結に基づく増加金額決定に際して行われたかのいずれにせよ、決定された賃金額が労働者に支払われることによつて始めてその差別的意図が具体化し実現するのであるから、査定又は賃上額決定とこれに基づく賃金支払とを全体として一個の不当労働行為とみるべきである。そうすると、この査定又は決定に基づく賃金が毎月支払われている限り不当労働行為は継続することになるから、その賃金支払の最後のもの、即ち次期昇給査定又は賃上額決定に基づく賃金支払の前月の賃金支払から一年以内であれば救済申立は適法ということがで 月支払われている限り不当労働行為は継続することになるから、その賃金支払の最後のもの、即ち次期昇給査定又は賃上額決定に基づく賃金支払の前月の賃金支払から一年以内であれば救済申立は適法ということができる。 そこで、昭和五三年度分の賃金について原告主張のように昭和五三年四月の昇給査定の際に差別金額が生じたとしても、これに基づく賃金支払は次期査定に基づく賃金支払の前月たる昭和五四年三月三一日まで継続していたのであるから、昭和五四年七月一七日の救済申立は適法であり、昭和五四年度の賃金についても、同様に、昭和五四年四月の査定に基づいて昭和五五年三月三一日まで継続した不当労働行為について同年七月二二日なした救済命令は適法である。 従つて、除斥期間についての原告の主張は採用できない。 第二本件一の命令一基本給(一) 昭和五三年度賃金改定における組合員、非組合員の全体的比較(イ) 次の事実は当事者間に争いがない。 昭和五三年三月一五日、参加人が原告に対し昭和五三年度賃金引上について要求書を提出し、数回の団体交渉を経て同年七月八日に協定書の調印があり、これに基づく参加人組合員一三名中一二名の賃金が別紙昭和五四年(不)第五号命令書写添付別表1(以下「本件一命令別表1」という)のとおり決定され、昭和五三年四月分から支給された。これに対し、原告会社従業員一七〇名のうちの非組合員中、勤続三年以上の男子、勤続四年以上の女子でB賃金体系、C賃金体系に属する前同命令書写添付別表2(以下「本件一命令別表2」という)の「氏名」欄に略号で記載された者の基本給額が同表「基本給」欄の金額に決定された。 (ロ) 原告は、本件一命令別表1掲記にかかる組合員の基本給と比較すべき非組合員の基本給につき別表2のとおり抽出したことが妥当でないと主張するので検討する。 不当労働行 給」欄の金額に決定された。 (ロ) 原告は、本件一命令別表1掲記にかかる組合員の基本給と比較すべき非組合員の基本給につき別表2のとおり抽出したことが妥当でないと主張するので検討する。 不当労働行為の存否を見分けるにつき意味のある全体的な比較というのは、組合員、非組合員の全員を機械的に並べてみるというものではなく、年令、勤続年数、職種など共通の要素を有するものを類型的に選び分類して比較することであるが、原告会社において組合員は従業員一七〇名の一割にも満たない一三名であるから、細かい分類をして比較することはできない。原告会社では年令によつて賃金体系をABCDと分類しているのであるから(このことは当事者間に争いがない)、救済申立の対象となつた組合員と同じ賃金体系に属し、ほぼ同じ勤続年数の非組合員の基本給を比較の対象とするのが妥当な方法というべきである。 そこで被告による抽出の具体的内容と比較の結果を看るに、証人mの証言により真正に成立したことが認められる甲二八号証によると、B賃金体系に属する非組合員は男一三名、女三二名であり、その基本給が男は八万四〇〇〇円乃至一二万二〇〇〇円、女は七万九〇〇〇円乃至一〇万四〇〇〇円となつていること、男のうち勤続年数三年以上の者は本件一命令別表2の「氏名」欄1、D、6の三名(このうち「1」は甲第二八号証に「I」と表示された者と同一人である)のほか、勤続年数三年、四八歳、基本給九万六〇〇〇円の者(甲第二八号証の氏名「3」)が存するのみであること、女のうち勤続年数四年以上の者は、右別表2掲記のほか四名、即ち、勤続年数、年齢、基本給につき、五年・三一歳・八万四五〇〇円(甲第二八号証の氏名P)、四年・二二歳・八万二〇〇〇円(同V)、七年・二三歳・七万九〇〇〇円(同L)、六年・四二歳・一〇万四〇〇〇円(同76)である 年齢、基本給につき、五年・三一歳・八万四五〇〇円(甲第二八号証の氏名P)、四年・二二歳・八万二〇〇〇円(同V)、七年・二三歳・七万九〇〇〇円(同L)、六年・四二歳・一〇万四〇〇〇円(同76)であることが認められ、右別表2記載の氏名1の者は証人mの証言によれば販売実績が高く特別の処遇を受けている者と認められるからこれを除外し、抽出から漏れた右の者を加えて組合員と非組合員を比較したとしても別表1と別表2とを比較した場合に比し差異があるとは認められないから、別表2の抽出方法が妥当性を欠いたものとは云えないし、組合員の基本給が全体的に非組合員に比し低額に差別されている事実を認めることができる。そして、その差別を受けなければ組合員が支給されるべき基本給の金額は本件一の命令に示されたとおりであるということができる。 (二) 組合員の勤務成績証人mの証言により真正に成立したものと認められる甲第一および第二号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第三ないし第八号証、第一二ないし第一四号証、証人mの証言、弁論の全趣旨によると、a、b、k、cにつき昭和五二年三月乃至六月を中心に、服装の乱れ、職場離脱、勤務中の私用電話など勤務態度に問題があり仕事の能率が悪い旨記載した上司の報告書が作成され、原告においてはこれら組合員につき成績不良の評価をしていること、右のaとbが原告主張のような譴責処分を受けたこと、aとcが紳士服キヤンペーンセールで販売数皆無であつたこと、cが上司に反抗的態度をとつたことが認められ、また右のmの証言中に、従業員の昭和五三年度における基本給は前年度の売上成績を基に人事考課によつてその金額を定めた旨の証言部分があるから、aとcの基本給が九万八〇〇〇円、b(同人は転勤拒否をして、昭和五二年六月一七日から昭和五三年一〇月二七日 ける基本給は前年度の売上成績を基に人事考課によつてその金額を定めた旨の証言部分があるから、aとcの基本給が九万八〇〇〇円、b(同人は転勤拒否をして、昭和五二年六月一七日から昭和五三年一〇月二七日まで指名によるストをした)の基本給が九万六〇〇〇円と決定されたことはこれら理由によるものと推認される。 しかし、弁論の全趣旨によると、譴責処分を受けた者や紳士服キヤンペーンセールにおける売上高皆無は非組合員の中にも相当数いたこと、昭和五三年七月二日の団体交渉において原告代表者が参加人に対し賃上に関し人事考課しない旨述べたことも認められるから、前記認定のような事実が基本給に差を設けるほどの勤務成績不良にあたるとは認められない。 C賃金体系に属するk、lについてみるに、弁論の全趣旨により真正に成立したものであることが認められる甲第九ないし第一一号証、第五六および第五七号証、証人mの証言によれば、右両名につき原告において仕事の能率が低く勤務態度が悪いとの評価をしていることが認められる。しかし、証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第四一号証の二によれば、原告会社の賃金規定ではC賃金体系における基本給の決定要素につき「職務の保有する労働困難性、経営からみた労働価値および職種的需要供給度であり、職種の変動ない限り原則として賃金の変更はない」と規定していることが認められ、その趣旨と前記認定にかかる団体交渉の際の原告代表者の述べたことを勘案してみると、右両名につき、本件一命令別表2の氏名Fの非組合員と比較して基本給につき一万円低くする程の勤務成績の差があるとは認められない。 次に、女子従業員につき、原告は、労働時間が午前九時三〇分から午後六時三〇分迄となつているから、午前九時二五分に出勤して更衣し、退社は午後六時三三分以降となるの 成績の差があるとは認められない。 次に、女子従業員につき、原告は、労働時間が午前九時三〇分から午後六時三〇分迄となつているから、午前九時二五分に出勤して更衣し、退社は午後六時三三分以降となるのが通例であるのに、組合員女子は出勤が午前九時三〇分、退社午後六時三〇分であるとして出勤状態がよくない旨主張する。 原告代表者本人尋問の結果により真正に成立したものであることが認められる甲第九三号証の一ないし九、第九四号証の一ないし五、第九五号証の一ないし一一、第九六号証の一、二によれば、g、d、i、jの出退勤時刻を示す昭和五〇年三月、四月のタイムカードには退社時刻一八・三〇と打刻されているものの随所に存することが認められる。 しかし、証人eの証言によれば、原告会社経営にかかる店舗の開店は午前九時五〇分、閉店は午後六時一五分であつて勤務時間内の更衣が否定されているわけではないと認められるから、組合員以外の多数の女子従業員が午前九時三〇分以前に出勤して同時刻までに制服に着替え、午後六時三〇分以後に私服に着替えて退社しているからといつて更衣を勤務時間内に行つた組合員を勤務状況不良と評価することはできない。 証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第七五および第七六号証、第七八ないし第八一号証によれば、昭和四九年一二月から約一年間におけるタイムカードの集計に、eが遅刻一七、欠勤一〇、fが遅刻七、欠勤三、hが遅刻八、欠勤九、iが遅刻一、欠勤三、jが遅刻一三、欠勤七、dが遅刻〇、欠勤三と記録されていることが認められるが、これらの欠勤、遅刻が他の非組合員に比し一般的に多いということを認めるに足る証拠はなく、昭和五三年度の基本給につき、dを本件一命令別表2の氏名fの者と、その他の女子組合員を一律に同表の氏名u、wという最下位の者と同列 他の非組合員に比し一般的に多いということを認めるに足る証拠はなく、昭和五三年度の基本給につき、dを本件一命令別表2の氏名fの者と、その他の女子組合員を一律に同表の氏名u、wという最下位の者と同列に扱う程に勤務成績の差があるとは認められない。 (三) 原告代表者の組合に対する態度原告会社が青森市に本店、弘前市に支店を有し、昭和五八年八月現在における従業員数約一七〇名であること、参加人組合は昭和四九年一二月二一日に弘前店の従業員を主体に結成され、昭和五八年八月現在の組合員数が一三名であることは当事者間に争いがない。 成立に争いのない甲第六二号証、乙第三四および第三八号証、丙第一号証、原本の存在と成立に争いのない甲第二二号証、第二五ないし第二九号証、証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第三〇ないし第三八号証、第五〇号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものであることが認められる甲第五二および第五八号証を総合すると次の事実が認められる。 参加人組合は賃上要求その他の待遇改善を求めて原告と団体交渉し、要求が容れられないとストライキ、店外でのチラシ配布、街頭宣伝をするなど強く派手な行動をした。昭和五〇年一月中旬頃、青森店従業員約四〇名を主体にゼンセン同盟紅屋商事労働組合(以下「第二組合」という)が結成され、労使協調の立場で穏健な活動をしたため、参加人組合は第二組合とも対立するようになつた。 原告代表者は、救済命令申立事件における第八回審問において、参加人組合の活動、組合員の言動につきそれが原告会社の存立そのものと相容れないものである旨陳述した(乙第二二号証)。 原告は、組合員であるb、aに対し、仕事上の一過性の誤りに対してまで文書による注告書や警告書を発し(甲第四七および第五〇号証)、k、a、cに対し特定商品販売 のである旨陳述した(乙第二二号証)。 原告は、組合員であるb、aに対し、仕事上の一過性の誤りに対してまで文書による注告書や警告書を発し(甲第四七および第五〇号証)、k、a、cに対し特定商品販売期間中における販売成績不振についても文書による注告書を発した(甲第五二、第五八および第六二号証、乙第三八号証)。 原告は、参加人組合員と第二組合員とに夏季手当支給額で差別取扱をしたとの理由で被告から救済命令を発せられたのを始めとして(乙第二五、第二七号証)五回にわたり救済命令を発せられ、参加人組合のe執行委員長、d書記長に対してなした懲戒解雇が不当労働行為に該当する違法なものであるとする青森地方裁判所弘前支部の判決(丙第一号証)も受けた。 参加人組合の組合員数は当初三五名と、或いは一〇〇名とも云われ判然としないものの、昭和五一年七月に七〇名位いたのが同年一二月には約三〇名、翌五二年一〇月には二〇名位と短期間に大きく減少し、前述のように一三名に至つたものである。これに対し、弘前店勤務の非組合員たる従業員は昭和五三年において四五名、翌五四年において六六名、昭和五五年において七〇名位と推定される(甲第三〇ないし第三八号証)。 これら認定事実によると、原告代表者が参加人組合を嫌悪していることが推認される。 (四) 不当労働行為該当以上認定したように、参加組合の組合員につき原告が決定した基本給の金額が全体として非組合員の場合に比し低くなつていること、組合員の勤務成績が全体的に非組合員より不良であるとはいえないこと、使用者たる原告代表者が参加人組合を嫌悪していること、の各事実が認められるのに対し、基本給につき差別を設ける合理的理由を認め難いから、右の差別はこれらの者が組合員であることを理由としかつ組合に対する支配介入を目的としてなされたものと推認す ていること、の各事実が認められるのに対し、基本給につき差別を設ける合理的理由を認め難いから、右の差別はこれらの者が組合員であることを理由としかつ組合に対する支配介入を目的としてなされたものと推認するのが相当である。 そこで、被告が救済命令において基本給の差別是正を命じ命令記載の金額の支払を命じたのは妥当である。もつとも、女子組合員の場合、救済命令で支払を命じた金額か年齢、勤続年数の面から本件一命令別表2の非組合員の場合と対比してみるとき逆に高過ぎる結果になるかのような感もあるが、gを除いていずれもレジ係を経験したことから推察されるその職務能力からみるとき、これをもつて非組合員以上の優遇を命じる違法な命令ということはできない。 二役職手当(一) 昭和五三年七月八日の協定書調印後、本件一命令別表1のとおり決定された組合員の賃金で組合員中役職手当の支給を受ける者が皆無であり、これに対し、非組合員中勤続三年以上の男子、勤続四年以上の女子で本件一命令別表2に抽出されたB賃金体系の男子三名、女子一五名のうち男子三名全員、氏名「10」を除く女子三名に、男子は二〇〇〇円又は三〇〇〇円、女子は二〇〇〇円の役職手当が支給されることとなつた事実は当事者間に争いがない。 証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第二八号証、第四一号証の二、原告代表者本人尋問の結果、弁論の全趣旨によると、昭和五三年度においてB賃金体系に属する非組合員の男子は一三名、女子は三二名であつて、この男子のうち右の三名を除くその余の者には役職手当は支給されず、また女子は右の三名のほかに更に二名が役職手当支給の対象となつていること、原告会社の賃金規定では、役職手当は主任以上の地位にある者に支給されるもので、主任二〇〇〇円、係長三〇〇〇円というようにその地位に応じて定 の三名のほかに更に二名が役職手当支給の対象となつていること、原告会社の賃金規定では、役職手当は主任以上の地位にある者に支給されるもので、主任二〇〇〇円、係長三〇〇〇円というようにその地位に応じて定められた金額を支給するものとされていること、右の支給を受けている非組合員はいずれも主任又はそれ以上の地位に任命されている者であること、が認められる。 (二) 前掲甲第二八号証、原本の存在と成立に争いのない乙第二一号証、成立に争いのない乙第六三号証、原告代表者本人尋問の結果によれば、原告会社においては主任以上の者を役付者とし、その昇任の条件として、会社の経営方針を理解し経営意識を持つていて部下に対する統率、指導力を有することを掲げ、昇任の選考にあたつては年齢や勤務年数にとらわれずに右条件と勤務成績を重視しているため、現実には勤続年数を経た者から多く選任される結果となることが多いが必ずしもそうではないことが認められる。 原告が他の同種業者と熾烈な競争に曝される大型小売店舗経営者であることに鑑み右認定事実をあわせ考慮すると、主任以上の地位は、従業員の能力、経験に応じて均等に昇格し得るその処遇のための地位ではなくて、企業の指揮管理系統のもとにおける役職に属すると認めるのが相当である。そうすると、従業員中のいずれの者にこれらの地位を付するかは企業運営の責任を負つている者の裁量に委ねられるべきであつて、その結果、全く同一の勤続年数、年齢、勤務成績を有する者が二名以上いても、そのうちの一人のみをこの地位に昇任させ他の者はこれをさせないということもあり得るわけである。 (三) 原本の存在と争いのない乙第五二号証、成立に争いのない乙第五四および第六〇号証によれば、参加人は被告に対する救済命令申立で当初は基本給の是正のみを求めていたが後にa、b、c、dの四名につ 。 (三) 原本の存在と争いのない乙第五二号証、成立に争いのない乙第五四および第六〇号証によれば、参加人は被告に対する救済命令申立で当初は基本給の是正のみを求めていたが後にa、b、c、dの四名について主任の役職手当相当金として各二〇〇〇円宛の支払を求める旨に申立内容を追加したこと、その理由としてこれらの者と役職手当の支給を受ける非組合員を勤続年数で比較すれば両者は同水準にあるから右四名にも役職手当を支給すべきであるとの趣旨を主張したことが認められ、これにつき被告は、役職に就任させることの査定について原告の方でその合理性を疎明しない以上は、勤続年数からみて右四名を就任させないことが組合員であることを理由とする差別にあたると認定したうえで役職手当の支給を命じたのである。 しかし、原告会社における主任以上の地位の性質が前述のようなものであるから、組合員をこれらの地位に昇任させないことが不当労働行為に該当するというためには、当該組合員が他の昇任した者と比較して前記昇任資格の具備につき劣つていないことの積極的事実が認められなければならず、これが認められた場合でも救済命令においてなしうるのは組合員であることを理由に昇任につき差別してはならないことを一般的に命じるのが限度であり、各個人につき具体的に一定の地位に昇任せしめるよう命じることは企業の人事権を侵害するものであつて労働委員会の裁量の限界を超えた違法なものというべきである。昇任を命じないで昇任した者と同一の役職手当の支給を命じることも給与規定に反する行為を命じることになるから同様に許されないと解する。 従つて、本件一の命令中、a、b、c、dにつき役職手当の支給を命じた部分は違法である。 第三、本件二の命令一基本給一般(一) 次の事実は当事者間に争いがない。 原告が昭和五四年度以降適用 。 従つて、本件一の命令中、a、b、c、dにつき役職手当の支給を命じた部分は違法である。 第三、本件二の命令一基本給一般(一) 次の事実は当事者間に争いがない。 原告が昭和五四年度以降適用すべきものとして定めた新給与規定においては、四〇歳以下の者に適用されるA給与体系と四一歳以上の者に適用されるB給与体系とがあり、A給与体系の基本給は年齢給、職務職能給、教育給を合算したものであつて、このうち年齢給と教育給は学歴、年齢により自動的に決定されるが職務職能給は人事考課に基づく職務職能給の表(本件二の命令の別表1)の格付に応じて決定される。また、一定の役職に就いたもの又は特定の職種で働く者には職責手当(本件二命令の別表2)が支給されることとなつている。昭和五四年度の職務職能給の内訳、金額は本件二命令別表1のとおりだが、昭和五五年度は賃金改定により四級が廃止された。 昭和五四年度賃金改定に関する昭和五四年七月一五日の協定書調印後、本件二命令別表3記載の組合員の職務職能給が同表該当欄記載のとおり決定され、これに対し同別表4「氏名」欄記載の非組合員の給与が同表のとおり決定された(ただし、氏名「23」の年齢給、職務職能給、「30」「V」「10」「W」の職責手当を除く。)昭和五五年度賃金改定に関する昭和五五年七月一二日の協定書調印後、本件二命令別表5記載の組合員の賃金が同表のとおり決定され、同別表6「氏名」欄記載非組合員の賃金が同表記載のとおり決定された(ただし「I」「28」「72」の職責手当、「30」の等級、職務職能給、職責手当、「K」の職務職能給を除く)。 (二) 成立に争いのない乙第七号証によれば、職務職能給は、販売職、生鮮職、事務職の四級一号三万円が最低で、二級が一号の三万四〇〇〇円から一〇号の三万九四〇〇円まで六〇〇円の号差、一級 給を除く)。 (二) 成立に争いのない乙第七号証によれば、職務職能給は、販売職、生鮮職、事務職の四級一号三万円が最低で、二級が一号の三万四〇〇〇円から一〇号の三万九四〇〇円まで六〇〇円の号差、一級が一号三万七〇〇〇円から一五号の四万八二〇〇円まで八〇〇円の号差をもつて定められ、その上位に主任職が一号の三万七〇〇〇円から一五号の五万一〇〇〇円まで、フロアー主任が一号の三万九〇〇〇円から一五号の五万五八〇〇円まで、商品担当マネジヤーが一号の三万九〇〇〇円から一五号の六万一四〇〇円まで、フロアー長が一号の四万円から一五号の六万二四〇〇円まで、課長が一号の五万五〇〇〇円から一五号の八万〇二〇〇円までというように定められていること、職責手当は、初級、中級、上級と等差をつけて車両職八〇〇〇円ないし九〇〇〇円、生鮮職五〇〇〇円ないし七〇〇〇円、主任職三〇〇〇円ないし五〇〇〇円、フロアー主任五〇〇〇円ないし七〇〇〇円、担当マネジヤー職五〇〇〇円ないし七〇〇〇円、フロアー長職一万六〇〇〇円ないし二万円、課長職二万二〇〇〇円ないし二万八〇〇〇円と定められていることが認められる。昭和五五年度において、職務職能給の職低が三万二〇〇〇円と改定されたほか、職責手当も最低が一万円となつたことは当事者間に争いがない。 これによると、主任職以上の地位に昇格しなければ給与規定上四万八二〇〇円を超えた金額の職務職能給は支払えないし、車両職または生鮮職(これは、証人mの証言によれば肉類、魚、野菜の生鮮三品を扱う職種と認められる)に従事するか主任以上の地位になければ職責手当は支払えないものであることが認められる。 (三) 証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第二九号証によれば次の事実が認められる。 昭和五四年度は、非組合員の男子従業員二〇名中、主任以上 いものであることが認められる。 (三) 証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第二九号証によれば次の事実が認められる。 昭和五四年度は、非組合員の男子従業員二〇名中、主任以上の地位にあるもの一二名、主任職であり乍ら職責手当の支給されていない者二名、主任職でない二級であるが車両職のため職責手当の支給を受けている者一名あり、勤続年数三年以上の者は一名を除いて主任以上の地位に就いている。非組合員の女子従業員四六名中、主任以上の地位にあるもの一七名でこれらはすべて職責手当の支給を受けており、右役職に就かない二級、一級の各一名が生鮮職のため職責手当を受けている。そして勤続五年以上で主任以上の地位に就かないのは一名のみである。 昭和五五年度は、非組合員の男子二六名中主任以上の地位にあるもの一三名、勤続年数三年以上で主任以上の役職に就かない者は二名いるのみである。非組合員の女子四四名中主任以上の地位にある者一九名、役職に就かないが生鮮職で職責手当を受けている者二名いる。そして、勤続六年以上で主任以上の役職に就かない者二名いるのみである。右役職に就かない者については、勤続年数が多くなるに従つて三級から二級、一級と昇格している。 (四) 前記認定事実に徴すると、A給与体系に属する組合員の年齢給を除いた給与において組合員は非組合員より全体的に低額に位置付けられていることを認めることができる。 (五) 組合員の勤務成績証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第四五および第四六号証、前出甲第四七号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものであることが認められる甲第五四、第五五、第六〇および第六一号証によると、原告は、b、a、cに対し、仕事上の誤り、非能率の事実を指摘して警告書か注意書を発し、始末書を徴したり減給処分 に成立したものであることが認められる甲第五四、第五五、第六〇および第六一号証によると、原告は、b、a、cに対し、仕事上の誤り、非能率の事実を指摘して警告書か注意書を発し、始末書を徴したり減給処分に付した事実のあることが認められ、証人mの証言、弁論の全趣旨によると原告は組合員全員を非組合員に比し勤務成績不良と評価している事実が認められるが、警告書等に指摘された右組合員の仕事上の誤りが組合員のみに特有のものとは認められないし、原告代表者の組合に対する嫌悪の感情が組合員に対する勤務成績の評価と無関係ということはできないから、組合員の勤務成績が非組合員に比し給与の格付の面で差別し得る程に劣つている事実は認めることができない。 (六) 原告代表者の組合に対する態度本件一の命令についての前記認定のとおり、原告代表者が組合を嫌悪していることが昭和五四年度および昭和五五年度においても変りないことは弁論の全趣旨により推認できる。 (七) 不当労働行為該当昭和五四および五五年度についても、給与において組合員が全体として非組合員に比し低くなつており、組合員の勤務成績がかかる低額に格付される程に劣つているわけでなく、原告代表者が組合を嫌悪していることが認められるから、組合員の右両年度における基本給は組合員であることを理由としかつ組合に対する支配介入を目的として低額に決定されたものであると認めるのが相当である。 二主任以上の者に支給さるべき職務職能給並びに職責手当(一) 原告会社の給与規定において主任以上の役職に就かない者の職務職能給が一級一五号の四万八二〇〇円をもつて上限とすること、右役職に就くか車両職、生鮮職に従事する者以外には職責手当が支給できないことは前述のとおりである。 証人mの証言、弁論の全趣旨によると、昭和五四および五五年度において救済命 円をもつて上限とすること、右役職に就くか車両職、生鮮職に従事する者以外には職責手当が支給できないことは前述のとおりである。 証人mの証言、弁論の全趣旨によると、昭和五四および五五年度において救済命令の対象とされた組合員はいずれも主任職以上の役職に就いていないし、生鮮職のaを除くその余の者が車両職又は生鮮職に従事していないことが認められる。 (二) 被告が救済命令において格付を命じたところをみると、昭和五四年度におけるa、b、cの職務職能給、aを除くその余の対象者の職責手当、昭和五五年度におけるa、bの職務職能給、aを除くその余の対象者の職責手当が前記限度を超え、主任職以上の役職に就いている者に支給されるべき金額の支払を命じていることが明らかである。 いずれも成立に争いのない乙第五五、第五六、第六一および第六二号証によれば、参加人は被告に対する救済命令申立において当初は組合員を主任以上に格付してそれに相当する賃金引上をなすことの命令を求めたが、後に、基本給の引上のほかに職責、資格、技能各手当相当金の支払を命ずるよう求めることに改めたことが認められ、これにつき被告は、各人につき金額を示してその職務職能給、職責手当を支給するように賃金の格付を命じたものである。 (三) 証人mの証言により真正に成立したものであることが認められる甲第二九号証、原告代表者本人尋問の結果によると、昭和五四および五五年度において主任以上の地位にある者は非組合員総数の半数に満たず、勤続年数の長い者が多く任命されるが必ずしもそうでないことが認められるし、原告会社における主任以上の地位の性格は前記本件一の命令につき認定したとおりであるから、格付を命じるということが主任以上の役職に就かせしめてこれに相応する給与の支給を命じる趣旨であれば役職昇任という原告会社の人事に介入する 地位の性格は前記本件一の命令につき認定したとおりであるから、格付を命じるということが主任以上の役職に就かせしめてこれに相応する給与の支給を命じる趣旨であれば役職昇任という原告会社の人事に介入することとなるし、役職に昇任させないで昇任させた場合と同じ給与の支払を命じる趣旨であれば原告会社の給与規定に反する給与支払を命じることになるのであつて、これはいずれも被告の裁量の限界を超えたものというべきである。 そこで、昭和五四年度分につき、a、b、cの職務職能給のうち四万八二〇〇円を超える部分、aを除くその余の対象者に対し職責手当の支給を命じた部分、また、昭和五五年度分につきa、bの職務職能給のうち四万八二〇〇円を超える部分、aを除くその余の対象者につき職責手当の支給を命じた部分はいずれも違法である。 第四結論以上認定したところによると、原告の本訴請求は、本件一の命令につきa、b、c、dにつき役職手当を支給する格付とこれに基づき支給されるべき金員および昭和五三年四月以降の各支払期日から完済まで年五分の割合による金員の支払を命じた部分、本件二の命令につき、昭和五四年六月一日にさかのぼり、a、b、cの職務職能給につき四万八二〇〇円を超えて格付を命じた部分とaを除くその余の対象者につき職責手当支給の格付を命じた部分、昭和五五年六月一日にさかのぼりa、bの職務職能給につき四万八二〇〇円を超えて格付を命じた部分とaを除くその余の対象者につき職責手当支給の格付を命じた部分並びにこれに基づく金員と昭和五四年六月又は昭和五五年六月の各支払期日から完済まで年五分の割合による金員の支払を命じた部分の取消を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとし、訴訟費用(参加によつて生じた費用を含む。)の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟 の割合による金員の支払を命じた部分の取消を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとし、訴訟費用(参加によつて生じた費用を含む。)の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九二条および九四条に従い、主文のとおり判決する。 (裁判官斎藤清實鈴木秀行中村俊夫)(別紙)命令書青森地労委昭和五四年(不)第五号昭和五八年八月一八日命令申立人紅屋労働組合被申立人紅屋商事株式会社 主文1 被申立人紅屋商事株式会社は、昭和五三年度賃金改定について、昭和五三年四月一日にさかのぼり、申立人紅屋労働組合の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 <06605-004><06605-005>2 被申立人は、申立人の組合員に対し、前項の格付に基づき支給されるべき賃金及び諸手当の額とこれに対応する既に支給された賃金及び諸手当の額との差額を支払わなければならない。 3 被申立人は、前項の差額に対し、昭和五三年四月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わなければならない。 理由第1 認定した事実1 当事者(1) 被申立人紅屋商事株式会社(以下「会社」という。)は、肩書地に本店を置き、弘前市に弘前店をもつ大型小売店舗で、総合衣料、食品、日用品等の小売を業とする会社であり、従業員は、現在一七〇名である。 (2) 申立人紅屋労働組合(以下「組合」という。)は、昭和四九年一二月二一日に引前店の従業員を主体に一〇七名をもつて結成された労働組合であり、組合員数は、現在一三名である。 2 組合結成後の労使の対立状態(1) 本件当事者間において、本件申立て前に、昭和五一年度賃金引上げ差別是正事件(昭和五二年(不)第一〇号)及び昭和五二年度 であり、組合員数は、現在一三名である。 2 組合結成後の労使の対立状態(1) 本件当事者間において、本件申立て前に、昭和五一年度賃金引上げ差別是正事件(昭和五二年(不)第一〇号)及び昭和五二年度賃金引上げ差別是正事件(昭和五三年(不)第七号)が当委員会に係属し、当委員会は、審査の結果、いずれについても救済命令を発した。このうち、昭和五一年度賃金引上げ差別是正事件については、会社は、当委員会の命令を不服であるとして、再審査申立てを行つたが、中央労働委員会は、初審命令の一部を変更して救済を命じ、この再審命令が確定した。また、昭和五二年度賃金引上げ差別是正事件については、再審査申立てが行われず、初審命令が確定した。 (2) また、昭和五〇年度夏季賞与差別是正事件(昭和五〇年(不)第二八号)、同年度年末賞与差別是正事件(昭和五一年(不)第一一号)及び昭和五一年度夏季賞与差別是正事件(昭和五一年(不)第二一号)についても、当委員会は、救済命令を発した。会社は、いずれも不服であるとして、再審査申立てを行つたが、中央労働委員会において、いずれも棄却された、会社は、このうち、昭和五〇年度夏季賞与差別是正事件及び同年度末賞与差別是正事件について行政訴訟を提起したが、東京地方裁判所及び東京高等裁判所で再審命令が支持され、現在最高裁判所に係属中である。昭和五一年度夏季賞与差別是正事件については、再審命令が確定した。 (3) 以上の五件及び昭和五三年度から昭和五五年度までの賃金引上げ差別是正事件(昭和五四年(不)第五号、昭和五五年(不)第八号及び昭和五五年(不)第九号)を除き、組合結成直後の支配介入事件、組合書記長の四次にわたる解雇事件、昭和五六年度賃金引上げ差別是正事件等一五件が当委員会に申し立てられ、このうち、四件について救済命令が発せられ、三件が取り 九号)を除き、組合結成直後の支配介入事件、組合書記長の四次にわたる解雇事件、昭和五六年度賃金引上げ差別是正事件等一五件が当委員会に申し立てられ、このうち、四件について救済命令が発せられ、三件が取り下げられ、現在八件が係属中である。 3 会社の賃金体系(1) 会社の賃金規定によると、会社の賃金体系は、四とおりとなつており、男子二五歳以下についてはA賃金体系、男子二六歳以上四〇歳以下及び女子二二歳以上四〇歳以下についてはB賃金体系、男女四一歳以上についてはC賃金体系、女子二一歳以下についてはD賃金体系が適用される。 ただし、主任・係長等の役職者については、男女とも、年齢を問わず、B賃金体系が適用される。 (2) 基本給の格付は、A賃金体系及びD賃金体系にあつては年齢及び勤続年数、B賃金体系にあつては人事考課、C賃金体系にあつては職務の保有する労働困難性、経営からみた労働価値及び職種的需要供給度によつて決定される。 また、B賃金体系に属する主任・係長等の役職者には、役職の種類に応じて役職手当が支給される。 4 昭和五三年度の賃金協定及び会社の従業員の賃金(1) 昭和五三年三月一五日、組合は、会社に対し、昭和五三年度賃金引上げについて要求書を提出した。その後、数回の団体交渉が行われ、同年七月八日、昭和五三年四月以降の賃金は就業規則の賃金規定に基づくこと、A賃金体系、B賃金体系及びD賃金体系中の高校卒で一八歳の者の初任給額を七三、〇〇〇円とすること等を内容とする協定書の調印がなされた。 (2) この協定書の調印後、同協定書に基づく組合員の賃金が別表1のとおり決定され、昭和五三年四月分から支給された。 (3) 前記3の賃金規定に基づいて、昭和五三年四月分からB賃金体系及びC賃金体系に属する非組合員のうち、勤続三年以上の男子及び勤続四年以上の女子に とおり決定され、昭和五三年四月分から支給された。 (3) 前記3の賃金規定に基づいて、昭和五三年四月分からB賃金体系及びC賃金体系に属する非組合員のうち、勤続三年以上の男子及び勤続四年以上の女子に支給された賃金は、別表2のとおりである。 5 当委員会への救済申立て組合は、昭和五三年度賃金改定において、組合員と非組合員との間に格差があり、この格差は組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたもので、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとして、会社を相手に、格差の是正を求めて、昭和五四年七月一七日、当委員会に対して救済申立てを行つた。 第2 判断及び法律上の根拠1 当事者の主張(1) 組合の主張ア B賃金体系に属するほぼ同一の勤続年数の組合員と非組合員とを比較すると、基本給額において組合員が低位に位置付けられており、役職手当は、非組合員の男子には全員に支給されているのに対し、組合員の男子には全員支給されていないという格差が存する。また、組合員の女子のうちdについては、不当に主任職を解任されたものであるから、主任手当を支給すべきである。さらに、C賃金体系に属する組合員k及びlと別表2に掲げられている非組合員「F」とは、ほぼ同年齢で職務が同一で勤続年数はk及びlが長いにもかかわらず、基本給額は、k及びlが低い。これは、組合を敵視する会社が組合員を賃金において差別し、組合の弱体化を図つたものである。 イ会社が組合員を多くの非組合員と同一の役職に就任させないこと自体が差別の表れであるから、職務の種類が違うことは、賃金格差の理由とはならない。 (2) 会社の主張ア B賃金体系における基本給は、職務の種類及び仕事の成果によつて決定されるものであり、勤続年数は、関係がない。賃金の比較をするのであ 類が違うことは、賃金格差の理由とはならない。 (2) 会社の主張ア B賃金体系における基本給は、職務の種類及び仕事の成果によつて決定されるものであり、勤続年数は、関係がない。賃金の比較をするのであれば、同一の職務に就任している者の間においてなすべきである。組合員と非組合員の基本給額が違うのは、多くの非組合員が就任しているのと同様の役職に就任する資格が組合員にはないためである。 イ役職手当は、役職に就任している者にのみ支払われるものである。 ウ k及びlと「F」との間に格差があるのは、職務の種類が同じでも仕事の成果が違うからである。 2 B賃金体系に属する組合員に対する差別の存否(1) 基本給についての差別の存否ア会社は、審問において、組合員は会社の方針に対して非協力的である旨、組合の考え方は共産主義であつて会社の方針と相いれない旨及びもし組合員が高額な賃金を確保しようとするならば組合執行部の方針を一八〇度転換する必要がある旨を陳述している。これと第1の2に述べた事情とを考え合わせると、会社の組合に対する不当労働行為意思が推認される。 イまた、多くの非組合員と同一の役職に就任する資格が組合員にはないと主張する根拠として会社が陳述しているものは、アに述べた会社が組合を嫌悪する意思の表明に尽きるものであつて、結局、合理的な根拠は認められない。のみならず、職務の種類及び仕事の成果によつて賃金が決定されるとする会社の主張自体、職務の種類及び仕事の成果と賃金との合理的な関連性が疎明されていない以上、採用しがたい。したがつて、会社が組合員を多くの非組合員と同一の役職に就任させないこと自体が差別の表れであるとする組合の主張には、説得力がある。 確かに、会社の賃金支給の実態を見ると、厳密な意味において年齢及び勤続年数に伴つて賃金が順調に上昇してい 員と同一の役職に就任させないこと自体が差別の表れであるとする組合の主張には、説得力がある。 確かに、会社の賃金支給の実態を見ると、厳密な意味において年齢及び勤続年数に伴つて賃金が順調に上昇しているわけではない。しかし、上に述べたとおりの格付の決定に合理性が認められず、かつ、年齢及び勤続年数を基準とした賃金支給とみなしても差し支えない側面もある以上、やはり、原則としては、勤続年数とともに額が上昇していくことを前提とする組合の主張にも一応の合理性が認められ、同一の職務に属する者の間でなければ賃金を比較する意味がないとする会社の主張は、採用できない。そこで、以下、男女別に、組合が比較の対象としているものを検討する。 (ア) まず、女子について検討すると、比較の対象は、同一の勤続年数ごとに分かれた組合員と非組合員とであり、比較の対象に一応の客観性が認められる。 ただし、勤続六年の組合員については、これに対応する非組合員が存在しないので、勤続五年の非組合員の基本給額の平均値と勤続七年の非組合員の基本給額の平均値との中間値を比較の対象としているが、年数とともに額が上昇していくことを前提とすることに一応の合理性が認められる以上、これについても一応の客観性が認められる。 (イ) 次に、男子について検討すると、比較の対象となつている組合員は勤続五年から八年までであるのに対し、これに対応する非組合員は勤続三年から五年までとなつている。ここで、非組合員を組合員と同一の勤続年数の者に限定しなかつたのは、組合員と同一の勤続年数の者が、B賃金体系に属する者では、二名のみであつて、この二名のみとの比較では客観性を欠くためと考えられる。この結果、比較の対象となつている非組合員は、勤続三年以上の者となつているが、入社後間もない者を除くB賃金体系に属する男子全員と比較 であつて、この二名のみとの比較では客観性を欠くためと考えられる。この結果、比較の対象となつている非組合員は、勤続三年以上の者となつているが、入社後間もない者を除くB賃金体系に属する男子全員と比較しているのであるから、少なくともこのような非組合員と比較して格差の存在を追求することには、一応の客観性が認められる。 ウ以上のようにして設定された比較の対象間において格差が認められるかを検討すると、男子では、組合員の平均が九七、三三三円、非組合員の平均が一〇九、二〇〇円で、一一、八六七円の格差が認められ、女子では、勤続四年の者については、組合員の平均が八二、〇〇〇円、非組合員の平均が八五、五七五円で、三、五七五円の格差が認められ、勤続六年の者については、組合員の平均が八二、〇〇〇円、前記イの(ア)に述べた中間値が八六、一二五円で、四、一二五円の格差が認められ、勤続七年の者については、組合員が八三、〇〇〇円、非組合員の平均が八七、〇〇〇円で、四、〇〇〇円の格差が認められる。しかし、このような格差の合理的な理由については、疎明がない。 エ以上により、組合員と非組合員との間に格差があることは、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては組合の弱体化を図つたものであると認めざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 (2) 役職手当についての差別の存否別表1及び別表2によると、役職手当は、組合員の男子には、支給されていないのに対し、非組合員の男子には、平均額にして、二、三三三円が支給されている。 これについて、会社は、役職手当は、役職に就任している者のみに支給されるものであり、組合員は、役職に就任していないから支給されていないのであると主張する。確かに、会社の主張するとおり、役職手当は、役職について支給されるも 役職手当は、役職に就任している者のみに支給されるものであり、組合員は、役職に就任していないから支給されていないのであると主張する。確かに、会社の主張するとおり、役職手当は、役職について支給されるものであることは認められる。しかし、役職に就任させることについての査定の合理性が疎明されていない以上、(1)に述べたのと同様のことは、ここにもあてはまると言うべきである。したがつて、役職手当についての前記の事情も、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものであると認められるから、B賃金体系に属する男子組合員に対しては、基本給額のほか、役職手当額についても是正する必要がある。 また、組合は、組合員dは、不当に主任職を解任されたものであるから、これに対し、主任手当を支給すべきであると主張するが、この点については、昭和五一年度賃金引上げ差別是正事件(昭和五二年(不)第一〇号)についての当委員会の命令において判断し、命じたとおりであり、主任手当二、〇〇〇円を支給すべきである。 3 C賃金体系に属する組合員に対する差別の存否C賃金体系に属する組合員k及びlと非組合員「F」との間には、一〇、〇〇〇円の基本給額における格差が存する。会社は、この格差の理由として、職務の種類が同じでも仕事の成果が違うからであると主張するが、k及びlと「F」との仕事の成果の差について具体的な疎明がなく、この主張は、採用できない。このことを2の(1)に述べた事実と考え合わせると、これも、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものと認めざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 4 よつて、当委員会は、労働組合法第二七条及び労働委員会規則第四三条により主文のとおり命令する。 別表1 昭 たものと認めざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 4 よつて、当委員会は、労働組合法第二七条及び労働委員会規則第四三条により主文のとおり命令する。 別表1 昭和五三年度賃金改定における組合員の賃金の格付<06605-006><06605-007>別表2 昭和五三年度賃金改定におけるB賃金体系及びC賃金体系に属する非組合員のうち勤続三年以上の男子及び勤続四年以上の女子の賃金の格付<06605-008><06605-009>(別紙)命令書青森地労委昭和五五年(不)第八号、九号昭和五八年八月一八日命令申立人紅屋労働組合被申立人紅屋商事株式会社 主文1 被申立人紅屋商事株式会社は、昭和五四年度賃金改定について、昭和五四年六月一日にさかのぼり、申立人紅屋労働組合の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 <06605-010>2 被申立人は、昭和五五年度賃金改定について、昭和五五年六月一日にさかのぼり、申立人の組合員の賃金を次のとおりとする格付を行わなければならない。 <06605-011><06605-012>3 被申立人は、申立人の組合員に対し、前2項の格付に基づき支給されるべき賃金及び諸手当の額とこれに対応する既に支給された賃金及び諸手当の額との差額を支払わなければならない。 4 被申立人は、前項の差額に対し、第1項の格付に係るものにあつては昭和五四年六月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、第2項の格付に係るものにあつては昭和五五年六月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わなければならない。 理由第1 認定した事実1 当事者(1) 被申立人紅屋商事株式会社(以下「会社」という。)は、肩 期日から完済に至るまでの間、年五分の割合による金員を支払わなければならない。 理由第1 認定した事実1 当事者(1) 被申立人紅屋商事株式会社(以下「会社」という。)は、肩書地に本店を置き、弘前市に弘前店をもつ大型小売店舗で、総合衣料、食品、日用品等の小売を業とする会社であり、従業員は、現在一七〇名である。 (2) 申立人紅屋労働組合(以下「組合」という。)は、昭和四九年一二月二一日に弘前店の従業員を主体に一〇七名をもつて結成された労働組合であり、組合員数は、現在一三名である。 2 組合結成後の労使の対立状態(1) 本件当事者間において、本件申立て前に、昭和五一年度賃上げ差別是正事件(昭和五二年(不)第一〇号)及び昭和五二年度賃金引上げ差別是正事件(昭和五三年(不)第七号)が当委員会に係属し、当委員会は、審査の結果、いずれについても救済命令を発した。このうち、昭和五一年度賃金引上げ差別是正事件については、会社は、当委員会の命令を不服であるとして、再審査申立てを行つたが、中央労働委員会は、初審命令の一部を変更して救済を命じ、この再審命令が確定した。また、昭和五二年度賃金引上げ差別是正事件については、再審査申立てが行われず、初審命令が確定した。 (2) また、昭和五〇年度夏季賞与差別是正事件(昭和五〇年(不)第二八号)、同年度年末賞与差別是正事件(昭和五一年(不)第一一号)及び昭和五一年度夏季賞与差別是正事件(昭和五一年(不)第二一号)についても、当委員会は、救済命令を発した。会社は、いずれも不服であるとして、再審査申立てを行つたが、中央労働委員会において、いずれも棄却された。会社は、このうち、昭和五〇年度夏季賞与差別是正事件及び同年度年末賞与差別是正事件について行政訴訟を提起したが、東京地方裁判所及び東京高等裁判 行つたが、中央労働委員会において、いずれも棄却された。会社は、このうち、昭和五〇年度夏季賞与差別是正事件及び同年度年末賞与差別是正事件について行政訴訟を提起したが、東京地方裁判所及び東京高等裁判所で再審命令が支持され、現在最高裁判所に係属中である。昭和五一年度夏季賞与差別是正事件については、再審命令が確定した。 (3) 以上の五件及び昭和五三年度から昭和五五年度までの賃金引上げ差別是正事件(昭和五四年(不)第五号、昭和五五年(不)第八号及び昭和五五年(不)第九号)を除き、組合結成直後の支配介入事件、組合書記長の四次にわたる解雇事件、昭和五六年度賃金引上げ差別是正事件等一五件が当委員会に申し立てられ、このうち、四件について救済命令が発せられ、三件が取り下げられ、現在八件が係属中である。 3 会社の賃金体系(1) 会社は、昭和五四年度以降適用すべき新給与規定を準備した。これによれば、会社の賃金体系は、A給与体系とB給与体系とに分かれている。 (2) A給与体系は、四〇歳以下の全従業員に適用される賃金体系であり、この賃金体系における基本給は、次の算式によつて決定される。 基本給=年齢給+職務職能給+教育給この算式において、年齢給及び教育給は、年齢・学歴によつて自動的に決定され、職務職能給は、人事考課による職務職能給の表(別表1のとおり。)の格付に応じて決定される。 (3) B給与体系は、四一歳以上の一般高年者に適用される賃金体系であり、この賃金体系における基本給は、「B給与体系基本基準給表」の格付に応じて決定される。この格付は、職務の保有する労働困難性、経営からみた労働価値及び職種的需要供給度によつて決定される。 (4) 別表2の職掌の欄に掲げる職務に就任している者には、基本給に加えて、同表のとおり職責手当が支給される。 4 昭和五四年 働困難性、経営からみた労働価値及び職種的需要供給度によつて決定される。 (4) 別表2の職掌の欄に掲げる職務に就任している者には、基本給に加えて、同表のとおり職責手当が支給される。 4 昭和五四年度の賃金協定及び会社の従業員の賃金(1) 昭和五四年三月一二日、組合は、会社に対し、昭和五四年度賃金引上げについて要求書を提出した。その後、数回の団体交渉が行われ、同年七月一五日、同年六月から前記3の新給与体系を適用すること、高校卒で一八歳の者の初任給額を年齢給五四、〇〇〇円、職務職能給三〇、〇〇〇円、計八四、〇〇〇円とすること等を内容とする協定書の調印がなされた。 (2) この協定書の調印後、同協定書に基づく組合員の賃金が別表3のとおり決定され、昭和五四年六月分から支給された。 (3) 前記3の新給与規定に基づいて、昭和五四年六月分からA給与体系及びB給与体系に属する非組合員のうち、勤続二年以上の男子及び勤続五年以上の女子に支給された賃金は、別表4のとおりである。 なお、同表に掲げられている者の中には、四一歳以上でもA給与体系に属する者として取り扱われている者が存する。 5 昭和五五年度の賃金協定及び会社の従業員の賃金(1) 昭和五五年三月一〇日、組合は、会社に対し、昭和五五年度賃金引上げについて要求書を提出した。その後、数回の団体交渉が行われ、同年七月一二日、平均六パーセントの賃金引上げをすること、高校卒で一八歳の者の初任給額を年齢給五六、〇〇〇円、職務職能給三二、〇〇〇円、計八八、〇〇〇円とし、大学卒で二二歳の初任給額を年齢給五八、〇〇〇円、職務職能給三二、〇〇〇円、教育給一七、六〇〇円、計一〇七、六〇〇円とすること、職責手当の額を改正すること等を内容とする協定書の調印がなされた。 (2) この協定書の調印後、同協定書に基づく組合員の賃金 職能給三二、〇〇〇円、教育給一七、六〇〇円、計一〇七、六〇〇円とすること、職責手当の額を改正すること等を内容とする協定書の調印がなされた。 (2) この協定書の調印後、同協定書に基づく組合員の賃金が別表5のとおり決定され、昭和五五年六月分から支給された。 (3) 昭和五五年六月分から、A給与体系及びB給与体系に属する非組合員のうち、勤続三年以上の男子及び勤続六年以上の女子に支給された賃金は、別表6のとおりである。 なお、同表に掲げられている者の中には、四一歳以上でもA給与体系に属する者として取り扱われている者が存する。 6 当委員会への救済申立て組合は、昭和五四年度賃金改定及び昭和五五年度賃金改定において、組合員と非組合員との間に格差があり、この格差は組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたもので、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとして、会社を相手に、格差の是正を求めて、昭和五四年度賃金改定における格差是正については昭和五五年七月二二日、昭和五五年度賃金改定における格差是正については昭和五五年一〇月二日、当委員会に対し、それぞれ、救済申立てを行つた。 第2 判断及び法律上の根拠1 当事者の主張(1) 組合の主張ア A給与体系に属するほぼ同一の勤続年数の組合員と非組合員とを比較すると、職務職能給額においては、組合員が低位に位置付けられており、職責手当は、ほとんどの非組合員に支給されているのに対し、組合員にはほとんど支給されていないという格差が存する。また、B給与体系に属する組合員kと別表4及び別表6に掲げられている非組合員「F」とは、ほぼ同年齢で職務が同一で勤続年数はkが長いにもかかわらず、基本給額は、kが低い。これは、組合を敵視する会社が組合員を賃金において差別し、組合 と別表4及び別表6に掲げられている非組合員「F」とは、ほぼ同年齢で職務が同一で勤続年数はkが長いにもかかわらず、基本給額は、kが低い。これは、組合を敵視する会社が組合員を賃金において差別し、組合の弱体化を図つたものである。 イ会社が組合員を多く非組合員と同一の役職に就任させないこと自体が差別の表れであるから、職務の種類が違うことは、賃金格差の理由とはならない。 (2) 会社の主張ア職務職能給は、職務の種類及び仕事の成果によつて決定されるものであり、勤続年数は、関係がない。賃金の比較をするのであれば、同一の職務に就任している者の間においてなすべきである。組合員と非組合員の職務職能給額が違うのは、多くの非組合員が就任しているのと同様の役職に就任する資格が組合員にはないためである。 イ職責手当は、特定の職務に就任している者にのみ支払われるものである。 ウ kと「F」との間に格差があるのは、職務の種類が同じでも仕事の成果が違うからである。 2 A給与体系に属する組合員に対する差別の存否(1) 職務職能給についての差別の存否ア会社は、審問において、組合員は会社の方針に対して非協力的である旨、組合の考え方は共産主義であつて会社の方針と相いれない旨及びもし組合員が高額な賃金を確保しようとするならば組合執行部の方針を一八〇度転換する必要がある旨を陳述している。これと第1の2に述べた事情とを考え合わせると、会社の組合に対する不当労働行為意思が推認される。 イまた、多くの非組合員と同一の役職に就任する資格が組合員にはないと主張する根拠として会社が陳述しているものは、アに述べた会社が組合を嫌悪する意思の表明に尽きるものであつて、結局、合理的な根拠は認められない。のみならず、職務の種類及び仕事の成果によつて職務職能給額が決定されるとする会社の主張自 いるものは、アに述べた会社が組合を嫌悪する意思の表明に尽きるものであつて、結局、合理的な根拠は認められない。のみならず、職務の種類及び仕事の成果によつて職務職能給額が決定されるとする会社の主張自体、職務の種類及び仕事の成果と職務職能給額との合理的な関連性が疎明されていない以上、採用しがたい。したがつて、会社が組合員を多くの非組合員と同一の役職に就任させないこと自体が差別の表れであるとする組合の主張には、説得力がある。 確かに、会社の賃金支給の実態を見ると、厳格な意味において年齢及び勤続年数に伴つて職務職能給額が順調に上昇しているわけではない。しかし、上に述べたとおり格付の決定に合理性が認められず、かつ、年齢及び勤続年数を基準とした賃金支給と見なしても差し支えない側面もある以上、はやり、原則としては、勤続年数とともに号給が上昇していくことを前提とする組合の主張にも一応の合理性が認められ、同一の職務に属する者の間でなければ職務職能給額を比較する意味がないとする会社の主張は、採用できない。そこで、以下、男女別に、組合が比較の対象としているものを検討する。 (ア) まず、女子について検討すると、昭和五四年度賃金改定においては、比較の対象となつている組合員・非組合員とも勤続五年から八年までの間に適当に分散されており、全体の人数も組合員が六人、非組合員が一一人となつている。また、昭和五五年度賃金改定においては、比較の対象となつている組合員・非組合員とも勤続六年から九年までの間に適当に分散されており、全体の人数も組合員が四人、非組合員が九人となつている。したがつて、比較の対象として一応客観性をもつと認められる。 (イ) 次に、男子について検討すると、昭和五四年度賃金改定においては、比較の対象となつている組合員は勤続六年から九年までであるのに対し、 したがつて、比較の対象として一応客観性をもつと認められる。 (イ) 次に、男子について検討すると、昭和五四年度賃金改定においては、比較の対象となつている組合員は勤続六年から九年までであるのに対し、これに対応する非組合員は勤続二年から八年までであり、また、昭和五五年度賃金改定においては、比較の対象となつている組合員は勤続九年から一〇年までであるのに対し、これに対応する非組合員は勤続三年から九年までとなつている。 ここで、非組合員を組合員と同一の勤続年数の者に限定しなかつたのは、組合員と同一の勤続年数の者が、A給与体系に属する者では、別表4及び別表6に掲げられている「71」のみであつて、この「71」のみとの比較ではあまりに客観性を欠くためと考えられる。この結果、非組合員は、全体として組合員より勤続年数の短い者が多くなつているが、しかし、入社後間もない者を除くA給与体系に属する男子全員と比較しているのであるから、少なくともこのような非組合員と比較して格差の存在を追求することには、一応の客観性が認められる。 ウ以上のようにして設定された比較の対象の間において格差が認められるかを検討すると、昭和五四年度賃金改定においては、男子では、組合員の平均が三八、〇〇〇円、非組合員の平均が五七、八八三円で、一九、八八三円の格差が認められ、女子では、組合員の平均が三八、〇〇〇円、非組合員の平均が四二、七〇九円で、四、七〇九円の格差が認められる。また、昭和五五年度賃金改定においては、男子では、組合員の平均が四一、八〇〇円、非組合員の平均が六三、六二二円で、二一、八二二円の格差が認められ、女子では、組合員の平均が四一、八〇〇円、非組合員の平均が四八、八〇〇円で、七、〇〇〇円の格差が認められる。しかし、このような格差の合理的な理由については、疎明がない。 エ以 二円の格差が認められ、女子では、組合員の平均が四一、八〇〇円、非組合員の平均が四八、八〇〇円で、七、〇〇〇円の格差が認められる。しかし、このような格差の合理的な理由については、疎明がない。 エ以上により、組合員と非組合員との間に格差があることは、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものであると認めざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 (2) 職責手当についての差別の存否別表3及び別表4によると、昭和五四年度賃金改定において、職責手当は、組合員には、aを除いて支給されていないのに対し、非組合員には、男子では平均額にして四、六六六円、女子では平均額にして三、〇〇〇円が支給されている。また、別表5及び別表6によると、昭和五五年度賃金改定において、職責手当は、組合員には、aを除いて支給されていないのに対し、非組合員には、男子では平均額にして七、八八八円、女子では平均額にして五、五五五円が支給されている。 これについて、会社は、職責手当は、特定の職務に就任している者のみに支給されるものであり、組合員は、aを除いて職責手当の対象となる職務に就任していないから支給されていないのであると主張する。確かに、会社の主張するとおり、職責手当は、特定の職務について支給されるものであることは認められる。しかし、当該特定の職務に就任させることについての査定の合理性が疎明されていない以上、(1)に述べたのと同様のことは、ここにもあてはまると言うべきである。したがつて、職責手当についての前記の事情も、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものであると認められるから、aを除くA給与体系に属する組合員に対しては、基本給額のほか、職責手当額についても是正する必要があ 組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものであると認められるから、aを除くA給与体系に属する組合員に対しては、基本給額のほか、職責手当額についても是正する必要がある。 3 B給与体系に属する組合員に対する差別の存否B給与体系に属する組合員kと非組合員「F」との間には、昭和五四年度賃金改定及び昭和五五年度賃金改定において、それぞれ一〇、〇〇〇円の基本給額における格差が存する。会社は、この格差の理由として、職務の種類が同じでも仕事の成果が違うからであると主張するが、両人の仕事の成果の格差について具体的な疎明がなく、この主張は、採用できない。このことを2の(1)に述べた事実と考え合わせると、これも、組合員であることを理由とした差別であり、ひいては、組合の弱体化を図つたものと認めざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 4 格差是正の方法格差是正を命ずるに当たつては、給与規定にない額を命ずるわけにはいかないから、比較の対象となる非組合員が受ける前記の額を上限として、AB各給与体系上の直近の額を支払うよう命ずる必要がある。 5 よつて当委員会は、労働組合法第二七条及び労働委員会規則第四三条により主文のとおり命令する。 別表1 A給与体系の職務職能給<06605-013>別表2 職責手当昭和五四年度<06605-014><06605-015>昭和五五年度<06605-016>別表3 昭和五四年度賃金改定における組合員の賃金の格付<06605-017>別表4 昭和五四年度賃金改定における非組合員のうち勤続二年以上の男子及び勤続五年以上の女子の賃金の格付<06605-018><06605-019><06605-020>別表5 昭和五五年度賃金改定における組合員の 金改定における非組合員のうち勤続二年以上の男子及び勤続五年以上の女子の賃金の格付<06605-018><06605-019><06605-020>別表5 昭和五五年度賃金改定における組合員の賃金の格付<06605-021>別表6 昭和五五年度賃金改定における非組合員のうち勤続三年以上の男子及び勤続六年以上の女子の賃金の格付<06605-022><06605-023>
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